第11回 社会福祉住居施設及び生活保護受給者の日常生活支援の在り方に関する検討会 議事録

〇 日時:令和元年11月19日(火)10:00~12:00
 
〇 場所:TKP虎ノ門駅前カンファレンスセンター2階 ホール2A
 
〇 出席構成員・参考人(敬称略)
   岡部  卓 (座長)
   大西  豊美 (構成員)
   奥田  知志 (構成員)
   鈴木  茂久 (構成員)
   辻井  正次 (構成員)
   西脇  誠一郎 (構成員)
   平野  方紹 (構成員)
   向井  順子(構成員)
   山田  壮志郎 (構成員)
   木村  美由紀 (参考人)
 
〇 議題
   日常生活支援住居施設における生活保護受給者の支援の在り方について
 
〇 議事
 
○岡部座長 定刻となりましたので、ただいまから第11回「社会福祉住居施設及び生活保護受給者の日常生活支援の在り方に関する検討会」を開催いたします。
皆様におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
まず、事務局から、本日の出欠席についてお願いいたします。
○西澤保護事業室長 本日の出欠席ですが、廣吉構成員と水内構成員が欠席、平野構成員が11時半ころに途中退席される予定です。
代理での出席は、新宿区、藤掛構成員の代理で木村様が出席されています。
出欠席については、以上となります。
なお、冒頭のカメラ撮影はここまでになりますので、カメラの方は御退室をお願いいたします。
○岡部座長 それでは、議事に入ります。
本日は、前回に引き続き、日常生活支援住居施設に関して議論を深めることとしております。
まず、前回の議論について、事務局でまとめていただいておりますので、説明をお願いいたします。
○清水室長補佐 それでは、資料を説明させていただきます。
説明に入る前に、資料の確認をさせていただければと思います。次第に続いて資料1が、前回の検討会でお出しいただいた意見への考え方ということでまとめた資料でございます。資料2が、日常生活支援住居施設のあり方についてということで、こちらについては前回の資料を、意見を踏まえて修正をしたものになってございます。それから、机上配付資料といたしまして、奥田構成員から「日常生活支援住居施設に関する見解(要望)」という形で御提出をいただいております。
不足のある方がいらっしゃいましたら、お申し出いただければと思います。
早速、資料の説明に入らせていただきます。資料については、先ほど説明させていただきましたとおり、資料1が前回の検討会で出された意見について考え方をまとめたものでございますので、こちらを中心に説明させていただきます。
まず、1ページ目をお開きいただければと思います。前段部分は、「日常生活支援住居施設の位置づけ」についてということで、それぞれ前回の検討会で、居宅生活への移行等々に関して御議論がされた部分でございます。
右側は、意見についての対応方針・考え方ということで、前回、居宅での生活が可能な場合については居宅生活への移行を目指すというのは一致した考え方ということで認識してございますので、それを前提とした上で、それぞれ個々人に応じた居宅生活移行以外の自立も支援目標として考えられるのではないかということで、全体的な基本方針の中にも、可能な限り居宅移行、居宅における生活への復帰を念頭に置きつつ、能力に応じて自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指すというものを位置づけてはどうかということで記載をしてございます。
1ページ目の下段でございますけれども、地域移行の中には、障害福祉サービス等を活用しながら地域に移行することも考えられるのではないか等々、ほかの社会資源の活用を含めて整理すべきではないかという御意見をいただいてございます。こちらも前提として、当然、ほかの社会資源を活用した上で居宅生活等が可能かどうか、またそういったものが活用できれば、そちらのサービスを十分に活用してということでございます。
後でまた、最終ページにつけてございますけれども、全体の意見を踏まえて、「住居のない者に対する支援の実施の流れ(例)」というものを整理してございますので、またそちらのほうでも内容、考え方を御説明させていただければと思ってございます。
2ページ目ですけれども、「日常生活支援住居施設の委託対象者の選定方法」というところで、前段でございますけれども、状態像の例だけでは判断が困難ではないかというところと、あと、前回検討会でも資料に記載してございましたけれども、辻井構成員の研究開発のシステム等を活用したことが考えられないかということで御意見もございました。
前回、資料においても状態像の例を提示しつつ、辻井先生のシステムを参考指標として用いてはどうかということで挙げてございます。本日、この後、辻井先生のほうからも研究事業の状況について御報告ということでお願いをしてございますので、またその御報告をいただいた上で御議論等もいただければと思ってございます。
それから、それぞれの本人の状態像の例と、その他の家族、他者との関係性を含めて考える必要があるのではないかというところでございます。こちらも、委託の判断におきましては、本人の生活能力と活用できる社会資源等を勘案して、支援の必要があるかどうかということで、もともと掲載していたものでございますけれども、前回の資料にも挙げました本人の状態像の例等については、①の本人の生活能力等を判断する際の参考として提示をしたものと、それに加えて②の社会資源ということで、ほかにどういった支援が活用できるかというところで、そこには家族、親族等の状況、またその他のインフォーマルサービスも含めて検討するということで挙げてございます。
それから、判断方法のところで、第三者の視点とか、ケース診断会議等、専門性を高める仕組みが必要ではないかということで意見がございました。こちらについても、基本的には福祉事務所が判断をする際に、他の専門機関等の助言を求めたり、関係機関の参加による会議体を設けたりということは、やはり適切な判断を行う上で望ましいものと考えてございます。
ただ、これを一律の方法として義務化をするかということになりますと、それぞれの各自治体の状況等もございますので、必要に応じてそういった専門機関等の助言を求めることができることとしてはどうかということで整理してございます。
その下も、いろいろな地域事情に応じて、日常生活支援住居施設の入居について限定することなく、柔軟に考えるべきではないかということで、これについても意見を踏まえた流れ図ということで整理をしてございますので、またあわせて御説明させていただければと思っております。
下も、その判断の順序というところで、段階的に判断の要素があるのではないかということでございますので、こちらも後ほど支援の流れ図のほうで説明させていただければと思います。
3ページ目でございますけれども、それぞれの支援内容ということで、それぞれ福祉事務所の援助方針との関係整理ということでございます。右側の考え方というところで、全体の中長期的な目標も含めて、生活保護受給者に対する支援の全体方針というものを福祉事務所で定める援助方針と、それを踏まえて各施設の個別支援計画を定めていただくということで整理をしたいということで、下のところでありますけれども、整合性を図るため、担当ケースワーカーとの協議等も必要ではないかということで挙げてございます。
それから、金銭管理の関係でございます。こちらについても、日常生活支援住居施設でやる金銭管理については、家計管理等の能力を身につけるための支援とすべきではないかということで、こちらももともとの全体の支援のあり方ということで、個別支援計画に基づいて自立の支援を目的として行うものということで位置づけたいと思っておりますので、金銭管理についても自己管理ができるようにすることを目標として行われるということではないかと記載してございます。
それから、支援の評価というところで、それぞれの個別支援計画、また事業全体も含めた質の評価ということで意見があったかと思います。こちらについても、当然そういった取り組みは必要だと思いますけれども、また事業等を実施した上で、その実施状況を見ながら、例えば支援計画のチェックの方法、また必要に応じて第三者評価等の実施のあり方については今後の検討課題とさせていただければということで挙げてございます。
下は、日常生活支援住居施設の要件ということで、それぞれ職員配置基準というところで、事業の実施が可能かどうかということも含めて検討すべきではないかというところで、中心的には、これはもともと検討会というのは来年度予算等も含めてこちらの政府のほうで委託単価等の設定に当たっては御意見等も参考にしながら検討させていただきたいということで挙げてございます。
それから、職員の専門性というところで、研修の実施等々、意見がございました。また、右側の考え方でございますけれども、無料低額宿泊所の施設長の要件は、業務経験は2年となってございますけれども、そこをより経験を求めるということで5年としてはどうかということで挙げてございます。
職員研修につきましては、必要性は御指摘のとおりかと思いますので、実施方法、内容等の研究を行いまして、実施に向けた検討を行いたいということで挙げてございます。
4ページ目でございます。上は、ハード面の基準等々に関しましては、無料低額宿泊所の附則で改善計画の策定などが設定されている無料低額宿泊所について、日常生活支援住居施設としての認定対象となるかというところでございます。
右側でございます。こちらについては、基本的には今回、日常生活支援住居施設の要件としては、支援に関する要件ということで考えてございます。したがいまして、その他の要件については無料低額宿泊所の最低基準を用いる予定とさせていただければと。今回、附則該当、例えば面積が基準に満たないものについても、法的には条件つきではあるけれども、無料低額宿泊所として位置づけられるものでございますので、省令上、一律に除外することは特に予定をしていないと考えてございます。
一方で、それぞれ無料低額宿泊所の改善計画についても、各自治体と事業書が協議をして策定をすることになってございます。こういった改善計画を実施されて、安定して事業が運営される見込みがあるかどうかというところは、それぞれの事業の実施、現状と改善計画の履行状況等々、個別の事業者ごとに異なるものと考えてございますので、そういった個々の事業者ごとに状況を含めて判断をされるものということで整理をしてございます。
それから、それぞれ施設の認定に関する処分性、また、下のそれぞれの個別の委託行為に関する処分性ということで御質問、御意見がございましたので、その点についても整理をしてございます。
簡単に申しますと、日常生活支援住居施設の認定については、認定行為自体は行政処分になりますので、それぞれ理由等の提示が必要になるというものであるかと思っております。
また、下のそれぞれの個々の委託については、行政処分ということは権利義務を直接的に拘束なり、提供するかということによって判断をされるものというところでございますけれども、基本的には、日常生活支援の委託ということに関しましては、それぞれ支援をどのような形で行うかというところでございますので、直接本人の権利義務には影響しないものであろうというところで、こちらについては行政処分には該当せず、不服審査の対象にならないものということで考えられるのではないかということで挙げてございます。
5ページ目については、施行スケジュールに関して、住宅扶助の面積減額についてということで御意見がございました。こちらについても、それぞれ意見がございましたけれども、今回、無料低額宿泊所として運営を行う者についても、原則どおり面積減額は適用する必要があるだろうというところでありますけれども、施設利用者の居住の場の確保に支障を来さないように一定の経過措置は必要ではないかということで、そういった委託を受けない無料低額宿泊所については、別途、一定の経過措置等も検討させていただければということで挙げてございます。
最後、6ページ目でございますけれども、こちらが前回の資料の中で委託の判断における流れ図を整理してございましたけれども、御意見を踏まえて整理をし直したものでございます。それぞれの目安としての大体の実施時期ということで、当初、目的としては緊急受け入れ先としての居所の確保というところで初期対応がありまして、それぞれ1カ月後ぐらいで状況の確認をして、それに応じた支援方針の決定、また、その状況に応じた必要な支援の実施ということで、徐々に3カ月後を目安としまして、必要であれば、それぞれの社会資源、障害の施策等も活用して、適切な移行先があればそちらのほうに移行していく。そうでなければ、日常生活支援住居施設での支援が継続されるということになろうかなということで整理をしたものでございます。それぞれ段階に応じたもの、また活用される社会資源と、下のほうにはそれぞれの判断における専門性の確保ということで御意見をいただいたものを図にしたものでございますので、こちらについても御意見をいただければと思ってございます。
続いて資料2でございますけれども、こちらについては御意見を踏まえまして、前回の資料を修正したものでございます。主に修正した点は赤字で整理をしてございますので、またごらんいただきながらと思ってございます。
ちょっとポイントだけ説明させていただきますと、4ページ目でございますけれども、それぞれ委託の判断というところで、繰り返しになりますけれども、生活能力等の状態と、ほかの活用できる社会資源に関して決定をするというところと、下のほうで、本人の状態を確認するために状態像の例等を活用してはどうかということで、流れを整理してございます。
そのほか、それぞれ文言といたしまして、自立の支援を目的としたというところで幾つか加えたところがございますので、こちらについてはごらんいただきながらと思ってございます。
それから、14ページでございます。職員の資格要件ということで、業務経験等と研修の実施ということも挙げてございますけれども、こちらについてもそれぞれの施行時点における一定の経過措置も検討する必要があるのではないかということで挙げてございます。
その他の点については、前回資料を踏襲したものでございますので、また追加での御意見があれば承れればと思ってございます。
説明は以上でございます。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
続いて、ただいまの事務局の説明でも紹介がありました辻井構成員から、日常生活支援住居施設の入居者の判定に係る調査研究事業の状況について御報告をいただければと思います。
それでは、辻井構成員、お願いいたします。
○辻井構成員 お願いします。資料は、前半はもう既に第7回のときに配ってあるものになります。あと、後半はまだ進行中で、ちょうど土曜日にも検討会をさせていただいたという状況ですので、もし今日、御意見をいただければ、まだ内容に関して修正が十分可能ですので、そういうことも踏まえてお話をさせていただきます。
もう既に御報告しているので、本当にさらっと確認だけ少しさせていただきます。
500ぐらいの無低、救護、両方に御協力いただいてという形で、無低だけでも300人ぐらいの方たちに御協力をいただいてということで、幾つかわかってきているのですが、はっきりわかってきている中身の一つとしては、救護さんの場合は、中で把握されて、必要であれば手帳を取らせるという形でこの間も来ているのですが、無低の場合は、特に後で出てくるのですが、知的な苦手さを持っている方たちがたくさんお見えなのですけれども、でも手帳を取るか取らないかは御本人の意思なので、取りたくない人は全然取る必要はないのですが、そういうことが可能な状況にあることそのものも知らない形で来ているというのがあるということは踏まえておくことなのかなと思っています。
あと、いろいろな方たちが中におられるということもわかってきて、刑務所を出てから行くところがない方とか、精神科の長期入院の方たちのその後とか、サービス付き高齢者住宅にいて軽度の認知症が出てきて、そのままいられないで放り出されたとか、とにかくいろいろな方たちがいるということがわかってきたということで、一応、29年、30年のお題としては、どういう方がいるのかというのを精神医学的及び臨床心理学的に把握することをしてきています。
基本的なスタンスは、障害があるから違うということではなくて、障害があるということはそういう支援を受ける権利を持っているということなので、そうした権利を有する方たちがどのぐらいいるのかという観点で行った調査ということは一応踏まえておきます。
一般的な知的な能力は100が平均であるのですが、入所の方たちはここが平均になってくるような話になりますので、無低で見ていっても半分ぐらいの方たちは知的なゆっくりさがある形。特に特徴的なのはIQ60台で、これは周囲がその方たちに対して何らかの支援をしようと思わない限りは普通はそのまま行ってしまう。最近は特別支援教育という観点で、今の子供たちに対しては細かに見ていくような視点がありましたけれども、今、大人になっている方たちに対しては、IQ60ぐらいの方たちは、本人は一般的に就労して、それを継続していくことについては一定の困難さがありながら、でもそれは気づかれない方たちだったのだということが1つ目のところです。
それから、認知症傾向が一般よりは少し高目になる。メンタルヘルス上も、鬱状態という言い方になりますけれども、そうした傾向はやはり高くなってくる。
身体症状等についても、もともと飯場に住まわれながらいろいろなところを順番に作業なんかで過ごしてこられる方が体を壊して働けなくなってしまうというような方たちがお見えになるので、そういう意味ではメンタルな問題と身体の問題という方たちはかなり高い割合でおられる。
自閉症の傾向なんかも一般と比べると高い割合になって、ADHD、不注意なんかの問題も持っておられる。特に不注意と落ちつきがないというと、診断がつくレベルの不注意さを持っている場合は、特に事務的な業務をやろうと思うと、まあまあできるのだけれども、それを持続することはなかなか難しいところがあるというのが全体の状況でした。
無低、救護で、やはり救護の方のほうが、特に知的や判断の面での困難さなんかは随分高いということは明確であるというお話でした。
もう一個が適応行動という形で、今回、あり方についての素案みたいなものがいろいろ出てきていますけれども、要するにどういう人たちが支援を必要とするのか。居宅における日常生活を営むことが困難という形の中で書かれているような、こうしたことができなければいけないというような日常のことを、心理学用語で言うと適応行動と言います。適応行動という観点で、知的障害や発達障害の方たちにおいて、国際的にももう9割ぐらいはVineland-Ⅱという適応行動尺度が使われているので、そうしたものを使ってみます。
これはIQと同じように100が平均で、100というのは年齢相応に日常生活に必要なことができる。要するに、大人だったら当たり前にできることが当たり前にできているというのが数字的には100という形でとれます。だから、IQの場合は120とかは意味があるのですが、適応行動の120とかはほぼ意味がないです。子供ならまだ意味があるかもしれませんが、大人だともう全く意味がない概念です。
これで見ていきますと、100がここです。ただ、これは理解として若干難しい部分があって、例えば家事のスキルというのがここにありますけれども、家事スキルなんかに関しては、基本的な調理が行える環境にないと、したことがないという形なので、できないという評価をします。だから、居宅生活でいるときよりは若干低目の評価になることがあるので、これよりはポテンシャルは高いと思います。ただ、現状評価でいくと、こうしたシビアな状況にはなってくるということです。基本的には、先ほど見てきたように、半分ぐらいの方たちは知的な苦手さがあったり、発達障害やメンタルの問題、身体の問題を抱えておられて、ほとんどの方たちは、大人だったら当たり前にできるような行動が今のところうまくいっていない方たちなので、本来できる方たちが怠けているということとは全く違うし、基本的には支援が必要とする方たちが多くであるというころで、そうした意味では日常生活支援施設にこの国が踏み込むというのは、全く御本人たちの人権というか、その人たちの尊厳を守ることで言うと、ふさわしいことになるということを思いました。
それをクラスター分析という統計手法で、同じような傾向がある人たちを集めてくるという手法です。そうすると、4タイプぐらいに分けることができて、特に知的な苦手さとか発達的な苦手さとか、メンタルの問題とか、身体の問題がない方が2割ぐらい。あと2割ぐらいが、身体的な苦手さ、特にメンタルの問題なんかをいろいろ持っておられる方たち。もう一個が知的の問題がある方たち。だから、当然支援の手法もこういう類型によってもちろん変わってくるわけです。
特に、知的にもかなり苦手で発達障害の傾向もあるという方たちが一番難しい形になります。特に、症状のない方たちが適応状況は高いという形になってきます。細かく見ていっても、そうした特徴を見出していくことができます。
ちなみに、年齢の段階で、割と若年のところで幾つかいろいろな症状の方たちが多くなって、年がいってからいろいろな難しさ等が出てきている方たちがいるのかなという話と、あと重要なのが、入所契約を理解していましたかということでいうと、症状がない人、あるいは身体だけの問題の人たちは大体理解していました。
ところが、知的な問題を合併する方たちの場合は、入所契約を余り理解しないまま、そのまま無低なりのところにおられる方たちがやはりあったので、そうした意味で評価をして、ある節目のところで、ここにいるというのはこういうことだけれども、理解していますかと。要するに、ほかに住む選択肢があるのだよということがちゃんと理解できるような状況で進めていくようにしていくことは必要なことなのかなと思います。
だから、御自分では理解していなくて、サポートがよりたくさん要る人をずっと支援もせずに、貧困ビジネスと今言われるような形態のところに置いておくことがより可能になってしまうということから考えると、ちゃんとアセスメントをして、ふさわしい場所にということは必要なことなのかなと思います。
それを受けて今年度、基本的な評価のスキームは利用者御自身が抱えている要因についての評価。昨年度、一昨年度やってきたような評価を軸にしながら、もう一個は、環境要因でその人を支えるものとサービス等の支援制度で何が使えるのかというところで多分来るのかなと。
とりあえず、まず何をしなければいけないかというと、利用者御本人の状況をアセスメントすることだと思いますので、それをきちっとできることで、御本人の個人の意思とか尊厳を尊重できるような暮らしにつなげるということになるのかなと思っています。
それで、昨年度までやっていたものでいろいろやると、大体2時間半かかるのです。ですので、かなり御負担をかけて調査に御協力いただいたということがあるのですが、確実に間違いなく福祉事務所で2時間半なんかとれるわけはないですから、それで現実可能な形でやれるようにということで、これらのことを踏まえた形で、今のところ、先ほど言った適応行動というもので40項目ぐらい、それから発達障害の特性のところを、今のこれからやるのは今のところ36項目ぐらい。メンタル、身体の項目が41項目、認知的機能、いわゆる知能検査に合うようなものが40項目ぐらいというので、これらをもとにして、年度末の御報告の段階のところでそれぞれ40、16、28という形で、35項目ぐらいのところと。ちょっと数字が合いませんね。新幹線で慌ててつくってきたので、また確認をします。かなり減っている形で、基本的には35分ぐらいでできるようなものを今のところは準備を進めているような状況になります。
この認知的なものだけ検査で、あとは聞き取りという形で、基本的にはタブレットでつけていただいて、終わった後に結果が出てくるという想定で準備を進めています。
もととなっているのが、これは文科省の系列でJST、科学技術振興機構の中の社会技術研究開発センター(RISTEX)の助成のプロジェクトで、こういうアプリをつくっています。アプリそのものは基礎チェックとメンタルヘルスと生活チェックということで進めていくのですけれども、この基礎項目チェックが基本的には今回の項目になっていくような形でやっていきます。
こうした形のアプリです。もともとのアプリ全般はスマホでできるような形のものなのですが、今回のは情報が情報でもあるのでつながない形で、コンピューターのタブレットの中だけでつけて結果が出るという想定で考えています。
それで、もともとのつくりがこういうチェックを継続してやっていくことで、ひとり暮らしが継続できるようにしていく。だから、知的障害や発達障害、特に知的障害の軽度の方でスマホを使えるぐらいの方たちとか、発達障害の方たちが日常の暮らしをしていく中で、かなり密に支援ができればいいのですが、特に就労をすると密な支援が福祉的にできなくなるので、そのときに本人や、ヘルパーさんが行ったときにつけていく形で、調子を崩したり、状況が悪くなる予兆をちゃんとつかんで、支援をより円滑にできるようにして、自分の調子を確認しながらやれるようにしていこうということがもともと全般のところで、そこの中の基礎チェックというところが今回の項目群になってきます。
このところは仙台のワンファミリーさんに御協力をいただいていて、例えば68歳の方なんかでこんなふうになっているように、アルコール依存の経過があって、ホームレスもなさっていたのかな、それで入っておられたという形です。私が調査にお邪魔したときにやったという形でPARSという、自閉症傾向なんかがすごく高くて、知的には軽度の遅れ系にちょっと入るかなと。日常生活のところは、社会性はまあまあここの中ではあれなのですが、運動なんかはできるにしても、やはりコミュニケーションとか日常生活のところはとてもうまくいかない状況になっていて、この方を支援の方といろいろつけていく。
これをどこぐらいで切るのか、これは恐らく事業所の方たちとかと御相談をさせていただいて、どのぐらいだと日住だよねとか社住だよねということを踏まえながら、また福祉事務所の方たちと少し検討していくことになるのかなと思うのですが、暫定的に75%、4分の3ぐらいはできているよという形でつけていくということで言うと、そこの中で支援者が少し聞きながら聞くとこんな形で、そうするとひとり暮らしはちょっと難しいよねという形になってきます。
これはもとのものが残っているので、もう少しわかりやすいような項目になると思うのですが、コミュニケーション面と読み書き系のところと、身辺自立、家事、地域生活、対人関係、遊びと書いてありますけれども、余暇の人間関係です。それから、コーピングと、作業的なことがうまくいくのかという話で、特にこの人は言葉で何かするのは難しいねみたいな感じになっています。
次がFさんで、この人はまだ入ったばかりで、ちょっとつけてみるという感じです。
黄色が支援者、ピンクが本人。だから、支援の人がつけるとこの黄色ぐらいのところで、本人がつけるとこんな形です。だから、本人は地域とか家事のところはそれなりにはできると思っているのだけれども、本人がつけていると身の回りのことも少し怪しいよねという形になって、対人関係は本人が思っているよりは少しできるのかなという形で、特にその2カ月ぐらいのところでこういうずれが出てきます。こういうずれは、個別の支援計画等に反映して、本人が取り組む支援というところにはかなり活用ができていくと思います。
本人がどうしたいと思っていてどうなのみたいなことがわかるという形で、支援者の評価が変わることもあるのかもしれないのですが、圧倒的に自分の状況がどうなっているかということがわかっていない人が多いので、そういうものがわかるような形にはなっているという話にはなるだろうと思っています。
結構あるのが知的障害で発達障害を持っている人で、自宅で暮らしていて、もう10年ぐらい就労している人なのですが、知的のおくれがIQで言うと60をちょっと切ってくるぐらいの感じになってくると、聞くと、僕はできていますと言うのだけれども、支援の人がつけると、いやいやそんなことはないでしょうという形で、活動のところはともかくとして、特に家事はできないし、読み書きは苦手な子なので、自分ができていると思っているけれども、できていないことがたくさんあったりするので、この辺は支援の上ではこうしたものを活用しながら、こういうふうになればできていることになるのだよということを確認しながら、日常生活を安全に暮らしていくという形につなげていくようなことを、今のところは準備しつつ進めている形になります。
ちょっと急に言われたので、きょう出せるのはこんなところまでです。
また来月から調査にあちこちお邪魔したりということを進めさせていただきながら、2月末ぐらいのところでまた報告会とかをやりますので、その段階では実際こんな形になりますというものをお示しできるのかなと思います。
こういうプログラムの開発を途中でお見せするというのは余りないので、ちょっと大丈夫かよという御不安を与えるのかもしれませんが、その段階までにはちゃんと大丈夫になると思います。
○岡部座長 どうもありがとうございました。
事務局からの説明及び辻井構成員から調査研究されている途中経過の御報告をしていただきました。
皆さんから御意見をいただきたいと考えておりますが、まず、奥田構成員から資料の提出がされておりますので、奥田構成員から、御発言をお願いいたします。
○奥田構成員 お時間をとっていただきましてありがとうございます。私は、NPO法人のホームレス支援全国ネットワークという団体の代表として、この場に参加しております。ホームレス支援全国ネットワークは、2002年にホームレス自立支援法ができまして、その後、全国組織として立ち上がりました。今、90ほどの全国のホームレス支援団体が加入しておりまして、中には無料低額宿泊所等、居住の支援等を行ってきた団体も多数含まれている団体です。その中で、日住に対してどうしていくのかとい検討委員会を立ち上げまして、この間、意見をまとめましたので、きょう後報告したいと思います。
「はじめに-全体として考えたいこと」のところですけれども、簡単に行きます。無料低額宿泊所は、長年にわたって行き場のない人たち、困難を抱えた人たちを受け皿として活用されてきた社会資源であるということですね。特に、都市部の保護行政にとっては有効な受け皿として利用されてきました。2000年以降のホームレスの急増の中で、保護課からのリファーも増えまして、その都度、引き受けの役割を果たしてきたのが無低でした。
ただ、無低に関しては、ガイドライン等を整えられた時期がありましたけれども、基本的には国の援助等もなく、現場での各団体の努力、経験の積み重ねの中で、ある意味、これはよくも悪くも独自に発展してきた社会資源であるということです。中には、貧困ビジネスという批判を受けざるを得ない業者がいたのも事実でありますし、何よりも人の困難につけ込んで、それを食い物にしていくということは言語道断、絶対に許せないと我々も考えております。
一方で、独自でそれぞれ発展してきた分野でありますので、例えば決まった支援内容等があったわけではないのですね。ですので、玉石混交の状態であったということは事実であります。
ただ、やはり貧困ビジネス議論の中で、私はこの10年ぐらい議論を聞いていて正直悔しい思いもあって、それは無低イコール貧困ビジネスであるという非常に乱暴な議論も一部あったということで、これは偏見である。やはり真摯に人の命を向き合ってきた歩みがそこにはあったということを、きょう改めて最初に申し上げたいと思いますし、私はこの玉石混交の現状を長く放置してきたのは国の無作為でもあるということを申し上げたいと思います。
良質なものから悪質と言われるものまで、あるいは施設の規模や支援の手続や帳票類、さまざまな支援メニューに至るまで多岐にわたっているのが無低の現実であって、それに一定の規制をかけたり、さらにあるべき社会資源としての日住、今お話があったところですが、これをまとめていく、ここまで広がった現実に対して一定の基準を今から押しつけていくというのは相当大変な作業だと思います。一方で、我々はこのまま放置されるのはやはりよろしくないと思っています。
今回、私の印象としては、ちょっと議論の時間が足りない。本当にこれで来年の春にスタートしていいのかというのは正直なところですが、一方でこの現状がいいとも言えないということでありますので、ここは生みの苦しみということで一歩踏み出したいと考えております。
ただ、これは最後にも書いていますけれども、願わくば来年度以降始まる新しい、特に日住は新しい社会資源として今後期待されていく、責任も伴うということですので、始まって再びほったらかしにならないように、継続的な議論と見直し等をしていくべきであろうと思っています。
それで、具体的なところですが、幾つかの項目です。まず1番目として、規制と委託のバランスについては、既に厚労省のほうからも返答をいただいているところであります。一言で言うと、家賃減額と日住の委託というのが同時並行で起こらなければ、家賃減額だけ先行されると閉鎖する事業所が出てくると考えております。
それから、支援のメニューと重層的な体制の構築。これも既に厚労省のほうから提案されているのが4階建てという表現をしていいかわかりませんが、支援の体制によって委託のランクを変えていくという御提示でありましたので、私たちもそれでよろしいかと考えております。
ただ、我々現場の者が考えた日住の支援メニューとしては、社住のほうの基本サービスを当然前提とした上で、以下、ここに書いているような内容、相談とかアセスメント等、家事の援助、健康管理、社会的な諸手続の支援と福祉等社会サービスの調整支援、これを分けて書いたのは、例えば年金の手続とか何もない状態で来られる方が結構いるのですね。ですから、まずは社会的なところへつなぐというところと、さらにその先、使えるべき福祉サービスとの調整をしていくというところです。
あと、交流の支援とか、あるいは私の施設も無低もそうですが、中で助け合いの仕組みができていっている。例えば掃除一つとってもお互いにやっていくという互助の仕組み、役割です。あと、地域の参加とか見守りの支援、スタッフのスキルアップ。それと、先ほどから本人の状態像、身体的なものを、辻先生のお話で私も日ごろ感じていることがそのまま数字になって出てきているので、そうだろうなと思いながら見ていました。
一方で、例えばそこに至るまでの経緯の中で相当困難な、例えばはっきりしているのは刑務所出所者等ですね。これは、例えば国土交通省さんの住宅確保要配慮者の議論の中で、大家さんの拒否感情で言うと、8割の大家さんが単身高齢者は入居を拒否すると答えているのです。外国人の場合は7割です。これがホームレスとか刑務所出所者になると、ほぼ100%、大家さんは入れたくないというところが出てくるのですね。
これは本人の状態、例えば障害云々の状態以前の問題で、今まで生きてきた経緯それ自体が非常に生きづらさに直結している。そのあたりを引き受けてきたのも、実はこの無低の役割でありました。ですので、特に支援が困難な経緯を持っている人たちの引き受けに関してどうするか。24時間体制であるとか、金銭管理、服薬管理、これをある程度のランク分けをして、今のところは、厚労省が御提示されているのは15対1から始まって、15対1、10対1、7.5対1、これは人数の配置だけでランクを決めているのですけれども、サービス内容での手厚さ云々というのは議論しなくていいのかというのは、一つ我々のほうが考えていることであります。
あと、委託に対する考え方なのですが、前回の議論でも私は言いましたが、日住が期待される支援が実施できる委託料がないと潰れます。ですので、厳しい規制の話もいいのですけれども、今後これがちゃんと成り立っていく社会資源としての委託については、やはり試算を行ってほしい。国の予算ですから、総枠を決めて何人で割るみたいな議論に最後はなるのかもしれませんけれども、それでは社会資源をつくる議論になっていないと思うのです。予算を頭数で割っているだけの話ですから、あるべきものとしては何が必要なのかということを試算していただきたい。
それと、常勤換算の方式で、入居人数を15で除したところで配置していくということですけれども、常勤1名当たりの委託費用は介護人材とか福祉人材の処遇の改善等も今言われている中で、同等の扱いをしていただきたいと思います。
次のページに行きます。委託費の中の15対1という議論の中で、ちょっと心配しておりますのは、人件費以外にかかってくるコストですね。そもそもないのは、この後にも出てきますが、イニシャル的なコストがないという、まず施設も何もかもあるという前提の中で人員配置の基準という議論になっていますけれども、管理費と事業費があるように、委託費の中には管理部分と事業部分ということを考慮していただきたい。さらに、15名以下の小規模のところをどうしていくか。これは逆に言うと人数配分としては手厚くなるわけですから、このあたりの配慮もしていただきたい。あと、夜間等に関しては、やはり夜間勤務というのは基本的に高くなりますので、そのあたりをどう考えるかということもあります。
あと、委託費に関して、地域の格差と稼働状況です。地域の格差に関しては、既に厚労省のほうから御提示いただいていますので、御配慮いただけると思っております。あと、稼働ですが、全国の平均を見ても、100%稼働で動いているところはそうないのです。ですので、空き室の部分というものをどう考えていくのかということです。やはり何%までの稼働を維持しているところに関しては、やはり運営ができる範囲で委託していく。逆に、空き家がないと緊急的な対応が全くできないということになりますので、そのあたりも積極的な意味で稼働率を考慮に入れるということは、100%稼働という前提で議論が進むのは現実的ではないのではないか。
人員配置基準ですが、資料2の人員配置基準が適当であると。15対1から始まるところは、それはそれで適当である。しかし、委託費が上記の考え方に合致しない場合は、この基準を見直すことも当然可能なのではないかといことであります。
さらに、15で除したという考え方ですが、例えば15人に対して1人、30人に対して2人はわかりやすいのですけれども、18人だったら何人なのかということについて、非常に細かい話ですが、現場は実はそう考えます。15人以上になれば2人配置なのかと。そうすると、当然運営的にはもたないという話になりますから、端数の部分に関しては15対1の割合で考えていく。つまり、例えば18人だったら3/15プラスアルファしていくというような考え方をしていただきたい。
職員資格と施設基準は、私たちは社住の基準でいいのではないかということを考えております。今、全国で人材不足で、福祉人材、介護人材が間に合わない。正直、この分野は相当厳しい現場になります。ですので、この人材を確保していくところに最初の時点で余り高いハードルを入れてしまうと、結局、日住はつくったけれども、職員がいなくてできないという話になりかねないのですね。私は育てていくという考え方をしていただきたい。ですから、頭に高い基準を持ってくるのではなくて、職員をどう研修等で育てていくか、どう資格をあげていくか、そっちのほうが現実的なのではないかと。
あと、経過措置に関しては、先ほど書いていただきましたけれども、改善する前は排除しないということを国の方針としていこうということがきょう言われましたけれども、その後に改善計画等を見ながらと書いていますので、これは自治体の判断になってしまうのではないか。
そうなると、まずは改善計画がある、改善の計画を出さなければいけないのは当然だと思いますけれども、まずは排除しないのだから日住を始める。始めた中で指導していくというのが現実的で、自治体さんの意向によって申請を認めないという話になってしまうのを危惧しております。
それから、これは非常に理念的なところですが、今、辻井先生の話もありましたけれども、日常生活支援とは一体何なのか、この分野において日常生活支援の概念というものをどう考えるのかと。例えば自立の支援というのが、非常に強い印象として私は見ているのです。先ほどの御回答の中にあった金銭管理も、自主管理、自立していくという目標のために金銭管理をするのだと。それはそれでいいのです。できる人はそうやってステップアップしていけばいいと思うのです。
でも、一方で、ある障害がある人たちにおいては、常態的な金銭管理、しかもこれが権利擁護までは行かない。いわば、私から言わせると、かつて家族がやってきたような事柄を日住でやっていく。家族機能の社会化みたいなものを考えざるを得ない人たちもいるわけです。ですから、必ずしも支援して訓練したらどんどんステップアップしていくということのみならず、現実はあるわけでありまして、そういうことで言うと、日常生活支援とは一体何なのかということですね。そこのところは、今後も検討していただきたいと思います。
その次、退所後の見守り等についてです。その施設から出た後も継続して見守っていくということがやはり必要なのではないか。救護施設さんも通所型の事業をされていますけれども、近い将来、このような活用の仕方も検討に値するのではないかと思っております。
これは直接関係ないのですが、移行支援事業の移行先を一般のアパートのみならず、社会副施設等への移行、これは日住からの移行先としてもう既にグループホーム等を挙げられておりますので、そんなに難しい話ではないと思っております。
あと、大事なところですが、人材育成。これは国のほうでやると先ほど回答していただいていますので、ぜひやっていただきたい。できることならば厚労省内で連携して、私は生活困窮者のほうにもかかわっていますので、生活困窮者自立支援制度の一時生活支援事業の人材に関しては国研修等の対象になっていませんので、この4年間、ほぼ何もない状態で来ているのです。ですから、これは居住にかかわる分野、同じ分野なので、ぜひ社援局内でうまく連携して、一時生活支援事業の人材と日住の人材、もっと言うと、日住に来る手前に一時生活支援事業が入ってくる可能性が高いと思うのです。一時生活支援事業で一旦受けて、日住で受ける。それから、さらに社会資源へと。そういうパターンが出てくると思いますので、人材に関してはきちっとやっていただきたい。
あと、なかなか言っても難しいかなと思うのですけれども、言っておきます。日住に関しては、もう既にあるものをどう位置づけ直すかという議論がベースになっていますけれども、今後新たにつくる、これこそ日住だということをつくっていくということにおいては、イニシャル面とか社会資源としてこれを開設していくということに対する支援はしないのか。
社会福祉全体の施策の中で日住というのをどう位置づけていくのかというのも、今後の課題だと思います。具体的には、今、辻井先生の御発表でも、救護と日住の対比というのがいっぱい出てくるのです。これは単なる入所者の状態像の問題だけではなくて、施設の位置づけとしてもある意味非常に近いところにいる分野だと思うのですね。ですので、今後、救護さんとの間で相互利用的なものをするとか、社会福祉全体の中で日住というのをどう位置づけていくのか。
住所地特例に関しては認めるという方向になっていると思いますので、いいと思います。
福祉事務所の責任と協働のあり方ですが、やはり福祉事務所さんとの連携が一番大事になってきますので、このあたりを非常に丁寧にしていただいて、日住は福祉事務所から具体的には委託先ということで認定されていくと思うのです。個別ケースに関しても、この人の支援計画はこれでいいのかということになりますので、そこのところを明確にしていただきたい。
16番目ですが、3年後に今回の検討会議の見直しをぜひやっていただきたい。今回でスタートしてそれっきりにならないように、本当にこれをつくってよかったのか、現実的に回るのかどうか、私は3年目に見直しをすると。5年と言いたかったのですが、別に厚労省を責めているわけではないのですけれども、今回議論の時間が足らなかったというのが私の実感なので、非常に見切り発車的に始まる来年の春からすると、3年目見直しというのは、私はあるべきだと考えています。
あと、日住に関して、今後、以下に書いているような内容をぜひ研究事業としてやっていただいて、検証のときのエビデンスとして前提としていただきたい。例えば人材育成にしても、どういうカリキュラムにするのかというのをぜひ来年度研究事業として起こしていただきたいと思っています。
「おわりに」ですが、ホームレス支援全国ネットワークは、これからも絶え間なく歩んでいきたいと思っています。ただ、一方で、私たちは事業者と言われるのですけれども、事業を行っていく現場の主体として、自分たちで一つ目標を決めたり、基準を決めたり、自分たちでみずからただしていく面、あるいは国に対して要望していく面等々、やはり役割があると思っていますので、今後、日常生活支援住居施設でお互いの連携ができるような組織体系を構築したい、それのホームレス支援全国ネットワークとしては働きかけていきたいと考えています。
長くなりましたが、以上です。
○岡部座長 どうもありがとうございました。
それでは、皆さんから御意見をいただきたいと考えておりますが、平野構成員、途中で退席をされるということですので御意見ございますか。
○平野構成員 そのときに発言しますので。
○岡部座長 では、そのときに御願いします。
辻井構成員から最初に御報告があり、それから奥田構成員からの御発言もありましたが、そのことを含めて、いずれかのところでも結構ですので、御発言をお願いできればと思います。
山田構成員、お願いします。
○山田構成員 最初の事務局の説明のところでもよろしいのですね。資料1のところで、前回の議論に対する意見への事務局としての御見解を示されていると思うのですけれども、最初の1ページ目のところで、前回の話の中でも大分議論のあったところだと思いますけれども、居宅移行の位置づけ方についての見解が示されていると思うのです。ここに書いてあるような形で、可能な限り居宅移行を目指していくということはいいのではないかと思っているのですが、資料2の中でそれを明確にしていくというか、資料2が今後どういう使われ方をしていくのかわからないのですけれども、基本的な方針としてこういう考え方でいくというのが資料1では示されているのですが、資料2のほうには反映されていなくて、例えば資料2の1ページ目で全体整理案が出て、上の囲みの2つ目の○では、居宅生活を営むことが困難な人が支援を受けながら生活を送る場として位置づけられていますが、例えば当面は居宅生活が難しいとか、基本的な方針のところで書いているような考え方を資料2とか、今後基準づくりをされるのかもしれませんが、そこで反映させていただければなと。
あと、しつこいようですけれども、1ページの矢印の視点が、日住だと居宅移行に向けた支援がなされないような感じに誤解されてはいけないのではないかという話が1点です。
もう一つは、今回、フェーズの図を改めて示されたかと思うのですけれども、先ほどの話は出口としての居宅の話だったのですけれども、入り口のところで、例えばフェーズ1のところを見ると、想定される居所として、最初に福祉事務所での面接があって、その後の一時的な滞在の場だと思うのですけれども、そこで保護施設とか日住とか無低とかが出てくる。それ自体はいいと思うのですけれども、一般住宅というのがその次のフェーズ2のところから出てきていて、自治体にもよると思うのですけれども、日住とか無低とか他法の施設とか、そういったものが余りないところだと、割と直接アパートで保護をするという例もあるのではないかと思っていて、見ようによっては、保護申請があって直接アパートという運用ができないかのように見えてもいけないかなと思うので、ここの表現は工夫されたほうがいいのではないかと思いました。
ひとまず以上です。
○岡部座長 事務局のほうで御質問、御意見に対しいかがでしょうか。
○清水室長補佐 資料2のつくりというか、最終的には資料1も含めて全体を整理させていただければと思っておりますので、その中で御意見を反映させていただければと思ってございます。
それから、いただいた御意見、それぞれ実施の流れについても御指摘のとおり、そこを排除する意図ではございませんので、また、御意見を踏まえて全体の資料等を整えてまいりたいと思っております。
○岡部座長 では、向井構成員、お願いします。
○向井構成員 まず、資料2の1ページ目で非常に違和感があるのが、生活保護受給者の支援の必要度に応じて、「居宅」、「無低」、「施設」の3つに分かれているというあたりです。関東を中心とする一部の自治体では、今このようになっているのかもしれないのですけれども、生活保護を実施する全国の福祉事務所から見ると、すごく違和感があるというのが最初の意見です。
あそこのホワイトボードを借りてもよろしいですか。
(ホワイトボードに移動)
3つに分かれるというのは、多分、関東を中心とする無低のヘビーユーザーである市町村を中心としている図であって、例えば大阪もそうですけれども、四国も九州も、最初に生活保護の申請があった場合に、この3つに生活保護の人が分かれるのかというのは誰も思わないと思うのです。申請があれば、基本的にはほとんどが、居宅保護の原則ですので、居宅で、その上でどうしても居宅が難しい人について施設という考え方で我々はやっております。
ただ、居宅にはすごく幅がありまして、一人で自宅で暮らせる方もいらっしゃれば、そうではなくて、家賃の民間代理納付を使うことでおうちの確保が継続できる方から始まって、日常生活に必要なお金の管理が必要な方、いわゆる日常生活自立支援事業を使って金銭面において全面的に支援が必要な方もいらっしゃれば、介護や福祉サービス、見守りネットワークなど、地域にあるいろいろな資源を使いながら、支援つきで居宅ができる方というのが幅広い層としてあります。
例えば、大阪市であれば、日常生活自立支援事業を3,000人ぐらい使っていますけれども、4分の3は生活保護の方なのですね。なので、支援が必要な方がたくさんいらっしゃるというのは非常によくわかっています。
一方で、関東の一部の地域では、現実問題として居宅の申し込みがあって、支援つきで居宅可能と思われる方につきましても、また、一人で地域で住める方についても、すぐに敷金を出して居宅を構えられない方については、多分、無低を御紹介されていると思うのです。
例えば居宅で支援つきだけれども、その支援がすぐには準備できないとか、日常生活自立支援事業の待機が半年ありますという場合は、日住で支援を受けながら待つ。または、べったり支援が要る方、でも保護施設に今は入れないというような事情がある市町村については、一旦、日住に入って、やはりどうしてもここでは支援が足りないということであれば、その後保護施設に移ったり、逆にサービスが整えば居宅にというのも当然あるべきだと思うのです。
最初に入り口のところをここに書いていただかないと、関東以外の福祉事務所につきましては、いつの間にこんなに3つに分かれることになったのかと思ってしまいます。
私は、日住や無低の存在を悪いとか、いいとかいうつもりはなくて、入り口論としてまずここのところをきちんと書いていただいた上で、本来は居宅可能だけれども、一旦無低に行っておられます。本来は施設の暮らしがいいけれども、今は無理なので日住に行っておられますというところを書いた上で、ただ、ここにいる期間がどれだけかというのは、またそれも自治体によって違うかと思うのですけれども、ここだけはちゃんと書いていただかないと、多分なかなか理解が得られないのかなというのがあります。
次に流れのところで申し上げますと、私たちはおうちのない方から申請があれば、最初にその方を、、一時保護所的なところに入っていただくこともあります。そこでは2週間の間に生活保護の開始決定をする。決定に当たっては当然に、保護の方法も決めないといけませんので、それが「居宅保護」なのか、「施設保護」なのか、そこも含めて基本的には14日以内に、長くても30日で決めていくというのが一つ流れとしてはあります。
なので、とりあえずどこかに入っていただく。そこから3カ月という考え方が本当に大丈夫なのか。一番怖いのは囲い込み。辻井先生もおっしゃってられましたけれども、判断能力の低下されている方、または知的に障害がある方については、きちんとすべての情報を提供して、あなたが選択できるのはこれとこれですというのができるのかというのが必要になってくるかと思います。
私は、2回ぐらい前に事業者の方に質問するときに、苦情解決の窓口のことを質問させていただきました。本来、辻井先生の説明されたような入居者の方たちが、苦情解決の仕組みを簡単に使うとは思えないのです。そういう方たちは支援が必要だ、苦情があるというときでも、手を挙げにくい、声を上げにくい方たちなので、本当はもっとそこら辺に切り込んでいく必要があると思っているのですけれども、そんなことも含めて、最初の1ページ目のところがどうも一部の市町村、ヘビーユーザー向けの切り口になっているのではないかなというのを一つは正してほしいなと考えております。
以上です。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。
○西脇構成員 私のほうから、まずきょうお配りしていただいた資料1の3ページで、研修の関係で前回いろいろ私のほうから意見を言わせていただいて、厚労省さんのほうでいわば質の向上ということで検討していただくということを書いていただきましたので、どうもありがとうございます。
その次の4ページですが、いわばハードの関係というか、日住の要件ということで、附則で認めるという、改善計画前提のところについても日住の対象にという形で考え方が今回示されています。
本音としては、附則で、まだ改善計画中のものが、実際に日住になって本当に支援として十分できるのかというのは非常に危惧しているところでございます。ただ、こういう形で今回考え方が示されたということであれば、仮にこのとおり附則の対象も日住になるといった場合、これはあくまでも条件つきでなるもので、少なくとも改善計画を履行しますということが前提で初めて日住を認められるものになりますので、当初出された改善計画が実際に予定どおり履行されなかった場合にどうするのか。ここを非常に危惧しているものでございます
端的に言いますと、一度日住で都道府県が認定をした場合、改善計画が履行されなかったといった場合に認定取り消しというのは当然行政処分になると思いますので、それなりの手続が必要になってくるということになります。では、実際に認定取り消しするまでの間、日住でお金を出し続けるのかというのも、やはり福祉事務所としても非常に危惧を感じるところでございます。そうなると、改善計画が実際に履行されなかった場合どうするのか、そこは厚労省さんのほうできちんと整理をしていただきたいと思います。
私のほうからはその1点ということで、よろしくお願いいたします。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
ほかに御意見、御質問はいかがでしょうか。鈴木構成員、お願いします。
○鈴木構成員 東京都さんや大阪市さんのほうからも意見が出ていましたけれども、あと奥田委員からも話がありましたが、かなり難しい話だなと思います。すごく矛盾をはらんでいるのです。
そもそも、前回も言いましたけれども、部屋がない状態、物理的に借りられなかったり、能力的にというようなところがありますけれども、それはあくまでも借りられないという状態であって、それは本当に個々さまざまな要因、それが1つではなくて複合的な要因なんかも含めてあるものだと思うのですね。そこをどうするか。サービスなんかも個々に応じてという形になるので、先ほどの奥田委員の資料にもこんなにずらっと並んでいるのですね。その一方で、高齢や障害などの専門施設ともまた違う施設という、すごい難しさをはらんでいる。
だから、対象者にマッチしようとすると、逆にそれが選別につながるおそれもありますし、職員体制などについても、これだけのサービスをやると言っておきながら、資格要件ではかなり厳しい、ある程度の資格というと人が集まらないのではないかみたいな話になってしまって、そういう中ではかなり難しいことを我々は検討しているのだなと思うのです。
そういう中で、社会福祉住居施設としてハード面の整備がされた中で、前回も私のほうでお伝えしましたけれども、利用される方にとって良い施設にする、地域での自立を目指す施設にするんだと。そのためにもアセスメントをきっちりし、支援をする体制を整えた、その体制の人件費に対して委託費を打っていくというようなある程度わかりやすい構図にしないといけないのかなと。
あと、経過措置の件、附則の話がありましたが、私は経過措置で改善をする施設については、一時の住居だとしても、利用されている方が急に居住できなくなる可能性があることを考えると、改善計画中は認めるべきではないのではないか。きちんと改善された施設で人の担保をするところに委託費を打つべきではないかと考えます。
以上です。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
平野構成員 途中退席する関係で議論は飛ぶことになりますけれども、今回の議論の中の一つに、さっき辻井先生もありましたけれども、入る段階で一定の指標をつくってそれを参考にいるという、そこは私も賛成だと思っております。資料2では、8ページにこういう項目をイメージしてチェックする、ここについては異論はないのです。
実は次の問題があって、出口の問題を考えておく必要があるのではないかということです。一応期間の限定はあるとしても、どういう段階で出てもらうのか。理想を言えば、問題点が全部解決すれば出てもらうということですけれども、それができるかというと難しい問題がありますし、またそれができるまでいると、ずっと囲い込みになってしまうということになると思うのですね。恐らく全部の項目が自立するというのは難しいと思います。
そうなってくると、どういうレベルで出すシステムをつくるのか、出した後のフォローアップをどうするのか。さっき奥田委員からも出されましたけれども、そういうことも考えておかないと、多分入れっぱなしになってしまって終わってしまう。どういう段階で出すのか。期間が来たから出てもらいますでは、言葉は悪いですけれども、たらい回しになってしまいますし、個別支援計画の中身をどういうふうに現実的なものにするのかというところが課題になってくるのかなと。そこをやらないと期間が来たら出してしまう、あるいはずっと抱え込むか、そこが次の問題として出てくるということだけ、こちらの意見として出させていただきます。
○岡部座長 ありがとうございます。
奥田構成員、お願いします。
○奥田構成員 先ほどは全国ネットワークの方のまとまった意見でした。
私は、一つは日住の、うちの場合ですけれども、居宅で頑張って最初ホームレスから居宅。しかし、加齢とともになかなか難しくなってくる。例えば介護系の施設が使えれば、そのところまで行けばいいのですけれども、その間として逆に日住を使っているというケースがあるのですね。だから、居宅の出口と言ったらおかしいけれども、居宅から施設の間に日住が入ってきている。いわゆる重いというか、支援が必要ではないけれども、日常生活支援という家族機能みたいなものが必要な人が、日住から、私のところで言うと最後は特養に行っているとか、そういう使い方もしているのですね。
ですから、日住が、例えば路上からの第一次受け入れのイメージだけで考えると、本当の移行施設、一時施設というイメージしかないと思うのですが、私はもうちょっと日住にはロマンを感じていまして、地域で生活していくための受け皿という面があるのではないか。それで必要となれば、次のところにまた行くということがある。それが1つ。
2つ目は、これは何回か私はここで発言しているのですけれども、委託費で言うと非常に施設的だし、措置的な感じがするのですが、大もと、この日住という存在は、ベースは単なる民間の契約施設なのですね。いわゆる民民の契約という部分と国が委託費をつけているところとの考え方、そのあたりを少し整理しておかないと、そもそもこれは措置施設ではないのです。先ほどのあれで言うと、日住は施設はなのか、居宅なのかというと、名前からすると住居施設なのです。住居でもあって施設でもあるのです。まことにわかりにくいものをつくっているわけですね。施設と言ったらもう制度に規定されるだけの話なのですけれども、契約はもともと自由契約で入っているわけだから、基本はいわば賃貸借契約書でやっているわけですね。ですから、そのあたりの措置的なところと、どうそれを理解したらいいのかという整理がないまま来ているから、措置から見ると、判断していついつまでの計画で、いついつまでには出すという話になってしまうと、民間の居住だということになると、本人の御意思という話に一方でなっていくし、そのあたりの整理がまだ足らないかなということはすごく思います。
3つ目ですが、私、ここまで煮詰まってくると、時間はないと思うのですけれども、そろそろ主要な無低をされている方々に、さっきの附則のところも含めて、今後やりますかという、今後、厚労省として幾つぐらい日住を想定していて、どれぐらいの規模でどれぐらいの定員が必要であるか。これはニーズとの調整も含めてそろそろやらないと、ふたを開いたら、日住をやる人はいませんでしたという話になりかねないと思うのですね。
ですから、今、無低には1万5000人ぐらい入っているという調査の結果が出ているのですけれども、今回の面積の規制も経た上で、しかもその移行期間、改善期間は認めないということにもしなれば、せっかくつくったけれども、やる人はいませんでしたという話になりかねないので、そのあたり、厚労省としてどれぐらいの社会資源をつくろうとしているのか、どれぐらいの定員をそこでカバーしようとしているのか。
難しい問題はあると思います。これからの問題とかいろいろなところで調整されると思うので、幾らいいことを言っても、最終的に予算がつかなければ、それしかできないという話になるとは思うのですけれども、私は数年この議論に加わっているのですけれども、その前の議論からするとことしで4年目です。なかなかあるべき論にならない。現実からどんどんスタートしているので、どれぐらいの規模で何人ぐらいの方が想定されるのか、そしてその受けるべき支援とは何かという、そのあたりの像が見えないまま進んでいるような感じがしてならなのです。
以上です。
○岡部座長 ほかに御意見、御質問はいかがでしょうか。
大西構成員、お願いします。
○大西構成員 奥田さんの2つ目の質問の結論から言えば、措置施設というのは社会福祉法人か、共同募金会か、地方自治体しかできない。そこと一緒に考えようとするから難しくなってくる。私からすれば、現在の優良な無低が日住になると考える。今の3つ目の質問で、幾つあるのかなというのは私も疑問がありますね。
できれば、しっかりした運用をそこへ担保してもらおうと思うのであれば、2の質問に返りますが、社福ぐらいの法人格をとっていただいてやってもらうのが、社会から見てもある一定の評価をされるのではないかという思いを持っています。
大阪市の課長さんのお話で、私も一番気になっているのは入り口の部分で、アセスメントに3カ月かけて日住で生活させますね。3カ月目に、この間も質問しましたけれども、ケースワーカーの人がそこへ行って、どうしますかと言ったときに、この人はこのままここで生活してもらうのが必要ですよねと。本人は3カ月そこで生活したら、なじみますよ。ほかへ行きたいという利用者はいないと思います。その入り口の部分をせめて、課長が言われたように1カ月ぐらいでアセスメントの機能をしっかりさせて判定していくということ。願わくば、繰り返しになりますけれども、そこへ第三者の目も入るような形で推移させないと、せっかく公費を投入したけれども、結局はある一定の事業者が利用者を抱え込んで、本来進むべき支援の場にたどり着かずに必要な支援を受けられない状態になるのではないかということを当初から懸念しているわけなのです。
必要に応じて見直しの機会を設けるなりして、せっかくやる以上はいい事業者がしっかり育つようなことも大事だし、あわせて当初の貧困ビジネスという言葉を聞かれないような形になるのが理想だと思うので、その辺を言っておきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○岡部座長 ほかに御意見、御質問はいかがでしょうか。
では、山田構成員、お願いします。
○山田構成員 今、措置の話が出てきたのですけれども、確かに奥田さんが言われるように、契約関係で入っていく施設ということで、措置ではなさそうにも思うし、措置施設ではないということが今回の事務局の回答の中にもあるのですけれども、どういうふうに考えたらいいのかということを、今回でなくてもいいのかもしれないのですけれども、整理していただければなと。
要は、生活保護法30条の規定で言う救護とか更生施設と同じような並びで入っているわけで、救護や更生とは違って措置施設ではないというのはどこを根拠に考えたらいいのかという話とか、あと、今、大西さんのほうから措置施設の場合だと社会福祉法人と、要するに1種、2種の話を想定されていると思うのですけれども、日住というのが本当に1種社会福祉事業ではないと言えるのか。無低は2種社会福祉事業だと思うのですけれども、かなりのサービスを提供する施設として日住は位置づけられているので、だとすると、社会福祉法の解釈からしても、1種事業として位置づけるのが妥当なような気もするし、そのあたりの法的な位置づけについて、今回でなくてもいいかもしれませんけれども、整理していただければなというのが一つです。
○岡部座長 では、平野構成員、お願いします。
○平野構成員 今回の日住のあり方ですけれども、制度論的には既に1回試したことがあることだと思うのです。実は、障害者は2000年に法改正されたときに支援費制度というのを導入したのですけれども、ちょうどあれがこのスタイルなのです。つまり、基本的に施設と障害者が契約する。かかった経費を支援費として出す。今の介護保険とは違って、代理受領とかそういう発想はなくて、契約の上でかかったサービスの費用を支援費として出すという発想ですから、今回と同じスタイルなのです。今の介護保険とか総合支援法のほうは代理受領です。全部の経費をかわって本人が一遍立てかえてやるという発想なので、サービス部分を出すという発想なのですけれども、今回のはそういう意味では支援費制度が近いイメージで、実際にやってみたということだと思います。
その中で、2000年の法改正の中では1種、2種を外したわけです。2種の関係でも支援費制度でも参入できるという形にした。そういうスタイルを想定して考えていけば、実際にやってみた。残念ながら、支援費制度は財政的な問題で、途中で消えてしまいましたけれども、そういうやり方が先行例としてはあったということだと思います。
○岡部座長 奥田構成員、お願いします。
○奥田構成員 大西会長には悪いのですけれども、私、その抱え込みがだめだと、それはそうだと。でも、何をもって抱え込みかと言うかということを言わないままで、こういう場で抱え込みはだめだという話をするとミスリードになる。それが、無低イコール貧困ビジネスだという乱暴な議論となって、今まで良質な事業者たちを苦しめてきた。
抱え込みはだめですよ。本人の意思も無視して抱え込んでいく、それはだめに決まっていますよ。でも、一体何をもって抱え込みなのか。例えば半年超えたら抱え込み、本当にそれでいいのか。そこにおける、先ほど平野先生がおっしゃった出口の問題ですよね。その確認の仕方とか、例えば3カ月いたらなじみますよと、なじんでいいじゃないですか。そこで友達ができて生き生きと生きていけるのだったら、それはそれでいいではないですか。
私は、そのあたりは丁寧にしていただきたい。議事録に残るわけですから。知らない人が見たら、無低とか日住が抱え込み施設だというふうにとられかねない。これに関しては、きちっとここでは言っておきたい。だから、実証的にやっていただきたい。一体どれだけの事業者が日住としてこの責任を負おうとしているのか、そこを厚労省はちゃんと調べて、どれぐらいの事業者が何をしようとしているのか。そこをちゃんと出さないで、空中戦みたいな話をずっと続けるのだったら、やる人はいなくなると私は思います。だって、やっても悪口を言われるだけだもの。
○岡部座長 どうもありがとうございました。
○大西構成員 奥田さんとやり合うつもりはないですけれども、抱え込みについては本人の意思がはっきり表現できない人がその中にいた場合には、そういったことも可能性としてある。ある一定の支援が必要と思われるような人であれば、支援が受けられる場に移行することが当然必要。その判断を日住だけでなく、第三者などが入ることで客観性が担保できる。
○奥田構成員 そうです。だから、出口の基準の明確化というのが必要だと私は言っているだけです。ですから、危惧する面としては抱え込み、また新たな貧困ビジネスが起こると。その危惧は私もちゃんとチェックしなければいけない。それは当然のことです。
ただ一方で、日住の役割として、先ほど言いましたように、元ホームレスの人で居宅でずっと暮らしてきたけれども、10年たって、いわゆる高度な施設、介護施設等まで行かない、でもひとり暮らしは難しいというところで、日住が役割も得ているわけですね。そうなると、地域での日常生活を担っていくという役割もあるのです。
ですから、もうちょっと日住とは何かという議論がやはり足らないのだと。ここでさえイメージが一致しないというのは、なかなか大変だと思います。だから、3年後の見直しは必要だと。
○大西構成員 そこで何件あるのかというのが一番気になるところです。
○岡部座長 私のほうで少しお話しさせていただければと思います。
今、貧困ビジネスのお話が出ましたが、何がそこで課題になったかといえば、ハード面では、極めて不十分な住環境で生活をされている。かつ、ソフト面では、支援に当たる内容や水準に十分達していない。そのことに対し、生活保護費が支出されている。それ以外の福祉ビジネスや介護ビジネスでも同様の問題が出ている。問題は当事者が利用する居住施設によっては生活が最低限度の保障がされていないということになろうかと思います。
今、奥田構成員のお話があったように、奥田構成員をはじめとして、幾つかの事業者は極めて社会的なミッションが高く、一生懸命やられている。しかしながら、もう一方ではそういうことを行っていない事業者もいる。問題が起きたときは、その事業者が代表としてすべての事業者が問題だとされる。例えば公務員の方が何か事件を起こしたり、何か問題があったら、公務員全てがバッシングに遭うようにです。
良心的な事業者がいますが、問題が起きたときに社会のまなざしはそういう方向に向かうということが往々にしてあります。各事業者が積極的に、使命感と善意で行っていますが、そうでない事業者もおりますので基準をつくるということになりました。
とりわけ、ここでは生活保護の利用者の方のお話ですので、先ほど辻井構成員の御報告に、利用されていらっしゃる方を調べたならば、極めて心身に一定の課題を抱えた方、あるいは社会的な生活を営むにはなかなか難しい方がいらっしゃる。そういう方たちが利用されていることが非常に多いと御報告がありました。その方に対して、どういう状態なのかについてアセスメントを行う。それと、その人の尊厳という言葉を使われましたが、尊厳の根幹となる利用者の意向を尊重しなければなりません。
そうしますと、利用者の状態像をどう測るのか、あるいはその人の意向ということをどのように測っていくのかとなると、状態像を測るためのアセスメントをきちんと行わなければいけません。また、その人の意向を軸にして支援を行わなければいけません。そうしますと、意思決定支援のようなことをどれだけ専門的にくみ取ることができるか、その施設の中でどのような職員の配置をするか。あと、これまでも出てきたように、例えばプライバシーを守るためにある程度は間仕切りのできるような個室で進めていくという方向性の話が出されていました。
非常に建設的な意見が出されております。今、おっしゃった奥田構成員と大西構成員は、それぞれ御自分たちがやられてきた非常に良い実績のもとにお話をされていますので、それ程に違う意見とは思っていません。そのあたりのところは意見をより発展して議論ができればと思います。
その他私が少し気になったのは、一つは向井構成員がホワイトボードに書いていただいた点です。これは生活保護の決定実施のプロセスの中で、先ほど3カ月というお話が出てきました。基本的に保護の決定は法定期間が2週間以内と決まっています。やむを得ない事由がある場合については30日です。そうしますと、その中で生活保護の実施機関を決定しなければいけません。その中で、3カ月以内にアセスメントをするということをどう考えたらよいか、法的に技術的に考え方をすり合わせをする必要があると考えます。
もう一度構成員の皆さまにお返しして、議論をしていただければと考えます。
○鈴木構成員 そもそも論なので、個人的な意見だけですけれども、そもそも生活保護受給者だけをターゲットにして措置費が考えられているので、施設のありようが少し違ったものになっているのかなと。日常生活支援ということ自体どうなのだという話がありましたけれども、それは保護を受けている、受けていないにかかわらず、地域の中で生活していくということがどういうことなのか。奥田委員も困窮をやっているという話がありましたけれども、私も困窮制度なんかを担当していますが、そういう中では、今、国のほうも地域共生社会ということで、地域の中でいかにネットワークを組んで生活をしていくか、それを主体的にやっていこうかということで取り組んでいる議論がある中で、これはあくまでも生活保護の、しかも委託費に限定した話になっているので、そこの時点でなかなか難しいのかなという気がします。
保護の委託で考えるならば、先ほども言ったように、私はきちっとした、あくまでも自立の施設なのだという位置づけを明確にしてアセスメントをして、その方のアセスメントに沿った支援をきちっとやる人を配置したところに、その人の分を委託費として支払う。そういう仕組みなのではなかろうかと思います。
山田先生のほうからも前回出されていましたけれども、委託なのですから最終的には福祉事務所側が決定する。そういうスキームなのだろうと思います。
○岡部座長 では、事務局、課長、お願いします。
○梶野保護課長 向井課長の入り口のお話、資料2の1ページの絵の話ですけれども、そもそも日住の認定要件を御議論いただく資料ですので、この1ページは入り口ではなくて、支援内容をよく比較できるようにわかりやすく示した絵であります。要は、「日常生活支援」、「支援」ということなのですけれども、無料低額宿泊所でも支援をしていますし、救護施設でも支援をしていますし、在宅でも支援がある。支援とは何ぞや、日住の支援とは何ぞやということで、次のページ以降に出てきますような支援内容を御議論いただいて、無料低額宿泊所の支援内容はこうで、その上に乗る日住の支援はこういう内容ですと。そうしたら、そういう支援内容にはどういう要件、人員なりが必要かというのをまさに御議論いただくための資料で、それをイメージとしてわかりやすく見ていただくために、保護施設の支援内容、無低の安否確認といった支援内容、在宅の支援、そこを比較して、日住の支援内容、その要件を御議論いただくための絵であります。入り口の話で各自治体さんが誤解を受けるということであれば、説明のときにその辺は注意して説明したいと思っています。
○岡部座長 辻井構成員、お願いします。
○辻井構成員 先ほど、出口というか、無低をいろいろ回していただいたのですが、首都圏とそれ以外は大分違う形になっているなと思っていて、地方であると居宅で障害福祉サービスや介護サービスもあって、それが利用可能な状況になっているということなのが、首都圏で言うとそもそもそれがうまくいかないので、結果的に無低で預かっていただくという感じで、なおかつ無低にいる間にもそこが改善しないので、そのままいるというようなことが起きているということも一方はあるのかなと。
もう一個は、障害福祉サービスのほうの支援の質として、むしろこのまま日住のここにいたほうが支援としてはこっちのほうがいいよと本人が選択をするような周囲の障害福祉支援というようなことが、エリアによってはあり得るということがあって、結果的にはそのままいっているという話になるので、出口の問題から言うと、ほかにどういうサービスを自分は受けることができるということのお試しぐらいまでが本当は日住のアセスメントのところでできると、例えばヘルパーが来てくれてこんな形でやってくれるのだったら,別に家でもできるじゃん、僕は家のほうがいいよというようなこともあってもいいのかなと思うのです。
結局、縦割りのところで、ほかの情報がないままに福祉事務所にやれと言われても、福祉事務所の人も事業所まではできても、そこから先のコーディネートができるのかという問題はあると思うので、こういう仕組みをつくるのだと、ほかにどんなリソースがあるのかということのリストみたいなものが。
○岡部座長 そうですね。基本的に生活保護の実施機関、福祉事務所の生活保護の担当は福祉六法担当と規定され、ジェネリック(総合担当)制という考え方に立っています。そのため公私の社会資源、民間の社会資源と公的な社会資源を共に活用して自立の助長を図るということになります。
考え方としては、生活保護の実施機関がきちんとしたアセスメントを行い、プランを策定し社会資源の一つとして日住を利用する。利用するにはこういう利用の仕方、その中ではどのように連携や協働を行っていくのかが大切となってきます。
当然、日住のほうで、施設の中でアセスメントを行い、施設の中でプランを策定し支援していく。実施機関と日住が一体的に行っていただかなければいけないのが基本的な考え方です。
それと、1点だけ生活保護の話をさせていただきますと、第4条に補足性の原理、その中で他法他施策優先というのがあります。障害者総合支援法とか介護保険法の中で使うサービスは優先的に使っていただく。これは利用者が嫌だとか良いということではなく、法的にそのような規定がありますので、当事者がそのサービスを受けたくない、日住が自分のところでやりたいということではなく、それをまず優先的に利用していただくということを法的に規定していますので、その働きかけ、支援をしていただくことになります。
先ほど述べたように、障害者の総合支援法は3障害、それと発達障害もその中に入ってきていますので、ある意味では障害を総合的に、あるいは介護ということでもそうですし、そこでは十分できないという形ならば、ほかの資源を使っていくということになります。ニーズのアセスメントもしなければいけませんが、資源のアセスメントも行いプランを策定していくことになります。日住の職員の専門性ということでお話が出ましたが、生活保護実施機関の専門性に基づいた支援と同時にアドミニストレーションをきちんとやっていただくことがより実施機関に求められることになると考えます。
山田構成員、御発言をお願いします。
○山田構成員 今の話とも多少関連すると思っているのですけれども、辻井先生の先ほどの尺度というか、システムの話が出ていて、今、開発中とのことですが、先ほどの御説明の中で、本人の状態とか利用できるサービスとか幾つか尺度がある中で、まずは本人の状態をみてみたとのことでした。それが適応行動であったり、知的な問題というのがあると理解しているのですけれども、今の話にもあるように、社会資源とか、そういう部分の尺度も重要になってくるかなと思っていて、知的な問題のところに余りフォーカスされると、これをどう福祉事務所が使うのかという問題はまた別途あるとは思うのですけれども、社会的な観点から見ると、必要そうな人がその尺度ではすごく軽く出ちゃって利用できないということもあるだろうし、逆に障害のところがすごく重く出るのであれば、それはまさに他法でみるべきというか、日住で抱え切れるのだろうかというところはあると思っています。本人の状態を見なければいけないというのはあると思いますが、そういう社会資源のところを組み込む尺度というのが可能なのかどうかということ。それから、きょうのお話の中で、例えば適応行動のところで、今回、無低とか救護に入っている人たちを対象にされて、例えば食事が出てくるのだから、食事の面での適応行動力は低く出てしまうみたいなお話があって、そうだと思うのです。
これが例えば入り口のアセスメントのところで使われるとなると、住居のない人、例えばホームレス状態にある人のほうが食事の能力は高く出るのかもわかりませんけれども、その人の環境によって適応行動の尺度に違いが出てくるのではないかなと思っていて、そのあたりのことを考慮に入れたシステムみたいなものができるのかどうか。言うのは簡単なのもしれないのですけれども、そんなことを感じました。
○岡部座長 辻井構成員、御発言をお願いします。
○辻井構成員 ありがとうございます。おっしゃるとおりで、ただ何で切っていくかというところで、土曜日に議論をしていて、障害というところまで行かないぐらいのボーダーなラインなのだけれども、それが幾つか重なってしまうと大変という人は出るのかどうかみたいな議論とか、幾つかあるのですが、基本はこれで決めるということでもないので、そういう指標としては、まずベースのところとしてその人個人にどういうものがあるかということをまずは事務所にお示しして、そのエリアである資源の中で何が使い得るのかとか、その人がもともと持っている資源が。もともと持っている資源のところは確かに尺度で少し評価してもいいですね。そういう形で、要は障害、介護とかでケアマネジメントとやるような感じのことの作業を恐らく福祉事務所でやっていただくための資料ということで言うと、御本人のところなのかなということ。
あと、環境によっての話は、もし御本人がそういうものを少し続けてチェックしたいというような御意向を示していただければ、環境が変わったときにどのぐらい変わるのかということを実際に評価しながらということが幾つか重ねられれば、そのデータをもとにしてもう少し前に、こういう指標はこの後の環境変化によって反応するところとよく関連しますという形で、より精度の高い、より項目を少なくするということは技術的には可能になってくるという感じなので、スタートラインとしてはとりあえずまずはというところが現状です。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
大西構成員、御発言をお願いします。
○大西構成員 さまざまな社会変化の中で、いつまでも措置ということは古いのではないか、いずれの施設も契約施設になっていくのではないかという思いもあるのですが、やはり措置利用が望ましいという人がおられる。一方で、今の日住というのは本人との契約施設であり、この溝を埋めようと思ったら、対象者がよく似ているだけに難しい。その辺の仕切りをきちんとすること、私は何回も言うのだけれども、福祉事務所に大きな責任があると思うのです。そこはちゃんと判定していただいて振り分けないと、先ほどの議論でいけば、本人がここにいたいと言ったら、契約施設だからそれでいいのですよ。それを否定しているのではないけれどもね。ただ、そこでの生活のリスクについてしっかり判断できない人が含まれていた場合に抱え込みみたいなことになったら前と同じですよねということを言っているだけで、しっかり優良な無低が日住になって支援をしていただいたら、救護としっかり連携して、お互いの移行先ということも考えてやっていったら、正しい絵が描けるのではないないかと思っています。
以上です。
○岡部座長 時間がそろそろ来ましたので、2点だけお話します。
1点目は、辻井構成員から出たところです。これは山田構成員のお話でも、利用される方の対象層がいろいろな課題を抱えていらっしゃる。これは、単に心身だけではなく、社会的な課題もあるので、アセスメントで指標を作成するとき表現方法や内容等を慎重に作成していただきたいと考えます。
例えば、この利用者の方には知的に、あるいは精神、あるいはそれ以外の要素のある人であるということを含めひとり歩きすることがないような配慮をしてください。先ほどの貧困ビジネスではないですが、ラベリングされるおそれがあります。そこは気をつけなければいけません。先ほど山田構成員がおっしゃったように、これは措置に限定をかけ、総合的な判断はまた別で判断することも考えていただくということをしていただければと思います。これはまた今後議論をしていかなければと思います。
2点目は、奥田構成員から出されたペーパーは、我々が考えなければいけない課題を幾つも提示をしていただいています。来年の10月スタートと予定をしていますが、今後も継続して検討していく事項として大事な御意見として読ませていただければと考えます。
そのことに関連して、大西構成員から出されました契約施設と措置施設について、公的な関与度が必要であると判断される場合がありますので、措置制度は残さないといけません。それは児童、障害、そして生活保護の領域でも、措置制度は必要ということで措置制度は存続しています。大西構成員が全て契約でという将来予測をされましたが、そのようなことはないと考えます。例えば児童養護の領域であるとか、あるいは児童自立支援であるとか、精神での入院の措置を強制的にしなければいけないとか、幾つもそういうことで必要とされています。しかし、その中で適正な、その人の意向を最大化するということを考えながら施設を充実化させていくのだと思います。そのように考えていただいたほうが良いと考えます。
議論はこのあたりまでにさせていただければと思います。
次回は、これまでの議論をまとめて全体の意見の整理ができればと考えております。
事務局から連絡がございましたらお願いします。
○清水室長補佐 次回の日程の御連絡でございますけれども、11月29日金曜日の10時から、会場はこの建物の3階での開催を予定してございます。詳細については、決定次第、御案内をさせていただければと思ってございます。
○岡部座長 それでは、本日の検討会は以上とさせていただきます。皆さん、本当にどうもありがとうございました。