令和元年11月15日 第172回 社会保障審議会介護給付費分科会(議事録)

日時

令和元年11月15日(金) 10:00~12:00

場所

ベルサール秋葉原 地下1階ホール

出席者

委員 ※五十音順

議題

1.地域区分について
2.居宅介護支援の管理者要件に係る経過措置について
3.令和2年度 介護従事者処遇状況等調査の実施について
4.その他

議事録

 
○栗原企画官 それでは、定刻になりましたので、第172回「社会保障審議会介護給付費分科会」を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席賜りまして、まことにありがとうございます。
本日の委員の出席状況ですが、井上委員、河村委員より御欠席の連絡をいただいております。
また、尾﨑正直委員にかわり、大﨑和幸参考人に御出席いただいております。
以上により、本日は22名の委員に御出席いただいておりますので、社会保障審議会介護給付費分科会として成立することを御報告いたします。
それでは、冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。撤収方、御協力をお願いいたします。
では、以降の進行は田中分科会長にお願いいたします。
○田中分科会長 皆さん、おはようございます。
本日は「地域区分」「居宅介護支援の管理者要件に係る経過措置」「令和2年度介護従事者処遇状況等調査の実施」などについて議論を行います。
まず、事務局より資料の確認をお願いします。
○栗原企画官 委員の皆様には事前にお伝えしておりますが、厚生労働省では審議会等のペーパーレス化の取り組みを推進しており、タブレットを活用し、資料をごらんいただければと思います。
資料の確認をさせていただきます。
まず、議事次第と委員名簿がございます。
資料1「地域区分について」。
資料2「居宅介護支援の管理者要件に係る経過措置について」。
資料3「令和2年度介護従事者処遇状況等調査の実施について(案)」。
資料4「令和2年度介護従事者処遇状況等調査 調査票(案)」。
参考資料「介護人材の処遇改善について」。
「日本経済団体連合会 井上委員提出資料」。
「全国町村会 河村委員提出資料」がございます。
資料の不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。
以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
早速、議事次第に沿って進めてまいります。
本日は、まず「地域区分」「居宅介護支援の管理者要件に係る経過措置」の2つについて、一括して議論を行います。事務局より説明をお願いします。
老人保健課長、お願いします。
○眞鍋老人保健課長 おはようございます。老人保健課長でございます。
それでは、資料1を用いまして「地域区分」に関しまして御説明をさせていただきます。
1ページ、まず、こちらに現状・課題を整理させていただいてございます。
介護報酬に関しましては、介護保険法上に規定がございますけれども、サービスの提供に要する平均的な費用の額を勘案して設定するということでございます。地域ごとの人件費の地域差を調整するために、地域区分を設定しておりまして、これは8区分ございますけれども、その区分、そして、人件費割合に1単位当たりの単価を定めているところでございます。
2つ目の○で、地域別の区分に関しましては、その2行目にありますとおり、公務員の地域手当に準拠して設定しているものでございます。その上で隣接地域とのバランスを考慮して公平性を確保すべきと考えられる場合に、介護報酬改定の際に適用する級地の見直しを行っているところでございます。
また、その際は、その2行下でございますが、財政的に増減を生じさせないようにすること、つまり、財政中立を原則として運用してきているところでございます。
27年度の介護報酬改定、そして、その下に30年度の介護報酬改定で、それぞれこの地域区分に関して見直した概要を書いております。端的に申し上げますと、27年度介護報酬改定に関しましては「複数隣接ルール」をつくりました。また、30年度の介護報酬改定では「完全囲まれルール」を設定したところでございます。
下から2つ目の○でございますけれども、前回改定時に地域区分に関する自治体意見を調査したところでは、現行の設定方法につきまして、おおむね9割の自治体からは意見がなかった一方で、隣接地域の経過措置の適用状況等によりまして、現在、一部の自治体からは区分の見直しに関する要望があったところであります。
また、近年、介護人材の確保が課題となっている中で、通所系サービス、施設系サービスを中心に、人件費割合は上昇傾向にあるということもございます。より丁寧に実態を見ていく必要があるとの指摘もあるところでございます。
2ページ、こちらに過去平成30年度の介護報酬改定の際の審議報告を御紹介させていただいております。介護報酬改定、次は令和3年度ということでございまして、なぜこのタイミングで地域区分を御議論していただくかということですけれども、2ページ目の上に「平成29年度介護報酬改定に関する審議報告(抜粋)」がございます。こちらは級地の適用に関して、まずここで御議論いただくということでございます。級地の適用は、すなわち次の第8期の介護保険事業計画を策定する際の保険料に影響を与えるということでございまして、まずはこの改定の1年前ではございますけれども、このタイミングで級地に関する方向性を出していただくということでございます。
その後、平成30年度の介護報酬改定の中で、この29年、1年前の報告を受けてどのようにするか、具体的な規定ぶりにつきまして報告をいただいていくという流れになっているところでございまして、今回もこれに倣い、改定の1年前ではあるのですが、級地に関する御議論をいただこうというものでございます。
3ページ、こちらは今御説明したところでありますが、介護報酬についてということで、このように1単位単価を変えているという具体的な表をお示ししております。1単位の単価として下に表がありますけれども、1級地からその他地域までございます。8つの区分があります。上乗せ割合がそれぞれ20%から0%ということでございまして、人件費割合はサービスごとに決まってございます。例えば訪問介護であればマル1の区分の70%、訪問リハビリテーションなどであればマル2、通所介護であればマル3、45%のところに該当し、それぞれこの1単位当たりの重みづけをしておりまして、例えば1級地ですから、これは東京23区でありますけれども、そうであれば訪問介護は1単位が11.4円となっているところでございます。
具体的な級地の適用地域でありますが、4ページに掲げてございます。それぞれ申し上げたとおり、1級地が23区であります。2級地が東京都でいうと町田市などから並んでおります。そして、7級地までございまして、その他地域と。やはりその他地域が多く、1,308ということでございます。
5ページ、こちらに現在の適用状況がございます。公務員の地域手当に準拠して1級地から7級地まで適用されているところは358ですとか、複数隣接ルールを適用しているところ、完全囲まれルールを適用しているところ、広域連合ルールを適用しているところがございます。このような数でございます。
また、その右側に「経過措置適用中」とございまして、これら複数隣接ルールであったり、完全囲まれルールが適用されて、本来上げたり下げたりすることができるところなのですけれども、そういう中で自治体がここを選択するということで、そのような経過措置で自治体の御意向を踏まえて適用されているところでございます。ごらんいただきますと、これは保険料のことを勘案してということだと思いますけれども、本来の級地よりも引き下げている自治体が多いということでございます。
2.令和3年度改定で設定する特例の適用が見込まれる地域ということでございまして、隣接地域全てが高いあるいは低い自治体が44ございます。当該地域よりも高い級地と複数隣接していて、その中に4級地以上、大きい級地差があるところもございます。
6ページ、これがこれまでの取り扱いでございます。下にイメージ図がありますけれども、左側が平成27年度の介護報酬改定で、複数隣接している場合は、そことの間で級地を選択可能、そして、右側の丸いところがありますが、これは完全囲まれルール、これが平成30年度の介護報酬改定で規定された内容でございます。
7ページ、こちらが人件費割合の推移ということでございます。これは29年度調査までということで、この後の結果はまた介護事業経営実態調査、これは改定の前にまた御報告することになりますが、そこでも恐らく人件費は上昇しているのではないかと見込まれるということでございますけれども、近年、26年から29年にかけて若干上昇傾向にあることをお示ししているものでございます。
こういったことを受けまして、8ページ、令和3年度の改定におきましては、現行の級地を適用することを基本とし対応することとしてはどうか。まず、基本的には現行の級地を適用したいと。その際、経過措置を適用する自治体に対しては、その経過措置を継続するかどうかにつきましては、ちゃんと意向を確認する、必要に応じてそれを認めることとしてはどうかということでございます。
また、公平性を欠く状況にあると考えられる自治体を対象といたしまして、引き上げまたは引き下げを認めることとしてはどうかということでございます。
そのうち、マル1でございますけれども、これは平成30年度に行いました完全囲まれルールを再度適用してはどうかと。
次に、これは新しい御提案でございますけれども、当該地域の地域区分よりも高いあるいは低い級地が設定された地域に複数隣接していて、かつ、その地域の中に非常に大きな差があると。具体的には当該地域と4級地以上の級地差がある地域が含まれている場合で、こういった場合につきましては、自治体の御意向を聞いて引き下げあるいは引き上げができるようにしてはどうかというものでございます。
また、これは来年度の介護報酬改定の中で御議論と思っておりますけれども、サービスごとの人件費割合につきましては、人件費が上昇傾向にあることを踏まえつつ、財政中立を原則とした制度であることを考慮しながら、来年度以降、さらに検討することとしてはどうかと御提案するものでございます。
資料1の説明は以上でございます。
○尾崎振興課長 老健局の振興課長でございます。
私から、資料2を用いまして「居宅介護支援の管理者要件に係る経過措置」について、御提案をさせていただければと思います。
1ページ、現状のところでございますが、1つ目の○です。平成28年度に「居宅介護支援事業所及び介護支援専門員の業務等の実態に関する調査」を行ってございます。この調査研究におきまして「事業所内検討会の定期的な開催」「事業所のケアマネジャーに対する同行訪問による支援(OJT)」といったものについて、管理者が主任ケアマネジャーであるほうが実施していると回答した割合が高くなってございました。
資料としては2ページ、そちらが調査研究の内容になります。左の上の箱は管理者が主任ケアマネジャーかどうかということを聞いたものでして、当時平成28年度の調査では44.9%が、管理者が主任ケアマネジャーであるケアマネ事業所でした。
残り3つの箱で、この方々が右の上であれば事業所内検討会を定期的に開催しているか、こちらは管理者が主任ケアマネジャーであるほうが定期的に開催をしている割合が高かった。さらに下の段、訪問への同行ですとか、ケアマネジメント業務に関する相談の時間を設けているか、いずれについても主任ケアマネジャーが管理者をやっているところのほうが割合が高かったという状況になってございます。
3ページ、追跡の調査を行っています。平成30年度にも同様の調査をしていますが、状況としては同じような状況になったということでございます。
4ページ、平成30年の介護報酬改定でございます。先ほど御説明をいたしました平成28年度の調査研究等を踏まえまして、居宅介護支援の事業所の管理者の要件を見直してございます。「ア 管理者要件の見直し」で「居宅介護支援事業所における人材育成の取組を推進するため、主任ケアマネジャーであることを管理者の要件とする。その際、一定の経過措置期間を設けることとする」ということで、当時は令和3年の3月31日までの経過措置を設けたところでございます。
その際、真ん中から下ですが、今後の課題ということで「居宅介護支援事業所の管理者要件の見直しについては、人材確保の状況について検証するべきである」といただいてございます。
これを踏まえ調査を行ったのが5ページ以下になります。
5ページ、居宅介護支援及び介護予防支援における平成30年度介護報酬改定の影響に関する調査研究事業、これは概要でございますが、一番下の部分を見ていただければと思います。調査対象は全国のケアマネ事業所3万8712カ所、悉皆に対して調査を行ってございます。回収状況は一番下でございますが、82.4%ということでございます。
その概要が6ページ以降になります。
6ページ、上の箱書きでございますが、令和元年7月末日時点で主任ケアマネジャーではない、そして、主任ケアマネジャーではなくて、その方の経験が4年未満という方が10%程度ということでございます。
もう少し詳しく御説明をいたしますと、真ん中より下に図表2が出てくると思います。一番左側「全体」で3万1601、100%という箱が出てきますが、これが調査に御回答いただけたケアマネ事業所の数になります。この3万1601に対しまして「管理者が主任ケアマネジャーである」という事業所が1万8681、約6割は主任ケアマネになっているということです。「管理者が主任ケアマネジャーでない」という事業所が約4割、1万2913になります。
この管理者の方の経験年数を聞いたところ「1年未満」から「1年以上2年未満」ととっていきますと、「3年以上4年未満」のところまでで10.1%、これは3万1601の全体に対して10.1%ということでございます。赤い矢印が描いてございますが、ここまでの経験年数の方ですと、令和3年3月までに主任ケアマネジャーの研修の受講要件を満たせない方が出てきてしまうということでございます。主任ケアマネジャーの研修の受講要件につきましては基本的には5年間の経験が必要ですので、それを満たせない方が出てきてしまうというのがこの6ページの内容になります。
7ページ、それを規模別に見たものでございます。詳しい説明は省略をいたしますが、事業所の規模が小さい、ケアマネジャーの人数が少ない事業所ほど、管理者が主任ケアマネジャーではない割合が高くなっている、また、経験年数が浅い方の割合が高い状況になってございます。これは純粋に経験年数で見た数字になります。
8ページ、こちらは事業所の方の認識を聞いたものになります。管理者が主任ケアマネジャーではない方々の管理者のうち、主任ケアマネの研修を経過措置期間中に受けられるかどうかを聞いたものになります。図表5の左から3つ目になりますが、全体の13.4%は「経過措置期間中に修了できる見込みはない」と回答していまして、また「わからない」というところを合わせると、全体に対して約2割の事業所が難しいと答えている。そのような状況になっているということでございます。
9ページ、それを規模別に見たものでございますが、先ほどと同様、ケアマネジャーの人数が少ない事業所ほど難しいと回答している割合が高くなっている状況でございます。
これを踏まえまして、10ページ、今回の御提案でございます。1つ目の○でございます。今回の調査結果を踏まえまして、上から2行目で、令和3年3月31日時点、つまり経過措置が切れる最終日の時点で主任ケアマネジャーではない方が管理者をやっている事業所、こういった事業所につきましては、主任ケアマネジャーではない管理者がそこの事業所の管理者である限り、主任ケアマネジャーとする要件の適用を令和9年3月31日まで猶予することとしてはどうかということでございます。
これは前回の30年度改定の経過措置につきましては、新規の事業所であっても、経過措置期間であれば主任ケアマネジャーではない方が管理者になれる形になっておりましたので、令和3年3月31日にケアマネ事業所を立ち上げて、そこに経験年数が浅い方が管理者として入ってこられる、ルール上はそのようになってございます。こういった方も含めて、経過措置期間中に主任ケアマネジャーの研修を受けられるようにしようと思うと、令和3年3月31日に0年ということであれば、5年間の経験を得るためには、令和8年3月31日まで日数が必要になると。そこで受講要件を満たしますので、その後に研修を受けていただくということで、1年余裕をとって令和9年3月31日まで猶予するという提案でございます。
結果として、1つ目の○の2段落目でございますが、令和3年4月1日以降に新たに管理者となられる方は、いずれの事業所であっても主任ケアマネであることを求めたいということでございます。言い方は難しいかもしれませんが、新しく管理者になる方は全員主任ケアマネジャーさんでお願いしますということでございます。
これを基本原則といたしまして、そうはいってもなかなか難しい、対応ができないといったことが起きるのではないかということを危惧しておりまして、その点、2つの例外を設けたいと思っています。
上から2つ目の「ただし」のところです。特別地域居宅介護支援加算なり、中山間地域における小規模事業所加算を取得している事業所、これは離島、山村、過疎地といった一定の地域の条件を満たすところがとれる加算になりますが、こういったところにつきましては、管理者を主任ケアマネジャーとしない取り扱いも例外的に可能としてはどうかということでございます。
3つ目の○ですが、それ以外の事業所であっても、令和3年4月1日以降、不測の事態によって、突然管理者がやめてしまう、場合によってはお亡くなりになるケースが出てくると思います。そういった不測の事態によりまして、主任ケアマネジャーを管理者とできなくなってしまった事業所、こちらにつきましては、事業所から保険者に対しまして、その理由と「改善計画書」、これを提出いただければ、管理者が主任ケアマネジャーとする要件の適用を1年間猶予することとしてはどうか。こういった例外措置の提案をさせていただいているところでございます。
ここから先の資料は参考資料でございますので、適宜御参照いただければと思います。
また、本日御欠席ですが、井上委員、河村委員から提出いただいている資料についてです。井上委員につきましては最初のほうの○で管理者要件に係る経過措置について御意見をいただいているところでございます。また、河村委員の提出資料につきましては、2.という形で居宅介護支援の管理者要件に係る経過措置について御意見をいただいているところでございますので、御紹介をさせていただきました。
こちらからの説明は以上になります。
○眞鍋老人保健課長 続きまして、御説明が漏れまして大変失礼いたしました。先ほど振興課長からもありましたとおりで、きょう御欠席の河村委員から意見書が出てございます。その中で、1.で地域区分に関しても御意見をいただいておりますので、御紹介を申し上げます。
また、後ほどの説明と重複してはいけませんので申し上げますけれども、井上委員から介護従業者処遇状況等調査の実施につきましても意見をいただいているところでございます。
御説明は以上になります。
○田中分科会長 説明ありがとうございました。
では、ただいまの説明に関して、御質問、御意見があればお願いいたします。
濵田委員、お願いします。
○濵田委員 ありがとうございます。
資料2、10ページの居宅介護支援の管理者要件に係る経過措置についてでございます。○が3つございますけれども、最初の○の経過措置の延長並びに3つ目の不測の事態による対応につきまして、いろいろ御配慮いただきまして、まことにありがとうございます。引き続き、主任介護支援専門員の研修修了者がまずふえることが一番かと思っております。
2つ目の特別地域、中山間地域における対応につきましても、主任介護支援専門員が可能な限り配置可能となりますように、質への懸念も若干感じるところもございますので、例えば受講要件ないしは受講環境の改善が必要と考えます。最近ですとさまざまなeラーニングその他の受講方法なども開発されて、また、都道府県におきましても受講要件につきまして見直しも進められておるところでございますので、引き続き配置が進みますように、我々協会としても努力してまいりたいと思っております。
どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 ありがとうございます。
伊藤委員、お願いします。
○伊藤委員 居宅介護支援の管理者要件のところについて、まず質問させていただきます。私は2017年のこの分科会で3回にわたって、主任ケアマネジャー数の推移の見通しが妥当なのか、研修機会の確保についても特段の配慮が必要ではないかということを繰り返し指摘してきました。本日この点、なかなか人材確保が難しいということが調査によってわかったとの御説明でした。もう少し分析していただきたいと思ってお聞きするのですけれども、2017年のときに出された推計との乖離について御説明いただきたいと思います。
つまりは、今回の調査結果は推計が甘かったのか、それとも研修を受けられるような機会を十分に確保する、そのような対応が不十分だったのか、何がこういう結果になったのかについて、どのように分析されているかを教えていただきたいと思います。
資料を見ても、15ページの受講者数はまだ新しいものが入っていないので、受講者数が増えているのかどうかも読み取れないですし、今申し上げたようなことを御説明いただきたいと思います。
○田中分科会長 お答えください。
○尾崎振興課長 振興課長でございます。
主任ケアマネジャーの管理者への登用が進んでいない理由で、当時の予想と比べて見込みが甘かったのか、もしくは研修が進んでいないのか、どういう状況なのかという御質問だと受けとめました。
一義的にこれが原因だというのはなかなか申し上げにくいところですが、客観的な事実として申し上げますと、前回平成30年度改定でこの制度を導入した際には、令和2年度には全ての事業所が主任ケアマネジャーを置けると。これは1年間に約4,000人ずつ主任ケアマネジャーさんを養成して、その方々のほとんどが管理者になっていくことを前提とした推計になってございました。それに対して、令和2年度に100%になるといいますと、令和元年度で大体8割が主任ケアマネになっていなければならないのですが、現状は今日お示しさせていただいた資料のとおり6割程度ということでございますので、その点については推計との乖離が出ているのではないかと思ってございます。
一方で、研修につきましては、我々はこのように平成30年度に制度を見直しておりますので、ぜひ受講者が受けやすい時間帯で受けてほしいということを各都道府県にお願いをいたしましたし、その受講につきましては、費用について、医療介護総合確保基金の対象にもして助成もできる形にしてございます。
人数につきましては、確かに最新の数字が出ていないところでございますが、1年間に4,000人を超えるような数字になってございまして、その関係もございまして、管理者になっている方の割合ですね。平成30年度の段階では約50%だったものが、令和元年度は59.1%で約60%ですので、1年間で1割弱伸びてございます。そういった意味でいいますと、過去の伸び方と比べるとかなり伸びてございますので、努力は各都道府県にいただけたのかなと思ってございます。引き続き、先ほどeラーニングの話を濵田先生からもいただきましたけれども、eラーニングの推進も含めて、各自治体に積極的に働きかけを行っていきたいと思ってございます。
説明は以上になります。
○伊藤委員 そうしますと、研修も過去よりは受講が進んでいるという御説明なのだとは思います。しかし、当初の見込みからはペースが遅れているということは事実だと思います。私は非常勤職員がいるという指摘もしているのですけれども、研修を受けられる体制を事業所できちんと確保していただく指導をやっていただくことも必要だと思いますし、研修の方法についても工夫が必要だと思います。
もう一つ、特別地域、中山間地域については対象としないという方針なのですけれども、今回、主任ケアマネ受講者を管理者要件にした理由は、質の高いケアマネジメントの推進が目的です。したがって、同じ保険料を払ってサービスを受けるという観点から、特別地域、中山間地域についても何とか研修を受けられるような体制、環境を確保していくことができないのかと申し上げたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございます。
小泉委員、お願いします。
○小泉委員 ありがとうございます。
居宅介護支援の管理者要件について、現場の実態から見直していただきたい点を申し上げます。
まず一つは、主任介護支援専門員の研修でございますが、専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して5年以上が要件の一つとなっておりますが、さまざまな事業所での経験や視点を積んで、アセスメントや利用者と接することも重要なスキルと思っております。その意味では、他の事業所との兼務を行っている期間も通算期間として認めていただけるなど、見直しをお願いができないかと思っております。
また、そもそも介護保険施設の介護支援専門員と介護職員の兼務ができないとする自治体もあるようでございますので、そのような運用の見直しをお願いしたいと思います。
対応策の3つ目の不測の事態について、1年間の猶予では任期が短過ぎる場合もあるのではないかと思われます。不測の事態が起きた時期にもよりますが、実務経験数5年以上の要件があるため、容易に対応ができない場合もあるのではないかと推測されます。
先ほど述べましたように、居宅介護支援事業所以外での実務経験を積む仕組み、体制をつくっておくべきだと思っております。
以上でございます。
○田中分科会長 ありがとうございます。
今井委員、お願いします。
○今井委員 民間介護事業推進委員会の今井でございます。
私からは2点ほど簡潔に御要望を述べさせていただければと思います。
猶予期間の設定につきましては、いろいろ事情があるということがわかりましたけれども、事業所側の状況も鑑みつつ柔軟な対応を含めて御検討をいただきたいことと、先ほど伊藤委員からもありましたけれども、主任ケアマネの研修実施体制の拡充もセットで考えていただければと思います。
2点目、資料2の14ページを拝見いたしますと、研修に係る基金の活用状況や受講料がまちまちなことが判明しております。私どもといたしましては、都合がいいのですけれども、できるだけ安価で受講できるように施策を講じていただければとお願いしまして、発言を終わらせていただきます。
○田中分科会長 ありがとうございます。
鎌田委員、大西委員の順でお願いします。
○鎌田委員 鎌田です。
ケアマネジャーは自宅などで在宅サービスを利用している人や、介護をする家族にとっては本当に貴重な存在です。2ページと3ページの資料では2016年度と2018年度の比較ができるようになっていますけれども、「管理者が主任ケアマネジャーでない」との回答を見ると、2016年度の51.1%から2018年度は43.7%になり、7.4%しか減っていません。主任ケアマネジャーを配置できていないということがとても気になります。
また、9ページでは、主任ケアマネジャーを配置できていない理由として、実務経験年数5年以上の要件が満たせていないためというのが最も多いという報告があります。介護保険が始まって20年近くなり、制度とともにスタートしたケアマネジャーですけれども、実務経験がそれほど短い方々ばかりがこの居宅介護支援の事業所にいらっしゃるのだろうかということで、管理者の経験年数の資料はありますけれども、事業所全体のケアマネジャーの経験年数について資料があるようでしたら、次回でも構いませんのでぜひ出していただきたいと思っています。受講者数も減っておりますので、従事していないケアマネジャーが多いのかと思っています。
2つ目、居宅介護支援事業所の管理者の条件が主任ケアマネジャーということですが、管理者が主任ケアマネジャーである場合の効果が、研修やOJTなどをやっているということがあった調査の結果が出ていますけれども、これはどちらかというと経営者や運営する立場からの評価となると思うのですが、利用者や介護者に対する調査をしていこうというお考えはありますでしょうか。できればお願いをしたいと私たち利用者家族は思っております。主任ケアマネジャーであるというのが結果としてどのような効果を及ぼしているかを、大変知っていきたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 調査の方向についての御質問がございました。
○尾崎振興課長 幾つか御質問をいただきましたので、今、答えられる範囲でお答えをさせていただければと思います。
ケアマネジャーの方の勤続年数でございますが、こちらは全体で平均をいたしますと、平均年齢が大体48歳で、勤続年数が8.7年というのが、賃金構造統計調査に基づいて算出される数字になります。産業全体ですと、勤続年数は10年ぐらいが平均になりますので、それよりは多少短いかなという形になります。一方、通常の介護職員でいいますと6年ちょっとという形になりますので、ヘルパーさんよりは長いけれども、全産業よりは短い。これが勤続年数の形になります。
調査につきましては、毎年度のようにケアマネジャーに関する調査を行ってございまして、質の高いケアマネジメントを実現するためにいろいろな調査をさせていただいていますので、その中でどういう工夫ができるのか、こういうことを考えさせていただければと思います。
以上でございます。
○鎌田委員 平均では8.7年ということでしたけれども、事業所の中にはどれぐらいの年数の方々が分散しているのかということなどをお調べいただければと思っております。
○尾崎振興課長 すぐには資料がないので、何が出せるかどうかを含めて持ち帰らせていただければと思います。
○田中分科会長 お待たせしました。大西委員、お願いします。
○大西委員 ありがとうございます。
まず地域区分につきまして、対応案にありますように、令和3年度改定後も引き続き、現行の級地を適用することを基本とした上で、経過措置を適用する自治体及び公平性を欠く状況にある自治体を対象として、自治体の意向も確認していただいて、引き上げ又は引き下げを認めることにしてはどうかということでございますが、この案で進めていただきたいと思っているところでございます。
そして、具体的に公平性を欠く状況にある自治体の引き上げ、引き下げの要件といたしまして、新たに「②当該地域の地域区分よりも高い(低い)級地が設定された地域に複数隣接しており」云々というところがございますけれども、どういう自治体が該当するのか私どもはイメージしにくいのですが、聞き逃したかもわかりませんけれども、具体的にどのぐらいの自治体がこの要件に当てはまるのかどうか教えていただければと思います。
そうした状況を踏まえた上で、全国町村会の河村委員からも意見が出ておりますけれども、もう少し柔軟に認めていただけたらいいのではないかという意見もございますので、再度具体的な基準についての確定を行っていただきたいと思っております。
議題2の居宅介護支援の管理者要件に係る経過措置についてでございますが、これにつきましても、先ほどから出ておりますように、現在の経過措置が終了する令和3年3月末までに管理者要件を満たすことが困難であるということで、現場の職員や利用者から非常に不安の声が出ているというのが現状でございます。したがいまして、その令和3年3月末時点で主任ケアマネジャーでない者が管理者の場合、その者が管理者である限りにおいては、令和9年3月末までは主任ケアマネジャーでなくてもいいですよという経過措置を置かれるということであれば、それは結構だと思います。
また、どうしても主任ケアマネジャーが確保できない事業所につきましても、中山間地域等、特別な加算を取得している事業所につきましては、例外的な取扱いもしていただけるということでございます。これも結構かと思っております。
また、不測の事態でどうしても主任ケアマネジャーを管理者とできなくなってしまった事業所についても、特例扱いを認めるとされておりますが、ただ、1年間の猶予というのは短過ぎるのではないかと思いますので、1年間の猶予期間については、現状を踏まえるとともに事業者等の御意見も聞いた上で確定していただければと思っております。
ここで、不測の事態というのはいろいろな事態が想定されるかと思っているのですが、どういう場合は不測の事態として認められないのか、理由と計画書を出せば大体認められるものなのかどうなのか、その考え方を教えていただければと思っております。よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 では、資料2のほうを先にお願いします。
○尾崎振興課長 不測の事態の範囲ですけれども、全部詳細に網羅的に書くのはなかなか難しいと思ってございますが、各保険者で判断が分かれないように、例えば運用通知やQ&Aなどを出す際に、できるだけ整理して具体的に提示をさせていただきたいと思ってございます。急にやめられてしまったり、お亡くなりになったりという話をさせていただきましたが、そういったことを主に念頭に置きながら、この資料はつくらせていただいているところでございます。
○田中分科会長 資料1の8ページについても御質問がありました。
○眞鍋老人保健課長 資料1の8ページ、具体的に今回御提案申し上げている新規のルールで4級地以上差がある、そういう地域がどこかということでございました。この資料の中で申し上げますと、資料1の5ページ、その中で2.のマル2がございます。そこでは当該地域よりも高い級地と複数隣接していて4級地以上の級地差があるということで、自治体数としては7ということでございます。このうち、自治体の御希望のあるところでございます。どういう場所かということでございますけれども、こういう高い級地差があるところでございますので、関東の自治体が中心でございます。
以上です。
○大西委員 どうもありがとうございます。
議題2の主任ケアマネジャーの確保についてですが、主任ケアマネジャーをいかに確保していくかが重要かと存じております。そのための主任介護支援専門員研修につきましては、各都道府県で研修等を行っているわけでございますが、私が属している香川県におきまして、どうしても定員を超える応募があるために、研修受講要件を満たしたケアマネジャーが希望したとしても、受講できない場合が生じているのが現状ということでございます。
そういった理由から、各自治体におきましても、主任ケアマネジャーの確保に苦慮している状況があるということでございますので、ぜひとも各地域で必要な主任ケアマネジャーを確保できるように、この研修体制の充実を図るとともに、都道府県を中心として育成指導体制の強化を進める必要があろうかと存じておりますので、そのための国による支援をよろしくお願いいたしたいと思っております。
○田中分科会長 御意見ありがとうございました。
武久委員、お願いします。
○武久委員 ありがとうございます。
主任ケアマネジャーは優秀なのですか。これだけ重要な役割を与えるということは、国が主任ケアマネジャーは優秀だから、責任者にするのだと。主任ケアマネがいない事業所はゆくゆくは認めないのだということは、まず大前提に、主任ケアマネジャーが優秀でないといけない。
優秀というのは、事務管理能力がいいのか、ケアマネジメント能力がいいのかというよりは、私はまず人柄ではないかと思うのです。人と接することですから、ただただ5年勤めていて、ほかにいないから、君、主任研修に行ってこいと言って、長い間研修をして、じっと座って眠りながら聞いていたら主任になると。ケアマネジメントにお金を払ってもらおうかというのが次の改定やその次の改定などにまた話題が出ると思うのですけれども、お金を払うとなると、この主任管理者のレベルが非常に問題になるのですけれども、この主任ケアマネというものが、ただただ5年以上で研修をじっと受けていたらいいと。
修了試験もないし、誰かの推薦は別として、どこかに何か担保するようなものが欲しいなという感じは、私は自分のところのケアマネ居宅でも思うのです。ほかにいないから、あいつを主任に行かせようかという事業所もあります。私はいろいろな居宅を幾つか持っていますけれども、見ていて、全国一緒ではないかと思うのです。だから、何か欲しいなという気がするのですけれども、それに対して何かございますでしょうか。要らないことを言いまして済みません。
○田中分科会長 役所か、濵田委員か、どちらから答えますか。
では、まずは濵田委員、お願いします。
○濵田委員 武久先生、ありがとうございます。
実は協会ではそういう御指摘もございますので、独自に修了評価、これは試験で行うという御提案を進めておりまして、試行段階でございますが、試験集の開発途上でございます。各研修実施団体、都道府県様には御案内はしておるのですが、なかなか採用が進まないということがございますので、質向上のためにも可能であればそういう取り組みもぜひ導入していただければと思っております。
以上でございます。
○田中分科会長 振興課長、お願いします。
○尾崎振興課長 今、濵田委員からお話のございましたほかに、研修の内容につきましても、例えば医療との連携、多職種協働の意義、地域における社会資源の活用の方法、そういった利用者のためになるような研修も多々盛り込んでいるところでございますので、そういったことを通じながら主任ケアマネジャーさんの質の向上に努めていきたいと思ってございます。
以上です。
○田中分科会長 小玉委員、お願いします。
○小玉委員 ありがとうございます。小玉でございます。
地域区分についてお伺いしたいと思います。本来、国と市町村保険者がこの取り決めを行って、介護サービス提供事業者がそれにのっとってサービスを提供するというところでの基盤にはなってくると思うのですけれども、保険料、人件費に対する影響、また、そういった中では施設やいろいろなサービスの提供の質に関しても影響があることかと思うのです。先ほど、前回の介護報酬の改定の結果、9割は特に意見がないということだったのですが、1割ぐらいは何かいろいろ意見を出されたということで、8ページの対応案の2つ目の○のマル2のところで大西委員もお話しされましたけれども、その対応で大体1割の御意見の部分は解消されると考えてもよろしいのかどうかお伺いしたいのですけれども、いかがでしょうか。
○田中分科会長 老人保健課長、お願いします。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
御意見の中には、今のままでもいいというものの他、必ずしも強い要望でないものも含まれています。私どもが今回対応しております8ページのマル1、マル2、両方でありますけれども、こういったことをお示しして、丁寧にお聞きをしながら、何とか落ちつける範囲になるのではないかと思っております。
以上です。
○田中分科会長 石田委員、お願いします。
○石田委員 ありがとうございます。
教えていただきたいのですけれども、資料2の14ページ、先ほども御意見がありましたが、この研修にかかる費用の余りの差といいますか、都道府県によってこんなに大きい差が出るのはなぜかと思っております。12ページにはカリキュラムが提示されておりまして、それほど大きな差が出るような複雑な内容ではないと思いまして、そうすると、どうしてこんなに数万円の差が出るのか。先ほどの御説明で基金を活用するように勧めているとのことですが、余り活用していないところもあります。もっと詳しく見ていきますと、活用している、していないも含めて、この差が余りに大きい理由が本当によくわからないのです。この辺については、例えばこういった結果について都道府県にも提示して、自分のところの実情がこうだということが確認されているのかどうか。
それから、例えば主任介護支援専門員研修について、ざっと見て一番高かったのは広島県で6万2000円です。ここは基金を使っていません。お隣の岡山ですと3万5400円、ここは基金を使っております。隣同士の県でそんなに差があるのは、実際にこういう講習を受けようと思う人にしてみれば、不公平さを感じさせるのではないかと思います。
また例えば主任介護支援専門員の更新研修ですけれども、栃木などは1万円となっています。しかも、基金を利用してもいないでそれでやっている。一番高いのが愛知県で5万2000円となっており、4万2000円もの差があります。これらの実態と、今後こういったことがもう少し平準化されていくのか、基金の活用ももっと促進されていくのか、この辺をお尋ねしたくて質問いたしました。
○田中分科会長 振興課長、お答えください。
○尾崎振興課長 振興課長でございます。
事実関係といたしまして、各都道府県に対して、基金の実施状況なり、受講料なり、こういった資料については、毎年関係の課長会議を開いてございますので、その場で資料として提出をさせていただいているところでございます。
値段につきましては、各自治体さんがどういう形で講習をやるかにもかかわってくるかと思います。例えば小さな講習を複数箇所でやるケースと、大きな講習を中央で1回やるケースとでスケールメリットに大分違いがございますので、そういったこともあって値段に違いがあるのかと思います。
基金につきましては、我々としても積極的に使っていただきたいと思っていますし、この基金については、都道府県が支給した費用の3分の2を国で見ることができることになってございますので、そういった点もさらに周知をさせていただきまして、基金の活用の数がふえていくような取り組みも進めていければと思ってございます。
以上でございます。
○田中分科会長 よろしいですか。
東委員、お願いします。
○東委員 私は基金の三重県の委員もしておりますので、資料2の14ページにある「基金活用の有無」についてお聞きしたい。主任介護支援専門員の研修に基金を使えるとおっしゃっていましたが、現状では、まだ基金の活用が少ないと考えます。これは各都道府県の介護支援専門員協会が手を挙げて基金を使っているのがこの例なのか、それとも、この研修については基金を使いますと県のほうから主導的にやっているのでしょうか。
どこの県でもそうだと思いますが、基金はどんどん使ってくださいと言われるのですが、大変使い方が煩雑でなかなか使えないというところがあります。特に大事な研修の費用に基金を使ってくださいというのであれば、例えば厚労省から各都道府県が主導してやってくださいとか、手を挙げなければだめですよとか周知をされているのか、そこら辺の実態を教えていただければと思います。
○尾崎振興課長 基金を使うか使わないかの判断は都道府県になりますので、都道府県で一旦財政的なお金を用意していただいて、それに対して国が3分の2を出すルールになってございます。そういう意味では、この基金を活用するかしないかというのは都道府県の主導になりますので、関係の課長会議などで、しかも、隣の県は使っている、隣の県は使っていない、こういった資料も含めてお示しをさせていただいて、後押しをしようということをしてございます。
また、実際に講習を実施するところは、それぞれの県でお願いする先が違うと思いますので、それは協会さんのところもあると思いますし、そうではないところもあると思います。それは地域の実情に応じて各都道府県で御判断をいただいているというのが実情でございます。
○東委員 そうではなくて、例えば基金の活用がありと記載のある福島県においては、どのような使い方をされているのか。つまり、福島県の介護支援専門員協会から手が挙がって、要求があって、それを県が認めてお金が出ているのか。どのような経緯で基金が活用されているのかがわからないと、単なるありなしでは、実情がわからないところがあります。もしありましたら、そういうところまで調べていただきたいと思います。
○尾崎振興課長 正直、そういうデータを持ち合わせていないというのが事実でございます。恐らく自治体によっては協会さんが積極的に県に働きかけをして、県庁がその必要性を認めてやっているケースもあるでしょうし、逆に県が主導をとって、ぜひやってくださいとお願いしているケースもあると思います。まちまちではありますが、いずれにしても多くの自治体でこの基金を使いながら、基金を使うことで受講料を安くすることもできますので、そういったことをやっていただけるように我々としても後押しをしていきたいと思ってございます。
○東委員 実情がわからないというのであれば、例えば介護支援専門員協会さんから各都道府県の協会に手を挙げるようにという指導をしない限り、なかなか基金の活用は進まないと思います。全老健でも介護助手の基金の活用をお勧めしているのですが、各都道府県の協会が手を挙げる、手を挙げてもなかなか自治体が認めてくれない、いろいろなハードルがありますので、簡単にぜひ活用してください、活用できますというだけではなくて、ぜひ具体的な手法をお示ししていただきたいと思います。
○田中分科会長 貴重な御指摘ですね。
濵田委員、お願いします。
○濵田委員 今のお話に関連しまして、あくまでも仮に協会で実施する場合でも、都道府県の指定団体という形でありますので、聞いておるところでは、協会から手を挙げて基金の活用の有無が決まるケースは今のところは私どものほうでは把握できておりません。
ただ、今後、今そういうお話もございましたので、引き続き積極的に基金活用につきまして、都道府県介護支援専門員協会が指定団体である場合は都道府県様に働きかけてまいれればと思っております。
○田中分科会長 そうですね。せっかくの基金ですから。
岡島委員、お願いします。
○岡島委員 引き続き、主任ケアマネジャーの管理者要件についての意見なのですが、10ページの資料の3つ○がある中の真ん中について意見を述べたいと思います。これは人材確保が困難な地域や、急にやむを得ず退職者が発生した場合への配慮もあるかと思うのですが、利用者の観点から考えれば、こういう地域だけは主任ケアマネジャー資格を持たない人材が管理者でもよいという道を残すのは当初定めた目標に反するのではないかと思いますので、これこそ基金を活用して、主任ケアマネジャー資格を有する管理者の配置に向けた県や保険者の取り組みを推進していただけるといいのではないかと考えました。
以上です。
○田中分科会長 ありがとうございます。
藤野委員、お願いします。
○藤野委員 ありがとうございます。
ケアマネジャーの管理者要件について、意見を申し上げます。管理者が主任ケアマネジャーであることは重要と考えております。先ほど疑義のお話もありましたけれども、主任ケアマネジャーの研修であるとか、更新研修を受けて、研さんを続けている者が管理者になるということは重要であると考えます。ただ、利用者に不利益が生じない現実的な判断が今回に関しては必要なのかと考えております。
以上です。
○田中分科会長 江澤委員、お願いします。
○江澤委員 ありがとうございます。
資料1の地域区分の対応案については、賛成でございます。大幅な見直しというよりは微調整をしていただければありがたいかと思っております。
続きまして、資料2の居宅介護支援の管理者要件にかかわる経過措置についてでございます。15ページに受講者数がグラフで出ておりますけれども、中長期的な視点で考えたときに、まず受講者数が平成21年あたりから右肩下がりに少しずつ減少しております。それから、介護支援専門員の受験資格の厳格化が行われた結果、受験者が平成29年の13万人から30年は4万9000人程度に受験者が減っている。一方で、受験資格の厳格化をしながら、過去史上最低の合格率10.1%で、平成30年は4,990人しか新しいケアマネジャーが誕生していないということになります。少ない県では30人程度というところもあって、今後そういったケアマネジャーの養成状況も踏まえる必要がありますし、現在働いている方の平均年齢は恐らく40歳台後半ぐらいだと思います。とすると、これを今後中長期の視点で考えたときに、要件をどうするかは継続的に検討していく課題だと思っています。
もう一つは、12ページでございます。そもそも、こちらの主任介護支援専門員の最初の研修のほうには人材育成とか業務管理、リスクマネジメント等、いわゆる管理者的な業務が入っておりますけれども、本来であれば管理者は働き方改革の視点も含めて労務管理であったり、場合によっては人間関係の調整であったり、ケアマネジャー業務以外の業務が発生してくるわけです。そういった管理者に資する更新研修の内容をもうちょっと充実していくべきではないかと思っています。
そのためには、受講料も含めて受講しやすい仕組みが一つと、管理者になることについて非常に重たく感じている職員も一部いらっしゃるはずなので、その方について、主任ケアマネさんが管理者になった後にそのあたりを少しサポートするような仕組みも、余り負担を感じているのであれば、そういったことも含めて主任ケアマネジャーがその業務内容にふさわしく成長していけるような支援も今後必要ではないかと思っております。
以上でございます。
○田中分科会長 御意見ありがとうございました。
武久委員、お願いします。
○武久委員 ケアマネは私も試験を受けたのですけれども、今、江澤先生が言ったように、最近は結構難しいのですね。ケアマネになるときには非常に厳しいのですけれども、主任ケアマネは、聞いていると、役割の重要さの割に研修に行ってじっと座っておればとりあえずくれると。
提案なのですけれども、「修了評価を実施すること」とは書いてあるのですが、例えば対人援助の監督指導とか、ケアプランを立てることとか、いろいろやって、この人は余りよくないなという場合は指導者が対応できるようにしてほしいと。
また、少なくとも研修の後に修了テストみたいなものをしていただくと、それなりに権威が出てくるというか、一部主任ケアマネとして適切でない人が私どものところにおりますので、私のところだけかと思いますけれども、ちょっと不安なところがあるので、主任ケアマネがいないと居宅が開けない時代がもうすぐそこに来ると、ただただ行って眠っていたらオーケーというのはまずいかと思うのです。担当の方で少なくとも修了のときに修了テストのようなものをしていただけると、私も使用者側としては安心するのですが、いかがでございましょうか。
○田中分科会長 振興課長、いかがでしょうか。
○尾崎振興課長 ただいまの修了評価も含めまして、また講習の内容も含めまして、さまざまな御意見をいただいているところでございますので、具体的にすぐ変えられるかどうかは別として、どういう課題があって、どちらの方向にかじを切って見直しをしなければいけないのか、そういったことは一度整理をさせていただかなければいけないと思ってございます。しっかりと受けとめた上で、何ができるか考えたいと思います。
○田中分科会長 濵田委員、お願いします。
○濵田委員 武久先生、御意見ありがとうございます。
12ページのカリキュラムをごらんいただければわかるのですが、特に実は演習主体に変わっておりまして、グループワークで演習をいたします。演習ですので、眠れないかとは思いますので、間に講義は入りますが、短時間で入りますし、最近はそういう受講生の方には厳しく指定団体が注意をするなどしておるようでございますので、補足をさせていただきます。
○田中分科会長 ほかに、資料1、資料2についてはよろしゅうございますか。
鎌田委員、お願いします。
○鎌田委員 ありがとうございます。
地域区分について、少しお願いをします。資料1の1ページに地域区分の目的は、地域ごとの人件費の地域差を調整するためとあります。介護現場で働く人たちの人件費を公平に保障するための仕組みと理解しております。
質問ですが、3ページに1単位の単価の紹介がありますが、設定された地域区分ごとに働く人たちの賃金がどうなっているのか、ホームヘルパーさんや介護職員の地域区分別に平均の給与の額がわかるようでしたら、資料を出していただきたいと思っております。
7ページの人件費割合の推移ですけれども、訪問系の人件費の割合が平均3%程度低下傾向にあるという心配になる報告があります。通所・入所系及び施設サービスの人件費の割合は平均2%程度上昇傾向にあるので、なぜ訪問系の人件費割合が下がっているのでしょうか。介護保険では在宅サービスを利用する人が8割近くになっていきます。ひとり暮らし、高齢者夫婦で暮らす人も多い中で、ホームヘルパーさんや訪問看護師さんなど、訪問系のスタッフの確保はとても重要だと思いますので、その割合が下がっていることを教えてほしいと思います。よろしくお願いします。
○田中分科会長 質問が2点ございました。
○眞鍋老人保健課長 2つお尋ねをいただいてございます。
まず、3ページをもとに地域区分ごとの人件費がどうであったかということでございますが、私どもは介護事業経営実態調査などを用いまして、それぞれ御指摘いただいた中でどのぐらい対応できるかわかりませんけれども、受けとめて、可能な範囲でお示しできるものはお示ししてみたいと思います。
一方で、対象となる事業所の数が非常に少なくなってきますと、今度は信頼性がなくなるという統計的なこともございますので、そこは技術的なところも含めて勘案して、お出しできるものがあればお出ししたいと思います。それは今後の課題として受けとめさせていただきます。
7ページに人件費割合の推移がございます。ごらんいただきまして、左上が訪問系でございます。平成23年の人件費割合から比べますと、下がっていると見えるところはありますが、26年度の調査から29年度の調査で見ると、上昇傾向にあるものもございます。それぞれ何が原因というのは、基本的には近年は人手不足感が強くなってきていて、その分、人件費が上がる傾向にあるだろうということ程度は言えると思うのですが、過去からの傾向の原因に関しましては、そちらのデータを持ち合わせていないところでございます。
以上です。
○田中分科会長 小泉委員、お願いします。
○小泉委員 ありがとうございます。
地域区分の人件費割合についてでございますけれども、人材不足による人件費の高騰から、見直しの必要があると感じております。全国老人福祉施設協議会の調査によりますと、特養は48%程度にまで高まっております。現在は70%、55%、45%の3区分となっておりますけれども、この区分の精緻化を検討するべきではないかと思っております。
以上でございます。
○田中分科会長 御意見ですね。
資料1と資料2については、これでよろしゅうございますか。
江澤委員、お願いします。
○江澤委員 1点追加ですけれども、不測の事態により1年間の猶予の対応案がございますけれども、ここについては地域の実情を十分考慮して、不要な主任ケアマネジャーの引き抜きとか、無意味な争奪戦は地域にとって必ずしもいいことではありませんし、そのあたりは地域の実情を十分勘案するということで御検討いただければと思います。
ありがとうございます。
○田中分科会長 資料1、資料2についての御議論をありがとうございました。
資料1、資料2については、本日いただいた御意見を踏まえ、次回、当分科会として一定の方向性を示すことができるように、事務局としての整理をお願いします。
次の議題に移ります。議題3「令和2年度介護従事者処遇状況等調査」について、事務局より説明をお願いします。
老人保健課長、お願いします。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
それでは、次の議題につきまして、資料3「令和2年度介護従事者処遇状況等調査の実施について(案)」を用いまして、御説明させていただきます。
基本的には、下のような考え方に沿って調査を行ってはどうかと御提案をするものでございます。また、この内容につきましては、今週でございますけれども、11月11日に介護事業経営調査委員会におきまして取りまとめられた内容を報告させていただき、御審議をお願いするものでございます。
1.調査の目的でございますが、処遇の状況及び処遇改善の影響等の評価を行うとともに、介護報酬改定のための基礎資料を得ることを目的としているものでございます。特に今回はこの10月から開始をしております特定処遇改善の影響を見るということを目的としてございます。
2.調査時期に関しましては、ここに記載のあるとおりでございまして、令和2年4月ということを考えてございます。
そして、これは次の介護報酬改定に間に合わせるという意味もございまして、この時期にさせていただいているところでございます。
参考でございますが、通常、平成30年度調査の調査時期は平成30年10月ということなのですけれども、時期としても半年違うイレギュラーな時期でありますが、先ほど申し上げましたように、今回10月の特定処遇改善の影響を迅速に見ること、また、次の介護報酬改定に間に合わせるという観点で、この時期になっているところでございます。
3.調査対象及び抽出方法及び抽出率でございます。今回は特定処遇改善加算の介護職員の処遇への影響等をきめ細かく把握する観点から、これまでの調査対象サービスに加えまして、介護職員が多く配置されているサービスを追加してございます。具体的には下線を引いておりますけれども、「通所リハビリテーション事業所」「特定施設入居者生活介護事業所」「小規模多機能型居宅介護事業所」でございます。
一方で、ここには記載はございませんけれども、今回の調査は特定加算の対象となっていない居宅介護支援事業所は対象に含めていないというところでございます。
2ページ、4.調査項目は、従来の処遇状況等調査の項目に加えまして、下線を引かせていただいておりますが「介護職員等特定処遇改善加算の届出の状況」、これは施設票でございます。次に従事者票でございますけれども、こちらは「介護職員等特定処遇改善加算の状況」ということでございます。これらを追加してお尋ねするということでございます。
5.調査項目の変更についてということでございますけれども、2年度の調査におきましては、元年の介護報酬におきまして行われた特定処遇改善加算の影響等の評価を行うための調査項目を設け、今申し上げたようなことを考えているところでございます。
3ページ、これは先ほど申し上げましたことを表にしたものでございまして、左側に平成30年度の調査の項目で「調査対象施設・事業所」「調査対象者」「調査の方法等」が並んでおります。
右側が令和2年度調査として案としてお示ししているものでございまして、対象を追加していること、また「特定処遇改善加算の届出状況」を新しく調査するということで追加したものでございます。
4ページ、5ページにつきましては、抽出率でございます。前回調査の結果の精度を踏まえまして必要な精度、これは調査対象サービス全体の職種別の平均給与額に関しまして、標準誤差率が一定の範囲内におさまるように抽出率を設定して、このようにさせていただいているところでございます。
具体的な調査票でございますが、こちらは資料4でございます。
例えば1ページ、施設・事業所票で、問1の(3)の中で「特定処遇改善加算手当」というものを新しく追記して、赤い字で書いてその後に黄色で塗りハイライトをしておりますけれども、こういったことをお聞きするということでございます。
5ページ、6ページ、これはこの特定処遇改善加算を「届出をした」あるいは「届出をする予定はない」ということ、また、その理由などをお聞きしているところでございます。
7ページ、8ページ、これは算定の状況、届出の状況でございます。
各施設に共通のところはこれで終わりまして、13ページ以降、調査に該当する調査対象の事業所ごとに、介護福祉士さんが対象ですけれども、そのうち今回の特定処遇改善の中で経験・技能のある介護職員さん、それ以外の介護職員さん、そしてまた、その他の職員さんということで分けておりますけれども、細かくそれぞれの方々がどのぐらいいらっしゃるかをサービスごとに聞いているところでございます。
23ページ以降が、従事者票ということでございます。これは個々の従事者につきまして、今回の特定処遇改善加算でどのぐらい処遇が改善されたかをお聞きするものでございます。
かいつまんでの御説明になり恐縮でございますけれども、調査に関する御説明は以上でございまして、また、意見書が出ていることも御紹介させていただきました。
御説明は以上でございます。
○田中分科会長 説明ありがとうございました。
ただいまの資料3、資料4について、御質問、御意見がありましたらお願いします。
河本委員、お願いします。
○河本委員 ありがとうございます。
確認をさせていただきたいのですけれども、この特定処遇改善加算導入に当たっての議論の際にも予見等も含めた効果検証の必要性について、この場でも相当議論になったところですが、実際に新規の人材確保にどの程度効果があったのかという効果検証は、この調査とはまた別途の場で行われるということでいいでしょうか。また、別で調査を実施するとうことであれば、それはいつごろ、どのような形でやられるのかを教えていただきたいと思います。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
御質問に関しましては、その理解のとおりでございまして、まずこれは事実関係として、どのぐらい賃金が向上しているか、あるいは届出がどうかを聞くものでございます。別途、今回の特定処遇改善に係る設定の議論の中でございました効果に関しましては、来年度の老人保健健康増進等事業、そういった別途の調査を立てようと思ってございます。そこに関しましては、まだ具体的にいつということはきちんと決まっているわけではございませんが、来年度の早く改定に間に合う段階でやらせていただきたいと思ってございます。
以上でございます。
○田中分科会長 よろしいですか。
伊藤委員、お願いします。
○伊藤委員 まず、質問をさせていただきたいと思います。
今の御説明で、居宅介護支援事業所については今回調査対象としないということなのですけれども、従来から経営実態調査で収支差がマイナスになっていて単独での経営が難しいという実態も読み取れる中で先ほどの前の議題の中の資料を見ても居宅介護支援の人件費比率に大きな変動もありますので、なぜ居宅介護支援事業所の処遇について調査をやめることにするのかについて、もう少し御説明いただきたいと思います。
また、特定加算の取得事業所における加算対象者の選定方法については、事業所でかなり苦労されているという話も前から出ておりますが、どうやって選定しているかということはこの調査で読み取れるのでしょうか。
それから、特定加算は職場環境等の改善の取り組みを複数行うことが要件になっていると思うのですけれども、この取り組み状況を確認できるようになっていますか。
最後ですけれども、従事者票の抽出調査についてお聞きします。抽出率が5分の1、2分の1等と定められておりますけれども、抽出方法については事業主に任されているのかどうかという点です。今日の分科会の前に経営調査委員会でも審議があったと思うので、その辺で議論があったりすれば、それも含めて紹介いただきたいと思います。
○田中分科会長 質問は4点でしたか。お願いします。
○眞鍋老人保健課長 まず、今回、居宅介護支援事業所を対象としないということにした理由に関するお尋ねでございましたけれども、これは先ほど御説明したとおりでございまして、あくまで今回の調査が今回の特定処遇改善による影響を調査するものであるということでございまして、そうすると、記入者負担等の観点から、その対象となっていない事業所に関しましては対象としないという整理によるものでございます。
今回の対象者の中で、経験・技能のある介護職員、そうでない介護職員、その他の職員、どのように対象とするかということに関して、確かにそれを事業所はお悩みになっているということは私どもも仄聞してございます。ただ、この中ではそれを質問の理由として立てることが厳しいところもございまして、そういうことがわかる調査票の設計にはなっていないところでございます。ただ、今回の届出を行ったか、行っていないか、その行っていない理由という中で、例えば介護職員さんを選ぶのが難しい、バランスが難しいなど、類推できるような項目は入っているかと思ってございます。
職場環境等要件でございますが、これは調査票でございますけれども、資料4の11ページに処遇の改善状況について「資質の向上」「労働環境・処遇の改善」、12ページに「その他」ということで、何を新たに行ったか、これまでやってきたかということもお聞きするようなことで、基礎的な資料は得られるかと思ってございます。
また、従事者票でございますが、経営調査委員会でありましたのは、3月の時期でとりますので、例えば手当に関しましては1年分なのか、半年分なのか、そういうことがきちんとできるようにという議論がございまして、そこは記入要領にきちんと書くことにしようという議論がございました。
対象者の抽出に関しては具体的な議論はなかったわけでありますけれども、私どもとしては、不公平が起こらないように記入要領の中できちんとお示ししたいと思っております。
以上でございます。
○伊藤委員 ありがとうございました。
居宅介護支援事業所について調査しないということについて、資料3を見ても特定加算の評価とは書いていませんで、調査目的の説明がペーパーと合っていないと思います。居宅介護支援は前回調査しているのですけれども、もともと処遇改善加算の対象になっていないにもかかわらず調査しているということもあるので、こういうものを継続的にやっていくことが重要だと思います。
特定加算の対象者の選定については、把握できないというのは残念だと思いました。取得できない理由のほうで書かれているというのは確かにわかったのですけれども、働いている人が納得してその対象を選ばれているのかは、職場においてはとても重要なポイントだと思っていますので、そういうことは何らかの形で把握していってほしいと思います。
職場環境等要件の把握について、先ほど指摘していただいた11ページでしたか、ここの回答と合うようになっているのでしょうか。なっていれば、特定加算をとっているところでどの職場環境等要件を採用しているかがわかると思います。そこはリンクしている形のほうがいいと思います。
最後ですけれども、従事者の抽出に当たって、極端な話、特定加算は1人でもいいということになっていますから、440万とか8万の対象者をピックアップするときに、賃金表の並び順で恣意的に抽出されないように指導はされるのだろうとは思うのですけれども、特定加算をとっているところだったら、絶対にその人をその調査対象に入れるのではないかと想像はしてしまうわけで、その辺、バイアスがかかって調査結果に対して信頼性が揺らぐようなことがないように、抽出方法については、今回特段の対応をとっていただく必要があると思っています。
以上です。
○田中分科会長 お願いします。
○眞鍋老人保健課長 いずれも重要な御指摘と受けとめました。
今回の調査、そしてまた来年度行う別途の調査等も含めて、御要望、御指摘にはできるだけ答えられるように努めたいと思います。
○田中分科会長 ありがとうございます。
調査は今回だけではないということですね。
鎌田委員、お願いします。
○鎌田委員 ありがとうございます。
私のしゅうとめはグループホームに入居しているのですけれども、会いに行くたびに新しい職員さんがいて、人材派遣会社からの職員さんということをお聞きしたりしています。
それから、この10月からの特定の処遇改善加算があって、その説明を重要事項説明書で聞かせていただいたのですけれども、説明がよくわからないというのが結構あって、説明する方もこの全体をよくわかって説明しているわけでもなく、私たち利用者側のほう、家族のほうも、職員さんの給与が上がるのだったら、それはそれでそんなに詳しく言わないでもいいわ、職員さんが定着してくれるのだったらいいわと思って1日14円ぐらいをお支払いするような契約にサインしているわけなのです。説明責任というところでは、もちろん事業所サイドの責任もあるでしょうけれども、厚労省としても、国としても、説明しやすいようなマニュアルみたいなものをつくっていただいたり、何か少しお考えをいただけるようなことをしていただければと思っています。
もう一つは、処遇改善加算が人材の定着のためというところでされているわけなのですけれども、今後またいろいろな調査をしていかれるとお聞きしましたが、それぞれ調査される事業所の離職率、派遣会社の派遣職員の割合、今回の特定の処遇改善には派遣会社からの職員さんは入らないわけなのですけれども、そういうところ。また、友人などに聞きますと、派遣会社にかなりのお金を支払っているところもあるということなので、そういう人材の定着というところ。私たち利用者としては、職員さんがころころかわるのではなくて、安定した形でいらっしゃって、かつ研修なども受けていただいて、質を上げていただければと思ってお金をお支払いしていますので、そのような調査も御検討されているかということと、されていなければぜひお願いしたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 お答えください。
○眞鍋老人保健課長 介護人材の定着に関するさまざまな観点からの調査を行うべきであるという御指摘だと受けとめてございます。
まず、離職率等に関しても、我が課がやっているものではございませんが、例えば雇用動向調査、介護労働実態調査のようなもの、実は国がやっている調査ではございませんけれども、そういったさまざまな調査などがございます。これも必要に応じて紹介をさせていただければと思います。
また、一般に人材確保のために処遇改善を行っていって、それを定着するようにという御指摘はそのとおりだと思ってございます。そういう意味で、例えば事業者様が説明しやすいようなことで何かできるかも含めて、今後定着に一層努めていきたいと思っております。
以上です。
○田中分科会長 お願いします。
○鎌田委員 ほかのところでということなのですけれども、今回調査をされた事業所が実際にこれだけの改善のことをやっているという調査をされるわけですから、そこの事業所さんにどれだけの離職があったのか、先ほどおっしゃったようにお一人でも入ればこれはやっているということになるので、どれぐらいの方、どれだけの職員さんが本当にこの1年間でこういうものがあるから魅力を感じて介護の現場にいらっしゃっているかということを見ていただきたい。ほかのところでの調査でなくて、これと並列した形をぜひお願いしたいのです。
以上です。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
御指摘として、この調査にあわせて行うべきであるという御指摘だと受けとめております。一方で、私どもはさまざまな統計を使って現状をお示しして御議論いただくように努めることが重要だと思ってございます。また、記入者負担のことがございますので、そこにも配慮がございますし、統計の目的を何で達成するか、そのような統計調査のそもそもの組み立てもございます。最終的にはこれは政府の統計になりますので、そういう審査もございます。さまざまな観点で、私どもとして、これで行うものと、別途、御指摘を受けたので御議論に供するように準備させていただくもの、整理させていただいて、今後対応させていただければと思っております。
○鎌田委員 よろしくお願いします。
○田中分科会長 藤野委員、お願いします。
○藤野委員 ありがとうございます。
質問が2つあります。1つ目ですが、調査項目の11ページ目に、給与引き上げ以外の処遇改善に関する質問があります。ここで挙げられている研修に関してなのですけれども、これは職能団体が行う職能の質の向上を図るための研修も含まれると考えてよろしいのでしょうか。
2つ目ですが、経験・技能のある介護職員に関して、経験に関しては年数を尋ねる項目があるのですが、技能については何で確認とお考えでしょうか。
2つ質問をよろしくお願いいたします。
○田中分科会長 老人保健課長、お願いします。
○眞鍋老人保健課長 11ページの「資質の向上」にあります「研修の受講」の研修に関するお尋ねでございますけれども、ここは広く研修を捉えていただいていいと考えてございますので、それは職能団体が行うものも当然含まれるというものでございます。
また、経験・技能ということで、今回特定処遇改善加算を行うところでございますけれども、技能に関してはなかなかとるようなきちんとしたメルクマールなどは設定しがたいところがございます。そこは私どもとしては、経験年数というところで一定程度代替している。そういう理解で今回の調査、また加算も組み立てたところでございます。
以上です。
○藤野委員 ありがとうございます。
給付費分科会ではないのですけれども、審議会の報告の中で、介護福祉士が介護職のチームのリーダーとして中核的なリーダーを担うと位置づけられておりますので、職能団体としても、この役割を適切に担える人材の育成に尽力していきたいと思います。ありがとうございます。
○田中分科会長 覚悟のほどを言っていただきまして、ありがとうございます。
調査について、ほかによろしゅうございますか。
石田委員、お願いします。
○石田委員 教えていただきたいのは、資料3で抽出率は出ているのですけれども、これまでの実績で回収率は何%ぐらいのものであるか。
実際には調査票を拝見いたしますと、回答している施設の所在地ということで、都道府県はわかります。そうすると、結果として、施設ごとの結果が出るのは当然なのですけれども、都道府県別のデータは調査項目にあるのかないのか。それが2つ目の質問です。
最後は、実際にこういう調査があったときに、もう一方で、実際に従事している当事者、介護福祉士など介護職の皆さんたち、現場の人たちからの声を聞き取る調査をおこなって、それらの結果を同時にすり合わせていく必要があると思います。その調査の必要性ということで、それはぜひとも検討していただきたいし、やる予定とか、実際にやっていらっしゃるのだったら、それを教えていただきたいと思います。
○眞鍋老人保健課長 3つお尋ねをいただいてございます。
まず、回収率でございますけれども、これは過去の調査でございますが、大体7割の回答率を得ているところでございます。例えば平成30年度で申し上げますと、客体数1万余りであったのですけれども、そのうち有効回答数が7,900余りということで、74%ぐらいの回答率をいただいているものでございます。
これが都道府県ごとに表章されるかというと、全国でこのぐらいの誤差率で設定してございますので、都道府県ごとに表章するとなると誤差率が上がってしまって、信頼できるものかどうかという議論はあろうかと思います。そこは検証してみないとなかなか厳しいところもあろうかと思います。
従事者がどうお感じになっているかということですけれども、そこに関しましては今回の調査では対象としてはございませんが、別途、そこは来年度行います処遇改善関係の調査の中でどこまでできるのか検討してみたいと思います。
以上です。
○田中分科会長 堀田委員、お願いします。
○堀田委員 先ほどの鎌田委員の御指摘についてなのですけれども、課長もお答えになっていたところにも重なるところがあるかもしれないのですが、離職率をこの調査に回答してくださっているところでもとることはできないかという御指摘もあったのではないかと思います。資料4をごらんいただきますと、これの13ページ以降にサービスごと、例えば13ページですと問6に大きな表があります。これは御記入いただくのはとても大変なのですが、問6はサービスごとに、次のページでも老健だったらと書いていただくことになるのですけれども、実際にはこの問6をきっちり埋めていただいていると、御回答くださった事業所の入職率、1年間の離職率は、設計上はここから計算できることになっています。
ただ、離職率や採用率みたいなものに影響を及ぼし得る要因はいろいろとありますので、この前までのさまざまな取り組みがどれぐらいこの離職率に対して寄与したのかというのは、分析を深めないとなかなか直接的に見ることが難しい側面もあるのですけれども、一応この調査票の中でも各事業所の離職率、採用率を見ることができる設計にはなっています。補足させていただきたいと思います。
以上です。
○鎌田委員 ありがとうございます。
○田中分科会長 ありがとうございました。
伊藤委員、お願いします。
○伊藤委員 最後に要望です。この間、この調査票の議論は分科会でやらせていただけるわけですけれども、実際はその前に経営調査委員会で専門的な検討をされて上がってくるということで、その後に今日も幾つも意見を言っているわけですけれども、これがどう取り扱われているのか。これまでも、言いっ放しになっているような気持ちになるところもあります。
先ほども、ぜひ今回の調査で入れてほしいという意見もあったわけで、私もそういうつもりで言っていますし、経営調査委員会にこういう意見があったという形で戻していただいて、もう一回検討していただくというプロセスをぜひお願いしたいと思います。
○田中分科会長 お願いします。
○眞鍋老人保健課長 私どもとして受けとめさせていただいたものを、まず経営調査委員会の先生方にも周知をさせていただくというのは、そうさせていただこうと思います。
私どもはこれを政府統計にして、次の改定に間に合うタイミングで調査を実施しないと、スケジュール上の制約もございます。その中で、私どもとしていただいたものは精いっぱい受けとめさせていただいて、反映をさせる方向でやらせていただきます。
最終的には、私どもとしては経営調査委員会の委員長であり、また、分科会長である田中先生とも御相談しながら進めていきたいと思っております。
○田中分科会長 どこまでできるか考えながら進めます。
ほかによろしゅうございますか。
では、今の伊藤委員の御発言ではないですが、いただいた意見がどこまでできるかどうか、実際にはフィージブルであるかどうかもあります。入れたいけれども、総務省との打ち合わせもあるし、予算の関係もあるでしょうから、どこまでできるか、最後は事務局と私に一任していただくことでよろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○田中分科会長 ありがとうございます。
用意された議題はここまでですが、そのほかで何か御発言はございますか。
○亀井委員 よろしいですか。
○田中分科会長 結構です。お待たせしました。
○亀井委員 三重県名張市長です。
きょうは委員会か何かがあるのか。こういう会議については財務が行う諮問委員会もあれば、厚労の関係ではその中の介護にあってはこれが最終の詰めの会議で、ここで決定したことが制度、そして、事業になっていくわけです。そういう意識を持って対応いただけたらと思っていますので、よろしくお願いします。
この介護については、当面する課題と中長期的に取り組まなければならない課題があろうかと思うのですが、当面する課題について申し上げますと、先ほどから主任ケアマネ等のお話がございましたが、そこまで行かない。人材の確保が難しい。今までこの介護保険制度は、介護の質を維持していくために、現金給付を入れなくてよかったなと今でも我々は思っているのですが、そのような中で、ここへ来て従事者の確保が非常に困難になってきているわけです。特に小規模自治体です。全国で1,700の自治体がありますが、そのうちの30%の自治体では、もう人口が1万以下なのです。この人口1万以下の自治体が、こういういろいろな取り組みをしていくことについては、非常に困難をきわめているわけです。この人材の確保等については考え方も切りかえていかないといけないのではないか。このように思っています。それは共通の資格をこれから検討していくべきだ、このように思いますので、これまたぜひ考えてほしいと思います。
それから、地域共生型ケアの推進、これはかねてから大分申し上げていたのですが、いよいよ来年から予算化になるかという感じがしております。これは社会・援護局と、ここと、あるいは子どもが連携してやっておられると思いますが、総合的包括支援事業ということですが、これについての予算化は補助金でやろうかと思われていると思うのですが、我々この自治体にあっては、これは包括的複数年度交付金とならないのかなと。これは単年度で成果を出せというのは非常に難しいのです。これは私の経験から申し上げているのです。ですから、それは主計が最も嫌がることなのですけれども、基金事業か何かにして、最低でも3年継続の事業となっていかないのかなと。こういうことを要望させていただきたいと思います。
我々は保険者機能を維持していかなければならないわけです。強化していかなければならない。こういうことですが、今、広域化と総合的運用ということをやっていますし、勉強しています。総合的というのは、障害はこのままでいいのかというのはあるのです。これは永遠のテーマみたいになっていますが、是が非でも統合が必要になってくるだろうと思います。
財政構造のあり方、これを議論しようと思ったら、国も高齢者というのは何歳からだというのは再検討してほしいなと。介護保険の対象は何歳からだ、こういう議論もこれからしていっていただきたいと思っています。それよりも若い方をカバーするのが障害者の自立支援法になってくるのかなと、こんなふうにも思っているのです。
いよいよ人生も100年時代ですから、それについての対応をきっちりしていかなければなりませんが、我々は今、介護予防、疾病予防、健康づくり、そして、健診率を高める。こんな取り組みを一生懸命しております。これは何かといったら、健康寿命を延伸させていく。こういう取り組みです。健康寿命を延伸させていく。これは担い手、要するに分母を長く務めていただくということで、そういう方向でやっているわけです。これは必ずやらなければならないことなのです。
ただ、いずれにしても結局は医療が必要になって、介護が必要になって、先送りをしているわけです。健康寿命は高まりますが、平均寿命も高まっていくことになってきます。この部分は、本人も望んでいない、家族も望んでいない、しかし、管を入れたらそれをずっとやらなければならないということについて、終末期の医療についてもこれからどんどん議論を高めていかなければいけないし、これは国が率先してできないことです。ですから、我々自治体でやっていって北京の蝶になっていかなければいけないのかなと、こんなふうにも思わせていただいております。
今、生活に戻せない医療はどうなのだろうということも思っているのです。これは医療の方も非常に矛盾に思われているのではないかとは思っているのですが、これからそういう議論を高めていくべきであると。
もしこれについて老健課長か、振興課長か、何か御所見があったらおっしゃっていただけたらと思います。
日医の江澤先生、何か所見があったらどうでしょうか。おっしゃっていただけたらと思うのですが。
○田中分科会長 局長がおられないから江澤委員に飛んできましたけれども、いかがですか。老人保健課長のポジションではそこまで答えられませんでもいいのですけれども、どうしますか。
○尾崎振興課長 ただいまいろいろと御指摘をいただきまして、ありがとうございました。
また、本日、事務局の体制が不十分だということ、大変申し訳なく思ってございます。
いろいろいただいた中で、人材確保が難しいという話、保険者機能を強化していこうという話、健康づくり、健康寿命を延ばしていこうという話、いずれも現在介護保険制度の見直しをしている介護保険部会での検討の大きな項目になってございます。今の市長の発言も踏まえて、しっかりと検討させていただきたいと思ってございます。
また、地域共生社会の関係についても御指摘をいただいたところでございます。おっしゃられたとおり、社会・援護局が中心となってやってございますが、老健局なり、子どもの関係の局、障害の局、それぞれが連携をしながら実施をさせていただいているところでございます。
予算の組み方については、いろいろと御意見をいただいところでございますので、しっかりと社会・援護局にお伝えさせていただきたいと思います。
また、医療のあり方そのものについては、私どもの手に負える大きさではないというところもございますが、さまざまな意見を伺いながら、高齢者のために、高齢者の地域での生活のために何が最もよいのか、そういった観点からいろいろと議論をさせていただければありがたいと思ってございます。
○田中分科会長 お願いします。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
今、振興課長が申し上げたことでほぼ尽きておりますけれども、加えるとすれば、健康寿命の延伸というのは厚労省でも大きな目標としてございまして、2040年までに3歳延伸をするという目標を掲げているところでございます。そのために、おっしゃっていただいた中の介護予防、健康づくり、これも含めて、できるところは全てやろうということでやらせていただいているところでございます。
○田中分科会長 江澤委員、お願いします。
○江澤委員 御指名ありがとうございます。
まず、今、国を挙げて健康づくり、医療も介護も予防に非常に力を入れているところでございます。一方で、介護予防につきまして、国の施策等の中心は重度化防止に若干偏っているかと思っておりまして、要介護者の発生をいかに防止するかというのが今後重要なテーマだと思っております。
これは私ども医師会としても、かかりつけ医の大きな重要な役割と認識しておりますけれども、特に中高年から生活習慣病を発症して、それがもとで一部の方は要支援、要介護者になっているという現実がございます。特に20代、30代の若い世代からの生活習慣への介入というのは、今後非常に重要ではないかと思っております。
これは私の個人的な意見ですけれども、今、特定健診をどうするべきかという議論はされておりますけれども、例えば20代、30代の特定健診の対象外の、正規・非正規問わず従業員健診を強化して、血液検査等も含めて早い段階で行っていくことが重要ではないかと思っております。私はたまたま病院の経営者ですから、全職員、毎年新卒の方から血液検査もレントゲンも行っておりまして、一定割合で異常者はキャッチアップできます。今後従業員健診等で、事業主の責任のもと、ちゃんと働き方改革の視点で要受診、要指導にちゃんと結びつけていくことも新たな取り組みかとは感じているところでございます。もちろん遺伝的な要因とか環境要因はありますけれども、かなりさかのぼって若年世代からの生活習慣の改善は非常に重要だと思っております。
もう一点、人材のことがございましたので、人材につきましては、処遇改善等、非常にありがたい試みをしてくださっておりますけれども、一方で、賃金だけで果たして職員が介護職をやめないのかどうか。介護職をやめる理由のトップは職場の人間関係、次が結婚・育児・出産・妊娠等、3位が事業所の施設の方針や理念、運営のあり方でございます。
そのあたりも含めて今ちょうどお願いしているところで、長期、10年、20年、どうにかやめたいときを乗り越えて続けられている介護職員のヒアリングをするなどして、特にやりがい支援などです。私たち現場職はやはり職人ですので、目の前の利用者や患者さんが自分の施したケアによってお元気になったり、笑顔が出たり、場合によっては「ありがとう」と言ってもらえることが一番元気が出る特効薬だと思っておりまして、そうしたことも含めて、幅広い視点で人材育成をまた現場のほうから提案させていただきたいと思っております。
よろしいでしょうか。
○亀井委員 3年前に日医が終末期医療あり方研究をおまとめになりました。私はあれを参考にさせていただいて、その取り組みをこれから進めていけたらと。あれは国が音頭を取ってできる事業ではないと思っているもので、これは心ある自治体が率先してやっていくべきだと、このように思っています。よろしくお願いします。
○田中分科会長 ありがとうございました。
お願いします。
○江澤委員 一言だけ、ちょうど今、日本医師会の会内委員会で生命倫理懇談会を設けておりまして、また今年度もそのあたりを含めて、新しいACPなどを含めて御提案させていただきますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○田中分科会長 ほかにございませんか。
では、御議論をありがとうございました。本日の審議はここまでといたします。
最後に次回の分科会の日程等について、事務局より説明をお願いします。
○栗原企画官 次回の日程は事務局から追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○田中分科会長 では、本日はお忙しい中をお集まりいただき、御議論をありがとうございました。