第24回技能検定職種の統廃合等に関する検討会議事録

日時

令和元年11月19日(火) 10:00~12:00

場所

中央合同庁舎第5号館仮設第3会議室

出席者

委員(五十音順)

議題

(1)令和元年度技能検定職種の統廃合について
(2)報告事項
  ア 平成30年度技能検定実施状況について
  イ 令和元年度技能検定作業の統廃合等の検討の予定について
(3)その他
 

配布資料

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議事

第24回「技能検定職種の統廃合等に関する検討会」
○平地職業能力検定官 それでは皆様、お集まりいただきましてありがとうございます。定刻となりました。本日はお忙しい中、第24回技能検定職種の統廃合等に関する検討会に御参集いただき、誠にありがとうございます。検討会の開催に当たり、能力評価担当参事官の釜石より御挨拶を申し上げます。
○釜石参事官 皆様おはようございます。ただいま御紹介がありました厚生労働省能力評価担当参事官の釜石です。この7月まで主任職業能力検定官でございました。引き続きよろしくお願いいたします。本日は御多忙のところ、本検討会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。平素より技能検定制度をはじめとする職業能力評価行政につきまして多大なる御支援を賜わり、厚く御礼申し上げます。検討会の開催に当たりまして一言御挨拶したいと思います。
最初に、この技能検定を取り巻く状況でございますけれども、技能検定制度は昭和34年に制度が開始されたということで、今年で60年になります。これまで、延べ697万人が合格しているということでございます。後ほど報告もございますけども、1、2級の受検者数は減少傾向にあるという一方で、平成29年度から導入した、ものづくり分野の技能検定の受検、35歳未満の若者が受検する際の実技試験の受検料を減免するという措置もあって、3級の受検者数は持ち直しているというふうな状況でございます。また、外国人の検定の受検者が、近年の人手不足もありまして、大きく増加しておりまして、試験の実施体制の充実というのが急務となっているという状況であります。
今後、日本がものづくりで世界をリードし続けていくためには、技能検定制度の更なる充実と普及、そして活用促進を図っていく必要があるのではないかと感じているところであります。この検討会につきましては、社会・経済情勢の変化に対応して、職種の統廃合の要否について検討いただくというところでございます。平成17年の閣議決定などの政府方針に基づいて、社会情勢の変化などから社会的ニーズが減少して、受検者数が著しく少なくなっている検定職種について、社会的便益などの観点も含めて、統廃合の是非を検討いただくということでございます。本日は、技能検定職種の統廃合の具体的な検討を進めるということで、昨年度までの職種別の合格者数の推移などのデータを事務局において整理したものを御報告させていただきますので、活発な御意見、御議論を頂ければと思います。よろしくお願い申し上げます。
○平地職業能力検定官 ありがとうございます。参集者の先生方につきましては第22回及び第23回の開催から変更はございませんが、改めて御紹介させていただきます。私のほうから席順に御紹介させていただければと存じます。まず黒澤先生です。
○黒澤委員 よろしくお願いいたします。
○平地職業能力検定官 続いて、職業能力開発総合大学校名誉教授の松留先生。
○松留委員 松留です。よろしくお願いいたします。
○平地職業能力検定官 本検討会の座長をお願いしております、武蔵大学客員教授の北浦先生です。
○北浦委員 北浦です。
○平地職業能力検定官 ものつくり大学の松本先生です。
○松本委員 松本です。よろしくお願いします。
○平地職業能力検定官 株式会社日刊工業新聞論説委員の八木澤先生です。
○八木澤委員 八木澤です。
○平地職業能力検定官 職業能力開発総合大学校名誉教授の和田先生です。
○和田委員 和田です。どうぞよろしくお願いします。
○平地職業能力検定官 なお、大野委員、松井委員につきましては、本日御都合が合わず御欠席となっております。よろしくお願いいたします。また、参事官の釜石のほかにも事務局側の人事異動がありましたので、改めて紹介させていただきます。2023年技能五輪国際大会準備室長兼主任職業能力検定官の成毛です。
○成毛主任職業能力検定官 成毛です。どうぞよろしくお願いいたします。
○平地職業能力検定官 上席職業能力検定官の中島です。
○中島上席職業能力検定官 どうぞよろしくお願い申し上げます。
○平地職業能力検定官 そして、私は職業能力検定官の平地と申します。よろしくお願いいたします。また、本日1階で御案内をしておりました係員の樋渡です。よろしくお願いいたします。
続いて、お手元のタブレットで資料を御確認いただければと思います。厚生労働省ではペーパーレス会議の開催を推進しており、第23回もペーパーレスにさせていただいたのですが、今回もまた、ペーパーレス開催とさせていただいております。資料につきましては、PDF一覧になっており、上から01~11まで議事次第、開催要綱から始まり、資料1の統廃合について、また、プレリリース関係等々御確認いただければと思います。機材の不調ですとか、そういったものはございますか。もし、何か操作や機材の不調等ありましたら事務局で対応しますのでお呼び立ていただければと思います。
それでは、本日は技能検定職種の統廃合について、現状や今後の進め方について確認を行う予定とさせていただければと思います。それでは、これからの議事進行は、北浦座長にお願いします。
○北浦座長 それでは、進行役ということでよろしくお願いしたいと思います。本日の議題ですが、議事次第にありますように、技能検定職種の統廃合の問題が1件ありますが、それ以外にも報告事項が何件かあります。順番に進めてまいりたいと思います。
まず、議題1「令和元年度技能検定職種の統廃合について」ということで、事務局から資料の御説明をお願いいたします。
○中島上席職業能力検定官 私から資料の説明をさせていただきたいと思います。資料03と03-2が順番が前後しており、恐縮です。資料1「令和元年度技能検定職種の統廃合について」を御覧ください。今回は本年度1回目ですので、職種統廃合の検討に係るこれまでの経緯について御説明いたします。
技能検定については、現在、指定試験機関が行うものと、労働保険特別会計から一定割合の補助金が拠出された上で行う都道府県方式があります。そのような中、平成17年に民間の指定試験機関への移行を促進するとともに、社会情勢の変化に対応した統廃合を行っていくことが閣議決定されました。
さらに、平成19年に規制改革会議において、検定職種の統廃合、新設民間参入を推進するため、統廃合に係る定量的な基準を設定することとされたところです。これらの政府の方針を受け、平成20年度に技能検定の職種等の見直しに関する専門調査委員会を開催し、平成21年1月に取りまとめられました報告書において、2の第1次判断として前年度までの受検者数実績を基準に、統廃合検討の対象職種を選定するとされたところです。
第1次判断の基準としては、下の囲まれている所にありますように、過去6年間の年間平均受検者数が100人以下、ただし、直近2年間の受検者数がいずれも100人超のものを除くとされました。また、これらに該当する職種のうち、2年や3年に1回実施するものについて、それぞれ50人以上や30人以上の場合は、各実施年における受検者数が100人に達することから、検討対象から外すことが適当とされたところです。
これらの基準に基づき平成21年度から、毎年、職種の統廃合の検討を行ってきており、本日の検討会において、昨年度の受検者数実績を踏まえ、今年度の統廃合の検討対象職種について説明させていただくこととしております。なお、これらの政府方針や検討会報告書については参考資料として添付しておりますので、必要に応じて閲覧していただければと思います。
3、4ページは、御参考までに平成21年度からの職種統廃合の検討結果について取りまとめております。初年度は非常にたくさんの職種を対象としていますが、以降は基準に該当するものを順次検討しており、平成23年度は4ページ、5ページの平成30年度についても対象なしということで、基準に該当するものがない年もありました。
検討会の結論については、右の対応の所に記載してあるとおりです。廃止したものもあれば、一定の条件の下、存続を認めたものもあり、それらの職種については、今後、条件を満たしているかフォローしていく必要があり、現在、フォローが必要な職種として2職種が該当いたします。
6ページに2職種についての検討会の結果と現状、今後の予定をまとめております。7ページに職種の統廃合についてということで、今年度の検討対象候補である本表は、まず、6年平均100人以下のもの(直近2年連続100人超のものを除く)をリストアップし、それらについて作業別の受検者数を統合記載、整理したもので、検討結果等を備考欄に、結論を判定欄に記載しているところです。
備考欄の黄色とオレンジで色付けしているものが、今年度、検討会で対象とする予定の職種です。黄色の機械木工については、備考欄の所を見ていただくと、来年度に再検討予定になります。このページを御覧ください。一番左の欄に、職種名が書かれています。まず、金属溶解と縫製機械整備、枠組壁建築の3職種については、1次判断基準により検討対象から除外されます。備考の左隣の欄に平均申請者数があります。
下から3つ目のエーエルシーパネル施工については、平成29年度に検討会で議論され、隔年実施から3年ごとに実施開催されることにより存続とされており、今年度の検討対象から除外されます。機械木工については先ほども述べましたが、平成29年度の検討会で議論され、令和元年度の受検者数を基に令和2年度に検討会で再度検討することとされておりますので検討対象から除外されます。
この結果、残る陶磁器製造とウェルポイント施工、印章彫刻の3職種が今年度の検討対象となります。このうち、陶磁器製造については、平成29年度に議論されており、その後の結果を取りまとめておりますので、今回は平成29年度に議論している陶磁器製造のみを対象にして、平成22年度に議論しているウェルポイント施工、平成24年度に議論している印章彫刻については、次回以降議論したいと考えているところです。
8ページは、これまでもお渡ししている資料ですが、職種数の推移を整理してものです。これで資料1の説明を終わりたいと思います。
○北浦座長 ありがとうございました。ただいまの説明について御質問あるいは御意見などありましたら伺いたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。これは、これまでの経過ですので、各委員、御案内のところは御存じの方が多いと思いますので、もし、御質問等がありましたら、後ほどの意見交換の中で頂ければと思います。
これからの議論としては、今、係っている陶磁器製造の問題についての御意見を聴取するということでよろしいでしょうか。では、その問題に絞り、皆様方の御意見を諮りたいと思っております。報告事項は後でよろしいですね。本日はこれがメインの議論ですので、どうぞ、存分に御意見を頂戴できればと思います。ただいまの陶磁器製造の状況については、いろいろ御説明がありましたが、追加して御質問はありますでしょうか。
○成毛主任職業能力検定官 事務局から、追加して御説明を。
○中島上席職業能力検定官 資料2の御説明をいたします。このパットの左上を押していただくと元の資料集に戻ります。資料03-2の資料2プレスリリース「平成29年度職種統廃合検討会報告書」を御覧ください。これは平成29年度に検討して、その結果の報告書を公表したときに、陶磁器製造職種は廃止の方向にというのが一番最初に出てきます。
報告書の別添の13ページを御覧ください。ここに検討対象職種の都道府県方式による存続の可否についてということで、5-(2)陶磁器製造職種があります。下のほうに、陶磁器製造職種については、第2次判断である社会的便益の評価の記述として、当該職種の技能検定は統一的な技能の評価や伝統産業の振興に役立つというメリットはあるものの、他職種の技能検定のように、事業所での人事考課の判断基準として活用される、技能士になることにより他の試験結果の受検資格が付与されるといった具体的なメリットが見られないということも影響しているとみられる。さらに、パブリックコメントによる一般国民からの存続要望の意見は3件であった。これらのこと等から、職種を廃止するべきであるとされましたが、平成30年度の受検申請者数が少なくとも90人以上となった場合は、直ちに職種廃止とはせず、改めて本検討会に諮るものとするとされております。実際、平成30年度の受検者数は79人でした。
なお、補足ですが、先日、私どもが関係業界団体に意見を聞いたところ、廃止はやむを得ないということでした。短くて恐縮ですが、資料2の前回報告書のまとめの所を読ませていただきました。資料2の説明は以上です。
○北浦座長 ただいまの御説明について、御質問等ございましたら。
○松留委員 確認ですけど。
○北浦座長 はい、どうぞ。
○松留委員 最後に少しおっしゃいましたが、関係団体に聞いたところをもう一回お願いします。、やむを得ないとおっしゃったのですね。
○中島上席職業能力検定官 廃止はやむを得ないということで、ただ。
○松留委員 存続してくれとか、こういう努力をするからとか、そういうことは出なかったということですか。そこを確認したかったのですが。
○中島上席職業能力検定官 はい。廃止はやむを得ないということで、存続してほしいということまでは我々が行ったときには。
○松留委員 意見は出なかったですか。
○中島上席職業能力検定官 出なかったのですが。
○松留委員 はい、分かりました。
○中島上席職業能力検定官 ただ、最終試験をやってもらいたいということで、今回平成30年度に不合格者がいますので、最終試験を3年後にやってもらいたいという意見が出ています。
○平地職業能力検定官 少し補足させていただくと、この等級は1級と2級に分かれており、前回の試験で2級を受検された方は次は1級をというところがやはりあったようで、そのような方に対して最終試験を実施していただきたい。存続の要望というところは、実際、技能検定は基本的に全国の試験ではあるものの、焼物、陶磁器、絵付けに関しては、各産地、限られた都道府県、佐賀、神奈川、愛知、団体は愛知が本部ということになりますが、愛知、京都、石川、そのような焼物の産地で主に公示されているというところで、各産地ごとで非常に努力していたところもあるのですが、取りまとめとしては今後、どうしても存続を希望されるに当たっては、安定的に100名以上、3年に1回行うにしても、1回の試験で100名以上の受検者がということですが、各産地に調査もしていただきましたが、なかなか安定的に100名以上を、今後も絵付けの作業について確保していくことは、なかなか見込みが立たないということで、業界団体さんとしてはやむを得ないという回答を頂いているところです。
○松留委員 やむを得ないということですね。
○平地職業能力検定官 やむを得ないというのは、そういう意味合いですよね。
○和田委員 その件を聞こうかなと思っていたのですが、ほかの職種は大体が全国的に開催されていますよね。やはりこの職種に関しては、今もお話がありましたが、限られた地域だけでやっていて、これだけの人数を確保しているということを考えると、もう少し検討したほうがいいのかなという気がしています。基本的には都道府県開催方式ですね、これ。
○平地職業能力検定官 はい、そうですね。
○和田委員 そうすると、そのような都道府県をある程度限った形で開催することも可能ではないかと。そうすると、1つの都道府県においては、30数名のものがありましたよね、頂いた資料には。そのようなこともあるので、もう少し検討する余地があるのではないかなと感じています。
○平地職業能力検定官 そちらについては、100名という基準をもって職種の統廃合を行うという経緯ですが、行政の事務合理化という文脈でこのような勧告がされているところで、どこの事務を合理化すべきなのか、そもそもの文脈で申し上げると、問題を作成する側のJAVADAさんに国から補助金を出しているところで、各職種、作業ごとに問題を作成していくわけですが、それに当たって、余り全国で人数が少ないようなものについては、問題作成の労力の観点から合理化を進めていって、国から出す補助金を減らしてくれという流れで言われてきたという経緯があることを補足します。もちろん、御意見は各地域で頑張っている所もあるところではあるので。
○和田委員 問題作成というコストの問題はあるかもしれませんが、やはり、ただ人数が減ったから全て廃止していくというのも、本来日本の持っているいろいろな技術、技能、そういったものを存続させていくためにも、できる限りそのような可能性があるのであれば残すのも1つの、3年に1回なり5年に1回なりという形で残していくのも1つの方法かなという気が個人的にはしています。
○北浦座長 重要なところですので、他の委員からも御発言をどうぞ。
○松本委員 同じ意見なのですが、先ほどパブリックコメントで3件ありましたという話で、資料の12ページにコメントの要旨というか、その中にも同じように都道府県や地域、あるいは絵付け作業のところで、全国というとあれかもしれませんが、そのような地域に関連したところでの強い要望があると、そこで何か汲み取れるのですよね。ですので、和田委員と同じように、3年後の受検を認めてくれとかいろいろな話も含めると、何かばっさり切るのはどうかなという気持ちを持っています。以上です。
○北浦座長 いかがですか。
○八木澤委員 素直に思ったのですが、陶器なのか磁器なのか。どちらが多いのですかね、受検者は。
○平地職業能力検定官 受検者の多いところでいうと、やはり佐賀県の有田、伊万里というような所になってくるので、磁器も陶器もというところですね。
○中島上席職業能力検定官 愛知も多いですが、愛知も瀬戸の。すみません、陶器、磁器でどちらが多いかと言われると、そこまでは把握していなくて、平地が申した佐賀の有田焼、伊万里焼とか、その辺は確かに佐賀が一番多かったかと思いますが。
○黒澤委員 直近では、内訳はどのようになっているのですか。79でしたっけ。
○中島上席職業能力検定官 79の、はい。
○黒澤委員 内訳、ろくろと絵付け。
○中島上席職業能力検定官 ろくろはもうなくて、絵付けだけをやっているのですが。
○黒澤委員 絵付けだけで、それが79。
○中島上席職業能力検定官 79で、1名は両方免除者。実技、学科両方免除者が1名おり、78名については佐賀県が34名受けて一番多く、次いで愛知県が29名です。次に神奈川県が9名、長崎県が4名、石川県が2名ということで、これで78プラス1で79ということです。
○北浦座長 級別は。
○平地職業能力検定官 等級別ですと、1級の絵付け作業が63名受検されており、2級は16名受検されています。過去の経緯も御紹介すると、3年ごとの実施になったのが平成27年以降ですが、平成27年が全体で58名の受検者がいる中で、1級の受検者が46名、2級の受検者が12名となっています。
○北浦座長 入口の2級がだんだん減ってきているわけですね。
○平地職業能力検定官 そうですね。
○黒澤委員 どのぐらい受かったのですか。
○平地職業能力検定官 2級と1級で分けて報告します。1級については、合格率は40数%程度ということで、平成30年に受検された63名のうち、平成30年の場合は63名中30名が合格されました。平成30年に2級を受検された方で言うと、16名受検されたうち13名、81%の方が合格されています。
○成毛主任職業能力検定官 平成27年度は77という数字になっているが。
○平地職業能力検定官 平成27年度は、手ろくろ成形の作業があったので、そちらで19名、更に追加で受検者がいました。失礼いたしました。平成27年で最初に申し上げた58名というのは、絵付け作業での受検者ということになっています。
○黒澤委員 そこでの合格率も同じぐらいですか。
○平地職業能力検定官 そうですね、絵付け作業での合格率で申し上げると、1級は46名中19名で41%、2級には12名受検者がいた中の11名、91%の方が合格されています。
○北浦座長 ほかにどうぞ。大事な点ですので、御質問を頂きたいと思います。
素朴な話であれだったのですが、廃止されたときに技能士称号はどのような扱いなのですか。ずっと永遠。ライセンスは。
○成毛主任職業能力検定官 ライセンスは永遠に残ります。
○北浦座長 だから、職種はなくなってもライセンスは残るわけですね。
○成毛主任職業能力検定官 そうです。
○北浦座長 だから最後のチャンスが欲しいということですね。
○成毛主任職業能力検定官 決して更新制ではありませんので。
○北浦座長 ないからね。
○成毛主任職業能力検定官 残るものは残りますね。それと、事務局からよろしいでしょうか。
○北浦座長 はい。
○成毛主任職業能力検定官 もともとこの技能検定というのは、労働市場の中で全国的な資格を作ることによって、例えば企業の中で昇進するときに使うとか、あるいは新しく就職するときにこのような資格があるとかというような位置付けで作っていて、それが全国規模である程度の受検者がいるというか、資格者がいて流通できるという、そのような制度の立て付けになっています。
一方で、受検者数が少ないということになると、どうしても労働市場で使うということが難しくなってしまうわけですが、一律に受検者が少なくなったから即廃止ではなく、先ほど資料1でも説明したとおり、まずは100人以下の受検者しか確保できていないものについては、まずスクリーニングで検討対象として俎上に上げて、100人以下でも社会的便益として、いわゆる業界とのニーズが、しっかり使っているとか、いわゆる技能士としての資格を活用されているという実情にあるとか、まだまだ掘り起こしがされていなくて、これからまだ受検者がたくさんいそうだという潜在性があるということについてはしっかり受け止めて、その上で存続するか廃止するかという判断をさせていただいているのが現状です。過去には枠組壁建築なども受検者数が100人を割ったのですが、やはり潜在的な受検者がまだたくさんいらっしゃるとか、業界全体としてニーズはあるということで、もう少し業界で受検者を増加してもらおうという働き掛けをしてもらおうという経緯です。
陶磁器製造については、おっしゃるとおり重要な伝統的な技能ではありますが、果たしてそれが技能士という国家資格のために残しておくべきかどうかということで、確か平成29年度も御議論いただいた中で、先ほど平成29年度の報告書にもありましたが、技能士という資格というよりも、今はもう絵付けというか、その方の感性的なもので、業界の中では資格とは別の形の評価のされ方をしているところもあるというのが1つ。業界からは廃止やむなしということで、もう少し受検者増のための取組をされているかというのは、なかなかそこは難しい。御当地で活性化されている有田とか、先ほどいろいろな産地がありましたが、御当地御当地でやっていただくところは全然否定はされませんが、先ほども繰り返したとおり、この技能検定制度を国家検定として全国で流通することを考えたときに、なかなか難しいのかなというのは、確か平成29年度の検討の結果だったということになっていると思いました。
今回は、改めて平成29年度の報告のとおり、90名、ある程度いったら、それは業界としての努力だと思いますが、そこがあるかなということでもう一回待ってみたところですが、残念ながら79名という結果になったということです。すみません、補足させていただきました。
○北浦座長 御意見、追加がございましたらどうぞ、御自由に。
私から1つ2つお聞きしますが、1つは全国的にという縛りが、これはやむを得ないということですね。ですから、地域を限定したら30人の枠は20人でいいとか、そのような理解には基準はなっていませんし、そのような議論もしていなかったのでそれはできないと。あくまでオールジャパンでということですね。その場合に、業界団体が全体をカバーしているのか、このような問題がほかの職種でもあったと思いますが、その点はいかがですか。ここの業界団体は今、関与されている所が全てなのか、あるいはほかにも団体があって、一部の団体だけが熱心にやっていて、そこに協力しないところが結構ありますよということなのか、その辺はいかがでしょうか。団体方式ではありませんから、絶対の要件ではありませんが。
○平地職業能力検定官 そうですね。一応、愛知が本部になっている全国団体のほうは、先ほど申し上げた佐賀とか、ほぼ全国の産地を網羅していて、一部九谷焼の所が脱退されているということは伺っていますが、方針を定めるに当たっては、脱退された九谷焼の団体にも、今回調査を行っていただいていると伺っています。
○北浦座長 カバレッジは確保されているわけですね。
○平地職業能力検定官 カバレッジは、はい。
○北浦座長 そこで働いている方々というのは何人で、そのようなところまで把握されていますか。
○平地職業能力検定官 申し訳ありません。会員として。
○北浦座長 つまり、どれだけの人がここを受けているのかというので、さっき言った主要産地の所は熱心そうですが、ほかの所は一切出していない。このようなことかどうか。これはほかの職種でもあり得ることなのですがね。
○平地職業能力検定官 そうですね。
○北浦座長 2、3人しかいないのでということかもしれませんがね。その辺は、業界団体からどのような御説明を頂いているのかどうか。例えば、もっと大きな産地があるけれど、なかなか協力してくれないとか、そこは余りこのようなことを必要としていないから見込みがない、あるいは全国的に主要な所が今のところで精一杯であって、あとは数が本当に小さいところで先細りになっている。このようなことなのか。
○黒澤委員 今のに関連するのですが、私もそれを懸念しています。ちょっと言い方を換えると、業界団体の意見だけで検定の有益性、ディマンドというか、その需要を全て吸い取ったということが言えるかどうかということですね。それが今、北浦先生がおっしゃったようなカバレッジとか代表性みたいなところにくるのだと思うのです。
もう一点、先ほど1級、2級ということで、1級のほうが実質的にきちんと人を落としているということは、それだけレベルが高いということの1つの裏返しだとは思うのです。一方で、例えばこのパブリックコメントの2番目に、都道府県の陶磁器業界に関連した学生と卒業生のうち、一部はこの業界に就職していて、「このような場合」というのがあるのですが、この技能検定は陶磁器の科目なり分野がある学校において、こうした検定を受けるように指導していて、それが卒業生の就職に結び付いているといったことがあるのかどうか。「このような場合」というのがよく分からないのですが、これは2級のことを言っていらっしゃると思うのですけれども、この2級がどういう形でこの業界で使われているのか。もしニーズが例えば学校とかにあるのであれば、その学校の意見というか、そういうのも聞いてみる必要はあると思うのです。これはどのように使われているのですか。
○中島上席職業能力検定官 訓練校の件で申しますと、残念ながら我々が今回調査した結果の範囲では、先ほどの公示している県や都道府県協会に確認したのですが、調査した限りでは、訓練校の卒業生は特にいないということでした。
○黒澤委員 ここに書いてある学校というのは専門学校ですか。
○中島上席職業能力検定官 すみません、専門学校についてはちょっと把握していなくて、いわゆる今申した職業訓練校の卒業生ですと、卒業時点に技能照査という試験を受けるのですけれども、それに合格した人であれば技能検定2級の学科試験免除があるのですが、こちらで見た限りでは受検者の中に2級学科免除で受けた人がいなくて、訓練校のほうは使われていないのではないかと。こちらの学校と書いてある、専修学校とか各種学校の卒業生のところまではちょっと把握していないところです。
○北浦座長 そこの話ですけれども、絵付けの職種というのは、幾つかある陶磁器の製造過程の中において、エントリーの職種ですか、最初から絵付けで入るのですか。他のことをやって、ある程度経験年数を経て、それから絵付けになる。そうしないと学校を出てもすぐそんな仕事には就けないということになれば、ニーズがないということになるので、むしろ中の人のステップとしてこれがいきている形になるのかどうか、そこはどうなのですか。
○平地職業能力検定官 学校で主にやられているカリキュラムで申し上げますと、昨今人気のあるところでは、デザインやプリントのパターンとか、今は陶磁器の製造はかなり機械化が進んでいますので、大量生産できるようにその機械化されたものにのせるパターンとか、あるいはその後もデザインをやっていくというコースがあります。絵付けについては、例えば土を練るところから始めてその後絵付けということではなくて、専門分化されてきた世界ですので、絵付けから入ることも基本的には十分ありますし、訓練は絵付けと申しますか、デザインとしていらっしゃるようです。ただ、どうしても今は技能検定としてやっているものについては、手書きの絵付けの作業になっていますが、その辺りは申し上げましたように、訓練は機械に読み込ませるパターンとかそういったところが今はトレンドになっているようです。若干その訓練と検定はミスマッチがあると。
業界団体に、それであればデザインパターンなどは作業にできないのかというような話も御提案させていただいたこともありますが、その場合にどうしても1級、2級の区分がちょっと難しいので、余りそこまでは今のところは考えていないというお話を頂いております。
○黒澤委員 では逆に、伝統工芸的なものをここで限定しているのであれば、どんなに人が少なくてもそれはそれで大事なことだと思うのです。ただ、これだけ減っているのは、従事する人が減っているからなのか、それともそういう伝統工芸的に手で絵付けをすること自体がこの2級とか1級とかではシグナルになっていないのかどうか、その辺についてはどうですか。
○平地職業能力検定官 そうですね、かなり従事者が減っている状況ではあると、業界団体のヒアリングに行ったときにはそのように伺っております。また、伝統工芸の保護になってくると。
○黒澤委員 そことは違うと。
○平地職業能力検定官 そうですね、職業能力開発促進法の中で行う技能検定というところと、伝統産業の保護というところ、伝統産業の保護は経産省でまた別の法律がありまして、例えば有田焼では地域特有の技能を守るための伝統工芸士のような資格等々がありますので、伝統工芸としてというのを主眼にすると、それはそちらの法制度の話になってしまうので、あくまで先ほど室長の成毛から申しましたように、全国的に技能を積み上げていって、自らのキャリアパスを積み上げていく上でというところの観点になってくるのかなと思っております。
○成毛主任職業能力検定官 一般論ですけれども、試験が合っていないというか、現場に合っていないものについては当然、試験課題の見直し、あるいはさらに試験の基準の見直し、これは適宜やっていかなければいけなくて、受検者増の観点からも見直しはやっております。あと、問題は、試験の見直しというのは我々事務方ができるわけないので、専門家に来ていただく。専門家というのは正に業界の、これは技能ですから、やはり現場の業界の方が来て御協力を頂かないといけないのですが、その方々から、ここの技能はこれが重要だからどうしても昔ながらのものは外せないと言ったら、もうこれは先に行かなくなってしまうところがあります。
○北浦座長 ここは難しいところです。根本的に変えないと生き残れないケースなのかもしれませんね。統廃合というようなレベルとちょっと違うと思うので、統合する対象もないし、中を完全に見直しをして、廃止新設みたいな考え方で本当はいかないとできないのかもしれません。ただ、今の御指摘はみな重要な点だと思います。
私も1つあるのは、これは技能なのか、技芸なのかという、さっき言った微妙なところにあるわけで、技芸になると、今は入試問題でいうと記述式みたいなもので、誰がきちんと評価するのですかみたいな議論になっていくわけで、いわゆる技能検定の、デジタルには全然評価はしにくいだろうけれども、当然できないだろうけれども、それにしても主観要素が非常に入るようなところなので、それは技能検定の枠を超えてしまうのですと。そっちを強調するのだと、もし伝統産業ということで、別の救済方法なり、保存方法となるのであれば、そっちに委ねればいいけれども、今の話だと、そういう動きがあるのは有田焼だけですか。
○平地職業能力検定官 そうですね、伝統工芸士ということであれば、私が把握しているのは、有田ではそのようにされているということです。ほかの産地についてもそういう取組がされているのかもしれませんが。
○北浦座長 その中には絵付けみたいなものも入っているわけ。
○平地職業能力検定官 そうですね、手捻りから始まりまして、実際に絵をのせて、焼き上げるところまで全て含めてということですので、絵付けも入っております。
○北浦座長 技能の検定制度の本来の在り方として、他と類似というか、関連するような制度との重複を避けるというのが1つあるので、ほかの所で同じような機能が果たせるのであれば、そことのすみ分けは考えるということはあると思うのです。だけど、そこの伝統のところがきちんと把握できているのかなというのが1つあったので。
○八木澤委員 そうですね、伝統工芸の所でほかの産地、滋賀県の信楽焼とか、京都の京焼、福島県会津の本郷焼とか、それぞれ陶磁器の産地では自らの特有の技能の伝承のために、伝統工芸士というものをかなり取得されていらっしゃるようです。
○北浦座長 沖縄とかは全然対象になっていないでしょう。受検者。
○平地職業能力検定官 受検者は、そうですね。
○北浦座長 いないでしょう。いないけれど、那覇に行くと、陶芸村があって。今、全国から人が集まってやっています。そういう動きもあることはあるけれども、そこにこれがマッチするかどうかは別ですよね。陶芸そのものが、陶磁器製造そのものが全くゼロになってしまうわけではなくて、結構若い人が集まって、沖縄は陶器のメッカになっている所があるのですね。八木澤さん、そうですよね。
○八木澤委員 はい。
○北浦座長 だからそういう動きも、業界団体は恐らく入っていないだろうから、アウトサイダー的な世界によって、見えていないというか、あるいは流派が違うから駄目だということかもしれませんけれども。その辺の全国の実態を、全国市場を見ることと業界団体の意見を聞くことがイコールなのかどうかというところをきちんと精査したほうが。ただ、代表性があることは確認はしていただいたとおりです。
○成毛主任職業能力検定官 もう一度説明させていただくと、この技能検定という国家検定ですので、全国統一で、しかも再現性のある試験評価ができることが前提ですので、そうすると流派という言い方は間違っているかもしれないですが、有田のやり方、先ほどおっしゃられた沖縄のやり方、みんな違うということだと、全国共通の試験を作ることになると、そこはまた限界が出てくるというのはやむを得ないところで、国家検定として技能検定をどう使うかは正に業界次第になってくるのかなというところはあります。
○北浦座長 追加して御意見、御質問どうぞ。
○八木澤委員 経産省が各都道府県で伝統工芸を支援していて、私も携わったことがあるのですが、そっちでカバーできるのではないかという感じは個人的にはしています。
○平地職業能力検定官 そちらのほうはかなり柔軟性のある制度ですね。今は技能検定も絵付けしか残っていませんけれども、当然成形の過程がとかそういったところ、産地の特色をいかした認定となりますので。
○八木澤委員 東京都でも常設ギャラリーがあるし、という気がしています。
○松留委員 皆さんの意見はよく理解できます。今回は切り口が数で切っているわけです。もともと原則論に戻ることはできないので、その議論はしてもしょうがないのですが、裾野の人がどのくらいいるのかとか、母数がどうなのかとか、あるいは数だけでこういうものを切っていくということだけで良いのかと思います。いろいろな規則とか、以前の文章でしっかりとやりますと書いているのに対して、今回お聞きしているような話ですと、これをもう一回検討するとか何とかするというようなことは、ちょっと難しいかなという気がします。例えば、79人が目標数値に近いからとか、業界団体でもう少し増やせる可能性があるということぐらいしか書けないのではないでしょうか。今お聞きしていると、業界団体がどうもそうでもない、集めたり増えていくような見込みが見えないので、これは難しいという気がします。
○成毛主任職業能力検定官 人数で一律切るのではなくて、あくまでも人数で一度検討俎上にした上で。
○松留委員 さっき言っていましたですね。一応その上で、議論の場に乗せるということですね。失礼しました。
○北浦座長 それにしても今まで廃止になっているところを見れば、人数基準が大きいし、将来見込みが増える、増えないというのは大きな要素にはなっていますね。そこは事実だと思います。社会的便益はいろいろ御議論いただいて、追加して加味して議論はしていますけれども、やはり人数が結構効いていることは間違いなくそうですね。これは致し方ないというか、そういう基準でスタートしていますので。ほかにいかがでしょうか。
○黒澤委員 その業界団体の方に話を伺ったときに、いわゆる有田とか信楽とかいう伝統工芸士を活用されているということですよね。そういう所では、この技能検定に対する考え方は何かあるのですか。うちらはこれをやっているからいいよとか、そういう意見というのはそもそも出なかったのでしょうか。
○平地職業能力検定官 伝統工芸士をやっているからいいという話というわけではというか、そういう切り口でのお話は特に伺ってはいなかったと思います。実態としてそういうのを各産地ではやっていらっしゃるということでした。意気込みのところでは、熱心にやっていらっしゃる所もあるにはあるけれども、とは言え、技能検定の制度自体は全国規模の国家検定でということなので、全てを見渡して見たときに、今後も安定的な人数の確保は難しいところなのかなと。もちろん我々としても一部地域や当然そういったところに今まで御協力いただいてはきているところですので、出口戦略と申しますか、これまで作り上げてきた技能検定それ自体かなりの財産だと思っておりますので、そうしたものをいかに、例えば今までの漆器とか竹工芸とかなくなってはきていますが、そういうものをどうやって引き継いでいくのかも今後の課題ではあるとは考えているところです。
○成毛主任職業能力検定官 先生方から今日はいろいろ、地元の反応とかを聞いたほうがよろしいということですか。
○平地職業能力検定官 地元。
○成毛主任職業能力検定官 今おっしゃられた、各産地の団体からお話を聞いたほうがよろしいということでしょうか。
○北浦座長 いや、それは集約されて、ここの陶磁器連盟の話になっているでしょう。
○成毛主任職業能力検定官 はい、そうです。
○北浦座長 だから、それは同じ意見が出てくるはずですよね。
○成毛主任職業能力検定官 そうです。
○北浦座長 ただ、1つあったのは、確か前に結論を出すときに、パブコメをやったときか何か、業界新聞に廃止というのが出たような気がするのですが。それに対して反応はあったのですか。あれは特にその後に。
○成毛主任職業能力検定官 業界新聞にですか。
○北浦座長 特になかったですか。ないのでしょうね。ないから御報告がないのだと思います。だから、そういうふうに出るということは、それだけ大変なことだという危機感があったのかなと当時は受け止めたのですが、今回聞いてみると余りそうではないということですね。
○成毛主任職業能力検定官 この陶磁器製造は従来から人数が少なくなっていて、最初は幾つかの複数の職種の下に作業という専門分野で分かれていますけれども、1つずつ人数が少ないといって廃止していって、最後に今の絵付けの工程だけが残ったということです。そういう意味でいうと、その作業の廃止の議論というか、相手と話している段階から、ゆくゆくはこれは職種が廃止してしまうという危機感をお伝えはしていたところではあります。
○北浦座長 あともう一点、業界団体方式で続ける考えは全くないと。
○釜石参事官 指定試験機関方式として。
○北浦座長 指定試験機関として。
○釜石参事官 これは1,000人とかいう規模で。
○北浦座長 ですからね。
○釜石参事官 終始そうできなければいけないので、なかなかそれは、とてもこの規模では。
○北浦座長 無理ということですね。そこは確認されているわけですね。そうすると、ここでそういう廃止の方向が出ると、この試験制度はなくなってしまうという。
○釜石参事官 そうですね。
○北浦座長 全くね。そういう前提であるということですね。一応状況は全て確認できたかなと思います。これは前に一度出た結論をそのお約束の下に再検討したというものですので、白地で検討しているのとはちょっと性格が違うので、前の報告書にある結論を尊重しつつ議論をしないといけないということだろうと思います。ただ、その前提でもいろいろ御質問等、御意見はあったと思いますので、皆さん方からこの段階での御意向を、このとおりで廃止もやむを得ず、あるいはするにしてもこういうところは見ていってほしいという、何か提言なり注文を付けるのか、あるいはまた違う御意見があるのか、その辺は順番にお一人ずつお伺いしたいと思います。大変恐縮ですが、和田委員。
○和田委員 いろいろ聞いていまして、やむなしかなと思いました。もう1つ、団体というのが、それぞれ入った全国的な団体というのはないのだろうという気がしていますので、それぞれの団体にもう少し、先ほどの技能士ですか、そういうものを働き掛けるようなことはやっていただければ、ある意味でそういうものが残るのかなという気がいたしました。
それと、30何年、3年後ですか、もう一回やってほしいというような意見があったと思いますが、それは是非やっていただければと思っています。
○北浦座長 はい、ありがとうございます。八木澤委員。
○八木澤委員 この手の話は難しくて、大分この間、潰してきたのですが、いつもその度に残念だなと思うのだけれども、反面、それぞれの業界のまとまりのなさとか。一番ショックだったのは木型をなくしたときです。あれが非常に残っていて、トヨタの原型の所にいる木型製造がなくなるというのは、章一郎さんも残念がっていたということを風の便りに聞いていますので、なるほどというのがあって。もともとは社内で木型競技会みたいなものをやっていて、トヨタ内で残っているのですよね。だから日産とかホンダとか全部やめてしまったので、それも時代かなと思いつつ、なるべくだったら潰さない方向で業界も努力してくれればいいなという感じがしています。以上です。
○北浦座長 そうすると、業界の意思を踏まえて結論を出すということですね。
○八木澤委員 ええ。
○北浦座長 分かりました。
○八木澤委員 木型は確か、自動車工業会が文句を言いに来たのですよね。
○北浦座長 そうです。
○八木澤委員 実質トヨタだったけれども。以上。
○北浦座長 今回の場合は、団体としては1つですよね。ですから、そこの意見は一応聞くだけでも。今の発言にあった点をどう踏まえるかということで。
○松本委員 まずは最初のほうに話があった、もう一回受検してほしいという要望というところをどう組み入れるかということですよね。可能であれば予告のようなものもあるかと思いますので。あとは、ここの中で大分ブランクが空いていますが、原型製作は休止ということなので、事情は分かりますけれども、そういった状況をもう一度確認していただくとか、何かそういうところもお願いしたいかなと思います。
こういった技能検定は、当時と作り方もどんどん変わっていっているところもあるので、やはりほかの検定職種でもありましたけれども、少しアレンジしてまとまってということも、業界団体の体力があればということも、本当は期待したいところなのですけれども、先ほどの御意見だとそこもちょっと厳しそうなので、全体としてはやむないのかなと思います。以上です。
○北浦座長 ありがとうございます。
○松留委員 私も廃止やむなしと思います。非常に残念だし、ちょっとつらいなと思います。これで残っているのは絵付けだけですね。陶磁器製造に関しては、特殊な技能ということではなくて、普遍的で、しかもそれでもって習熟が必要になるような、ある種の技能の形に、もう一回作り直すということはできないのでしょうか。今あるものをベースにするのかどうか分かりませんが、そういうことができると、例えばトップレベルの人だけではなくて、基礎的で普遍的な技能に関して、習熟が必要なレベルというのを評価するようなものに広げることが陶磁器製造というジャンルの中でできるのではないのだろうかと。そのように感じました。以上です。
○黒澤委員 前回の報告書の時は、私が「これは芸術なのではないか」みたいなことを強調したのですが、今、朝ドラで絵付けをしているのを見ても、とにかく線を1本書くのも習熟というのは必要で、あれは技能だと。だから、そういうものを検定するニーズはあると思うし、それが伝統工芸として引き継がれていくべきものだと私は強く思うので、やはり伝統工芸士等ほかの形で、是非、検定のような、スキルのシグナル化というものを続けていっていただきたい。伝統工芸をなくしていくことにならないように、その点については業界団体の方に強く伝えていただきたい。
それから可能であれば最後に一度、業界団体の方に、いろいろなエリアごとの状況、とくに、新しい人がこの業界に入りたいというときに、本当にこうした検定が使われていないのですかということを確認していただきたいなと思います。でも、これは座長にお任せします。
○北浦座長 ありがとうございました。朝ドラになると、ちょっと国民的な反発が出ると困ってしまいますね。ただ、おっしゃったとおりのところが、御理解もされた上で結論を出しているのだと思います。
それでは皆様方の御意見を集約いたしますと、それぞれ御意見に違いはあるわけですけれども、全体として見れば一度出している結論の方向で廃止はやむなしというのが大勢であったかと思います。ただし、それぞれに御提言を頂いています。特に1級受検者が多いということでありますので、1級受検のラストチャンスを是非作ってほしいという声があったと。これは経過措置と言いますか、最後としては必要なことなのでという御意見があったと思いますが、それ以外にもいろいろ御提言があったと思います。その点で特に業界団体のほうに駄目押しと言うのもおかしいのですが、今日言ったような御意見も、もちろんお伝えいただき、そういう覚悟の下で、また先ほどもありましたような伝統工芸であるのであれば、そちらの道で何かこれをいかしていくなどの努力を続けていただくことがあれば、是非お願いしたいと思いますし、また業界自身として何か独自の取組をするということが将来あるとすれば、そういったことは考えていただきたいということだと思います。
これは皆さん方の御意見で、私から最後に一言だけ付け加えておきますと、やはり技能検定と技能振興とがやや分離しているところも。ものづくり振興はすごく重要だし、基本法でも出ている割には、技能検定を大事にしていないなというのがあるわけで、そこのところは業界団体にもしっかりと見てもらいたい。
振興というのは、ただお祭り騒ぎをやるわけではなくて、やはりこのような評価制度をきっちりやるとか、その技能をきちんと保存していく、そしてそれを高めていく。それから技術変化の中において、どういう技能がこれから対応していくのか、それにふさわしいような人の教育訓練をどう考えていくのか、そのような問題も全部含んでいるわけなので、そういうところの技能振興という意味合いを、もう少し考えていただきたいなと思います。
いろいろなイベントは大事だと思いますけれども、それはそれとしてその中の一環の技能検定制度であって、そうしませんと、やはりこの技能検定というのは形骸化するとは言いませんけれども、やはり意義というのはだんだん感じられなくなるということで、大事にされなくなってしまうということが、実施する側からも、あるいは受ける側からも出てきてしまうのかなという気がするので、是非そういったことはお願いしたいと思います。
そういう意味で言うと、だんだん職種を減らしてきてしまったのだけれど、もう少し早い段階で再編できなかったかなというのはあると思うのです。これはほかの、まだ大丈夫な職種もたくさんあるわけですが、同じような問題を抱えていると思いますので、今日の御意見はそういったものの将来への示唆を含んでいたと思います。ですので、是非それは、この際、行政のほうとしても御意見として聞いていただければと思います。以上でございます。
それでは、よろしゅうございましょうか。そのようなことで結論は、一応やむなしということと、今言ったような条件ということです。報告書の書き方については、また御相談させていただくのですか。
○成毛主任職業能力検定官 結構でございます。
○北浦座長 では、この件につきまして、最後に何か事務局のほうからございますか。よろしいですか。それでは今日の主要議題は、以上のとおりで終わりにしたいと思います。あとは報告事項が何件かございますので、時間の関係もありますから、かいつまんで御報告いただければと思います。
○中島上席職業能力検定官 それではまた資料一覧に戻っていただき、資料3-1を御覧ください。これは昨年度の技能検定の実施状況についての資料です。昨年度は約32万人が合格して、技能士合格者数は延べ697万人となったということです。3ページですが、職種別の過去6年の受検者数は、平均値とともに記載されております。また、次の報告で作業の統廃合について御説明する関係で、参考資料5として、作業別の過去6年間の受検者数をまとめた資料についても配布しております。
また、資料一覧に戻ってください。参考資料5、職種別受検者数の推移ということで、こちらに直近6年間の受検者数と、備考欄に指定試験機関方式や作業廃止の選定基準該当、いつから休止しているかといった情報などを記載しております。
スクロールしていただくと黄色いセルが出てくるのですが、定期試験を公示していないものが、この黄色いセルです。定期試験というのは日本人向けの前期・後期で行われている試験です。公示していないにもかかわらず人数の記載があるものは、実技と学科の両方免除等により、個別に申請があったもので、黄色の中に1名と件数があるものなどは、両方免除の方がおられた場合に随時で受け付けていた人数です。その他、黄色のセルに結構な数が入っている所もあるのですが、それは技能実習生向けの随時試験によるものであって、日本人向けの定期試験とは異なり、随時試験はニーズ等に関係なく毎年公示することとしておりますが、色付け等は行っていないということです。これは参考程度ですが、次に報告いたします作業の統廃合の報告の参考資料として付けております。受検者数の推移については以上です。
○北浦座長 報告いただく内容としては、以上ということでよろしいですか。
○中島上席職業能力検定官 もう1つございまして、続けてよろしいでしょうか。資料一覧に戻ってください。資料3-2、令和元年度技能検定作業の統廃合についてという資料を御覧ください。2ページに作業の統廃合に係る基準等を記載しております。本基準については平成26年度に本検討会で御議論いただいたものです。職種内容の作業数別、実施間隔別に優先順位を定めております。また併せて10年以上実施公示のない作業についても検討の対象としております。検討対象作業については、試験内容の妥当性等の観点から検討を行い、3年程度は情報収集し、改善が見込めなければ更に専門調査委員会などで検討することとしており、職種の統廃合よりは、より長い目で状況を追うような流れになっております。
3ページに単純に基準に該当するものを記載しておりますが、基準1に該当する作業として8作業、金属溶解から始まって、産業洗浄というものが選定基準1該当作業ということです。基準2で15作業、下の鍛造、自由鍛造作業から始まって、右下の広告美術仕上げ、広告面プラスチック仕上げ作業までで15作業あります。本年度、この全てを検討することはできないので、ここから更に絞り込みを行ったのが4ページです。基準1のうち優先順位1のものを並べ、そこから更に備考にあるように状況を整理し、最終的に本年度は候補とされた2作業を検討対象としたいと思っております。この2作業のうち広告美術仕上げ、ペイント仕上げ作業、それから産業洗浄、化学洗浄作業についても、業界団体と調整中ということです。業界団体のほうでは、産業洗浄の中にもう1つ、高圧洗浄という作業があるのですが、それには毎年600名ぐらいおりまして、統廃合の検討には上がらないのですけれども、それと併せて化学洗浄作業についても、今は単一等級でやっているのですが、それを複数等級化できないかという要望を頂いておりまして、現在、化学洗浄についても業界団体と廃止するか否かということも含めて調整中です。
選定基準に「長期間休止のもの」ということで、過去の業界団体のアプローチ等から存続のニーズが少ないと考えられるものについて検討していきたいと考えております。この中で染色、布はく縫製、印章彫刻、広告美術仕上げとありますけれども、印章彫刻については先ほどの職種の統廃合の俎上にも上がっているように、次回以降の職種統廃合の議題に上がるということで、ここだけ色付けしていないのですが、過去の経緯の所を見ていただくと、関係業界団体より作業廃止について同意を得ていると、なお、最終試験については令和元年度後期に実施予定ということです。それについては特段、関係団体のほうに出向いて話を聞いたのですが、ゴム印彫刻作業についての廃止は、今のところ関係団体もやむを得ないという方向で話は進んでいるところです。
5ページですが、広告美術仕上げということで参考で書いておりますけれども、本年度に検討することを考えている2作業に係る職種全体の中の状況、等級別の受検者数を整理したものです。例えば職種内に3作業がありますけれども、1つが30人とすると現時点では、今回の2作業については別の作業で平均100人超えとなっており、職種統廃合の検討には影響を与えないものであるので、そのことを明示したいとして作成した資料です。広告面粘着シート仕上げ作業というのが600人と100人を超えておりますので、職種統廃合には該当しませんが、作業の統廃合の対象にはなるということです。
6ページにいきますが、これも作業の統廃合の検討に加えて、技能検定制度の充実・普及・拡充が求められており、それらを現在、技能検定集中強化プロジェクトとして推進していると。同プロジェクトの一環として検定職種作業の新設に係る検討を行っているところですが、現在7作業について検討を行っているところです。ただ、検討には時間が掛かり、また検討の結果、追加できないとされることも予想されるため、今後7作業が追加される見込みということではないことを御承知おきいただきたいと思います。7作業についてはここに挙げておりませんが、新しく作業を追加、あるいは3級新設について併せて検討を進めているところです。
○平地職業能力検定官 作業の新設について、こちらで併せて御報告させていただきますが、現在、パブリックコメントをちょうど先月末で締め切ったところなのですけれども、直近で新設を検討中のものが2つございます。1つはプラスチック成形職種の真空成形作業といって、食品容器の関係などを真空程度の圧力によって成形するものになっております。これまでのプラスチック成形作業は比較的圧力を高くして、かっちりとしたものを作っていくものであったり、あるいは膜状のものを作っていくようなものに対して、今回やはり食品容器関係で、かなり市場が拡大しているというところで、業界団体から御要望がありまして、新設を検討中のものが1つございます。
もう1つは、主に高校生、工業高校等の方が対象になってくる3級の試験について、鉄筋施工職種のうち、鉄筋施工図作成という職種を追加検討しております。こちらにつきましては、鉄筋施工図ということで、ビルなどの鉄筋の中に何本鉄筋を入れるべきかというような図を作成していくといった職種になってまいります。こちらは現場の工業高校の連合会のほうから、こういったものも作ってほしいと、鉄筋施工職種で実際に鉄筋を組み立てるものは3級があったのですが、その図を作成する施工図作成のほうに3級がなかったところですが、それについてこの度、追加を検討中でございます。以上、直近の動きということで補足させていただきました。
 
○北浦座長 作業の統廃合については、ここの委員会の審査としては、ここの対象ではないのでしたね。基準の見直しは今回は特にないということで、御報告事項ということになっておりますが、何か御質問とか御意見ありましたら頂きたいと思います。よろしいですか。いろいろこれだけ変わってくると、また職種のほうにも影響しますよね。
○成毛主任職業能力検定官 職種の統廃合で今日も御議論いただいたのですけれども、その前にはやはり複数の作業を持っている所、いわゆるそれぞれの専門があるわけです。その段階でもニーズは少なくなるとアラームを出して、何か活性化できないか、あるいは試験問題は現場で合っていなければ試験問題を見直しましょうというような取組をやって、なるべく存続させるような取組をこちらもやっているということで、御参考までにということです。
○北浦座長 何か御質問、御意見はよろしいでしょうか。それでは報告事項も特段御質問等ございませんので、これで終わりにしたいと思います。
以上、議題のほうは終わりですが、最後にその他ということで、何か事務局のほうから御発言ありますか。
○中島上席職業能力検定官 今後のスケジュールを説明させていただきます。本日の議事録については12月中旬をめどとしまして、ホームページに公表したいと考えております。議事録案が仕上がり次第、先生方にはメールで確認依頼をさせていただきたいと考えております。報告書のホームページ公表の都合上、短期間での確認依頼となるかと思いますけれども、御協力をお願いできれば幸いでございます。また、機械木工職種等、過去に審議し、経過を見ている職種につきましては、来年度以降必要に応じて省令改正の手続を行うこととなります。以上でございます。
○北浦座長 以上、御連絡事項を頂きましたが、最後に何か御発言がある方はいらっしゃいますか。よろしいですか。それでは本日の議事は全てこれで終了ということにいたしたいと思います。いろいろ御協力ありがとうございました。では、事務局のほうから最後に一言。
○平地職業能力検定官 それでは最後に参事官の釜石より御礼の御挨拶ということで申し上げさせていただきます。
○釜石参事官 北浦座長並びに委員の皆様方、本日は大変熱心な御議論と厳しい結論を頂きありがとうございました。事務局のほうでしかるべき今後の対応をしていくわけでございますけれども、今回は北浦委員、それから本日御欠席の大野委員及び松井委員、そしてお越しの八木澤委員と松本委員におかれましては、専門調査員の任期満了で御退任ということで、今日は最後ということになろうかと思います。委員の皆様方には改めまして、長年にわたり、この専門調査員をお務めいただいて、職業能力開発行政全般にわたりまして御指導いただきましたこと、誠にありがとうございます。御礼申し上げます。
よろしければ本日、先生方からせっかくの機会でございますので、一言ずつ御挨拶を頂ければと思います。では、八木澤委員からよろしくお願いいたします。
○八木澤委員 結構難しい問題が多く、ただ、うちも含めてなのですが、マスコミが余り取り上げないですね。その辺はちょっと工夫が要るのではないかと思っています。以上。
○松本委員 長くお世話になりました。見直しのほうの検討会からも含めてですので、大分関連した項目としては、長期にわたって関わってきました。勤め先の大学でも技能検定に力を入れていまして、合格者の学生諸君たちのネームプレートを建物の入口にずらっと並べて、いろいろと支援もしているところです。ですので技能検定そのものは、今後も力を入れていきたいと思いますし、松本自身もそういったフォローはしていきたいと思います。また何かの機会がありましたらよろしくお願いします。ありがとうございました。
○北浦座長 先ほどもいろいろ御意見を申し上げましたけれども、一つ行政のほうでも統廃合という縮少ばかりではなくて、もっとそれを活性化していくといった方向で、そのときの議論の一助になってくれればと思っております。私に関しまして言えば、10年間ですか、最初の頃からずっと関わっているわけですが、皆様方に大変な御協力を頂いて、本当に難しい問題をやってきたのかなと思っております。改めて御礼申し上げたいと思います。御協力どうもありがとうございました。
○平地職業能力検定官 本日はどうもありがとうございました。