2019年10月03日 第6回一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会 議事録

老健局老人保健課

日時

令和元年10月03日(木)15:00~17:08

場所

全国都市会館 大ホール
(東京都千代田区平河町2-4-2)

出席者

荒井、安藤、石田、鵜飼(代理:荻野参考人)、江澤、遠藤、河本(代理:松本参考人)、黒岩、小玉、近藤(克)、近藤(国)、齋藤(秀)、斉藤(正)、田中、津下、濵田、藤原(佳)、山際、山田

議題

1 地域支援事業の他の事業等との連携方策や効果的な実施方法、在り方について
2 PDCAサイクルに沿った推進方策について

議事

 

○北原介護保険データ分析室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第6回「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところ、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
まず、前回お伝えさせていただきましたとおり、後半の議論を深めるため、構成員を追加させていただきますので、御紹介させていただきます。
一般社団法人全国デイ・ケア協会会長の近藤国嗣構成員でございます。
○近藤(国)構成員 近藤と申します。よろしくお願いいたします。
○北原介護保険データ分析室長 一般社団法人日本デイサービス協会理事長の斉藤正行構成員でございます。
○斉藤(正)構成員 斉藤です。よろしくお願いいたします。
○北原介護保険データ分析室長 民間介護事業推進委員会代表委員の山際淳構成員でございます。
○山際構成員 山際でございます。よろしくお願いいたします。
○北原介護保険データ分析室長 以上3名の構成員に、今回より御参画をいただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、大西構成員、岡島構成員、近藤尚己構成員、辻構成員、藤原忠彦構成員、堀田構成員から御欠席の連絡をいただいております。
また、鵜飼構成員の代理として荻野参考人、河本構成員の代理として少しおくれていらっしゃいますが松本参考人が御出席でございますので、お認めいただけましたらと存じますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○北原介護保険データ分析室長 ありがとうございます。
事務局においては、諏訪園審議官が急遽公務のため欠席となります。
それでは、報道関係の方々には、冒頭のカメラ撮影等はここまでとさせていただきますので、御協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
(カメラ撮り終了)
○北原介護保険データ分析室長 では、議題に入る前に本日の資料の確認をさせていただきます。
厚生労働省では、審議会等のペーパーレス化を推進しており、今回の会議もタブレットの御用意という形で開催させていただきます。
タブレットの資料の確認方法等につきましては、お手元の資料をごらんください。
また、操作等で御不明な点等がございましたら、適宜事務局がサポートいたしますので、お知らせくださいますようお願いいたします。
それでは、資料の確認をさせていただきます。お手元のタブレットをごらんください。
座席表、議事次第、構成員名簿がございます。
資料1が「今後の検討会の進め方について」、
資料2が「地域支援事業の他の事業等との連携方策や効果的な実施方法、在り方について」、
資料3が「PDCAサイクルに沿った推進方策について」、
参考資料1が「地域支援事業の他の事業等との連携方策や効果的な実施方法、在り方について(参考資料)」、
参考資料2が「黒岩構成員提出資料」、
参考資料3が「津下構成員提出資料」、
参考資料4が「近藤克則構成員提出資料」、
参考資料5が「岡島構成員提出資料」となってございます。
もし不備等ございましたら、事務局までお申しつけください。
それでは、特に問題がないようでしたら、これより先は遠藤座長に議事進行をお願いできればと思いますが、よろしいでしょうか。
○遠藤座長 皆さん、こんにちは。本日もよろしくお願いします。
それでは、議題に入りたいと思います。
今回から新しく構成員として参画いただく方もいらっしゃいますので、まず、事務局から今後の検討会の進め方について御説明をいただき、その後、議題1であります「地域支援事業の他の事業等との連携方策や効果的な実施方法、在り方について」を議論したいと思います。
それでは、事務局から資料1と2の説明をお願いいたします。
○日名子介護予防栄養調整官 資料1をごらんください。「今後の検討会の進め方について」ということで、2ページ目から「これまでの議論と今後の検討」という資料がございます。
本検討会は、一般介護予防事業等に今後求められる機能や専門職の関与の方策、PDCAサイクルに沿ったさらなる推進方策等の検討を集中的に実施する、そして介護保険部会の議論に資するということで、5月に議論を開始しております。
これまで5月27日の第1回検討会から、7月に2回、8月に1回検討会を行いまして、8月23日に中間取りまとめを公表しております。9月4日に中間取りまとめを踏まえた検討の論点、進め方等について御議論いただきまして、今回第6回目ということでございます。今後、本年末をめどに全体の議論を取りまとめる予定としております。
3ページ目は、前回の検討会でお示しした資料でございます。○の3つ目「今後の本検討会において」というところでございますが、今後につきましては大きく3つ柱がございまして、1点目が「専門職の効果的・効率的な関与の具体的な方策」、2点目が「PDCAサイクルに沿った推進方策」、3点目が「地域支援事業の他事業との連携方策や効果的な実施方法、在り方」ということでございます。それぞれについて検討の視点ということで、幾つか具体的なものをお示しさせていただきました。
それにつきまして、前回の検討会でいただいた御意見が4ページ目でございます。「一般介護予防事業等に今後求められる機能」につきましては、地域共生社会の実現を抑えていくことが必要であるということや、地域での通いの場というところがふえてきているところではございますけれども、通いの場同士の連携が重要ではないかという点、また、介護予防が通いの場の推進のみにならないようにすべきである。また、有償ボランティアの推進については、一般就労を求めている人の思いを妨げないような配慮が必要といった御意見をいただきました。
「専門職の関与の方策等」につきましては、社会的処方という概念も検討してはどうかといった御意見。専門職はそれぞれ役割を明確にしたほうがかかわりやすいのではないか。専門職の派遣につきましては、健康や楽しみのために、謝金を払ってでも専門職に来てもらうような意識の醸成も大切ではないかといった御意見をいただきました。
「PDCAサイクルに沿った推進方策」につきましては、地域全体でどのような目標に向かって動いているかという評価が込められるとよいということや、小規模の市町村について、国や都道府県による支援を強く求めているという声もあるということです。
「地域支援事業の他の事業との連携方策や効果的な実施方法、在り方」につきましては、総合事業の上限額の弾力化はぜひお願いしたいということや、総合事業の対象者の要件の緩和については、他の自治体の事例等もよく聞きながら検討してもらいたいといった御意見をいただきました。
先ほど挙げました3点の大きな柱のうち、本日は「地域支援事業の他の事業との連携方策や効果的な実施方法、在り方」と、前回2回御議論いただいておりますが、3回目ということで「PDCAサイクルに沿った推進方策」が議題となっております。
それでは、本日の議題の1つ目でございます。資料2をごらんください。一部、参考資料1もあわせて御説明させていただきます。
まず、資料2の2ページ目、ただいま御説明しました今後の進め方をお示しした上で、これまでの主な意見を下に幾つか御紹介させていただいております。
3ページ目は総論ということで、地域支援事業の趣旨としまして、幾つかお示ししております。
介護保険制度において保険者に求められる機能として、介護サービス基盤の整備に加え、予防・健康づくりの取り組みを通じ、介護サービスの基盤としての地域のつながり強化につなげていくことが求められている。特に地域支援事業につきましては、予防・健康づくりを通じた地域のつながり強化のために重要であるところでございます。
地域支援事業の着実な推進によって、機能回復訓練のような高齢者本人へのアプローチはもとより、これにとどまることなく、高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチを行い、地域で暮らし続けるための社会参加を軸として、全ての高齢者を視野に入れた取り組みを推進していくことが必要となっております。
この事業の経緯でございますが、平成17年の介護保険法改正によって、できる限り要支援・要介護状態にならない、あるいは重度化しないよう、介護予防をより重視したシステムの確立が求められ、地域支援事業の創設が行われたところでございます。
平成19年には、より多くの方を事業の対象とできるよう、特定高齢者の決定方法等の見直しを行い、平成22年には事業の充実も図ったところでございます。
平成24年には、要支援者等に向けた介護予防及び日常生活支援サービスを切れ目なく総合的に実施できる制度としまして、総合事業と呼ばれるものですけれども、介護予防・日常生活支援総合事業を創設しております。
また、平成26年の介護保険法の改正によりまして、地域の実情に応じた多様なサービスを充実させ、新しい総合事業として全ての市町村で実施することといたしました。その際に、通いの場を中心とした一般介護予防事業も創設されたところでございます。
次のページは、実施状況といたしまして、地域支援事業のうち、平成26年度の改正によって多様化されました総合事業は平成27年4月から順次実施されまして、平成29年4月以降、全市町村で実施されております。
総合事業のうち、介護予防・生活支援サービス事業につきましては、多様なサービスを実施する事業所があらわれてきている一方、多様なサービスが実施されている市町村は訪問で約6割、通所で6割5分にとどまっていることや、多様なサービスの実施主体のうち、介護サービス事業所以外の主体が占める割合も訪問で約1割、通所で約3割にとどまっているという状況でございます。
一般介護予防事業につきましては、5つの事業がございますけれども、全ての市町村がいずれかの事業は実施しております。
住民主体の通いの場の取り組みにつきましては、通いの場の数及び参加率は増加傾向にありまして、現在、参加率は4.9%となっております。
包括的支援事業のうち、地域ケア会議の実施については、97.3%の市町村で開催されています。地域包括支援センターが開催する地域ケア個別会議の開催回数を見てみますと、年3回以下のセンターが半数近くを占める一方で、年12回以上開催しているセンターも2割程度あるという状況です。
在宅医療・介護連携推進事業は、全ての市町村で実施されており、住民への普及啓発を行っている市町村は約8割という状況でございます。
次のページが、本日の論点となるところでございます。あわせて参考資料をごらんいただければと思います。3ページをお開きください。「新しい地域支援事業の全体像」という図でございますけれども、この検討会におきましては、四角で囲っております一般介護予防事業を中心として御議論いただいておりますけれども、その上の丸のついております介護予防・生活支援サービス事業や下の包括的支援事業といったところとも連携が重要であるということでございます。
その中でも、高齢者の自立支援に資するケアマネジメントの支援等を行う地域ケア会議や通いの場等の社会参加に結びつくよう、専門職がプログラム等の提供を行う短期集中予防サービスというところが、特に一般介護予防事業との連携が重要ではないかというところでございます。
少しサービスの類型の話がございますので、参考資料の6ページ目をごらんください。訪問サービスと通所サービスとございますけれども、多様なサービスというところで、訪問型であれば緩和した基準によるサービスであるサービスA、住民主体のサービスB、短期集中予防サービス、専門職がかかわるところでサービスC、移動支援のサービスDの類型がございます。
この中で、地域ケア会議とサービスCというところの状況を少し御説明させていただきます。地域ケア会議については、ほとんどの市町村で開催されているところですが、介護予防・自立支援の観点から、実施状況や一般介護予防事業との有機的な連携というところでは、現在まだ状況が把握できておりませんので、そういったところも把握しながら取り組みを進めていくことが求められております。
また、サービスCにつきましては、参考資料のほうにデータもお示ししておりますけれども、訪問型、通所型のいずれか、または両方を行っている市町村は全体の約4割にとどまっております。そのうち地域の通いの場など、社会参加に資する取り組みと連携している市町村は約7割にとどまっているという状況でございます。
実施に当たっての課題ということでは、専門職や団体との調整が難しい、対象者の抽出・選定が難しいといった課題が挙げられているところでございます。
こういった状況の中、一部の自治体では有機的な取り組みも行われておりまして、参考資料の24ページをごらんください。奈良県生駒市の事例でございますけれども、地域ケア会議というところを活用しながら、対象者の抽出や適切なサービス、特にサービスCにつなげていくような取り組み、またその卒業後も見据えたケアが行われているという事例で紹介をさせていただいております。
次のページの広島県広島市においても、総合事業を実施するに当たって、地域ケア会議のようなケアマネジメント、特にサービスについては短期集中型サービス、そしてその受け皿としての通いの場というところで体系的に推進されている事例。
次のページの豊明市は前半でヒアリングさせていただきましたが、短期集中型のサービスを中心に据えて、通いの場等の取り組みもあわせて重点的に行っているという取り組み。
次のページの多摩市においても、短期集中予防サービスと地域の介護予防教室や通いの場、地域とつながる場といったところも連携させながら行っている取り組み。
また、長野県川上村では、先ほどの類型にありました通所Aという基準緩和型の通所サービスを開設し、そちらを活用したもの。あとは生活介護支援サポーターを養成し、それぞれ総合事業の訪問A、B、D、通所A、Bなどに担い手として活躍するといった形でつながりをもって推進されているケース。
続きまして、香川県高松市でございますけれども、サービスB、住民主体のサービスというところに積極的に取り組んでいる事例といたしまして、訪問型のサービスB、通所型のサービスB、そのほかのサービスも含めながら、市内の多くの地域で推進されている事例でございます。
最後、山口県防府市は、サービスAも含めまして、移動の訪問サービスDというところも活用しながら、さまざまなサービスを組み合わせて実施しているという事例もございます。
こういったところもある一方で、全国的にはまだまだ広がっていないところもございますので、今後、検討が必要ということでございます。
その点につきまして、資料2にお戻りください。5ページ目の下ですけれども、1点目の論点としまして、地域ケア会議や短期集中予防サービスCに取り組む市町村を増加させ、一般介護予防事業と連携した取り組みを推進するために、取り組み事例やマニュアル等の周知、研修会の開催などを含めながら、どのような方策が考えられるか。
このほかに、一般介護予防事業を効果的に推進するために、ここでは地域ケア会議とサービスCを1点目に挙げましたけれども、それ以外の在宅医療・介護連携推進事業や生活支援体制整備事業など、ほかの地域支援事業や、地域支援事業にとらわれない事業など、どのような連携が考えられるかということで論点を挙げさせていただいております。
6ページ目、論点2でございますが、総合事業、後期高齢者等の伸びを踏まえた上限額が設定されております。参考資料でいいますと34ページでございます。このように上限額が設定されておりまして、その範囲の中で事業を実施することになっているため、一般介護予防に積極的に取り組む市町村からは、上限額を弾力的にできるなどの配慮をいただきたいといった意見もあるところでございます。
その際に、1つ前に戻りますけれども、参考資料の33ページにお示ししていますとおり、市町村が定める単価は国がサービス類型ごとに定める単価を上限とすることとなっているため、こちらについてもあわせて検討する必要がございます。
2点目の○でございますが、総合事業の対象者、要支援者またはチェックリストに該当した事業対象者ということですけれども、要介護認定を受けると、それまで受けていた総合事業のサービスの対象とならなくなるということで、地域とのつながりを継続するほうが望ましいということで、要件の緩和というところの声も出ております。
参考資料の36ページ、平成30年度に調査事業を行った結果においても、一定数の市町村において、サービスを実施する上で対象者が要支援者等に限られてしまっていることで事業が実施しにくいといった声もございます。
また、この検討会の御意見の中で、ほかの自治体の事例もよく聞いてということでした。37ページ、38ページにも総合事業に関する意見をお示ししておりますが、この中でも、対象者の緩和を求める声も出ているところでございます。
資料2に戻りまして、6ページの○の3つ目でございます。介護予防に資する取り組みの一つとしまして、就労も重要ということは、これまでもこの検討会の中で御意見をいただいてきたところでございます。
また、介護サービスの一環として、利用者が地域とつながりを保ちつつ、就労的活動を行う事業所等も出てきているということで、参考資料の47ページ、48ページには、そういった事例も紹介させていただいております。
今後、高齢化が進展していく中で、高齢者が何らかの支援が必要な状態になったとしても、就労的な活動などを通じて、地域とのつながりを保ちながら、役割を持って生活できる環境を整備することが重要となってまいります。
こうした状況を踏まえまして、総合事業における就労などの社会参加について検討する必要があるのではないかということで、その下に論点を4つ挙げさせていただいております。
○の1つ目、総合事業の上限額を弾力的に運用することについてどう考えるか。また、その際、サービス価格の上限を定める仕組みについてどのように考えるか。
○の2つ目、高齢者本人の希望と地域のつながりの継続を可能とする観点から、総合事業の対象者の弾力化を行うことについて、どのように考えるか。
○の3つ目、高齢者の就労など社会参加の取り組みを進めるために、どのような方法が考えられるか。
○の4つ目、そのほか、総合事業の効果的な実施を進めるために、見直すべき点はないかということで、論点を挙げさせていただいております。
本日御欠席の岡島構成員から、参考資料5として御意見を提出いただいております。ただいまの論点の1つ目と、次のPDCAサイクルに沿った推進方策についてということで、それぞれ御意見をいただいておりますので、御議論の際はこちらもあわせてごらんいただきながら、お願いできればと思います。
説明は以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、議事に入りますが、本日は黒岩構成員から資料を提出いただいておりますので、黒岩構成員から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○黒岩構成員 神奈川県知事の黒岩祐治です。今日は介護についてそもそもどう考えるべきかという神奈川県の提言をさせていただきたいと考えています。
まず、こちらをご覧いただきたいと思います。これは神奈川県の人口の形なのですけれども、1970年はきれいな人口ピラミッド、2050年には全く逆になりまして、85歳以上が最も多くなっているという劇的な変化。このときにどう対応するか。このまま行けば、絶対に全て崩壊する。だから何とかしなければいけない。キーワードはこちらです。
「Me-Byo(未病)」です。未病とは何か。我々は健康か病気かという二分論に考えがちですけれども、健康と病気の間に明確な線があるわけではありません。
未病というのはこちらです。健康と病気の間はグラデーションで連続的に変化するものだということです。病気になってから治すのではなくて、未病状態、どこにいても、少しでも白いほうに持ってこようとする努力が大事だということであります。そうでなければ、この圧倒的な超高齢社会は持ちこたえられないということであります。
そのためには、食、運動、社会参加といったものが大事なのであります。食についても、栄養や機能というだけではなくて、オーラルフレイル、口腔機能といったものも大事である。それから、運動はまさに介護につながってくるところです。身体活動やロコモ、フレイルといったことがなければ運動もできないだろうということです。あと、社会参加ということも非常に大事だなと。こういうことが相まって、未病改善ということに取り組んでいかなければだめだということです。
我々は、この未病改善のアプローチと、最先端の医療技術のアプローチ、こういったものを融合させるということ。最先端といいますと、iPS細胞、再生・細胞医療、ロボット技術、ビッグデータといったものをあわせて、健康な長寿社会を目指していこうということであります。
この中できっと産業界が反応するだろうと。つまり、白赤モデルからグラデーションモデルということであります。白赤モデルをグラデーションモデルにしようということは、産業的に言うと、白赤ならば健康産業と医療産業、新しい産業の香りはしませんが、未病産業というときっと反応するだろうと思ったのです。
今、未病産業研究会には741社、ありとあらゆる業態が入っています。やはり健康に向かってみんなが志向するというのが今の時代の流れでありまして、741社が入っているということであります。
そんな中で、我々は新しいテクノロジーやサービスといったものをME-BYO BRANDとして認定しております。
そして、こういった考え方で、世界中とネットワークを結んでまいりました。スタンフォード大学医学部からWHO等々、ME-BYOというコンセプトで世界中とネットワークを結んでまいりました。
そんな中で、ME-BYOというコンセプトは、当然のごとく、最初はなかなか受け入れられませんでしたけれども、私は政府の健康・医療戦略参与会合のメンバーに入っておりまして、横倉日本医師会会長がメンバーに入っておられた。そのときに、私がME-BYOという話をしましたら、横倉会長が、これはとても大事な考え方であるということで理解を示してくださったことから、大きく流れは変わってまいりまして、いろいろなキャンペーンをやっております。これは、読売新聞で3人で鼎談をしたときの写真であります。
そしてついに、政府の健康・医療戦略の中にも「未病」という言葉が入りました。健康か病気かという二分論ではなく、健康と病気を連続的に捉える「未病」の考え方が大事だということであります。
これはつい先日ですけれども、全国知事会の特別決議の中にも「未病」という言葉が入りました。
インド政府と我々神奈川県は覚書を結んだのですけれども、その中にME-BYOという言葉が入ったと同時に、日本政府とインド政府との間の覚書の中にもME-BYOという言葉が入りました。既に外交文書の中に載っているということがME-BYOという言葉であります。
こういったME-BYOの取り組みは、SDGsの取り組みと非常に軌を一にするものだということでアピールしたところ、国連のほうから招待を受けまして、この7月にニューヨークの国連本部に行って、SDGs、ME-BYOということについてアピールをしてまいりました。
このときのスピーチは大変盛り上がったのですけれども、それを聞きつけたUNDP、国連開発計画のシュタイナー総裁が大変関心を示してくださいました。そして、一緒にやっていこうということになって、先日のTICADの際、シュタイナー総裁が来日されたときに、UNDPと連携趣意書といったものを取り結びました。こんなことは初めてのことであります。国連にもME-BYOということが載っているのです。
そのときの覚書の文書の中に、ME-BYO Indexという言葉が入りました。そして、Vibrant Inochi、これは後で説明しますけれども、こういう言葉が実際に入りました。
ME-BYO Indexについて御説明したいと思いますけれども、ME-BYOサミットというものを神奈川県が主催しています。2年に1回ずつやっていて、今度の11月に3回目が行われますけれども、2年前のME-BYOサミットのときの大きな課題が、グラデーションモデルはよくわかった、確かにそのとおりだけれど、グラデーションの中のどこにいるのかという指標化ができないかということが問題提起されました。
この2年間にわたって、WHOと神奈川県、神奈川県というのは実は後ろについているのは東京大学です。これがジュネーブ本部に行ったり、横浜に来たりと、行ったり来たりしながら、ME-BYO Indexについてずっと詰めてまいりました。そして今度の11月に、ME-BYOサミット第3回目が開かれます。箱根と横浜で開かれるのですけれども、その中で、ME-BYO Indexという基本的な考え方が発表されることになっています。
そうすると、グラデーションと言っていた部分が指標化、数値化されてくるのです。そうすると、この世界はがらっと変わってくる。一種の革命的なことが起こると私たちは思っているところであります。
さて、そこで今日の提案でありますけれども、介護分野でも「ME-BYO(未病)」というコンセプトを導入するべきではないかということであります。
さっきの政府の健康・医療戦略的に言うと、我々の提言はこんな感じです。介護を要する人、要しない人という二分論ではなく、介護を要する状態と介護を要しない状態を連続的に捉えることが重要だと。まさにME-BYO(未病)の考え方そのものであります。
予防という言葉をよく考えてください。白赤モデルからグラデーションモデルというときに、予防というのは白赤モデルの言葉なのです。「予め防ぐ」と書きますね。でも、介護の世界で「予め防ぐ」ということはあるでしょうか。真っ白な介護を要しない分野と、真っ赤な介護を要する分野、真っ二つに分かれているわけではないですね。「予め防ぐ」という言葉自体、おかしいのです。介護の世界で介護予防という言葉を使っていること自体が、日本語としておかしいのです。
ある種、典型的な例が最近ありました。認知症予防の数値目標断念ということがありました。政府が認知症予防の数値目標を出そうとしたら、猛反発を食らった。誰から反発を食らったか。認知症の人からです。俺たちみたいになるなと言っているのか、認知症になるのは悪なのかと。
考えてみてください。認知症というのは白赤モデルでしょうか。真っ白な認知症ではない人が、突然ぽんと認知症になりますか。グラデーションです。未病の典型的な例です。糖尿病にしてもそうです。全部グラデーションです。予防という言葉は合わないのです。
でも、白赤モデルはないのかといったら、白赤モデルはあります。それは、感染症です。インフルエンザになりました。ぽんと赤になります。治りました。ぽんと白になります。それは白赤モデルだけれども、感染症モデルを今の我々高齢化で抱えている問題、その病気に当てはめようとすること自体が間違っているといったこと、認知症予防という言葉はだめだということが明らかになったわけであります。
予防というのは、ある種、排除の論理です。こっちに来るなということです。
そうではなくて、未病という言葉、介護を要しない人から介護を要する人へ、実はずっとグラデーションでつながっているではないかということです。未病改善。どこにいても少しでも白に持ってこようとすることが大事ではないですかということです。今の介護予防という発想というのは、ある種、為政者側の論理です。仕分けている。それでどうやってお金をコントロールするかという議論だけれども、未病改善の話というのは自分が主体になります。このグラデーションのどこに向かっているか主体的に見えてくると、自分で白に持ってこようとする努力をするということだと思います。
未病指標は今度出てきますが、それとSociety5.0、新しいテクノロジーが加わることによって、こういったものが科学的に実証されていくだろうと。これからの介護はそういう科学的なものになっていかなければいけないという提言であります。
これは横浜の若葉台団地。すごいことが起きています。人口1万5000人ぐらいの団地ですけれども、高齢化率を見てみますと47.8%です。ところが、要介護認定率は12.2%。全国平均をはるかに下回っています。しかも10年間で下がっている。何が起きているか。奇跡です。行ってみたら自治会活動がすごくしっかりしていて、例えば多世代交流の場をつくったり、子育てママさんを支援したり、スポーツイベント、文化イベントを次々に提案してやっている。つまり、コミュニティーを充実させることによって、こんな奇跡を起こしているということであります。コミュニティーということがいかに重要か。未病改善にどれだけ大きな力を発揮するかということがまさに証明されているわけであります。
私たちは、さっき言ったVibrant Inochiという言葉を国際デビューさせました。未病という言葉はもう国際デビューさせていますけれども、この夏に国連に行ったときに、Inochiという言葉をデビューさせてきました。
「いのち」というのは、普通はLifeと訳します。ただ、我々が言っている「いのち」というのは、ちょっとLifeとはイメージが違いますねと言って、ずらっとイメージでいろいろな言葉を置きました。Well-being、Positive Spirit、Purpose in Life、Good Community & Environment、Full of Laughter、Healthy Longevity、このようなイメージですよ。そして、これがDiversity、多様性の上に乗って、後ろから後光が差しているような、これが我々が言っているVibrant Inochiですよということです。
何でこんなことを示したかというと、我々はいろいろなことをやっていて、何をゴールにしているのかということです。死なない社会をつくってくれ、これは無理ですね。病気のない社会をつくってくれ、これも無理だ。何ができるか。Vibrant Inochiです。
みんなが笑顔で、笑っていて、100歳ぐらいになっても、みんが笑っていて、みんなVibrant、いのち輝いているというのがゴールなのだと。だから、我々がやっているさまざまなことは、全てこれに向かっていくべきだろうということであります。そのためには未病改善ということで、ふだんから健康に持っていこうとするとことが大事だということもあるし、コミュニティーを充実させるということも大事。
介護といったときに、介護と医療を切り分けて考えるのはもう違います。今、未病といったとき、恐らくこれを聞いていらっしゃる方の中で、未病は確かにそうかもしれないけれども、未病の病というのはちょっと気になるなと思っていらっしゃる方が結構いらっしゃると思います。しかし、未病という言葉はもともと中国漢方の言葉でした。2000年以上の前の言葉です。その2000年以上前の未病というときに、実は今のような西洋医学はなかったのです。
今だったらば、病気というものと、老化、老いというものは切り分けて考えます。その当時は切り分けていなかった。一体だったわけです。人間総体を見ていたわけです。人間総体の中でどうあるべきか、どうよくしていくべきかといったときに、未病を改善していこうということが大事だという話をしていたわけです。
今、議論しているのは、それを全部切り分けて、病気の話は病気の話、身体的機能の話は身体的機能の話で切り分けてやっている、もうそんな時代ではなくて、改めて、人間の総体を見ながら議論しようではないかということが未病改善、介護分野にも未病改善というアプローチであります。だから、介護からも、いのち輝く、Vibrant Inochiの世界を目指していこうというために、介護分野でも予防という言葉ではなくて未病改善という言葉を使って、これからそういう総体的な議論を進めていくということを提言したいと思います。
御清聴ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ただいま神奈川県の未病を中心とした取り組みについて御紹介をいただき、また御提案もいただきました。
それでは、ただいまの話、それから資料2は論点が出されております。これらを含めて、御意見や御質問をいただきたいと思います。いかがでございましょうか。
安藤構成員、どうぞ。
○安藤構成員 ありがとうございます。
それでは、資料2の6ページの論点2について2点ほど、意見申し上げさせていただきます。
まず、1つ目の○ですが、限られた財源の中で実施するためには、各市町村において国が定める上限額の中で、効果的、効率的に実施することがあるべきであると考えております。その上限額を弾力的に運用するのであれば、財源の一部を負担する現役世代の納得も得られるように、介護費用の削減効果など、具体的なアウトカムを示していただくことが今後必要になるかと考えております。
2点目ですが、資料2の6ページの論点の2つ目にあります弾力化というところなのですけれども、参考資料1の36ページから38ページを読みますと、この意味としては、要介護者も対象とすることについてどう考えるかというふうに受け取れます。そういう論点であると認識しているのですけれども、ここはデータに基づき、慎重に検討していただきたいと思います。
例えば、具体的にどのくらいの要介護者の方が、どのようなサービスを活用すると重症化予防につながるのか。そして、アウトカムデータに基づき議論を進めていただくということが非常に大事かと思っております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
今のことに関連してでも結構ですし、関係なくても結構ですが、御意見、御質問はございますか。
松本参考人、お願いします。
○松本参考人 ありがとうございます。
通いの場への参加率が出ておりますが、今のところ4.9%ということですので、ここに資源を投入していこうということであれば、一定のエビデンスをもとに、取り組みの成果を確実なものにしていただければありがたいと思います。
また、総合事業の事業費には上限額が設定されております。これは平成26年の制度改正当時の合意事項でもございますので、この上限の考え方は、原則としては維持をすべきではないかと考えます。
新しい事業に取り組むに当たりましては、従来の事業の見直しもあわせて行っていただくなどによって、上限を守るということが可能なのではないかと考えます。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
今、保険者の方々からの御意見が続きましたけれども、いかがでございましょうか。
齋藤秀樹構成員、お願いします。
○齋藤(秀)構成員 ありがとうございます。
今の点に関連して、論点2の2つ目の○でありますが、総合事業の対象者の弾力化についてでありますけれども、当然のことでありますが、高齢者個々人の状態像は改善することもあれば悪化することもあります。総合事業という制度と、介護保険制度というはざまの中で、重度化防止や自立支援の意欲を失わせないということはとても大事なことではないかと思います。
私は、要件の一定の柔軟性を持った対応はぜひお願いしたいと思いますが、ただし、例外的な対応が常態化したり一般化するというのは好ましいことではないと思いますので、例えば地域ケア会議等で経過観察をしていくとか、専門職の適切な助言を求めていくということが必要ではないかと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
今、この部分について御意見が集中しておりますが、関連で何かございますか。
小玉構成員、どうぞ。
○小玉構成員 ありがとうございます。
今の論点と関係して、論点2の○の2つ目の話だったと思うのですけれども、○の3つ目に、通いの場として、介護予防に資する取り組みの場として就労というところが大事だということが記されているのです。就労も非常に大事なのですが、今の高齢者の方の状態像もそれぞれの変化も視野に入れつつ、任せきりではなくて、支援する人たちがその状態をちゃんと見ながら、就労状態、体の状態を細かく見て対応するということが一つ必要だなと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
石田構成員、どうぞ。
○石田構成員 今、就労というところが出ましたので、同じように資料2の6ページ、論点2の3つ目の○、「現在の取組を踏まえ、今後、高齢者の就労などの社会参加の取組を進めるために、どのような方法が考えられるか。」というところでございます。
この点に関しまして、資料1の4ページにこれまでの意見ということで、一番上の○の4番目、「有償ボランティアを推進する際に、最低賃金を下回るような形で労働を課したり、一般就労を求めている人の思いを妨げたりしないような配慮が必要」という文言が記されてあり、このところが大変重要と考えております。
もう一つ、資料2の2ページ、これまでの主な意見の一番最後に挙げられている内容なのですけれども、「就労についても捉えていくことの重要性がある」というように、「就労」というワードが幾度か出ております。そこで提案したいのですが、さっき出ました「有償ボランティア」ということについていろいろな人が勝手に解釈しているところがあるのではないかと思います。これについては、きちんと整理していただいて、例えば介護予防に係るいろいろな活動については、対価として賃金が出る仕事を就労として位置づけ、対価がない自主的な活動がボランティアとするというような何らかの線引きを提示していただいたほうが、実際にそういう事業を行うときの自治体が迷わなくて済むと思うのです。
かつて私がかかわっていた自治体で、「有償ボランティア」へ支払うお金に関して、最低賃金についての議論が行われたことがありました。どのような内容かというと、例えば介護予防・日常生活支援サービス事業において、1時間1,000円でゴミ出しや草刈り、片付けや買い物など日常生活における住民同士の助け合いの事業を立ち上げることになりました。実際に利用者も100円を支払い、あと900円は自治体から出しましょうということになったのですが、そのときに時給1,000円というのは最低賃金が890円とか言われているときにひっかかりませんかと心配する意見がでたのです。これは「ボランティア」という言葉があるからに他ならないと思います。
そういったことがないように、実際に現場の自治体の事業がやりやすい形になるように、きちんと定義や指針等を出していただきたいと思います。就労については、介護予防に関して重要な要素だと思いますので、要望として申し上げました。
○遠藤座長 関連でしょうか。それでは、藤原構成員、お願いいたします。
○藤原(佳)構成員 藤原でございます。
就労に関しまして、私どもはボランティア、有償ボランティア、就労というくくりはいつも頭を悩ませるのです。一つ、我々の考えの整理としては、雇用関係を結んでいるかどうかで就労とそれ以外に分けて考えております。それはそれとしまして、実際に地域支援事業を進めていく中で、では地域のどういう就労支援のあり方がいいのかということを考えたときに、私は一番基盤的な団体としては、シルバー人材さんとの連携はどこの自治体もほとんど整備されていますので、非常に波及しやすいのではないかと思います。
シルバー人材も、これまでは請負専門でしたけれども、どんどん派遣業のほうもやられてきております。一般の就業のように、例えばスーパーマーケットや介護事業所、保育園といったところに契約して行かれているという場合もありますので、必ずしも昔のイメージの就労の内容ばかりではないと思います。
一方、最近私どもも、幾つかの自治体で、シルバー人材さんに介護予防やフレイル予防のいろいろなトレーニングの指導者養成講習をして、それを仕事の一つとしてグループでチームになって、出前でリーダーのようなことをやるというのもシルバー人材のビジネスとして受け入れてますので、健康の担い手という意味での人材としても、これから期待できるのではないかと。
一方、例えば東京都のシルバー人材さんですと、平均年齢は74歳ぐらいと聞いております。そういった方々は、それこそ御本人たちが次の介護予防のターゲットでもあることもありますので、シルバー人材さんのいろいろな集まりや定例会といったところに、実際の健康づくりや介護予防の啓発もできますので、担い手としてと同時に、利用者の予備軍として最大の組織がありますので、それをもうちょっと活用すればいいのではないか。
なかなかそれが、実際の地域包括ケア関係の推進会議なども、メンバーとしては入っておられても、なぜそこにシルバーさんが入っているかという意味をお互いが余りわからず、充て職で入っている場合があるのですが、無限の可能性があるのではないかと思いますので、シルバーさんとの有意義な連携もこれから大事になるのではないかと思っています。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
今、就労の問題になっておりますので、関連をまず優先したいと思いますけれども、就労問題でいかがでしょうか。
山田構成員、お願いいたします。
○山田構成員 私も藤原構成員の御意見には非常に賛成しておりまして、シルバー人材の活用というのは非常に重要と思っております。
中でも、例えば最近、障害者就労のほうではジョブマッチングというのが非常に盛んになっていると思うのですけれども、高齢者のほうでも、例えばシルバー人材のセンターの中に、役割の適正を判断できるようなシステムの強化というものも今後かかわっていくことができると、よりいい形になってくるのではないかと思っております。
例えば、きょうはそういった議論にはなっていないと思うのですけれども、専門職の活用なども、うまくシルバーと連携し合うということも今後求められるのではないかと考えております。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
ほかにございますか。
近藤構成員、どうぞ。
○近藤(克)構成員 就労支援のときに、誰が賃金なり謝金なりを払うのか。その財源はどこから出てくるのかという論議も必要な気がいたします。
ここでも何回か発言したつもりなのですけれども、閣議決定でソーシャルインパクトボンドを含む民間資金の活用や社会的インパクト評価の推進等が盛り込まれています。従来はマーケットになじんでいなかったけれども、社会的価値の解決などの価値を生み出すもの、そういうところにもっと投資しましょう、あるいはそこにお金が還流するような仕組みをつくりましょうという試みが国際的になされていて、その一つの形として、ソーシャルインパクトボンドなどがあります。
日本でソーシャルインパクトボンドがなじむのかなという点については、私は最近懐疑的になっているのですけれども、介護保険においては、今、受給者1人当たりの保険給付額と公的負担額、および利用者負担額を合わせた平均費用額は年間で約200万円かかっていると思います。そうしますと、就労による介護予防で、例えば認定を受け給付を受ける方を1人減らすことができれば、費用額を200万円ぐらい減らした、費用節減に貢献したということになります。そうやって浮かした場合には、そのうちどのぐらいを還元するのかという論議がまたいろいろあるでしょうけれども、例えば、仮に3割あるいは5割とすると、1人当たり60万あるいは100万円という額になります。そういう形で雇用の財源を確保できる可能性が理屈では成り立ちます。ぜひモデル事業みたいなものを組んでいただいて、そのような理屈どおりに本当にいくのかというのを実証しながら、なおかつ、これをやるためにはアウトカム評価が不可欠ですので、来た方を追跡できるような仕組みをつくりつつ、ぜひ検証していただきたい。まずはモデル事業をきっちりやっていただけたらと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
濵田構成員、どうぞ。
○濵田構成員 ありがとうございます。
就労に関してということですが、介護助手の取り組みというものが進められております。就労ということになりますと、どちらかといいますと施設とかサービス事業所というイメージがあるのですが、もう少し対象を広げて、もし本当に就労ということに着目するのであれば、こういった通いの場といったところも対象範囲として含めてもよいのかなと感じました。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
津下構成員、お願いします。
○津下構成員 就労は、こちらの検討会では介護予防的な意味合いに使われているように思いますけれども、産業分野では、働いてほしい、という方向で検討されています。高齢者が安全に働くためには、高齢者の健康状態やフレイルや認知機能が若干落ちても、支え合いながら働き続けるようにしていく。そういうことが労働基準局のほうでも検討されているようなのですけれども、そのような動きと歩調を合わせながら、高齢者にとって安全に、そして生きがいを持って働けることが企業にとって必要不可欠な戦力であるという認識のもとで働いていただくというのが、まずは重要であろうと。
ただ、今のところでは、事業所側の安全配慮ということがまだ不十分ということもあって、ボランティア的な働き方、もしくは労働力として過小に評価されている可能性があるのかなと考えております。なので、介護予防の文脈だけではなく、就労については経済界として広く求める高齢者の働き方の議論とあわせて検討していくというのが必要なのかなと思います。
違う話ではなく、就労の話ですか。
○遠藤座長 とりあえず就労の話でまとめたいと思います。思いがけず就労の話が盛り上がりましたから、就労の話をここで一つ議論しておきたいと思います。ほかにありますか。あるいは、ボランティアの話でも結構でございます。
とりあえず、一通り就労の話はこれまでにして、また何かあれば戻っていただくということで。それでは、それでない話ということで、津下構成員、お願いします。
○津下構成員 さっきの就労の話で、介護施設というところで働いている方の安全に、長く続けられるための工夫点なども情報共有されておりましたので、それは非常に重要なことかなと思います。
2点目なのですけれども、論点の中にあります短期集中予防サービスと一般介護予防事業の連携などの文脈の中で、例えば短期集中のサービスが終わった方が通いの場に安心して参加していただくためには、通いの場の受け入れ体制といいますか、どういう注意事項が必要なのか。住民主体の集まりということではありますけれども、短期集中でトレーニングしたことなどが継続的に行われることが必要だと思いますので、通いの場を住民任せではなく、リハ職というような専門職が通いの場にもかかわりつつ、受け入れ上の留意事項とか、こういうトレーニングは必ず入れてくださいとか、健康状態に不安がある方、また通いの場に来られなくなった場合には、ちゃんとお知らせいただいて、専門職がかかわるようなプログラムに戻れるとか、そのような弾力的な移行と連携体制が必要かなと思います。サービスの連続性や、地域でさまざまなサービスが行われているところのそれぞれがどういう特徴を持ってやっているかをお互いに知って、つないでいくということが必要なのだろうなと思っています。
それで見ると、きょう御紹介いただいた幾つかの事例については、次の通いの場と短期集中サービスが連続的につながる仕組みをかなり意識してやってみえる。必ずしも専門家がずっと継続的にかかわらなくても、通いの場でその継続的な効果が維持できる。エビデンスが出ればいいですけれども、そういう通いの場であれば、ボリュームがふえるということについてはよろしいのかなと思います。
上限の話にもかかわることなのですけれども、もしそういうサービスでより単価の低いといいますか、より効率的に、コストもかからずに、継続的な介護予防活動につながるのであれば、総合事業の枠組みが若干ふえても、トータルでみていくという視点が必要かなと思います。
地域によっては、サービスが提供できる、できないとか、さまざまな状況があって、通いの場に頼らざるを得ないという状況もあると思うのです。だから、地域の実情に応じて工夫できるように、弾力的な運用が必要ということは十分理解できるのかなと思います。
その際に、ちゃんとそういうデータを示しながら、なぜ必要なのかということを保険者サイドにしっかり説明ができるような取り組みであることが求められるのではないかと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
山田構成員、お願いいたします。
○山田構成員 私も短期集中のところと、通いの場の連携のところで発言させていただきたいのですけれども、全体の市町村の4割が実施しているというのは直感的に見ても非常に低いなという印象を受けるのですが、4割の中でも実際にどれぐらいの数の方が来られているかというところで見ると、数としてはまだまだ伸びていないのが現状だと思います。
そういった中で、恐らく一般的には短期集中から通いの場へつなげるという意識もあると思うのですけれども、通いの場が非常に数が伸びているということもありますので、どちらかといえば通いの場から短期集中へつなげるという考え方も今後必要になってくるのではないかと思いました。
中でも、先ほど来、申しておりますけれども、専門職がこういった通いの場に出向くときに、リスクのある方をそのままにしておくのか、もしくは短期集中のほうにつなげるのかという判断を専門職に委ねるというのも今後必要になるかなと思っております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
関連でお願いいたしたいと思います。
斉藤正行構成員、お願いいたします。
○斉藤(正)構成員 私どもは、デイサービスを全国に運営している事業者の会員組織でございまして、総合事業の運営ということもあわせて行っております。そのような観点から、今、お話がありました論点1の一般介護予防事業の他の事業との連携というところについて、現場視点での意見を2つほど述べさせていただきたいと思います。
先ほど来、お話がありましたとおり、連携をしっかりと重要視していかないといけないということで、過去の議論の中でも何度かお話が出ておりますとおり、実際に一般介護予防事業に通っている過程の中で、その後、チェックリストに該当したりとか、要支援や要介護認定となられた場合には、別のサービスを利用していくという形になって、引き続き継続したいというニーズがたくさんあるという御意見がこれまでにもあったかと思います。
また、逆もしかりでして、デイサービスや総合事業を利用している方々が自立支援を通じて状態改善をしていって、一般介護予防に戻っていく方々もいらっしゃるのですが、このあたりの連携を強化していくことを実現していく上において、2つ提言をさせていただきたいと思っています。
まず、1つ目は、この一般介護予防事業自体は自治体中心でサービス提供がなされているわけですが、民間事業への委託みたいなところについてをさらに柔軟にできるような体制づくりやルールの整備をしっかりと行っていただければと思っております。
その意味合いとしましては、今、申し上げたとおり、この一般介護予防事業そして総合事業、また通所事業というところが、一つの事業者が一体的に運営をしていく、場合によっては同一敷地内で曜日を変えたり、時間帯を変えたりして同一の職員が兼務をしながら提供していくことができれば、連続的なサービス提供が行えることになるわけです。そういった意味でも、通所事業者や総合事業者が同時に一般介護予防事業も柔軟に取り組めるような体制がとれればいいなとは思っております。
2つ目の提案も同様の話になりますが、今回、連携という部分では、地域ケア会議やサービスCのところとの連携という事例が述べられておりましたが、今、申し上げたような観点から、その他の総合事業、また現行相当の従前サービスなどとの連携体制、ひいては総合事業と通所事業自体の連携みたいなところの一気通貫のサービスのあり方というルール、どうしても一般介護予防事業、総合事業、通所事業ということが全部別立てのルールとなっておりますので、このあたりが一体運営できるような仕組みもあわせて検討いただけると、より連携がとれるのではないかと思っております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、小玉構成員、お待たせしました。
○小玉構成員 ありがとうございます。
私も資料2の5ページの短期集中予防サービス(サービスC)につきまして意見を述べさせていただきたいと思います。
先ほど来、山田構成員、津下構成員からもお話がございましたけれども、市町村の取り組みが少ない。ここに課題が、専門職や団体との調整が難しいとか、対象者の抽出・選定が難しいとか、実施後のサービス提供体制の整備ができていないとあるのですけれども、通いの場に専門職が入ってくるというところが、今度の介護予防と高齢者の保健事業の一体で大事なところになってきますので、企画の段階で専門職もかかわる状態になれば、市町村の負担は減るのではないかと思います。
対象者の抽出・選定につきましても、高齢者の選定のアンケートもありあすし、専門職が入ることで、この部分もいろいろと解決できるのではないかと思います。
もう一つ大事なことは、サービスCの取り組み内容が参考資料の19ページにあります。運動器の機能向上とか、栄養改善とか、口腔機能の向上とありますけれども、恐らく閉じこもりの予防支援なども、一つ一つの事柄がそれぞれの通いの場でやられているのだと思います。これをうまくコーディネートして、組み合わせることによって、非常に効果が出てくるのではないかと思います。
既にいろいろなエビデンスもありますので、そのあたり、1つだけではなくて2つ、3つ、そうすると専門職のアドバイスも多くなるとは思いますけれども、そのあたりをうまく活用していただけると非常に効果があると思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
荒井構成員、お願いいたします。
○荒井構成員 今の点でございますけれども、アンケート調査の結果で出ているのが、対象者の選定が難しいというのが最も多いかなと思いますので、そこをこの検討会としてちゃんと提言を出さなければいけないかなと思っています。
今、要支援者はもちろん把握していると思うのですけれども、基本チェックリストの次はスクリーニングになりますので、それをどうやってやるかということについて、まだ各自治体で徹底していないのだなと思っています。基本チェックリストそのものも、まだやっているところが非常に少なくなっていますので、どうやって対象者を選定するのかということで、例えば独居の方は全部、基本チェックリストをやっていただくとか、あるいは医師会と連携して、医院に通院しておられる方は必ず基本チェックリストを受けていただくとか、年齢は65歳以上、70歳以上といろいろ考えていただければいいと思いますけれども、具体的な方策を提言すべきかと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
江澤構成員、どうぞ。
○江澤構成員 ありがとうございます。
資料2の論点1について意見を申し上げます。
こちらには論点が2つ示されておりますけれども、ぜひ医師会を活用していただければと思っております。
私の地元でも、地域ケア会議の発足当初から、医師会から委員を派遣したり、いろいろ医師会と連携して取り組んでおりますし、短期集中予防サービスのCは、まさにリハビリテーションであり、非常に重要でございまして、往々にして通所リハ、デイケア等で行われているわけでございますので、そうすると多くは医療法人が運営していて、医師会と非常に深い関係がありますので、そういったところで、ぜひ都道府県医師会、メーンの窓口は地区医師会になると思いますけれども、地区医師会等と連携していただきたいと思っております。
○の2つ目ですけれども、介護保険はリハビリ前置主義とも言われていまして、特にリハビリテーションの考え方をどう落とし込んでいくかというのは重要だと思っております。
特に地域リハビリテーションの体制においては、都道府県のリハビリテーション協議会、都道府県のリハビリテーション支援センター、地域リハビリテーション広域支援センターから構成されておりまして、そこが市町村における一般介護予防の地域リハビリテーション活動支援事業と連携をするという仕組みになっていますが、これが全国的に、一般的に余り活性化されておらず、市町村がうまく対応できないで苦慮している事例も多々あると認識をしております。
そこで、例えば都道府県医師会、地区医師会の連携のもと、しっかりとした地域リハビリテーション提供体制を構築して、医師会が市町村の窓口となって、市町村が行う地域リハビリテーション活動支援事業を医師会が支えていくという方策も検討すべきではないかと思っております。
特に、地域リハビリテーションの取り組みにおいては、提供の継続性と、リハビリテーションの質の向上が非常に重要な要となります。そのために提供体制がしっかりとしたものが組織として構築されることが重要でありますので、ぜひ、そういった仕組みについても御検討をいただきたいと思っております。
最後に、きょうは黒岩知事から、未病の取り組みにつきましてすばらしい御発表がありまして、医師会としましても、私どもは横倉会長からも伺っておりましたし、非常に共感するところでございます。
特に、以前も申しましたけれども、要介護の原因の3割が生活習慣病関連、あるいは脳血管疾患、認知症、フレイルが全体の原因の5割を占めます。したがって、20代、30代からの生活習慣が、そういった連続性のもとに将来、要介護となってあらわれるので、こういった取り組みも踏まえつつ、ぜひ若者世代、中高年世代の生活習慣も合わせ技で、セットで取り組んでいただければと思っております。
以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
それでは、藤原佳典構成員、お願いいたします。その次に濵田構成員。
○藤原(佳)構成員 先ほどから議論になっています通いの場への専門職派遣の仕組みなのですけれども、例えば、私どもの研究所の地元の板橋区なのですが、そこは18の生活圏域に分かれておりまして、それぞれいろいろな通いの場とか協議会を使って、運営されています。年に何回かは、そういうところに専門職に来て欲しいという意見などもあるのですが、なかなかマッチングが、生活圏域単位では難しい部分があります。
一方、PTの先生方というのは勉強熱心でいらっしゃいまして、それぞれ地元で、御自分たちの法人を超えた勉強会やネットワークを組んでいらっしゃることもあるのです。たまたま昨日、板橋区でそういう機会があったのですけれども、リハのネットワークと住民の複数の通いの場をマッチングするような、お見合いのようなものをやれば、お互い、次はどこへどのように依頼しよう、派遣しようどういうふうに顔の見える関係になれる点も非常に大事なのではないかと思っております。
アウトリーチして、法人から専門職の方が行くという場合も、一つの法人だけですと、ほかの法人からスタンドプレーしているのではないかと見られるようなところもあったりとか、逆に、送り込める人が足りないということもありますので、専門職側のほうも、フォーマル、インフォーマル別としてネットワークを組まれて、それの中で対応されるというのが、実践的ではないかと思っております。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
お待たせしました。濵田構成員、どうぞ。
○濱田構成員 ありがとうございます。
資料2の論点1、介護予防自立支援の観点から行われる地域ケア会議や短期集中予防サービスの実施市町村を増加させるというところでございますが、まずご覧いただきたいのは参考資料1の14、15ページがちょうど地域ケア会議の状況でございます。参考資料1の15ページに開催状況が出ております。ごらんのとおり、13回以上行われている市町村が一番多い一方で、次に多いのが0回ということで、二極化しているのかなということを感じております。
さらに、非常によく取り組まれているところでは、参考資料1の15ページの13回以上というところの棒グラフを見ますと、地域ケア個別会議のほうが多くなっておりまして、地域ケア推進会議は少ない。
一方で、開催回数が少ない地域のほうでは、推進会議のほうが多くて、個別会議が少ないという逆の現象が起きております。もしかすると開催数が少ないところは、とにかく関係者全員を集めて推進会議をやって、それからでないと個別会議といいますか、介護予防や自立支援のための会議が開きにくい傾向があるなど、何らかの原因が可能性があります。もちろん地域ケア会議はさまざまな機能がございまして、いわゆる個別困難事例を解決するということもあるわけなのですけれども、介護予防・自立支援の観点から行われる会議につきましては、簡略化した形で、13回以上も行われている事例などをもう少し周知すれば、実施回数もふえるのかなという気がいたします。
それから、16ページのところで、うまく機能している地域は多くないという要因分析を進めていただくことも重要と思っております。
20ページで、いわゆる短期集中予防サービス(サービスC)を提供する専門職というところでございますが、グラフを見ますと、6番のいわゆるリハビリテーション専門職の方が一番ピークである結果がでております。正確な数は把握しておりませんが、各専門職の中では、全国的には量的に一番少ない数かなと思っておりまして、恐らくは、リハビリテーション専門職の方の確保が難しいということが、サービスCを提供する自治体が少ないということにつながっている要因も可能性があるかなということです。
そこで、先ほど少しお話がございましたけれども、いわゆる専門職の職能団体との連携ということで、例えばそこから派遣していただく、ないしは地域のリハビリテーション専門職を抱えている施設や事業者のほうへ、市町村のほうから派遣要請ができるようにするなどということによって確保が進めば、短期集中サービスも進むケースも出てくるのかなという気もいたします。
この際に、実は職能団体は都道府県にはあるのですが、市町村にはない場合もございます。そこで、どうしても都道府県は都道府県同士、市町村は市町村同士というところがございますので、例えば市町村の自治体のほうから、都道府県の団体へ依頼ができるような連携のあり方というのも検討していくことで、実施がふえる可能性があるのかなと思います。
以上、意見でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
近藤構成員、どうぞ。
○近藤(国)構成員 先ほど荒井構成員がおっしゃったように、スタートの時点でスクリーニングをもう少し幅広い範囲でかけないと、通いの場に多くの人が集まってこないのではないかと考えます。
チェックリストは、行政の立場でスクリーニングをして問題のある方を集めるという考えなのでしょうけれども、黒岩構成員が言われた、自分自身が今どういう状況にあるかという視点を得るには、チェックリストだけでは少し難しいと思われます。多くの方は自分がテストで何点をとっているかというところには興味を持たれますので、自分の点数がわかれば何かを始めようという行動につながると思います。いきなり健診事業全部の中に組み入れるのは難しかったとしても、通いの場のようなところから、個人が自分を確認できるような標準的な評価があったほうが、より幅が広がるのではないかということを思います。
もう一つ、通いの場での専門職の活用についてですが、私のいる習志野市におきましては、習志野市内の療法士を雇用している事業所責任者の許可のもとで、療法士が集まって習志野市リハビリテーション協議会というものを立ち上げています。そこが市から一括して依頼を受けて、協議会内で手上げ方式にて療法士を募って通いの場へ派遣しています。
さらには、自分の事業所だけに誘導しないように、協議会として一つ一つ共通化されたエビデンスがある資料を作成して、通いの場での講座を実施しています。加えて身体機能のテストもしており、毎年実施することによって、行政ならびに御自身のベンチマーキングをしていただくという体制をとっております。ある程度標準化された仕組みを多事業所が協働して実施する体制を市町村単位でつくるという方法もあるかもしれません。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ただいまのことに関連してでも結構ですし、先ほどの話では、専門職の話あるいは地域ケア会議の話にも言及されていますので、それに関連してでも結構でございます。
全く関係ないことでも結構でございますが、何かありますか。
荻野参考人、どうぞ。
○荻野参考人 ありがとうございます。
私のほうからも、論点1のサービスCのところでございますけれども、参考資料1の20ページ目であります。私も薬剤師でございますが、薬剤師の取り組みが専門職の中で非常に低いなと。少し恥ずかしい思いを感じているところであります。
江澤先生もおっしゃったように、市町村単位で考えますと、三師会あるいは四師会の連携というのが極めて密であると承知をしておりまして、濵田構成員のお話にも関連しますが、市町村レベルでそれぞれ専門職の連携をとりながら、通いの場あるいは私どもでは薬局が通いの場に準じるような、例えば認知症カフェ等々の取り組みも健康サポート薬局の中でやらせていただいているという事例もございますので、決して薬剤師が後ろ向きであるという印象をお持ちいただかないように、積極的に取り組ませていただきたいと考えております。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
大体よろしゅうございますか。
それでは、津下構成員、お願いします。
○津下構成員 先ほど近藤構成員、荒井構成員からお話がありましたチェックリストは、介護予防事業として実施してきたわけですけれども、来年度4月からの健診に伴う質問票のなかに、高齢者のフレイルや社会参加などにも着目した項目が入る15項目の質問票が入ることになっておりますので、健診や医療機関などでそういう質問紙をやっていただくことによって、本人の気づき、また地域の関係者の働きかけにつながるのかなと思っております。
その検討では、かかりつけ医で全てチェックするのはなかなか難しかったら、薬剤師さんが薬局でやってもいいのではないかとか、さまざまな御意見がありましたので、高齢者自身が自分の暮らし方に気づいて行動を起こせるように、今後、質問紙の活用なども視野に入れて、地域の専門家にかかわっていただけるといいのかなと思っております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
石田構成員、どうぞ。
○石田構成員 論点2で、先ほどから幾つか出ておりましたけれども、総合事業の上限額とか、総合事業の対象者の弾力化ということですが、参考資料の37ページには、各自治体から本当にいろいろな声が数多く上がってきております。これだけたくさん意見や要望が出てきているのですから、どのように考えるかというよりは、ここは一つこういう形でやっていこうという方針等を出していかないと、いつまでも足踏み状態ということになってしまうと思います。例えば上限額についてこういう形で改めて考えていくであるとか、要介護認定がおりたらもう利用できなくなるという状況は現場ではあり得ないという声が出ているわけですから、自治体が柔軟に動けるような規制緩和等をしていくしかないように私は感じますので、意見として述べさせていただきました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、大体時間が参りましたので、本日はこれについてはこれぐらいにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございます。
この議論でございますけれども、最終取りまとめに向けて、引き続きこの部会で検討してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それから、介護保険の親部会のほう、介護保険部会におきましても同様な問題意識でございますので、事務局におかれましては、本日構成員の皆さんからいただいた御意見も随時、介護保険部会で御報告をしていただく。そういうキャッチボールをしながら進めていきたい。
また、介護保険部会の委員をされている方もいらっしゃいますので、そこのキャッチボールをしながら進めていきたいと思いますので、事務局としては議論の整理等々をよろしくお願いいたします。
次の議題に移りたいと思います。今回で3回目の議論となりますけれども「PDCAサイクルに沿った推進方策について」を議題といたします。
事務局で評価指標について、これまでの御意見を踏まえて整理をしていただいております。
来週10月9日開催予定の介護保険部会で、PDCAサイクルに沿った介護予防の推進方策について、本検討会での検討状況を報告する予定と伺っております。おおむねこれまでの御意見を反映されているとは思いますけれども、追加で何かあれば御意見をいただければと思いますので、その資料につきまして、事務局から説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○眞鍋老人保健課長 事務局でございます。
それでは、資料3を用いまして、PDCAサイクルに沿った推進方策について、御説明をさせていただきたいと思います。
こちらは、これまで2回御議論いただいているところでございます。
2ページに、その際の論点といたしまして、これは変わってございませんが、地域の実情に応じてさまざまな取り組みが行われている介護予防に関する事業におきまして、PDCAサイクルに沿った取り組みを推進するためのプロセス指標、アウトカム指標を含めた評価のあり方についてどのように考えるかという論点のもとに、2回御議論いただいたものでございます。
3ページ目は、前回9月4日に提出して御議論いただいたときの資料をそのまま抜粋しております。まず、アウトカム指標の性格を持つ、成果を見る際の着眼点ということでございます。ポツが3つございます。「誰もがより長く、活動的で」と書いてございますけれども、大きな目標を見据えつつ、自治体が容易に把握でき、かつ、取り組みの進捗についても把握可能な指標を設定してはどうか。そして、通いの場につきましては、定義により、その参加率の捉え方が変わるなどの御指摘もありますということで、定義を明確にし、その上で、高齢者の社会参加の促進を図る取り組みの成果として、この参加率を把握してはどうか。また、把握するに当たっては、負担に配慮することが必要ではないか。
3つ目のポツでございますが、自治体で把握できる通いの場以外の高齢者の多様な社会参加の状況につきましても、介護予防・日常生活圏域ニーズ調査等で定期的に把握することについても考えられるのではないかということで、主な指標例としては、下に幾つかお示しをしているものでございます。
これをお示しして、その後、4ページにありますような御意見をいただいております。
経年や自治体間で客観的に比較できるようにするための検討をしてほしい、指標開発をしてほしいというものでございます。
あとは、要介護認定率などは不適切かもしれないけれども、介護予防全体のアウトカムとしては適切ではないかという御意見もございました。
また、通いの場の参加率は5%ぐらいでございますけれども、参加していない人のほうが多い。その状況の中で、通いの場の成果を要介護認定率として評価することは適切でないということもありました。
全体としては、要介護認定率の差というのは、原疾患の地域差ということもあるということで、それを活用するのは慎重になる必要があるということも言われたところでございます。
次のポツでは、要介護認定率や要支援者の改善率などは、これを過剰に使うと、要支援者に過度な介入をしたりという別のインセンティブを生むものではないかということも御指摘いただいてございます。
短期的なものとして認定率を見るというのはわかるけれども、対象は限定的で、余り打ち出すと、高齢者にとっては「やらされている感」もあって、継続性や効果に悪影響を及ぼす可能性もあるなどの指摘をいただいております。
あと、本日も御議論がございましたけれども、現役世代、第2号被保険者にもわかりやすく、理解を得られるよう、給付費の抑制も視野に入れていただきたいというようなことがございました。
また、「医療費等の費用対効果を分析できればよいが」という文脈でございますけれども、要介護認定を受けていない人のデータがないので、現状でも分析には限界があるということでございます。
ほかにも、ニーズ調査に「サロンに参加したかどうか」などを加えたらどうかといった意見があったところでございます。
参加率ではなくて不参加率を把握すべきですとか、あるいは、アウトカムとしては住民の誰もが生き生きとその人らしく暮らすということが重要だということなので、そういったことをニーズ調査で把握したらどうかという御議論をいただきました。
5ページ目は、どちらかというとプロセスの指標ということでお示しをしたものでございまして、取り組みの過程を見る際の着眼点でございます。ポツが2つございます。こちらも9月4日の前回の御議論でお示ししたものでございます。
市町村における成果を上げるための取り組みの過程を評価するという観点から、関係団体の参画状況を初めとする具体的な取り組みの状況が把握できるよう、指標を設定してはどうか。そして、都道府県は広域的な取り組み、管内の市町村の取り組み状況を踏まえた支援等に関する指標を設定することが適切ではないかということでございまして、前回、8月の議論を踏まえた指標例として幾つか例をお示ししたところでございます。
これに対しまして、6ページにあるような御意見をいただいております。
取り組みの過程を見る際の指標として、企画や検証等を行う体制整備とありますけれども、効果検証が大事だということでございまして、この効果検証の指標を全ての市町村で行われるようにしてほしいということ。それから、健康寿命の前段として、住民が行っている栄養や運動等の健康づくりの取り組みも指標に入れてはどうかということでございます。
あと、体制整備の話でございますけれども、行政内の他部門との連携というものもお示ししたところでございますが、福祉部門との連携も重要である、あるいは全ての人の孤立防止につなげるといった観点を捉えることも重要である。また、市民協働や教育、産業振興などとの連携も大事だということでございました。
多様と一般的に表現をしましたが、これではどこと連携したかわからないので、明示してもよいのではないか。プロセス指標には、延べ人数での参加率も加えていただけないか。そして、住民にとっては、自分が取り組んだ成果がわかりやすく、目に見えることが重要だと。そのような指標も考えられないか。
まずは、プロセス指標やアウトプット指標を中心にして、ばらつきの大きい介護予防の取り組みの均てん化を進めることがよいのではないか。
多くの市町村が実施できると思える案をつくっていただきたいという御議論をいただいたところでございます。
7ページ目は、指標設定に当たっての留意点ということで、5つポツがございます。幾つか御紹介しますけれども、短期での評価は難しいものもあるということで、中長期的な視点を持つことが必要であるという留意点があるのではないか。
そして、評価に当たっては、自治体ごとの高齢者数や年齢構成は異なりますので、調整が必要である。
市町村単体では、データの分析や収集は困難なものがあるということなので、都道府県による支援の取り組みについても評価をすることとしてはどうかということでございます。
あと、下から2つ目のポツは、自治体における評価を行うこと自体が過度な負担とならないように、配慮が必要ではないか。
そして、最後のポツでございますが、わかりやすい指標設定と結果のフィードバック、これを住民にとってもわかりやすいようなものとして示すことも大事であるということでございました。
ここにつきましても、8ページにあるような意見をいただいたところでございます。これは全般の意見でございます。
こういった御指摘を受けまして、また御議論を得まして、これまでの議論の一定の整理として9ページ以降を事務局で取りまとめてございます。
内容は、前回お示ししたものを表形式にしたものでございます。それが10ページ、11ページでございますが、9ページが新たに書き出したところになります。
特にアウトプットの指標につきまして、対象者を限定すべきか、あるいは高齢者全体で見るべきかという議論がありましたので、このように整理できるのではないかとまとめたものでございます。
介護予防に関する成果を見る際は、個々の事業の成果に加えて、事業全体を評価する観点から、高齢者全体の成果についても各指標を設定してはどうか。
左側に、上下に矢印がございまして、下に行くほど色が濃くなってございます。上に行くほど高齢者全体、下に行くほど事業参加者、つまり一般介護予防事業の参加者をターゲットとした指標としてどのようなものを考えるか。上に行けば行くほど、高齢者全体を対象とした指標としてどのように考えられるかということでございます。
わかりやすく、一般介護予防事業に近いところから申し上げますと、下のほうでございまして、一般介護予防事業の利用者の実績も一つアウトプット指標になるのではないかということでございます。通いの場に参加する高齢者の状態の変化というものが考えられますが、左に注釈がありますように、まずは高齢者の状態を把握する手法についても検討が必要ということでございます。
そこから少し上のほうに行きまして、一般介護予防事業に実際参加している側ではなくて、今後利用し得る方ということでございますけれども、こういう方々には、通いの場を初めとする社会参加の拡大ということが考えられますし、ニーズ調査による社会参加の状況や市町村が把握する通いの場への参加状況などが、一つ指標になり得るのではないかということで、その案として右側に指標案とお示しをしております。
その上が、一般介護予防事業にとらわれない、高齢者全体を見るという観点の、どちらかというと全体として見るということでございますけれども、ニーズ調査などでは、住民の幸福感の向上、把握なども行っております。今もニーズ調査の中には、こういった調査項目がございます。
そして、右側に健康寿命延伸の実現状況ということでございまして、ここでは要介護認定率などが一つの例としてございますけれども、その変化率などが考えられているところでございまして、アウトカム指標につきまして御指摘いただいたところは、事業参加者から高齢者全体を俯瞰するような立場のそういう軸の中で、整理をし得るのではないかと、ここで整理をしたものでございます。
次に、10こま目は成果を評価する指標として、先ほどの上の軸に沿って申し上げますと、上から高齢者全体、一般介護予防事業、利用者プラス未利用者、そして一番一般介護予防事業の事業対象として実際の利用者に着眼点を持った評価項目ということを例としてお示ししておりまして、評価の観点、そして右側に指標案とお示しをしております。
おめくりいただきまして、11ページ、12ページになりますけれども、取り組み過程、いわゆるプロセスを評価する指標といたしまして、こちらは、アウトカム指標に比べたら比較的実際的でわかりやすいかもしれませんが、行政内部での連携、地域の多様な主体との連携、保健事業との一体的な実施、これは来年7月から実施が可能になりますけれども、こういったもの。あとは、関係団体との連携には専門職の関与、通いの場への参加促進。
特にポイント制度の適切な運用に関しましては、おのずと理解の得られる範囲がちゃんと定まるであろうということですので、理解が得られる範囲での運用は必要であるという議論もあったところでございます。
あと、参加促進のためのアウトリーチの実施、担い手としての参加促進、介護予防の企画検証等を行う体制の整備、データの活用、通いの場に参加する高齢者の状態の把握ということが考えられるのではないか。
12ページ目はプロセス指標の都道府県版でございますが、管内の市町村を俯瞰していただく立場として、好事例の発信、市町村間の情報交換の場の設定、分析、支援の実施、データ活用に関する支援、一体的な実施に向けた環境整備、専門職の人的支援に関する関係団体との連携した取り組み、県単位での自治組織や社協等との連携体制の構築、民間企業や大学との連携体制の構築などを指標例としては挙げられるのではないか。このような御議論があったと承知しておりまして、それぞれ評価の観点、具体的な評価指標案として、右側に取りまとめさせていただいております。
13こま目が、指標設定に当たっての留意点でございます。4つポツがございますが、留意点は特段大きく変更しているものではございません。
先ほど座長からも御指示、御説明があったところでございますけれども、次回の介護保険部会におきまして、PDCAサイクルに沿いました介護予防の推進方策につきまして、本検討会での検討状況を報告させていただきたいと考えてございます。
このようにまとめさせていただいて、これは最終的な結論というわけではございません。最終的な結論は、年末の取りまとめのときにまた御意見をいただいて、それでまとめをしたいと思いますけれども、現時点でこれまでいただいた御意見の整理といたしまして、この後も御意見をいただきたいと思いますけれども、このような形で介護保険部会に報告することについて御理解いただければと思っております。
説明は以上になります。
○遠藤座長 ありがとうございます。
もう残り時間が余りありませんので、細かい議論はできないかと思いますけれども、現状の報告を親部会にしたいということでありますので、内容は将来的にも修正される可能性もあるということを前提に御意見をいただきたいと思います。
いかがでございましょうか。
それでは、安藤構成員、荒井構成員、津下構成員の順でどうぞ。
○安藤構成員 簡単に。
まず、10ページの一番最初の右側の「要介護2以上の」というところなのですけれども、資料3の21ページにあるところから引っ張っていると思いますが、この中で要介護1が外れているので、この評価指標については要介護1も入れたほうがいいのではないですかというのが、私からの意見でございます。
もう一点、その下に幸福感の向上というのがあるのですけれども、幸福感の向上というのは主観的なものであって、介護予防の取組以外の生活環境にも大きく左右されるものであると思いますので、ここは成果を客観的に評価する指標としては、そぐわないのではないかと考えています。
もう一点ですけれども、11ページのところで、下から3番目、介護予防の企画や検証等を行う協議体の設置状況のところなのですが、非常に大事な指標であると考えておりまして、ここはただ単に協議体の設置状況というだけではなく、協議体における検証状況や検証に基づく改善状況など、もう一歩踏み込んだ指標にするべきだなと感じております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
荒井構成員、お願いします。
○荒井構成員 アウトカム指標について整理していただきまして、ありがとうございました。
基本的に、こちらに関しては余り意見はないのですけれども、この事業に関しては、健康寿命の延伸というのが最終的なアウトカムですので、通いの場は一つの手段であると思っています。
例えば、ある地域によっては、三師会を中心に徹底的に健康教育があるのだということで、要介護予防につなげる。あるいは、地域によっては就労支援を徹底的にやるのだということで、そういった特色を出す。ある地域は通いの場を、いろいろな場をつくってふやすのだと。ある地域地域で、地域ケア会議等で議論していただいて、地域の特性を生かしていただいて、何にフォーカスするのかということ。そして、その結果として全体的な要介護度の改善につなげるということを各地域でしっかり考えていただくということを今後、やっていただければと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
津下構成員、どうぞ。
○津下構成員 参考資料の3に、評価または対象者を把握するにはどうしたらいいのかという観点で、KDB、国保データベースの活用について介護分野でも進めていくといいのではないかということで資料を御用意しましたので、ご覧ください。
2ページ目にありますのは、本委員会でさきに御報告した内容でございます。高齢者の保健事業と介護予防の一体実施の中で、健診で、先ほど申し上げた質問票をすることで、どれだけ高齢者が把握できるかといいますと、今の高齢者の健診は約25%であります。それに対しまして、医療レセプトがある方が95%ということです。両方ともない方、Dの区分が4.2%いるということがKDBの分析でわかりました。
ここで、介護保険のデータもあわせて見るとどういうことになっているのかということを追加で分析いたしました。後で細かい市町村の資料は出しますけれども、ざっくり言いますと、健診とレセプトがある方、つまりAの区分では1~2割が要介護状態、健診はあるけれどレセプトはないB区分の方は介護もほとんどなし、健診は受けていないけれども医療レセプトはあるC区分の方の要介護は4割で、健診と医療のレセプトが何もないD区分の方の中で要介護がある方は1~2割ということでした。また全体では4.2%が、健診も医療も介護のデータもないということが、国保のデータベースからわかりました。
3ページは愛知県蒲郡市の例でございます。Dの健診・医療・介護のいずれのレセプトもない方が4.8%、577人いました。A、B、C、Dの各年齢区分については、下に示したように各年代にばらついているということ。それから、右側に要介護の認定の状況を出してあります。これで見ますと、Cの方々には要介護重度の方が多く、健診を受けている方については、要介護認定があっても比較的軽度の方が多いということがわかります。
同じように、ほかの市町村も見ていただいて、驚くことに、割と似たパーセンテージ、割合になっているということであります。なので、高齢者の健康状態を確認し、評価していく上で、このようなマクロ的な把握をするということも重要ではないかと思っています。
4ページの自治体では、介護認定者のうちサービス利用者の割合がどうなのかということも見ていただいております。要介護認定を受けても、サービスを受けないという方々の割合、Bのクラスにまあまあいるということ。
5ページは、市町村が分析したということではなく、上は滋賀県の広域連合が全体でどうなのかと、広域連合のデータで分析した結果でございます。これによりますと、健診の受診率が8.0%と低いのですけれども、健診のデータをKDBに登録していない自治体があるため、その利用ができていないので、健診での補足率が低いということがわかります。
神奈川県の広域連合のデータでは、D、健診と医療はないけれども要介護を受けている方では、重度の方が多いという結果でした。
最後に6ページは、国保中央会が全体1700万人の後期高齢者、被保険者において分析が可能かということで確認して、出していただいたデータです。同じように健診も医療レセプトもないDの区分は4.2%。この中に、今回は入院も含めて医療のあり、なしということも見ていただきました。
そして、下の欄の赤枠のところですけれども、Dのところで健診医療はないけれども、要介護認定は13%、残りの87%については状況がわからないということがわかりました。13%の中で、例えば施設型入所者においては、介護データだけが存在するということであります。
7ページにありますように、KDBを使いますと、地域の健診・医療・介護を組み合わせて、地域の実態がどうなっているのか、地区ごとに見ることができるということがあります。
ここに、例えば一般介護予防の事業に参加した人と参加していない人がどういう割合でいるのかとか、参加した人と参加していない人のフラグが立っていれば、参加者が今後どうなっていくのかとか、そのようなマクロ的な評価や事業評価がより標準的な方法で実施できる可能性がありますし、長期的な効果も見ていくことが可能ではないかと思われます。今のところ、研究事業でやっているとどうしても断片的になったり、研究者によって分析方法が違ったりするということでは、なかなか国全体での取り組み状況の客観的な把握やアウトカムが見えてこないということにもなります。このような介護予防の実施状況や通いの場のさまざまな類型に、どういうものに参加していてどういう状況かということも、もしここにデータが登録されれば、分析も可能になるかなと思います。
今後の課題も含めた発言をしましたが、ご紹介したKDBの分析はどこの自治体でもこれが分析できる環境になりつつあるということをお知らせしたいと思いまして、発言させていただきました。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでございましょうか。
近藤克則構成員、どうぞ。
○近藤(克)構成員 私も、参考資料の4をごらんいただきながら発言したいと思います。
先ほどの今までの論議の整理の中でも、ニーズ調査を使ってサロンの参加状況等を把握したらどうかという意見がありました。私どもは多くの市町村と共同研究している兼ね合いで、多くの市町村から、今回のニーズ調査の調査票の案がまだ公表されていないけれども、いつになるのだという問い合わせがいっぱい来ております。具体的な話を詰めないと大変なことになりそうだと思いまして、たたき台といいますか、提案を準備させていただきました。
参考資料の4が今、厚労省が準備しているものから切り抜いた社会参加状況の問5です。現状では、一つはサロンや通いの場が質問の中に入っていないので、捉えられません。ここで言いますと白いところが、厚労省がぜひやってくださいと言っている必須項目で、網かけのマル5、マル6、マル7は、もしやりたかったらやってくださいという選択項目になっています。
ですから、多くの自治体はマル4で終わりになってしまっているのですけれども、マル5として、健康体操あるいはサロン、あるいは自治体によって呼び名が違いますので、使っている名前を使っていただくほうがその町の高齢者にとっては理解しやすいと思いますが、通いの場の項目をマル5として入れて頻度も聞けば、1行でサロンや通いの場への参加者を高齢者に聞く形で把握できるのではないかというのが1点。
あと、仕事も介護予防の一つとして位置づけるべきだという論議がいっぱいありましたので、現在は網かけでマル7のところに「収入のある仕事」というのが入っているのですけれども、選択項目として示す今までの形だと入れない自治体が出てまいりますので、並びでいきますとマル6のところに「収入のある仕事」を必須項目に格上げした形で追加してはどうかというのを御提案したいと思います。
もっと言い出すと、「その他」というのをつくったらどうかとかいろいろあるのですけれども、そんなことを言い出すとまとまらなくなってしまいますので、とにかく最低限、この検討会で繰り返し出た意見を反映した形にすると、この2項目追加ではなかろうかという御提案です。
これをまじまじと見ていましたら、下の(2)と(3)のところ「是非参加したい」から「参加したくない」まで3つの選択肢があるのですけれども、考えてみたら、今すでに参加しているという人が丸をするところがないということに気づきまして、(4)あるいは(1)として「既に参加している」というのがあったほうがいいのではないか。最低限、この3つを修正していただいたものを、これは介護計画課からになるのでしょうか、一刻も早く全国に向けて発出していただくといいのではないかと思います。
これに関連して、あと2点、短く発言したいと思います。
こういうことをやろうというのは、アウトアム評価が必要だからという意見が相次いでいたからです。追跡するには、どの人が参加したのかどうかの目印、フラグを立てられるようにして、把握することが必要です。
それからいきますと、今、眞鍋課長に説明していただいた資料の9ページ目に、これからどうやって成果を評価するのかの説明があります。アウトカムを、高齢者全体のところから下に行くと一般介護予防事業利用者まで、3段階に濃淡をつけて、この人たちにはこの指標ということで説明いただいているのです。これはわかりやすくていいなと思ったのですが、補っていただいたほうが安全ではないかと思いましたのは、一番下に「通いの場に参加する高齢者の状態の変化」に書いてあるのは、例えばIADL等の維持・改善状況を把握する。これはアウトカム評価で大事なのですが、この書き方だと、比較対照群をとらずに参加者だけの変化率を見て、うちは20%ですというのを発表する自治体が出てきかねない。それでは非参加者と比べていいのか悪いのかわからないではないかという事態を招くおそれがあるように思います。
効果評価というのは、やった群とやらない群で比べて、これだけ差があるから、この差分が効果でしょうという論議が必要だと思います。それで言いますと、中段にあります未利用者においても変化率を把握していないと比較ができませんので、そのことが誤解の余地のないような形で書いていただきたいと思います。
それから、これは計画課にお願いすべきなのか、老人保健課からも連名なのか、わかりませんが、お願いしたいことがあります。前回の第7期向けのニーズ調査実施の手引に、今後、アウトカム評価が求められる時代になるので、個人識別ができる形でやるようにしてくださいと書いてあるにもかかわらず、この間、3市町村にそのようにやっていますかと聞いたら、3つともやっていませんという返事でした。第7期のときの手引に書いてあったにもかかわらずそういう返事で、それでは効果評価はできない、残念ですねというやりとりがありました。
その経験から考えますと、実施の手引に書いてはあるのですけれども、個人を追跡するというのは恐らく個人情報保護審査会を通すこととかいろいろな大変さがあって、無記名でIDを振らずにやっている自治体がかなりあります。今回、PDCAを回すためにも、アウトカムを評価しましょうという意見が相次いでいたということを、手引の中にどこかに書いてあるという埋もれた形ではなくて、手引にそのことがある、なおかつ今後、見直しの方向でも重視されるので、個人を識別できる形でやるようにということを追加で通達・通知をするとか何かしていただかないと、かなり多くの自治体がやらないまま行ってしまうおそれはかなり高いと思います。
一点、先ほど安藤構成員が言われた点について、こういうことがわかっていますということを情報提供をします。幸福感は主観的なものに見えるのですけれども、追跡しますと、幸福感が低い人ほど死亡率が高く、認知症になりやすい。主観を尋ねる指標なのだけれども、客観的なものが後からついてくるということがわかっています。
あと、要介護2以上、これは1以上でも、要支援ではない人たち全体を見るということで、私もその意義はあると思いますが、要支援1のような軽度の方たちに限定しますと、早くヘルパーを使いたい、ひとり暮らしの人が多い地域で高くなってしまうという地域差を増幅してしまうような面があるということもわかっています。
その影響を取り除こうという立場からすると、もう少し重度の人に限定して、認定率を比べるべきだという論議がありまして、そういう人たちは要介護2以上だとか、あるいは3以上だとか、そういう重いところに限定したもので比べるということもやられている。以上、情報提供です。
○遠藤座長 ほかに。
斉藤正行構成員、どうぞ。
○斉藤(正)構成員 私も今の参考資料3の9ページの全体像の中で、特にアウトカムの要介護認定率と、一般介護予防事業者の健康状態についてというところです。特に一般介護予防事業のところについては、これからさらに検討していくということであろうかと思いますが、アウトカムについては、今、科学的介護の裏付けに関する検討会の中でCHASEの議論をして、これから本格的に導入を検討していこうと。また、リハビリテーションでは既に先行してVISITというものが導入されておりますので、このあたりとの整合性や連動性というところを、これは少し中長期の話になるのだろうと思いますが、事業者の立場として、事業者と自治体が連携していろいろな情報収集をしていくところに、この一般介護予防事業の健康状態についてとる項目と、またCHASEでとる項目が別になってくるということになると、事業者としては二度手間の部分が出たりということでは、また別の文書削減等々の検討会との連動性なども考えていくと、そのあたりの連動をぜひ、中長期では検討いただけるとありがたいと思っております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでございましょうか。
小玉構成員、どうぞ。
○小玉構成員 ありがとうございます。
私も9ページの介護予防に関する評価イメージなのですけれども、今、安藤構成員のお話、近藤構成員のお話で、住民の幸福感の向上、健康寿命延伸の実現状況での評価項目の意味合いがわかりました。
ただ、対象者がそれぞれ絞られているというところで、実施されるのであれば、要支援や健康な方も含まれているのでしょうから、そのあたりからの評価も取り入れていいのではないかと思います。
また、今ここで一般介護予防事業の未利用者のところで、指標案として社会参加、就労ボランティア、通いの場等というところが、ニーズ調査による社会参加の状況というところでなっているのですけれども、これも社会参加の状況であれば、高齢者全体での評価も一つあると思いますし、一般介護予防事業を利用するところでの評価も結果的にあると思いますので、そのあたり、幅広にいろいろ評価されてもいいのではないかと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
藤原佳典構成員、山田構成員の順番でお願いします。
○藤原(佳)構成員 私のほうは、プロセス評価の5ページのところでございますが、行政内他部門あるいは他領域との連携というところで、これのチェックつまり、アセスメントの仕方なのですけれども、単に連携していますかという項目で、連携している先に丸をつけてもらうとなると、今まで我々もそういう自治体調査をした経験があるのですが、1年に1回の連絡会議に出席したりとか、充て職で参加しているだけでも丸がついたりということがあるのです。
やはり物事、事業を効率的、効果的に進めるという目的をもつ部署間や部局間の連携さらにはソーシャルキャピタルを高めて、効率よく事業を進めるためには、お互いに参加することに、メリットのある連携の仕方をしているかどうかといった、深く突っ込んだ形で連携しているかどうかを聞くことが必要なのではないかと思っております。また、そのワーディングに関しては御検討いただきたいと思います。
その中で特に重視していただきたいのは、生活支援体制整備事業との連携だと思います。これは両輪のように総合事業を進めていっている中で、自助の部分、互助の部分という視点を再確認できます。まず健康づくり、介護予防という自助の部分から入るのですけれども、最終的にはそこへ通えない方が出てきたりとか、通っている中で、自分や家族の健康や生活のいろいろな問題が出てきたりということもありますし、そこで助けてほしい、助けられるということもあるわけで、自助と互助というのは絡み合いながら、地域づくりが進んでいるかと思います。そこの場づくりであろうが、協議会をつくるにしても、この両輪が自治体の中で縦割りで、介護予防担当、生活支援担当と分かれている場合が多いですので、せめてパートナーとしての、生活支援との連携というのは大きな項目として入れていただきたいと思っております。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
山田構成員、どうぞ。
○山田構成員 私は9ページ、10ページの指標案のところで、過去に、延べ人数で評価するのがいいのではないかという発言をさせていただいたところに関連するのですけれども、こちらの中では、実数を延べ人数で割るような形で指標案が提出されているのですが、私が申しましたのは、各自治体または通いの場の管理をされている方が、名簿管理するのが大変だから、あくまで実人数ではなくて述べ人数でいったほうが楽ではないかというイメージが一点。もう一つは、たくさんの方が参加されるほうがより効果的であろうという面から、延べ人数を使うというものを提案させていただいたのですけれども、これでは自治体の負担が結果的には高まってしまうようなイメージになりますので、実数というのは見直していただいたほうがいいかなということは思いました。
また、仮に例えばニーズ調査等で実人数を把握するという前提であれば、ニーズ調査が悉皆調査ではなくランダムサンプルでもオーケーということになっておりますので、どうしても実数把握は難しいのではないかという印象がありましたので、こちらに対しては見直していただけるとありがたいと思いました。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
お待たせしました。江澤構成員、どうぞ。
○江澤構成員 ありがとうございます。
まず、9ページのイメージ案については賛成でございます。特に通いの場に参加する高齢者の状態の変化というのがありまして、これは新しい取り組みで期待しているところでございます。
ただ、高齢者というのが今、若返っている中で、どういうふうに高齢者全体を捉えるかというのは、また御議論いただければと思っています。
続きまして、11ページの市町村の取り組み過程を評価する指標でございますけれども、まず1,700を超える市町村が全国にあって、本当に千差万別、地域の状況はかなり異なりますから、地域の実情を踏まえた評価が必要であって、全国一律のルールはなかなか難しいと思いますので、また御検討いただければと思います。
この評価項目に、上のほうに3つほど連携というのがあるのですけれども、いつもこういった評価があるのですが、連携の中にはかなり濃淡があるわけで、取り組みの実態がよくわかるようにしていただきたいと思っております。
保健事業との一体的な実施につきましては、きょう小玉構成員もおっしゃいましたけれども、企画・立案段階から専門職あるいは専門職団体と連携をしていただくということを推進していただきたいと思っております。
参加促進のためのアウトリーチの実施とありますけれども、全体的に見ると、介護予防の取り組みの評価イコール通いの場になっていて、以前も、ちょっと通いの場の一本足打法過ぎないかと申し上げたところですけれども、そもそも通いの場の目標数値も8%にするわけでございますが、圧倒的に通わない人も多く、そしてこれからは、通いたくない人もふえてくると思われますので、通わなくても、何か取り組める介護予防というのも今後考えていく必要があって、わざわざアウトリーチをして、参加促進することに労力を要するよりも、ほかのアイデアも必要ではないかと思っています。
市町村においては、把握している通いの場の具体的な取り組み内容や具体的にどういう専門職にかかわったかというデータがないと、中身の評価ができないので、具体的な取り組み内容や、どういう専門職のかかわりがあったというところのデータを蓄積していただきたいと思っております。
最後に、12ページの都道府県のほうの取り組み過程を評価する指標の中に、4番目、市町村のデータ活用に対する支援がございます。これも以前申し上げましたが、必ずしも都道府県にデータを活用できる部門とか、そういった職員がいないケースもあり得ると思いますので、以前から申しましたが、ここは国からの支援あるいは国がシンクタンクを設置してちゃんとデータを解析できるように、国から都道府県や市町村への支援もあわせて必要ではないかと思っております。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、田中構成員、お願いします。
○田中構成員 ありがとうございます。
私は、6ページのポツの3番目です。行政内の他部門との連携ということなのですが、できましたらここで一つ追加をお願いしたいと思います。都市計画やまちづくりに関する部門のところを入れていただきたいと提案いたします。
国交省のほうからも「健康・医療・福祉のまちづくりの推進ガイドライン」というのも出ておりますし、介護予防には低栄養ということは非常に重要なことではあるのですが、低栄養を改善するためには、栄養に対するリテラシーを高めるだけではなかなか難しく、環境整備、例えば買い物をしやすいとか、交通政策といったところにも大きく絡んでくると思いますので、市によりましては、立地適正化計画などをされていることもあると思います。
人口減少に向かっていく今としては、まだまだこの部門と連携しているところは少ないとは思うのですが、今後を考えると、とても重要な部分だと思いますので、ぜひ御検討をお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、黒岩構成員、松本参考人、お願いいたします。
○黒岩構成員 ありがとうございます。
PDCAサイクルに沿った推進という中で、指標というのが非常に重要な役目を果たしているのだなと改めて実感をしましたけれども、話を聞いていても、今、決め手となるような指標がないという状況です。
先ほど私がお話ししましたME-BYOサミットで明らかになる、WHOと東京大学でやった未病指標といったもの。これはどのようにやるか。簡単に言いますと、WHOは人間の能力を内在的要因で5つに分けているのです。例えば運動能力、認知能力、感覚器能力、心理社会的能力、活力といったものですけれども、一つ一つの分野において、さっきのグラデーションモデルで測っていくということです。この指数を掛けて、足し算、割り算していく。そして最後は、数値をぽんと一個出すという形で今、進んでいるわけであります。
こういったものが出てくると、これは一つの大きな指標になってくるだろうと。きっと、こういうのがきっかけとなって、世の中はビッグデータ処理、Society5.0という流れの中で、データサイエンスがこの分野にどんどん入ってくるということだと思います。
そうすると、指標化ということは極めて科学的に見えてくるようになってくるということだと思うのです。そういう流れが出てきたときに、冒頭に申し上げたように、介護予防という考え方は大きく様変わりする時代になってくるだろう。そういう指標が出たらば、その指標を改善するということが成果だという流れができてくるだろうと。そういったことを、こういった部会の中で先導していってもらいたいと強く思ったところであります。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、松本参考人、どうぞ。
○松本参考人 ありがとうございます。
この指標をどのような形で使っていくかということにもよるかと思うのですが、いずれにしても定量的な評価を重視すべきだと考えております。その点で、一定程度、定量的な評価も入れていただいていると思っております。
それから10ページで、下の注釈のところに、介護費用の抑制については云々という部分があるのですが、認定率の指標の案の考え方と同じように、例えば、年齢調整後の1人当たりの給付費の変化率を評価するといったことも、技術的には可能なのではないかと思っております。現状難しいということのようですが、いずれにしても、13ページにも書いてあるように、国としてエビデンスを構築するということもあわせて検討いただくということも書かれておりますので、よりよい評価の指標について御検討いただければ大変ありがたいと思います。
以上です。ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
まだ御意見があるかと思いますけれども、もう予定した時間になりましたので、この議論につきましては、本日はこのぐらいにさせていただきたいと思います。
先ほど事務局から、この内容について、介護保険部会に報告したいということであります。本日の皆様方の御意見も踏まえた形で御報告をするというお話でしたけれども、そういう形でよろしゅうございますか。
事務局に申し上げますが、これはあくまでも検討会として確定したものではありません。本日、御意見もいろいろ出たような状態でもありますし、細かくチェックする時間もありませんので、現在こういう議論がされているという報告の仕方をしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、本日の検討会はこれまでとさせていただきたいと思います。
本日は、活発な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
次回の日程等につきまして、事務局から何かありますか。
○北原介護保険データ分析室長 次回は10月21日月曜日の14時からを予定しております。
詳細は追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 それでは、本日の検討会はこれにて終了いたします。
どうもありがとうございました。
 
                                              (了)