2019年10月31日 第2回化学物質による疾病に関する分科会 議事録

日時

令和元年10月31日(木) 14:30~16:30

場所

中央合同庁舎5号館厚生労働省労働基準局第1会議室(16階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

出席者

参集者:五十音順、敬称略
  上野晋、圓藤吟史、武林亨、角田正史、野見山哲生

厚生労働省:事務局
  西村斗利、西岡邦昭、栗尾保和、佐藤誠 他

議題

(1)労働基準法施行規則第35条別表第1の2第4号の1の物質等の検討について
(2)その他

議事

議事録

○小永光職業病認定業務第二係長 それでは、定刻になりましたので、これより労働基準法施行規則第35条専門検討会化学物質による疾病に関する分科会を開催いたしますが、分科会を開催する前に、傍聴されている方にお願いがあります。携帯電話の電源については、切っていただくか、マナーモードにしていただくようお願いいたします。その他、別途配布しております留意事項をよくお読みいただいた上で、会議の間はこれらの事項を守って傍聴していただくようお願いいたします。万が一、留意事項に反するような行為があった場合には、当会議から退室をお願いすることがありますので、あらかじめ御了承をお願いします。
それでは、これより第2回労働基準法施行規則第35条専門検討会化学物質による疾病に関する分科会を開催いたします。委員の皆様におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。写真撮影等は、これまでとさせていただきます。以後、写真撮影等は御遠慮いただきますようお願いいたします。それでは、座長の圓藤先生、議事進行をお願いいたします。
○圓藤座長 それでは、議事に入る前に、事務局の方から本日の資料の確認をお願いいたします。
○小永光職業病認定業務第二係長 それでは、資料の確認をお願いいたします。本会議はペーパーレスの開催とさせていただいておりますので、お手元のタブレットで資料の確認をお願いいたします。本日の資料は、まず資料1として「スクリーニング評価様式(告示記載物質に係る新たな症状又は障害報告一覧)(25物質)」、資料2は「スクリーニング評価様式(告示記載物質に係る新たな症状又は障害報告一覧)(99物質)」、資料3は「業務上疾病に関する医学的知見の収集に係る調査研究報告書(2016年3月)」、資料4は「業務上疾病に関する医学的知見の収集に係る調査研究報告書(2017年3月)」、資料5は「業務上疾病に関する医学的知見の収集に係る調査研究報告書(2018年3月)」、資料6は「告示記載物質に係る有害情報一覧(99物質)」、資料7は「平成8年3月29日付基発第181号(抜粋)」、資料8は「告示に規定する症状・障害の表現について」となっております。
その他、第1回の資料も格納しておりますので確認をお願いいたします。資料の不足等ありませんでしょうか。以上です。
○圓藤座長 それでは、議事を進めたいと思います。まず、事務局から資料1について御説明ください。
○秋葉中央職業病認定調査官 それでは、資料1について説明いたします。前回の化学物質分科会において、最初に「大臣告示に規定されている化学物質による疾病への新たな症状及び障害の有無」について検討を行うこととされました。検討方法としては、まず厚生労働省が業者に委託して実施した調査研究の報告書において、「化学物質による新たな症状及び障害に関して1報以上の報告があった物質」、すなわち121物質について、各物質につき2名の委員で検討対象物質の絞り込みを行い、検討対象の候補となった化学物質について、第2回以降の分科会で、告示に追加する症状及び障害があるかを議論するとされたところです。その上で、前回の分科会では、まず25物質について検討を行っていただきました。
資料1は、前回の議論を踏まえて、この25物質について、各担当の先生方に再検討していただいたものになります。資料1の説明は以上です。
○圓藤座長 それでは、資料1に基づき前回検討しました25物質について、個々の物質の検討に入りたいと思います。検討については、各物質を2名の委員に評価していただいておりますので、両先生が「×」と評価した物質については、特段の意見がなければ、個別の議論を省略したいと考えております。また、両先生が「○」としているもの、あるいは「◎」については、第2段階へ進めたく、本日は議論を省略したいと考えております。それ以外の物質、両先生が一致していないもの、あるいは「△」のものについては、少し議論したいと考えております。そのような進め方でよろしいでしょうか。
(同意)
○圓藤座長 それでは、資料1で1~3番は、両先生が「×」のため省略いたします。4番について、弗化水素酸(弗化水素含む)については、私は、急性中毒ですが、低カルシウム血症や腐食作用が見られるため、追加すべきであろうと考えております。腎障害に関しては、組織壊死の続発症とも考えられるため、検討が必要であろうと考えております。続いて、武林先生お願いします。
○武林委員 急性中毒といいますか、かなり事故的なことも含めて現場で起こっていることが本当の事実だと思うため、告示物質の記載として可能であれば異論はないです。
○圓藤座長 次の分科会で、症状、障害の表現としてこのようなものがあり得るのだろうかということを精査した上で、記載の有無を考えていきたいと思います。
○武林委員 そのようにお願いできればと思います。
○圓藤座長 続きまして5、6番は両先生「×」のため省略いたします。7番、アルキル水銀化合物(アルキル基がメチル基又はエチル基であるものに限る)について、上野先生お願いします。
○上野委員 私はこの内容については、消化器症状がばく露後2か月間にわたって出現しているところに注目したほうがいいと思いましたが、圓藤先生の御指摘のように、確かにこの症例は神経障害が主体であって、あくまで消化器症状は副症状であるというような位置付けでも、特に異論はありません。その辺りの迷いがあったため「△」と判断しました。
○圓藤座長 詳細について、とりあえず次の段階まで持っていき、症状又は障害の表現で可能なのか、あるいは大きな障害の二次的な障害であるのかというようなことを検討した上で、取扱いを考えたいと思います。続いて、アンチモン及びその化合物について上野先生お願いします。
○上野委員 アンチモンが含まれている粉じんのばく露ではないかということで、そういう観点から一度詳細を検討してもいいのではないかということで「△」にさせていただきました。
○圓藤座長 これはシリカとの混合ばく露の可能性があるため、シリカとの混合ばく露がなくても、起こり得るのかどうかについて、少し文献を再検索するなどしていきたいと思います。
次の塩化亜鉛は両先生「×」のため省略いたします。カドミウム及びその化合物です。私のほうからは、ヒトでの発がんの起因物質と考えられるのではないかということで、検討課題として残しました。上野先生お願いします。
○上野委員 症例報告から、メタ解析の文献があり、高血圧症の有病率の上昇があったため、検討してもいいのではないのかという判断をしました。
○圓藤座長 それを踏まえて、次回詳しく検討したいと思います。
続いて、クロム及びその化合物について、上野先生お願いします。
○上野委員 文献がパキスタンの症例に限られているため、もう少し詳細な検討があってもいいのではないかとの判断で「△」にさせていただきました。
○圓藤座長 次のコバルトは両先生「×」のため省略いたします。セレン及びその化合物(セレン化水素除く)について、上野先生お願いします。
○上野委員 消化器症状の可能性を検討したほうがいいのかどうか、もちろん因果関係が不明確であるというものも含めて「△」にいたしました。
○圓藤座長 次、タリウム及びその化合物について、上野先生お願いします。
○上野委員 神経障害については追加不要だと思いましたが、腎臓のリスクについては、少し文献を確認したほうがいいのではないかという判断です。
○圓藤座長 次、鉛及びその化合物について、上野先生お願いします。
○上野委員 非常にたくさんの文献があり、どれを採るか迷いがありましたが、その中でも高血圧症に関する検討はあってもいいのではないかという判断です。
○圓藤座長 ニッケル及びその化合物(ニッケルカルボニルを除く)について、野見山先生お願いします。
○野見山委員 呼吸器の症状について疑われますが、それ以外の肝臓と消化器についてはないのではないかということで「△」としております。
○圓藤座長 続きまして角田先生お願いします。
○角田委員 『Phillips』という論文の中で、成人性呼吸促迫症候群というのが、ニッケルをスプレーする金属アーク作業の晩性ばく露で出ているとさらっと書いているのですが、結構重い障害であり、本当にこれだとすれば、呼吸器系の障害はあり得るのではないかと考えたので「△」にしました。
○圓藤座長 次のニッケルカルボニルとバナジウム及びその化合物は両先生「×」です。
続いて砒化水素について、野見山先生お願いします。
○野見山委員 神経障害については、文献自体の信頼性のことがあるため、「○」とするには不安がございました。腎障害については、溶血が起こることが分かってるため、それによる二次的な障害を含むのであれば、採択してもいいのではないかと考えました。以上から「△」としています。
○圓藤座長 角田先生お願いします。
○角田委員 メカニズムのところに、砒化水素は腎臓の糸球体及び尿細管に直接毒作用を及ぼすことが証明されているという文章が入っており、もし、直接あるのであれば入れてもいいのではないかと思いました。ただ、多分、動物実験か何かだと思うのですが、二次的なものだけとは言えないのではないかということで、一応「○」にしました。
○圓藤座長 砒素及びその化合物(砒化水素を除く)、ブチル錫は両先生「×」とされています。
ベリリウムについて、野見山先生お願いします。
○野見山委員 ベリリウム過敏症の中に入れていいのであれば「×」ですが、そうでないとすれば、入れるべきなのかということで、現在の肺障害のものとの差別化を含め、少し検討のうえ決めてもいいのではないかということで「△」にしてあります。
○圓藤座長 マンガン及びその化合物、塩素、臭素については、各先生「×」のため省略します。以上で、25物質は終わりますが、何か全体で御意見はございますでしょうか。
(意見なし)
○圓藤座長 それでは、両先生が「○」あるいは「◎」にしているものについては、次の作業に移りたいと思います。それから、両先生が「×」にしているものは、ここで一旦追加の検討をしないことにしたいと思います。それから今、意見いただいたものについては、もう少し残しておいて、次回の検討のときに症状、障害として、特異的なものとして挙げることができるだろうかという検討をする段階で判断したいと思います。その際に、必要な文献、追加する文献があるならば調べておくというような作業をすることで、今日はこのくらいでとどめておきたいですが、それでよろしいでしょうか。
(同意)
○圓藤座長 それでは一旦、資料1に関しては終了させていただきます。
続いて、資料2について検討したいと思います。事務局から資料についての御説明をお願いいたします。
○秋葉中央職業病認定調査官 資料2について説明いたします。資料2は、資料1で御検討いただきました25物質を除いた残り99物質について、各先生から事前に評価していただいたものになります。なお、物質の数についてですが、前回の分科会の資料3を御覧ください。左上の1の部分ですが、症例報告、疫学研究報告があった物質は121物質となっていますので、残りは先ほど検討いただきました25物質を除いた96物質となるわけですが、調査研究報告書の中で、参考文献のみ確認された化学物質が3物質ありました。これらは職業ばく露ではなく、自殺などのものです。これを受け、それらの3物質も含めた残りの99物質について評価いただいたものが資料2になります。
○圓藤座長 資料3から資料5についてはどうでしょうか。
○秋葉中央職業病認定調査官 資料3から資料5については、第1回分科会の資料8と同様、労働基準法施行規則別表第1の2に基づく告示に規定されている化学物質による新たな疾病の発生等について、医学文献に基づく情報収集を行うという形で、業者に委託して実施した調査研究報告書になります。
○圓藤座長 資料6はどうですか。
○秋葉中央職業病認定調査官 資料6は、資料2で評価いただく化学物質について、SDS(安全データシート)の有害性情報等を一覧にしたものです。資料3から資料6の説明は以上です。
○圓藤座長 資料1と同様に、資料2の99物質について、個々の検討に入ります。資料2は今回初めての検討になるわけですが、資料1と同様、各先生方が評価しているため、両先生が「×」とした物質については、特段の意見がなければ個別の議論をしないこととし、また両先生が「○」としたものは、第2段階の評価に持っていきたいと思います。残りの物質について御意見を賜りたいと思っておりますが、それでよろしいでしょうか。
(同意)
○圓藤座長 では、26の弗素及びその無機化合物からですが、私は、物質を特定する作業が必要だと思います。特に、水と結合してフッ化水素となるようなものは一群とみなしてもいいかもしれないのですが、フッ化ナトリウムのようなものは粉体で、自殺企図による経口事例はあるものの、職業性ばく露での障害はあまり見られないのではないかと思います。そのため、少し物質を整理したほうがいいのではないかというのが私の意見です。
次の一酸化炭素については、胎児の死亡や新生児への影響というのが見られるため、それをどう扱うか、次の段階で議論していきたいと思っております。
カルシウムシアナミドは両先生「×」です。シアン化水素、シアン化ナトリウム等のシアン化合物について、私ですが、眼の刺激症状や前眼部障害、皮膚障害、気道障害というのがあってもいいのかなと感じました。続きまして上野先生お願いします。
○上野委員 私は、急性ばく露のほうかなということと、文献が古かったり、ばく露濃度が不明のため、少し評価が難しいのではないかということで「△」にしました。
○圓藤座長 次に、二酸化硫黄について、上野先生お願いします。
○上野委員 疫学報告に書いてあることが果たして遺伝毒性と言えるのかどうかというところが気になりました。
○圓藤座長 次に二硫化炭素について、上野先生お願いします。
○上野委員 どちらかというと判断がつきにくかったため「△」にしました。特にばく露濃度が判明しているものについては文献を確認してもいいのではないかと思いました。
○圓藤座長 次は、ヒドラジンについてです。私は、急性肝障害が認められますが、特異的なものと考えていいのかについて少し検討が必要かと思っております。
ホスゲンは、両先生「×」です。
次はホスフィンについてです。私は、これはコリンエステラーゼ阻害作用があるため、有機リン剤と同じ神経症状の記載が必要ではないかと考えました。続きまして、上野先生お願いします。
○上野委員 疫学報告のうち2報ほどシステマティックレビューがあり、それが職業ばく露とどう関連しているのかを確認してもいいのではないかということで、「△」にしました。
○圓藤座長 続きまして硫化水素についてです。私は、意識障害、血圧上昇、洞性頻脈をどのように取り扱うのか悩ましいところですが、一応「○」にしました。上野先生お願いします。
○上野委員 私は逆に、症例報告の一つに、遺伝毒性や疫学報告から自然流産があったため、何となく遺伝毒性と結び付けられるのではないかと思い、「△」にしました。
○圓藤座長 塩化ビニルについてです。私は、肝血管肉腫の前駆症状としての肝障害があるのかと感じたため、「○」にしております。
次に塩化メチルについてです。私は腎障害や無尿、タンパク尿の取扱いを考える必要があるのではないかと考えました。
クロロホルムは、両先生「×」です。
四塩化炭素についてです。私は、乏尿、腎不全をどうするのかを考えました。
一,二-ジクロルエタンについてです。中枢神経系抑制という名称で妥当なのか、神経症状、精神症状、自律神経失調症、心血管系、甲状腺の評価をどう考えるかについて検討したいと思いました。
ジクロルメタンについてです。中枢神経抑制という名称で妥当なのか、その他精巣障害、心血管系をどう考えるのかを検討したいと思っております。
臭化メチルについてです。これも精巣障害をどう考えるのかを検討したいと思っております。
テトラクロルエチレン(パークロルエチレン)について、これも精神症状について中枢神経系抑制という言葉で足りるのかどうかについて検討する必要があると考えました。
一,一,一-トリクロルエタンについてです。私は、不整脈、心筋障害、肝障害をどう考えるかを気にしました。
一,一,二-トリクロルエタンについて、これも中枢神経抑制を検討する必要があると思いました。
次に、トリクロルエチレンについてです。私は、尿細管障害、皮膚障害を検討する必要があるのではないかと考えました。角田先生お願いします。
○角田委員 両方「○」ですけれども、皮膚疾病が結構多いことと、別に最近はトリクロルエチレンで全身性の皮膚障害がかなり出ているという論文を見たので、皮膚障害は入れるべきではないかと思います。
○圓藤座長 ノルマルヘキサンは、両方「×」です。
沃化メチルについてです。これも皮膚障害について検討が必要であろうと考えました。角田先生お願いします。
○角田委員 有機物なので当然起こすだろうとは思ったのですが、Naiditchの文献を見て、皮膚障害を追加してもいいのではないかと考えました。
○圓藤座長 アクリル酸エチルは、両方「×」です。
アクリル酸ブチルについて、これは気道障害をどう考えるのかについて検討したいと思いました。
アクロレインは、両方「×」です。
アセトンにつきまして、角田先生お願いします。
○角田委員 アセトンにばく露したという技術者がばく露で急性接触性皮膚炎になったという報告があったため、検討してもいいのではないかということで「○」にしました。
○圓藤座長 次に、エチレンクロルヒドリンは、両先生「×」です。
エチレングリコールモノメチルエーテルについては、精巣障害の評価の仕方を議論したいと思っております。
酢酸アミル、酢酸エチルについては、両先生「×」です。角田先生が早退されますので、56番で一旦切りまして、角田先生が担当されている75番から始めたいと思います。
ジシクロヘキシルメタン-四,四'-ジイソシアネートについて、角田先生お願いします。
○角田委員 これは急性症状のものだけですので、急性障害を除くということであれば、普通の被覆作業中にばく露されたということで、この硝子工場の労働者が起こしたのであれば、この辺の皮膚の障害は入れてもいいのではないかと考えました。
○圓藤座長 キシレンについて、上野先生お願いします。
○上野委員 神経障害のことが気になったため、文献を確認すべきと書きました。疫学報告では、キシレンがありましたが、あまり症状は特異的ではないのではないかという気がして、神経障害について、「△」という判断をしています。
○圓藤座長 角田先生お願いします。
○角田委員 これは有機物で、特異的ではないと思われますが、キシレンの作業者に前眼部障害と気道障害が結構起こっているため、追加してもいいのではないかと考えました。
○圓藤座長 スチレンについて、上野先生お願いします。
○上野委員 疫学報告の中で、中枢神経の障害に関するものは特異的かどうかは確認してもいいのではないかということで、「△」にさせていただきました。
○圓藤座長 トルエンについて、上野先生お願いします。
○上野委員 これは色覚異常に関するものは文献を確認してもいいのではないかという判断です。
○圓藤座長 角田先生お願いします。
○角田委員 これはトルエンの作業でばく露された人で、前眼部症状が出ており特異的と言えるかどうか分かりませんが、前眼部症状は入れてもいいのではないかと思いました。また、「トルエン中毒による刺激、過敏性髄節性脊髄ミオクローヌスと診断された」となっているのですが、混合ばく露であるにも関わらず、どうしてトルエン中毒と言い切っているのかよく分かりません。トルエンとキシレンの混合ばく露であるから言い切っているのかもしれないですけれども、その辺疑問に思ったため「△」にしました。
○圓藤座長 パラ-tert-ブチルフェノールについて、上野先生お願いします。
○上野委員 気道障害なのか、アレルギー性のものなのか区別が付きにくいということと、疫学報告にあった肝腫大の原因病態の情報が少し不足しているという判断です。
○圓藤座長 角田先生お願いします。
○角田委員 横断研究のところが気道障害と一致しているのではないかというのが、安全カードに記載されていたことから、「○」にしました。
○圓藤座長 ベンゼンについて、上野先生お願いします。
○上野委員 症例は急性中毒ではないかと思い、また、疫学報告の生殖毒性というのがちょっと気にはなったため、「△」です。
○圓藤座長 角田先生お願いします。
○角田委員 これは皮膚障害や気道障害が非常に多く、単独ばく露の症例も一応あったため、可能性があるのではないかと考えました。
○圓藤座長 塩素化ビフェニル(別名PCB)について、上野先生お願いします。
○上野委員 保護具の着用状況など、どのようなばく露状況だったのかが、文献を見ないと分からないと思い「△」にしました。
○圓藤座長 角田先生お願いします。
○角田委員 ばく露状況を見ると、コンデンサや変圧器の修理中にばく露したということがあり得ると思い、「○」にしました。
○圓藤座長 ベンゼンの塩化物について、上野先生お願いします。
○上野委員 皮膚障害と遺伝毒性に関する報告は文献を確認してもいいのではないかと判断しました。
○圓藤座長 角田先生お願いします。
○角田委員 こちらも普通にばく露されているもの、事故的というほどではない感じのばく露で、皮膚障害などの症例があるため、入れてもいいかなと思います。また、化学構造は有機物であり、頭痛などの症状も出ているため、入れてもいいのではないかと考えました。
○圓藤座長 次は、アニリンについて、上野先生お願いします。
○上野委員 報告がアニリン単体なのかアニリン類なのかということと、濃度も不明で判断ができなかったため「△」にしました。
○圓藤座長 角田先生お願いします。
○角田委員 ばく露はアニリン、ベンゼンのアミノニトロ化合物などの複合ばく露と考えられるため厳しいと思います。衰弱、意識喪失という症例は、結構あるため「△」にしました。
○圓藤座長 四,四'-ジアミノジフェニルメタンについて、角田先生お願いします。
○角田委員 誤飲の症例で症例報告と似たような症状が出ているため、あり得るのではないかと考えたということです。
○圓藤座長 少し飛びまして、95番のクレゾールについて、角田先生お願いします。
○角田委員 腎障害があったもので、それが男性技術者で急性腎不全を起こしたという人がいたため考慮すべきですが、溶血性貧血の続発ではないかと思い、違うかなということで「△」にしました。
○圓藤座長 クロルヘキシジンについて、角田先生お願いします。
○角田委員 クロルヘキシジンに関しては、外科医で目に飛ばしたものや、新生児の症例などですが、普通は、手術などが多いため、それを入れるかどうかということですけれども、とにかく目に飛べばあり得るのではないかと思い「○」にしました。
○圓藤座長 トリレンジイソシアネートについて、角田先生お願いします。
○角田委員 このトリレンジイソシアネートによる症状が出ている工場などですけれども、飛散ばく露があり、ただ、神経症状は少し違う感じで神経障害が出ていますが、頭痛が起こるのではないかということで、「△」にしました。
○圓藤座長 一・五-ナフチレンジイソシアネートについて、角田先生お願いします。
○角田委員 Mergetの症例では、空容器を移して機械に注ぐ作業を1日10~12回行っていたとされていました。日本で起こるかどうかは分かりにくいですが、結局これを繰り返していたら、最後は肺葉切除まで行っているため、こういう作業があるとすれば呼吸器障害に至るのではないかと考えて、一応「○」にしました。
○圓藤座長 ヒドロキノンについて、角田先生お願いします。
○角田委員 ヒドロキノンは、大体の症例は工場の勤務者であり、目が侵されたとされているため入れてみました。
○圓藤座長 フェニルフェノール、フェノール、オルト-フタロジニトリル、無水トリメリット酸、無水フタル酸は全て両先生「×」です。
それから、少し飛びまして、115番からいきます。テトラメチルチウラムジスルフィドについて、野見山先生お願いします。
○野見山委員 1例のみのため、「△」にしていますけれども、アレルギー性接触性皮膚炎の可能性があるのではないかということで、「△」にしております。
○圓藤座長 次に、トリクロルニトロメタンについて、角田先生お願いします。
○角田委員 これは障害というレベルではないと思います。入れるとしても頭痛程度にとどめるのではないかと思い、「△」にしました。
○圓藤座長 野見山先生お願いします。
○野見山委員 脳波や生死に関するものは事故的ばく露や高濃度ばく露であるため、基本的には入れる必要はないと思いましたが、自律神経症状と起立性低血圧が症例報告の2例に共通しているため、可能性があるのではないかということで「○」にしました。
○圓藤座長 N-(トリクロロメチルチオ)-一・二・三・六-テトラヒドロフタルイミドは、両先生「×」です。
パラコートについて、角田先生お願いします。
○角田委員 職業性ばく露は、注ぐ作業中などですが、大体が自殺未遂や、ぶどうを食べたという事例が多く、職業性ばく露が非常に少ないのです。誤った希釈でスプレーしたら、首や背中や足にばく露したという事例はあったのですが、自殺目的で使うのを防ぐために、もう使わないとされているため、現代日本で起こるかというと起こらないのではないかと思い「△」にしました。
○野見山委員 自覚症状、神経、呼吸器、それから腎障害は、先ほど角田先生がおっしゃったように、事故的なばく露であり必要ないと考えました。爪の損傷や呼吸器症状については内容が確認できないため、文献を読んだ上で採否を決定してよいと考えて「△」としました。
○圓藤座長 パラ-ニトロフェニル=二・四・六-トリクロルフェニル=エーテルは、両先生「×」です。
ブラストサイジンSについて、野見山先生お願いします。
○野見山委員 皮膚症状に関しては、2症例に一致しているということ、それから、横断研究では17人中7名という方々で皮膚炎という回答があり確からしさの問題はありますが、一致して皮膚障害であり「○」にしました。
○圓藤座長 六・七・八・九・一〇・一〇-ヘキサクロル-五・五a・六・九・九a-ヘキサヒドロ-六・九-メタノ-二・四・三-ベンゾジオキサチエピン三-オキシドは、両方とも「×」です。
ペンタクロルフェノールについて、野見山先生お願いします。
○野見山委員 脳機能障害について、可能性はあると思うため、原典を確認した上で採否を決定すればよいと思い、「△」にしてあります。
○圓藤座長 モノフルオル酢酸ナトリウムは、両先生「×」です。
硫酸ニコチンについて、野見山先生お願いします。
○野見山委員 脳機能障害と循環器系に関する障害は事故的ばく露のため、「×」でよいと思いました。皮膚障害については、原典の確認を行った上で採否を決定すべきと思い、「△」にしています。
○圓藤座長 それでは戻りまして、57番から進めます。酢酸ブチルについて、野見山先生お願いします。
○野見山委員 ペニシリン他の化学物質による可能性があるということで「△」を付しましたが、「×」でも良いと思います。
○圓藤座長 とりあえずあげておきましょう。二-シアノアクリル酸メチルは、両先生「×」です。
ニトログリセリンについて、野見山先生お願いします。
○野見山委員 一致して心筋梗塞発症の報告があるということで「◎」にしたのですが、治療に使っている薬での報告、検討した上で採否を決定してもよいと思います。改めて、「△」と思い直しております。
○圓藤座長 二-ヒドロキシエチルメタクリレートについて、野見山先生お願いします。
○野見山委員 神経の感覚は、他の化学物質の可能性を否定できないという意味では「×」としてよい「△」から「×」に近いものと評価しました。気道に関しては、単純な気道障害というより、感作による喘息様症状でないかということで、一応「○」としてあります。
○圓藤座長 ホルムアルデヒドは、両先生「×」です。
メタクリル酸メチルについて、私は、前眼部障害があってもいいのではないかという考えです。続いて野見山先生お願いします。
○野見山委員 頭痛は、特異的でない可能性があるため「×」としました。循環器系の疾患に関しては、疫学で期外収縮の罹患が多いとされています。ただ、症例報告で一致しません。一方で、前眼部障害は、刺激性からの可能性もあり「△」にしました。それから、虚偽性歯肉口内炎、蟻走は口内刺激から生じる可能性もあるのではないかということで「△」にしてあります。
○圓藤座長 メチルアルコールは、両先生「×」です。
メチルブチルケトンについて、私は気道刺激性を入れました。
硫酸ジメチルは、両先生「×」です。
アクリルアミドについて、上野先生お願いします。
○上野委員 疫学報告の中に色覚異常があったため、その文献だけは確認して、特異的なものかどうかを確かめてもよろしいかと思いました。
○圓藤座長 アクリロニトリルについて、上野先生お願いします。
○上野委員 1件だけの疫学報告について、中枢神経障害を疑わせるような症状だったため、確認が必要かなと思いました。
○圓藤座長 エピクロルヒドリンについて、上野先生お願いします。
○上野委員 疫学研究全般で染色体異常や遺伝毒性がよく出ていたため、少し検討する必要があるかという判断です。
○圓藤座長 酸化エチレンについて、上野先生お願いします。
○上野委員 自然流産といった生殖毒性を疑わせるものがあり、確認してもよいかなという判断です。
○圓藤座長 武林先生お願いします。
○武林委員 白内障という表現があり、どこまで確からしいか、ばく露のパターンなど、色々と確認はしてもいいのではないかということで「△」としました。
○圓藤座長 ジメチルアセトアミドは、両先生「×」です。
ジメチルホルムアミドについて、上野先生お願いします。
○上野委員 遺伝毒性や生殖毒性を示唆する疫学報告があるため、文献の確認が必要と判断しました。
○圓藤座長 ヘキサエチレンジイソシアネートについて、上野先生お願いします。
○上野委員 「△」にしていますが、実際の症例報告の中で、倦怠感や悪寒が神経系の障害といえるかどうかについて考え、どちらかというと症状という記載ではないかと考えました。
○圓藤座長 無水マレイン酸について、上野先生お願いします。
○上野委員 症例報告1例のみであり、評価は難しいため、やや「×」に近い「△」と御理解いただければと思います。
○圓藤座長 シクロヘキサノンについて、上野先生お願いします。
○上野委員 神経障害が単独のばく露によるものかどうかが分からないため、「△」にしました。
○圓藤座長 75番からは先ほど終わりましたので、85番からですが、ジニトロフェノール、ジメチルアニリンは、両先生「×」です。
トリニトロトルエンについて、上野先生お願いします。
○上野委員 白内障について、文献を確認してもよいのではないかと思いました。
○圓藤座長 二・四・六-トリニトロフェニルメチルニトロアミンについて、上野先生お願いします。
○上野委員 「△」というよりも「×」に近いかと思います。野見山先生も御指摘のように、症例報告がかなり古い年代のものであり、確認が難しいと思います。
○圓藤座長 トルイジンについて、上野先生お願いします。
○上野委員 疫学報告の膀胱がんに関しては文献を確認すべきかと思いました。
○圓藤座長 野見山先生お願いします。
○野見山委員 膀胱がんについては、そのとおりだと思いました。それから、自覚症状は不定愁訴の域を出るかどうかということで「△」にしました。ただ、自覚症状が溶血性貧血によって起きているとすれば、一貫性があるので採択できるかと思います。皮膚症状については、治療後業務に戻った際に再発しておりますが、たった1例なので「○」にはせずに「△」にしています。
○圓藤座長 パラ-ニトロアニリンは、両先生「×」です。
パラ-ニトロクロルベンゼンについて、野見山先生お願いします。
○野見山委員 溶血性貧血に伴って症状が出ていると仮定したときの随伴症状として、症状が出るとすればということで「△」にしております。
○圓藤座長 ニトロベンゼンについて、上野先生お願いします。
○上野委員 肝障害の記載があり、文献を確認してもいいのかなという判断です。
○圓藤座長 パラ-フェニレンジアミンについて、上野先生お願いします。
○上野委員 症例報告の1件について、単体による影響かどうかがわからないため「△」としております。
○圓藤座長 野見山先生お願いします。
○野見山委員 当該物質からくる黄疸が肝障害からきている可能性から「△」としております。
○圓藤座長 フェネチジンについて、上野先生お願いします。
○上野委員 1件のみの症例報告ですが、ばく露時間が不明であり、急性なのか亜急性なのか長期的なばく露なのか、状況が分からないため「△」にしました。
○圓藤座長 野見山先生お願いします。
○野見山委員 可能性はあり得ると思いますが、上野先生の御指摘のとおり、ばく露状況不明のため「△」にしてあります。
○圓藤座長 クレゾールからは先ほど議論したため、105番、メチレンビスフェニルイソシアネートから始めます。野見山先生お願いします。
○野見山委員 自覚症状、呼吸器症状が感作性から現れる症状であるとすると、「○」ではないかと思いましたが、その他の症状については、事故的なものと考えまして「×」としております。
○圓藤座長 レゾルシンと一・四-ジオキサンは、両先生「×」です。
テトラヒドロフランについて、野見山先生お願いします。
○野見山委員 事故的なばく露による呼吸器障害、消化器障害は「×」としました。それから、血液系、神経、尿路系障害は否定できないということと、肝障害は「△」としております。
○圓藤座長 ピリジンについて、野見山先生お願いします。
○野見山委員 腎細胞がんの母数は不明ですが、同一の工場で28名発生しているため、可能性としてはあるのではないかということで「◎」にしております。
○圓藤座長 ヘキサヒドロ-一・三・五-トリニトロ-一・三・五-トリアジンについて、野見山先生お願いします。
○野見山委員 症例報告3で3症例あります。痙攣のない意識消失があるため、一応「○」としております。
○圓藤座長 有機リン化合物について、武林先生お願いします。
○武林委員 そもそも化合物全体の中のDDVPの皮膚障害をどう捉えるかということで、一応「△」としました。
○圓藤座長 カーバメート系化合物について、野見山先生お願いします。
○野見山委員 使わなくなると症状が改善するため、1件だけの報告ですが、一応「○」としております。
○圓藤座長 ジチオカーバメート系化合物について、武林先生お願いします。
○武林委員 基本的に混合ばく露であり、十分因果関係が判断できるのか分かりませんが、一方で神経障害の報告がたくさん上がってきているため、もう少し慎重に判断すべきということで「△」にしております。
○圓藤座長 野見山先生お願いします。
○野見山委員 血液や胃腸症状、神経以外の項目については、事故的ばく露のため「×」を付しました。神経については、混合ばく露をどう評価するかということですが、一応「○」にしてあります。
○圓藤座長 N-(一・一・二・二-テトラクロルエチルチオ)-四-シクロヘキセン-一・二-ジカルボキシミドについて、野見山先生お願いします。
○野見山委員 二つの症例で、喘鳴など症状が共通しているため「○」にしております。
○圓藤座長 以上で、一応評価は終わりましたが、全体を通して御意見いただきたいと思います。いかがでしょうか。
(意見なし)
○圓藤座長 それでは、特段意見はないということで、次回分科会までの進め方について検討する前に、事務局から資料7、8について説明いただきたいと思います。
○秋葉中央職業病認定調査官 それではまず、資料7について説明いたします。第1回化学物質分科会の資料6で、「労働基準法施行規則別表第1の2第4号に基づく告示に列挙する疾病の選定に関する基本的な考え方」についてお示ししたところですが、次回以降、具体的に告示に追加する症状及び障害を御検討いただくに当たり、平成8年の大臣告示の改正通達から、告示に列挙する疾病、分類等の考え方に関する記載を抜粋した資料を作成しました。
資料7の中ほどの「イ 列挙疾病の選定」の記載については、第1回化学物質分科会の資料6と同じ内容です。読み上げますと、「原則として、次の(イ)及び(ロ)に該当する疾病のうち、通常労働の場において発生しうると医学経験則上評価できるものを列挙疾病として規定した。したがって、症例の報告があるものでも、それが事故的な原因による疾病や総取扱量が極めて少ない化学物質による疾病のように、一般的には業務上疾病として発生することが極めて少ないものは除かれている。」とされています。
次に、「ニ 疾病内容の記載等について (イ)症状又は障害の例示」です。これは、第1回化学物質分科会の資料には抜き書きしていなかったものです。読み上げますと、「疾病の内容ないし病像については、労働の場で起こった症例のうち、文献において共通的に現れた症状又は障害を『主たる症状又は障害』として掲げたものである。したがって、動物実験等により人体に対する有害作用が推測されるにとどまっているような症状・障害あるいは化学物質への高濃度ばく露を受けて急性中毒死した場合等の際にみられる一般的でない障害や二次的な障害は原則として記載されていない。」となっています。
続いて資料8です。これは、現行の告示に規定する症状・障害の表現について細かく列記したものです。資料7及び資料8の説明は以上です。
○圓藤座長 資料7、資料8に基づいて先生方と議論したいと思います。まず、資料7から議論したいと思いますが、資料7をどのように読むかというのが大事かと思います。私の理解では、「したがって」のところ、事故的な原因による疾病のように、「一般的に業務上疾病として発生することが極めて少ないものは除かれる」と書いているため、発生件数がたった1件、2件しかないような事故的なものは、除いてよいのではないかと思います。ただ、多発しているような事故的なものは、載せておいたほうが安全ではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。
それから、総取扱量が極めて少ない化学物質、例えば昔はよく使っていたが最近はほとんどない、あるいは、禁止になっているというようなものについては、今後、発生の可能性が極めて少ないと考えれば除いてもいいし、それなりに発生する頻度が高いとなれば残しておくというような意味合いであると読みましたが、この読み方について御議論いただければと思っております。
それから、我が国において症例があったもの、我が国においてあるものを原則としますが、諸外国においても多数起こっていて、我が国においてもその化学物質の取扱量が結構あるものは載せておいてよいのではないかと思うため、(イ)(ロ)に関しては、我が国になくても諸外国にあって、かつ取扱量が十分ある、あるいは、発生し得るならば入れるというような読み方であると思いました。私の読み方はいかがでしょうか。先生方から御意見をいただきたいと思います。
○野見山委員 先生の今のお話で異存はありませんが、量で決める場合にどの程度の量を基準とするのか、また、過去から現在までに減ってきているものであればそれを削除するのかなど、ある程度クライテリアというものがあるのでしょうか。
○圓藤座長 量のクライテリアは、症例報告を読んだところでは出てこないのですよね。
○野見山委員 どこかが出している輸入量や製造量で、例えば5,000トンならば少ないが、1万トンなら入れましょうなど、何かそういった目安があると分かりやすいのかなと思いました。
○圓藤座長 ここで私の考えを言ったのは、農薬のように以前は農薬として登録されていたが、もはや製造していない、あるいは、登録から外されたようなものについては、使用量が圧倒的に減ったであろうと判断して、考慮する必要があると思いました。あるいは禁止物質や許可物質のようなものは、今後起こり得る例が極めて少ないと思ったため、除いてもいいと思いました。それ以外について、一般に流通しているものに関しては、一桁減ったぐらいであればあまり考慮する必要はないのではないかと思います。そういう認識での基準で、何トン以上というような感覚は今のところは持っていませんが、それを調べようと思ったらまた大変であると思います。
○野見山委員 そうですね。
○圓藤座長 御意見はございませんか。
(意見なし)
○武林委員 改めて読んでみると、必ずしも慢性的なばく露に限っているわけではなく、先生がおっしゃったように、事故的なものでも急性で起こるものでも繰り返し起こっているものについて、どう考えるかということは含め得る可能性もあると思いました。
一方で、列挙疾病の選定のところで一つ教えていただきたいのは、「原則として」という文章の中で、「通常労働の場において発生しうると医学経験則上評価できるもの」と書いてあり、この文章が重要だと思ったのですが、この文章は通常労働の場においてということが医学経験則上評価できるという意味なのか、症例が起こったことが医学経験則上評価できるものという意味なのか、この文章の意味はどう考えられているのかということです。この下に続いていく(イ)の中では、我が国で症例があったものと書かれており、これは症例があったということをどう捉えるかについてはかなり難しく、症例報告しかないものもあれば、疫学まであるものもあると思います。
そうすると、私はこれまでは一つの症例報告というよりは、それがかなり繰り返されている十分な疫学的なものというような、かなりしっかりした因果関係ということをクライテリアに考えていましたが、この医学経験則上という文章も含めて、そこのところがあまり揺らぐといけないし、過去どのように考えられてきたのか、あるいはこれからどう考えるのかということでの議論は必要なのではないかと感じました。
○圓藤座長 皆さん、どうお考えですか。私は、この医学経験則というのは、産業医学の経験則だと理解しています。もちろん、中毒学としての機序を考えていく、それは背景として動物実験での機序を考えていくと思っています。それを参考にした上で列挙していきたいと思っています。労働現場で起こるという文言についても、労働現場で故意に起こしたもの、犯罪的に起こしたものは除いてもよいのではないかなと思いますが、事故的なものはやはり繰り返すことがあるため、残しておきたいと考えています。
○野見山委員 先ほど、武林先生が因果関係のお話をされましたが、我が国において症例があったものについて、例えば1例でもいいのか、また、一定の一貫したいくつも症例が積み重ねられているものに関しては疫学がなくても認めるのか、疫学がない場合にどうするのかというところも、今日は1例や2例のものも結構あったため、そういったものがどういう扱いになるのかというところも少し気になったところです。
○圓藤座長 一般的に、業務上疾病として発生することが極めて少ないものは除かれると書いているため、1例は除くと私は理解しております。
○野見山委員 そうすると、3例以上ぐらいですかね。
○圓藤座長 2例、3例は必要であると思います。
○野見山委員 分かりました。
○圓藤座長 私としては、1例のものに関しては、残しておいて何年か後にそのような例があれば、その時点で追加するのはあり得ますが、今回は、告示として明記するのは見合わせたいと思っております。それが「極めて少ないものは除かれている」という意味であると思います。今日議論した「△」は大体1例しかないものが多いですね。そのため、「△」のもので1例しかないようなものをもう一度文献検索し、他にもないかどうか確認した上で、見つからないようであれば今回は取り上げないと考えてはどうかと思っております。やはり、複数例は必要ではないかと思います。
次は、症状又は障害の例示とありますが、そこのところはいかがでしょうか。
○武林委員 これは恐らく、実際に過去やってきた中で、様々な物質で起こった障害との関係でできてきたと理解しています。
○圓藤座長 資料8ですね。
○武林委員 はい。例えば、8番の呼吸器系の疾病等を取ったとしても、①②③については、①は気道障害であり、②は肺障害、そこに更に③として気道・肺障害と書いてあるということをどう理解するべきなのかということです。これは、あらゆるところにあり、4番の神経系を取っても、例えば㉔と㉕のところはかなり濃度の高い急性の話であると思いますが、一番最後に錯乱等が入っているか入っていないかで別になっており、恐らく歴史的ないろいろなやり方による違いだと思いますが、これを読むと、今までのチェックの中では比較的過去にあるものでもカバーできそうなものは省略してきましたが、物質ごとにかなり組合せが違うことまで挙げるとすると、相当慎重に検討する必要があるため、むしろここは広めに挙げた上で最終判断していただくということかと思ったため、この作りそのものについてもう少し御説明いただけると理解が進むと思います。
○圓藤座長 事務局で歴史的な背景について把握されていますでしょうか。
○小永光職業病認定業務第二係長 今おっしゃっていただいた4番の㉔や㉕については、それぞれ一つ、二つの物質の記載となっており、他に単独で載っている項目もたくさんあると思いますが、いろいろな物質に載っている症状名等については、単独で記載しています。これまでどういった経緯でその物質の症状名及び障害名を検討したのかというところについては、この物質を追加したときの議事録等を確認をして、改めて報告したいと思います。
○圓藤座長 私の推測ですが、第35条専門検討会は非常に長い歴史を持っており、労働基準法ができてすぐに作られているのではないかと思っています。それから今日まで、医学の進歩は非常に激しいものがありまして、例えば国際疾病分類に関しては、約10年ごとに改訂しているため、今の時代に合わないものもあるかもしれないですし、改訂していく必要はあると思います。この中には、昭和20年代に取り決めたのが今も生きているものもあれば、改訂されたものもあるという、いろいろなパターンがあるのではないかと想定しています。そのため、どこまで踏み込んで我々が改訂作業をするのかについて考える必要がありますが、取りあえずは、今日挙がった物質について少し見ておきたいと思います。
○武林委員 もう一つの理由は、この後いろいろな物質が出てきて評価していくときに、当然文献を読むといろいろな症状が出てきます。一応、基本的には私は資料8に当たって、出てくる症状との関連を見ながら読んでいるつもりですが、そこがどういうクライテリアで入っているかが分かれば、比較的評価も簡単になります。要するに、これが単なる症状や障害の表現としてのリストということなのか、実際にはかなり物質にひも付いたものなのか、変える変えないは全く別の判断として、ここの位置付けが分かればということで、少しお願いした次第です。
○小永光職業病認定業務第二係長 資料7のニ(イ)の記載を見ますと、労働の場で起こった症例のうち、文献において共通的に現れた症状又は障害と書いているため、原則的には、症例報告の中で、共通的に表れた症状と障害を記載しておりますが、資料8は告示記載物質の症状名及び障害名について列記したものになるため、これに限る話ではなく、また違う記載も当然あり得るとは思っています。症例報告の中から共通的に、この化学物質で特異的にこういった症状かというところで判断していただければと思います。
○圓藤座長 資料7の症状又は障害の例示の仕方は、全体の基本的スタンスはこれだと思いますが、これについて異論はございませんでしょうか。
○武林委員 もう少し踏み込んだ考え方でいくと、例えば症例報告等も含めていろいろなものを整理すると、ばく露がしっかりあったときに、三つの症状なり障害が出るということはあると思います。それに対して、三つそろっていることでそれが起こったと考えるのか、もう少しばく露が下がってきてそのうちの一つ、二つが出てくるということは当然あり得るといったときに、三つの組合せということが今までは規定されていたように読めるため、我々としては、三つしっかりあるようなものを拾ってくるべきなのか、二つしかない場合に、それは別のものとして考えるのか、この資料8を見ると、三つそろっていることと二つそろっていることで違う扱いをされているとすると、実際にそれが疾病と関連しているのかばく露と関連しているのかと考えたときに、組合せをどう考えるのかというのは、実際にばく露のいろいろなことが現場で起こったことを考えると慎重に扱うべきと思ったため、どちらが良いということではなく、三つの組合せということが大事なのかどうかによっても、かなり見方が変わると思いました。
○圓藤座長 資料1や資料2の、現在の告示に記載されている症状又は障害が三つも四つも書いてあるものがありましたが、それが全部そろっていなければ駄目だという判断はしていないのではないかと思います。そのうちのどれかがあって、十分なばく露があったりすると認めていくという判断をしているため、三つともそろわなければならないという考え方はしていないのではないかと思っています。
ただ、先生がおっしゃったことには別の意味があります。三つ症状はありますが、ただ、Aという症状はほぼ100%起こり得る、BはAが起こったときに付随して起こる、Cはめったに起こらない、というような症状である場合に、どこまで載せるか考えたとき、Aは必ず載せておきたいと、Bは載せなくてもAがあるため、Bは載せるか載せないかは少し議論が必要だと思います。Cは、AやBに比べて載せる必要性は低いのではないかと、こういう議論は必要だと思っています。
何のためにこれをやるかという理由は二つあり、一つは監督官あるいは監督署の署長が業務上疾病として判断するときの参考になる症状として、代表的な症状を挙げておく必要があろうということです。代表的でないものを入れてしまうと混乱が起こるため、あまり代表的でないものは入れないほうがいいのではないかと思います。また、不定愁訴のようなものを入れると、もっと混乱が起こるため、できるだけ避けたいと思います。
もう一つは、予防の観点から、ここに列挙されていることで、注意喚起につながると思うため、ある程度は列挙しておきたいと思っております。そうした意識をしながら作業し、かつ資料7に書いてある原則論を守りつつ、まずは資料8にあるような今までに使われていた障害名、疾病名でいけるのであればそれを使い、それよりもこのほうが明確であるというのであれば、改訂する作業、あるいは追加する作業を入れるといいと思っています。
それから、今まで感作性については区別されていないのです。感作性の皮膚障害、感作性の気道障害について独立させることは妥当なのか、独立させるのであれば、特定の物質だけやるのではなく、全体を通して、例えば国際機関等が1のランクにしているようなものについてだけ感作性という言葉を付記するなど、何か方策はあり得るのかどうかということについては検討したいと思います。
○野見山委員 感作性は多分、やり出すとすごく大変だと思います。今回出ている中にも、感作性を疑われるものが結構あったため、皮膚障害や呼吸器障害で何となく入れてしまうのも一つだと思います。通常はそれを分けて考えるのが普通ですから、やはり議論は始めていただいたほうがいいような気がします。クリアなものは結構多いと思います。
○圓藤座長 気道は置いておいて、皮膚と考えたときに、いわゆる壊死性の皮膚障害と刺激性の皮膚障害、感作性の皮膚障害、多くはこの三つに分かれると思います。そうしたときに、Aという物質は刺激性の皮膚障害もあり、かつ感作性があるとなれば、両方残しておかなければいけないということになりますし、刺激性がなくて感作性だけがあるのであれば分けて考えることになると思います。そのため、書き方は結構難しいのではないかと思います。
○武林委員 少なくとも感作性の問題は、特に今の現場の変わり方を考えても非常に重要になっていることは間違いないのです。例えば皮膚障害と列挙されているものに対して、もし現場でガイダンスとして使っていただくのだとすると、刺激も感作もあるのであれば、そのようなことが分かる形になっていることのほうが多分大事です。感作ということを掲げるとどこまでも難しくなると思いますが、少なくとも皮膚障害の中にそれが十分認識されているかという観点は、非常に重要ではないかという気がいたします。
○圓藤座長 一旦、試みとしてやってみて、妥当でないのであれば今回は見合わせとし、妥当であれば報告書の中にまとめて入れておきたいと思います。作業だけ試みてみましょうか。それが資料8の中で、今まではないため、呼吸性になると皮膚よりは少し難しいですね。他に何か御意見はございませんか。
○上野委員 一つよろしいですか。細かいところかもしれませんが、諸外国において症例が報告されているという、「諸外国」というのをどの程度、例えばある特定の一国、特に疫学などは恐らく扱っている物質によって国の偏りがあると思うのですが、それは、ある特定の国での疫学報告があれば、諸外国において症例が報告されていると判断してよろしいのですか。諸外国という言葉の定義を、どういう定義でとらえたらよろしいのかということです。
○圓藤座長 どの国のが良くて、どの国のが駄目ですとは言えないのではないかと思っています。問題は、論文としての妥当性、あるいは調査対象の妥当性、その辺のところを見ないことには分かりません。混合ばく露をきちんと対応しているかということも含めて見ていく必要があり、別の注意が必要ではないかなと思っています。
もう一つは、今回は発がんについてはほとんど取り扱っていないのです。発がんについては、発がんとして別に取り扱ってやりたいと思っていますが、発がんに関してはほとんどが疫学だと思うため、疫学を見る上で検討していく必要はあると思います。発がん以外のものに関しては、必ずしも疫学が良いとは思えません。なぜなら、ばく露群と非ばく露群で差があるという症状が、必ずしも特異的な症状ではないということがあり、結構使いづらいと認識しているからです。鉛などの疫学論文というのは、どちらかというとそのようなものが多いです。
○上野委員 ありがとうございます。少し整理ができました。
○圓藤座長 他はいかがでしょうか。
(意見なし)
○圓藤座長 それでは、前回の資料6の「症例があった疾病のうち、通常労働の場において発生しうると医学経験則上評価できるものを列挙疾病と規定することとし、したがって、症例報告があるものでも、それが事故的な原因の疾病や総取扱量が極めて少ない化学物質による疾病のように、一般的な業務上疾病として発生することが極めて少ないものを除く」という考え方を踏襲するということで、良いと思います。また通達において、「文献において共通的に現れた症状又は障害を「主たる症状又は障害」として掲げたものである」と記載があるため、新しい告示へ追加する症状及び障害の検討に当たっては、複数例の報告があり、特異的な症状又は障害名として明記することがふさわしいかどうかで判断してはいかがかと思います。
さて、評価の分担についてですが、各物質をこれまで担当した委員以外の2名の委員が、前任者の評価も踏まえた上で評価していただいたほうが全体を見回せていいのではないかなと、公平ではないかなと思っておりますが、いかがですか。例えば、私と上野先生が評価したものは、残り3委員のうち2人が見直すということです。観点は、今日評価した評価基準ではなくて、先ほど言った評価基準でもって挙げていただき、かつ挙げるとしたらこういう疾病名、症状名又は障害名がよいということを明記していただきたいです。その上で、その症状名、障害名が妥当かどうかを、次回検討していきたいと思います。また、それに載らないものは外していきたいと思います。
第2段階は第1段階より厳しい評価基準であるため、ふるい落としていただければと思います。第1段階で、既に両先生が「×」にしたものは外しておきたいと思います。復活する場合は、復活する根拠を挙げていただけましたら復活いたしますが、取りあえず外しておきたいと思います。
それでは、選定された物質について、事務局で本検討用の評価シートを作成していただいて、各担当の委員を割り振っていただきますようお願いいたします。あらかじめ、各委員に評価シートの送付をお願いいたします。各委員は、評価シートに告示物質の候補として「◎、○、△、×」の判定をしていただいて、その理由等を書いていただき、また症状名、障害名を書いていただきたいと思います。それを11月末をめどに事務局に出していただくということで、次の作業に入るのではないかなと思います。それでよろしいでしょうか。
(同意)
○圓藤座長 非常にたくさんの物質であり、2時間では到底難しいと思ったため、流した形で行いましたが、この進め方でよろしいでしょうか。
(異議なし)
○圓藤座長 何か抜けている所がございましたら、追加をお願いしたいと思います。
私のほうでの議事進行は、これで終了したいと思います。次回の日程を含めて、事務局からお願いいたします。
○秋葉中央職業病認定調査官 次回の日程ですが、既に日程調整をさせていただいており、12月16日(月)となっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。本日は、お忙しい中お集まりいただき、御検討いただきましてありがとうございました。
○圓藤座長 ありがとうございました。