第121回社会保障審議会医療保険部会 議事録

日時

令和元年11月21日(木)14:30~16:14

 

場所

全国都市会館

議題

  1. 1.診療報酬改定の基本方針について
  2. 2.後期高齢者医療の保険料の賦課限度額について
  3. 3.被用者保険の適用拡大について
  4. 4.任意継続被保険者制度について

議事

議事内容
○遠藤部会長 定刻になりましたので、ただいまより第121回「医療保険部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりをいただきまして、どうもありがとうございます。
まず、委員の異動がありましたので、御紹介をさせていただきます。
村上英人委員が退任されて、新たに、全国町村会理事/長崎県波佐見町長、一瀬政太委員が就任されております。本日は御欠席でございます。
次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
本日は、池端委員、一瀬委員、尾崎委員、菊池委員、前葉委員より御欠席の御連絡をいただいております。
続きまして、欠席委員のかわりに出席される方についてお諮りをいたします。
池端委員の代理としまして武久参考人、尾崎委員の代理として家保参考人、前葉委員の代理として松岡参考人の出席につき、御承認をいただければと思いますが、よろしゅうございますか。
(委員 異議なし)
○遠藤部会長 ありがとうございます。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとしてください。
(報道関係者退室)
○遠藤部会長 それでは、議事に入らせていただきます。
本日は4つの議題がございます。第1が「診療報酬改定の基本方針について」、第2が「後期高齢者医療の保険料の賦課限度額について」、第3が「被用者保険の適用拡大について」、第4が「任意継続被保険者制度について」でございます。
では、初めに「診療報酬改定の基本方針について」を議題といたします。
事務局から、関連の資料の説明をお願いいたします。
○山下課長 医療介護連携政策課長でございます。
お手元のタッチパネルで資料1-2をお開きください。1-1は概要でございますので、1-2を使って説明をさせてください。
これまで医療保険部会で皆様の議論、9月、10月とそれぞれ2回させていただきまして、貴重な御意見をいただきました。ありがとうございます。その御意見を踏まえまして、このたびは「令和2年度診療報酬改定の基本方針(骨子案)」という形で提示をさせていただきました。
この骨子案は3つの章に分かれています。一番初めは「1.改定に当たっての基本認識」、まず現段階での基本的な認識を書いてあります。また「2.改定の基本的視点と具体的方向性」、そして、最後の章は「3.将来を見据えた課題」ということで、3つに分けて書いてあります。
それでは、読み上げる形で少し御紹介をさせていただきたいと思います。
1ページ、「1.改定に当たっての基本認識」は、4つに分けて整理をしています。
1つ目、(健康寿命の延伸、人生100年時代に向けた「全世代型社会保障」の実現)ということで、最初の○の真ん中からですが、2025年には、いわゆる団塊の世代が全て後期高齢者となり、2040年ごろにはいわゆる団塊ジュニア世代が65歳以上の高齢者となって高齢者人口はピークを迎えるとともに現役世代は急激に減少していく。
3つ目の○、我が国の医療制度は、人口減少が進展する中で、地域医療の確保、少子化への対応といったさまざまな課題にも直面している。これらの課題に総合的に対応しながら世界に冠たる国民皆保険を堅持し、あらゆる世代の国民一人一人が安全・安心で効率的・効果的な質の高い医療を受けられるようにすることが必要不可欠。
次に、来る人口減少社会に備えた将来の医療体制の展望を見据え、健康寿命の延伸により長寿を実現しながら、患者・国民にとって身近でわかりやすい医療を実現するとともに、医師等の働き方改革を推進することが必要である。また、効率化・適正化を進め、制度の安定性・持続性を確保しつつ経済・財政との調和を図る観点も重要であると整理しています。
2つ目、(患者・国民に身近な医療の実現)ということで、患者にとって身近でわかりやすい医療の実現のためには、地域の実情に応じて、可能な限り住みなれた地域で、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、地域包括ケアシステムを構築するとともに、かかりつけ医機能や患者への情報提供や相談・支援を充実することが必要。
さらに、我が国の医療制度にかかわる全ての関係者、これは住民、医療提供者、行政、民間企業などが、医療のかかり方の観点も含め、それぞれの担う役割を実現することが必要である。さらに、診療報酬制度が果たす役割について、住民に丁寧に理解を広めていくことが必要であると整理をしております。
2ページ、3つ目は(どこに住んでいても適切な医療を安心して受けられる社会の実現、医師等の働き方改革の推進)ということで、2040年の医療提供体制の展望を見据え、地域医療構想の実現に向けた取り組み、実効性のある医師偏在対策、医師等の働き方改革を推進し、総合的な医療提供体制改革を実施していくことが求められているとしています。
そして、最後の4つ目は(社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和)ということで、制度の安定性・持続可能性を確保しつつ国民皆保険を堅持するためには、国民各層の制度に対する納得感を高めることが不可欠であるとともに、医療政策においても経済・財政との調和を図っていくことが重要であるとしています。
続いて、「2.改革の基本的視点と具体的方向性」です。
平成30年度診療報酬改定については、医療機能の分化・強化、連携や、医療と介護の役割分担と切れ目のない連携を着実に進める改定を行いました。これは前回の改定です。
次回の令和2年度診療報酬改定に当たっては、引き続きこの評価に取り組むとともに、医師等の働き方改革や、患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療を実現するための取り組みを進めることが重要であるとしています。
その上で、改定の基本的視点を4つの視点としております。
最初の視点、これは【重点課題】としておりますが、「(1)医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進」ということで、2つ目の○、医師等の働き方改革に関しては、2024年4月から、医師について時間外労働の上限規制が適用される予定。各医療機関はみずからの状況を適切に分析し、労働時間短縮に計画的に取り組むことが必要である。
診療報酬においてはこれまで、タスク・シェアリング/タスク・シフティングやチーム医療の推進、医療機関における勤務環境改善に資する取り組みを評価してきた。時間外労働の上限規制の適用が開始される2024年4月を見据え、今後、総合的な医療提供体制改革の進展の状況、医療の安全や地域医療の確保、患者や保険者の視点などを踏まえながら、適切な評価のあり方について検討する必要があるとしております。
続いて、「(2)患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現」の視点ということで、患者自身が納得して医療を受けられるよう、患者にとって身近でわかりやすい医療を実現していくことが重要としております。
5ページ、「(3)医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進」の視点としております。医療機能の分化・強化、連携を進めるとともに、在宅復帰等につながるよう、質の高い在宅医療・訪問看護の確保や、他の医療機関等との連携、介護サービスとの連携・協働等が必要であるとしております。
6ページ、「(4)効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上」の視点です。国民皆保険を維持するため、制度の安定性・持続可能性を高める不断の取り組みが必要である。医療関係者が共同して、医療サービスの維持・向上とともに、効率化・適正化を図ることが求められるとしております。
(1)から(4)までの視点に基づいて、こういう形にしていくという具体的方向性はそれぞれ書かれております。これは説明を省略させていただきますが、そのような構成にしております。
最後に7ページ、「3.将来を見据えた課題」でございます。
団塊の世代が全て後期高齢者となる2025年、団塊ジュニア世代が65歳以上の高齢者となる2040年と、高齢化の進展にあわせて、サービスの担い手(生産年齢人口)が減少する超高齢化・人口減少社会が到来する。また、地域に生きる一人一人が尊重され、その可能性が最大限に発揮できる「地域共生社会」の実現に資する取り組みが求められている。このような中、我が国の医療制度が直面するさまざまな課題に対応し、「全世代型社会保障」を実現するためには、診療報酬のみならず、医療法、医療保険各法等の制度的枠組み、補助金等の予算措置など、総合的な政策の構築が不可欠である。
次の○、診療報酬制度をわかりやすくするための取り組みを継続していくことが求められる。
最後の○、加えて、住民、医療提供者、行政、民間企業等の全ての関係者がそれぞれの役割を自覚しながら保健・医療にかかわることが重要であり、国民全体の医療制度に対する理解を深めていくための普及啓発も含め、国民に対して丁寧に説明していくことが求められているというようなことで「3.将来を見据えた課題」という形で締めくくっているところでございます。
過去、9月、10月と皆様方の御意見をいただきながら、事務局で骨子案をつくらせていただきました。きょう、またこの骨子案を踏まえまして皆様からの御意見をいただき、そして、最終的な形に持っていきたいと思っています。
事務局からの説明は以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
ただいまのような骨子案が出されました。皆様方の御意見等を承りたいと思います。いかがでございましょう。
藤井委員、横尾委員の順番でお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。
ただいまの資料、6ページの(4)の(具体的方向性の例)に、「後発医薬品の使用促進」や「医薬品の適正使用の推進」などの記載がありますが、制度の安定性や持続可能性向上の観点から、さらに踏み込んで、軽微な疾病に対するOTC医薬品の使用促進のために、セルフメディケーション税制の対象薬剤を拡大するなど、ぜひ御検討いただければと思います。
あわせて、以前から申し上げていますとおり、医療費の抑制に向け、マイナンバーと医療情報・投薬情報とを紐付けし、薬を処方する前段階で多重投与等をチェックできるような仕組みづくりについても、ぜひ御検討いただければと思います。
以上であります。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
横尾委員、お願いします。
○横尾委員 3ページと5ページに同趣旨の内容が出ているのですけれども、「業務の効率化に資するICTの利活用」、また「ICTを活用した医療連携の取組」とありますが、ここでいうICTというのはAIやIoTは含むのでしょうか。
○遠藤部会長 事務局、いかがでしょうか。
医療課長、お願いします。
○森光課長 どのような形で医療の中で取り組むかということはいろいろあると思いますけれども、その中での活用という意味では、広い意味では入ってくると思っております。
○横尾委員 現段階でICT、IT、などいろいろ言い方はありますけれども、AIやIoTは具体的に言葉として定着しています。また現実として、AIを取り入れた診療のやり方、検査の仕方などが出てきていますので、ぜひ明記していただきたいと思いますし、そういった方向がいいのではないかと思います。ICTという言葉はやや漠然という感じもしていまして、AIが入るのかなという感じがします。
例えば、緑内障の検査も検査機器が出ていますし、海外ではメディカルイノベーションでどんどん展開されています。そういう意味では、もうちょっとAIを取り入れた診療などにスポットを当ててほしいと思います。そうしないと、漠然としたまま日本の医療がおくれていくのではないかという懸念を持っています。
○遠藤部会長 医療課長、お願いします。
○森光課長 もちろん新しい医療機器等に関しての導入は、薬機法などを通ったものについては、保険申請があれば、承認されている状況でございます。そのほかの医療におけるICTの利活用というところで、いわゆる広い意味でのICT、特にAIやIoTは当然入っておりますが、例えば僻地、離島等の医療資源が少ない地域というようなことで、特に連携の部分で使っていくという部分で、そこにある部分は書かせていただいております。委員がおっしゃるような技術の質の向上という意味では、もっと新しい技術のイノベーションの部分という形で受けとめさせていただきたい部分は当然あると思います。
○横尾委員 長くなって恐縮ですが、例えば中核病院で、この間ある医療系の大会などでも発表された事例があります。一度患者になって病院にかかった方については、地域医療の関係、訪問看護の関係がありますので、その後はネットでつないでお互いに画像情報を確認しながら、治療を受けている例があります。この人は、ナースやドクターからアドバイスをもらいながら家で納得して家族と一緒にケアをするということが、実際にされているわけです。そういった新たな取組みのものを評価して、そういったものを点数化するようなことも今後は当然考えていくべきだと思いますので、単にテクノロジーの進展のことではなくて、既に使われているところもいっぱいありますから、ぜひそういったことにも着目していただきたいと思います。
○遠藤部会長 御意見として承りました。
今度はこちら側で、佐野委員、お願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
これまでも医療保険部会、医療部会でも申し上げて、繰り返しになる部分もありますけれども、コメントさせていただきます。
何度も言いますが、今回の診療報酬改定は極めて重要であると認識しています。その中で示されています基本認識、具体的視点、方向性というのは、どの項目も同じように等しく重要であると思っています。その認識に立てば、医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進だけを重点課題とするというのはどう見てもおかしいですし、理解できないと思っております。その点、きょうのペーパーでも反映されていないのは大変残念だと思っております。
少なくとも医師の働き方改革の推進が、そのまま人件費のアップになったり、それがまた診療報酬で対応という単純な図式になるようなことだけは絶対にやめていただきたいと思います。ここは財源となっているところの保険料、もしくは税金の負担者である国民がきちんと納得できるような対応をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。御意見として承りました。
藤原委員、お願いします。
○藤原委員 今、佐野委員からもお話がありましたけれども、医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革が重点課題になっているということに関しまして、私ども、非常に違和感を覚えるところでございます。医師等の働き方改革に向けた取り組み、これが非常に政策的に重要な課題であることは重々認識するところでありますけれども、診療報酬の改定という枠組みで考えた場合に、骨子に挙げられたほかの視点が重点課題に該当しないのかと言われれば、決してそのようなことはないのではないかと思います。
特に私どもとしては、6ページ目に記載されています「(4)効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上」、この観点も非常に重要な課題だと認識しておりまして、その辺の重要度のバランスをよく勘案して記載していただきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
それでは、安藤委員、兼子委員の順番でお願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。
前回の医療保険部会におきまして、骨子案の3ページ、基本的視点(1)の上から3つ目の○の文末を「検討する必要がある」との記載に見直すように意見を申し上げ、反映いただいたことには、大変ありがたいと思います。
その上で、2点意見を述べさせていただきます。
1点目、先ほど佐野委員、藤原委員からもお話がありましたが、基本的視点(1)だけを重点課題とすることにつきましては、繰り返しになりますが、非常に違和感があることを、改めて強く申し上げさせていただきたいと思います。
2点目、現在、中医協におきまして、一般病棟における重症度、医療・看護必要度に係る基準のあり方につきまして、患者像に応じた適切な評価をさらに推進する方向で検討されていると承知しておりますが、この点につきましては、看護師の負担軽減の観点から非常に重要な論点であると考えますので、基本的視点(1)に明記していただければと考えております。
また、基本的視点(4)について、入院医療の評価、外来医療の機能分化などにつきまして、以前明記していただくよう意見を申し上げ、反映していただき、ありがとうございました。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
兼子委員、お願いします。
○兼子委員 利用者の立場で申し上げたいと思います。
この働き方改革の問題ですが、私自身、呼吸器内科をずっと利用しているのですけれども、診療科目によっての違いはあるのかもしれませんが、予約時間はほとんど守られない。呼吸器の場合、生命との関係があるのでしょうけれども、2時間、3時間ぐらい待たされる、あるいは医師の側も食事もほとんどとらないで夕方まで診療しているという実態も結構あるわけです。
それから、友人の医師の話ですけれども、小児科の医師なのですが、非常に真面目な友人なのですけれども、疾病の状況について親御さん等に説明し、きちんと生活の状況などを踏まえて治療に当たって時間をかけても、それが必ずしも十分評価されないといった疑問も感じると。個別の例かもしれませんが、そのような話も聞いております。
私ども利用者としては、今度2024年を目標にして時間外労働の規制も掲げられていますけれども、ある意味では余りにも遅いという感じがしております。特に開業医の方々とは同じ地域で生活もしているわけです。ですから、診療の状況、生活の点でもいろいろ見えるわけですので、特に生命にかかわる問題ですので、働き方改革、これは医師の方、看護師の方など、いろいろかかわってくるのでしょうけれども、適正な働き方が実現できるような形で進めていただきたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
林委員、原委員の順番でお願いします。
○林委員 ありがとうございます。
私からは5ページ目の(3)の5つ目の○で「質の高い在宅医療・訪問看護の確保」ということでございますが、要介護者の口腔機能向上に関しましては、関心が非常に高まっている中におきまして、歯科訪問診療の役割を評価いただいているところでございます。在宅医療の中に歯科訪問診療も含まれているとは思いますが、明記していただいたらありがたいと思ってございます。
それから、6つ目の○の「地域包括ケアシステムの推進のための取組」で、これまでもがん等の周術期や糖尿病、あるいは妊産婦等の医科歯科連携の構築とは進めてまいりました。このあたりに関しましても「医科歯科連携」という言葉に関して明記をしていただきたいと思ってございます。
歯科からは以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、原委員、お待たせしました。
○原委員 骨子案の1ページ、(患者・国民に身近な医療の実現)の最初の○に書いてあることなのですけれども、地域包括ケアシステムの構築に向けて、かかりつけ医機能の充実を図っていくことは大変重要なことだと思っております。
その際に、かかりつけ医機能を果たす医療機関は一般的には無床診療所だと思いますけれども、入院機能を有する診療所ということで、多少地域偏在はあるのですけれども、有床診療所が特に九州などでは多うございまして、この有床診療所をぜひ活用していくべきではないかと考えております。患者さんが住みなれた地域の中で病気を抱えながらも、遠く離れた病院に入院せずに、在宅療養あるいは在宅介護生活を継続するためには、表現が適切かどうかわかりませんけれども、状態が不安定な患者さんにとって大変使い勝手のよい医療施設であると私は思います。
特に地域包括ケアシステムの構築が国の政策目標となってからは、有床診療所の役割をもっと評価していこうという動きとなり、実際、最近の診療報酬改定でも対応が行われておりますけれども、経営は依然として厳しい状況が続くとともに、医療人材不足が進む中で、施設数が減少の一途をたどっている状況にございます。地域のかかりつけ医としての機能はもとより、病院への入院と比較しても医療費は安く済むわけですから、こうした施設が減っていくことは大変もったいない気がしています。地域包括ケアシステム構築に向けて、地域における医療機関の機能連携、ネットワーク化や在宅医療・介護連携の推進のために、ぜひ有床診療所を活用して診療報酬で適切な評価をしていただければと思います。
なお、他の事項との横並び、全体としての整理、とりまとめに向けた日程的なこともあるでしょうから、骨子案の案文修正をするかどうかは事務局にお任せいたしますけれども、もし私の今の意見について何か事務局で特段のコメントがあるのであれば、お願いしたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
医療課長、お願いします。
○森光課長 有床診療所の非常に厳しい経営状況についてはよく承知をさせていただいております。また、地域包括ケアで非常に期待される役割があることも承知をしております。その地域で果たされている役割等に応じた形でしっかり評価をするということで検討をさせていただきたいと考えております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
松原委員、どうぞ。
○松原委員 前回のときにもお話ししましたけれども、重点項目について何人かの委員は違和感があるとおっしゃったわけなのですが、現実問題として、勤務医の先生方は過重な労働を時間外に求められている。これを改善しなければならないのは事実でありますし、これは喫緊の課題であります。また、これをもし強制的に行いますと、ほとんど救急医療が回らなくなるというのは明らかなことであります。影響も多大でありますから、これを重要度の高いものとするというように厚生労働省さんがお決めになったというのは、私どもは大変大賛成であるということをこの前に申し上げました。
後の議論は中医協の問題もあります。どのような分配をしなければならないか、どこへ分配しなければならないのか、勤務医の先生たちを手厚くしなければいけないのか、また、勤務医の先生たちが働きやすいように医療事務者をかなりふやさねばならないのか。病院においても、診療所においても、最後の責任は医師がとりますが、医者でなくてもできる仕事を手伝っていただく方がいなければならないと思います。そういったことも中医協で議論していただきたいと思います。
2番目、兼子委員がおっしゃいました、大変長い時間を待たねばならないと。これは以前からですが、専門医の先生が朝から晩まで、夕方5時、6時まで外来をして、それから病棟を回らねばならないと。外来に来ている方も大変お待ちいただかなければならない、予約していても2~3時間待ちだと。また、入院している方も、午前中に先生に連絡をとってみてもすぐに来ていただけないということをよくおっしゃっています。そういったことも考えれば、機能の分化をきちんとしなければならないのは事実であります。
ここのところで、5ページ目にある(3)の4番目のところ、大病院と中小病院、かかりつけ医の診療所に対して、機能分化を適切にするためには何らかの方策をということで、以前十分に議論して、大病院に対して初診で、御本人の希望で行かれるときには選定療養費として5,000円以上をいただくことを決めたわけであります。ただ、再診のときにも2,500円以上と決まった話なのですが、実際のところ通知が出て、医者が良いと言ったときにはそれを取らなくても良いとなりました。何の圧力もかからないので、結局、本来であれば重症で専門的に診なければならない患者さんが行くべき大病院に、そうでない方々もまじっているという現実問題があります。
ここのところはさらに言えば、紹介して地域にもどらない場合は、再診料を取るのが原則というようにしますと、機能分化がかなりスムーズにいくのではないかと思います。特に紹介状を持ってこないで来られた方も、地域でかかりつけ医機能を持つ先生に診ていただくようなことを推進するためにも、そのような形にすべきだと思います。
勤務医の先生方もかかりつけ医機能を持つ先生に紹介するときには紹介状を書かねばなりませんので、大変なエネルギーの要ることでございます。つまり、その患者さんにとって一番いいかかりつけ医機能を持っている先生かを定めて、そこに紹介状を書かねばならないという大変なエネルギーが要ります。そういったことで大変忙しいからできないということにしますと外来患者さんがたまってきて、結局朝から夜まで診察してという先ほどの話になるわけです。そこを抜本的に改善して、何時間も待たねばならない、予約しても待たねばならない、そのようなおかしなことにならないようにしていくべきだと思います。
もう一点、僻地、離島、医療資源の少ない地域についてのお話がありました。そこについての遠隔診療はAIを含めてどんどん進めるべきであります。簡単にオンライン診療を推し進めろというわけではありません。医者が患者さんと対面して見て、いろいろなことをチェックして、相談して、初めてよい医療ができます。そういったことも踏まえて、遠隔医療とオンライン医療をきちんと分けて考えていただきたいと思っております。
最後に、原委員からお話がありました有床診診療所、地方では大変活躍しております。自分のところで見て、かかりつけ医機能を発揮して、そして、入院しなければならないときは自分のところに入院させることができる。ある意味でいえば究極のかかりつけ医機能を十分に持っている仕組みであります。有床診療所が地方で衰退して経営ができなくなり、後継者がなくなるようなことのなきように、中医協で十分にそこを踏まえて議論していただきたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
ほかにございますか。
秋山委員、堀委員、森委員の順番でお願いします。
○秋山委員 ありがとうございます。
私も3ページの働き方改革の推進に係る(具体的方向性の例)のところで、「タスク・シェアリング/タスク・シフティング、チーム医療を推進」と「人員配置の合理化」の中には、配置を強化することも含まれるということを前回も確認させていただきましたけれども、タスクをシフトする、シェアする上で、非常に高いポテンシャルを持っているのは看護職だと思いますので、ぜひこれまで以上に看護職員の手厚い配置を評価していただける方向で議論を進めていただきたいと考えております。
その際、特定行為研修修了者は、まだまだ数は足りておりませんが、タスク・シフト/タスク・シェアというところでは実際に非常に高い成果を上げているところですので、ぜひこちらも推進していただきたいと思っております。これは意見です。
もう一点、確認ですけれども、その続きの「(2)患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現」の中の、「患者にとって必要な情報提供、相談支援等の評価」のところに、「重症化予防」という文言を入れていただきました。先ほども外来の待ち時間の話がございましたが、これまで医師が行ってきました様々な説明を、看護師が療養上の相談に応じて指導するといったことを通じて、生活習慣病患者さんの重症化予防に看護外来は非常に功を奏しているところです。こういった看護師の看護外来というのも、この重症化予防の中には含まれると理解してよろしいのでしょうか。これは確認でございます。
○遠藤部会長 医療課長、お願いします。
○森光課長 重症化予防の取り組みとしては、さまざまな取り組みがあると思います。その中で、特に看護師さんなどにもぜひ活躍をしていただきたいと思っておりまして、そういう取り組みの中に看護師さんの活躍も含まれていると考えております。
○遠藤部会長 秋山委員、お願いします。
○秋山委員 これまで、入院医療の中で行われてきたものも、だんだん在院日数が短くなってきているなかで、外来での看護師の活躍が非常に求められるようになってきていますので、ぜひ外来での看護の評価を積極的に行っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○遠藤部会長 堀委員、お願いします。
○堀委員 全体の基本的な認識あるいは具体的な方向性についてではないのですが、資料1-2の最後のところに、「将来を見据えた課題」として、基本的に診療報酬だけでは恐らく全ての問題は解決できないということを書かれていると思いますし、このような認識を書くのは大賛成です。
ただ、最後に「住民、医療提供者、行政、民間企業等の関係者がそれぞれの役割を自覚しながら」という表現がありまして、1ページ目にも同じようにあるのですがここに「患者」と「保険者」という用語がないので、あったほうがいいのではないかと思います。また、「診療報酬制度を分かりやすくするための取組」というのは、私もまさに必要であると思います。例えば、この診療報酬の基本方針が医療部会と医療保険部会で議論されて、それが中医協に行って、最終的に医療現場に行くときの過程は、玄人にはわかると思うのですけれども、一般の患者には非常にわかりにくいものですし、ここに書かれている骨子案は大変すばらしい高尚なものが多いと思うのですが、実際に現場になったときにどうなったのか。これは「将来を見据えた課題」と書かれてありますので、今すぐにということではありませんが、診療報酬の方針から実行まで最終的にどうなったのかを検証し、国民にわかりやすく伝えていく必要があるのではないかと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
森委員、お願いします。
○森委員 ありがとうございます。
前回、6ページの「(4)効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上」のところに、残薬への対応を入れていただくようにお願いをしました。入れていただきありがとうございます。薬局・薬剤師として、国民皆保険を堅持するため、制度の安定性・持続可能性を高める取り組みとして、後発医薬品やバイオ後続品の使用促進をすること、それから、重複投薬やポリファーマシー、残薬への対応などについて、医療機関と薬局とで連携して協働して進め、制度の安定性・持続可能性に取り組んでいきたいと思っております。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
まだ御意見はあるかと思いますけれども、3つ議題が残っておりますので、本日はこの議題についてはこれぐらいにさせていただきます。
いろいろな御意見が出ましたので、事務局におかれましては、必要な対応を行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、議題の2つ目「後期高齢者医療の保険料の賦課限度額について」を議題といたします。
事務局から、関連の資料の説明をお願いいたします。
○込山課長 恐れ入ります。高齢者医療課長でございます。
資料につきましては、タブレットの資料2「後期高齢者医療の保険料賦課限度額について」の御議論を賜りたいと存じます。
御議論の前に大変恐縮でございますが、3ページの一番下に「賦課限度額引上げに伴う収入別の保険料への影響」という表がございますが、その数字の中で端数処理の関係で、コンマ1つ修正させていただきたいと思います。令和2年度の欄で(据え置き)と(64万円)とそれぞれございます。それの上の段で「21.5万円」の下に(+3.2%)とございますが、こちらは(+3.1%)でございます。同様に、右隣に「21.4万円」とございますが、その下に(+2.6%)とございます。こちらは(+2.5%)でございます。大変恐縮でございますが、御修正いただきたいと思います。
修正させていただきました紙の資料をお手元にお配りさせていただきますので、そちらもごらんいただければと思います。大変申しわけございませんでした。
改めまして、後期高齢者医療の保険料賦課限度額について、御議論いただきたいと思います。
1ページ、こちらにつきましては、前回国保のほうでも御議論を頂戴いたしました賦課限度額の果たしている役割と、一方、それを引き上げることによってどういう効果があるかといったことをこちらで示しております。
高所得の方に無限定に保険料負担をいただきますと、こちらは逆に受益との関係での納付意欲への影響があるという趣旨等々で、この上限を設定させていただいている。ただ、一方で、医療費がふえていく中で、この上限を据え置いたままにしますと、逆に中間所得層の方の保険料率なり保険料額が膨らんでいってしまう。そういったバランスをとるために、この限度額をどうすべきかとうテーマがございます。こちらが1ページに書かせていただいている点でございます。
2ページ、そういった観点から、これまでも後期高齢者医療につきましても、賦課限度額について引き上げをさせていただいた経緯がございます。考え方は、繰り返しでございますけれども、先ほど申し上げたような高所得層と中間所得層の方とのバランスの問題等々という趣旨でございます。
また、限度額を引き上げてきた経緯でございますが、こちらに○2つで書いてございますが、端的に申し上げますと、国保の賦課限度額の引き上げの状況を見つつ、また、実際に後期高齢者医療の保険料額がどのようになっていくかといったことを踏まえて、この限度額を設定させていただいてきているところでございます。
3ページ、そういった前提の中での御提案でございます。一番上の黄色い枠の中に書かせていただいております。繰り返しでございますけれども、中間所得層と高所得層との負担のバランスを考慮して、この限度額を設定するという考え方でございます。
2点目の○、平成29年度以降、30年度、31年度、令和元年度におきまして、国保の賦課限度額を73万円から80万円に引き上げをさせていただいています。そういった国保における実態等を踏まえて、どうすべきかということでございます。
そして、国保の引き上げ幅をそのまま踏まえますと、例えば73万円から80万円が約9%の伸びになっておりますので、そちらを当てはめますと、現行、後期の場合62万円が68万円ということも考えられます。
もう一つの観点といたしまして、限度額に該当する高所得層の方の引き上げ幅と、一方で、中間所得層の方の引き上げ幅のバランスを見る必要がございます。その点をお示しさせていただいているのが、先ほど訂正させていただいた一番下の表でございます。この表の中には、2つの被保険者の方、代表選手を掲げさせていただいています。
上の段につきましては、所得割のかかる被保険者の方の中で平均的な年金収入、こちらは341万円と設定しておりますが、この方の保険料がどうなるかを示しております。補足いたしますけれども、この所得割のかかる被保険者の方、これは税法上の所得になりますと219万円になりますが、これを年金としての収入に換算いたしますと341万円になるということでございます。端的に申し上げますと、この所得割のかかる中間所得層の代表選手として位置づけさせていただいております。
一方で、下の段でございますが、賦課限度額に当たる方、いわゆる高所得層の方の代表ということで、この方は賦課限度額ですから、現行では62万円をお支払いいただいている形になります。
実際に引き上げ幅をいろいろ設定してみた上で、先ほど申し上げた国保の引き上げ幅を念頭に置きつつ、その範囲の中でどういった限度額が適当かというシミュレーションをさせていただきました。そうしますと、64万円という御提案になりますけれども、仮に限度額を64万円に設定させていただきますと、まず下の段ですが、上限に該当する高所得層の方はこれまでの限度額62万円が64万円になりますので、保険料としましては3.2%の伸びになるというところ。
一方で、この64万円の限度額を前提にして中間所得層の代表選手の方の保険料額を計算いたしますと、こちらが21.4万円になります。据え置いた場合ですと、これが21.5万円ということでございますので、限度額を64万円に引き上げさせていただければ、この伸び率が先ほど訂正させていただいたプラス2.5%にとどまるということでございます。端的に申し上げますと、上限に該当する方については3.2%程度の伸び、一方で、中間所得層の方についても2.5%ということで、近似値的なところでとどまるということになります。そういったことでございまして、64万円という限度額を設定させていただくことで、両所得層のバランスがとれるのではないかという御提案でございます。
ちなみに、右上に目を移していただきまして「賦課限度額超過被保険者の割合」という表がございます。国保では、前回も御説明がございましたが、健保のほうの1.5%という数字も念頭に置きながら検討しているという御説明もございました。この限度額を超える方々がどのぐらいの割合でいるかというのがこの数字でございますけれども、後期高齢者の場合には、所得の構造の問題から、所得割を御負担いただく方が国保に比べてウエートが少のうございます。均等割だけお支払いいただいている方が多いものですので、所得割の方が少ない傾向がございます。
そうしますと、限度額の対象者を広げたままにとどめますと、より一層中間所得層、所得割の負担がかかる方々への負担が高まるということもございまして、後期高齢者の場合は、これまでの経緯の中でも1.5%にこだわらず、現行の割合をなるべく維持する方向で設定したいという考え方で設定した経緯もございます。
くどくなりましたが、令和元年度の超過被保険者の割合が1.28%であるところ、引き上げをさせていただければ、一番下にあるように1.29%ということで、ほぼほぼ同じ割合にとどまるということがございます。
といったことでございまして、中間所得層の方と、恐縮ですが、高所得層の方の保険料の伸び率のちょうどいいバランスのところと、超過する方々の割合がほぼほぼ現行を維持できるという設定の中で、提案といたしまして、62万円を64万円に引き上げさせていただきたいというものでございます。
参考でございますが、4ページにつきましては、前回国保でもお示ししたデータと同じようなものでございますけれども、限度額に該当する所得がどの程度であるかを示させていただいています。例えば、これは旧ただし書き所得でございますが「800万円」、年金収入に換算いたしますと「1041万円」になりますが、この所得ですと、全ての広域連合さんで限度額にこの所得階層の方が当たるという内容になっています。ただ、保険料率が高い広域連合におきましては、この所得が低い段階で上限に該当してしまうところもあるということを参考までにお示しさせていただいているところでございます。
ちなみに、3ページにお戻りいただきまして、例示の問題で解説を加えさせていただきます。申し上げたように、上限額に該当する所得、収入がどの程度かを参考までに真ん中あたりに吹き出しで示させていただいています。見直し後の64万円ですと、その上限に該当する所得の方はどの程度かがこの吹き出しの中に書いてございますが、税法上の所得で申し上げますと、年金所得であれ、給与所得であれ、これが709万円に該当いたします。これを便宜上、全て年金収入だったと仮定した場合には、こちらは910万円になります。これが全て給与収入だと仮定した場合には921万円ですということはお示しさせていただいています。そういった便宜上の数字でございますので、これが実態上どうなのだということは別の話になりますので、その辺は御了解いただきたいと思います。
少し長くなりましたが、説明は以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
この賦課限度額の見直しは、定期的に本部会でも議論してきたものでありますので、今回もこのような事務局提案が出ているということです。いかがでしょうか。
松原委員、お願いします。
○松原委員 適切な修正だと私どもも思っています。ただ、金額を決めてそれを見たときに思うのは、大変お元気でしっかり働けている75歳以上の方がいらっしゃるというのはすばらしいことなのですけれども、大多数の方がそうであるわけではないと。全員を単純平均しますと、頑張っている人の分が非常に大きく影響して、普通の最多数の人たちの平均値が引き上がってしまう現象が起きます。
ですから、そのようなことも踏まえて、今後いろいろなことを考えるときには、元気な人は元気な人でお支払いいただければいいですが、将来のことを心配しながら年金生活を送っている皆さんが将来不安なようなことにならないようにお願いします。政府で後期高齢者の負担を2割にするというような意見が出ているやに聞きますが、年金生活の方々は収入が年金しかないわけです。今回出たような高収入のあるような方たちからしっかりお取りになるというのは大変いい改革だと思いますが、十分に考えないと、75歳までの方も75歳を過ぎたら1割で医療費はかからないから大丈夫なのだと思って生活設計をされていますので、そこのところを十分お考えいただきたいと思います。
また、診療所あるいは病院に行ったら受診時定額負担として、ワンコイン分払うようにと言われている方もかなりいらっしゃいますけれども、これはかつての健康保険の改革のときに公約としてお決めいただいて、3割を超えないということをお約束していただいたことです。政治がお決めになることですけれども、十分慎重にいろいろなことに対応して考えていただきたいと思っているところであります。
以上です。
○遠藤部会長 自己負担の話にも言及していただいたわけです。
ほかにいかがでしょうか。
兼子委員、お願いします。
○兼子委員 私もほぼ同じ意見なのですけれども、この10月に消費税も上がったことですし、中間層から下のところの経済的な状況は少し圧迫を受けているのが実情ではないかと思います。そういう意味で、この上限を見直しするということについては賛成です。
私自身は医療費の問題、保険料が基本的なもので、余り窓口負担や一部負担といったところの負担が大きくなる方向での見直しは賛成できないのですが、私は税制を下敷きにして考えるのですけれども、公的な社会保険についていえば、負担の最低限あるいは保険料等は緩やかな累進制といったあり方など、財政的な問題でいつも窓口負担等で追いかけっこしているような状況を解決する上で、そういう点も検討いただければと思います。
もしできれば、2ページに負担限度額でどのぐらいの収入なのかという資料をいただいていますけれども、例えばこれ以上に年収1000万、2000万の場合、これらの負担のパーセンテージがどのぐらいになるのかといった資料も出していただきますと、国民から見ても年収の高い方、年金あるいは給与だけでは把握できない点もあるわけですけれども、少なくともそれでどのぐらいの負担率なのか見えやすくなるのではないかと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
大体よろしゅうございますか。
それでは、いろいろとこれに関連した、あるいはこれから少し違う議題も含めて、高齢者の医療の負担についての御意見がありましたけれども、それはまたしかるべき場で検討するということで、今回事務局から提案されている内容については、当部会としては了承したということでよろしゅうございますか。
(委員首肯)
○遠藤部会長 ありがとうございます。そのように対応させていただきます。
それでは、議題の3つ目「被用者保険の適用拡大について」に移りたいと思います。
事務局から資料の説明をお願いいたします。
○姫野課長 ありがとうございます。保険課長でございます。
資料3につきまして御説明させていただきます。
1つ目が適用拡大の財政影響、2つ目が適用事業所の範囲の見直しと、2つを盛り込んでございます。
2ページ、医療保険において適用拡大を行うことの意義ということでまとめてございます。
9月に「働き方の多様化を踏まえた社会保険の対応に関する懇談会」のとりまとめを御報告させていただきましたけれども、その際に医療保険における財政影響などについてしっかりと把握するようにという宿題をいただいてございました。その点について、まとめた資料でございます。
まず、医療保険における適用拡大の意義ということですけれども、医療保険で適用拡大した場合に、どういう被保険者の異動があるかを整理したのが上の図でございます。基本的には、現在国民健康保険の被保険者になっている方と健康保険の被扶養者となっている方、この2つのパターンの類型から新たな適用拡大することによりまして、健康保険の被保険者本人となるということでございます。
国民健康保険に入っている方につきましては、現在も保険料負担がございますが、適用拡大することによりまして、健康保険で保険料負担をいただき、事業主負担が追加されまして、さらに傷病手当金や出産手当金などの給付が追加されることになります。
他方で、健康保険の被扶養者として加入されている方につきましては、現時点では保険料負担というものはなく、被保険者本人の負担で賄われている状況でございます。
こういった点で考えますと、まず1点目、被用者でありながら健康保険の被保険者になっていない方につきまして適用拡大することによりまして、傷病手当金や出産手当金といった被用者にふさわしい保障を享受できるということでございます。傷病手当金につきましては、病気などになって働けなくなった場合、最長1年6か月間、報酬の3分の2が給付される仕組みでございます。
2点目、働き方や雇用に中立で公平な医療保険制度にできるということでございます。具体的には、例えば被扶養者の方は130万円という要件で整理されてございますけれども、そういった壁を意識することなく、働きたい方の能力発揮、企業運営に必要な労働力確保が可能となる環境を構築することができるということでございます。
3ページ、先ほど申し上げましたように、被扶養者の方につきましては、現在、御本人としての負担がございません。そういった点につきまして、特に被扶養者について適用拡大することの意義ということで整理してございます。繰り返しになりますけれども、被扶養者につきましても、傷病手当金や出産手当金、そういった被用者にふさわしい保障を享受できるというメリットがございます。
2点目、働き方や雇用に中立で公平な制度の構築という意味でも意義があると考えてございます。具体的に申し上げますと、1つ目の矢印にございますように、雇用する事業主の観点から見ますと、被扶養者についてもきちんと健康保険を適用することによりまして、それ以外のパート・アルバイトの方、例えばシングルマザー、中高年の単身者、そういった方との間で社会保険料負担分の人件費の差が出ないということで、社会保険料の面でどちらかを選択する誘因が生じないことになります。
さらに、働く被扶養者の側から見ましても、130万円の壁を意識せずに就労することが可能となります。
また、被扶養者にも保険料を負担いただくということで、同じ職場の中で同一条件で就労している被扶養者以外のパート・アルバイトの方との公平も図られますし、また、既に適用拡大されています501人以上の企業に勤務される被扶養者との公平も図られると考えてございます。
3点目、医療保険財政全体、マクロで見ますと、被扶養者の中でも一定の収入がある方、実際には年収106万以上の方になりますけれども、そういった方については、被保険者として保険料を負担いただくことで、医療保険財政の支え手を増やすことも意義があるかと考えております。
4点目、現在、健康保険と厚生年金につきましては適用事務が一体的に行われてございますので、引き続き被扶養者についても適用拡大するということで、事業主の事務の煩雑化も避けることができると考えてございます。
4ページ、財政収支を機械的に推計したものでございます。まだ年金部会も含めまして、具体的に厚生労働省としてこういった案ということは提示してございませんけれども、特に議論になってございます企業規模要件、これにつきまして、中小企業基本法などの整理を踏まえまして、例えば50人超、20人超、そういった基準で拡大をした場合にどうなるかを機械的にはじいたものでございます。
縦軸に従業員数で50人超の場合、20人超の場合、完全に要件を撤廃した場合ということで整理してございます。横側には「協会けんぽ」「健保組合」「共済」「国保」と、それぞれ医療保険制度別に影響をプロットしてございます。
こちらの数字ですけれども、注1にありますように、プラスで書いておりますのは財政的には悪化するということで、マイナスとなっていますのは財政改善ということでございます。また、この財政影響につきましては、医療保険分だけではなくて、介護保険の介護納付金の負担分も含む数字としてございます。
この表で見ますと、右からになりますけれども、国民健康保険につきましては、例えば要件撤廃をしますと、全体で125万人が新たに適用されるわけですが、国民健康保険からは70万人程度が新たに被用者保険に異動すると見込んでございます。支出と収入の差を見ますと、比較的収入が低い階層の人たちでございますので、支出のほうが若干上回っている状態でございます。そうしますと、そうした方々が国民健康保険から抜けることによりまして、財政的には60億円程度の改善になると推計してございます。
また、その隣の共済組合ですけれども、国・地方の職場につきましては、現在、既に適用拡大がされてございます。そうしますと、適用拡大によりまして、現在公務員の配偶者として共済に加入している被扶養者の方、そういった方が別の保険制度に移ることになりますので、現在保険料負担なく支出だけが出ていっている被扶養者につきまして、異動する効果で110億円程度の財政改善と考えてございます。
また、左側の2つ、被用者保険ですけれども、健康保険組合につきましては、今回501人よりも少ない従業員数の事業所が中心になりますので、協会けんぽと比べますと、新たに適用する方の人数は少なくなるのではないかと見込んでございます。具体的には、ここの資料には書いてございませんけれども、健保組合に30万人程度、協会けんぽには95万人程度が新たに加入すると見込んでございます。
一方で、現在被扶養者として加入している方については、別の健康保険制度、別の健保組合に被保険者として加入することになりますので、その分は若干財政的に改善するということになります。
ということで、国民健康保険から異動してくる方が若干財政的にはマイナスになりますけれども、被扶養者として加入していた方が新たに被保険者になることで財政的なプラスになるということで、その足し引きをいたしますと、健康保険組合ですと、完全撤廃しますと若干財政的には改善、一方で、中小企業を中心に加入しています協会けんぽにつきましては、140億円程度の財政的な負担増になると見込んでございます。
5ページ以降、適用事業所の範囲の見直しでございます。こちらは既に年金部会でも御議論いただいてございますので、その内容の御報告も兼ねての御説明でございます。
6ページ、【現行制度】の御説明になります。まず、法人事業所につきましては、現在、業種、従業員規模にかかわらず強制適用事業所となってございますが、個人事業所の場合につきましては、法定された16業種のいずれかに該当して、常時5人以上、従業員を使用するものが強制適用となってございます。法定16業種以外の非適用業種、従業員5人未満の個人事業所は、適用事業所になることについて労使合意があった場合にのみ任意包括適用事業所という形で整理されてございます。
この範囲につきましては、過去、順次制度改正されておりますけれども、昭和60年改正で法人が強制適用となって以降変更がございません。また、限定列挙されております16の適用業種につきましても、昭和28年改正以降変更がないという状況でございます。
【見直しの意義】のところにございますように、こういった適用事業所の範囲につきましては、勤務先にかかわらず被用者にふさわしい保障を確保する方向で見直す必要があるのではないかと考えてございます。
一方で、3つ目の○にありますように、法人が強制適用となりまして、ある程度事業規模が大きくなってまいりますと法人化されて、事務処理能力を有する事業所につきましては、法人として適用を受ける蓋然性が高くなってきてございます。
【見直しの方向】でございますけれども、非適用業種のうち、法律・会計に係る行政手続などを扱う業種(いわゆる「士業」)につきまして、被用者保険適用に係る事務処理能力が期待されるということ、それに加えまして、全事業所に占める個人事業所の割合が高いこと、制度上、法人化に一定の制約、あるいは不可能であるといった制約がありますので、こういった要素を考慮して適用業種とすることを検討してはどうかということが現在年金部会でも議論されてございます。
具体的には弁護士・司法書士・行政書士など、ここに掲げております業種につきまして、適用業種とすることを検討してはどうかということでございます。
以上、今、年金部会で議論されている内容でございますけれども、御報告を兼ねて御説明といたします。御意見をいただければと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
財政シミュレーションを出されましたので、これは保険者の方としては御意見があるかと思います。
佐野委員、お願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
財政試算をしていただいたことについては感謝申し上げます。一方で、保険課長から口頭説明があったのですけれども、まだ前提とされている数字のところでよくわからない部分があります。そこのあたり、健保組合にとっても被保険者と被扶養者の人数がどう変わっていくのか、また、健保組合ごとに当然負担増、負担減も出てくると思いますし、丁寧な対応が必要だと思っています。その辺についてさらに詳細な資料をいただければと思いますし、かつ財政影響を受ける健保組合に対しては激変緩和措置、財政支援等をお願いしたいと思います。
この表の中で、国費、事業主負担の影響が出ていないのですけれども、その辺もどのような形になるのか示していただければと思います。
最後に、次のテーマになっていますけれども、この適用拡大が任継制度、また資格喪失後の継続給付の見直しなどにもつながるテーマだと思いますので、そこはセットで検討をお願いしたいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
事務局に対して、この財政シミュレーションのもう少し細かい結果を出してほしいという御要望だと思います。たしか前回の適用拡大のときにはもう少し細かい資料が出てきたと思っておりますので、それらも参考にしながら計算をしていただければと思います。
ほかにどうでしょうか。
安藤委員、お願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。
財政試算の資料をご提示いただき、ありがとうございます。資料につきましては、先ほど佐野委員がおっしゃった中身を次回議論するときに、詳細な資料を御用意いただければと思います。
その上で財政影響を見ますと、①から③のいずれの場合であっても、私ども協会にとりましては30億から140億のマイナス影響があることが示されました。これによりまして、保険料をさらに将来的には引き上げざるを得ない可能性もありまして、そのような保険料負担の変動は加入者や加入事業所の理解、納得を得られないと考えております。
また、協会けんぽは被用者保険のセーフティーネットであると考えております。国民皆保険制度を維持していく上で、協会けんぽが持続可能であることが大変重要であることは論をまたないところであると考えます。今回の加入者のほとんどが中小企業で働いており、所得水準が低い中で、他の被用者保険よりも高い保険料を負担している我々の加入者にさらなる負担を求めるということは、加入者や加入事業所の理解、納得を得られないと考えております。適用拡大によりまして、協会けんぽの財政にマイナス影響を及ぼす場合につきましては、必ず財政措置を講じていただきますようお願いいたします。
そして、なお、中小企業は現状におきましても医療保険等で重い保険料を負担しておりまして、さらなる負担増加に現実的にたえられるのかという問題もございます。このため、中小企業には十分に御配慮をしていただきますよう、重ねてお願いいたします。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
藤井委員、お願いします。
○藤井委員 ただいまの意見と同様でございますが、被用者保険の適用拡大につきましては、多様な働き方や女性の社会進出を踏まえ、将来の安心を確保する社会保障制度の構築は大変重要であるということは十分認識をしておりますが、一方で、社会保険料の半分は、中小企業を含めた企業側が負担しているという実態もございます。
中小企業は大企業と比較して利益率が総じて低く、労働分配率も既に高水準となっており、また、最低賃金の引き上げや働き方改革など、対応すべき課題も山積しております。
加えて、専業主婦層をはじめとする適用を望まない方々による就労調整がさらに進むことも予想され、人手不足を加速させる恐れもございます。
こうしたことから、本件につきましては、中小企業経営に大きなインパクトを及ぼしかねないため、慎重に議論すべきだと考えます。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
ほかにありますか。
石上委員、お願いします。
○石上委員 懇談会のとりまとめで今後の検討の方向性が示されています。そこに事業形態、業種、従業員数などにかかわらず保障を確保するのが基本だという考え方が示されていることからすると、今回の見直しの方向性は途中経過であって、原則は、全ての業種に適用すべきという方向性で検討すべきだと思っています。
その意味では、今回の見直しの方向性に反対というわけではなくて、これを起点にさらに検討を進めるべきだと考えます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
松原委員、お願いします。
○松原委員 慎重な意見もあるとは思いますけれども、あるべき姿としては、収入がある以上は被扶養者の方々も保険の担い手になっていただき、また、年金の担い手になっていただくという考え方は、先を考えれば非常に筋の通った考え方だと思いますので、よく御検討いただきながら推進していただきたいと思います。
○遠藤部会長 どうもありがとうございます。
ほか、よろしゅうございますか。
武久参考人、お願いします。
○武久参考人 最初の1のほうでお聞きしたいことがあるので、よろしゅうございますでしょうか。
○遠藤部会長 もとに戻るということですね。簡潔にお願いします。
○武久参考人 最初の1のほうの資料で、30年度の基本方針と令和2年度の基本方針が両方ございましたので、対比させていただきますと、30年度になかったものが幾つかございます。それについて、令和2年度には前になかったものが入ってきたということは、これを重要視しているということかと思いますので、お聞きしたいのです。
新しい令和の基本方針の4ページ、○の2つ目で「アウトカムにも着目した評価の推進」として「質の高いリハビリテーションの評価など、アウトカムにも着目した評価を推進」というのが30年度にはなかったのですが、出てきております。これについてリハビリテーションが非常に重要だということを担当課が認めていらっしゃると思うのですけれども、現在、訪問看護ステーションでの訪問リハの問題、また、完全な私費のリハビリ施設が全国あちらこちらで出現していることもありまして、リハビリに対するスタンスが注目を浴びているということですが、特にアウトカムに注目して評価したいということでございます。現在は20分間ただただマッサージをしているだけでも点数があるのが、リハビリによってよくなったなど、アウトカムに特に注目するということでございますので、この辺のことについてお聞きしたかったのです。対比を見ているうちに進んでしまいまして、申しわけございませんけれども、このあたりを少し御説明いただけたらよかったと思っております。
今、ちょうど医療課長はいらっしゃいませんので、発言だけにとどめたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
医療課長はいらっしゃらないですけれども、事務局、何かコメントはありますか。
連携課長、お願いします。
○山下課長 武久参考人、ありがとうございます。
実は30年度の基本方針でも「アウトカムに着目した評価の推進」ということで入っていまして、お手元に参考資料1-4を開いていただけないでしょうか。5ページです。
おっしゃるように評価というのは大切で、ストラクチャーとプロセスだけで評価するとなると、それはやればやるだけお金がつくという話になってしまうのですけれども、ストラクチャーとプロセスだけではなくて当然アウトカムにも着目して評価をしていかなければいけない。一方で、アウトカムを評価するためにも、それなりの評価の内容をつくっていかなければいけない。おかげさまで、リハビリテーションについてもある程度科学的なアウトカムというやり方が出てきたということもありまして、30年度は「質の高いリハビリテーションの評価をはじめとして、アウトカムに着目した評価を推進」と書いていまして、それを受けて、また令和2年度でもこのように書いております。
当然、それはここに書いてあるということは、私も具体的な点数はあれですけれども、中医協でもそういったことが反映されて評価をしていく、リハビリのアウトカムのところも評価していくというようにつながっていると理解をしております。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
大体今の点で解決ができたと思いますが、まだありますか。
○武久参考人 見落としていまして申しわけございませんが、この30年度と令和2年度で変わったことがあったら、それだけを言っていただけたらと思います。
○山下課長 前回と変わったことというと、先ほども議論があったとおり、重点項目として働き方というものがあった。それは労働基準法の改正で今回2024年度から始まるということははっきり固まったので、こういった変化があったということがございます。
一方で、地域包括ケアシステムの推進というのは2025年を見据えてということ、これは変わらないことで、これは進めていかなければいけないということでやっていると。
さらに大きく変わったところは、2040年、人口の減少で生産年齢人口が減っていく、さらに支え手となる人、また、働く人が減っていくということも出てきていますので、そこは令和2年度の診療報酬改定のところでより強く書いているところでございます。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
それでは、次は「任意継続被保険者制度について」を議題としたいと思います。
事務局から、資料の説明をお願いします。
○姫野課長 ありがとうございます。
資料4につきまして、御説明したいと思います。
任意継続被保険者制度につきましては、先ほど佐野委員からもございましたように、適用拡大の議論とあわせて議論するべきではないかという御提案をいただいたことも踏まえて資料をお出ししてございます。
1ページ、任意継続被保険者制度につきましては、健康保険の被保険者が退職した後も、選択によって引き続き最大2年間、退職前に加入していた健康保険の被保険者になることができるという仕組みでございます。
具体的には、資格喪失の日の前日まで継続して2か月以上被保険者であったこと、そして、資格喪失事由にありますけれども、任意継続被保険者となった日から起算して2年を経過したときまで加入できるということでございます。
保険料につきましては、全額被保険者負担ということになりますので、事業主負担はございませんけれども、従前の標準報酬月額あるいはその保険者の全被保険者平均の標準報酬月額のいずれか低い額に保険料率を乗じるということになってございます。
2ページ、過去からの変遷でございます。これは大正15年の健康保険法の施行時から存在する仕組みでございますけれども、これまで加入期間の延長など、さまざまな改正を行って、現在の要件となってございます。
3ページ、任意継続被保険者制度の意義でございます。当初、国民皆保険が実現するまでの期間につきましては、解雇や退職に伴う無保険の期間をできるだけ少なくする、回避をするという意義がございました。
2つ目、給付率が7割に統一されるまでの間につきましては、国民健康保険に移行することによる給付率の低下の防止も目的とされてございました。
ただ、3つ目、現状では給付率が統一されてございますので、残っている意義としては、国保への移行に伴う保険料負担の激変緩和というところが実質的な意義となってございます。
具体的には、この下の図にございますように、国民健康保険の場合は、保険料を賦課する所得については、基本的には前年所得となってございます。まず例1、3月末に退職をされた方の場合、N-1年につきましてはずっと事業所に勤めていて健康保険に加入されていて、N年の4月1日に退職、そして、健保から国保に移ったという方については、4月1日以降、国民健康保険の保険料がN年保険料として賦課されるわけですけれども、この際には、働いていたときの所得、N-1年の所得に対して保険料が賦課されます。したがいまして、仮に失業された方など無職になっている方につきましては、所得が現にない時期ではありますけれども、前年所得に対して賦課されることになります。
また、翌年、N+1年になりますと、所得については1月から12月までということで計算をされますので、N年所得につきましても1月から3月いっぱいの収入、これが所得として勘案されますので、一部分働いていたときの収入が賦課ベースに残ってくるということで、退職後2年間、退職前の所得が反映し得るということでございます。
例2の場合のように、年度の途中、9月末に退職されたような場合ですと、N年の10月1日に健康保険から国保に移行するわけですけれども、その場合、10月から半年間のN年度保険料につきましては、働いていた時期の所得をベースに賦課されますので、保険料が高くなってしまいます。
その後、4月1日以降につきましては、N年の1月から9月末まで働いていたときの収入、そして、その後は収入がなければ、そこについては所得にならないわけですけれども、N年所得をベースとして、N+1年の保険料が賦課されることになります。したがいまして、この場合ですと1年半、退職前の収入が賦課ベースに入ってくるということになります。
こういった前年所得が賦課ベースに入ってくることを激変緩和するという意味で、現在、任意継続被保険者制度が機能しているということでございます。
4ページ、平成28年にこの医療保険部会において一度御議論いただいた際の論点でございます。
具体的な制度を見直す可能性のあるところということで、例えば加入要件、これを2か月以上としておりますけれども、仮に1年以上とすることについてどう考えるか。また、資格喪失までの期間ですけれども、現在2年としていますところを1年とすることについてどう考えるか。保険料についても、どちらか低いほうということになっていますけれども、これを従前の標準報酬月額とすることについてどう考えるかといった形で御議論いただいてございます。
5ページ、その際いただいた御意見を整理したものでございますが、基本的には任継制度については廃止に向けて検討していくべきであるという御意見もいただいております。
一方で、高齢者の医療費について、任継制度を含めて医療保険全体としてカバーできている部分があるのではないか、また、これを仮に1年に短縮いたしますと、結果的に医療費の高い高齢者が国保に加入することになりますけれども、国保の基盤強化が必要な中で、新たな負担につながるのではないかという御意見。
また、任継制度につきましては、今日的にも国保移行の際の保険料の激変緩和、あるいは退職者の医療保障という役割があるのではないかという御意見。
また、一方で、任継制度をいつまでも残すことについては反対であるということで、加入期間を1年として、再度検討してはどうかという御意見もいただいております。
仮に加入要件を1年といたしますと、有期労働者や派遣労働者が任継を利用できなくなるなど、比較的弱い立場の方にしわ寄せが回る可能性があるという御指摘もいただいてございました。
6ページ、28年当時の数字ですので、かなり古くて恐縮ですけれども、当時の財政影響、粗い試算をお示ししたときのものを再度つけさせていただいております。全般的に任意継続被保険者制度を見直すことによりまして、被用者保険は財政的には若干改善する一方で、国民健康保険サイドでは若干の財政悪化要素になるという整理でございます。
7ページ、当時の議論の整理ということでございますけれども、両論ございましたので、28年の時点では結論に至らず、まさに2つ目の○にありますように「短時間労働者の適用拡大と合わせて引き続き検討すること」ということでまとめていただいてございます。
こういった状況を踏まえまして、論点として書いてございますけれども、任意継続被保険者制度のあり方について、特に加入期間、加入要件、そして、保険料設定のあり方につきまして、どう考えるかということで、改めて御意見をいただければ幸いでございます。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
この案件、被用者保険の方から常に見直しをという御要望があって、28年もその検討をしたということで説明があったとおりでございますので、論点が出ております。いかがでございましょうか。
佐野委員、お願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
まず、資料を出していただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
一方で、今、適用対象の多くはもともとの制度の趣旨とは違って、完全にリタイアをした退職者が対象になっています。先ほどの議題にもありましたけれども、被用者は被用者保険に入るべきという考えに基づいて、さらに短時間労働者の適用拡大をしようとしているわけですから、退職後も被用者保険に加入し続けるという制度は問題意識が高まっていると思っております。
そういう面で、この見直しの議論をぜひスピードアップしていただきたいと思いますし、また、いまありましたように、この資料が全部28年度の資料になっていますので、ここは直近のデータを出していただきたいと思います。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
ほかにいかがでございましょう。
石上委員、お願いします。
○石上委員 資料4の10ページを見ると、イメージ的には60歳以上が対象と思っているのですけれども、実際には現役世代もかなり入っている状況が見えているので、その意味でいうと、現在20歳代から50歳代でこの制度を使っている人たちがどのようになっていくのか、こうした人たちに不利益のないような丁寧な実態把握が必要ではないかと思います。慎重な検討をお願いしたいと思います。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
安藤委員、お願いします。
○安藤委員 ありがとうございます。
3ページにありますとおり、制度本来の意義がこの任継制度では失われておりまして、現在は国保への移行に伴う保険料負担の激変緩和が主な実態と見られていると思います。
そういう意味では、制度本来の意義が失われました以上は、廃止の方向で議論することが自然の流れであると思いますが、一方で、さまざまな就労形態の方がいらっしゃることを考慮すると、直ちに廃止するということは難しいと思います。従いまして、将来的な廃止を前提としつつ、まずは4ページの論点に記載されているとおりの見直しをしていただければと考えます。
一方、私どもが所管しております船員保険につきましても同様の制度があるのですけれども、この船員の方々につきましては、一定期間、休みなく海上で就労し、そして、一定期間失業するというサイクルを繰り返す場合も多く、健康保険の加入者とは仕事の性質が非常に異なっておりまして、この部分につきましては留意が必要であると考えておりますので、御対応をよろしくお願いいたします。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
松岡参考人、お願いします。
○松岡参考人 本日、全国市長会からの委員である前葉市長の代理として出席させていただきました。
任継制度ですけれども、御説明にもありましたとおり、現在では国保への移行に伴う保険料負担の激変緩和、それから、退職者の医療を保障するといった役割があるものと認識しております。
これまで全国市長会として、任継制度の加入要件の引き上げ、資格期間の短縮につきましては、国保制度への影響ということを踏まえまして、慎重に判断していただきたいと要望してきたところでございます。御承知のとおり、国保につきましては、高齢者の被保険者の割合が高いということで医療費水準が高く、一方では所得水準が低いといった構造的問題を抱えておりますことから、非常に厳しい財政状況となっておりまして、国保の安定的な運営には大変苦慮しているところでございます。
お示しいただいた資料4の6ページでは、粗いという説明ではございましたけれども、加入要件で100億円、被保険者期間で200億円と、見直しによりまして、国保には大きな影響があることが示されております。国保制度については前回これを御議論いただいた28年度からどういうことがあったかといいますと、平成30年4月から財政運営の都道府県単位化がなされまして、公費投入の拡大も受けまして、基盤強化に向けて取り組んでいるところでございますけれども、さらにこれだけの規模の財政的な影響が出てくる見直しについては、市町村の保険者の立場からは容認しがたいものがあるところでございます。
また、任継制度の被保険者制度につきましては、制度上2年となってございますが、資料の3ページにありますように、国保の現場では保険料負担の激変緩和に使用されている状況もございまして、退職後に所得がない方が国保に移って最大2年間は退職前の高い所得に基づいて保険料を算定されてしまうケースがあることを考えますと、この期間は短縮すべきではないと我々は考えます。
特に退職して所得がないという場合、前年度よりも高い保険料の納付をお願いいたしますので、滞納といった状態にならざるを得ない方が一定割合出てくることが予想されます。このことは、市町村の現場においても加入者等のトラブルのもととなる可能性がございますし、収納事務の煩雑化を来すことにもなります。
また、加入要件となる勤務期間を1年に延ばすことにつきましても、短期間の労働者等が任継制度を利用できなくなるなど、比較的弱い立場の方にしわ寄せが回る可能性があるということも前回の御意見で書かれておりましたけれども、定期的な所得がないときの自治体としての保護のあり方とか、被保険者の出入りが煩雑になるということについて、市町村事務コストも増大してくることが懸念されるところでございます。
国保制度につきましては、一定の基盤強化が図られてきたとはいうものの、これから団塊の世代が70歳以上になって、さらなる医療費の増加が懸念されております。前期高齢者医療制度、任継制度など、医療保険全体でもって対応していただきたいということで、全国市長会といたしましては、国保の財政負担が増大する、不安定になるという見直しにつきましては、今後とも慎重な御検討をいただきたいということを申し上げておきたいということで、よろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
○遠藤部会長 どうもありがとうございます
ほかに何か御意見はございますか。
家保参考人、お願いします。
○家保参考人 昨年度より国保の保険者となりました都道府県の立場からもお話しさせていただきます。
所得に応じた負担というのは大原則でございます。ただ、職域の保険と地域の保険で所得の把握時期が異なるという制度の違いに起因する、退職後の負担能力を大きく上回る保険料負担を当事者の方々に一方的に強いることを避けるという意味での任意継続の制度だと思いますので、職域、地域の二本立ての現行医療保険制度を続けるのならば、ある程度維持するべきではないかと思います。
特に退職の時期によって負担が変わってくるようなことを避ける意味での2年間ということでもあるかと思いますし、また、今後の働き方改革により短期間の雇用など、いろいろな部分で変わってまいりますので、その点を十分に踏まえた上で、先ほどお話がありましたような、健康保険の対象者の拡大などとあわせて慎重に対応していただくことが必要ではないかという意見でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
横尾委員、お願いします。
○横尾委員 ありがとうございます。
私も首長でありますので、実態として国民健康保険のことを見ていますし、後期高齢者医療のこと、また、この会議を通じて各保険者の方の御苦難、御苦心、いろいろなことも勉強させていただいています。それで感じるところを述べたいと思っています。
いろいろな制度がございますけれども、一つ印象深いのは、10ページで先ほど御指摘があったのですが、56%の方が60歳を待たずして継続被保険者として活用されているという実態があるからには、これを改めたことについては慎重に考えたほうがいいかという印象を持っています。わけても、最近は65歳定年ですとか、この先は70歳にするかという議論もございますので、それぞれの事情やそれぞれの個人の方の御事情もあると思うのですけれども、こういったところをきちんとカバーしていくことで医療へのアクセスを保障するという大切な役割があるのではないかと感じています。
一方では、先ほど御意見もありましたように激変緩和という役割がございまして、就職している段階の所得で料金が決まってしまうと退職後に大変な負担になって、確かに滞納等が発生する危険性を非常に感じているところです。そういうことから、ぜひここら辺についても慎重な検討、慎重な取り扱いが大事ではないかと改めて思っています。
また、運営面で、先ほど少し松岡参考人もおっしゃっいました。我々も首長として、都道府県単位での国民健康保険の運営については、医療費の適正化も含め、健康増進の健康チェックも含めてしっかりやろうという意味で改革が着手され、それをスタートしたところでございます。そういったことの効果なども片方で見ながら、しっかりとやっていくことが重要ではないかと思っています。
特に都道府県レベルがこの国保改革に本気で取り組んでいただくようになったのは、医療費に関する若干の制度的な配慮もあって前向きに入られた経緯がありますので、いきなりここでまた負担増という形になってしまうと、戻ることはないと思うのですが、取り組みが硬直化してしまうともったいない話ですので、そういった意味では私もここは慎重な対応が必要ではないかと感じているところです。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございました。
ほかにいかがですか。
松原委員、お願いします。
○松原委員 後期高齢者制度をつくるときにもこれは議論がございました。目的が達成されて皆保険となった以上はこれが不要なのではないかという御意見もあります。確かにそのとおりであります。ただ、現実問題としては国保に入るときに金額が余りに違うので、その方たちが病気をした上に職を失って、さらに国民健康保険の加入料が高くなるというのは大変ではないかということで議論した記憶がございます。
そういったもので見ますと、4ページ、2番目の2年間というのは、要するに国保に入る間の緩和措置で対応するということであると思います。3番目の部分は、もし病気をして体を壊して会社をやめて収入がなくなった方に対して、同じ金額で計算するというのは大変だということでこのような形になっていると思います。一番上のところ、確かに就業形態は先ほどの船員保険の問題もありますけれども、いろいろとあるとは思いますが、強制的にこれを2か月以上とする必要があるのかどうか。例えば1年以上を原則としておいて、各々の健康保険組合で選べるような仕組みもあるべきかと思います。
いずれにしても将来においては、制度としては目的を達したものでありますので見直していくべきだと思いますし、現実に合わせて、それまで働いていた方々が会社をやめて急遽大変なことにならないように支えるという意味でも、こういった制度を残す意味はあると思います。
したがって、加入要件のところを少し緩和することから始めるという手もあるのではないかと思っているところでありますが、最終的には役目が終わった制度だと考えます。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
ほかにありませんか。
堀委員、お願いします。
○堀委員 今の松原委員の意見にも少し近いのですが、平成28年に議論したときにも軽減措置という今果たしている機能を否定する人はいなかったと思いますが、一方で、制度の趣旨、目的に合っていないということは、たしか厚生労働省の方も認めていたと思うのです。
ですので、先ほどの診療報酬でも2025年、2040年という議論がありましたけれども、直近ですぐできなかったとしても、将来的には廃止する方向で検討することになっていたと思いますので、真摯に廃止の検討をすべきではないでしょうか。制度の趣旨と違う機能を実態として果たしているとしでも、その機能が本当に必要なのか検証し、必要だとしても任意継続でそれを対応すべきなのか、別の制度をきちんとつくるほうが良いのではないでしょうか。制度設計上、制度の目的と違う形で結果として使われているというのはおかしな話ですし、時代の変化が、あるべき制度の目的が変わっていくというのは、その存在意義を説明するのが難しいと思いますので、実態を把握した上で時代に合わせて制度を見直すことを検討したほうがいいと思います。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。
大体御意見は出尽くしたかと思いますので、ほかに御意見がなければ、本議題はこれまでとさせていただきます。この件につきましては引き続き検討していくということだと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後に、佐野委員、安藤委員、藤原委員、藤井委員、石上委員より、連名で資料が提出されております。御発言等があればお願いしたいと思います。
佐野委員、お願いします。
○佐野委員 それでは、私から代表して、1点だけ御報告をさせていただきます。
このファイルナンバー13につけておりますけれども、11月8日に厚生労働大臣宛てに被用者保険の5団体、協会けんぽ、経団連、日商、連合、私ども健保連でもって、医療保険制度改革に向けた共同の意見書を提出いたしました。
また、厚労大臣に続いて、11月14日には西村全世代型社会保障改革担当大臣にも同じ内容のものを提出しております。
参考資料を添付しておりますけれども、きょうは詳細説明はいたしませんけれども、中ではやはり20代から、要は現役世代の負担が非常に重たくなっているというグラフもつけておりますので、給付と負担のアンバランス、この是正に向けた検討を早急にお願いしたいということを申し出ております。
以上でございます。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
報告事項でありますけれども、本件について何かありますか。よろしゅうございますか。
ありがとうございました。
若干予定していた時間より前でございますけれども、もし全体を通して何かあればお伺いいたしますが、いかがでしょう。
松原委員、お願いします。
○松原委員 最後の意見、御主張はよくわかるのですが、何度も申し上げましたように、現役から高齢者への所得移転が強まっているということだけで判断すべきではなくて、国民全体で国民の皆さんを助けるという概念が重要です。そういったことから考えますと、何度も言っておりますが、今の高齢者の方々、この日本の国を築いた、ダムにしろ、交通網にしろ、大変な国民の財産を全て築いていただいたわけであります。今、維持費だけでそれを使えているというのは高齢者の方々の大変な努力によるものであります。単純に若い人たちが負担して高齢者に所得移転をしているという議論だけではなくて、国民が国民を支えるという概念で考えないとおかしいと思います。
特に健康保険制度、国民皆保険制度が整っていて、しかも、国民の皆さんが安心してよい医療が受けられる制度というのは、日本国だけであります。ほかに私的な保険に入って対応している国は多々ございますが、日本国だけがこの制度を完全にできています。一つは、保険者の方々が非営利団体であるということであります。株式会社がまじっていないので利益をそこから吸い上げなくても、全て国民に給付できる。この仕組みを持っているのは日本だけであります。
この数年間消費税が上げられなくて、大変大きな国庫負担が起きて財務的なマイナスがあるのは事実であります。しかし、病気になったときに、どのようなお年になっても痛みを取って健康になりたい、この気持ちは若い人だけではなくて、お年寄りもみんな同じであります。不必要な医療は避けねばなりませんが、新しい良い医療ができたらそれが十分に給付できる国であることをこのまま維持できるように頑張っていくべきだと思います。
そのためには、今までの発想ではなく新たな発想で、国民の健康は国が守るのだといった仕組みをきちんと考えていただきたいと思っています。
以上です。
○遠藤部会長 ありがとうございます。
ほかに全体を通じて何か御発言はありますか。よろしゅうございますか。
ありがとうございました。それでは、本日はこれまでとさせていただきたいと思います。
次回の開催日につきましては、追って事務局より御連絡をいたします。
本日は御多忙の折、積極的な御議論をいただきまして、どうもありがとうございました。