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【照会先】
医薬・生活衛生局総務課国際薬事規制室室 長:安田 尚之(4223)
専門官:岩瀬 怜(4224)
(代表電話) 03 (5253) 1111
(直通電話) 03(3595) 2431
第9回医薬品規制調和国際会議(ICH)が開催されました
~3つのガイドラインを新たに採択、各国の薬事規制に取り込みへ~
令和元年11月16日から21日まで、第9回医薬品規制調和国際会議(ICH)が開催され(於:シンガポール)、主に以下の進捗がありました。
1.以下の3ガイドラインをICH総会で採択
・Q12:医薬品のライフサイクルマネジメントガイドライン
・E9(R1):臨床試験のための統計的原則 補遺
・M9:BCS(Biopharmaceutics Classification System)に基づくバイオウェーバーガイドライン
今後、ICHメンバーの各国・地域の薬事規制の中に取り込まれる予定です。
2.以下の2トピックについてガイドライン作成のための作業開始に合意
・M13:即放性経口固形製剤の生物学的同等性試験
・Q3E:不純物:医薬品及び生物製剤の溶出物及び滲出物(E&L)の評価と管理
今後、専門家の募集が行われ、正式に作業部会が発足する予定です。
3.ICH管理委員会の副議長に引き続き日本から選出
次回は、令和2年5月23日から28日まで、カナダのバンクーバーで開催予定です。以下では、本会合の進捗について詳細を説明します。
※ ICH(International Council for Harmonization of Technical Requirements for Pharmaceuticals for human use、医薬品規制調和国際会議) は、医薬品の品質・有効性・安全性の評価等に係る技術的なガイドラインを協働作成することで、各国の規制の調和等に貢献しています。本組織の詳細については、ICH法人の設置に関する平成27年10月26日付け厚生労働省プレスリリースをご覧下さい。
1.ICHガイドラインの作成等の進捗について
(1)ガイドラインの採択
今回会合では、以下の3ガイドラインがICH総会で採択されました(ステップ4)。今後、ICHメンバーの各国・地域において、翻訳や必要な国内手続きを経て、薬事規制の中に取り込まれる予定です。
(2)ガイドライン作成の作業開始の合意
以下の2つのトピックについて、ガイドライン作成のための作業開始が合意されました。今後、ICHメンバー、オブザーバーから専門家が募集され、コンセプトペーパー及びビジネスプランを作成し、正式に作業部会が発足する予定です。
なお、M13は、ジェネリック医薬品に関するICH内の検討グループであるIGDG(Informal Generic Discussion Group)で議論が行われ、今回会合でトピック提案に至ったものです。Q3Eは、前回のアムステルダム会合でトピック採択について合意されていたものの作業開始が延期され、今回改めて作業開始が合意されたものです。
また、Q9(品質リスクマネジメントに関するガイドライン)の改訂がEC/EMAより提案され、今回会合でトピック採択が合意されました。ただし、現在作業中である他の品質関係のトピックを優先し、作業開始は延期されることになりました。
2.ICHの組織・運営に関する点
(1)総会、管理委員会の議長、副議長の改選
ICHの主要な意思決定は、全団体が参加する総会と、主要メンバーにより構成され、総会の議論の準備やICH法人の運営を行う管理委員会で行われています。今回会合では、任期満了に伴い総会、管理委員会の議長、副議長の改選が行われ、下表のとおり選出されました(いずれも前期からの再選)。
(2)ブラジルから管理委員会メンバー選出
ICH管理委員会は、創設規制当局メンバー、創設産業界メンバー、常任規制当局メンバーに加え、規制当局メンバー及び産業界メンバーから選挙で選出された代表者で構成されます。
今回会合において、空席になっていた規制当局メンバーの議席に、ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)の代表者が選出されました。
3.国際薬事規制当局プログラム(IPRP)の活動について
ICHに併せて開催されたIPRP(参考2参照)では、各国の薬事規制の最新のトピックについて情報交換するとともに、reliance(承認審査などで他の規制当局の評価結果を考慮し、活用すること)等について意見交換を行いました。
なお、IPRP会合の議長は、今回会合より、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)国際部の佐藤淳子部長が務めています。
(参考1)ICH参加団体一覧(令和元年11月時点)
※・・・管理委員会メンバー
【メンバー(16団体)】
〇創設規制当局メンバー(3):厚生労働省/医薬品医療機器総合機構(MHLW/PMDA)(※)、米国食品医薬品局(FDA)(※)、欧州委員会/欧州医薬品庁(EC/EMA)(※)
〇創設産業界メンバー(3):日本製薬工業協会(JPMA)(※)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)(※)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)(※)
〇常任規制当局メンバー(2):ヘルスカナダ(※)、スイスメディック(※)
〇規制当局メンバー(5):ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)(※)、中国国家医薬品監督管理局(NMPA)(※)、シンガポール保健科学庁(HSA)(※)、韓国食品医薬品安全処(MFDS)(※)、台湾食品薬物管理署(TFDA)
〇産業界メンバー(3):バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO)(※)、国際ジェネリック・バイオシミラー医薬品協会(IGBA)(※)、世界セルフケア連盟(GSCF)
【オブザーバー(32団体)】
〇常任オブザーバー(2):世界保健機関(WHO)、国際製薬団体連合会(IFPMA)
〇規制当局オブザーバー(17):アルゼンチン医薬品食品医療技術管理局(ANMAT)、インド中央医薬品基準管理機構(CDSCO)、キューバ国家医薬品医療機器管理機関(CECMED)、メキシコ連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)、イスラエル保健省医薬品・監督センター(CPED)、コロンビア医薬品食品監督庁(INVIMA)、ヨルダン食品医薬品局(JFDA)、モルドバ医薬品医療機器庁(MMDA)、イラン国家規制当局(NRA)、マレーシア国家医薬品規制庁(NPRA)、南アフリカ医療製品規制当局(SAHPRA)、カザフスタン国家医薬品医療機器専門機関、ロシア連邦保健・社会発展省(Roszdravnadzor)、アルメニア医薬品医療技術専門科学センター(SCDMTE)、サウジアラビア食品医薬品局(SFDA)、オーストラリア医療製品管理局(TGA)、トルコ医薬品医療機器庁(TITCK)
〇地域調和イニシアティブ(6):東南アジア諸国連合(ASEAN)、アジア太平洋経済協力(APEC)、東アフリカ共同体(EAC)、湾岸協力理事会(GCC)、汎アメリカ医薬品規制調和ネットワーク(PANDRH)、南部アフリカ開発共同体(SADC)
〇業界団体オブザーバー(1):医薬品原薬委員会(APIC)
〇医薬品関連国際団体(6):ビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)、国際医学団体協議会(CIOMS)、欧州医薬品医療品質部門(EDQM)、国際医薬品添加物機関(IPEC)、医薬品査察協同スキーム(PIC/S)、米国薬局方(USP)
(参考2)IPRP
IPRP(International Pharmaceutical Regulators Programme、国際薬事規制当局プログラム)は、日本、米国、EU、カナダ、スイス等29か国・地域の規制当局が参加し、ICHでは取り扱わない規制当局間の協力や、規制情報に関する交換等を実施しています。年2回、ICHに併せて対面会合を開催します。
1.以下の3ガイドラインをICH総会で採択
・Q12:医薬品のライフサイクルマネジメントガイドライン
・E9(R1):臨床試験のための統計的原則 補遺
・M9:BCS(Biopharmaceutics Classification System)に基づくバイオウェーバーガイドライン
今後、ICHメンバーの各国・地域の薬事規制の中に取り込まれる予定です。
2.以下の2トピックについてガイドライン作成のための作業開始に合意
・M13:即放性経口固形製剤の生物学的同等性試験
・Q3E:不純物:医薬品及び生物製剤の溶出物及び滲出物(E&L)の評価と管理
今後、専門家の募集が行われ、正式に作業部会が発足する予定です。
3.ICH管理委員会の副議長に引き続き日本から選出
次回は、令和2年5月23日から28日まで、カナダのバンクーバーで開催予定です。以下では、本会合の進捗について詳細を説明します。
※ ICH(International Council for Harmonization of Technical Requirements for Pharmaceuticals for human use、医薬品規制調和国際会議) は、医薬品の品質・有効性・安全性の評価等に係る技術的なガイドラインを協働作成することで、各国の規制の調和等に貢献しています。本組織の詳細については、ICH法人の設置に関する平成27年10月26日付け厚生労働省プレスリリースをご覧下さい。
1.ICHガイドラインの作成等の進捗について
(1)ガイドラインの採択
今回会合では、以下の3ガイドラインがICH総会で採択されました(ステップ4)。今後、ICHメンバーの各国・地域において、翻訳や必要な国内手続きを経て、薬事規制の中に取り込まれる予定です。
ガイドライン名 | 内容 |
Q12:医薬品のライフサイクルマネジメントガイドライン | 承認後における、医薬品の製造工程及び品質管理等の変更のマネジメントに関するガイドライン。 |
E9(R1):臨床試験のための統計的原則 補遺(臨床試験におけるestimandと感度分析) | 1998年に合意されたE9ガイドライン(臨床試験のための統計的原則)の補遺として、臨床試験の統計解析におけるestimand※の概念を示し、感度分析等について解説するガイドライン。 ※ 試験の目的に基づき、統計解析で何を推定するのかを詳細に示すもの |
M9:BCS(Biopharmaceutics Classification System)に基づくバイオウェーバーガイドライン | 医薬品の化学的性質による分類(Biopharmaceutics Classification System、生物薬剤学的分類システム)に基づき、人による生物学的同等性試験が免除される場合についてのガイドライン。 |
(2)ガイドライン作成の作業開始の合意
以下の2つのトピックについて、ガイドライン作成のための作業開始が合意されました。今後、ICHメンバー、オブザーバーから専門家が募集され、コンセプトペーパー及びビジネスプランを作成し、正式に作業部会が発足する予定です。
トピック名 | 内容 |
M13:即放性経口固形製剤の生物学的同等性試験 | 即放性経口固形製剤の生物学的同等性試験に関し、試験デザインやデータ解析に関するガイドラインの作成を目指すもの。 |
Q3E:不純物:医薬品及び生物製剤の溶出物及び滲出物(E&L)の評価と管理 | 医薬品の容器等から溶け出た不純物の測定法・管理基準を定めるガイドラインの作成を目指すもの。 |
なお、M13は、ジェネリック医薬品に関するICH内の検討グループであるIGDG(Informal Generic Discussion Group)で議論が行われ、今回会合でトピック提案に至ったものです。Q3Eは、前回のアムステルダム会合でトピック採択について合意されていたものの作業開始が延期され、今回改めて作業開始が合意されたものです。
また、Q9(品質リスクマネジメントに関するガイドライン)の改訂がEC/EMAより提案され、今回会合でトピック採択が合意されました。ただし、現在作業中である他の品質関係のトピックを優先し、作業開始は延期されることになりました。
2.ICHの組織・運営に関する点
(1)総会、管理委員会の議長、副議長の改選
ICHの主要な意思決定は、全団体が参加する総会と、主要メンバーにより構成され、総会の議論の準備やICH法人の運営を行う管理委員会で行われています。今回会合では、任期満了に伴い総会、管理委員会の議長、副議長の改選が行われ、下表のとおり選出されました(いずれも前期からの再選)。
議長 | 副議長 | |
ICH総会 (任期2年) |
Ms. Lenita Lindstrom-Gommers(欧州EC/EMA) | Dr. Celia Lourenco(カナダHealth Canada) |
ICH管理委員会 (任期1年) |
Dr. Theresa Mullin(米国FDA) | 中島宣雅(日本、PMDA審議役(国際担当)) |
(2)ブラジルから管理委員会メンバー選出
ICH管理委員会は、創設規制当局メンバー、創設産業界メンバー、常任規制当局メンバーに加え、規制当局メンバー及び産業界メンバーから選挙で選出された代表者で構成されます。
今回会合において、空席になっていた規制当局メンバーの議席に、ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)の代表者が選出されました。
3.国際薬事規制当局プログラム(IPRP)の活動について
ICHに併せて開催されたIPRP(参考2参照)では、各国の薬事規制の最新のトピックについて情報交換するとともに、reliance(承認審査などで他の規制当局の評価結果を考慮し、活用すること)等について意見交換を行いました。
なお、IPRP会合の議長は、今回会合より、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)国際部の佐藤淳子部長が務めています。
(参考1)ICH参加団体一覧(令和元年11月時点)
※・・・管理委員会メンバー
【メンバー(16団体)】
〇創設規制当局メンバー(3):厚生労働省/医薬品医療機器総合機構(MHLW/PMDA)(※)、米国食品医薬品局(FDA)(※)、欧州委員会/欧州医薬品庁(EC/EMA)(※)
〇創設産業界メンバー(3):日本製薬工業協会(JPMA)(※)、米国研究製薬工業協会(PhRMA)(※)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)(※)
〇常任規制当局メンバー(2):ヘルスカナダ(※)、スイスメディック(※)
〇規制当局メンバー(5):ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)(※)、中国国家医薬品監督管理局(NMPA)(※)、シンガポール保健科学庁(HSA)(※)、韓国食品医薬品安全処(MFDS)(※)、台湾食品薬物管理署(TFDA)
〇産業界メンバー(3):バイオテクノロジーイノベーション協会(BIO)(※)、国際ジェネリック・バイオシミラー医薬品協会(IGBA)(※)、世界セルフケア連盟(GSCF)
【オブザーバー(32団体)】
〇常任オブザーバー(2):世界保健機関(WHO)、国際製薬団体連合会(IFPMA)
〇規制当局オブザーバー(17):アルゼンチン医薬品食品医療技術管理局(ANMAT)、インド中央医薬品基準管理機構(CDSCO)、キューバ国家医薬品医療機器管理機関(CECMED)、メキシコ連邦衛生リスク対策委員会(COFEPRIS)、イスラエル保健省医薬品・監督センター(CPED)、コロンビア医薬品食品監督庁(INVIMA)、ヨルダン食品医薬品局(JFDA)、モルドバ医薬品医療機器庁(MMDA)、イラン国家規制当局(NRA)、マレーシア国家医薬品規制庁(NPRA)、南アフリカ医療製品規制当局(SAHPRA)、カザフスタン国家医薬品医療機器専門機関、ロシア連邦保健・社会発展省(Roszdravnadzor)、アルメニア医薬品医療技術専門科学センター(SCDMTE)、サウジアラビア食品医薬品局(SFDA)、オーストラリア医療製品管理局(TGA)、トルコ医薬品医療機器庁(TITCK)
〇地域調和イニシアティブ(6):東南アジア諸国連合(ASEAN)、アジア太平洋経済協力(APEC)、東アフリカ共同体(EAC)、湾岸協力理事会(GCC)、汎アメリカ医薬品規制調和ネットワーク(PANDRH)、南部アフリカ開発共同体(SADC)
〇業界団体オブザーバー(1):医薬品原薬委員会(APIC)
〇医薬品関連国際団体(6):ビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)、国際医学団体協議会(CIOMS)、欧州医薬品医療品質部門(EDQM)、国際医薬品添加物機関(IPEC)、医薬品査察協同スキーム(PIC/S)、米国薬局方(USP)
(参考2)IPRP
IPRP(International Pharmaceutical Regulators Programme、国際薬事規制当局プログラム)は、日本、米国、EU、カナダ、スイス等29か国・地域の規制当局が参加し、ICHでは取り扱わない規制当局間の協力や、規制情報に関する交換等を実施しています。年2回、ICHに併せて対面会合を開催します。