令和元年11月22日 第4回障害児入所施設の在り方に関する検討会 福祉型ワーキンググループ(議事録)

日時

令和元年11月22日(金)
14:30~16:30

場所

中央労働委員会会館 6階 612会議室

出席者

構成員

議題

  1. (1)最終報告書(案)に向けての追加事項等について
  2. (2)その他

第4回 障害児入所施設の在り方に関する検討会 福祉型ワーキンググループ 議事録

 
○鈴木障害児支援専門官 では、少しお時間が早いのですけれども、皆様おそろいですので、始めさせていただきたいと思います。
皆様、こんにちは。これより第4回「障害児入所施設の在り方に関する検討会 福祉型ワーキンググループ」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、お足元の悪い中、また、大変お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
先日皆様に御連絡させていただきましたとおり、福祉型ワーキンググループは、今回で最後とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
なお、佐々木構成員、市川構成員からは、御都合により御欠席との御連絡をいただいております。
本会議は、資料、議事ともに原則公開としており、議事録については、後日、厚生労働省のホームページに掲載予定となっております。
また、ホームページでも御案内していますとおり、厚生労働省における審議会等のペーパーレス化の推進として、本検討会の資料は紙配付を行っておりません。御不便おかけいたしますが、御協力をお願い申し上げます。
構成員の皆様には、卓上にタブレットを設置しておりますので、使い方または御不備がございましたら、事務局までお問い合わせください。
カメラ等の撮影は、ここまでとさせていただきます。
(カメラ退出)
それでは、以後の進行を柏女主査、よろしくお願いいたします。

○柏女主査 皆さん、こんにちは。
11月に公表がずれ込みましたけれども、11月に中間報告が取りまとめられ、それを踏まえて、皆様方のところでも一定の議論が行われてきたのではないかと拝察いたします。
きょうはそれも踏まえて、かつ、中間報告の中で、まだ十分に議論が尽くされていないところを中心に、きょうの分科会は、言わば補足的に持つという形になるかと思います。
それを受けて、医療側も1回開催いたしますので、それを受けて本委員会を次回開催して取りまとめに入るという形にさせていただきたいと思います。
それでは、早速議事に入っていきたいと思います。
まず「(1)最終報告書(案)に向けての追加事項等について」ですけれども、今、申し上げましたように中間報告の取りまとめは終わっておりますので、まずは事務局から中間報告の概要説明と、事務局のほうで私と相談もさせていただきまして、残された検討課題と考えていることについて、お話をさせていただきたいと思います。その上で、それぞれについて御意見を頂戴し、最後に委員の方々から全体を通じて御意見を頂戴したい。きょうは2時間、こんな流れで進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、中間報告の説明等をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○鈴木障害児支援専門官 よろしくお願いいたします。
それでは、まず、中間報告の御説明をさせていただきます。中間報告作成につきまして、皆様からのたくさんの意見出し等の御協力、本当に大変ありがとうございました。
それでは、内容を御説明させていただきます。資料1「障害児入所施設の在り方に関する検討会中間報告」をごらんください。
1から2ページ目の「1.はじめに」「2.障害児入所施設の現状」につきましては、お時間もありますので割愛させていただきます。
3ページ目から、「3.障害児入所施設改革に関する基本的視点と方向性」についてごらんいただければと思います。
こちらは「平成26年の今後の障害児支援の在り方について」の報告書におきまして、「基本理念」として4つの基本的な視点が挙げられておりました。
「地域社会への参加・包容の推進と合理的配慮」「障害児の地域社会への参加・包容を子育て支援において推進するための後方支援としての専門的役割の発揮」「障害児本人の最善の利益の保障」「家族支援の重視」、この基本的視点と、さらに現在の障害児入所施設の課題や関連するほかの施策の動向等を踏まえ、この中間報告では、基本的視点と方向性を記載させていただいております。
「(1)基本的視点」ですけれども、今まで御議論いただいたとおりでございますが、子供と特定の大人との愛着関係の形成こそが、子供のその後の発達にとって最も重要であるということ。そして、何より子供のウェルビーイングにそうした環境が不可欠であるということ。このことは障害児童であっても例外ではないこと
それから、最後の段落でございますが、障害児入所施設に入所している児童は、障害があるということに加え、何らかの理由があって自宅で暮らすことができない状況があるかと思います。また、そのような状況の中、障害児本人の最善の利益の保障をする観点から、障害児入所施設の機能を考えることが必要であることなどを基本的視点として書かせていただいております。
続きまして、4ページに行かせていただきます。「(2)基本的な方向性」につきましてです。
まず1点目、ウェルビーイングの保障ですけれども、できる限り良好な家庭的環境、愛着関係の中で育ちを保障すること、ウェルビーイングの向上を目指すということ。
2点目で、最大限の発達の保障です。最大限の発達を保障するために、障害児入所施設はライフステージを通じて子供の育ちを支援する。発達段階や障害特性に応じて、個々に配慮した環境設定、支援を行う必要があるということ。
3点目で、専門性の保障についてです。ケアニーズの高い入所児童への対応として、専門職の配置や専門性向上のための研修などにより、専門性の向上を図る。
4点目が質の保障になります。障害児入所施設においても、児童発達支援、放課後等デイサービスガイドラインのように運営指針を作成し、それに沿った運営、支援が行われる必要があることや、自己評価や第三者評価の仕組みを導入する必要がある旨を記載しています。
最後に5点目ですけれども、包括的支援の保障ということで、障害児本人の状態像や取り巻く環境等の影響から、子育てに不安や孤立感を覚える家庭もあると考えられるため、地域全体で支える仕組みが重要であるということを協調させていただいております。
また、地域共生社会を目指すという観点からも、障害児施策だけで完結するのでなく、他施策と連携し、包括的に課題に対応していく必要があることから、包括的支援の保障について書かせていただいております。
方向性については、以上の5点でまとめさせていただいております。
続きまして6ページの後段あたりからですけれども、「4.施設種別ごとの課題と今後の方向性」になります。
まず、福祉型について御説明をさせていただきます。
「1)発達支援機能」についてですけれども、「1、家庭的な養育環境の推進」ですが、障害児入所施設における支援は、障害に対する正確な理解と、障害特性に応じた環境の提供に加え、できる限り良好な家庭的環境の中で、特定の大人との継続的で安定した愛着関係のもとで行われる必要がある。ユニット化等によりケア単位の小規模化を推進すべきである。
また、新たに地域小規模障害児入所施設(障害児グループホーム)(仮)を導入することについても検討すべきである。また、この地域小規模障害児入所施設を設置する際には、地域の実情を考慮し、単独での設置もできるよう検討すべきである。
「2、専門性の高い支援」についてです。
ケアニーズの高い入所児童が多くなっており、こうした複合的な課題を抱える障害児に対して特にきめ細かい支援が必要になることから、さらなる支援を図る必要がある。また、視覚障害、聴覚障害のある子供には、環境整備や支援機器の適切な活用も大切であるということ。あわせて、医療機関や医師・看護師等の専門職との連携を強化すべきであるとさせていただいています。
「2)自立支援機能」についてです。
「1、自立に向けた支援の強化」ですが、ソーシャルワーカーの配置等の促進について検討すべきである。その際、児童発達支援管理責任者の責務を確認し、ソーシャルワーカーとの関係を整理する必要がある。また、ソーシャルワーカーの配置等の促進とともに、関係者・関係機関による協議が行われるような体制整備を図る必要性を次期障害児福祉計画や運営指針等の中で明示することを検討すべきである。
「2、18歳以上の障害児入所施設入所者への対応(いわゆる「過齢児問題」)」です。
入所児童の最善の利益を保障する観点からは、地域や多施設に適切な受け皿がないのに、18歳以上となったことをもって強制的に退所させられることにより、本人が行き場のない状態に陥ることがあってはならないということ。このため、障害児入所施設も児童福祉施設であるという原則に立ち返り、福祉型については満18歳をもって退所する取り扱いを基本とすべきである。また、令和3年3月31日までとされている過齢児の経過措置のあり方については、次期障害児福祉計画への位置づけも含めて、最終報告までに福祉型ワーキングで議論すると書かせていただいておりますので、きょうこの後、御議論をいただければと思います。
「3)社会的養護機能」になります。
「1、被虐待児等の増加を踏まえた支援力の強化」。
障害児入所施設が社会的養護機能を発揮することが求められている。支援に当たり、高い専門性が求められるケースも少なくない。このため、支援力を強化する観点から、心理的ケアを行う専門職の配置の推進や、職員に対するさらなる研修等を行うべきである。また、児童相談所との連携が不可欠である。
「2、児童養護施設との連携強化」になります。
児童養護施設、乳児院や里親、ファミリーホームでも多くの障害児を受け入れている現状があり、お互いのノウハウや専門性を学び合うことにより、新たな課題への対応力を高めていくことが求められている。保育所等訪問支援事業の対象に児童養護施設や乳児院が追加されましたので、障害児入所施設がこうした事業の担い手となり、その専門性を児童養護施設等にも伝えていくことが期待されている。
「4)域支援機能」です。
こちらは「家庭支援専門相談員の配置の必要性」ということで、地域のニーズに十分に応えるだけのマンパワーが不足しているため、家庭支援専門相談員の配置が必要であるということ。
また、障害児の代替養育として、里親、ファミリーホームに委託されていることも多いことから、障害児入所施設が里親フォスタリング機関として委託を受けるなど、障害児を委託されている里親ファミリーホームを支援する必要もある。
「5)その他」になります。
「○職員の配置基準」です。
障害児入所施設につきましては、例えば旧知的障害児入所施設の基本配置は、昭和51年に4.3:1となって以来引き上げられていない。このため、福祉型障害児入所施設の基本配置について、子供として適切な愛着形成を図る観点、また、ケアニーズの高い子供たちをより専門的できめ細かく支援する観点からも、質、量ともに強化が必要である。・少なくとも児童養護施設の目標水準並みを目指して引き上げを図るべきであるとさせていただいています。
ここまでが福祉型の説明になります。
今回は、医療型の御説明に関しましては、後の議論のお時間等もありますので、割愛させていただきます。後でごらんになっていただければと思います。
続きまして、13ページをお開きください。後段のほうに「(3)福祉型・医療型に共通する課題と今後の方向性」を書かせていただいております。
まず「1、契約入所と措置入所の整理」につきまして、以前ワーキング内にて御説明、また、本日も添付させていただいております参考資料3、4の中で一定程度整理されているところでございますが、この内容の再周知であったり、また、状況について継続的な把握などをすべきであるということ。
「2、質の確保・向上」は、質の確保・向上を図る仕組みの導入の検討が必要ではないかということ。また、本会で個別支援計画について意見がございましたけれども、その確保・向上の中で、次の14ページ、2の下から2行目のところで「個別支援計画」という文言でなく、基準省令上は「入所支援計画」という名前になっておりますので、そちらの記載で、「各施設で障害児一人一人に作成されている入所支援計画の内容と運営指針の内容とが整合性がとれるようにする必要がある」と書かせていただいております。
続きまして「3、入所施設間の連携強化について」です。こちらは、やはり地域の限りある資源を活用して、入所児童であってもできるだけ地域で育つことができる環境を整えられるよう検討すべきであるということ。
「4、障害児入所施設の名称の変更」。
「5、権利擁護について」は、障害のある子供たちの意見表明についての検討が必要ではないかということを盛り込ませていただいております。
6は、入所中におけるほかの障害福祉サービス等の柔軟な利用の検討についても、こちらには二重給付とならないようにということで書かせていただいております。
「7、都道府県・市町村の連携強化」ですけれども、今、入所の措置権限が都道府県にあるため、地域生活を支える役割の市町村と両者の連携を図り、切れ目のない支援を行う必要があるということ。また、入所決定権限を市町村に付与することにより、入所前から退所後まで市町村が一貫して支援を行う体制にすることについては、検討するべきであるということ。
以上、7点を共通事項として記載させていただいております。
「(4)機能強化に向けた取り組み」です。
今回示されている課題につきましては、次期障害児福祉計画、報酬改定において実現が図られるよう検討すべきと記載させていただいております。
次のページで「5 最終報告に向けて」ですけれども、こちらは2つ目の段落のところを、皆様の御意見をいただきまして、少し修正しております。
障害児本人の最善の利益を保障することの重要性については「今後の障害児支援の在り方について(報告書)」に明記されているが、障害児入所施設との関連性の中で、これまで十分な検討がなされてこなかった。この検討会を契機に、障害児入所施設の果たすべき機能を考えるとともに、障害児本人の発達を最大限に保障すべきことに光が当てられることを願っていると記載させていただきました。
中間報告の説明は以上になります。

○柏女主査 あわせて、障害児入所施設における検討課題についても御説明いただけますか。

○鈴木障害児支援専門官 続きまして、障害児入所施設における検討課題について、資料2をごらんください。こちらについて御説明させていただきます。
中間報告のほうで残された課題としまして、18歳以上の障害児入所施設入所者への対応についてと、教育との連携が書かれておると思いますけれども、まず、課題1、2で、18歳以上の障害児入所施設入所者への対応について御説明をさせていただきたいと思います。
こちらは、課題の整理ということで、前回も出させていただいたものに対して、ワーキング等でまた御議論がありましたので、皆様の御意見をさらに追加して整理させていただいております。
課題1、18歳以上の入所者に対応するためのみなし規定(いわゆる過齢児問題)のあり方について、どう考えるか。児者一貫に関する考え方の整理ですね。検討会における意見について、少し御紹介したいと思います。
1ポツ目から、障害児分野での自立支援のあり方、社会との関係のあり方をどう工夫するのか。次者一貫体制をつくっていくことと同時に、福祉型では次者一貫体制をとらないとしているが、経過措置で伸びている。この考え方の整理が必要。
次のポツです。過齢児の対応は、当面の間とか、特例を認めるということはあるが、それでいいのか。また、それを児童で引き受けなければいけないことなのか。期限はしっかり区切って、地域で解決するというところをもっと強調してもよいのではないか。
次のポツです。行動上の問題が激しいということで、家庭、福祉施設で受け取らない方が精神科の成人の病院にいる。成人になったときにどうするかについて、強度行動障害についても児者転換を抜本的に考える必要。
次のポツです。年齢超過の問題は、障害児入所の大きな課題であるので、この課題が解消されるまでは柔軟な対応しないといけないと思うが、やはり障害施策でやっていく必要がある。そのためには、障害児福祉計画の中にしっかり盛り込むことも必要。
次のポツです。定員に対して10%までは過齢児に対して対応する、10%報酬を考えるなど、お金の問題ではないが、そこも含めてその人たちが大人として生活できる権利を保障できるよう、みんなで協力する必要がある。
次のポツです。2021年までの移行の問題で、今、実際にいる過齢児の人たちをどうするということも喫緊の課題なのだと思う。それは、これから毎年出てくる18歳の人たちを継続的に、持続的に次の生活の場に送り出すシステムとは別の意味で整理する必要があるのではないか。
次のポツになります。過齢児を積極的に受け入れた生活の場に関して、報酬上の評価等の創設。また、一定割合の過齢児を専門的に受け入れることを目的とした共同生活援助事業等を新設する場合、施設整備の補助を優先して一定の補助金を上乗せする等の措置が必要ではないか。
次のポツになります。2021年から第2期障害児福祉計画と第6期障害福祉計画が始まりますので、この2つの計画に関して、過齢児過齢児支援に関しては計画的な支援策を作成して、双方の整合性を図ることが重要。
次のポツになります。過齢児は、成人の入所施設で受け入れるに当たっては、20歳前後の元気な若い方と、現在入所している動きの穏やかな高齢者等の支援について、安全面の確保からハード面・ソフト面の相当の配慮が必要。
最後のポツになります。過齢児の入所調整に当たっては、過齢児の移行者数と入所の待機者の実態を把握し、地域の実情を踏まえ、行政の関与・調整が重要。
ここまでが課題1になります。
続いて課題2を御説明いたします。
こちらは、御意見に関しまして、皆様から数多く出されていますので、お時間の都合上幾つか御紹介させていただきたいと思います。
課題2、入所児童が円滑に地域生活に移行していくための支援のあり方についてどう考えるか。また、これを推進するための方策についてどう考えるか。
1ポツ目、都道府県・市町村や児童相談所、相談支援など障害福祉サービスとの連携強化・仕組みづくり。
2ポツ目、退所に向けた支援の強化、地域生活への移行に対する促進策。
3ポツ目、地域での受け皿の確保になります。
御意見としましては、2ポツ目からになります。現実に言えば、大事なのは、個々の子供についての話し合いの場が大事ではないか。社会的養護の虐待でも、要対協は個々のケースごとに介助するときに行う。そのようなことを評価していく仕組みをつくることが大事である。
次のポツです。原則は大人と子供を分けるということだけれども、幾つかの類型に分けながらあり方を考えていくことが大事。
次のポツです。高校に入ってからの入所や中軽度の方が多く、1年、2年で地域移行や者の施設への転換ができない。
次のポツになります。移行の問題。児者へ移行するに当たり、強度行動障害のようなタイプの子は移行先がない。
次のポツになりまして、社会的養護のもとで、施設で生活した子が家庭復帰するには、非常に丁寧にスモールステップでの移行が必要ではないかという御意見です。
真ん中辺のポツになりますけれども、移行の際にグループホームなどの国庫補助を最優先するや、障害児入所施設から受け入れる場合は、面積基準とかが整っていれば定員増も許可していくとか、何らかの大人の施策も少し動かす必要があるのではないか。
2つポツを飛ばします。現在の児童相談所そのものが、虐待にウエートが置かれている。障害に詳しい職員も少なく、児童相談所の職員が障害に関してそこまでの知識も技量もないところで、市町村には非常に関与してほしい。
次のポツです。限定的かもしれないけれども、何らかの形で、児者一貫でもう少し長く、特に行動障害の症状が重い方については、一定程度状態が改善される期間を保障するような仕組みが必要ではないか。
次のポツです。ボリューム層だけ議論しても難しいところがある。特に行動障害に関しては、全体の中にどれぐらいいるかというと、大半がそうではないと思う。そのため、類型に分けて議論すべき。
次のポツです。移行支援について、誰が出なければいけないというマニュアルは、実はどこにもない状態。
一つポツを飛ばしまして次のポツですけれども、自立支援ホームを開設して、22歳ぐらいまで入所者が無理なく自立していくためのトレーニングの期間が必要ではないか。
4ページになります。真ん中あたりを見ていただければと思います。児相、市町村、施設、相談支援事業所等々が一堂に会して退所に向けての自立支援会議もしくは入所に向けての入所調整会議というものを一つシステム化して、事業所と行政関係がネットワークを組むことが必要ではないかということで、幾つかの紹介になりますけれども、ここまでが課題2になります。
最後に課題3について御説明させていただきます。「3、教育との連携についてどう考えるか」ですけれども、これまでの検討会における意見としまして、地域で暮らすことのできる発達障害児の二次障害予防策が急務ではないか。発達障害児の育ちを保障する一元的な教育、福祉、医療施策及び連携の強化が必要ではないか。
次のポツです。今、特別支援学校に行っている間は、放課後等デイサービスなど、いろいろな日中活動を含めてサービスで預かってくれるということが18歳まで続くと、学校を卒業する段になり学校側が悩む。強度行動障害で、その子を過程で引き取れない現象がある。
最後のポツになります。子供の今の教育を受けるという日中活動の保障、学齢児の保障という御意見が出ております。
課題3につきましては、ここで教育そのものを取り扱うということは、ここは入所の検討会ですので、入所施設と教育との関係におきまして、入所施設側として、課題として提起できることがありましたら、御意見をいただけますようよろしくお願いいたします。
説明は以上になります。よろしくお願いいたします。

○柏女主査 大きく残された課題として大きく3つ挙がっています。入所施設の中そのものについてはかなりの議論が行われたのですけれども、その入所施設にどうやって入ってくるのか、そしてどうやって出て行くのか、そこの切れ目のない支援のところが難しいというところが一つあります。特に今回は、出口についての御意見を中心に頂きたいということになります。
もう一点は、入所施設とほかの施策との連携です。つまり横の連携ということになります。そこの切れ目のない支援をどうしていくか。これは代表として教育が挙がっているということで、前の検討会で縦横連携が重要だという話が出ましたが、まさにそこが残っているということになります。
3つのテーマがありますので、課題1、課題2はそれぞれ30分程度御意見を頂戴し、最後の3つ目のところは教育の分野なので、今回はなかなか踏み込むことが難しいということですので、教育にこちらからどう手を伸ばすのかという観点から15分ほど御意見を頂戴し、さらに残りの時間15分ほどで全体にわたって御意見を頂戴するという流れで進めていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(委員首肯)

○柏女主査 それでは、まず、第1の問題について、ございましたら挙手をお願いしたいと思います。どなたからでも結構です。
では、遠藤委員、お願いします。

○遠藤構成員 実は18歳以上の問題というのは、施設の経営とか運営ということではないのですね。
それからもう一つ、もっと現場目線で言うと、実は支援者と利用者の関係性がずっと同じ人で、信頼関係も含めて一定程度でき上がっている中で、25歳とか30歳まで支えていくというのは、むしろ楽とは言わないですけれども、一定の関係性が築けているということなのです。
我々が高校卒業とか二十歳を一つの区切りとしてというのは、私は札幌市なのですけれども、子供の24時間の支援、家庭以外での支援を必要とする子供たちが実はたくさんいて、私のところも、今も待機ケースがいるのですけれども、二十歳以上の大人の人たちがいると、その人たちも含めた対応が難しくなってくるということなのですね。
もう一つは、利用する側の人たちの保護者の視点からいくと、制度的にまだいられるではないかということを突きつけられると、我々のほうで、絶対にだめだという立場でやりとりができなくなってくる。
そういうことも含めていくと、一定程度の年齢、例えば協会でも22歳程度という具体的な数字も出てきていますけれども、その辺をやっていかないと、地域の24時間支える児童福祉のメニューが、スケールが維持できないためにだんだん消えていくということにつながるのですね。ですから、どうぞ皆さん、その辺を御理解いただいて、将来に向けての検討を進めて、具体化していかないと難しいかなと私は考えています。

○柏女主査 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。できれば方向性を出していきたい。
今井さん、お願いします。

○今井構成員 今井です。
座長のほうから、入り口でなくて出口だとおっしゃいましたけれども、入り口のほうも手を打たないと、問題が解決しないと思います。
というのは、前にも申し上げましたけれども、17歳とか18歳で、障害があるがゆえにも含めまして、被害体験を持った児童が入所した場合、経験的に少なくとも3年いないと安心したという本人の状態ができないわけで、そうすると年齢的には児童だけれども、次の移行を考えたら成人側の福祉のサービスでやったほうがいいと思います。もともと言っている特定の大人との云々と言うけれども、そんなものが2年間とか1年間でできるわけがないと思うのです。特定の大人との良好な関係を構築するというのであれば、それが可能なところで受け取るということのほうが正しいのではないかと思いますので、入り口もあわせてやることが、結果的にこの問題を縮小化させていくことになるのではないかと私は思います。

○柏女主査 例えば15歳から成人施設に入れることになっていますけれども、それを積極的に使えということですか。

○今井構成員 使えということです。

○柏女主査 わかりました。そういう意味での市町村のあれですね。

○今井構成員 そういうことです。制度的にやれるはずだから。

○柏女主査 そうですね。
では、北川さん、お願いします。

○北川構成員 私は、障害児入所施設を運営しているわけではないので、ファミリーホームとか里親の観点なので、今回この中間報告に関して、いろいろな入所施設の方々に意見をお聞きしました。
その中で、6年の間に児者、児童福祉施設にするということができなくて、また3年延びたということに対して、今回はある程度きちんと方向性を出してほしいという意見がほとんどでした。
特に、やはり障害児入所施設は児童福祉施設として位置づくべきだという意見がほとんどでしたので、そのために何が必要かというところに立ったときに、何度もこの中間報告にも書いておりますけれども、やはり地域の関係機関が協議をして、家族も含めて移行をみんなで協議する場を、中学生ぐらいから持っていくということとか、今の過齢と言われる移行が難しかった方々に関しても、同じように協議会の中で一緒に考えていくとか、そういうことが必要という意見。
もう一つ意見としては、大人の方々が児童福祉施設にいるということに関して、しっかりとした成人としての権利を保障するというところでは、やはり者のサービスとしてのあり方をきちんと模索していく必要があるのではないかという意見もありましたので、今回できるだけ9年前、3年前に目指した方向にしないと、結局は同じような状況が生まれないようにという御意見が多かったです。

○柏女主査 わかりました。つまり、18歳を過ぎて、真にやむを得ない方はあるかもしれないけれども、そこはかなり限定的にやるべきだ、大人のほうの施策にスライドしていくべきだということですね。

○北川構成員 そうですね。家庭福祉の施策も18歳とか、措置延長もかなりできるようになりましたので、二十歳、22歳までの社会的養護の自立支援事業ですか。

○柏女主査 自立援助ホームね。

○北川構成員 私の里子も、今、二十歳で社会的養護自立支援事業を受けておりますけれども、二十歳を過ぎてもまだ大人の世界に行けない場合は、そのような柔軟な制度もありますので、大体18、20、22ぐらいまでの切り口で、きちんと考えていくのがいいという意見が多かったです。

○柏女主査 わかりました。ありがとうございます。
ほかにはいかがでしょうか。
今、出ているところを総括しますと、入り口のところで15、18のところに少し幅があるので、同じように18で機械的に切るという形でなく、そこは例外的にせよ、別の制度をつくりながら22歳ぐらいまでは延ばせるようにしておくけれども、とにかく18で切るということを前提にするという形ですね。そういう意見が多いようです。

○北川構成員 それに当たって切るというと何か冷たい感じがするので、やはりそれに向けて、今まで施設長さんたちだけが努力していた移行の課題を、地域みんなで協議する場を持つという社会的な応援の中で移行していくということが必要なのではないか。

○柏女主査 そうですね。それが2つ目の課題につながってくるわけですね。つまり、社会に出て行くためには入所中から成人のサービスも使えないとできないわけで、いきなり使えといってもできないわけですから、そこはそういう特例などを設けながらソフトランディングできるようにしていくという形のものもあるかもしれませんね。
ほか、いかがでしょうか。
遠藤委員、どうぞ。

○遠藤構成員 もう一点。今、18歳、二十歳までは児童福祉法の特例でいくのですけれども二十歳を過ぎると障害者総合支援法、みなしの規定を受けている事業所はそうなのですが、そういう子供たちと言えばいいのか、もう大人なのですけれども、その人たちの次の移行先とのつなぎのときに、実は市町村は、実際の支援の現場にはほとんど出てこないのですね。
私たちは、放り出すということもしないし、抱え込むということもしない。でも、児童福祉の一つのメニューをその地域できちんと維持していくためには、市町村がかなり積極的に移行支援にかかわっていくシステムと同時に、一定の年齢の枠組みというのが、今、柏女先生がおっしゃったように、きちんとしておく必要があるだろうと考えています。

○柏女主査 恐らくそうした方向が一番大事だと思います。それが権限移譲によってよりスムーズになるのではないかと私個人は考えていて、市町村で一括的にやればいいのではないかと思っているわけですけれども、ほかにありますか。
相澤委員、どうぞ。

○相澤構成員 ありがとうございます。
出口を考えるときに、先ほど入り口と言いましたけれども、施設に入所するときに既に出口を考える、ソーシャルワークをどのように検討するかということがすごく大切だと思うのですね。
そのときに、先ほどから言っているような市町村とか、要対協とか、いろいろなことを巻き込みながら、どのように出口を考えるのか。このソーシャルワークをきちんと展開するということが極めて重要ですし、そういう意味では、質の向上のところを考えたときには、やはりアセスメントとプランニングが非常に重要だ。そういうことをきちんと定期的にしていかないと、出口の問題は、結局その時期に来てあたふたするということになりますので、そういうケアをきちんと考えていくということも、ここに入れ込んでいただくといいかなと思いました。

○柏女主査 ありがとうございます。
そのほかにはいかがでしょう。
もし特になければ、2つ目のほうも関連しますので、それをしていくためには地域生活に移行していくことがスムーズにできるための支援をどうするかというところにつながりますので、次の課題のほうに行きたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
1のほうについては、先ほど私が申し上げたような方向性と、それを担保するためのインケアからのソーシャルワーク機能の強化、入所支援計画でしょうか。それをしっかりと早目から自立を目指してつくっていくということで、それは言わば方法論という形になりますけれども、そういう意見が出ていたことで、ほぼ確認という形でよろしいでしょうか。
では、報告書については、そういうスタンスで記載をしていくということにしたいと思います。
では、2つ目です。課題2に入ります。これについてはいかがでしょうか。
では、米山さん、お願いします。

○米山副主査 米山です。
改めて今井構成員、小出構成員にお聞きしたいのは、一つ在宅で、御家庭で育っている子供たちが自立ということでグループホームに入っていったりするわけですけれども、そのあたりの年齢を考えたとき、先ほどの施設から18、その後5年ぐらいなり22ぐらいまでの間の移行期間を考えたときに、御家庭でいらっしゃる方々は、大体どのように自立に向けてということを進めてきているのか、あるいは進めているのか。もしそういったことがわかれば。
というのは、私自身の外来でも成人になられた方で、個人的に考えると、特別支援学校を卒業して就労しました。それで、就労が順調だねというところで、大体22~23を超えてから、御家庭で親御さんたちの年齢も考えると、やはり25から30あるいは35ぐらいの間にグループホームというように自立していく方が多いなと、私の経験では思っているのですけれども、実際に御家庭でという方々がどのような形で自立していくか、自立支援といいますか、その辺を教えていただければ。

○小出構成員 育成会の小出です。
家庭でずっと障害児、今、特別支援学校の卒業生の状況を見ますと、障害の重い子と軽い子、そのあれは、小学部、中学部から特別支援学校に在籍している子供たちが高等部から卒業していく。
それと、高等部までは普通の中学の特別支援学級にいて入ってくる。そこから高等部を卒業する子供たちは、中学の特別支援学級から来た子たちの70%近くは企業就労につながっていきます。それから、小中のときから特別支援学校にいる子たちはその逆で、70%以上は日中型の福祉施設。今、いろいろサービスができてきたものですから。ただ、多いのは生活介護のほうに行きます。
それから、直接就労につながらなくても、就労移行支援という2年間の訓練を得ることができる。そこも通るものですから、比較的その計画というものが、メニューがたくさんできてきたことと、計画を立てていくという福祉のほうにつながるとそういう形で、その後、親御さんが高齢化してくると、入所あるいは入所というよりもグループホームでという傾向が強いですね。
特に本当に重度化している強度行動障害という子たちは、特別支援学校にいる間も先生がマンツーマンでつきっ切りで、その子たちは卒業しても行き先がない。非常にレアなケースですけれども、ありますね。そういう状況です。

○0- どうぞ。

○今井構成員 今井です。
今の件ですけれども、それはマクロ的に見れば、障害者の手帳をとっている人の人数から、グループホームを利用している人、入所施設を利用している人というのはわかるわけで、割算をすればわかるはずだと思います。
私は会員の情報が多いのですけれども、グループホームや何かに入っている割合は非常に少なくて、ほとんどは、親が頑張れる間は頑張りたいというのが大半なのです。それが無理で、兄弟等の関係もいろいろある場合に利用するということなのです。
ですから、地域で新しいグループホームをつくってくれ、あるいは重い成人の入所施設をつくってくれというニーズがあって、つくってすごく応募がありそうですが、最終的に今、サービスを利用しますという方は意外と少ないのです。将来の不安感から要求が高いので、先生に対してのお答えなのですけれども、現実には、親は家庭で頑張ろうとするというのが結論かなと思います。

○米山副主査 ありがとうございます。
確かに私の見ている方たちでも、40ぐらいでまだまだとかがあったり、御家庭のサービスが入るという方もいらっしゃるのですが、お話を聞いて、先ほど遠藤委員のほうもありましたけれども、結局入り口の部分で、前の参考資料2の入所経路というのが3ページのところにありますけれども、入所経路の約6割は御家庭からで、あとの1割余りが養護施設、あと乳児院さんからということだったと思うのですけれども、長年見ていると、本当に親がわりのような形で児童のほうの施設で見ていた方たちが、本当にどう育っていくか。障害の重い方たちも含めて、社会的自立をどう考えるかになるのだと思うのですけれども、そうしたときに、今の児童福祉法の18ということをイメージしたときに、やはり先ほどの22とか、今の自立援助法も含めていろいろな移行期というのをどのぐらいに置いたらいいかなと思うのですが、先ほど北川委員、遠藤委員のほうからお伺いしたところで見ると、やはり総合支援法が18からスタートして、その辺の5年ぐらいだとか、そういった中で移行がちゃんとできるような、その辺のところを曖昧にし過ぎるとずるずるということもあったりするので、ある程度年齢というのも考えながらやっていくということ。
それと、成人のほうも本当にそうですけれども、やはり市区町村がきっちりそこの地元でやる、その連携というのは書いてあるとおりで、急かないといけないなというところです。

○柏女主査 ありがとうございます。
では、北川さん、お願いします。

○北川構成員 私は前にも意見を申し上げましたけれども、入所児童が移行できないというのは、やはり成人の受け皿がない、それが大きな問題です。3年延びたときに1,500人のお子さんがお子さんでなくて、加齢になった方が児童入所にいるということが大きな問題と思うのですけれども、そのために、やはりグループホームをつくるときの国庫補助で、今は重度の方が入る場合は優先順位が高くなるのですけれども、やはり児童入所の移行が難しい方を移行する場合の優先順位を高くしてほしいし、今は入所施設をつくらないという方針だと思うのですけれども、やはり移行でこれだけ大きな課題があるのであれば、ある程度そういう特例的なものも必要なこととして考えないといけないのかなというところは、意見としては持っております。

○柏女主査 そうですね。大事な視点、忘れてはいけない視点なのだろうと思います。
遠藤さん、お願いします。

○遠藤構成員 米山先生の自立のお話なのですけれども、皆さんそれが前提だということで臨んでいるのだと思うのですけれども、さまざまですね。児童施設ですから、当然送り出していく。20年以上、子供の率が95%から100%、そのように何とかやってきたのですけれども、例えばことしの3月に卒業した人も、一方でセブン-イレブン・ジャパンの正社員になって、東京で入社式に出席する人もいれば、生活介護の入所支援で、支援程度区分6という人たちも児童施設には混在していますので、一人一人にどう支援をして、一人一人が社会の中でつながっていけるような支えをするかというときに、できれば私のところは18から二十歳ぐらいまでの人たちをその対象にして、通常具体的に動くのは、実は高校1年生になったときなのですけれども、市町村もお宅の子ですからなるべくみたいな話もしながら巻き込んで、進めていくということをしているのですね。
ですから、出口ということで考えていくと、本当に一人一人がその人らしく生きていくために、我々に何ができるのだということを常に整理しながら考えていくということがとても大切で、実は高校を卒業してそのぐらい差があるということですね。
ただし、家庭が非常に脆弱になってきた人たちは、セブンイレブンに入社しても戻る家庭がなかったり、微妙だったり、そういうときに私のところ、地域では、宿泊型自立訓練を使って仕事を安定させて、それが見えてきたときに、次はグループホームの展開をしましょう。ちょっと寂しい話ですけれども、その子供も我々のところに里帰りしたときに、そろそろグループホームに出たいだの。園長、あそこの人に言ってという話もしながら、お互いの連携をしながら支えていく。
児童施設からの自立の展開というのは、具体的にはそんなところで、これですということはなくて、10人いると10通り、同じ力の入れ方で支えなければなかなか前に進まないという現状です。

○柏女主査 多様な入所の子供たちがいれば多様なサービスも必要になってくるという意味では、今のお話だと自立援助ホームみたいなシステムが1段階あって、そこからグループホームにつないでいけるような、そういうことにもなり得るということですね。

○遠藤構成員 そうです。相澤先生がスモールステップと言っていましたけれども、段階を置いて合格ラインということではなくて、経験の段階を積んで、その人らしくというところを後押ししていくということがとても重要な課題だと思います。

○柏女主査 あと数も、障害だけで自立援助ホームをつくっていくというのは、広域性の観点からちょっと無理だと思うのです。そうすると、今、自立援助ホームが百幾つあるわけですから、そこで障害を持った子たちがどう暮らせるようにしていくのかということを考えたほうが合理的かもしれませんね。
では、今井さん、お願いします。

○今井構成員 この課題で書いてある1行目の「地域生活」という言葉が何を意味しているのかということを考えたときに、自分の経験でもそうですし、周りもそうなのですけれども、一般に児童の入所施設というのは、どこか本人が育ってきた生活圏とはかなり離れた別のところにある。ということは、入る時も出る時も生活圏を変えなければいけない。そこがすごくネックになってきて、だからこそ、一つは集中型の入所施設でなくて、児童においても分散型も、それはどういう形態か、新しく考えなければいけないかもしれないけれども、考えたらどうか。
つまり、大人になったときの生活圏、自分のことを知っている人たちが親以外にも地域にいる、あるいは仲間と言ってはちょっと言い過ぎかもしれませんが、同世代の障害者とか、障害者でない人も知ってくれている、地域のお祭りにも時々参加する、そういうインフラとの関係が大事なのが地域生活なので、そこから縁が切られているということをどう補っていくか。そうしないと出にくくなる。出て行くところが見つけにくいのだと思います。
そういう意味で、本人が安心して生きていける生活圏、身近な社会というか、そこを考えると、くどいけれども、福祉サービスの人たちが児童期もどうやって見るのか。連携強化と言っているけれども、そこの仕組みをもうちょっとつくらないといけない。
先だって、私もある地域福祉の人に児童の虐待というのは大体どれぐらいありますかと言ったら、よくわからないと。成人のほうを見ているから、児童のほうの課題というのはほとんどキャッチできないということを言っておりましたので、ここは早いうちに何か手を打ったほうがいいと思います。

○柏女主査 ありがとうございます。
私たちのこのレポートでも、障害児入所施設が地域から消えていっているということがあるので、そうなると、今、今井さんがおっしゃったように全然違うところに行ってしまうという形になるので、児童養護施設に6人程度の小規模の障害児入所施設を付置できないかとか、そういう提言も今回の中に入っているわけですけれども、そうしたことを入れながら、障害を持った子たちが入所しても地域の中で暮らせるように、離れないで、転校しないで暮らせるようになれば、それはそれで次の出口のシステムがつくりやすいということなのだろうと思います。
相澤さん、何かありますか。

○相澤構成員 今、今井委員が言ってくださいましたけれども、ここにも書いてありますけれども、やはりファミリーホームとか、里親とか、障害児の方を受け入れるような、地域から子供が離れないで済むようなセーフティーネットをどうつくっていくかということが非常に重要だと思います。
そういう意味では、施設がファミリーホームを援助するとか、そういう構造をつくっていくということと、私がスモールステップと言っているのは、私も児童自立支援施設にいましたけれども、適応させるときに、子供は施設を退所するときに、一気に2つのところに適応を要求されるのですね。社会的居場所である学校や職場と個人的居場所である家庭、この2つを一気に適応するのはとても困難ですので、まず、例えば施設から、社会的居場所である職場とかにちゃんと適応できるようにしてから家庭に移行するというような、そういうことをきちんとやるようなシステムをどうつくっていくかということが重要で、そう考えたときに、やはり里親さんやファミリーホームを積極的に活用するようなことを考えてやられたらいいのではないかと思って発言させていただきました。

○柏女主査 ありがとうございます。
では、北川さん、お願いします。

○北川構成員 自立援助ホームとか、ファミリーホームとか里親は、家庭福祉課のほうの施策になると思うのですけれども、里親は専門里親という制度があって、障害児や虐待を受けた子を専門に見るという特別な里親の制度があるのですが、ファミリーホームや自立援助ホームには、今のところ、障害児だからといって加算があるわけでもないので、何とかこれをきちんとしていかないと、それは22歳までの居場所として、現実問題にならないというところはあると思います。
ファミリーホームなどは頑張っているので、加算とかがなくても20%以上の子供が障害児だと思うのですが、障害児入所施設は家庭福祉課の制度とすごく近接しているというか、児童心理治療施設であっても、児童自立支援施設であっても、何か措置によって違うだけで同じような子供が入っている状況の中、その辺の横のつながり、整合性というか、もし自立援助ホームやファミリーホームが障害児側も可能になるのであれば、加算も具体的に考えていかないといけないと思います。ここで話す話ではないかもしれないのですけれども、ファミリーホームの加算などは家庭福祉課のほうに行くと難しいと言うので、特別児童扶養手当はどうだろうと言って障害福祉に行くと、それはファミリーホームには出ないとなります。専門里親はあるのですけれども、ファミリーホームと自立援助ホームに障害のある子を地域で受け取めた場合に、制度的にまだまだ整っていないところをどうしていくかということも、考えていかなければいけない課題だと思います。

○柏女主査 ありがとうございます。
では、青木さん。

○青木構成員 青木です。よろしくお願いいたします。
今の話に関連した部分なのですが、今回の中間報告の社会的養護機能というところの中に書かれてありますように、「障害児入所施設が社会的養護機能を発揮することが求められている」と書いてあるわけで、これは裏を返せば、社会的養護施設が障害児支援機能を求められているとも考えられると思うのですね。
ですので、今、ここで議論している話は、障害児施設関係から社会的養護機能に使える機能というのは何が使えるのだろう。具体的に言うと、先ほどから出ている自立援助ホームも一つでしょうし、ファミリーホームもいい制度だし、使えるねとここだけで話をすることがどうも空論になっているような気がします。どこで話をするのだというところまではっきりしておかないと、使える制度や機能があるね、使えるといいねで終わってしまうのではないかと思いますので、もう一歩踏み込まないといけないのではないかと思います。
以上です。

○柏女主査 ちょっと具体的に教えてもらえますか。

○青木構成員 どこで議論をするのか。例えば20年のときの障害児支援のあり方の報告書がありました。そこを見て、さらに26年の障害児支援のあり方の報告書を見て、何が変わってきたのだろうな。さらに今度つくろうとしているこの報告書の中で、何が必要である、何々するべきであるというところには書くのですけれども、それをいつどこで誰が話をするのだろう。誰が責任を持って、特にここで言うと障害児の子供のことを議論するのだろう。その議論をする場というのが何かはっきりしていないような気がして、そこをはっきりするべきなのではないかと思います。

○柏女主査 それは役所の中でなくて、今もここに家庭福祉課の職員もオブザーバーでいらっしゃいますけれども、そこではなくて、我々のようなこういう場でということですか。

○青木構成員 役所を入れてです。役所の中でです。

○柏女主査 役所間だったら、ここに書けばいいのではないですか。役所間で、家庭福祉課と障害福祉課でしっかり議論してほしいということですね。

○青木構成員 そういう意味です。

○柏女主査 わかりました。それはそのようにお願いしたいと思います。
ただ、私はもう少し技術的な問題もあると思うので、障害者部会と児童部会で合同企画分科会をつくってやったほうがよりいいのではないかと思います。これらは過去にも行われてきたわけですので、そちらのほうがいいかなという感じはしています。ありがとうございます。
ほかはいかがでしょう。
遠藤さん、どうぞお願いします。

○遠藤構成員 先ほど地域をどのように捉えるかという今井委員のお話があったのですけれども、実は北海道は全国の縮図みたいなところがあって、子供が比較的集中しているところと、隣の家まで1キロ、2キロ、私的な話なのですけれども、実は先日、職員の親御さんのお葬式に札幌から稚内まで行って、お通夜に車で12時間半かかったのですけれども、そういうところなのですね。
実は北海道の北部、上川振興局、昔は支庁と言っていたのですけれども、留萌、宗谷は、実は子供を24時間支える機能がなくなってしまったのです。旭川市からも、2人続けて緊急の対応の子が来たのですけれども、地域ということを考えると、今井委員がおっしゃったように、本当に峠を一つ越えて来るわけです。そこに10歳から18歳までいたりすると、地元に帰ってねと言っても、地元に知っている人がいなくなったりするのですね。
そういう意味では、制度的にいくと、児童養護施設が敷地外に小規模で対応しているところを、せっかく児童としてやっていたノウハウがあったところが大人に転換してしまったというところが実はたくさんあって、そういうところが5人とか6人の地域で、非常に限局的な地域ですけれども、そこの子供たちを支えるようなシステムというのは、北海道の特殊性だけでなくて、日本全国で早目に展開することで、どんな子供たちも地域と比較的近いところで生活できるよということにつながっていくということを考えれば、非常に有効な方法だと思うのですね。
ただ、一つだけ、ここでも後で論議になるかもしれないですけれども、子供を帰してくれという虐待的な環境に置いた親御さんもいます。そうなると、利用契約と措置というところもきっちり整理しておかないと、事業所職員だけでは守れないという問題も同時に出てくる。そこは同時に整理をしていく必要があるのかなと感じています。

○柏女主査 ありがとうございます。
この先必ず人口減少社会がやって来るわけで、そうなると本当に社会資源が枯渇していくという状況が進んでいくので、領域横断的な対応をしておくということが大事だろうと思います。
今井さん、お願いします。

○今井構成員 今井です。
そのように地域分散型で、子供のほうから言えば、自分の障害のこと、あるいは自分のことをよくわかった人が身近にいるということが必要なのだけれども、これがまとめのところにもあったように、専門性ということを言い出すと、どこか専門的なところに集中的に集めようという発想がどうしても出てくる。
専門性を持った人がそこらじゅうにいれば一番いいのだけれども、そうはいかない。ですから、地域分散型であっても、専門性を担保するためのバックアップを、地域をバックアップする体制をつくるということをどこかに入れておく必要があります。

○柏女主査 ありがとうございます。
地域包括的なシステムを基盤にして、そこに専門的な支援やアドバイスをしていく。そうしたコンサルテーションをしていくサブシステムが必要だということですね。そのとおりだろうと思いますし、措置と契約の話も、措置制度でも親が反対したら帰さなければいけないわけですので、帰すためには裁判所の承認をとるという手続が必要なので、それをとれるようなバックアップをするというシステムも用意しておくということは大事ですね。ありがとうございます。
ほかはどうでしょうか。
どうぞ。

○米山副主査 グループホームということを考えたときに、医療型といいますか、身体障害の方々、あるいは重度の方々のグループホームも随分出てきているのですが、その方々が高齢になったときというのは、その後、入院だとか、入院ぐらい重ければですが、そうでない場合というのは、グループホームの中で見ていけないという現状が出始めているのですね。
北欧もグループホームの施設をどんどん解体して全部やったのですが、その先というところがとても課題になっていて、そこはどう受けるかということは、30年後ぐらいの先を考えたときに、やはり課題なのですね。
それは、がんだとか、例えば強度行動障害の施設でも、私のいる重症心身障害施設でも平均年齢が50を超えて、看取り、緩和ケアをしているような70を超えている方々は、グループホームでは対応し切れないような方たちもいらっしゃいます。
もうちょっと先を考えると、先ほどおっしゃったように、ちょうどサテライト型でないですけれども、少し施設もありながら、そこでグループホームも持っているという形をとっていると、そこはちょっとバックアップシステムといいますか、あるいは里帰りでないですけれども、そんな形ができるかなと。
それは本当に地域でうまくつくり上げていくという課題がありましたけれども、やはり人口が少ないところだと、本当に地域包括という中で、高齢の方も含めてどうするかということなのですが、先を考えたときにはそういうことも考慮しなければいけない。
いずれにしても、地域で見られるようなシステムづくりが必要だと思います。

○柏女主査 ありがとうございました。
では、北川さん、お願いします。

○北川構成員 今までの議論に関連して、障害児入所の中に小規模障害児入所施設、障害児のグループホームができるということで、地域で障害児入所がないところで24時間のケアができたり、今あるファミリーホームを何らかの形で障害のある子に対してのケアがしっかりとできる体制をとっていくということは、少子化に向けて、新たな入所施設をつくらなくても、24時間のケアに対応できる自立援助ホームも含めて必要かと思います。それはとても大事なことなのですが、やはりそこで支援するというところでは、本体施設、バックアップの施設がしっかりしていないといけないと思います。
そういう意味では、今までの障害児入所施設が積み上げてきたノウハウとか、障害への理解だとか、障害のある子をどう理解して権利を守っていくかとか、専門的支援、環境の問題、個別対応が必要な子もいるでしょうし、すごく実践力の高いところでは、逆にグループでお子さんを見て、子供さんたちがすごく安定した生活を暮らしているということで、全国の中ではすぐれた実践をしているところがあると思うので、そういう本体施設をしっかりする中で、子供たちが安定した環境にしっかり移れるようにということで、グループホームとかファミリーホームに移行した時に不調にならないような、安心して暮らせるような専門性というのを、本体施設を強めていくということも、縦横連携かどうか、ちょっと難しいところではありますが、必要だと思います。

○柏女主査 ありがとうございます。
よろしければ次のところに移って、また全体をという形にしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
教育との連携という形になりますが、ここについての御意見、さらに中間報告に加筆すべき点等々がございましたらお願いしたいと思います。
では、小出さん、お願いします。

○小出構成員 育成会の小出です。
教育については、この中間報告の中では余り触れられていなかったものですから、障害児の年代というのは教育があります。ほとんど小中、それから高等部が含まれていますけれども、土日以外は、昼間、日中は学校に行くわけですね。学校で教育を受けているということ。それで、先ほど今井さんのほうから地域性ということがありましたけれども、入所施設というのはそんなに地域にあるわけではないものですから、非常に限られたところに集約されているということがありまして、そこから一番近い特別支援学校に行ったり、小中ですと、近いところの特別支援学級に通っているということですね。
その送迎等も施設がやっているということなのですけれども、一つ地域性を考えますと、そこには、例えば18歳で退所するときの帰る地域と、学齢期においても入所の間は同級生といるわけです。また地域に戻ってきたときには、全く違う人たちとのつき合いということになる。
それで、この入所施設の在り方検討なものですから、学校のほうはということを言われましたけれども、その学校において、入所施設の場合はいろいろな子たち、虐待児もいたり、そういうことがあります。ですから、地域の特別支援学級のほうには出せないとか、あるいは分校併設ということで、地域には触れないような形をとっている入所もあるわけですね。そういう特殊性もあるということです。
この中で生活しているのは子供たちである。その子供たちの教育というものを入所施設のあり方の中で、当然考えていくべきではないかと私は思ったものですから発言させていただきました。ありがとうございました。

○柏女主査 教育のシステムと、こちらの福祉、言わば生活のシステムというのは、子供は一人なわけですから、やはり連動しなければいけない。そこを念頭に置いて、こちら側の提言でシステムが変わっていく場合には、教育のほうにも働きかけて、同じような形でできるだけ変えていくように働きかけるということが大事だ。そのとおりだと思いますね。
ほかはどうでしょうか。
お願いします。


○米山副主査 教育という中で出口ということだと、移行支援といいますか、そこに移行ということで考えたときに、やはり特別支援学級のほうでつくってくださっている教育支援計画あるいは個別の指導計画だとか、それをうまく利用、例えば放課後等デイサービスをうまく利用するというトライアングルプロジェクトも進んでいますけれども、なかなか連携がうまくなかったりします。
ただ、やはり考えてみると、やはり入所施設のほうがしっかりした個別支援計画を立てた形で、次の移行をということで言うと、ここにも出ていますけれども、やはり高等部に入ってから、本当に1年のときから3年で、教育の中でも社会生活力をつけるということを目標にやっているわけですけれども、そこが高1のときから準備していくといったことは、その連携の中できっちりできればいいなと思います。
もう一つ、ちょっと感じているところは、児童養護施設でもそうなのですが、発達障害のそれなりに診断がついたり、医療的な介入だとかがなくても、精神障害者保健福祉手帳はとれるのですね。そういった方たちも実際には障害児入所施設にも入っている。療育手帳がとれずにという方も中にはいらっしゃるかと思うのですが、そういったときに、精神も含めて障害者雇用になった場合に、軽度の方たちで月12万から15万の給料が入って、二十歳から2級の障害者基礎年金をとると6万が入って、18万ぐらいの収入を得ながら生活できるのですね。
そういったところは、就労Bとか生活介護でない方々、やはりその辺の方たちが自立できるようにというところ。その辺は、やはり学校の就労の係の方とか、コーディネーターの方とかと合わせながら、そこを具体的にイメージしながら持っていくといいな。そういう意味では、先ほど言った自立援助ホームだとか、そういう方々がうまく使えるようにとか、そういう仕組みが地域でできればいいと思います。
その辺の知識を実はなかなかわかっていなくて、どうしたらいいかというのは障害児施設のほうがきっとわかっていて、養護施設のほうが知っていない。そこが先ほど青木さんが言ったような融合といいますか、その辺の制度をうまく使う。その辺がオーバーラップしているので、そこをうまく使えるといいなと思います。

○柏女主査 自立支援の部分も社会的養護と、障害児支援の部分のクロスオーバーが一定程度必要だろうという御意見ですね。
ほかにはいかがでしょうか。

○北川構成員 教育でなくてもいいですか。

○柏女主査 もし教育の分野で意見がなければ、全体を通してという形にさせていただきたいと思います。
では、青木さん、どうぞ。

○青木構成員 青木です。
教育ということに関して教えていただければと思うのですけれども、昭和54年までさかのぼるつもりはそうそうないですけれども、障害の一元化となって特別支援教育制度になったということで、地域の学校に行きやすくなったのですか。そこの部分は、なったとか、ならないとか、どうなのですか。
社会的養護の関係だと、例えば児童養護施設だったら地域の学校に通っている、児童自立支援施設だと施設内学校があるとか、そのあたりは事情がそれぞれの施設によって違うかなというので、教えていただければと思います。

○柏女主査 遠藤さん、わかりますか。

○遠藤構成員 私のところは、実は今、5つの学校に通っているのですが、認定こども園と、小学校・中学校の特別支援学級と、特別支援学校義務校、北海道は小学部から高等部まであるところと、単置の高等養護学校、特別支援学校に通っているのですが、高等養護学校も単置校は一応受験といって、定員があふれると不合格になることもあるのですが、基本的には地域の学校も含めて非常にスムーズに、札幌市の教育委員会と教育相談を重ねながら、基本的には最終的にどの学校を選択するかは保護者の方が決めて市教委とやりとりをするのですけれども、学校の就学については非常にスムーズにいっていますね。

○柏女主査 では、今井さん、お願いします。

○今井構成員 今井です。
課題3の教育との連携なのですが、教育という言葉をどう捉えるかなのです。生活の場としての学校というのと、教科教育とは若干意味が違うのではないかと思うのです。子供のほうから言うと、障害児で大事なのは日中活動の一つである学校生活です。そこで形成された人とのつながりとか、友達とか、人間関係とか、そういうものが大事ではないかと思います。学校生活という言葉が入ったほうがいいのかなと、個別教育、教科教育については、私は施設に入ったからだめだということもないような気がするのです。

○柏女主査 子供の側から見たときに大切な視点だと思います。学校の中での生活と施設での生活で方針が違っていたりすれば、とばっちりは子供が受けるわけですので、そういう調整なども必要になってくるだろうと思います。ありがとうございます。
青木さんはいいのですか。先ほどのことを踏まえての御意見は。

○青木構成員 ありがとうございます。
特別支援教育となって、盲学校、ろう学校、肢体不自由児学校など、ばらばらだったのが特別支援学校と言わば合併され、通いやすくなったのかな。もちろん、なってほしい、そういう目的で制度が変わったのだと期待する部分はありますが、実態はどうでしょうか。

○遠藤委員 種別間の入りまじったりというのが、かなり微妙なところなのです。

○青木構成員 私の施設は児童自立支援施設ですけれども、うちの施設からもいわゆる特別支援学校に受験をする子、これから受験を予定している子が随分ふえてきました。ただ、それも、みんな特別支援学校に行けるかといったらそんなことはなくて、やはり特別支援学校も、いわゆるハードルの高い学校ももちろんあって、みんながみんな行けるわけではないというのが現状なものですから、ちょっと現状を教えていただけたらということでお聞きしました。ありがとうございました。

○柏女主査 では、小出さん、お願いします。

○小出構成員 私どもの県内の児童入所施設をずっと見ますと、もう一つは、義務教育という、子供たちには教育を受けるための権利があって、教育をさせる義務があるということで、そういう形の上で、入所施設の中では学校に通わせているというところもあるのではないか。
要は、例えばそこのところが70%以上は虐待だったという場合は、教育を受けさせなくてはいけないけれども、普通の学校生活という形とはまた違う取り組みが必要ではないか。ざっと内容を見てみますと、その傾向があるのではないかという学校、通学とか、あるいは分校形式とか、それをとらざるを得ないなというところもあるものですから、中にはそういうところもあるのではないかと思いました。

○柏女主査 ありがとうございます。
教育関係で特になければ全体を通じてということに移らせていただきますが、よろしいですか。
では、原口さん、お願いします。

○原口構成員 今、特別支援学校の例がちょっと出ていたので、実際に全国でそういう取り組みがあるかというのは、私自身は把握していないのですけれども、例えば特別支援学校のコーディネーターの先生たちは、地域の小中学校をコンサルテーションしたり、家庭に対してバックアップしたりというのがある。それを考えたときに、入所施設を生活の場としている子供たちと考えると、特別支援学校での取り組みとの連携の一つのあり方として、特別支援学校のコーディネーター、地域支援をする担当の方が、例えば入所施設の子供たちのために助言にいらしていただいたり、その反対に入所施設のほうの職員が学校のほうで困っているというような、どちらが専門性ということでなくて、双方向的に、実際に職員のほうが助言に行けるということがあるといいのかなということで、通所施設だと、そういう取り組みは地域の中で聞くのですけれども、入所施設の中でのそういった取り組みは、余り具体的な例として私自身が知らなかったので、支援学校に限らないかもしれないのですけれども、教育との連携と考えるときに、連携というキーワードだけでなくて、実際の具体的な行動としてどういったものがあるのかなというので、カンファレンスとかもあるかもしれないですけれども、そういうコンサルテーションという形で本当に具現化できるようなものがあるといいなとちょっと思えたところがありましたので、意見させていただきます。

○柏女主査 ありがとうございます。
こちら側の受け皿のほうに生活支援をする以外の職員が少な過ぎるので、今回、提言の中で、家庭支援の専門員とか、自立支援の職員とか、そうした外との連携を図っていくような専門職を置いておかないとという感じで、この報告の中では成り立っているところがあるかと思います。ありがとうございます。
では、全体のほうに移りたいと思います。全体を通して御意見がございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
先ほど北川さんでしたね。お願いします。

○北川構成員 2ページの真ん中辺の「保護者の養育力不足」という言葉が、将来まで残る報告書として考えたときに、やはり私も里親として障害のある子、特に小さいとき、パニックの大変なときは本当に大変でした。ですから、一般の子育てはできたと思うのですけれども、障害のある子の子育てを養育力不足とするのは、入所理由の中の意味づけというのがどの辺にあるのかなと思うので、ちょっと言葉を変えたほうがいいのかなと思います。後々残る、10年後、20年後もあると思いますので、「支援がなく養育困難」とか、いろいろ考えられると思いますので、お願いしたいと思いました。

○柏女主査 最初のところは分類の内容だからしようがないですね。
その下の「その他を除くと保護者の養育力不足が」というところは変えられるにしても、その前のところは行政の責任というか、これはもうそういう定義になってしまっていますね。
では、今井さん、お願いします。

○今井構成員 同じ意見です。しかし、選択肢に養育力不足でアンケートをとったので、選択肢としてはそれしかないから、結果を今さら変えるわけにもいかないのですよね。
本来のこの意味は、養育力不足のものもあるのかもしれないけれども、やはり育てにくい子というのが非常に多いのではないかと思うのです。ですから、ここの部分は何かの説明で補わないと誤解を生む。養育力不足だったら何で専門性が要るの、専門性は要らないではないのということにもなるし、この視点は専門性と矛盾する。何かで補足したほうがいいと思います。

○柏女主査 そうですね。「医療型ともに最も多くなっている」までは統計の数字なので、「このように」とかと入れて、補足の説明を入れていくという方法もありますね。この前のところは残念ながら修文できない。かといってこれを入れないというのも、何となくどういう子供たちが入っているのだろうということをわかっていただくということもありますので、ここは事務局と相談しますけれども、「最も多くなっている」の次に「このように」という形で「支援が必要な御家庭」というように変えるしかないかなと思いますが、何かいい工夫でもあれば。
提案があれば事務局からお願いします。

○本後障害児・発達障害者支援室長 今のところは、検討会の親会のほうでも、特に後半のほうは大分そういう御意見が集中していたと思います。この「養育力不足」という言い方もそうですけれども、全体的に保護者に対して少し厳し過ぎる表現が多いのではないかということは、かなり多くの御意見をいただいていたかなと思います。
先ほど今井委員、北川委員がおっしゃいましたとおり、この「養育力不足」というのは、確かに統計をとったときにこういう言い方でとっているので、このとおりになるのですけれども、その意味合いを考えたときに、まさに今井委員がおっしゃったとおり、これしか当てはめようがないので、ここに当てはめているということは多分あるのかなと思います。
ですので、これは座長と御相談をさせていただきますけれども、恐らく「保護者の養育力不足」といったときに、こういうケースとか、こういうケースとか、いろいろな場合がここに含まれていて、実は多様なのかもしれないというのを何らかの形で補う、補足する。注釈になるのか、本文に入れるかはともかくとして、ここの意味合いが非常に多様なのだということが何らか明示できるような形で、ここは修正を考えさせていただきたいと思いますけれども、そういうことでよろしいですか。

○柏女主査 そうした視点で。あるいはここは鍵括弧つきの「養育力不足」としていただいてですね。
昔、私が厚生省にいたころに不登校の問題で、学校嫌いが理由で学校を50日以上休んだものを登校拒否と言うとか、不登校と言うという定義があって、その「学校嫌い」も随分反発があって、別に学校は嫌いでないのだけれども、行けないだけなのだよということがあったりして、同じようなことがあるのだろうなと思います。ありがとうございました。
米山さん、お願いします。

○米山副主査 28年、29年の調査のときに、多分私たちはこの言葉を使ったのだと思うのですが、家庭局のほうの5年ごとの調査のそこでの入所、児童養護施設等の調査に、これに入っていたものを引用して障害児のこの調査をやったと思うので、もう一度そこを振り返って、普通に言えば、やはり「養育困難」という言い方なのだろうと思います。
そういうことで、言い訳ではないですけれども、調査のときに私たちはその言葉で質問用紙をつくったものですから。

○柏女主査 ありがとうございます。
お願いします。

○遠藤構成員 中間報告の4ページの「(2)基本的な方向性」のところの1と2なのですけれども、基本的な考え方、将来に向けてはこういう方向というのは、そんなに反対の声が出てくる話ではないと思うのですが、私たち、子供たちの支援の現場で毎日子供たちと向き合っているときに、子供たちは実は毎年変わっていくのですね。
先ほどの18か、20か、22かという話もそうなのですけれども、流動性があるのです。それともう一つは、職員も何十年もそこにとどまるわけではないですから、その流動性というのを念頭に入れた支援の規模であるとか、工程であるとかいうことを十分考えていかないと、子供も職員もパンクしてしまうのですね。
先ほど来、本体の機能を強化してバックアップする体制というのは、実はすごく大切なことだと思っているのですね。ですから、その辺を小規模だけでなくてということで、言ってみれば、家庭という小規模なところでパンクしてしまって、何とかしてくれ、何とかならないかと来るわけですから、それをまた逆の道で、小さな単位で一人一人の人との距離感を適切にとれるような支えをするための工程表ということを、子供の世界で流動性があるということを最重点に置いていくというのは、とても必要だと思います。
もう一点は、職員がこうしようとかああしようというよりも、子供同士の影響、子供同士の関係で、悪くなることもあるのですけれども、子供同士の関係で人との距離感をつかんでいくというのも、子供の世界では確かにありますから、その辺を十分念頭に入れて、整理をしていきたいものだなと思いました。

○柏女主査 それはそのとおりだと思いますね。ここにあるものは方向性なので、これを何人に落とし込むのか。ワンユニット何人に落とし込むのか。それは指針をつくっていくという形になっていますので、そこの議論の中で落とし込んでいく形になるのだろうと思います。
今井さん、お願いします。

○今井構成員 今井です。
今のと関連して、「特定の大人との」云々とか、「家庭的な養育」とか、「愛着」とか、物すごく多用されているのです。厳密に読み解こうと思うのだけれども曖昧で、ちょっと一面的ではないかなと思います。
今、おっしゃったように、子供のニーズも年齢によって変わって、やはり3歳ぐらいまで、障害児だと5歳ぐらいまでかな、「特定の大人との」という言葉もぴったりするのだけれども、17歳、18歳で、たとえ障害があっても、そろそろほかの良い大人とか、仲間とか、そういうのも意識するわけで、児童全部を「特定の大人との継続的で安定した」というように言ってしまうとちょっと言い過ぎかなと思って、例えば4ページであれば「安心できる大人との」とか。
職員も親と同じようにマンツーマンでずっとやるのか。そういうことは、実際現実にはできないわけで、この愛着の問題にかなり執着した感じになっているのですけれども、グループで育つ、よい仲間の中で育つ、あるいは良い大人たちを見ることによって、子どもはうちの親だけではないのだ、ほかの大人もいるのだということを学んでいるのが現実だと思うのです。そこをもうちょっと広げて、コミュニティーの中で育つということで、入所施設であれば入所施設というコミュニティーをマネジメントするという専門性が必要なわけで、そこが少し入ったほうがいいのではないか。家庭か、施設かという極端論になっていないか心配です。

○柏女主査 先に北川さん。

○北川構成員 愛着の問題はすごく広いので、本当に小さなときの親子関係と捉える捉え方もあるし、17歳になってもここがうまく形成できない場合は違った意味での愛着の問題として出たりするので再形成が必要だったり、最近の本を読むと、やはり思春期といっても愛着が大事なのだ、仲間の時代に入るからこそ大事なのだとか、そういう論文も出ていたりしますので、この愛着をどう捉えるかというのはとても難しいと思うのですけれども、発達という観点とか、日中活動の集団の大切さとか、そういうことも一緒に考えていったらいいのかなと思います。やはり集団の中で子供たちが育つという視点もありますので。

○相澤構成員 愛着は別に一人の方との愛着だけではありませんので、特定の大人を中心としつつ、いろいろな方と愛着をつけていくことはとても大切なことなので、そういう意味では「特定」と書いてありますけれども、それを中心にしながらも、いろいろな方との愛着形成をつけていくということは子供にとって大切だと言われています。その辺はむしろ米山先生が専門だと思います。

○米山副主査 私も、やはり愛着というと、より家庭的とか、特定のというところがありますけれども、施設の中で考えたときは、大人との、あるいは子供同士の信頼関係という言い方ぐらいに緩くしたところで、愛着はすごく情緒的なところもあるし、もちろんすごく複雑だなと思っていて、例えば自閉とか、長くなってしまうからあれだけれども、いわゆる愛着という話では、共同注意、人との関心とかそういったことで言えば、当然、乳児期から生後6カ月、7カ月から約2歳前までのところで一気に共同社会性というのも育つわけで、コアな部分の愛着というと、それはもう年齢を超えたらそういう話はない。そこで育たないわけではもちろんないわけですが、そういった話にもなるので、私は今、信頼関係という言い方ぐらいに緩く使っています。

○柏女主査 このレポートは、今後どうしていくかというレポートですので、今は乳児というか、幼児も思春期の子も同じ配置基準でやりなさいというようになっているので、そこは乳児、幼児のところの配置基準を上げるのですよという方向性をここで示しているのだと思うのですね。
ですから、思春期になったときの友達関係を否定しているわけでも何でもなくて、今を変えていくために、信頼関係だったら対社でいいではないかという話になって、小規模化が進まないという話になりますので、それでいいのだろうかということは、報告書は学術論文ではないので、これは政策を進めていくための一つのツールという形なので、特定のところを強調するということは、当然あり得るだろうと思っています。
北川さん。

○北川構成員 その4:1問題なのですけれども、障害児入所施設の職員や施設長さんの方々が強く願っているのは、やはり児童養護よりも配置がよくない。愛着形成にかかわるということも関係していくと、やはり「4:1に引き上げることを目標とするなど」ではなく、目標とするということをしっかりと書き込んでいただきたいという意見がすごく多かったです。
本当に児童養護が4:1でこちらが4.3:1という、子供家庭福祉課の施策からこちらの施策がおくれてしまったということに対して、現場の先生方の元気がなくなるというか、自分たちの仕事は一体何なのだろうというところにまでいくと思いますし、子供たちをしっかり見ていきたいという思いで、この基本の配置基準を、今回10年ぶりぐらいで、きっと10年に1回ぐらいで、ある先生によると、こういうことは自分の生きているうちはないのではないかとおっしゃる方もいるぐらいの検討会なので、ここをしっかりやっていただきたいというのがすごく強い意見として出ておりました。
あと、それに関連するのですけれども、先ほども申し上げましたが、障害児の福祉型の入所施設というのは、家庭福祉課の社会的養護施設に本当に関係しているというか、近接領域というか、そういうところがいっぱいあって、家庭福祉課のほうで進んでいるものがこちらにはないことがあったりしますので、ファミリーホーム、例えば入所施設はグループホームができるようになったとして、ファミリーホームは一体どうするのだ、自立援助ホームは一体どうするのだ、向こうには制度があるけれども、障害児仕立てではないよとか、本当に連携していないばかりにいろいろな子供たちが、現場の先生方がいろいろな意味で大変さを担っているということがありますし、今、家庭福祉課で中心的に考えているのは、子供の権利のことだと思うのですけれども、そのこともこちらのほうとの連携がなく、子供のオンブズマンとか、コミッショナーとか、障害児だからこそ自分の意見が言えなかったり、ヘルプが出せなかったりするわけだから、ともに考えるという障害児入所の子供の権利が書いてありますけれども、そういう意味で、同じような子供たちを見ている家庭福祉課と障害福祉課の連動・連携を超えて、本当に一緒に考えていくぐらいの方向性がないと、いろいろな矛盾が出てきていて、子供たちが結局施策の谷間にしわ寄せの中にあるということを、何とかここの報告にも書いていただければうれしいなと思います。

○柏女主査 相澤さん、お願いします。

○相澤構成員 そういう意味では、その他の5に権利擁護というのが入っているのは、もうちょっと上に上がらないかなと私は思っていました。
もう一つ、やはり包括的な支援の保障でも、家族支援とか、できるだけ子供の乳幼児からの支援ということを考えたときに、例えば多機能化みたいなことを考えると、障害児施設が小規模保育みたいなものをやっていただいて、柏女先生は基本保育という考えを打ち出されており、全ての子供が義務的に保育をすべきだとおっしゃっていますけれども、今回の幼児教育の無償化を考えると、やがてそういうときが来るかもしれません。3歳児未満は障害のあるなしを判定するのはなかなか難しい。ですけれども、障害児施設で障害の方を見ていらっしゃるプロの方は、乳幼児の段階から、恐らく障害のおそれがあることについては気づかれるのではないか。
そう考えると、そういうときからきちっと子供のケアを始めれば早い段階でいいケアができるだろうし、例えば今、多様性について考えていかなければいけない。そのときに保育の中で、障害があるとかないとか関係なく、それぞれがお互いに人格を尊重し合うようなグループケアが始まれば、例えば先ほどの教育の問題で、障害があるからいじめに遭うとか、そういう問題の解決にも結びつきと思いますので、私はやはりできるだけ乳幼児のところでの支援にも障害児施設がかかわっていただくとありがたい。そういう意味での小規模保育の実施など、施設の多機能化という点についても触れていただいたらありがたいなと思いました。

○柏女主査 施設の多機能化ということですね。ありがとうございます。
では、そろそろ次の話題といいましょうか、併給の問題について事務局のほうからお話がありますので、今井さん、今、手を挙げていただきましたね。
では、今井さんのほうでお話をしていただいた上で次に移りたいと思います。

○今井構成員 9ページの職員配置を引き上げるということは大賛成で、その根拠としては、ケアの充実と愛着形成を促進するだけではないと考えます。特に障害児入所施設を見ていると、やはりすごく細かい観察をする必要があって、しかも多職種で集団的に観察する必要がある。愛着形成だけで理論だてする、それが一番通りやすいのかどうかは知りませんけれども、もう一つ入れてもいいのではないかと思いました。障害の子供の様子をよく観察・分析するためにも必要なのだと。

○柏女主査 一般の子供が見る必要がないという形になるのかどうか、そこは難しいところでもありますので、少し検討させてください。ありがとうございました。
最後にどうしても全体についてというのがありましたら。
では、短く。

○米山副主査 今の人員配置のところは、やはり大きく章立てしたところの発達支援にも入るわけですし、自立支援に入るし、社会的養護にも入る。全部に入った項目だと思うのですね。強度行動障害でも、人員配置が多いほうが強度行動障害が減るというエビデンスも出ていて、障害児がゆえにそこの養育の環境ということで言えば、人員配置は乳児も含めて本当に一般の養護施設以上にするというのは、その他でなくて、もっと上のところに入れていただきたいと思いました。

○柏女主査 ありがとうございます。
では、きょういただいた御意見、3つの領域については一定の方向性が確認できたかと思いますが、全体的にいただいた御意見については、ほかとの整合性の話とか、いろいろありますので、事務局のほうで御検討いただいて、最終としての案も次回の全体会で出していただくという形にさせていただきたいと思います。
それでは、入所中の併給の考え方について、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

○鈴木障害児支援専門官 併給の考え方について、参考資料5の説明をさせていただきたいと思いますので、そちらをごらんください。
「障害児入所施設に入所している障害児の障害福祉サービス・障害児通所支援の併給について」という標題で記載がされています。こちらは中間報告ですね。本会のときに、外泊時の併給について御質問がありましたので、本日医療型のほうのワーキングでも説明させていただきましたので、共通事項ということで参考資料としてつけさせていただきましたので、御説明いたします。実はこの問題は、福祉型のワーキングでは第3回目のときもございましたので、一応説明させていただいていますけれども、改めて御説明いたします。
まず、平成19年に「障害児施設給付費等の支給決定について」という通知が出ておりまして、一番上の四角囲みですけれども、参考資料3がその内容になるわけですけれども、同時に支給決定できるサービスの組み合わせ部分を抜粋しているのがこの資料になります。
この中で、まず、基本的に報酬が重複しない利用形態であるということが前提となりまして、特に必要と認める場合は併給を妨げないものとするということが明示されております。
次の四角囲みは参考になりますけれども、こちらは医療型に関係するかなと思いますけれども、「入院中の医療機関からの外出・外泊時における同行援護等の取扱いについて」が平成28年7月に出ておりまして、同年4月にQ&Aという形で、移動支援に係る障害福祉サービスにおいても、施設入所に係る報酬が全く算定されていない期間中、そして、市町村が特に必要と認める場合という形で記載がされているところでございます。
次のページをごらんいただきまして、最後に「障害児通所給付費に係る通所給付決定事務について」ですね。令和元年7月版がございますけれども、「(2)具体的な運用」のところで、障害児入所施設に入所する障害児についても書かれておりまして、この中では「入所中は、原則として障害児通所支援を利用することはできない」と書かれています。ただし、一時帰宅中において、支援が必要な事情が生じた場合には、通常、入所施設に戻って必要な支援を受けることが想定されるが、一時帰宅中の指定入所支援の報酬を算定しない場合は、こちらも前の通所と同様で、まずは報酬を算定しない場合ということが前提としてついておりますけれども、「市町村が特に必要と認める場合は、通所給付決定を行うことが可能である」ということが書かれておりますので、簡単に申し上げますと、1日に重複して給付が発生しないという状況の場合には、通所のサービスが使えるということになっております。
この部分に関しましては、そのほかのサービスを並行して使うという今回の中間報告の部分にも触れるところではございますけれども、現状としてはこういう状況になっていますので御説明させていただきました。
以上になります。

○柏女主査 ありがとうございます。
これについて何か御意見はありますか。
では、北川委員。

○北川構成員 やはり先ほどの制度の矛盾があるのかなと思っていて、児童養護からうちの児童発達支援センターに何人か通っています。里親はもちろんだと思うのですけれども、児童養護施設から通うことができるようになったのに、家庭福祉課と障害福祉課のお財布が違うからできるのかもしれないのですけれども、やはり現状、同じお財布だから重複とか、そういうことになってしまうということなのですね。

○鈴木障害児支援専門官 そうですね。二重給付という形になりますので、そこの部分は第3回のときにも話題になったと思うのですけれども、入所期間中に、例えば地域の児童発達支援を利用したほうが早期療育につながるのではないかという御意見もありましたので、それをどのようにかなえていくかというのは、また検討していく必要があると思います。

○北川構成員 そうですね。やはり専門性は入所にあると思うのですけれども、暮らしの場と通う場というか、日中活動が幼稚園やそういうところで無理なお子さんの場合、児童発達を使う必要がある子もいると思うので、その辺は児童養護のようにいろいろな壁を超えて、子供ファーストでやっていただければうれしいなと思います。

○柏女主査 ありがとうございます。
やはり縦横連携をやるためには、それぞれの制度にちょっとだけでも「のりしろ」がないと難しいというのは、もうそのとおりだと思いますね。
では、今井さん、どうぞお願いします。

○今井構成員 今井です。
記憶がはっきりしないので間違っている質問かもしれませんが、入所施設のお医者さん(配置医)は月額なので、(入所中に)地域の医者にかかるときに制限がかかった記憶があるのですけれども、それは全くないのですか。たしか併給になるから入所施設の医者にかかってくれと言われた児童がいたのだけれども、私の記憶間違いならすみません。

○鈴木障害児支援専門官 確認させていただいて、お答えしたいと思います。申しわけございません。

○柏女主査 少しずつのりしろ部分がふえていっているのですけれども、5年、10年という単位でふえていくので、もっともっとフレキシブルに使えるようになっていけばいいなという気持ちは切に思います。それは皆さん同じような御意見だと思いますが、一方で税金を使うということもありますので、そこも大事にしなければいけないということだろうと思います。
よろしいでしょうか。
それでは、きょうの議事は全て終了となります。冒頭に申し上げましたとおり、今回で福祉型ワーキンググループは終了という形にさせていただきます。補足的に検討した課題も含め、活発な御議論をいただき、ありがとうございました。
事務局から連絡事項等についてお願いをしたいと思います。

○鈴木障害児支援専門官 皆さんありがとうございました。7月から計4回の開催でしたが、今回で終了とさせていただきます。
今後につきましては、この後、最終報告書案の作成をいたしまして、作成後、また中間報告同様、皆様にメールで御意見をお伺いいたします。
今後の本会スケジュールですが、12月18日水曜日の10時からを予定しております。場所等詳細につきましては、また御連絡いただきますので、またそこで本報告書案について、皆様から御意見を頂戴できればと思います。本会の構成員の皆様は、12月18日の御出席、よろしくお願いいたします。
これで第4回「障害児入所施設の在り方に関する検討会福祉型ワーキンググループ」は終了いたします。大変お忙しい中、各回へ御出席いただきまして、ありがとうございました。お疲れさまでした。

○柏女主査 4回にわたって貴重な御意見をたくさんいただきましたこと、心より感謝を申し上げたいと思います。
それでは、きょうはこれで終わりにいたします。ありがとうございました。

<了>