令和元年10月16日 第5回障害児入所施設の在り方に関する検討会(議事録)

日時

令和元年10月16日(水)
15:00~17:00

場所

厚生労働省 17階 専用21会議室

出席者

構成員

議題

  1. (1) 障害児入所施設の在り方に関する検討会中間報告(案)について
  2. (2) その他

第4回 障害児入所施設の在り方に関する検討会 議事録

 
○本後障害児・発達障害者支援室長 それでは、定刻になりましたので、これより第5回「障害児入所施設の在り方に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
本日の構成員の出席でございます。相澤構成員、菊池構成員からは御都合により御欠席と御連絡をいただいております。
また、市川構成員の代理として、今井構成員に御出席いただいております。
それから、事務方は国会で席を外しております。国会が終わりましたら出席する予定でございます。
本会議は、資料、議事ともに原則公開としております。議事録につきましては、後日厚生労働省のホームページに掲載となっております。
また、ホームページでも御案内しておりますとおり、厚生労働省における審議会などのペーパーレス推進の一環として、本検討会の資料は紙配付を行っておりません。御不便をおかけいたしますが、御協力をお願いいたします。
卓上にタブレットを設置しております。使い方について不明な点がございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。
それでは、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
以後の司会は、座長、よろしくお願いいたします。

○柏女座長 久しぶりの再開という形になります。その間、医療型、福祉型の入所施設のワーキンググループで熱心な御議論をいただいておりまして、本当にありがとうございました。私は医療型のほうは出席できませんでしたので、議事録等で拝見させていただきまして、福祉型も医療型も熱心な議論が行われていたように拝察しております。
今回は、その議論を経て、中間報告の案を御検討いただきたいと思います。事務局のほうで、これまでの議論を踏まえて中間報告の案を作成していただきまして、また、皆様方に御一読いただいて、たくさんの御意見を頂戴いたしましたが、その御意見を頂戴した上で、事務局のほうでそれを修正したものを本日中間報告案として出させていただいております。
この1点のみ議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、中間報告案について、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○本後障害児・発達障害者支援室長 それでは、御説明をさせていただきます。
資料1をクリックしていただければと思います。中間報告(案)でございます。
最初、「はじめに」と現状がありますので、そこは説明を割愛させていただきまして、少し進んでいただいて、3ページ目、「3.障害児入所施設改革に関する基本的視点と方向性」でございます。
基本的視点というところですけれども、これまで御議論いただいたとおり、2つ目の段落、子供と特定の大人との愛着関係の形成こそが子供のその後の発達にとって最も重要である。何より、子供の福利(ウェルビーイング)にそうした環境が不可欠であることを示すものである。障害児童であっても例外ではない。
それから、その2つ下の段落、障害児入所施設に入所している児童は、障害があるということに加え、何らかの理由により自宅で暮らすことができないほど極めて困難な状況である。こうした困難な状況にある障害児本人の最善の利益を保障する観点から、障害児入所施設の機能を考えることが必要。
こういったことを基本的な考え方として書かせていただいております。
4ページ目に、基本的な方向性を5点まとめております。
1つ目が、ウェルビーイングの保障でございます。障害児入所施設においても、できる限り家庭的な養育環境の中で、特定の大人との継続的で安定した愛着関係の中で育つ権利を保障することで、ウェルビーイングの向上を目指す必要がある。
2番目が、最大限の発達の保障でございます。障害児入所施設は幼児期からライフステージを通じて子供の育ちを支援する。発達段階、障害特性に応じて個々に配慮した環境設定、支援を行う必要がある。
3番目が専門性の保障。愛着形成の課題や強度行動障害、医療的ケアなど、ケアニーズの高い入所児童が多くなっている。さらなる体制の整備や研修による専門性の向上を図っていく必要がある。
続いて5ページ目、質の保障。障害児入所施設でも、児童発達支援及び放課後等デイサービスガイドラインのように運営指針を作成し、それに沿った運営、支援が行われる必要がある。自己評価、第三者評価の仕組みを導入する必要がある。
5点目でございます。包括的支援の保障ということで、入所時、入所中、退所後と子供と家族が今まで暮らしていた地域から離れ、支援の内容が継続されなかったり、家族が孤立するなど不利益が起こらないよう、切れ目なく支援が継続されることが必要である。
次のポツ、施設入所後であっても、家族の実情を考慮しながら、可能な限り親子関係が維持できる支援を行う必要がある。
最後のポツです。地域共生社会の実現を目指すという観点からも、障害児施策だけで完結するのではなく、母子保健施策、子ども子育て支援施策、社会的養護施策などと連携をし、包括的に課題に対応していく必要がある。
こういった5点でまとめさせていただいております。
続きまして、福祉型、医療型それぞれの課題と方向性について整理をしております。
まず、福祉型入所施設の課題と方向性、「1)発達支援機能」でございます。
家庭的な養育環境の推進ということで、ユニット化などによりケア単位の小規模化を推進すべきである。新たに地域小規模障害児入所施設(障害児グループホーム)(仮)を導入することについても検討すべき。障害児を中心に受け入れられるファミリーホームの枠組みも検討するといったことでございます。
それから、専門性の高い支援ということで、強度行動障害に関する研修の推進、強度行動障害児を受け入れた場合のさらなる支援などにより専門性を高めるための支援の強化。それから、視覚障害、聴覚障害のある子供には、環境整備や支援機器の適切な活用も大切。医療機関や医師・看護師等の専門職との連携を強化すべきである。
次のページでございます。
「2)自立支援機能」、自立に向けた支援の強化ということで、早い段階から退所後を見据えた支援に取り組むことが必要。関係者、関係機関との連携を強化する。こうした役割を担うソーシャルワーカーの配置を推進する。
それから、いわゆる加齢児の問題でございます。2つ目の段落、障害児入所施設も児童福祉施設であるという原則に立ち返り、福祉型については満18歳をもって退所する取り扱いを基本とすべきである。地域や他施設での生活がどうしても困難である場合には、必要性が認められる場合には、引き続き障害児入所施設で支援を受けることができる特例を認めるべきである。この場合においても、状況が改善した場合には速やかに移行できるようにすることが重要。既に18歳以上となっている入所者につきましては、当面の間、現在入所している障害児入所施設で支援を受けることができる特例を認めるべきである。
8ページ目、「3)社会的養護機能」でございます。
被虐待児などの増加を踏まえた支援力の強化ということで、2つ目の段落、「このため」というところです。支援力を強化する観点から、心理的ケアを行う専門職の配置の推進、職員に対するさらなる研修などを行うべきである。入所施設と児童相談所が定期的に入所児童の状況や支援方針について情報を共有するなど、両者の連携を強化することが必要である。
2の児童養護施設等との連携強化でございます。児童養護施設、乳児院や里親、ファミリーホームでも、多くの障害児を受け入れている現状がある。保育所等訪問支援事業の対象に児童養護施設や乳児院が追加された。障害児入所施設がこうした事業の担い手となり、専門性を児童養護施設などにも伝えていくことが期待される。
「4)地域支援機能」でございます。家庭支援専門相談員の配置の必要性ということで、入退所や外泊の調整、職員が子供に直接の支援を行いながら兼務で行っているという中で、家庭支援相談員の配置が必要であるということ。それから、障害児入所施設が里親フォスタリング機関の委託を受けるなど、里親やファミリーホームに委託されている障害児を支援する必要もある。
9ページ目、福祉型の「5)その他」のところでございます。職員の配置基準につきまして、「このため」という段落でございます。福祉型障害児入所施設の基本配置について、子供として適切な愛着形成を図る観点から、少なくとも児童養護施設の目標水準並みを目指して引き上げを図るべき。愛着関係の形成に配慮して、児童の年齢に応じた配置基準となっていることを踏まえ、障害児入所施設においても同様の仕組みとすることを検討すべき。
次が、医療型障害児入所施設の課題でございます。
まず「1)発達支援機能」について、福祉的支援の強化ということで、医療型の入所児童は、一般的に、状態の安定のための医療的な支援が日常的に必要不可欠。それとともに、成長・発達のための福祉的支援を強化させていくことが必要。次のページに行きまして、支援の担い手となる保育士などについて、その配置を促進すべき。
2、強度行動障害児支援加算は福祉型に限られている。医療型における対応困難事例に対するさらなる強化を図る必要がある。
3、障害福祉サービスにおける医療的ケア児の判定基準は、厚生労働科学研究により研究が行われており、その研究結果も踏まえて、医療的ケア児に対するさらなる支援を図る必要がある。
4は教育の強化ということで、教育の強化とともに就学前について入所児童と地域の児童との交流の機会をふやしていくべきである。
それから、家庭的な養育環境の推進ということで、福祉と並びましてユニット化について記載をしております。
次の11ページ目、「2)自立支援機能」でございます。
児者一貫のもとでの自立支援ということで、療養介護への移行に当たり、医療機関など関係者・関係機関が連携してアセスメント、支援のあり方について協議が行われるようにすべき。
医療型においても、在宅への支援に向け、週末、長期休暇に外泊する取り組みが行われている。他方で、外泊時加算は福祉型に限られている。さらなる支援を図る必要がある。
それから、有期有目的の支援の強化ということで、集中的なリハビリテーションを行う。主に肢体不自由児について活用がなされており、その一層の活用を図るべき。重症児に対しても、自立に向けた支援として活用促進について検討すべき。
それから、「3)社会的養護機能」でございます。
被虐待児等の増加を踏まえた支援ということで、これも福祉と並びまして心理的ケアを行う専門職の配置の推進等について記載をしております。
「4)地域支援機能」でございます。
大変御議論がありました短期入所のところでございます。短期入所は、単に家族のレスパイト利用だけにとどまらず、障害児の育ちの保障とその家族が安心して豊かな生活が送れるよう、家族全体をマネジメントする必要がある。施設単位で補うのではなく、障害児の状態像に応じて対応できる福祉型・医療型短期入所が地域の中で計画・運営されるよう次期障害児福祉計画の中で明示すべき。それから、報酬の見直しも必要ということでございます。
それから、ソーシャルワーカーについてですが、ソーシャルワーカーの配置の促進について検討すべきということでございます。
福祉型・医療型両者に共通する課題という形で整理をさせていただいております。
まず、契約入所と措置入所の整理ということで、さまざま通知等出しておりますけれども、依然全国でばらつきが生じている。その通知を再度周知、それから、継続的に状況を把握・共有すべきということ。
質の向上ということで、施設はともすれば密室化により質が低下するおそれがある。運営指針の策定や第三者評価、質の確保・向上を図る仕組みを導入することを検討すべき。
それから、入所施設間の連携ということで、医療の必要がなくなった児童について、医療型障害児入所施設を経営する法人が福祉型の障害児グループホーム(仮称)を設置すること。それから、児童養護施設を経営する法人が地域小規模障害児入所施設を併設できるようにすることなどを強化していくことが必要である。
次のページに行きまして、障害児入所施設の名称の変更ということで、児童発達支援入所施設に変更が求められているということ。
それから、権利擁護は、「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」、あるいは社会的養護分野で導入の検討が進められているアドボケイト制度を参考に進めていく必要があるということ。
6,他の障害福祉サービスや他分野の柔軟な利用ということで、入所児童について、原則として児童発達支援などの他の障害福祉サービスを利用することができない。退所後の生活を見据えると、こうしたサービスを入所中から柔軟に利用できるということについて検討すべきである。
それから、都道府県・市町村の連携強化ということで、入所権限は今、都道府県にありますが、地域で子供の支援を構築していく。入所と同時にかかわりがなくなり、また、退所のときに新たに支援を構築するという現状がある。子供と家族が不利益にならないよう、切れ目のない支援を行う必要がある。入所の決定権限を市町村に付与することにより、市町村が一貫して支援を行う体制とすることについても検討すべき。
こういったことを記載させていただいております。
最後でございます。機能強化に向けた取り組みということで、以上の課題について、児童福祉法などの取り組み、障害福祉サービス等報酬、これも次期改定において実現が図られるように検討すべきと書かせていただいております。
この内容について最後ですけれども、残された論点や議論を深めるべき点について検討して、年度内に最終報告を取りまとめられるように議論を進めていくといった内容になってございます。
説明は以上でございます。

○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、きょうはこの中間報告について御意見を頂戴していきたいと思いますが、大きく3つの部分に分けて御意見を頂戴していこうかなと考えました。
1つは、「3.障害児入所施設改革に関する基本的視点と方向性」まで区切って、20分ほど御意見を頂戴します。
2つ目が、「4.施設種別ごとの課題と今後の方向性」の福祉型・医療型の部分を一括で御意見を頂戴する。もしかしたらここが一番御意見が出るかもしれません。時間はまた20分と考えております。
続いて、(3)(4)の福祉型・医療型に共通する課題と今後の方向性から最後までというところでまた20分ほど御意見を頂戴して、そうしますと30分弱余るかなという感じがするので、また全体を通じて御意見を頂戴するという形で進めていこうかなと思います。
短い時間でしたけれども一度ごらんいただいて、御意見も頂戴しておりますので、この中間まとめそのものについての御意見でなくても、今後また議論が進められていきますので、残された課題や、ここをもっと詳しく検討しなければいけないねとかという御意見を頂戴できれば、この後の医療型、福祉型の議論の参考になるかなと思いますので、そういう御意見でも結構です。そこは事務局がうまく分けて整理してくださると思いますので、そんな形で進めていければと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、「はじめに」から3番の終わりまでとなりますので、5ページまでです。どなたからでも結構ですので、御意見を頂戴できればと思います。いかがでしょうか。
どうぞ。お願いいたします。

○小出構成員 育成会の小出です。
1つ、この中の項目としてはほとんど書かれていないことなのですけれども、確認の意味で伺いたいと思います。障害児というこの年代は、学校教育との関連が非常に強いと思いますけれども、この中に教育の保障についてのことが書かれておりません。そのことについてなぜかということを確認したいと思います。

○柏女座長 これは大切な視点だと思いますが、事務局のほうではいかがでしょうか。

○本後障害児・発達障害者支援室長 あえて書かなかったという意図は特にございません。ここは障害児入所施設のあり方ということで、いわばそこの論点にフォーカスを当てて整理をさせていただいております。当然、子供の育ちにおいて学校教育というものは切っても切り離せませんので、それはそれで非常に重要だと思っておりますので、施策としてはしっかり進めていきたいと思っております。

○柏女座長 よろしいですか。
今後、もしも議論するとすれば、それこそこれまでの障害児の支援のあり方については、障害を持った子供たちの寄宿舎などについても議論というか、文科省のほうからお話をしていただいて、そして、方向性を出すまでにはいきませんでしたけれども、そこの問題をこちらは留意するというような形で議論をしたことはありますので、そうしたあり方の検討が必要だとか、いろいろなことを報告書の最後に書いていくことは可能だと思いますので、この後の議論でしていただいて、今回は入所施設に限定したということで御理解いただければと思います。ありがとうございました。
ほか、いかがでしょうか。
有村構成員、お願いします。

○有村構成員 ありがとうございます。
私、中間報告の案を拝見したとき、どういうふうに表現したらいいかよくわからなかったところがあって、意見を先にお送りすることができなかったのですけれども、1つ、3ページの基本的視点のところで、上のほうから見ていくと、「子どもの福利(ウェルビーイング)」という表現がなされていると思います。いろいろな表現があるかなと思って、迷って、辞書で調べてみると、福利は幸福と利益と書いてありました。この中間報告を見てみましても、子供の権利の部分を積極的に行使していくというところ、あるいは家族に関しての部分もいろいろ載っているところがありました。
そういう意味では、後ろのほうでは「福利(ウェルビーイング)」ではなくて「ウェルビーイング」という言葉を使ってありますので、福利ということでなくてもウェルビーイングという言葉そのままでもよいのではないかなと、きょうここに来る電車の中で改めて思った次第です。
以上でございます。

○柏女座長 ありがとうございます。
これについては、事務局のほうではいかがでしょうか。

○本後障害児・発達障害者支援室長 御指摘はおっしゃるとおりのところはあろうかと思います。片仮名言葉を生で使うということについてどうしようかなと思ったところもありまして、書いてはみたものの、おっしゃるとおり、いろいろな概念を含み得る言葉として「福利」という若干聞きなれない言葉がいいのか、「ウェルビーイング」という割とすっとはまるような言葉がいいのかというのは、座長とも相談をさせていただいて整理をさせていただければと思います。

○柏女座長 よろしいでしょうか。
子どもの権利条約ではウェルビーイングもウェルフェアも両方とも福祉と訳されているので、そういう意味では、児童福祉法の第1条の子供の福祉というのはウェルビーイングということの福祉なのだろうと思いますので、改めて福利と書くよりはウェルビーイングで通してしまってもいいかなとは思います。特にウェルビーイングをあらわす日本語の訳語が十分まだ定着していない状況ですので、それでもいいかなとは思っております。
またちょっと事務局のほうと相談させていただきたいと思います。ありがとうございます。
では、今井さんと濱崎さん、お願いします。レディーファーストで濱崎さんが先でいいですか。

○濱崎構成員 全国盲ろう難聴児施設協議会から来ております濱崎と申します。
専門性の高い入所施設という点では、中に入って生活支援をする指導員等の専門性を高めていって、知的障害のお子さんをより理解して生活支援をしていくとか、聴覚のお子さんを支援していくということは大事なことなのですけれども、それだけで全部施設の中で完結するということは難しくて、生活支援をする職員はそちらの専門なのですけれども、やはり外に出ていってというか、専門的なものを受ける、例えば放課後デイサービスではないですけれども、そういうことも使えるということが必要なのではないかと思っているのです。
もう一点、盲とろうに関しては3歳から義務教育になっているわけですけれども、ほかの障害はそうではない。その辺の見通しというか、今の通所が悪いとかということではないですけれども、小さいときからきちんとそれなりにやっていくことで将来の伸びがすごく違うのではないかなという意味では、税金をどこで使うかで、小さいときに使っていったほうがいいのではないかと思うのです。
ですから、ちょっと話はあれですけれども、例えば知的障害のお子さんを私どものところで受けたときには、知的障害のお子さんは施設の中でずっとお世話をしなくてはいけないのです。聴覚とか盲のお子さんはかなり重度であっても学校には通っていけるという意味では、大分職務のあり方も違ってくるものですから、その辺はどうしたらいいかなと思っております。
以上です。

○柏女座長 わかりました。今後の御意見として伺っておきます。ありがとうございます。
では、今井さん、お願いします。

○今井構成員 自閉症協会の今井です。きょうは市川会長のかわりで出ております。
たびたび出てくる家庭的な養育環境、あるいは家庭的何とかなどの家庭環境という言葉が世代によって意味がかなり違う。団体の中でも議論したら、都会に住んでいるマンション住まいの人にとっての家庭環境というとかなり小さい集団を言う。地域や地方だと、家庭というけれども、地域のつながりもある。そういう中に子供の社会がある。育ちの中で、親子関係が中心の時代もあれば、もうちょっと広いところになる。
家庭環境という言葉はいろいろな意味に使われやすいので、どういう意味で言おうとしているのかを解説したほうがいいのではないか。

○柏女座長 わかりました。
正式には、児童福祉法第3条の2で、家庭と同様の養育環境というものと家庭的環境と使い分けられていますので、そのことを注でも入れればいいかなと思いました。

○今井構成員 そうなのだけれども、その場合であっても、読む人の側で時代に伴って意味合いが変わっているのではないかなと。

○柏女座長 わかりました。ここはちょっと事務局のほうと相談させてください。ありがとうございます。
では、米山さん、お願いします。

○米山構成員 米山です。
先ほど小出構成員のほうからお話がありましたけれども、教育ということをもう一度踏まえて、あり方の中で子どもの権利の第23条の中には当然教育のサービスというのは載せてあるわけです。私は28年、29年の調査のときに、記憶がちゃんとしっかりしていないのですが、学校、入所施設内であっても、訪問学級と訪問分教室というスタイルをとっているところとさまざまなのです。多分、東京都の場合、訪問籍の場合には週3回2時間というような大まかなもので来られているところと、分教室となれば毎日などで、子供の権利側からすると、入所していても学校教育をどのように受けているかということが、私たちも調査でそこの部分に余り触れていなかったようなことがあって、ちょうど2の入所施設の現状という中で、もう一度そのあたりがもしわかれば、少しシステムのことはいいのかなと思いました。
福祉型の場合には、学校へ出かけていったりという方も多いと思うのですが、特に医療型の場合に、ここにもある医療的ケアが必要な方たちの場合に訪問籍になっている方もいらっしゃるので、そのあたりをもう一回中間報告をしていくまでに整理できると、子供の今の教育を受けるという日中の活動の保障、学齢児の保障にもなると思うので、その辺を整理できたらいいなということと、前も出ましたけれども、養護学校の寄宿舎の場合に、医療的ケアの方たちは寄宿舎は利用できないようなことがあったと思うのですが、その辺の連携だとか、今後の特に医療型などの場合の機能のあり方というところにも関係するので、そのあたりも少しわかればいいと思いました。

○柏女座長 ありがとうございます。
これは座長として中間報告をまとめる立場から申しわけないのですけれども、現状のところで今、教育をどうやって受けているかということを書いてしまうと、後ろのほうで教育の提言がないので、最終報告でそれをさせていただくということでよろしいでしょうか。御配慮いただきましてありがとうございます。ぜひそれは一定程度この後で議論していきたいと思います。事務局のほうでテークノートしておいていただければと思います。ありがとうございます。
どうぞ。お願いいたします。

○原口構成員 原口です。よろしくお願いします。
基本的な方向性の3の専門性の保障のところで、愛着形成の課題や強度行動障害など、ケアニーズの高い入所児童が多くなっているという書きぶりになっていて、そのために支援の充実をさせることが必要で、例えば強度行動障害の支援の研修と書いてあるのですけれども、ここは基本的な方向性なので、そもそも子供の支援に関する専門性とか、障害児に関する専門性というのが非常に大切な視点になっていて、その上で近年の複雑な課題に対して、例えばこういった研修がというほうが。ここだと強度行動障害の研修ということになってしまっている。
一方で、次の課題になると思うのですけれども、福祉型の入所施設の発達支援機能のところには普通に「障害に関する研修の実施」という文言も入っているので、発達支援としてということよりも前に、基本的な方向性として障害児入所支援の専門性というところをちゃんと明記した上で、例えばこういった課題に関してはというほうがいいかなというのが意見です。

○柏女座長 おっしゃるとおりですね。ありがとうございます。
新たに付加しなければいけないところを強調し過ぎていて、もともと一生懸命地道に頑張ってくださる方々の資質の向上というところを忘れているのではないかという御指摘だと思います。ありがとうございました。加えさせていただければと思います。
児玉さん、お願いいたします。

○児玉構成員 日本重症心身障害福祉協会の理事長になりました児玉でございます。ワーキングループには参加しておりますけれども、この全体会では初めてですので、前の木実谷構成員に引き続いていさせてもらいますので、よろしくお願いいたします。
ちょっとくどいようなのですけれども、後でまとめるときの参考までにちょっと申し上げておきますが、先ほどの教育で、重症心身障害の施設の多くは訪問教育になっています。中には分教室を持っているところもございます。確かに分教室を持っているところは毎日のように教育があって、訪問教育の場合は週3回です。それが嫌で入所をされない御家庭もあられます。重症障害に入っても、毎日どこかに通わせるために親が連れてきて外に連れ出すところもございます。
それから、肢体不自由のほうにおきますと、中に支援学校が併設されている場合が多いのですけれども、今まで通っていた通常学級に通うことを望まれる方も中にはおられます。
したがって、障害別あるいは施設別に進む教育のシステムが限られてしまうことがないように、何らかの形でのまとめをよろしくお願いいたします。

○柏女座長 ありがとうございます。貴重な御意見として、後半の議論に生かしていきたいと思います。
ここの先に移ってもよろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、前も大事なのですけれども、一番大事な実務部分についての御意見を頂戴できればと思います。6ページから12ページまでになります。御意見がございましたらお願いしたいと思います。
朝貝さん、どうぞ。お願いします。

○朝貝構成員 全国肢体不自由児施設運営協議会の朝貝でございます。
11ページの「2)自立支援機能」の「2、地域生活への移行に向けた支援」というところで、2つ案があります。まず今回の中間まとめに関しては地域移行が重要な視点になっていると考えます。その中で福祉型では外泊時加算があるけれども、医療型にはないと書かれていますが、医療型の場合には目的をはっきりさせて、外泊時加算という名称ではなくて例えば在宅復帰支援加算とか、在宅復帰に向けた支援をするための加算という名称を検討したほうがいいと考えました。
もう一つは、第2案として、現在、既に地域移行加算がありますがかなり限定されたものなので、回数を見直して外泊時の加算に当てることも考えられ、2つの案のうち、どちらかをお願いしたいという提案です。

○柏女座長 とても貴重な御提言だと思います。ここで生かすか、最終報告で生かすか、また議論をしていきたいと思います。
ほかはいかがでしょうか。
北川さん、お願いします。

○北川構成員 ワーキングの中でもお話しさせていただいたのですけれども、そもそもこの検討会が始まったきっかけにもなった加齢児問題ですが、今回は関係者、関係機関による協議が行われるような体制整備を図る必要があると書いていただきました。けれども、18歳が基本となっていますけれども、しっかりと成人期に移行できるようにするためには、次期障害児の福祉計画にも記載するなどのことが必要なのではないかと思いますので、御検討をよろしくお願いします。

○柏女座長 ありがとうございます。これも大事な御意見だと思います。
福祉計画の中に記載すべきであるという御意見も幾つか報告の中に載っていましたので、どういう形にするのかまた検討させていただきます。
では、森岡さん、お願いいたします。

○森岡構成員 9ページの障害児入所施設の職員の配置基準でございます。4.3対1のところでございますけれども、前段の現状認識というところとリンクするのですが、近年、虐待児や強度行動障害の利用者の方、専門性、また現場の人手不足などもございまして、質と量ともに障害児入所施設はどこもかなり御苦労して運営されているのではないかと思っております。
この社会的な4つの機能を果たしていくためには、障害児入所施設の支援力、基本の入所施設としての支援力を強化といいますか、てこ入れする必要があると思っておりまして、この4.3対1となっているところは、これだけ社会の変化があって、虐待、強度行動障害、非常に困難さを抱えておりますので、ぜひ見直すことを御検討いただければと思っております。
以上です。

○柏女座長 ありがとうございました。
では、原口さん。その次に今井さん。

○原口構成員 先ほどと重なる部分で、発達支援機能のところの一番下の部分に、家庭的な養育環境の推進の流れで「その際、障害児については特にきめ細かい」という文がついているのですけれども、この内容は下の「2,専門性の高い支援」の専門性の向上というところと関係してくるのかなというところでの整理があったほうがいいかなという意見です。
もう一点、8ページの社会的養護機能のところで「愛着障害」という言葉が出ていて、それ以外のところでは「愛着形成の課題」というような書き方になっているのですけれども、ここで愛着障害という名称を出すことでいろいろな誤解や単純な理解をされてしまうというのは非常に難しいところかなと思いましたので、ここの愛着障害と知的発達障害との重複というところ、知的発達障害というところは障害児入所での言葉だと思うのですが、ここは少し慎重な使い方が必要かなと思ったので、後ろに書いてあるような愛着形成の課題や心の傷を抱えているケースというような言葉がわかりやすいかなというのが個人的な意見です。

○柏女座長 わかりました。これはとても大事だと思いますので、中間報告の中でもそれは修正していく方向で検討したいと思います。ありがとうございました。
では、今井さん、お願いします。

○今井構成員 今井です。
6ページの1の家庭的な養育環境なのですけれども、家庭的ということが強調されることについて、反対ではないのですけれども、一方で、年齢によっても家庭環境が持つ意味は違うと思うのです。親との密な関係というものも、きょうだいとか疑似兄弟的にグループで生活するということも、子供の発達にとってはとても重要で、小さい集団ほどいいということも経験的にはないはずだと思います。
ですが、余りにも片一方だけが強調され過ぎてしまっているのではないかなと。適切なグループの中にいるということが大人になっていく上での重要な要素なので、グループというものの価値を何か1行ぐらい書かれたほうがいいのではないかと思いました。実際に職員の皆さんはそのことをよく注意してやっておられます。でも、集団が悪く作用する場合もあるので、そこは非常に重要な問題だと思います。

○柏女座長 わかりました。後半に向けての大事な検討課題ではないかなと思います。集団の規模をどう考えるかということですね。社会的養護関係では6人という形で政策的に規定されておりますので、それをどう考えたらいいのかということはまたここで議論がなされていくといいかなと思います。
それから、北川さんで大丈夫かな。

○北川構成員 今の意見に少し関連しているのですけれども、最初から私も家庭的養護とか、今、施策がないので必要だという意見を申し上げてきましたが、本体施設の役割ということで、どのような役割をしていくのかということがここには記載されていないので、先ほど今井構成員も言ったように、どのような子供が本体施設でどのような暮らしをするのかということがもう少し記載される必要があると思います。

○柏女座長 ユニットケア、地域小規模を進めていく一方で、本体施設の機能を強化していかなければいけないということをどこかで書いておいたほうがいいのではないかという御意見ですね。その具体的なあり方については、後半の議論にさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
では、宮野前さん、お願いします。

○宮野前構成員 国立病院機構南京都病院の宮野前です。
12ページの地域支援について、短期入所というのは非常に重要なのですが、守る会、全国重症心身障害日中活動支援協議会のほうのヒアリングでも言われていたと思うのですけれども、同時に通園事業というものも非常に重要な要素で、ぜひこれも地域支援機能の中に加えていただきたいなと思います。ただ、それを各施設で始めていくためには、今の給付金ではまだまだ足りない点がありまして、そのあたりも含めた検討をしていただきたいということをぜひ加えていただければと思います。

○柏女座長 1点伺いたいのですけれども、障害児通所支援のあり方検討とは、これはどう考えたらいいのですか。つまり、独自で地域支援もやる。

○宮野前構成員 地域支援の中の一つとして、例えば病院機構の場合は在宅の障害児・者の方に対する支援として、短期入所ももちろんそうなのですが、通園事業などを加えていまして、そういった面で、現在、地域に重度・重複障害の方たちの通園、日中活動の場所がまだまだ少ないという現実がある。そういう意味で、こういった障害児施設もしっかりやっていくために、それを担保する制度が経営的に成り立つようなことも含めた対応が必要かなということです。

○柏女座長 わかりました。入所施設としても地域支援も行っていくために、通所部門もつくっていくことの大事さということですね。ありがとうございます。
ほか、どうでしょうか。
田村さん、どうぞ。お願いします。

○田村副座長 福祉型も医療型もソーシャルワーカーのことが書いてあるのですが、これは中身的には児発管の役割ということになるのではないか。つまり、それができていない現状があるということではないかと。児発管の役割を担う職員が現場の直接介護に入っているという現状があって、だから、児発管としての地域とのつなぎ役とか関係部署との連絡調整という仕事ができていない、または人数が少ないか、どちらかだと思うのです。
そういう意味では、単にソーシャルワーカーを配置すればいいということで解決することではないのではないか。だから、ソーシャルワーク的な任務をする児発管の現状の課題と、実際にそこができない背景の現場の人員配置の課題と2つあるのではないかと思うのですが、その辺を整理して書いたほうがいいのではないかなと思います。

○柏女座長 わかりました。
そこはこの報告でうまくすみ分けができますか。もうちょっと後になるかなと思ったのですが、児発管とソーシャルワーカーのすみ分けをちゃんとしておかないとならないということにもなりますよね。そうじゃないと、予算要求とか人員要求ができないという話になりますので、そこは事務局のほうにもちょっと知恵を出していただくような感じで進めていきたいと思います。そこは整理がいずれ絶対必要だと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、児玉さん。それから、有村さん。

○児玉構成員 ちょっと制度上の根幹に触れる部分もあるのですけれども、11ページの「2)自立支援機能」、「1,児者一貫のもとでの自立支援」という項目になります。重症障害児の場合は、大部分は医療型障害児入所施設から療養介護に移っていくわけですけれども、療養介護というのは施設ではないのです。病院において行われる療養介護支援のサービスなのです。しかし、実質上は療養介護施設に入ったようなもので、ここに入りますとほかのサービスは受けられないという形になるわけです。
しかし、療養介護を選ばざるを得ない子供あるいは人の中には、ある程度知的能力があったり、あるいは社会性、もっと広い社会に出たほうがいいような方であっても、障害が重いために療養介護を選ばざるを得ないケースもあります。そうした場合、そこに入った場合はほかのサービスは一切受けられませんので、むしろ生活介護や作業所など、ほかをのぞいたほうがいいかなというケースも受けられない。
また、入所している方々の中で、社会性が伸びてきて、外に出てみたい、あるいはグループホームなどを勧めたい。しかし、社会性が全くないので、一定期間ほかの外の生活を経験させたい。あるいは、ほかの経験をさせたいけれども療養介護にある限りはそれしか受けられないという形になっているわけです。
ここにおいての文章では、一人一人に適切な支援を行う観点から、18歳になったときに進路に当たって必要なアセスメントをしっかり行いなさいということと、各機関が十分検討しなさいということになっております。後で福祉型も共通しているところでもそういうことを進められております。しかし、福祉型のところの最後の説明では、2つのサービスが行われるような形で、費用が二重にかかるようなことは避けなければならないという形で書いてあります。これは、費用が二重にかからないような策を講じていただいて、療養型であっても医療が必要なために外の施設には入れないけれども、日中活動においてはいろいろなサービスを利用できるような道をぜひ切り開けるように、療養介護という制度の見直しもお願いしたいということを申し上げております。

○柏女座長 とても大切な課題だと思います。社会的養護を含めて、この二重給付のところに少しずつ穴があいてきてはいますけれども、まだまだパッケージで子供なり障害者の生活を見てしまって、ほかのところが受けられないというような問題はまだたくさん残っているかと思います。ありがとうございました。
では、有村さん、お願いします。

○有村構成員 ありがとうございます。有村でございます。
先ほどの田村先生のソーシャルワークの話にちなんで、書き方のところはこれから御整理いただくということではございましたけれども、ソーシャルワークの話が医療型のところでいっぱい出てまいりましたので、そこで、ソーシャルワーカーの配置とともに、ソーシャルワークのできる仕組みづくりみたいなものを検討していかないと、ヒアリングの際にもなかなかつながりにくかったり、せっかくいろいろなところで持っている機能が発揮されないということがありますので、施設のほうでもそれがきちんと発揮できるような仕組みのあり方みたいなものは、この施設の在り方のところでも書き込んでもよいのかなと思いました。
その上でもう一点、ふと気づいてしまったので、13ページの「4)地域支援機能」の「1,短期入所を活用した支援について」というところで書いてあったのですけれども、改めてここもあわせて拝見してみたら、2段落目の2行目が「家族全般をマネジメントする必要がある」という書き方になっておりまして、これは今、気づいたのですけれども、家族全般をマネジメントするというよりは、家族全般のニーズを把握し、サービスをマネジメントするというような感じにしないとちょっとまずいのかなと改めて思いましたので、発言させていただきました。
以上でございます。

○柏女座長 ありがとうございます。
こういうものは、事務局が自分で書いていてなかなか気がつかないところだと思います。大事な御指摘をいただきました。ありがとうございました。
それから、前のソーシャルワークのできる仕組みづくりというのは大事な視点だと思います。ありがとうございました。
児玉さん、どうぞ。お願いします。

○児玉構成員 もう一度発言させていただきます。
今度は短期入所についてですけれども、12ページの上のほう、地域支援機能の短期入所を活用した姿勢についてであります。ここでは短期入所の重要性にかなり触れていただきまして、その点では感謝申し上げますけれども、現在18歳未満の重症障害児あるいは医療的ケア児のほとんど、九十数パーセントは在宅でございます。それを全部カバーするのに、医療型の施設でカバーするのは限界があります。福祉型と言われているところでも、看護能力などを高めて、人口呼吸器等を受け入れたりするところがかなりふえてきております。そういう地域におきまして、医療型、福祉型を全体を通じてバックアップしない限りは、これらの方々、お子さんのためのサービスは十分に展開できません。
そういうことで、医療型についてはもちろんですけれども、医療型については最後に報酬の見直し等でいろいろ検討していただいていますので、それは感謝申し上げますが、福祉型で看護力を強化して受け入れていこうというところに対しても、しかるべき補助を何らかの形でなされるようにお願いしたいと思っています。

○柏女座長 わかりました。ありがとうございます。短期入所の強化ということになるかと思います。
では、米山さん、お願いします。

○米山構成員 9ページの職員の配置基準というところ、さっきも1つありましたけれども、「このため」というところで、「子どもとして適切な愛着形成を図る観点から、少なくとも、児童養護施設の目標水準並みを目指して引き上げを図るべき」と書いてあるのですが、もともと障害児はケアニーズが高いということもあって、その上に愛着ということですから、それが児童養護施設を目標にというのはそれ以上にということ。
それと、この前福祉のほうで、実は私がちゃんと資料を出さなくて申しわけなかったのですが、28年、29年の調査報告書で、実際には知的施設は平均でも2~3対1が圧倒的に多くて、小さい文字の欄外2にあるとおり、実際にはそれで加算の対応をしていただいていたと思うのですけれども、その報告データがあるものですから、最初の施設の現状というところでかなり具体的な数値まで出ていたので、そこに少し配置基準というところの調査結果を載せておいていただいた上で、参考に検討するというふうにしていただけるとよいかと思いました。

○柏女座長 ありがとうございます。少なくとも児童養護施設並みだけれども、調査によると現実には2.5対1ぐらいまでやっているので、さらに上を目指すべきだという書きぶりですね。
それでは、よろしければ最後のところに行きたいと思います。福祉型、医療型に共通する課題と今後の方向性から最後までのところで何かございましたらお願いしたいと思います。
どうぞ。朝貝さん、お願いします。

○朝貝構成員 14ページの「6,他の障害福祉サービスや他分野の施策の柔軟な利用」という項目です。先ほど児玉先生からもございましたけれども、我々のところでは、外泊中に地域の福祉サービスを利用したいというときに、だめと言うところと柔軟に対応してくれるところと、地域によって差があるのです。例えば親御さんがお風呂に入れられないので入浴サービスを外泊中に利用したいというようなニーズもあって、柔軟に対応していただきたいと思っているのですが、例えばこれは通知というような形で周知することができるのかどうかお聞きしたいなと思っています。

○柏女座長 今、現実はどうなのかということを確認したいということでよろしいですか。現状、施設入所中の方が家庭に戻っているときに在宅サービスの入浴サービスを使えるかどうかみたいなことになるかと思います。

○本後障害児・発達障害者支援室長 今の整理としては、外泊という状態であれば、入所の施設を使っていないという整理になり、その間、報酬が算定されていない状況であり市町村が必要と認めた場合は使えるということだと思います。
今、御指摘もありましたので、そのあたりは少し整理をしまして、特にこの柔軟な利用のところというのは、むしろ具体的にケースを明確にして、例えばこういうケースとかそういう形でお示しをしていただいたほうが、我々にとっても事務方にとっても検討の課題が明確になると思いますので、そこは少し整理をさせていただければと思います。

○柏女座長 それは、中間まとめではなくて最終まとめまでにという感じですか。

○本後障害児・発達障害者支援室長 そうです。中間まとめの段階では、今、課題を御指摘いただいたので、今後最終報告までの課題として整理をしたいと思います。

○柏女座長 わかりました。とても大切な指摘で、それが周知されれば家族との関係維持にとても役立つと思いますので、ありがとうございました。
では、北川さん、お願いいたします。

○北川構成員 これは制度とかにかかわることだと思うのですけれども、13ページの「3,入所施設間の連携強化について」のところで、医療型が福祉型の障害児グループホームができたり、養護施設が障害児のグループホームができるようにと書かれていて、随分画期的だなと思いました。
北海道の広域のところである意見が出まして、入所施設でなくてもこの小規模が可能であれば、例えば放課後デイや短期入所とあわせて、入所施設が経営主体ではなくてもこのグループホームができないだろうかという意見も出ていましたので、ぜひ今後の検討に加えていただけたら嬉しいと思います。

○柏女座長 施設間の連携をさらに広げるということですね。ありがとうございました。
では、青木さん、お願いします。

○青木構成員 青木です。よろしくお願いします。
従来の「障害児支援の在り方検討会」ではなくて、今回の場合は「障害児入所施設の在り方検討会」であることと、そこに社会的養育の視点が入ってきたということは今回の検討会の大きな意味なのではないかなと私は思っています。
その上で、今はまだ中間報告ですので、まだ取り決まったわけではないということは大前提なのですけれども、報告書の書き方の中に、全体的に「何々が必要である」とか、「何々すべきである」という書き方があるのですが、それは「いつ」「どこが」検討するのかという部分が抜けていると思います。
例えば教育の強化や、都道府県と市町村の連携といった部分は、それをどこが検討するのか。障害部局で全部検討するのか。ますます子ども局との連携が必要になってくるのではないか。さらに言えば、教育の問題だったら文科省と連携をとっていかなければいけないのではないかという意味では、今、中間報告ではありますが、「いつ」「どこが」それをするのかという部分が抜け落ちないようにしていただければと思っております。
あと、人材育成の部分については、配置基準のことや現在の職員の専門性の強化ということは書かれてはいるのですけれども、それだけではなく、今後の児童福祉にかかわる、障害児福祉にかかわる人の人材育成、それはお医者さんも含めた人材育成についての検討はどこでされるのかが気になるところです。
最後に1点だけ、冒頭に出てきた「ウェルビーイング」という言葉の話ですけれども、これは国がまとめる報告書ということを考えると、年配の方や特に障害児を抱えた親御さんたちが見るということなどを考えると、ウェルビーイングではなくもっと平易な言葉にしたほうがいいのではないかと私は思います。
以上です。

○柏女座長 ありがとうございます。最後のほうはまた事務局とあわせて一緒に検討させてください。
それから、この検討報告を実現していくための実施体制をどうするのかという話ですけれども、最終報告の中ではしっかりと書き込んでいくことがある程度大事だと思います。でも、もしやれるのであれば、最後の終わりのところに、最終報告に向けてというところ、あるいは機能強化に向けた取り組みのところなどに書き込めることは書き込んでいただいてもいいかなと思いました。ありがとうございます。
では、濱崎さん、お願いします。

○濱崎構成員 2点お願いします。
1つは、13ページの1、契約入所と措置入所のところなのですけれども、施設に入るということは、マイナスの部分を普通に持ち上げるためにという印象がすごく強いと思うのですけれども、そうではなくて、障害がある部分を施設入所することによってさらに伸ばしていくという観点もあるのではないかと思うのです。それが、契約というものがすごく役立っているという面もあるので、今後やっていく中で、そこを狭めるのではなくて、利用価値があるように幅を持たせていただきたいというのが1点です。
もう一つは、14ページの4、名称の変更のところなのですけれども、すごく疑問に思っているのは、通常の養護施設に障害のあるお子さんが物すごく入っている。そうすると、障害のあるお子さんというのはどこででもできるのかといって、逆に障害児入所施設は専門性を持っていないのかということにもなって、児童相談所である程度分けられて措置されたり契約の話が来るのですけれども、そのときに、障害児入所施設という名前がネックになって、親御さんがうちの子は障害児じゃないから行きたくないというものも影響しているのだとすると、名前を変えていくということは大事なことなのかなと思っています。
以上です。

○柏女座長 貴重な御意見、ありがとうございました。
では、今井さん、お願いします。

○今井構成員 今井です。
13ページの1と14ページの6と7が関係していると思っているのです。それは、14ページの一番下に書いてあるとおり、児童のサービスを主に所管しているところと地域福祉のほうを担っている行政が違うので、どうしてもここがうまくいかなくて、1、6、7を実務的にどのようにすればうまくいくのかということを、後半の会議の中でもうちょっと明確に言ったほうがいいのではないかと思うのです。
結局は、児童であってもやがて大人になるわけですから、地域が見るという方向に切り出さないといけないけれども、何の弊害があるのか私はよく勉強しておりませんが、明確にしたほうがいいと思います。
例えば1ですと、中学卒業ぐらいのときに切りかえたり、いろいろ地域によって扱いが違うのです。そのときに切りかえるのは、どうも子供の発達にとってよくないとかいろいろあって、福祉と児童の扱いを、「連携」と言う言葉だけでは弱いと思います。もう一歩踏み込んだ提言をしたほうがいいのではないかと思っております。

○柏女座長 ありがとうございます。1、6、7の再構成を考えようということで、大事な視点だなと思います。
森岡さん、お願いいたします。

○森岡構成員 ありがとうございます。
7の件でございますけれども、一貫した切れ目のない支援の確保というところでは異論はないのですが、入所の決定権が県にあるというのは、市町村のレベル、かなり人口規模の大きな市町村もございますし、私どもでいいますと2万人未満の市町は29市町のうち15市町でございまして、そこに専門性の高い入所の決定権といいますか、職員も要りますし、そういったことはなかなか厳しい面があるのではないかと思っております。
現実的にはそういうことですけれども、やはり市町村が一貫して入れる仕組みをつくっていただきたいなと思っておりまして、今も私どもの三重県でも入っていただいてはおりますが、市町が入る根拠がございませんので、ガイドラインなり運営指針なりで明確にそういった入る仕組みをつくっていただければというのも一つの方法ではないのかなと思っております。
以上です。

○柏女座長 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。
石橋さん、お願いいたします。

○石橋構成員 全体というか、どこでお話ししようかなと思ったのですけれども、よろしいでしょうか。

○柏女座長 そろそろ全体にいきますから、大丈夫です。

○石橋構成員 施設の質を上げるということで、ガイドラインということなのですけれども、放課後等デイのガイドラインを作成するときにかかわった者としまして、現実に地域においてそれが使われていないという現状があるわけですから、運営指針をつくったにしても、それをどう活用してもらうかまで踏み込まないと、放課後等デイのガイドラインと同じになってしまうのではないかなと。
放課後等デイは、施設側だけではなくて保護者側にもガイドラインをつくったのですが、保護者は全くその意識がないというのが現状です。団体として、そうじゃないよという話は都度するのですけれども、ある意味では契約ですから、親御さんの側に責任はあるわけですから、そちらできちんとやりなさいよということで、何を言いたいかといったら、個別支援計画のことは医療のワーキンググループでお話ししまして、ここがきちんとすれば質も上がるのではないかなと。その書きぶりがどこにもなかったものですから、ぜひ最終報告に向けてそのことを書き込んでいただきたいなと思います。
医療型というのは、構成員の皆様からもお声がありましたけれども、やはりお金がかかる。施設面においても、単に人だけではなくて、ある一定の医療機器が必要だというのが私どもの認識ですので、逆に言ったら、厚労省のほうでその予算は取ってくるぐらい意気込みのある書きぶりをしなければ、施設側もはい、そうですかというふうになかなか踏み込まないのではないかなと思います。
最後に、名称のことを言われましたけれども、私ども全肢連の感じでは、平成16年に制定された発達障害支援法の発達のイメージが強過ぎるのです。ここでのお話では、全障害という意味で「発達」ということなのですけれども、ここはもう少しきちんと考えていただいて、私どもとすれば、訓練もありますし、教育も入所施設でも行われているわけですから、成長という言葉ではなくて「療育」のほうがよっぽどわかりやすいのではないかなと感じております。
以上です。

○柏女座長 わかりました。
2つ目のほうは、中間まとめでは仮の名前で出ているから、よろしいですか。最終報告に向けて少し検討しましょう。ありがとうございます。
最初のほうは、中間まとめに直接影響する話ではないですね。その後のことでよろしいですね。

○石橋構成員 いえ、これまで個別支援計画について討議してきたことが、どこにも字面がなかったものですから、ぜひこれが。

○柏女座長 それはあってもいいかもしれませんね。先ほどの運営指針、ガイドラインのところに個別支援計画の話はあってもいいかもしれません。

○石橋構成員 個別支援計画がきちんとしていれば、親の立場から見れば、入所から退所までその都度1年ごとの成長というかその過程を踏まえながら退所に向けてということができるのではないかなと。それを両方が共有して、基本的に社会に出すということより、私どもは親に帰すということが退所ではないかなと考えているものですから、個別支援計画というものが大切であると考えております。

○柏女座長 わかりました。個別支援計画の記載については少し考えてみたいと思います。
運営指針とガイドラインをしっかりと根づかせていくためには、社会的養護の分野では第三者評価の基準と運営指針を連動させていますので、運営指針を守るということは第三者評価をそのままやっていくことだという形で連動させていますので、そういうやり方をとっていけばある程度可能になるかなと思いました。ありがとうございます。
では、児玉さん、お願いいたします。

○児玉構成員 今の個別支援計画にちょっと触れますけれども、今まで医療型の短期入所の場合は、お預かりするということが一定のサービスであって、それについて療育をいろいろ提供するということは余り触れられていなかったと思うのですけれども、しかし、昨今は厚生労働省が関与したアンケートでも療育サービスをしていますかというような項目が出てきて、しかし、療育サービスをするためにはそこに配置しなければいけません。そのためのコストがまた上がっていきます。
そういった点は、短期入所にありましても個別支援計画をその都度発行して、それによって生ずるいろいろなサービスについては加算するとか、個別支援計画を短期入所まで含めて拡大してくださることを一つの提案としたいと思っています。

○柏女座長 ありがとうございます。貴重な御提言だったと思います。
では、田村さん、お願いします。

○田村副座長 今の児玉先生の発言にかかわって、多分それを上からかぶせる形でサービス等利用計画がないと、施設のところでサービスが盛られていくという言い方は変ですけれども、経営主体のところに有利な形の計画にならないような、客観的な視点での計画が下にあって、その上に個別支援計画があるという原則的な今の相談支援の仕組みみたいなことをやらないといけないのかなと。
だから、今はセルフプランなどのあたりが割といいかげんになって、ちょっと揺れている部分があるのではないかなと思うので、そこを今、それをしようと思うとしっかりやらないといけないのではないかなという気がします。

○柏女座長 ありがとうございました。
では、米山さん、お願いします。

○米山構成員 中間報告なので、言葉の使い方なのですけれども、先ほどの発達という意味というのが、私は発達障害だけではなくて、全ての子供の成長と発達というイメージを持っていて、そういうイメージがあるというところで、少し言葉の定義をしたほうがいいかなと。
ここに書いてある医療的ケア児なのですが、福祉のほうの養護施設や心理治療施設のほうで医療的ケアという言葉が使われていて、それは処方、いわゆる抗精神病薬といったものを使われるようなかかわりを医療的ケアという言葉で表現しているのです。そういう意味では、第56条の6の第2項の医療的ケアはこういうものという定義をどこかに少し入れておいていただいたほうが、福祉型のほうは少し誤解が生じないかなというか、正しく理解されるかなと思いますので、その辺は御配慮いただきたいと思います。

○柏女座長 ありがとうございます。先ほどの家庭的擁護なども少し注をつけておいたほうがいいというような御意見がありましたけれども、そういう意味では、幾つか最低限のことに注をつけておくという形にしたいと思います。
原口さん、お願いします。

○原口構成員 最後のページの「5 最終報告に向けて」の2段落目、すごく細かい言葉の使い方かもしれないのですが、「とくに、家庭環境を奪われた障害児の代替ケアのあり方」という書きぶりがすごく強いといいますか、どういった意味で使われているのかなとすごく思って、私は、今回の入所施設のあり方という観点を入れると、ここは家庭で暮らせず入所施設で暮らす支援のあり方ということなのかなと思いましたので、確かに代替ケアという部分も含むところだと思うのですけれども、最初の基本的視点の「家庭で暮らせない」という言葉と「家庭環境を奪われた」というのは、多分権利条約などで使われている言葉だと思うのですが、ここの最後の部分はニュートラルな意味での使い方だと思うので、少し文言の検討をしていただけるといいと思います。

○柏女座長 おっしゃるとおりだと思います。契約入所のお子さんたちもいらっしゃいますので、そういう意味では、ここは権利条約の言葉をそのまま持ってくると不適当なところもあると思いますので、修正を考えたいと思います。ありがとうございました。
では、北川さん、お願いします。

○北川構成員 最後の機能強化に向けた取り組みの中で、先ほども意見しましたけれども、児童福祉法改正等、報酬改定がありますけれども、加えて、次期の障害児福祉計画を入れていただいたほうがいいのではないかと思います。

○柏女座長 ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。
お願いいたします。

○小出構成員 育成会の小出です。
先ほど今井さんのほうから市町の問題、それから、森岡さんが仕組みづくりが必要だということを言われました。5ページに包括的支援の保障と、これが基本的な方向性ですよということの中に示されております。
それでもって、14ページに課題と今後の方向性ということで7があるわけですよね。この7は、最後の行からいくと入所前から退所後まで市町村が一貫して支援を行う体制とすることについて検討すべきであるということが書いてあります。これは子供たちが住んでいる市、町、住んでいる地域が主導権をとるということが基本だと思いますけれども、入所施設になりますと都道府県の管轄になって、そこの連携が非常にうまくとれていない。この基本的な方向性として、包括的な支援の保障が重要ですよと言っているものですから、森岡さんが言うように、この検討会ではぜひ子供たちのための仕組みづくりということも今後やっていっていただきたいなと思っております。

○柏女座長 ありがとうございます。
包括的ケア支援の理念そのものは本当に大事にしていって、市町村を中心とした体制を検討していくということも、なかなか委譲できなかったとしても、それを補完するための仕組みづくりが必要になったということだと思います。ありがとうございました。
有村さん、お願いします。

○有村構成員 どういうふうに表現しようか迷っていたところなのですけれども、14ページ目の「7,都道府県・市町村の連携強化」の1段落目の最後の文章で「子どもと家族が不利益にならないよう切れ目のない支援を行う必要がある」と書かれています。この場合の不利益というのがどういうことなのかなといろいろ考えながら、これは多分いろいろ御工夫いただいた表現なのかなと思ったのですけれども、ある意味こういうところに、もし何か必要があれば、より積極的に問題が起きる前に家族にアプローチするという意味では、何か予防的な機能の部分にも貢献するといった部分を書き足すと、被虐待等で入所されているお子さんが多いわけですので、より積極的に意識づけになっていくのかなと思いました。
以上です。

○柏女座長 不利益というところだけを強調しないで、家族再統合支援といったところも最初から狙っていくという記載ぶりのほうがいいのではないかということですね。わかりました。ありがとうございます。
どうぞ。児玉さん、お願いします。

○児玉構成員 また発言させていただきます。
全体を通じまして、先ほど原口構成員からお話がありましたとおり、代替ケア、障害児の家庭環境が奪われたというところがありましたけれども、施設入所か在宅かという対立関係が随分出てきますけれども、私どものモットーとしては在宅及び地域生活を援助する施設機能という形で行っておりまして、入所しながらサービスを提供しながら親御さんもしょっちゅう出入りして、あるいは外泊してという形で、したがいまして、措置の場合にいろいろな問題があるかもしれませんが、そういう在宅、入所の地域生活を援助する施設の意義ということもニュアンスとしては込めておいていただきたいと思っています。

○柏女座長 ありがとうございます。
もう行っていますけれども、全体を通じて御意見があったらお願いします。
朝貝さん、お願いします。

○朝貝構成員 朝貝です。
石橋さんからもありましたけれども、財源のことです。成人と子供とを比べると、国のかける費用が18対1ぐらいになっているという数字も聞いたことがあります。圧倒的に子供にかける財源が少ないというのが現状であり、何とか子供の財源をもう少しふやして、今回の中間報告が潤沢に達成するようにしていただきたいのですけれども、どうすればいいのか。何かお考えがあればお聞きしたいです。

○柏女座長 今のところ、事務局のほうで何かお考えはありますでしょうか。

○本後障害児・発達障害者支援室長 すぐにこれというびしっとしたお答えはなかなか難しいのですけれども、全体的に枠を一気に大きくするというのは行政的にはなかなか難しいところもあります。
我々がこうしていきたいなと思っておりますのは、ここにも書かせていただいておりますけれども、例えばまだ足りないとおっしゃる声もあるかとは思いますが、報酬改定のたびにこの部分は足りないというところをしっかりとケアしていく。かつ、例えば何かの加算をつくったとして、その加算がどう使われているのか。うまく使われていないのではないかということもあります。それは、報酬のときにある程度の予算を確保して、こういった形で加算をつけていこうといってある加算をつけたにもかかわらず、うまく使えていないという例は非常に多くございます。なので、そういったところの何がうまくいっていないかということを丁寧に取り除いていくことによって進んでいく面があるのではないかということが一つ。
もう一つは、制度自体を変えるタイミングというのは、それほど多くはないのですけれども、ここにも書いておりますが、例えば児童福祉法を障害者総合支援法と同じタイミングで考えるのがどうかというのはわかりませんけれども、制度自体を考えるときにどうしていくのかというのが確実に一つ大きなポイントだと思いますので、そこを2点、この報告書の中では案として書かせていただいている。そういう大きな制度改正と、一つ一つの地道な改善の積み重ねかなとは思っております。

○柏女座長 どうぞ。

○朝貝構成員 加えさせていただくと、成育基本法ができたので、ぜひ具体的な障害の施策を入れていただくのも大事ではないかと思います。

○柏女座長 ありがとうございます。
個人的な意見になりますけれども、政府のほうで全世代型社会保障を進めようということで、子供の分野に財源を振り向けようということで、幼児教育の無償化や高等教育の無償化等が進められてきていますが、それに対応して、障害児支援の分野も政府のほうで独自に御努力をしてもらって、障害児支援の部分も無償化になってはいます。
そういう意味では、障害福祉が頑張ってくれているなと思いますけれども、根本でどうして全世代型社会保障が子供の分野に消費税の追加分を投入すると言いながら障害児を除くになってしまったのかなということは残念に思っております。その分、同じになるように御尽力をいただいていることは評価しておりますけれども、これも仕組みの問題だろうと思います。
それから、仕組みを変えるチャンスというのは行政のほうが一番知っていて、児童福祉法を改正するとか、あるいは財源を組みかえるとか、そういうときに揚げるたこを用意しておくのがこの検討会の役割だと思いますので、風が吹いたときにどのたこを揚げるのかというたこをしっかりとこの検討会ではつくっておきたいと思っております。皆様方に御協力いただければと思います。
では、北川さん、今井さん、米山さん、お願いします。

○北川構成員 知的障害者福祉協会の発達支援部会の中でもそのような議論がありまして、児童養護と同じような社会的養護施策の中に障害児入所があってもいいのではないかというような意見もありますことを意見したいと思います。

○柏女座長 ありがとうございます。
では、今井さん、お願いします。

○今井構成員 今井です。3つほど。
15ページの最後から3行目の家庭環境を奪われたというのは、障害児の母親たちに見せたら大変評判が悪うございました。国連の権利条約が言っている「家庭を奪われた」というのは、きっともっと物理的なことを言っているのだと思うのです。でも、養育力不足イコール家庭環境を奪われたというふうにとれないこともないものですから、ここは用心してお使いになるべきだと思いました。
2点目、家庭は子供にとってどういう機能があるべきだということはこの報告書でるる述べられている。一方、先ほど北川さんからもありましたけれども、入所施設あるいは障害児グループホームができたとしても、そこが子供にとってどういう機能を果たしたらいいのだと。それは、単に6人か3人に1人なのかという物理的なことではなくて、どういう環境を用意することが大事なのか。それがまた評価にもつながるので、そこもちょこっと入れてはどうかと思います。これが2点目です。
最後は、今回は障害児入所のワーキンググループですから、議論の外なのだけれども、どこかで書いてもほとんど政策的意味はないのかもしれないけれども、予防的なこと。つまり、入所施設に来なくてもいいように、例えば強度行動障害でも重度化しないための方法などがあるわけです。そこをもっとどこかでちゃんとやれよというようなことは最終報告の最後のほうで触れてもいいのかなと思いました。

○柏女座長 ありがとうございます。
最初の2つは中間報告のほうにも生かさせていただきたいと思います。3つ目は、これからの議論の中で進めていきたいと思います。
米山さん、どうぞ。

○米山構成員 最初のほうの基本的視点と方向性というところなのですけれども、もともと障害児支援のあり方が26年に出されたときに、そのときは地域社会の障害児支援は参加・包容(インクルージョン)ということを述べていました。それと、差別解消法の中には、実は子供のことは述べられていることがとても少なくて、子供の権利はどうかなということがあるのですが、差別解消法で先ほどから出ている合理的配慮ということも含めて考えると、権利ということだと基本的にはインクルージョンなり、ウェルビーイングもそうですが、ICFのことでは参加活動ということが基本なので、そこの基本を最初のところで押さえた上で入所施設という入り方のほうがよろしいかなと。やはりインクルージョンというのは基本的に入れていただくほうがよろしいかと思いました。

○柏女座長 わかりました。(1)の基本的な視点のところを、少し前の検討会の報告書を踏まえて入れておいたほうがいいということですね。ありがとうございます。
全体を通じていかがでしょうか。
原口さん、お願いいたします。

○原口構成員 5ページの包括的支援の保障のポツの2点目、「施設入所後であっても」というところなのですけれども、ここの施設での養育の後、家庭復帰を実現するため、ここは2点挙げられていると思うのです。親子関係の再構築等の家庭環境の調整、虐待再発防止のための親支援と、虐待が前提にあるような形になっているような気がします。ですので、ここは、先ほど予防という話もあったと思うのですけれども、そもそも親御さんがお子さんに合わせた子育てが支援できるようにという入所施設としての役割がきちんと明記されるほうがいいと思います。

○柏女座長 おっしゃるとおりですね。社会的養護関係のところがまだかなり残っているように思います。ありがとうございました。
では、森岡さん、どうぞ。

○森岡構成員 同じところでございまして、5ページの包括的支援の保障のポツの2つ目の後段のところでございます。障害児入所施設が地域の児童発達支援センター等と連携し、地域の障害児と家族を支える中核的機能の役割を担う必要があるということですけれども、将来的にはそうあるのが望ましいなと思うのですが、現段階でこういったことなのかなというのが少し、将来的にはこういうふうなところに育っていただきたいと思っております。児童発達支援センターはまだまだ整備がおくれておりますけれども、こちらが主になって、障害児入所施設が専門的に下支えするというようなことなのかなと思っておりますので、読んでいまして少し意見を持ったというところでございます。

○柏女座長 わかりました。ありがとうございます。検討してみます。
それでは、よろしいでしょうか。
これは、ここで大体御意見を出していただいて、中間報告に入るという形でよろしいのでしょうか。例えば1週間なら1週間また御意見をという形になってしまうと、時期をずらしてしまうという感じでしょうか。

○本後障害児・発達障害者支援室長 そうですね。もしよろしければ、ここで意見を出し尽くしていただければと思います。

○柏女座長 それ以降の議論でそれぞれのワーキングがあるので、そこで議論していただいて、最終報告はまたみんなで一緒になってまとめるという形でよろしいですね。
では、ここでまだ言っておかなければいけないということがありましたら、最後に出していただければと思います。
どうぞ。お願いします。

○小出構成員 育成会の小出です。
「はじめに」のところであるように、10年前と大きく違うという入所施設のあり方で、近年、入っている子供たちは虐待児が非常に多いということ。この中間報告の中に、虐待児を保護するような機能のことが書かれていないわけです。ですから、従来の入所の経路と違う子供たちが非常に多くなっているというのが現状なのです。
具体的にその対応というものが必要ではないかと。冒頭にも被虐待児の割合が非常に多くなっているということがあえて書いてあるものですから、その対応が今後必要になってくるのではないかと思っております。

○柏女座長 ありがとうございます。虐待を受けた子供たちの入所もふえているけれども、一方で子供たちのよりよい暮らしを応援したいと思って入所に至っている子供たちもいる。その両方をにらみながら、この報告書は書いていかなければならないということで、きょう幾つか御意見をいただいたところで、こちらに偏り過ぎではないか、こちらに偏り過ぎではないかというような御意見がありましたが、真ん中の狭い尾根を歩いていく知恵は事務局のほうで出してくださるのではないかと思います。忘れてはいけない大事な視点だと思っております。
北川さん、お願いします。

○北川構成員 虐待ということに関して、現実に、そこの部分を避けて通れない今の社会情勢があるのかなと思います。ただ、書きぶりの中では、私どものお母さんたちも手を上げてしまったり、いろいろなことがあるけれども、何よりもそのようにならないための家族支援の充実というあたりをしっかりと書き込んでいただければ、虐待ということも含めて、親御さんを孤立させないとかというような入所施設の役割として書くということが重要ではないかと思います。

○柏女座長 ありがとうございました。そのとおりだと思います。
では、宮野前さん、お願いします。

○宮野前構成員 私自身は国立病院機構にずっと勤めていて、その立場で話を聞かせていただいていたのですけれども、国立病院機構というのは重心施設を持っていて、当然福祉の施設でもあるのですが、独立病院機構法というものがあって、その中にどういったことをやるかという、そういった言葉の中に福祉は一切入っていないのです。そこは私、じくじたる思いがずっとあるのです。
今、話をお伺いしていて、私自身の勉強不足が大きいのですけれども、何となくずっと結核の後継医療として重心や神経難病を取り入れてきた経緯があって、医療というのが前面にあって、その中でどういった形で福祉のほうをきっちり押さえていくかというのを常々考えながらさせていただいたのですけれども、同じ障害児の入所施設という形で一くくりにされると、恐らく病院機構の人間にとってみるとかなり違和感を持たれるのではないかなというところはあるのです。ただ、方向性としては、私、皆さんの議論は十分納得できて、そうだろうと思っているのですけれども、そのあたりをどういった形で報告書の中に位置づけというか、病院機構という言葉を入れる必要はないかもしれませんけれども、ちょっとどうなのかなと少し不安に思ったもので、これは私自身の感想で、意見とはちょっと違うのですけれども。

○柏女座長 わかりました。
この報告書が出たときに、恐らくそれぞれの団体で御議論があるだろうと思います。そのための中間報告だと思いますので、最終報告が出てからいろいろな意見がわーっと出てくるよりは、中間報告で出たときに、いろいろな御意見をそれぞれの団体の中でも御議論いただいて、またこちらへ戻していただくという形ができるといいかなと思っています。

○宮野前構成員 逆に、それを現場の人間としては利用させていただきたいという思いも正直あるものですから。

○柏女座長 そうですね。今回の医療型の入所施設で、やはり生活が大事だということで、保育士等を強化するといったような文言も入っていますので、これはすごく大事なことだなと私は思っています。そんなところも国立病院機構の中でまた議論をしていただければなと思います。ありがとうございます。
では、鈴木さん、今井さん、田村さんということでお願いします。

○鈴木構成員 今、宮野前先生からお話があったのと今度は逆の立場というか、児童相談所からすると、皆さんがおっしゃるとおりに、措置と契約って結局は障害児施設で、はい、こちらは虐待です、こちらはそうじゃありませんと言っている、まさにそこのところなのです。児童相談所がそこをどう判断するのかという御意見も出ましたけれども、本当に今、議論の中で、どうそこをこの報告書の中でうまくミックスさせて、なおかつ児童相談所も保護者の方に説明していくのかなという現状をすごく抱えております。
なので、この包括的というのは、子供として分けるのではなくて、今後子供が地域の中で成人に向かってそこで暮らしていくという包括性をもうちょっと強調して書いていただければというのは児童相談所もすごく思うところですので、今後ぜひそこのところに向けて、もう一歩強く書いていただけるとありがたいなと思っております。
あと、児童相談所からしてみますと、本当に社会的養護の必要なお子さんがふえておりますので、決して養護施設の中に障害児がふえているということではなくて、なかなか適切な施設に入れないといったところがあるので、ぜひ、基本的なところなのですけれども、人数もふやしていただければと思っております。
以上です。

○柏女座長 ありがとうございます。
では、今井さん、お願いします。

○今井構成員 2つあります。1つは、これは親などからの相談から感じているのですけれども、今、措置入所をする場合に、親がしっかりしていれば、たとえ障害が重くてもまず入所はないよと児童相談所は言うと言ってました。それが本当かどうか知りません。ということは、結果的に、受け入れた側からすると、措置入所した人は何か親側に問題がある、家庭に問題があるとなって、全体が本当にどうなのかというのは疑問に思っています。データがあって言っているわけではありません。
もう一つ、全体のトーンとして、親が読むと何となく自分が責められている感じがするのです。もうちょっと親御さんを勇気づけるような雰囲気を出させていただきたいなと思っています。

○柏女座長 そうした具体的な御意見は、また中間報告の後に出していただければ。
では、田村さん、お願いします。

○田村副座長 先ほどあった加齢児の対応ですけれども、7ページのところでも、当面の間とか、特例を認めるという書きぶりにならざるを得ないというところはあるのですが、それでいいのか。しかも、それを児童のほうで引き受けなければいけないことなのかというか、そういうところではもう少し強めに出てもいいのではないかなとか、期限をしっかり区切って、地域で解決するというところをもっと強調してもいいのではないかなという気もして、この書きぶりだと、またずるずるいってしまうのではないかという懸念がちょっとあります。
以上です。

○柏女座長 確かに2ページのところに、入所施設で福祉型が6,944人で、18歳未満が5,400人、医療型は2万1000人が入所していて、そのうち18歳未満は3,200人しかいないというような状況があって、そういう意味では、子供たちのための施設で、もうちょっと子供たちがいられるようにしてほしいという願いは根本にはあるなと思います。
では、児玉さん、お願いします。

○児玉構成員 ちょっとくどい話になりますけれども、医療型障害児入所施設の場合にあっては、2つの要素が一緒になっておりまして、特に朝貝先生がおられますので僭越ですけれども、肢体不自由児の施設の場合には、御家庭がその子供によかれと思ってリハビリであるとか手術であるということで、積極的な意味で預けて次に育てていくという入所もあるわけです。
もちろん措置で虐待の方も多いですけれども、重心にあっても、虐待といってもとてもこの子供は私の労力では育て切れないから施設に預けるけれども、本当は子供を離すつもりはないんだというようなポジティブな意味で、これをネグレクトというには余りにもという方々も含まれていまして、それで預かりながら私どもも御家族と協力して、また御家族のもとに戻れるように努力しているわけで、ポジティブな意味での施設機能と救済的な施設機能と両方を医療型障害児入所施設は持っております。
ワーキンググループにおきまして、これからもそういう性格づけをやっていくことになると思いますが、これからの施設のあり方というときに、何回も申しますけれども、家庭か施設かという形以外の見方もあるということも最後にもう一度つけ加えさせていただきます。

○柏女座長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
では、米山さん、お願いします。

○米山構成員 社会的養護機能といいますか、その言葉のことなのですけれども、この前平成30年の放課後等デイサービスのガイドラインの改定で報告をさせていただいたところでは、放デイの機能としては発達支援機能だとか家族支援機能もありますが、もう一つにはセーフティーネットといいますか、虐待予防という意味も含めて、レスパイトもそうですが、セーフティーネット機能という言葉を報告書に載せていましたけれども、そういう形で、先ほどの予防という意味合いだと、セーフティーネットという機能を持った形で退所後あるいは入所中、それと、入所しないで短期入所で済むかもしれないといったところをもう少し組み込んでいただくといいのではないかなと思います。

○柏女座長 わかりました。ありがとうございます。
そろそろ時間になろうかと思いますが、よろしいでしょうか。
それでは、きょうの中間報告案につきましては、御議論いただいた内容を踏まえて、中間報告に反映させるところと、その後の議論に譲る部分とは少し事務局と相談をしていきたいと思いますけれども、これについては、座長、副座長と事務局のほうで相談をして決めていくという形にさせていただいて、私と副座長に一任ということでよろしいでしょうか。

(「はい」と声あり)

○柏女座長 ありがとうございました。それでは、事務局と相談の上、取りまとめを行っていきたいと思います。取りまとめの後に(案)を取って、そして、構成員の皆様方には事務局より配信をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、その他ですけれども、何かありましたらお願いしたいと思いますが、委員の方から何かお話ししておかなければいけないことはございますか。特にございませんか。
では、事務局のほうでその他はありますか。

○本後障害児・発達障害者支援室長 特段その他はございません。

○柏女座長 わかりました。
それでは、時間も来ておりますので、これできょうの議事は全て終了とさせていただきたいと思います。
事務局から、今後のスケジュールについて御説明をお願いしたいと思います。

○本後障害児・発達障害者支援室長 皆様、大変活発な御議論をありがとうございました。
先ほど座長からお話をいただきましたとおり、中間報告に反映する点、これからの議論で深めていく点を分けまして、まず中間報告につきましては、座長、副座長に御相談の上まとめさせていただきたいと思います。
先ほど座長からもありましたとおり、取りまとめの後に案をとりまして、構成員の皆様には事務局から配信させていただきますので、よろしくお願いいたします。
次回の予定につきましてもお話しさせていただきますと、中間報告を受けまして、またそれぞれのワーキングに分かれて御議論いただきたいと思っております。医療型のワーキンググループの開催は11月11日月曜日の15時から、福祉型のワーキンググループにつきましては、11月22日金曜日、14時30分からを予定しております。詳細につきましては、別途お知らせしたいと思います。
それでは、本日、お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。今後とも引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

○柏女座長 ありがとうございました。
それでは、きょうの議事を全て終了とさせていただきます。きょうはありがとうございました。

<了>