第33回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会(第二部)議事録

健康局 健康課予防接種室

日時

令和元年9月13日(金)18:00~

場所

田中田村町ビル新橋会議室8E

議題

(1)ロタウイルスワクチンについて
(2)予防接種施策について
(3)報告事項
(4)その他

 

議事

 

○元村予防接種室長補佐 定刻になりましたので、ただいまより第33回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会の第二部を開催いたします。本日の議事は公開ですが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきますので、関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。また、傍聴の方は、傍聴に関しての留意事項の遵守をお願いいたします。なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。

 続きまして、出欠状況について御報告いたします。川俣委員、中野委員、山中委員から御欠席の連絡を受けております。現在、委員12名のうち9名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令第7条の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。なお、川俣委員は御欠席ですが、代理として那須烏山市の水上委員代理に御出席いただいております。

 また、本日は議題1「ロタウイルスワクチンについて」の参考人として、グラクソ・スミスクライン株式会社代表取締役社長のポール・リレット氏、ガバメントアフェアーズ&マーケットアクセス部門長の張家銘氏、MSD株式会社の諸岡健雄氏に御出席いただいております。また、議題2「予防接種施策について」の参考人として、富山県衛生研究所所長の大石和徳氏に御出席を頂いております。申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。これ以降の写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできませんので、御留意ください。

 続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。お手元のタブレットには、番号01の議事次第から、番号08の第33回予防接種基本方針部会利益相反関係書類を格納しております。不足の資料等がございましたら、事務局にお申出ください。

 それでは、ここからの進行は脇田部会長にお願いいたします。

○脇田部会長 それでは、本日もよろしくお願いいたします。まず、事務局から、審議参加に関する遵守事項についての報告をお願いいたします。

○元村予防接種室長補佐 審議参加の取扱いについて御報告いたします。本日御出席いただきました委員及び大石参考人から、予防接種ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄付金等の受取状況、薬事承認等の申請資料への関与について申告を頂きました。各委員及び大石参考人からの申告内容については、資料08の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。

 本日は、グラクソ・スミスクライン株式会社及びMSD株式会社が製造するロタウイルスワクチンに関する審議を予定しておりますが、議事内容に関し、「退室」や「審議又は議決に参加しない」に該当する方はいらっしゃいません。引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受取について通帳等の書類を確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。

 なお、参考人のグラクソ・スミスクライン株式会社のポール・リレット氏、張家氏及びMSD株式会社の諸岡氏より、「申請資料等の作成に関与している」との申告を頂いておりますので、予防接種ワクチン分科会参加規程第5条第2項の規定により、ロタウイルスワクチンについての審議が行われている間、「審議会場から退室する」に該当いたします。この取扱いについて、お諮りいたします。

○脇田部会長 今、お話がありましたように、分科会参加規程第5条第2項の規定ですが、これを読み上げますと、「申請資料作成関与者である委員等は、当該ワクチンについて審議又は議決が行われている間、審議会場から退室する。ただし、当該委員等の発言が特に必要であると分科会等が認めた場合に限り、当該委員等は出席し、意見を述べることができる」とされております。今回は、議題1においてロタウイルスワクチンについての議論を行います。委員によりお尋ねがある可能性がございますので、参考人として出席いただいているリレット氏、張家氏及び諸岡氏については、退室をせずに審議に御参加いただき、委員からのお尋ね等がございました場合に、発言をしていただくということにしたいと考えております。議決の部分には加わらないということで、本部会として議論を進めていくことにしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

(異議なし)

○脇田部会長 ありがとうございます。では、そのように進めさせていただきます。

 それでは、審議に入ります。お手元の議事次第に従って進めます。第二部の公開部分です。議題1「ロタウイルスワクチンについて」です。資料1について、事務局から説明をお願いいたします。

○永田予防接種室長補佐 事務局より説明いたします。タブレット資料の03の資料1「ロタウイルスワクチンについて」をお開きください。2枚目です。まず、タイトルの所に、オレンジ色にしている資料が、今回改めて作成した資料ですので、御参考としていただければと思います。「ロタウイルスワクチンの接種費用について」です。2枚目については、これまで御議論いただいたワクチン評価に関する小委員会取りまとめにおける記載を上部にしています。小委員会での議論のポイントとしては、「現状で入手可能なエビデンスにおいては、ロタウイルスワクチンは費用対効果が良いとは言えないことから、費用対効果の観点からは現状の接種に係る費用でロタウイルス感染症を予防接種法の対象疾病とすることには課題がある」といった御議論を頂いたところです。前回、86日に行われた第32回予防接種基本方針部会において、上記の結論が部会として了承され、定期接種化の判断を見送った上で、本日、改めて審議をすることとなっているところです。

 3枚目です。こちらについては費用対効果の推計です。これまでも御説明させていただいているところですので、参考としてお示ししますが、説明については割愛いたします。4枚目についても、同様に費用対効果の推計については説明を割愛いたします。5枚目のイギリスにおけるロタウイルスワクチンの導入の際の経緯についても、前回の審議会のほうで御説明しておりますので、割愛させていただきます。

 6枚目は、ロタウイルスワクチンの国内価格及びメーカーに対する通知というところで、前回お示しさせていただきまして、今回、企業からの御回答がございました。7枚目を御覧ください。企業からの価格に関する考え方については、先ほど非公開で実施した第一部で、非公開とすることを前提として価格を回答する意思を示したメーカーがあったため、第一部においてヒアリングを非公開で行ったところです。

 8枚目を御覧ください。前回、86日の基本方針部会において、委員より2点の指摘がございました。上の部分にまとめておりますが、「腸重積症はそもそも乳幼児に発症する疾患であることから、ワクチンの定期接種化が決まった後には、ロタウイルスワクチンの接種との真の因果関係の有無にはかかわらず、接種後に腸重積が発症する例について健康被害救済制度の対象となることが考えられる」。また、「ワクチン接種による腸重積症のリスク増加分よりも、健康被害救済の対象者が多くなることを想定すべきではないか」といった御意見を頂いたところです。

 こちらについて、下に事務局としての考え方を示しております。まず、ワクチン接種にかかわらず発生する腸重積症による影響についてです。1点目として費用対効果への影響です。ワクチン接種にかかわらず発症する腸重積症に対する医療費については、健康被害救済制度の対象とならない場合と、ワクチン接種によることが否定できないため健康被害救済制度の対象となる場合の2つのパターンがあると考えておりますが、負担者は変わるものの、支払者、つまり政府及び国民を含む負担の意味で言えば、負担の総額は変わらないものというように考えているところです。このため、支払者の視点、社会の視点のいずれにおいても、ワクチン接種にかかわらず発症する腸重積症に対する医療費は費用対効果に影響を及ぼさないものと考えております。

 また、健康被害救済制度への負荷ですが、こちらについては健康被害救済制度のみを取り扱った場合、当然ワクチン接種にかかわらず発症する腸重積症により給付額が増加することが想定されるところです。その上で、仮に、かなり粗い推計となりますが、この疫学調査等のデータを参考として、年間の腸重積の発症数を100万人当たり約1,000件としまして、仮にですが、健康被害救済の対象となる接種後の期間を1週間とした場合、この場合は3回接種のものもありますので、年間57件が健康被害救済の対象となるということは計算上の推計としてはお示しさせていただいております。この際、腸重積症は一定の治療で治癒する疾患であり、障害を及ぼすことはまれであるというような観点から、1件当たりの給付額を、これは非常に多い見積りですが、仮に平均30万円と見積った場合、給付額は30万円掛ける57件で、1,710万円という計算をすることができます。この金額については、予防接種制度における公費負担全体や健康被害救済制度全体から見た場合、小さな割合であると考えられます。なお、死亡症例や後遺症を伴う症例が含まれる場合には、当然給付額が増加することは留意していただければと思います。

 2.として、今度はワクチン接種に起因して発生する腸重積症に関する粗い試算です。同様の計算において、年間に25例の腸重積症がワクチン接種により追加で増加すると仮定した場合、1件当たりの医療費について、これはかなり多めに見積った計算をして、平均約100万円と見積った場合について、総額は100万円掛ける25件で、約2,500万円となります。この金額については定期接種化した場合の費用全体から見た場合、接種を受ける方が100万人いるという前提になると、1人当たり約25円に相当しますので、費用対効果への影響は軽微であると考えているところです。こちらについてもかなり粗い試算ですので、死亡や後遺症例を伴う症例が含まれる場合については、給付額が増加することは御留意いただければと考えております。

 こういったことを踏まえて、本日の審議事項として、ロタウイルスワクチンの定期接種化の可否について、費用対効果の観点からの第一部のヒアリングもありましたので、課題への対応についての企業の回答も踏まえ、ロタウイルスワクチンについて定期の予防接種に導入することについて、どう考えるかについて、本日御審議いただければと考えています。事務局からは以上です。

○脇田部会長 ただいま事務局から説明がございました。ロタウイルスワクチンについて、第一部で企業からの回答もございました。それを踏まえて、ロタウイルスワクチンを定期の予防接種に導入することについてどう考えるかというところを、本日議論していきたいと思います。委員の皆様から御質問、御意見を賜れればと思いますが、いかがでしょうか。

○伊藤委員 腸重積の経済的な検討については、御検討いただいてありがとうございました。前回この問題提起をいたしましたので御礼を申し上げますが、ただ、前回問題提起したのは、お金の問題というよりは、腸重積が起きたときにワクチンが原因であるかどうかが否定できない、ワクチンをやらなければよかったのにと思われる母親がどのぐらい出てくるのか、若しくはそれに対して、マスメディアの方々がどういう反応をされるのかというのを一番心配していたところです。経済的には、ワクチン接種にかかわらず腸重積が起きれば、医療費としては変わらないわけですから、頻度がそれほど高くならなければ問題にならないというのは当然と言えば当然の議論だとは思ってはいます。

 ですから、ワクチンを接種して、腸重積というのは一定の頻度で起きる、だからHPVのときと同じような議論が起きるので、それを承知でこのワクチンの導入をするということを国民の方々に承知していただきたいという思いを込めて申し述べたのであって、お金の問題で言ったのではないということを再度表明させていただきます。

○脇田部会長 現状、既にかなりの小児に接種していただいている状況で、腸重積がどの程度あるのかということで、これが定期接種になった場合に。ただ、定期接種になりますと、かなり接種される方が増えるわけで、そのときに腸重積を発症したお子さんを持つ母親が、どのように感じられるかということかと思いますが。

○伊藤委員 繰り返しになりますが、任意接種は保護者の責任ということが言えると思うのですが、定期接種にすれば、行政も含めて、国の責任であると皆さんお思いになるので、本当は打ちたくなかったのだけれども、定期だと言われたから打ったのにということが起きることが容易に想像が付くので、定期化の前にその議論をきちんとしておくべきだと思います。

 本来、このワクチンだけではなくて、ワクチン全体が、ある意味では社会防衛の意味付けがあるので、そのためにワクチンで副反応が起きた方については被害救済をするという基本的な考え方を再度確認したいので、この前発言させていただいております。

○脇田部会長 事務局、その点はいかがですか。

○永田予防接種室長補佐 事務局として趣旨が違うと言うか、伊藤先生の御意見は非常に重要な観点であると考えております。これはロタウイルスワクチンに限らない話でございますが、やはり予防接種というものは一定の副反応であったりということは起こり得ますし、特に、このロタウイルスワクチンについては腸重積ということが課題になっていることは現実としてございます。

 ただ、その上で、例えば基本方針部会の下にある小委員会のほうでは、それがリスクベネフィットフィーであったり、安全性及び有効性というところでも御議論いただいているということは、事務局としてもしっかりと皆さんにお伝えしていきたいと考えているところです。

○脇田部会長 もう1つは、これが副反応としての腸重積は存在していて、ただ、自然に発症する腸重積もあるということも、このワクチンを導入するときに十分にパブリックに対して周知することは必要かなと感じておりますので、そういった取組についてはお願いしたいと思います。伊藤先生、それでよろしいでしょうか。

○伊藤委員 はい。

○脇田部会長 多屋委員、お願いします。

○多屋委員 今の腸重積症のことなのですが、確かに今、もう70%ぐらいの子供たちが受けていますので、経験は随分豊富になったと思います。一方で、腸重積症の初期症状を保護者にしっかりと伝える、プラス今は保育所に行っているお子さんも随分増えていますので、保育所の先生方に、ロタウイルスワクチンを接種して、特に初回から1週間は、腸重積症というものが起こる可能性があるということは十分に情報を伝えておく必要があるということです。

 それと、早く受診すれば高圧浣腸で治りますが、少し遅れると手術ということになってしまう可能性があるということも、情報提供はしっかりしていかなければならない点だと思っています。そこはよろしくお願いします。

○釜萢委員 接種を担当する側としては、現状の任意接種においても、この腸重積を含めて、ワクチンに伴ういろいろな注意すべき点、そして、このような症状が起こったらすぐに連絡をする、あるいは受診してほしいということは、医療現場ではきちんと伝えてきている、そのための努力を重ねてきておりますが、今後も、これが定期接種になるという場合には、接種を担当する医師はそのことについて更にきちんと、特に御家族、対象年齢が赤ちゃんですから、保護者の方にしっかりと伝えるという努力をしなければいけないというように思います。

○脇田部会長 腸重積の副反応の点については、委員の先生方からもいろいろと御意見があるところですので、十分にそれに対する配慮をしていく必要があるところかと思います。

○坂元委員 費用対効果についてですが、この予防接種の接種費用は市町村自治体によって、国の負担と自治体の負担の比率が異なる部分があると思うのですが、いずれにしても、これは税金で負担しているという点においては変わりはないというところです。御存じのように市町村の財政も厳しい、恐らく国の財政もかなり厳しい中で、今の段階で予防接種法を見ていくと、どうやってワクチンが定期接種化されているかということは予防接種法第2条の中に、重症の蔓延化とかうんぬんが目的であると書かれていますが、自治体としては、それだけでは弱いのではないかという気がします。つまり、もう少し経済的な側面も見ていただかないと、財政が無限にあるわけではないので、予防接種の必要なことはよく分かりますが、財政的には優先順位を付けていかなければいけないのです。例えば予防接種法の雑則の中の23条の「国等の責務」という所を見ると、これは開発段階か市販後かの特定はできないのですが、国は有効性と安全性の調査等を勘案して予防接種を進めていくと書かれています。

 私がこれを見ていつも思うのは、有効性のないワクチンとか、安全性に問題があるワクチンは、そもそも世の中に出すものではないと思いますが、ここに本来、例えば費用対効果とか、限られた財源の中で、そういうものを勘案していくという価格の決定のようなものが入っていないまずいと思います。つまり定期接種化の決定要因の中にです。これは、住民サイドから見れば、何でも効果があればやってほしいという意見もよく分かりますし、現実に川崎でも任意でロタウイルスのワクチンを受けている方はたくさんいます。そういう方にすれば財政補助をしてほしい、接種の定期化をしてほしいという気持ちはよく分かるのですが、財政が無限でないという段階において、今後の在り方として、予防接種法の中に費用対効果という概念を入れていかないと、今後ますますワクチンが増えてきたときに財政がもたないのではないかという危惧があります。今のところ予防接種法の中に費用の概念が入っていないのです。そのお考えを国にお聞きしたいと思います。

○脇田部会長 費用対効果の考え方が入っていない、それを入れる。つまりは、どのように価格が決められるべきであるのかというような考え方を、どのように考えるかというところですが、事務局はお答えできるでしょうか。

○永田予防接種室長補佐 御指摘と御質問ありがとうございます。まず、定期接種化の判断をしていくに当たっては、本基本方針部会においても、今回のロタウイルスワクチンに限らず、これまでも費用対効果の面は勘案して検討するということはしていますので、必ずしも現状の施策において費用対効果の考えが入っていないというわけではないと思っているところはありますが、今回、委員から御指摘もありましたように、確かに費用対効果の在り方であったり、価格の考え方ということについては、非常に大きな課題であるというように国としても考えておりますので、今後、この基本方針部会であったりで、今後のそういうことの考え方について、引き続き御審議いただきたいと事務局としては考えているところです。

○脇田部会長 坂元委員が御指摘のとおり、予防接種を進めていくためには、我々は日本の限られたリソースの中で、いかに様々なワクチンを導入していけるかというところで考えますと、価格の問題というのは非常に重要なポイントだと思いますので、そういったところも今後審議をしていきたいと考えております。

 そのほか、ロタウイルスワクチンの定期接種の導入という点に関して、御意見、御質問はいかがでしょうか。池田先生、費用対効果についての議論で、今回、一定の価格についての御提示があったところですが、現状での先生のお考えがございましたら、御意見いただければと思いますが、いかがでしょうか。

○池田委員 日本で一定の費用対効果に関する基準とか、これをもってワクチン価格をどうするということについての経験と言うか、実績も浅いところなので、十分に議論を尽くしてと思いますが、諸外国の状況を見たり、今、坂元委員からの御指摘もあったように、費用対効果あるいは経済性という観点は、定期接種化という問題を考える上では重要な要素の1つだと考えています。

○釜萢委員 日本医師会の立場で、また、私は小児科医ですので、子供たちに安全なワクチンをしっかり、なるべく早くに提供したいという強い願いを持って、この会に出てきております。その立場からすれば、今回、ロタウイルスワクチンの定期予防接種が検討されることになったというのは、本当に喜ばしいことで、是非進めていただきたいと思いますが、これまで皆さんが、先ほど来公開の場で御発言がある中で、費用対効果のことを非常に強く懸念しておられるのは、具体的な価格はもちろん申し上げられませんが、これまでの非公開の議論の中でのメーカーからの提示が非常に元気をなくすものであったということがあって、今の議論があるということを、あえて申し上げておきます。

○脇田部会長 多屋委員、このロタウイルスワクチンを定期接種化に導入するという点についての御意見を頂けますか。

○多屋委員 今、70%とはいえ、30%ぐらいのお子さんが、ここまで効果が出てきているワクチンを飲めずにいるという不公平な部分が残っていますので、定期接種化するということで、どういう子供たちもロタウイルス腸炎から守られるという体制、いわゆる定期接種化は必要ではないかと考えております。

○脇田部会長 そのほかに御意見、委員の皆さんからいかがでしょうか。

○宮﨑委員 任意接種でも比較的高い接種率が得られているので、接種医も、受けるほうも、必要性を理解していて、国民としては受け入れられているワクチンだと思います。仕上げとしての定期接種化というのが望ましいのだろうと思いますが、うまくいくかどうかは、冒頭の説明にあった、副反応に対する丁寧な説明とフォローアップというのが鍵を握っているのかなと思います。

 任意接種の場合は、高いお金を支払い、個人の責任で接種していきますので、きちんと説明をしているわけですが、逆に定期接種になると、受けるものということで、逆に説明が甘くなる可能性もありますので、そこのところだけが若干の懸念としてあります。

○脇田部会長 まだ御意見を頂いていない委員の先生方からも御意見を頂きたいのですが、中山委員はいかがでしょうか。

○中山委員 75%の方が任意接種しているというのは、本当に高い数字だと思うのです。今、宮﨑委員もおっしゃったように、それだけ受け入れられているという土壌があるわけですから、私も定期接種化は前向きに考えてよろしいのではないかと思います。

 ただ、伊藤委員と多屋委員もおっしゃっていたように、受けるものというところで、他律的に、受ける側の意識が逆に低くなってしまうというところもあると思うので、腸重積の問題であるとか、丁寧な説明が必要だと思います。

○脇田部会長 磯部委員、いかがですか。

○磯部委員 今、中山先生がおっしゃったことの繰り返しになりますが、定期接種化するとしたら、その最初の時期というのは大事だと思うのです。定期接種化したらそれで終わりというのではなくて、その後の定着、程度といったことを丁寧にウォッチしていくような仕組みがあってもいいのかなという気がしました。

○脇田部会長 水上委員、お願いします。

○水上委員代理 那須烏山市でございます。予防接種、特にお子さんの予防接種は、次世代を担う子供たちの健康を守る重要な事業ですので、定期接種化というのは賛成しているところです。しかしながら、近年、定期接種の拡充により、市町村の財政負担は重くなっております。中でも、私の市のような那須烏山市のような人口規模が小さくて、財政基盤も脆弱な自治体はなかなか対応しきれないところがありますので、国とか県の財政的な支援を何とかお願いしたいと思っております。以上です。

○脇田部会長 そのほか、委員の皆様からいかがでしょうか。

○坂元委員 私は、これの定期接種化に反対しているわけではなくて、費用対効果の議論というのをちゃんとやっていくという条件付きです。そういうことを国としてしっかりとやってほしいというか、しっかりやっていくべきだということを附帯条件にして、定期接種化することには異論はありません。今、那須烏山市からもあったように、非常に財政負担がある。例えば川崎市単独で50億円を超える予防接種の負担です。そういう財政負担がかかってくるということで、これは好むと好まざるにかかわらず費用対効果をちゃんとやっていくということは避けられない問題です。このままいけば、自治体は予防接種そのものをやっていけなくなるというところも出てくると思います。是非そこを、1つの条件と言ったら言いすぎかもしれませんが、それを国にしっかりとお願いするということで、定期接種化ということに特には反対はしません。

○脇田部会長 ただいまの坂元委員の御意見は、ロタウイルスワクチンだけではなくて、定期接種するようなワクチンに関して、費用対効果をしっかりと議論していく必要があるという御意見だと思います。

○伊藤委員 腸重積の件で、1人だけ反対していると思われるといけないのですが、日本の社会保障全体を考えるときに、ほかの医薬品も含めて、価格に関しては、多く問題にされていて、ワクチンだけが聖域になって、その議論から逃れられるというような考えはやめたほうがいいということもあるので、特に費用対効果の話が出ていると思います。

 ですから、小児科の先生方の思いからすれば、どんなに価格が高くてもワクチンはというようにお考えになっている方もいらっしゃるのかなという気もする反面、日本全体のことを考えれば、そういう思量するべきこともあるのではないかと思います。

○脇田部会長 あとは、2社のワクチンがありますが、それについてどちらか片方というような御意見とか、それに関しての御意見はございますか。もしなければ、定期接種に導入するには、2社のものはほぼ同等だという考え方でよろしいでしょうか。

○伊藤委員 よその国でも1社しか入っていない国が幾つかあると思いますが、もし同等であれば、最終的には価格が決定要因になるというのも1つの考え方ではないかと思います。初めから2社のワクチンを入れることありきの議論ではなく、総合的に判断するオプションというのは残しておいたほうがいいのではないかと思います。

○脇田部会長 そのほかはよろしいですか。

○坂元委員 1社を選ぶか、2社を選ぶかという問題ですが、仮に1社が選ばれた場合は自治体としては非常に楽なのですが、2社が選ばれた場合、先ほど厚生労働省からの指摘もありましたように、自治体には転入と転出があるので、ほかの自治体であるメーカーのワクチンを受けて、この自治体ではそのメーカーのものは採用されていないということは、現実上、市民に対して非常に不利益となるので、価格の差はあっても、2社が採用された場合、自治体は必然的に2社を選ばざるを得ないと思っています。以上です。

○池田委員 医療経済の分析は支払者の視点、いわゆる公的医療の視点と、いわゆる社会全体の立場からの分析と、様々な立場があるわけですが、仮に公的医療の視点から費用対効果として2社のワクチンが同等のレベルにあるということであった場合には、次に考えるべきは社会の視点であって、接種回数によって、保護者等の方の負担が変わってくるということであれば、それも社会にとってのコストになりますので、そういった面も考慮して、医療経済的にも同等であるかどうかということの判断もしていく必要があると考えます。

○脇田部会長 更なる御意見はございますか。

(特になし)

○脇田部会長 ありがとうございました。活発な御意見がございましたが、時間もありますので、そろそろ総括をしていきたいと思います。前回、この部会において安全性及び有効性については、このロタウイルスワクチンを定期接種に導入して差し支えないというワクチン評価に関する小委員会の取りまとめが了承されております。一方で、費用対効果の面では課題があるということになりまして、接種にかかる費用を低減するためにどのような方法があるかということで、企業の回答を事務局から求めたということになります。本日、企業からの回答をお伺いしたということになりまして、2社の企業の方から、一定の提言についての御回答がございました。

 これを踏まえますと、費用対効果が非常に良好になるという水準ではないと言えますが、現時点では仕組みとして、これ以上費用の低減を求めるということはできないというのが実情だと思います。

 今後、こういったワクチンの費用対効果評価の取扱い、あるいは価格を決定していくプロセスといったものも、この部会で議論をしていきまして、そういった仕組みを作っていくということをやっていく必要があると考えております。

 こうしたことを考えて、2点お諮りしたいと思います。まず1つ目は、有効性及び安全性などを総合的に判断しまして、ロタウイルスワクチンの定期接種化を進めるように部会としては提言したいと思いますが、よろしいでしょうか。その際に、先ほど委員の皆様から御議論がございましたが、腸重積等の副反応に対する事前のケアといったものを十分にしていただくということ、費用対効果の議論をしっかりとしていくということです。2つ目に、2社のワクチンには大きな差はないこととして、両者のワクチンを定期接種の対象とするということで、今後の議論を進めたいと思いますが、この2点について、よろしいでしょうか。

(了承)

○脇田部会長 それでは、この2点を了承していただきました。ありがとうございます。

 それでは、定期接種化を目指しまして、次回は具体的に接種の在り方を疾病類型あるいは対象年齢、接種間隔といったところについて、具体的な在り方についての議論を進めたいと思いますので、事務局におかれましては、原案をまとめて、資料として提出していただくようにお願いいたします。よろしくお願いします。

 それでは、参考人におかれましては、どうもありがとうございました。

(両参考人退席)

○脇田部会長 議題2「予防接種施策について」に進みます。本日は、富山県衛生研究所の大石和徳所長を参考人としてお招きしております。大石参考人から資料2についての説明をお願いいたします。

○大石参考人 ありがとうございます。富山県衛生研究所の大石でございます。このような基本方針部会における発表の機会を頂きまして、ありがとうございます。資料は基本的事項と技術的な事項に分けて、予防接種施策全般の見直しに向けた提案や要望をさせていただきたいと思っております。資料の前半、1ページ目から8ページ目までにその概要が書かれていて、その後の8ページに参考資料がありますので、基本的には2ページから8ページまでの資料を中心に話をさせていただきたいと思います。

 最初は基本的事項です。2ページを御覧ください。参考資料➀~➂になります。WHOが公表しましたGlobal Vaccine Action Planが終了するというタイミングで新たなワクチン戦略、Immunization Agenda 2030というものが提案されてきております。この中で、予防接種は国家健康安全保障と経済発展に不可欠であるとされています。このことは参考資料➀にある内容ですけれども、昨年の沖縄での麻しんアウトブレイクにおける多大な経済損失であるとか、参考資料➂にある風しんの国内流行に対して、米国CDCが発出しました日本へ渡航する妊婦に向けたトラベルアドバイス、これは、日本国内での先天性風しん症候群のリスクということで米国CDCが注意喚起をしているものですけれども、こういった状況からも、この予防接種施策が国家健康安全保障の根幹をなすということは明白だろうと思います。

 現在の予防接種法の目的には、ここにありますように「国民の健康の保持に寄与するとともに、予防接種による健康被害の迅速な救済を図ることを目的とする」と書かれてはいますが、この部分に明確に、国家健康安全保障の根幹とする基本ポリシーということを記述し、なおかつ、これを施策に反映させるべきだろうと思っております。また、我が国の理想的な予防接種計画を実現するためには、優先的な予算確保が不可欠だろうと思います。2019年の一般会計総額は約101兆円とされておりますけれども、このうちのどれほどが現状の予防接種施策に投入されているのかは明示されていないと思います。現状の予防接種施策の遂行のために、この国家健康安全保障の重みに耐える予防接種財源の確保が必要ですし、これを確保できる体制づくりを強く要望したいと思います。

 3ページです。WHOの先ほど紹介しましたImmunization Agenda 2030の中で、生涯を通してのワクチンの恩恵を期待するという記載があります。参考資料➃では、ワクチンでの健康寿命の延伸の可能性ということをまとめて図に示しているところです。また、次のページには、妊婦から思春期、成人、高齢者における、この図はヨーロッパのものですけれども、承認されたワクチンがこの年代にもかなり存在するということが示されていると思います。一例として次のページには、帯状疱疹ワクチン接種について記載しておりますが、60歳以上の帯状疱疹ワクチン接種で、同世代の方々のQOLの向上が期待できると考えられています。

 次のページ、参考資料➆で、大人のワクチンの課題の概略をまとめております。大人のワクチンは個人予防が目的であり、定期接種となってもB類疾病の位置付けです。B類疾病のワクチンは努力義務なし、接種勧奨なしであり、60歳以上の成人で高い接種率を達成するということは大変困難です。また、こういう大人のワクチンが多く導入されようとしているわけですけれども、大人のワクチンの小児ワクチンとの重み付けをどうしたらいいのか、具体的に全予防接種予算のどのくらいの割合を大人のワクチンに当てるべきなのかということについては検討が必要だと思っております。大人のワクチンの総論的な整理、見直しということが必要だと思います。

 次に技術的な事項について話をしたいと思います。参考資料➇です。2015年以降にワクチン評価に関する小委員会で審議対象となりましたワクチンを示しています。この中でロタウイルスワクチン、百日咳ワクチン、不活化ポリオワクチン、おたふくかぜワクチン、帯状疱疹ワクチンについての審議が今も継続中です。更なるワクチンギャップの解消が求められているところであります。先ほども議論にありましたけれども、定期接種化のための必要条件である有効性、そして安全性、費用対効果について、もう一度しっかり整理し、個々のワクチンによって多少必要条件が変わってくると思われます。こういう基本的な部分を整理し、その後のファクトシート作成、そして小委員会でのワクチン評価の円滑なる審議を図る必要があろうと考えております。

 資料4ページには、この有効性評価、安全性、費用対効果の位置付けについて簡単にまとめているところですが、更なるワクチンギャップの解消のためにこういったことを再度整理し、ワクチン評価の過程で生かしていければと思っています。

 5ページには、ワクチン定期接種化のプロセスの円滑化を更にどうしたらいいかということを記載しています。新規ワクチンの評価のためのファクトシートは、感染研が全所的な体制で、厚労省の依頼後6か月以内に作成するということになっております。また、厚労省が依頼した医療経済解析グループが、この費用対効果の部分を担当しておられます。しかしながら、この過程で、今もロタウイルスワクチンの評価が続いているわけですけれども、ファクトシート作成後にもいろいろな議論があるわけですので、厚労省/感染研のワクチンごとの適切な担当者が必要であり、これらの部署へ人員増ということも検討していただきながら、円滑な審議を図っていただきたいと考えております。

 資料6ページです。ここではワクチンの安定供給について書いてあります。近年、地震等の災害時、麻しんの広域流行時におけるワクチン供給不足の問題がしばしば発生しております。資料に書いておりますように、緊急時対応分を含めた、より正確な需要予測が必要になっていると思います。こういったことを鑑み、ワクチン製造企業、ワクチン販売業者、医薬品卸業者、医療機関、複雑なプロセスがあるわけですが、こういったところにおいてワクチン流通状況を情報共有することが大変重要だと思います。そこで、「ワクチン流通見える化システム」を構築し、これを通して、厚労省がワクチンの流通を制御する仕組みづくりを要望したいと思います。

 7ページです。基本的事項で予防接種財源の確保を要望したところではありますが、一方では多くの定期接種化を検討中のワクチンもあることから、予防接種財源の削減の努力も大変重要だと思っております。先ほどの議論にもあった内容であります。その1つの案として、定期接種化後のワクチンの接種回数の見直しということがあるかと思います。これは特殊な例かもしれませんが、ここでは小児の結合型肺炎球菌ワクチンについて書いております。7価のPCV7(3+1)接種スケジュールで日本で導入されてから9年が経過しております。その後にPCV13に置き換わっているのですけれども、その結果、小児の侵襲性肺炎球菌感染症の罹患率は、導入前の約60%までに減少しておりまして、このPCV13に含まれる血清型の病気はほとんど消失し、それに含まれない血清型のものによる侵襲性感染症が大半を占めるという状況になっております。すなわち、このPCV7からPCV13にかけて、導入による集団免疫ということが明確になってきているわけです。

 一方、WHOは、このPCV、結合型肺炎球菌ワクチンについては、小児の場合は3回接種ということを推奨しています。資料に書いておりますが、英国ウェールズでの検討では、PCV導入後、13年が経過しておりまして、成熟した集団免疫が存在しているわけです。現在、英国の接種スケジュールはPCV13(2+1)スケジュール、3回接種なのですが、これをまた、(1+1)3か月と12か月接種、時期を少し変えることで、接種回数を減らそうという試みがありまして、その接種後の免疫応答、IgG抗体とかオプソニン活性を検討されております。その結果、(1+1)のスケジュールでワクチン型の肺炎球菌の制御が可能との結論を出しています。これは英国の一例です。これをすぐに日本で実施できるかというと、それは日本独自の検討をする必要があり、またリスクベネフィットを考慮し、慎重に協議する必要があろうかと思います。しかし、日本でのエビデンスが示されれば、納得いく(2+1)への移行ということも可能かと思っております。これは一例ですが、これ以外にも種々の費用削減の努力は必要かと思っております。

 8ページ目、最後に提案です。マイナンバー利用と予防接種記録についての提案です。資料にありますように、日本小児科学会から、マイナンバーによる予防接種歴の把握に関する要望書が、当時の基本方針部会長、岡部先生宛てに提出されております。それから時間がたっておりますけれども、小児のみならず、65歳以上の肺炎球菌ワクチン接種についても、その接種歴の把握ということが非常に課題となっております。マイナンバー法、個人情報保護条例等、法的な制約を踏まえた上で、小児から成人に至るまでの予防接種記録の迅速な把握ということに向けて、システム構築の検討ということを是非、お願いしたいと思っております。私からの発言、提案は以上です。

○脇田部会長 ありがとうございました。ただいま、基本的な事項、それから技術的な事項を含めて、予防接種施策の見直しに向けた提案ということで、大石参考人から説明を頂きました。ただいまの内容につきまして、御意見、御質問等、ございましたらお願いいたします。

○池田委員 先生に御説明いただいた中で4枚目の技術的事項の中で費用対効果についての御指摘があったわけですけれども、費用対効果の位置付け、確かにこれは今まで、諸外国に比べると十分な活用がされていないというような部分はあったのかと思います。今回、議論になっておりますような、ワクチンの価格そのものをどうするかという観点もございますし、あるいは、そもそも定期接種化の是非について、有効性・安全性に加えて、費用対効果の観点をどう考えるかということ。あるいは接種方法と接種対象等についても費用対効果の観点を使っている国もあるので、また海外の状況も私自身も更に勉強いたしますし、この中でも議論いただきまして、日本における施策立案の中でも有効に活用できるということで議論を進めていただけるといいと思います。

○脇田部会長 ありがとうございます。大石参考人、よろしいですか。

○大石参考人 そのように池田委員からおっしゃっていただいたようなことが、より整理されて、各ワクチンに、先ほど申しましたように少しずつ必要要件というのは変わってくると思うので、そこをできるだけ整理し、評価委員等々にも十分に理解が伝わるようにしていただければと思います。もちろん、国民にもよく伝わるようにしていただきたいと思います。

○脇田部会長 ありがとうございます。

○坂元委員 教えていただきたいのですが、承認時の接種回数と、承認されてしばらくたった後の接種回数が減らせるかもしれないというのは、その承認時としばらくたったときの差というのは、一体、どうしてこういうふうな結果になるでしょうか。多分、承認時には、この回数でないと十分な免疫性が担保できないということで承認されたと思うのですが、その後、よくよく調べていったらそれよりも少ない回数でも効果があるという、その辺のギャップというのは、どういうところから生じるとお考えでしょうか。

○大石参考人 これは、特殊な例かもしれませんが、結合型肺炎球菌ワクチンにつきましては、要はワクチンに含まれる血清型の病気がほとんどなくなるわけです。集団免疫が成立するということはそういうことで、PCV13に含まれる血清型の病気がほとんどなくなるという状況なので、今、このPCV13の血清型による感染を起こすというリスクがかなり低くなっているということだと思います。やはり、どうやってこういうエビデンスを日本で出すのだとなると、定期接種となっているものの回数を減らしたようなスタディができるのかということについては、なかなかハードルが高いのかもしれません。ただ、英国は実際にこうやって柔軟に対応して、これはやはり予防接種費用の削減ということに向けていると思うし、集団免疫の成立後の状況ということをよくよく理解した上でのことだと思います。その辺も、予防接種の学問の進歩でもあるし、是非、そういったことも柔軟に日本でも取り入れていければなと考える仕第です。

○脇田部会長 ありがとうございます。少し時間が迫っておりますので、もしございましたら最後の質問とさせていただきますが、いかがでしょうか。

○伊藤委員 この提言を頂いたのですけれども、今一番、小さな子供で問題になっているのが、複数のワクチンの接種回数が多すぎて、承認のとおりにやろうと思うと何回も打たなければならないのと、それを避けるための同時接種の問題と、本来は混合ワクチンの開発がうまくいってないということもあるのだと思いますが、承認が変えられるかどうかは難しいですけれども、可能でしたら、今後、フレキシブルに接種間隔をある程度変えることによって、保護者の方の負担が低減できるような方向性を、こういった提言の中で打ち出していただけると有り難いなと思ったので、一言、発言させていただきました。

○大石参考人 大変、ごもっともな御意見であります。私からのまとめが、小児科学会のメンバーの方々との情報共有も十分にできなかったのもあって、今回の提案には入れておりません。かなり私見が入っていると理解していただいていいと思うのですけれども、おっしゃるとおり、その小児の定期接種の回数の多さ、これを何とか解消するということが大事ですし、当然、混合ワクチンをいかに開発していくか、そして利用していくかということにもかかっていると思いますので、その点は是非、もう1つの大きな課題として今後、日本でも取り組んでいくべきだろうと思います。

○脇田部会長 ありがとうございます。議事進行の不手際で少し時間が押してしまいましたので、ここでこの議論を終わりにさせていただきたいと思います。ただ、予防接種制度の見直しにつきましては、今後も様々な立場の先生方をお招きして御意見を伺いたいと思っております。その上で、本部会で議論を進めていくということにさせていただきたいと考えております。大石参考人におかれましては、本日は貴重な御意見を賜りまして、誠にありがとうございました。申し上げましたとおり、最後の報告事項につきましては、事務局、次回に報告していただくということでよろしいですか。

○林予防接種室長 かしこまりました。少し詰め込み過ぎて申し訳ありませんでした。次回、改めて御説明させていただきます。

○脇田部会長 ありがとうございました。これをもちまして本日の議事は以上となりますが、そのほか、事務局から何かございますか。

○元村予防接種室長補佐 本日は遅い時間にもかかわらず、御出席いただくとともに、長時間にわたり活発に御議論いただきましてありがとうございました。次回の開催につきましては、正式に決まり次第お知らせしますが、現在のところ、926日の木曜日、14時からの開催を予定しております。また、傍聴の皆様へのお願いですが、この後、審議会委員が退室いたしますので、退室が終わりますまで、そのままお待ちください。事務局のほうからは以上です。

○脇田部会長 ありがとうございました。それでは、これをもちまして部会を終了させていただきます。委員の皆様、誠にありがとうございました。