第9回 社会福祉住居施設及び生活保護受給者の日常生活支援の在り方に関する検討会 議事録


 
○日時 令和元年10月9日(水)9:59~12:05

○場所 TKP虎ノ門駅前カンファレンスセンター 3階 ホール3A

○出席者(敬称略)
岡部 卓 (座長) 大西 豊美 (構成員) 奥田 知志 (構成員)
辻井 正次 (構成員) 西脇 誠一郎 (構成員) 向井 順子 (構成員)
山田 壮志郎 (構成員)    
 
 
○出席者(敬称略)
竹浦 史展 川辺 克郎 滝脇 憲
小林 真    
 
 
  
○議題

 日常生活支援の在り方について(事業者のヒアリング)
 
 
○議事

○清水室長補佐 それでは、検討会は間もなく開始をさせていただきますが、それに先立ちまして、資料の確認だけさせていただきます。お手元のタブレット、また、紙で配付された資料を御確認いただければと思います。本日の配付資料は、次第とNPO法人エス・エス・エス竹浦様提出資料。大東ネットワーク小林参考人提出資料ということで、資料1。机上には小林参考人からの提出資料ということで、机上配付資料が3種類入ってございます。紙で配付してございますが、NPO法人ふるさとの会滝脇様からの提出資料、検討事項についてということで資料が1枚と、あと参考資料の束、2種類資料を配付してございます。参考資料といたしまして、前回第8回の検討会で事務局から提出させていただいた「日常生活支援住居施設のあり方に関する整理事項」ということで、資料を配付してございます。
 不足がございましたら、事務局までお申し出いただければと思います。よろしいでしょうか。
○岡部座長 定刻となりましたので、ただいまから第9回「社会福祉住居施設及び生活保護受給者の日常生活支援の在り方に関する検討会」を開催いたします。
 皆様方におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 本日の出席者の確認ですが、構成員については、鈴木構成員、平野構成員、廣吉構成員、藤掛構成員、水内構成員については欠席との連絡を受けております。また、大西構成員におかれましては、所用のため11時半に退席すると伺っております。
 冒頭のカメラ撮影はここまでとなりますので、カメラの方は御退室をお願いいたします。
 本日は、前回に引き続き無料低額宿泊所を運営している事業者様にお越しいただきまして、日常生活支援に関するヒアリングを行うこととしております。
 協力事業者の皆様を御紹介させていただきます。
 NPO法人エス・エス・エス事務局長、竹浦史展様。
 NPO法人自立支援センターふるさとの会常務理事、滝脇憲様。
 NPO法人大東ネットワーク事業團理事長、小林真様。
 NPO法人湘南ライフサポート・きずな理事長、川辺克郎様。
 本日のヒアリングも事業者様ごとに順にお話をしていただき、その後に構成員の皆様から事業者様への御質問を伺い、時間の範囲で御意見や感想をいただければと思います。
 本日は4事業所様からヒアリングを行いますので、恐縮ですが、20分以内で御発言いただきますようお願いいたします。
 それでは、はじめにNPO法人エス・エス・エス、竹浦様、お願いいたします。
○竹浦参考人 初めまして。首都圏にて困窮者支援をしていますエス・エス・エスの竹浦と申します。本日はよろしくお願いいたします。
 限られた時間ですので、足早に御説明したいと思います。「日常生活支援住居施設のあり方に関する検討事項について」という資料を提出させていただいていますので、そちらをごらんいただきたいと思います。
 ヒアリング事項の1番目「日常生活支援住居施設の位置づけについて」ということですが、私どもでは生活困窮者、路上生活者、失業者、高齢者、障害者、DV被害者、刑余者、ニート、母子世帯、こうしたキーワードのいずれかまたは複数に当てはまる方々の支援をしております。こうした方々が社会から孤立し、制度のはざまからこぼれ落ちてくる。そういった方々を幅広く支援するセーフティーネットと考えております。これは実は従来の無料低額宿泊所で支援している対象者と基本的には変わらない、と考えていまして、日常生活支援住居施設においてもこういった方々の受け皿になるべきであろうと考えています。
 これは、前々回までの検討会で社会福祉住居施設の最低基準が定められたかと思うのですが、その中で社会福祉住居施設の役割というのが「状況把握」「軽微な相談」とされておりまして、この範囲を超える方々は全て本来的には日常生活支援住居施設の対象になり得るのではなかろうかと考えています。正直に言えば、状況把握と軽微な相談で済む方は一握りでして、それ以上の支援が必要な方々がたくさんいらっしゃいますので、そういった意味で、私どもとしては、今までの対象像とそれほど変わらない方々を救う、そういうセーフティーネットであると考えているといったところです。
 この点については参考資料もありまして、私どもの利用者様の簡易アセスメントの結果を参考資料1ということでつけております。属性としましては、高齢者世帯とか障害者世帯、傷病者世帯というところで7割弱ぐらいの方々が既にお住まいであるといったところからも、こういった方々は簡単な支援だけでは済みませんので、それをお伝えしたい。その他世帯というのは単身の男性が主なのですが、こういった方々に関してもそれなりの支援が必要であると考えています。
 対象者について2番目の項目で詳しくお伝えしますと、「一時的または継続的な生活上の課題を抱える方を対象として支援する必要がある」と考えています。これはわかりづらいかもしれないのですけれども、支援をしていますと、お一人の方で支援のボリュームがタイミングによって異なるということがあります。例えばニーズとして多いのが、病気やけがで通院をしたい。あとは住民票がどこに行ってしまったかわからないから、早目に設定をしたい。こういった前段階の支援をしますと、結構なボリューム、手数がかかるのです。こういった課題をお一人でやれる方と、付き添いなりアドバイスが必要な方と分かれてきますし、こういった課題が済んでしまえば、一時的な支援は一旦終了するかと思うのですけれども、続いて生活上で例えば服薬管理の仕方、お金の使い方、こういったところでも困難を抱えていらっしゃるという場合には、ちょっとしたアドバイスで終わる方もいれば、面談を通じて徐々に服薬がうまくやれるようになるとか、お金の使い方が改善されるとか、そういったことも生じるのですが、やはり能力的な問題ですとか障害特性によっては、支援の濃度がお一人お一人変わってくる。それは、継続的に支援のボリュームが薄くて済むのか、ずっと濃いまま行くのか。一時的なもの、一旦終わる支援と継続的にずっとしていかなければいけない、サポートが必要といった種類分けがあると考えまして、一時的または継続的な課題を抱える方を対象とすべきと記載しました。
 こちらに関しても参考資料がありまして、「エス・エス・エスを利用する方が必要としている支援の一例」ということで、参考資料2をごらんになっていただけると、私どもでは主な支援の一例としてまる1からまる5まで挙げています。通院について、住民票の異動、年金、債務処理、就労、こういったカテゴリーごとに支援を行っていく。それについてニーズがある方とない方がいまして、例えば通院でしたら、ニーズがないというのは、病気・けががないということを指していますし、住民票については、ちょっと微妙ですけれども、事情により異動ができないから今はいいよといった方がいる。そういった項目で分けていきますと、ニーズが結構多いのが通院。こちらは8割近く。住民票の異動については、9割以上の方が必要性を持っている。こういったものが年金、債務処理、就労についても同じようにあります。
 この中で職員の手が必要かどうか、もしくは自分の力ででき得るかというところもこちらのデータに示したとおりさまざまな状況となります。こちらはあくまで御本人の回答ですので、場合によっては自分でできるよといった方であっても、後からできなかったとか、トラブルが生じたり、役所でうまく手続ができなかったと言ってまた相談に来るという方も含まれています。一応、こういった支援の類型があると御理解いただけたらなと思っています。状態像については大体そんなところです。
 続いて、2番目の項目のまる2、特に定期的な見守り等があれば居宅において生活ができる方とそうでない方とどういうふうに区別されるかというところです。こちらは、先ほどお伝えしたような個別の一時的な課題が解決している、もしくはまだ残っている。あとは継続的な支援のボリュームが極端に少ない方と、それなりに支援の手が必要という方、そういった区分が考えられるかなと思います。
 厚生労働省さんの資料の3ページ目にある図で、無料低額宿泊所と日常生活支援住居施設が横並びになっていて、居宅に近い部分と保護施設に近い部分と階段状に種類分けがされていると思うのですが、簡単に言ってしまえば、無料低額宿泊所で居宅生活ができる方に近い方と、保護施設の必要性がある方に近い方と分かれてくるかなと思っています。これは御本人が相談できるかどうか。相談の能力というところも問われるところでして、課題があった場合に御本人がSOSを出せれば結構な違いが出てくるのですが、SOSすらも出せない状態にある方もしくは傷病のある方は、支援の濃度が必要になってくるかなと思っています。
 私どもの支援の現場では、月の途中で保護費を使い切ってしまうとか、職員にお金を借りに来てしまうとか、病院に「行けない」ではなくて、「行かない」という方もいますし、いろんな方がいらっしゃるのです。こうした生活上の課題は、そのもとに何があるのか。それは生活歴なのか、知的精神、発達等による障害特性によるものなのか、そういった部分も理解しながら、結局、一時的な支援が必要なのか、はたまた継続的な支援の中でもボリュームが濃い状態があるのか、その辺を見きわめる必要があるのではないかなと考えています。
 続いて、まる3の対象者の判断方法ですが、正直相談初期の段階で居宅で生活できるかどうかを判断するのは難しいのではないかと思います。ただ、相談に至る経緯で、これまで居宅生活をしていたけれども、家賃滞納してしまったとか、長期入院をした。ほかの施設にいたけれども、トラブルがあって、施設の移動が必要だ。こういった方々がいらっしゃって、相談の経緯から考えると、単独で居宅生活が難しかったのかなということも想定され、イコール何かしらの支援が必要な対象者であると言えるのではないかと考えています。
 支援の現場でケースワーカーさんとお話しする中では、居宅生活が即座にできるのかどうか、「ちょっと様子を見たい」というお声をいただいています。そういった意味では、居宅生活ができ得るかどうかの判断がつかないといった方も日常生活支援住居施設の対象になり得るのではないかなと考えています。
 続いて、3番目「日常生活支援住居施設における支援内容」で、厚生労働省さんが挙げていらっしゃる内容から「追加すべき必要な支援」というところで、これは願望、要望も込みでお伝えしたいのですが、追加すべき必要な支援というのは、健康診断ですとか、結核検診、感染症予防の部分、こういったところも気になっています。というのも、健康診断というのは、特別な理由がない限り、生活保護を受けている方が自己負担でやらざるを得ないというところもありますので、私たちとしては、医療面でどんな問題を抱えているのか。後からわかるよりも初期段階でわかったほうがいいと思っていまして、こういった部分も本来は支援の中身として加えるべきではないかと思っています。
 参考資料3ということで、構成員の皆様にはお示ししていますけれども、レクリエーションとか地域活動への参加といった生きがい支援、余暇活動の支援も必要だと思います。
 これは別立てなのかもしれませんが、居宅や他施設への移行支援、関係機関との連絡調整があったり、不動産同行、保証人、緊急連絡先になる、ならないという問題も常につきまとうので、こういった部分の支援をどうするかというのも考えなくてはいけないと思います。
 あとは、一時的に生活をする場所。ついのすみかではないというのが今回の日常生活支援住居施設だと思うのですが、とはいっても、御本人たちは終活支援、要は、最期の場面をどういうふうに迎えるのかというのを結構気になさる高齢者の方もいらっしゃって、家族との関係回復をしておきたいとか、医療面、葬儀、納骨に関することもお話としては出てきます。私どもでは共同墓地も用意していまして、事情があって納骨先がない方をそちらに納骨できるような状況もつくっています。
 続いて、日常生活支援住居施設の入居者が抱える課題に応じたアセスメントの実施、支援計画、目標等の設定が必要かどうかという部分に行きたいと思います。こちらは、アセスメント支援計画策定、目標設定をワンセットとするべきだと考えます。これらを御本人と支援関係者側で共有してPDCAサイクルを回していきたいと思います。支援関係者側というのは、私ども事業者と、生活保護が絡む場合には福祉事務所のケースワーカーさん、場合によっては医療関係者の皆様など関係機関の方々が含まれるのですが、できる限り本人の情報を共有して、統一的にどういう方向に向かっていくのかわかった状態で支援をしていくということが必要だと思います。エス・エス・エスでは、自立生活チェックシートを定期的にケースワーカーさんに提出しまして、居宅生活へ向けた情報共有を行っているのですけれども、反対に、個人情報保護の観点等ありまして、医療機関から看護サマリーをいただくとか、ケースワーカーさんから自立支援に向けたケース記録等をいただくということはなかなか難しいことでして、中には特別な理由があればいただけるということもあるのですが、個人情報保護の壁というのが結構ありまして、御本人さんからすれば、同じ話を何回もしているよ、これはきのうも聞かれたとか、そういったこともありますし、よりよい支援をするにはこういった共有はぜひ必要なことだと思います。
 あとは、これらを行うために十分な人員体制や事務負担は非常に厳しいものがあるなと思っています。情報共有という言葉一つとっても、関係機関の方に電話をしたり、書面作成をしたり、いわゆる中間的支援業務が膨大なものになると思いますので、これは私どもだけではなくて、関係機関の皆様についても同様の負担が生じるものと思われます。
 4番目「日常生活支援住居施設の運営に関する基準について」ということです。まる1は最低限必要な人材配置についてどのように考えるか。あとは要件等ですが、私どもは最低20対1、さらに15対1などの人員体制がいいなと思っています。1人当たりの人数が少ないほど手厚く支援できるというのは当然のことだと思います。
 ただ、私どもは複数の無料低額宿泊所を運営しておりまして、その中で支援施設でも高齢者特化施設などは人員体制を厚くし、さらに24時間体制も理想かなと思っていますが、現状では夜勤の配置を基本的にはしておらず、そのかわり緊急対応できる体制をつくるということでやってきておりますので、人員についても同じくコストがかかることですので、その中でどういうやりくりをするかというのが今後の議論によるかなと思います。
 配置の人員の要件についても、私は社会福祉士ですけれども、必ずしも有資格者であればいいということでもなくて、熱意ですとか意欲、あとは人柄を重視して私どもでは現場で人員配置を行っています。
 時間が差し迫っているようなので、残りは足早に行きたいと思います。
 支援計画の策定の義務づけ。達成状況を福祉事務所と共有することについて。これは重複しますけれども、アセスメントや支援計画の共有によって支援関係者が意思統一して対象者にかかわることができるので、必要性は高いけれども、事務負担がこれも大きいなと思います。
 最後のその他、日常生活支援住居施設の制度設計等に関しての意見・要望ということで、地域性とか社会資源の充実度は、各地域で全国的にも違うと思うので、救護施設さんや自立支援センターのあり、なしですとか、どれぐらい連携できているかとか、そういったものを考慮して、いろんな種類の日常生活支援住居施設のあり方を検討していただきたいなと思っています。
 それから、来年4月からのスタートに間に合うのかというのを心配していまして、正直4月からのスタートですと、人材確保を1月、2月、遅くてもそれぐらいにやらないと、とてもではないですが、間に合いませんし、研修を施すといった場合にもなかなか時間がない。制度設計自体で福祉行政、事業者が混乱するということになりますと、対象になる方へ充実した支援ができないことになってしまいますので、まずはしっかり新しい仕組みをつくっていただいた上で支援の体制を置いて、対象者の受け入れをしていきたいと思っています。
 最後になりますが、今回の検討会、日常生活支援住居施設のあり方ということですが、私はこの世界に足を踏み入れて17年ほどになるのですが、ようやくこの議論が固まってくると思っていまして、10年先、20年先の日本のセーフティーネットのあり方を左右する大事な局面だと思っています。社会保障費の増大も含めて、福祉の行政の皆さん、関係機関の皆さん、事業者と協力しながら、持続可能性をしっかりと踏まえて制度設計をしていただけたらなと思っています。長続きしないものは、結局、利用者さんを行ったり来たりさせていますし、複数の諸制度の整理、住宅セーフティーネット法と生活困窮者自立支援法、いろんな法律がありますけれども、その制度には対象があって、対象からこぼれる方がいるので、私たちの事業というのが今まで役割を担ってきたのだと思っています。
 ちょっとわかりづらい部分もあったかと思うのですが、私からの話は以上です。
○岡部座長 竹浦様、ありがとうございました。
 次にNPO法人自立支援センターふるさとの会、滝脇様、よろしくお願いいたします。
○滝脇参考人 「日常生活支援住居施設のあり方に関する検討事項について」というパワーポイントの資料に沿って進めていきたいと思います。
 1枚目ですが、ふるさとの会がケア付きの宿泊所というものを始めて21年目になります。会の活動は、1990年に東京・山谷地域の高齢の路上生活者の方々の支援をするというボランティア団体として出発しています。95年から山谷地域の中で「共同リビング」というものを運営して、居場所の提供、アパート等でひとり暮らしをしている利用者の訪問支援を現在も行っております。ただ、このような地域における独居のサポートをする中で、どうしても住まいの問題、独居生活が続けられないという方々と多々出会うようになっていきまして、99年にケア付き宿泊所というものを開設いたしました。それを幾つかの形で進めていく中で、2005年からは東京都の保護課のほうから御提案をいただきまして、「社会的入院患者等が社会復帰の訓練等を行う」ための自立援助ホームというものを運営してきました。時代背景としては、2000年前後の医療制度改革の影響を受けて、従来社会的入院をしていた生活保護受給者の退院促進をするために、福祉事務所の機能を側面から支える民間の社会資源が必要とされました。きれいに言えばこうですけれども、行く先もないのに退院させられてしまうという人が次々とあらわれておりました。これを何とかしなければいけないという強い問題意識が背景にありました。今でもふるさとの会の事務局や現場に一番寄せられるのは、退院先がないという相談です。過半数は病院退院者の行く先という相談であります。
 一方で、社会的入院をされている方は、比較的ADLが低い方が多いのですけれども、リーマンショックが起きた2008年は、春先ぐらいから若い生活困窮の方が福祉事務所に来られて、保護を受けるということが増えていました。そういう時代の変化というものを感じながら、新たに就労支援付きの生活支援を行っていく必要があるのではないかという議論をしていく中で、当時ネットカフェ難民の問題などのソリューションをどのようにつくっていくのかということで「社会的自立が可能な程度の者に対して就労支援等を行う」ための就労支援ホームを始めました。現在ケア付き宿泊所と自立支援ホーム、合わせて11カ所、259名、就労支援ホーム4カ所で、総定員57名という概況であります。
 そこから先は厚生労働省の資料のヒアリング項目に基づいております。まず、位置づけについてでありますが、緊急の相談が日々多い中で、福祉事務所も生活保護の決定をしたものの、なかなか利用者の方の情報が限られている中で、アセスメントの必要性もありますし、障害福祉サービスにつながれるはずの人もかなりいますので、そういう方をサービスにつなぐという機能も非常に大きいところだと思います。
 一方で、在宅生活をされている方が居所を失ってしまう。この後の利用者像でお話ししますが、そういう方の受け入れをしていくということが、地域包括ケアシステムの中で、低所得者、生活困窮者の方の住まいの面で、最後のセーフティーネットになっている面もあります。地域包括ケアシステムの社会資源の役割もあると思っております。
 次に、支援対象者については大きく2点書いております。第一に、さまざまな障害、あるいは認知症の方も含めた機能障害を抱える単身の生活困窮者と書いております。生きづらさを抱えているということで、ふるさとの会でも要介護度とか障害種別・程度の統計はとっておりますけれども、それであれば各制度のサービスにつなげていくということで済むかのように思われるかもしれません。しかし、実際には施設での生活がうまくいかないとか、あるいは在宅の中で近隣等とのトラブルなどで更新を拒否されてしまうとか、そういう対人的な関係性の困難が非常に大きいわけです。そこにしっかりと着目する必要があるだろうと思います。
 一方、他法・他施策で受け入れられないということで、今の話と重複しますけれども、東京23区におきましては救護施設もありませんし、市部のほうを探したとしても待機が長いという状況もありまして、では、23区でどういった社会資源をつくっていくのかということで、宿泊所が活用されてきた面があるかと思います。それ以外のところについては説明のほうをお読みいただけたらと思います。
 ただ、最後の2行で書きましたように、いわゆるホームレス、元路上の方ということではなくて、最近だと認知症の高齢者、ひきこもり、児童虐待の被害者がふえており、非常に多様な人たちの社会資源になっているということは触れておきたいと思います。
 次のページです。支援対象者について、居宅に行ける方とそうでない方はどう違うのかという問題ですが、一律に状態像だけでは区分できないと思います。生活支援を行っていく中で、前回のねこのての戸田さんの御報告にありましたように、丁寧に食事をとって、健康的なものを食べて、安心した環境の中で暮らしていって、地域で暮らす諸条件を整えていって、人とのつながりをふやしていくことによって、居宅生活に行けるようになるわけでありまして、本質的に行ける人と行けない人と分けるべきではないと思っています。
 ただ、まだこの検討会でも余り出てきていないのですが、物理的な条件ということも非常に大きくて、携帯電話、身分証明書、緊急連絡先、連帯保証人、住民票がなければ不動産屋さんからほとんど物件を紹介してもらえません。そこをどうしていくかということは課題であるし、住宅セーフティーネットともかかわる問題だと思います。
 一方で、日常生活支援住居施設に居宅から移ってくる人の背景を見ていくと、居宅生活の難しさがどんなふうにあらわれるのかということが見えてくるかと思います。最近の相談、受け入れケースから3人ぐらいの方を念頭に事例化をしてみました。個人情報に配慮して改編しています。一人目は70代の方で、アパートがごみ屋敷になって、ぼやを起こしてしまって、近隣トラブルになってしまった方です。二人目は60代の方で、最近の言い方で言うと、中高年ひきこもりみたいな状態の方です。3人目は20代の若い方。ひきこもりの経験が長くて、ご家族が支援施設入れたけれども多額のお金を払って世帯ごと困窮してしまいました。こういうケースからも支援の必要性が見える来ると思います。
 次のページです。判断基準、判断方法に関しては、シンプルに書いていますけれども、福祉事務所のケースワーカーさんから御相談を受け、お申し込みをいただくという形が基本ですので、そちらのほうで判断されていますし、厚生労働省の資料2の中のさまざまな取り扱いを意識して相談されてきている感じはします。
 ただ、一つつけ加えるとすれば、福祉事務所の方々とお話をしていても、どこに依頼するかということは、その先の支援体制とか支援の質とか、あるいは消防面も含めた安全性を見てちゃんと判断していますということは聞いています。新たに検討会の構成員に福祉事務所の方が入られていますが、現場を一番見ている福祉事務所のご意見をこの検討会でもよく聞いて、福祉事務所の裁量についてもしっかりと尊重していくことが大切だと思っています。
 次のページは支援内容です。これは本検討会第1回提出資料として出しておりますので、御参照いただければと思います。コンセプトとしては、先ほど対象者の捉え方としてさまざまな機能障害を抱えているという言い方をしました。認知症を例にとれば、物忘れということが背景にあって、介護拒否とか、さまざまなトラブルになってしまう。そういった生活障害にならないような、つながりというものを大切にした生活支援を行うことが大事だと考えてきました。
 これを厚生労働省資料の例示と比較しますと、相談対応ということはもちろん大事ですけれども、その前提として、孤立したり、居場所を失ってきた、排除されてきた人たちが多いわけですから、まず利用者の方から信頼していただくという関係性づくりが根底になければいけないだろうということ。それから職員がさまざまなサポートをするということは大切なことですが、支援者だけでなくて、横のつながり、仲間づくりといったことも大切にしていくこと。そして地域とのつながりをつくっていくことをサポートすること。そういうことが大切だと思っておりまして、参考資料5にこのような考え方に基づいた「サービス提供の指針」を提出しましたが、東京都の「地域居住支援モデル事業」という研究事業を関連の法人に委託されたときに、ふるさとの実践をベースに書いたものですので、御参照いただければと思います。
 次のページ、支援内容というところで、アセスメントのことでありますが、これは必要に応じて実践をしてきました。その実例も参考資料2につけております。ただ、ベテランがつくるったものが整理されたものであるのは当然でありまして、まず新人教育というところでどういったアセスメントシートが出ているのか、その実例を出しておきました。
 ただ、これを委託業務と規定するのであれば、ほかの社会福祉施設等の運営基準や、委託費がどれぐらいついているのかということと、日常生活支援住居施設の委託費との比較の中で、どの程度のものを求めるのかということを定めるべきだと思っております。
 関連することは最後に出てきますので、先に進めます。
 運営に関しましては、最低限必要な人材配置ということで、現状を簡単に書いておきました。施設長が中心になるわけですが、それをサポートするために非常勤職員と原則2交代制で常駐し、問題が起きたときは別の職員が応援する体制を24時間とっています。それから、人員配置の基準としては、11名から20名程度まで常勤職員は1名ですが、非常勤の代替職員に加えて食事時には配膳・皿洗いなど、食事、嚥下、そしゃく能力に応じて、あるいは体の麻痺とかにも配慮しながら、食べやすい食器や食べやすい形態にしたりということも必要になりますので、手厚く配置しています。常勤換算すると、現場だけで3.5名以上にはなりまして、ほかに事務員とか給食の調理員、清掃委託等、さまざまなマンパワーが入って運営しております。
 資質や要件につきましては、有資格者もおりますけれども、有資格者に限定する形ではなく、「誰もがひとりの生活者として生活支援を行うことができる」というコンセプトに基づいて、参考資料にありますようなケア研修の科目、さらにはケアプラン、利用者ミーティング、トータルプランと呼んでいるものの検定を行い、外部の有識者を検定委員に招いて、新人には修了証というものを渡して、質の担保をしていくことをしています。
それから、個々の職員だけに着目しても現場で孤立しては意味がないので、現場で職員を孤立させないというサポート体制やフォローアップ、情報共有、そのためには丁寧な記録づくり等も実践してきました。
 次のページに行きまして、運営に関する基準では、頻度や時間の要件を課すということは、ほかの社会福祉施設等でどの程度行っているのかの比較で考える必要があると思います。以前例にも挙げましたけれども、都市型軽費老人ホームという第一種の事業を運営する中では、個々の支援項目について頻度や時間等を報告することはありませんし、もし日常生活支援住居施設でこういう義務を課すのであれば、では、更生施設や救護施設はその何倍のことやっているということがどのように検証されるのかとか、そういうことも含めて見る必要があると思っています。また、事務コストということも見る必要があると思います。
 最後のページは運営に関する基準についてです。支援計画の策定義務づけ等の考え方は、いまの支援項目の頻度や時間等と同じであります。必要に応じてやってきたわけですけれども、いまの非常に限られた人員の中で、書類の作成自体を目的にするのはいかがなものかと思います。しかしトラブルがあったり、なかなか解決がつかない困難事例では、法人内、あるいはケースワーカーや社会サービスの方々とアセスメントを共有したり、カンファレンスことが大事になります。それがなくてもうまくいく人は、アパートに転宅したり、生活が安定したりしていくわけです。その辺は御本人やケースワーカーが分かっていることでもあると思いますが、これも結局、対価、委託費との兼ね合いで決まってくる面が大きいと思います。早い話が「高かろう良かろう」ということになるのか、「安かろう悪かろう」ということになるのかという話だと思います。
 今までは保護費の中で何とかやってきて、そこにプラスアルファで委託費がつけば、当然そういう支援計画を出したりということも必須の業務になりえますが、日常生活支援住居施設の委託費が保護費の範囲でやりくりしてきた現状維持程度のものであれば、余り多くのことを義務づけてもアンバランスになってしまいます。この検討会も、こうあるべきだとか、望ましいこととか、事業者の義務については1年以上議論されてきたわけですけれども、いまだにその対価が見えない中で、どこまでやれますということを安受け合いできないというのが正直なところです。前回ねこのての戸田さんがちゃんとした行政支援策をとおっしゃったことに私たちも同感です。
 最後に、支援計画とかももちろん大事なことで、そういうことができるような制度になっていけばいいと思っていますが、一方で、書類でケースワーカーと確認することで問題が解決するというのは、ある程度限定された話であって、医療関係者とか、就労先とか、ケアマネさん、地域包括、社協、近隣の人、場合によっては大家さんも含めてカンファレンスをやっていく。そのように協働で支援していくようなチームづくりみたいな大枠の中で福祉事務所との連携が柱になっているということも見ていく必要があると思います。
 以上で説明を終わります。
○岡部座長 滝脇様、ありがとうございました。
 次に、NPO法人大東ネットワーク事業團、小林様、お願いいたします。
○小林参考人 初めまして。大東ネットワーク事業團の小林と申します。
 短い時間でございますので、私は委員会の構成員ではなくて、きょう初めてここに出席させていただくのですけれども、ありとあらゆることを書いてしまったので、前後している部分もあろうかと思いますが、失礼します。
 法人としましては、2002年に設立しまして、現在施設は11施設ございます。2004年に施設開設はそれ以上行わず、支援を厚く、充実させるという形で進めてまいりました。設置するに当たって、きょうも大阪市さんが来られていますけれども、大阪市さんのガイドラインはもともと非常に厳しいものがございまして、今の省令が出ましたが、ほぼ同じかなというところもありまして、事前協議しながら開設を行っていったという状況で、近畿では406室定員がございます。省令が出ましたので、その件で今後施設をどうしていくか、あり方というのもまた考えていかなければいけないというのが現状でございます。
 職員は、施設長級が9名と、常勤、非常勤を含めてほかの職員が30名弱おるという中でございます。
位置づけについてのヒアリング事項1番ですが、社会福祉住居施設と同じような形で考えております。必要なのは重厚な厚い支援であるとか、継続性であるとか、そういうものと捉えております。1番、2番、3番とか、病院からお願いされるケースとか、地域、福祉事務所からもそうなのですけれども、現在公立病院等も統廃合という形で進められておりますし、精神科、病院の入院措置というのも在宅医療にどんどん切りかえていくと。病床が減っていくという中で、病院としても在宅で、単身の方が1人で生活するには、通院とか日々の状況の把握とか、その辺の不安があるという中で、依頼が非常に多いです。そこは見守りであったり、経過観察であったり、変化があったときの対応力というものが求められるというところでございます。
 入院とか退院、通院等についてですが、特に入院ですと、病院のほうから保証人を求められるのですが、身寄りのない方とか縁のない方というのは、保証人というのはないという中で、病院のほうも我々の施設のことと支援の内容を御存じで、最初は保証人として求められたのですけれども、その中で我々がどういうふうに活動しているかということを勘案されたときに、病院が望む内容であったり、本人が望む内容に対して我々がどう対応していくかということを病院側が認識されて、キーパーソンとしての役割としていてほしいということがございました。
 退院した後、例えば通院ですと、行かないとか、薬は飲まないというのがないような形で、適宜病院とのやりとり、本人、あるいはケースワーカーさんとか、その辺の連携を行っていくというところがあって、特に医療関係からはそういうニーズ、お願いをされるという形が非常に多いというところでございます。
 4番、ボーダー層というのは認定されない、制度に乗りづらい方の支援の必要性がある。辻井先生が調査されましたが、うちの施設にも来ていただいたのですけれども、認定を受けている人とそうでない人は本当に微妙なところもあったりするのですが、そこの支援をどう行っていくかというのは、施設長1人が誰か1人を見るのではなくて、我々施設長級が毎日カンファレンスをやるのですけれども、知識を持ったり、いろんなケースをこなしてきた、経験してきた者とか、そういう者が合議制でいろいろ議論しながら、どう進めていくか、あるいは専門的知識を持たれているお医者さんとか法律家、いろんな方々とやりとりをして、方向性を定めていくということです。
 専門的施設というのは、例えば介護でしたら介護の専門の施設というのは法的にあるのですが、ボーダー層の受入施設は極めて少ないというところで、その方々が居宅で生活していくと、深層的な部分まで陥ってしまうような方になりますので、我々のほうでも支援をしていきながら、問題が深くなることを予防、防ぐということを考えて施設で行っております。
 地域においても、先ほどふるさとの会さんが言われましたように、ごみ屋敷というのがあるのですが、ごみ屋敷化したアパートで、単身ですと。身寄りがないというのは、家族でもお若い子供さんが亡くなってしまって、おばあちゃんだけ残ったとか、いろんな家族状況があって、縁がなくなった方とか、ごみが捨てられないところからごみを拾っていく作業に変わっていくとか、家賃滞納とか、一つのことが始まって、選択ができない、何かという形があって、地域からSOSが来る。ところが、福祉事務所であったり、自治会であったり、民生委員さんからという形もありますので、ごちゃまぜと書いていますけれども、いろんな地域の困り事を、適切な方策や社会資源があれば、それにつなげていきたい。ただ、最初から断らない姿勢で我々は始めていこうと。
 どういった形がいいのかというものも、地域の資源、他法の支援も検討しながら、福祉事務所であったり、例えば障害をお持ちだったら、障害者支援センターの方に相談をしたり、そういう形でしながら進めていく。施設で受けていくという形。
 項目をいろいろ書いてあるのですけれども、10番、個別の一般的な住居との違いというところでは、職員が常駐しています。施設長だけでなくて、ほかの支援員もいますので、状況把握ができやすい。適時、タイミングを逃さず支援ができる。ケースワーカーの方も、在宅だとなかなか連絡がつかないというのがあるのですけれども、我々のところだと、どういう生活状況であるとか、例えば就労であったり、病院とかそういうこともかなり密にできるということで、課題克服の支援を行っているというところでございます。
 支援対象者が例えばおじいちゃんであるならば、支援員はお父さんやお母さんの役割をしている。ただし、法の制度や方策を使う、繋げれる人が従事するとか、行わなければならない。日常生活支援住居施設の役割とか支援というのはそういうものではないかと捉えております。
 2番の施設における支援の対象者です。まる1、いろいろ書いてあるのですが、この中で我々のほうが唯一2004年以降で、4年ぐらい前ですか、これは自治体から依頼を受けてつくったのが、家族世帯とか女性の施設がないと。女性家庭センターというのがあるのですけれども、そういう世帯とかその辺が入れるような施設をつくってもらえないかということがありまして、例えばDVであるとか、虐待であるとか、母子世帯、家族世帯とか、いろんな形の方が入れるような施設を設置してもらえないかということで、開設しました。非常に少ないかとは思うのですが、男性よりコアなニーズで、ただし、支援する内容は非常にセンシティブな内容が多いということで、特に女性というのは非常に支援が長くなるというか、一つずつ細かく繊細にやっていく支援だと我々は認識して行っておるところでございます。
 日常生活支援住居施設のあり方ですが、例えば全就労であるとか全年金の方というのも、生活に対して非常に不安を抱えている方がいらっしゃるということも現実で、その方々に転居を勧めていく、いろいろな話をする中で、なかなかちゅうちょすると。ごみ屋敷の問題とか、アパートとか近隣とトラブルを起こしたということもあったり、あるいは全就労ぐらいなのだけれども、給料をもらったら全部使ってしまうというケースもある。ですから、我々のほうも給与支払いのタイムラグがあって、支払い猶予、使い果たしてしまった人に、次月から幾らずつ利用料と全然払わなかった部分をどうしようかとか、そういうこともしていかなければいけない。
 自立に向けた部分で作業はするのですが、例えば就労すると何か新しいことが見えてきたりするとか、病院へ行って病気が治って就労するとか、新たなもの、いろんなものが見つかってきますので、そこの対応をどうしていくか。本人とケースワーカーさん、三者で進めていくという形です。
 もう一つは、金銭管理とよく出るのですけれども、金銭貸付というのもあるのです。就労で頑張って働きに行っている人からお財布を落としてしまったと言われて、あした行く交通費がないのだというのもありますので、我々の法人では、落としてしまったとか、使ってしまったというのもあるのですが、就労に行っている人に限っては、特に交通費とかそういう部分については貸し付けをしていったり、そういう形も行っておる。
 特に近隣とのトラブルとか、ごみ屋敷という問題を抱えた人というのは、ある程度生活基盤あるいは健康面、そういうところが整備、あるいは健康的になってきたときに、もう一度基盤を整えてチャレンジをしたいと。させたいというか、一緒にしていこうという話をするのですが、なかなか単純な問題ではないです。非常に慎重にやっていかないといけないというところでございます。
 あとは、正社員に登用されるときに、アルバイトとかパートで頑張っていて、会社のほうが正社員に雇用しようと思うのだ、どうだと言ったら、よろしくお願いしますと言ったけれども、身元保証人がいないというので、これは諦めざるを得ないとか、会社として書類がどうしても必要だというのがあって、非常に不安定就労の実情がある。そういうものも本人と考えながら、どう進めていくかという形でやっております。
 2番、特に定期的な見守り等があれば居宅において生活が可能になる方と、そうでない方、その辺がどのように区分されるかというのがあるのですが、先ほど申したような内容が解決できた部分については、居宅への移行をどんどん進めていこうという形は考えております。ただ、その中で本人たちが既往歴とか高齢による生活不安、過去住居での生活に問題があるとか、いろんな形を抱えた人たちがいらっしゃいます。その中でもごく近隣であったり、相談にいつでも来られるような場所、あるいはお互い連絡先を交換しながら何とかやっていくという部分があります。転居後の伴走支援のあり方というのは、この議論ではないのですけれども、検討する必要はあるだろうと思います。伴走していくというのは非常に大事で、最後に問題が深層的な部分、関与する人がいなくなって、自分一人で抱え込んでしまった人たちが往還してしまうようなことがないように、早目の対策あるいは支援の機能というのはつけるべきだと思ってございます。
 居宅確保の際というのは、縁がないので、施設長などが緊急連絡先で求められる。例えば不動産屋さん、大家さんというところです。我々の法人から転居した人たちの生活というのを、一つのアパートで1号室にうちの入居者が入りましたと。そうすると、その人が一生懸命掃除をしてくれている。保証人とかいろいろな部分であったのだけれども、大東さんが入ったら、その人たちは一生懸命やってくれているねと。次は保証人を求めなくてもいいかなとか、そういう関係性をつくっていくというのも大事なことでございます。
 3番の対象者の具体的な判断基準というのは、法人、施設のほうに入ってくるときには、保護面接担当とか保護課内で十分に議論された後に依頼がある。本人には法人から説明をする。本人には選択の自由の確保というのがある。利用するか、しないかというところも含めて、その辺をきちんと確保していくというところです。アセスメントを行って、新たに毎日の業務の中で知り得たことは、施設長同士で協議をしながら共有していく。合議制を持っていくということです。その部分については、本人もケースワーカーさんもそうですし、我々も具体的にどういう形でやっていくかというのを情報共有しながら進めていっております。
 3番のまる1具体的な支援内容です。ほかの施設というのは、頑張っているところしか見に行かせてもらっていないので、わからないのです。いいとこ取りをしようと思っていますので、ここは悪いよというところを知らないので、学識の先生方はいろいろ研究されていますので、そちらに行かれていると思いますので、私はわからないです。逆にうちのことを言っているのかなと思うのですが、わからないので、済みません。
 どういうふうに考えるかという中には、特に単純な問題より、複合的な絡み合いが非常に多い。優先順位を持って、タイミングというのはそれぞれ到来期があります。そこを集中対応して行う。旬なときにやらないと。後手になったとかというのでなくて、人員配置とかその辺の集中対応というのはすべきことだと思っております。
 アセスメントもしましたし、本人の目標も確認しながら、三者が共有していくということでございます。
 4のまる1、いろいろなことがありますけれども、人員配置基準です。何名に1名とか、そういうふうにするより、地域特性、あるいはその施設の特性に応じて配置とかその辺を考えるべきだと。例えば24時間体制であったり、介助とか支援の頻度、人数によっても変わってくると思います。
 スキル、人材配置、要件ですけれども、認定講座というのは、先週ありましたけれども、伴走型支援士の講座があって、こういう冊子でもって資格というのを、我々は独自でなかなかできないのでホームレス支援全国ネットワークが主催してやっていますので、そういうのに全員が参加していくという形で、スキルとか勉強していくということでございます。
 個々の支援項目の頻度、時間です。ここは平常とか通常の予定の支援と、緊急とか、個別に必要到来期、そういうのがありますので、そこの部分は弾力的に行っていくという形です。固定での要件を設けると実成果よりも頻度・時間をこなす仕事。こんな感じで時間をこなしましたというのでは困りますので、成果を目指してやっていくというのが大事かなと思います。
 最後、3番の支援計画の策定は当然必要だと思っております。書いてあるとおりでございます。弁護士さんからおととい電話がありました。障害者支援センターと合同で勉強会を施設内でやりませんかとか、そういうこともございますので、そういうのに積極的に参加していく。この検討委員会の先生方に施設にぜひ来ていただいて、多様な形とか、地域特性とか、その辺のお話がもしできたらなと思っている次第でございます。
 済みません。以上でございます。
○岡部座長 小林様、ありがとうございました。
 次が最後の事業者ヒアリングとなります。NPO法人湘南ライフサポート・きずな、川辺様、お願いいたします。
○川辺参考人 私、湘南ライフサポート・きずなの川辺と言います。
 今いらしている方々はほとんど大都市圏ですね。東京であるとか政令指定都市とか、そういうところからいらしているのですが、私たちは神奈川県の地方都市で活動させていただいています。主に藤沢市、茅ヶ崎市を中心に2002年から始めまして、1つは中規模ですけれども、無料低額宿泊所としては3軒を運営させていただいています。ですから、抱える事情はほかの大都市圏とは違うと思うのです。ただ、今、お話を聞いていて、例えば1番の位置づけについてどう思うかとか、どういう人が対象になるかというところはほとんど共通しているように思いました。私たちがどういう方を受け入れているかというと、さまざまな制度からはみ出してしまった方。こういうグループホームには入れない。こういう施設には入れない。だけれども、1人で生活していくのが大変だとか、さまざまな過程で居宅を失ってしまって、どこかで住まなければならない。そういう方々を受け入れる施設として、そしてそれらの方の中には何らかの支援がないと生きていかれない。もちろん、そういう方ですから、さまざまな理由のうちで居宅を失ってきたのだろうと思いますけれども、支援が必要だけれども制度に乗らない、そういう人たちが主な対象になるのかな。そういう人たちに対する社会資源。
 神奈川県で言いますと、養護老人ホームがたくさんあったらいいとか、精神のグループホームがたくさんあったらいいとか、救護施設があったらいいと思うのですが、どうしてもそういうところは要件が厳しくてなかなか入れない。数自体も少なくて入れない。ですから、そういうのを必要としているけれども行かれない方々を受け入れていく施設、日常生活支援施設が社会的資源として必要なのかなと思っています。
 具体的にどういう方々がいらっしゃるかというと、今、皆さんがお話ししてくださった方々に加えて、私たちは特殊な施設として、アパート形式の個室型、いわゆるワンルームのアパートを利用した施設が1軒あります。そちらのほうで始めてから気がついたことは、今までのほかの施設と違って、女性の方々とか母子の方、DVから逃げてきた方がDV施設にもなじまない。もう一つふえているのは特定妊婦さん。18歳とか19歳、20歳ぐらいで妊娠してしまった。家では面倒を見られない。友達のところをうろうろしていたけれども、おなかも大きくなってきてどうしよう。そういう方々が利用するようになってきています。
 DVの被害者でも、女相の施設はあるのですけれども、母子世帯で中学生の男の子がいると、そこに一緒にいることはできない。でも、その子だけ児相に預けてどこかへ逃げるというのもまた難しい。そういう状況の中で、こういった施設を利用しなくてはいけない。そういった方々もふえています。
 それ以外は、ごみ屋敷の方とか、アルコール、ギャンブル、その他の依存症を抱えている方とか、出所してきた方とか、金銭管理がうまくいかなくて、家賃滞納で居を失ってしまったとか、さまざまな方々がいらっしゃいます。そういう方々は対象となると思うのです。
 そして、見守りがあれば居宅において生活が可能と日常生活支援事業とどういうふうに区分されるか。これは余り区分できないと思うのです。もちろん、最低限の生活ができない方、お年で歩行も困難で、買い物もできないし、そういった中で受け入れてくれる施設もないという方々は、このような施設が必要でしょうけれども、それ以外のかなり問題を抱えていても、施設にいるのが永久ということではないので、出た後の支援をどういうふうにつなげていくかによっては、退所後もずっとつながっていかれるという方々も非常に多いのです。抱えている問題はそんなに変わらないのですが、本人がアパートに出たいという方については、施設の近所のアパートを探して、そこへ出して、それ以降もかかわりを持ちながら支援を続けていくということも私たちはこれまでもずっと続けています。
 というのは、施設のほうは30名とか15名とか、そういうふうに限られていますので、ちょっと問題のある方をずっと抱えていると身動きができなくなってしまうわけです。でも、必要な方々はどんどんふえてくる。そういった中で地域の中に返していっても、ケアなしではまた同じところに戻ってこざるを得ないけれども、かといって一般的な社会の中でうまくいかれるかというと、今までやってきたように同じような失敗を繰り返す可能性がある。そういう中で、半年とか1年とか2年の中で私たちとある程度の信頼関係が築ければ、私たちの施設とか私たちの法人の担当者のほうが家族のような形で、近所にいる人たちとつき合いながら、居宅生活を見守っていくということ。そのためのワンステップとしてサテライト型のアパートの借り上げとか、そういうことも含めて実施しております。
 ですから、そういうのを使いながら、1人で暮らしたいという方については積極的に居宅を進めていきますし、1人で暮らすことが既に怖いという方もいらっしゃいます。そういう方については、生活保護が切れるぐらい仕事をしているのだけれども、ずっと施設に住み続けざるを得ないという方も同時に考えていかなければいけないなと思っています。
 具体的な支援内容としては、ここの資料に書かれているようなことは、大きく言えば、例えば生活上の課題に関する相談支援などと言ったら全て含まれてしまいますから、これ以上のことはないと思うのですけれども、これを全部ひっくるめたような雑用的な支援がとても日常生活の中では。ただ、相談支援という言葉の中には膨大なものが含まれているような気がします。
 例えば風邪を引いてきょう起きられないのだけれども何とかしてくれ。高熱で部屋の中に閉じこもっている場合に、飯を食うなというわけにはいかないので、職員のほうで食事をつくって部屋まで持っていってあげるとか、施設の中でもごみ屋敷的にしてしまう傾向を持っていらっしゃる方はたくさんいらっしゃいます。そういう方々の部屋の掃除、片づけなどを施設のスタッフが一緒にしてあげるとか、それから入浴をほとんどしない人に対しては積極的に誘って、下手すれば職員が一緒に風呂に連れて入るとか、そういったことをしないといけない場合もあります。大きく分ければここに書いてあるような内容なのでしょうけれども、その中には雑多なものが含まれている。これを超えた雑用みたいなものも全て日常生活をうまく回していくためには必要なのかなと思います。
 個別支援を行うためのアセスメントの実施とか、実施計画の策定ということがありますけれども、ほかの事業者さんからもお話があったように、これをやらないということではないと思います。ただ、それをどういうふうにやるかということがこの中で求められると思うのです。例えば私たちの事業所はすごく小規模です。スタッフは私を含めて総勢で9名。常勤で、給料を払って雇っている人が8名ですけれども、その中の2人は非常勤です。週に3回とか、そういう状態です。施設も3カ所で回していますので、こういった支援計画などが、施設にかかわる者が毎日のように顔を合わせて、話し合いの中で考えながら、この人が入ってきたときにアセスメントシートをつくったって本当のことは見えないですね。毎日暮らしていく中でこの人に何が必要なのかというのが見えてくるわけですから、そういった課題を個別にみんなで共有しながら、この人はこういう傾向があるから、こういうところを注意していこうねとか、そういうことを毎日見ながら、スタッフ全員で共有できるような形の制度を持って行いますけれども、形式張ったアセスメントシートがどうで、それに対するPDCAサイクルがどうかとか、それに対して月に何回ミーティングをやっているかとか、そういうことは、今やっていることの上に負担になってしまうので、それはこういう規模の事業者では難しいかなと思っています。ただし、やっていることとしては、これらのことは全て行っていく必要があると思うし、ただ、そのやり方について、この事業はこういうことをせねばならないと決められてしまうと厳しいものがあるのではないかなと思っております。
 必要最低限の人材配置についてどう思われるかとか、職員に求められる資質、要件についてどのように考えているかということですけれども、私どものところには職員が8人おります。8人のうち、いわゆる有資格者、社会福祉士を持っている者が4名いて、それ以外に介護福祉士、介護認定を持っているのが2人おります。それ以外にこの業界に入って10年以上の者が2人おります。ただ、社会福祉士とか精神保健福祉士を持っていた方もいたのですけれども、資格が全てではないと思っています。
 資格の要件をつけられてしまうと、資格があれば、ふさわしくない人でもオーケーになるし、かといって、資格がないということだけで、ふさわしいのにそこの役割をしてもらえないというスタッフが出てしまうので、私どもは、それよりもこの事業に対する熱意、情熱とかやる気、そういったものが必要最低限の要件ではないのかなと思います。その上で資格等があれば、それは構いませんけれども、それよりも毎日の現場の中でどういうふうに過ごしていくかといったことがあれで、人材としましては10人に1人ぐらいのスタッフがつけられるようなこと。非常勤とかを含めてやれればいいかなと考えています。今、私どもは定員が全部で50名ぐらいですけれども、それを8人のスタッフで回していますから、もちろんほかの事業もやっていますが、そういったものを含めて、10人に1人ぐらいは何らかの形で必要なのかなと思っています。
 ただ、頻度や時間等の要件を課すことについてどう考えるかということについては、ほかの事業者さんからもありましたように、これを数値化してしまうというのはいかがなものかなと思います。というのは、現場のほうを見ていただければよくわかると思うのですが、こういうのを数値化するというのは現場をしない人の発想だと私たちは考えてしまうのですね。なぜかというと、時間で決められる支援ではないです。例えば介護サービスのように、1時間ですよとか、そういうものではなくて、1日24時間全てが支援の対象になるという状況の中にあるわけで、時間の要件とかサービスの内容を区別するとか、サービスの内容も種々雑多にわたって、一つのものの中でも区別できるようなものではないです。その人の人生にかかわる問題ですので、そういったものを頻度とか時間の要件を課すということで制度化してしまうということについては、私たちは余りいいことではないし、もしそれが制度化されたとしても、それを守れる自信はありません。というのは、守ってしまえば、人に対する支援ができなくなってしまうからです。
 だから、支援計画の策定を義務づけ、それを。もちろん、福祉事務所とさまざまなことはしょっちゅう共有しています。入るときからの共有もありますし、定期的に福祉事務所の人たちと連絡をとり合いながら、特に問題を抱えている人に対しては密に連絡をとりながら情報を共有し、福祉事務所だけではなくて、障害のある人に関しては、医療施設ですとか障害サービスの事業者ですとか、それから障害福祉課とか、いろんなところと協力しながら。そして、先ほど言ったような母子世帯とか妊婦さんに関しては、担当部署とも目標を立てながらやっていますが、策定を義務づけということになると、事務量の問題とか、義務づけられたものがどういうものになるのか。
 書面でやらなければならないとか、何カ月に何回ずつ書面で提出しなければいけないとか、そういったことになると、日常の支援をおろそかにして書類づくりをするという本末転倒なことも起きてきてしまう。今でも無低の最低限の事業報告などに関してはかなり事務負担になっているところがありまして、おくれながら、県に怒られながらやっているのですけれども、そういったものよりも、突発的に起こるいろんなものに対処できるようなこととか、そういうことが必要なのかなと私たちは思っております。
 もう一つは、私は不勉強でよくわかっていないのですが、日常生活支援住居にもし認定されるとすると、今まで受けていた人以外の、要するに、一般の無低で受け入れるような人たちは受け入れることができないのかどうか。そこら辺を聞かれたのですけれども、この資料を読む限りではよくわからないのです。無低と完全に切り分けてしまうのか、無低の中でそういった施設に対してはそういった位置づけをしていくのか、そこら辺のところについてはよくわかっていません。
 そういった中で、私たちが最初から理念として持っている、とにかくどなたでも困っている人たちをサポートしていくということが、こういった制度の中で、制度に制度を重ねることによってやりにくくならないような制度設計にしていただきたいなというのが私たちの本音であります。
 以上、簡単ですけれども、説明させていただきました。ありがとうございます。
○岡部座長 川辺様、ありがとうございました。
 それでは、これまでの各事業者ヒアリングに関して、構成員の皆さまから各事業者様への御質問を伺います。辻井構成員、どうぞ御質問をお願いします。
○辻井構成員 ありがとうございました。
 きずなさんだけまだお邪魔したことがないので、またと思いますが、本当によく調査、お伺いさせていただいて、どんなことをどんな感じでやられているのかということは存じ上げていてという形で、なおかつ熱心にそれぞれの事業所で取り組んでいただいているということも存じ上げた上でということで、幾つかお聞きしたいと思います。支援が必要な人のウエートがかなり大きいですね。大きい中で、そうでない、社会福祉の住居施設を利用する人と日常生活支援住居施設とで分けていくとすると、今はいろんなレベルの方、支援ニーズの必要性のすごく高い人から、そうでもない人まで一つの施設の中でいるという形になっていくわけですが、日常生活支援住居施設という形である程度必要性の高い人たちが集まってくるところで、メリットとデメリット。そういうふうにすると、これだけのことができるよということと、今までできているこれはちょっと難しくなってしまうのかなということ、両面があるのかなと思うので、できる限り支援の必要な人にはちゃんと支援を提供するということが基本だと思うので、そうした観点で、日常生活支援住居施設の位置として、こういうふうにやればとてもうまくいくのではないかということを、今、見ておられる層の中でのアイデアがあれば、ぜひ教えていただきたいという話。
 あと、専門性の観点で、何らかのアセスメントはそこではしないといけないのだろうと思っていて、アセスメントというのは、要するに、その人が確かに支援が必要な人だということを一応みんながわかる形で確認するということは大事なので、それは必要だろうと思っているのですが、そこの中では、少なくとも施設の中でお一人ぐらいは資格を持った方がいるというのは必要なのかなと思いますが、そういう認識でいいのかどうか教えていただきたいということ。2つお願いします。
○岡部座長 では、事業者の方、どうぞ御質問にお答え下さい。
○竹浦参考人 辻井先生のおっしゃるまぜこぜの状態で濃淡がある方々をすみ分けして、支援の濃度がより濃い方々を固める、寄せていくということ自体を僕たちは想定していないというところが前提としてあります。要は、従来のイメージのままというのがあります。というのは、繰り返しになってしまうのですが、社会福祉住居施設の状況把握と軽微な相談が、今までの無料低額宿泊所に課せられた支援の内容で、それを超える人たちは皆さん、日常生活支援住居施設の対象になるということを考えると、まぜこぜの状態というのは変わらないのではないか。意図的に寄せれば高齢者の方だけというふうになりますけれども、社会福祉住居施設の役割から逆算した日常生活支援住居施設の役割からすると、偏りがイメージできないなと思っています。
 アセスメントに関しては、ライフサポートさんが先ほどおっしゃったように、暮らしの中で見えてくるというところがありますので、そこに関しては必ずしも有資格者である必要はないかなと思っていますし、むしろこれまでの経験、その方々を見てとれるのかどうか。どういう対象の方をどういう支援をするかというところからの考えにもなるかなと。社会福祉住居施設の要件の中で、既に施設長の要件がそれなりに高いレベルのものというふうに感じているので、そういった人員の要件と差異はなくてもいいのかなと考えています。
○川辺参考人 辻井先生の1つ目の質問ですけれども、余りニーズの高い人、支援の必要度が高い人ばりか集めてしまうと、結構難しいのではないのかなと思います。私たちのスタッフもこの話をしていて、そういうことを言って日常生活支援住居施設をとってしまって、そういう人ばかり送り込まれてきたら、今、漏れ聞いているような値段でこれを全部押しつけられたら、とてもじゃないけど過労死させられてしまうねと。そういうふうにスタッフは申しておりました。
 これは特養なども同じなのですが、前は要介護1から5までバランスよく配したから、スタッフさんは手が抜けるところもあって、厳しいところもあって、それでまあまあできたのですけれども、今、3以上だけに固定されると、本当に悲鳴を上げているような状況です。それでどんどんスタッフが少なくなってくる。そういった状況になってしまいますから、私たちも今までやってきたことの中でこういう支援が必要だということはもちろん継続しますが、申しわけないのですけれども、この人は手がかからないから一般的な普通の無低でいいやというので、ちょっと問題のありそうな人ばかりうちに送り込まれてくるという現状もあるので、そういうふうになってしまうと、スタッフのほうも疲弊してきます。そうすると、そういうことをやっていた施設からどんどん潰れていってしまうという悪循環になる可能性もある。私たちも新しいスタッフをと思いながら、低い給料でやってくれる人を今、現実に探すというのは難しい状態ですので、そこら辺を考慮しながら、どなたかがおっしゃった持続可能な形で制度設計をしていただければと。一時的には解決するかもしれないけれども、みんなばたばた潰れてしまったら何にもなりませんので、考えていただきたいなと思っています。
 アセスメントについてはする必要があると思います。ただし、どういうアセスメント。形式張ったアセスメントをしろと言うと、さまざまなところで問題が出てくる。ただ、日常的にそこの施設のスタッフでは、この人はこうだねとか、またこの人、こうなってしまったから、こうしようとか、そういったコミュニケーションをとりながら、その人が向かっていく方向をみんなで共有しているつもりではいますので、そういったレベルで考えていだたかないと。アセスメントとして、きっちりしたこういうアセスメントシートに全部書き込んでと。私たちは同時に生活困窮者自立支援のいろんな法定サービスなどもやっているのですけれども、あれもアセスメントの会議をやるために貴重な時間が潰れてしまうという部分が随分あって、そういうのはもったいないなと思っています。
○滝脇参考人 1点目は、支援の必要性が高い人をどう捉えるかという問題でもありますが、要介護度とか障害程度区分とかで重度の人とイコールではないと思います。そもそも、福祉事務所のケースワーカーは利用者の方のことを考えたうえで、職員体制など運営の実態を見ながら紹介や依頼をしていると思います。この人は3食の提供が必要か、服薬のサポートも必要か、そうであれば、眠前薬、朝のお薬もサポートが必要になるので職員が常駐しているところに依頼するというように。一方で、こうした支援のコストを現在のように生活保護の中から払うと負担の方も大きくなります。そこまでの支援は必要のない人で、将来的には居宅生活移行支援事業につなげていく、その手前の段階でのさまざまな条件づくりとしての生活支援であれば、必ずしも常駐していなくてもできるので、そこについては夜間体制加算みたいな形で、前回立岡さんも書かれていましたが、幾つか段階をつけて、2段階なのか、3段階なのか。厚労省の資料もそういう線引きみたいなものがうっすら書かれていますけれども、そこを考えていただいたほうがいいと思います。
 2点目のアセスメントに関しては、資格の話もありましたが、これは資料に書きましたように、必ずしも資格を前提とせず、そのかわり研修体系を整備するとか、有識者や医療顧問と事例検討会をするとか、バックアップの体制等々でケアの質を担保するシステムを事業者がみずからつくり、どう説明していくかが大事だと思います。アセスメントシートみたいなものをとにかく書いて全員分揃えることを目的にしても効果がでるとは限らない。そのかわり記録とか日報の質や量ということは日々しっかりと担保していく必要があると思っています。
 あと、有資格者だと人件費の単価の問題とかもあるので、そこまで行政の支援策としてやるつもりがあるのかどうかという問題に戻ってくると思います。
 以上です。
○小林参考人 皆さんがおっしゃられたのと同意見でございます。
 私は、机上だけの提出資料4で提出させてもらったのは一つの施設の例ですが、最低年齢が24歳、最高齢は81歳。70を超えても就労している人がいるのです。右側の部分ですと、介護取得者、療育、身体障害者。これは11名認定で受けている。ボーダー的な部分で言うと、申請中も含めて20名程度。入院者も含めていくと、約半数ぐらいがそのような支援、きちんと見ていかなければいけない方であると。ただし、就労している人であっても、支援の仕方が違うアプローチ、いろいろありますので、ただ、混在型で、これはある市の一つの施設のことですけれども、重厚な支援とか、継続性のある人だけをどこかの市に集めると、その市に集めてしまうのですかという話になるのです。その市に一つしかない施設だったら、分けようがないのです。
 ある一つの市で5つ施設がありましたと。一つのところに当てはめるような形にするなら、それはそれで可能かもしれないですけれども、今まで民間事業者の方々がそれぞれの地域の特性とかバイタリティーあふれた形で、いろんな支援を組み合わせてバランスよくやってきたというところは、政策上とか何かで専門的施設に変えてしまうというのは非常に残念なことになるのではないか。
 年齢が高い人であっても、例えば入院した人が退院してきたときに、施設の中で一緒に生活している人の中には、退院したばっかりで、おまえ、ちょっと心配だから一緒に風呂に入ろうかということで、互助みたいな形も存在している。専門的施設だと、病院なのか、介護施設なのか。それは専門性になっていってしまう。そうではないよさがそれぞれの施設にあると考える中では、こういう存在の仕方というのはありだと思います。
 市を越えて人が動くとか、移管とかいろいろありますので、そうではない中で弾力的というか、皆さん、いろいろ考えながらやってきている。これを生かしていったほうが価値があるのではないかなと思います。
 アセスメントは、私どもはやっておるのですが、検証しながらとか、今、滝脇さんがおっしゃったように、日報とか記録とか、内部では特に検証しながら、そのことについて、うちのほうは第三者委員を入れて第三者検証カンファレンスというのを行っているのですけれども、そういう形は頻度を上げれば達成できるかというのはあれなのですが、必要に応じてきちんと行政の方と共有していますので、どこかの時点では例えば検証であるとかそういうのは必要があるかもしれません。
○岡部座長 アセスメントは必要であり、その内容については極めてきちんとしたものから緩やかなものまであるということですね。
○小林参考人 そうですね。考えていかなければいけないかなとは思いますけれども。
○岡部座長 それは緩やかでよいということか、割ときちんとしたフォーマットにということですか。
○小林参考人 我々のをいろいろなところで見てもらったところがあるのですが。
○岡部座長 考え方で結構ですので、あったほうがよいということでよろしいでしょうか。
○小林参考人 あったほうがよいという考え方でございます。
○岡部座長 わかりました。
 では、ほかの構成員の方。山田構成員、どうぞ御質問をお願いします。
○山田構成員 ありがとうございました。
 私も社住と日常生活支援住居施設をどういうふうに区別するかという観点で2点ほどお伺いしたいのです。一つは支援内容のことについてです。社会福祉住居施設の最低基準は、入居者が独立して日常生活を営むことができるかどうかを把握することを施設に求めていて、それが困難な人が日常生活支援住居施設の対象になっていくのだろうと思います。
 最低基準の解釈通知では、独立した日常生活を、介護保険のサービスや障害福祉サービスを利用しての生活も含むと規定されていて、きょうお伺いしたような支援内容も、それらと似通ったようなところもあるようにお見受けするのですが、例えば高齢者とか障害を持っている人の場合、そういうサービスを利用すれば居宅生活が可能なようにも見えるけれども、障害サービスや介護サービスを使ってもなお居宅生活が難しいということでしたら、その難しさについて補足していただければというのが1点です。
 もう一点は基準に関する話で、いずれにしても社住とは違う人を対象に違うサービスを提供するのが日常生活支援住居施設ということになって、より困難な人を対象にしていくことになると思うのですけれども、では、こういう人たちを支援する施設に必要な基準はどういうものなのかと考えたときに、きょうは主に職員配置のところからお話をいただいたと思うのです。数とか質の話ですね。これは社住のほうの最低基準でも、数に関しては「定員に見合った適当な数」とか、職員については施設長の要件とかあり、きょう「日常生活支援住居施設ではもっと手厚く」というお話があったと思うのですけれども、ただ、社住の最低基準というのは職員の話だけではなくて、例えば居室面積のこととか、洗面所を置かなければならないとか、洗濯室を置かなければならないとか、契約の方法とか、入浴の頻度とか、火災の対策とか、いろんなことが定められていて、そういう日常生活支援住居施設の基準というものをこれから考えていくときに、職員の部分以外については社住と同程度でいいとお考えか、もうちょっと上乗せした基準が必要とお考えか。そういう部分がもしあれば、お聞かせいただきたいというのが2点目です。
 以上です。
○岡部座長 ありがとうございました。
 向井構成員、お願いします。
○向井構成員 いろいろお話、ありがとうございました。
 お伺いしている中で、個人情報の保護とか、利益相反とか、権利擁護のところで少し気になる点があったので教えていただきたいのですが、まず全面的に生活の支援をしておられるということで、困ったことがあったとか、職員に対しての希望とか、出たいということの苦情相談の解決の方法、電話番号を提示しているとか、こういう相談窓口があるというようなことをふるさとの会さんはやっておられるのか教えていただきたい。
 エス・エス・エスさんには、フルコースで食事支援とか通院とかも全部やった上で、手元に残るお金は幾らぐらいになって、そのお金は誰が管理しているのかというのを具体的に教えていただきたい。
 もう一つは大東さんにお伺いしたいのですけれども、常駐が必要だとおっしゃっていたのですが、夜間に具体的にどんな頻度で何が起きているのか。もう一つ、入院の保証人にもなるというお話があったのですけれども。
○小林参考人 保証人にはならないで、キーパーソンという形です。
○向井構成員 では、入院契約とかはされていないということでいいですか。
○小林参考人 はい。
○向井構成員 わかりました。
 きずなさんについては、出ていくことを支援するということをおっしゃっていたので、平均的な利用期間を教えていただければ助かります。
○岡部座長 ありがとうございました。
 山田構成員からもお話がありましたが、向井構成員の御質問は個別に出ていますので、その御質問のお答えを優先させていただき、次いで山田構成員の御質問はで皆さまに一律にお答えいただければと思います。
 まず、ふるさとの会様、苦情相談の解決についての御質問についてお答えください。
○滝脇参考人 苦情に関してはガイドラインにも定められておりますので、相談窓口の掲示とか、定められたことに沿ってやっております。
会独自の取組としましては、苦情解決第三者委員会というものを設けておりまして、定期的に利用者の方と委員の人が懇談する機会をつくり、委員のほうから意見、助言をもらっています。ただ、それを全ての施設でやれるかというとコスト的に無理がありますので、こちらのほうで施設を抽出しています。懇談会までできなくても、利用者の方に苦情解決窓口などを掲示し、施設の担当者以外の職員も必要に応じてかかわっていく。内部的な体制と外に開くという両面でやっております。
○向井構成員 実際どれぐらい相談がありますか。
○滝脇参考人 相談は、もちろん日々の中で病気が不安だとか、これからどうしたいとかいう話が出てくるので、そういう日常の中の話以外には余り出てきません。委員の人と懇談会をやっても、食事のメニューのリクエストとかそういうものが中心で、先週もやったばかりですけれども、ケアに関して不満というのはありませんでした。
○向井構成員 わかりました。ありがとうございます。
○岡部座長 では、エス・エス・エス様は金銭管理の御質問にお答えください。
○竹浦参考人 私どもが運営している施設では級地によって利用料が異なりますし、年齢によってもお手元に残る金額が異なります。これは大体2~3万円程度。1日2食を基本として、そういった金額になります。
 誰が管理するのかというところに関しましては、基本は自己管理です。中には金銭管理がままならなくて、ちょっとおぼつかない。御本人が不安だとか、あとはケースワーカーさんからこの方のお金の使い方、ちょっと注意してほしいとか、そういった中で同意に基づく管理というのも一部ではあります。実態として。
 よろしいでしょうか。
○向井構成員 はい。
○岡部座長 大東ネットワーク事業團様は先ほどのお答えでよろしいですか。
○向井構成員 夜、常駐のときに具体的にどんなことがあって。地域であるいろんなサービスや施策を使って、それでも夜間不十分というのは何かなというのが知りたいのですけれども。
○岡部座長 夜間の体制の問題ですか。
○向井構成員 体制というか、何が起きているのか。
○小林参考人 職員は夜勤という形ではないのですが、住み込みをしていただいていたりするのですけれども、そこに勤務時間とか設定ではなくて、それと夜間何か起きたときというのは、電話が置いてありますので、入居者の人が何か不都合なことがあれば、夜間でも連絡。きょうのシートに「理事級が対応」とありますが、2本電話がありまして、その電話が24時間つながるようになっています。なので、それで対応。
 例えば職員が早く気がついた場合とか、中で生活してもらっている職員のほうが、例えば救急があって対応してもらったときは、中まではやってもらいます。例えば救急車を呼びましたとかなんとか。ただ、施設長とか施設長級の人間が必ずそこには向かいます。救急車より先に着くとかというぐらいです。
 私も事務所の近くに住んでいますけれども、例えば救急対応とかでしたら、既往歴とかいろいろありますので、ここにフェイスシートを持ってきていますが、全てここに載っているので、そのシートを救急隊員に渡すとか、情報を伝達する。それから病院も伝達する。行っている病院とか、入院していたとか、いろんな経緯も載っていますので、それに対応していくという形で、施設外の部分については施設長級が全てやる。もちろん、施設長級の人間ですから中もやりますけれども、入居者でも職員でも24時間連絡がとれる状態にはしてあります。
○岡部座長 よろしいでしょうか。
 では、湘南ライフサポート・きずな様、よろしくお願いします。
○川辺参考人 平均ということで聞かれたのですが、私たちは全体の平均をとったことがないので、一般的に普通の人たちは大体2~3年で出ていくことが多いです。先ほど言った女性のほうの施設では、若い人たちは1年ぐらいで出ていく。というのは、居宅を比較的推薦していますので、1年以内に出ていく方も多いです。
 ただ、長い方に関しては18年いらっしゃる方とか、現実的に行くところがないと。一つの例としては、戸籍も国籍も不明という方がいます。そういう方については、本当のことを言ってどうしようもないわけです。何にもないわけですから出せないわけです。一応生活保護だけは何とかあれですが、介護保険も何にも使えないで、年老いていくのをただ見守っているというか、そういう状況でいらっしゃる方もいます。
○岡部座長 よろしいでしょうか。
○向井構成員 はい。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
 山田構成員のほうから大きく2つ御質問が出ております。皆さまにお答えしていただきたいと思います。日常生活支援住居施設に入っていらっしゃる方は、基本的には、他の福祉サービス、高齢であるとか障害の在宅のサービスを利用して居宅生活が可能になるとも考えられます。日常生活支援住居施設に入らざるを得ないという理由が何かあるのでしょうか。要するに、そこの線引きをどうされているのかということが1つ目の御質問です。
 2つ目の御質問は、職員配置、すなわち人員的な体制の話が皆さまから出されていましたが、例に出されました居室面積であるとか、それ以外の要素で何か御要望と御意見があればということです。
 2点について手短にそれぞれお答えをお願いします。では、エス・エス・エス様からお願いします。
○竹浦参考人 1点目ですが、介護・障害のサービスにつながった後の話のことをおっしゃっていると思うのですが、そもそもその前段階が結構濃いなと思っています。というのは、疑わしいという状況から医療にアクセスしていなくて、御本人の病識もないといった方をどういうふうにつなげて、なおかつ場合によっては障害福祉サービスにつなげると言えば、区分認定を受けなければいけないですし、そういった手続にも相当な時間を要する。そういった部分の支援、コーディネートも含まれるということだと思います。
 2点目は、生活支援以外の部分、最低基準で社会福祉住居施設の部分でほぼ基準というのは固められていると思うので、それ以上のものというのは今のところ余り思いつかないのですけれども、1点挙げるとすれば、もしかすると、設置主体、事業者側の経験年数的なものはあるかもしれないなと思います。居宅移行支援事業だったと思うのですが、そこでは事業の開始年数というのがたしか要件の一つ。東京都の寄り添い型宿泊所事業かもしれないですけれども、どちらかに含まれていたと記憶していまして、新規で経験の少ない事業者にそこまでの技量があるかというところは、一つくくりがあるかもしれないなと今、思いました。
 以上です。
○岡部座長 次に、ふるさとの会様、お願いします。
○滝脇参考人 今、前段階の話が出たので、私はサービスにつながった後の話をします。今、タイムスタディーを居住支援全国ネットワークの社会福祉推進事業でやっていて、途中経過を見ると、かなりの労力がサービスにちゃんとつながることに費やされています。例えば医療拒否の話がありましたが、医療につながってからも訪問看護が来るのに拒否的になってしまったり、スケジュールを忘れてしまうとか、デイサービスも日によっては行きたくないとか、いろんなことがあります。サービスにつながっても、そのサービスをうまく利用できるように「ケアの手前のケア」みたいなところが非常に大きいということがあります。
 そういうサポートができるには、利用者と職員の基本的信頼関係がなければ成り立ちません。社会サービスとの関係性をつなぐというのも生活支援ではとても大事なところなので、先ほど国家資格の話がありましたが、資格があろうがなかろうが、こういう支援ができるかどうかが鍵だと思います。
 もう一点、プラスアルファのところですが、もちろんそういうふうにしていきたいです。ただ、今のところは、しつこいですけれども、社会福祉住居施設には公費はまったく出ないわけです。日常生活支援住居施設の委託費もどうなるか分からない。他制度の事業と比較すれば、グループホームは人件費に補助が出るので、ハードにしっかりとお金を使えるということになってきますから、これも委託費との兼ね合いになってきて、これがちゃんと上乗せされて、ハードが一つ一つさらにいいものになっていけるようにぜひ応援していただきたいと思います。
○山田構成員 ハードもそうですが、例えば入浴の頻度とか、防火対策とか、そういう基準のところはいかがでしょう。社住の最低基準と同じようなものを想定すればいいという感じですか。職員配置以外は。
○滝脇参考人 消防ですか。
○山田構成員 消防だとか、最低基準の内容はいろいろありますね。要は、日常生活支援住居施設の最低基準をつくるときに、基本は社住ベースにして、職員のところだけ手厚くすれば、支援対象者は違うけれども同じような基準でいいのかどうかという話です。
○滝脇参考人 消防に絞って言うと、地元の消防署が来て、この利用者像だとこういった設備が必要ですということを言ってくるのですね。今まではそれを全部自腹でやってきたわけです。重度化して、ケアの部分だけでなくて、設備的にもどんどん負担がふえていく。そういうところについては今後助成いただくとか、そういう話になっていけば、より強化できることになってありがたいと思います。
○岡部座長 よろしいですか。
 では、大東ネットワーク事業團様、お願いします。
○小林参考人 先生がおっしゃられた質問の中で介護の部分がありましたけれども、待機の方でこちらで引き受ける。あと、認定はどうしても人が行うものですから、答える側も人間なので、女性が来ると大丈夫と言ってしまうので、えー、ちょっと違うぞとみんなが思っていてもそうなっているときがあるのですが、うちでは介護の度合いによってその支援はつくのですけれども、足らないところがどうしてもあるのです。
 うちも別法人で有料老人ホームをやっているのですが、足らない部分というのを、住宅型有料老人ホームなので在宅介護の事業者が入ってもらっているのです。それと同じような考え方で、うちが介護事業者に入っていただいて、例えば一般の住宅でも介護事業者が入っていただいて、家族がいらっしゃるのだったら、介護事業者の方に介護してもらうのだけれども、足らないところは家族がする。うんちの片づけをしなければいけないといったら、いや、うちはやりませんではなくて、うちがやったりする。そういう部分というのもあって、そういうことを実際しています。
 ボーダーの方というのは一番困るところです。先ほどおっしゃられた申請中であるとか、タイムラグがどうしても発生してしまったり、急にADLの部分、低下があるとか、その辺の対応をしていかなければいけないということがございます。
 身体障害とか精神とか、いろんな部分がありますけれども、本人が認識していない部分があったり、例えば医療機関にというのも拒否とか、その辺もあったりする。そこもセンシティブなことですが、対応していかなければいけないというところがございます。
 お風呂とかありましたか。
○岡部座長 2点目で、追加の御要望が何かございますか。
○山田構成員 基準。社住の最低基準を丸コピでいいのかということです。
○岡部座長 基準の追加でということでしょうか。
○小林参考人 お風呂というのがありましたけれども、省令では基本的に毎日というのがあるのですが、前のガイドラインですと、週3回以上とあるのです。ただし、うちは張り紙をして、就労とかいろんな事情で時間外、あるいは毎日とか、必要があれば申し出てくださいという形で対応しているのです。だから、毎日入れる状況をつくったりするとか、人によって状況というのがあるのですけれども、そういうふうにする。
 消防についても、消化器がここはもう一つ必要だとか、その辺は消防法とかではなくて、我々独自の考え方でふやしたり、いろいろしたりしているのです。
 あとは、国土交通省の住宅セーフティーネットの補助金事業でも、火災があったことがあったので、そのことで補助金があったりした。あと、社会援護課さんのほうでスプリンクラーとか、消防設備の推進という形で、去年の暮れぐらいにはそれが出ていたのです。予算の関係がちょっと難しかったのですけれども、それは我々も見積もりを既にとってやろうとしていたのですが、社会福祉住居施設とか、この辺の制度が変わってくると、我々運営側が全くどうなっていくかわからないので、一度中断してしまっているのです。
 だから、スプリンクラーは推進でいいと思うのです。できるところ、できないところ、事業規模とか考え方もいろいろあるでしょうけれども、我々のほうとしては、AEDを設置しなさいとはないですが、社会福祉施設として我々が考えるとするならば、支援をする側としてはAEDとかそういうものも置いているという形で、独自にハードルをつくっているという形でございます。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
 では、湘南ライフサポート・きずな様、お願いします。
○川辺参考人 1つ目の質問で、居宅が可能か、そうでないか、いろんなサービスを使ってどうなのかと。うちのほうでも、今、お答えになったのと同じように、入ってきたときにサービスを受けているか、受けていないかによっても違いますし、ほとんどの方はそういった手続をしないで入ってこられる方が多いので、必要に応じてそういったサービスに結びつけていくということを最初の支援として行った上で、その後、うちなどでも今、もう既にヘルパーさんに入居者の方にために来てもらっているとか、そういう方も結構いらっしゃるのです。ただ、そういうものを使って居宅に移すことができるという判断ができれば、そういう方は積極的に居宅に移していくようにしますけれども、そうでなければ、施設内でそういったサービスを利用していくという形にせざるを得ない方々もいらっしゃいます。ですから、そこら辺は一人一人によって見きわめをしていくというのが現状かなと思っています。
 設置基準の問題についてですけれども、今の社住でもいろんな新しい設置基準ができましたけれども、それ以上のものをどういうふうに求められるかというのは、例えばお風呂とかそういうのだったら全然問題ないのですが、こういう設備をつけなさいとか、ああいう設備をつけなさいと言われたときに、それに対応できるかどうかというのは、どこの事業者さんも同じ問題を抱えていると思うのです。
 この前もスプリンクラーのことで来たのですけれども、何分の何まで国が補助してくれると言われても、うちのほうで負担しなければならない金額が数百万円になるとか、全施設につけたら1000万の単位になるとか、それを大家さんに請求するわけにもいかないし、そういう過度なものについてはいろいろ考慮していただかないと難しいのかな。ただ、よければいいに超したことはないのですが、居室面積などの問題でも、今、うちの施設の一つでは昔ながらの簡易間仕切りみたいなところ、これは数年後に廃止しなければいけないと言いますが、これを廃止してしまったら、逆にそこの施設は廃止せざるを得ないような経済状況でもあるわけです。そして、そこでいなくなる10人ぐらいの人をどこへどういうふうに移すのかというのもまた別の問題になってきますし、制度設計をされるときにはそういったことも含めてしっかり考えていただければと思います。
○岡部座長 どうもありがとうございました。
 ほかの構成員も御質問とか御意見があるかと思いますが、時間が来ましたので、ここで閉じさせていただければと思います。
 それでは、本日の検討はこのあたりまでとさせていただきます。
 本日ヒアリングにお越しいただきました4事業者様には感謝と御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 次回は、前回と今回のヒアリングを踏まえ、さらに日常生活支援のあり方について検討を進めることといたします。
 そのほか、事務局から連絡がありましたら、お願いいたします。
○清水室長補佐 ヒアリングの時間が足らずに、事業者様への御質問が追加でございましたら、これは前回のヒアリング事業者様に対しましても、事務局にお寄せいただければ、私どもを通じて事業者さんにお聞きして、その内容を次回までにお返しさせていただければと思いますので、この事業者にこういったことを確認したい、ということがあれば事務局までお寄せいただければと思っております。
 次回の検討会は11月1日に開催を予定しておりますけれども、詳細が確定次第、御案内をさせていただきたいと思ってございます。
○岡部座長 それでは、本日の検討会は以上とさせていただきます。皆さま、どうもありがとうございました。