2019年09月04日 第5回一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会 議事録

老健局老人保健課

日時

令和元年09月04日(水)10:00~12:00

場所

全国都市会館 大ホール
(東京都千代田区平河町2-4-2)

出席者

荒井、安藤、石田、鵜飼、江澤、遠藤、岡島、河本、黒岩(代理:柏崎参考人)、小玉、近藤(克)、近藤(尚)、齋藤、辻、濵田、藤原(忠)、藤原(佳)、堀田、山田

議題

1  中間取りまとめを踏まえた検討の論点と進め方について
2  PDCAサイクルに沿った推進方策について

議事

 

○北原介護保険データ分析室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第5回「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、大変お忙しいところ、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 本日は、大西構成員、田中構成員、津下構成員から、御欠席の連絡をいただいております。
 また、黒岩構成員の代理として柏崎参考人が御出席でございますので、お認めいただけましたらと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 報道関係の方々には、冒頭のカメラ撮影等はここまでとさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
(カメラ撮り終了)
○北原介護保険データ分析室長 では、議題に入る前に本日の資料の確認をさせていただきます。
 厚生労働省では、審議会等のペーパーレス化を推進しておりまして、今回の会議もタブレットの御用意という形で開催させていただきます。
 タブレットの資料の確認方法等につきましては、お手元の資料を御参照ください。
 また、操作等で御不明な点等がありましたら、適宜事務局がサポートいたしますので、お知らせくださいますようお願い申し上げます。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。お手元のタブレットをごらんください。
 座席表、議事次第、構成員名簿がございます。
 資料1が「中間取りまとめを踏まえた検討の論点と進め方について」、
 資料2が「PDCAサイクルに沿った推進方策について」、
 参考資料1が「中間取りまとめを踏まえた検討の論点と進め方について」、
 参考資料2が「中間取りまとめ」の最終版となってございます。
 もし不備等がございましたら、事務局までお申しつけください。
 それでは、特に問題がございませんでしたら、これより先は遠藤座長に進行いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
○遠藤座長 よろしゅうございますか。
 皆さん、おはようございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、早速議題に入りたいと思います。
 本日の議題の1は「中間取りまとめを踏まえた検討の論点と進め方について」でございます。前回、中間取りまとめについて御議論いただき、座長一任ということで御意見を取りまとめた上、8月23日に公表いたしました。中間取りまとめに当たっては、貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。今後は、中間取りまとめを踏まえて検討を進めてまいりますので、事務局から、論点と進め方について説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○日名子介護予防栄養調整官 よろしくお願いいたします。では、資料1をごらんください。「中間取りまとめを踏まえた検討の論点と進め方について」という資料でございます。
 まず、1ページ目に、これまでの検討の経緯をお示しさせていただいております。これまで4回検討会を開催させていただきまして、このような主な検討事項について御意見をいただきまして、8月23日に中間取りまとめを公表させていただいております。今後、秋以降に関係団体や自治体等のヒアリングや、さらなる議論を行って、本年度末を目途に全体の議論を取りまとめることとしているところでございます。
 2ページ目、3ページ目は、中間取りまとめ(概要)の中から、主な論点(今後の方向性)についてお示しをしております。
 論点は大きく3つございまして、1点目につきましては、一般介護予防事業等に今後求められる機能ということで、1つ目、通いの場をより魅力的なものとし、効果的・効率的な介護予防を進める観点から、通いの場を類型化し示していくことも検討すべき。その際、スポーツや生涯学習等の介護保険の担当部局以外のところが行う取り組み、また民間企業等多様な主体と連携した取り組み、医療機関等が自主的に行う取り組み、いわゆる就労に類する取り組みなども、通いの場として明確化することが適当。
 参加していない高齢者のうち、支援が必要な者を把握し、通いの場への参加を含めた必要な支援につなげる方策についても引き続き検討することが必要。また、参加促進を図るために、ポイント付与であるとか、有償ボランティア等も含めた担い手として参加するという役割がある形での取り組みも促進を図ることが適当ということで、その際、ポイント付与につきましては、対象の偏りや費用対効果などの点について留意が必要であるということをお示しいただいております。
 最後に、今後、これらを促進するために、制度的な対応を含めたさらなる推進方策について引き続き検討を進めるとともに、多くの高齢者が興味を持ち取り組めるよう、広報等を積極的に行っていくことが重要ということでまとめていただいております。
 2点目、専門職関与の方策等につきましては、通いの場における取り組みをより効果的・継続的に実施するために、幅広い医療専門職の連携や、医療分野以外の多様な専門職種や学生等の関与も期待ということ。
 次に、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施について、通いの場における専門職のかかわり方の一つとして、現場において連携した取り組みがさらに推進されるよう検討すべき。
 医師会等の医療関係団体や医療機関等との連携も重要。こうした事例の把握を進めるとともに、具体的な実施方策を提示できるようにすることが適当。通いの場への定期的な医療専門職等の関与を初め、地域リハビリテーション活動支援事業のさらなる活用促進が適当。こうした取り組みを進めるに当たっては、通いの場が住民主体で進めるものであることに留意して行うことが必要ということで整理していただいております。
 次の3ページ目でございます。論点の3つ目、PDCAサイクルに沿った推進方策につきましては、自治体の業務負担等も考慮しつつ、プロセス指標やアウトカム指標を含む評価のあり方について検討すべき。また、その評価指標を検証できるよう、データ整備やシステム活用方策についても検討を進めるべき。その際、市町村が行う評価に対する国や都道府県の支援のあり方についても検討が必要。
 介護予防に関する事業全体のPDCAサイクルに沿った推進方策について制度的な対応も含め、さらに検討することが適当。介護予防に関し抜本的に強化が検討されている保険者機能強化推進交付金の指標と上記の指標とが整合性がとれたものになるよう、さらなる検討を進めることが適当ということで、主な論点について今後の方向性がまとめられたところでございます。
 この中間取りまとめにおいて今後の進め方といたしましては、地域共生社会の実現に向けた取り組みが進められている中で、地域づくりの担い手として高齢者の役割があるのではないかという指摘もあることから、今後はこうした視点も勘案しつつ、地域支援事業の他の事業との連携方策や効果的な実施方法、あり方等についても、引き続き検討することとし、秋以降に関係団体や自治体のヒアリングや、さらなる議論を行って、本年末を目途に全体の議論を取りまとめるということで、整理、お取りまとめいただいたところでございます。
 こちらの中間取りまとめにつきましては、先日、8月29日に行われました第80回介護保険部会において御報告をさせていただいたところでございます。その際にいただきました主な意見を4ページ目にお示ししております。簡単に紹介させていただきます。
 まず1点目といたしまして、好事例を横展開できるよう活用すべき。要介護認定を受けたり、認知症になっても、尊厳が確保され、新たな偏見を生まないことが大切。介護予防は、生活習慣病にならないということが重要であり、若いころからの介入が必要。通いの場の推進については、フレイル対策になるのかといった御意見と、フレイル対策が重要という御意見もいただいております。
 また、一般介護予防事業につきましては65歳以上に公平に行っているということはわかるが、全てに網をかけるのではなくて、リスクの高い人に重点を置くといった対策も必要ではないかということで、ポピュレーションアプローチとあわせて、ハイリスクアプローチをどのようにうまく入れ込んでいくかということも検討すべき。
 介護予防には悪化防止が含まれており、未病改善という考え方で取り組みを行う例もあるということで、こうした観点も重要という御意見。
 地域で活躍する専門職について、人材が限られた人口の少ない市町村でも幅広い職種を活用できるよう検討してはどうか。
 保健事業と介護予防の一体的実施において、保健師の役割は大きいという一方で、保健師が一人抱え込むことがないように、関係者や関係部局の連携が重要。
 中間取りまとめに、総合事業実施の効果や点検・評価を行っている市町村は約3割ということをお示しいただいておりますけれども、そのような状況ではPDCAサイクルに沿った取り組みが行えているとは言えないということで、自治体に任せるのではなくて、国としてしっかり評価できる仕組みをつくることが必要。
 また、アウトカム評価については、事業を何回行ったということではなくて、個々人のデータがどうなったかという評価が重要。性別や年齢別にしっかりと分析をすることが重要。
 また、この検討会において、要介護認定を受けると、それまで受けていた総合事業のサービスが継続できなくなるという事例の御紹介の中での御意見もございましたが、高齢者にとっては通いなれたサービスを途切れることなく受けることが重要ということで、総合事業の対象者の弾力化についても検討してほしいという意見。
 また、総合事業は上限額内で行われておりますが、介護予防に熱心に取り組むところは弾力的に運用できるなどの配慮をしてほしいという御意見を先日の介護保険部会でいただきましたので、御紹介をさせていただきます。
 続きまして、5ページ目が今後の進め方でございます。中間取りまとめまでの期間におきましては、先ほどの中間取りまとめの論点の1つ目にありました、今後求められる機能として通いの場を中心に御議論をいただいておりました。
 今後、これにつきましては、通いの場の類型化や参加促進のための取り組みを進めるための事例収集などを事務局において作業を行わせていただきますとともに、支援が必要な者を把握し、通いの場への参加を含めた必要な支援をつなげるといったことにつきましては、専門職の関与の方策の中であわせて検討することとしてはどうかとさせていただいております。
 また、○の3つ目ですが、今後、本検討会においては、中間取りまとめに盛り込まれた以下の内容を中心に検討を進めることとしてはどうかということで、3つ論点を挙げさせていただいております。
 1点目は、「専門職の効果的・効率的な関与の方策」ということで、今までいただいた御意見を踏まえまして、検討の視点を点線の四角の中で幾つか挙げさせていただいております。専門職の関与について、具体的な目的や方法、役割等の明確化。医療機関等の連携や複数の職種の連携した取り組みに関する事例収集や、関係団体等からの意見聴取。地域リハビリテーション活動支援事業を含む専門職の関与の具体的な方策。支援が必要な者を把握し、通いの場への参加を含めた必要な支援につなげる方策。
 2点目は、「PDCAサイクルに沿った推進方策」ということで、前回から少し議論を始めさせていただいておりますけれども、1点目が、PDCAサイクルに沿った取り組みを推進するためのプロセス指標やアウトカム指標を含めた評価のあり方。2点目が、市町村が評価を行うに当たって、国や都道府県の支援が必要という御指摘もございましたので、そういったところも踏まえたデータ収集やシステムの活用、制度的な位置づけ。
 3点目が、「地域支援事業の他事業との連携方策や効果的な実施方法、在り方」ということで、一般介護予防事業と専門職が短期集中的なサービスを行う「サービスC」や、地域ケア会議などの取り組みと連携するという事例もございましたので、そういった事例収集とか、関係団体からの意見聴取。また、先ほどの御意見にもありましたが、総合事業の上限額の取り扱いや、要介護認定を受けても、住民主体のサービスを利用し地域のつながりが継続できるような対象要件の緩和を求めるという指摘もございましたので、そういったところも含めました総合事業のあり方ということで、今後の論点と検討の視点を整理させていただいております。こちらについて、本日、御意見をいただければと思います。
 また、10月以降につきましては、こういった専門職の関与などの方策について議論を深めてまいりますので、そういった有識者の方にさらに構成員として加わっていただきまして検討を進めていきたいと考えているところでございます。
 6ページ目につきましては、これまでこういった論点についていただいた検討会の意見を参考におつけしております。
 事務局からの説明は以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 ただいま事務局から、今後の進め方を中心に考え方を示していただきました。また、有識者の構成員をふやすという御提案もありました。これらを含めまして、御意見、御質問等があれば承りたいと思います。いかがでございましょうか。
 近藤克則構成員、お願いします。
○近藤(克)構成員 5ページにあります3つの論点に沿って発言したいと思います。
 まず専門職の関与について、ぜひ検討いただいたらどうかなと思いますのは、イギリスが中心だと思いますけれども、この間、社会的処方という概念といいますか、方法が開発されています。2年前にロンドンに行ったときに聞いたところ、ロンドンのGP、開業医たちの6割がそれを使っている。すでに普及のフェーズに入っていると聞いております。
 その話を具体的に聞く中で、日本にもそういう試みがあるのかなと思いつつ、ちょっと日本には、こういう視点がないなと思うのは、専門職と日本で言うと通いの場の間をつなぐ人が位置づけられています。地域によって呼び名が違うそうですけれども、コミュニティナビゲーターだの、リンクワーカーだの、そういう人たちがいて、その人たちが橋渡し役をやることでつながりやすくなっていると聞いております。専門職も忙しいものですから、その間を取り持ってくださる方たちを育てるという視点も大事ではないかと思うというのが1点です。
 2番目に、PDCAサイクルのところについては、3点要望があります。まず、ニーズ調査を活用して実態を把握しようということですけれども、7期に使ったものでは、通いの場に参加しているかどうかということが把握できる項目がありませんので、その項目だけは追加していただけると、第3回のときに御紹介したような、通いの場に行っている人と行っていない人でその後の経過がどう違うかということをお示しできるのではないかなと。項目の追加をぜひ御検討いただきたいというのが1つ目。
 2つ目が、今の国の見える化システムに乗せるためのデータは、個人を追跡できない形で市町村から収集しています。今の形のままですと、国が市町村を支援するために、国が効果評価をして市町村に戻すということは不可能なデータになっていると思います。そこに国が踏み込んで可視化するためには、個人情報を保護した上で追跡できる形にするのか、はたまたマニュアルだけを示して市町村が自分で評価をやるようにとするのか、そこが論点になるのかなと思います。
 市町村の方たちとお話をしていると、自分たちだけでは手が回らないという声を聞く機会が多いものですから、可能であれば、国が一律、全国同じ形でやりますよ、このために個人を追跡して参加群と非参加群とで認定率を比べますと踏み込んでいただけたほうが一気に進むのではないかなと思います。
 3つ目に、国が市町村支援としてやれることで、調査の実施の手引の中に書くなり通達を出していただけるといいのかなと思うことがあります。それは、市町村担当者が個人を追跡できる形でID等を振って調査をすることをためらっている理由の大きな要因だなと感じるのが、個人情報保護審議会等です。個人を識別する形でデータを集めようと思いますと、物すごく煩雑な準備が必要になってきておりまして、手引には追跡できるようにしてくださいと書いてあるにもかかわらず、理解を得るのが大変なので無記名にしました、みたいな声を時々耳にします。
 そのことを考えますと、国がPDCAサイクルをしっかり回すために個人を追跡したアウトカム評価をしようということをもう明言しているという形で、国の個人情報保護審査会みたいなものでオーケーが出ていると、市町村としてはそれに従ってやりますという形で、一気に進むのではないかなと思います。
 論点の3点目です。介護予防・日常生活圏域ニーズ調査を評価に使おうという話がでていますが、その予算を、今も地域支援事業の中の一般介護予防事業評価事業の予算を使ってよいと調査の実施の手引きに書いてはあるのですけれども、そのことを知らない市町村が多い。3年に1度の計画策定のための調査であるという位置づけで、一般会計で、介護計画課が所轄するという形のスタイルが多くて、介護予防を担当しているところが予防の効果評価という形でやるという自治体は極めて少ない実態があります。予算の裏づけがないとなかなか進まないものですから、そちらの予算がありますよとか、インセンティブ交付金の予算はまさにそういうところに使うべきですとか、そんなことをもう少し強い形で明示していただくと進むのではないかと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 実際のフィールドリサーチをされた御経験から課題をいただいて、国に対する御提案をしていただいたわけです。基本的に御提案ですが、何か事務局としてコメントがあればお願いいたします。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。おはようございます。
 近藤先生から、議論のリードとなるような御発言ありがとうございました。幾つかコメントをさせていただきたいと思います。
 社会的処方に関しましては、私どもも注目をしているところでございます。こちらの介護予防の検討会と少し離れている部分があるかと思いますけれども、ここは私どもとして受けとめたいと思っております。
 それから、PDCAに関しては、テクニカルにどうつくり込んでいくかというところで、幾つか大事な助言をいただいたと思っております。特に個人情報の取り扱いというところには、私どもはどのようないい例があるか、そしてどのようにやったらとりやすいかということはきちんと検証してお示しをするようなことを考えたいと思っております。
 それから、最後の地域支援事業のところにつきましても、これまで制度の改正を積み重ねてきておりますので、市町村の特に新しくかわられた方がなかなかわかりにくいところもあろうかと思います。そういうところをわかりやすくお示しすることも含めて検討したいと思っております。ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 ほかに何かございますか。堀田構成員、どうぞ。
○堀田構成員 今、近藤先生が御指摘くださったことに関連するところからお話ししたいと思います。
 まず、「専門職の効果的・効率的な関与の具体的な方策」のところですが、大きく専門職がこういうところにかかわるというときの目的をどう考えるのかなと思うのですが、1つ目がまさに社会的処方の話をしてくださったような、こういった通いの場のようなことが功を奏する、ウエルビーイングに対して功を奏するという人たちを紹介するというところがあるのかなと思います。
 逆に、通いの場に来ていらっしゃる方々で、何らかの医療、あるいは専門的なケアを必要とする方々を専門的な機関につなぐという逆の紹介の機能というものも求められるのではないかと思います。
 さらに3つ目が、これは人によると思うのですけれども、専門職が専門職づらをしているような通いの場が余り魅力的に思えないということもありまして、とはいえ、通いの場の今回の目的とされているような介護予防とか健康増進ということを考えたときに、効果的・効率的なプログラムのあり方のようなことを、住民の皆さんと一緒に、あるいはその主体になっている企業なりなんなりと一緒に考えたり、それを考える後方支援をするといったような必要な人を紹介する。その通いの場で、専門的なケアが必要な人を逆に戻す。そして、プログラムをつくっていくところに対して後方支援をするといったような、大きく3つ考えられるのではないかと思っています。
 1つ目の社会的処方に関しては、老健事業できょうの午後も宇都宮市医師会が医師会全体としても社会的処方というものを進めていこうということにまさに取り組み始められたところで、先ほど御指摘のあったような、医師が具体的に医療以外のSDHと言われるようなさまざまな健康にかかわる要因を全てスクリーニングすることが難しいとすると、ある程度、それをさらにしっかりとアセスメントしてくださって適切な場につなぐというような、リンク化機能ももちろん必要だと思うのですけれども、そこに注目することに加えて、そもそも医師あるいは医療機関の中に存在している他職種の方々が、こういったつながりとか活動参加といったようなこと、あるいは体操みたいなことが必要かもしれないなというような視点を持っていただけるような、そういった教育そのものにも支援があってもいいのかもしれないなと思わされるところです。
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 ほかに何かございますか。それでは、柏崎参考人、お願いいたします。
○柏崎参考人 2ページのところで、(1)今後求められる機能の4つ目の○で、ポイント付与の話がございます。ポイント付与につきましては、参加促進、あるいは役割がある形でのポイント付与を検討する必要、まさにこのとおりだと思います。一方、ただし書きが最終的に入りまして、理解を得られる範囲ということがございます。こうした点につきましては、一般介護予防あるいは通いの場の必要性というのを少し詳しく書き込んで、理解を得られるような形での最終報告ができればなと考えております。
 また、理解が得られるということにつきまして、少し全体的な話になりますけれども、中間取りまとめにつきましては、これまでの議論をポイントを踏まえて整理していただいて非常にありがたいと思うのですけれども、最終的な取りまとめに当たりましては、基本的な考えについてもこの場でいろいろ御議論があったと思います。皆さんが生き生きと暮らすことができることが最終的に大事ですとか、あるいは介護予防、介護認定されたことが、御本人の尊厳を傷つけないことが大事ですということもありました。中間取りまとめで言いますと経緯の部分を少し膨らませるような形になると思いますけれども、そうした書き込みをしていただけると大変ありがたいと考えております。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、小玉構成員、お願いします。
○小玉構成員 ありがとうございます。
 私も5ページの「専門職の効果的・効率的な関与の具体的な方策」というところで意見を述べさせていただきたいと思います。
 通いの場とか生活の場というふうになると、生活支援というところが主になってくると思うのですけれども、そうすると医療の現場とはちょっと違う視点が必要かなと思っています。
 そうしますと、例えば我々は口腔と栄養というのを一緒にやると非常に効果があるというところが言われているのですけれども、そのときに栄養士さんなり、保健師さん、看護師さんにどのようなかかわり方をその場でもって、その情報をお互いに共有して、どんな指示が出せるのか。また、地域リハビリテーションになると、我々はSTさんとのかかわりが強いのですけれども、そこでOTさんとかPTさんとのかかわりも出てくる可能性があります。
 そうすると、もっと幅広の専門職同士で、生活の支援が必要な方たちに対する課題解決の目的と、その処方をしっかりできるような、専門職同士の垣根のないかかわり方というのを一つ考えていただければありがたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、荒井構成員、お願いいたします。
○荒井構成員 社会的処方に関しましては、今、御意見がありますけれども、個々にやっていただいてもいいのですが、やはり国としてちゃんと取り組んでいただきたいと思っています。やはり企業とITを使って必要な社会的ソースをきちんとリストアップして、それが個人の住居とか生活環境に応じて、ある程度オートマチックに場を提供できるような、医師とかそういった医療専門職は非常に忙しいので、ある程度そういったコーナーを設けて、そこで対応するというシステムが、各病院とか地域にできればいいのかなと思います。
 あと、他事業との連携については、ポイントがずれているかもしれないですけれども、健診事業とかほかの事業との連携はどうなっているのかなと思ったのです。今度、高齢者の健診の仕組みが変わると聞いているのですが、そことの関連というのはどうなっているのか。ここで議論したのか、忘れてしまったのですけれども。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、事務局、コメントをお願いいたします。
○眞鍋老人保健課長 健診に関しては、きょう担当が来ていないのですけれども、まず前半の議論の中で、いわゆる後期高齢者の保健事業とこの介護予防事業の一体的実施が、前の国会で法律が通りまして、制度的にやりやすくなるような改正が行われております。その中で、後期高齢者の健診事業においては、広域連合が主体となってやっているということでございます。
 また、健診のデータとか介護予防のデータをどのように活用しているかといったことも、今後、あり方をつくる上で議論になっていくかと思っております。そこは、私どもは保険局とよく連携をとりながら進めていきたいと思っております。
○遠藤座長 荒井構成員、いかがでしょうか。
○荒井構成員 75歳以上が広域連合に移っていく中だと、いろいろとフラグメンテーションの原因かなと思っていまして、そこは今後、国として変えていく予定はないという理解でよろしいでしょうか。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○眞鍋老人保健課長 私が責任を持ってお答えできる範囲は超えてしまっているのですけれども、なるべく連携がとれることがいいということは当然でございますし、またICTなどの環境が整いやすくなるということも事実だろうと思っております。そういうことも踏まえて、御指摘に関しては受けとめたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。それでは、岡島構成員、お願いします。
○岡島構成員 ありがとうございます。
 私は、5ページの今後の進め方と、一般介護予防事業の今後の機能のあり方について、関連づけて1点と、有償ボランティアについて1点、意見を述べたいと思います。
 まず、1つ目の一般介護予防事業の機能についてですけれども、今回は通いの場についてかなりスポットライトが当たっているのですが、それはもちろん大事なことですけれども、それだけではなくて、全ての高齢者を対象としているというメリットを生かして、元気な高齢者がハイリスクの高齢者とともに、健康レベルを超えて交流することによる地域の支え合いであるとか、あるいはお互いに健康の価値を共有し合うということ。それから、ほかの世代の人たちがボランティアとして参加することにより、コミュニティーが活性化するということも視野に入れて、通いの場が拠点となっていけばいいなと考えております。
 それと、役割、機能のもう一つの重要な視点に、対象者の把握というのがこの事業の一環にございますので、通ってこられる人だけではなく、以前の議論にもありましたけれども、集団の場が苦手、あるいは病気があって来られない、それから健康に関しての関心がまだ高まっていないような住民層に対してのアプローチもしっかりやっていけるような検討が必要かと思います。そこには自治体の専門職であるとか、あるいは地域包括支援センターの総合相談機能をいかに生かしていくかなども視野に入れての検討が重要かと思っています。
 もう一つの意見の有償ボランティアについて、各地でいろいろな取り組みが報告されておりますけれども、就労に近い形で有償ボランティアに役割と生きがいを提供しているということは否定しませんけれども、最低賃金を下回るような形で労働を課しているようなことがないように、その辺の配慮も十分した上でのボランティアの活用や役割の展開というものが必要ではないかと考えております。
 以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 石田構成員、お願いします。
○石田構成員 ありがとうございます。
 3ページにあるのですけれども、「今後の進め方」のところで、最初に「全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り高め合う地域共生社会の実現に向けた取組」と掲げられておりまして、一般介護予防につきましても、やはりこれが一番基本になるということはきちっと押さえておく必要があるのではないかと思います。
 これまでこの検討会の中でもいろいろな先進事例の報告をいただきまして、地域の活性化におけるいろいろな担い手、ここには自治体のみならず、専門職であったり、地域住民や高齢者自らの参画など、多様な主体がありますけれども、そのほか例えば企業であったり、地域の商店であったり、いろいろな主体がそこに参画するというような、地域づくりというか、地域ぐるみ、そういった視点は必ずこの事業の中に組み込んでいく必要があると思っていて、5ページに掲げられたこの3点ですけれども、PDCAサイクルの中でその点についての評価といいますか、プロセスになるのか、アウトカムになるかはわかりませんけれども、地域全体でどのようにそういう目標に向かって動いているかというところに関する評価というのがここに込められていけばいいのではないかと考えます。
 多分、資料2のところでPDCAがもう少し詳しく説明されておりますので、きっとそこには触れられているとは思うのですけれども、資料に関して言えば、そこまでがわかりにくいので、ぜひそこも含めた評価というところを今後の取り組みの中で明示していただきたい。これは要望として申し上げたいと思います。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、お待たせしました。藤原佳典構成員、お願いします。
○藤原(佳)構成員 私のほうは、5ページの専門職の関与のことと、地域支援事業の他事業との連携方策に関して意見を述べさせていただきたいと思います。
 専門職の関与ですけれども、これは必須だと思っております。私も幾つかのいろいろな介護予防の自主団体とか高齢者の団体の支援をしているのですけれども、どうすれば継続するか。これは個人が継続できるかという問題と、団体とかグループが継続していけるかということの両方が重要だと思うのです。
 特に高齢者だけの団体ですと、なかなか長続きしなかったり、一番問題なのは、3年、5年とやっていると、中に認知症を発症するような方も出てくるのです。そういったときに、10人程度のメンバーの中だけで抱え込んでおくと、結局、ほかのメンバーに物すごく負担が行ったり、いろいろなトラブルがあって、こんなサークルはなかったほうがよかったよねみたいなことになって崩壊する場合があるのです。そういう意味では、必ずつかず離れず、専門職の方が見守りながら、何かあったらすぐ相談できるような体制が非常に重要かなと思っております。
 そういう意味では、私どもがかかわっている団体は、必ず地元の地域包括支援センターと顔の見える関係で、サークルの定例会とかで年に何回か必ず顔合わせをしたりして、お互い情報交換できるような体制をとっている場合があります。
 専門職を具体的に派遣するときも、全く役所の持ち出しで無料というような文化もいかがなものかなと考えております。最低限、例えば年に何回かは自治体のほうで支出しても、それ以上は住民さん同士で、会費や助成金なりで、講師謝礼や運営費を支出するという風潮も幾つかの自治体の中では進んでおります。一部は有料の活動であっても、自分たちが健康や楽しみに投資しているのだというような意識をもってもらうことも大事だと思います。
 これは、一方では生涯学習講座などでは、講座終了後の自主サークルでは同じような内容のエクササイズであっても、1人1レッスン2,000円、3,000円払っても納得される場合もあったり、それが役所がずっと主導すると、暮らし向きが厳しくなさそうな方でも300円でも出すのがもったいないと思ったりする場合もあるようです。自分への投資という意識を醸成していくことも重要かなと思っております。
 地域支援事業と他の事業との関連ですけれども、これは前回も申し上げましたけれども、具体的に一番近い道筋とすれば、生活支援体制整備事業とどう連携していくか、一体化していくかということだと思います。
 私どもも幾つか生活支援の協議体にかかわったりしているのですけれども、うまくいっているところというのは、どうしても入り口が、ちょっとしたごみ出しとか電球交換といった助け合いですと非常に敷居が高いのです。それが、健康づくりとか介護予防ということで、まず仲間づくりとか、通いの場に集まるようになる。その中で信頼関係ができた人の中でちょっとした助け合いをしていくというのが、一番現実的なストーリーだと思います。
 それがどうしても生活支援の協議体は協議体で、健康とか介護予防については全くテーマとせず、逆に介護予防のいろいろな連絡会は、健康づくり、介護予防の元気な人だけの自助だけで終わり、やがては、必要になる生活支援を通した互助を想定していない場合が大半です。基礎自治体のレベルでも多くは介護予防担当と生活支援担当が縦割り化して、そこが分断されているのが残念です。自助と互助というのは表裏ですので、そこを一体化していくというのが、恐らく地元の地域包括さんでも自治体でも一挙両得の施策になるのではないかなと思いますので、御検討いただければと思います。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 ほかにいかがですか。それでは、まず藤原忠彦構成員、お願いいたします。
○藤原(忠)構成員 5ページの「今後の進め方」でありますが、その3つ目の○について意見を申し上げたいと思います。
 まず、「専門職の効果的・効率的な関与の具体的な方策」ということですが、通いの場については今後、類型化を進めようということですが、通いの場の性質によって専門職の関与の仕方が変わってくるのではないかと思っています。
 例えば住民の主体性が強い通いの場の中には、その継続性などを考えると、あまり専門職が関与しすぎないほうがよいものもあるのではないかと思いますし、逆に、住民主体といっても、行政や民間企業の関与が強いものについては、専門職が積極的に関与して、フレイル対策などに取り組んでいけるのではないかと思います。専門職の関与の方策の検討に当たっては、このようなことも前提に今後議論していくことが必要かと思っています。
 また、3つ目の「地域支援事業の他事業との連携方策や効果的な実施方法、在り方」については、2つ目の■に、総合事業の上限の取り扱いとありますが、これについてはぜひお願いをしたいと思います。
 また、その次の「総合事業の対象要件の緩和を求める指摘を踏まえた、総合事業の在り方」とありますが、この検討会の場で指摘した世田谷区の意向などをさらに十分に確認するとともに、他の市町村の意見もよく聞きながら検討していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、山田構成員、よろしくお願いします。
○山田構成員 私のほうからは大きく3点あります。1つは有償ボランティアの件、もう一つは学生の件、最後に専門職の役割というところについて御意見を申し上げたいと思います。
 まず、有償ボランティアについては、これは有償と考えるか、就労と考えるかという非常にファジーなところであるかと思うのですけれども、シルバー人材派遣センターとの連携等も今後検討していく必要もあるのではないかなと思っております。
 都内では加入率がそれほど高くない地域もあると聞いておりますけれども、地方ではかなり高い加入率を誇っているところもありますので、ぜひこういったところとの連携というのは今後重要になってくるのではないかと思います。
 また、2ページの下のところにあります学生の関与についてですけれども、こちらに関しては、あくまで将来的に専門職を目指す学生だけではなくて、さまざまな大学生、専門学生がおられますので、そういった人材をうまく派遣しながら、他世代間の交流というものも踏まえながら、継続的にかかわっていただくというのが今後求められるのではないかと思っております。
 最後に、専門職の役割のところですけれども、専門職に関してはかなりさまざまな専門職がありますので、例えば保健師の方がかかわるのと理学療法士や作業療法士の方がかかわるというのでは視点が大きく異なってくると思いますので、大きく専門職というふうにまとめてしまうのではなくて、各専門職の役割というものもある程度明確にしていったほうが、専門職の方がかかわりやすいのではないかなと思います。
 一方で、こういった意見を申しておきながらですけれども、そういった専門職の人材確保が難しい地域も実際にはありますので、同時に人材の確保についての検討も今後十分していく必要があるかなと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、近藤尚己構成員、お願いいたします。
○近藤(尚)構成員 議論の進め方について質問があります。
 1ページ目のヒアリング等を取りまとめるというのですけれども、それに関連するのですが、東京都の介護保険の保険者支援部会という会議の委員をしていまして、先日、そこで自治体の方々も含めていろいろ議論をしました。そうしたら、かなり現場から、今の通いの場の推進やインセンティブ交付金、健康づくりとの一体的実施、この辺に関して現場で大分不安や懸念があるということが出てきました。実際、この会議の取りまとめをした後に、そういった現場の方々からの意見もヒアリングという形で受け入れるということですけれども、一般的な、いわゆるヒアリングをしますという広報だけで大丈夫かなというのが少し心配になりました。
 つまり、この取りまとめを踏まえた、この議論のPDCA自体をどういうふうに回していくのかというあたりをもうちょっと具体的に伺いたいと思っています。
 今年度末で1回まとめるのですけれども、その後、いつ改定するのか、またヒアリングについては幾つぐらいの自治体にどんな形でやるのかということを伺いたいです。
 ついでなので、東京都での会議の場で出てきた現場からの声を幾つかお伝えしたいと思います。
 一つは、通いの場の定義について、就労支援とか、そういうのを頑張っている企業の活動を抑制する方向に働いてしまうようなことにならないようにしてほしい。つまり、サロンをやらなければいけないということなので、就労支援のほうはサロンにカウントされませんので、そうするとそっちの活動が弱くなってしまう。これは前回、ここでも出てきた議論ですけれども、やはりその懸念がありました。
 もう一つはインセンティブ交付金の指標、これはこの後の「PDCAサイクルに沿った推進方策について」に関係するところだと思いますけれども、自治体ごとのスコアを見てみますと、明らかに小規模自治体のスコアが低いですね。特にPDCAに関してはかなりの地域格差があるということがわかりました。ポイントに沿って交付金額が決まってくるということになると、確実に地域格差を広げる方策になっていってしまいますので、恐らくこれは自治体規模別の評価をするとか、規模によるウェイティングをするとか、そういった工夫が今後求められるのではないかなと思います。
 それについて、やはり小規模自治体でPDCAを独自に回していくというのはかなり難しいので、ぜひ国や都道府県による支援を強く要望される声がたくさん聞かれました。
 以上です。ヒアリング等についての計画をお聞かせいただければと思います。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
 東京都の実例などを踏まえた御説明、ありがとうございました。
 この介護予防の検討会ですけれども、介護保険部会のほうで設置をお認めいただきまして、そして、介護保険制度自体は3年に1回、保険料の見直しがございます。それに合わせて、これまで累次制度改正をしてきております。
 その中で、この介護予防事業に関しましても、平成26年に一度見直しをして、27年から実施をして、6年経過しようとしているところで、その中で通いの場を含めまして大きく発展してきたものですから、さらにそれを発展させる意味でこの検討会で検討をお願いしているということでございます。
 その中で、今御指摘いただきました自治体との連携、あるいは自治体との関係性ということでございますけれども、私どもはこの検討会の場だけで自治体の全ての理解を得るというのは厳しいと当然思ってございます。それは、行政同士の中で、例えば私どもから全自治体、都道府県に御説明をするというチャンネルもございますし、通知や事務連絡といったツールもございます。
 この場は公開の場でございますし、資料も公開されますけれども、そのほかに行政同士のチャンネルもありまして、今御指摘いただいたようなことはきちんと私どもとしては意図として伝わるように、そして現場で混乱が起きないように進めたいと。そこは、私どもは行政の実務としてやらなければいけないと思っているところでございます。
 その上で、今後、この検討の場でどのぐらいのヒアリングを行うかでありますけれども、具体的に何カ所とか何自治体と考えているわけではございませんけれども、前半のヒアリングで行えなかったところを中心にというふうには思っております。そこはまた今後御説明をさせていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 近藤委員、よろしゅうございますか。
○近藤(尚)構成員 はい。ぜひヒアリングの結果を聞かせていただければと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、辻座長代理、お願いいたします。
○辻座長代理 ありがとうございます。
 いろいろな議論がありますが、ここでは通いの場というのは当然ですが、今、近藤先生がおっしゃったように、通いの場から就労まで全部含めた、社会参加がいいのだということで、幅広に受けとめた上で評価していただければなと思いますので、よろしくお願いします。
 もう一つ、逆に社会参加しない、来ない人が一番大きなハイリスクだと、岡島構成員がおっしゃったとおりですけれども、前回、高齢者の保健事業と介護予防の一体化の委員会のときに出た幾つかの柱のうちの一つで、アウトリーチというのがあったのですけれども、これは参加しない人に対して自治体なり、住民組織なりから手を差し伸べていくという話だと思うのですが、今回、アウトリーチがこの文章にはほとんど出てこないというのが気になっております。実際、こういった事業に参加しない人、あるいはしたがらない人というのが一番ハイリスクですので、地域全体の中でそういった人たちを探し出して、効率的にスクリーニングしていく方法を決めなければいけないですし、そして適切な人たちに対して、どう把握してそのルートに乗せるかということをこれから議論しなければいけないと思っております。
 特に、これから2030年、2040年の人口構造を考えていきますと、高齢者の数はそれほど増えないのですけれども、世帯構造がかなり変わってくるわけです。生涯独身者が非常にふえていまして、その方々が高齢者になってくる。また、結婚していた人でも、離別、死別によってひとり暮らしということで、これから高齢者全体の中で単身者の割合が相当に増えていくわけですね。そういった中でひとり暮らしの方々が孤立化していくというところが、これからの地域の大きな問題なのではないかと思っております。
 ですから、高齢者の孤立が社会問題化していきますので、そういった方々にアウトリーチしていく、そして何らかの生きがい支援のルートにつなげる。あるいは、ひとり暮らしをしていますと、いろいろな生活上のニーズが出て来ますけれども、それを互助で支えていく。高齢者の孤立対策として、まだまだこれから議論していただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 事務局、そのアウトリーチについての考え方をお聞かせいただけますか。
○眞鍋老人保健課長 今御議論いただいています資料の2ページでありますけれども、確かに辻座長代理がおっしゃっていただいたように、アウトリーチという言葉を入れてございませんが、意味としては、(1)の3つ目の○でございますが、支援が必要な者を把握し、通いの場への参加を含めた必要な支援つなげる方策について引き続き検討したいということをお示ししているのと、もう一つは、5ページですけれども、「今後の進め方」の中で、専門職の関与の具体的な方策の中で、2つ目の○のポツの2つ目ですが、支援が必要な者を把握し、通いの場への参加を含めた必要な支援につなげる方策については、今後さらに専門職の関与の方策を検討する中で、あわせて検討したいということでございます。
 やや表記が不十分だったかなと思いますけれども、こういうところでまとめてしっかり議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょうか。
 濵田構成員、お願いします。
○濵田構成員 ありがとうございます。
 2ページにもございますけれども、今後、求められる機能の中で、参加者をふやすということも必要でございますが、いわゆる支える側をふやしていくということがあわせて必要かと存じます。そのためには、支える側を守る対策というものがないといけないかなということで、昨今聞いておりますと、支え手として参加したいのだけれども、自分が手伝うことで例えば事故が起こったりということが心配で、なかなか参加しにくいのだという声なども聞くことがございます。
 そんなことがございますので、1つはポイント制度や有償ボランティアということで、先ほど岡島委員のほうからも御意見がございましたけれども、報奨や報酬について、適切な形で対応するということも必要でございます。また、例えば専門職の方の関与もございますので、簡単な技術指導、レクリエーションの指導でありますとか、あるいは簡単な介護の指導とか、こういうものが適切に相談が受けられるようにするということ。
 もう一つは、何かあったときのための例えば賠償保険でありますとか、現在ボランティア保険や行事保険というものがございますが、行事保険のほうは賠償額が低いということもあります。参加者として行っているのか、支え手として行っているのか、あるいは例えば任意の団体でありますと、こういうものになかなか入りにくい場合もあるかもしれませんが、こういうものをしっかりと備えて安心して支え手がふえるのではないかと考えます。そして、何かあってもちゃんとそういうもので補償されるのだということが、特に先ほど都市部でなかなか進まないということにつきましては、よく私も個別に意見を伺いますので、安心して支え手として参加できる体制づくりと守る体制をつくっていくことが必要かと思います。
 以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 お待たせいたしました。江澤構成員、どうぞ。
○江澤構成員 ありがとうございます。
 まず、かかりつけ医の機能には、医療的機能と社会的機能というものがありまして、先ほどから社会的処方ということも出ておりますけれども、かかりつけ医の社会的機能というのは、地域住民と信頼関係を構築の上、学校保健、母子保健、あるいは産業保健、あるいは健康相談、健診等、そういったものの社会的活動を通じて、行政活動に積極的に参加することによって、地域の保健・福祉と連携をすることで、これは医師会も今推奨していることでございます。そのかかりつけ医の社会的機能の一環として、通いの場への参加、あるいは地域貢献というものを位置づけると、自然な形になると思っています。
 そして、何も社会的機能はかかりつけ医のみならず、各専門職にこれから求められていくことになりますから、いわゆる各専門職における社会的機能の一環として、その中の地域貢献活動として通いの場への専門職の参加を位置づけるのが自然ではないかとまず思っているところでございます。
 続きまして、通いの場におきまして、NPO法人、ボランティア団体、そして民生委員さんたちの大変尊い活動があるので、その互助と専門職がうまく融合することが重要であると思っております。
 住民主体とよく言いますけれども、ノウハウがないところになかなか主体を持ってこられないわけでございますので、ある程度、医学的、あるいは科学的なエビデンスがあるものを自然な、楽しい、通いの場に落とし込めるような方策が重要ではないかと思っております。
 そして、通いの場同士の連携。地域で通いの場はたくさんできておりますけれども、隣の通いの場が何をやっているか、余り知られていないので、同じ地域において通いの場で何をやっているのか、そういった通いの場同士の連携も必要ではないかと思っております。
 それから、資料にございます地域リハビリテーション活動支援事業ですけれども、これも始まって年余がたつわけですけれども、実態とか効果が見えていないということと、そして、今、PT、OTを中心に出ていると思いますけれども、これはもっと栄養士さんとか、看護師さんとか、保健師さんとか、いろいろな職種がかかわるほうが効果的かもしれません。一方で、リハビリ専門職の御本人たち、あるいは事業所への負担もかかっておりますので、そのあたりのバランスをどう考えていくか。持続することが重要ですので、そのあたりもぜひ考えていく必要があると思っています。
 それから、前回も出たと思いますが、通いの場の定義をどうするかということで、数値目標で高齢者の参加が今4.9%のところを将来8%という目標についてもいろいろな議論が出ている中で、やはり通いの場の定義をしっかりして、恐らくこれから高齢者になっても働き続ける方はふえていくでしょうし、そのあたりも含めて、あと中身が見えるように、数字がひとり歩きしないようにしていただきたいと思っております。
 最後に、先ほどから同様の意見も出ていますけれども、日本の介護予防イコール、通いの場への参加オンリーとはならないようにすべきではないかと思っています。先ほど目標値が高齢者の参加8%ということは、残り9割の大多数の高齢者はどうするのか。もちろん元気な高齢者も含まれているでしょうし、支援が必要な方も含まれております。そもそも戦前の昭和初期に生まれた方々、あるいは漫画で言うとサザエさんのような、昔ああいった家族で暮らしていたころの時代の高齢者と、これからの団塊の世代、団塊ジュニアの世代の高齢者は、当然価値観も育ってきた環境も全て異なっていますし、非常に時代が多様化している中で育っているので、わかりませんけれども、通いの場に参加したいと思う人は減ってくることも予測されますので、そういった中で、通いの場の参加以外の、先ほどアウトリーチの話もございますが、そういったいろいろメニューを、通いの場に参加しなくても、うまく介護予防をしていることを検討していかないと、通いの場のみではなかなか立ち行かないとも考えております。時代が既に昭和、平成、令和と変わっているという状況で、当然そこで時代も変わっている中で育っている方の価値観も多様化しており、これからいろいろな方策を考えていくべきだと思いますので、また、今後、そういった議論の場で検討していただければと思います。
 以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 ほかにございますか。それでは、鵜飼構成員、お願いいたします。
○鵜飼構成員 ありがとうございます。
 今、江澤先生がお話しされたように、医療関係職種はそれぞれ立場で、医療だけではなくて、介護になる前という段階でお話をするところに目を向けているところでございます。
 通いの場の定義というところですけれども、スポーツをやるところという、とても大きいところをイメージしてしまう人が多いと思うので、小さいところでも通いの場となるということも一つ考えてもらったほうがいいのかなと思います。
 例えば医院さんとか、歯科医院さんとか、薬局というのは、みんな集まってきて、そこで待っている間にいろいろお話をされるのですね。そういうところは通いの場の一つ手前かもしれませんが、そこでいろいろな話をしたり、逆にそこで待っている間にこちら側から、医院さんだとドクターがその場で話はできなくても受付の人と話はできるし、歯科医院さんでは治療をしながらでも話はできる。
 そんな話を考えている中で、例えば専門職という3文字でとても難しい言葉で読まれてしまう、先ほど山田先生からお話があったように、専門職は一体何なのかというところで、ここに来るまでに考えたときに、床屋さんとか美容院さんなんかも必ず皆さん行かれる場だと思います。そこに行って、1時間なりの間にいろいろお話をされている。そういうところの話題提供づくりに、こういうところがあるのだよというところをどんどん言っていけば、もっと広がっていきますし、先ほど通いの場と専門職をつなぐという話もありましたが、国民全体がそういう気持ちを持って、こういうところがあるというのをどんどん言っていくことが、専門職に限らず、一般の方々にもつなげていければいいのかなと思いました。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 まだほかに御意見があるかと思いますけれども、時間が押しておりますので、1番目の議題はこれぐらいにさせていただきたいと思います。
 本日、いろいろな貴重な御意見が出ましたので、それらを踏まえまして今後の議論を進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次に議題2、「PDCAサイクルに沿った推進方策について」に入りたいと思います。この議題につきましては、前回既に検討をしているわけでありますけれども、今回は前回いただきました御意見を踏まえて、さらに議論を詰めていきたいと考えております。
 資料が出されておりますので、事務局、説明をお願いいたします。
○日名子介護予防栄養調整官 では、資料2をごらんください。「PDCAサイクルに沿った推進方策について」という資料でございます。
 まず、2ページに論点をお示ししております。ただいま座長からも御紹介いただきましたように、前回の議論を引き続きということですので、論点は同じものでございますけれども、「プロセス指標やアウトカム指標を含めた評価の在り方について、どのように考えるか」ということで、前回、検討会で事務局のほうから、成果を見る際の着眼点という形で、資料の四角の中にお示ししているようなものを提示させていただいております。それに対していただいた御意見を2ページ目の下の段に御紹介をさせていただいております。
 通いの場の参加率についてはプロセス評価ではないかという御意見であるとか、先ほどもございましたが、通いの場の定義を明確にする必要があるということ。また、参加率については、把握する負担を考えると、年間の延べ人数という考え方もあるのではないか。また、担い手としての参加率も前期の高齢者の方々には重要な指標である。
 都道府県内や市町村内で通いの場の地域差というものもあるかと思いますので、そういった偏りがないということですとか、あとは、先ほどの御意見にもありましたが、単身世帯の参加率といった層別化の評価も望ましいのではないかという御意見。
 また、行政が把握する通いの場だけではなくて、現役で働く、ボランティア活動、NPO活動、スポーツなど、さまざまな形での社会参加が大事ということで、そういったところについてはニーズ調査等で定期的に把握することができるのではないか。
 健康寿命のアウトカム指標、成果を見る際の視点というところでお示ししておりますけれども、そのことについては妥当性には疑問ということで、要介護認定率の推移や、そちらにお示ししているような単純でわかりやすい指標が妥当ではないかといった御意見。本来のアウトカムは、誰もが生き生きとその人らしく暮らせることという御意見をいただいております。
 3ページ目をごらんください。こちらには、取り組みの過程を見る際の着眼点としてお示ししたものが四角の中でございます。
 こちらに対しての御意見といたしましては、プロセス評価については、事業の実施体制、参加する関係団体等のさまざまな指標が考えられるが、取り組みの進捗を明文化し、評価していけることが重要である。また、他部局を巻き込むという指標であるとか、そのための教育や体制づくりを強調したほうがいいのではないかといった着眼点に対する御意見をいただきました。
 4ページ目には、全体的な御意見をまとめさせていただいております。指標設定の考え方につきましては、評価指標によっては3年ごとの圏域ニーズ調査や健診データ、要介護認定データ等との突合によって、長いスパンで評価できるようなものも必要ではないか。ざっくりした大きな指標と、精緻に見ていったほうがいい指標、小さな事業の指標というように、層別化をして評価を考えていくことが必要ではないか。自治体によっては高齢者数や年齢構成が異なりますので、年齢層別で評価することが必要である。
 データ収集やシステム活用につきましては、数年後になれば高齢者がスマートフォンを持つという声もございますので、ICT化の検討もすべきではないか。また、後期高齢者の健診の質問票が変わって、社会参加等々の項目が入ってきて、そのデータが介護や医療のレセプトと連結することで健康状態とも突合ができるようになるということで、さらに通いの場の参加につきましても電子化して取り入れることで、アウトカムの関係が容易に評価できるのではないか。
 業務負担への配慮といたしまして、自治体において事務負担が大きいと、P、実行の部分に支障が生じることが考えられますので、自治体の負担の軽減というところは最大限に配慮すべき。また、介護予防の取り組みにつきましては、市町村で相当大きなばらつきがございますということで、国において、全市町村がある程度、評価や改善に取り組める環境を整備することが前提ではないか。
 最後に、住民にも評価が見えて、自分がやっていることが健康や介護予防に意義があるとわかるようにすると、通いの場等でデータ提供してもらうメリットがあるのではないかという前回の御意見をまとめさせていただいております。
 5ページ目からが、今回提示させていただいております資料でございます。指標設定の考え方(案)とさせていただいておりまして、5ページ目が成果を見る際の着眼点でございます。今までいただいたような御意見も踏まえまして、誰もが長く、活動的で生きがいのある生活や自分らしい生活を送れることや、健康寿命の延伸といった大きな目標を見据えつつも、自治体が容易に把握でき、かつ取り組みの進捗についても把握可能な指標を設定してはどうか。
 2点目につきましては、通いの場の取り組みについては、定義によって参加率が異なるという御指摘もございますので、定義を明確にすることが必要。その上で、自治体における高齢者の社会参加の促進を図る取り組みの成果として参加率を把握してはどうか。参加率を把握するに当たっては、自治体や通いの場の運営者の負担に配慮することが必要ではないか。
 3点目といたしまして、自治体が把握できる通いの場以外の高齢者の多様な社会参加についても、ニーズ調査等で定期的に把握することも考えられるのではないかということで整理させていただいております。
 その下に、前回の御意見を踏まえました主な指標例として、幾つか例示をさせていただいております。
 6ページ目に、取り組みの過程を見る際の着眼点をお示ししております。1点目としまして、市町村における成果を上げるための取り組みの過程を評価するため、事業の実施体制や介護予防への取り組みへの関係団体の参画状況を初めとする具体的な取り組みの状況が把握できるような指標を設定してはどうか。都道府県については、広域的な取り組みや、管内の市町村の取り組み状況等を踏まえた支援に関する指標を設定することが適切ではないか。
 その下に、先ほどと同様に、前回の意見を踏まえました主な指標例ということでお示しをしておりまして、これまで御意見をいただいておりますような、他部門との連携であるとか、あとは就労を含めた社会参加の促進であるとか、地域づくりというお話がありましたけれども、地域の多様な主体との連携といったところも、指標例として挙げさせていただいております。
 7ページにつきましては、全体的な指標設定に当たっての留意点でございます。1点目につきましては、介護予防に関する事業の成果につきましては、短期間での評価が難しいものもあるということでございますので、中長期的な視点を持つことが必要ということで、具体的な指標につきましても、毎年把握できるものと、計画の周期に合わせて把握できるものなどがありますので、短期的な指標と中長期的な指標を組み合わせることとしてはどうか。
 2点目といたしまして、評価に当たっては、自治体ごとに高齢者数や年齢構成が異なりますので、そうした状況は調整した上で評価することが必要ではないか。
 3点目といたしまして、現時点で市町村でデータの収集や分析が困難なものもあることから、都道府県による支援の取り組みについて評価をしてはどうか。
 次に、自治体において評価を行うことが過度な負担とならないように、業務負担への配慮が必要であり、国や都道府県が市町村において可能な限り容易に評価できるような環境整備を図ることも必要ではないか。
 最後に、住民にとっても、みずからの取り組みが健康増進や介護予防に意義があると伝わるように、わかりやすい指標設定と結果のフィードバックを行うことも望ましいのではないかというふうに整理をさせていただいております。
 次のページから、参考資料を幾つか紹介させていただいております。これまでにもお示ししておりますけれども、9ページ目からは一般介護予防事業の評価事業ということで、現在の実施要綱の抜粋と、そちらにお示ししております評価指標などを掲載しております。
 14ページ目に、健康寿命というところが成果を見る際の着眼点というところでございましたので、健康寿命の定義について。補完的指標として要介護度を用いた指標というものをお示しされておりますので、そちらのところが赤の枠でくくった部分でございます。
 15ページ目には、健康寿命は、国民生活基礎調査、アンケート調査で行われている日常生活に制限のない期間と、今回お示しされたような補完的な指標ということで、要介護度を使った指標というところのあらわす範囲を示した図をお示ししております。
 16ページ目につきましては、現在、通いの場を把握している調査の概要について。
 17ページ目以降は、ニーズ調査の概要をお示ししております。今回、第8期ということになりますけれども、第7期から第8期に引き継ぐということで、自治体において評価ができるような形で計画がされております。
 18ページ目が、主な調査項目の概要となっております。
 19ページ目以降に、具体的な調査票を掲載しております。先ほど、近藤構成員からもお話がありましたけれども、ニーズ調査の中でも地域での活動という調査項目がございまして、22ページにボランティアなどの参加の頻度などを訪ねる調査項目がございますので、そちらも赤枠で囲っているところでございます。
 25ページ目には、見える化システムの概要。
 26ページには、KDBシステムの特徴ということで、これまでもお示ししておりますが、資料をおつけしております。
 事務局からの説明は以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見をお願いいたします。
 河本構成員、お願いいたします。
○河本構成員 ありがとうございます。
 前回も申し上げておりますけれども、自治体の評価に当たって過度な負担とならないようにというのはもちろんわかりますけれども、事業を実施している以上、効果検証をきちんとやるというのは当然ですので、やはり客観的に比較可能な指標を考えるべきだと考えております。
 これも前回申し上げましたけれども、例えばアウトカム指標ということで言えば、要支援とか要介護認定率がどのくらい変化したのか、あるいは要介護度を改善することができたのか、これはもちろん年齢構成とかそういったことの考慮は必要だと思いますが。例えば、他の市町村とも比較ができるとか、あるいは経年的にも比較ができるとか、そういった客観的に比較可能な指標をベースにPDCAを回していくということで御検討いただけたらと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。それでは、安藤構成員、お願いいたします。
○安藤構成員 5ページ目ですけれども、成果を見るための指標例としまして、今回新たに「要介護認定率の推移」とか「要支援者における改善率・悪化率」を記載していただいたことは非常に評価できると思います。
 その上でもう一つ、我々のほうとしては、介護給付費がどの程度抑制できたのかということも指標の中に入れていただければなと考えております。
 と申しますのも、一般介護予防事業につきましては現役世代の保険料も充てられていますので、成果をより目に見えやすい形で示していただくことで、現役世代の理解を得ることができるのかなと思っています。
 また、1つ目のポツですけれども、表現がややわかりにくい。「誰もがより長く、活動的で生きがいのある生活や」と書いてあるのですけれども、それも大事なのですけれども、もうちょっとわかりやすく、例えば「できる限り介護を必要とせず」とか、直接的なフレーズも入れ込んだほうがよろしいのかなと感じました。これは御提案でございます。
 それと、6ページ目ですけれども、取り組みの過程を見るための指標例として、以前より、「企画や検証等を行う体制の整備」と記載されているのですけれども、体制を整備するだけではなくて、先ほど河本構成員のほうからも御意見がありましたけれども、実際に効果検証が行われたかどうかということも非常に重要であると考えております。効果検証の実施を保険者機能強化推進交付金の交付要件とするなど、そういうことを盛り込んで、全ての市町村で適切に効果検証が行われるような仕組みをつくることが重要であると考えております。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょうか。それでは、藤原佳典構成員、お願いします。
○藤原(佳)構成員 生活圏域調査の調査項目の件ですが、22ページの問5で、先ほどから御紹介いただいた地域での活動のところですが、通いの場の定義にも関係してくるかと思うのですけれども、これらのボランティアとか老人クラブといった活動は頻度までせっかく丁寧に聞いていただいているわけですが、こういった活動自体が生活圏内なのか、生活圏外なのかということも、横に付問の形で、主な活動は例えば生活圏内でやっていることですかみたいなことを一つ入れておくとよいでしょう。例えば退職前後のまだまだ元気な高齢者の方ですと、特に都市部ですと電車を乗り継いで活動に行ったりというのも多々あることですが、加齢や疾病により徐々に活動範囲が狭まってきても、そういった活動ができているのかどうかというと、やはり身近な生活圏内に活動の場所がある必要があるのではないかと思います。
 そういう意味で、活動場所が生活圏内かどうかというのを聞くと、その活動が屋外であろうが、屋内であろうが、どういったジャンルであろうかということも、それもひっくるめて何らかの活動をできるような場所が生活圏内にあるかどうか、簡単な割には得られる情報は大きいのではないかと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、藤原忠彦構成員、お願いいたします。
○藤原(忠)構成員 これまでの検討会で、各市町村が介護予防の取り組みがしっかりできるようにということで、評価に係る自治体の事務負担をなるべく軽減していただきたいということを言ってきておりますが、今回示された資料の中では、成果を見る際の着眼点や指標設定に当たっての留意点においてその意見を反映いただいたと思っています。
 資料2の指標設定の考え方の案は、一般介護予防事業評価事業についての指標設定の考え方が示されたものと理解しておりますので、指標の具体化に当たっては、多くの市町村が、これなら介護予防事業評価事業を実施できると思えるようなものにしていただけるようお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 齋藤構成員、お願いします。
○齋藤構成員 ありがとうございます。
 7ページに関連して意見を申し上げたいと思います。7ページの最後に、住民にとって健康増進や介護予防の取り組みの意義がよくわかるようにすることが大事だということが書いてありまして、これは今回の全体の運動を進めるに当たっては一番大事なポイントだろうと思っております。
 高齢者は皆さん、健康で長生きしたいと考えているわけでありますから、住民主体でこれを進めていくのだ、しかも継続性を非常に大事にしたいということになりますと、やはり大きな目標設定、例えば健康寿命が我が町は県内でどれぐらいの状況なのだろうということは大変関心を持つわけであります。
 厚労省の資料で申し上げますと、山梨に追いつけ追い越せというような目標をそれぞれの県が立てるとか、県内においても、今、自分たちのランクはこれぐらいだから、もう少し上に上げようということは、これからの人にとっては非常に大事な要素で、何が自分たちにとって欠けているのかということを気づく非常に大事なポイントではないかなと思います。これは即効性があってことしやったから来年すぐ数値が上がるというものではないので、やはり中長期的な視点に立った指標としては大事な指標ではないかなと感じます。
 一方、そうは言っても、短期的にこの運動がどういうふうに成果を上げていくのかという視点では、先ほど来からお話がありますように、要介護認定率で見るとか、要支援者の改善率という状況を指標として見たいというのも当然だとは思いますけれども、これらを対象にするということは、そんなに幅広い対象者ではなくなって、かなり限定的なところになると思います。
 その上で、参加する側からすると、やらされ感だけがあるような、そういうイメージの運動は恐らく効果にも影響するでしょうし、継続性、長続きという問題にも影響するだろうと思います。この辺は、やる側、進める側にとって、高齢者の心理というもの、高齢者の意欲というものに対して十分配慮をしていただく必要があるなと思います。
 特に、行政で囲い込んで、あなたとあなたが来てこういうふうにするのですということではない、あくまでもこれは住民主体なのだと言えば言うほど、住民との意識の乖離が心配されることでありますので、求めたいものと拙速過ぎるということについては配慮をしていただく必要があるのではないかということを申し上げておきたいと思います。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 それでは、荒井構成員、お願いいたします。
○荒井構成員 ありがとうございます。
 アウトカム指標の測定ですけれども、個人的にはアウトカム指標は原則として国のほうで集める。そして、効率性指標は各市町村で集める。出てきた指標をもとに分析が行われることになるかもしれませんけれども、データをもとに、市町村で高齢化率とかいろいろな状況が違うと思いますので、ディスカッションを通して指導していく立場が都道府県というようなたてつけで考えていけばと思っていますけれども、いかがでしょうか。
○遠藤座長 事務局のコメントをお願いいたします。
○眞鍋老人保健課長 老人保健課長でございます。
 そういうことも含めて御議論いただきたいと思っておりまして、私ども、今、必ずここでこうするというふうな原案を持って決めているものではございません。今、御議論いただければと思っております。
○遠藤座長 荒井構成員、よろしいですか。
 ほかにいかがですか。
 それでは、小玉構成員、お願いいたします。
○小玉構成員 ありがとうございます。
 成果を見る際の着眼点で、5ページ目の一番下の指標例というのは、今もいろいろお話をいただいたと思いますけれども、特に健康寿命の延伸、通いの場の参加率の増加。その前段に、現在の住民の皆さんが自分たちでやっている健康づくりの活動が幾つかあると思います。運動だったり、栄養だったりということがあると思うのですけれども、そういった事柄も指標として取り入れていただくと、住民が主体的にそういった活動をこれからどうつなげようかということにもなると思います。今、齋藤構成員もお話しされましたけれども、7ページの一番下のところに、みずからの取り組み、今自分たちがやっていること、それから介護予防の保健事業について、以下を含めて、流れに沿って、ああやろう、こうやろうと、主体的な活動の目標値というのが出てくると思いますので、そのあたりも踏まえた、住民の意識を高めるという意味でも、そういった点も評価に加えていただくといいのではないかなと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 辻座長代理、お願いいたします。
○辻座長代理 ありがとうございます。
 前回、私は欠席いたしまして、意見書でアウトカム指標について、要介護認定率の推移とか、そういった話を書かせていただいたのですけれども、その後ずっと考えているうちに、なかなか難しいかなと思っているところがございます。要介護認定率をもってアウトカム指標にする場合、介護予防効果と直結して考えられるかというと、もちろんその要素もありますが、もう一つは要介護認定率を規定するのは要介護の原因となる疾患の地域格差でもあり、原因疾患の地域差は生活習慣の地域差や経済的な要因の地域差の影響を受けたり、あるいは文化、風土、そういったところがありますので、そのような様々な要因が全て絡んできて最終的なアウトプットとして要介護認定率が来ますので、その数字が高いとか低いとか、下がったとか上がったという際に、その要因の全てを一般介護予防に帰せることができるかというと、これは難しい訳ですので、少しそこは慎重に考えたほうがいいと思うようになりました。
 さらに、いずれアウトカム評価の結果や指標が市町村に対するインセンティブに絡んできますと、市町村がそのデータに関与できるかできないかということが重要な問題になります。関与できるとはどういうことかというと、こういうことは通常は起こり得ないとは思っているのですが、例えば要介護認定率の高さ・低さでインセンティブ化すると、場合によっては要介護認定の基準が、意識的か無意識かわかりませんが、厳しくなる自治体も出てくるかもしれません。あるいは悪化・改善の度合いで見ると、例えば要支援1、2の方の状態を改善するような対策が必要以上に強化されたり、何か過剰な取り組みがあって対象者が不利益を受けかねないといったことも起こり得るので、市町村が関与できるデータをアウトカム指標にするのはかなり危ういと考えるようになりました。
 そこで、本来のアウトカム指標は何かと言いますと、誰もが生き生きとその人らしく暮らせることが本来のアウトカムだということを前回おっしゃった方がいらっしゃいましたが、まさにそのとおりでありまして、そこのところを、曖昧な提言しかできないのですが、アウトカムとして、ニーズ調査で拾えないか。
 資料の13ページあたりにニーズ調査のことが書いてありますけれども、ここのマル4、「日常生活圏域ニーズ調査等による健康に関連する指標の状況」、この辺を何かできればいいのかなと思っているのですが、アウトカム評価については少し引いたほうがいいのではないかというのが一つ。
 もう一つ、全国の市町村の介護予防の実施状況を見てみますと、かなりばらばらで、かなり考えて実施しているところもあれば、本当になんちゃって介護予防のところも実際にあるわけであります。そこで最終的にはアウトカムまでインセンティブの対象になるとは思うのですが、とりあえずはプロセスとかアウトプット指標を中心に持っていって、まず実施体制などに関して国全体の均てん化を図るという方向でのインセンティブにしていったほうが現時点では望ましいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 では、石田構成員、お願いいたします。
○石田構成員 7ページにあります指標設定の考え方(案)というところですけれども、一番下にあります「住民にとっても、自らの取組が健康増進や介護予防に意義がある」ものでなければならない、これが一番大事なところではないかなと考えます。住民の側からすれば、調査の協力は常にするのですけれども、その調査の結果について、自分にとってそれがどのような結果になったのか、どのようなことに役に立ったか等を確認したいと思うのですね。
 住民にしてみれば、自分の健康とか介護予防については、非常に関心が高いと思われます。自分が実践している健康増進や介護予防のための取り組みの成果が、具体的に数値などによって示されるならば、モチベーションが上がるとともに、正しい理解も進むと思われますので、これの設定を考えていくときに、ぜひその要素を御考慮いただければと思います。よろしくお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。岡島構成員、どうぞ。
○岡島構成員 ありがとうございます。
 7ページに関して意見を述べたいと思います。指標に関してはさまざまな御意見が出ましたけれども、やはりPDCAを回していくためには分析が非常に大事でございますので、冒頭に近藤構成員からもお話がありましたように、データの突合がしやすい環境整備をしっかりしていただくことと、これからの介護予防の進め方は、既存のデータをきちんと統合して、どんな事業を効果的に行うかということを企画することが大事ですので、それが運用しやすい手法をバックアップしていただけるような国の体制をお願いしたいと思います。
 もう一つは、実際に介護予防の取り組みは、自治体の保健師や地域包括支援センターがかかわっているところが大きいのですけれども、特に地域包括支援センターは業務の量がふえていながら、委託型の包括にはお金がふえていないとか、人員配置が全然変わらないという例も聞こえてまいりますので、しっかり事業の中身やボリュームに応じた人材確保についても自治体のほうではお考えいただけるように、そういったことを報告書のほうにも盛り込んでいただきたいと思います。
 また、分析結果についてですが、7ページの最後の行にあるポツですけれども、住民に対するフィードバックはもちろん重要ですが、住民の皆さんだけではなく、高齢者をまちで支えていく医療、介護の専門職であるとか、あるいは企業や商店のような、まちを構成する人たちに、代表者レベルで構いませんので、データの分析をフィードバックしていく必要があるだろうと思うのですね。
 その中から、高齢者だけではできない取り組みを民間企業が応援したり、あるいは専門職がバックアップするということの促進にもつながると思いますので、こういった取り組みも必要ということをつけ加えていただけるとよろしいのではないかと思います。
 以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 お待たせしました。堀田構成員、どうぞ。
○堀田構成員 ありがとうございます。
 留意点のところで幾つか申し上げたいと思います。6ページから7ページにかけてということになると思いますが、プロセスのところに挙げてある行政内、それから地域の多様な主体との連携というのがありますが、特に行政内に関しては、先ほども高齢者の孤立の予防というお話もありましたけれども、一方で、事例で出されていた新潟の「地域の茶の間」とかは、全ての人に開かれているということもあって、全ての人たちの孤立の予防につながるということで、結果的にそういう場の設定が高齢者にとっても役割を見つけるということにつながることかもしれないというところからすると、福祉の部署もですし、それから市民協働とか、先ほども若いころからというお話がありましたけれども、教育とか、生涯教育、産業振興の部署といったところと具体的な連携をどうやって図るのかなと思ったのですけれども、比較的全世代に開いていくということですとか、それから主体についても、豊明の例もありましたけれども、産業振興的な意味合いというところも踏まえた形で指標を設定していただけるといいのではないかと思いますというのが1点目。
 2つ目が、就労を含めた社会参加の促進というのがありまして、これは先ほど近藤尚己委員もおっしゃっていたことで、気をつけていただきたいと思うのが、今も認知症のある方の100人インタビューを続けているところですけれども、できれば、いわゆる生きがい就労ではなくて、もともとの企業で働き続けたいという思いを強く持っていらっしゃる方が多くおられて、それが何らかの難しさを言うと、障害者の雇用になって、そして障害者の就労支援に切りかわって、年齢が来ると介護に誘導されてしまう。それに決して御本人たちが満足しているわけではないですし、そういった流れを強めてしまわないように留意をいただくことが必要かなと思います。
 3つ目は、ほぼつぶやき的な感じですけれども、既に前回までに健康寿命の延伸ということをアウトカムとして設定することの疑問は、委員の皆さんからも挙がっているようなのですが、他方で何らか入れないといけないということなのだろうなとも思いつつ、このアウトカム指標が本当に最終的に人々の生きがいとか、「活動的で」というのは別になくてもいいのではないかと思うのですけれども、それなりに納得して暮らしていけるというところに資することにつながるのだろうかという視点は極めて重要ではないかと思います。
 これも、認知症の例で恐縮ですけれども、イギリスで認知症の診断を受けてからずっと、1,000人規模で本人と家族を追跡していくという、億単位のお金を投じている調査があるのですけれども、結果的に認知症になった後も、それなりに納得して「Living well with dementia」というような感覚を持っているかどうかということに影響を及ぼしているのは、5つぐらいの領域を仮説で置いているのですけれども、まあいいかと思えるようなもともとの本人のキャラクターみたいなところが独立して影響を及ぼしている、今のところそれだと言われていて、もちろんつながりとか何とかもいっぱい入っているのですけれども、確かに健康寿命、自立して暮らせる、心身ともに自立ということを延ばしていこうということももちろん結構なのですけれども、それなりによぼよぼになってもまあいいかと思えるような意識が広がっていくということにつながるような、何かを残せないのかしらということをずっと気になりながらこの議論を見ていたという感じです。
 最後のはコメント的ですけれども、以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 ほかにいかがでございましょうか。江澤構成員、どうぞ。
○江澤構成員 ありがとうございます。
 先ほども同様の意見が出ていますけれども、市町村の現場に余り過度な負担がかかっても余りうまくいかないだろうと思いますので、市町村はデータを提出して、ぜひ国のほうでシンクタンク等で分析をしていただいて、そして市町村のほうにまたフィードバックしていただくということをお願いしたいと思います。
 それから、そもそもそういった内容について、どういった取り組みをしたらどういう効果になるのかというものがわかるようにお示しいただければありがたいと思います。
 統計学的に有意差等が検証できるものについては、いつもよく出る資料ではその辺の有意差とかが出ていないので、我々もこれをやって効果があるのかどうか、要介護認定率が下がったとか、わずかなポイントでいろいろな議論がなされている中で、そこは科学的に検証ができるようにしていただきたいと思います。
 そういった中で、人は当然、年とともに老いるものでございますので、老いによる虚弱に何が有効なのかという視点が一つと、先ほど堀田構成員もおっしゃいましたが、たとえ要支援、要介護になってもどう生き生きと暮らせるのか。御本人が、恐らく人生の最後まで誰もが少しでも自分らしくありたいと思うのは共通の願いだと思いますので、そういった視点をぜひ検討していだたきたいと思っております。
 続きまして、アウトカム評価がきょうの参考資料の13ページ、15ページあたりに出ておりますけれども、そもそも介護予防に集う、通いの場に参加する人の目標値が1割未満であるのに対して住民全体の指標である要介護認定等を物差しとするのは、当然乖離をしておりますので、要は参加した人がどうであったのかということを追わないとPDCAはとても回せなくて、ほんの一部の人しか参加していないのに住民全体の物差しを使うというのはなかなか難しいのではないかと思っております。
 最後に、要支援、要介護の原因の多くは生活習慣病となると、20代、30代の若年者からの生活習慣に起因していますから、市町村においても、担当課がいろいろ異なると思いますけれども、ぜひそのあたりの介入をお願いしたい。特に医学的に効果があるものとか、医学的に落とし込めるものとかはぜひ落とし込んでいただいて、先日も、私が長年見ている高齢者の男性の患者さんが典型的なフレイルに陥りましたけれども、ちゃんとフレイルの対策プログラムをしましたら、見違えるように前回の外来で来ておられて、やはりフレイルみたいなものは可逆性がありますし、そういった意義あるものをぜひお願いしたいと思っております。
 ですから、例えば通いの場に、前も申しましたけれども、血圧計があったり、体重計があったり、あるいは検尿のテステープといって試験紙だけで見るものとか、要はそういったもので話の輪が広がって、本人の生活様式、行動が変わるとか、そういったことも期待できるかもしれませんし、いろいろな意味で意義のあることを落とし込んでいただきたい。
 そのためには、市町村が、今回のフレイルの一体的な対策もそうですが、我々地区医師会等の関係団体あるいは専門職と企画・立案段階からぜひ一緒に相談をしていただいて、より有意義な取り組みをお願いしたいと思っております。
 以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、近藤尚己構成員、お願いいたします。
○近藤(尚)構成員 3点ほどあります。1つは、PDCAを回す支援を誰が行うかについて、国で総括的な評価を、そして都道府県等が具体的な支援をというお話が今出ていましたけれども、最近の経験から、都道府県レベルでも、都道府県の本庁がやるだけだと、なかなかきめ細かいことができないのではないかと感じております。例えば、これも県の機関ではありますが、保健所の活用が大事だと個人的には思っています。
 背景を申し上げますと、私たちは近藤克則教授を代表にしている日本老年学的評価研究という研究をしています。参加している32自治体に、研究班では地域包括ケア見える化システムのような、見える化したデータを一括して自治体に配っています。地域診断書のようなものです。だけど、ほとんどの自治体がそれを活用することができていません。つまり、見える化データを渡すだけではなかなか活用してくれないのです。そこで、半分の16の自治体に研究者が張りついて、年3回ぐらい、どうですか?と様子を聞いたり、アドバイスをしたりと、コーチング的な支援を行いました。
 その結果、支援した自治体の男性の高齢者の地域活動参加が統計的に有意にふえたという結果が出まして、先週、論文としてアクセプトされたのですけれども、やはり見える化して渡すだけではなくて、そのデータをどう活用しようかということを一緒に考えてくれるような支援者が必要なのだと感じています。小さな県だったら県の支援でも十分いきわたるかもしれないのですが、一般的には、県の担当者よりもうちょっと身近な支援者がいるといいだろう。恐らく、地域保健法的に言えば、それは保健所であろうし、あるいは地域振興局とか、あとはそういった自治体支援ができるコンサル事業者、そういったところがかかわってくると思います。
 そういう意味で、保健所の機能強化というところの議論とあわせて、PDCAを回す支援の議論をしていただくといいのではないかと思っております。
 もう一つ、指標のアップデートについてですが、これはぜひインセンティブ交付金の指標を活用していくことが大事だと思っています。活用法の一つに、どの項目で評価した取り組みが実際に効果が高いのかを明らかにするような研究を進めていくことが大事だと思います。
 今、交付金のシステムができたことの一つの大きな利点は、それによって自治体の活動がデータで見える化したということですね。そうすると、そのデータを使って、どのスコアがいい自治体で実際に介護予防が進んだのかということを客観的に評価することができます。そういった研究をぜひ推進していただくことで、よりよい指標づくりのPDCAが回せるのではないかと思っております。
 もう一つ、連携の部分を強化する、多様な連携が大事だと出ていますけれども、恐らくそれだけだと自治体としてはどこと連携したらいいのですかというふうになってしまいますので、重要な連携先は幾つか指定して、ここと連携しているかというところを具体的に評価するということも大切かと思っております。
 先ほど、辻構成員から出たアウトリーチに関して言いますと、例えば自治体の福祉事務所は生活保護や生活困窮世帯への支援を担当しており、今、生活保護受給者の健康管理支援事業というのも始まっています。そういうところもありますので、福祉事務所というのは一つ連携先としてこれから重要になってくるのではないかと思います。健康格差の縮小の視点からも大切なことだと思っています。
 もう一つ、先ほど社会的処方の話がありましたけれども、医療機関や地域の医師会、かかりつけ医を取りまとめているようなところとの連携もとても大切になってくると思います。社会的処方で最も必要としている人は、生活困窮している患者さんですので、そこがアウトリーチの視点とそごはないと思っております。
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。近藤克則構成員、お願いします。
○近藤(克)構成員 3点述べたいと思います。
 まず、先ほど、例えば医療費へのインパクトなんかも評価できないのかというお話がありました。私たちそれをぜひやりたいと思ってチャレンジしているのですが、データ突合ができない状況から、進まないという現実があります。そこの条件整備をぜひ厚労省のほうでやっていただけないかと思います。
 それはKDBでできるはずだとおっしゃる方は多いのですけれども、KDBの中には要介護認定を受けていない高齢者のデータは登録されていません。そうすると、介護予防の対象者というのは認定を受けていない人なので、その人たちの医療費がわからないという構造になります。それでちっとも進まないという現実があります。
 ですから、もしKDBでやるというのであれば、KDBのほうに認定を受けていない人のデータものせるような構造から変えることが必要です。KDBは国保中央会の仕事だからできないとなるのであれば、介護保険の総合データベースのほうに医療費データも格納するような整備をしていただかないと、これはみんなが知りたいと思いながらも進まない。そういうデータの制約があるということを知って変えていただきたいというのが1点です。
 2点目が、私の問題意識として、今後、高齢者がふえるのは都市部なので都市部でどうやって進めるのかということをもう少し知恵をみんなで寄せる必要があるのではないかなと思っています。
 幾つかの政令指定都市に御協力いただいて調べてみると、実はサロンに行っている人よりはゴルフクラブに行っている人のほうが多い。全国データを見ると男性の11%の方がゴルフに行っているとお答えになって、都市部になると2割近いところもあったりした。経済的に余裕のある方が多いのかもしれませんけれども、そういう現実があります。そうしたら、そういうところに行きたいという人にはどんどん身銭を切って行っていただくような支援策というのは、マスで考えると大事なのではないかと思います。
 調べてみると、通いの場に行く人たちとちょっと背景が違うということもありますので、通いの場は通いの場でとても大事です。けれども、多様な出かける先というか、参加先というのを総合的に捉えるというような視点でやっていくことが必要ではないかと思います。
 そういう意味で、通いの場の参加率というのは一つの指標としてはもちろん市町村独自の努力を測る指標という意味で大事だと思うのですけれども、特に都市部においては、どこにも行っていない人の率、不参加率みたいな、ひっくり返した指標のほうが良いかも知れない。どこにも行っていない人を減らすために、通いの場もふやすし、一方で例えばゴルフを初めいろいろなところに行きやすくするような環境整備をしていく。それを市町村が頑張るという見方もあるのではないかなと思います。
 ゴルフのような民間事業者が提供するサービスへの参加者を増やすことを進めていく、市町村が取り組める手だてをふやすという意味では、今、政府のほうでもソーシャル・インパクト・ボンドなんかを取り上げています。もう少し広い概念で言うと、社会インパクト投資というような、実際に介護給付費を減らすことに貢献した企業には少しフィードバックしてもいいというような、そんなことができる仕組みをつくっていただけると、都市部では保険者ができることが広がって、いろいろやりやすくなるのではないかなということも、PDCAを特に都市部で有効に回す上でぜひ御検討いただきたいと思います。
 3点目が、きょうもいっぱいお話がありましたけれども、エビデンスに基づいて進めていただきたいなと。私たちも、もっとやりたいと思っていますのでぜひそれをより強めていただきたいと思います。
 一例を加えると、参加率でいっても、調査そのものの回収率が違うと、参加率の数字は分母が変わるので動いてしまうのです。前回の第7期にやったニーズ調査、数十の自治体からデータを御提供いただいて分析してみたら、ただ調査票を送って回収したところに比べると、まだ返送していただけていない方はぜひ御返送くださいという、いわゆる督促をやっているところでは回収率がざっと10%高いという結果が出ています。
 こんなのは調べればわかることですので、そういうエビデンスに基づいて実施の手引に、こういうことがわかっているので、全国同じようにやったほうがいいですよということを示したりする。何でそんな指標を見るのだと言われたら、この指標が高いところは認定率が低いという関連を示す、データがあるからですと。そんなキャッチボールを市町村としながら全国の底上げをできるような仕組みをぜひ研究班を組織する等をしていただいて進めていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょうか。山田構成員、お願いします。
○山田構成員 私のほうからも3点ございます。
 1点目が、藤原構成員のほうからも御発言がございましたけれども、22ページにあるニーズ調査の項目になります。現状のものでも、例えばぜひ参加したい、参加してもよいというふうな参加の意思を問うような設問が準備されているのですけれども、過去に、例えばこういう社会参加、こういった資源というかグループに対して、知っているけれども、参加していないとか、知らないけれども、そういったものがあるのだったら参加してみたいというふうな回答欄を設けて調査をすると、ある程度の割合で、知っているけれども、参加したくない、または知らないけれども、そういったものがあるのだったら参加してみたいという方が10%、20%の割合で存在するということがわかっておりますので、例えば先ほど来議論がありましたように、アウトリーチ等を考えていく上では、知らないのか、知っているのかというものを問うというのも大事なのかなと思って聞いておりました。
 それにも少し関連しますけれども、7ページにあります住民にとってわかりやすい指標、またはちゃんとフィードバックしていくことが必要ということですけれども、例えば私が少しかかわらせていただいている自治体なんかでは、通いの場の効果であったり、介護予防事業の効果というものを住民にしっかり伝えなければいけないということで、例えばポスティングのようなものを使ったチラシの配布や新聞折り込みなんかで、そういった効果を示すようなチラシ、またはその裏面には通いの場への参加を促すような資料なんかを掲示したものを配布したりすると、住民の方々からの満足度が上がるとともに、通いの場への参加率も上がってくるということもわかっておりますので、いろいろな形で住民に周知していくということが大切なのではないかと思っております。
 最後に、プロセス指標についてのところですけれども、前回の議論の中でも発言させていただいたのですが、私の個人的な意見としては延べ参加率というのは非常に重要になってくるのではないかと思っております。やはり、住民の負担、各自治体の担当者の負担等を考えていくと、個別でデータをどんどん集めていくというよりは、ざっとこのグループに何名参加していたかというふうな延べ人数で構わないので調査していくということも、今後必要になってくるのではないかなと思っておりますので、再度、発言させていただきました。
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 それでは、濵田構成員、どうぞ。
○濵田構成員 ありがとうございます。
 同じく7ページの上から4つ目のところで、評価を行うことで過度の負担にならないようにということでございますけれども、やはり全国統一した評価項目の様式がコアにあって、最初にそういうものが出てまいりませんで、各地域、自治体ごとに別々にしまいますと、データ連結ができなくなりますので、恐らくはそうお考えだと思うのですが、コアとなる評価項目ないしは評価票のようなものは全国一律でおつくりいただきまして、さらに、それ以外の例えば医療費でありますとか、場合によりますと世帯構成とか、いろいろ追加的に効果の評価にかかわるものがあれば、第2段階、第3段階で、さらに参加者の方の同意が得られるようなものであれば、そういうものを追加的につくれるような設計にしておいていただきますと、全国一律で使いやすいのではないかなと。また、後でデータ連結する際に結びやすいのではないかと思っております。
 もう一つは、先ほど来出ておりますが、個人情報の利用というところでなかなか踏み出せないということもありますので、あわせまして、これも最近、金融機関で取引する際でもよく個人情報同意書に署名をしなければならなかったりいたしますが、そういうふうな同意書、承諾書のようなものまでセットされていれば、もちろん活用するしないはそれぞれの自治体の御判断かと思っておりますが、例えば最終的に個人に情報を返す際、あるいは追いかける際でも活用しやすくなるのではないかと思っております。
 以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 ほかに何かございますか。それでは、藤原佳典構成員。
○藤原(佳)構成員 ちょっとつけ加えてコメントさせていただきたいと思います。
 先ほどから、プロセス指標のところなんかで各部署との連携というのが多々議論されてきたと思いますけれども、先ほど、近藤尚己構成員の重みづけをしたほうがいいのではないかという御意見は私ももっともだと思います。
 そのときに、パートナーとして優先順位を最も高く設定すべきなのが、自治体の健康増進、健康づくりの部局だと思います。こちらは、それこそ保健師さんとか栄養士さん等専門職も比較的潤沢に配置されているところも多いですし、住民の健康課題というのも、65歳前後、その時点で既に生活習慣病等の影響で、生活機能、心身機能が落ちている方というのも、我々の調査でも約6%はもう既に65歳の時点でスタートラインからかなり低下していらっしゃいます。そういったことに関して、成人保健の部門と連携する必要もあるでしょうし、ボランティア人材のバンクといいますか、人材の提供元という点を考えましても、これから介護予防の支援者となるのは、中高年世代からであり50代、60代の方々を巻き込んでいく必要があります。そういう人材を一番カバーされているのも健康づくりの部局ですので、そちらとは密にタイアップする必要があるでしょう。
 私は、この1~2年間、厚労科研で健康増進部局あるいは保健センターが中心で部局内外と連携して地域づくりをしている全国の好事例を集めて吟味しているのですけれども、地域包括ケアの一つの名脇役として健康増進の部局とか保健センターが機能している事例は、全体的にうまくいっていると理解しております。
 恐らく、中高年層というのは、全ての世代を結ぶサンドイッチ世代でもありますし、そういったライフコース上、高齢期につながる健康課題も共有します。ですので、健康増進の部局との連携の優先順位をかなり高くしていくということも大事なのではないかと思っております。
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、荒井構成員、お願いします。
○荒井構成員 アウトカム指標についていろいろと議論がありましたけれども、確かに10%未満の参加率の事業を介護認定率等で評価するのは、もちろん科学的には難しいと思いますけれども、ほかの指標があるかということになりますと、例えば先ほど出ているようなニーズ調査にしても、これも悉皆かどうかでかなり意味合いが変わってきますし、もし参加者にアンケートをとるという形にしますと、市町村に負担がかかるという問題が出てくるので、その辺をどう考えるかというのは非常に大きな問題で、個人的には全体の指標を使うしかないかなと思っています。
 この介護予防事業が、もちろんそれだけではなくて、医師会や保健所、そしてほかの介護予防にかかわる活動を含めた活動に対するアウトカムという形で評価せざるを得ないのかなというのが個人的な意見です。
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、大体予定していた時間になりましたので、議題2につきましてもこれぐらいにさせていただきたいと思います。積極的な御提案、御発言、ありがとうございました。
 事務局におかれましては、ただいまいただきました御意見を踏まえて、指標の具体化を進めていただきたいと思います。その上で、次回、また議論をしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次回の日程等について、事務局から何かありますか。
○北原介護保険データ分析室長 次回は10月3日木曜日の15時から17時を予定しております。詳細は追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いします。
○遠藤座長 それでは、本日の検討会はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。
 
                                              (了)