2019年9月17日 第22回中央訓練協議会議事録

人材開発統括官付訓練企画室

日時

令和元年9月17日(火) 15:00~17:00

場所

中央合同庁舎5号館3階 共用第6会議室

議題

(1)令和2年度ハロートレーニング(公的職業訓練)に係る概算要求について【報告】
(2)令和2年度全国職業訓練実施計画の策定方針について
(3)その他

議事

 

○今野浩一郎名誉教授(学習院大) 定刻になりましたので「第22回中央訓練協議会」を開催いたします。
本日、お集まりの方々の御紹介については、お手元に座席表と参考資料1として出席者名簿がありますので、それを御覧いただきたいと思います。今回から1名構成員の変更がございました。一般社団法人日本経済団体連合会より正木労働政策本部長が就任をされます。よろしくお願いします。なお、日本労働組合総連合会の村上委員の代理として、雇用対策局の鈴木部長に、京都府の鈴木商工労働観光部長の代理として、河島商工労働観光部副部長に御出席いただいています。
また、事務局については人事異動がありました。新たに定塚人材開発統括官、井内審議官、河野人材開発総務担当参事官、前田政策企画室長、佐藤訓練企画室長、吉岡特別支援室長、職業安定局に岸本審議官、岩野訓練受講者支援室長がそれぞれ就任をしておりますので、御紹介させていただきます。よろしくお願いします。
まず、定塚統括官より御挨拶を頂きたいと思います。
○定塚人材開発統括官 今御紹介いただきましたとおり、本年7月9日付けで人材開発統括官に就任させていただきました定塚でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日はまだお暑い中、委員の皆様にはお集まりいただきましてありがとうございました。
議事に入る前に私から一言、最近の状況の御紹介ということで一つ御案内申し上げたいと思います。現在、政府を挙げて取り組む重要課題といたしまして、御承知のとおり就職氷河期世代の支援がございます。この支援は、政府内で厚生労働省だけではなく他省庁にも関わるということで、内閣官房に総本部を置きまして、また厚生労働省内も各局連携をして取組を進めているというものでございます。
御承知のとおり、就職氷河期世代は現在30代から40代半ばに至っておりまして、これまで様々な施策がこの世代には講じられてきたところでございます。それにもかかわらず、現在でも希望する就職ができない、あるいは不本意ながら不安定な仕事に就いている、無業の状態やひきこもりの方もいらっしゃると、様々な状況でございます。こうした様々な状況の方々がいらっしゃいますので、個々人のニーズを踏まえながら、どういった支援ができるのかを政府としても考えまして、就職氷河期の対策支援プランを作り、さらに各省庁が連携をして、就職氷河期世代支援のプログラムが先の骨太の方針に盛り込まれたという経緯でございます。3年間で集中的に各地域ごとに対象者を把握して取り組むということを、各方面にお願いしているところでございます。
主な対策としては、今申し上げたように地域ごとの取組ということで地域ごとにプラットフォームを作り関係者の皆様に入っていただく、正に今日お集まりの方々の地方機関も関わってくるかと思います。そういったプラットフォームを作り、各地域の支援者の状況を把握した上で地域一体となった取組を進めていく。支援の対象となる全ての人に、それぞれの状況に応じて手が届くようにということで体制を作っていただき、各地の経済界、産業界、あるいは労働組合の方々とも連携をして出口、就職ができる方は出口一体型の支援をしていく。また、ひきこもりの方については、まずは社会参加ということを進めていくというような支援を進めていくことにしているところです。
ハロートレーニングに関連する取組も幾つかございます。例えば御紹介しますと、対策の1つとしては、求職者支援訓練につきまして、就職氷河期を含めた安定就労を目指す方々が、個々人の状況に応じて安定的な就労に就けるようにということで、要件の緩和ということを今回、予算要求の中に盛り込ませていただいているといったようなところがあります。本日のこの協議会におきまして、こうした支援も含め様々な指摘を踏まえながら令和2年度概算要求、あるいは令和2年度に向けたハロートレーニングの訓練規模、目標値などについて、御議論を頂きたいと考えております。
また、今日の協議会が終了しますと、御承知かと思いますけれども、各都道府県の地域訓練協議会において、それぞれのニーズを踏まえた訓練計画の策定、ハロートレーニングの総合的かつ効果的な運営の在り方について、御議論いただくということとなっているところです。本日、各委員皆様の活発な御意見を賜れればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○今野浩一郎名誉教授 ありがとうございました。議事に入る前に、この協議会も遂にペーパーレス化になりました。まず、そのためにタブレットの使い方について説明をしていただきたいと思います。今回は紙も一緒にありますけれども、もしかしたら次回以降は紙はなくなるかもしれませんので、タブレットの使い方について説明をしていただければと思います。よろしくお願いします。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 私から、タブレットの使い方につきまして簡単に御説明させていただきたいと思います。皆様の前の方にタブレットを置かせていただいております。今、恐らくマイプライベートファイルという所にファイルがたくさん並んでいる状態かと思います。その1つを触っていただきますと、そのファイルが開くということになります。開いていただきまして、拡大したい場合は2本の指で開いていただければ拡大しますし、縮小したい場合は2本の指で縮めていただければ縮小するというようになっております。元に戻りたいときは、左上のマイプライベートファイルという所をもう一度押していただきますと、元の資料一覧に戻りますので、そこでまた次の違ったファイルを開けていただくという形になろうかと思います。何か不明な点がございましたら、途中でも手を挙げていただければ事務局の者がお近くに参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上です。
○今野浩一郎名誉教授 よろしいですか。使い方はOKですね。それでは議事に入りたいと思います。お手元にある議事次第に従っていきたいと思います。まず最初、令和2年度のハロートレーニングに係る概算要求についてです。佐藤さん、お願いします。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 私から資料1につきまして御説明をさせていただきたいと思います。タブレットの方は資料1のファイルをお開けいただければと思います。資料1の1、2ページ目にございますけれども、令和2年度の概算要求につきましては、公共職業訓練と障害者訓練と求職者支援訓練と、大きく3つに分かれております。まず公共職業訓練ですけれども、来年度の訓練規模は、一番上の段の右側にありますとおり32.6万人ということで、今年度の32.9万人と比べて約3,000人、正確に言うと2,500人ほど減少をしております。内訳ですが、この中に離職者と在職者と学卒者とありますけれども、在職者と学卒者は今年度と同規模、離職者については雇用情勢の状況なども踏まえ、委託訓練につきましては約2,000人ほど減少、施設内訓練につきましても約500人ほどの減少ということで、全体として2,500人ほどの減少ということになっております。
一方、その隣にまいりまして、要求枠のほうは訓練規模が減っている割に増えておりますけれども、幾つか要因がございます。まずは公共職業訓練の中の学卒者訓練の中で、授業料減免制度が来年から大学や専門学校などで始まりますけれども、訓練校におきましても同様に授業料減免制度を行うということで、若干増額がございます。それから、離職者訓練の中の委託訓練でございますが、ここは数としては減っているのですが、今後の訓練ニーズといたしまして、比較的期間の長い訓練のニーズが高くなっていくだろうということで、訓練期間の長いものが増えたということより、数は減りましたが要求額が増えるということになっております。
続きまして障害者訓練でございます。こちらは訓練規模は今年度と同規模、予算要求額が若干増えております。これは後ほど御説明いたしますけれども、障害者の一般校での受入れにつきましてモデル事業が終わり、来年度からある程度全国的に展開をしようということが増要因としてございます。あと、都道府県の非常勤の方々の手当の関係でちょっと増額しているというところがございます。次、2ページ目です。在職者訓練につきましては今年度と同規模です。あと、求職者支援訓練につきましては、こちらも雇用情勢の状況などを踏まえまして、約2,000人ほど訓練規模が減っておりまして、金額についてもそれと同じ割合減っているという状況になっております。
幾つか新しいものについて、詳しく御説明させていただきたいと思います。3ページ目を御覧いただけますでしょうか。先ほど申し上げました、職業能力開発大学校等における授業料等減免制度についてという資料です。先ほども申し上げましたとおり、文科省におきまして、来年度から大学や専門学校等について授業料減免制度が始まります。訓練校におきましても、学卒者訓練につきましてはこれと同様の対応を取る必要があるということで、この授業料減免に係る予算につきまして、新たに要求をさせていただいているというところです。真ん中辺りの授業料・入学金の減免という所に書いてありますが、2種類ございます。まず国が設置しております機構、JEEDがやっております職業能力開発大学校・同短期大学校・職業能力開発総合大学校につきましては、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に対する交付金により措置、都道府県が設置しております訓練校につきましては、都道府県に対する交付金により措置ということで、それぞれ要求をさせていただいているというところです。
次の4ページ目です。訓練の中でも在職者訓練におきまして、特に背景の2つ目の○に書いてありますとおり、未来投資会議の中でも70歳までの就業機会の確保に向けて様々な取組を行うとなっている中、我々の中でも65歳超の高齢者の方々が継続雇用されるための支援を何かできないかと、在職者向けの訓練の推進ということで要求させていただいております。下の図にありますけれども、ポリテクセンター(生産性向上人材育成支援センター)というのが置かれておりますが、ここが、同じくJEEDの高齢者部門に置かれております高年齢者雇用アドバイザーと連携いたしまして、正に高齢期、特に65歳超の方々についてのニーズを聞き取った上で必要な訓練を行っていく、というようなことをやりたいと思っております。
続きまして5ページ目、先ほど在職者訓練について御説明をいたしましたが、今度は離職者向けの訓練です。同じく高齢者向けですが、今度は離職者向けの高齢者の訓練がどのようなものが適切かということについてです。これも図の右側のほうにございますが、職業大基盤整備センターという所で実際どのようなカリキュラムがいいかとか、カリキュラムだけではなくて、正に受講促進を図るための効果的な相談の手法や周知・広報の方法など、どうやったら効果的に訓練をできるかを全体として検討してもらうということで、予算要求をしております。
資料1-6を御覧ください。こちらが障害者向けの訓練でございます。上の四角に書いてありますとおり、訓練校には通常の訓練校と障害者向けの訓練校というものがございますけれども、通常の訓練校の中で精神障害者を対象とした訓練科を設置するようなモデル事業を、北海道と福井で行っていただいておりました。これが昨年度と今年度の2年間でございます。これにつきまして一定の知見やノウハウが得られましたので、矢印の所に書いておりますけれども、来年度は9都道府県から各1校を選定いたしまして、正にこれを普及していきたいと考えております。
もう一枚めくっていただき、今度は求職者支援制度、雇用保険の対象にならない方のための制度ですが、求職者支援訓練におけるコース設定の要件緩和ということで挙げさせていただいております。現在、求職者支援制度につきましては、なかなか訓練生が埋まらない、埋まりにくいという課題もございます。その中で、どういうことができるかを検討してきたものです。現在、求職者支援訓練につきましては、まず期間につきまして3月以上から6月以下とされています。次の○、訓練時間につきましては、1日当たり原則5時間以上6時間以下、1月当たり100時間以上が一応基準になっております。
これにつきまして、まず1つ目の訓練期間につきましては、ものによっては2か月で取れるコースもあるということもございますので、実践コースにつきましては3月以上を2月以上とさせていただきたいと考えております。在職中に訓練を受けられる方もいらっしゃるわけですけれども、そういう方々が1日5時間以上だとなかなか受けにくいということもございますので、2つ目といたしましては、1日当たり原則3時間以上6時間以下、1月当たり80時間以上というように要件を緩和したいと考えております。
主な要求事項は以上です。私からの説明は以上です。
○今野浩一郎名誉教授 何か御質問・御意見はございますでしょうか。
○正木義久労働政策本部長(一般社団法人日本経済団体連合会) 高齢者のところの財源はどこから持ってくるような形なのでしょうか。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 雇用保険二事業で考えております。
○正木義久労働政策本部長 二事業であれば、PDCAサイクルをきっちり回していきましょうということで、しっかり見させていただきます。今回はまだ始めるところですけど。どういう目標を考えておられますか。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 すみません、今の時点で目標をどうするかというところまで検討が進んでおりません。これから御相談させていただきながら定めていきたいというように考えております。
○今野浩一郎名誉教授 ほかにいかがですか。
○関口正雄常任理事総務委員長(全国専修学校各種学校総連合会) 1-4と1-5の高齢者のところですが、全体として65歳を超えた高齢者という一括した取扱いということなのですが、大企業に属していた人、中小企業、あるいは65歳時点での能力レベルというのですか、産業分野ごとにあるでしょうけれども、結構大きな違いがあると思うので、そう細かくはできないにせよ、ある種最低限の類型でもいいのですが、その辺の状況のデータを基にして、この計画を精査する観点はいかがなのでしょうか。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 御指摘のとおり、正に高齢期は皆様、相当多様化される状況でございますので、この中で余りこれと決めてそこにはめるというよりは、多様化している状態に対応できるような訓練の在り方とはどのようなものか、その中で特に多いようなものは類型化できたらいいなというように考えております。すみません、直接的なお答えになっているかどうか。
○関口正雄常任理事総務委員長 つまり、アドバイザーが個々の事例で対処するいう話だと思うのですが、それにしても、ある種の仮設的な、つまりアドバイザーの方が想定できるような65歳の人の類型というものが必要ではないかと思います。全くなしで見えた方一人一人の対応からというと、多様過ぎるのではないかと思います。
○今野浩一郎名誉教授 いかがですか。今後検討するかな。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 すみません、御指摘いただきまして。そういう意味では、まだ中身がはっきり固まっていないところもございますので、ただ今の御指摘も踏まえまして、どういうやり方ができるか検討させていただきたいと思います。
○今野浩一郎名誉教授 少なくともこのページは継続雇用なので、同じ会社にずっと勤めるという状況が想定だよね。アドバイザーは個々の企業を回りますので、そこでニーズを取ってどういう訓練をするかは、全部委託になっているのでしょう。委託訓練でいくのでしょう。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 はい、実際のそういう点は、ものづくり系以外は民間の教育訓練機関に委託して実施しています。
○今野浩一郎名誉教授 だから比較的、実施上は柔軟にできるような仕掛けにはなっているということですかね。
○関口正雄常任理事総務委員長 離職のほうもありますよね。
○今野浩一郎名誉教授 離職は別ですけれども。では、次回のこの協議会での回答を楽しみにしているということになりますかね。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 ありがとうございます。
○関口正雄常任理事総務部長 もう一点よろしいですか。今度は資料でいうと就職氷河期の話がありましたよね、1-7ですか。これは御趣旨としては、まずは訓練のところに導入してもらう、来てもらうというか、そういう方向の話が強いのかなと思うのですが、一方で非正規雇用労働者のための長期高度訓練のように、実際にきちんと正社員になって、そこからまたある程度キャリアを積み上げていくためには、やはりしっかりとした期間の学習が必要だという観点も近年強く打ち出されてきていることではあります。様々な氷河期の方たちの中で導入のプロセスを経た後で、本格的に資格であるとか、あるいは長期のスキルを獲得したいという方もおられるのではないかと思います。そういう方のためのその後のというか、そういうようなことの用意というか、あるいは全体的な見取り図として長期高度との関連というようなものもあってもいいのではないかと思います。全体的に導入というか、来てくださいよというところにかなりシフトしているものという気がします。
○今野浩一郎名誉教授 これは求職者支援訓練だから、就職氷河期用ではないでしょう。もっと広い、前からあるものですよね、これは。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 正に御指摘頂きましたとおり、求職者支援制度ですので、氷河期の方だけのものではもちろんない中で、導入のところをもうちょっとできないかというところで、今回入れさせていただいております。先ほどお話がありましたとおり、訓練全体としましては、もっとちゃんとした資格を取りたいというところも一応用意はしているつもりではございます。その中でよりちゃんとした資格を取って、より安定的、より給料の高い仕事に就きたい方にはそういう訓練を受けていただき、その前段階のところにつきまして、もうちょっと入りやすいような仕組みができないかということで、今回こういうことを考えさせていただいているところでございます。
○今野浩一郎名誉教授 現実にはこの前も重要でしょう。この前が大変。少なくとも従来の実績からしたら、ものづくり系でいえば普通の6か月コースとかにちゃんと乗っていただいて、6か月終わった人は大体きちんと就職できる。その訓練に持ってくるのが大変かなと思います、あるいは6か月の訓練がきちんと終わるということが大変と思います。。ほかにいかがでしょうか、どうぞ。
○代理出席河島商工労働観光部副部長(京都府) 資料1-6、一般校における精神障害者の受入れ関係なのですが、障害者の方は、いろいろな理由から一般校では受入れに当たって課題があることは自治体などの訓練校でもよく見られるところで、そういう意味では非常に興味深い取組かなとお聞きしました。
過去2年間の中で、北海道と福井でモデル事業として一定の知見を得られたというお話があったかと思います。それをベースにして強化校を選定してやっていかれる方向性は非常に素晴らしいと思います。これまで得られた知見をどういう形で自治体あるいは訓練校のほうで情報共有をしていただけるのか、その1点をお聞かせください。
○吉岡人材開発統括官付特別支援室長 昨年度、今年度の2か年度で、北海道と福井県の一般校で精神障害者を対象とした訓練科を設置して実施していただいているところでございます。訓練終了後、来年になろうかと思いますが、実施校に来ていただくなりして、取組例などをまとめて、各都道府県に取組事例として周知等をさせていただきたいと思っております。
○代理出席河島商工労働観光部副部長 分かりました。ありがとうございます。
○今野浩一郎名誉教授 ちなみに、一般校と従来の障害者訓練校とのすみ分けというか、分業みたいなものはあるのですか。
○吉岡人材開発統括官付特別支援室長 障害がある方を対象とした障害者職業能力開発校が全国に18校ございます。あとは一般の職業能力開発校で、障害者向けのコースを設置している所も何校かございます。
○今野浩一郎名誉教授 私の言いたいのは、障害の程度や種類によって分業をするとか、そういうことではないのですか。
○吉岡人材開発統括官付特別支援室長 失礼しました。一般校で受け入れが困難な障害の重い方などを障害者校で重点的に受け入れています。
○今野浩一郎名誉教授 なるほど、そういう分業の仕方をするのですね。
○吉岡人材開発統括官付特別支援室長 はい。
○今野浩一郎名誉教授 ほかにいかがでしょうか、どうぞ。
○森信介専務理事(一般社団法人全国産業人能力開発団体連合会) 質問ではなく意見です。まず1点目は、資料1-7で求職者支援訓練におけるコース設定の要件緩和等ということで、今回、訓練期間の下限の緩和ということがありました。これは私ども訓練事業者の声も反映されたものでありますので、私どもにとっては非常に歓迎するものであります。実態としては、特に一例として挙げられているコースは、このコース以外にも実は別のコースをくっ付けたりしまして、いろいろと事業者側としては工夫してやっていたところです。今回、このような形で反映していただいたことを歓迎いたします。それが1点です。
2点目は今後の概算要求全体の話です。今後の訓練規模については、今後の雇用情勢について引き続き注視していただき、考えていただきたいということです。御存じのとおり、8月30日に発表された7月の新規求人倍率は2.34倍ということで、3か月連続で倍率が低下したと、これは金融危機の最中だった2009年以来の出来事だということです。また、失業者の数も1月、3月、5月に前年同月を上回ったということで、これも9年ぶりということでした。昨今、10月からの消費税引上げと先日起こったサウジアラビアの石油施設への攻撃によって原油価格が上昇して、企業業績に大きな影響が今後出てくる可能性がありますので、今後の雇用情勢について引き続き注視をしていただきたいという意見でございます。以上です。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 御指摘ありましたとおり、今後の雇用情勢についてはしっかり注視してまいりたいと考えております。
○今野浩一郎名誉教授 いかがでしょうか。どうぞ。
○杉崎友則産業政策第二部副部長(日本商工会議所) 資料1-7についてですが、見直しの内容の所で、就職氷河期世代を含めた安定就労を目指す方々向けの要件緩和ということですが、先般の閣議決定された骨太方針などでも、この氷河期対策について非常に重要な課題ということで位置付けられております。実際に人手不足業種の中小企業の経営者の方と会話をしていますと、例えば一定期間離職をしていた方であっても、しっかりした職業訓練を受けられて資格取得までつながった方については、戦力としてすぐにでも採用したいという御意見を何人かの経営者の方からも伺っております。そうした意味で、今回のこの要件緩和については、就職氷河期対策としてもそうですし、人手不足対策としても方向性としては非常に理にかなっているものと認識しておりますので、こういった要件緩和ですとか、実践的な訓練を引き続き力を入れて実施していただければと思います。よろしくお願いいたします。
○今野浩一郎名誉教授 ご担当からのコメントはいかがですか。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 御指摘いただきましたとおり、人手不足の業種におきましては、やはりなかなか人材の確保も難しいという状況もありますので、そういうところの人手不足解消に資するような訓練というのも、我々としても頑張って行っていきたいというふうに考えております。
○今野浩一郎名誉教授 ほかにいかがですか。どうぞ。
○河野人材開発統括官付人材開発総務担当参事官 今のお話に関連して補足です。今回の資料にお出ししておりませんが、就職氷河期対策の関連で人材不足、人材ニーズの高い業界団体と連携をして、短期間で資格あるいは技能を習得できるような委託事業も、来年度の概算要求に盛り込んでいるところですので、おっしゃった趣旨も踏まえながら事業を進めてまいりたいと思っております。
○今野浩一郎名誉教授 ありがとうございました。ほかにいかがですか。どうぞ。
○代理出席鈴木雇用対策局部長(日本労働組合総連合会) 御説明ありがとうございました。資料1-5について1点お願いとなります。中高年向けの離職者訓練プログラムの開発について、70歳までの雇用機会の拡充ということで、こういったプログラムを開発されることについては歓迎をしたいところです。一方で、年齢を重ねてから新たなスキルを身に付けるということは、特に高齢者の方になると思いますが、慣れない作業を行うということでもあります。年齢的にも身体的機能が低下する中で、御本人の注意喚起といった点についても、このプログラムの開発段階の中で、御本人が自覚できるようなデータを含めて、そういった視点も持った上で開発をお願いできればと思っております。以上です。
○今野浩一郎名誉教授 ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○堀有喜衣主任研究員(労働政策研究・研修機構) 御説明ありがとうございました。今回、様々なチャレンジングなプログラムが提示されていて、大変結果に期待したいところです。1-5の中高年向けの離職者訓練プログラムということですが、この中高年向けというのは具体的に何歳ぐらいから何歳ぐらいまでのイメージというふうに考えたらよろしいか、教えていただけないでしょうか。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 きっちり年齢を限っているわけではありませんが、中高年という場合には、大体45歳程度を念頭に置いているということかと思っております。
○堀有喜衣主任研究員 これまでも、45歳以上の訓練はされてきたと思いますが。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 もちろんそういう方々の訓練をしておりますが、今回の違うところは、特に高齢期になるためにある程度早くから準備をするということですが、その中でプログラムだけを作ってもなかなか人が集まらないということもありましたので、どうやって人を集めるかというところも含めて、この中で一緒に考えてみようというところと考えております。
○堀有喜衣主任研究員 応募の形式を大きく変えるということでしょうか。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 正にどういう周知の方法をしたら、より人が来てくれるか、こういうことをしたら、もう少し中高年齢者の方が訓練を受ける気になるのではないかとか、そういうことを研究していただきたいと考えているところです。
○堀有喜衣主任研究員 なるほど、どうもありがとうございました。
○今野浩一郎名誉教授 これは、まだ開発段階ということですね。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 すみません、これからです。
○今野浩一郎名誉教授 でも45歳以上というか、45歳から例えば50歳と60歳以上と65歳以上は、多分全然違うな。何か、考えないといけないですね。ほかにいかがですか。よろしいでしょうか。それでは第1番目の議題は、ここまでといたします。
それでは次の議題は、令和2年度全国職業訓練実施計画の策定方針についてです。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 それでは資料2を御覧ください。タブレットの方は一旦戻っていただき、資料2をお開けください。資料2-1ですが、令和2年度、来年度の全国職業訓練実施計画の策定に当たっての方針(案)ということでお示しさせていただきたいと思います。基本的に、昨年度と違うところについて、右側に下線を引き示しているところです。まず公共職業訓練につきましては、対象者数について、今年度は23,500人でしたが、来年度は実績等も踏まえて23,000人としたいと考えております。また委託訓練につきましても、今年度は137,186人であったところを、135,164人とさせていただきたいと考えております。就職率の目標につきまして、施設内80%、委託75%のところにつきましては、引き続き据置きと考えております。資料2-2につきましては、基本的には今年度と同様の内容を考えているところです。
3ページ目は、在職者訓練です。在職者訓練につきましては、今年度66,000人で計画をしておりましたが、来年度も同様の規模で考えたいと思っております。その中で生産性向上訓練につきまして、もう少し数を増やせればと考えております。②の訓練内容の所ですが、ここにつきましても、先ほど御説明申し上げました「65歳超の高齢者の雇用継続支援のための在職者向け訓練コースを開発、実施」というのを付け加えさせていただくことを考えております。3ページの下から学卒が始まりますが、学卒につきましても、まず対象者につきましては5,800人ということで、昨年度と同様の規模で考えております。次のページ、学卒の内容や取組も、基本的には今年度と同様かと思っております。
4ページの真ん中辺りから、障害者訓練です。障害者訓練につきましては、今年度6,780人の規模ですが、来年度は実践コースのところで50人ほど増やして6,830人の規模で考えております。就職率の目標につきましては、現状維持と考えています。②の訓練内容ですが、こちらも先ほど御説明させていただいた一般の職業能力開発校における精神障害者の受入れの普及につきまして、追加をさせていただきたい。昨年度、モデル的に実施と書いておりますが、来年度は「体制整備に努める」と書かせていただきたいと考えております。取組については、昨年度と同様と考えております。
5ページは、求職者支援訓練です。求職者支援訓練の訓練規模ですが、こちらも先ほど予算のところで御説明させていただきましたとおり、今年度は29,964人への機会提供と定員が53,500人ですが、これをそれぞれ28,393人と49,810人と考えております。雇用情勢も踏まえて、若干下がっている状況です。こちらの就職率の目標ですが、雇用保険適用就職率の目標につきまして、実績が相当上がっていることも踏まえ、来年度は基礎コースの目標を58%、実践コースの目標を63%とさせていただきたいと考えております。求職者支援訓練の基礎と実践の割合や実践コースの重点等につきましては、昨年度と同様と考えております。6ページ目の参入の上限や地域ニーズ枠も、基本的には同様かと考えております。⑥のその他で、「新しく就職氷河期世代の者のうち不安定な就労に就いている者や無業者を安定した職業生活に移行させるため、当該者の特性・訓練ニーズに応じた職業訓練の設定に努める」ということを、今回明記させていただきたいと考えております。資料2については以上です。
資料3につきましては、細かな説明は省略いたします。資料2の計画の策定の前提となる平成30年度の実績等についてまとめておりますので、お時間があるときに御覧いただければと思います。
資料4が、平成31年度、今年度の全国職業訓練実施計画の文書そのものですので、こちらもお時間のあるときに御覧いただければ結構かと思います。
資料5が、求職者支援訓練の都道府県ごとの一覧表ですので、それぞれ地元の所を御覧いただければと思います。
資料6では、平成30年度の地域訓練協議会で出された主な意見を1、2ページ目にまとめております。制度の周知について、しっかりアピールしてほしい、ターゲットを絞って対応を考えてみたらどうか、求職者の年齢等を踏まえてという意見があります。それから地域ニーズや事業者のニーズを踏まえた訓練の設定をお願いしたいということと、先ほどお話がありましたが、人材不足分野についても、しっかりと誘導してほしいというような御指摘もありました。
2ページ目です。今度は、受講者側のニーズもうまく踏まえてやってほしいということ。5番の所ですが、なかなか新しく参入していただける実施機関がなくなってきている中で、受講者が集まらないと、ますます訓練を実施していただける機関を集めるのが難しいという状況になっております。総論的な意見につきましては、いずれにしても企業のニーズに合う形での訓練をお願いしたいということと、やはり雇用情勢が悪化したときにどうするかという、先を読んだ計画を見据えておく必要があるのではないか、という御指摘を頂いているところです。地域訓練協議会の主な意見は以上です。
最後に1点だけ、参考資料5です。先ほど求職者支援訓練の中で就職氷河期世代の話が出ておりましたが、一応、就職氷河期プランを作り、就職・正社員化の実現や多様な社会参加の実現というのを目指しているところです。この下の所ですが、正に不安定な就労状態にある方などにつきまして、しっかりと短期間で資格を取っていただき、安定就労をしていただくための施策の1つとして、訓練や求職者支援制度みたいなものを使っていただくということかと思っております。これに関連して、Ⅱの主な取組の方向性という所に、地域ごとのプラットフォームの形成・活用があります。都道府県レベルでプラットフォームを作っていただくということです。本日、資料に付ける時間がありませんでしたが、先週金曜日に、愛知県と熊本県でモデル的にやっていただくということで、プレスリリースさせていただきましたので、併せて御紹介させていただきたいと思っております。私からの説明は以上です。
○今野浩一郎名誉教授 ありがとうございました。それでは御質問、御意見をお願いいたします。どうぞ。
○佐久間一浩事務局次長・労働政策部長(全国中小企業団体中央会) まず資料2-3に、公共職業訓練の「生産性向上人材育成支援センター」の関係があります。JEEDさんには、こちらのセンターを中心に生産性の向上の支援訓練を、非常に重視してやっていただいていると思います。カリキュラムは、6時間以上ということで、中小企業でも非常に使い勝手がいい研修制度だと思っております。実績なども、本当に就職率をはじめとして、受講した後の感想も役に立っているとか、高い評価を得ていると思います。今、例えば最低賃金の関係でも、生産性向上というのが非常に叫ばれているところです。1つはやはり設備資産として物を入れたり、人を入れて、付加価値を増大させていくことが必要だと思いますが、もう1つは、この人材を訓練・育成して生産性向上に向けてやっていく、これを重要視していると思います。
そこの中で、この受講をし、訓練を受けて、なかなかこれは取りにくいところだと思いますが、良かった悪かったというだけではなく、何か生産性が目に見えるというか、何%ぐらい上がるかとか、数値として計ることは事業主のほうの負担にもなってしまうかと思いますが、例えば経常利益で年率1%、また付加価値率ですと3%ぐらいずつ上がっていくとか。又は付加価値額をとりあげ労働生産性なり資本生産性の分母で見ていくと難しいとなると、付加価値額ということで、これだけの企業が上がってきたというのが数字的に出ることで、自分の企業がこれだけ上がるんだということを、計画段階だけではなく実績として何かつかむ方法がないかと。現状実施してるカリキュラムや研修制度がどうのこうのというわけではありませんが、何かそういう実績の取り方というのを1つ御教示いただくとうれしいと思っております。
それから、もう一点ほどお願いしたいと思います。資料3の参考データの実績、例えば資料3-17に認定コース数・中止状況というのがあります。昨年も拝見させていただき、中止のなかで、例えば介護福祉、農林業、旅行・観光が、非常にこの数字から見れば、中止率が高いと思います。どうしても集まらないコースというのはあり、また皆さん方に改編していただいているとは思いますが、全部の都道府県が実施しているわけではないと思いますが、この中止に関して特定の要因があるのか。特定の県が実施が悪い、又はここの県は良い等があれば、教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 すみません。まず1点目の御指摘ですが、やはり今の現状だと役に立った、立っていない、そのぐらいのレベルでしか取れていないのが正直なところかと思っております。御指摘いただいたように、どのぐらいお役に立てたかということを数値化できれば、我々としても有り難いと思っているのですが、正に企業の利益が改善したときに、それのうち訓練が占める割合がどのくらいと考えるかとか、なかなかどうすればうまくいくのかというのは、今すぐ思いつかない状況ではあります。なるべく具体的にするために、どんなことができるかを考えてみたいと思いますので、いろいろ御相談させていただきながら考えていければと思っております。
2点目ですが、求職者支援訓練のコースによっては、確かに非常に中止が多くなっております。具体的に都道府県別、業種別でどんな課題があるかまで個別に課題を分析して解決策を打つというところまで、まだいけていない状況です。今、御指摘いただきましたので、特に悪いところにつきまして、どんな課題があって、地域別にどうなのかも含めて、我々としても検討させていただきたいと考えております。
○佐久間一浩事務局次長・労働政策部長 もし傾向があれば、また教えていただきたいと、感触程度で構いません。ありがとうございます。
○今野浩一郎名誉教授 次回への宿題ですかね。前者は難しいな。
○佐久間一浩事務局次長・労働政策部長 多分、本日も関連の省庁さんがお集まりだと思いますが、事業者もまた労使等も、やはり生産性をどういうふうに上げていくかというのは非常に難しい課題だと思います。何か数字で把握できる、また終わった後に何年間か追っていくというのは非常に難しいと思いますが、やはり人づくりの重要性、そこでどのように上げていくかということも、これから把握していかなければ、生産性ということで言葉だけで終わってしまうのではないかと思います。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 そうですね。我々としても、できればいろいろ把握をしていきたいという気持ちは同じように持っています。ただ機構を御利用いただいている中小企業の方は、なかなか事務的に余り余裕のある方が多くないというのもあり、どこまで資料の提出をお願いできるかというところもありますので、そこら辺を含めてどこまでできるか、我々としても検討したいと考えております。
○今野浩一郎名誉教授 多分、今おっしゃられた意味での効果評価は、資料を頂いても難しいと思います。訓練や教育の評価手法は、今までいろいろと開発されたりトライされたり研究されたりしていますが、今おっしゃられたのは一番最後のアウトプットをベースにした評価ですよね。本当はその前にスキルが上がったとか行動が変わったとか、何段階かの評価があるのですが、その中の一番最後のアウトプットで評価する一番難しい評価ですよね。何か、いいアイディアがあったら教えてください。
だって企業内訓練だってその評価ができていないわけだから。企業内訓練というのは、社内の情報は非常に豊富なはずですが、それでもできていないので、なかなか難しい。だから、そこまでいかなくても0.5歩とか0.2歩とか、それでもいいと思うんですよね、何かいいアイディアがあったら。どうぞ。
○真下和雄求職者支援訓練部長 先ほど佐久間委員が言われましたように、生産性の向上については、そのような評価が大変難しい状況であります。先ほどのお話しにありましたように、アンケートで役に立ったとか大変役に立ったとか、そちらだけなのですが、それ以外で今、このような企業で生産性に役に立った理由など、ホームページに実例は載せているところです。ただ、何パーセント経常利益が上がったとか、そのような実際の数値についてはまだそこまで把握できないということですので、今後厚生労働省とも相談しながら、何かいい案があればという形で検討していきたいと思っているところです。
○今野浩一郎名誉教授 では次回の宿題ですから、佐久間委員、覚えておいてください。ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○森信介専務理事 資料6-2ですが、地域訓練協議会で出された主な意見の5番、訓練実施機関についてということで、新たに参入してくる機関が減っているということであったりとか、手を挙げにくい問題があるということです。私どもの団体は訓練事業者の団体ですので、年に1回、この中央訓練協議会に合わせてアンケートを取っており、職業訓練に関するアンケートで毎年報告させていただいているのですが、何点かあります。まず申請の手続を簡素化していただきたいということと、自治体ごとに申請様式が異なって、広域で展開する所については非常に繁雑だというところが、申請に関する手続についての点です。
2点目は、受講生の確保です。募集機関はハローワークがやられているわけで、説明会でも周知活動は工夫されていると思いますが、職業訓練を周知させるために、ハローワークから職業訓練募集の案内など、メルマガ等を通じて希望者へ送付する仕組みなどが必要ではないかということ、定員に満たない場合、全ての自治体が追加募集を行うようにしてほしいとか、ハローワークによって、積極的に御紹介いただける所とそうでない所との差があるので、成功事例を横展開していただきたいということがありました。
受託金額については、先ほど中止という所がありましたが、入校人数に対して受託金額をお支払いいただきたいという声であったり、出席率を満たさない受講生分の訓練費が支払えないということになっておりますが、そういった受講生ほど出欠管理とか欠席時のフォローであったりとか、現場ではかなり負担が生じていることも配慮いただきたいということ、そういう声があります。
また、最低設定制度というのですか、そういうことも考えていただきたいとか、最低保証制度、経費が必ず掛かりますので、そういったところを見直していただきたいということがありました。あと、就職率の定義の緩和ですが、1か月以上4か月未満の方も就職率をカウントしてほしいということです。働き方の多様化や雇用保険の加入要件が緩和する一方で、それとは反対に、職業訓練の就職率のカウントの要件が年々難しくなっているということで、短期間の雇用、そういったところも考慮していただきたいということ等です。
あとは、ジョブ・カード講習の終了に伴い、就職支援責任者の要件がキャリアコンサルタントに限定されるとしたら非常に難しいと。訓練……けて講師を抱えていますが、受託金額の値上げ等も検討していただけないかという様々な声が届いています。この訓練機関の実施について、こういう意見の背景にある項目についても、様々な情報をきめ細かく把握していただいて、いろいろ検討していただきたいと考えている次第です。以上です。
○今野浩一郎名誉教授 ありがとうございました。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 我々といたしましても、訓練を実施していただける機関がなくなると非常に困りますので、そういう意味でいかにちゃんとやっていただけるかということで、なるべく御意見を伺って、制度を変えられるところは変えていきたいと思っております。
その上で、幾つかお話いただきましたが、例えば申請様式みたいな話は、具体的にまた個別にお話を聞かせていただいて、やれるところがないかは、また検討させていただければと思っております。お金が関係するところはなかなか難しい部分も多いのですが、そうは言いましても、皆様の御意見を踏まえまして、何かできることがないかは考えていきたいと思っております。
○今野浩一郎名誉教授 ほかにないですか。
○正木義久労働政策本部長 昨年、私も千葉のポリテクカレッジを見学させていただいて、これからのジョブ型の社会を展望すると、高校卒業生の方が、例えばポリテクカレッジで専門的な技術を学ぶのは、非常に有意義だと考えております。今回の資料の2-3から2-4にかけての公共職業訓練(学卒者訓練)の所で、定員の充足状況などの低調なものについては、原因の把握、分析をうんぬんという、割と一般的な答えになっています。現場で聞いていて、ああ、そうだなと思ったのは、高校の就職指導の先生にまず見てもらって理解してもらうことが非常に重要だというお話です。結局、選択肢としてこういう機会があるということが学校の先生に伝わっていないと、高校生本人ではなかなか分からないわけす。学校の就職指導の先生方向けのバスツアーなり説明会なりが組織的に全体で行われているのか。あるいは、そういう観点で計画が立てられているのかどうか、その辺りがもし分かれば教えてください。
○佐藤人材開発統括官付訓練企画室長 訓練機関の所で、高校の先生方向けに具体的にどういう周知の仕方をしているかは、こういうやり方でやりなさいという決まった方法があるわけではありませんので、それぞれの機関が恐らく自主的にやられているというのが実態かと思っております。ただ、どこの訓練機関も入校者が少なくて、困っている所も増えてきておりますので、好事例のようなものがありましたら、それを横展開できないかということを考えてまいりたいと思っております。
○正木義久労働政策本部長 先ほどあったように、在職者訓練とか離職者訓練ですと、メルマガの活用など、直接訓練を受ける人にアプローチできるのですが、学卒者の場合は、学校を通じて行うなど、少しアピールする対象も違うと思いますので、工夫していただければと思います。
○関口正雄常任理事総務委員長 今の正木委員の御指摘について一言申し上げたいと思います。分野的に私どもの専修学校専門課程の領域と重なるような所については、いまだに散見される部分もあるので、民業圧迫を避けるということを必ず念頭に置いて、その上での広報をお願いしたいと、一言申し上げておきます。
私から、くどいようですが、参考資料5の就職氷河期世代の資料で、5-2には全体像がありますが、先ほど気にしたのは、果たして2か月とかそういう訓練で、きちんとした就職につながるのかということです。
それは置いておきまして、委員長も御指摘で、私も大変関心があるのは、動機づけの問題です。不安定な就労状態、長期にわたる無業、社会参加に向けた支援が必要と、分けておられるわけですが、具体的にこういう方々に対しても、ある程度これまでの求職者訓練等々で、広報的な案内がかなりなボリュームで発出はされていると思うのです。その上で、具体的にその地域のいろいろな機関を活用した広報と書いてあるのですが、現実的には新しい基軸がないと、動機づけをするのはかなり難しいのではないかという気もするのです。今、出ている以上に、何か決め手となるようなことがありますか。
○定塚人材開発統括官 少々、私から補足的に申し上げさせていただきますが、今、見ていただいている参考資料5で、正に本当に多様な形態の方がいらっしゃるわけです。今、御発言いただいたように、基礎の施策でもいろいろなことをやってきたと。それでもなかなか就職できていない、あるいは非正規のままだという方々が多いのです。ここは正に、主な取組の一番下の行に書いてありますが、対象者の個別に応じたきめ細やかな事業の展開をしていくと。いろいろなメニューがありますので、それを一人一人丁寧に、今、ハローワークの窓口でも就職氷河期の方の窓口を大阪で始めていただいていますが、きめ細かく丁寧にやっていくと。サポステでも丁寧にやっていくと。かつ、一番右のランクの所は、ひきこもりの方ですが、これは福祉分野でまず社会参加、一歩出られるような取組を、それこそアウトリーチでしていくということなので、本当に繰り返し繰り返し、こういうメニューがあるよと言って、そのまま放っておくということではなくて、来ていただいた方に丁寧にやっていくということなのかと。
もう1つは、先ほど申し上げたように、地域ごとのプラットフォーム作りをお願いしたいと思っています。地域の中で、どうもここにはこういう方がいるらしいというのを、ある程度一番左、真ん中、一番右の区分で、うちの県には大体こういう人がこのくらいいそうだということを共有していただき、では、このためには何をしようかを真剣に考えていただく、これを是非お願いしたいと。短期間で、それで効果が上がるとも言えない、確実には言いきれないものですが、少し息の長い取組も含めて関係者と一緒に頑張っていきたいと思っているところです。
○今野浩一郎名誉教授 関口さん、こうやったらうまくいくというのがあったらお願いします。
○関口正雄常任理事総務委員長 隣にも民間訓練事業者の団体の方がいらっしゃいますが、専門学校の場合は、発信という点では、非常に大きなボリュームで、テレビも含めて発信していますので、地域の訓練協議会等々の所で大いに巻き込んでいただいて、発信の上で活用していただけたらいいかと思います。
○今野浩一郎名誉教授 ほかにいかがですか。よろしいですか。今日の議論を踏まえて計画は事務局が作ることになるので、ほかに何かこういう点は注意したほうがいいぞということがあったら言っていただくと、事務局は大変助かると思うのです。よろしいですか。それでは、この議題は終わりにさせていただきます。
最後ですが、その他で事務局から幾つか報告がありますので、お願いします。
○前田人材開発統括官付政策企画室長 それでは、参考資料3と4を御説明させていただきます。タブレットの方は、09という資料番号になります。参考資料3ということで、「職業訓練サービスガイドライン適合事業所認定」に関して、御説明いたします。こちらの4月のプレスリリースを御覧ください。こちらは、民間教育訓練機関の質の向上を図るという観点から、平成30年度より「民間教育訓練機関における職業訓練サービスガイドライン」に基づき、職業訓練の質向上に取り組んでいる訓練機関に対して審査を行い、ガイドラインに適合している事業所を認定しているというところです。この事業に関しましては、本年度が2年目となりますが、認定を受けた事業所が、職業訓練サービスの質の向上に取り組んでいることを広くアピールすることができるように、新たに「ハロトレくん」をモチーフに認定マークを決定したところです。資料の1ページの下のほうの赤と黄色っぽいマークになります。
この施策をより一層推進するために、今年度より教育訓練給付の対象となる教育訓練を実施する事業所についても認定の対象ということで、対象拡大をいたしました。また、ガイドラインについても、より分かりやすくという観点から、一部改正を行っております。厚生労働省といたしましては、認定の普及促進を通じて、より一層、職業訓練の質の向上に取り組んでまいりたいと考えているところです。
今年度の認定の申請の受付ですが、資料の3ページにリーフレットがありますが、8月30日~10月31日までの期間で行っております。詳細については、リーフレットを御覧いただければと思います。
次に、参考資料4を御覧ください。タブレットの方は、ファイルの10番です。昨年度の協議会においても御報告させていただきましたが、昨年9月にAKB48のチーム8の皆さんを「ハロートレーニングアンバサダー」として任命し、ハロートレーニングをはじめとした人材開発施策全体の積極的な広報活動を行っております。基本的に各都道府県から1人ずつメンバーの方が選出されており、地域密着型のチームであること、その発信力をいかして、労働局、都道府県の訓練施設、ポリテクセンターにも御協力いただき、メディアツアーという形でチーム8のメンバーの方が職業訓練の体験をする様子などとともに、施策の情報を発信するといった取組をしております。取組の様子は、各種の地方のメディアに取り上げられており、ハロートレーニングとか訓練施設の認知度の向上とともに、若者や女性の方に対して「技能のかっこよさ」を伝えております。
これまでの活動といたしまして、昨年9月、任命時の大臣表敬に始まり、各都府県でのでのメディアツアー、各種の技能競技大会のステージイベントに出席していただきました。さらに、本年度も5月に岐阜、6月に長崎のイベントに出演していただいたほか、今後も10数件の出演イベントを予定しております。今後も各種のイベントとともに、SNSでの発信とか、PR動画の作成といったことも通じまして、従来の厚生労働省のチャンネルと違った形での広報も図っていきたいと思います。御説明は以上です。
○今野浩一郎名誉教授 ありがとうございました。それでは、何か御質問はありますか。
○森信介専務理事 質問ではないのですが、職業訓練サービスガイドラインの適合事業所認定についてです。私どもは審査認定機関に指名をしていただいて活動をやっているところですが、各事業者ともに様子見の方が非常に多いです。理由としては、取るメリットがまだ取る側になかなかないということと、ガイドラインが余り知られていないということで、引き続きこのガイドラインの名前をどんどんアピールしていただきたいと。先ほどトレーニングのアンバサダーの活動がありましたが、是非、こういった方々にも少しでもガイドラインに触れていただいて、認知度を引き上げていただきたいと。私どもは積極的に認定を取るような会社を増やそうとやっているところですが、なかなか関心はあるけれども、最後、様子見で、背中を押す施策を是非お願いしたいと考えているところです。以上です。
○今野浩一郎名誉教授 何かありますか、こうやって押すぞというのは。
○前田人材開発統括官付政策企画室長 引き続き周知に努めてまいりたいと思いますし、協議会の皆様にも、どういった工夫があり得るかアイディアを頂ければと思います。
○今野浩一郎名誉教授 今、民間教育訓練機関は、どの程度あるのですかね。それほど東京にはないですよね。どの程度あるのですかね。
○関口正雄常任理事総務委員長 専門学校も入りますか。
○今野浩一郎名誉教授 専門学校は学校、別だから。
○関口正雄常任理事総務委員長 ああ、学校以外。
○今野浩一郎名誉教授 はい、学校以外の訓練機関というのはどうでしょうか。
○森信介専務理事 株式会社、私どもの団体としては、年々会員数も減ってきていまして、このような形でガイドラインを取るような形で、少しずつ、もう少し全国の実態というのですかね。各地で説明会なども開いていただいていまして、その説明会ではそれなりの数の会社がお見えになるのですが、今回はそういう意味では各地で説明会をやられて、そこに参加されている方は、少なくとももっといらっしゃいますので、様々そういった実態把握にもつながっているのではないかと思うのですが、もう少し、もう一息ではないかと思うのですが。
○今野浩一郎名誉教授 個人的な実感としては、企業に対する研修のベンダーは山ほどあるよね。それも一応入るわけよね。そうすると、全体が1万社だとすると、10%であれば1,000社ということになるよね。増やしたいときに、1%ぐらいを目標にいきたいとか、5%ぐらいの目標でいきたいとかいうときに全体が分からないと難しいですよね。といって、そんな統計ないよね。
○前田人材開発統括官付政策企画室長 やや不確かで恐縮ですが、2,000という数字は見たことがあります。
○真下和雄求職者支援訓練部長(高齢・障害・求職者雇用支援機構) 規模感の参考ですが、認定を受けた株式会社のコース数は、平成30年度は2,150という数字で出ています。
○今野浩一郎名誉教授 ということは、もっとあるということ。
○真下和雄求職者支援訓練部長 もっとあるということです。
○今野浩一郎名誉教授 山ほどあるんだ、もっと。
○真下和雄求職者支援訓練部長 そうです。
○今野浩一郎名誉教授 ほかにどうですか。よろしいですか。それでは、今日用意した議題はここまでです。先ほど議論していただいた意見を踏まえて、来年度の全国職業訓練実施計画を事務局に作っていただきますので、大いに参考にしていただければと思います。それでは、今日はこれで終わりますが、全体を通して言い残したことがあれば。よろしいですか。それでは、ありがとうございました。終わります。