2019年度第4回化学物質のリスク評価検討会(有害性評価小検討会)議事録

厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

日時

令和元年10月7日(月)13:30~15:30

場所

中央合同庁舎第5号館 仮設第2会議室

議題

  1. リスク評価対象物質の有害性評価について
    1. 1-ナフチル-N-メチルカルバメート(別名カルバリル)
    2. エチリデンノルボルネン
    3. 2,4-ジクロロフェノキシ酢酸
    4. メタクリル酸2,3-エポキシプロピル
    5. ジボラン
    6. 1-ブロモプロパン【ばく露実態調査結果を報告済みのもの】
  2. その他……一次評価値及び二次評価値の考え方について

議事

 
○阿部中央労働衛生専門官 すみません。津田先生がお見えになっておらんのですけれども、定刻になりましたので、2019年度第4回化学物質リスク評価検討会(有害性評価小検討会)を開催させていただければと思います。
本日は、高田先生が御欠席ということです。今、申し上げましたように、津田先生がお見えになっておりませんが、御欠席の御連絡はいただいていなかったと思いますので、おそらく追っつけいらっしゃるのかなというふうに思っております。
そうしましたら、議事進行を座長の大前先生にお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○大前座長 それでは、第4回小検討会、よろしくお願いいたします。
まず最初に、資料の確認を事務局からよろしくお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 委員各位にはタブレットを配付させていただいております。タブレットが何か不調等がございましたら、おっしゃっていただければと思います。また、資料自体はWebのほうにも載せさせていただいております。委員各位への事前展開も遅れてしまってすみませんでした。結構Webの掲載もぎりぎりだったんですけれども、リスク評価書案のうち有害性評価部分を今日は6物質分ということになっております。資料1としましては、1-1から1-5まで、通常の有害性評価のものを5物質分用意してございます。それから、1-ブロモプロパンのリスク評価書案の有害性評価部分があるんですが、この1-ブロモプロパンについては、リスク評価書案以外に資料が幾つか追加でございますので、便宜上、資料2、具体的には資料2-1から2-4までという形で別枠にさせていただいております。……が、内容としましては、こちらも有害性評価をお願いするところについては特段変わりありません。
その他、これが前回の……と言っても有害性評価小検討会の前回ではなくて、直近9月30日に合同の検討会をやらせていただいた際にですが、TLVのCeilingとか、STEL……の話は直接は出ず、主にCeilingの話ではあったわけですが、こういった値をどうやって有害性評価、ひいてはリスク評価の中でどうやって位置づけていくのかというところで、ちょっと議論がございまして。その際に、Ceilingの例として挙がりました物質である2-ブテナールとイソホロンの2物質、こちらを題材に、本日、Ceilingをどうするのか議論にけりをつけられればなと期待しております。これは資料3-1、3-2ということで御参考までにおつけしてございます。内容としては、9月30日開催の合同検討会で使ったものをそのまま流用していますので、御指摘いただいた誤字脱字ですとか、項目の抜けですとかは反映できておらんので、申し訳ございませんがご承知おきください。
その他、最後に参考として幾つかございますけれども、改定を第3回までいろいろやっておりました「リスク評価の手法」を参考の3におつけしているほかは、毎度の開催要項、名簿とリスク評価の実施状況というところになってございます。
以上です。
○大前座長 ありがとうございました。
それでは、今日は原則6物質の一次評価値、二次評価値を最終的に決めるというような予定でございますので、議論をよろしくお願いします。
それでは、最初の物質、1-ナフチル-N-メチルカルバメート、いわゆるカルバリルですね。これにつきまして説明をよろしくお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料1-1を御覧いただければと思います。リスク評価書(案)有害性評価部分ということで、毎度の形式ですけれども、今、お話しいただきました1-ナフチル-N-メチルカルバメート(別名カルバリル)というものでおつけしてございます。
この表紙の別名に関する部分は、以前、別の物質のときに別名を付けたほうがわかりやすいのではないかというお話をいただいたものがあったんですけれども、表題に別名の記述を入れるかどうかについては、ばく露作業報告のときに「(別名○○)」までを告示の名前に使っているかどうかで取扱いを変えている旨のご説明をさせていただいたかと思います。本物質については、この「(別名カルバリル)」までがばく露作業報告の対象になっていたため、その前提で表記を整理させていただいているところでございます。その他にも別名がある物質は当然ございますけれども、表題への記載の有無は、そういった整理に基づいているというところで御理解いただければと思います。
そうしましたら、内容のほうになります。毎度の一次評価値、二次評価値の記載につきましては、260行目以降、一次評価値は261行目、二次評価値は267行目、それぞれに黄色のマーカーをつけさせていただいております。一次評価値につきましては、下のほうに記載がございますけれども、割とこういうケースが多いですね、一次評価値なしという形にさせていただいております。
二次評価値につきましては、ACGIHのTLV-TWA 0.5mg/m3、この値を参考に設定させていただいているところでございます。
このTLV-TWAの根拠につきましては202行目以降にACGIHの値の説明がございます。根拠として長々といろいろ書いてございますけれども、ACGIHの方ではこういった説明があるということです。
津田先生がお見えになりました。
産衛学会は1989年にTLV (TWA)として5mg/m3、「皮」つきで値を設定されておりますけれども、ACGIHのほうの設定は1966年ということで、かなり古いといえば古いんですが、どちらをとるかということで、一旦、ACGIHの値をとっているという状況です。
内容的には差し当たり以上になりますが、その他、以前、主に西川先生から御指摘いただいていた点で、遺伝毒性の項目だったと思うんですが、「生殖細胞変異原性」に係る情報の有無を記載するべきではないかというお話があったかと思います。この点、なにぶん理解が追いついていない部分がございまして、微妙な記述になっておりますが、172行目に、今、「○○」でスペースだけ空けておりますが、後ろの有害性評価書とか総合評価書を見てもあまり手頃な材料がないもので。「なし」なら「なし」と書こうかなと思いつつも、ちょっとためらいを覚えている部分がございまして、「○○」にしてあります。
具体的に何にためらっているかというと、評価書の「遺伝毒性」の記述が783行目、PDFの30ページ目にあるんですが、ここにvitroの試験の話がつらつらと書いてございます。このつらつらと書いてあるところをどう受け止めるべきなのかというところ。
それから、ヒトに関する記述としては、「ヒトへの影響」というところが992行目以降、PDFでいくと38ページにあるんですけれども、ここにも遺伝毒性の記述が一応ございまして。具体的には1079行目以降、PDFでいくと40ページぐらいなんですけれども、カルバリルにばく露した作業者16人において云々といった記述がなされています。この辺り、生殖細胞変異原性の話ではないんだろうなという気もしつつ、どうまとめたものかなということで、一旦「○○」にしてございますが、ここの書きぶりは最終的に先生方に御相談しながら調整させていただくのかなと思っているところです。以上を踏まえまして、一旦、二次評価値については、先ほど申し上げたようにACGIHの値をとっているというところをベースに御検討いただければと思っているところでございます。
以上です。
○大前座長 今の話は、この物質一つじゃなくて、ほかの物質もみんな共通する話なので、ここで決着を先につけちゃいたいと思うんですけども、どのような表現にしましょうか。何もなければ書かないというのもありますし、特に情報がなければ「情報なし」というような形をとるというのもあるでしょうし、必要に応じて書く、書かないでも構わないと思うんです。この点、いかがいたしましょうかね。
○西川委員 この前の話では、生殖細胞変異原性については、生殖毒性のところに書くとなっていたんですけども。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません、書き間違えましたか。
○西川委員 それで、そもそもこういう生殖細胞に関する遺伝毒性、変異原性の試験というのは、あまりないので、一番そのガイドラインを改定する際に申し上げたかったのは、これはあくまでも必須の項目でなくてもいいんではないかという意味から申し上げたんですが、GHSを尊重するということから、その項目を残すということになったので、残すとしたら、に生殖毒性のという、たしか結論だったと思うんです。ただし、生殖細胞に対する変異原性試験だけではなくて、体細胞に対する変異原性もGHSでは考慮するということになっていますので、その辺りをどのように扱うのかと思いますけれども。
○大前座長 生殖細胞変異原性の、今、おっしゃった定義をルールブックのどこかに入れておきますか。これだけぱっと出てきても、うん、と思うんですよね。今、先生がおっしゃったように、生殖細胞変異原性だけを実験しているものはほとんどない。
○西川委員 本当に少ない、ほとんどないですね。
○大前座長 体細胞のほうからどうしても推測するみたいな形になると思うので、体細胞のどこかで見つかったら、一応、ここのところに、ありとするかどうかという、そこら辺もルールブックに記載したほうがいいですよ。そういう意味でも生殖細胞変異原性のGHSの定義といいますか。
○西川委員 GHSは結構きっちり定義があるんですよ。それをそのまま採用する必要はないんですけれども、ある程度参考にして記載すればいいのかなと思います。
○宮川委員 GHSの定義のもとが英文で、日本語の公式版はないので、関係省庁連絡会議仮訳というものがありますから、それをもとに分類JISというものがあって、ほぼ本文のポイントのところはGHSの丸写しなので、場合によってはJISの定義を持ってくるのがよろしいのかなと。JISは今年改定されたばかりの新しいのがありますので、その文言が日本語としては正式なものではないかと思います。
それから、トータルで遺伝毒性なしと判断しているのに、個別のことをぐだぐだ書くのはおかしいと思うので、細かいフレーズ、先ほどの男性の精子の細胞で染色体異常云々というのがありましたけれど、遺伝毒性なしと判断する場合には、特段そういったことを書く必要はない。ここがありの場合については、データとしては体細胞の遺伝毒性試験に基づいて判断をして、どうなのかということを生殖毒性の最後のほうに追加で書く程度でよろしいかと思います。
○大前座長 そのようなことでよろしゅうございますか。
○阿部中央労働衛生専門官 生殖毒性のところに記載するという、書いている場所が間違えているのは直させていただくとして、今、御指摘いただいた生殖細胞変異原性の定義を書きましょうという話については、今、画面上に出させていただいたんですけども、「リスク評価の手法」の、例えば41行目以降に急性毒性や皮膚腐食性・刺激性などに関して記述している箇所がございます。この並びで50行目に生殖細胞変異原性が出てくるんですけれど、ここに各毒性ごとにGHSの定義を書いておきましょうみたいな、そんなようなイメージでよろしかったでしょうか。
○大前座長 これはもう少し生殖毒性のところに書いてありますか。
○阿部中央労働衛生専門官 生殖毒性のところは、あまりちゃんと書いていないですね。項目としては、以前の整理で結果的に分かれているんですけれども。
○大前座長 どうしましょうか。結果的に分かれているんで、多分、ここのところ172行目に、そのまま分けて書いていると思うんですけれども。遺伝毒性のところにやったほうがベターなのか、あるいは、先ほどおっしゃった生殖毒性のところにやったほうがベターなのか。
○阿部中央労働衛生専門官 議事録を改めて拝見しても正直よくわからなくて、最終的にどうも遺伝毒性のほうに書けばよいのかなというふうに見受けられたので、一旦、今回、そこに入れさせていただいたんですが。やはり、生殖毒性のほうに入れるべきということであれば、もちろん、そのように。
○江馬委員 生殖毒性として一般的な項目かどうかでしょう。
○阿部中央労働衛生専門官 議事録ベースですと、今のリスク評価書の様式では、ここの記述が「生殖毒性」か「遺伝毒性」かしか項目立てされてないよねという話になっていて、「生殖細胞変異原性」をそのどちらに含めるんだというと、「生殖毒性」ではないんじゃないかと言ったような流れで。
○江馬委員 生殖毒性のエンドポイントは、もっと具体的なんです。生殖細胞変異原性という変異原性ですよね。何かが想定されると想定されるかもしれないというようなエンドポイントです。まだ生物に実際に影響か出てきたものではないです。あるのかもしれないけど。
○阿部中央労働衛生専門官 多分、そこがまさに私の方で、議事録を改めて見返していてもよくわからなかったところなんですが。前回のご議論ですと、現行のリスク評価書のフォーマットに合わせると、神経毒性なんかは別枠でありますけど、生殖細胞変異原性に関係するものとしては生殖毒性と遺伝毒性という項目があるよねと。じゃあ、この生殖毒性と遺伝毒性とどっちに入れるんだといったら、遺伝毒性の側だみたいな、何となくそういう議論になっていたような雰囲気で受け止めまして。私が勘違いしていたら申し訳ないんですけれども。
○宮川委員 どちらでも書きぶりは近いんだと思うんですけれども。ただ、私の記憶としては西川先生の先ほどの御発言に近くて、生殖毒性の絡みで少しデータがある場合にはというようなことだったように記憶しているんですけど、項目を挙げるときには、今のままで、記述はここに入れると、それで済む話なのかなと。
○大前座長 それは遺伝毒性のところにということですか。場所としては遺伝毒性のところに入れるけれども、この順番ということですね。
○宮川委員 ええ。ですので、最終的評価書の記載では、懸念がある場合は記載するというのでこちら入れてもいいと思いますし、先ほど生殖毒性のエンドポイントとしては、確かに体細胞の試験でもって陽性だからといっておかしいですけれども、ごく一部ですけれども、優性致死陽性の場合には、これは生殖毒性として考えてもいいような場合もあるから。
○阿部中央労働衛生専門官 前回のご議論では、じゃあ、別に項目を立てましょうかといったときに、現行の「○遺伝毒性」とか「○神経毒性」とかと同じ並びで「○生殖毒性変異原性」を入れるかというと、そこまではしないでも……のようなお話だったように思います。
○西川委員 GHSを尊重するのであれば、ちゃんとした項目立てて生殖毒性変異原性で、そこがどれだけGHSを尊重するかどうかですけど。
○宮川委員 あと、もう一つは、リスク評価、これは国がやっているリスク評価になるもので、業者がやる、企業がやるリスク評価のモデルにならなきゃいけないと思うんですけど、その中では基本的にはSDSがGHSに基づいてつくられていて、その各エンドポイントに関してチェックをして対応しましょうというのが望ましいリスク評価のあり方かなということからすると、一つ根拠があるというのも見本にはなると思っています。
○大前座長 そうしますと、今のお話、「○遺伝毒性」についても「○生殖毒性変異原性」というのを入れておいて、なければ「情報なし」と書けばいいと。もし、あれば記述をしますけれども、そういう形でいいですか。
○阿部中央労働衛生専門官 そのようにいたします。
○大前座長 では、このカルバリルの場合は情報がないので、「○生殖毒性変異原性:情報なし」と、この黄色いところですね。そういった形にするということでよろしいですか。
後のことも全部か関わってくるので、よろしくお願いします。ありがとうございます。では、そのようにルールということで。
それから、定義については、原稿を書くほうが、これは何だということもあるので、ぜひ、どこかに、参考にでも何でもいいんですけれども、今のJISの定義ですので、どこかに入れていただきたいということですね。
○阿部中央労働衛生専門官 調整させていただきます。
○大前座長 じゃあ、この件はこれでおしまいで、それで一次評価値、二次評価値の件ですけれども、その前に、そのほかの面で何か。
 どうぞ。
○江馬委員 153行目からの生殖毒性のところ、根拠としてビーグルの試験を挙げているんですが、下のほうを見ていくと、GLPに対応した試験が結構あって、あと、663行目に2世代繁殖性試験のGLP試験というのが書いてあって、評価の手法にもGLP試験を尊重するというような文章があったので、こちらのほうがいいんではないかと思います。
○大前座長 先生、すみません、六百何行目とおっしゃいましたか。
○江馬委員 663行目です。
○大前座長 663。
○江馬委員 663行目のSDラットとGLP適合のところで、665行目にあります。JMPRは受胎能繁殖性に影響を与えないとしています。要するに、生殖毒性はないという判断を出しているようなんですが、ビーグル犬の試験の文章だと、生殖毒性ありというふうに読めます。JMPRに合わせたほうがいいような気がするんですけど、こっちが合理的なような気がするんです。
○大前座長 これはバイオアッセイの試験ということですよね。いかがいたしましょうか。その後にもバイオアッセイの試験が載っていまして、702行目、これは710行目のところに体重低下、骨化の遅延にも基づきNOAELは4みたいなことが書いてあるんですけれども、どうしましょうか。
○江馬委員 GLP試験で催奇形性がないと判断した試験が795行目です。この試験でJMPRは催奇形性なしとしています。
○大前座長 いかがいたしましょうか。種によらず、リスク評価という面では、プラスのところを書いておいたほうがいいだろうという、そういうような御意見もあると思うんですけれども、JMPRに、そこは別にして、このビーグルの試験は、随分いかがな試験だったら、ちょっと話は別なんですが。
○江馬委員 試験の内容、匹数とか、検査項目とかまではわからないですが、JMPRの2001年より前の試験のようなので、当然、JMPRでもそういう評価をしていると思います。
○大前座長 774行目辺りからの試験だと思うんですけれども、これはEHCが採用している試験ではあるんですよね。770行目と774行目と二つビーグルの試験が載っておりますけれども。
○江馬委員 EHCは94年ですよね。
○大前座長 この前の実験ですから、実験そのものは多分もっと古いでしょうけれども。
○宮川委員 私はこれを規制するとか、この物質を認可するとかということの場合は、もうちょっと慎重な対応をするかもしれませんけれども、これは予見されるリスクをチェックをして、そのための対応ということなので、これはとってほしいと思いますけれども。
○西川委員 この物質については、食品安全委員会が2018年に評価しているんです。そこが付記と書いてありまして、その中で生殖毒性はないという結論を出しているんです。
もう一つ、食品安全委員会の評価書で、発がん性についても、もちろん評価していまして、ラットでの発がん性があると、マウスも加えて、そこもできれば通知していただきたいと思います。
○大前座長 新しい情報が出てきたということですが。
○阿部中央労働衛生専門官 先ほどお話しいただいていたビーグル犬の試験の情報……というか元ネタは、774行目に書いてあるEHC1994だとの認識です。その前にもEHC1994としてビーグル犬の文献の情報が並んでおるんですけれども、御指摘いただいたような点も踏まえまして、有害性評価書をもう一回更新していただいて。
○宮川委員 そのほうがいいかもしれませんね。今の発がんの話も、ラットの話もあるということでしたので、その情報がとれていない段階の今は評価書になっていると。これは何年前でしたっけ、このリスク評価書をつくったのは、去年ぐらいでしたっけ。
○大前座長 そんなに古くはなかったと思いますけれども。横配列が何で入っているのか。
○平林委員 ちゃんと変更していたということですかね。
○大前座長 ほとんど変更か。
○平林委員 2018年とおっしゃいましたよね。
○宮川委員 たしか18年だったと思います。
○大前座長 ちょうどすれ違ったときといいますか、そんな感じなんですかね。
 ということで、今の発がんにしても、生殖毒性のあり・なしにしても、食品安全委員会の評価書は、やはり見る必要はあるだろうということで、この中身に関しては改訂といいますか、見直しをする必要があるというところまでは、皆さん、よろしいですね。
○阿部中央労働衛生専門官 平成28年度につくっていたようですね。
○大前座長 28年度につくっている。
○阿部中央労働衛生専門官 最初につくったのは。
○大前座長 もう3年前、じゃあ、なかったかもしれません、その時期はですね。
 そうしましたら、中身に関して、今言ったようなことですけれども、それを考えても、二次評価値の0.5ですか、これに影響があるかどうかということに関して、ちょっと見ていただきたいんですが、具体的な生殖毒性の数字がわからないので、発がん性の数字がわからないので、これは遺伝毒性はないということですから、閾値があるタイプの発がんだ思うので、数字がちょっとわからないので、その数字のACGIH、あるいは産業衛生学会の提案に影響するかどうか判断のしようがないんですが。これは二次評価値もちょっとペンディングしましょうか。それで次回までに何とか必要なところを改訂し……。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません、有害性評価書作成の方の日程も結構詰まっているはずなので、次回までにというのはちょっと厳しいかもしれません。早くとも今年度中、くらいに。可能な範囲で、間に合えばいいなぐらいで進めさせていただければと……。
○大前座長 多分、食品安全委員会の評価書を見直した上で必要なところを追加すればいいんだろうと思うんで、それで、ACGIH、もしくは産衛の数値の10分の1以下になるようなことだったら、当然まずいですけれども、そうでなければ、ACGIH、もしくは産衛の数字をとるということになると思いますから、そんな大きな変更にはならないと思うんですが、それはそれとして、もしとるとしたら、ACGIHが0.5でしたっけ、それから、そのほかの機関が5ですね、10倍違うというパターンなんですけども、これはそれぞれ提案理由が書いてありまして、設定年度はほとんど変わらない。
○阿部中央労働衛生専門官 結構古い。
○大前座長 両方とも古いんですが、96年と89年なんで、5年ぐらい違うのか。
○阿部中央労働衛生専門官 前者は66年です。
○大前座長 失礼、66年だ、ごめんなさい。間違いました。66年と89年なので、相当古いですよね。これだけ違うと、新しいほうをとるという判断もありますよね。数字としては少し甘い目になりますけれども、年代の差を考えると、そういう判断もできると。それから、MAKもこれは69年、これも古いですけれども、5mgで、NOSH、OSHA、これは2016年で5というふうにとっていますので、この場合、産衛のほうをとると、そういう判断もあり得ると思いますけれども、いかがでしょうか。あまりにもACGIHが古過ぎると。
○西川委員 産衛のほうも発がん性については記載がないですね。そこまでの評価を見るのをやっていただくと、と思います。
○大前座長 そうしましょうか。じゃあ、二次評価値の設定も食安委の評価書を組み込んで、それで決めましょうか。
では、この物質に関しては、ペンディングということでよろしくお願いします。
次に、エチリデンノルボルネン。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料1-2を御覧いただければと思います。エチリデンノルボルネン、非常に読みにくいですね。エチリデンノルボルネンです。
こちらは、先ほどの生殖細胞変異原性のところは、これは明らかに関連する情報が見当たらないなと思われたので、170行目、「以上の他に情報なし」というのを遺伝毒性の項目の中に書いておりますけれども、これは先ほどの整理でもろもろ形式的には見直させていただくというところを念頭に詳細の議論は割愛させていただければと思います。
肝心の一次評価値、二次評価値につきましては218行目、224行目に記載してございます。黄色のマーカーを引いているところです。一次評価値については、記載の理由で結論「なし」としています。
二次評価値の2 ppm(10 mg/m3)、こちらは産衛学会の許容濃度を二次評価値として採用という形にさせていただいています。よく考えれば、178行目のところ、ACGIHのTLV-TWAも2 ppmになっているので、二次評価値を2ppmとした理由は両方といえば両方かもしれません。一旦こういう形で記述させていただいているという状況です。そのぐらいですかね。
以上です。
○大前座長 ありがとうございました。
これに関しては産衛の18年、それからACGIHが14年なので、比較的新しい提案になっております。
中身につきまして御意見、いかがでしょうか、何か。
それから、17行目、製造・輸入量が非公開ということで、これは多分1社か2社しかつくっていないということで、そういう理由で非公開になっていると思います。でも、つくっているところは1社か2社でも、使っているところはもっといっぱいあるので、こういう物質もやっぱり取り入れないといけないなという感じですよね。
○西川委員 いいですか。126行目に、これは参考の試験データですけども、評価レベルが0.049になっています。もし、これが参考でなければ、一次評価値にも使えるかなと思ったので、なぜ、これが参考なのかということをお聞きしたいんですけれども。もとともの匹数が5匹で少ないのかと思ったら、ほかの試験で5匹でも参考になっていないのがあったので。
○大前座長 採用したのは82行目のNOAEL=5 ppmというので、これが0、5、25、150、ですから、これは多分、GLPに近いんでしょうね。GLPと書いてありませんけれども、それに対して参考にしてあるのが、こんな感じで、一つは、これは吸入暴露を優先しているということで、こっちは経口なので、参考というスタイルで入れているというのが一番大きなことだと思います。
○西川委員 わかりました。
○大前座長 そのほか、特に御意見がなければ、二次評価値2 ppm(10 mg/m3)ということでよろしいですか。
○西川委員 二次評価値は、先ほど事務局から説明があったとおり、2 ppmで産衛学会とACGIHも同じ値なので、これは産衛学会及びACGIHで勧告しているという、そういう言い方は。
○阿部中央労働衛生専門官 全然大丈夫です。
○大前座長 それで。そのようにお願いします。
では、この物質に関しては、そういうことでよろしゅうございますか。
ありがとうございました。
次、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、2,4-Dですね。よろしくお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料1-3を御覧いただければと思います。2,4-ジクロロフェノキシ酢酸ということで、今、大前先生もおっしゃっていただきました2,4-Dという形で表記されているケースが多くなっておりまして、もろもろの根拠の記述なんかも2,4-Dというふうに書かれておりますので、一瞬、何のことかなと思うんですが、2,4-Dというのが当該物質であるという前提で御覧いただければと思います。
具体的に一次評価値、二次評価値につきましては、263行目と269行目に記述してございます。一次評価値は結論なしという形になってございます。
二次評価値につきましては、DFGのMAKの値である2 mg/m3、こちらを値として採ってみております。比較対象としてはACGIHのTLV-TWA10 mg/m3がございまして、他のところでNIOSHとOSHAも10 mgという値を設定されているところがあるんですけれども、一旦ここではDFGの値をとっていると、こういう状況です。そういった意味で、新しさもそんなに変わらないと言えば変わらないんですが、DFGの値を参考にしているというところで、御議論いただければと思っているところでございます。
以上です。
○大前座長 ありがとうございました。
この物質については農薬登録と違うというのは、これは別の物質でしたっけ。すみません、ちょっと今、こんがらがっているので。たしか、どこかの物質が。
○西川委員 152行目から付言というところで、ここにあります。
○大前座長 そうですね、これですね。
今の先生が示された付言もの152行目のところで、農薬登録が2,4-Dは「生殖毒性なし」というふうに書いてあるんだそうですけれども、これは「生殖毒性あり」というふうに判断したほうがいいということで、農薬登録とは違った判断をしているということがわかります。
○阿部中央労働衛生専門官 付言でつけているところですね。はい。
○西川委員 食品安全委員会の農薬評価書を見ますと、これはマウスで脳腫瘍、星状膠細胞腫が増えたということになっているんですけれども、食安委の評価書では、最終屠殺時のデータでは微妙に上昇しているんですが、全動物で見た場合、有意差がなくなるということから、発がん性はなしという評価としています。
○大前座長 ということだそうです。IARCは2Bというふうに2016年に設定しているので、34行目ですけれども、発がん性が疑われるという、そういうような記述でよくて、むしろ食品安全委が何でなしにしたんだろうという、そっち。
○西川委員 今、申し上げたことは、52行目から53行目にかけて書いてありますね。
○大前座長 27行目の実験だと思います。混餌投与で、オスの脳に星状膠細胞腫の発生がという、この辺だと思いますけれども。こういうようなことが根拠にIARCは2Bというふうに判断しているということで、前の委員会、原案をつくる委員会は「疑われる」という形にしておりますけれども、よろしいですか。食安委と判断が違っているということになりますけれども。
ありがとうございます。
そのほか、何か御意見ございますか。
168行目は、これは「情報なし」ということで書いていただければいいと思いますけれども。
それから、ACGIHが10で、MAKが2で、提案年度が2013と12なので、ほとんど変わらない状態で、MAKの値のほうが恐らく小さいから安全方向にという、そういうような発想をとられていると思うんですけれども、いかがですか。一応、原則はACGIH、もしくは産衛、それで特になければ、あるいは、不都合があれば、MAK等々というようなのが原則でやっておりますけれども、今回はMAKを優先したという。
○阿部中央労働衛生専門官 今、おっしゃっていただいたとおりで、発想としては、とりあえず小さいほうを採っていますという形ですね。
○大前座長 提案でもほとんど同じなので、情報の精度はそんなに変わらないと思うんですよね。そうすると、ルールブックどおりのほうがベターということでよろしいですか。その時々の大小だけで変えるというのは、提案年度が随分違うとか、根拠が新しい根拠があったとか、何かそういうような理由があればともかくとして、理由がなければ原則どおりということのほうがいいと思うんですけれども、それでよろしいですか。
では、二次評価値はACGIHの10 mg/m3を採用ということでよろしいですね。
ありがとうございます。
そのように270行目のところを書き変えてください。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしますと、一応一次評価値のほうにはねるものがないか、改めて精査した上で、最終的なリスク評価書のチェックの段階では見て、強調させていただくように気をつけます。
○大前座長 10分の1を見て、本当にかかるだけどうかだけ、チェックをお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 ちょっと確認します。
○宮川委員 何か出てくるみたいですね。
○阿部中央労働衛生専門官 何かあった場合には。
○大前座長 今すぐわかりますか。
○宮川委員 反復投与毒性の表を見ていただくと、評価レベル0.84 mg/m3と書いてあります。
○大前座長 何行目になりますか。
○宮川委員 表のほうです。
○大前座長 反復投与のところですね。これは0.84 mg、
○宮川委員 84だから10の1。
○大前座長 10の1を切っていますね。一次評価値はこの0.84、そういたしましょうか。この根拠になっている実験は。
○宮川委員 ほかにも発がん性、これはあり場合が0.78ですか。
○大前座長 ありの場合は0.78。そうすると通常の内容とほとんどないですね。
○宮川委員 これはちょっと古いので、神経毒性からは計算をされていない可能性があると思いますので、これも計算をしたほうがいいと思います。
○大前座長 じゃあ、一次評価値に関しましては、神経毒性も含めて計算をしていただいて、それで今の1を切るという結果になっているので、書き入れていただくということでよろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、次がメタクリル酸2,3-エポキシプロピル。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料1-4を御覧いただければと思います。メタクリル酸2,3-エポキシプロピルということで、この間、がん原性指針の対象物質追加と同じタイミングで測定分析手法等について措置検で見ていただいた物質ですけれども、リスク評価のプロセスとしては、今、初期評価のタイミングになっております。
一次評価値、二次評価値の記載につきましては、256行目及び262行目にそれぞれ記載してございます。一次評価値につきましては、これも記載の理由で事務局案では一旦「なし」にしておりますけれども、二次評価値については、産衛学会の許容濃度を二次評価値として採用する形で、0.01 ppm(0.06 mg/m3)という値を設定する案にしております。この産衛の0.01 ppmという許容濃度の根拠につきましては、208行目以降に結構長くずらずらと書いておりますとおりです。その他、ACGIH、DFG、NIOSH、OSHAはもろもろ設定なしということで、残る産衛をとっているという状況になります。
以上です。
○大前座長 この今の234行目のところに「なお、許容濃度を発がん以外の健康影響を指標にしたため、許容濃度の表中の発がん性分類で「Ψ」のマークを付して、注意を喚起することとした」ということがあるので、この濃度は必ずしも発がんを予防する数字ではないというような注意書きが一応ここに書いてあります。
何か御意見、いかがでしょうか。これはユニットリスクもないんですよね、EPA等の。
じゃあ、よろしいですか、産衛学会の数字を二次評価値とすると。
○西川委員 716行目ですか。
○阿部中央労働衛生専門官 今のユニットリスクの話については716行目に書いているところですね。
○大前座長 ありました。
○阿部中央労働衛生専門官 ユニットリスクに関する情報なしという表現になっています。
○大前座長 なしという表現ですね。わかりました。ありがとうございます。
○西川委員 二次評価値が0.01 ppmと設定したので、例えば、63行目の発がんに関する評価レベル0.0024、これは大きいですね。すみません、間違いました。これはこれでいいと思います。
○大前座長 それでは、次の物質に行ってよろしいですか。
 どうぞ。
○江馬委員 153行目、胚・胎児毒性なんですが、発生毒性だと思います。
○大前座長 153行目の胚・胎児毒性を発生毒性に訂正するということですね。
○阿部中央労働衛生専門官 記載箇所の問題ですか。
○江馬委員 いいえ、文言です。胚・胎児毒性を発生毒性に訂正したほうがよろしいかと思います。
○阿部中央労働衛生専門官 ここの用語がということですね。
○江馬委員 はい。
○阿部中央労働衛生専門官 なるほど。
○大前座長 ありがとうございます。
242行目の透過係数が3.3×10-7で、これは上つきの-7乗という意味ですかね。これは「-7」というのは。その下の「-9」もそうなんですが。これは-7乗、-9乗という意味なんでしょうね。もとの評価書はどうなっていますかね。もとの評価書がどこにあるか、今、探し切れていないんですけれども。
○吉成委員 実験的にここは透過係数ですので、先生の今言われたマイナス。
○大前座長 マイナスでいいんですよね。-7乗、-9乗の上つきでいいんですよね。はい、そこはそのようにお願いします。
 それでは、5物質目、ジボランをお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料1-5、ジボランを御覧いただければと思います。こちらは有害性評価書が、ちょうど今年度、委託事業のほうで改定をやっていただいている途中の部分がございまして、いや途中といいますか何といいますか、編集中という感じですかね。今日の時点で、一応、主要な議論は終わっているという理解なんですけれども、細かな文言については、最終調整中だというふうに理解しております。ですので、まだ、見え消しで筆が入っているような形跡があったりですとか、ちょこちょこ残ってございますけれども、こちらについては、最終的に委託事業のほうの報告書で上がってくる部分をうまく反映して、溶け込ませて整理していくというふうに考えております。
以上を踏まえつつも、一旦、今々の調整中のものではあるんですけれども、評価値をどうするかについて御議論いただくというところまでは、ある程度できるのかなということで挙げさせていただきました。
具体的に一次評価値、二次評価値につきましては、228行目と234行目に記載してございます。二次評価値につきましては0.01 ppm(0.012 mg/m3)ですかね。産衛学会の勧告している許容濃度を二次評価値としようと。それに対して、二次評価値の案を十分下回っているものとして一次評価値の値も採ってきているものがございます。
産衛の値についてなんですけれども、比較対象としてはACGIH TLV-TWAの0.1 ppmという値がありますが、こちら1956年の設定となっていまして、それに対して産衛学会については提案年が1996年であると。こちらの方がだいぶ新しい感じになっていますので、そういったところも踏まえまして、産衛の0.01 ppmという値をとってきてございます。NIOSH、OSHAはACGIHと同様0.1 ppmとなっていまして、これらに比べると産衛は10分の1の値になっていますので、ここをどういうふうに捉えるかというところがポイントなのかなと思っておりますが。ともあれ、一旦、ACGIHか産衛かで見たときに、だいぶ新しいほうということで産衛の値を参考にとってきているという状況でございます。
以上になります。
○大前座長 ありがとうございました。
いかがでしょうか。ACGIHの1956年というのは、その後の動物影響のデータが入っていないので、ちょっとこれをとるのはつらいんじゃないかと思います。産衛のほうは、その後の動物実験のデータが入っていますので、情報は産衛のほうがしっかりしているだろうとは思いますけれども。MAKの書き方は動物実験で0.11において観察された最小濃度では既に有害ということなので、産衛の論理構成と同じことが書いてあるので、多分、産衛のほうをとるが妥当だと思いますけども。二次評価値は0.01、産衛のほうでよろしいですか。
その前に何か御意見、いかがでしょう。毒性等々について。
○西川委員 これは気管支肺胞洗浄液の好中球の増加とか、ALP活性の上昇等々、通常の毒性試験では見ないパラメータを表記しているんですけれども、これは全て悪性と考えてよろしいんですか。
○大前座長 その辺、どうでしょうか。MAKのやつをとっていいかという、これは一応炎症の指標ではあるということで、その辺をとっておりますけれども。確かにここまで決めることはあまりないかもしれないんですけど。非常に強い還元剤なので、いろんなことを起こすとは思うんですけれども。多分、現実的には使っているところは半導体をつくるところだけじゃないかと、今は思うので、昔はロケットの燃料とか何だかんだでやっていましたけれども、今はそういう使い方はしないですから。
○宮川委員 一般的ではないかもしれませんけども、でも、このMAKが取り下げて、もっと低いところも考えなくちゃいけないと言っているのは、多分同じ根拠だと思いますので、0.11 ppmというので観察されたのがあるので、それ以下のほうも考えないということなので、これも何回も申し上げますけれども、規制をかける、認可をするということでなくて、リスク評価であるので、しかも一次評価値ですので、採用してよろしいのではと。すみません、二次評価値ですので。
○大前座長 じゃあ、よろしゅうございますか。
二次評価値は産衛学会の0.01、それから、一次評価値は動物試験から導き出された最小毒性量で0.00083、10分の1以下でございますので一次評価値をこの数字と。ありがとうございました。
それでは、次、1-ブロモプロパン、よろしくお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料2-1を御覧いただければと思います。1-ブロモプロパンのリスク評価書(案)でございます。このリスク評価書案の形式自体はそのままなんですけれども、参考というか、経緯というかを御説明させていただきますと、諸般の事情で有害性評価がちょっと遅れておりましたが、ばく露実態調査は先行して進んでおりまして、どうも高濃度のばく露が認められるようだという話はございましたので、資料2-2としてばく露実態調査結果というのをおつけしてございますが、こういったものを先に御報告させていただいているというのがこれまでの経緯です。
具体的には、昨年度の化学物質のリスク評価検討会、いわゆる合同検討会のほうに年度末、これを御提出させていただきまして、結構、ばく露が高そうなんですよねと。そうすると有害性評価の結果はまだ出ていないものの、ばく露が高そうだという点だけを見ても気を付けたほうがいいですよねというところを一旦お出ししていたという状況です。その際には、一応、今回ご議論いただく一次評価値、二次評価値の参考にしている許容濃度勧告等の状況も踏まえて、一旦御説明させていただいていました。
その資料2-2を踏まえて合同検討会の場で御議論いただいた結果として、やはり先行して注意喚起を行うべきであろうというところの見解は一定程度共通認識として得られましたので、資料2-3としている「リスク評価結果等に基づく労働者の健康障害防止対策の徹底について」、こちらはリスク評価の報告書をまとめた段階で、その結果に基づいて自主的な管理を事業者の方々にやっていただくべきというような観点で割と毎年発出させていただいている通知なんですけれども、その中で取り上げさせていただきました。具体的には、黄色のマーカーの箇所で、1-ブロモプロパンにつきましては、今後、リスク評価を行う予定であるものの、ばく露実態調査の結果、金属製品の洗浄作業等において高いばく露が見受けられたので、二次評価値とか、そういったものはまだ具体的には決まっていない段階ですけれども、各機関から勧告をされているばく露限界値などをかなり超える個人ばく露がどうもあるようだということもございますし、一旦、注意喚起をしておきますよと。既存の有害性情報などに基づいて、リスクアセスメントをやっていただいた上で、対応する措置を講じてねということで通知させていただいているというのがこれまでの状況です。
要は、今の時点、行政の側としては、いわゆる行政指導の枠組みですけれども、指導を図っているということになります。
こういう現状はあるんですけれども、それはそれとして、とりあえず有害性評価書も無事取りまとまりましたので、今回、改めて御確認いただければと考えております。その後は、今回の議論の結果を踏まえて、また改めてばく露評価を行い、その後にリスク評価を行うという、通常のプロセスに戻っていくのかなと思っております。
以上、前置きが大分長くなりましたが、結論としては、資料2-1の319行目及び328行目に一次評価値、二次評価値の事務局案をそれぞれ記載してございます。二次評価値につきましては、ACGIHの0.1 ppmをとらせていただきました。各機関の値の設定については231行目以降、そのうちACGIHの根拠については233行目以降に記載がございますけれども、産衛の許容濃度が0.5 ppmなのに対して、ACGIHのTLV-TWAが0.1 ppmと、若干差が出ていますが、設定年自体は、ちょっとだけACGIHのほうが新しくなっていますね。ACGIHが2014年に対して、産衛学会が2012年と、ACGIHの値の方がちょっと新しいということもあり、こちらを参考として採らせていただきました。NIOSH、OSHA、その他もろもろについては設定なし、DFGも「H」は付いていますが、値の設定はなしとなっています。一旦こういった形で事務局案としては御提示しているところでございます。
ということで、一応、このACGIHの値を事務局案とさせていただいておるんですけれども。以下、ちょっと寄り道ぎみになって申し訳ないんですが、資料2-4を御覧いただければと思います。ブロモカーボン協議会からのコメントというものをいただいておりますので、御紹介させていただきます。
こちらは、1-ブロモプロパンの有害性評価実施に当たって、ブロモカーボン協議会さんから頂いたコメントをそのまま記載している資料でして、『』で囲っているところが先方からのコメントの部分です。ポイントとしては、ブロモカーボン協議会さんからは、関連学会・関係者・機関に情報提供をされていると。特にACGIH及び産衛学会提示の勧告値については、参考文献のデータの解釈や勧告値を導き出した⼿法について、意見、質問書を提出していて、特に産衛学会とは議論の真っ最中であると。EPAとも議論が継続中で、こういった値は、今後、精査される可能性があるということを御理解いただきたいと、こういったコメントを頂いているところでございます。
ただ、事務局としましては、それはそれとして、とりあえず現時点での有害性評価書もとりまとまったことですし、一旦、御議論いただければということでリスク評価書案を出させていただいたという状況になります。
回りくどい御説明になりましたが、以上です。
○大前座長 ありがとうございました。業界のほうからこういうような意見が出てきていまして、今、学会のほうとは議論をやっている最中だということだからちょっと待てという、そういう感じの御意見だと思いますけれども。
○阿部中央労働衛生専門官 過去の例を踏まえますと、各物質について設定された値の見直しというのは、当然、折々、学会さんの側で適宜されているとの理解ですし、我々としては、そういった前提を踏まえつつも、今ある材料の中で検討を行っているわけで、検討のプロセスを進めていく中で最新の知見が出てくるなどの変化があれば、必要に応じて適宜見直しをしていくということに尽きるのかなとは思っております。
そういう意味で、特にこれ、一応、初期リスク評価になりますので、一旦、今、我々の持っている情報をベースにリスク評価書をつくったらこうなりますよという位置づけで、もし何か動きがあればその際にはそれを反映していくことを適宜検討するという扱いでよろしいのかなということで事務局側としては現時点の案をお出ししたという状況です。
○大前座長 いかがでしょうか。産衛もACGIHも提案理由を読みますと同じような文献を使って、数字の判断は違っていますけれども根拠は同じような文献を使っていますよね。よろしゅうございますか。
そうしましたら、事務局の提案、ACGIHの0.1ということでよろしゅうございますか。
では、ルールブックどおり、どちらかを採用すると。それで、根拠はほとんど同じなので、その場合は数字の低いほうを使うというのが原則ですから、今回はACGIHの0.1ですか。もし業界からの御意見であったように、EPAや今協議をやっている最中の産衛の数字が変わればまたそのときに議論する、あるいは、ACGIHにもコンタクトしているのかもしれませんけど。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません、資料2-4は、とりあえず協議会さんから頂いたコメントをそのままコピぺしてきたものでして、EPAやACGIHについての話はその中に特に無かったというだけなんですけれど、もし今の点について何かあるようであれば、適宜追加での御意見等があればあるかなと思います。
○大前座長 じゃあ今日の段階では二次評価値0.1、それから一次評価値はなしということでよろしゅうございますか。
ありがとうございました。
それでは、一応、6物質が終わって、あとは先ほどのCeilingの話と、それから測定法の関連のところですね。これの御説明をよろしくお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 合同検討会にいらした方々には半分おさらいみたいな感じになって恐縮なんですけれども、ざっくり申し上げると。TLVの値をどうするこうするという議論につきましては、今まさにお話しいただいたように、ACGIHのTLV-Ceilingなどの論点があるんですけれども、具体的には、今回参考3としてご用意している「リスク評価の手法」、ちょっと今画面のほうにも出しますが、こちらをご覧いただければと思います。
この中でTLVとかの記述はどうなっているんでしたっけというところなんですけれども、後ろのほうに行きまして、159行目の二次評価値の決定というところ以降でいろいろ書いてあるんですけれども、そのうちACGIHが提言しているばく露限界値(TLV)については167行目に記載があります。……が、この中でもCeilingとかSTELの値については是とも非とも触れていないというのが現状だと理解しております。こういったところがございまして、Ceilingの位置づけについては、それしかないなら、とりあえずこれを採用するしかないですねということで、今年度、2物質ぐらいですか、御議論いただいていたというのが現状で。
具体的に御議論いただいていたものが2-ブテナールとイソホロンという、この2物質でございまして、それは今回、先日の合同検討会にかけさせていただいたときの資料をそのまま、資料3-1と3-2として一旦おつけしてございます。すみません、冒頭申し上げましたように、有害性評価小検討会など途中でいろいろ御指摘いただいたもろもろについては反映できていないんですが、今回は、このリスク評価書の中身を議論するというよりは、これこれこういう経緯で一旦こういう値をとっていたものなんですけれども、合同検討会の中でCeilingの位置づけについて御指摘いただいたのでどうしましょうかと、そうご相談するにしても、やっぱり何らか具体例があったほうがいいよねということでおつけしたものですので、半分参考程度と思っていただければと思うんですが。まず資料3-1の2-ブテナールにつきましては、許容濃度等の値の設定が124行目以降にございます。125行目のACGIHのTLV-Ceiling 0.3 ppm、Skin、というところですね。産衛学会が設定なし、NIOSH、OSHAが2 ppmという値の設定がございます。こういった状況で、2-ブテナールにつきましてはNIOSH、OSHAは一旦置いておくことにしつつ、ACGIHがCeilingしかないので、じゃあ0.3 ppm、これをとりますかと、そういった話になりまして、有害性評価小検討会のほうでは、152行目になりますけれどもACGIHのTLV-Ceilingを二次評価値として採用したということになります。
その結果……というと何ですけれども、ばく露評価小検討会のほうで個人ばく露測定の結果等々を見ていただいた結果、193行目にあるグラフをさらっと見ていただくと、2-ブテナールの個人ばく露測定結果、最大が個人ばく露で0.12 ppmというふうになってございます。区間推定はないので、一旦、この個人ばく露の0.12 ppmというのが最大になりますよと。
一方で、ばく露評価小検討会のほうで御指摘いただきましたのが、スポット測定のデータですね。191行目に記載してございますけれども、最大値として1.202 ppmという値がありましたと。そうすると、少なくとも、このスポット測定の結果は二次評価値の0.3 ppmよりも大きいよね、Ceilingの値を超えるばく露がありそうな作業があるよね、というところが確認されました。
また、Ceilingってそのまま使っていいんだっけという御議論がありまして、Ceilingの場合はちょうど半分ぐらいの値をとるお約束みたいなものがあるとのお話がありました。そこのところは、明示的に文面になっているものを私の方で見つけられていないんですけれども、ともあれ、概要としましては、Ceilingの場合はそのままの値ではなくて、もうちょっと小さい感じでとるべきじゃないかというような御意見だったと理解しております。
そうすると、二次評価値0.3 ppmに対して個人ばく露最大値が0.12 ppmだと、だいぶ低いよねで済むんですけれども、例えばここでCeilingの値を半分にして評価値として採用するのだとすると、0.15 ppmと0.12 ppmの比較になるので、微妙なところを突いてくるよね、さらにスポット測定の値を見ると超えてきているよね、といったところもありまして、さて、これをどうするかというのが論点になっていましたのが、この2-ブテナールになります。
一方で、ちょっとすみません、資料が飛ぶんですけれども、今度は資料3-2のイソホロンのリスク評価書(案)を御覧いただければと思います。こちらは、183行目以降に許容濃度等の記述をしてございますけれども、まずACGIHのTLV-Ceilingが5 ppm、1976年設定となっておりますよと。それに対して、産衛学会のほうは設定なしですが、NIOSH、OSHA、UK、この辺りが結構ばらばらな値をとっております。その中で、DFG MAKが2 ppmという値を設定しておりまして、こちらをACGIHのCeilingの5 ppmと比べると、先ほどの『Ceilingの場合は2分の1の値をとる』といったような話と微妙にかみ合っているような印象のある値になっているねと。してみると、むしろCeilingの値よりもこういったものを参考にするべきではないかというようなお話がばく露評価小検討会のほうの議論としてございました、というのがイソホロンについてのお話です。
このイソホロンのばく露については、一旦、有害性評価小検討会のほうでは5 ppmと置いておるというところを前提に243行目に二次評価値を記載していたわけですけれども、これに対してばく露測定の結果を見ますと、289行目に個人ばく露測定の結果のグラフを書いてございますが、Ceilingの値の2分の1と比べてもだいぶ低い値になっていますので、これ自体は経気道のばく露についてはそこまででもなかろうもんという話もあろうかと思いつつ、こういった2物質、Ceilingの値を参考に二次評価値を設定してみていたものについて、果たしてばく露実態調査の結果とどう比較するのが妥当なのかというところを幾つか御指摘いただいたというのが現状です。
実際に考えられるオプションとしては、幾つか合同検討会の中でも御議論いただいていたものがあるんですけれども。例えば、Ceilingであればスポット測定と比べるのが理屈上は最も妥当なんじゃないかというような話もあったり、いや、でもそれを比較することで果たしてリスク評価になるのかというような話もあったかと思います。あるいは、有害性評価のほうでは、例えばこの物質はCeilingの値をこれこれこういう観点で評価して二次評価値を設定したので、ばく露評価のほうではこれこれこういった値と比べてもらうのが良いのではないか、というような取扱い上の注意書きをする形にしてはどうかとか、そういった幾つかの御議論をいただいたわけですが、その場では結論は出ませんで、一旦、有害性評価のほうに持ち帰りましょう、というようなお話をしていただいたというふうに理解してございます。
ただ、ここまで主にCeilingの話としてご説明させていただいたんですけれども、他にもSTELとかもなくはないので、今後、そういうものしかなかったらどうするんだみたいな話もいろいろ出てきてもおかしくはないのではないかと思うんですね。なので、この場では、このリスク評価書の表現どうするかというところまでセットするものではないと思っておりますけれども、TWA以外の値をどういうふうに評価するのかというところについては、有害性評価側の認識の共有といいますか、統一が図れればなというふうに考えているところでございます。
以上です。
○大前座長 ありがとうございました。
Ceilingで数字をとったのが今回のこの二つと、それから前にもあったような気がするんですけれども、それはCeilingしかなかったという、そういう理由でそのまま取り扱ったということですね。
Ceilingでなぜ数字が決められるかというと、刺激とかそういう短期間の影響をリスク評価の対象とすれば、影響の対象とする場合は、当然、Ceilingになるわけですけれども、TWAの場合は、どちらかというと、長期影響、慢性影響みたいなことを想定してTWAをつくるんですが、実際に測定するほうですね。ばく露評価委員会のほうの測定は、A測、B測と、それからスポット測定ということをやっているので、A測、B測ですと要するに区間加重平均になりますし、スポットだとCeilingに近いような、B測定みたいなものですから、Ceilingに近いやつが出てくるということなので、Ceilingでこの委員会が二次評価値を出した場合にどうするんだと、単純に言いますと、それがばく露評価の委員会の疑問なんですね。
何の影響をターゲットにするかというのは、これはもうリスク評価の話ですから、どれをリスクと見るかというのは、これはここで判断すればいい。そのときに、刺激等々の短期影響をやっぱりリスクとして見ようということだったら、Ceilingを使うのは、ここの委員会としては全然問題ないだろうということなんですけれども、それをばく露の評価委員会のほうに持っていった場合に、やっぱり向こうはちょっと困るなというのはあります。
それからもう一つは、Ceilingで確かに刺激等々の短期影響を見るんだけど、でも、長期影響の出たものも同時にあるはずだと。長期影響が出た、ではTWAは勧告されていないんだけれども、それも考えるべきではないかというようなこともばく露評価小委員会で出ているような意見なんですけど、皆さんどう考えられますかということなんですが。
はい、どうぞ。
○西川委員 Ceilingの場合の定義を見てみたんですけれども、いかなる場合も超えてはならない値であるということですよね。ということは、スポットであってもそれを超えたら詳細リスク評価に行くべきかなというふうに単純に考えています。
○大前座長 スポットが常にピークをとられている保証ももちろんないんですけれども、でもそれが一番近い、測定方法としては一番近い測定方法にはなるわけですよね。
○西川委員 それからもう一つ、STELの場合の定義は、15分間の測定で超えるかどうかを見るわけですけれども、ということは、実際の測定をどうしているかにもよると思うんですよね。僕は実態は知らないので、ちょっと教えていただけると、STELに対する対応が可能かなと思うんですけれども。
○大前座長 多分、実際の測定は10分でやっているんですよね、多くの場合。濃度が低ければ時間を延ばすと思いますけれども、一般的には10分でやっているんで、10分でSTELの値を超えれば15分はクリアしているという気がするんですけれど。
だから、A測でやった何点かですね。1点でもそのSTELを超えていれば、もう超えているということになるんじゃないかと思うんですけど。STELはそういう意味で対応できるんじゃないかと思うんだけど、Ceilingは本当にピークなので、いろんなオプションがあって、今、Ceilingだけで、ここではCeilingしか出さない、Ceilingを二次評価値として出すという意見、そういう発想と、Ceilingしかないんだけれども、よくよく読んでみると、慢性影響なんかも書いてあると、それから判断するとどれぐらいのTWAになるというのも一緒に出すというような考え方もあろうかと思うんですけどね。それはACGIHと産衛、どっちかという発想ではなくて、その中間の発想といいますか、妥協するときに。そうすると、ばく露評価小委員会のほうもいいんだけど、問題はじゃあ両方の数字があった場合に、どっちかが超えれば詳細のほうに行くのかということになる。
○阿部中央労働衛生専門官 一つは、多分、今までTWAの値を当然のごとくとってきているので、Ceilingの値ってどうだったっけって、多分チェックしていない。
○大前座長 多分、そうですね。
○阿部中央労働衛生専門官 ですよね。そうすると、例えばスポット測定とCeilingの値、あるいはSTELとスポットの値と、そういったものをこれまで比較してきていないものを改めてどこまで見返すんだというのが、多分、役所的には気になるところなんじゃないかなと思っているんですが……。
○大前座長 昔に戻るという意味ですか。
○阿部中央労働衛生専門官 昔に戻る必要がどこまであるか。これまでに評価を行った結果、「リスクが低い」というふうに整理してきているものが幾つかございますので、それをどこまで遡るのかというのは、一つ論点としてはあるのかなという気はいたします。
もう一個は、初期リスク評価の時点での詳細リスク評価に行くか、行かないかの判断は、まあ、何といいましょうか、やるとなっても、それぞれ気になるところをもう少し具体的に精査していきましょうという話になるだけなので、それはそれでいいと思うんですが。それが例えば、じゃあ措置を求めるべきなのかどうなのかという話をするときには、Ceilingの値をちょっと超えていたものがあったとして、例えば、それは特化則で規制するべきなのかとか、そういう議論になってくると、なかなか出口の整理が難しいのかなという気はちょっとしないでもないです。
○大前座長 ここのところの物質は、要するに慢性影響をメーンで考えている話なので、短期影響はあまり考えていないですよね、もともと。
○阿部中央労働衛生専門官 主にという意味ではそうですね。
○大前座長 主ながんとか、そういう慢性影響を考えていないと思っているんです。短期影響で特化則に入っているものはないんじゃないかなと思うんだけど、ありますかね、何か。神経性とか。
○阿部中央労働衛生専門官 結果的に、眼に入ったらあいたた、みたいなものは当然ありますので、そういった物質からの保護について特化則が担保しているという部分があるのは確かだと思うんですね。
ただ、今、特化則に入っている物質で刺激性のあるものとかについて、結果的にそこで対策が講じられているとは言え、今おっしゃっていただいたように、それは、急性毒性も含めてですけれども、刺激性とか、そういった観点でのリスクに注目して特化則レベルの規制の枠組みに入れられているわけではないだろうというのは一つ考慮の必要があるのかなと。同じような毒性のもので、眼に入ったらよくないよねみたいなものとか、吸ったらくらくらするよねとかというレベルのものは他にもいっぱいあるわけですので。
少なくとも特化則は、基本的には、やっぱりがん等の重篤な疾病というところをベースに考えてきているというところとの整合性ですね。そこは、あるいはリスク評価全体のあり方の話なのかもしれませんけれども、さて、今の論点も踏まえて行政側としてどう対応すべきかというところの結論がちょっと見えにくいなと思うところはあるように思います。
○宮川委員 やはり最終的に規制に入れるかどうかというのは、ここでの議論というよりは、措置検討会などで、こういう種類の有害性でもってある程度のリスクがあるということに仮になったとしたときに、それはそういうように特化則などに入れて規制すべきものなのか、もうちょっと別な対応ですよね、刺激性があって一応注意してくださいというような注意喚起で止めるのかは、そちらで検討していただくということで、こちらは、一番の問題は、Ceilingでもって評価値を決めたときに、それにどう測定のほうで、現場のばく露測定のほうで対応をしていただくかということになるのかなという気がしますよね。
○大前座長 要するに、リスク評価のところと措置のところを分けて考えたほうがいいと。結局、措置のところで全て具体的にどうするかというのは管理方法が決まるわけですから、今まで確かに、ただ、ここのミッションとしてはCeiling、刺激等の短期影響をリスクと考えるからCeilingでとったというところまででいいんじゃないかというのが宮川先生の意見です。
○阿部中央労働衛生専門官 過去の評価分の遡りも必要になるイメージでしょうか。
○大前座長 遡りは、Ceilingでやることがあまりないのかなと思うんですよね。
○阿部中央労働衛生専門官 今まで見ていなかったようなものはあまり無いですかね。
○大前座長 いや、Ceilingしかない物質というのは、そんなにたくさんなかったと思うんで、というのは、今まで発がん物質とかそっちをずっとやってきたから、発がん等々でCeilingで決められた数字はほとんどないはずなんですよ。多分、Ceilingで決めたのはこの最近だけだと思うので。
○阿部中央労働衛生専門官 これまで初期リスク評価までで終了しているものは、基本的にTWAの値と個人ばく露の最大値の比較で大小をとった結果、小さい値になっているという結論をもって、例えば詳細リスク評価を要せずというふうに結論していたりするわけですね。それが、実は例えばCeilingとスポット測定とを比べたときに、実はスポット測定の結果でCeilingの値を超えているものがありましたという可能性が無いかどうか。過去のリスク評価実施分まではちょっと把握できていないのですが、もし調べてみないとわからないとすると、再度詳細リスク評価の要否の検討をやり直すべきじゃないかという議論になったりは……。
○宮川委員 そもそもTLV-TWAが出ているものは、Ceilingがついているものはまずないと。
○大前座長 まずない。
○宮川委員 ええ、思うんですけれども。だから、それこそ、液体で眼に入ったら危ないよというのはあるけれども、それが気中の濃度が問題になるかどうかということを考えて、そちらのほうが低くければ、その場合は結果的にはCeilingの規制で、そうじゃない場合には、普通、TLVが決まっているものは、それで大丈夫だろうというように考えてよろしいかと思うんですが。
○大前座長 一般論として、Ceilingの値のほうがTLVよりも大きいはずなんですよね。
○阿部中央労働衛生専門官 はい、そうですよね。
○大前座長 だから、もし二つの数字があってもTLVをとっているから。
○阿部中央労働衛生専門官 大丈夫だと。なるほど。
○大前座長 それでセーフだったらCeilingを超えているはずはないはず。
○阿部中央労働衛生専門官 わかりました。
○大前座長 だから、遡りはほとんど考えなくてもいいとは思いますけど。この数物質、前回の2物質と、それからもう一つぐらいありましたかね、ちょっと今はっきり覚えていないですけれども、そこら辺は心配しなくてもいいんじゃないかと……。
○阿部中央労働衛生専門官 わかりました。ちょっと気になったのですが、良かったです。ありがとうございます。
○大前座長 そのほか、御意見いかがですか。
○宮川委員 もう一つ申し上げますと、このリスク評価におけるばく露濃度の測定は、上側5%点を推定したり、最大値を求めたりということで、それと比較するというようなこともやっていますし、さらに上側5%点の推定では、作業環境測定のやり方よりももうちょっと高い値が出る、平均値とSDですか、両方が分布する仮定で厳し目の値でやっていますので、その辺を活用してCeilingとの対応を考えていただくと。スポット測定になりますけど、ということをばく露の検討会のほうにお願いするというのがいいんじゃないかと……。
○大前座長 こちらの提案、ばく露の検討会に対する提案としては、Ceilingが出てきた場合は、スポット測定を中心にやってくださいと、そういうところをやってくださいと。
スポットの場合でも95%、何点かとれば出ますよね。
○宮川委員 数が少ないですよね。
○大前座長 その場合は、むしろスポット測定をいっぱいやってくださいということか。そういうわけにはいかないですか。
 でも、スポットの場合は個人ばく露濃度測定ではないので、だから、数はできるんですよね。該当するスポットがあればですけど。
○阿部中央労働衛生専門官 そうですね、実際の測定数については、ちょっとすみません、別途確認を要するんですが。スポット測定につきましては、短時間で高濃度ばく露の可能性がある作業において、発生源近傍の最近接作業ポイントで測るということになっています。最近接作業ポイントで発生源の風下、周囲、作業者の動きを追いかけてなど、作業時間を通じて測定する、ということですね。ですので、現場に行ってみると、多分、ここに機器を置けるか置けないかとか、この作業をここでやるから、その風下に機器を置こうか、いや風下に置くのはいいんだけど風向きが変わることもあるよねとか、そういった要素を考慮しながら、作業場所の周囲にサンプラーをぽんぽんぽんと置いていくわけですね。結果として、その時々の風向きによってこっちが高くなったり、あっちが高くなったりとかも生じるわけですが、そういった要素をいろいろ踏まえながら測定をやっているということになろうかと思います。
その上で、最終的に、じゃあこの人──作業の中心に居る作業者が、果たしてどこでばく露しているんだみたいなところは、そういった諸条件を考慮しながら、結構ケース・バイ・ケースで見ていただいているとの認識です。
それも踏まえてなんですけれども、スポット測定の値についてなんですが。ばく露評価小検討会の中でも非公開でやっている部分の話なので、生の資料そのものは、オープンな有害性評価小検討会の方では、傍聴者の方々に見えてしまうような形ではお出しできないんですけれども。まずは、スポット測定を行う対象作業の単位で値を出しています。例えば測定対象とする作業が1、2、3、4と4つあった場合に、それぞれの作業ごとに複数の測定点を設定するんですね。結果として、ある作業では中心の作業者のまわりで測定点を3カ所とりましたとか、その測定点それぞれの値がこれこれこうなっていて、といったような点を見ていただきながら、最終的に平均をとったらこうなりました、みたいな形でばく露実態調査の概要をまとめたものをご確認いただいていることになります。
ただ、実際にリスク評価のプロセスでCeilingに対応するものとしてスポット測定の値を捉えていくことにするとすると、ある作業について例えば3カ所測定点を設定したとして、評価の際には、そのうち1箇所でもCeilingの値を超えたら……みたいな話とかは、多分しなきゃいけなくなってくるだろうなとは思います。
この路線で行くとすると、その辺りの捉え方をリスク評価の枠組みの中で、恐らく「リスク評価の手法」などにも何かしらちゃんと書いていかないといけないとは思いますので、ちょっと、今、御議論いただいた点を踏まえながら、ばく露評価のほうでじゃあ何ができるんだというところについて、ルールブックの改訂作業的な形で認識合わせをしつつ、果たしてそれでどういうリスク評価ができるんでしたっけみたいな話とかをさせていただかざるを得ないのかなという気がします。
○大前座長 今のスポットをはかるときは、測定時間は決まっていましたか。何分間サンプリングしなさいという。
○阿部中央労働衛生専門官 書いてあったかなと思うので、ちょっと関連のドキュメントを見ていたんですけど、ぱっと出てこなくて、すみません。
ちなみに……いや、ちなみにというのも何なんですけれども、ちょっと御参考に、実際にばく露評価小検討会の場でどういった資料を御検討いただいているのかのサンプルを一つお示ししたいと思います。先ほど申し上げましたように、傍聴者の方々がいらっしゃるところで画面にお出しするのは不可なので、委員各位に配布させていただいているタブレットのほうに直接入れさせていただこうと思います。
今、イソホロンの例なんですけれども、タブレットの共有領域のほうに、該当のExcelファイルを入れさせていただきました。タブレットの資料の場合、画面の下のほうのファイル一覧のところで、更新するボタンがあると思うんですね。くるっとなっている矢印のやつです。それを押していただきますと、新しいExcelファイルがぴよっと出てくると思います。
この集計表、かなり細かくて見づらいもので申し訳ないのですが、ファイルを開いていただくと、多分、今、トップに出てきている表があると思います。A事業場で何とかとかというふうにつらつらと記載しているものです。スポット測定の結果は表の右のほうにあるんですけど、例えばA事業場のaさんについてスポット測定を2つの作業についてやりました、とかいうような形ですね。データ数が2とか複数になっているものは、測定点を複数とっているものになりますね。というわけで、Ceilingの値とスポット測定の結果を比較するというと、こういった測定結果について、さて、何と何をどう比較しようか……という話になってくるのかなという気がしますが、作業が変わればその都度、値を区別して評価できるようにしていたりしますので、ここの作業のこの部分で作業者に高いばく露が発生しそうだとか、そういった点を個別に見ていくような形になってくるのかなと。
○大前座長 定義からいくと、最大値を見るんですかね。算術平均と最大と両方が書いてありますけれども、最大値なんでしょうね。
○阿部中央労働衛生専門官 そうですね、今のフォーマットではこういったとりまとめ方をしていますが、CeilingやSTELと比較するとなると、どこをとるのという話とかも当然出てくるのかもしれません。
 その他には、先ほどの話でいきますと、A測定の結果なんかも一応とっています。A測定と比べるものは……あまり無いですかね。STELの値に対応するのがスポット測定の算術平均で、Ceilingの値に対応するのが最大値みたいな感じになるんでしょうか。まだ頭の体操のような話でしかないですけど。ともあれ、こういう細かいデータをもとにばく露のほうでは御検討いただいているというのが現状です。なので、こういった素材に対して、先ほど御指摘いただいたような考え方だと、じゃあ何がどう使えるんだという話を、有害性評価・ばく露評価の両面を考慮しながら、詰めていくしかないのかなと思います。
○大前座長 一人の作業者について2回ぐらいとっているということですね、スポットサンプルをね。
○阿部中央労働衛生専門官 作業者ごと2回程度と決まっているわけではなくて、作業が分かれるごとに、ということになっているはずです。
○大前座長 そういうことですか、なるほど。
○阿部中央労働衛生専門官 今、イソホロンの例をお示ししましたけれど、被測定者aさんという人の作業は3つあって、うち一つはA測定をやり、残りの2つはスポット測定をやっていると。そのスポット測定のデータは、a-1、a-2といった形で名前が付けられていて、他の作業者についても同様の形になっています。例えば、次のbさんであれば、スポット測定をやった作業が4つあって、それぞれb-1、b-2、b-3、b-4となっていますし、cさんであればc-1、c-2というふうに分かれてとっている感じですね。
ここの分けている理由は何ですかというところが、表のちょっと左のほうを見ていただければと思うんですが、作業内容という欄がありまして、各作業者が従事する一連の工程の中で、当然いろいろな作業が行われているんですけれども、その作業が分かれているタイミングでスポット測定のデータとしては別のものとして値を分けてとっています。
○宮川委員 よろしいですか。例えば、この一番上の例で見ると、一番上のほうのばく露作業の情報等というところで、作業時間、一番上の方の一番上の分でいうと、1回4分間、1時間当たり1回~6回と。こういうのがあって、作業時間を最終的に平均すると、A測定の値になると思うんですけれども、あるいは、個人の平均になると思うんですけれども、それぞれの1回4分間の作業、その人の場合だと1回2分間の作業、3行目だと1回3分間の作業。もし、もとのデータがあれば、後のスポット測定とどういう関係にあるかちょっとわからないんですけど、通常の作業の中でもってどのくらいのの濃度になっているのか、時間平均するんじゃなくて、データがもしそこでとれていれば、それをCeilingと比べるという方法もあるんじゃないかと思うんですが、この辺りをばく露検討会でちょっと議論していただきたいと思います。
○阿部中央労働衛生専門官 A測のもとデータということですか。
○宮川委員 ええ。これ、多分、連続して引いていればわからないですけどね。だから、多分もとはないのかもしれませんけれども。
○阿部中央労働衛生専門官 A測定も基本的には作業単位で分けていますので、今御覧いただいているA事業場のaさんの場合は、3つ作業があった中で、一番目の作業についてはA測定ができました、が、二つ目、三つ目の作業についてはA測ができなかった、もしくはちょっとそこまでは……という感じだったので、aさんの周りの値だけをとりましたと、そういう形だと思います。
○宮川委員 わかりました。じゃあそうすると、A測定の人はもう一回することはできないということですね。
○阿部中央労働衛生専門官 恐らくちょっと。
○宮川委員 わかりました。
○阿部中央労働衛生専門官 A測の場合、サンプリングのポイントのデータは6データあるというふうに書いてありますので、ポイントごとにとればあるのかもしれないですが。
○大前座長 ただ、この最大値が、今のa1さんの場合ですね、最大値の0.170というのがありますけれども、これがSTELと比べるべき数字だと思うんですよね。もしやるとしたらね。でも、少なくとも今まで、僕が知っている範囲で、STELだけ提案しているものはない。Ceilingは、Ceilingだけというのはありますけれども、STELだけというのはないはずですよ。STELがあるときは必ずTWAがくっついているので、STELのことはあまり心配されなくてもいいと思います。
○阿部中央労働衛生専門官 そうなんですね。となると、今ご覧いただきましたように、ばく露実態調査の結果については、こういった形でとりまとめたものをばく露評価のほうで御検討いただいているわけですが、Ceilingの場合にこの中の何とどう比べるのかみたいなところをやはりちょっと御議論いただくような流れですかね。
○大前座長 実際は、Ceilingが正確に捉えるのは無理なので、もともと不可能ですから、それだったらスポットでやるしかないですよね。スポットで、とるしか使えないと思いますけどね。それこそ、データロガーみたいなものをつけておいて、それでやれば別ですけれども、こんな時間にこうなっているというのはわかるかもしれませんけど。
○阿部中央労働衛生専門官 なかなか化学物質、そういうわけにいかないので。
○大前座長 そうですよね。
○阿部中央労働衛生専門官 どうしても積算でとらざるを得ない部分があるのはしようがないかなと思うんですけれども。
一旦、一応、こういうものを参考にばく露評価のほうで見ていただいているよというところを踏まえまして、であれば、これとこれが比較できるのかなというところを今幾つか御提示いただいたということだと理解しました。
ちょっと検討会の先生方にそれでどうですかと言ってみて。
○大前座長 あるいは新しいサンプルをつけてください。
○阿部中央労働衛生専門官 ニュアンスはおおよそ把握できたかなと思うんですが、実際に何をどうまとめるというところが難しいように思いますので、いざとりまとめたものがけちょんけちょんになったらどうしようかとも思うんですが、まあ、それはそれとして。いずれにせよ、ルールブックである「リスク評価の手法」の改訂も何らか検討しなければいけないと思いますし、先ほどのGHS分類に基づく用語の定義ですね、こちらを書き込むという話もありましたので、一旦、事務局側で改定の案を検討させていただきたいと思います。
何か改訂が多いな。平成24年からずっとこれでやっていたはずなんですけど、ここに来て急激にいろいろと。
○大前座長 それは当然、発がんだけ考えているときは簡単だったんですよ、ルールブック。いろんなものを考えてきたので、それで、そのたびごとに追加せざるを得ないという、そういうような状況になっているので、今ちょうどそういう時期なので、運が悪いと思って。
○阿部中央労働衛生専門官 ともあれ、御指摘を踏まえて、一旦、ばく露評価の先生方のほうにも、こういった話がございましたということをご説明しつつ、さて、じゃあ何がどう測れるんでしたっけ、というところも踏まえて御検討いただくという形になろうかなと思います。
今の話で大体路線として整いそうでしたら、恐らく次の合同検討会の場で、一応、有害性のほうの議論はこうなりました、それをばく露のほうで揉んでいただいたらどうなりましょうか、というところをご相談させていただきつつ、ついては、「リスク評価の手法」のほうの改訂について、これこれこういう路線でできたらいいなと思っていますみたいなところを一旦御相談するような感じで。
○大前座長 何かそのほか先生方から御意見。どうぞ。
○宮川委員 先ほどそれも反映するということが出ましたけれども、MAKの新しい評価書は一番最後のほうに生殖毒性の次ぐらいの項ですか、生殖細胞変異原性についての情報があるものについては書いてある場合があって、さっきの一番最後の物質、たしか書いてあったと思いますので、その辺を拾っていただくのが一番、海外でこういうものがありますよと、無難かなと。
もう一つは、EUのCLP規則で登録がどうなっているかということもあると思うんですけれども、そんなとこら辺の情報があるものについて、こういうことでもいいよねと……。
○大前座長 そうしますと、原案をつくる方はMAKのそこのところは必ず見ていただいて、それで、そこのところは必ずチェックしていただくと。それで情報があれば書く、なければ情報なしと。
○阿部中央労働衛生専門官 今ご指摘いただいた点につきましては、本年度の委託事業の有害性評価書作成の方が、もう既存の路線で回ってしまっているので、今からどこまで取り扱いが変更できるかというのはあるかもしれませんが、少なくとも来年度以降、取り組めるようにしつつ、本年度のリスク評価書をまとめる段階では、こんな感じでよろしかったでしょうかというのを叩き台としてお示ししながら、皆さまに中身を揉んでいただくように進められればと思います。
有害性評価につきましては、ちょっと1件、今日ペンディングになったものがありますのと、寝かしているわけじゃないんですけど、ちょっとまだお諮りできる状態になっていないものが1物質だけあるんですが、これをどうしようかなと思っている以外は、基本的に今日のこの第4回で17物質、本年度のノルマはおおよそはけた感じかなと思っています。合同のリスク評価の方も、当面はこれをベースに進められるかとは思いますので。
○大前座長 そのほかよろしいですか。
事務局のほうから何かそのほか連絡事項等々ありますでしょうか。
○阿部中央労働衛生専門官 ちょっと今回、いろいろ御提示いただいたもの、宿題が多々残っていまして、その辺もなるべく早く何とかしたいとは思っておるんですが、一旦、それは置いておきまして、差し当たっての今後のスケジュール感についてざっくりの話だけさせていただきます。
有害性評価小検討会については、しばらく開催予定はない感じですね。次にリスク評価の動きとして皆様に御出席いただく形になるはずなのは、10月30日に開催予定の本年度の合同の第2回になります。先ほどのスポット測定の取扱いなどについて、ばく露評価小検討会のほうの先生方に事前に見ていただくところが、タイミング的に間に合うかというとちょっと厳しいかもしれないんですが、差し当たり、この合同の第2回では、前回までに有害性評価をやっていただいた物質の残りの一部はお諮りできるかと思っております。
今日有害性評価を実施していただいた6物質のばく露評価については、11月18日にばく露評価小検討会の本年度第3回をやらせていただく予定です。その際には、合同での議論も踏まえながら、ばく露のほうの進め方について御議論をお願いしようかなと思っています。
その他、これは有害性評価の枠組では実質的に御参考レベルなんですけれども、ばく露評価のほうでちょっと進め方の話で御相談しなきゃいけないなと思っていることがございまして。いわゆる測定・分析手法ですね。ばく露実態調査の際に何をどういうふうに測定するのか、例えば捕集するのに活性炭を使ってとか何とか、そういった方法の話なんですけれども、それがなかなか確立できていないものがございます。具体的には、例えば水酸化ナトリウム水溶液の高濃度のやつだと捕集ができる物質があるんですが、そんな高濃度の水酸化ナトリウム水溶液が入っているようなサンプラーをぷらぷらさせたまま現場に入れるのかねという、危なかろうもんみたいな話があるんですね。結果として、測定分析手法が確立できていないものが幾つか出てきている状況です。
通常、この測定分析手法はばく露実態調査の委託事業の中で検討いただいたりしているんですが、委託の中では対応困難だと。致し方ないので、先日科研費の公募もかけたりしたのですが、結局応募ゼロになってしまいまして、結論としては、現行の路線のまま測定分析手法を確立させるのは不可能、ばく露実態調査もどうやって進めたもんか、といった課題が出てきています。こういった課題に対して、事ここに至ってはしようがない、作業環境測定を先々制度化すべきとなった場合にそのまま流用できるような方法じゃないのだけど、ちょっと実用的じゃないかもしれないものも含めて、とりあえずばく露実態調査という限定的な枠組でだけは何とかやっつけられる手法を開発しましょうと。場合によっては、そういったアプローチで進めざるを得ないかもしれないという方針について、御相談せざるを得ないかなと思っているものがございます。そういった意味で、ばく露実態調査の進め方そのものにも、ひょっとしたら何らか影響が出てくる可能性もあるところです。
例えば、作業環境測定的な方法はできるかもしれませんが、じゃあ個人ばく露測定ができるのかというと、それはできないというような可能性が出てきたりですとか、測定手法の制約で得られるデータにも制限が出てくる可能性がゼロではないと。今後の話として、そういった状況がございますので、この辺りの取扱いについては、11月18日のばく露評価小検討会の方でご議論いただく形になるかと思っております。
参考ですけれども、ばく露のほうはばく露のほうで結構難しい課題があるというところについてご承知おきいただければということでご紹介させていただきました。
その他、スケジュールの話としましては、だいぶ先になりますけれども、12月半ばに措置検と合同の第3回について日程調整させていただいているところです。
以上です。
○大前座長 ありがとうございました。
それでは、この委員会は当分ないということを今お伺いしましたので安心いたしました。
いいですか。
○阿部中央労働衛生専門官 大丈夫です。
○大前座長 大丈夫だそうです。
○阿部中央労働衛生専門官 また何かありましたら、別途調整させていただきます。
○大前座長 それでは、今日のこの小検討会を終わります。どうもありがとうございました。