平成30年度第1回化学物質のリスク評価検討会(ばく露評価小検討会)議事録

厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

日時

平成30年8月2日(月)10:00~11:45

場所

労働委員会会館 612会議室

議題

  1. ばく露実態調査対象物質の測定分析方法について
    1. 1,3-ビス[(2,3-エポキシプロピル)オキシ]ベンゼン
    2. 2-イミダゾリジンチオン
    3. しよう脳
    4. チオ尿素
    5. チオりん酸O,O-ジメチル-O-(3-メチル-4-ニトロフェニル)
    6. テトラメチルチウラムジスルフィド
    7. エチリデンノルボルネン
    8. 2-クロロニトロベンゼン
    9. 2,4-ジクロロフェノキシ酢酸
    10. メタクリル酸2,3-エポキシプロピル
    11. ジチオりん酸O,O-ジエチル-S-(2-エチルチオエチル)
  2. 経皮ばく露実態調査事前調査票について
  3. その他

議事

 
○大内評価係長 本日は、大変お忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。定刻となりましたので、ただいまより、第1回「ばく露評価小検討会」を開催させていただきます。
 まず、委員の出席状況でございますけれども、内山委員から御欠席との連絡を事前にいただいております。
 また、本日はオブザーバーといたしまして、中央労働災害防止協会労働衛生調査分析センターに御出席をいただいております。
また、このたび私ども事務局にも異動がございましたので、出席者について御紹介をさせていただきます。
化学物質対策課長の塚本でございます。
化学物質評価室長の川名でございます。
 化学物質評価室室長補佐の増岡でございます。
私は評価係長の大内と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
なお、本日は平成30年度の第1回検討会でございますので、化学物質対策課長の塚本から御挨拶を申し上げます。
〇塚本化学物質対策課長 本日は大変お忙しい中、また、大変暑い中、このばく露評価小検討会にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。また、日ごろから厚生労働行政、特に安全衛生行政の推進に御理解、御指導を賜り、厚く御礼を申し上げたいと思います。
 皆様御承知のとおり、国による化学物質のリスク評価制度につきましては、平成18年から始まり、これまでリスク評価結果等を踏まえまして18物質、特別有機溶剤を含めますと28物質につきまして特定化学物質への追加を行ってまいりました。その間、胆管がん事案、膀胱がん事案などの事案も発生しており、これまで以上にリスク評価の精度、迅速さが重要となっております。
 厚生労働省では、本年度から開始いたしました第13次労働災害防止計画におきまして、このリスク評価につきましては諸外国における規制の動向と背景、判断基準、優先順位の情報の収集などについて検討し、さらなる効率化、迅速化を図るものとしており、一層の充実強化を図りたいと考えております。
 本日のばく露評価小検討会は、リスク評価を行うために必要な対象物質のばく露の評価及び測定の手法などにつきまして御検討いただくという、非常に重要な役割を担っております。今後、本小検討会及び有害性評価小検討会におけます検討結果に基づき、リスク評価検討会におきましてリスクの判定を行い、行政におきましては、これを踏まえて必要な措置を講ずる予定でございます。
 本日は、皆様方の各専門分野の知見、経験を合わせました御検討、御審議をお願いいたしまして冒頭の御挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
〇大内評価係長 以下の進行は座長の名古屋先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇名古屋座長 議事に入る前に、事務局より資料の確認をよろしくお願いいたします。
〇大内評価係長 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 まず、お配りしております議事次第がございますが、こちらの他に資料1といたしまして、「ばく露実態調査対象物質の測定分析法について」という資料が、資料1-1から1-11まで、11のホッチキス止めした資料がございます。また、資料2といたしまして「ばく露実態調査事前調査票」という資料がございます。また、資料3といたしまして「今後の予定」というA4片面1枚の資料がございます。
 また、参考資料1といたしまして「化学物質のリスク評価検討会開催要項」、参考資料2といたしまして「経皮吸収に関する評価方法について(暫定)」という資料を本日配布させていただいております。また、委員の皆様方には机上配布資料といたしまして、紙ファイルで綴じた資料を机の上に置かせていただきましたので、適宜、御参照いただきますようお願いいたします。
 資料の説明は以上になります。
〇名古屋座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、本日の議事に入りたいと思います。
 議題1に書かれておりますように、ばく露実態調査対象物質の測定分析方法につきまして、事務局より1つずつの物質について説明をよろしくお願いいたします。
〇大内評価係長 まず、ばく露実態調査対象物質の測定分析方法につきましては、厚生労働省から中央労働災害防止協会に委託して検討いただいておりますが、平成29年度に取りまとめた11物質の測定分析法につきまして、中央労働災害防止協会から説明をしていただきます。今回の検討で採用されました測定分析法に基づいて、今年度以降のばく露実態調査を行うこととなります。
 それでは、中央労働災害防止協会の方から説明をお願いいたします。
〇中央労働災害防止協会 それでは資料1-1から順番に御説明させていただきます。
 まず、資料1-1、1,3-ビス[(2,3-エポキシプロピル)オキシ]ベンゼンになります。
 この物質の物理化学的性状につきましては1ページ目に記載がございます。
 この物質は沸点が172℃、融点が32-33℃、蒸気圧が7.82×10-4mmHg(0.104Pa)、乳白色のペースト状です。
 測定手法の検討の要約したものが10ページになります。この物質については許容濃度等の設定がされておりませんので、暫定2次評価値として0.1ppmとして検討を進めてきました。
 サンプリングにつきましては、InertSep Slim-J C-18C FFというものを使用しています。サンプリング流量は0.2L/min、サンプリング時間については10~240分間、保存性につきましては、冷蔵(4℃)で少なくとも5日間安定であるということを確認しています。
 分析方法としては、ガスクロマトグラフ-質量分析法で、脱着にはアセトン5mLを使用しています。内部標準物質Tol-d8を2.0µg/mL加えたもので脱着をしております。
 脱着方法としては通液脱着で、約1mL/min以下で通液をして脱着しますが、通液開始時に通液量約0.5mLで減圧通液をしまして、均一に脱着ができるように工夫をすることが必要でした。
 分析をする際に標準液、それから試料液いずれにつきましても溶液にPEG-300を0.1%加えることによって検量線の直線性を得られるようになっています。PEG-300を加えませんと、検量線の直線性が得られなかったという検討結果でした。
 脱着率、回収率いずれにつきましても90%以上という結果が得られています。
 定量下限値につきましては、0.00003ppmということで、最初に設定しました暫定2次評価値の1000分の1を十分に測定できるという結果でした。
 最終的な結果として、設定した暫定2次評価値の1000分の1から2倍の範囲を十分測定できるという結果になりました。
 適用としては、個人ばく露測定と作業環境測定、両方とも対応可能です。
 妨害としては、検討の過程では見つかっていないという結果でした。
 以上になります。
〇名古屋座長 どうもありがとうございます。
 もともと中央労働災害防止協会さんのばく露濃度委員会の中でこの分析方法は多くの委員によって検討されておりますけれども、お気づきの点、質問はありますでしょうか。どうでしょうか。
〇鷹屋委員 サンプリングした後の分析法についてはよいと思いますが、物性からすると、職場環境ではミストとして存在していると考えてよろしいですよね。ミストといいますか、粉じん、粒子ですか。結局、このサンプラーはベイパー(蒸気のこと以下同)をとる場合は流量を気にしなくてもよいと思いますが、現実の環境で乳白色のペースト状とあり、融点が30℃ぐらいとなりますと、固体か液体かはちょっと分かりませんが、やっぱり粒子として多分、存在していると思います。その捕集の方が、後ろの吸着剤の能力などにも依存すると思うのですが、0.2L/minの捕集で、きちんと捕集できるのか否かについては何らかの検証は必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
〇中央労働災害防止協会 2ページの方に今回使用したサンプラーの写真があるのですが、写真2の方のものですが、充填剤よりも前側には一応グラスファイバーフィルターを使用して、粒子の方にも対応できるようにしているというところです。
 それから空気取り入れの場所の径が非常に小さいので、ある程度粒子についても対応可能であろうと考えております。
〇名古屋座長 よろしいですか。
 多分、充填剤がいっぱいあるからその心配はないのではないかということですよね。このサンプラーというのはこればかりではなくて、前にも使った例がありますよね。
〇中央労働災害防止協会 はい、そうです。グラスファイバーフィルターを手前に付けてということでいえば。
〇鷹屋委員 多分、主としてベイパーで、例えば条件によっては粒子かもしれないというようなもので設計されていると思うのですが、これだと逆に粒子が主じゃないのではないかという疑問を若干感じます。つまり、そもそもサンプラーに入るのかどうかということです。サンプラーに入った後の捕集は全く問題ないと思います。フィルターと捕集剤は問題ないと思いますが、粒子をきちんとサンプラーまで入れることには、0.2 L/minではかなり遅いのではないかという気がします。
〇名古屋座長 実際に現場に行ってサンプルするときに今の話を検討してみておいて、注意して測定してもらうということでどうでしょうか。
〇中央労働災害防止協会 もう一つ、別の会社さんのサンプラーのところにデータが出ているのですが、0.2L/minでもインハラブル粒子の吸引面速と同じぐらいのスピードはだいたい出るということです。
〇鷹屋委員 この口径だと出ているのですね。分かりました。そこが気になりました。ありがとうございました。
〇名古屋座長 他はよろしいですか。
〇櫻井委員 この25℃で0.104Paというと蒸気圧ですね、飽和蒸気圧。飽和状態だったら1ppmということですよね。
〇中央労働災害防止協会 そうです、そうなります。
〇櫻井委員 そうすると、暫定的に0.1ppmを2次評価値としていますから、1ppmというのはかなりの濃度です。ですから、メインをそれにしているというのはいいだろうとは思います。
〇鷹屋委員 この濃度を出すとベイパーをメインだというのは考えてよろしいという、はい、分かりました。ありがとうございます。
〇名古屋座長 よろしいでしょうか。そうしましたら次に移っていきたいと思います。
 では、資料1-2をよろしくお願いいたします。
〇中央労働災害防止協会 では次に資料1-2、2-イミダゾリジンチオンという物質になります。
 この物質の物性はやはり1ページの方に記載がございますが、沸点が347.18℃、融点が203-204℃、蒸気圧が0.00501mmHg(25℃)です。形状としては固体になります。
 検討にあたっては、暫定2次評価値を1.0mg/m3として検討を行っております。
 次のページですが、この物質につきましては、実は3年間かけて検討を行ってきまして、固体ということですのでろ過捕集ということでNIOSH、OSHAではそのメソッドがあるのですが、蒸気圧が0.00501mmHgということで、飽和蒸気圧濃度を計算すると約7ppm、質量濃度に直すと29mg/m3というものですので、ろ過捕集だけではなく、その後に固体捕集も必要だろうということで検討をスタートしております。
 ろ過捕集、固体捕集では十分な回収率が得られなかったので、マイクロインピンジャーを使った液体捕集で検討をすることを考え、捕集液について水酸化ナトリウムの0.1M、2M、5M、それから1%ヨウ化カリウム、1%亜硫酸ナトリウムなどいろいろ試してみたのですが、その中で回収率90%以上を得られたのが5Mの水酸化ナトリウムしかなく、5Mの水酸化ナトリウム水溶液で捕集するという方法でその後検討を進めてきたということです。
 最終的な要約としては最終ページになります。
 サンプリングにつきましてはマイクロインピンジャーで捕集液が5M水酸化ナトリウム水溶液5mL、サンプリング流量が0.2 L/min、サンプリング時間が4時間、保存性としては冷蔵で少なくとも5日間までは変化がないことを確認しています。
 分析方法としては高速液体クロマトグラフ分析法で、ダイオードアレイ検出器を使って分析をしています。測定波長については234nmで、紫外部の吸収を測っています。
 回収率につきましては、濃度が低いところ、1000分の1のところでは十分な回収率が得られていませんが、暫定2次評価値の100分の1以上のところでは十分な回収率が得られています。
 定量下限値につきましては、計算上ですが0.00017mg/m3というところまでなのですが、回収率の方から判断して、個人ばく露濃度測定として100分の1から2倍の範囲では測定ができるということは確認がされています。
 ただし、捕集液が5Mの水酸化ナトリウム溶液ということですから、これはGHS分類の皮膚腐食性の区分1ということになりますので、これを使って個人ばく露測定、作業環境測定を行うこと自体が事業場様からは受け入れられないのではないかということが考えられます。したがって、委員の先生方から何かいい捕集方法等がありましたら、情報を御提供いただきまして、引き続き検討を進めていく方がよいのではないかと考えております。
 以上になります。
〇名古屋座長 ありがとうございます。
 たぶん、作業環境だと固定するけれども、ばく露だとマイクロインピンジャーが揺れて、それがもしかしたら皮膚ということになるとちょっとつらいね、ということですね。
〇中央労働災害防止協会 そうですね、転んだりすることがあると本当に危ないと思います。
〇名古屋座長 先生方、どうでしょうか。
〇鷹屋委員 最初にこれを読ませていただいて、5Mはあまりにも高濃度で、多分、安全性の問題が出てくると思います。今、名古屋先生が環境は固定だとおっしゃいましたが、固定でも倒したりして目に入ると一発で失明するような濃さですし、他のものがないのかと思います。
 もう一つ聞きたかったのは、ハンドリングの問題もあるのですが、5Mの水酸化ナトリウムの溶液で液体クロマトグラフのカラムはもたないような気がします。私は新しい話(最新の技術動向)を完全には押さえきれていませんが、最初は検量線は引けても、どんどん測定の安定性も、普通の逆相のカラムで5Mの水酸化ナトリウムのような強アルカリのサンプルを打って、普通は、カラムはもたないと思います。その辺りの分析の方には問題がなかったのかどうか、その点についても御確認していただければと思います。
〇中央労働災害防止協会 開発者に聞かないと分かりませんが、特に問題があったという話は聞いておりません。
〇名古屋座長 ということは、これに代わる捕集溶液が見つからない限り、なかなか難しいということですね。
〇圓藤委員 これ、何か反応させて捕集することは無理ですか。捕集剤が何かあればできるのではないでしょうか。
〇中央労働災害防止協会 反応をさせてというものが文献の方で見つからなかったということです。最初に、固体捕集方法でやって、それから液体捕集方法で検討したという、そういうことで聞いております。
〇圓藤委員 何か脱着するときに、固体捕集したものを反応させることも無理だったということですか。
〇中央労働災害防止協会 固体捕集している間に、空気が流れていく間で、おそらく酸素による酸化か何かが起こって物質が変化してしまっているのではないかという報告がありました。というのは、ボンベ窒素を用いたら回収率がよかったと。
〇圓藤委員 何窒素ですか。
〇中央労働災害防止協会 空気をサンプラーの中にスパイクして、それから空気を4時間とかサンプリング時間と同じだけ吸引して、それから回収率を求めるのですが、そのときに空気の代わりにボンベ窒素を使ったら回収率がよかったという報告がありましたので、回収率の低下の原因として空気中の酸素が疑われるというふうなことが2年前の報告でされています。
〇圓藤委員 ということは、事前に脱酸素材を上に載せておけばよいということですか。
〇中央労働災害防止協会 適切な脱酸素剤がありましたら、すいません、御紹介いただければそれで検討をするということにできるかと思います。
〇名古屋座長 これも27年、28年と2年間検討していて、最初は酸素の影響でうまくいかず、今、水酸化ナトリウムを入れてpHを全部変えながらやっていて、やはり5Mぐらいないと90%いかないということですので、これよりも新しい方法がない限りちょっときついですねということです。
 これは引き続き検討していただくというかたちしかないのではないかと思います。濃度も決まっていないので、検討していただくということで。分析方法そのものは大丈夫で、捕集液の問題だけですから。
〇中央労働災害防止協会 そうですね、捕集方法のところの問題になります。
〇名古屋座長 これはそれでもよろしいのでしょうか。これは行政に聞かなければいけないのですが、サンプル方法が確立するまでは、この物質についての実態調査は待ってもらってもいいですかという収め方をしても大丈夫でしょうか。
〇川名化学物質評価室長 現実問題そういうことだと思います。
〇名古屋座長 分かりました。では、引き続き文献を探して検討をお願いしたいと思います。
〇原委員 形式的なことですが、4ページの検出下限及び定量下限の計算式は、aが検量線の傾きというのはちょっと違うような気がしますし、前の物質との整合性というか、多分、面積でやっているはずだと思いますが、その辺を確認された方がよいのではないかと思います。
 それから、細かいことですが、図3の有効数字はもう少し考えようがあるのではないかというふうに思います。その辺は形式的なことなのですが御検討ください。
〇中央労働災害防止協会 ありがとうございます。確認させていただきます。
〇名古屋座長 引き続き文献等を探しながら、捕集液についてまた検討していただくということでよろしいかと思います。
 では、3番目のしよう脳にいきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇中央労働災害防止協会 では、次に資料1-3、しよう脳になります。
 1ページに物性の記載がございます。
 沸点が204℃、融点が180℃、蒸気圧が27Pa(0.2 mmHg)です。飽和蒸気圧濃度を計算しますと、263ppmとなります。形状としては常温で固体、昇華性があります。許容濃度等につきましてはOSHA PEL(TWA)から2mg/m3、ACGIH TLV (TWA)から2ppm 12mg/m3という数字が出されております。
 検討では、このOSHAの数字の方が低いので、こちらの方を用いて2mg/m3、ppm換算すると0.3ppmになりますが、これで検討を進めております。
 検討結果につきましては最終ページにまとめておりますので、こちらの方で説明します。
 サンプリングにつきましては活性炭管を用います。サンプリング流量は0.1L/min、サンプリング時間は4時間、保存性につきましては、補修推定濃度を暫定2次評価値の1000分の1から2倍の範囲で検討しましたが、冷蔵で5日間保管可能であるということを確認しております。
 分析方法では、ガスクロマトグラフの質量分析法になります。
 脱着につきましては、1%メタノールを含有する二硫化炭素1mLで溶出しまして、30分間振とう後、分取するという方法になります。
 分析条件につきましては、こちらに記載のとおりになります。
 脱着率ですが、低濃度、高濃度のいずれにおいても90%以上という結果が得られています。それから、回収率についても同様に90%以上の結果が得られています。
 定量下限値ですが、0.4µg/m3で0.07ppbということで、暫定2次評価値の1000分の1から2倍の範囲で測定が可能という結果になっております。
 以上から、個人ばく露測定、作業環境測定いずれにも対応可能ということです。
 それから、妨害物質につきましてはこの検討過程では確認されていません。
 ただし、しよう脳につきましては、粒子状で空気中に存在する可能性もありますので、そういった場合については、サンプラーの前段にテフロンバインダーフィルターを装着して捕集するということで対応する必要があるということになっております。
 以上になります。
〇名古屋座長 ありがとうございます。
 比較的文献もよく行われるところが書いてありますが、何か質問等ありますでしょうか。
〇櫻井委員 ちょっとピント外れの御質問になると思いますが、ACGIHではshort-term exposure limit(STEL)19mg/m3を出しています。要するにそういうshort-termの評価をするときは、その程度の濃度も定量性が求められることを考えると、あえてEの2倍の4mgに限定するだけでなく、さらに40ぐらいまで定量可能であるかどうかというようなことも課題ではあるとは思いました。もちろん、いつもこの2Eを原則ということでそれで進めてきていることで、大きな問題があると考えているわけではございません。
〇名古屋座長 多分、現場の濃度によって対応することになるのではないかと思います。
〇櫻井委員 やろうと思えば、その高い方はどうにでもなるということは分かっております。
〇名古屋座長 そういうことですね。それを検討しながらやってくださいというかたちで。
 よろしいでしょうか。
 では、次に進めていきたいと思います。資料4でよろしくお願いいたします。
〇中央労働災害防止協会 資料1-4、チオ尿素です。
 1ページ目に物理化学的性状の記載がございます。
 融点が182℃、沸点のデータはありませんでした。蒸気圧は0.37Pa(25℃)、飽和蒸気圧濃度とすると3.7ppmで、質量濃度に直しますと11mg/m³ということになります。形状としては無色の結晶又は粉末になります。
 こちらの方も許容濃度等の設定がなかったのですが、資料の上の方に記載のとおり、国際がん研究機関IARCの発行による文献により、ばく露レベルの規制値として採用されている0.5mg/m3、これを暫定2次評価値として検討を進めております。
 検討結果の要約が最終ページになります。
 サンプリングにつきましては、ガラス繊維ろ紙を使っております。サンプリング流量については2.0L/min、サンプリング時間は4時間ということで、サンプリングにつきましては遮光してサンプリングをするということで報告をいただいております。こちらのページにはありませんが、2ページ目の方にそのように記載がございます。保存性につきましては、暫定2次評価値の500分の1のところの濃度から2倍までの範囲において5日間の保存が可能であるということが確認できております。
 分析方法につきましては、高速液体クロマトグラフ分析法ということで、脱着につきましては、アセトニトリル4.25mLを15分間振とうして脱着し、その後、超純水を0.75mL添加して5mL定容ということで脱着を行っています。
 検出器についてはUVの検出器ということで、240nmで吸収を見ています。
 分析条件等につきましては資料に記載のとおりになります。
 脱着率につきまして、暫定2次評価値の500分の1から2倍の範囲において90%以上という結果が得られています。回収率につきましては、暫定2次評価値の1000の1のところで90%を下回ってしまったということですが、それを超える500分の1から2倍の範囲においては90%以上の添加回収率を得られています。
 定量下限値につきましては、個人ばく露測定480L採気におきまして0.001mg/m3ということで、暫定2次評価値の500分の1から2倍の範囲で測定ができるということを確認しています。
 適用としては個人ばく露濃度測定、それから作業環境測定いずれも可能ということになります。
 妨害物質としては検討過程では確認されていません。
 以上になります。
〇名古屋座長 ありがとうございました。ただいまの説明に対して御質問と御意見、ありますでしょうか。
 比較的扱いやすい物質ではないかという気はします。
〇原委員 1ページの参考文献ですが、IARCが規制値を設定するということは多分ないと思います。IARCの数値に基づいてどこかの機関が考えているということではないかと思います。私もはっきりは知らないのですが、ちょっと違和感があります。いかがでしょうか。
〇中央労働災害防止協会 確認をいたします。
〇名古屋座長 一応、文献3から引いていますね。
〇中央労働災害防止協会 はい、そのように聞いております。
〇名古屋座長 そこの確認だけよろしくお願いいたします。
 分析方法としては大丈夫だと思いますので、次に進めていきたいと思います。
 では、資料5ということでよろしくお願いいたします。
〇中央労働災害防止協会 資料1-5、チオりん酸O,O-ジメチル-O-(3-メチル-4-ニトロフェニル)ということで、別名としてはフェニトロチオンということになります。
 物性につきましては1ページ目に記載しております。
 融点が3.4℃、沸点については数値が無く、210℃付近から分解が始まると、それも窒素雰囲気下でのデータになります。蒸気圧が1.57×10-3Paということで、濃度にしますと0.015ppm、質量濃度にしますと0.18mg/m3になります。ばく露限界値等としては日本産業衛生学会の許容濃度で1mg/m3という数値が勧告されています。この1mg/m3を暫定2次評価値として検討を進めております。
 測定方法の要約が最終ページになります。
 サンプリングにつきましては、サンプラーはNOBIAS RP-SG1WA890-5342というものを使っております。サンプリング流量につきましては、0.2L/min、サンプリング時間は10分から240分ということで検討をしております。保存性につきましては、冷蔵4℃で少なくとも5日間は安定であるというようなことになっております。
 添加量0.049µgのところが保存率86から100%ということになっておりますが、これは、後で御説明しますが、定量下限値未満の濃度になりますので、最終的に採用した測定方法では5日間の安定が確認できています。
 分析方法につきましては、ガスクロマトグラフ-質量分析法になります。脱着液はジクロロメタン5mLということで、内部標準物質Tol-d8を2µg/mL加えています。
 脱着方法としては通液脱着で、約1mL/min以下で通液するということになります。通液開始後、最初は0.5mLで減圧通液し、全体に溶媒が行きわたってうまく脱着できるような工夫が必要ということでこのような方法でしております。
 この物質につきましても、マトリックスとしてPEG-300を0.1%添加して、検量線の直線性が得られるように工夫して測定しなければならないということになります。
 分析の方法については資料に記載のとおりです。
 脱着率につきましては、暫定2次評価値の100分の1から2倍の範囲において90%以上であることを確認しています。回収率につきましても同じ濃度範囲で90%以上であることを確認しています。
 定量下限値につきましては、0.01mg/m3という結果になりまして、暫定2次評価値の100分の1から2倍の範囲で測定が可能であると、1000分の1までは測定ができませんが、そういった範囲で測定が可能であるという結果になっております。
 そういったことから、適用としては個人ばく露濃度測定、作業環境測定いずれも可能であるということと、妨害物質についてはこの検討過程では確認はされていません。
 以上になります。
〇名古屋座長 ありがとうございました。この物質についてはどうでしょうか。御質問等ありますでしょうか。
 この検量線は6ページに書いてありますように、上と下と、小さいのと大きいのがありますが、一般的な暫定濃度に比べると、多分、下のところの低いところを使っても少し過小評価になるけれども、やはり使うのは大きいところですので、1つにまとめても大丈夫だという考え方ですね。
〇中央労働災害防止協会 そうですね、検量線の範囲が6ページの方の下の範囲ですと傾きが全然変わってきてしまうので、その範囲は測定できない範囲ということもあり、100分の1から2倍の範囲でなければ測定ができないという結果になっております。
〇名古屋座長 他にお気づきの点はありますでしょうか。
〇原委員 形式的な例になるのかもしれませんが、この捕集剤、サンプラーについて、NOBIASという型式で、どんな材質であるかを推測ができないのではないかと思います。これは一般的で、この名前を見ればガラスで固体捕集して、それから重合体でガスを取るという、こういうサンプリングをするということが推測できるぐらい業界では一般的になっているものなのですか。
〇中央労働災害防止協会 1ページのいちばん下に記載がありますが、捕集管の捕集剤ですが、ジビニルベンゼン/メタクリレート共重合体系の充填剤になります。
〇原委員 本文に書いてあるという意味ではよいのですが、最終的にはこの別紙1枚が動くというか、主に人の目に触れますので、これではどういうサンプラーでやっているのか推測があまりできないと思いました。スペースもありますが、何らかの推測ができる表現ができないかという、これは要望です。
〇中央労働災害防止協会 そうしましたら、サンプラーのところに括弧書きでそういった捕集剤の名称、ジビニルベンゼン/メタクリレート共重合体系の充填剤を使っているということを記載しておくということでよろしいでしょうか。
〇名古屋座長 そうですね、資料1の2ページのように、きちっと書かれているのと同じような形の詳しい説明を記載することで対応していただければと思います。よろしくお願いいたします。
 あとは、文献等はよく出ていますし大丈夫だと思いますので、次に進めてよろしいでしょうか。
 では、次、お願いいたします。
〇中央労働災害防止協会 次に資料1-6、テトラメチルチウラムジスルフィドになります。
 物理化学的性状につきましては1ページに記載があるとおりです。
 融点が155-156℃、記載では沸点が129℃になっていますが、これは242℃の誤りです。訂正のほどをお願いいたします。蒸気圧は0.0023Pa(25℃)で、計算しますと0.023ppm、質量濃度にすると0.22mg/m3になります。
 許容濃度が日本産業衛生学会で0.1mg/m3、ACGIHのTWAが0.05mg/m3(IFV)ということですので、ACGIHの0.05mg/m3を暫定2次評価値として検討を行っております。
 検討結果の要約が最終ページになります。
 サンプラーとしてはPTFE PF040のフィルターを使っております。サンプリング流量としては2.0L/min、サンプリング時間についてはこの検討では6時間で検討しました。保存性につきましては、添加量0.072µg~144µgであれば、冷蔵4℃で5日間可能であるということを確認しております。
 分析方法につきましては、高速液体クロマトグラフ分析法を使用します。
 脱着につきましては、メタノール3.0mLで振とう脱着を30分間行いまして、その後超純水1.0mLを添加するということで、4.0mLに定容してその溶液を分析に供するということになります。
 分析の詳細についてはこちらに記載のとおりですが、検出器としてはUVの検出器で、272nmでの吸収を見ているというところです。
 脱着率につきましては0.072µg、それから144µgということで、6時間捕集したときの暫定2次評価値の500分の1から4倍の範囲になりますが、その範囲で90%以上であるということを確認しております。添加回収率の試験では、暫定2次評価値の1000分の1で行ったところでは90%を下回ってしまったということですが、500分の1から4倍の範囲では90%以上であるということが確認されております。
 最終的な定量下限値としては暫定2次評価値の500分の1の濃度、6時間の採気では0.0001mg/m3というところで確認がされております。実際の調査においては、通常、午前と午後2回に分けてサンプリングを行っておりますので、4時間のサンプリングということで考えれば、暫定2次評価値の300分の1から2.6倍の範囲での測定が可能であるということを確認しているというところです。
 適用範囲としては個人ばく露濃度測定、作業環境測定いずれも可能ということです。
 妨害物質につきましては、検討の過程では確認されていません。
 以上になります。
〇名古屋座長 ありがとうございました。何か質問等ありますでしょうか。 
 換算すれば大丈夫なのですけれども、これはあえて6時間やられた理由は何かあるのですか。
〇中央労働災害防止協会 恐らく検討された方が1000分の1まで検討するということで、最初に分析手法の定量下限からいって、6時間のサンプリングが必要だと、そういうことで判断されたのだと思います。
〇名古屋座長 分かりました。ありがとうございます。
 分析方法そのもの自体は問題ないと思いますが、よろしいでしょうか。
〇櫻井委員 妨害の問題なのですが、この前のもそうですが、こういう農薬は散布するようなときはいろいろなものに溶かして使っていて、妨害の有無というのはその使用される混在物で調べているということですか。
〇中央労働災害防止協会 妨害については、この検討の過程ではこのものについては確認していないというところです。
〇名古屋座長 農薬を使う、ここにタバコだとかリンゴとか書いてあるので、それに対して何がくるかということで妨害を見るのだと思います。多分、そうだと思います。
〇櫻井委員 ほとんど妨害は考えなくてもよいくらいだと常識的には思いますが。
〇名古屋座長 何かその辺、また注意して見ておいてくださいということでよろしくお願いいたします。
〇中央労働災害防止協会 はい、調査するときには必ず何か他に妨害になりそうなものを使っているかどうかというのは今でも確認しておりますが、それを徹底したいと思います。
〇名古屋座長 よろしくお願いいたします。
〇圓藤委員 長時間吸引しているのですが、破過はないのですか。溶剤で溶かしてやっているようですが。
〇中央労働災害防止協会 4倍の濃度での6時間の添加回収試験については、サンプリング時間と同じだけの時間を吸引するという方法でやっており、そこで平均の回収率は101.7%ありますので、破過はしていないという判断ができるかと思います。
〇名古屋座長 それでは次にいきたいと思います。
 では、7の資料をよろしくお願いいたします。
〇中央労働災害防止協会 資料1-7、エチリデンノルボルネンになります。
 この物質の物性につきましては1ページに記載しております。
 融点が-80℃、沸点が144~148℃です。蒸気圧は0.56kPa(4.2mmHg)(20℃)です。形状は無色の液体です。
 許容濃度等につきましてはACGIHのTLV-TWAで2ppmという数値が出されていますので、この値を暫定2次評価値として検討を進めております。
 検討結果の要約が最終ページになります。
 サンプリングにつきましては活性炭チューブを使用しています。サンプリング流量は0.1L/min、サンプリング時間は4時間で、保存性につきましては、4時間サンプリングを行ったときの暫定2次評価値の1000分の1から2倍の範囲において、冷蔵保管で少なくとも3日間は保存率が90%以上であるということを確認しております。
 分析方法はガスクロマトグラフ質量分析法で、脱着については5%メタノールを含む二硫化炭素を1mL使用して1時間放置ということで行っております。内標準物質としてはトルエン-d8を添加しています。
 分析の方法の詳細につきましてはこちらに記載のとおりになります。
 脱着率につきましては、暫定2次評価値の1000分の1から2倍の範囲において90%以上であるということを確認しております。回収率につきましても同様に90%以上ということで確認しております。
 定量下限値につきましては、24L採気時の気中濃度が0.00055ppmということで、暫定2次評価値の1000分の1から2倍の範囲で測定が可能であるということを確認しております。
 以上から適用としては個人ばく露濃度測定、作業環境測定いずれも可能です。
 妨害物質としては、この検討の過程では確認はされていません。
 以上になります。
〇名古屋座長 ありがとうございました。この物質について御質問等ありますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 では、次の8の資料にいきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇中央労働災害防止協会 資料1-8、2-クロロニトロベンゼンになります。
 物性につきましては1ページに記載のとおりになります。
 融点が32℃、沸点が246℃で固体の物質になります。蒸気圧は4Pa(0.03mmHg)(20℃)で、飽和蒸気圧濃度を計算しますと39.4ppmになります。
 この物質については、ばく露限界値の設定がないのですが、異性体の4-クロロニトロベンゼンについてACGIH TLV-TWAが0.1ppmを出しておりますので、こちらの濃度、0.1ppmを暫定2次評価値としてその後の検討を進めております。
 検討結果については最終ページに要約がありますので、そちらで御説明させていただきます。
 サンプリングにつきましては、サンプラーはシリカゲルチューブ(スタンダード型)のものを使用します。サンプリング流量は0.2L/min、サンプリング時間は4時間、保存性につきましては、暫定2次評価値の1000分の1から2倍の範囲において、冷蔵で5日間まで変化がないということを確認しております。
 分析方法としてはガスクロマトグラフ質量分析法を用い、脱着はアセトンを2mL使用し、超音波で20分間行います。
 分析の条件についてはこちらに記載のとおりになります。
 回収率につきましては、暫定2次評価値の1000分の1から2倍の範囲において90%以上であるということを確認しております。
 定量下限値は48L採気において0.00006ppmということで、暫定2次評価値の1000分の1から2倍の範囲において測定可能であることを確認しました。
 適用としては個人ばく露濃度測定、作業環境測定いずれも可能で、妨害につきましては、検討の過程では特に確認はされなかったとういうことになります。
 以上になります。
〇名古屋座長 ありがとうございます。何か質問等ありますでしょうか。
〇鷹屋委員 検討機関の流儀なのかもしれませんが、今までだいたい内標を同位体で入れていらっしゃったようですが、これはGC/MSなのに内標を入れていないのですか。これは内標を入れなくても回収率はこの超音波脱着だと問題がないということなのか、それとも検討機関の流儀なのか。特に問題がなければ入れておいた方が安心ではないかという気はします。
〇中央労働災害防止協会 そのとおりだと思います。検討機関の流儀ではないかと思います。
〇名古屋座長 検量線は使い分けるというのか、それとも採った濃度がある程度濃かったら希釈していって、できるだけ直線性があるところの検量線を使うと考えてよろしいのでしょうか。
〇中央労働災害防止協会 基本的には希釈して使う形になります。
〇名古屋座長 分かりました。ありがとうございます。
 では、内標自体は検討機関に聞いてみてください。よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 では、次の9の資料にいきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇中央労働災害防止協会 資料1-9、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸になります。
 こちらの物理化学的性状につきましては1ページの記載のとおりとなります。
 融点が139.18℃、沸点が160℃です。この160℃については0.4mmHgの減圧下においての沸点になります。形状としては白色の粉末になります。蒸気圧は1.866×10-5Pa(25℃)で、質量濃度で換算すると0.0017mg/m3となります。
 許容濃度等につきましてはOSHA、NIOSH、ACGIHともにTLV-TWAで10mg/m3ということで、この値を暫定2次評価値として検討を行いました。
 検討結果の要約につきましては最終ページになります。
 サンプリングにつきましてはサンプラーがNOBIAS RP-SG1WAというもので、こちらについては、ガラス繊維濾紙入りのジビニルベンゼンメタクリレート共重合体ということできちんと記載があります。サンプリング流量については0.2L/min、サンプリング時間は4時間ですが、サンプリングにつきましてはアルミホイルで遮蔽するということになっております。保存性につきましては、添加量5から1,000µgということですが、これが暫定2次評価値の100分の1から2倍の範囲になりますが、この範囲において常温保存で3日間までは変化がないということを確認しております。
 分析方法につきましては高速液体クロマトグラフ分析方法で、脱着溶液がメタノール10mLで、バックフラッシュによる通液の脱着ということになります。
 分析条件等につきましては、こちらに記載のとおりとなります。
 脱着率につきましては、暫定2次評価値の100分の1から2倍の範囲において90%以上であるということ、それから回収率も同じ濃度範囲で90%以上であるということを確認しております。
 定量下限値につきましては、検量線の最低濃度で求めた10SDにしますと、ピークとしてノイズの中に埋もれてしまうということで、S/N比10というところで計算しますと、0.02799mg/m3ということになります。そういったところからいきまして、暫定2次評価値の100分の1から2倍の範囲において、測定が可能であるということが確認できたということです。
 適用としては個人ばく露濃度測定、作業環境測定いずれも可能で、妨害については検討過程では確認されていません。
 以上になります。
〇名古屋座長 ありがとうございました。何か質問等ありますでしょうか。
 6ページにNOBIASの構造及び材質の詳細な図が掲載されています。先ほど、原委員が言われた4番のチオりん酸のところにこれをもってくればそのまま使えるのではないでしょうか。これはすごくよく書いてあって、先ほどはちょっと足りないと言われたのですが、これであればよく分かります。そこをちょっと工夫してみてください。
 他に、分析等で何かありますでしょうか。
 では、次、10番をお願いいたします。
〇中央労働災害防止協会 資料1-10、メタクリル酸-2,3-エポキシプロピルになります。
 物性につきましては1ページに記載のとおりとなります。
 融点については-41℃、沸点が196.8-197.9℃で、無色の液体になります。蒸気圧は82.9Pa(25℃)です。
 許容濃度、それからACGIHのTLV等設定がありませんが、アメリカ産業衛生工学会(AIHA)が労働環境ばく露限界値(WEEL)の8時間TWAとして0.5ppmを勧告しておりますので、この値を暫定2次評価値として検討を進めております。
 検討結果の要約が最終ページになります。
 サンプリングにつきましては、No.258Aという球状活性炭管になります。サンプリング流量が0.2L/min、サンプリング時間が4時間で、保存性につきましては、この暫定2次評価値の1000分の1から2倍の範囲で、冷蔵で少なくとも7日間までは変化がないことを確認しております。
 分析方法はガスクロマトグラフ質量分析法で、脱着につきましては、ジクロロメタン1mLを使用して1時間放置ということです。
 分析条件等につきましてはこちらに記載のとおりとなります。
 精度ですが、脱着率につきましては暫定2次評価値の1000分の1から2倍の範囲において90%以上であるということ、それから回収率につきましても、同じ濃度範囲で90%以上であるということを確認しております。
 定量下限値につきましては0.0002906ppmで暫定2次評価値の1000分の1から2倍の範囲において測定が可能であるということを確認しております。
 適用としては個人ばく露濃度測定、作業環境測定いずれも可能ということです。
 妨害については、検討の過程では特に確認されておりません。
 以上になります。
〇名古屋座長 ありがとうございます。何かお気づきの点がありますでしょうか。
〇原委員 形式的ですが、1ページ目のAIHAの基準値は8h-TWAではなく、WEELですので、そのように訂正してください。
〇中央労働災害防止協会 はい、分かりました。
〇名古屋座長 他にお気づきの点、大丈夫でしょうか。
 分析は比較的安定していますし、検量線もよいので大丈夫だと思います。
 では、最後になりましたが、11の物質をよろしくお願いいたします。
〇中央労働災害防止協会 資料1-11、ジチオりん酸O,O-ジエチル-S-(2-エチルチオエチル)になります。
 この物質につきましては、最終までたどり着いていませんが、途中経過ということで御報告をさせていただくということになります。
 この物質の物理化学的性状につきましては1ページに記載のとおりとなります。
 融点が32-33℃、沸点が132-133℃で、油状の無色の液体となります。蒸気圧は0.02Pa(20℃)です。
 この物質ですが、検討をずっと進めてきたわけですが、まずOSHAの方では、グラスファイバーフィルターでの捕集プラスXAD-2、ろ過捕集と固体捕集を併用して行うというようなことで、1.0L/minを480分で、定量下限値が0.002mg/m3というところまで測定が可能であるということが報告されていました。そのXAD-2と同等品ということで、先ほどから出てきているNOBIASの捕集剤を使って検討していったのですが、結果、90%以上の捕集はできなかったということで、別の捕集剤として何かよいものはないかということで見ていった中で、C-18Cというものが比較的よいのではないかということで検討を進めてきたところです。
 ただ、分析の感度がなかなか上がりませんで、検量線の直線の範囲でいきますと、3ページの図1の方で0.025から0.25µg/mLの範囲でしか直線の範囲が確認できていません。48Lの採気、0.2L/minで4時間の採気で考えていきますと、その暫定2次評価値の19分の1から2分の1の範囲に相当する範囲までしか検量線の範囲がなく、どんなに頑張っても、今の段階ですと暫定2次評価値の19分の1までしか測れないというのが現状になります。
 ですから、こちらの方につきましても、分析の直線範囲が得られるようにやはりPEG-300を添加しながら、ようやく低いところまで直線の範囲が出るようになったのですが、これ以上感度向上が望めないというところになっております。
 したがいまして、こちらの方も委員の先生方に何かいいアイデアがありましたら、また情報がありましたら御提供いただけたらと思います。そういうところで、まだ検討の途中というところになります。
 以上になります。
〇名古屋座長 ありがとうございました。
 去年に引き続き、また29年度も検討して、28年度に比べると少しは検量線の直線性が伸びたのですが、まだここまでしかいかないよということですね。
 委員の中で、いいアイデアがありますでしょうか。
 これだけ文献があって、けっこう頑張っていらっしゃるところもあると思いますが、濃度が低いから、定量下限的なところはこの程度の分析精度しかいっていないのでしょうか。
〇中央労働災害防止協会 GC/MS/MS等、非常に高感度の分析機械を使っているということですが、この開発においては一般の作業環境測定機関でも使えるような機械でという制限がありますので、こういったところに収まってしまうということです。
〇名古屋座長 分かりました。分析精度を考えてどうしても、ということで、前にICPのMSを認めたことが一度ありましたが、今のところそういう形ですね。現状でいうとここまでだということですね。
〇中央労働災害防止協会 そういうことになります。
〇圓藤委員 流量が低いのですが、この流量でないとこの捕集剤は無理だということですか。
〇中央労働災害防止協会 そこも検討の課題に1つ挙げていきたいと思います。10倍の流量で吸引できれば、ぎりぎり個人ばく露濃度測定でもいける濃度まで上がって、100分の1ぐらいまでできれば何とかこのばく露実態調査で使われてもよいということで今までの検討結果になっているようですので、その辺も併せて検討を進めていきたいと思います。
〇櫻井委員 国が行っているこのリスク評価事業の場合は、特に分析装置が一般的でないという点を考える必要はないと思います。
〇名古屋座長 リスク評価ですから、例えばリスクを評価値が超えたときに、規制をかけるときにはそこが関わってくるけれども、リスクを評価するときには、今、先生が言われたように関わってこないので、できたら中央労働災害防止協会さんがその機器を持っていて、定量性が上がるのであれば定量下限がどこまで下がるかということでリスク評価ができれば、そのままいかれても大丈夫であるということだと思います。私もそう思いますので、その辺を検討してみてください。
〇原委員 分からなかったので教えていただきたいのですが、まとめの段階でこの捕集剤では捕集できないというふうに考えてよいのか、検量線的に直線性が非常に狭いと考えてよいのか、あるいは添加回収で回収できないと考えたらよいのか、その辺は書いてあるのかもしれませんが、ちょっと頭で整理ができなかったので、もう一度かいつまんで教えていただければありがたいです。
〇中央労働災害防止協会 今、検討で捕集剤が0.2L/minという条件で固定して検討をずっと進めてきているところもありまして、その条件で検討すると、今、行っている分析方法で検量線の測れる最低濃度は、暫定2次評価値の19分の1までしか測れないという、そういう状況です。
 あと、上の方の濃度になると検量線も上がってきてしまうのですが、そこまで濃度が高い場合は希釈すればよいという考え方がありますので、そちらの方はあまり問題にはしていないのですが、低い方が今は測れていないということです。
 流量を上げることができれば、その辺が少し変わってくるということだと思います。
〇原委員 7ページの表の4を見る限り、高濃度でもかなり厳しいというか、脱着の問題もあるのではないかと思ったのですが、それは関係ないのでしょうか。
〇中央労働災害防止協会 そうですね、すいません、通気の方の関係もありますね。4時間通気すると非常に回収率が悪くなってきているというところもありますので、その辺も併せて考えていかなければいけないところです。失礼いたしました。
〇名古屋座長 そうしますと、機器はもう少し感度のいいものを使うけれども、その他にも通気や他のところも引き続き検討していただくということでよろしいでしょうか。
 そうしましたら、今日の11物質は終わりましたが、2番目の2-イミダゾリジンチオンのところと今のジチオりん酸のところ、この2つだけはまた引き続き検討するということでございます。他は、今日のところは問題なしということでこのまま進めていただければということでよろしいでしょうか。
 どうぞ、先生。
〇櫻井委員 検討機関が書いていないので、記載しておいた方がよいと思います。
〇名古屋座長 では、検討機関の記載をお願いします。
〇中央労働災害防止協会 はい、分かりました。
〇名古屋座長 そうしましたら、引き続きまして次の資料2ということで、「経皮ばく露の実態調査票について」ということです。これは平成29年度第3回のばく露小検討会で、次回以降にまとめていただくことにしておりまして、その案ができましたので、この案についてこれから議論していきたいと思います。
 説明をよろしくお願いいたします。
〇中央労働災害防止協会 経皮ばく露の実態調査の調査票について説明させていただきます。
 資料は2になりますが、いわゆるばく露実態調査では「労働者の有害物によるばく露評価ガイドライン」に沿って調査票が作られておりまして、それを経皮に係るばく露実態調査に少し改編した形になります。大きな変更はしていないのですが、項目を追加しております。
 項目を追加した部分を具体的に申し上げますと、3ページの「使用実態」のところになります。この(1)の「使用物質の取り扱い時の形状」の「その他」で「ペースト状、スラリー状など」という項目を入れて、その他について記載が分かるようにしております。
 それから4ページ目のところの「作業内容」ですが、そこの(5)、(6)、(7)を新たに追加した形になります。経皮吸収による健康障害において、平成29年1月1日から特化則の改正で、「経皮吸収により健康影響のあるものについて」に関し、そこで「皮膚に障害を与えたり、皮膚から吸収されることにより障害を起こすおそれがある作業」いうことが書いてあって、そこの注釈として「直接触れる作業、手作業で激しくかき混ぜることにより、身体に飛散することが常態として想定される作業」というものが挙げられていますので、そこで経皮吸収という意味で、調査をする事業場に対してそういう要素のある作業があるかないかということを、ここで判断するということで加えました。
 それから、高濃度のガスにさらされることも想定される作業があれば、高濃度ガスによる経皮吸収というものが考えられるということで、この要素を入れて、実際に作業によって経皮吸収の可能性があるかないかということを判断しようということでこの項目を入れました。
 さらに追加として、同じ4ページの「保護具の使用」の欄に、保護具としてマスク、保護手袋、保護衣等の記載がありますが、ここにマスクであればマスクのメーカー、型式、保護手袋、保護衣につきましても同じようにメーカーと形式を記載していただくように求めております。これは田中茂先生の執筆された「皮膚からの吸収・ばく露を防ぐ!」の中で、推奨する手袋、保護衣等の記載があり、取り扱い作業をしている事業場の現場に調査に行った際、推奨される適切な保護具を使用している事業所の状態及びそのような保護具を使用していない事業場の状態の報告を記載できる場合があるのではないかと判断し、情報を盛り込んだということです。
 それ以外、「その他」の物質につきましては、ばく露実態調査で実施させていただいている項目をそのまま踏襲したということで、全体の調査票という形で構成をさせていただきました。
 以上です。
〇名古屋座長 ありがとうございました。お気づきの点、ありますでしょうか。
 1点お聞きしたかったのが、3ページのところに「作業工程」とありますが、そこで「作業者数」と書いていて、多分、人数が出てくるのだと思いますが、その作業者数が1人だったらよいのですが、例えば2、3人になったときに、その下の作業と違う作業をしている人がいてもそこは同じ作業をしている人たちを選ぶという形なのでしょうか。もし、扱っているものが1人は結晶だ、粒子だ、液体だというふうに違ったときには、この辺はどうされるのかという点、人数とその下の関係がよく分かりませんでした。
〇中央労働災害防止協会 こちらのニュアンスとしては、1つの形状で3人なら3人従事していると想定しますけれども、記入される方が担当者である等、現場の作業者が直接書かない場合もありますので、作業者ではない記入者のくみ取り方にもよりますが、形状を変えて記入しなければいけないと判断すれば、一応記載表には3列ありますが、そこに書いていただける可能性もありますし、結局は混合して、「だいたい」という不正確な記載も含め、そういうふうに書くことがあるので、そこまで精度の高いものはこちらも要求できかねるというふうに判断しています。
〇名古屋座長 そういう意味で3つに分けている部分もあるのですね。ありがとうございます。
 他に何かお気づきの点はありますでしょうか。
〇櫻井委員 もうこれは使い始めているのでしょうか? まだ修正は可能ですか?
 一つ気になっているのは、教育の実施状況です。「皮膚吸収の防止を目的とする教育の実施状況及びその記録の有無」というようなことを追加するかどうかという問題です。定常的にはそれは非常に必要で、定性的な判断をする場合には必要な項目だと思いますが、今回はそこまでやっているところがないだろうということで、ここに落ちていてもあまり問題はないかもしれないけれども、経皮吸収はだいぶん話題になっていますからやっているところはもうすでにあると……。
〇名古屋座長 それはやはり「その他」ではなく入れた方がよいですよね。
〇櫻井委員 「その他」ではないかと思ったのですが、「その他」よりも重要ですね。
〇名古屋座長 より重要ですので、そこに「7」として入れて、「その他」を8にしてという形でどうでしょうか。入りますでしょうか。
〇櫻井委員 量が多くなってしまうのがよいかどうかということもお考えだとは思います。
〇名古屋座長 多分、思うにここのところである程度作ったものを出してみて、返ってきた答えの中で、「ここが違うね」ということがあって、そこから先に進むときにもう一回手直しがあった方がよいのではないかと思うので、ある程度のところを今回一回出されてみて、そして書き手と調査の人たちの中の修正する。そういう意味ではもう少し修正があるような気がします。ですから、先生が言われたように、今、教育も入れておかれた方がよいのではないかと思いますが、これは私の意見で申し訳ないですが、皆さんどうでしょうか。
〇原委員 教育ということでなじむのかどうか分かりませんが、ばく露でいうと皮膚からの吸収と考えれば、衣服の交換の頻度ですとか、そういうこともかなり大きなことになると思います。それが教育になじむのかどうかというところは、自信はないのですが、入れておくと判断には有効ではないかと思います。
〇櫻井委員 いちばん大事な教育は「付着したら直ちに洗う」ということとか、それから「休憩の前あるいは仕事の終了時に接触する可能性のあるところは洗う、ということを定常的に行ってもらう」という、それプラス衣服の配慮ということもあるかと思います。付着したところを直ちに洗うというのは非常に重要ですよね。
〇名古屋座長 先生、例えば「教育」としたときには、要するに「経皮吸収に関して教育していますか」とただそれだけにしますか、それとも「何をされていますか」というところまで。
〇櫻井委員 分からないと思いますから、例を挙げておいた方がよいと思います。例えば「付着時に直ちに洗浄する」とか、あるいは「作業終了時の洗浄」とか。例を1、2挙げておけば分かると思います。向こうは「あぁ、こういうことを聞いているのだ」ということで、その後それをすぐに実施するかもしれませんから、それは教育にもなってしまいますけれども。
〇名古屋座長 鷹屋委員は実際に現場に行かれてこれをやってきていますが、どうでしょうか。その辺、何か他に付け加えることはありますか。
〇櫻井委員 これは、当面は入れておかない方がよいかもしれないです。実態調査にはそれから後に行くわけですよね。
〇中央労働災害防止協会 現時点でこの調査票の目的としては、経皮吸収の状態を知りたいというのが目的なので、まずそれに対して作業場を絞る、選定をするための目的の用紙として使われます。そして、現場に行く人間として現時点で知りたいのは、作業環境中の濃度、個人ばく露測定の濃度で比較的高い事業場を選べるようなものができるとよいなと思っています。
 そこで、ある程度作業環境中の濃度が高いところで、できるだけ終日にかけて経皮吸収を見たいわけです。検査項目には尿中代謝物等が入ってきますので、できるだけ終日作業をしている事業場で、比較的濃度があってというところをサンプリングしてきたときに、代謝物がどの程度出るかとか、そういうものが見られることによって経皮吸収の程度がある程度判断できるのではないかと思っています。
 そういう事業場を選びたいというふうになってくると、そこで作業の種類とばく露報告の方から作業の種類と形態、それから皮膚に直接付くとか、簡単に言うとふき取りであったりとか、塗装であったりとか、そういうところをできるだけ優先して選びたいと、それで調査に行きます。
 それで事業場を選びましたと、そうしたらもう一つこの調査の用途としては、今度は現場に行って、担当者と会話をするときに、今、櫻井先生がおっしゃったような教育の状況、それから実際にケースバイケースですが見ることも可能なので、そういうふうに使いたいと思っています。
 1枚の用紙で2つの要素を作ってよいのかどうかという点の懸念は少しあります。やはり、あれも聞きたい、これも聞きたいというふうに要素がたくさんになってしまうと、事業場からのっけから拒否されるのも嫌だなとか、そういう不安もあり、もっと減らすことはできないか等いろいろ考えているのが現状です。
 とりあえずはこれで動いちゃってもよいのかな、そして、事業場を選んだら、今言ったような要素は現場で聞き取ってくるということでいきたいと考えております。
〇名古屋座長 よく分かりました。
 鷹屋さん、何かありますでしょうか。
〇鷹屋委員 今回の目的はこれでよいと思いますが、行かれたときに、ぱっと見て、5ページがすごく気になって。逆にあるまじきことなので調査票には入れられませんが、「使い捨てなのに使い回しをしていないかどうか」とか、ここで聞いて正直に答えてもらえないと思うので、そこら辺は調査に行かれるときのチェック項目としてリストアップして、見ていただければと思います。
〇名古屋座長 よく趣旨は分かりましたので、このままでよいと思います。
 よろしいでしょうか。
 先生、何かありますか。
〇圓藤委員 もしそういう意味ならば、現場に行って分かることは抜いてもよいということですか。
〇中央労働災害防止協会 これは私的な意見になってしまいますが、自分としてはそれでよいと思っています。
〇圓藤委員 保護衣にしても使用しているかどうかだけで、保護衣の場合はどこのメーカーを使用しているかといった点、使用頻度等、実際にはそこで聞けるのですか。
〇中央労働災害防止協会 メーカーを入れた理由はまた別で、適切でない保護衣を使っている、それから適切な保護衣を使っているという判断を先にしたかったというのがあります。そうすると、特に手袋、保護衣については、不適切なところ、それから適切なところというので、事業場を多くやればやるほど差異が出るのではないかと思いました。選ぶときにその情報があった方が選びやすいのではないかという意味で入れさせていただきました。
〇名古屋座長 工夫されているのがよく分かりまた。ありがとうございました。
 これで一度やってみるということでよろしいでしょうか。
 御苦労様でした。ありがとうございました。
 そうしましたら、修正等ありませんでしたので、今後、引き続きこれでよろしくお願いいたします。
 リスク評価検討会でまとめをしていただいたところですが、参考資料の「経皮吸収に関する評価方法について」に基づきまして、今回議論いただきました調査票のところは各自行きましょうということで進めていきたいと思います。
 では、その他のところについて、事務局からよろしいでしょうか。
〇川名化学物質評価室長 今の経皮吸収に関しまして一言申し上げます。
 この経皮吸収に関しましては、昨年度の本小検討会、また、それに引き続きましたリスク評価の検討会におきましていろいろと御議論をいただきました。
 その結果、参考資料2にございますような形で、当面の評価方法についてというようなペーパーをまとめさせていただいております。検討会での御議論を踏まえ、その後、委員の皆様にメールベースで御意見を伺って、とりあえず暫定版として現時点で作っているものでございます。
 この「暫定版」という意味は、経皮吸収の関係についての評価方法はまだまだ皆様の御知見もいただきながら検討を深めていく部分がたくさんあるということで、いろいろな評価に係る作業を進めていきながら、並行してこちらの方の見直しもかけていくという位置付けで暫定ということにさせていただいております。
 ですので、先ほど櫻井先生から御指摘があったような教育の関係など、そういったものの取り扱いにつきましても、今後、中央労働災害防止協会さんによります現場の実態調査などいろいろな知見を集めながら、議論を深めていく項目ではないかと思っているところでございます。
 本日、御検討いただきましたこの調査票を使いまして、早速、中央労働災害防止協会さんには経皮ばく露の実態調査に着手していただきたいと考えております。
 このばく露の実態調査も、30年度から本格的に委託調査で中央労働災害防止協会さんに実施していただくということにしております。この過程でいろいろとまた困難も出てまいるかというふうに想像しているところでございますが、また、その際には先生方の御知見をお借りしながら、何とかいい方法を見出していきたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
〇名古屋座長 ありがとうございます。なかなか大変だと思います。
 実際に現場に行かれた話をこれから委員会で聞かれることによって、また、いろいろなことが分かってくるのではないかと思いますので、ぜひ、よろしくお願いいたします。
 そうしましたら、資料3「今後の予定」ということで、事務局、よろしくお願いいたします。
〇大内評価係長 今後の予定につきまして、資料3を用いて御説明をさせていだきます。
 本日第1回の評価小検討会を開催させていただきましたが、第2回につきましては、9月13日午後3時から、場所は未定なのですが、議題といたしましては「平成29年度ばく露実態調査物質のばく露評価について」等につきまして検討する予定でございます。また、第3回といたしまして、9月27日午前10時から、これも場所は未定ですが、議題として「平成29年度ばく露実態調査物質のばく露評価について(予備)」ということで、この2回を予定しております。
 また、正式に決まりましたら委員の皆様方には御連絡をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 以上です。
〇名古屋座長 どうもありがとうございました。
 これからまた2回、3回と続きますので、本年度もまた引き続き皆様の協力をよろしくお願いいたします。
 では、本日のばく露小検討会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。