第26回全国健康保険協会業績評価検討会

日時

令和元年9月26日(木)
14:00~16:00

場所

都道府県センター 401会議室
(東京都千代田区平河町2-6-3)

議題

全国健康保険協会の平成30年度事業実績報告及び自己評価に対するヒアリング(質疑及び業績評価についての議論)
<業績に関する評価>
○船員保険
○組織体制の強化

議事

 
○厚生労働省深谷全国健康保険協会管理室長 定刻前でございますけれども、皆様おそろいになりましたので、始めさせていただきます。ただいまより、第26回「全国健康保険協会業績評価に関する検討会」を開催いたします。皆様には御多忙のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。
事務局の保険課、深谷でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
開会に当たりまして、本日の構成員の皆様の出席状況でございますが、花井構成員が欠席でございます。
また、本日の議事でございますが、前回に引き続きまして、船員保険と組織体制関係の2つのテーマにつきまして、実績の説明と質疑をお願いしたいと思います。
それでは、これより小西座長に進行をお願いいたします。
○小西座長 こんにちは。それでは、私が進行をさせていただきます。
議事に入ります前に、本日御欠席の花井構成員の代理として、伊藤参考人が御出席でございます。この御出席につきまして、構成員の皆様の御承認をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○小西座長 ありがとうございます。
それでは、伊藤さん、よろしくお願いします。
また、今回も皆さん「さん」づけでやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、早速、業績評価の議論に入ってまいります。
初めに、本日の第1のテーマでございます船員保険について、全国健康保険協会から御説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○前島船保部次長 船員保険部の前島でございます。船員保険について御説明させていただきます。
Padの資料1、30年度業績評価シート(3.船員保険)というファイルをお開きいただきたいと思います。
その1ページからでございまして、まず基盤的保険者機能の保険給付等の業務の適正な実施についてでございます。
事業計画は省略させていただきまして、自己評価から行きたいと思いますけれども、自己評価については「A」とさせていただいております。
自己評価の理由でございますけれども、申請内容に疑義が生じた場合には、その都度被保険者本人とか担当医師に疑義の照会を行うほか、船員保険の審査医師に意見を求めるなど、適切な給付に努めてまいっております。
また、療養補償の適正な受診が行われるよう、被保険者、船舶所有者に対して周知を行ってきました。
加えまして、療養補償証明書の様式の見直しを行いまして、被保険者等の利便性の向上に努めてまいったところでございまして、このように事業計画の記載の事項を着実に実施したほか、様式の見直しなどの工夫を行ったことから、自己評価を「A」とさせていただいております。
続きまして、3ページをごらんください。効果的なレセプト点検の推進についてでございます。
自己評価でございますけれども、「S」とさせていただいております。
自己評価の理由でございますけれども、資格点検、外傷点検につきましては、効率的に実施させていただきました。
また、内容点検についてでございますけれども、29年11月から外部委託により実施しております。これに伴いましてガバナンスをより発揮して、点検効果額向上を図るために、これまで東京支部で実施しておりました資格点検とか外傷点検など、全てのレセプト点検業務につきまして、ことしの31年1月から船員保険部で実施することといたしております。
○の3つ目ですけれども、内容点検効果額につきましては、効果額が向上しております。外注化することによりまして、船員保険のほうは点検額が向上しております。
それから、KPIにつきましては、支払基金と合算したレセプト点検の査定率を、前年度の0.35%以上とするということで設定しておりまして、30年度、達成することができております。
最後の○ですけれども、支払基金の査定効果額が大幅にマイナスとなっておりますが、その中でKPIが達成できたということに加えまして、加入者1人当たりの内容点検効果額は29年度を大幅に上回る成果を得られたということから、自己評価を「S」とさせていただいております。
次に、6ページをごらんください。柔道整復施術療養費等の照会業務の強化についてでございます。
こちらは、自己評価は「A」としております。
自己評価の理由でございますけれども、29年度に比べまして、約2割多い文書照会を実施したほか、適正利用に関するチラシの配布とか広報を行った効果もありまして、下の事業計画の達成状況にもあるとおり、申請件数、支払総額について減少しております。
KPIといたしまして、施術箇所3部位以上かつ15日以上の施術の申請割合を前年度の0.90%以下とすると設定させていただきまして、達成することができております。
自己評価の理由の最後の○ですけれども、KPIを達成したことに加えまして、申請件数、支払総額も減少したことから、自己評価を「A」とさせていただいております。
次に、7ページをごらんください。返納金債権の発生防止のための保険証の回収強化、債権回収業務の推進についてでございます。
自己評価は「A」とさせていただいております。
自己評価の理由でございますけれども、日本年金機構の資格喪失処理後2週間以内の保険証の返納催告の実施について、徹底いたしております。
また、発生した債権につきましては、文書等による納付催告、それでも納付がない場合には、裁判所への支払督促等を行いまして、前年度を300万円ほど上回る約8900万円の回収を行うことができております。
KPIは3つ設定しておりまして、資格喪失後1カ月以内の保険証の回収率を、前年度の84.6%を上回ること。医療給付費総額に占める資格喪失後受診に伴う返納金の割合を、前年度の0.087%を下回ること。資格喪失後受診に伴う返納金の回収率を、前年度の64.14%を上回ることという3つを設定いたしまして、保険証の回収、返納金の発生割合については達成しておりますけれども、返納金の回収については達成できていないといった状況でございます。
最後の○ですけれども、KPIを2項目達成したほか、KPIは達成できておりませんけれども、返納金の回収額自体は前年度を上回っているといったことから、自己評価を「A」とさせていただいております。
続きまして、10ページをごらんください。サービス向上のための取組についてでございます。
自己評価につきましては「A」とさせていただいております。
自己評価の理由でございますけれども、お客様満足度調査を毎年8月から翌年3月にかけて実施させていただいているところでございます。
11ページを先にごらんいただきたいのですけれども、真ん中の表にございますとおり、30年度につきましては、この全ての項目について29年度を上回る結果となってございます。
10ページにお戻りいただきまして、3つ目の○ですけれども、KPIにつきましては、サービススタンダードの達成を100%、保険証の3営業日以内の発行を100%と設定させていただきまして、サービススタンダードについては、残念ながら2件の事務処理遅延が発生したため、99.97%の達成となっております。保険証の発行につきましては、100%になっております。
このほか、いただいた御意見を踏まえまして、申請書の見直しについて検討しております。
このように、サービス向上のための取組については、高い水準を維持しているということから、自己評価を「A」とさせていただいております。
次に、12ページをごらんください。高額療養費制度の周知についてでございます。
こちら、自己評価は「B」としております。
自己評価の理由でございますけれども、限度額適用認定証の利用促進について広報を積極的に実施させていただいているほか、医療機関の窓口への申請書の設置等を依頼して利用促進を図っております。その結果、交付枚数は前年度より2.3%増ということで、4397枚発行しております。
また、高額療養費の未申請の方に対する申請勧奨につきまして、申請勧奨案内のサイクルを短縮したことによりまして、29年度より約700件多い3000件程度の勧奨を実施しております。
こちらのKPIといたしましては、限度額認定証の使用割合を80%以上とすると設定いたしまして、結果は75.9%と未達成でございますが、限度額認定証の利用は着実に進んでいるということから、自己評価を「B」とさせていただいております。
続きまして、14ページをお願いいたします。職務上の事由による休業手当金等の上乗せ給付等の申請勧奨についてでございます。
こちらの自己評価は「A」としております。
自己評価の理由でございますけれども、休業手当金というものにつきまして、266件の申請勧奨を実施しております。また、申請勧奨の際には、添付書類が省略できますという御案内をするとともに、申請の動機づけの観点から、支給総額を30年度からお知らせすることにさせていただきました。そういった効果もありまして、申請率が前年度を13.7ポイント上回りまして、69.5%の申請をいただいております。
また、障害とか遺族年金の申請を101件、特別支給金の申請勧奨を343件、それから経過的特別支給金というものがございまして、こちらの申請勧奨38件を実施させていただきまして、申請率は89.4%となっております。
休業手当金については、29年度を上回る申請率となったことから、自己評価は「A」とさせていただいております。
16ページをお願いいたします。被扶養者資格の再確認についてでございます。
こちらは、自己評価は「A」とさせていただいております。
自己評価の理由でございますけれども、実施に当たりましては、事前に船舶所有者に対しまして周知を行ったほか、提出のない船舶所有者に対しましては、督促などして提出率の向上に努めたところでございます。
KPIといたしまして、船舶所有者からの確認書の提出率を前年度の93.8%以上とすると設定しておりまして、目標を達成することができました。
以上のことから自己評価を「A」としております。
次に、17ページをお願いいたします。福祉事業の着実な実施についてでございます。
自己評価は「A」とさせていただいております。
自己評価の理由でございますけれども、船員保険特有の無線医療助言事業につきましては、独立行政法人地域医療機能推進機構の保土ケ谷中央病院と高輪病院に委託いたしまして実施しております。また、洋上救急医療援護事業につきましては、公益財団法人水難救済会に委託して、円滑かつ着実に実施してまいりました。
また、保養事業につきましては、積極的な広報を実施いたしまして、また、対象施設の拡大等について検討を行ってまいりました。
要望の強い旅行代理店を活用した保養施設利用補助事業について着実な進展が見られることから、自己評価を「A」とさせていただいております。
次に、19ページをお願いいたします。健全な財政運営についてでございます。こちらは、30年度の事業計画に記載はないのですけれども、評価いただきたい項目ということで記載させていただいております。
自己評価は「A」とさせていただいております。
自己評価の理由でございますけれども、黒字基調の中期財政の見通しのもとにおいて、被保険者数等の動向ですとか医療費急増リスク等を勘案して、31年度の保険料率について、30年度と同率で設定することができたところでございます。
また、制度運用開始当初から暫定的に導入されております被保険者の保険料負担軽減措置について中長期的な視点から検証を行ったところ、現状のままでは2024年度には財源が枯渇しまして、2024年度から25年度にかけて保険料率を本来の水準に引き上げなければならない見込みとなったことから、この点について事務局から船員保険協議会に問題提起いたしまして協議していただいた結果、2022年度から徐々に控除率を引き下げていくということが決定されたところでございます。
このように、中長期的な視点から保険料率を設定した事、また、被保険者の保険料負担軽減措置の終了方法について結論が得られたこと。財政状況につきまして適切に加入者や船舶所有者に対しまして情報発信を行ったことから、自己評価を「A」としております。
次に、22ページをお願いいたします。ここからが戦略的保険者機能についてでございます。
まず、データ分析に基づいた第2期船員保険データヘルス計画及び第3期特定健康診査等実施計画の着実な実施についてでございます。
自己評価は24ページをごらんください。自己評価については「A」とさせていただいております。
自己評価の理由でございますけれども、まず特定健康診査等の推進につきましては、生活習慣病予防健診の個人負担を30年度から無料化いたしました。また、健診実施機関の拡充、巡回健診を活用した利便性の向上により被保険者の健診受診率の向上を図ったところでございます。
また、国土交通省の御協力をいただきまして、関係団体に対しまして、船員手帳の健康証明データを船員保険部に提出していただくよう要請を行ったところでございます。
また、被扶養者につきましては、自治体ですとか協会けんぽ支部と連携いたしまして、集団健診に参加させていただく。それから、健診車を使って巡回健診をするなど、健診受診率の向上に取り組んでまいりました。これらの取組の効果もありまして、被保険者の生活習慣病予防健診の受診者数は、前年度を1044人上回る、約1万5000人受診いただいております。また、船員手帳の健康証明データの取得数につきましては、192件増ということで、9138件。被扶養者の健診受診者数につきましては、対前年度1181人増の5441人という結果になっております。
iiでございますけれども、特定保健指導につきましては、外部事業者の活用、初回面談の分割実施を効率的に行うということで実施率の向上を図ったところでございます。
iiiでございますけれども、船舶所有者と協働した加入者の健康づくりにつきましては、30年度は個別訪問等も行いまして現状把握を行いまして、具体的な施策について検討を行ったところでございます。
25ページをごらんください。
加入者の健康増進等を図るための取組の推進でございます。こちらにつきましては、毎年行っております健診結果に基づくオーダーメイドの情報提供冊子の配布。
それから、30年度はスマートフォンを活用しましたオンライン禁煙プログラムのトライアル実施をいたしました。
それから、出前健康講座の開催、船員養成機関の学生を対象とした特別講座の開催等の取組を実施したところでございます。
このように、KPIについては3項目を達成したことに加えまして、第3期特定健康診査等実施計画の目標であります加入者全体の健診実施率についても、50.8%と、目標達成をいたしましたことから、自己評価を「A」とさせていただいております。
大分飛んでいただきまして、32ページをお願いいたします。情報提供・広報の充実についてでございます。自己評価については、「A」とさせていただいております。
自己評価の理由でございますけれども、加入者の閲覧機会が多い紙媒体を中心に、生活習慣病予防健診の無料化とか、70歳以上の高額療養費の自己負担限度額の変更について、重点的に周知・広報を実施させていただいております。
また、船員保険の制度のパンフレットにつきまして、毎年度、労働基準監督署とか年金事務所、地方運輸局の窓口に設置いたしております。
また、毎月、年金事務所から船舶所有者に送付する納付書に、船員保険の情報を記載したチラシを同封するなど、関係機関と連携した広報に努めてまいりました。
また、毎年、全船舶所有者、全被保険者の方にお送りいたしております「船員保険通信」につきまして、30年度も送付させていただいております。
また、関係団体の御協力を得まして、関係団体の機関誌を活用した広報も実施するとともに、ホームページ、メールマガジンを活用した情報提供・広報を実施させていただいております。
メールマガジンにつきましては、会員登録の簡略化などを行った結果、会員数につきましては12.2%増ということで、30年度末現在で662人となっております。
このように、加入者のニーズに応じた情報提供、広報を実施したほか、メールマガジンの会員数を10%以上増加させるといったことから、自己評価は「A」とさせていただいております。
次に、34ページをお願いいたします。ジェネリック医薬品の使用促進についてでございます。
自己評価は「S」とさせていただいております。
自己評価の理由ですけれども、30年度につきましても、軽減額通知の送付とかジェネリック希望シールの配布を行ったほか、関係団体の機関誌等を活用させていただきまして、ジェネリック医薬品の使用促進について広報を実施させていただいております。
軽減額通知サービスにつきましては、対象者数を拡大いたしまして、2万7874人の方に送付させていただいております。切り替え率は約23%ということで、効果につきましては、単純計算でございますけれども、年間に換算すると1億2000万円ぐらいの効果があったのではないかと推測しております。
また、調剤レセプトを対象といたしました使用割合ですけれども、31年3月診療分におけますジェネリック使用割合につきましては、81%となっておりまして、KPIといたしましては、76.2%と設定しておりましたので、大きく上回ったところでございます。
このようにKPIを達成したことに加えまして、医療保険全体の平均使用割合より高いということと、軽減額通知についてもコストを大幅に上回る効果が得られたということから、自己評価を「S」とさせていただいております。
説明につきましては、以上でございます。
○小西座長 ありがとうございました。
ただいまの御説明、それから資料の内容などにつきまして御質問、御意見、どうぞ御自由にお願いいたします。
古井さん、お願いします。
○古井構成員 ありがとうございました。
私から2点、御質問、コメントさせていただきます。
まず、3ページ目のレセプト点検のところです。資格点検と内容点検のお話がありまして、資格点検のほうは、東京支部さんから船員保険のほうに移行されたということで、内容点検のほうは、平成29年11月から外部へ委託されているというお話で、前回、協会けんぽさんのほうでは、内容点検だったと思いますけれども、ノウハウを抽出して内部でという話だったのですが、船員保険さんの場合に外部に29年から移行したというのは、これは人員の問題なのか、あるいはノウハウ的なものということなのか、御質問したいというのが1点目です。
それから、24ページ目の戦略的なところで保健事業の件ですけれども、3つありまして、1つは、生活習慣病予防健診を無料に近い形にということで、1000人ふえて、被扶養者の特定健診も1181人ふえているのですけれども、これは何か背景があるのかというのが1点目です。
2点目は、船舶所有者等を訪問されて、現場の意見というか、課題を吸い上げられて、施策につなげられたというお話だったと思いますけれども、具体的にどんな施策につなげたのか、わかる範囲で構いませんので、データだけではなくて、暗黙知的な現場の課題とかに対して何かやられているのか、もしあれば伺いたいと思います。
それから、3点目が26ページ目の特定保健指導をやる健診機関の数が101から151と、非常にふえていて、これは多分、制度による分割実施等の要望というのもあると思うのですけれども、この50ふえた健診機関というのはどんな健診機関なのか、たとえばすごく大規模で、看護師さんとかが比較的いっぱいいて、保健指導をやる余裕があるのか。あるいは、健診機関に対する保険者のバーゲニングパワーが効いて手が挙がったのか、この辺もおわかりになる範囲でお答えいただければと思います。
以上でございます。
○小西座長 ただいま3つの質問ございましたが、お願いします。
○前島船保部次長 ありがとうございます。
まず、1点目のレセプト点検についてでございまして、船員保険が29年11月から外注化した理由ということでございますけれども、これまで東京支部で船員保険のレセプト点検についても効率的に実施していただいていたところですけれども、レセプト点検員がなかなか集まってこないという問題がありまして、特に船員保険については、長く欠員状態が続いておったような状況でございます。
内容点検自体の実施がなかなか思うようにできないといったことから、思い切って外注化するということで、けんぽとは反対なのですけれども、そういった人員的な問題から外注化に踏み切ったところでございます。現在は、外注化で全てのレセプトの内容点検の実施ができておりまして、数字も上がってきているといった状況でございます。
それから、健診関係で、被保険者のほうは無料化で数がふえたということではないかということで、まさしくそのとおりでございます。
それから、被扶養者についての理由ということですけれども、船員保険については、被扶養者につきましても、特定健診だけではなく、生活習慣病予防健診も受けていただくことができますという取り扱いをさせていただいております。その際には、被扶養者の方の自己負担も無料ということにさせていただいております関係で、そういったこともあって数がふえてきていると考えているところでございます。
それから、最後、健診実施機関の増加についてということでございますけれども、船員保険の健診実施機関は、総合健診のところでおっしゃっていましたけれども、生活習慣病、できるところで350~360と非常に少ないですけれども、乗船前の健診をあわせてやるということで、船員保険の特殊な検査もあったりいたします。健康保険のほうで契約いただいているからといって、船員保険もやろうとはなかなかならないところでございまして、個別に医療機関にお願いして、なるべく加入者の多いところを中心に営業活動させていただいているというところでございます。
以上でございます。
○古井構成員 済みません、あと24ページ目の。
○前島船保部次長 失礼いたしました。
個別訪問を行った結果、どういうふうに施策化したかといった御質問でございますけれども、30年度は現場訪問させていただいて問題を把握して、具体的にどうしようかという検討を行ったところでございまして、31年度から実施しようということで、現在具体的なところを詰めているところでございまして、申しわけありませんが、ここでまだお話しできる内容は特にございません。
○小西座長 どうぞ。
○井原理事 最後の点について補足させていただきます。船保担当理事の井原でございます。
具体的にインタビューの内容の中では、船舶所有者の方の健康管理を行うに当たって、マンパワー不足等でなかなか対応し切れないという声が大きかったということでございます。この点につきましては、国土交通省のほうでも、今後の船員の確保の観点からも、船員の健康管理は非常に重要という認識を持っておりまして、実は来週、その検討会の第1回が開催されますので、私もオブザーバーとして参加して、健康確保の取組をどのように充実させていくかということから、情報交換なり意見発信をしていきたいと考えております。
以上でございます。
○小西座長 古井さん、よろしいでしょうか。
○古井構成員 はい。
○小西座長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
伊藤さん、お願いします。
○伊藤参考人 では、24ページの健診と保健指導のところですけれども、先ほど「A」の理由は伺いましたが、保健指導の実施状況について、KPIとの関係でこういう状況だったという御説明もお聞きしたいなと思います。特に被保険者の保健指導の実施率は依然として低いような状況なのですけれども、この点について、どうしてこういう状況なのかということを伺えればなと思います。
とりあえず、それをお願いします。
○小西座長 それでは、お願いします。
○前島船保部次長 ありがとうございます。
船員保険の被保険者の保健指導の実施率が低い、8.4%しか実施できていないという状況でございまして、この低い理由でございますけれども、船員は乗船するために1年に1回、健診を受けなければいけないことになっておりまして、その健診をこの我々の船員保険の生活習慣病予防健診などを活用していただいているというケースが多うございます。その後、メタボとかで保健指導しなければいけないときには、既に乗船の仕事をしに出なければいけないという予定が決まっておりまして、船員をつかえまることがなかなかできない。こういうことが、低い、主な理由でございます。
そこは、我々としても何とか実施率を高めていかなければいけないと考えておりまして、船舶所有者と協働して、船員に対する保健指導をうまく実施できないかということで検討しているところでございまして、これから徐々に進めていきたいと思っております。
○伊藤参考人 事情があるということで、わかりました。
28ページの実績というところについては、ほかの保険者あるいは協会けんぽ本体と比較しないといけないと思うのですけれども、この資料の限りで読みますと、生活習慣病予防健診の被保険者40~74歳の受診者が約1万5000人の受診者に対して、保健指導の初回面談対象者が約9000人ということで、これを分母と分子の関係で結んではいけないかもしれないですけれども、1万5000人に対して9000人というのは、6割もメタボの対象者がいるというのは、すごく特徴的だという気もするのです。見方が正しくない場合はご指摘いただきたいのですけれども、保健指導のやり方やアプローチを考える必要もあるのではないかと思います。今、KPIがありますので、それでこちらも評価せざるを得ないわけですけれども、やり方に工夫がちょっと要るのかなと思ったところです。
それと違うことをお聞きしてもよろしいでしょうか。
○小西座長 はい。
○伊藤参考人 12ページの高額療養費の限度額認定証のところですけれども、うまく理解できていないので、解説をもう一度お願いしたいと思います。限度額認定証の使用割合が余り伸びなかったのは、13ページの3つ目の○の2行目の途中から書いてあることが理由だと思うのですけれども、限度額認定証の利用件数は増加したけれども、高額療養費の勧奨を一生懸命積極的にやって、期間も短縮して前倒しでやったりしたので、それが増加したと。
認定証の利用割合の伸びよりも、こちらの現金給付の伸びが大きかったから、限度額認定証の使用割合が余り伸びなかったのですと書いてあるように読めるのですけれども、私の認識は、限度額認定証は受診時に使うべきなので、この利用を促進する取組というのは受診前からやるべきことだろうと思います。
一方、高療の手続をやってくださいという話は受診後の話なので、全く別の問題で取組であってそれぞれ両立可能であって、どっちも高くなる可能性だってあるのではないでしょうか。高療の手続を一生懸命やってもらったから利用割合が伸びなかったのですというのが、ちょっと理解できていないのですけれども、もう一度解説をお願いしたいと思います。
○小西座長 お願いします。
○前島船保部次長 ありがとうございます。
まず、保健指導のほうですけれども、我々としても実施率が低いという認識をしておりまして、今後、船舶所有者と協働して、そういう乗船スケジュールなどを確認しつつ、実施率の向上に努めてまいりたいと考えております。
それから、限度額適用認定証と高額療養費の現金給付との関係でございますけれども、利用率というのが全体の高額療養費の該当分の限度額利用した件数ですので、現金支給と限度額を合わせた数が分母になって、その分子が限度額で利用した件数ということなので、現金支給がふえると分母がふえますので、実は利用率が減ってしまうということになっております。30年度は、このサイクルを見直しまして、多くの申請勧奨をしたものですから、現金給付はふえてしまったということで、若干ながら利用率が下にぶれるということはあったということでございます。
○小西座長 ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
では、西村さん、お願いします。
○西村構成員 今の12ページ、もう少し伺いたいところがございます。申請件数の率をふやすということについて、新たな方策を考えていらっしゃるのか、教えてください。
○前島船保部次長 限度額適用認定証の利用率を促進するということで、これまでの広報等でやっておったのですけれども、具体的な策として、13ページの達成状況の2つ目の○でございますけれども、船員保険の加入者がよく利用される医療機関の窓口に申請書を設置していただくよう御依頼いたしまして、設置いただいております。今後もこういった活動を進めていくことによって、この利用率を高めてまいりたいと考えております。
○西村構成員 医療機関のほうからアプローチすると効果があると思いますが、チラシを置くということくらいしかできないのか、それとも患者は会計窓口で会計するので、そこで何らか促進するような働きかけをすると、かなり利用率が上がると思います。そういう依頼は可能なのでしょうか。
○前島船保部次長 医療機関の窓口で患者さんが高額に該当しそうだということであれば、船員保険の加入者であれば申請書を窓口で渡していただいて、御記入いただいて、我々船員保険部のほうにお送りいただいているという状況で利用率を上げております。
○西村構成員 そうやっていたら、かなり利用率が上がりそうです。患者側は気がつかなくても、会計のほうで気がついてくれる。
○前島船保部次長 窓口は、まだ30医療機関しか設置していただいておりません。今、徐々にこれをふやしているところでございますので、今後、もっとふやしていきたいと思っております。
○西村構成員 後から遡及して返してもらうのは。
○前島船保部次長 高額療養費として給付するということに。
○西村構成員 毎月払う限度額を減らすということ。
○前島船保部次長 そういうことでございます。
○西村構成員 わかりました。依頼する医療機関をふやす努力をしていただくということですね。
もう一つ、次の14ページで、似たような申請の問題なのです。添付書類の提出が必要とあり、仕組みがわからないのですが、勧奨の際には添付書類の省略が可能であるというのは、出さなくてもよくなるのですか。
○前島船保部次長 この休業手当金というものは、基本的な給付は労災のほうからされて、船員保険から上乗せ的な給付を行うような仕組みになっております。最初の申請をいただくときには、添付書類は労災に申請した写しなどを添付していただくようにお願いしているところでございますけれども、勧奨の場合には、もう労災側からデータが来ておりますので、そういった添付書類は不要ですという御案内をさせていただいております。
○西村構成員 勧奨されてから出す場合には不要になるわけですね。
○前島船保部次長 出す場合には、添付書類をつけていただいております。
○西村構成員 仕組みがわかりにくいですね。どちらにしても要らないのではないですか。労災のほうから回してもらえるということであれば。
○前島船保部次長 そうしますと、支給までにちょっとお時間をいただくことに。労災からデータが来るまで支給できないということになりますので、添付書類をいただければ、それで審査して給付するということで取り扱っているところでございます。
○西村構成員 では、少し時間がかかったとしても、添付書類なしでも受け付けられるということですか。
○前島船保部次長 そういうことでございます。
○西村構成員 そうしたら、そちらを選ぶ人もいると思います。入院したりしていると、忙しくて書類の準備が難しかったりするので。すぐそこで申請して、ただ待てばいいということだったら、その方法も教えていただけると利用が進むのではないかと思います。
○前島船保部次長 加入者の利便性をいろいろ考えて、また検討させていただきたいと思います。
○西村構成員 よろしくお願いしたいと思います。
以上です。ありがとうございました。
○髙橋理事 船保の給付の根っこには労災給付がありますので、御本人が労災給付を申請した場合に、船保ももらえることを知っていれば、船保側にすぐ申請してくるのです。労災に申請した。その申請した事実で、船保のほうにも、労災にも申請しましたからよろしくと言ってくるわけです。その場合には、こちらにはデータは来ていませんので、労災の申請書をあわせて持ってきていただければ、どういうものを労災給付として申請したかはわかるので、こちらも処理しやすいのですけれども、御本人は、添付書類がなくて、労災に言っていますだけだと、私どもにはデータが来ていないので、どういう内容で労災に申請されたかわからないので、添付書類をくださいとなるわけです。
勧奨は、労災の方でも給付し、そのデータが私どもに回ってくるのですが、ご本人が船保給付を受けられることを知らず申請を出してこないものですから、勧奨して申請を促すものです。ですから申請してくるのはずっと後で、その場合には、私どもは既にデータを持っていますから、添付書類は要りませんということになります。
○西村構成員 同時に申請するときには添付書類が必要なのはわかったのですけれども、今、病気の対応で忙しいから、一、二カ月おくれてでも、そちらのほうで回してほしいという選択肢があってもいいと思うのです。勧奨のとき、どうせ回ってくるので、労災のほうで手続が終わって船員に回すというルートがあるということなので、それを利用して自動的に少し期間がかかっても処理されるとなれば、申請件数が上がる、利用しやすくなるのかなと思いました。御検討いただければと思います。
○小西座長 協会の皆さん、よろしいですか。
○井原理事 先生の御指摘の趣旨は、忙しい場合にその時点での申請はできないけれども、しばらくたってから勧奨しますので、そのときまで待っていただければ手続をしなくても申請できますということを、あらかじめ広報しておけばいいのではないかという御趣旨の御提案と理解したのですが、そうでございますか。
○西村構成員 勧奨というのではなくて、勧奨でもそういうルートがあるので、初めのときに船員の休業手当にも申請するとチェックしておいて、そこで両方書類をそろえていれば素早く進むのだけれども、1つだけだと順番で進みますから、船員のほうの休業手当は時間がかかりますということで、利用者のほうは少し時間のかかるパターンだけれども、申請は終わったということになったら、1回で済むので、利用がふえるのではないかと思います。自分が対象になるかどうかを知っているということが必要ですけれどもね。
○井原理事
わかりました。申請者の方が混乱しないような形で、もう少し簡便な、負担がかからないような方策があるのか、今、御指摘いただいたような点も含めまして検討させていただきたいと思います。
○小西座長 ありがとうございます。西村さん、今のことでよろしいでしょうか。
○西村構成員 はい。
○小西座長 ほかにいかがでしょうか。
お願いします。
○森下構成員 森下でございます。
私ももともと素人で、よくわからなかったのですが、協会けんぽさんで扱われる船員保険制度でございますけれども、従来から分かれていると言ってしまえばそれまでですが、これを一般の協会けんぽの中に一元化して、保険料だけ別という使い方というのは、今後そういう議論というのは国の中であるのでしょうか。
○厚生労働省深谷全国健康保険協会管理室長 船員保険、もともと総合保険ということで、失業とか労災とか職務外の部分も全て含めてあった制度ですけれども、それぞれの時代の流れで成り立たなくなっている部分があって、それで、今、こういうことで分かれております。船員さんの給付自体がもともと手厚い給付だったものですから、例えば労災で言うと、陸上の方と比べて手厚くされていた部分について、まだ経過的というか、船員保険独自の給付ということで残っているわけです。それを協会けんぽ本体の職務外の健康保険と一緒にするというのは、もともと労災とは種類が違うので考えにくいのですけれども、職務外の健康保険を一緒にするかどうかということについても、生い立ちが違うということもあると思いますけれども、そういう議論がされたことはございません。
○森下構成員 今のお話、よく理解できます。ただ、協会けんぽさん側にしてみると、こういうふうに御報告も含めて、私、何年か見させていただいて、2つの報告を別々に出されるのは大変なことなのかなと、実は思っていまして。
ただ、そういう中でいろいろ努力されて、今は黒字運営という方向で動いているようですが、私なども全体の流れとしては、船員の方も減っていらっしゃる。そういう形で、保険料の収入もこれから減っていく。それから、船員保険の場合は特別な給付等もございますので、今のままでいくと、あと数年のうちに本体と同様、厳しい財政が待ち受けているのかなと。この辺についても、ちょっと御見解を聞かせていただければという、ごく単純な質問でございます。
○小西座長 はい。
○前島船保部次長 ありがとうございます。
船員保険の財政状況については、今、黒字基調で推移しております。船員の被保険者につきましては、現在、横ばい状態で、ここ数年、若干ふえているという状況でございますが、今後、船員の数の動向についてはよく注視していかなければいけないと考えております。特に、今、漁船の船員は減少しておりまして、まだまだ下げどまっていない状況でございますので、こちらも注視が必要ですし、それから運搬の外航船員、内航船員につきましても、現状は若干ふえておりますけれども、今後、荷がどうなるかによって、当然被保険者の数も変動するので、この辺を注視しながら、財政状況等について見ていかなければいけないと考えております。
○小西座長 どうぞ。
○井原理事 私のほうから。
今、次長が申しましたように、被保険者が今後増えていくという見通しを立てることはなかなか難しいと思われます。そうしますと、マネジメントシステムをどう効率的に動かしていくかということが重要になってくると思います。協会けんぽのほうは、システム刷新とかIT化というものを進めているわけですけれども、船保のほうも、社会保険全体のIT化が進んでおりますので、乗りおくれるわけにはいかない。
ただ、制度の規模を考えた中で、どういうふうに最適化していくかというところを、お財布は別ですので、そこはきちんと分けなければいけないですけれども、協会けんぽに対し、私も理事の一員ですけれども、そういったところの協力もよくお願いしながら、将来について検討していきたいと考えております。
○小西座長 ありがとうございます。
ほかによろしいでしょうか。
どうぞ。
○伊藤参考人 18ページの福祉事業のところですけれども、保養事業の入浴利用数と保養施設利用補助事業というものが少し大き目に減っているように見えるのですけれども、これは何か事情があれば教えていただきたいと思います。例えば災害かなと思ったのですけれども、船保の保養所があるところとは余り関係ないかなと思うので、何かの事情があれば教えていただきたいと思います。
○前島船保部次長 ありがとうございます。
特段の事情ということではないと思いますけれども、一つの施設において大幅に減っている施設があるので、こういう状況になってございます。
○小西座長 よろしいですか。
それでは、古井さん、お願いします。
○古井構成員 さっき伊藤さんが御指摘された点で、私も気がついたのですけれども、28ページ目で、まさに理事が効率的にやらなければいけないといった話とも関連すると思いますけれども、一番上の生活習慣病予防健診の対象者数が少しずつ減っていて、ただ、受診者がふえているというのはいいことなのかな。
それに対して、中段、やや下の特定保健指導被保険者の初回面談対象者というのが、逆に9800から、9000、9000と減ってきていて、これは保健指導の実施率が上がったので、翌年の対象者が減ったのかなと思ったところもあります。今、一部、人がふえているというお話があったので、もしかしたら若い人がふえていて、メタボの対象者が減ったのかなと、ちょっと思ったりもしたのですけれども。
それで、さっき伊藤さんが御指摘されたように、受診者が一番上の1万4998人に対して、メタボの対象が9039人ということは、ほぼ6割が該当している。そうすると、その中で特定保健指導を受けられたのはもちろんいいと思いますが、1338人と。そうすると、一部の人に3万円、4万円かけて保健指導をばっちりやるのもあると思うのですけれども、一方で、健診を受けた人のかなりの人がメタボなのであれば、健診とセットで何をやるかというのは難しいのですけれども、健診機関で初回面談まで行かなくても、少し情報提供とか、何か働きかけが有用ではないか。船員さんなので、決まった食文化とか働き方があると思うのですけれども、健診とパッケージで、全員に対してやるような工夫はあるか。
船員の6割メタボということに対して、効果的な保健事業の設計があるのかなというのは少し感じました。これはコメントになります。
以上です。
○小西座長 いかがでしょうか。
○前島船保部次長 ありがとうございます。
船員はメタボの率が非常に高いというのは事実でございまして、また、保健指導についても、先ほど申し上げたように、乗船との関係があって、船員をなかなかつかまえられないといったことが要因となっております。なので、船舶所有者、事業主といかに協働して、この船員の健康づくりについてやっていくかということを今、詰めているところでございまして、今年度中には実施していきたいなと考えております。
○小西座長 ありがとうございました。
ほかによろしいでしょうか。
それでは、私から1つ確認的に、このデータの読み方という意味も含めて教えていただきたいのですけれども、4ページの下のほうの加入者1人当たりの点検効果額、4事業年度分を並べていただいています。これは、単年度で見ていくと、一番上の85、93、72、102というラインを見ているのですが、72から102へ大幅に上回ったということですけれども、これはたまたまこの4年間がそうなのか、上がったり、下がったりということですね。これは、どういう事情かということについて、いろいろな要素があるようにも思うのですけれども、年度を並べて見ていって、上がったり、下がったりということでお気づきのことがございましたら、お願いします。
○前島船保部次長 ありがとうございます。
特に29年度につきましては、点検員が欠員状態で、きちんとした点検がなかなかできていなかったというところで下がっているという状況でございまして、そこを除けば徐々に上がっているという状況かなと理解しております。
○小西座長 ありがとうございます。
たしかそういったマンパワー、人的なことも御説明をいただいたように思い出したところですが、ありがとうございます。
それでは、よろしければ、1つ目の議事をここまでで一旦終えたいと思いますが、その先へ進めてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○小西座長 続きまして、次のテーマへ進めたいと思います。組織体制の関係についてですが、協会のほうからの御説明をお願いいたします。
○渡辺総務部長 それでは、組織体制につきまして御説明させていただきます。資料2をお開きください。総務部長の渡辺でございます。私からは、前半の⑥コンプライアンスの徹底まで説明させていただきます。
まず、1ページ目、①人事制度の適正な運用と標準人員に基づく人員配置ということで、事業計画では、標準人員に基づく人員配置を実施していく。また、業務処理のあり方の見直しに伴う生産性の向上も見据え、標準人員のあり方を検証するとございます。
自己評価は「A」評価でございます。
その理由といたしまして、初めの○でございますけれども、29年10月より段階的に移行しております標準人員を踏まえまして、本部や支部間における全国規模の人事異動(255名)及び本(支)部内の配置換え(743名)を行ったところでございます。標準人員への移行は、令和元年度を最終年度としておりまして、それに向けて適切な異動ができたものと考えております。
2つ目の○でございますが、協会システムの次期刷新を見据え、現行の業務体制の分析や、それを踏まえた生産性の向上、そして、次期システム刷新の方向性を検討するため、本部業務部に業務改革推進室を設置したところでございます。
3つ目ですが、31年4月の大規模健康保険組合、これは人材派遣関係の健保組合でございますが、の解散による業務量の増加を見据えまして、東京支部の契約職員等の増員を行い、業務処理体制を整備したところでございます。
また、協会における内部統制強化を目的として、現状分析や今後の内部統制強化の方向性等を検討するため、本部総務部に内部統制整備準備室を設置したところでございます。
また、一部の支部において部やグループの統廃合などの見直しを行ったところでございます。
これらのように、標準人員に基づきます人員配置の実施のための適切な人事異動が実現したことに加え、生産性の向上、内部体制の強化のため、新たに2つの室を設置し、不断に標準人員のあり方を見直す体制を整えたことなどから「A」評価としているところでございます。
続きまして、2ページをごらんください。人事評価制度についてです。
事業計画では、評価者研修などを充実し、実態に即した効果的な評価制度を確立するとあるところです。
これにつきまして、自己評価は「A」評価としております。
その理由でございますけれども、評価者の役割を担うグループ長補佐を初めとした72名の管理職を対象とする階層別研修において、人事評価における目標設定やその目標を達成するための日々の業務管理、進捗管理等々につきまして、意識づけを行ったということです。
また、制度を運用していく中で見つかった課題、改善点につきまして、支部からの意見等を参考に見直しに向けた検討を行い、人事評価要領の一部見直しを行う等、より改善したということです。あわせて、評価期間における各職員の取組内容や成果を適切に人事評価に反映させるとともに、その結果を賞与、定期昇給、昇格に反映したということでございます。
このように評価者研修などを適切に行い、効果的な評価制度を確立したことに加え、制度の課題や問題点等について見直しを行ったこと。
さらに、評価結果を適切に賞与や昇給・昇格へ反映させていることなどから、「A」評価としているところでございます。
続きまして、3ページをごらんください。人材育成の関係でございます。
事業計画では、オン・ザ・ジョブ・トレーニングを中心としつつ、効果的に研修を組み合わせることで組織基盤の底上げを図る。
また、戦略的保険者機能の更なる発揮のための人材育成の仕組みについて、その導入に向けた検討に着手するとございます。
ここで5ページをごらんいただきたいのですけれども、協会の研修の全体像につきまして簡単に御説明いたします。協会の研修は、大きく分けまして、本部の集合研修、支部研修、自己啓発と分かれております。
本部の集合研修の中で、階層別研修、業務別研修、テーマ別研修とございます。階層別研修につきましては、階層ごとに求められます役割の理解と必要な能力の習得を図っているものでございます。また、業務別研修につきましては、業務遂行上、必要となる専門的なスキルなどを習得するものでございます。テーマ別研修、支部研修については、階層や業務分野にかかわらず、協会職員として理解すべき事項についての研修でございます。このような研修を協会として行っておるところでございます。
また、3ページにお戻りください。
こちらにつきまして、自己評価は「A」としております。
その理由でございますけれども、日々の業務遂行を通じた職場における人材育成、いわゆるオン・ザ・ジョブ・トレーニングを中心に、それを補完する集合研修・自己啓発(Off-JT)を効果的に組み合わせることによって、計画的な人材育成に取り組んでいるところでございます。
また、職員のキャリアアップ形成を計画的かつ効果的に行う観点から、全階層の等級・役割に応じた階層別研修を実施し、対象となる職員全員が受講しております。特に、管理職層の入り口と位置づけられておりますグループ長補佐に関しましては、重点的な育成を実施しておるところでございます。
具体的な回数などについて、4ページに数字がございますけれども、この階層別研修については、10講座16回実施しまして、475名が受講したところでございます。
次の○ですが、業務遂行上必要となる専門的なスキル等を習得するための業務別研修及び階層や業務分野にかかわらず職員として理解すべき知識を習得するためのテーマ別研修を実施しております。加えて、職員の自己啓発支援としまして、通信教育講座の斡旋を実施しておるところでございます。
さらに、支部研修につきましては、OJTによる人材育成の促進を目的としたOJT実践研修を含む7つの研修を、これは必須研修といたしまして、全部の職員が受けるべき研修と位置づけているところでございます。加えて、各支部の課題に応じたテーマを設定し、意識啓発、知識習得、スキルアップなどを行う独自研修を実施したところでございます。
さらに、戦略的保険者機能の更なる発揮のため、新たな人材育成の仕組みの導入に向けまして、企業における取組事例などの情報収集を実施しているところでございます。
このように、OJTに加えて、集合研修、階層別研修、支部研修、通信教育講座などのさまざまな研修を重層的・多段階的に実施している、そして、組織基盤の底上げを図っているということから、自己評価は「A」としたところでございます。
続きまして、6ページをごらんください。支部業績評価の本格実施に向けた検討でございます。
事業計画の中では、支部業績評価の本格実施への移行を検討し、協会全体の取組の底上げを図るということでございます。
こちらにつきまして、まず支部自己評価について、2つある四角のうち、下の点線の四角をごらんください。支部業績評価の実施方法ですけれども、協会の事業計画を踏まえた支部の組織目標について、アウトプット等で評価可能な事項は定量評価、数値化が困難な事項は定性評価として実施しております。企画総務部門、保健部門、業務部門、それぞれ、ここにございますような評価項目を設けまして、全体で支部の業績を評価している。業務の重要度に応じました素点をつけて、評価に応じてプラスマイナスをつけるという方法でございます。
それに加えて、監査部門による監査で、もし何か指摘された場合には減点するという方法でやっておるところでございますが、これにつきまして自己評価は「A」評価としております。
その理由ですけれども、28年度より試行的に実施しております支部業績評価制度において、支部の業績を可能な限り適正に評価し、その結果に基づき業務支援などを行い、協会全体の業績の向上を図っております。
また、支部業績評価検討委員会において、支部の規模や特性などを踏まえて、更なる指標の適切性を図るため、支部の業績評価の評価項目、評価方法等の見直しを行っております。
このように、支部の業績評価制度を継続して運用し、その結果を業務の適切な実施に役立てたこと、また、不断に評価項目、評価方法の見直しを行い、よりよい支部業績評価の実施に向けた取組を行っているということから、自己評価を「A」評価としておるところでございます。
続きまして、8ページをごらんください。費用対効果を踏まえたコスト削減等ということで、事業計画では、調達における競争性を高めるため、一者応札となった入札案件については、業者に対するアンケート調査等を実施し、一者応札案件の減少に努めるとしております。
KPIでございますが、一般競争入札に占める一者応札案件の割合について、25%以下とするということとしております。
こちらにつきまして、自己評価は「B」評価としております。
まず、平成30年度のKPIの実績でございますが、一者応札割合が26.8%となっております。自己評価の理由につきまして、KPIには届いておりませんけれども、今回、取組の初年度であったということ、そして、平成29年度は29%でございましたが、それと比較いたしまして、確実に割合が減少していること。
さらに、2つ目の○でございますが、削減に向けた取組として、一者応札となった入札案件については、入札説明書を取得しながら応札しなかった事業者に対してアンケート調査を実施し、要因分析を行い、事業者が準備期間を確保できるよう余裕をもった調達スケジュールとするよう改善したということ。
また、各支部の契約先などを記載した一覧表を作成し、類似案件の調達などの事業者への周知等に活用したということなどから、事業計画に定められた事項を着実に実施し、一者応札の減少に向けた取組をしっかりと行っているということから、自己評価を「B」評価としたところでございます。
続きまして、11ページをごらんください。コンプライアンスの徹底ということで、事業計画におきましては、法令等規律の遵守(コンプライアンス)について、職員研修等を通じてその徹底を図るとされております。
こちらについて、自己評価は「A」評価としておるところでございます。
その理由でございますが、コンプライアンスに関する取組等について、本部コンプライアンス委員会において審議するとともに、支部においても定期的又は随時にコンプライアンス委員会を開催したこと。
全職員がコンプライアンス及びハラスメント防止に関する研修を受講することで、職員一人ひとりのコンプライアンス意識の向上と徹底が図られたこと。
さらに、管理職を対象に「ハラスメント発生時対応研修」というものを実施いたしまして、より実践的な研修として、部長やグループ長を対象として、ハラスメント発生時の初動対応についての知識、スキルを習得することで、組織として対応力向上を図ったということです。
このように、コンプライアンスに関する取組について、適切にコンプライアンス委員会で審議するとともに、支部研修等を通じて全職員にコンプライアンスの徹底を図り、さらに、ピンポイントでグループ長、部長に対する研修を実施するなどの取組を進めたところから、自己評価を「A」評価としたところでございます。
○榎原システム部長 引き続きまして、私からは、⑦から⑫までの、主にシステム関係の項目につきまして御説明させていただきます。システム部の榎原と申します。よろしくお願いいたします。
13ページ、⑦リスク管理でございます。
自己評価の理由の○の1つ目でございますけれども、大規模災害時のシステム停止を想定した情報システム運用継続計画(IT-BCP)というものを作成いたしました。それから、北海道胆振東部地震におきましては、災害時の緊急支援対応を行いました。とは言いましても、他支部の職員が北海道支部に行って手伝うというアナログ的な支援ではなくて、現行のシステムの中で特別アカウントを使いまして、自分の支部にいながら北海道支部の業務の一部を支援するという機能が備わっていますので、その仕組みを使っております。
それから、○の2つ目、情報セキュリティ対策推進計画でございますけれども、毎年実施しておりまして、自己点検を実施したり、それから標的型メール訓練といいまして、不審メールを装った訓練用メールを職員に送りつけまして、定められた手順できちんと対応できているかどうかを検証したりしました。
それから、○の3つ目でございますけれども、情報セキュリティに関する自己点検、先ほどのものですけれども、理解度テスト等の結果を踏まえまして、成績の悪かった支部に直接指導に行ったりしています。
それから、○の4つ目ですけれども、情報セキュリティインシデント発生時の対策や適切な対応により被害を最小化させるため、厚生労働省とインシデント対応訓練などを実施しております。
目玉としましては、次の14ページの○の5番目にございますけれども、25年度までは情報セキュリティ研修などを毎年、支部内で集合研修ということで行っていたのですけれども、30年度からはe-ラーング化によりまして個別研修に変更いたしました。また、研修後の確認テストも、今まで紙で行っておりましたけれども、自席の端末で行えるようになりまして、支部の情報セキュリティ管理者という者がおるのですけれども、個々の職員の理解度について把握しやすくしました。
それらの対応を行ったことによって、「A」評価としてございます。
次に、おめくりいただきまして15ページでございます。⑧協会システムの安定運用でございます。ここから、最後、⑫までは、いずれも平成30年度の事業計画にはないが、評価をいただきたい項目でございます。
安定稼働は、システム部門の最重要任務でございまして、システム業務の全てのもととなるものでございます。安定稼働は、全ての作業に優先いたします。
自己評価の理由に○が2つございますけれども、上の○に書いてありますのは、加入者及び事業主など、対外的な安定稼働について、下の○が協会職員などの内部の者に対する安定稼働でございます。いずれに対しても、障害やトラブルなどでシステムをとめることはありませんでした。
下の事業計画の達成状況のところですが、○が3つございまして、1つ目の○が運用・保守業務全般のことを書いております。安定稼働を継続するために、日々運用・保守業務を行っておりまして、作業自体は事業者に委託しておりますけれども、作業の品質やサービスレベルにつきましては、適正に管理いたしました。
2つ目の○は、障害時の対応でございます。そうは言っても、たまには障害が発生いたします。発生した場合は、関係者を招集いたしまして、迅速に現状を把握し、対策を講じ、影響を最小限に抑えることができております。
一番下の○が運用作業でございます。各領域で毎日、さまざまな運用作業が発生し、協会システム、4000万人の加入者の膨大なデータをお預かりしておりますため、更新処理1つとりましても、システム全体に負荷をかけないよう、並走する他の作業と調整を行いまして、負荷を防ぐ目的で、通常は深夜帯に作業を行ったりしております。これら作業が全般的にスムーズに行われるよう調節を行いました。
以上のことから、自己評価は「A」評価とさせていただきました。
次に、16ページ、⑨法改正などへの適切なシステム対応です。
自己評価の理由でございますけれども、法改正対応のシステム改修で何より重要なことは、期日に間に合わせるということでございます。協会けんぽだけが準備ができていませんというわけにはいきません。時には、改正の内容の詳細部分が決まるのがおくれまして、十分なシステム改修の時間がとれないといった、システム部門からしてみるとやや理不尽なこともありますが、それでも期日に間に合わせるという必要がございます。
達成状況のところに太字で30年度に対応した主なシステム案件を5件ほど書いておりますけれども、現行システムになって同時並行の改修としましては最大規模となりましたが、全ての案件が期日までにサービスインしまして、現在、トラブルなく安定稼働しております。
以上の理由から、自己評価は「A」評価とさせていただきました。
次に、18ページ、⑩大規模プロジェクトの適切・確実な実施でございます。
大規模プロジェクトと銘打っているもの、30年度は2案件挙げさせていただきました。それが自己評価の理由のところ、○が2つありまして、1つ目が業務・システム刷新第二段階と呼んでいる開発でございます。もう一つは、○の2つ目の基盤の中期更改と呼んでいるものの2つの取組でございます。
それぞれの説明は、事業計画の達成状況の下に書いておりますけれども、まず(1)が業務・システム刷新第二段階で、もともと協会発足時には、現金給付などの審査において、紙を中心とした審査を行っていたものを、現行システム開発時にイメージワークフローという技術を使いまして、現金給付全体のペーパーレス化を図ろうとしました。しかしながら、開発期間の関係から、傷病手当金など、全体の現在の半分ほどしか実現することができていませんので、今回、高額療養費などの実現できておりません、残りの半分の開発を刷新第二段階の開発と呼んで着手しております。
平成30年度は、要件定義を行いまして、基本設計、詳細設計まで進みまして、現在も来年2月のサービスインに向けて順調に開発を進めております。
大規模プロジェクトと呼んでいますもう一つの基盤中期更改は、18ページ下の(2)のところでございますけれども、協会システムの基盤機器類につきましては、システムコスト低減を図るために、10年間使用することを目的として設計・調達を行っておりました。ただし、一部、5年間しか使用できない機器類や、LAN端末機器類につきましては、保守期限がもともと5年間ですから、入れかえをする必要がございます。新しく全部つくり直して切りかえるのではなく、現在使用中の機器のうち一部を入れかえをしますので、作業自体は非常に難易度が高いですが、現行業務に影響が出ないよう、しっかりと行ってきました。そのため、自己評価は「A」評価とさせていただきました。
次が、19ページ、⑪中長期を見据えた新システム構想・立案や新技術の動向の調査・検討でございます。
自己評価の理由に○が2つございまして、1つ目の○が新技術の動向調査・検討で、2つ目の○が新システムの構想立案について書いております。
まず、1つ目でございますけれども、昨今、RPAという業務効率化の製品がいろいろな企業で使われ始めておりまして、職員が端末で行う定型作業を自動化する製品でございますけれども、協会の業務にも応用できないかということで、初めてなものですから、研究・調査・検討を始めまして、事業計画の達成状況の○の1つ目でございますけれども、本部業務の中から15業務選定いたしまして、ことしの2月から開発に着手しました。なお、7月に全部完成いたしまして、現在順調に稼働しております。
2つ目の○の新システムの構想・立案でございますけれども、現行システムのホストサーバの保守期限が令和5年3月までということで、ここで大きくシステムを入れかえる必要が出てきております。これをトリガーといたしまして、次のシステムの構想を練っていくことといたしました。
19ページ、一番下の○でございますけれども、30年度は、新システム導入までのスケジュールを作成いたしまして、新システム導入の支援事業者を調達するまでの準備を行いました。この項目につきましては、令和元年度以降も引き続き対応していくことになると思います。
以上のことから、自己評価は「A」評価とさせていただいています。
最後、20ページでございます。⑫情報セキュリティやシステム案件調達への適切な対応でございます。
自己評価の理由のところに○がまた2つございまして、1つ目が情報セキュリティについてで、2つ目がシステム案件の調達について書いてございます。
まず、1つ目の情報セキュリティの対策でございますけれども、先ほど13ページの⑦のリスク管理の項目で、情報セキュリティ対策における職員の教育等の人的対策について述べておりますので、ここでは情報セキュリティ対策の中の技術的な対策について書いてございます。現行システムは、24時間365日、不正アクセスや不審メールなどを監視しておりまして、サービスイン以降、情報セキュリティインシデントは一件も発生してございません。
事業計画達成状況の1つ目の○でございますけれども、毎日、不正アクセスなどはかなり来てございまして、中身としては、協会を特別狙ったものではありませんが、サーチ行為と言いまして、システムの脆弱性などを探るような行為を行っているため、油断ができない状態でございます。引き続き、セキュリティソフトの更新や不正アクセスの監視・分析などをしっかりと行ってまいります。
システム案件調達でございますけれども、自己評価の理由の2つ目の○でございます。ほかの案件と同じように、原則、競争入札でございます。やむなく随意契約となる場合でも、工数や内容精査を決められた手順に従いまして確実に行っております。
20ページの下から2つ目の○でございますけれども、調達の透明性を高めるとともに、調達コストの削減を図るため、一つの調達案件の中で競争を許さない役務と、物品購入などの入札が可能なものとにあえて切り分けて調達を行ったりしました。
以上のことから、自己評価につきましては「A」評価とさせていただきました。
以上でございます。
○小西座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの御説明あるいは資料の内容につきまして、皆様から御質問あるいは御意見をお願いいたします。
森下さん、お願いします。
○森下構成員 かなり長い御説明だったので、幾つか質問事項があるのでございますけれども、最初のほう、総務のほうからお話しいただいた中で、職員の方々に対する研修も含めて、非常に頑張っておられるなと思いました。ちょっと御質問ですが、いろいろな研修とかを継続されているということでございますけれども、1人当たりの年間の研修時間数とか日数というのがどのぐらいになるか、計測したことはございますでしょうか。それが1つでございます。
それと、これだけ研修またはさまざまなOJTに係るいろいろな教育をされているということになると、職員の方自体がかなりキャリアアップすることも考えられるのですが、これによる転職とか社員の中途退社というものも現実に起きているのかどうかということです。
それと、常時2107人が正社員だと伺っておりますが、そのうちのかなりの数が異動等もあるということでございますが、異動というのは各支部間の格差を減らす意味で非常に大切なことだと思いますが、職員の方の負担というのは、実際かなり厳しいものもあるのではないかと思うのですが、そういう情報はあるのかなということも伺いたいなと思っております。
それと、後半のシステムのいろいろなお話を聞いていますけれども、僕のほうから、とりあえずそこまでにして、後で出なければ、また質問させていただきたい。
○小西座長 ありがとうございます。
それでは、お願いします。
○渡辺総務部長 森下構成員からの御質問について、お返事いたします。
まず、研修、1人当たりの時間数ということですけれども、結論から言いますと、そういう数字はとっていないところでございます。資料の5ページに、先ほど御説明したようにさまざまな研修がございまして、基本的には全職員が受けることになっておりますけれども、この中で、支部で独自に行われている支部研修というものもございますし、または通信教育を使って行っております自己啓発というものもございますので、1人当たりの時間を計測するのもちょっと難しいのかなと思っておるところでございます。
続きまして、2点目の職員のキャリアアップに伴って、中途退職するような人がいるのかどうなのかというところでございます。中途退職の人数について、今、手持ちがございませんが、私が来てから1カ月でございますけれども、何名か途中で退職する者、転職する者はおりますので、そういう方も普通にと言ってはあれですけれども、いらっしゃるということかと思っております。
最後に、異動職員の負担について、どのように考えておるかということだったと思います。おっしゃるとおり、自分の本拠地を離れまして全国異動するというのは、確かにそれぞれの職員の負担になっているというところはあると考えております。ただ、もともと我々協会は、全国異動を原則としていることに加えまして、どのような方を異動させるかということにつきましては、それぞれの支部の支部長からしっかりヒアリングして、その職員個々の事情も勘案した上で異動を行っているということ。
さらには、異動した先の支部内でも、異動しますと心身ともに不調を訴える者などもおりますので、ちょうど昨日、支部長会議がございましたが、その中で異動者、もしくは新規の採用者に対する、支部を挙げてのフォローというのをお願いしますということを私からも申し上げたところでございまして、そのようなフォローは、協会としてしっかり行っていきたいと思っておるところでございます。
○森下構成員 ありがとうございました。
○小西座長 それでは、ほかの皆さん、いかがでしょうか。
古井さん。
○古井構成員 ありがとうございます。
2点、コメント、御質問をさせていただきます。
前半は、8ページ目で、一者応札の割合ですけれども、これも支部と本部の表が下にありましたが、この割合というのは、例えば支部間でいろいろ格差があるのか、それから、調達の内容によって、この調達であると応札が非常に難しいとか、もしそういう傾向があれば教えていただきたいと思います。
それから、後半ですけれども、これは前回もそうだったのですが、システムのところがわかりやすいかなと思って挙げてしまったのですが、システムの運用というのは物すごく大変だというのは重々承知しておるのですけれども、先ほどお話しをされた、例えば16ページ目であると、法改正に対応してシステムを運用するというのはすごく大変なことだと思います。
その中で、例えば期日のスケジューリングをうまくやるというお話とか、その中のトラブルがなく安定稼働する。これもすごく重要なことだと思うのですが、それが「B」ではなくて、「A」なのか、「S」なのかというのがどのような判断基準なのか。
それで、後ろの20ページ目がセキュリティ、またこれもすごく大事な、難しいところだと思うのですけれども、この業績評価を見て、どの辺が特記すべきことなのか。例えば、インシデントゼロであれば「A」だということなのか。それから、入札でも、工数とか内容まで精査できた。さらに、職員のみんなで、それが誰でもできるように、共有できるようなマニュアル化をしたとか、基準の検討ができたということで「A」とか「S」をつけるのか。この辺の見解をぜひ教えていただけるとありがたいと思います。
以上でございます。
○小西座長 お願いします。
○渡辺総務部長 それでは、今、古井構成員から御質問のありました一者応札の件につきまして、まず総務部から御回答させていただきます。
支部間に格差があるかという御質問でございましたけれども、これははっきり言って、ございます。ただ、その理由でございますけれども、基本的に100万円以上の案件について、一般競争入札ということが定められておるところでございますけれども、例えば東京のような大きな支部でございますと、10件以上、何十件といった入札もございますが、小さい支部ですと、1件、2件、中にはゼロ件という支部もございまして、そういうところは、例えばそれがたまたま一者入札になってしまいますと100%ということになってしまうところでございます。そういう意味で、支部の大きさ、契約の件数によって、そのパーセンテージが違うということはあると考えております。
また、どのような契約に一者応札が多いのかということでございますが、定型的にどのようなものというのはなかなか難しいところでございますけれども、資料の8ページをごらんいただければと思っております。なぜ一者応札なのかというところで、入札説明書を取得しながら応札しなかった事業者に対してアンケート調査というものをやっておりまして、例えば公告から入札までの期間が短いとか、入札から契約の履行期間が短過ぎるという意見が多かったところでございます。
このようなことを踏まえまして、現在、支部業績評価で一者応札の割合というのを入れておるところでございますが、その中で十分な公告期間や履行期間の確保、そして公告後の周知をしっかりやるようにということを評価項目に入れておりまして、そのようなことがないように、できるだけ一者応札を減らすことができるような取組をしておるところでございます。
私からは以上です。
○小西座長 お願いします。
○松谷理事 システム担当理事の松谷です。システムの御質問について、私のほから御回答させていただきます。
まず、16ページの法改正の対応ですけれども、確かに「A」なのか、「B」なのかという評価というのは、なかなか難しいところだと思いますけれども、一番大きいところは、法改正ということで、期限が決まっているということで言うと、それは必達であるということです。先ほど御指摘あったとおり、「A」の理由というのは、期限が守れたこと、それからトラブルがないことかということですけれども、まさにそのとおりで、法改正については、期限というものが非常に重要で、先ほど部長のほうからもありましたけれども、要件がなかなか決まらないというのもどうしてもある。後から、こういうことは追加でやるようにと国から来たりします。
そういうものも全部盛り込んでやるということでいくと、難易度がかなり高いと思っていまして、ここに書いてある法改正、5つありますけれども、5つが全部同じレベル感ではないのですけれども、期限どおりにトラブルなくスタートするということは非常に難易度が高いと思っておりますので、ここは「A」評価とさせていただいています。
それから、最後のセキュリティのところと調達の随契のところですけれども、セキュリティについては、平成27年5月に年金機構で個人情報の漏えい事件があったということを教訓として、国のほうでもセキュリティ対策については万全を期すようにということで通知が出ていて、我々もそれに取り組んでいるところです。したがって、ここを最優先にやるという意味で言うと、インシデントを起こさないというのは非常に大切なことで、実は年金機構の個人情報漏えいがあった後に、我々協会けんぽも、個人情報漏えいがあったわけではないのですけれども、不審な通信が見られたという事案がありました。
ただ、漏えいはなかったわけですけれども、そういう不審通信があったことだけで記者会見もしたりということで、そういうことを考えると、我々の公的使命というのは、そういう疑惑があるだけでも非常に問題だということですので、インシデントを起こさないことはもとより、そういう疑惑すらないように取り組むということで、この情報セキュリティ対策は万全を期してやっております。
いろいろ対策をやっているのですけれども、ちょっと御紹介させていただくと、年金機構の事件があった後に、我々、インターネットの環境と業務のシステムとは完全に物理的に分離しまして、業務システムの中には個人情報とか大量にありますので、ここは完全にインターネットと分離しています。メールについても、社内で使うメールと社外メールは分けています。という形で、完全に物理的に分離しているという対策をまず講じていることと、あとは、SOC(セキュリティ・オペレート・センター)というチームをつくって、日々、十分な監視をしているということ。
そして、教育。メールに添付された怪しいメールがありますので、それは絶対に開かないといった教育も踏まえて対策をやっておりますので、ここはインシデントを起こさない。かつ、インシデント疑惑も起こさないということで言えば、「A」評価と言っていいのではないかなと思っております。
調達については、確かにいろいろノウハウにかかわる部分がありますので、随契であっても、きちんと工数精査ができること、それがきちんと検証できることというのを、システムの職員ができるように。事業者が開発しますので、それをきちんと見られるということが重要なので、こういった教育も含めてやっているところでございます。
○小西座長 ありがとうございました。
西村さん、お願いします。
○西村構成員 西村です。
3点ほど質問と意見になるかと思うのですが、まず、6ページの支部業績評価の本格実施というところです。目標が協会全体の取組の底上げを図るということで、図ったということまで書かれていますけれども、指標をつくって、その効果が業績の底上げが図れたのかどうかというところは記載がありません。把握されているのかどうか、教えていただきたいというのがまず1点です。
次に、11ページのコンプライアンスのところです。研修を設定されて、受講に進んでいるということですけれども、研修の効果はどうだったのか、コンプライアンス不適切な事項やハラスメントの発生件数、種類などは把握できているのか、その対応が適切になされたのかを把握しているのかというところです。研修の効果がどのぐらい出ているかつかんでいらっしゃるのか教えていただきたいと思います。
それから、13ページのリスク管理ですけれども、情報セキュリティのリスク管理、非常に大切で難しい部分だと思いますが、それ以外の危機管理、たとえば大規模な災害のリスクについては、どのような体制をとられているのかというところも教えていただきたいと思います。
○小西座長 ただいま3つほど御質問ですが、お願いします。
○髙橋理事 1点目の支部の業績評価は、いろいろな事業項目で支部のそれぞれの数字、これは偏差値を出して評価をやっていますが、数字が支部ごとにざっと並びますけれども、自分の支部の偏差値を見れば、皆さん意識して事業を進めますので、測っているわけじゃないですけれども、職員の意識の中にはかなりあって、パフォーマンスを上げていくという意識はかなり浸透してきていると思います。そこは効果があるのではないかと、私どもは思っています。
ただ一方、余り数字ばかり見て、それだけ追いかけるようなことはだめだと言っています。
いずれにしても、支部ごとの業績評価は3年か4年ぐらい前から始めているのですけれども、開始してから、自分の支部の全体における順番とか数字の達成度というものについての意識は、かなり浸透していると感じております。
それから2番目のご質問のコンプライアンス関係の研修の効果ですけれども、率直に申し上げて、割とおとなしいと言ってはあれですけれども、変な事案は余りございません。元公務員の方が多数というのもあるのでしょうけれども、民間会社でいろいろ出てくるような事例に比べますと、余りすごいものはないなという感じがあります。ですから、もともと職場でトラブルが多いということはございません。
あと、研修をやっていて、例えばこういうものはセクハラに該当するとか、パワハラになるよというのは、いろいろな例を出して支部に連絡しますけれども、大きな反響というわけではないですけれども、静かに、ああいうものがなるのだという声は聞こえてきますので、そういうものについてかなり読まれていて、効果といいますか、割と浸透しているなという感じはいたしております。
それから、3点目、大規模な災害というのは。
○西村構成員 13ページ。
○髙橋理事 例えば、一番大きいのは東日本大震災のようなものですけれども、あれ以上のものは私も想定しがたいですが、BCPプランは事業を継続するためのプランで、システムの方はどうするとか。あと、各支部の人間のほうの安全については、本部、支部で要領をつくりまして、避難計画とか、そういうものはもちろん全部持っております。
○西村構成員 持っていらっしゃるのだったら、記載がほしいと思います。職員、加入者や地域に対する災害における責任の果たし方の側面もあるかなと思います。
○髙橋理事 今日お出ししている資料の記載の上では、確かに漏れているということでございます。
○西村構成員 では、東日本大震災規模のリスクは想定に入っているということですか。
○髙橋理事 例えば本部職員はどこに逃げるとか、そういうプランは持っております。ただ、実際の訓練を今まで十分やったことがないので、そこはまだ足りないなと思っています。
○西村構成員 地域における、そういういろいろな災害の準備というか、避難や支援場所として期待されるところもあると思うので、地域に対する社会的責任として災害の準備が求められると思います。
また、ハラスメントが少ないということですが、件数は把握されているということですね。種類や件数について。
○渡辺総務部長 協会におきまして、コンプライアンス通報窓口というものがございまして、そこで件数につきまして把握しているところです。
○小西座長 伊藤さん、お願いします。
○伊藤参考人 まず質問ですけれども、1ページの人事制度の適正な運用と標準人員に基づく人員配置というところで、評価に当たって正確な理解が必要だと思うので教えていただきたいのですが、標準人員という言葉が何回も出てくるのですけれども、これがどういうものなのかということを教えていただきたい。標準人員に基づく人員配置ということなので、何か動かすということがあるから、その動かすのが結構大変なので、動かすのをちゃんとやりましたということが書いてあるように理解すればいいのか。
あるいは、標準人員というものが、今よりも減らすとかふやすという要素が入っていて、ふやすのはお金もかかるし、大変だとか、減らすというのは、首を切るのは大変なことだしとか。何が大変で、それを努力した結果の「A」なのかがわからないもので、その辺を教えていただきたい。
その標準人員というものの中には、自己評価「A」と書いてあるところの3つ目の○に、東京支部で契約職員等の増員を行ったと書いてあるのですけれども、こういう人も入っているものなのかということをあわせて教えていただきたいと思います。
さらに、事業計画の最後に書いてある、標準人員のあり方についての検証というのはされているのでしょうか。ちょっとこの「A」のところで読み取れないので、教えていただきたいと思います。
それで、意見まで申し上げてしまいますと、さっきから出ています法改正の16ページですけれども、これは事業計画にないもので、評価の対象に挙げたいというお話ですけれども、健保法で唯一の公法人として設置されるということになっている法人で、適切な法改正に対する対応をとるというのは、厳しい言い方になりますけれども、やって当然というか、やらないといけないということになるのではないかと思うもので、大変理不尽だと、先ほどそういう説明がありましたので、それはすごく理解できるのですけれども、評価になかなかなじみにくいのではないかと感じております。
あと、最後の20ページの情報セキュリティやシステム案件の調達への適切な対応につきましては、自己評価「A」と書いてあるところの初めのほうは情報セキュリティ対策ということで、13ページにありますリスク管理で情報セキュリティ対策のことは書いてあるわけですし、調達のほうについては、8ページに調達がありますし、重複感がありますので、これを別途評価対象にすべきというのが、こうなってくると、いろいろなものを幾らでも盛ることができてしまうような気もしまして、整理する必要があるのではないかと思います。
以上です。
○小西座長 ただいまの御質問なり、御意見に、髙橋理事、お願いします。
○髙橋理事 標準人員のほうの関係ですけれども、言葉の正確な定義が書いていなくて恐縮でございます。
以前は国の社会保険庁の組織でしたが、定員という概念がこびりついていて、いいことではないですけれども、物すごくその観念が強くて。最初のころは定員という言葉を使っていましたけれども、支部ごとに、どのグループに何人という定員配置を決めていたのです。ところが、業務量自体が結構変動するものですから、そうすると弾力的に人数を変えていかなければいけないのですが、そこをやろうとしても定員という強固な概念があって、支部のほうもなかなか納得しなかったのです。例えば、繁忙期、4月ですと、適用関係で新入社員がいっぱい来ますし、退職者の任継手続きとか、適用関係は物すごく大変ですけれども、それが終わると少し静かになって、給付関係はまた別の時期に忙しくなる。そういう繁閑があるわけです。その繁閑の波があるにもかかわらず、グループごとに定員を張りつけているものですから、支部の中の人の融通がうまくいかなくて、人材、マンパワーの効率的な活用という点から見るとちょっと問題が大きいということで、そういった定員という概念を払拭して、改めて支部全体として何人ぐらい必要なのかを見直したわけです。
業務ボリュームから計算して、何人ぐらいつけるのが適当かということを業者に委託して、もう一回計算し直しています。どのぐらい時間がかかるか測定しまして、業務量の把握をした。現在つくっているのは正社員だけですけれども、そういった人数を確定して標準人員というものをつくりました。
ただ、現実にいる人数とは違っていますから、そのギャップを異動などを絡めて少しずつ直して、今、大体完成しているということでございます。職員の間でも、自分はこの仕事で、うちの島だったら何人いるはずみたいな観念はだんだん薄らいできて、支部全体の業務量の繁閑の中で、いろいろな仕事をやる。自分はこれだけじゃなくて、忙しいなら別のこともやるという融通性は職員の意識にかなり定着してきており、これはうまくいった例ではないかなと思っております。
それで、こういったものを達成するのは何が大変かというと、支部の間で人を動かさないといけないものですから、私どもの支部は県に1つでございますので、異動ということは必ず県境を越えますので、関東近辺とか近畿のようなところはいいですけれども、東北、九州、中四国になってきますと、必ず単身赴任とか、そういうものが伴いますので、先ほど伊藤参考人もおっしゃったように、かなり負担になりますから、職員の負担も十分配慮しながら、何とかここまで持ってきたということでございます。
以上でございます。
○小西座長 ありがとうございました。
どうぞ、お願いします。
○榎原システム部長 先ほどの御意見についてでございます。
16ページの法改正のところでございます。まことにおっしゃるとおりでございます。私もこの場でお話ができて、もうそれで気が済みました。
それから、20ページでございますけれども、確かに重複感につきましてはございますので、翌年以降、気をつけて、構成のほうは考えていきたいと思います。
以上でございます。
○小西座長 どうぞ。
○伊藤参考人 ありがとうございました。
標準人員についてですけれども、職員数が標準人員というものにもう移行してきていて、それが完了したということなのですか。30年度がどういう段階なのかというのをもう一回教えていただきたい。
また、検証するということが書いてありますが、それはどうするのか、いつやるのかという点、お願いします。
○髙橋理事 今年で完了ということです。ですから、検証というのは、本部のほうで決めた標準人員に対して、現実にいる人数が合っているかということですけれども、そこは今年合いますので、検証という意味では合っていますので、完成ということになります。
○伊藤参考人 完成したから、これからそれでいいのかということを検証するということでしょうか。
○髙橋理事 もう一つ、契約職員のほうの標準人員を、これは実態として大体合っていると思いますけれども、もう一回つくり直すということがあります。
今後を展望しますと、今、進めております、先ほどシステムの話がありましたが、2022年に次の刷新をやっていきますけれども、それに向けて、組織のつくり方や何かに課題がありますけれども、今の業務処理よりは、システム化しますと業務部門は人数としてはかなり浮いてくると思われますので、それを例えば企画あるいは保健のほうは手が足りないわけです。そちらのほうに振り向けていく作業になりますけれども、その辺の人員構成を考え直さなければいけないという課題はございます。
○伊藤参考人 これから検証していくという感じだということですね。
○髙橋理事 そうです。
もう一点、我々の業務内容に物すごく影響を与えるような支払基金の改革が行われていますので、そこの部分に対応することが必要になってきます。
また先ほど私どものほうからの報告の中にもありましたけれども、今年4月に大型の解散健保組合が2つ入ってきました。それで、62万人、一斉に入ってきました。これの対応は物すごく大変なことなのですけれども、その方たちは大都市圏の支部に大体入ってきております。
また現在の人口動向では、地方の支部は、これからそんなに多い人員は必要なくなるかもしれないけれども、大規模都市の支部については、より多くの人員を配置せざるを得ないという状況も将来的には出てくると考えています。
協会けんぽの事業報告書の9ページをごらんいただきますと、被保険者の人数の変動が出ております。その表の一番右側に、29年度から30年度にかけて、各支部別に被保険者が何%増えたかという数字が載っておりますけれども、これは各支部間で相当な開きがございまして、東京が一番ふえておりますが、これが5.41%。島根は、逆にマイナス0.04%。全体の日本の人口の動きと似たような動きをしているわけですけれども、地方に行きますと、減少あるいは0%ぐらいで、特に南関東4支部、埼玉、千葉、東京、神奈川が3~4%、大阪も3%ぐらい。業務発生量がかなり変動しますので、都市部で多くなってきて、地方では余り伸びないという状況になりますので、組織の人員体制がこれに応じなければいけないという課題がずっとあるわけです。
○小西座長 ありがとうございました。
伊藤さん、よろしいですか。
1つ、私から質問をさせていただきたいと思います。組織体制の6ページですけれども、こちらの画面で言うと下の枠のところです。左側が支部の評価で、右側が監査部門の監査ということですけれども、2つございまして、1つは確認ですけれども、先ほど来、支部業績評価、左側の絵だと思いますが、これは支部がみずからを評価する自己評価でしょうか、それとも本部が支部を評価するといったような評価でしょうか。これは確認のための質問です。
2つ目ですけれども、ここに右と左とあります。監査部門の監査についてですけれども、ここでいきますと、監査部門の監査による結果、マイナス項目、減点としておりますが、このことについて、左側のいろいろな指標などを用いながらの評価と、一つの項目を両方で評価している結果になることはないでしょうか。もう少し申し上げますと、監査部門監査で例えばマイナス評価というものが出た。左側の評価でも同じような傾向で、同じ項目がマイナス、あるいは少なくともプラスにはなっていないというようなことではないでしょうか。
枠組みのことなのですけれども、もしそうだとすれば、一つの項目に二重評点をつけることにならないのか。これは、プラス評価の場合でも同じだと思いますけれども、そういうことにならないのかどうかということです。
もう一つは感想的なことですけれども、監査部門の監査結果について、マイナス項目のところだけ、こうやって持ってきますと、内部監査というのは問題点を探すことなのだといった、言ってみれば誤ったメッセージが出てしまうことはないのだろうか。私の思い過ごしかもしれませんが、そういうことはないのだろうか。つまり、内部監査は何ですかという話ですけれども、そこがちょっと気になったものですから、いかがでしょうか。
意見のような、質問のような、恐縮ですけれども、以上の2点でございます。
○髙橋理事 第1点目で、これは6ページの一番下の左側の評価項目、右側の監査部門ですけれども、左側の評価項目は全て本部評価です。基本的に数字があるもの、例えば健診率とかは、もともと数字がありますので、そういうものはその数字をそのまま使いますし、あと、定性的なところで、こういうことをちゃんと実施したとか、そういうものについては、本部が見て評価するということでやっております。
それから、2番目の、今、お話があったように、左側と右側で、監査部門で減点があった事項について、左側のほうはあるのか。多分、評価項目は関係ないですけれども、普通はほぼないと思いますが、事案によっては、たまにダブル、合わせて出る場合が可能性として、ないとは言い切れないと思います。そのときは、ダブルパージになりますので、当然それは避けるようにするということでございます。
それから、3つ目のマイナスしかないのか。おっしゃるとおり、そうかなと。逆に、プラスの監査はあるのかと一瞬思いましたけれども、褒める要素がもしあるのであれば、監査でなくても、よくやっているというのは別途評価してまして、これは例えば支部長のボーナスにはねますけれども、支部長自身はよくやっているとか、評価項目にはなくとも、支部は最近、こういうことをよくやったということが定性的にはあって、それを点数化して何点ぐらいというのをつけることはございます。
○小西座長 ありがとうございます。
確かに、監査は何か気になることがあれば、指摘もし、提案もしということだと思いますから、プラスをつけるか、つけないかというのは、結果の取りまとめの仕方であります。見ている中では、これはよくできているなという部分もあるわけですね。そんなことが申し上げたことですが、いずれにしましても、内部監査は何なのか、監査は何なのかといった定義づけのような、あるいは組織の中における内部監査の役割は何なのかという議論になりますので、ここではこれ以上申し上げません。私の職業柄、自分の土俵で議論するといけませんし、そういうことではありませんので、いずれにしても、そもそも何なのですかという話は、ここでは脇に置きます。
ありがとうございました。
皆様、以上のことでよろしいでしょうか。
それでは、この2つ目の議事につきましても、以上ということにしたいと思います。
ひとまず、ここで議論を終えましたので、今後のスケジュールなどにつきまして事務局からお願いいたします。
○厚生労働省深谷全国健康保険協会管理室長 御審議ありがとうございました。
今後のスケジュールでございますけれども、構成員の皆様方には、前回、それから今回、2回の開催の評価をあわせまして、10月25日までに評価結果の御提出をお願いしたいと思います。御提出いただきました評価結果あるいは御意見を集約いたしまして、最終的な評価案を取りまとめてまいりたいと思います。引き続き、御協力よろしくお願いいたします。
○小西座長 ただいま、スケジュールについて御案内がございました。10月25日までということですから、ほぼ1カ月間という期間での私ども各人からの提出でございますが、よろしくお願いいたします。
これをもちまして、今年度の検討会はここで終了いたします。引き続き、私どもが作業をするという流れになります。時間を超過しておりまして恐縮ではございますが、この機会でございますので、私ども検討会のメンバーから、それぞれ総括的なコメントなり、感想なりを述べていただいて、お伝えしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。順番は、森下さんからこういう順番でお願いしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○森下構成員 3回にわたる討議で、いろいろ教えていただきまして、ありがとうございました。
きょうの御質問の中で、OJTにかかわる研修とかでいろいろ御苦労されているというのはわかるのですが、御回答の中で、1人当たり、どのぐらいの時間を費やしているのかというお答えがなかったのはちょっと残念だったかなと。先ほど髙橋理事からおっしゃるように、各支部単位で皆さん、1日7時間半の時間の中で、これだけ研修の密度が濃い内容だと、かなりの時間をとられているのかなと、僕は実は思ったのですけれども、時間的に把握されていないというのは、何となくわかりづらいことだったな。
それと、きょうのかかわりのお話の中で、システムについていろいろとお話ございましたが、コンサルタントの方が入っておられるのかどうかわかりません。もちろん、ISOをやられているかどうかもわからないのですが、我々がやっている情報セキュリティのシステムの中で、ウエブ系、システム系のインシデントやリスクマネジメントばかりに気をとられて、人的なアナログ的なリスクマネジメントはどういうところでやっているのだろうという疑問があったところです。
本来、時間があれば、もうちょっとその辺もお聞きしたかったのですが、それについては、またぜひ内部で御検討いただいて。マンパワーのインシデントは結構大きい要素だと私も思っておりますので、ぜひその辺は検討を進めていただければと思います。
それと同時に、今、国が進めるシステム化の中で、協会けんぽも多分同じ仕組みの中で動いていかなければいけないということで、大変なお金、予算がかかっていくかと思うのですが、その辺については、先ほど入札制度がありましたけれども、このシステムだけは、一度受けてしまうと、その会社に委託せざるを得ないような流れはどこでもあるわけです。システムは、大体5年というのが消費期限というか、賞味期限なのはわかっているので、今後の予算の使い方も大きなものになると思うので、来年はそういうことも含めて、いろいろと節約も含めた協会けんぽのあり方についても御検討いただければなということを思った次第でございます。
私も3年目ぐらいになるのですが、非常にいい勉強をさせていただいていまして、私の所属している業界の方々にも、いろいろな公開されている情報を流したりして、こういうことをやっているところがあるよみたいなお話しもさせていただいています。
今後ともぜひ頑張っていただきたいと思います。本当にありがとうございました。済みません、長くなりました。
○小西座長 ありがとうございました。
お願いします。
○古井構成員 ありがとうございます。
私から3点ですけれども、きょう、理事長からもお話ありましたが、社会環境がこれだけ変わってきますと、健保の解散も含めて、これから協会さんが受け皿になることが大きいと思います。また、協会けんぽが都道府県単位支部ですので、地域で働き盛りのほとんどをカバーされている。特に地域では、協会けんぽさんの役割がこれから本当に大きくなると思います。
それから、2つ目は、戦略的保険者機能というか、データヘルスの重要性です。定常業務がどんどんパターン化、システム化されますので、保健事業のボリューム自体は小さいのですけれども、事業主が健康な社員のもとで成長していく上では大事なのかな。もちろん、ビッグデータの解析という形式知も大事ですけれども、今まで保健師さんとか職員の方が積み上げている取組の工夫。きょうも、船員保険さんで効果がすごく出ていると思ったのですけれども、そういう現場の暗黙知もぜひノウハウとして積み上げていっていただきたいなと思います。
最後、3点目は、森下先生もおっしゃったのですけれども、どの組織でも人が命というのは、協会けんぽさんも同じだと思います。人員配置の弾力化というのもおっしゃっていましたけれども、職員の方がモチベーション高く、加入者のために我々はやっているのだと思えるようなお仕事になるよう、日々の業務や研修などでモチベーションを上げていっていただければと思いました。
以上でございます。
○小西座長 ありがとうございました。
西村さん、お願いします。
○西村構成員 2回にわたっての評価事業に参加させていただきまして、協会の実際の事業や評価の仕方あるいは考え方というのが非常によくわかりました。ありがとうございました。
KPIを設定されたことで、より具体的に見えやすくされていたと思います。幾つか感想、気づいた点についてお話しさせていただきますと、まず、この評価のまとめ方について、加入者はすごく気になって、見る方もいらっしゃったりすると思いますが、初めの記載が監督業務だったと思います。加入者の不適切な問題に対する対応などが先に書かれており加入者の視点から考えると、加入者にとって便益になるようなところを先に書いていただきたいかなと思います。
次に、中長期で協会の財政や制度が持続性を持つかというところは、加入者から見ると心配なところです。これは単年度の評価なのですけれども、中長期の情勢を見きわめて、本年度の事業を位置づけ、その上で本年度実績をどう評価、その目標値をどう達成したかということが書かれていると、協会の内容がよくわかってくるし、健診活動などに自分たちも取り組まなければいけないという意義がわかると思います。そういうストーリーがあって、どこに力を入れているかということがわかるまとめ方が欲しいと思います。また、全体の評価、今年度事業をどう評価したか自己評価のまとめがあったら、さらに見えやすくなると思います。
まとめたものを、広報で冊子で伝えていただければ、加入者や地域の関係する企業の方もわかりやすいかなと思いました。
いろいろありがとうございました。
○小西座長 お願いします。
○伊藤参考人 代理なので、まとめの意見を言うような立場でもないのですけれども、最後の2回参加させていただきまして、評価基準というものが書いてあるわけですけれども、それをどう当てはめるかというのは非常に難しいなと実際、思ったところです。この「S」「A」「B」「C」が形式的な評価基準として書いてあるだけみたいにならないようにしないといけないなと思って、非常に悩ましいなと思ったところであります。
あと、協会けんぽについては、本当に大変重要な役割、被用者保険としてのセーフティーネットという役割、多分、今後どんどん大きくなっていくと思いますので、これが安定的に事業運営をしていくということは、働く者にとっての安心の基盤になると思っています。もちろん、給付とか審査という基本的なところだけじゃなくて、保健事業の取組も進めていってほしいと思いますし、単一の保険者で、全国対応するのは難しいという話は前からありますけれども、それはそうとしても、ジェネリックについては本当にすごく先進的な取組をやったわけですので、こちらの健診・保健指導のほうも工夫をして、ぜひ力を入れてやっていってほしいなと。
それで、皆さんおっしゃっているように、今の時点では協会は人で運営しているところだと思いますので、とにかくぎりぎりの人員の中で高いモチベーションを維持できるような職員の状況というのを、広い意味での処遇の改善をぜひ努めていってほしいなと思いました。
以上です。
○小西座長 ありがとうございました。
私、小西から3つほど申し上げたいと思います。
1つは、協会さんのほうからいただく各年度の業績の評価のための御説明ですけれども、従来、この説明の内容が、事業の結果とか業務プロセスに係ることが多く、あるいは多くのことがそういうものであったと思うのです。これは私の印象ですけれども、今回はそういった項目に加えて、事業とか事業の運営に係る政策・施策の立案・策定あるいは実施しているといった項目が幾つか見えたように思っています。
そのことは、従来、物足りなかったという意味ではなくて、そういうものが挙がってきている。ここ何年か見せていただいて、協会自体の変化といいましょうか、そういうことも感じますし、何より政策・施策ということが目につくように説明していただける、このことは私自身、とても楽しみでありますし、ここは期待している、期待できると思った次第です。
それから、少しテクニカルなことになってしまうといけないのですが、2つ目です。例えば、業績の結果、定性的な場合もあるのですが、定量的な説明をいただくときに、なぜかということを御説明いただきますね。例えば、数字であれば、増加理由、減少理由、その理由は何か。ここで説明してくださるのは、いろいろ整理した結果ですので、非常に包括的に御説明いただくのですけれども、それを受けてあえて申し上げるところですが、こういった変動分析というのは、こういう要因だろうなとわかったら、さらにそれはなぜなのか、なぜかと2段階、3段階ぐらい繰り返していくのかな、深めていくのかなということを思っておりまして、いわゆる要因分析ですね。そのことが、次のそれに対する対処策への材料になるわけですし、そんなことを思っています。
これは、はやり言葉のような言い方だと、ちょっと語弊があるといけませんが、御案内のように、最近、エビデンスに基づいてといったことを意識しているところでありますが、こうやってなぜか、なぜかと掘り下げていくというのは、エビデンスに基づいて理解する、説明するということではないかなと思っております。
もう一つは、先ほど船員保険の効果的なレセプト点検の推進ということで、複数年度の数字の動きで御説明いただいたところですけれども、基本的に今年度、当該年度の動向を見るときに、前年度に比較してどうということで見ていきますね。それはそれでいいわけですが、複数年度で見ていく、時系列で見ていく、趨勢を見ていく、毎年の増減を比較してみるといったことも、また意味があると思いますし、それでまた協会の現状はどうなのかということが理解できるということもあるのではないかと思います。
この資料の中でも、今、私が申し上げたようなことは、単年度の比較で説明されている部分、それからまさに表になって時系列になっている部分。それから、事業報告書では、時系列でいろいろありますので、そういったところから理解していくということ。ちょっと口はばったいのですけれども、そういった御説明をいただければ幸いですし、私どももそういうふうに理解していきたいと思っております。
これは、私の個人的な意見、感想ではありますけれども、そんなふうに思っているところであります。
以上のようなことで、検討会メンバーからそれぞれコメントをいただきました。参考にしていただければ幸いと思っているところでございます。
今年度の業績評価検討会をこれで終了いたしますが、皆様、それぞれに質疑応答でやりとりしていただきました。その中で、前回も申し上げたのですが、意見交換でキャッチボールができたなと思える部分も幾つかございましたので、これは幸いだったと思っております。時間を超過するということで、時間配分のことについても御協力いただきまして、ありがとうございました。
これで今年度の検討会を終了いたします。ありがとうございました。