2019年9月24日 第3回医療等情報の連結推進に向けた被保険者番号活用の仕組みに関する検討会 議事録

日時

令和元年9月24日(火)17:00~19:00

場所

中央合同庁舎5号館 18階 専用第22会議室

出席者

<構成員(五十音順、敬称略)>

 

<オブザーバー(敬称略)>

議題

被保険者番号履歴を活用した医療等情報の連結について

議事

 
○田中補佐 それでは、構成員の皆様、オブザーバーの皆様、事務局、事前に御連絡をいただいております方々につきましてはおそろいでございますので、ただいまより第3回「医療等情報の連結推進に向けた被保険者番号活用の仕組みに関する検討会」を開催したいと思います。
構成員、オブザーバーの皆様方におかれましては、大変お忙しい中、本検討会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。
ここで、本日の構成員の出席の状況でございます。2点御連絡がございます。藤井構成員におかれましては、御用務のため、遅れての御出席となります。樋口構成員におかれましては、御用務のため、途中で御退席になる可能性がございます。樋口構成員におかれましては、お時間になりましたら御退席ください。
なお、事務局でございます。本日、保険課長の姫野が用務のため急遽欠席となりました。申しわけございません。かわりまして、推進官の荻原が代理で出席をしております。
続きまして、本日の検討会もペーパーレスでの開催とさせていただきます。資料はお手元のタブレットで御覧いただきますようお願いいたします。
まず、資料の確認でございます。ローカルの領域にマイプライベートファイルというフォルダを御用意しております。そのフォルダの中に座席表、議事次第。
資料1といたしまして「医療等情報の連結推進に向けた被保険者番号活用の仕組みについて(案)」。
それから、参考資料。
以上、4点の資料を格納してございます。御確認のほどお願いいたします。
御不明な点等がございましたら、随時事務局に御連絡をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、これより議事に入らせていただきます。円滑な議事進行のため、撮影等につきましてはここまでとさせていただきます。
それでは、森田座長、議事進行につきまして、よろしくお願いいたします。
○森田座長 ありがとうございます。
こんにちは。本日は御多忙の中御出席いただきまして、ありがとうございます。
本日の検討会では、これまでの2回の御議論を踏まえまして、事務局にて取りまとめました案を資料として用意してございますので、構成員の皆様には、これにつきまして御議論いただきたいと存じます。
それでは、事務局からまず資料の説明をお願いいたします。
○田中補佐 事務局でございます。
まず、タブレットに格納してあります資料1についてお開きいただけますでしょうか。先ほど座長からお話のありましたとおり、これまでの第1回、第2回の検討会の御議論、構成員の御意見をまとめさせていただいたものでございます。タイトルとして「医療等情報の連結推進に向けた被保険者番号活用の仕組みについて(案)」ということでお示しをさせていただいております。
中身について、簡潔に御説明をさせていただきたいと思います。
まず「1.医療等情報の連結に向けた検討の経緯」ということでございます。こちらは本検討会の開催の要綱にも書いた内容、それから、私から検討会の開催に当たって御説明させていただいた内容をまとめさせていただいております。
まず、1つ目の○の部分でございますが、データベースの整備を通じて医療等分野の研究開発を推進する、それから、医療機関の間での患者情報の共有を推進する、このことに向けて、医療等情報の連結を推進していくことは当然重要なことでございます。
こうした医療等情報の連結に向けましては、2つ目の○の1つ目のポツの部分でございますが、医療等分野情報連携基盤検討会、こちらで2018年の8月に報告書がまとめられております。その報告書におきまして、1つ目のポツの3行目の部分でございますが、医療等分野における識別子として、個人単位化される予定の被保険者番号履歴の提供を受けることができる仕組みの整備を目指すといった方向性が打ち出されているところでございます。
2つ目のポツの部分でございますけれども、こうした報告も踏まえまして、2019年の通常国会で健康保険法等の一部改正法が成立しております。こちらの中で被保険者番号の個人単位化、それから、オンライン資格確認の導入といった内容が盛り込まれているところでございます。まさに2つ目の○の最後の行に書かせていただきましたが、基盤検討会報告書の内容の実現に向けた素地が整いつつある状況でございます。
※は基盤検討会の報告書でも記載されておりますが、また、今回構成員の方から多々御指摘をいただいたところでございますが、医療保険に加入していない生活保護受給者、こういった方々の医療情報の連結の識別子の仕組みについても、引き続き検討すべき課題として明記させていただいているところでございます。
1ページの一番最後の○のところでございます。本検討会の検討した事項について明示的に書かせていただいておりますが、本検討会では、データベースでの利用、研究用データベースでの名寄せ、それから、連結解析、このユースケースに関しまして、まさに個人単位化された被保険者番号の履歴を活用した連結の仕組み、これにつきましては、2021年度からの運用開始を目指して、その基本スキーム、活用主体、そして、最後に管理・運営主体を具体化するための検討を行ったとさせていただいております。
2ページ、こちらは本検討会でも多々御指摘をいただいておりましたが、1つ目の○の部分でございます。「なお」として書かせていただいておりますけれども、基盤検討会の報告書で提示されたユースケースのうち、医療情報の連携のユースケース、こちらにつきましては、本年6月の経済財政運営と改革の基本方針、これを踏まえまして、患者の保健医療情報を全国の医療機関で確認できる仕組みの検討とあわせて、2020年の夏までの工程表の策定に向けて、検討していくべきものであると明示させていただいております。
具体的な中身の御説明でございます。同じく2ページ目の真ん中から下の部分でございます。「2.被保険者番号の履歴を活用した医療等情報の連携の基本スキーム」でございますが、こちらは第1回で具体的な基本スキームについて示すべきという構成員の御指摘を受けて、第2回の検討会で具体のスキームを我々からお示しをして、それがどうかということについて御議論をいただいております。
1つ目の○につきましては、事実関係でございますが、先ほど申し上げましたとおり、被保険者番号につきましては、今年の通常国会の健康保険法等の一部改正法で個人単位化をされている。そこに加えて、告知要求制限がかけられているという事実関係を記載させていただいております。
2つ目の○の部分で、公的データベースからの履歴の照会を受けて、同一人物性について回答を行うシステム、これはこの報告書では「履歴照会・回答システム」と呼ばせていただいております。こちらでは照会された被保険者番号のうち、「同一人物の被保険者番号がどれかを回答する」ことになるわけでございますが、まさにこの回答の仕方につきましては、何らかの目印、キーを付す形になるわけですけれども、その具体的な中身を3ページの1つ目の○に書かせていただいております。
具体的なキーの付し方でございますが、1つ目の○に書かせていただいておりますとおり、照会の頻度、データ量などを含めて検討する必要がございますが、個人単位化された被保険者番号の履歴という情報の機微性を踏まえますと、安全性が極力担保されるような設計とすべきであると。
このことから、1つ目のポツの部分でございますが、前回の検討会の資料でもパターン1とお示しをさせていただきましたが、特定の個人には結びつかないが、照会されたテーブルの中で同一人物をあらわすキーを付して返すというのが1つ目、パターン1でございます。
一方、ナショナルデータベース(NDB)などのように匿名化されたデータベースにつきましては、匿名化処理をする前に対応することが前提になりますので、その前の段階で本システムに照会をして、システム内で例えば履歴管理される最初の個人単位化された被保険者番号を付して返し、そこからハッシュ値を生成して、データベースに格納すると。このハッシュ値を使って連結していくということがパターン2としてお示しをさせていただいております。
具体的な詳細な設計につきましては、次の○の部分でございますが、この想定を前提としながら、最適な方法を検証して実現を目指していくということとさせていただいております。
その次の○の部分でございますが、こちらは私が御説明をした内容、それから、構成員の方からも御指摘をいただきましたが、パターン1、パターン2、いずれの返し方につきましても、あくまで被保険者番号の履歴を活用して、同一人物の番号を確認するというシステム上の基盤は共通しておるということでございますので、被保険者番号の返し方がパターンとして分かれることをもって、開発コストに多大な影響を与えるものではないということを書かせていただいてございます。
続きまして、3ページの一番下、3.の活用主体の議論でございます。活用主体につきましては、基盤検討会の報告書で2つのポツでございますけれども、まずは履歴を提供する主体から取得できる者の範囲は必要最小限とすべきであるということ。
2つ目のポツの部分でございますが、利用目的が法令において明確にされていること、さらに、適切な組織、物理、技術、それから、人的な安全管理措置が講じられているという基準が示されているところでございます。
4ページ、こういった基盤検討会の報告書を踏まえて、前回御議論いただいたところでございますが、重要な部分でございますので、読み上げさせていただきます。
同報告書の提言を踏まえつつ、他のデータベースとの連結解析に係る同意取得の必要性や、個人単位化された被保険者番号の履歴を活用するに当たっての安全確保措置等や適格性の確認といったことも加味すると、
マル1データの収集根拠、利用目的などが法律(委任を受けた下位法令を含む。以下同じ。)で明確にされていること(被保険者番号の履歴を活用すること及びその活用範囲等が法律で明らかになること)、
マル2保有するデータの性質に応じて、講ずべき安全管理措置等が個別に検討され、確保されているものであること、
マル3データベースの第三者提供が行われる場合は、当該提供スキームが法律に規定され、提供先に係る照合禁止規定など、必要な措置が設けられているものであること、
が必要である。
と書かせていただいております。
以上のマル1からマル3までの要件を公的なデータベースについて当てはめますと、2つ目の○の部分でございますが、この要件を現時点で満たすものといたしましては、NDB、介護DB、DPC、全国がん登録データベース、最後に次世代医療基盤法の認定事業者の保有するデータベースが挙がってくるところでございます。
これらのデータベースにつきましては、実際に、履歴照会・回答システムを活用するかどうかについては、それぞれの所管部局、それから、関係審議会でマル1からマル3までの要件を加味いただいた上で検討していただきまして、具体的な関係法令の整備を含めて必要な措置を行っていくということを書かせていただいております。
※の部分でございますが、全国がん登録のデータベースにつきましては、要件を満たすということで挙げさせていただいておりますけれども、現在のところでは、全国がん登録のデータベースにつきましては、NDBなどとの連結解析の規定が法律上措置されておりませんので、こういった連結解析はできないということになっております。
1つ目の※の2段落目でございますけれども、この点、昨年改正されました医療・介護の連結の解析基盤の有識者会議では、連結解析に対するニーズや有用性が認められるとしておりまして、一方で、NDBなどとの匿名での連結解析のための技術的な対応の必要性ですとか、こういった課題が指摘されておりますので、こうした課題の検討とあわせて活用するとするのであれば、本システムの活用についても御議論いただいていくということを記載させていただいております。
また、今回要件を満たすものとしては、難病、それから、小慢のデータベースが載ってきておりませんけれども、これは今後の検討の中で連結解析を行っていくとするのであれば、あわせてこのマル1からマル3の要件を満たすための検討も行っていただくことになると考えておりまして、※の2つ目を記載させていただいております。
5ページ、こちらも前回の検討会でさまざまな御意見、御議論をいただきましたが、民間事業者の保有するデータベースでございます。こちらは例えば1つ目の○に記載しておりますとおり、学会のデータベースに係る活用につきましては、前述の連結解析に係る同意取得の課題ですとか、被保険者番号の履歴を活用するに当たっての安全管理措置、適格性の確認、こういった必要性から考えますと、現時点では活用を認めることは難しいが、将来的な課題として検討していくべきであると明記させていただいております。
ランニングコストにつきましては、一般論として便益を受ける主体が負担すべきであるということを明記させていただきまして、今回の履歴照会・回答システムの活用の中心が国のデータベースということになるのであれば、公費負担を原則としながら、民間事業者から実費を徴収していくということが考えられる旨を記載させていただいております。
このことにつきましては、関係審議会における具体的な活用主体、それから、管理・運営主体に関する議論も踏まえまして、詳細に説明させていただきたいと考えております。
続きまして「4.履歴照会・回答システムの管理・運営主体」でございます。こちらはまず基盤検討会の報告書で、前回も御説明申し上げましたが、「効率的な業務実施の観点からは、医療保険制度において、被保険者番号を一元的に管理する主体が、履歴管理提供主体となることが合理的である」とされているところでございます。
これを踏まえて考えますと、4.の2つ目の○の部分でございますが、被保険者番号の履歴を一元的に管理する主体としては、オンライン資格確認の運営主体となることが想定されている支払基金などが考えられるところでございます。今般のシステムにつきまして、公的データベースの保有主体から、被保険者番号の履歴の照会を受けて、回答を行うという業務になるわけでございますが、仮にオンライン資格確認の運営主体とは別の主体が行うこととした場合は、被保険者番号の履歴を、オンライン資格確認の運営主体から改めて別の主体が提供を受けた上で回答をすることが必要になってまいります。
こういったことを考えると、履歴照会・回答システムの管理・運営については、オンライン資格確認の運営主体が適切に行うことが妥当と考えられると書かせていただいております。
最後、5ページ目、一番下の5.の部分でございます。1つ目の○の部分でございますが、第1回の検討会で、今回の履歴照会・回答システムの導入で連結の精度を上げることができるのは、履歴管理が開始されて以降、将来にわたってのものとなると私が御説明を申し上げたところでございます。
そのことにつきまして、多々構成員から御指摘をいただきまして、第2回の検討会で御議論いただいた内容が6ページの1つ目の○以降でございます。それ以前のデータに関しましても、我が国の保健医療分野の研究のためには、大きな財産でございます。こうしたデータの連結、それから、連結精度の向上にも確実に取り組んでいく必要がございますので、具体的には1つ目のポツの部分、導入の前後でNDBデータが断絶しないような措置を講ずる。
さらには、それ以前の過去のデータの連結に関しても、さまざまな研究者の皆様の成果を参考にして、精度向上に向けた取組を進めていくべきであると提言として書かせていただいております。
最後に、NDBに限らず、介護DBとの連結解析についても、解析基盤有識者会議での議論を踏まえて、着実に取組を進めて、早期に、より精度の高い解析の実現を目指していくことが重要であると書かせていただいております。
以上、第1回、第2回、構成員に御議論いただいた内容をまとめさせていただいたものでございます。
以上でございます。
○森田座長 どうもありがとうございました。
ただいまの事務局からの説明につきまして、これから御議論いただきたいと思いますけれども、議論を整理するために、最初の資料1の1ページの「1.医療等情報の連結に向けた検討の経緯」と2ページの「2.被保険者番号の履歴を活用した医療等情報の連結の基本スキーム」、この部分について、まず御意見をいただきたいと思います。なお、順次3.4.5.につきまして、パーツを分けて御議論いただきたいと思います。
それでは、最初の1ページの1.と2ページの2.の部分について、何か御意見はございますでしょうか。
石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 今日、この案を検討するということなのですけれども、1.のところで書かれております最後の○でございます。2ページ目にかかったところです。「なお、基盤検討会の報告書で提示されたユースケースのうち」ということで書かれているものでありまして、これについて、6月21日の閣議決定を踏まえ、患者の保健医療情報を全国の医療機関等で確認できる仕組みの検討とあわせて、2020年夏までの工程表の策定に向けて、検討していくべきであると文言が書いてありますけれども、これは題が「医療等情報の連結推進に向けた被保険者番号活用の仕組みについて」というこの案と、どういう整合性があって書かれているものなのかを教えていただきたい。
ついでに意見を言うと、このことについては別の会議で議論中であって、ここでこうやって書いて(案)を取って出すということは、ちょっとおかしいのではないかと。我々は全くこのことについて十分議論した覚えはありませんので、この○は取るべきだと考えております。
○森田座長 事務局から回答をお願いします。
○田中補佐 まず、整理として御説明させていただきますが、まさに基盤検討会の報告書では、被保険者番号の履歴を活用していく仕組みの整備を目指すということ、それから、明確にユースケースとしては、データベースの利用のお話、それから、医療機関等の活用を念頭に置いた医療情報の連結のお話、2つのユースケースが書かれているところでございます。
まずは基盤検討会の報告書を受けまして、まさにこの報告書にも記載されておりますとおり、2019年の通常国会で成立した健保法の改正で被保番が個人単位化される、それから、オンライン資格確認が導入されることが決まっているわけでございます。その素地が整った中で、データベースの利用のところにつきましては具体的な中身を決定して、それから研究開発、研究での活用を念頭に置いたデータベースの連結ということができるわけでございますので、その具体的なスキームについて御議論いただきたいということで、この検討会の場で構成員の皆様に御検討いただいたところでございます。
一方、基盤検討会の報告書の中身を踏まえまして、医療情報のユースケースの部分、医療情報の連結の部分につきましては、医政局を中心といたしまして、これから議論が行われていくことでございます。その医療情報の連結の中で、当然患者の皆様を名寄せするに当たっての識別子の議論が深くかかわってくるわけでございますので、その医療情報の連結の議論とあわせて、患者の医療の連携に活用する際における識別子の議論もあわせて、しっかりと議論を行っていくことを明示するために書かせていただいているものでございます。
まずはデータベースのところについて具体化するための御議論を行っていただく。さらに、患者のところの識別子、医療情報の連携のところの識別子の検討もしっかり行っていくということを明記する趣旨で書かせていただいておりますが、具体的にこれをどうするかということにつきましては、御議論いただければと考えております。
○森田座長 どうぞ。
○石川構成員 今ほど意見で言いましたように、このことについてはまだまだいろいろな問題があって、私たちは議論していないのです。議論していないことを書いてはいけないです。単純にそういうことを言っているだけです。
だから、思惑が、この次の議論がどうだということについて述べるのは、例えばこの間からあった医療連携のことでも予定として出すのはあるかもしれませんけれども、これは全く議論していないので、多くの問題があるので、これは載せるべきではないという意見です。
○森田座長 ただいまの意見について、ほかの構成員の方、いかがでしょうか。
吉原構成員、どうぞ。
○吉原構成員 事情がよくわかっていないので、確認をさせてください。前回の話で、EHRについては別の議論を今後すると私は伺っていて、この2ページ目の○のところはそのように書かれていると私は受け取ったのですが、石川先生、そうではないのですか。そこはどうでしょう。
○森田座長 これは最初に事務局からお答えいただけますか。
○田中補佐 事務局の記載した認識といたしましては、まさにEHRについても難しい問題があるので議論していくべきだと構成員から第1回で御指摘を受けたところでございます。今回はデータベースの議論に限らせていただきますが、ただ、医療情報についても、医療情報の連結に当たっての識別子のあり方を今後しっかり議論していくべきだと御指摘を受けたと認識をしておりますし、我々も考えておりますので、今後議論していく必要があるということで、具体的な中身というよりは検討していかなければならない課題だという認識で書かせていただいております。
○森田座長 では、後で石川構成員。
まず山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 この文章の書き方が「検討していくべきである」という語尾になっているので、この検討会で話し合われてそういう方向性を示されたというふうに読まれてしまうのだと思うのです。
この問題については、今回、識別子だけをやりましたけれども、恐らくいろいろなところでいろいろな会議の結果が関係してきて、それがまた発展していくということだと思います。そこで、少し引いたような感じで、今、こういうことが行われていると客観視した感じで記載すれば、今回のこともほかのことに関係してくるということが意味合いとして伝わって、今、何が行われているかが読んだ人にも理解できるのではないでしょうか。
確かに話し合われたことしか書かないということは私もそうだと思うのですけれども、関係したことで今こういうことが起きていますということをちょっと引いた感じで表現すると問題ないのではないかと思いました。
○石川構成員 ですから、吉原先生が前々回、1回目のときにおっしゃった医療連携のところのID、番号についての話はどうなのだということですね。これはもっと別の問題があるので、別のときにやりましょうと言ったと思います。
しかし、今は一番大事なのはオンライン資格確認のところで、今、オンライン資格確認が議論されていますね。その中で患者の医療情報、私は医療情報と言っていますけれども、薬剤情報と特定健診の情報を、どこの医療機関でも見られるような仕組みを作ろうということを議論している最中なのです。これが同時進行で行っているのですね。
そのところには、私たちは患者の同意があってからでないといけないのではないかとか、非常に機微性の高いことを議論している最中なので、このことについて、例えば私が言ったような言葉で、医療連携のところでのID、患者番号の振り方といったことについては、私たちはMPIなどといったもので表現することにしていますけれども、十分な議論がないので、この3行ぐらいで言っていることを、あたかもここで議論したような形では言わないでくれということであります。
○森田座長 吉原構成員、どうぞ。
○吉原構成員 近い将来の課題として、EHRでどういう形で識別、名寄せをしていくかという方向性が担保されているということであれば、特に異論はございません。そういう理解でよろしいでしょうか。書きぶりの問題だと山口さんはおっしゃったのですが。
○森田座長 事務局で何かコメントはございますか。
どうぞ。
○笹子政策企画官 御議論をありがとうございました。
趣旨は先ほど田中から御説明したとおりでありますけれども、先生方の御議論を踏まえて、例えば最後の行で「検討していくべきである」と記載すると、この場で御議論があったという誤解を与えるということでありますれば、「検討していくこととされている」など、一般的な書きぶりにさせていただくことでいかがでしょうか。
○森田座長 ほかの構成員の方、いかがでございましょうか。
議論を整理しますと、この前の会議でこういう御指摘があったことは間違いないわけでして、それを踏まえて事務局がこういう形で表現をしたということでございますけれども、表現の仕方として議論がないのにあったかのごとく解釈をされるような表現になっている点は訂正すべきではないかということで、今のように「検討していくこととされている」という形ですと、客観的にこういう御指摘があってそうなっているという表現になるということです。
石川構成員、いかがですか。
○石川構成員 どうもありがとうございます。
この患者の保健医療情報を全国の医療機関等で確認できる仕組みの検討とあわせてというところが非常にひっかかりまして、要するに、これは何段階もの議論が必要であって、ここはもっとちゃんと議論が必要だということをもう少しセンシティブに書いてもらいたいといいますか、ナイーブに書いてもらいたいというのがあるのです。それは今、オンライン資格確認のところで激論しているところですので、ぜひそのようにしていただきたいと思います。
○森田座長 それでは、論点といいますか、御議論のところはかなり収れんしてきたように思います。官庁用語としては、そういうときに「検討」の前に「慎重に」とつけることもありますけれども、そうするとネガティブになる可能性もあると思いますので。
どうぞ。
○笹子政策企画官 今の御指摘も踏まえて、例えば「なお」のところでありますけれども、2行目から「経済財政運営と改革の基本方針2019(令和元年6月21日閣議決定)において」、その後は全部削って「検討していくこととされている」とすれば、中身のことは一切申し上げず閣議決定だけを記載し「検討していくこととされている」ということで、石川構成員の内容について踏み込むべきではないという御趣旨を反映できるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○森田座長 いかがでしょうか。
私の印象だと、医療情報連携のユースケースについてというのは、基盤検討会の報告書についてよく御存じの方ならば意味がわかると思いますけれども、そうでないと報告書をもう一度読まないとここで何を言っているのかわからなくなってくるような気もするのです。せっかくの御提案をまぜ返すようなことを言って申しわけないのですけれども、報告書の形としてはここのところをもう少し表現の工夫をして、趣旨はこの報告書だけを読んだ方でも十分に御理解できるようにしてはいかがかと思います。
○笹子政策企画官 かしこまりました。
○森田座長 では、そういう形で修文を検討させていただくということにしたいと思います。
それでは、この第1と第2のパートにつきましては、ほかに御意見はございませんでしょうか。いかがでしょうか。
樋口先生、どうぞ。
○樋口構成員 私の理解は、当たっていないかもしれませんけれども、今回の会議は、こういうヘルスデータの連結というものについて、いろいろなデータベースを国も持っているし、それについて連結して、まず活用主体に関する最低限の基本原則を明らかにする。それから、それを動かしていくための管理・運営主体というものをここで相当程度像を明らかにするというところに主眼があって、いずれもインフラにかかわるところであるということだと理解しているのです。
余り総論的な話をしてもとは思うのですけれども、ちょっと思ったのは、こうやって文章になりますと、1ページ目の一番初めの1.検討の経緯のところなのですけれども、医療等情報の連結をする推進することが重要である、なぜかというと2つ書いてありますね。1つ目は、データベースの整備を通じて、医療等分野の研究開発等を推進する。2つ目が、医療機関等の間での患者情報の共有を推進する。
質問は2つあって、質問というか、これは総論的な話なのでここで話し合うのがいいのかどうかわからないのですけれども、この2つなのだろうか、このデータベースの活用としてはほかにもあるのではないかと。
すぐに浮かぶのは、私などはやはり医療・介護の国民皆保険システムと介護保険システムというものがいわゆるサステナビリティーといいますけれども、できるだけ長く続けてもらいたい。そういうことのために両方のデータを連結してどこに問題があるかみたいな話で、こういう日本が誇る基本的な医療・介護制度のシステムのサステナビリティーを確保するためにとか、もう少し抽象的な言い方でもいいと思うのですけれども、この2つだけだったのだろうか。もちろん、ここで書かれているからこの2つに限るということではないのです、一番わかりやすい例としてとりあえず出しておきましたということかもしれないのですけれども、これが文章を読んでいて、この2つだけだったのかなと。
2つ目は、この2つだとしても、今回この報告書で定められることが、この2つとまさにどう連結するのか。このぐらい離れているような気もするのです。だから、とりあえずこういうデータヘルスの大きな目的を掲げているのですという話で、考えておいてください、今、この基盤をつくるための幾つかの原理原則を明らかにするところなのですよと言ってくだされば、それはそれでここがすぐに直結しなくてもいいような気もしますが、そういう2点を感じました。
○森田座長 事務局でお答えいただけますか。
○田中補佐 事務局でございます。
まず、御指摘をいただきました1つ目の○の部分、検討会での御議論を踏まえて、かつ要綱でミッションとして記載させていただいた事項から引用する形で書かせていただいております。もともとこの2つを掲げさせていただきましたのは、事務局サイドでこれを記載した趣旨といたしましては、まさに基盤検討会でも医療等情報の連結の識別子の議論として実現しようとしているのは、この2のユースケースでございます。
この恐らく双方が、厚生労働省的な申し上げ方をするのであれば、我が国の誇るべき国民皆保険制度のサステナビリティーですとか、当然、研究開発が進めば効率的な医療が提供されるかもしれませんし、質の高い医療が提供されるかもしれませんし、さらに医療情報の連携が進めば効率的に、かつ患者様に質の高い医療を提供することができるようになる。これは双方、患者さんに対する質の高い医療、さらに持続可能性を維持するための効率的な効果的な医療につながってくる。
これが実現することによって、さらに大上段に樋口構成員がおっしゃったような目指すところがあるということは、それはこの検討会と申しますか、基盤検討会の議論のころから常にあるものだと思っております。それを具体化するものとして、基盤検討会でも明示的に記載されている2つのユースケースを想定して、この2つを書いております。大上段として何かを書くべきだという御指摘であれば、またそこも御議論はあるかと思います。
さらに、この2つのユースケースの中で、今ほど御議論いただきましたデータベースの活用のところにつきましては素地が整っておりますので、その検討をいただきたいということで、この検討会で御議論いただいたという流れがわかるようには書かせていただいているつもりでございます。
○森田座長 よろしいですか。
ほかにいかがでしょうか。
葛西グループ長、どうぞ。
○葛西アドバイザリーグループ長 真面目な話をさせてもらうと、今のところは重要なので、システム設計上、珍しく文言めいたことで恐縮なのですが、3ページ目の一番上の○のところ、これは履歴照会・回答システムで匿名化して、匿名化処理をしたものを、その中でデータベースに格納するパターン2というものですね。そのように書かれているのですね。
そうすると、何が起きるかというと、まさに介護のことをおっしゃって、そのとおりで、そういう疑問を持たれる方はいるなと気づいたのですけれども、介護の情報とかいろいろなものを全部ここに持ち込んで、ここでないと解析できなくなってしまうのと。私はもともとそういうことはないと思うのです。単にハッシュ化された個人を同定するためのデータがここに格納されているだけで、解析者はいろいろな環境を使われているので、適切に安全管理されたところに提供するという文章を入れないと、ここが解析するための基盤で、ここだけでしかやらないみたいに見えてしまうと、ちょっと誤解かなと思ってしまっただけです。そのようにも読めるというところです。
本システム内に照会し、システム内で、例えば、履歴管理される最初の個人単位化されたものが生成されてからデータベースに格納すると、ここだけでやるみたいな雰囲気が出てしまっているのは、データヘルス改革推進本部としてはそういうことでは全然ないので、それも逆に厚生労働省のフォローをする意味でいうと、もうちょっと幅広にできるだけ制度をきちんとつくって使っていただきたいという思いも全然捨ててはいないと思います。
珍しく文言的なことを言いまして、済みません。
○森田座長 事務局、いかがでしょうか。
○田中補佐 御趣旨は理解いたしました。確かにおっしゃるとおり、今の記載ぶりといたしまして、2つ目のポツの部分は、「一方、ナショナルデータベース等のデータベース」と書いた上で、匿名化処理をする前にハッシュ化して、データベースに格納すると書くと、御指摘はつまり、一つのデータベースの中に全部ハッシュ化して入れるというように読めるという御趣旨と理解しました。
もちろん、書いている趣旨としてはそういうことではございません。「一方、ナショナルデータベース等」のところがデータベースを特定していて、介護なども含むように書かれていて、まとめて全部「例えば」以下で書いてしまっておりますので、「ナショナルデータベース等」のところも含めて「例えば」という例がかかった上で、それぞれが当然個別のデータベースの中で対応されるべきことですので、そこの趣旨がわかるように文言を適正化させていただきます。
○葛西アドバイザリーグループ長 全く先生の御指摘は大事で、いろいろなところでちゃんと使われますということが伝わらないとまずいなと思ったところで、そういうことは全然ないと思うのですが。
○森田座長 わかりました。
ここのところはテクニカルな問題だと思いますけれども、データベースという言葉が3つ出てきて、それぞれ意味が違っているのが、このままだと同一の意味に受けとめられてしまうと誤解を招きかねないということだと思いますので、これも少し文言を事務局のほうで御検討いただいて、葛西さんに御確認いただくということで、よろしくお願いいたします。
ほかにいかがでしょうか。
よろしければ、次のパーツに入りたいと思います。ある意味でそちらの話に入り込んでいるかもしれませんけれども、資料1の3ページ「3.履歴照会・回答システムの活用主体」、先ほど、どなたかから御指摘がございましたけれども、まず基盤としての活用主体がどういうものかということについて書いた部分ですけれども、これにつきまして、御発言はいかがでございましょうか。
特にないと判断してよろしゅうございますか。
それでは、実質的に最後のパーツになりますけれども、5ページ「4.履歴照会・回答システムの管理・運営主体」と「5.システム導入前後のデータの連結精度の向上等について」の部分につきまして、御発言をお願いしたいと思います。この部分につきましては、前回、前々回においてかなりいろいろな御発言があったところだと思いますので、これでよろしいかどうかという確認も含めまして、御発言をお願いします。いかがでしょうか。
石川構成員。
○石川構成員 議論していなかったと思うのですけれども、これは例えば研究者がNDBと介護データベースを連結したものを研究したいと、ある申請書を書くわけですね。そのときに、その研究にのっとって連結したものを出すのはどこなのでしょうか。それについてはやっていましたか。結構手間がかかると思うのですけれども、質問です。
○森田座長 事務局、いかがでしょうか。
○田中補佐 具体的なデータを連結して、それから、第三者提供していくということについては、法律ではできるということになっておりまして、令和2年の10月からの施行ということになっています。ただ、具体的にそれぞれ連結する際に、今NDB、介護DBそれぞれで第三者提供の制度が設けられておりますので、具体的にどのように連結したデータをどちらに申請するのかですとか、連結したデータをどのように出していくのかというところにつきましては、その具体的な中身はこれから恐らく保険局、老健局それぞれなのか、もしくは有識者会議のような場所を活用するのか、そういったことを含めて来年の10月に向けて検討していく、もしくは御相談させていただきながら検討していく内容なのかと考えております。
○石川構成員 NDBも介護データベースも今、申請で審査をしたり、いろいろしているわけなのですけれども、とても大変な作業だと思うのです。ですから、御紹介したようにこれからも議論が必要でということで、それは最後のところにでもきちんとそういう細かいことですね。
ただ、これは恐らく基金の方だとか中央会の方、自分たちでどこまでやるのだというところにも非常にかかわってくる問題ですので、それをきちんと検討することは一番最後のところでも書いておいたほうが、不安におののかないでいいのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○森田座長 どうぞ。
○田中補佐 事務局でございます。
事実関係として申し上げますと、連結解析をする、連結をしてそれを第三者提供していくということは、高確法、介護保険法に規定をされておりまして、それは厚生労働大臣の事務としてまずは書かれております。基金に対する委託を可能とする規定は置かれてはおりますけれども、まずは厚生労働大臣がNDB、介護DB、それぞれやっております。それから、連結したものも含めてやっていくということになっておりますので、まずはそれを前提として令和2年の10月に向けた検討が行われていくことになると承知しています。
なので、この連結をもって基金とか国保中央会に現時点で何かをお願いすることが決まっている状況にはないと理解しております。
○石川構成員 わかりました。
○森田座長 よろしいですか。最後の3行でまとめているところになるかと思います。
ありがとうございます。それでは、ほかにいかがでしょうか。
ここの部分も特に御意見はございませんか。
どうぞ、田尻構成員。
○田尻構成員 ちょっとイメージが湧かない部分についてお尋ねします。たしか第1回目の会議のときにも発言した記憶があるのですけれども、過去のデータ、以前のデータについてということを資料の最後に2つほど書いてあるのですけれども、私とすれば、どの程度のデータが今、手元に残っているのか。延々と残せとは申しませんし、かなりボリュームもあることでしょうから、例えばさかのぼって研究をする場合に、どの時点ぐらいまでが実際に過去のデータにしても利用できるものなのかということ。
もう一つは、EHRも含めてのことになるのでしょうけれども、例えば予防接種の記録などは、現在、母親が母子手帳を見なければわからない。風疹のワクチンを打ったのか打っていないのか、そこら辺も定かではない。せっかくであれば、今は無理なことはわかっているのですけれども、データの種類によっては保存しておく、記録しておく期間を個別に考えるというお考えはあるのでしょうか。どうなのでしょうか。
○森田座長 事務局、どうぞお願いします。
○田中補佐 事務局でございます。
基本的にそれぞれのデータベースの中でそのデータをどの程度保存していくのかというところは、まさにそれぞれのデータベースの性格に応じて決定されていくべきものだと考えております。
事実関係として申し上げますと、例えばNDBにつきましては、基本的に保存年限を設けていないと理解しておりますので、まさに長期にわたって医療情報を分析していくことを念頭に置いており、基本的には無制限でございます。
介護のデータベースに関しても、たしか保存年限を設けていなかったものと承知しておりますので、まさに今ほど私が例で御説明を申し上げた、長期に分析していくものであれば当然そういう形の設計になってまいりますし、もしくはそれとは別に予防接種がどのぐらいデータ保存されているかは定かではありませんが、それぞれのデータベースの性格によって保存年限が規定されていくものと考えております。
○田尻構成員 ありがとうございました。
○森田座長 よろしゅうございますか。ほかにいかがでしょうか。
座長としては、早く終わる分には一向に差し支えないのですけれども。
樋口構成員、どうぞ。
○樋口構成員 前の部分になるのですけれども、私自身が十分よくわかっていなくて申しわけないということをまず謝っておいて、4ページのところに3つの要件、先ほども丁寧に説明していただきましたけれども、活用主体はこういうものでなくてはいけないというのがここにあるわけですね。その前のページには、活用主体の範囲は必要最小限であって、基本的には法令等で明確に、それから、安全管理措置と、もっとも至極なことが書いてあって、それを3つの要件にまとめていると理解はしているのです。
例えば具体的な事例で聞いたほうがいいと思うので、そのレベルではなくて別のレベルがここに書いてあるのですよということなのかもしれないのですが、例えばマル1のデータの収集根拠、利用目的が明確にされていること。これは法律で明確にされていることで、そうすると、例えばがん登録に関する基本法というのでしたか。がん登録法では、がん登録で登録の収集目的、ほかとは連結しないようなこと、利用目的が限定されるみたいなことがはっきり、つまり限定的に明確にされているわけです。だから、これはこのマル1の要件からすると、がん登録法を改正しない限りはこの要件でだめです、連結もできません、活用主体にもなれません、こういうレベルの話だと思ってよろしいのですか。
もう少し抽象的に大きな面で言うと、法律ではっきり書いてあるのはマル1とマル3ですか。当該提供スキームが法律に規定され、マル1も法律で明確にされていると。そうすると、現在ある法律で、先ほど高確法みたいな話も幾つか出ていましたけれども、これで対処できるものと、こういうところで法改正が必要なのですよということをもう少し、全部を全部というのはできないと思うのですが、補足的に説明してくださるとありがたい。
活用主体を広げていくためには、この要件をつくったからにはこの法律の改正が絶対に必要になりますという話かもしれないのですけれども、質問自体がぼやっとしていて申しわけないです。
○森田座長 事務局、お願いします。
○樋口構成員 一言だけ追加すると、こういう質問をする背景は、もうおわかりかと思いますけれども、私自身は一番初めの研究開発であれ、患者自身の情報共有であれ何であれ、そういうものを積極的にやっていきたい、やったほうがいいのではないかと、そのように思っているわけです。ここをこうやって要件を絞ることで、せっかく活用したいという話が、研究開発等の活用をこの時点ですごく狭めているという話にはならないほうがいいのではないかと思っているものですから、こういう質問をしております。
○田中補佐 お答え申し上げます。
前回、樋口構成員からまさにそういった御趣旨での御発言、御意見をいただいたものと理解しております。それにあわせまして、同意取得の問題、同意がとれていることをどのように確認するか、それから、例えば民間のデータベースにしても、運営の仕方、保有主体、かなりいろいろなものがございますので、被保険者番号の履歴を使って活用していくに当たっての安全性の確保、適格性の確認、そういった難しさがあるという御意見がまさにあったものと理解をしております。
そのような中で、まさに基盤検討会でも被保険者番号の履歴の利用目的が法令などにおいて明確にされていることと記載をされております。前回の御議論の内容も踏まえての記載でございますけれども、そういった安全確保措置の確認、適格性の確認、それから、利用目的が法律にしっかりと書かれていて、国民の皆様がどのように履歴を使って医療情報が連結されていくのかがわかるということを具体化するためにはという趣旨だと理解しております。
まず、そのデータベースの収集根拠、利用目的が法律で明確にされていること、まさにこれが明確にされているとするのであれば、被保険者番号の履歴がどのような情報の連結に、名寄せに活用されるのかが明らかになるということだと理解しておりますので、それが今回の報告書上は「法律(委任を受けた下位法令を含む)」という形で明確に書かせていただいているという趣旨でございます。
○森田座長 樋口構成員、よろしいですか。
○樋口構成員 あえて一言ですけれども、すでにある法律、あるいはそれに基づく下位法令がありますね。これで一番大きな先ほどのゴールですけれども、研究開発とか、言葉は出てこないけれども、医療情報、患者情報の共有、よき目的のための共有ですね。それに十分なような法制度が既にあるのか、幾つかの法律については問題があって法改正も必要だという話なのかということなのです。
○田中補佐 まず、この趣旨といたしましては、法律に収集根拠、いわゆる利用目的が記載されていて、この報告書の中でも「関係法令の整備を含め、必要な措置を行われる必要がある」と書かせていただいておりますけれども、これは実際に活用するに当たって法改正を行おうとするのであれば、まさに法改正が行われること、法律で規定されることによって、初めて国民の皆様に自分のどういう情報が履歴を使って連結していくというのが明らかになります。
例えば個別法で、今、がん登録の条文を例に出されましたけれども、そこでこう書いてあるから趣旨に沿わないとか、この記載がない、例えば研究開発という表現がないからだめだという趣旨で書いているというよりも、法律でしっかりとそれが明らかになって、かつ国民の代表である国会で御議論いただいていることが重要ではないかという趣旨で書かせていただいているものでございます。
○樋口構成員 わかりました。
そういう原理原則をここでは言っているだけで、この原理原則が認められた暁において実際に活用するときに、がん登録のデータベースは法律に基づいてきちんとしたやり方で活用できるかどうかその後で検討することになるだろうと、そういう順番なのですね。
○田中補佐 おっしゃるとおりで、基本的にはここは原理原則として書かせていただいておりまして、まさにこの原理原則に従って、この検討会の報告書に従って、関係審議会で議論いただいて、国会で御審議をいただくことになるという手順かと思っております。
○森田座長 よろしいですか。
ほかにいかがでしょうか。
それでは、特に御意見がないようですので、本日、いろいろ御議論いただきましたけれども、今までのところで言いますと、一番最初の2ページのところで、文言として「検討していくべきである」という表現を少し工夫する。その上の部分につきましても、もう少し今日出た御意見を反映した形で修文をしていくということ。
2番目は、その次の3ページの一番上の○の2番目の点の「データベース」という表現につきまして、もう少し正確に表現をする。
その2か所について修正をするという御意見があったと思いますし、それについて御異論がなかったと思いますので、その部分を修正するということを前提にして、他の部分については、皆さん、御承認いただくという理解でよろしゅうございますでしょうか。
(構成員首肯)
○森田座長 ありがとうございました。
その部分の修文の具体的な文言等につきましては、事務局と私のほうにお任せいただきたいと思いますけれども、それも御了解いただけますね。
(構成員首肯)
○森田座長 ありがとうございました。
それでは、予定していた議事が全て終了ということになったと思います。どうもありがとうございました。
3回にわたりまして、皆さんに御議論いただいたことになりますけれども、予備日もとってありますけれども、本日で終了ということにさせていただきたいと思います。
それでは、構成員の皆様、御多忙の中ありがとうございました。
最後に鈴木統括官から一言御挨拶をお願いいたします。
○鈴木統括官 構成員の皆様方、3回にわたりまして、活発な御議論をいただきまして、まことにありがとうございます。
医療等分野の情報連結を進めていくことにつきましては、重要な課題であると認識してございまして、今回、データベースでの利用のユースケースにつきまして、おまとめいただいたわけでございます。このまとめを踏まえまして、次のステップをしっかりと進めてまいりたいと考えてございます。
皆様方、引き続きの御指導をお願い申し上げまして、終わりに当たっての私の御挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございます。
○森田座長 どうもありがとうございました。
それでは、本当にこれで終了ということになります。
構成員及びオブザーバーの皆様方には、御多忙の中、さまざまな貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
それでは、後は事務局にお任せしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日の会議はこれで終了といたします。どうもありがとうございました。

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