2019年8月7日 薬事・食品衛生審議会 要指導・一般用医薬品部会 議事録

日時

令和元年8月7日(水)10:00~

場所

新橋5A会議室

出席者

出席委員(18名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理
 

欠席委員(1名)
 
行政機関出席者
 
 樽見英樹(医薬・生活衛生局長)
 森和彦(大臣官房審議官)
 山本史(医薬品審査管理課長)
 関野秀人(医薬安全対策課長)
 新井洋由(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
 森口裕(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
 坂本純(独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役) 他
 

議事

○医薬品審査管理課長 それでは、少し定刻よりも早いのですが、皆様おそろいになりましたので、ただいまから、薬事・食品衛生審議会要指導・一般用医薬品部会を開催させていただきます。委員の先生方におかれましては大変お忙しい中、また大変暑い中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
まず、はじめに、本年1月に薬事・食品衛生審議会の委員の変更がございましたので、新しく委員に任命されました先生を御紹介させていただきます。よしの病院医員の木下玲子委員、東海大学医学部基盤診療学系臨床薬理学教授の嶋澤るみ子委員、国民生活センター理事の宗林さおり委員、東京女子医科大学呼吸器内科学講座教授・講座主任の多賀谷悦子委員、国立国際医療研究センター小児科第二新生児科医長の水上愛弓委員です。
次に、薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づき、部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名する方は、その職務を代理するという立場での部会長代理ですが、部会長から御指名いただくことになっております。今回、当部会は改選後初めての開催ですので、橋田部会長より部会長代理の指名についてお願いしたいと思います。
○橋田部会長 橋田です。引き続き部会長を務めさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。部会長代理につきましては、やはり引き続き新保卓郎委員にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。それでは、新保先生、よろしくお願い申し上げます。
○新保部会長代理 引き続き部会長代理を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○橋田部会長 どうぞ、こちらへ御移動をお願いいたします。では新保先生、よろしくお願い申し上げます。
○医薬品審査管理課長 続いて、現時点での委員の御出席状況ですが、委員19名のうち18名の委員の御出席を頂いておりますので、本日、定足数に達していることを御報告申し上げます。
続いて、厚生労働省のほうでも人事異動がございましたので、御紹介いたします。7月より医薬・生活衛生局長に着任いたしました樽見です。また、医薬品医療機器総合機構審査センター長に着任しております新井です。
部会を開始する前に、事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告申し上げます。今回、全ての委員の皆様より薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいております。委員の先生方におかれましては、会議の開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、何とぞ御理解と御協力を引き続きいただきますようよろしくお願い申し上げます。
それでは、橋田部会長に以降の進行をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○橋田部会長 それでは、まず事務局から配布資料の確認をお願いいたします。
○事務局 資料については、ペーパーレス化を実施しており、各委員におかれましては、お手元のタブレット端末で資料を御確認いただければと思います。タブレット端末は、議事次第を画面に表示した状態で配布させていただいております。他の資料を御確認いただくには、画面の左上のマイプライベートファイルをタップしていただくと一覧が出る形になっています。タブレットの使用方法については、ペーパーレス審議会タブレット操作説明書を御確認ください。資料のページ数が多いものがありますので、任意のページを指定して表示する方法、操作説明書の2ページの一番上の(2)を御活用ください。
本日の資料として、マイプライベートファイルに表示されている上から順に、参考資料、資料1「クロラス酸・Nバリア申請書類等」、資料2「医療用から一般用への転用に関する評価検討会議の報告について」、資料3「承認基準の改正について」、資料4「競合品目・競合企業リスト」、資料5「専門協議委員リスト」、委員名簿、座席表、議事次第となっております。タブレットの不具合等がございましたらお知らせください。資料の説明は以上です。
○橋田部会長 よろしいでしょうか。それでは、本日の議題に入ります。まず事務局から審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告をお願いいたします。
○事務局 資料4、本日の審議品目に係る競合品目・競合企業リストを御覧ください。競合品目・競合企業及びその選定理由について御説明いたします。議題1のクロラス酸・Nバリアは、亜塩素酸水を含有する殺菌消毒剤です。効能・効果は、「食品製造器具の消毒・殺菌、便所の消毒・殺菌、シーツ・おむつの消毒・殺菌、室内・浴室の消毒・殺菌、調理器具・食器の消毒・殺菌、哺乳びん・乳首の消毒・殺菌、物品の消毒・殺菌、排泄物・おう吐物の消毒・殺菌」であり、同様の効能・効果を有する製剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上です。
○橋田部会長 ただいまの事務局からの説明について、何か御意見等はございますでしょうか。よろしいですか。それでは、本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、委員の皆様の理解を得たものとさせていただきます。
それでは、各委員からの申出状況について報告をお願いいたします。
○事務局 各委員からの申出状況について御報告いたします。議題1、クロラス酸・Nバリアについては、退室委員なし、議決に参加しない委員なしです。以上です。
○橋田部会長 ただいまの事務局からの説明について、何か御意見等はございますか。よろしいですか。それでは、委員の皆様に御確認を頂いたものといたしまして、議題に入らせていただきます。本日は審議事項が1議題、その他事項が2議題となっております。
それでは、審議事項に移ります。議題1について、機構から概要の説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは機構から、資料1について説明いたします。別の資料として取扱説明書案もお示ししておりますので、併せて御確認をお願いいたします。審査報告書を御覧ください。販売名は、クロラス酸・Nバリアです。一般名は亜塩素酸水で、申請者は本部三慶株式会社です。申請区分は殺虫剤・殺菌消毒剤の区分で、申請区分(1)の新有効成分含有医薬品に該当いたします。
審査報告書2ページを御覧ください。効能・効果は、食品製造器具の消毒・殺菌以下、記載されたとおりです。用法・用量は大きく2つに分かれており、用途により希釈倍率が異なります。食品製造器具の消毒・殺菌以下、物品の消毒・殺菌までは、本品の8倍希釈液で清拭する。清拭できない場合は数分間浸漬すると規定されています。一方で、排泄物・おう吐物の消毒・殺菌では本品の2倍希釈液を用いると規定されております。
審査報告書4ページ中段のイ項について説明いたします。亜塩素酸水は食品添加物に指定されており、第9版の食品添加物公定書において、定義として「塩化ナトリウム飽和溶液に塩酸を加え、酸性条件下で、無隔膜電解槽内で電解して得られる水溶液に、硫酸を加えて強酸性とし、これによって生成する塩素酸に過酸化水素水を加えて反応させて得られる水溶液」と規定され、その含量は「亜塩素酸4.0~6.0%を含む」と規定されています。亜塩素酸水は、亜塩素酸分子のほか亜塩素酸イオン等を含み、それら塩素系化合物の平衡混合物として、通常は液体状態で存在します。
本品であるクロラス酸・Nバリアは、亜塩素酸水を有効成分とする殺菌消毒剤です。また、審査報告書に記載のとおり、亜塩素酸水が食品添加物に指定された際の要請者は、本品の申請者と同一で本部三慶株式会社です。
4ページの一番下の段落に、申請区分について記載しております。亜塩素酸水を有効成分とする医薬品は、医療用医薬品、要指導医薬品又は一般用医薬品として承認されておらず、また、本品は「殺虫剤又は殺菌消毒剤であって人体に直接使用しないもの」に該当することから、新殺虫・殺菌消毒主剤(新有効成分含有医薬品)として申請されました。なお、申請時の効能・効果には「手指の消毒・殺菌」が含まれていましたが、審査の過程において、申請者からの申出により削除されました。申請者は、本品を開発する意義を次のように述べております。「塩素系化合物を主たる有効成分とする一般用医薬品の殺菌消毒剤として、次亜塩素酸ナトリウム製剤が広く使用されている。次亜塩素酸ナトリウム製剤は強い殺菌作用を有するが、有機物存在下では期待どおりの効果が発揮されない。そこで、有機物存在下でも安定した殺菌力を発揮することができる塩素系化合物として、本品を開発した」。このように述べております。
この次亜塩素酸ナトリウムと比較した開発意義について、機構から補足いたします。審査にあたり審査報告書7ページで、ノロウイルスの不活化条件を検討した資料を参考資料として取り扱った旨を記載しています。この資料には、次亜塩素酸ナトリウムの試験成績も記載されております。本剤の有効成分ではないため、その試験結果は審査報告書には記載しておりませんが、次亜塩素酸ナトリウムに関して有機物負荷のない条件では十分な不活化効果が認められたが、負荷条件下では効果は認められなかったといった記載があります。また、次亜塩素酸ナトリウムが有機物存在下で不活化するという事実は、他の文献等でも確認できるものです。したがって、有機物存在下でも安定な製剤を開発するという申請者の説明について、開発意義として問題ないものと判断しております。本剤の有機物存在下での有効性については後ほど説明いたします。
審査報告書に戻ります。5ページのロ項、規格について説明いたします。ロ-1に、原薬について記載しています。原薬は、食品添加物「亜塩素酸水」を医薬品に転用するものであり、その製造方法及び規格は食品添加物と同一です。ロ-2-1に、製剤の製造方法について記載しています。製剤は、100mL中に亜塩素酸水20gを含有する液剤です。下の段落は、製剤の容器についてです。本剤は、○○○○○○○○○○○○○製容器に充てん後、遮光性を有する○○○○○○○○○○○○で包装されています。ロ-2-2に、製剤の規格及び試験方法について記載しています。製剤の規格として、含量、性状、確認試験、pH、定量法が設定されています。
続いて、ハ項の安定性について説明いたします。安定性に関する資料として、先ほど説明した容器で包装された3ロットについて、長期保存試験と加速試験が実施されています。なお、本品は塩素系化合物であり、光や熱に不安定であることが予測されたことから、長期保存試験の温度は通常より低く、15℃で実施されました。試験結果としては、加速試験において含量の明らかな低下が認められました。したがって、長期保存試験の結果に基づき、製剤の有効期間は、遮光し、15℃以下で保存するとき1年間と設定されました。
続いて、ニ項の薬理作用について説明いたします。薬理作用に関する資料として、細菌類に対する殺菌効果確認試験成績が提出されました。また、ノロウイルスの不活化条件を検討した資料が、参考資料として提出されました。ニ-1に、細菌類に対する殺菌効果確認試験について記載しています。本品の効能・効果において想定される微生物の代表としてマル1~マル10の微生物が挙げられ、それらに対する殺菌効果が評価されています。詳細な試験方法の説明は割愛いたしますが、有機物負荷を想定し、負荷物質としてBSAを用いて試験されました。その結果が7ページの表1です。全ての物質に対して有効だった希釈倍率は、0.03%BSAで8倍希釈でした。
7ページのニ-2に、参考資料であるノロウイルスの不活化条件を検討した資料について記載しています。本資料は、国立医薬品食品衛生研究所が実施した試験報告書です。参考資料のため詳細な説明は割愛いたしますが、当該報告書では、ノロウイルスの代替ウイルスであるネコカリシウイルスを用いて試験され、亜塩素酸水がネコカリシウイルスの不活化効果を示した旨が記載されています。
続いて、ホ項の吸収・分布・代謝・排泄についてです。これらについては新たな試験は行われておらず、食品添加物に指定された際の試験成績が資料概要にまとめられています。
8ページ、ヘ項の毒性についてです。毒性に関する資料として、皮膚刺激性試験成績、眼刺激性試験成績、皮膚感作性試験成績及び残留性試験成績が提出されました。ヘ-1からヘ-3について、まとめて説明いたします。ヘ-1の皮膚刺激性試験ではウサギで試験され、特段の所見は観察されませんでした。ヘ-2の眼刺激性試験ではウサギで試験され、結膜発赤が3例中2例に認められましたが、パッチ除去後24時間以内に回復いたしました。その他の所見は観察されませんでした。ヘ-3の皮膚感作性試験ではモルモットで試験され、特段の所見は観察されませんでした。9ページに、ヘ-4の残留性試験について記載しています。ザルとまな板と包丁に対し、残留性が検討されました。本品の2倍希釈液に浸漬させた後、浸漬液をペーパータオルで拭き取った後、残留量を測定いたしました。その結果、いずれも定量限界値未満であり、残留性は認められませんでした。
最後に、ト項の臨床試験についてですが、本品はヒトに使用しない製剤であり、臨床試験は実施されていません。
続いて、9ページの中段以降の審査の概略について説明いたします。まずは、規格及び試験方法についてです。試験項目及び規格値は、食品添加物に準じて設定されています。また、本品は人体に直接使用しないことや提出された実測値を踏まえ、設定された規格及び試験方法に特段の問題はないと判断いたしました。この判断は専門委員からも支持されています。
続いて、安定性についてです。審査報告書10ページを御覧ください。加速試験で含量低下が認められたことは、本品が塩素系化合物であることを踏まえると、科学的に妥当な試験結果と判断いたしました。長期保存試験においても含量の低下傾向が認められましたが、設定された規格値の範囲内でした。また、後述するとおり、18か月保存した検体で殺菌効果が確認できたことも踏まえて、有効期間である1年間の設定は妥当なものと判断いたしました。本品の貯蔵方法及び有効期間は、「暗所(15℃以下)保管で有効期間1年間」と設定されています。これについては、類薬である次亜塩素酸ナトリウムでも同様に規定されている製剤もあり、特段の問題はないと考えました。ただし、販売にあたっての保管条件等については、適切に注意喚起する必要があると考えるので後述いたします。
続いて、有効性についてです。表1の殺菌効果試験については、日本薬局方参考情報「消毒法及び除染法」を参照し、更に有機物負荷を想定してBSAを添加して試験されたものです。機構は特段の問題はないと判断いたしました。10ページの中段以降です。先ほども御説明いたしましたが、安定性試験において含量の低下傾向が認められました。それを踏まえて機構は、1年間以上保存した検体を用いて、実使用時を想定して殺菌効果を確認するよう求めました。申請者により、18か月保存した検体を用いて自社工場のトイレで試験され、その試験結果が表3、表4に記載されています。消毒・殺菌後は、いずれも単位面積当たり100CFU未満に減少しており、1年以上保存した製剤でも殺菌消毒効果を有することが確認できました。機構はこの回答を了承いたしました。
11ページの安全性についてです。誤って皮膚や眼に付着する可能性は否定できませんが、皮膚刺激性試験、眼刺激性試験及び皮膚感作性試験の結果を踏まえ、特段の問題はないと判断いたしました。
11ページの中段以降の効能・効果についてです。申請時には「手指の消毒・殺菌」が含まれていましたが、本品の申請区分は人体に直接使用しないものであり、申請者により削除されました。その他の効能・効果は、類薬の次亜塩素酸ナトリウムを参考に設定されました。機構は、設定された効能・効果に問題はないと判断いたしました。この判断は専門委員からも支持されています。
11ページの一番下の用法・用量についてです。申請時の用法・用量は、審査報告書3ページに記載されていますが、対応する効能・効果により異なる希釈倍率で使用することが規定されていました。申請者に対し設定根拠を説明するよう求めたところ、表1の殺菌効果確認試験を踏まえて、「排泄物・おう吐物の消毒・殺菌」を除き、希釈倍率を8倍に統一すると回答されました。機構はこの回答を了承いたしました。さらに機構は、浸漬時間の規定の要否について検討するよう求め、数分間が追加されました。
その下の「排泄物・おう吐物の消毒・殺菌」についてです。申請者は審査報告書7ページに記載した参考資料において、0.5%ポリペプトンによる有機物負荷条件下で十分な不活化効果が認められた希釈倍率は、2倍に相当することから2倍と設定したと述べています。機構は、当該報告書には考察として、ノロウイルスではなくネコカリシウイルスに対する試験結果であるため留意する必要がある旨が記載されており、ノロウイルスに対する有効性を厳密に評価することは困難と考えています。一方で当該報告書では、高濃度ほど高い殺菌効果が認められる傾向にあること、また、当該報告書に加えて、同じ塩素系化合物である次亜塩素酸ナトリウム製剤が、排泄物やおう吐物の消毒・殺菌に使用されている実態を踏まえると、本品の2倍希釈で一定程度の有効性は期待できるものと考えました。これらを踏まえ、機構はこの回答を了承いたしました。以上の検討の結果、機構は設定された用法・用量に特段の問題はないと判断いたしました。この判断は専門委員からも支持されています。
12ページの一番下の使用上の注意についてです。使用上の注意は、類薬である次亜塩素酸ナトリウムを参考に設定されました。機構は、本品は15℃以下での保存を要すること、及び有効期間が1年間であることから、添付文書等において適切に注意喚起するよう求めました。申請者は、直接の容器にパッケージを施し、当該パッケージに添付文書等記載事項を記載するため、単独の文書としては添付文書を作成しない旨回答しています。なお、パッケージに記載して添付文書を使用しないことは、通知により許容されています。添付文書は作成しないため、パッケージに「貯法:冷暗所(15℃以下)保管」及び「使用期限:ラベル下部に記載」と明記した上で、使用期限を印字し、注意喚起すると述べています。機構はこの回答を了承いたしました。
最後に、13ページの総合評価です。以上の検討を行った結果、機構は提出された申請内容について、以下の効能・効果、用法・用量において本品を承認して差し支えないと判断いたしました。機構からの説明は以上です。御審議をよろしくお願いいたします。
○橋田部会長 ありがとうございました。それでは、ただいま御説明を頂きました内容について、御質問、御意見がありましたらよろしくお願いいたします。
○長島委員 長島です。従来の次亜塩素酸ナトリウムでは、期待どおりの効果が発揮できない有機物存在下でも、本品の亜塩素酸が安定した殺菌力を発揮できるという、そのメカニズムを教えていただけますか、その理由を。
○医薬品医療機器総合機構 機構から回答します。まず、次亜塩素酸ナトリウムも殺菌効果のメカニズム自体は明確に知られていないという状況です。これは本品も同様です。結果として、有機物存在下での試験をやった結果、本品では有効性が認められているのが現状です。細かいメカニズムについては、分かっていないというのが正直なところです。
○長島委員 分かりました。
○橋田部会長 ほかによろしいでしょうか。
○多賀谷委員 今の長島先生の質問に追従してなのですが、pHなどの違いは、これは酸性になっていますか。それで効果が違うなどはありますか。
○医薬品医療機器総合機構 機構から回答します。本剤はpHは弱酸性に位置付けられるもので、次亜塩素酸は弱アルカリ性やアルカリ性に近いものなので、その可能性があるとは思いますが、単純にpHの影響でそういうものなのかというのは、詳細なメカニズムは分かっていないという状況です。
○橋田部会長 ほかにいかがですか。
○水上委員 ラベル添付文書案を、今、お伺いしていいですか。間違って飲んでしまったときに生卵を飲ませると書いてあるのですが、消毒・殺菌剤の添付文書をちゃんと見たのが初めてだったので教えていただきたいのですが、誤飲してしまうのは割と小さい子が多いと思うのです。小さい子供に生卵を飲ませるのは、ちょっと抵抗があるかなと思ったのです。これが一般的なことなのか教えてください。
○医薬品医療機器総合機構 機構から回答します。類薬の次亜塩素酸ナトリウムでも、同じ記載があります。注意喚起としては、一般的と申し上げていいのか分からないですが、類薬でも同様の注意喚起があります。多量の水や牛乳でもよいということを記載しています。生卵が難しければ、そちらを飲ませていただくというのがよいのかもしれません。
○水上委員 分かりました。ありがとうございます。
○稲葉委員 トイレなどは問題はないと思うのですが、浴室の消毒と書いてあるので、これはお風呂に入った後の温かいときにこれを使うと、気化して、結構気持ち悪くなるなど、アレルギーの問題など、そういうところは大丈夫なのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 機構から回答します。特段の注意喚起等はしていませんので、基本的には冷めてから使っていただくのがよいとは思いますが、影響までは確認していませんので、申請者に確認したいと思います。
○合田委員 これは換気をして、一応使用することになっています、浴槽など。ですから、多分そこで解決はするのではないかと思います。次亜塩素酸よりは亜塩素酸のほうが弱いので、そういう意味から言うと大丈夫かなと思います。
○長島委員 先ほどの応急処置の牛乳、生卵の件は、本品に関して何らかの根拠があるのか、それとも従来のものを踏襲したものなのか、どちらでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 従来のものを踏襲したもので、根拠はありません。
○長島委員 本品は有機物があってもという文言があるので、だとすると、多少状況が変わる可能性もあるかなと思ったので御質問しました。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。機構から回答します。一応、有機物存在下で本品が使用できるということは、有機物存在下でも本品が不活化しないということは確認していますが、使用する対象としては次亜塩素酸ナトリウムと同じものです。
○長島委員 牛乳・生卵というのは、胃粘膜の保護とか、そういう意味でのものなのでしょうか。というのは、要するに牛乳・生卵は有機物なのでということで、有機物の中で殺菌力が落ちるのであれば意味があるのだけれども、本品は落ちないということであれば、その効果が変わってくるのではないでしょうかということを御質問しているわけです。
○医薬品医療機器総合機構 この点は、申請者に確認したいと思います。恐らく一般的に刺激性があるものを飲んだときに、胃粘膜の刺激を抑えるためというもので、粘膜上に皮膜が出来る、タンパク質ですので出来る可能性があるので、そういった観点からの対策だと思いますが、念のため確認させていただきます。
○橋田部会長 ありがとうございます。ただいまの点も、申請者に確認をもう一度していただくということでお願いいたします。
○新保部会長代理 添付文書(案)の中で、してはいけないことの中に「酸性の製品等と混合しないこと」という文章が1つあります。用法・用量の中に、排泄物・おう吐物の消毒というのがあります。おう吐物というのは胃酸なので酸性なのですが、これは矛盾はしないのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 お答えします。取扱説明書を御覧いただきますと、おう吐物等は使用方法としては、一旦、おう吐物を除去して残ったところに清拭するという使い方になっていますので、恐らく大丈夫ではないかと思います。
○望月委員 それで気になったのが、添付文書がラベルとしてボトルに貼り付いている形でいくのだと思いますが、今の別添の取扱説明書というのが、どういう形でユーザーさんに渡るのかということが課題かと思います。この添付文書を見ただけでは取扱説明書を見ないと正しく使えないかなと思いました。そこを1点、確認したいのですが。
○医薬品医療機器総合機構 この添付文書は、ボトルにラベルとして全部貼られる所に、この内容が全部書かれることになります。ボトルを手にしたときに、添付文書も同時に見られるという形になります。
○望月委員 そこは分かるのですが、添付文書はここにある添付文書(案)ですよね。ここの用法・用量と用法・用量に関連する注意だけでは、先ほどのお答えに出てきたような対応を吐しゃ物などにするというのは、こちらの取扱説明書(案)を見ないと分からないだろうと思いました。こちらの取扱説明書は、ユーザーの方はどういう形で入手されることになるのか。
○医薬品医療機器総合機構 取扱説明書に関しては、恐らく購入時に渡されるとは思いますが、申請者にはきちんとそれを渡すようにということを確認し、伝えておきたいと思います。
○望月委員 ありがとうございます。もう1点、いいですか。15℃で1年間という保存期間ですが、最近のこの暑さの中で考えると、通常の家庭で15℃以下に保存するという状況が、なかなか普通の場所だと難しくなってしまうというのがあるかなと思います。ただ、加速試験で40℃でやると含量が低下すると書いてあります。15℃以下という室温は、ほぼ今の家庭ではないだろうと思います。これを確保するのに、もしかして冷蔵庫の中などに入れられてしまうと、逆にほかのリスクが発生するかなと思っていますが、どういう安全管理を考えていらっしゃいますか。
○医薬品医療機器総合機構 機構から回答します。まず加速試験で、どの程度含量が低下するかという件については、資料概要の21ページに示しています。加速試験180日後で、開始時0.87%あったものが0.18%まで低下していますので、約5分の1ぐらいには低下しています。
一般家庭でどのように保存するかというのは、おっしゃるとおりで、基本的には冷蔵庫などのそういった15℃以下の環境で保存していただくしかないのかなと思っています。その場合の注意喚起として、どのような注意喚起をしているかということですが、ラベルの一番上の所に赤字で「亜塩素酸水製剤 殺菌消毒液」と記載しています。第2類医薬品ということも記載していますので、一般的には鑑別できるだろうと考えてはいます。
○渡邉委員 現場の薬局から考えますと、冷暗所で15℃以下ということが保存の条件になっているわけですが、そうなると店頭でのドリンクのストッカーが遮光になっていませんので、一般的には調剤室の保冷庫で保存することになるかと思います。この場合に、調剤室の保冷庫はいっぱいいろいろな注射剤なども入っていますから、その中にこういった殺菌消毒剤を入れるのはちょっと抵抗があるのですが、封の状態、気密性の状態が非常に気になるのです。ですから塩素ガスなど、そういったものが漏れないかどうか、他の医薬品に影響を与えないかどうかというのは、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 加速試験あるいは長期保存試験で、実際に保存している状況は確認しています。パッケージも通常販売される状態と同じ状態での試験が、安定性試験で実施されています。その中で含量低下というのは、多少の低下傾向は認められますが、大きく低下してはいませんので、揮発して他剤に影響するという可能性は否定できるのかなとは考えています。
○渡邉委員 揮発する程度では含量にはほとんど影響を与えないとは思いますが、実際問題として、ごく微量であっても非常に臭いの問題など、そういったことが考えられるものですから、その点はいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 その点は恐らく機構としては大丈夫だと思っていますが、念のために申請者に確認します。一応、この製品はボトルの上に更にフィルムでコートされていますので、揮発などそういうものを防ぐような形で流通されるものと思っています。
○乾委員 食品でずっと発売されていたということですが、どの程度の期間で、実際に事故等はなかったのかということは、データとしてあるのでしょうかが、まず1点。全く濃度は一緒ということですね。
○医薬品医療機器総合機構 製品は食添より5分の1薄い。
○乾委員 食添より薄い。
○医薬品医療機器総合機構 5倍薄い濃度。
○乾委員 製品自身は。
○医薬品医療機器総合機構 本品はそうなっています。
○乾委員 使うときは。
○医薬品医療機器総合機構 使うときは、更にそこから希釈するということになります。
○乾委員 もう1点だけ。実際に商品になったときには、やはりしっかりと、先ほどから心配されているように、家庭で使われることとなると保管は冷蔵庫ということになりますので、飲めませんというか、飲料ではないというようなことは、しっかりと容器に書くなどということは必要ではないかと思います。
○医薬品医療機器総合機構 添付文書のしてはいけないことに、人体に直接使用しないという旨は記載していますが、それ以外にも明確に記載するほうがよいという御意見でしょうか。
○乾委員 そうです。家庭用品等は、そのようにしっかり書いているものも多くありますので、それは必要ではないかと。医薬品ですから余計に。
○五十嵐委員 そのことでお願いがあるのですけれども、これは1Lですから当然、冷蔵庫に入りますよね。乳幼児のためには、記載だけでは全く意味がありませんので、キャップを安全性キャップ、つまり押して回さないと開かないというような、そういうタイプのものにすることはできませんか。
○医薬品医療機器総合機構 確かに御指摘は、おっしゃるとおりだと思います。今後、そういった所も踏まえて、製品の改良をするようには申請者に伝えていきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○五十嵐委員 現時点では、普通のキャップなのですね。
○医薬品医療機器総合機構 はい、スクリューキャップです。
○宗林委員 1点目は、同じ意見です。家庭用の冷蔵庫に入るので、食べ物でない、飲物でないということを、大きくバッテンなどで示すような形にしないと飲物と間違えてしまうということが起き得るので、これは絶対していただきたいということ。あと蓋をきちっと閉めるということも、どこにも触れられていないと思いますので、その辺り。それか、今おっしゃったようなツーストップのものもあります。
そして、審査報告書を見ると、13ページですが、申請者は「直接の容器にパッケージを施し」、添付文書等記載事項を記載するためにパッケージは付けるけれども、取扱説明書は付けないと書いていますので、ここの一番最後に付いているものは、どういう位置付けのものなのかと思います。先ほど、買われるときには配るというようなお話がありましたが、実際にはこれは参考のために付いているのか、あるいは本当に購入のときには必ず配られるものなのか。審査報告書を見る限りにおいては、その内容は全部パッケージに書いてあるのでというような記載が見受けられますが、以上、2点。食べ物のところのバッテンは、必ずということで。
○医薬品医療機器総合機構 回答します。まず家庭用なので、飲物ではないといった注意喚起が必要という点は、先ほどと同様に検討させていただきます。もう1点、取扱説明書の位置付けについてですが、審査報告書に書いてあるのは取扱説明書を付けないということではありません。添付文書を付けないという記載になっています。この取扱説明書とは、また別のものになるのですが、通常の医薬品では添付文書を付けないといけないことになっていまして、ただ、それがパッケージと添付文書と一体の文書になるということで、添付文書は付けないのですが、取扱説明書に関しては販売時に配って販売することになると思いますので、この取扱説明書自体は販売後も存在するものです。
○宗林委員 分かりました。見ると「ラベル・添付文書」となっているので、要するにこの添付文書というのは、パッケージに巻いてある所に書いてあるものが添付文書イコールですよという意味ですよね。それで十分かどうかという議論をさっきしていたのかなという確認です。これは添付文書ですよね、ラベルの。
○医薬品医療機器総合機構 本品の場合はラベル、周りに書かれています。プラス販売時に、取扱説明書も配るようなことになると思っています。
○合田委員 先ほどから出ている安全性の議論ですが、明らかに幼児が間違って誤飲するというのは、これは全然別問題で、確かに言われたとおりだと思います。多分、この状態で冷蔵庫に保管せざるを得ないと思います。冷蔵庫に保管をしたときに、そこからキャップが緩くて漏れてくるなど、そういうものは基本的には、食品添加物としての安全性が審査されています。そういうレベルでの安全性は基本的には問題ないから、逆に言うと食品添加物で使われている。実は私は昔、30年ぐらい前にこれの使用法の議論に関係していまして、安全性に問題無いので、食品添加物としての使用を認めているという状態です。ですから、例えばこのキャップを強くするうんぬんという議論ですが、普通の状態で冷蔵庫に置いていても問題はないのではないかなと考えます。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
○橋田部会長 ほかにいかがですか。
○木下委員 これを例えば、自殺目的でたくさん飲んでしまった方や、お子さんでもかなり多量に飲んでしまった方が、救命センターに運ばれるなど、そういうことがあると思うのですが、そういう場合の対処方法は次亜塩素酸の場合と同様でいいとお考えでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 対処というのは、一時的に水を飲ませるなどといった対処法ですか。
○木下委員 いえ、違います、病院での対処です。救命センターなどに運ばれたときに、次亜塩素酸などだと中毒センターにはそういう情報が出ていますが、そういう場合の医療の現場としての対処方法は、何か次亜塩素酸の場合と同様でいいのか。または、それほどの毒性はないとお考えなのか。
○医薬品医療機器総合機構 すみません、情報を持ち合わせていませんので、確認させていただきます。
○木下委員 あと、もう1点、できれば中毒情報センターに情報提供だけしていただけると、医療現場は助かるかなと思います。
○橋田部会長 毒性のデータなどは、食品添加物のほうではあるのですね。
○医薬品医療機器総合機構 食品添加物では毒性についても審査されていまして、データとしてはあります。
○橋田部会長 それがどの程度かということですね。あるいは次亜塩素酸と比較して、相対的には安全であるということかと思います。ほかにいかがですか。
一般用医薬品としての殺菌消毒薬だということで、物質としての有効性というか、効能・効果、安全性等々についてはご説明を頂きましたように問題はないのだと思いますが、逆に家庭で使うものですから、どう使われてどう保管して、何か事故ではないですが例えば誤飲したときにはどういう対応を取るかという、結局そのような観点が重要ですね。それを情報としていかに使用者に伝えるか、販売する現場のことだと思いますが、その辺を通して、いかがですか。今、たくさん御議論いただきました。御質問、あるいは御意見を頂きましたが。その辺を、きっちりもう一度確認をしていただいて整理していただくということでよろしいでしょうか。あるいは、この点についてはというところが他にもありましたら。それから添付文書と取扱説明書との関係等、どういう形で配られて、どう注意喚起が徹底されるかということも、確認をさせていただきたいと思いますが。
○宗林委員 これは色は着いていないのですか。よく次亜塩素酸のときで一番あるのは、要するにコップの茶渋を取ろうとして飲んでしまうときに、透明なので、色が着いていたらいいのではないかという話がよくあるのですが、これは透明ですか。
○医薬品医療機器総合機構 こちらは、鮮かな黄色から薄い緑みがかかった黄色ということで、色は着いています。
○宗林委員 では、入っているものが普通、水ではないことは一目で分かるぐらいですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい、黄色い色が着いていますので分かると思います。
○宗林委員 活性を失ったときも、色は残るのですか。ある程度、消毒していると色が変わっていって透明になってしまうということはなく、これは色が残るのですか。
○医薬品医療機器総合機構 長期保存試験などで確認しているのですが、性状について特に異常を確認されていないという結果が得られています。保存することで色が消えてしまうということはないのかなと思います。
○橋田部会長 ほかにいかがですか。
○川原委員 取扱い方法の所の希釈液の作成方法ですが、8倍希釈で、125と875で1Lにするとの記載があるのですが、実際に使われる方の立場からすれば数字が細かすぎて作りづらいのではないかと思います。これはメスシリンダーなどでやれば良いのでしょうけれども、家庭には多分そのようなものはないと思いますので、希釈しやすいように計量キャップを備え付けて使用する方法も考えられます。あるいは、希釈液の作成方法を100と700にして全量を800にするなど、そういう記載のほうが分かりやすいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ここは恐らく全量を使う場合の目安を書かれているのだと思うのですが、今の御意見があったことも踏まえて、検討可能かどうか申請者に考えさせたいと思います。100対700のほうが良いか、考えさせたいと思います。
○橋田部会長 ほかにいかがですか。
○望月委員 安全に使っていただくために、ラベルの表示に「飲めない」というような表示をするとか、キャップの問題とか、いろいろ課題はたくさんあると思いますが、この殺菌消毒剤の開発の経緯を考えますと、有機物が存在下でもきちんと効果を発揮する、そもそもは食品添加物としても使われていて、次亜塩素酸よりも少なくとも安全性は高いだろうということもありますので、これが殺菌消毒剤として承認されないということはないと私は思います。ただ、家庭で使われる際の安全をどうやって確保するかというところや正しい使い方をどのように添付文書以外でお伝えしていくかという辺りについての対策をきちんと御提案いただければ、承認できるものではないかと私は思います。
○橋田部会長 実際に販売といいますか、これは医薬品として薬局で扱われるものだと思いますが、そういうお立場からいかがですか。
○濵野委員 こちらは有効期限は1年間ということで、薬局に届いたときに出来たてでくるのかどうかというか、流通の問題。あと有効期限が割と小さく載っているので、期限切れになっているものを使っていることがないように、その辺りもアピールを強くしたようなものと、期限が切れたときは効果が下がっているということも消費者には必要かなと思います。
あと、ちょっと疑問に思うのは、15℃以下ということですと、例えば今日納入したときには、冷所扱いで持ってこられて、すぐに冷蔵庫に入れて売るのかなとか、持って帰られるときも遠くの方にはそういうことを考慮しなければいけないのかとか、多少売るときのやりにくさが気になるところはあります。あとは皆さんのいろいろな御意見、キャップの問題などは、本当にそのとおりだと思います。
○橋田部会長 本当に安定性の問題等に関しては、販売される時点など、そういうところでどれだけ情報をきっちりと御提供いただくか、あるいはもちろんそれ以前の管理の問題、流通といったことも含めて、しっかりした体制でやっていただくということだと思います。
先ほどの「飲まないように」というようなことも、絶対に分かるような形で、きっちりと容器に明示していただかないといけないでしょうし、その辺は言葉では出ておりますが、もう一度きっちりと伝えていただいて、どういう対応を取るかを確認させていただくことは必要かと思います。いかがでしょうか。
○乾委員 先ほどの望月委員の意見に賛成です。こういうおう吐物を消毒という、ノロの場合でも、今は家庭用品を代用して使っている状況ですので、しっかりと安全に適正使用ができるような環境を作って、そういう製品を有効に使えるのではないかと。安全性は非常に高いのではないかと思います。
○橋田部会長 製品に関して、あとは販売される場で情報を十分にご提供いただくことが重要ということかと思います。今、製品については世の中にとって必要なものだと。既にある次亜塩素酸ナトリウム等々と比べましても、安全性あるいは有効性においても十分に価値のあるものだという御意見でした。
従いまして、ここでは、情報のないことに関しては申請者にこちらから確認をさせて頂く、また十分な対応をお願いするということが不可欠な条件だと思います。基本的にはそういう対応で扱わせて頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。
よろしければという言い方になりますが、ただいまのような条件で、機構あるいは行政から、もう一度きっちりと注文と言いますか、質問と指示をさせていただいて、その結果を私を含め委員の先生にご確認いただくということを条件として、議題そのものについては、これを認めるかどうかの議決に入らせていただきたいと思います。それでよろしいでしょうか。それでは、議決に入ります。今、条件をいくつか申しましたが、それを踏まえて、本議題について承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、御異議がないようですので、一般用医薬品として承認を可とし、薬事分科会には報告させていただきます。ありがとうございました。
それでは、その他の事項に移ります。その他事項の議題1ですが、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは説明させていただきます。その他事項の議題1として、資料2を御用意ください。「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議の報告について」です。平成28年8月より、スイッチOTC医薬品の候補となる成分について、学会、団体、企業、消費者個人などの多様な主体から、厚生労働省のホームページで要望を受け付けております。医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議におきまして、受け付けた要望成分のスイッチOTCとすることの妥当性について、医学・薬学の専門家のほか、消費者代表にも会議に参加いただき、公開の場で議論しております。会議結果案については、パブリックコメントを実施し、広く意見を聞いた上で、再度会議で議論した後、確定した会議結果を公表しております。
1ページを御覧ください。昨年11月の前回の部会以降、本日までに、新たに10成分につきまして、スイッチOTC化の妥当性に関する会議結果が確定し、公表をしております。2~7ページに会議結果の詳細をお示ししておりますので、議論のポイントを紹介させていただきます。
2ページを御覧ください。「PPI3成分」は、短期服用であれば胸やけに対して効果が期待できるとともに安全に使用できるのではないか。一方、長期服用すると重篤な副作用の発現リスクが高まるなどから、スイッチOTC化にはそぐわないのではないか。スイッチOTCとして承認された医薬品は特段の問題がなければ、要指導から一般用医薬品に移行されるが、インターネット販売で短期使用は担保できないのではないか。このような意見がございました。こうした議論を踏まえ、短期使用を担保するための販売時の方策について検討が行われましたが、医薬品販売制度実態把握調査の結果を考慮すると、短期使用が担保される状況ではないとの理由から、OTC化については「否」と判断されました。ただし、販売実態の改善状況を踏まえ、将来的な議論は妨げられておりません。
続いて、4ページを御覧ください。「ナプロキセン」は、効能・効果を既承認の一般用医薬品の解熱鎮痛薬と同様にすること、長期服用されないよう添付文書等により適切に注意喚起すること等で、OTC化について「可」と判断されております。
続きまして、5ページを御覧ください。「プロピベリン塩酸塩」は、留意事項に示した効能・効果への変更、対象を女性に限定することなどで、OTC化について「可」と判断されています。
続いて、6ページを御覧ください。「認知症症状の進行抑制を適応とする4成分」については、認知症については医師の正確な診断が必要であることなどから、OTC化については「否」と判断をされております。
続いて、7ページを御覧ください。「イトプリド塩酸塩」は、要望の効能・効果から「胃痛」を削除すること、長期に漫然と服用されることがないように、2週間服用して症状がよくならない場合は服用を中止し、受診勧奨する旨の情報提供を行うことで、OTC化について「可」と判断されております。
今後の会議の結果につきましても、随時当部会へも御報告させていただく予定です。また、この検討会議でスイッチOTC化が「可」とされたものにつきましては、それを受けて医薬品メーカーが開発を行い、承認申請がなされるという流れになります。その承認の際には、当部会において御審議いただくこととなりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○橋田部会長 ただいまは報告事項の1番目ということで、医療用から要指導・一般用医薬品への転用に関する評価検討会議という会議がございますが、そこでの検討結果についての御報告を頂きました。ただいまの御報告の内容について、御質問あるいは御意見がありましたらお願いいたします。
○長島委員 1ページの表だけを見ますと、10成分のうち「可」が3つだけで、「否」が7ということで、圧倒的に「否」が多いと見えてしまいますが、2ページ以降を見ていただければお分かりかと思いますが、1から3までは一まとめで見ていますし、6から9までも一まとめで見ているということで、そのまとめで見れば、5つのうち3つが「可」だということで、これは全くイメージが逆転しますので、その辺も上手にプレゼンテーションしていただけると有り難いかと思います。
○橋田部会長 より実際の形が分かりやすいように、概要を整理して御説明いただければということです。1品目ごとに単に結果を列挙するだけではなくと。それはそういうことだと思います。むしろ、この場でも大きく、全体がどのような形、考え方で御議論いただいているかということを理解したほうがいいと思いますので。ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。ご説明にありましたように、この検討会議で「可」とされたものにつきましては、また改めてメーカーのほうで開発が進められ、本部会で承認の可否に関する議論をさせていただくということになるということです。よろしいでしょうか。それでは、報告事項の議題1については御確認いただいたものとさせていただきます。
次に、議題2に移ります。議題2は「一般用医薬品の製造販売承認基準(ビタミン主薬製剤及び胃腸薬)の改正について」です。事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 その他事項の議題2として、資料3「一般用医薬品の製造販売承認基準(ビタミン主薬製剤及び胃腸薬)の改正について」、御説明させていただきます。背景及び経緯を御覧ください。一般用医薬品の一部は、都道府県知事が承認を行うものとして告示により定められており、承認基準においては承認審査に当たっての詳細を定めております。これらについては、承認前例の蓄積等を踏まえ、従来から定期的な見直しを行っています。今般、ビタミン主薬製剤及び胃腸薬につきまして、一般用医薬品等承認基準検討連絡会議において、効能・効果の表現等の見直しについて取りまとめられたことから、告示及び承認基準の改正を行いました。
改正概要を御覧ください。ビタミン主薬製剤承認基準については、(1)効能及び効果の表現を分かりやすい表現に、(2)有効成分5成分、メコバラミン、ヘプロニカート、コウジン、トウキ及びボウイを追加するという改正を行いました。
(1)の具体的な変更内容については、別紙を御覧ください。例えば、ビタミンA主薬製剤ですと、これまで「夜盲症(とり目)」と記載していたところを、「夜盲症(とり目、暗所での見えにくさ)」ということで、「暗所での見えにくさ」という言葉を追記しております。
1ページの2に戻っていただきたいと思います。胃腸薬承認基準については、「クレオソート」の名称を日本薬局方の改正と整合させ、「木クレオソート」に改めるほか、分類を生薬区分へ移行しております。その他、名称等について日本薬局方の改正等を踏まえ記載整備を行っています。
最後に告示日等を御覧ください。告示日は、本年5月30日、適用期日は6月1日となっています。以上です。
○橋田部会長 ただいま御説明いただいた内容に関して、御質問あるいは御意見がございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。一般用医薬品の製造販売承認基準が、一部改正されたということです。特によろしいでしょうか。それでは、「その他」の議題2について御確認いただいたということにさせていただきます。どうもありがとうございました。以上で、本日用意をしました審議事項、報告事項の議題は全て終了いたしましたが、何か事務局から追加はございますでしょうか。
○事務局 その他には特にございませんが、次回の当部会開催の日程については、追って先生方の御予定を伺い調整させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。以上です。
○橋田部会長 最後になりましたが、まだ少し時間が残っておりますので、特にこの場で御発言がございましたら受けさせていただきますが、よろしいでしょうか。それでは、本日の要指導・一般用医薬品部会を終了させていただきます。どうもありがとうございました
( 了 )
 
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬品審査管理課 課長補佐 高畑(内線2737)