2019年8月28日 薬事・食品衛生審議会 指定薬物部会 議事録

日時

令和元年8月28日(水)16:00~

場所

厚生労働省共用第6会議室(3階)

出席者

出席委員(9名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理


欠席委員(2名)

行政機関出席者

 樽見英樹(医薬・生活衛生局長)
 森和彦(大臣官房審議官)
 田中徹(監視指導・麻薬対策課長)
 江野英夫(監視指導・麻薬対策課監視指導室長)
 橋本隆志(監視指導・麻薬対策課薬物取締調整官) 他

 

議事

○監視指導・麻薬対策課長 ただいまから薬事・食品衛生審議会指定薬物部会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、大変御多用のところ御出席いただき、ありがとうございます。本日は、青山委員、松本委員から、御欠席の連絡を頂いており、当部会の委員数11名のうち9名に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。
 次に、7月9日付けで事務局に人事異動がありましたので、御紹介させていただきます。宮本の後任で、医薬・生活衛生局長に就任しました樽見です。私は磯部の後任で、監視指導・麻薬対策課長を拝命しました田中と申します。よろしくお願いします。衣笠の後任で監視指導室長に着任した江野です。
 それでは、開会に先立ちまして、医薬・生活衛生局長の樽見から一言御挨拶申し上げます。
○医薬・生活衛生局長 恐縮でございますが、御挨拶させていただきます。今、お話しいただきましたように、7月9日付けで医薬・生活衛生局長を拝命しました樽見です。どうぞよろしくお願いいたします。
 鈴木部会長をはじめまして、委員の皆様方におかれましては、本日は大変御多用の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。危険ドラッグですが、御存じのとおり乱用者自身の健康被害だけではなく、ほかの人たちを巻き込む重大な死傷事件、あるいは交通事故の原因になるといったようなことで大きな社会問題になるもので、政府を挙げて根絶に向けた取組を推進しているところです。特に、様々な取組の中でも、未規制の物質を迅速に指定薬物に指定して、取締りを徹底するということは基本であり、また極めて有効な手段でもあると思っています。お陰様で、今日現在で2,369物質を指定することができたわけです。この成果は、委員の皆様方の御協力の賜物でして、この場をお借りしまして、心より御礼申し上げます。
 引き続き、危険ドラッグ等の乱用を根絶させる取組に御指導、御協力を賜りますようお願いを申し上げます。簡単ではございますが、御挨拶とさせていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。
○監視指導・麻薬対策課長 それでは、部会を開始する前に、本部会の公開・非公開の取扱いについて御説明いたします。審議会総会における議論の結果、会議を公開することにより委員の自由な発言が制限され、公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると判断されたことから、非公開とされております。また、会議の議事録の公開については、発言者氏名を公にすることで発言者等に対して外部から圧力、干渉等が及ぶおそれが生じることから、発言者氏名を除いた議事録を公開することとされておりますので、あらかじめ御了承いただきたく存じます。
 また、省全体の取組としまして、審議会のペーパーレス化を進めております。本日はペーパーレスでの部会開催とさせていただきます。資料はお手元のタブレットを操作して御覧いただくことになりますので、御承知おきいただければと思います。それでは、以降の議事進行は鈴木部会長にお願いいたします。
○鈴木部会長 それでは、最初に事務局より資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料の確認をいたします。お手元のタブレットを操作しながら資料の確認をお願いいたします。まず、マル1部会資料のフォルダをお開きください。部会資料は、資料1、資料2-1、資料2-2、資料3を格納しております。
 続いて、マル2文献のフォルダをお開きください。参考文献として、文献1から文献35を用意しております。必要に応じて御確認いただければと思います。
 続いて、マル3参考資料のフォルダをお開きください。参考資料として、参考資料1から参考資料3を準備しておりますので、必要に応じて御確認いただければと思います。資料についての説明は以上です。資料や操作等について御不明な点がございましたら、事務局までお申付けください。
○鈴木部会長 本日の議題は指定薬物の指定についてです。審議に入ります。審議物質について、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 まず、マル1部会資料のフォルダをお開きください。資料1について御説明します。資料1については、各物質の名称、通称名、構造式を記載しております。
 続いて、資料2について御説明します。資料2については、御審議いただく物質のほか、構造が類似する指定薬物や麻薬等について、一覧表にまとめたものです。続いて、資料3について御説明します。資料3については、国内外の基礎研究や動物実験の結果等について、中枢神経系への影響を中心に取りまとめたものです。
 それでは、フェンタニル系物質である審議物質1について御説明します。初めに、資料2について御説明します。資料2-1を御覧ください。これは、フェンタニル系の審議物質マル1のCyclopentylfentanyl並びにこれらに構造が類似する麻薬、指定薬物について、自発運動への影響、オピオイド受容体に対する親和性、マイクロダイアリシスのデータ等をまとめております。審議物質マル1については、症状観察において、反復動作の亢進、洗顔運動や立ち上がり動作の抑制、異常歩行、挙尾反応などが認められ、またオピオイドμ受容体に対するアゴニスト活性を有し、マイクロダイアリシス試験ではモノアミンを有意に増加させており、過去に指定した指定薬物と同種の作用を有することを確認しております。資料2の説明は以上です。
 続いて、資料3について御説明します。資料3の1ページを御覧ください。審議物質1の通称名Cyclopentylfentanylですが、麻薬であるCyclopropylfentanylと指定薬物である4Cl-iBFと構造が類似する化合物です。
 続いて、(1)の行動・中枢・自律神経症状の観察についてです。1ページから2ページにかけて御覧ください。マウスにCyclopentylfentanylを1.1、11.0、27.5mg/kgを腹腔内投与し、投与後、30、60、120分の行動及び中枢・自律神経症状を観察しております。1.1mg/kg投与群では、洗顔運動の抑制、立ち上がり動作の亢進、少し早歩きの異常歩行、眼球突出などが確認されたとの報告を受けております。11.0mg/kg投与群では、反復動作の亢進、立ち上がり動作の抑制、少し引きずる異常歩行、挙尾反応、けいれん、瞳孔の散大、眼裂の拡大などが確認されたと報告を受けております。27.5mg/kgの投与群では、洗顔運動、痛反応の抑制、自発運動の抑制、歩行困難な異常歩行、けいれん、耳介反射の抑制、瞳孔の散大、眼裂の拡大、皮膚の白化などが確認されたと報告を受けております。
 続いて、2ページの表1を御覧ください。Cyclopentylfentanylに関する行動及び中枢・自律神経症状観察における評価値の抜粋を載せており、数値は各群マウス5匹のスコアの平均値となっております。また、観察された特徴的な症状を示した写真を3ページに載せております。ここで、3ページの写真と併せて実際の動画も御確認いただきたいと思います。3ページの写真の上から順に、前のスクリーンの動画とともに御確認ください。
 これは1.1mg/kg投与群の投与後約50分経過後のマウスですが、挙尾反応、忙しい運動、上方を意識した行動、右後肢指を咬む掻動作が確認されました。
 こちらは11.0mg/kg投与群の投与後約49分経過後の別のマウスですが、挙尾反応、眼裂の拡大、眼球の突出、耳介後方倒れ、腹這い歩行、忙しい行動が確認されました。
 こちらは投与後約1時間52分経過後のマウスですが、寄り掛かり立ち、上体を後方に反る異常行動、忙しい行動が確認されました。
 こちらは27.5mg/kg投与群の投与後約18分経過後の別のマウスですが、寄り掛かり立ち、激しい飛び跳ね、けいれん、横転が確認されました。
 こちらは投与後約1時間58分経過後の別のマウスですが、荒い呼吸、尾部を一直線状にした伏臥位姿勢で静止、眼球の突出、眼裂の拡大が確認されました。動画については以上です。
 続いて、4ページの(2)について御説明します。Fig1の測定結果のグラフと併せて御確認ください。自発運動における運動量の測定について、マウスにCyclopentylfentanylを11.0mg/kg腹腔内投与し、投与後3時間までの10分ごとの自発運動量を測定しております。Cyclopentylfentanyl投与群、対照として生理食塩水群、各群マウス4匹を使用し、総運動量、大きい運動量、立ち上がり回数、総移動距離について、Wilcoxon検定を用いて有意差検定を行ったところ、総運動量、総移動距離は、投与直後から140分まで対照群と比べて増加する傾向があり、30分、60分から70分、90分及び140分は、有意な増加が見られたとの報告を受けております。大きい運動量は、投与直後から140分まで対照群と比べて増加する傾向があり、30分、60分から70分及び90分は、有意な増加が見られたとの報告を受けております。立ち上がり回数は、投与直後から60分までは抑制傾向が見られ、20分から30分及び50分で、有意な減少が見られたとの報告を受けております。
 続いて、5ページの(3)を御覧ください。マイクロダイアリシス試験によるモノアミンの経時変化の報告を載せています。6ページのFig2も併せて御覧いただければと思います。コントロール群の生理食塩水投与群に対するCyclopentylfentanyl 36mg/kg腹腔内投与群のモノアミンの増加率の有意差を、ウェルチのt検定で求めたところ、6ページのFig2のグラフのとおり、ドパミン、セロトニン、ノルアドレナリンのいずれも有意に増加することが確認されたとの報告を受けております。
 続いて、7ページの(4)には、ヒトオピオイド受容体(μ及びκ)に対するアゴニスト活性EC50を測定した結果を載せております。Cyclopentylfentanylのμ受容体のEC50は6.54×10-9mol/Lであり、κ受容体のEC50は1×10-5mol/Lを上回ると報告されております。
 以上のことから、行動・症状観察において、「生体影響あり」の観察項目が複数確認されたこと、マイクロダイアリシス試験において有意な増加が見られていること、ヒトオピオイド受容体に対するアゴニスト活性が確認されたことより、過去に指定した指定薬物と同等の作用を有すると考えております。したがって、Cyclopentylfentanylは、中枢神経に作用する物質であり、法律第2条第15項に規定する「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高い」と考えております。
 続いて、7ページの(5)海外での流通状況についてです。2016年にスウェーデンで、2017年にアメリカ、スウェーデン、ドイツ、ポーランドでの流通が確認されております。続いて(6)死亡事例についてです。2016年から2017年にアメリカにおいて、少なくとも1例の死亡事例においてCyclopentylfentanylが検出されたとの報告が確認されております。最後に(7)海外での規制状況についてです。アメリカ、スウェーデンで規制されていることが確認されております。以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○鈴木部会長 それでは、委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。まず、最初に流通実態について○○委員、お願いします。
○○○委員 本化合物につきまして、○○○○での検出例はございませんでした。
○鈴木部会長 それでは、委員の先生方に御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、意見がないようですので、審議をまとめます。ただいま御審議いただきました1物質は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議してよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、続きまして、事務局より説明をお願いします。
○事務局 カンナビノイド系物質である審議物質2について御説明します。資料2-2を御覧ください。これは、カンナビノイド系の審議物質マル2の5F-CUMYL-PEGACLONE及びこれに構造が類似する麻薬や指定薬物について、カンナビノイド受容体に対する影響、中枢神経系への作用等をまとめております。審議物質マル2は、カンナビノイド受容体に対するアゴニスト活性を有しており、過去に指定した指定薬物と同種の作用を有することを確認しております。資料2の説明は以上です。
 続いて、資料3について御説明します。資料3の8ページを御覧ください。審議物質2の通称名5F-CUMYL-PEGACLONEですが、麻薬であるCUMYL-4CN-BINACAと、指定薬物であるCUMYL-4CN-B7AICAに構造が類似する化合物です。
 8ページの(1)の行動・中枢・自律神経症状の観察についてです。8ページから9ページを御覧ください。マウスに5F-CUMYL-PEGACLONE 15mgを添加したマーシュマローリーフ0.25gを燃焼させ、マウスを薬物にばく露させて、燃焼後15、30、60分後の行動・中枢・自立神経症状を観察しております。5F-CUMYL-PEGACLONEをばく露したマウスは、コントロール群のマーシュマローリーフばく露群と比較して、触反応及び痛反応の抑制、異常姿勢、筋緊張度の低下、瞳孔の散大、呼吸数の低下などが確認されたとの報告を受けています。下の表2に、5F-CUMYL-PEGACLONEに関する行動及び中枢・自律神経症状観察における評価値の抜粋を載せており、数値は各群マウス5匹のスコアの平均値となっております。また、観察された特徴的な症状を示した写真を10ページに載せております。ここで10ページの写真と併せて、実際の動画も御確認いただきたいと思います。10ページの写真の上から順に、前のスクリーンの動画とともに御確認ください。
 これは燃焼終了後、約10分経過後のマウスですが、激しい飛び跳ね、荒い呼吸、四肢の硬直、後肢乖離、仰臥位姿勢、眼裂の縮小が確認されました。
 こちらは燃焼終了後、約39分経過の別のマウスですが、躰をひねる異常姿勢、僅かなけいれん、伏臥位姿勢で静止、異常姿勢が確認されました。
 こちらは写真3と写真4の動画をまとめております。御覧ください。これは燃焼終了後、約1時間8分から11分経過のマウスの動画です。1時間8分経過では、旋回歩行、腰高歩行、1時間11分経過では、口部を床に着けた伏臥位姿勢で静止状態が確認されました。
 続いて、11ページの(2)カタレプシー試験を御覧ください。ここで、11ページの写真と併せて、実際の動画も御確認いただきたいと思います。11ページの写真の上から順に、前のスクリーンの動画とともに御確認ください。
 これは燃焼終了後15分経過の結果ですが、5匹中2匹の陽性が確認されました。
 こちらは燃焼終了後30分経過の結果ですが、5匹全てで陽性が確認されました。
 こちらは燃焼終了後60分経過の結果ですが、5匹中3匹の陽性が確認されました。動画については以上です。
 続いて、12ページの(3)を御覧ください。ヒトカンナビノイド受容体(CB及びCB受容体)に対するアゴニスト活性EC50を測定した結果を載せています。CB受容体については3.60×10-10mol/L、CB受容体については8.94×10-11mol/Lとの結果から、カンナビノイド受容体に対するアゴニスト活性があることが報告されております。
 以上のことから、5F-CUMYL-PEGACLONEについては、行動・症状観察において、触反応及び痛反応の抑制、異常姿勢、筋緊張度の低下、瞳孔の散大、呼吸数の低下といった異常な行動や症状が確認されていること、ヒトカンナビノイド受容体に対するアゴニスト活性を有していることが確認されたことより、過去に指定した指定薬物と同等の作用を有すると考えております。したがって、5F-CUMYL-PEGACLONEについては、中枢神経に作用する物質であり、法律第2条第15項に規定する「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高い」と考えております。
 続いて、資料3の12ページの(4)の海外での流通状況についてです。2017年にオランダ、ドイツ、ハンガリーにおいて流通が確認されております。続いて、(5)の死亡事例についてです。37歳男性の死亡事例が、2019年にドイツの学会で報告されていることを確認しております。最後に(6)の海外での規制状況についてです。イギリス、カナダ、スウェーデン、ドイツ、ハンガリー、ベラルーシで規制されていることが確認されております。以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○鈴木部会長 それでは、委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。まず最初に、流通実態について○○委員からお願いいたします。
○○○委員 本化合物につきまして、○○○○での検出例はございませんでした。
○鈴木部会長 ありがとうございます。それでは、委員の先生方に御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、意見がないようですので、審議をまとめます。ただいま御審議いただきました物質は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議してよろしいでしょうか。ありがとうございます。続きまして、カンナビノイド系物質である審議物質3について、御説明をお願いいたします。
○事務局 続きまして、カンナビノイド系物質である審議物質マル3について、御説明いたします。まず、資料2-2を御覧ください。これは、カンナビノイド系の審議物質マル3のCUMYL-PEGACLONE及びこれに構造が類似する麻薬や指定薬物について、カンナビノイド受容体に対する影響、中枢神経系への作用等をまとめております。審議物質マル3は、カンナビノイド受容体に対するアゴニスト活性を有しており、過去に指定した指定薬物と同種の作用を有することを確認しております。資料2の説明は以上です。
 続きまして、資料3について御説明いたします。資料3の13ページを御覧ください。審議物質3の通称名CUMYL-PEGACLONEですが、麻薬であるCUMIL-4CN-BINACAと指定薬物であるCUMIL-4CN-B7AICAに構造が類似する化合物です。まず、13ページの(1)行動・中枢・自律神経症状の観察についてです。13ページから14ページにかけて御覧ください。マウスにCUMYL-PEGACLONE 15mgを添加したマーシュマローリーフ0.25gを燃焼させ、マウスを薬物にばく露させて、燃焼後15、30、60分後の行動・中枢・自律神経症状を観察しております。CUMYL-PEGACLONEをばく露したマウスは、コントロール群のマーシュマローリーフばく露群と比較して、外界反応及び触反応、異常歩行、耳介反射の抑制、瞳孔の散大、呼吸数の低下などが確認されたとの報告を受けております。下の表3に、CUMYL-PEGACLONEに関する行動及び中枢・自律神経症状観察における評価値の抜粋を載せており、数値は各群マウス5匹のスコアの平均値となっています。また、観察された特徴的な症状を示した写真を15ページに載せております。ここで、15ページの写真と併せまして、実際の動画も御確認いただきたいと思います。15ページの写真の上から順に、前のスクリーンの動画とともに御確認ください。
 これは燃焼終了後、約10分経過のマウスですが、激しい飛び跳ね、荒い呼吸、四肢の硬直、後肢外反、後肢指乖離、仰臥位姿勢が確認されました。
 こちらは燃焼終了後、約30分経過の別のマウスですが、上体を反らす異常姿勢、けいれん、挙尾反応、後肢指乖離、異常姿勢が確認されました。
 こちらは燃焼終了後、約41分経過の別のマウスですが、上体を角壁に寄り掛け、後肢外反、挙尾反応、後肢指乖離及び静止状態が確認されました。
 こちらは燃焼終了後、約1時間11分経過の別のマウスですが、口部を床敷きにつけた伏臥位姿勢で静止状態、両側前肢が上体の下に隠れる異常姿勢、後肢指乖離が確認されました。
 続きまして、16ページの(2)カタレプシー試験の結果を御覧ください。ここで、16ページの写真と併せまして、実際の動画も御確認いただきたいと思います。16ページの写真の上から順に、前のスクリーンの動画とともに御確認ください。
 こちらは燃焼終了後15分経過の結果ですが、5匹中2匹の陽性が確認されました。
 こちらは燃焼終了後30分経過の結果ですが、5匹全てにおいて陽性が確認されました。
 こちらは燃焼終了後60分経過の結果ですが、5匹中4匹で陽性が確認されました。動画については以上です。
 続きまして、17ページの(3)を御覧ください。ヒトカンナビノイド受容体(CB及びCB受容体)に対するアゴニスト活性EC50を測定した結果を載せております。CB受容体については7.33×10-10mol/L、CB受容体については2.53×10-9mol/Lとの結果から、カンナビノイド受容体に対するアゴニスト活性があることが報告されております。
 以上のことから、CUMYL-PEGACLONEについては、行動・症状観察において、外界反応及び触反応、異常歩行、耳介反射の抑制、瞳孔の散大、呼吸数の低下といった異常な行動や症状が観察されていること、ヒトカンナビノイド受容体に対するアゴニスト活性を有していることが確認されたことより、過去に指定した指定薬物と同等の作用を有すると考えております。したがいまして、CUMYL-PEGACLONEについては、中枢神経に作用する物質であり、法律第2条第15項に規定する「中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高い」と考えております。
 続きまして、資料3の17ページの(4)海外での流通状況についてです。2017年にクロアチア、フランス、オランダ、デンマーク、ドイツ、ハンガリーにおいて、2019年にオーストリアにおいて流通が確認されております。続いて(5)の死亡事例についてです。2017年から2019年において、男性8名、女性1名の死亡事例がオーストラリアの学会で報告されていることを確認しています。最後に(6)海外での規制状況についてです。ドイツ、スウェーデン、ラトビア、スイス、フィンランド、ベラルーシ、ハンガリー、カナダ、イギリスで規制されていることが確認されております。以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○鈴木部会長 それでは、委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。まず最初に、流通実態について○○委員、お願いいたします。
○○○委員 本化合物につきまして、○○○○での検出例はございませんでした。
○鈴木部会長 ありがとうございます。それでは、委員の先生方から御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、御意見がないようですので、審議をまとめます。ただいま御審議いただきました物質は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定する指定薬物として指定することが適当であると決議してよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、事務局から今後の手続について説明をお願いいたします。
○事務局 今後のスケジュール等について御説明します。本件の結果については、次回開催の薬事分科会で報告させていただく予定です。また、本日の結果を受け、指定薬物を指定するための省令改正の手続を進める予定です。本日御審議いただいた物質に関する、いわゆる正規用途については、今のところ確認されておりません。いずれにしましても、可能な限り適正使用に支障を来さないように対応します。以上です。
○鈴木部会長 以上で本日の議題は全て終了しました。事務局から、次回の予定について連絡をお願いします。
○事務局 次回の部会日程については、正式に決まり次第、御連絡します。以上です。
○鈴木部会長 それでは、以上をもちまして、令和元年度第2回指定薬物部会を閉会します。本日はありがとうございました。
(了)
 
備考
本部会は、公開することにより、委員の自由な発言が制限され公正かつ中立な審議に著しい支障をおよぼすおそれがあるため、非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局 

監視指導・麻薬対策課 課長補佐 坂西(2779)