第22回 地域医療構想に関するワーキンググループー議事録

日時

令和元年6月21日(金)13:00~14:30

場所

厚生労働省 中央合同庁舎第5号館 省議室(9階)
東京都千代田区霞が関1-2-2

議事

○板井計画係長 ただいまから、第22回「地域医療構想に関するワーキンググループ」を開会させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいましてまことにありがとうございます。
本日は、野原構成員は欠席との御連絡をいただいております。
事務局においては、医政局長の吉田が少しおくれての出席となります。
大臣官房審議官の迫井、山本、医政局総務課長の北波、企画官の千正、保険局医療介護連携政策課長の宮崎は、別の公務のため欠席となっております。
また、オブザーバーとして、本日、総務省自治財政局公営企業課準公営企業室より坂越室長に御出席いただいております。
議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
お手元に、議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料1、資料2、参考資料1、参考資料2、参考資料3、参考資料4をお配りしております。なお、参考資料3については、資料が膨大となりますので、傍聴の皆様方におかれましては、配付資料中のQRコードからインターネットにて本ワーキンググループのページより御参照願います。
資料の不足等がございましたら、お知らせください。
それでは、以降の進行は、尾形座長にお願いします。
なお、プレスの方のカメラ撮りはここまででお願いいたします。
○尾形座長 こんにちは。
それでは、早速、議事に入らせていただきます。
まず、議論に入ります前に、前回の最後に中川構成員から日本赤十字社に関する質問がございましたけれども、この件はどうなっているでしょうか。
事務局、お願いします。
○松本課長補佐 事務局でございます。
前回のワーキンググループの最後のところでございますけれども、今回の参考資料1のところにも前回同様のものがありまして、5ページにそのときのことも記録をしていますが、構成員からのコメントとして、前々回、3月20日のとき、日本赤十字社の参考人の方から地域医療構想に関する取り組みのプレゼンテーションをいただいたわけですけれども、その中でのプレゼンテーションでは、本来、地域医療構想ですので地域の医療提供体制全体を話し合うわけですけれども、それがどうあるべきかという議論というよりは、まさにというか、単に日本赤十字社の病院が今後どういうふうに生き残るのか、地域独占を本当は目指しているのではないか、模索しているのではないかという印象を強く持ったということで、病院事業を継続するというのは赤十字社の設立目的ではそもそもないということで、あくまでも傷病者への貢献が存在意義と定款上もなっているのだけれども、ここの確認をしてはどうかということでございまして、地域医療計画課から日本赤十字社の医療事業推進本部に再度確認をいたしまして、本部長の宮原先生のお名前でお返事をいただいておりまして、読み上げさせていただきます。
日本赤十字社及び各赤十字病院は、少子高齢化や人口減少を見据えた医療提供体制の構築について、基本的には各地域の地域医療構想調整会議において議論して、その合意のもとに進めていくべきと考えています。従来どおり、今後もほかの医療機関と協力して医療提供体制を構築していきます。また、地元医師会、病院開設者、行政、地域医療構想アドバイザー等と真摯に議論し、各地域の将来像に合った医療が提供されるよう、公的医療機関としての使命と役割を念頭に、地域医療構想の推進に協力してまいります。また、日本赤十字社法及び定款では、地震、火災、風水害等の災害時において救護活動を行うことや、平時の社会福祉活動及び健康維持のための公益事業を行うことを定めており、それに沿った病院事業を各地域で展開してまいります。これまでと同様に、今後も定められた業務を遂行してまいります。
そういうことで、コメントをいただいております。
報告は以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
中川構成員、よろしいでしょうか。
○中川構成員 ヒアリングでいらしたときの説明とは大分違うのだという御回答だと認識しましたけれども、それでよろしいですか。
○松本課長補佐 はい。こちらにつきましては、いらっしゃった田渕構成員も所属している赤十字社本社の医療事業推進本部長のお名前でいただいていて、その方針だということであります。
○中川構成員 了解しました。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、議事に入りたいと思います。
まず、資料1「具体的対応方針の検証の具体的な手順等について」、説明を事務局からお願いいたします。
○松本課長補佐 事務局でございます。
資料1「具体的対応方針の検証の具体的な手順等について」ということで、スライド形式の資料をお出ししています。
前回、こちらで具体的対応方針の検証に向けた議論の整理のたたき台の議論をさせていただきましたところ、非常にさまざまな御意見をいただきまして、そちらにつきまして再度整理をして、皆様に御議論いただくべく準備をしているところです。参考資料2に、前回のままでございますけれども、今後修正をしていくということでたたき台の前回版をお載せしていますけれども、きょうはこちらに関する議論は置いておいていただいて、行わないということでございます。資料1で、少し各論ですけれども、実際の検証の手順について確認を行いたいと考えておりまして、よろしければ、次回、本日御議論いただいたところを、この参考資料2にあるようなたたき台に載せていくということでやっていきたいと考えております。おさらいを含めまして、1ページ以降、御説明をさせていただきます。
まず、1ページ、1つ目の○は、今回の検証のその前、2年間の集中的な検討のおさらいでございます。文章にございますように、2年間においての集中的な検討という中で、2行目、特に公立・公的医療機関に対しては、それぞれ新公立病院改革プランや公的医療機関等2025プランの策定をお願いしていまして、民間医療機関との役割分担を踏まえて、公立・公的医療機関等でなければ担えない分野の重点化を2年間行っていただく、それを方針として立てていただくということを行ってきたわけでございます。しかしながら、それらが十分な議論を経ていないとか、現状追認になっているのではということが、昨年秋以降のこちらのワーキングの議論で御指摘を受けまして、○の2つ目で、前回までの本ワーキングにおいて、具体的対応方針の検証に向けた議論の整理、先ほどの参考資料2のワード版ですけれども、これについて議論を行ってきたわけでございます。○の3つ目もおさらいなのですけれども、この具体的対応方針の検証としましては、前回議論をしたように、厚生労働省から診療実績の分析を行って、一定の指標を設定して分析すると。この分析の結果、一定の基準に当たった場合は、都道府県に対して、医療機関単位ですけれども、これまでの具体的対応方針に関する合意内容が真に地域医療構想の実現に沿ったものとなっているか、病院単位で要請することになっておりました。これが前回のその前までの経緯ですね。
2ページ目をごらんいただきたいのですけれども、前回の本ワーキンググループにおきまして、公立・公的医療機関等に対しては、役割の代替可能性がある場合は来年3月までに、病院の再編統合の場合は来年9月までにそれぞれ協議し、結論を得るということにして、御議論をいただいところですが、その議論の中で、矢印が2つありまして、1つ目、特に病院全体の再編統合の必要性について議論を行う場合は、協議をどうやって具体的に進めていくかというプロセスを明確にすべきではないかという御指摘をいただきました。再編統合の議論が難航する可能性も十分にあるということで、そういう障壁を取り除いて、今回は現状追認にならないように、どうやって短期間でゴールに至るのかということをできるように、協議のあり方をきちんとしておいてはどうかという意見があったところでございます。その前回の御指摘を踏まえまして、きょうの御議論につきましては、○の2つ目ですけれども、特に具体的対応方針の検証の具体的な手順等について議論を行い、次回以降の構想ワーキングにおいて、このワード版、参考資料2の「具体的対応方針の検証に向けた議論の整理(たたき台)」に反映していくとしたいと考えています。
3ページ、これもおさらいで、前回まで議論していた検証の要請の仕組みになりますけれども、○の2つ目、「今後」というところですが、ことしの年央までに全ての医療機関の診療実績データの分析を完了しまして、診療実績が少ないまたは診療実績が類似・競合していると位置づけられた公立・公的医療機関等に対しまして、さまざまな動向を踏まえつつ、医師の働き方改革の方向性も加味して、次の赤字、当該医療機能の他の医療機関への統合、機能ですね。例えば、脳卒中を移すとか、それが機能の統合です。または、ほかの病院と病院単位での再編統合について、地域医療構想調整会議で協議し、改めて合意を得ることを要請する予定です。分析のイメージは下にありますけれども、次のページで少し明確に整理をしていますので、おさらいをしたいと思います。
4ページ、これらの名称等については、もっとわかりやすいように次回までに整理をしたいと考えていますけれども、A、Bと箱がありまして、2つ条件がございます。まずは、各分析項目単位で、診療実績が特に少ない場合。または、B、構想区域内に実績を有する医療機関が2つあって競合している、近接している、そのいずれか、orで要件を満たすものについて代替可能性があるとして、結果を都道府県に提供する、また、公表したいと考えていますけれども、これは分析項目単位の話でございます。注がありまして、ある分析項目について、Aに該当するけれども、その構想区域内にはその診療行為を行っている機関はほかにないですという場合、唯一、1個だということは、直ちに代替する医療機関がほかにあるとはいえないというものでありますけれども、このような場合、かなりのケースで患者の流出入がございまして、隣の構想区域に実績のある医療機関があるというケースが間々ありまして、そういう意味でも代替可能性等を確認する必要があると思いますので、「代替可能性がある」というカテゴリーに入れますということを注で述べています。次の○ですけれども、A、Bというのは、項目単位、機能単位の評価になりますけれども、それをまとめていく必要があります。この○の2個目の「特に」のところなのですが、具体的対応方針の再検証の対象となる公立・公的医療機関について、ポツ1、ポツ2とあります。ポツ1は、機能単位の再編統合でして、1つ以上の分析項目を幾つかの場合に代替可能性があるとした場合は、その役割をほかの医療機関に代替してもらうことを検討していただくということでありまして、病院全体ではなくて、例えば、脳卒中の機能とか、心筋梗塞の機能とか、そういうものを機能ごとに再編していただくというものが1ポツ目です。2ポツ目が、大半の分析項目について代替可能性がある場合ですけれども、このような場合は、病院単位での再編統合の必要性について特に議論していただくとしておりました。一番下の○、これは明確化ですけれども、全く診療実績がない分析項目ですね。この診療は0件でしたという場合、これまでの議論では代替可能性があるとはしていません。なぜなら、そもそも診療科がないという場合があったときに、代替も何もない、もともとないということになると思うのですけれども、それだけではなくて、1行目の後半以降なのですが、大半の分析項目について診療実績がない、0件という場合、例えば、今まで17項目とか18領域という話をしてきましたけれども、ほとんどゼロですと。それは病院単位で再編統合する必要があるよね、そういう検討をする必要があるよねとなりますので、そういう場合は、病院単位の再編統合のカテゴリーには入れると明確化をさせていただきましたというものが4ページです。
これはスライドが分かれていますが、5ページと6ページに場合分けをしています。5ページが、まずは、役割の代替可能性ですね。診療科とか、脳卒中の機能、心筋梗塞等の循環器疾患とか、がんという機能ごとの代替可能性ですけれども、これに関しまして、○の1つ目に、そういうふうにされた医療機関に関しては、具体的対応方針の検証に向けた議論の整理、先ほど申し上げたワード編に書いてありますが、構想区域のほかの医療機関の診療実績とか将来の需要を踏まえまして、この代替可能性ありとされた役割をほかの医療機関に統合するかどうかについて協議をしていただいて、2020年3月までに合意を得るという、前回までの議論のそのままのとおりということになりますけれども、下のイメージのところに図がありますが、例えば、これはある構想区域での経皮的冠動脈形成術の状況ですけれども、B病院の実績は特に少ないということで、これをなくすのか、統合するのかということを御議論いただくということで、これはこのままやっていただくのがいいのではないかということです。
6ページは、今度は病院単位の再編統合の話になりまして、この課題、○の1つ目、この病院単位の再編統合について特に議論が必要な場合とされた医療機関に関しては、分析項目によって構想区域内の医療機関の診療実績の多寡や競合等の状況が大きく異なると考えられます。ですので、がんはA・B病院が強いけれども、循環器や脳卒中はC・D病院が強いとなっていた場合に、どういう再編統合をするのかというのは、競合の状況がそもそも違うので、すごく低い実績のところとされた医療機関だけで考えるのがいいのかどうか、それでは不十分ではないのかというのが1つ目の○で言いたいことです。そのようなことから、○の2つ目、その再編統合について特に議論が必要な公立・公的医療機関等とされた医療機関、それらの協議のあり方につきましては、ダウンサイジングとか再編統合が推進され、かつ、協議自体も円滑に進まないとその後の提供体制に影響がありますので、それが円滑にいくような方法を提示する必要があると考えています。それが前回のワーキングから指摘を受けたことだと思います。ですので、対応案ですけれども、対応案の○の1つ目に、病院単位の再編統合が特に必要だとされた医療機関に関しましては、まずは、赤字のところですけれども、地域全体の医療提供体制の将来像を含めた医療機関の分化、連携について協議して、その方向性について合意することが必要ではないのか。特に公立・公的の話で地域全体で考えていく必要があるということであります。
最後の7ページが対応案なのですけれども、今のように病院単位の再編統合が必要という場合ですが、左側の実例のように、A、B、C病院でそれぞれ得意なことも異なっているし、そもそも似ているという場合、例えば、この場合、特に実績が低いとされるようなところは、特に実績が低いD病院なのですが、これらの領域につきまして具体的にどういう再編統合を検討していくのかという場合に、いろいろなパターンが出てきてしまうということでございます。これを1年間で各病院一つ一つが、将来、2025年またはそれ以降の数十年をどうするかということを、どこかがやめてどこかがやればいいということが明確な場合ももちろんあると思うのですけれども、このようにこれでは病院が多過ぎるというのはある程度わかるけれどもどうしていいかわからないという区域も多々あるのではないかということです。対応案のところなのですが、具体的対応方針で見直しをする際に、A、B、C、D病院という個別の公立・公的医療機関が考えるのではなくて、地域全体の公立・公的を集めて話し合う必要があるのではないかというのがこちらの案です。例えば、例示ですけれども、赤字の矢印が3つありまして、1つ目、各構想区域の公立・公的医療機関が、将来に向けて、需要も見て、本当は何床必要なのか。民間の医療機関や介護等の状況ももちろん踏まえまして、公立・公的でなければいけない医療で一体何床分の医療を提供するのか、ダウンサイジングはどれぐらいが適当なのかということを考えなければいけないですよねというのが1つ目の矢印です。2つ目の矢印、各役割を担う再編統合後の公立・公的医療機関等の数でございまして、例えば、今の病院数が多過ぎるということはわかっても、どの病院が将来残るのかというところまでは決められなくても、おおよそこれぐらいの数にしていこうということをまずは合意することで、協議を円滑化できるのではないかというお話です。3つ目、これはこのワーキングでも再三議論をしていただいていますけれども、地域の医療構想の中にいるのは、再編統合の話だけでもないですし、公立・公的医療機関だけでもないわけでして、ほかの医療機関が行うべき役割とか連携は一体どうなるのか、患者さんの流れは一体どうなるのかということについても、必ず構想区域全体で話し合って、おおむねプランを立てていただきたい。これらについて、区域全体で協議を行い合意を得るなど、協議のあり方を工夫することについてどのように考えますかということを、本日、案として投げかけさせていただきます。これらについて、これまでのワーキングでは回復期の競合についても再三の御指摘をいただいているところでございますが、まずは急性期・高度急性期で議論をしてから、次に回復期でどうあるべきかということを検討していってはどうかと考えているのですけれども、かといって、公立・公的医療機関が転換をするという話も出てくる可能性もございまして、それに関しては、本当にそれが正しいかどうかということを長期の区域の中の全体協議で話し合っていただくものと考えておりますけれども、まずは高度急性期・急性期から着手していくということでいかがでしょうかということでございます。
説明は以上でございますので、御議論をよろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明がありました資料1につきまして、御意見、御質問を承りたいと思います。
小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 確認させていただきたいと思います。
5ページのA病院、B病院、C病院とあるのですけれども、例えば、B病院が機能をAなりCなりに移行するとしたときに、AなりCなりにB病院の分の機能を代替できる能力が本当にあるのかどうかというのはどこで判断するのかというのが一つ。
もう一つは、7ページ、例えば、これを素直に見ますと、D病院とE病院は存在意義があるのかと、この表だけを見たらわかるのですけれども、今、話題になっているのはD病院だけですよね。将来の持続性に係わる地域全体の医療の像を考えるというのであれば、これはD病院だけではなくてE病院も地域医療構想調整会議ではどうするかという話をしなければならないのではないかと私は思うのですけれども、その2点について教えていただければ。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○松本課長補佐 5ページのところの御議論でございますけれども、これまで我々もいろいろな先生方と議論していて再編統合の議論の難しさを再三御指摘いただいておりまして、一筋縄ではいかないと認識しております。例えば、B病院の経皮的冠動脈形成術ということで夜も対応が必要な技術になりますけれども、この実績が低い場合、必ずしも効率的ではないということで、CやAへの統合がもちろん議論されるということで、先生の御指摘は、例えば、医師を移すのかどうなのか、能力だけを移すのか、設備はどうするのかということをA・Cのキャパシティーを含めて勘案するべきではないかということで、それはまさにおっしゃるとおりだと思っておりまして、そこまでの実態になりますと、恐らく地域医療構想調整会議で議論することが最も重要なステージではないかと考えられますので、地域の実情がよく議論できる、そのような場で御議論いただきたいと考えております。ただ、もちろん県全体での配置とか医局との関係ということもございますので、県単位の調整会議を適宜御活用いただくことも重要ではないかと考えています。
最後の7ページ、今回の御質問のところですけれども、今回の具体的対応方針の検証に向けた議論の整理のそもそもの出発点だけ確認させていただきますと、2年間の集中的な検討においては、まずは公立・公的医療機関等からスタートをしましょうというところで、そこからの現状追認という御批判、御議論の中で、今に至っているものでございまして、公立・公的医療機関の将来像ということでまずは御議論いただくというのが一義的な意味だと思いますけれども、ここの区域単位で議論をする際にE病院の民間がどうなるかということに関して、もちろん議論に参画するのを妨げるものではないと考えておりまして、そこはまさに各医療機関の意向や地域の実情によって幾つかのパターンが出てくるのではないかと考えています。
○尾形座長 よろしいですか。
中川構成員。
○中川構成員 今の小熊先生の2つの質問について、今、事務局に答えてもらいましたけれども、私の見解を言います。
5ページのB病院の機能をAとCに代替できるのかどうかは、現場しかわかりません。全国一律の基準で判定するのは無理だし、してはいけない。例えば、経皮的冠動脈形成術について、A病院ではどのようなスタッフがいてどのような医師がいるか、C病院ではどういうスタッフでどういう医師がいるのか、そういうことも含めて可能性を判断する。まさに地域医療構想調整会議が判断する。しかし、今までの形態では、調整会議では物を言いにくい、特にC病院やB病院に対しては言いにくいということがあったので、いろいろなこういう工夫をしてもらっているという理解です。
7ページのE病院について、これはDとEが同じように診療実績が低いように見えますが、後で私が提出した資料でもお話しますが、まず、E病院がこういう状態だったら、自然と間もなく消えます。ところが、D病院は生き残るのです。その理由は言わなくてもいいと思いますが、そういう状態ですので、もしE病院がここに示されている実績で生き残っているということは、この項目以外のところで実績を上げているのですよ。そういう理解だと思います。
今はその辺でいいですか。御理解いただけたでしょうか。
○小熊構成員 はい。
○尾形座長 よろしいですか。
ほか、いかがでしょうか。
今村構成員、どうぞ。
○今村構成員 今の議論とちょっと離れるかもしれないのですけれども、5ページの先ほどの経皮的冠動脈形成術の議論のときにぜひ注意をしてもらいたいことがあって、私は今までいろいろなところの調整をやっている中で、例えば、「冠動脈形成術」という言葉は、PTCAのことであってステントが入っていないとか、急性期のことが入っていないとか、それ以外もあるので、言葉の使い方をちゃんと現場の人が理解してやらないと、すごくミスリードをする。それを分析していくと、例えば、土日に一生懸命やっているところと、平日、恐らく昼だけやっているところが結構あって、それのバランスも考えて、現場でしかわからないことだと思うのですけれども、厚労省から数字を出していくのであれば、そういったところがよくわかるように、そういう誤解が生まれないようにぜひ注意をしてもらう必要があるのかなと思います。
○松本課長補佐 そのように気をつけていきたいと思いますけれども、病床機能報告の定義上、名前は「経皮的冠動脈形成術」、今はステント留置術のほうが圧倒的に多いわけですけれども、そちらの合算をするという定義で病床機能報告ではとっておりまして、夜間対応、救急対応のものも分けてとっていまして、検討はできるのですけれども、先生が御指摘のように、本当はこういうものが入っているけれども、ぱっと見たときにこの名前だと、PCIはどうなっているのかと言われてしまうので、そういうことのないように、注で、これはこういうものだという定義をなるべく正確に置いていきながらデータを提示していくとしていきたいと思います。
○尾形座長 その辺は御配慮をお願いします。
織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 この7ページ目の件なのですけれども、これはいろいろな構想区域で起こりえるのだろうと思います。
もしB病院が民間病院だったということであれば、これはどういう形で話し合いを進めるのか、一つは調整会議の中で果たしてできるのか、それとも、前にたたき台に出てきていたあのワーキングみたいなものをつくって議論するのか、例えば、この分析事例にある消化管の悪性腫瘍とか、この領域の手術に強いところに関して代替するのかどうかという話になると思うのですけれども、この公と民の話し合いはどういうふうに考えておられますか。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○松本課長補佐 そちらにつきましては、先ほど申し上げたように、さまざまなパターンがあると思いますので、それぞれの関係者の御意向で合意に向けてやっていただきたいと思うのですが、今、構成員が御指摘の、今までベーシックには年4回ということで調整会議の本会議が開かれているのですけれども、前回のたたき台でもお示しして、今、構成員にも御指摘いただいたように、非公表の調整ワーキング等を適宜活用して、回数を重ねないとなかなか合意に至らないという声をいただいておりまして、会議の持ち方とか議論に関しては実質的に進むように工夫をいただく必要があると思っておりますし、それについてもう少し具体的に何か示したほうがいいということであれば、次回以降の夏にこのワーキングからもう少し具体的な指針なりを示していくというのも一つの考え方ではないかと考えます。
○尾形座長 織田構成員。
○織田構成員 わかりました。
ちょっと危惧したのは、公立病院の統合による寡占化で、民間病院が吹き飛ばされるのではないかと。公的同士がくっつきますと、どうしても民間は不利な立場になります。後ほど中川先生から出していただきますが、補助金の問題を含めて、多くの優遇措置を受ける公立・公的と、全くそれがなくやっている民間の立場を考慮していただきたいと思います。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 調整会議の議論で、ガイドラインに定例開催と随時開催という明確な記載があるので、そういう言葉を説明のときに使ってください。こういう競合状態を議論するのは地域医療構想調整会議の随時開催です。さらに必要であればそこにワーキンググループなりをつくっていいということになっていますので、そういうことをきちんと正確な言葉で御説明いただかないと、アナウンスが全国に広がらないと思いますよ。
お願いします。
○尾形座長 織田構成員。
○織田構成員 そのとおりなのです。
話を聞いていると、公立同士ばかりに聞こえてくるのですよ。ですから、これはぜひ地域の民間も巻き込んでしっかり話し合いをしてくれということをぜひ強調していただきたいと思います。
○尾形座長 岡留構成員。
○岡留構成員 先ほどから中川構成員がおっしゃいましたように、私はこの2ページの前回のところの赤い矢印の1行目、「協議をどうやって具体的に進めていくかというプロセスを明確化すべきではないか」と非常に抽象的な表現ですよね。例えば、地域の調整会議でアドバイザーが今は置かれていますけれども、彼らの役割は何なのだろうかと。全くこれが反映されていないのではないかと。これは事務局への要望かもしれませんが、ここのところをもう少し具体化して、全病院にわかりやすいような感じにつくっていただけたら、さっき織田構成員がおっしゃった、公も民も恐らく私はないと思うのですよね。地域医療構想全体を俯瞰的に見て、その立場から考えていかないと、それを調整会議で具体的にどうやっていくか。病院側は再編統合されるというのはすごくショッキングな出来事ですので、その辺は慎重にやるべきだと思いますし、非常に正確なデータを用いながら説明していかないと。そこにアドバイザーの人たちの役割があるのではないかと考えております。
以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
本多構成員、どうぞ。
○本多構成員 今、お話を聞いておりまして、6ページのこういった対応案に示されたように、地域全体で協議し方向性について合意することについては、そういう形で進めてほしいと思います。また、7ページの対応案を見てみますと、ここに示されているように、再編統合の対象医療機関だけではなく、地域全体の病床数やその患者像に見合った病床機能を見据えて協議する必要性もあると思いますので、その点をあわせて進めていただければと思っております。
特に、今、御意見が出ていましたけれども、再編統合やダウンサイジングのケースにつきましては、通常の公開の調整会議では議論が難しいと予想されますので、当該医療機関による非公開の会議を頻繁に重ねなければいけないと思います。ただ、先ほど調整会議年4回と言われましたが、調整会議に出ている組合の委員からは県によっては年1回で、そこでは非公開の場での議論の結果だけぽんと出て、何となく了承しなければいけないという話を聞きます。の結果が前回に出たような90%以上の合意などという形に出ているのではないかと危惧するところはあります。非公開協議の内容についても、先ほど先生方からありましたように、民間病院も入っていますので、調整会議に諮ることを通して地域住民の理解を深めることも含めて必要であると思いますので、こうした協議のプロセスも明確に記載してほしいと思います。
いずれにしても、国だけではなく、自治体はもとより、必要な場合は、各県のアドバイザーとか地域医師会等の行司役も交えて、積極的に働きかけて進めていく必要があるのではないかと思います。
なお、重点区域等の協議のプロセスにおいて、他の効果的であると思われる事例や手法については、そこは可及的速やかに他の地域にも伝えるような形で努めてほしいと思います。
一方、先般の諮問会議で、根本厚労大臣が、具体的対応の要請、医療機関の公表、重点支援区域の設定をすると述べられておりましたけれども、その他の地域においても実態に見合った対応がなされているのか、そこは十分に検証していただきまして、見直しを促すなどの進捗管理のプロセスについてもあわせて明確化すべきだと思っております。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかはよろしいでしょうか。
中川構成員。
○中川構成員 話はちょっとそれますが、この地域医療構想のワーキンググループの議論はいろいろなものを決めていく一つの正式なルートですよね。きょうの朝の業界紙に随分医政局地域医療計画課として踏み込んだ報道がされているのですが、これはどのように理解したらいいのかと思うのです。例えば、「重点区域」という言葉は、私は定義もわからないし、重点支援区域もこの場でそういう議論をしたことが余りないという記憶なのですが、そこにそういう区域では厚生労働省の担当者が現場の調整会議に出席するということまで書いてあるのですけれども、そんなことを考えているのですか。確認です。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○鈴木地域医療計画課長 御質問ありがとうございます。
きょうの業界紙に載ったものでございますけれども、名称は今後決めていかなければいけないと思いますが、我々といたしましては、そういった特に厚生労働省として強く支援する地域を設定することを考えておりまして、その際には厚生労働省の職員も支援するということを、今、考えているところでございます。
○中川構成員 地域医療構想を進めるという大前提は、将来に向けて医療提供体制を構築するのですけれども、自主的に収れんするということが大前提なのですよ。そのために、きょう言った2つの類型だとか、いろいろな支援を中央からしているわけですよ。そういうことをやった上でしょうけれども、厚労省から職員を派遣するということは、これは大変なことなのですよ。昔でいえばお上から何か通達が来て強制的に何かされるという事態も感じさせかねないのですね。ですから、こういうことは慎重にやられたほうがいい。まして、ここで議論はしていませんよね。そう思うのですが。
これは地域医療構想についてではないですが、厚生労働省の官僚が地方に行って、ある地域のブロックに行っていろいろな講演をする。そのときの質疑の中で、極めて気分を悪くしたと。高圧的で、それはもう決まっていますからという発言を頻発したという事態も既に起こり始めているのですよ。地域医療構想ではないですけれどもね。ほかの分野ですけれども。そういうことを考えると、軽々にこういう提案をこういうところで公表するべきではないのではないかと、慎重にしていただきたいなと思います。
○尾形座長 吉田局長。
○吉田医政局長 医政局長です。
今、中川構成員に御指摘いただきました、本日の業界紙云々につきましては、業界紙そのものの内容についてコメントをする立場にはございませんが、最後におっしゃった2点について、1つは、厚生労働省の人間がいろいろな機会に地域の方々と意見交換をする際、現場の方々と意見交換をする際に、決まっていることをお知らせし御説明する部分と、いろいろな問題提起をさせていただいて意見交換をする場合と、また、私どもの問題意識を伝えた上で御意見を聞くといういろいろな機会があれば、私どもは、逆に、現場に根差した行政、あるいは計画を考える際にも必要だというのが基本的スタンスでございますので、そのように取り組ませていただいております。その上で、誤解のあるような言葉遣い、表現あるいはやりとりの中での物腰というものがあるとすれば、それは私どもは改めて厳に慎みたい、あるいはそういうことのないように取り組みたいということは局内で徹底させていただきたいと思います。
2つ目の点というか、順番からいうと先に御発言いただきましたが、今、私どもは、この地域医療構想、さらには働き方改革、医師の偏在対策、それぞれの由緒・来歴につきましては、昨年2018年の改正法に基づく偏在対策をより強力に進める。あるいは、働き方改革については、いろいろな検討会などの御議論を積み重ねて、2024年の労働基準法による上限法定が固まるというところまでの間の精緻化をする。地域医療構想は、改めて申し上げるまでもなく、これまで本ワーキンググループを初めとする関係者の方々の御議論の積み重ねの中で進めるということを踏まえた上で、厚生労働省としてあるいは政府としてこれを進めるためにどのようなやり方があるかという大きな方針については、私ども厚生労働省としても政府の中で議論させていただいているというのは事実でありますし、その中で、例えば、本日と伺っておりますけれども、毎年のいわゆる骨太方針などの中において地域医療構想は累次にわたって言及されておりますので、今後の方針についてどのようなことを今回政府として一定の意思決定をするかという際における議論においては、地域医療構想も話題になっていることは事実であります。その上で、このワーキングにおいて御議論いただいてきたこと、今後このワーキングにおいてもお諮りしなければいけないことあるいは厚生労働省として関係者の方々の意見を十分に聞きながら物事を前に進めるためにきちんと進めるべきことを進めるという点については、私どもは頭の整理をしながらきちんとまた皆様方の御意見を踏まえた上で対応させていただきたい。その基本姿勢の上に、一つ一つのいろいろな言説があったり表現があると御理解いただければと思います。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 驚きました。まさに火に油という感じですね。局長、それだけ高圧的な姿勢なのですか。
こういう地域医療構想を進めるのに、なぜ骨太の方針とか政府ということまで持ち出すのですか。例えば、診療報酬改定議論でも、骨太の方針ではいろいろなことが言及されますよ。しかし、例えば、中医協では、そういうことではなくて中医協の独立性を保ってしっかりと議論をしているはずです。一部そういうものが崩れかけたこともありますけれどもね。そういう物言いが、地方には高圧的に感じるのですよ。意見交換をするのに、情報収集するのに、現場の意見を聞くために厚労省の職員から行くから、それはもっともではないかと言わんばかりですけれども、違うのですよ。この報道では、重点区域に厚労省の職員を派遣すると言っているのですよ。重点区域に指定されたその区域の皆さんは、うちの区域はどうなるのだろうかと。厚労省から官僚が来たと、それだけでも十分な圧力を感じるのです。それを言っているのですよ。一般論で答弁されても、局長、それはまた逆効果ですよ。
○尾形座長 吉田局長。
○吉田医政局長 2つのおっしゃったことにまとめて答えさせていただいたところに、誤解が誤解を広げたのかもしれません。その点については、私として改めて申し上げなければいけないと思いますが、後段、地域医療構想に限らず厚生労働省の人間が地方にと中川構成員が先ほどおっしゃった部分について、前段、一般論としては申し上げました。後段の重点区域云々につきましては、政府としての議論もしておりますが、改めて申し上げるまでもなく、実際にそれを行うに当たりましては、地域医療構想を進めること、地域の方々がきちんと丁寧に御議論いただき、当事者の方々の真剣な御議論を踏まえた上で、私ども行政としてそれを促進するための支援策を講じなければいけませんし、これまでもこのワーキングにおいて御議論いただいたことを、私どもとしては順番に施策にしているという基本スタンスに変わりはございませんので、そのような流れの中において、私どもとしては引き続き関係者の方々の御意見を伺いながら、着実に地域医療構想が前に進むように取り組ませていただきたいということを申し上げたつもりでございます。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 総論のやりとりになっているようで余りよろしくないですが、局長、厚生労働省というのは、たとえ政府筋が何か言っても、日本の公的医療保険制度や医療提供体制によろしくなければ、体を張って抵抗しなければならない立場ですよ。政府がこう言っている、政府として進めているから推進に支障があることはちゃんとやらなければいけないというスタンスは、違いますよ。厚労省以外の方針で、むしろそれが厚労省の従来の方針と齟齬があれば、それは抵抗するのがあなたの役目ですよ。
○尾形座長 吉田局長。
○吉田医政局長 このワーキングにおいての御議論ということでありますので、構成員からの重ねての御発言にコメントをさせていただくことになると思いますが、中川構成員におっしゃっていただいたように、私どもは厚生労働省でありますので、地域医療あるいは医療現場をどのようにきちんと国民にとってふさわしいものにしていくかということが基本でありますので、引き続きその基本的なスタンスと基本的な思いの中で仕事もさせていただきますし、政府の一員として、政府全体の物事を議論する際には、その立場に立って物も言い、また、議論もさせていただいている。また、それについて不十分があれば、率直な御意見、御指摘をいただきたいと思います。基本スタンスにおいては何ら変わるものはございません。それについては御理解いただきながら、引き続き、この地域医療構想という個別論については、どのように関係者の方々の御理解、地域の実情をどのように踏まえながら進めるかという点について、御示唆あるいは御指導をいただければと思います。
○尾形座長 ぜひそのように進めていただきたいと思います。
本多構成員。
○本多構成員 以前、国の関与について、地域で行司役が必要で地域だけだとどうしても利害関係があるので、外からの人、場合によっては国がかかわっていただいたほうがいいのではないかということは明確に発言しております。どういう関わり方かというのは今後の議論だと思いますが、議論が進まない場合は、最終的には国の関与がないと進捗しないのではないかと、個人的には思います。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 行司役というのは、調整会議の行司役のことを言っているのだと思いますけれども、行司役は、だから、例えば、地域医師会の会長先生にやっていただきたいとか、そういうことを言っているのです。利害関係が少ない。そういうことを考えて申し上げているのです。国が行って行司役ということは、基本的にはあり得ません。そう私は考えています。
○尾形座長 ほか、いかがでしょうか。
ありがとうございました。本日は、この資料1をめぐりまして、いろいろ御意見を頂戴したところであります。事務局においては必要な整理を行っていただいて、次回、引き続きまたこのワーキンググループで議論を続けたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、先に進みたいと思います。資料2につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○松本課長補佐 資料2「病床機能報告における脳梗塞に対するtPA投与件数の取扱について」、御提案でございます。
おめくりいただきまして、課題となってございますけれども、これまで病床機能報告制度におきましては、超急性期脳卒中加算のレセプト、これは診療報酬上の請求行為でございますけれども、こちらの報告をしていただくことになっておりまして、これによって脳卒中の対応の一つの実績とカウントをさせていただいているところでございますが、実際には、現場を見てみますと、超急性期の脳梗塞に対して、適応どおりにtPA、これは下に※がございますけれども、Tissue plasminogen activator、日本語では組織プラスミノーゲンアクチベータというお薬ですけれども、超急性期の脳梗塞に投与した際に血栓を強く溶解させるということで、脳の組織がダメージを受ける前に血流を再度得るということで高い治療効果が期待できるという薬物ですけれども、上に戻っていただきまして、これは実際に投与をしていても、この脳卒中加算の診療報酬上の算定要件・施設基準を満たせないために、病床機能報告には上がってこない、これは算定されていないという課題がございまして、昨今、実績等を評価していくに当たりまして、超急性期の脳梗塞にちゃんと対応しているのにわからないというのは、実績把握として不十分ではないかという問題提起でございます。対応案といたしましては、「脳梗塞」という病名に対してtPAの投与を実施した件数に関して病床機能報告の中で求めまして、超急性期脳卒中加算とともに脳梗塞のtPA投与の実績として地域で議論いただけるようなカウントをしてはどうかということでございます。実態でございますが、下にグラフがございまして、これは縦軸がtPAの投与件数でございまして、これはNDBの中で、tPAには心筋梗塞に適応のものもあるのですが、脳梗塞に適応のものに限ってtPAを投与しているレセプト件数を拾い上げたものでございます。一方、横軸ですが、これは超急性期脳卒中加算のレセプト件数でございますが、これは都道府県別に平成29年度1年分のNDBを集計したものなのですけれども、この真ん中のY=Xの線上に点があればほとんどのtPA投与が超急性期脳卒中加算をとれているということになるのですが、全ての都道府県で左側に寄っていますので、どうしても各都道府県でtPAは投与しているけれども超急性期脳卒中加算はとれないという状況がある。この差分だけ実績報告が病床機能報告ではできていないということになりますので、漏れているところが、これは右上に行けば行くほど件数が高いのですが、要は、件数が高いところというのは体制がとれているところが多いのかと思いきや、そうでもないと。tPAの投与をしていても超急性期に算定されていなくて実績がわからないということはそれなりにあると。100件以上ありそうなところもございますけれども、あるということでございますので、実績報告としては不十分ではないかということでございます。
めくっていただきまして、実際にそのような実例が既にございまして、tPA以外なのですけれども、化学療法の実績件数に関しまして、既に病床機能報告で御報告いただいているのですが、病床機能報告ですので最終的には医療機関からの報告が最終になりますが、我々としまして、NDBを活用して集計して医療機関にお返しすることで集計の手間を省くということをやっております。化学療法につきましてはレジメン等を決めてカウントをしておりまして、医療機関としてはそれなら我々は数えなくて大丈夫だなということで実際に報告をいただいているものでございまして、同様のカウントをすればtPAの件数をカウントすることは可能でございます。
一番最後の3ページが、超急性期脳卒中加算の算定要件でございますけれども、人の配置とか研修の受講に関する要件が与えてありまして、必ずしも添付文書の薬効どおりに投与したものだけが算定できるというものではなくて、診療報酬上、体制の評価はなされているということで、参考でございます。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明がありました資料2につきまして、御意見、御質問等はございますでしょうか。
中川構成員。
○中川構成員 この1ページのグラフの線より上にあるから、これも報告とおっしゃいますけれども、どうしてこうなっているのかの理由が定かではないではないですか。それを調べてからのほうがいいと思います。慎重にやったほうがいいと思います。この加算をとれていない理由は何なのか。人員配置基準とか、いろいろなことがありますが、それだけなのか。もしくは、患者さんの病態、発症からの時間とか、いろいろなことが加算の算定要件に合わないのかもしれないし、いろいろな理由の可能性がありますので、実態を少し調べてからのほうがいいかもしれないと思います。
○尾形座長 事務局、どうですか。
○松本課長補佐 tPAの添付文書上の縛りも4.5時間ということで、実態、例えば、患者さんの状態に合わせて適応外使用ということでやられているので、体制はあっても、適応外使用で症状詳記を書いて、患者さんの状態に合わせた投与を行っていて、それが超急性期脳卒中加算の算定要件に合わないので、構成員が御指摘のように、超急性期はとれていないけれどもtPAは投与しているというところが、体制以外のものがあったとしましても、そのような各個別の医療機関の専門性の高い先生の判断でtPA投与がなされているとするならば、今回、集計をして実態把握としてもいいのかなと、事務局としては考えております。
ただ、先生が御指摘のように、もう少し実態を調べるということであれば、それもまた一つの手だと思うのですけれども、先生が御心配のような投与に関しては、実績として捉えるというのも一つの手かもしれませんが、いかがでしょうか。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 余り知らないと思いますけれども、私は脳神経外科医なのですけれども、脳梗塞だと思って使ったけれども、診断が実は違ったとか、脳卒中の専門病院ばかりで使っているわけではなくなっているのですよ。いろいろな医療機関で使い始めているのですよ。神経症状を追ってみたら治ってしまって、実は違う病気だった可能性もあるし、いろいろな患者さんの可能性があるのです。そういうことも含めて慎重にやりましょうと言っているのです。
○松本課長補佐 理解いたしましたので、構成員の方向性というのは、要は、この加算の算定要件に合致しているような実績に関して地域医療構想でまずは捉えていってはどうか、あとは実態を把握するべしということだと思いますので、本日の御議論を踏まえて対応していきたいと思います。
○尾形座長 ほか、いかがでしょうか。
今村構成員。
○今村構成員 この1ページのtPAの投与件数と超急性期加算の関係なのですけれども、これは大きな都道府県だとほとんどパラレルで直線のように見えるのですけれども、2割ぐらいtPAの投与件数が多いのですけれども、少ないところをよく見ていただくと、片方が50ぐらいに対して片方が400近くとか300とかになっていますので、6倍ぐらい差があって、特に小さな都道府県に行けば行くほど差が大きいという状況があります。これは、中川先生が御指摘のように、さまざまな理由があってこのようなことが起こっているので、少なくとも一つの数字だけを使うとすごくミスリードをする可能性があるので、そこのところの改善に資するように、ぜひ数字の設定をしていってほしいと思います。これは心カテでも似たようなことがあって、90分以内とかということも、このtPAほどひどくはないのですけれども、あっちでも結構数字の偏差がありますので、そこら辺のところを改善していけるように数字をつくっていくような制度に持っていってほしいと思います。
○尾形座長 ほかの構成員の方、いかがでしょうか。
小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 中川先生は脳外の専門医なのですが、私はどちらかというと血栓を溶かすほうをやっていたものですから、tPAが4.5時間という決まりがあるし、心筋梗塞では90分とありますけれども、実際はtPAを使うとその時間を超えたものでも溶けるのですよね。溶けるケースが結構あるのですよ。ですから、学会がそういう時間を決めたというのは本当に正しいのかどうか、私自身は疑問に思っていますけれども、もし私のところに患者さんが来て、それが脳梗塞5時間だったと。私は多分tPAを使いますね。それで、申告しないと思います。ですから、そういうような事情もいっぱいあるので、中川先生がおっしゃるように、どうしてかということをもう少しお調べいただいたほうがいいのではないかと思いますけれども。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 小熊先生、最初、3時間だったのです。それを4時間半にしたのです。
○小熊構成員 知っています。
○中川構成員 5時間でもお使いになるというのは、それは。
○小熊構成員 私の好みです。
○中川構成員 好みでは困るのですよ。
○小熊構成員 好みというか、信条です。
○中川構成員 時間を決めているというのは、溶けたら出血性梗塞になる可能性があるからですよ。
○小熊構成員 知っています。
○中川構成員 ルールの範囲外の事をやってみて出血性梗塞になったら、先生、それはいろいろな意味で問題ですよ。
○小熊構成員 ここでは議論はいいです。
○尾形座長 算定要件あるいは施設基準等も含めて、少し実態を踏まえて考えるべきだという御意見が多数のようですので、この件については、事務局に引き続き引き取っていただいて、検討していただければと思います。
ありがとうございました。
本日用意いたしました議題は以上でございますけれども、事務局から参考資料3、中川構成員から参考資料4の提供がございましたので、それぞれ簡潔に御説明をいただければと思います。
まず、事務局から参考資料3について御紹介をお願いいたします。
○松本課長補佐 大部でございまして、傍聴の方におかれましてはホームページの参照となってございますが、参考資料3、これは1年に何回かこちらに御用意させていただいていますが、各構想区域の公立・公的医療機関または民間医療機関であっても大きくプランを変更するところに当たりましては具体的対応方針を提出いただいておりますので、そちらを区域ごとにまとめたものでございます。
おめくりいただきまして、見開きのところにデータの出典とどのように見ればいいかということを御説明してございます。こちらは、今までと変えてございません。
1つおめくりいただきますと、北海道の南渡島でございますけれども、冒頭、公立・公的医療機関に赤字がございまして、例えば、慢性期・回復期を公立・公的であっても申請している場合とか、非稼働病床を稼働させるような場合、病床をふやすような場合等につきまして赤字になっております。
戻っていただきまして、例えば、見開き0ページの左側に、個別の医療機関ごとの具体的対応方針や協議の状況ということで、下の●の2つ目に赤字の凡例がございまして、非稼働病床がある、新たな病床を整備する、回復期・慢性期への転換を図る公立・公的ということで赤字になっているということでございますので、注意をしてごらんになっていただければと思います。
説明は以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
続きまして、中川構成員から、参考資料4について御説明をお願いします。
○中川構成員 それでは、お配りしております参考資料4をお願いします。「地域医療構想調整会議での議論の活性化にむけて」と題しました。
まず、1ページです。公立・公的医療機関等の概要は、皆さんには釈迦に説法ですが、改めて申し上げたいと思います。公立・公的医療機関は、2017年において、1,590病院、病床数は46万1000床です。1ページの表に、医療法で公的医療機関とされているのは上の3つと真ん中の日赤から北海道社会事業協会の4つであります。上の3つは「公立病院」とここでは言いますが、策定プランはもちろん新公立病院改革プランで、それ以外は公的医療機関等2025プランの策定対象病院となります。
2ページをお願いします。もう一度申し上げます。2017年のところの欄を縦にごらんいただきたいのですが、国は327病院・病床数は12万8000、公立は927病院・病床数は22万3000、その他公的等は336・10万8000となりまして、公立・公的医療機関等の計は病院数で18.9%・病床数で29.6%です。
3ページをお願いします。私どもが民間と公立・公的医療機関等を一緒にできないのだということを申し上げている理由を、これからお話しします。それは公的資金が投入されているかどうかの視点です。大きく税金が投入されていて税金を払っていない医療機関、税金を(一部)払っていない医療機関、税金を払っている医療機関に区分できるのではないかと考えます。
4ページの表1.2.1をごらんください。一番左側の「区分」というところでお話ししますが、まず、1番のところですが、公立、これは都道府県立、市町村立、独立行政法人となっていますが、一般会計から繰入金が投入されており、非課税です。区分2ですが、国及び独立行政法人は、政府出資で設置されており、非課税です。現在では少なくなっていますが、運営費交付金も投入されてきました。この2番の政府出資というものは、税金のほか、労災保険料とか、年金保険料とか、健康保険料を財源とする現物出資です。3番、公立以外の公的医療機関は、収益事業のみ課税で、医療保険料は収益事業から除外されています。なお、公立病院の繰入金に準じて地元自治体から補助金を受けているケースもあります。4番は、地域医療支援病院、これは今までの上記1~3以外の地域医療支援病院ですが、民間の地域医療支援病院のうち一部は収益事業課税です。地域医療支援病院はかかりつけ医の支援がその役割であり、かかりつけ医にとって重要性が高いと思います。5番が、地域医療支援病院は医療法人も含めて地域医療構想の公立・公的医療機関等に該当しますが、医療法人は全所得課税です。6番はその他ですけれども、特定機能病院は医療法において、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発及び高度の医療に関する研修等を求められています。特に医育機関では、他の病院ではない教育という目的があります。これは、皆さん、よく御存じのとおりです。4ページの表1.2.2は、主な開設主体別の税制を整理させていただきました。
5ページをお願いします。6ページの表もあわせてごらんください。公立病院がある地方公共団体に対しては、地方交付税、これは普通交付税と特別交付税が措置されています。毎年度、省令改正により、算定額、単価を決定するということになっています。新公立病院改革ガイドラインによって、地方交付税の算定基礎が一部許可病床から稼働病床に変更されましたが、稼働病床数は、病床機能報告制度の定義により、過去1年間に一度も入院患者を収容しなかった病床数を除いた病床数であります。脚注3のところもごらんください。また、このガイドラインによって、許可病床削減数×34万5000円の加算が設けられました。これは2016年度から5年間の措置です。地方交付税は地方交付税法によって使途を制限することが禁じられていますので、措置額がそのまま病院に入るわけではないというのが建前です。総務省が病院への繰出基準を提示し、それを踏まえて各地方公共団体が繰り出しを行っています。
7ページをお願いします。8ページも一緒にお願いしたいのですが、地方公共団体は公立病院に対して繰り出しを行います。根拠法は地方公営企業法です。繰り出しの範囲は結構広いというのが8ページの表でおわかりになると思います。
9ページには公立病院への繰出基準、10ページもそうです。
12ページをお願いします。公立病院への繰入金には、収益的収入に対する繰入金と資本的収入に対する繰入金があります。繰入金は合計で年間約8000億円程度です。この図をごらんください。2017年には8083億円となっています。ランニングコストに対する繰入金だけで、1病院当たり7億円になっています。それが図2.1.2です。
14ページをお願いします。項目別繰入金です。総務省の地方公営企業決算状況調査から集計をさせてもらいました。円グラフをごらんください。一般会計からの繰入金のうち、建設改良費に約3割が充てられています。公立病院は建てかえにおいても民間医療機関よりも優位になっていることがおわかりだと思います。
15ページをお願いします。へき地医療・不採算地区として繰入金がある病院は、公立病院では777病院中358病院、46.0%です。この図2.1.4です。7行目には、へき地医療繰入基準、14行目には不採算地区であります。
16ページをお願いします。救急医療についてです。民間医療機関にも救急告示病院は多いのですが、公立病院では救急告示病院のほとんどに救急医療の繰入金があります。繰入金のある病院の1病院当たり平均繰入金は1億5300万円でありました。
17ページをお願いします。リハビリテーション医療についてです。特別交付税に関する省令において、リハビリテーション専門病院は一般病床等である病院のうち主として理学療法または作業療法を行う病院と定義されています。一般に回復期リハビリテーション病棟を有する病院と解釈されるのではないかと思われますが、公立病院の44.8%にリハビリテーション医療の繰入金があることから、地域包括ケア病棟入院料なども算定対象になっているのではないかと推察しています。このグラフもごらんいただきたいのですが、リハビリテーション医療に対する繰入金のある病院の平均繰入額は年間4200万円です。これを計算いたしますと、1病院当たり1日10万円以上になります。10万円の根拠は、この147億円÷348病院÷365日であります。
18ページ、19ページ、20ページに、具体的な区分ごとの金額が出ています。
21ページをお願いします。医業収益及び医業利益率を見てみます。ここでは、医業収益から繰入金を除いたものを医業収入とし、医業利益率を計算いたしました。この棒グラフをごらんいただきたいのですが、都道府県・市町村立は全体で医業利益は赤字が継続しており、医業利益率がさらに低下傾向にあります。
22ページをお願いします。地方独立行政法人は、独法化する病院がふえていることから、全体として医業収入は増加していますが、医業利益率は-10%前後になっています。
その具体的なことは、23ページ、24ページにあります。
25ページをお願いします。医業利益率と給与費及び病床利用率です。ここでは、医業収益に他会計負担金(繰入金)を含んで計算しました。公立病院では、給与費が高い傾向にあります。この図をごらんください。給与費率60%超ではほとんど赤字です。ここは文章が「赤字である。」です。ここでは、他会計負担金(繰入金)を含んでいますが、それでも赤字です。医業利益3期連続黒字は、集計した654病院中19病院にすぎず、このうち中小病院(200床未満)は3病院でした。
26ページをお願いします。一般病床のある公立病院の約3分の1は赤字で、一般病床の病床利用率が70%未満の病院が少なくなく、病床利用率70%未満ではほとんど赤字です。病床利用率が低い病院は地域の需要に対して病床が過剰です。一方で、病床利用率が高くても赤字の病院が多くなっています。病床利用率が高いにもかかわらず医業利益率が低い病院は、コスト高で繰入金で補填されています。病床利用率が高いことだけをもって民間より優位にあると評価することはできないことがここに示されていると思います。
以上のように、公立・公的医療機関についての税金の投入とか、補助金、いろいろな税制の優遇についてお話ししましたが、私どもが地域医療構想を進める上で、公立・公的医療機関と民間が同じ土俵にそもそもないのだと、もし、病院の機能、医療機能が同等であれば、公立・公的が引くべきではないかということを申し上げたのは、こういう理由が一つの大きな理由です。
申し上げておきますが、私どもは公立・公的が何も嫌いなわけでもなく、目のかたきにしているわけでもございません。もしその構想区域に公立病院・公的病院しかなくて、そこが住民の絶大な信頼を得て頑張っているところは、さらにその機能を拡大してこれからもやっていただきたいということを最後に申し上げます。
御清聴ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
ただいまの参考資料につきまして、何か御質問はございますか。
織田構成員。
○織田構成員 今、公立病院への他会計繰入金のお話をいただきましたけれども、16ページ、救急医療に関しては、全国統計において救急車搬送件数の6割を民間病院が担っています。そういう中で、民間病院は使命感でやっているわけですけれども、これは同じ救急をやっているわけですから、同じ土俵で、そこら辺は十分に今後考慮をしていただきたいと思います。特に、今、高齢者救急がどんどんふえてきていますので、地域の二次救急は物すごく重要になってきています。言い換えれば、大病院の救急よりも地域に密着した二次救急が非常に重要になってきている。ですから、今後、三位一体改革を進める際も、そこら辺を十分に考慮していただきたいと思います。よろしくお願いします。
○尾形座長 ほか、いかがでしょうか。
小熊構成員。
○小熊構成員 公立病院の立場から、何か言わなければいけないのでしょうけれども、ちょっと言わせていただきます。
イコールフッティングでないと。税金が公立・公的にいわゆる繰入金として投入されて、民間はされていない。それは税の面だけを見れば確かにそうだと思いますけれども、公立の歴史的背景からいいますと、税を投入してでも医療を維持しなければいけないという原点があるわけで、そのために、地方公営企業法あるいは地方自治法という範囲で我々の病院が維持されていると我々は理解しています。
確かに税の面ではイコールフッティングではないかもしれませんけれども、そのかわり、我々は地域住民が必要とする医療を総合的にやらなければいけない。例えば、こういう言い方をしたら失礼かもしれませんけれども、民間医療機関のように、自分の得意なところだけ、自分の運営がうまくいくところだけやればいいという状態では決してありません。もっと広く、どうやっても黒字にならないところも含めてやらなければいけないということであります。その過程を行政なり議会で我々はチェックを受けているわけでありまして、そのやり方が悪ければ我々は非常に糾弾されてしかるべきだと思っています。
現実に給与が高いというお話がありましたが、私もそれは認めざるを得ないし、事実です。でも、それは我々が上げたくて上げているわけではなくて、地方自治法で決められて上がっているという状況もお考えいただきたいと思います。
何より、経営も大事でありますけれども、我々の医療の理念というのは、住民が必要とする医療、住民に要求される医療、前から言われていますように、公立病院に重点化すべき機能、そういうものを我々は当然第一に考えるべきだと考えてやっておりますので、少なくとも経営第一ではないと。経営は第二ぐらいになるということを御理解賜りたい。いわゆる住民サイドからいろいろ突き上げを食らうというのも我々の使命というか、やむを得ないところだと、そういうふうに考えております。ですから、我々といたしましては、この会議あるいはほかの会議でも中川先生や織田先生がおっしゃっているように、無駄なあるいは存続する意義のない公立病院があるならば、皆さんと協議をして、再編統合なり、ダウンサイジングなり、それは積極的にやってもいいと考えているということをつけ加えさせていただきます。
ありがとうございます。
○尾形座長 ありがとうございます。
どうぞ、坂越室長。
○総務省自治財政局公営企業課準公営企業室坂越室長 総務省でございますが、資料1のところで発言すべきだったかもしれないのですが、今の提出資料の説明にも関連しますので、この間、このワーキングでいろいろな議論をされて、今回、骨太の方針にも明記されて、諮問会議でも厚労省から発表がされて、この夏に代替可能性がある公立病院の名前を公表されるということを表明されました。これはかなり大きな話なので、いろいろな地方紙で報道がされております。
最近、私は、北海道とか、茨城県とか、すごい過疎地の病院を視察してきたのですけれども、報道を受けまして、代替可能性のほとんどないような病院なのですけれども、自分の病院も名指しされるのではないかと、そうなれば廃止される病院とみなされて、医者や看護師の働き手も減るのではないかと、地元で不安が広がっておりました。
したがいまして、地域の医療水準が低下していくことは、ここにいらっしゃる方、皆さん、誰も望んでいないわけですから、情報の発信の仕方とか資料の書きぶりとかの議論については、以上の点について留意してもらったほうがいいのではないかと思いました。
以上でございます。
○尾形座長 中川構成員。
○中川構成員 坂越室長には初めて御意見を賜ったという気がしますけれども、大変参考になります。
おっしゃるとおり、我々は、発言というか、発信に気をつけなければならないなと思っています。その地域でその公立病院が最後のとりでになって医療を守っているところは、私はそこは守らなければならないと思っているのですよ。小熊先生もおっしゃいましたけれども、私は、地方交付税、自治体財源からの繰入金をすること自体が悪いとは言っていないのです。同じ土俵でないので、同じ背景でないので、競合するところはというその1点なのです。地域に絶対必要なところは赤字でも税金を多額に投入してもやらなければならない医療も絶対にあります。それは認めた上で申し上げているということをぜひ御理解いただきたいなと思います。
○尾形座長 ほかにもまだ御意見があろうかと思いますけれども、引き続き、これは次回以降も議論をしたいと思います。きょうは予定の時間になってしまいましたので、きょうの議論はこの辺で切り上げたいと思います。
吉田局長。
○吉田医政局長 オブザーブをしていただいている総務省、中川構成員からお話がございました。その前には、小熊構成員からもお話がございました。
私ども事務局を務めております厚生労働省においても、地域において必要な医療をいろいろな形で守る。そのときには、民間医療機関を中心に、先ほどの救急のお話のように、やっていただいている部分もあれば、それぞれの地域の実情の中で公立・公的が担っていただいているものもあると思います。私どもは、特定の医療機関、特定の設置主体をどうこうするということではなく、地域の中でどのように必要な医療を守っていただくかということが基本であろうと思います。
その上であえて申し上げれば、このワーキングでこれまで御議論もいただきましたし、きょう、また中川構成員からも資料をいただきましたように、それぞれの立場で説明責任を果たしていただく。我々行政は、先ほど総務省からもお話がございましたように、物の言い方、発信については非常に注意をしながら、また、その影響については十分に心しながら、これからも取り組ませていただきたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
引き続き議論をしていきたいと思いますが、本日の議論は以上とさせていただきたいと思います。
最後に、事務局から何かございますか。
○板井計画係長 次回のワーキンググループについては、詳細が決まり次第、御連絡いたします。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 それでは、本日のワーキンググループは、以上とさせていただきます。
長時間にわたり、熱心な御議論をどうもありがとうございました。

 

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医政局地域医療計画課医師確保等地域医療対策室

直通電話:03-3595-2194