第18回 地域医療構想に関するワーキンググループー議事録

日時

平成31年1月30日(水)13:00~15:00

場所

三田共用会議所 講堂(1階)
東京都港区三田2-1-8

議事

○横山課長補佐 ただいまから、第18回「地域医療構想に関するワーキンググループ」を開会させていただきます。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席くださいましてまことにありがとうございます。
本日は、野原構成員、今村構成員より欠席との御連絡をいただいております。
また、参考人といたしまして、国立大学法人東北大学の藤森研司先生をお呼びしております。
本日、私どもの医政局長の吉田につきましては、別の公務のために途中より出席させていただきます。
また、医政局審議官の迫井、総務課の北波、医療政策企画官の千正、保険局医療介護連携政策課長の宮崎におきましては、ほかの公務のために欠席とさせていただきます。
オブザーバーとして、総務省自治財政局公営企業課準公営企業室より、坂越室長に御出席をいただいております。
議事に入ります前に、お手元の資料の確認をさせていただきます。
お手元に、議事次第、座席表、構成員名簿のほか、資料1-1、資料1-2、資料1-3、資料2、資料3、参考資料1、参考資料2をお配りしております。
また、中川構成員より追加資料の要望がございまして、座長より了解を得ましたので、机上のみに配付しております。
資料の不足や御不明点等ございましたら、お知らせください。
それでは、以降の進行は尾形座長にお願いいたします。
もし報道の方で冒頭カメラ撮り等をしておられる方がおりましたら、ここまででお願いいたします。
(カメラ撮り終了)
○尾形座長 こんにちは。それでは、早速議事に入らせていただきます。
まず、議事の1つ目でございますが、「地域医療構想の実現に向けた一層の取組について(その2)」を議論したいと思います。
まず、資料の説明を事務局のほうからお願いいたします。
○松本課長補佐 事務局でございます。資料1-1から分けて御説明をしていきたいと考えておりますので、1つずついきたいと思います。まず、資料1-1からいきたいと思います。
資料1-1でございますけれども、前回ヒアリングを行いまして、そちらの際に出た御意見と御指摘の整理でございます。
おめくりいただきまして1ページでございますが、この1ページは前回、12月に事務局からお示しをしたワーキンググループの今後の議論の進め方でございまして、これまで2年間、具体的対応方針の検討を行っていただいておりました。
2ページのところ、1つ目の「○」に下線がございますけれども、具体的対応方針を公立・公的病院を中心にやっていただきましたが、現状追認という声も一部あるなど、内容の検証が必要だということでございます。
次の「○」で下線のところでございますけれども、今年度末までにこの具体的対応方針をどうやって春以降、検証していくのかということですとか、地域医療構想を進めていくにはどうすればいいのかという課題を整理するということで、3月までの間に議論をしていきたいということでヒアリングを行ったものでございます。
前回のヒアリングにおける主な御意見の整理として2ページ以降でございますけれども、1つ目の点線の囲いでございますが、公立・公的病院といってもさまざまある中で、どうやって評価等をしていくのかということですが、村松参考人、福岡の先生に来ていただきましたけれども、単なる数合わせではなくて、最後の行にありますが、構想区域ですとか医療機関の類型化をしていくことによって分析を定型化して、ある程度パターンでやっていく必要があるのではないかというところでありました。
次の点線の四角でございますけれども、単純比較ではない競合の状況というのはどのように見ていくのかということでありますが、1つ目の「○」でございますけれども、例えば術式ごとに手術の件数などを見て、公立・公的では何例やっている。同じところの民間では何例やっているというようなところを見ていく必要があるんじゃないかというのが1点目の御指摘であります。
2点目の御指摘ですが、これは前に申し上げた類型化とも関係しますけれども、人口のところで状況が違うということでありまして、3つ目の「○」ですけれども、データを出していくべきだということであります。
このページの御指摘に対して、主に今回の議論を組み立てて藤森参考人にもお話をいただこうと考えています。
3ページでございますけれども、そのほかの視点ですが、特に公立病院・公的病院ということで重点化を進める上の課題ということで3つの御指摘があります。
1つ目のところで、首長さんの意向が優先される場合があるのではないかという御指摘。
2つ目の「○」ですけれども、公立・公的病院への補助金の種類とか金額について、調整会議で公開で議論されていないじゃないかというようなところ。
3つ目ですけれども、余りにも特化するということですと余力がなくなってしまうんじゃないかというような御指摘をいただいたところであります。
こちらは順に対応していくということにしたいと思っていますけれども、4ページでございますが、本日の御議論としまして2点、主にやっていきたいと思っています。
まず、次の資料1-2は事務局から資料をお出ししていますけれども、まさに御指摘をいただいた手術における競合状況というものを何例か見ています。
資料1-3でございますけれども、構想区域の類型化につきましては東北大学の藤森先生にお越しいただいて、どういう分析が可能なのかということを例示というか、考え方をお示しいただくということでやっていきたいと考えております。
事務局からは、以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明がありました資料1-1につきまして、皆様からの御意見、御質問を承りたいと思います。
よろしいでしょうか。またお気づきの点があれば戻っていただいても結構ですが、それではとりあえず資料1-1はこの辺にしまして先に進みたいと思います。
中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 私がお願いした追加資料については、どこで議論しますか。
○松本課長補佐 地域医療構想絡みというところですので、議題の1、または3と考えておりました。地域医療構想調整会議における議論の進捗状況のところです。
○中川構成員 では、3にしましょう。
○松本課長補佐 よろしくお願いいたします。
○尾形座長 ほかに、特に御意見がなければ先に進みたいと思います。
続きまして、資料1-2の説明を事務局からお願いします。
○松本課長補佐 事務局でございます。資料1-2をごらんください。
先ほど申し上げましたように、前回の御指摘を踏まえまして、手術等における公立・公的医療機関と民間医療機関の競合の状況について分析を行っております。
1ページでございますけれども、先ほど申し上げた点が述べてございます。
2ページでございますけれども、これまでの議論の中で、公立病院・公的病院でなければ担えないということに関しまして、1つ目の青いところの「○」ですけれども、こちらは骨太の方針でありますとか、公立病院改革ガイドラインにおきまして、例えばですが、1つ目の「・」は高度急性期や急性期、3つ目の「・」には救急ですとか不採算というふうに記載がございます。これは、要は5疾病・5事業というところも含まれるというふうに我々は考えております。
その絡みで、次の「・」である県立がんセンターや県立循環器病センターという例示があるというふうに認識をしているところであります。つまり、それら政策医療にかかわるところ、急性期・高度急性期のような時間制限ですとか資源の制限があるようなところに公立病院・公的病院でなければ担えないような分野があるんじゃないかというのが今までの議論だったと考えております。
それも、また構想区域ごとに状況が違うというような御指摘もいただいておりますので、構想区域ごとの分析ということになっていくと思いますけれども、そういうことで、るる分析をしております。
3ページですが、これは前回お示しをしていますけれども、公立・公的病院と民間での占有率の違いを構想区域ごとに並べて見ているというものでございます。
これを4ページ以降で少し細分化してお示しをしておりまして、4ページは「高度急性期機能」、または「急性期機能」を選択した病棟数の域内のシェアを見ているものでございます。
上の四角に詳しく書いてございますけれども、平成29年の病床機能報告における「医療機能」を選ぶわけですけれども、その4つの機能のそれぞれで病棟数がどうだったのかということを見て、公民比率を出しているというものでございます。これは、病棟単位のカウントになります。
下を見ていただきますと、「高度急性期」または「急性期機能」としましては、公のみで提供されているのは35区域ありまして、右いけばいくほど公立・公的病院のシェアが下がるという順番に並べている。339の構想区域を並べているというものであります。
おめくりいただきまして5ページになりますが、先ほど見た4ページよりもオレンジの色が濃いというか、多いというところは一目してごらんいただけると思いますけれども、回復期に関しましては公のみというところが39区域ある一方で、民間のほうでの役割は急性期、高度急性期よりも病棟数としては多いということになります。
次の「慢性期機能」になりますけれども、それもさらに民間の役割が多いというような形になっております。
申しわけございません。今回のものですけれども、病院のものになりますので、有床診療所は今回の解析には含まれておりません。
それでは、6ページ以降でございますけれども、こちらは病棟ごとに主たる診療科というものを報告いただいておりますが、要は一番多い診療科といったものがどれぐらいの公民の比率になっているかというのを病棟単位で集計したものでございまして、10個の診療科を見ているものであります。診療科を3つ選べるんですけれども、その中の上位1つというところで分析しています。
1つ目のページは内科と整形外科になりますが、内科につきましては民間のシェアが大き目の科になっておりますけれども、整形外科につきましては75構想区域では公立・公的のみでの提供ということになっているということで、内科とは状況が異なるというところであります。
7ページでございますけれども、外科、循環器内科、小児科、脳神経外科を主たる診療科として選んだ病棟の病棟シェアを公民で比べているものでありますが、およそ3分の1程度から半分程度、小児科は半分以上、公立・公的によって提供されているということでございます。
右側のグレーのゾーンは、そもそもそういう報告をしている病棟がない構想区域ということになります。
8ページをごらんいただきますと、リハビリテーション科、消化器内科、呼吸器内科、産婦人科ということで、リハビリテーション科以外は公立・公的のシェアが非常に大きい状況ということでございまして、前回のヒアリングのときに生野参考人が、小児科や産婦人科に関しては公立・公的役割を期待しているという御発言がありましたけれども、まさにシェアで見ますと公立・公的による提供は非常に多いという分野になっております。
こちらの全体像としてお示しをしたものでございまして、9ページ以降、詳細な手術についての分析を提示しております。9ページ以降は術式ごとになっておりますけれども、こちらは先ほど申し上げましたように公立・公的に主に重点化というふうに言われている政策医療のうち、医療計画における5疾病・5事業という中で入院患者が多いもの、循環器疾患ですとかがん、悪性新生物ですね。中毒に関してはなかなか疾患を定めることはできませんので、4つ目の神経系の疾患ということで脳卒中に着目をしているものでございます。
循環器系の手術につきましては、手術件数が比較的多いと考えられる冠動脈バイパス手術をピックアップしています。
悪性新生物ですが、男性については胃がん、女性は乳がんということで術式を選択しておりまして、胃がんにつきましては結腸及び直腸悪性腫瘍手術と同じ科で提供されていることが多いということで合算をしています。
神経系の手術でございますけれども、脳卒中に絡んでいる手術手技ということで脳動脈瘤クリッピング手術ということで、いずれも算定回数を病床機能報告最新の平成29年のものから集計をしているというわけでございます。
9、10ページで全体像をまずごらんいただきたいんですけれども、公民のシェアで見ていただきますと、およそ半数である9ページの下は胃、結腸、直腸のがんの手術、こちらは6月診療分、1カ月分で見ていますけれども、算定回数が1回以上あった病棟のシェアというところで、またこれも病棟の占有で見ていますけれども、公立・公的のみで提供している医療構想区域が154ということで半数近くある。それ以外の地域に関しても、公立・公的なシェアが一定程度あるという状況であります。
次のページをごらんいただきますと、乳腺と、冠動脈バイパス手術と、脳動脈瘤クリッピング手術ということになりますが、やはり公立・公的による提供が多いという構想区域がある一方で、一定の場合に関しては民間との共存というところがありますし、民間のみで提供されている構想区域もある。
冠動脈バイパス手術ですとか、脳動脈瘤クリッピング手術につきましては、そもそも半数以上の構想区域では提供されていないということで、一定の集約化が行われているのではないかと推測されるということであります。
前回の構成員の御指摘を踏まえまして、競合のパターンというものが幾つか考えられると思いまして、分析の提示ということで4パターンですね。実際の構想区域、匿名になっていますけれども、平成29年の病床機能報告を参考に掲示をしているものでございます。特に症例数が多い胃、結腸、直腸という消化器のところに着目をして競合パターンを見ていますけれども、乳腺や冠動脈、脳動脈も同じような状況が見てとれるのではないかと考えています。
11ページですが、競合パターンの1つ目として考えられるものですけれども、公的病院と民間病院のそれぞれが1カ所程度あるというところになりまして、月間15例ということで公立・公的と民間の競合状況が見られるというのが1点ございます。
このパターンマル1ですが、文字には示しておりませんけれども、消化器手術の一番左のところ、左から4つ目の病院については公立・公的でありますが、結果の症例数がトップのところが3分の1程度ということで少ないというところが存在しているところであります。
パターンマル2でございますけれども、12ページをごらんください。こちらは、人口110万程度の大きな都市で構想区域になっていますけれども、医療機関数がかなり多いということで、左下をごらんいただきますと10以上の病院が消化器の悪性腫瘍手術を提供しているということであります。
最初の8程度につきましては公立・公的病院ということで並んでいるんですけれども、同じような件数の医療機関が多数存在するというところであります。その次に民間病院が4つほど並んでいまして、さらにその右に公立・公的病院が4件ほどございますけれども、症例数としましては3件程度ということで、トップ病院の8分の1とか、そのような形になっています。
ほかの臓器を見ても、大なり小なり同じような状況があるということでございまして、医療機関が多数存在する競合のパターンということでございます。
13ページをごらんいただきますと、こちらも人口としましては28万人程度の構想区域でございますけれども、こちらに関しては公立・公的同士で同じような病院が存在するというのが消化器のパターンでございます。
乳腺を見ますと、1つは15件ぐらい、もう一つは半分ぐらいということになっていたり、脳動脈につきましては1~2例ぐらいの競合ということになっていますけれども、いずれも公的病院・公立病院同士の競合というパターンであります。
14ページでございますけれども、4つ目の競合のパターンになります。D構想区域は人口はやや大きい44万人ということでありますけれども、左下をごらんいただきますと、胃、結腸、直腸、悪性腫瘍手術の件数に関しては散在というか、複数の公立・公的病院の中でかなり少ない件数でばらついているという状況になっております。実績はいわば拡散しているような状況ということで、いずれの医療機関も実績は少ないということでございます。
こういうようなパターンということで、4つ今回提示をさせていただきましたので、15ページをごらんいただきたいんですけれども、今の4つのパターンをお示ししましたが、考えられる視点として下に3つほど提示をしております。
重複になりますが、もう一度申し上げますと、1つ目ですけれども、実績が一定数ある医療機関が複数存在しているというパターンがございます。この場合、公立・公的病院が地域の医療需要ですとか、それぞれの病院が診察している患者像を確認する必要があるのではないかと考えております。つまり、片方が重症を引き受けていて、片方は軽症というふうに患者像が違うということであれば、もちろんすみ分けということもあると考えています。
それらを見ますと、地域の民間医療機関では担うことはできないのか。そういうところに重点化されているのかどうかということを確認することができるのではないということを考えております。
もし仮にそこで重点化できていないという場合につきましては、地理的条件等を踏まえていただきまして、ダウンサイジングですとか再編というようなことを検討いただくということになるのではないかと思っています。
2つ目ですけれども、特に実施件数が低い公立・公的病院がいずれのパターンにも見られるということがわかってきています。この場合、どのように再編統合するのかということを考えていく必要があるのではないかと考えています。
3つ目ですけれども、ただし、それぞれの手術の状況だけを今回見ていますが、臓器によっても違うということもありますので、特定の手術とか臓器に着目するというのも非常に重要なんですけれども、手術以外の診療実績も含めて、病院の全体の機能のあり方というのも考えていただく必要があると考えております。
これらの中身につきまして16ページにまとめさせていただきましたけれども、「○」の3つとも、今までるる申し上げてきたことでございますけれども、最初の矢印のところに四角で3行ございますとおり、今後、具体的対応方針、公立・公的病院を中心につくっていただいたものを議論していく、検証していくということにおいて、それを一層深めるためには、手術実績の比較をまずしていただくということも有用ではないかということと、それのみならず手術以外の実績ですとか、構想区域の人口規模などを加味していただく。
後ほど、藤森参考人にも御説明いただこうと思っていますけれども、そういうようなことを加味して議論を深めるべきケースというのは全てではない。今回のデータを見ていただきますと、全て339の構想区域を一様に議論するというわけではなくて、どこを重点的に議論すべきかというところがわかるのではないかと考えていますので、そういうところで深めるケースを絞り込んでいくという御議論を、こちらの構想ワーキングで行っていければいいのかなと考えております。
17ページ以降は参考資料ということでございまして、こちらは手術の選択の経緯について述べているところでございます。
27ページ以降をごらんいただきたいんですけれども、今まで申し上げたスライドは27ページでいえば左側になりまして、公立・公的病院は一色、緑であらわしています。これをさらに細分化いたしまして、公立病院と公的病院等ということで分けさせていただいています。
それで、地域医療構想の議論の中では「公的病院等」の中に特定機能病院ですとか地域医療支援病院のような民間も入り得る類型が入っていますので、それも含めてということになりますが、3色に色分けをさせていただきました。
こちらをごらんいただいて、もう一度ごらんいただくことは28ページ以降可能というふうに考えていますけれども、例えば29ページなどをごらんいただきますと、内科に関しては公的だけというようなところはなかなかないんですけれども、整形とか外科に関しては公的のみで提供されている例も一定程度あるということが見てとれると思います。
30ページも同様でして、今まで公立・公的だけというふうに見られてきたところを細分化しますと、公立だけで提供されているところ、公的だけで提供されているというところが色分けになっているということでありますし、右側の民間と共存しているところについてもかなり入り乱れているというか、まざっているところですので今後検討が必要なのかなと考えています。
最後の32ページですけれども、先ほど申し上げた術式のところを公立と公的を色分けさせていただいておりますが、胃、結腸から脳動脈瘤クリッピングも、公立と公的での色分けというのはわかるんですけれども、下のほうですね。乳腺とか冠動脈、脳動脈というところにいきますと、若干、公的病院のほうがシェアが大きいように見えるというところがわかるかと思います。
御説明に関しては、以上でございます。御議論をよろしくお願いいたします。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明がありました資料1-2につきまして御質問、御意見等を承りたいと思います。
本多構成員、どうぞ。
○本多構成員 これを拝見させていただきましたけれども、全体の339は別として、このパターン分けされた15ページでしょうか。こういった例みたいなものは、やはり構想区域ごとに示していただいてやったほうが、より議論が進んでいくのではないかと思いますので、そういうことも御検討いただければと思います。
○尾形座長 ありがとうございます。
中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 これは、全構想区域ごとにパターン化したんですね。
○松本課長補佐 色分けは行いましたけれども、こちらの(ア)(イ)(ウ)(エ)の該当につきましては細かく行っておりませんので、今後行っていきたいと考えておりますが、色分けはいたしましたので、件数の状況としては把握できております。
○中川構成員 28ページ以降は、全構想区域を分析したのではないんですか。
○松本課長補佐 さようでございます。行いました。
○中川構成員 これは、このデータをそれぞれの構想区域に戻して、そして単月ではなくて通年にして議論してもらえばいいわけですよね。そうでしょう。
通年にすると、この結果とちょっと違うデータが出るかもしれないということだと思うんですが、この15ページのパターンを4つに分けたのはもっといろいろなパターンがあるかもしれないけれども、例えばどういうふうに考えるべきかというと、15ページのパターン、最初の(ア)というものですね。(ア)というものの公立・公的の緑の右側の2つですが、これは存在価値があるのか。言い方は非常に語弊がありますけれども、公立・公的医療機関でなければ担えない機能ではないと思います。それと、(ア)のところの左の2つの民間と公立・公的が対等にやっている。対等にやった場合は、公立・公的でなければ担えない機能と言えるのかという問題が出てきます。
ここなのですよ。例えばパターン(ウ)のところ、これはしっかり公立・公的でなければできないというふうに、調整会議の中でそういう結論になるんだろうとは思いますけれども、一番は(ア)のパターンですね。それと、(イ)のパターンもいろいろな議論が出ます。
厳密にいうと、(ア)も(イ)も公立・公的でなければ担えないとは言えないと思うんですが、これは小熊先生いかがでしょうか。
○小熊構成員 今、中川先生がおっしゃったように、公と民で同じような症例数があるというのは現実だと思うんですが、ただ、それで私が思うのは地域性の問題が1つと、それから患者さんの状態像が、例えば同じ病態の患者さんが同じ数だけいるというふうに考えるのはちょっと早計ではないか。
例えば、こういう言い方をしたら語弊があるかもしれませんが、比較的、手間暇のかかるいろいろな病気を持った人が、同じある限定した疾患についてだけ見るとこうだけれども、そこで患者像によってえり分けされているのかもしれない。それから、地域の住民がどこが便利かというようなことで、こういう動きが出ているのかもしれないんじゃないか。
それで言いますと、競合なのか、本当に競合しているのか、すみ分けをしているのか、このお示しいただいた指標だけでは判断できないんじゃないかというふうに私は思っているんです。
○中川構成員 小熊先生がおっしゃるとおりだと思いますが、そこでやはり繰り返しますが、調整会議が一番現場に近いので、すみ分けしているのか、競合しているのかは肌で感じられると思うのです。
しかし、このパターン(ア)のところで左の2本の棒が、例えば公の棒と黄色の民の棒が数はほとんど同じだけれども、状態像が違うのではないか。例えば、公のほうは同じ術式でも難しい症例が多くて、民のほうがそうでもない症例が多いのではないかという意味でおっしゃっているんですね。
現場感覚として、私はそんなことはないのではないかと思っているんです。患者さんから見ると、同じ術式を受ける場合に、自分の病態が難しいからということではなくて、やはり難易度にかかわらず、何々の手術をしてもらうというときには能力のあるほうにいくと思うんです。ですから、公のほうの棒グラフも、比較的状態がよくて難易度が低い同じ術式の患者もたくさん集まるというふうに私は現場感覚としては思います。
先生の病院をイメージしているわけですけれども、そんなに難しくない患者もたくさん集まると思うのです。そういうことで、それこそ調整会議で精査していただきたい。そういう意味でも、調整会議の機能を発揮してほしいなと思います。
○尾形座長 小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 先生のおっしゃる意味もよくわかるんです。
ただ、これが本当に競合しているのかどうかということを判断する資料には、ちょっとこれだけではできないんじゃないかというふうに私は思うんですけれども。
○中川構成員 それで、問題はパターン(イ)(ウ)のところの右側にあるほうの公です。特に公立病院で、これは私は存在価値という言葉を使うと何か怒られそうなのであれですけれども、そんなに機能を発揮していないのではないか。民で十分にやれるのではないかというふうに思います。
○尾形座長 ほかはいかがでしょうか。
本多構成員、どうぞ。
○本多構成員 今、先生方のお話を聞かせていただいて思ったんですけれども、やはりこれを構想区域で出していただいて、今みたいな議論をしていただくことが非常に重要なのかなと思いますし、確かにここのパターンだけで議論は私もできないと思いますし、パターンの(ウ)にしても、そこの地域の端と端にあるとか、立地の条件とか、アクセスの関係などもやはり見ていくべきだと思いますけれども、いろいろ議論していく際にはこういった判断材料が出てこないと、やはりそこの地域住民としてもなかなか御意見も申し上げられないという部分はありますし、私なども最近の動向を見ていますと、人口が減少していく中で、地方などはすごい人口減少が激しくなっている。
これまでも先生方の議論の中で、公的病院などはやはり補助金なり、そういった公的なお金が入っているということを考えますと、状況によっては本当にそういった2つの病院が近くで必要なのかどうか。住民税がそういった赤字補填に使われているとか、そういう問題などもいろいろ出てくるかと思いますので、やはりいろいろなそういった材料を出していただいて、地域住民もわかりやすい形で議論を進めていくということが非常に大事なのかなと思っておりますので、そういった観点から出せる材料は地域ごとにやはり出していただくことが重要だと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 今お話がありましたように、調整会議でいろいろ本当にお話いただくのが一番だと思うんですが、中川先生が言われましたように、パターン(ア)の右側の少ないところ、(ウ)の右側の少ないところ、これはどうしたらいいのかということは非常に大事な問題だと思います。
それから、(イ)と(エ)のように少数ずつやっているところを今後どうするのかという問題もやはり大事なんだろうと思います。
ただ、こういったところの公的は再編統合というのも当然考えてしかるべきというふうにも思われますけれども、では、先生、これは民間で少ないのは残すんですか。民間は統合したりできないから、そのまま少数例でも残すということでしょうか。
○中川構成員 民間は、また話が大分戻りますけれども、特に公に私が厳しいのは特例交付金が入っているからです。それに尽きます。そういうことを言っているのです。平等の土俵にいないのです。交付金、税金が投入されていて、かつ税制優遇があってという医療機関と、税制優遇もないし税金も投入されていない医療機関が同じ機能を果たしていれば、前者ほうがやはりこれは引くべきだろうというのが一貫した主張ですので、それに基づいて言っています。
ですから、このパターンの(イ)とか(ウ)とか(エ)の右側のほうは、民間はこういうふうに少なければ、これは患者さんが選ばない民間ですので、これは自然と結果として何もしなくても収れんしてゆくということになるんだろうと思います。
ただし、公のほうは自治体が首長さんを中心に守りますから、守るインセンティブがあるんだと私は思っているんです。後で総務省の方に質問したいと思っているのですが、この首長が必死で守る公立病院、一体何が背景にあるのかがやはり大事な論点だと思っています。
○尾形座長 小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 今、先生のお話を聞いて、私は効率性の面から言うと、こういう民間といえども小さいところ、やらないところは効率性は悪いのではないかなと思ったから御質問したんですが、先生が言われたように自然に淘汰されていくだろうという考えに立てば理解できるということで、公の場合は先生のおっしゃっている再編統合をしっかり考えろというのは、それも十分理解できると思います。
○尾形座長 織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 私も同じ考えなんですけれども、実際に公はやはり繰入金とか赤字補填が地方交付税も使って行われているということですから、これは明らかに土俵が違うわけですね。そういう意味で、これはパターンとして出してあるのは手術件数ですけれども、特に手術に関してはもうしなくてもいいんじゃないか。
例えば、救急医療云々の病床云々に関しては、少し僻地だったりするとどうしても条件的にとっておかなくちゃいけなかったりとかあるんですけれども、手術の競合ですから、それを考えると同じ構想区域の中で手術に関しても、このように明らかに差がついている場合は、公的病院はやはり縮小も含めて考えていかなければいけないのではないかと思います。
○尾形座長 ほかはいかがでしょうか。
中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 今の議論は1つの術式について言っているので、全ての外科分野とか、いろいろな内科の化学療法も含めて議論しているわけではないので、それはちょっとはっきりさせておきたいと思います。
公立病院の先生方と議論するときに、ではそれだけやっていってどうなのか。公立病院としての全体の医療があって、それで経営をしていて、その中でどの術式が多い、少ないということなので、公立・公的病院でなければ担えない機能に特化しなさいといっても、それは経営ができないからどう考えたらいいんだという大問題が残ります。それは、そのとおりだと思います。
そこで、公立病院に関しては大改革が必要なんだろう。わかりやすく言うと、競合しているところは大幅なダウンサイジングをやっていくことになるのだろうと思います。
○尾形座長 よろしいですか。
小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 私自身も、別に公立病院がダウンサイジングしたり、再編統合して効率性を求めるというのは、趣旨としては正論だろうと思っております。
ただ、実際には地域で本当にどうなっているのかということを現場で協議していただくというのが大事なのと、それから疾患によっては本当に緊急性のある、例えば脳疾患とか、心臓の心筋梗塞のときのPCIとか、そういった緊急性の高いものと、それから手術のようにある程度時間を待てるものと、そういった違いも非常に重要になってくるんだろうと思いますので、今回お示しいただいたデータが本当にこれで十分だとはちょっと考えられないので、もう少し細かいそういったデータがあればと思っているところです。
○尾形座長 織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 確かに、待てない急性期に関しては、構想区域の広さにもよりけりなんでしょうけれども、狭いところはある程度収れんさせていいと思うんですね。
ただ、1時間ぐらいかかっちゃうというぐらいのところであれば、そこら辺はやはり考える余地が出てくるのかなと思います。
○尾形座長 よろしいでしょうか。
伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 ただいま御議論いただいたように税の問題、特に運営費繰り入れに関しての論点ということになりますと、公立病院と公的病院は多少の違いがあるので、ここは何らかの形で区別する必要があるのではないかと思うのが1点です。
それから、先ほどこういうデータを出しながら、現場で地域医療構想調整会議の中で議論を進めてはというお話がありますが、これは過去何回も議論されておりますが、現場で話をすることはとても難しい。それは、急性期から療養、回復期へ移っていく患者さんの流れによって民間病院と公立病院の関係性が成り立っているので、そこのところをネガティブなお話をするのは難しいという点があります。したがって指標をもっともっとたくさん出していただいて、みずからがその立ち位置、公立病院の立ち位置というものを御理解いただくようなシステムが必要ではないかと思います。
○尾形座長 織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 今おっしゃったように、公的病院と公立病院はやはりちょっと違いますね。そういう意味で、そこら辺も含めてディスクロージャーしていく必要があるのではないか。だから、単に疾病だ云々だというだけではなくて、いろいろなそういうことも含めたことになっていくのではないかと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。いろいろな御意見を承りました。
15ページのパターン、これは手術件数に着目した1つの試みということだろうと思いますが、やはりこういうパターン化することによって地域の特性がある程度、明らかになっていくのだろうと思いますし、いろいろ御意見があったように、構想区域での議論をさらに活性化するためにはこういったことが必要だろうと思いますが、さらにやはりこれを補足するようなデータも必要になってくるんじゃないかと思います。
きょういただいた御意見も踏まえまして、事務局においては引き続き診療実績における公立・公的医療機関等と民間医療機関の状況等について、さらに分析をお願いしたいと思います。
どうぞ。
○織田構成員 申しわけありません。資料の1-2の28ページです。これを見ますと、回復期機能ということで比較的、公立病院が何病院かありますね。これは、どういうふうな構想区域になるのでしょうか。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○松本課長補佐 今、織田構成員が御指摘なのは、回復期機能を選択している病棟が公民で両方あるようなところはどういうところが多いのかという御指摘ですね。それは、人口規模のパターンとかということをおっしゃっているんだと思うんですけれども、今、一概に申し上げられないので、次回以降、必要に応じてどういうところが回復期で、競合じゃないですけれども、共存というのは見られるのかというところは必要に応じて詳しくお出ししていきたいと思います。
○中川構成員 今のことと関連するのですが、同じく28ページの回復期のところで、民間と公立・公的が非常に競合していますよね。これで、どういう病棟なのか。リハビリなのか、地域包括ケア病棟なのか、この実態をぜひ知りたいですね。
それと、ほとんど大部分のところが、回復期機能はどう見ても公民で競合していますよね。特に、公立病院が経営改善のために回復期病棟を導入したとすれば、これは競合の典型的なパターンだと思うんです。この辺のところも、明らかにしていってほしいと思います。
○尾形座長 この辺については次回以降、補足のデータを用意していただければと思います。
それでは、先に進みたいと思います。次は資料の1-3でございますが、これにつきましては藤森参考人のほうから御説明をお願いします。
○藤森参考人 東北大学の藤森でございます。きょうは、お時間をいただきまして「構想区域の類型化について」の御説明をさせていただきます。資料1-3でございます。よろしくお願いします。
私は宮城県の地域医療構想の策定の座長を務めさせていただいて、現在アドバイザーをさせていただいているところで、昨日も仙台の調整会議がございまして、なかなかやはり深い議論にはなっていかないところがありましたので、もう一歩、何か議論の活性化のためにということで考えさせていただいています。
おめくりいただいて、まず「構想区域を類型化する意義等」について述べさせていただきます。当然ながら「構想区域ごとの事情」は非常にあるわけでありますし、どうしても自分たちの圏域、あるいは都道府県内だけの議論で終わってしまいますので、似たような類型の構想区域というものを見つけ出して、そこの進捗具合を参考にしていくということがよろしいのではないかと考えております。
2ページ目になりますけれども、特にこの公的・公立病院等の役割の見直しを行う際の基準としてもう少し明確になればいいのかなということで、まず類型化というものができるか、できないかということをちょっと考えてみたところでございます。
めくっていただきまして3ページ目になりますけれども、要素としましてはその地域の地理的な、あるいは社会的な要件というものもあるだろう。そして、どのような医療が提供されているのかという提供体制という要素があるだろうと思います。
「地理的・社会的」な要素としましては、囲みの左側ですけれども、人口、面積、高齢化率等がございますし、提供体制としましては医療機関数を初めとして、対人口50万人当たりの医師数から、いろいろな要件があるだろうということでございます。
まず、構想区域の医療提供体制というのはその時々で変わっていくものかもしれませんけれども、「地理的・社会的」な要素というのは比較的タイトなものですので、まずこの「地理的・社会的」に要素の類型化というものを考えてみたということで、4ページでございます。
いろいろなファクターが考えられるわけですけれども、なるべくシンプルにいこうということで、まず人口と面積と高齢化率、この3要素の関係を見ていって、もし関係が強ければさらにそれを絞っていこうということで見ていきました。
5ページ目が、使わせていただいたデータを示しているものでございます。
6ページにいきまして、まず人口と高齢化率の関係でございますけれども、横軸に構想区域の人口、縦軸に高齢化率をとっていますが、これはマイナスの相関、負の相関ということで比較的強い相関がありますので、人口と高齢化率はかなりタイトにリンクしているんだろうということがここで見てとれるかと思います。
一方、7ページ目をめくっていただきますと、人口と面積というのはそんなに強い関係がないということで、ここは異なるファクターとして見ていったほうがいいのだろうということであります。
ですから、8ページ目で要素としましては、まずは人口規模、そしてこの面積という2つを要素として取り込んでいこうと考えました。
10ページ目から提供体制を少し見ているところですけれども、10ページ目のグラフは横軸に人口、縦軸に病床数ということで示しています。これは非常に強い関係がありまして、当然ながら人口が多ければ病床数が多いという関係になるわけでございます。
医師数も同じように11ページでございますけれども、医療施設で従事している医師数と、人口ですね。ここも非常に強い関係があって相関係数が0.89ということですので、若干ばらけているところもありますけれども、このような関係にある。
そして、12ページに人口と人口当たりの病床数というものをとってみました。これは、人口規模が大きくなってくるとだんだん収束してくるんですけれども、人口規模の小さいところだとかなりばらけてくる形になるのかなと思います。
ちなみに、この病床数は一般病床プラス療養病床ということでございます。
そういうことで、まず13ページにありますけれども、「地理的・社会的」な要素として「人口+面積」でいこうということでございます。
そして、14ページになりまして、では何区分に分けるかということです。余り細かくても使いにくかろうということで、まず人口規模に関しては10万人未満、10万~20万、20万~50万、50万以上という4区分で、ちなみに10万人未満が構想区域でいうと80構想区域ございます。10万~20万が77、20万~50万が102構想区域、50万以上が80区域ということで、まあまあいいバランスの区域になるのかなと思います。
それで、それぞれの面積の中央値が下に書かれていますけれども、それより大きい、小さいで大小を類型化してみた。
ただ、一方、この人口が50万以上になっていきますと、実は余り面積は効いてこなくなりますので、実際には7区分ぐらいでいいのかなと思っているところでございます。
15ページに、今回本当に限定されたものしか見ていないんですけれども、病床数は今回、高度急性期と急性期の病床数ということで検討しております。そして、救急車の受け入れ台数、全身麻酔、ステントの留置術ということで、全てを網羅できているわけではないんですが、限定的なもので、ちなみに救急車は年間、全身麻酔とステントは6月の実績ということになります。
今後、グラフが出てくるんですけれども、グラフの下に黄色い丸印がついているのは公立・公的病院等で、済みません。「等」を落としましたけれども、そういうことで特定機能病院や地域支援病院も入っている。民間病院も中には含まれているというふうに御理解ください。
まず、17ページ目から、人口10万人未満の医療機関はほぼ集約がかかっている形になりますので、今回10万人からお示ししますけれども、まず17ページで10万~20万ですが、面積の小さいところで京都府の山城南の地域ですが、ここは高度急性期+急性期で届け出ている医療機関が2つございまして、1つが公的等、1つが民間でございますけれども、公的が救急車の台数も手術件数もPCIもかなり扱っているということで、一定程度、公的に関しては集約されている。集約というか、1つしかないということです。
こういう地域もあれば、その次の18ページにございますように、これは熊本の八代でございますけれども、同じような人口規模なのですが、公的が2つあって、ほぼ同じような同程度の医療提供をしているというような地域もございました。
めくっていただきまして、ちょっと飛びますけれども、21ページから今度は10万~20万で、面積の少し大きな地域で、これは宮城県の仙南地域ということでございますが、人口17万で面積は1,500キロ平米ということで広い地域なんですけれども、医療機関が7つ、高度急性期+急性期、手を挙げておりまして、2つ大きな公的と、2つ小さな公的があるということで、かなり症例数がばらけ始めている。面積が少し大きくなってくると、こういうことが見られるところが出てまいります。
一方、22ページは延岡の西臼杵、これは宮崎県でございますけれども、面積の大きいとろですが、公的が2つございまして、1つにかなり集約がかかっているということで、一定程度集約がされている。そういう地域も見受けられるということで、この切り分けが割とパターン分類としては使えるのかなと思っています。
24ページ以降は、人口50万という比較的大きな中核市場のエリアになりますけれども、ここは面積は余り効いてきませんので人口規模だけで示しております。
25ページは沖縄の中部でございますけれども、人口が51万ございまして、公的が4つございまして、全身麻酔を見ていただいても横並びとは言いませんが、それなりにお互いがシェアを持っているなというのが見えてくるということでございます。
26ページが埼玉県の北部、ここは民間が多いところでございますけれども、公立・公的と2つございまして、全身麻酔を見ていただくとほぼ均衡している。このようなエリアも見えてまいっているところでございます。
27ページは長崎の医療圏でございまして、人口53万4000でございますけれども、病床数はかなり公的でも差があるんですが、救急車の受け入れ台数、あるいは全身麻酔を見てみると1つ飛び抜けたところがあって、2番手以降はほぼ横並びという分布を示すような地域もあったということでございました。
ちょっと飛ばしていただいて、29ページにまず類型化の中のまとめということを書かせていただきましたけれども、同じ類型、面積と人口での類型であっても、競合と考えられるケースもあれば、競合はもう既に収束しているというエリアもあったのかなということでございますので、同じような類型化の中で競合の解消というものが参考になるのかもしれないということでございました。
30ページから、今までは見た目の主観的な判断でございましたけれども、何か数量的な指標を入れていけないかなということで2つ考えました。まず、その圏域の中で最も規模が大きい病院が持っているシェアというものを考えてみました。
そして、その分布の集中度、分散度といいましょうか、ジニ係数を応用したものでございますけれども、「医療資源分散指数」というものをちょっと考えてみたところで、どちらも数量化ができるというもので考えております。
31ページにこの分散指数の御説明をさせていただいておりますが、左下の図でいえば横軸に医療機関がそれぞれありまして、縦軸がそれの累積になるわけです。ですから、どの医療機関も全く同じ数をこなしていれば右肩上がりの直線になるわけですけれども、当然ながら若干、分布が下がれば、下にくぼんだような形になってくる。その下で囲まれた面積の部分がいわゆるジニ係数で、分散が大きいほど数が大きいほうがよかろうということで、それは逆に1から引かせていただきましたので、1がほぼ均等になっていて最も分散しているという形になりますし、ゼロに近づくほど集約が進んでいる。そういうふうに見ていただければよろしいかと思います。
ただ、ジニ係数は一般的かと思いますとちょっと弱点がございまして、これは医療機関数が少なくなってくると、どんなに集約がかかってもジニ係数は一定以上に下がらないとなりますので、医療機関の数の少ないところでジニ係数は使いにくい。この分散指数は使いにくいというところがありますので、そこはちょっとお含みおきをいただければと思います。
33ページにそのイメージが書いてございますけれども、左側のほうはかなり集約が進んでいるというところであれば、分散指数として0.4と、かなりゼロに近い低目の指数が出るわけですが、右にございますように、どの医療機関も同じような規模感であれば、この分散指数は0.848ということでかなり1に近づくということで分散しているということが見てとれるということです。少し医療機関数によるところがございますけれども、経時で推移を見ていく上では使える指標なのかなと思っております。
シェア率の説明は34ページに書かせていただいておりまして、最も大きな規模を持っているところの全体における割合をシェア率として書かせていただいているところです。その2つのシェア率と、分散指数ということを使わせていただいています。
36ページに人口規模、10万、20万、50万、50万以上と、面積の広い、狭いで8区分にしていますけれども、左側の規模感の小さいところは基本的には左上から右下に下がっていくような分布になりますので、シェアと分散指数は一定程度の逆相関になっているということが見てとれるかと思います。若干、外れ値はありますけれども、右側で規模感が大きくなってきますと余り関係が見られなくなってくるということではございます。
では、具体的に少し分析の結果をお示ししますけれども、38ページからがまず人口規模の小さいところ、10万~20万で面積が小さい。これは千葉県の安房の構想区域ですけれども、分散指数が0.39、シェアが0.715ということで、1つの公的がかなり大きなシェアを持たれている。
ただ、一方で非常に規模感の小さな公的病院も存在する。こんなようなエリアが見えてくるかなということでございますし、40ページにいきますと公的1つで高度急性期+急性期が賄われている。ここは甲賀でございますけれども、ここはもうシェア1ということで、ジニ係数は意味をなさないという区域もございました。
42ページになりますと、規模感が人口10万人~20万で、面積は小さいんですけれども、医療機関が多数存在していまして、トップの病院でも、病床数でいえば20%のシェアで、分散が0.62になりますけれども、ここもかなりばらけているということになって、しかもかなり右側のほうに存在する公的も出てくるということが見てとれる。こういう構想区域もあったということです。
次に、45ページから今度は面積が大きいところですけれども、人口20万未満で、これは宮崎の延岡、西臼杵でございますが、1,550キロ平米と、かなり広大な医療圏の中に医療機関が散在しているところでございますけれども、1つの公的にかなり寄って既に集約がかかっているということで、これは分散指数だと0.44になりますので、一定程度集約がかかり始めているというふうに読むことができるかと思います。
一方、47ページで分散型のほうを示しますけれども、面積の大きなところで、これは宮崎の西都児湯という圏域になりますが、公的3つがまず病床においてはほぼ横並びで、ただ、全身麻酔は若干違いますけれども、分散指数でいうと0.83ということで、かなり分散をしているというエリアも見えてまいります。人口10万ですから、1年間の受け入れはトータルこの圏域で5,000ぐらいあっても構わないはずなんですけれども、900とか、300とか、かなり分散しているなということが見えてくる地域でございます。
次に、同じように面積の大きいところをもう一ついきますけれども、これは大仙・仙北、秋田県でございますが、1つの公的が全身麻酔、救急車とかなり頑張られているということで、シェア0.74、これは分散しますと0.77という形になりますけれども、やはり医療機関が少ないところは分散指数は余り使えなくてということでございますけれども、こういうふうに公的1つに集約がかかっているというところも見られてきてまいります。
一方、51ページからは分散型のほうで人口10万~20万でございますけれども、ここは公的が1つのエリアで、大分の北部なんですが、非常に力のある民間病院もたくさんございまして、分散指数としては0.78という形になりますし、トップの公的病院のシェアが12%、0.12ですので、かなりばらけている地域ということに見ることもできるかなと思います。
同じように、52ページのところからまとめさせていただいていますけれども、20万~50万で集約がかかっているところを御紹介しますが、55ページでございます。これは茨城の土浦の地域でございますけれども、公的が3つございますが、1つの公的にかなり寄っておりまして、シェアが0.62で分散指数が0.39ということになりまして、かなり集約が既にかかっているという医療圏域もございました。
同じように、57ページも一定程度シェアがかかっているというところで、これは愛知の西三河、南部東でございますけれども、1つの公的が救急車の受け入れ台数でも1万というような形で、非常に多くの救急車を受け入れられています。
一方、面積が小さくて分散型も当然ございまして、59ページでございます。これは愛媛の新居浜・西条でございますけれども、公的病院が5つございまして、トップが民間の病院でということになりますけれども、ここはかなり分散していて、分散指数でいうと0.55ということで、0.5を超えるという形で、かなり分散があるというような圏域も見られております。
61ページも同様で、これは新潟の県央でございますけれども、病床数でいえばかなり横並びでございますが、ただ、救急車の台数、全身麻酔は差が出てきますし、PCIに関しましては1施設ということですから、診療を絞ってくればかなり集約というか、また別のものが見えてくる部分もあろうかと思ってはおりました。
64ページは面積が大きいところで20万~50万でございまして、一定程度、集約がかかっているということで分散指数が0.43という地域もございましたし、66ページは23万と人口規模は大きいんですけれども、一定程度、面積は広いのですが、集約がかかっているという伊勢志摩のエリアもございます。
68ページは逆に分散型でございまして、これは岐阜の東濃でありますけれども、人口34万のモデルで、公的が5つあってかなりばらけていて、分散指数0.74という形になります。
同じように、70ページでございますけれども、福島の県北で公的が5つございますが、シェアトップで、民間でもシェアが0.17で、これを分散すると0.61になるんですけれども、かなり公的病院も含めて機能がばらけているというようなことも見てとれるかと思います。
71ページからはまとめまして提案させていただいてございますけれども、全ての構想区域を今回の例に倣って、まず人口と面積で類型化をした上でシェア率、あるいは分散指数というようなものも考え、もう少し追加があってもいいと思うんですけれども、まずその類型ごとにいろいろな視点で比較をしていくということはどうだろうかと考えております。
一方、競合というのも非常に定義が難しくて、単なる病床数だけではなくてやはり診療領域なり医療技術等々で、必ずしも競合ではなくてすみ分けているところもありますので、何をして競合と言うのかという定義が必要なんだろうと思っております。
最後に、公立・公的でなければ担えない医療機能というものもやはり重点化して、それを明確にしていく必要があるんだろうと考えています。
いずれにしても、72ページにございますように、役割の再確認というものがいろいろな視点から必要なんだろうと思っています。
一方、71ページから追加資料、補足でございますが、やはりこの地理的条件というのが非常に大事であって、同じ面積であってもその医療機関の所在が中心地にあるのか、そうでないかで当然ながらかなり医療へのアクセスが変わってくるわけで、特にこの待てない急性期に関してはかなり注意が必要だろうということで、72ページに待てない急性期を少しまとめさせていただきました。
いろいろなガイドラインがあるわけですけれども、心筋梗塞に関してはインターベンションまで考えて、搬送も考えますと、おおむね発症から60分以内に医療機関に到達できるというぐらいのことをまず基準としてはどうかと考えていますし、脳梗塞も同様におおむね60分以内でt-PA投与が可能な施設に到着できるかどうかというところが1つのポイントになるのかなということです。
ただ、あくまでも案でございますので、もっと違う時間枠というのも当然考えられるわけですけれども、60分で考えてみると最後の73ページ、これは国際医療福祉大学の石川ベンジャミン先生のお仕事なんですけれども、いわゆる運転時間というものを使って、その拠点となる病院からどこまで何分で行けますか、どれだけカバーできていますかということを示すものですけれども、これは宮城県の県北のほうにございます、石巻・登米・気仙沼医療圏という非常に縦長の医療圏なんですが、一番南側に石巻赤十字病院があって、一番北側に気仙沼市民病院という2つの急性期の病院がこのエリアにございます。
石巻日赤のほうが規模が大きいのですが、石巻日赤から見て濃い緑が15分、薄い緑が30分、オレンジが60分、赤が90分ですから、気仙沼まで90分では行けないエリアになります。
ですから、これは待てない急性期に関して言えば、やはりこのように基幹病院の所在が圏域の端にあるような場合、やはりカウンターとして反対側に一定程度の規模の病院というのは必要なんだろうと思います。
単に面積、人口だけではなくて、こういうアクセスというものも考えていって、そして待てるもの、待てないものを考えて類型化をしていくことが必要なのではないかと思った次第です。以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明がありました資料1-3につきまして御質問、御意見等を賜りたいと思います。
本多構成員、どうぞ。
○本多構成員 先ほどともちょっと関連しますけれども、私ども健保組合も実は調整会議のほうに幾つか全国的に出させていただいております。そういった構成員の方からいろいろ寄せられるんですけれども、なかなか発言がしづらいということもあるのですが、そういった似通ったようなところの地域の情報はどうなっているのか、そういうことを教えてほしいという声が、私ども本部のほうにも寄せられております。
そういった観点からも、やはり一定のそういった類型化したものを構想区域ごとに出していただく。そうしていただかないと、なかなか地域住民もそういった議論に加われませんし、今、先生に詳細な説明をいただきましたけれども、最後のページにあるように、地理的条件とか、そういったことも非常に重要になってきますので、先ほど言ったような単なる数値の比較だけではなくて、地域の特性に応じて議論できるような材料はやはり出していただければと思いますので、御検討いただきたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 今度から県で調整会議をするということになりましたけれども、実際に構想区域だけ見てしまうと、多分、端にあったら隣の構想区域にはすぐ基幹病院があるというようなこともありますので、やはり構想区域内だけではなくて、特に待てない急性期などは構想区域を超えて県の調整会議等で話すのが一番いいんだろうと思います。
○尾形座長 ありがとうございます。
中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 藤森先生にお聞きしますが、14ページで人口が少ないほうが面積が広いんですか。これは、全国平均したのですか。
○藤森参考人 これは全国平均値ですので、当然分布としてはかなりばらけてくるのですが、平均値とするとこのあたりになります。
○中川構成員 普通に考えて、人口が少ないほうが面積が広いというのはどう考えても変でしょう。なぜかというと、北海道みたいなところを入れているから引っ張っているのですよ。だから、はっきりいってこの分析は意味がない。
それと、人口と面積を類型化して、似たようなところで何か参考になればというけれども、参考にはならないという議論をさんざんしてきたんです。本多構成員が言ったとおりなのです。人口と面積が同じでも、構想区域で全く違うのです。ですから、根本的に私はこのアプローチは違うと思います。全く失礼な言い方をしますけれども、ちょっと見直したほうがいいような気がします。
先生は、地域医療構想のアドバイザーですよね。宮城県のアドバイザーの立場で、こういうふうにお考えになっているとちょっと危険かなと思います。ぜひ御一考いただければと思います。
○尾形座長 ほかはいかがでしょうか。
小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 私は、藤森先生のいろいろな指標というか、これを表に出していただくと、シェア率とか、分散率とか、それはやはり地域にとって一つのデータとして、先ほどの厚労省がつくられたデータと一緒に出ると話はしやすくなるのかなと思って聞いておりました。
ただ、問題は、先ほど言いましたように、待てる病気と待てない病気というのと、やはり地理的関係があるということと、もう一つは公立・公的といっても設立母体がかなり違う場合があって、それを例えばこういう分散の仕方とかシェア率を見ていると、ここは要らないからどこかと合併したら、再編統合したらどうですかといっても、設立母体が違うところの協議というのは簡単には進まないんです。
調整会議でそういう話になったとして、それがそういう再編統合にすぐ結びついていくかというと、効率性の面からはそれが望ましいと私は思いますけれども、やはり組織というものの設立母体が違うと話が進まないということも1つは考えに入れなければいけないんじゃないだろうかというふうに今お話を聞いていて思っていました。
○尾形座長 中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 小熊先生の言うとおりでして、一つ一つの区域を分析することは重要です。この藤森先生の仕事は、構想区域にとっては参考になります。
ただ、全国を類型化して議論するということについては違うということを申し上げたんです。
○尾形座長 事務局、どうぞ。
○松本課長補佐 今、るる御議論をいただいているところで、1-2と合わせてだと思うんですけれども、今いただいている御指摘は、要は一個一個の構想区域の中を分析するということと、何かをまとめてグループ化して、そこに何か一つのものを適用するというのは違うんじゃないかということで、そこは分けて議論するということで、1-2の流れですけれども、構想区域の中の分析には使えるが、ほかの違うものを一緒くたにするのはどうなんだという議論と理解をしているところでございます。
○尾形座長 ありがとうございます。
本多構成員、どうぞ。
○本多構成員 そもそも、私もこの339の構想区域の区分けそのものがいいのかというのは非常に疑問に思っているところがありまして、以前も出たんですけれども、沖ノ島とか大阪市などと全く規模が違うようなところがありますし、本来はそういうところから考え直したほうがいいのかもしれませんけれども、ただ、藤森先生が分析していただいた全てのパーツには当てはまらないとは思うのですが、一定のそういった材料を出していただいて、また違う切り口の材料もあるかと思いますし、まさにそこは地域で御判断いただく材料がないとやはり議論は活性化しないと思いますので、今できる中である程度使えそうなものについてはできるだけ出していただくという方向で御検討いただければと思います。
○尾形座長 ほかは、いかがでしょうか。
織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 今、小熊構成員からお話がありましたように、これは官公立でも開設母体が違うと同じ構想区域にあっても全く話ができないということですね。どういうふうに、そこら辺の公的・公立は話を進めていったらいいのか。
というのは、開設母体が違うものを統合したり、ダウンサイジングしたりというのは、ではどこがどういうふうに影響するのか。そこら辺が私はちょっとわからないんですけれども、教えていただけますか。
○尾形座長 小熊構成員、どうぞ。
○小熊構成員 私自身も先生の御質問に答えるデータといいましょうか、何も持っていないんですけれども、ただ、自治体病院同士の場合を考えますと、自治体病院の一方が8くらいで、片方が2くらいの能力があるとすると、大体は統合の話をすると、よほど変な首長でない限りはそういう方向性をもって話し合えると思うんですけれども、6対4くらいになりますと市と市のそれぞれの住民の思いが入ってきまして、自治体病院の統合といってもそう簡単にはいかない。
ましてや、設立母体の違うところは、私の見聞きしている数少ない地域ではなかなか話が簡単には進んでいかない。成立するまでに10年単位のスパンが必要だというふうに理解しておりますけれども、先生に答えるすべを持っておりません。
○織田構成員 そこら辺から切り込んでいかないといけないのかなと思って、ちょっと聞きましたけれども。
○尾形座長 中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 同じ構想区域内でも公立・公的があって、もう一つ踏み込んで言えばどんな医師が管理者なのかなのです。設立母体は同じでも全然違いますから、岡留先生のような物のわかる人と、全く違う人と、ちょっと語弊がありますが、首長さんで首根っこを押さえられる人と、そういう絡みの人と全く違うので、繰り返しますけれども、構想区域ごとの調整会議で独自の議論をするしかないと思います。
これは、言ってしまったら身もふたもないですけれども、実際はそうですから、無理な議論を無理につくらなくてもいいような気がしています。
○尾形座長 岡留構成員、どうぞ。
○岡留構成員 今、中川構成員がおっしゃったとおりで、私たち病院団体、四病協としては、二次医療圏がそもそも地域医療構想にイコールなのかという疑問をいつも持っているのですが、やはり個々の地域性というか、調整会議の内容のそれぞれが全く変わっていく場合があるんです。
ですから、きょう藤森先生は類型化と簡単におっしゃいましたけれども、これを当てはめていくと、それぞれのところで矛盾点が噴き出してくる可能性が非常に高い。私は、中川構成員が今おっしゃったようなことに賛成するのですが、恐らく近いうちに各病院団体のヒアリングがありますよね。そのときにいろいろな開設主体別の考え方とか、そういうものを参考にされたらどうか。それも参考になるんじゃないか。織田構成員のお話にも通じますけれども、そういうプロセスをとっていかれたらどうかと思っています。以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、私からちょっと藤森構成員に御質問させていただきますが、71ページの「今後の検討への提案」の5つ目の最後の「・」です。「ほかにも公立・公的病院等が公立・公的でなければ担えない機能に重点化しているかを明確にするための分析が必要である。」というふうに書かれて、そのとおりだと思うのですが、具体的にはどんな分析が考えられるのでしょうか。
○藤森参考人 やはり公立・公的ですので、一番期待されているところはセーフティーネットとしての医療、そのベースということで、特に待てない急性期というもののその地域での保障というのは大事だと思っております。
もう一つは、その対極に恐らく不採算の医療というものがあるだろうとは思うのですが、そこはかなり公的医療機関も頑張られているところだと思いますので、やはり待てない急性期を地域での安心のために、もし公的病院が一定程度、既に担われているのであれば、さらにそこの機能を上げていくということが必要なんだろうと思ってはおります。
○尾形座長 ありがとうございました。
中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 私がすごく違和感を覚えるのは、急を要する急性期は公立・公的しかできないというように聞こえるんです。それが違うんです。東北地方というか、宮城県はそうかもしれません。公立・公的が非常に多いのでそうなっているかもしれませんけれども、全国的には違うのです。違うところがたくさんあるのです。むしろそちらのほうが多いくらいなのです。だから、そういうことで全国を類型化するのは危険だと申し上げているのです。
○尾形座長 そのほか、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、本日いただきましたいろいろな御意見も参考にしながら、事務局においては構想区域の類型化という問題についてさらに検討を深めていただきたいと思います。
藤森参考人、どうもありがとうございました。
続いて、本日の2つ目の議題に進みたいと思います。「医療機器の効率的な活用等について」でございます。資料2の説明を、事務局からお願いします。
○松本課長補佐 資料2でございますけれども、「医療機器の効率的な活用等について」ということで、背景から御説明をさせていただきたいと思います。
2ページをごらんいただきたいんですけれども、もとは医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会の中で、外来医療の検討をしているところで、一番の下の「○」をごらんいただきたいのですが、医療設備・機器等の共同利用等の充実が必要な外来機能ということで協議をしていくということで、3行目に、協議をして地域ごとに方針を決定するというようなことが決められています。
こちらですけれども、3ページは医療部会のほうにそこから出ていった資料になりますが、外来医療という中で(3)の下のほうに「医療設備・機器等の共同利用」というふうに書いてありますけれども、基本的な考え方として(1)(2)(3)とございますが、情報の可視化と、情報提供と、外来医療に関する協議の場ということで、こちらは地域医療構想調整会議を想定しておりますけれども、そういう中で話し合いをしていただいて共同利用を進めていきましょうというようなことを決めていたということであります。
並行して4ページでございますけれども、経済財政運営と改革の基本方針ということで、こちらはいわゆる骨太の方針ですが、共同利用の一層の推進ということが政府の方針としてうたわれているということでございます。
それらに基づきまして5ページでございますが、昨年の通常国会で成立いたしました医療法の改正というところで明確になっております。それで、こちらの法改正の施行がことしの4月1日までということになってございますので、詳細を詰めるに当たりまして一度こちらで御議論いただきたいということでございます。
物としましては5ページにありますように、医療計画の中に外来医療に係る医療提供体制の確保というところがございますけれども、一番下に、この中の一部に設備、器械、器具の効率的な活用に関する事項ということで入っているところでございます。
その他、国内の状況でございますけれども、6ページをごらんいただきます。こちらは医療施設調査による医療機器の保有の状況でございますけれども、ごらんいただきますと、医療施設調査ではCT、MRIに加えましてマンモグラフィ、リニアック、IMRT、PET、ガンマナイフ・サイバーナイフ等が把握できるというような状況になってございます。いずれも、マルチスライスCTが最も保有されている医療機器ということになっております。
7ページ以降でございますけれども、7ページはCT及びMRIの人口10万人当たりの保有状況でございますが、都道府県によってかなりばらつきがあるということでございます。CT、MRIは比較的どの都道府県でも増加傾向にあるということでわかりやすいんですけれども、8ページ以降、PET/PET-CTにつきまして一定の傾向は見られないということでございます。
おめくりいただきまして、9ページがマンモグラフィでございますけれども、少し分布としては見た目ですが、CTに似ているかなというところでございますが、配置状況はやはり地域差があるということでございます。
10ページがリニアックで、11ページがガンマナイフということで配置状況をお示ししてございます。
続きまして12ページですけれども、こちらはCT、MRIのみのページになっておりますが、二次医療圏別に台数と1台当たりの検査数の関係、つまり横軸が人口10万人当たりの機器の台数、縦軸が1台当たりの検査数ということになりますけれども、人口当たりの台数が多くなってくると1台当たりの件数は下がっていくという強い負の相関があるということで、稼働が悪くなるというような状況でございます。
こちらは参考情報でしたけれども、13ページにこの法改正の施行の中身の持っていき方につきまして基本的な考え方をお示ししているのですが、【基本的な考え方】のところの1つ目の「○」ですけれども、情報の可視化と情報提供をしていくということで、地域において協議をしていくということが基本的な流れになると思っています。地域ごとの状況について、人口10万人対ということで容易に可視化されているんですけれども、人口10万人ですと高齢化の状況等はわかりませんので、もう少しわかりやすい指標をつくるのがいいんじゃないかということで、14ページ以降で少し詳しい議論をしております。
この可視化のところでございますけれども、15ページでございます。共同利用の推進のために少し可視化をしてはどうかということで、下に【基本的な考え方】を掲げておりますけれども、地域ごとのばらつきということを考えまして、地域の配置状況を可視化するということで、人口10万人対というよりは、下にございますように性、年齢ごとにニーズが異なるので、それを調整するというようなことを御提案しています。
具体的に何を申し上げているかといいますと、16ページでございますが、こちらは1がCT、MRIの人口10万人当たりの撮影件数になります。こちらを見ていただきますと、CTについてもMRIについても大きな年齢による頻度の差がございますので、要は高齢化が進んでいるところは同じ人口10万でもニーズが大きいということであります。CTにつきましては男女差もございますので、こちらも調整を行っていってはどうかと考えております。都道府県によって高齢化率が大きく異なりますので、そのあたりを調整するという指標のほうがいいのではないかということであります。
17ページを見ていただきますと、これはPETの撮影回数になりますけれども、男女差も大きいことながら年齢差も大きいというようなものでございます。
18ページはマンモグラフィですが、やはり年齢差があるというところであります。
19ページですけれども、上がリニアック、下がガンマナイフということで、大きな性、年齢の差がありますので、こちらも単なる人口10万対よりは調整を行ったほうがいいだろうというようなところでございます。
20ページは参考でございますけれども、稼働の状況を見ますと、全然CTを使っていない施設というのが一部あるということがわかってくるかと思います。
21ページでございますけれども、これらを踏まえまして、医療施設調査に基づきまして地域ごとに医療機器の台数を人口当たりにしたものを性、年齢構成ごとに異なる検査数で調整をしていくというようなことで、医療機器ごとにこういう調整人口当たりの台数というものを出していってはどうか。こちらを地元に提供しまして、協議の際の参考にしていただくということでございます。
それで、この情報提供の仕方についてですけれども、23ページにございますが、情報提供をして地域で協議をしていただくということになりますので、矢印の下をごらんいただきたいのですが、先ほどの調整人口当たりの台数というものを都道府県に提供するとともに、どこの医療機関がどの医療機関内に持っているかということを情報として可視化して、そこに組んでみようというようなことがわかるような情報提供をしてはどうかと考えております。
24ページはその具体例でございますけれども、あまくさということで地理的に限定性の高いところになりますが、ネットワークでつないでいるということで限られた機器を有効活用しているということであります。これは80診療所のうち61診療所が加入しているということで、下をごらんいただきますと、センターのほうに256列のCTですとか、3テスラのMRI、もちろん心カテもあるというような状況でございまして、これはネットワークでつないで診療所から画像も参照できるし、技術的な助言も得られるということで、機器も持つ必要はなければ、専門性の高い人材は集約できるというような仕組みになっておりまして、右側をごらんいただきますと、まさに公立・公的病院ですとか医師会病院なども入ったネットワークになっているということが見てとれるかと思います。
25ページ以降ですが、協議をするということで法改正上はなっていますけれども、下をごらんいただきましてどういうふうに協議をしていくかということなのですが、医療機器それぞれですが、購入の際に当該医療機器の医療計画、共同利用計画ですね。この共同利用というのはいろいろ幅が広い見方があると思いますけれども、紹介患者というのも当然共同利用していますので、要は1つの機器を複数の医療機関で使っている状況というところでございますけれども、こういうものを作成して定期的に協議の場ですね。構想調整会議などは地元の状況をよくわかっていると思いますので、こういうものを確認していくということをしたらどうかということを考えています。先ほどつくるといったようなところのデータについては、そちらで見ていくのがいいのではないかと考えています。
つまり、情報を共有して、皆さんで共同利用していくというようなことをやっていってはどうかということが協議の内容でございます。
27ページ以降、参考情報ということでございますので、適宜御参照いただければと思います。以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明がありました資料2につきまして御質問、御意見をお願いいたします。
本多構成員、どうぞ。
○本多構成員 これは、以前にも医療計画の検討会でも国際比較みたいなデータが出されて、日本はやはりCTとかMRIというのは非常に多いというようなことが示されております。我々としても、日本の医療のいいところもあるのですけれども、救急現場などでのそういった早急に診断を下さない場合の必要性というのは十分わかりますが、やはりこれから先ほど申し上げたとおり、今後急速に人口が減ってくるということを考えますと、今でも多い状況の中で本当にそこまでどうなのかということは考えていかなければいけないと思いますし、そういった観点から効率的な配置とか利用ということは避けて通れないんだと思っております。
ここの資料に示されたような可視化をして、共同利用も含めて議論をしていただくということは大いに進めていただければと思っております。
また、その際、ちょっと気になりますのはこういった高額医療機器ですけれども、中には更新の時期が余り的確にやられていないというようなデータなども見たことがありますので、特にCTとか被曝とかの問題などがあるものについては、機器の安全性ということも考慮すべきだと思いますので、その更新がどういう状況で行われているかというようなことも含めてわかれば、そういうデータも出していただければと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
○松本課長補佐 補足でございますけれども、先ほどの参考資料ということで36ページ、37ページに国際的な状況ということで載せていますが、36ページをごらんいただければわかりますように、配置の台数については世界でぶっちぎりと申しますか、1位だということをよく言われるんですけれども、人口当たりの撮影件数につきましてはMRIは1位ではないということで、ドイツのほうが上ですし、アメリカですとかフランスとかとほとんど変わりがないような状況でございますし、CTに関しては最新では米国を抜いていますけれども、まさに諸外国の何倍も撮っているかというとそうでもないというところもございますし、いろいろなデータの見方があると思いますので、あわせて情報提供していければと考えています。
○尾形座長 ありがとうございました。
中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 本多構成員がおっしゃったように、CTとMRIが日本は多いということをずっと言われてきたけれども、日本の健康寿命が非常に延びたという一つの要因としては、安全な検査が津々浦々でこれだけ簡単に受けられるんだ。それも一つの要因だという可能性は十分あるわけですので、多いことだけではなくて今、言ってくれたように検査数はそんなに突出していないのだということも含めてだと思います。
それと、必要のないCT、MRIを医療機関に導入すると、困るのは医療機関ですので、それはみんな痛いほど身に染みていると思います。
○尾形座長 ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 この高額医療機器、特にCTとMRIに関しては随分以前から日本は台数が多過ぎるということで議論が沸騰しているわけでありますけれども、6ページを見ていただきますと、マルチスライスCTだとかMRIに関して、日本中に8,000を超える病院があるにもかかわらず、CTだと70%、MRIですと33%の医療機関しか逆に言うと整備をしていない。
一方で、診療所ですとパーセントは3.9と非常に低いんですけれども、4,000台近いCTが整備をされているということを考えますと、それぞれの医療機関が持つ医療機能に応じた形で高度な医療機器といいますか、CT、MRIなどの設置状況を考える必要があります。病院にとってこれらはどうしても必要欠くべからざる機器、機能だと考えますと、決して病院におけるCT、MRIが多いということは私はないと思うんです。
ここをしっかりと区別して考えないと、例えば共同利用といっても病院間同士の機能連携でCTが一方にはなくて、一方にMRIがないなどということが起こったとするならば、これは医療の機能の明らかな低下ということになりかねないわけですから、ただ単に数の問題で議論をされるのではなくて、そこにどういう機能があるかを考慮されるべきです。
日本中にCT、MRIが多いというんだけれども、日本には対人口当たりのベッド数も多いわけだし、施設も数は多いわけですから、そういうことから考えて、これは全くおかしな数字というふうに捉えてはいけなくて、それぞれの地域における医療の役割、機能としてのCT、MRIというものをもう一度考え直す必要があるのではないかと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
織田構成員、どうぞ。
○織田構成員 今、松本さんから、実際に撮影件数は余り多くないんだという話が出て、それにも一緒に資料として出してほしい。一方的に設備機器が多い、少ないだけの議論ではなくて、実際にはちゃんと使われているんだ。しかも、身近なところで使われているんだということで、そういう資料も一緒に並べて出してもらったら非常にいいのではないかと思います。
やはり、医療現場から見るとCT、MRIは特別扱いというよりも、エコーもそうなんですけれども、我々にとってはなくてはならない診断機器ではあるんです。そこら辺は余りにも高額医療機器だというイメージがあり過ぎて、そこら辺は時代の流れとともにちょっと変わってきているんじゃないかと思います。
○尾形座長 ほかはよろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、本日いただきました御意見も踏まえまして、事務局におきましては医療機器の効率的な活用ということについてさらに検討をお願いしたいと思います。
それでは、次に議題の3つ目でございますが、「地域医療構想における議論の進捗状況について(その8)」を議論したいと思います。まず、事務局から資料3の説明をお願いいたします。
○松本課長補佐 資料3をごらんいただきたいと思います。3カ月ごとに進捗状況を御報告することになっております地域医療構想の進捗でございますけれども、1ページにおさらいが載ってございまして、具体的対応方針につきましては公立・公的等というところ、平成30年度末までに集中的な検討を行うということと、民間につきましても大きな役割変更を行う場合ということで協議を行っていただきたいということをお願いしているものでございます。
2ページをごらんいただきまして、年末、12月末までの合意済みの状況でございますけれども、公立病院で48%が合意済み、公的病院につきましては60%が合意済みということになってございます。
おめくりいただきまして3ページでございますけれども、機能別にごらんいただきますと、やはり公立・公的から議論しているというところもございまして、高度急性期に関してはほとんどのシェアが公立・公的ということもあり、合意55%、急性期につきましても3分の2くらいのシェアになっていますけれども、そのうち半数近くは合意ということで28%というような状況になってございます。公立・公的のことが話題になっていますけれども、下のところに状況を主体別にごらんいただくようにしております。
4ページをごらんいただきますと、都道府県別ということになるんですけれども、100%に達している都道府県がある一方で、そうでもないというところもごらんいただけるかと思います。
あとは、簡単にでございますけれども、5ページが調整会議の開催状況、6ページが「非稼働病床の議論の状況」ということでございまして、一度は議論していただくということで、6ページは「非稼働病床の議論の状況」ですけれども、都道府県でまだ差があるということでございます。
7ページでございますけれども、報告率に差はあるのですが、どのような状況になっているかというのを病床数で経年比較したものを掲載しております。
あとは、ほかの紙でございますけれども、追加配付資料ということで、病床機能報告で前回御議論いただきました稼働病床数の定義について、いま一度明確に御確認をいただきたいということでございますが、現在、病床機能報告における稼働病床数の定義でございますけれども、我々の記入要領の中では稼働病床というのはこの報告をいただく1年間に1人1回以上の入院患者の収容、1日以上の入院患者を収容していただいた病床数ということでカウントをしております。
つまり、1年間、全く患者を収容しなかった病床を許可病床から除いたものを稼働病床というふうに報告いただくというのが現在の病床機能報告のルールになっておりますので、これは既存の制度開始当初からの定義でございますけれども、改めて確認をさせていただきたいと思います。以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。ただいま御説明のありました資料3及び追加配付資料につきまして、御質問、御意見等を承りたいと思います。
中川構成員、どうぞ。
○中川構成員 前回、総務省の方に、公立病院に対する特例交付金は許可病棟に対して出されるのか、それとも稼働病床かという質問をさせていただきました。その答えが、稼働病床だというお答えで、ああそうかと一応の納得はしたのですが、その後いろいろ調べてみると、ちょっとこの計算式が違うなという気がします。
その上でお聞きしますが、全国の公立病院で稼働病床が100%というのは全病棟のうちの何%くらいですか。
○尾形座長 事務局、どうぞ。
○松本課長補佐 正確なお答えは今できかねるところなんですけれども、こちらの許可病床と稼働病床の関係につきましてはよくお問い合わせをいただいておりまして、公立・公的病院とおっしゃったのですが。
○中川構成員 公立病院です。
○松本課長補佐 公立病院の中のデータというのは調べてみないとわからないんですけれども、おおむね8割強くらいの病棟が稼働病床と許可病床が同じくらいの数で、9割近い累計もあると思いますけれども、そういうふうな報告状況になっていますので、必要に応じて細分化して御指摘いただいたようなところのデータを出して報告していきたいと思っています。
○中川構成員 8割以上の全国の公立病院の病床が。
○松本課長補佐 公立だけのデータがわからないので、全国押しなべてというところで8割以上というふうに考えていただければと思います。詳しいデータは、追って提出いたします。
○中川構成員 公立も民間も含めて全部ということですか。関心があるのは、民間の医療機関は稼働率を高く報告しようが何をしようが関係ありませんから、これは事実しかないんですから、その上で考えると異常に高い。それの基準で、公立病院の運営費交付金、地方交付税交付金が充てられるんだと思いますけれども、私が独自に調べたところではほとんどが100%なんです。現実的には、それはあり得ないのです。
それで、この定義ですが、過去1年間に最も患者さんがいたときの病床を許可病床から引いたものが稼働病床ですか。
○尾形座長 事務局、どうぞ。
○松本課長補佐 最も患者さんが多かったものを許可病床から引いたところが非稼働になりますので、一番患者さんがいたのが例えば50人だとして、そこが60床持っていたら、非稼働が10で、稼働が50になります。
○中川構成員 では、100%というのはどういうことなのでしょう。
50床の病棟が2つあります。A病棟には、患者さんが30人入院しています。B病棟には、20人です。次の月、B病棟にたまたま同じ患者の数の20人いたとして、全部A病棟に移ります。A病棟は、満床です。稼働率100%、1年間のうちの1日とは言わなくても1カ月近くはそうだった。その次の月は、全患者がB病棟を使います。稼働率100%ですね。そういうことになれば、この病院の2病棟のA、B病棟の報告は稼働率100%ということになりますね。
○松本課長補佐 稼働率というのが年間の平均になりますので、今お配りしている資料にもございますように、稼働病床と許可病床の関係でいいますと100%ということになりますが、稼働率は実質で見るということになります。
○中川構成員 稼働病床数は許可病床に対して100%ということになりますね。
○松本課長補佐 今みたいなことで病棟の組みかえ等が行われていればなります。
○中川構成員 だから、2病棟の病院で100床だと病床機能報告における稼働病床数は100床になりますね。実際は50しかいないということになるんですね。
それは、税金を投入する上で余りにもずさんではないかというか、国民から見て納得感の薄い、低い状況ではないかと思うんです。
総務省の方、いかがでしょうか。その理解で正しいですか。
○尾形座長 室長、お願いします。
○坂越室長 総務省です。基本は前回申し上げたとおり、客観的で信頼性のある統計を使わなくてはいけないという税法上の要請があります。厚労省の病床機能報告の稼働病床の統計を算定基礎にしているということに尽きます。
その他、御質問いただいた詳細につきましては、本検討会のテーマである地域医療構想と若干別な話ではありますし、私の立場がオブザーバーという制約がありますが、いずれにしましても今、手元にデータがありませんので、役所に戻って調べてみたいと思います。
ただ、地方交付税はあくまでも地方の共有財源でありまして、国庫補助金のような特定財源ではなく、あくまでも一般財源ですので、財政措置の仕組みは制度的に国庫補助金とは全く異なることには留意が必要と思います。
交付税措置の対象はあくまでも病院の繰出金対象経費であり、これは病床数と無関係に決まります。この所要額を客観的な指標で技術的に配分する際に、稼働病床という指標を活用しているにすぎません。したがって、仮に稼働病床という指標を患者数のようなほかの指標に置きかえたところで、最終的な交付税措置額はそれほど変わらないケースも多くなると思います。
また、指標として何がふさわしいかにつきましては、法律上の要請から客観的更新力のある指標で、政策誘導効果を持たないものを使う必要があります。例えば、ある指標を使ったがゆえに交付税措置の獲得を狙って社会的入院を助長させる結果になるような政策誘導効果をもたらすようなことは避けなければなりません。以上でございます。
○中川構成員 御丁寧なお答えありがとうございます。何か国会答弁のような感じがしますけれども、要はおっしゃったことは、私は総務省を責めているわけではないんです。
ただ、今のお話を聞くと、厚労省は100%だと言っているので、それを使っているというふうに理解していいですね。
○坂越室長 そんなことは全く言っておりません。
○中川構成員 そういうふうに聞こえましたけれども。
○坂越室長 もう一回読みましょうか。
○中川構成員 読まなくていいです。今は、この追加配付資料について議論しているのです。一般的なそういう考え方をお伺いしているわけではないのです。
○坂越室長 御質問いただいていますし、当然制度ですので算定ということになりますから制度的な背景がありますので、そこを前提にしないとこれは理解できませんので、それとあわせて御説明させていただいているということになります。
○中川構成員 事務局、どうですか。もう少しここにいる全員にわかりやすく御説明いただきたかったのですが、次回のワーキンググループで少し資料も精査して、一体どうなっているのか。地域医療構想のきょうの議題と関係ないとおっしゃいましたけれども、物すごく関係あるんです。公立・公的医療機関と民間の競合ということに関して、その背景として多額の税金が投入されている。それは交付税交付金だけではなくて、一般会計からの法定外繰入金もそうですし、それも含めてこれはすごく関係ある重要な議論なんです。
ですから、次のワーキンググループのときまでに資料を用意してわかりやすい説明をお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○松本課長補佐 何度か御指摘をいただいているテーマではあると思うんですけれども、オブザーバーの坂越室長もおっしゃいましたように、制度としてどうなっているのかですとか、そういうところまで突き詰めて座長とも連携して皆さんがわかりやすい資料ということで準備を心がけたいと思います。総務省さんともっと密に連携をして、教えを乞いながらやっていきたいと考えております。
○中川構成員 よろしくお願いします。
○尾形座長 ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。それでは、本日いただきました御意見を踏まえまして、事務局においては引き続き地域医療構想調整会議の進捗状況の確認等をお願いしたいと思います。
最後に、全体を通して何か御意見、御質問等があれば承りたいと思います。
伊藤構成員、どうぞ。
○伊藤構成員 これは要望ですが、資料1-2のところでお出しいただいている診療科別の比率のところで、6月の1カ月で1例以上の事例ということで定義をされていたと思うんですが、これが何とか通年にならないかということを要望します。それに適切な症例数という形にしないと、例えばPCIの症例などが2例あって、それを病棟1つずつに分けてしまうと作為的なことができてしまうので、これは正しいデータになり得ないのではないかという指摘がございます。そこは御考慮いただきたいと思います。
○尾形座長 事務局、どうぞ。
○松本課長補佐 先ほど中川構成員からも御指摘いただいた点だと思いますけれども、病床機能報告の幅を広げることにつきまして、コスト、予算も発生する話でございますので、なるべく善処していきたいと思いますが、1年ですぐさまということになるかどうか、また善処する中で御報告をしていきたいと考えております。よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。
それでは、本日の議論はこの辺にさせていただきたいと思います。
最後に、事務局から何かありますか。
○松本課長補佐 御議論、本当にありがとうございました。
次回の日程につきましては、調整をして追って御連絡を差し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
○尾形座長 それでは、本日のワーキンググループは以上とさせていただきます。
本日は、長時間にわたりまして大変熱心な御議論をいただきまして、どうもありがとうございました。

 

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