薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会(2019年7月29日)

日時

令和元年7月29日(月)
14時30分~16時30分

場所

経済産業省別館946各省庁共用会議室
(東京都千代田区霞が関1-3-1)

出席者

委員

佐藤部会長 石見委員 小川委員 工藤委員
笹本委員 杉本委員 瀧本委員 戸塚委員
中島委員 原委員 三浦委員  

事務局

吉田食品基準審査課長 井上室長 中矢補佐
安増主査 林技官 小泉技官

議題

(1)Escherichia coli K-12 W3110(pWKLP)株を用いて生産されたプシコースエピメラーゼの新規指定の可否等について
(2)その他

議事

 

○事務局 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会を開催させていただきます。
 本日、御多忙のところ、御参集いただきまして誠にありがとうございます。よろしくお願いいたします。初めに、本日の委員の皆様の出席状況を報告いたします。本日は、二村委員と吉成委員より御欠席との連絡を受けています。現時点で添加物部会委員13名中11名の委員に御出席いただいていますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告申し上げます。
 本日の資料については、お手元のタブレットを操作して御覧いただくことになっています。机にはタブレット本体、スタンド、スタイラスペン、操作説明書が置かれています。タブレット内の資料等の確認をさせていただきます。つけていただいて画面左上にFBと記載された青いアイコンがございますので、そちらをタッチしてください。次に、左上にありますマイプライベートファイルというフォルダをタッチしてください。そうしますと右側に資料が出てきます。上から順番に資料1-1、資料1-2、資料1-3、資料2、資料3-1、資料3-2、資料3-3、資料4-1、資料4-2、資料5-1、資料5-2、委員名簿、座席表、議事次第、以上でございます。配付物やタブレット内のファイルに不足、不備がありましたら事務局までお申し付けください。また、議事の進行中におきましてもタブレットの動作不良などがございましたら事務局の方に申し付けください。
 それでは、議事の進行を佐藤部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○佐藤部会長 よろしいでしょうか。それでは、事務局から本日の部会の審議品目に関する利益相反の確認結果について報告をお願いします。
○事務局 本日の部会においては、審議対象のEscherichia coli K-12 W3110(pWKLP)株を用いて生産されたプシコースエピメラーゼが、利益相反確認対象となっております。当該品目について、本日の部会において退室の必要な委員又は議決には参加できない委員がいらっしゃらないことを確認しております。
○佐藤部会長 よろしいでしょうか。それでは、審議に入りたいと思います。議題1、Escherichia coli K-12 W3110(pWKLP)株を用いて生産されたプシコースエピメラーゼの新規指定の可否について、審議を行いたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 お手元の資料1のシリーズになります。資料1-1が諮問書、資料1-2が「Escherichia coli K-12 W3110(pWKLP)株を用いて生産されたプシコースエピメラーゼの新規指定の可否等に関する部会報告書(案)」、資料1-3が「食品健康影響評価の結果の通知について」になります。説明は資料1-2を中心にさせていただきます。資料1-2を御覧ください。
 本品目は、事業者から申請のあった品目になります。品目としては、Escherichia coli K-12 W3110(pWKLP)株を用いて生産されたプシコースエピメラーゼとなります。CAS番号は記載のとおりです。EC番号は未登録となっています。
 2.成分について、本要請品目の有効成分はホモテトラマーの酵素であり、サブユニットは32kDa、アミノ酸配列から予想される等電点は4.86であるとされています。サブユニットのアミノ酸残基数は289であり、その配列は以下に示すとおりであるとされています。
 3.用途になりますが、こちらは製造用剤(フルクトースを異性化してプシコースに変換する酵素)とされています。
 4.概要及び諸外国での使用状況等です。(1)概要ですが、本要請品目は、Arthrobacter globiformisから得られたプシコースエピメラーゼ遺伝子を大腸菌に導入することにより得られる酵素であり、フルクトースをプシコースに異性化する酵素です。本要請品目によって得られるプシコースは、フルクトースに類似の味や物性を備え、エネルギー値はほぼゼロであり、食後の血糖上昇抑制作用を示す食品とされています。
 (2)の諸外国での使用状況等ですが、コーデックス委員会の策定したコーデックス食品添加物一般基準では、加工助剤は対象とされておらず、JECFAにおいて本要請品目の評価は行われていません。米国におきまして、本要請品目は2016年にFDAからGRAS物質としての届出に異議がない旨の回答が出されています。欧州連合では、加工助剤として用いる酵素に対して2018年9月時点で規制がないため、本要請品目は法令上使用可能ですが、使用実績はないとされています。フランス及びデンマークでは、酵素に関する独自の規制が実施されており、流通には認可を必要としていますが、本要請品目は認可されておらず、使用実績はないということです。オーストラリア・ニュージーランドでは、食品用酵素は加工助剤として規制されており、流通には認可を必要としていますが、本要請品目は認可されておらず、使用実績はないとされています。
 5.食品添加物としての有効性になります。(1)プシコースエピメラーゼの機能は、繰り返しになりますが、フルクトースとプシコースを相互に異性化する酵素であり、プシコースを生産する目的で使用されると記載しております。
 3ページ目、(2)プシコースエピメラーゼの反応性です。本要請品目の有効性について確認実験が行われており、試験結果の概要は以下の表1のとおりとなっています。
 (3) 食品中の安定性ですが、本要請品目はプシコースの生産に使用する酵素であり、プシコースの生産過程中、イオン交換樹脂を用いた脱塩工程及び活性炭を用いた脱色工程によってプシコースから十分に除去されるため、本要請品目がプシコース中に残存する可能性は極めて低く、食品中で活性を示すことは想定されないとしています。
 (4)食品中の栄養成分に対する影響ですが、本要請品目はプシコースから十分に除去されるため、食品中の栄養素に影響を及ぼすことは想定されないとしています。
 6.食品安全委員会における評価結果です。本要請品目につきましては、平成30年10月10日付けで厚生労働省より食品安全委員会に評価依頼をしています。その後、食品安全委員会における添加物専門調査会の議論を踏まえ、平成31年3月26日付けで評価結果が通知されています。
 4ページの食品健康影響評価の部分は、評価結果の抜粋となります。評価結果について御説明させていただきます。本品目の組換えDNA技術応用添加物の安全性審査に係る食品健康影響評価については、評価基準に基づき評価した結果、ヒトの健康を損なうおそれはないと判断されています。また、本品目の添加物としての指定及び規格基準設定に係る食品健康影響評価につきまして、本品目の製造を目的として適切に管理された生産菌株については、本品目の添加物としての摂取において問題となるような安全性の懸念は無い。本品目について、「酵素の消化管内での分解性に関連する事項」を検討した結果、本品目の毒性については、遺伝毒性、反復投与による毒性及びアレルゲン性に係る知見を用いて評価を行うこととした。本品目の毒性に係る知見を検討した結果、遺伝毒性及び反復投与による毒性の懸念はなく、本品目のアレルゲン性の懸念は極めて低いとされています。ラットを用いた13週間反復経口投与毒性試験における最高用量から得られたNOAEL2.0%、(TOS換算で雄:1.02gTOS/kg体重/日、雌:1.12gTOS/kg体重/日)と、本品目の推定一日摂取量(国民全体で0.332mg TOS/kg体重/日、小児で0.918mg TOS/kg体重/日)とを比較して得られる安全マージンは十分であるとされています。
 以上を踏まえまして、食品安全委員会では、本品目について、添加物として適切に使用される場合、安全性に懸念が無いと考えられ、ADIを特定する必要はないと判断されています。
 次に、7.摂取量の推計ですが、こちらも食品安全委員会の評価結果を抜粋しています。5ページ目に表2がございまして6ページ目まで続いております。こちらの表に先ほど申し上げた推定一日摂取量を記載しています。
 7.新規指定についてですが、食品安全委員会における食品健康影響評価を踏まえ、食品衛生法第10条の規定に基づく添加物として指定することは差し支えないとしています。なお、指定の名称は「プシコースエピメラーゼ」とし、成分規格において基原を特定することが適当であるとしています。
 8.規格基準の設定について、次のとおりとすることが適当であるとしています。(1)使用基準についてですが、<1>消化管内で容易に分解され、ヒトが摂取する際の安全性の懸念は低いこと。<2>食品安全委員会の評価結果においてADIを特定する必要がないこと等を踏まえて、使用基準を設定しないこととするのが適当であるとしています。(2)成分規格についてですが、成分規格を別紙1のとおり設定することが適当であるとしています。設定根拠は別紙2、規格等との対比表は別紙3のとおりとしています。
 別紙3の規格の比較に基づき、御説明させていただきます。別紙3は16ページ目となります。表の左側に本規格(案)、右列に米国のGRAS物質として申請が出された際の規格について記載しています。定義についてですが、先ほど申し上げたとおり、Escherichia coli K-12 W3110株に限ると基原を記載しております。酵素活性ですが、本規格においては1g当たり230単位以上、米国では1g当たり500単位以上となっておりますが、本規格(案)では、米国での申請時よりも安定性が増加したものを使用しているため単位に差が出ております。性状につきましては色を加えております。純度試験については、米国での申請規格にはヒ素の規格はございませんが、本規格(案)では、他の酵素添加物と同様にヒ素について純度試験設定しております。微生物限度試験ですが、第9版食品添加物公定書に記載のある他の酵素添加物と同様に、生菌数、大腸菌及びサルモネラ等について規格を設けております。全体の説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○佐藤部会長 ありがとうございます。それでは、審議に入る前に今回のプシコースエピメラーゼの食品安全委員会での評価結果について、体内動態について、本日、御欠席の吉成委員より事前にコメントを頂いていますので事務局から御紹介ください。
○事務局 吉成委員よりいただいたコメントを読み上げさせていただきます。食品安全委員会の評価書ですけれども、資料1-3を御覧ください。食品安全委員会の評価書の17~19ページで、本酵素の生体内での分解性等について検討されています。その結果、本酵素は消化管内で容易に分解されること、消化管における分解にはパンクレアチン等の酵素が関わること、他の栄養素の吸収等に影響を与えないこと、本酵素が適切に使用された場合、その摂取量は食品由来の通常のタンパク質の摂取量に比べて著しく低いこと、使用方法や分解試験の結果を鑑み、本組換え酵素が体内に蓄積するとは考えられないことが明らかになったと判断されている。そのため本組換え酵素の体内動態に関して、ヒトで特段問題となるような点は無いと考えられる。以上です。
○佐藤部会長 ありがとうございます。続いて、各毒性の先生方からコメントをお願いしたいと思います。戸塚委員、いかがでしょうか。
○戸塚委員 資料1-3の評価書19ページから、遺伝毒性試験に関わるデータが出ていますけれども、この表1に記載がありますように、行われている試験としてはバクテリアを用いた遺伝子突然変異試験と、あとは、ヒト末梢血リンパ球を用いたin vitroの小核試験が行われていて、いずれの試験におきましても陰性という結果になっています。また、この結果と、先ほど代謝のところで御説明がありましたように、この物質は容易に分解されるということから、今回、遺伝毒性試験のところでin vivoの試験は無いのですが、そういったことを両方とも考えまして、本品目は生体にとって、特段、問題となる遺伝毒性は無いというふうに判断したと記載があります。
○佐藤部会長 ありがとうございます。続いて、遺伝毒性以外の部分を小川委員よりお願いできますか。
○小川委員 これも同じ資料1-3になります。この物質につきましては添加物(酵素)に関する食品健康影響評価の指針と、遺伝子組換え微生物を利用して製造した添加物の安全性評価基準に基づいて評価されていることになります。13ページに遺伝子組換えに関する安全性ということで、1ポツ以降に遺伝子組換えに関することが記載されていて、こちらが基原生物の安全性にも関わるものだと認識されます。
 次には、17ページに先ほど吉成委員のコメントにございましたように、酵素の消化管内での分解性に関する事項ということで分解性等に関する記載がなされています。19ページから、3ポツとして酵素自体の毒性ということで、戸塚委員から御説明のありました遺伝毒性と反復投与毒性試験、これは13週間の試験を行うことが規定されています。さらに、アレルゲン性試験についてまとめられています。そのうち、反復投与毒性試験につきましては20ページに記載がありますが、十分量が投与されていて、いずれも用量相関性を示す所見が見られていないことから、最高用量の2.0%、TOSで言うと、こちらの表2の用量で投与したところまで特に毒性を示さないことが明らかとなっています。また、21ページにありますように、アレルゲン性につきましても、この指針に沿った評価がなされていて、いずれも問題となるような毒性はなかったことが分かっていることになります。以上です。
○佐藤部会長 ありがとうございます。次に、有効性について中島委員よりお願いできますか。
○中島委員 資料1-2の3ページに表がございまして、プシコースエピメラーゼの酵素単位と生成プシコース量がございます。これによると、12.0gのフルクトースから最大で2.74gのプシコースが生成されています。生成効率としては20%強であまり高くないようにも見えるのですが、そもそもプシコースは希少糖で、それまでほとんど製造が不可能だったプシコースが、これほどの量を作れるようになった極めて画期的なものです。なので、よくあるフルクトースから、これほどの効率でプシコースを生成できるということで、生成効率はともかく、極めて有効なものであると判定できます。以上です。
○佐藤部会長 ありがとうございます。それでは、プシコースエピメラーゼの新規指定等の可否について御意見等をお願いいたします。何か御意見はございますか。中島委員。
○中島委員 基原の微生物も安全性はありますし、また、そもそもこのエピメラーゼが実際の製品にもほとんど残らないといった点などを勘案して、これが危険とかそういう要素があるとは思えないと考えます。なので、添加物として認めても健康被害が発生するような懸念は私は無いと思います。
○佐藤部会長 今の中島委員の御説明で、皆様、特に異論はないということでよろしいでしょうか。では、一とおり御審議いただいたということで、Escherichia coli K-12 W3110(pWKLP)株を用いて生産されたプシコースエピメラーゼの新規指定等の可否については、認めるということで、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、部会報告書を取りまとめ、分科会へ報告する手続を取りたいと思います。事務局からその他、何かございますか。
○事務局 細かい文言の変更等の軽微な修正が必要となった場合については、修正内容を部会長に御確認いただき、特に問題がなければ手続を進めてもよろしいでしょうか。
○佐藤部会長 事務局からの提案ですが、そのように進めてもよろしいでしょうか。
○事務局 本品目については、新規添加物の指定であるため、分科会では審議事項とされていますので審議事項として進めさせていただくこととしています。
○佐藤部会長 こちらも、よろしいでしょうか。それでは、今後のスケジュールはどのようになりますか。
○事務局 今回の審議結果につき、食品衛生分科会での審議の他、所定の事務手続を開始したいと思っています。
○佐藤部会長 それでは、適切に手続をお進めください。続いて、1つ目の報告事項、「オイゲニルメチルエーテルの取扱いについて」、事務局より御説明をお願いします。
○事務局 説明させていただきます。資料2を御覧ください。オイゲニルメチルエーテルの取扱いについてというファイルです。こちらは、平成31年4月23日に厚生労働省食品基準審査課長、食品監視安全課長の連名で都道府県関係者に通知した内容です。本文を説明させていただきます。オイゲニルメチルエーテルは、18項目の香料に関するリストという平成25年通知において、フェノールエーテル類に該当する物質として日本において使用が認められている香料です。この度、米国内でオイゲニルメチルエーテルを含む平成25年通知に掲載されている5品目の合成香料につきまして、実験動物でがんを引き起こすデータが示されたことを踏まえまして、FDAは、これら合成香料の暴露量は少量であり、意図した使用条件の下では公衆衛生上のリスクは生じないという見解を維持しつつも、食品添加物規則から除外する改正を行いました。FDAの発表を踏まえ、5品目の合成香料について国立医薬品食品衛生研究所、そして国立がん研究センター研究所に所属の専門家に御意見を求めたところ、オイゲニルメチルエーテルについては、食品の着香の目的で使用する場合、直ちに国民の健康に影響を及ぼすとは考えにくいとされるものの、遺伝毒性の観点から、安全性に懸念が無いと考えるにあたっては更なる追加の知見が必要となる旨の意見提出を受けました。その他の4品目については、食品の着香の目的で使用する場合、安全性に懸念は認められないとされました。
 これまで、日本の業界団体である日本香料工業会において、このオイゲニルメチルエーテルについて使用の中止や代替品の検討を会員各社に周知を行うなど、自主的な低減の取組が実施されてきたと承知していますが、今回の趣旨を踏まえ、オイゲニルメチルエーテルについては、令和元年10月22日をもって平成25年通知の別紙から削除することを関係団体に通知しているところです。
 「記」ですが、平成31年10月22日以降、添加物としてのオイゲニルメチルエーテル並びにこれを含む製剤及び食品は、販売又は販売の用に供するための製造、輸入、加工、使用、貯蔵又は陳列を自粛するよう指導されたいこと。ただし、10月22日までに製造、輸入等されたものについては、この限りでないとしています。
 事務局からの説明は以上です。
○佐藤部会長 ありがとうございます。ただいまの御報告につきまして、御意見、御質問等はございますか。よろしいでしょうか。では、続いて2つ目の報告事項、「既存添加物の安全性の見直しについて」、事務局より説明をお願いします。
○事務局 それでは、御説明させていただきます。お手元の資料3-1から3-3を御準備ください。本日は資料として3-1から3-3までお配りしていますが、資料3-2の内容をまとめたものが資料3-1となっております。資料3-3は、二村委員からのコメント事項です。
 まず、資料3-1を用いて「既存添加物の安全性評価について」の御説明をさせていただきます。
 1.の概要です。平成7年の食品衛生法の改正において、既存添加物名簿に収載された天然添加物は、引き続き使用等が認められることとされ、それに伴い、安全性の見直しを行うこととされております。これらの既存添加物について、平成8年度厚生科学研究報告書「既存天然添加物の安全性評価に関する調査研究」においては、国際的な評価結果、欧米での許認可状況、安全性試験成績結果等から既存添加物の基本的な安全性について検討した結果、次の4つの分類に分けられております。<1>「今後、新たな毒性試験の実施も含め、安全性について検討することが必要であるもの」、<2>「基原、製法、本質からみて、現段階において安全性の検討を早急に行う必要はないもの」、<3>「入手した試験成績の評価により、安全性の検討を早急に行う必要がないもの」、<4>「既に国際的な評価がなされており、基本的な安全性は確認されているもの」の4つです。今般<2>の「基原、製法、本質からみて、現段階において安全性の検討を早急に行う必要はないもの」に分類された109品目のうち、海外での評価結果が得られた38品目について、その安全性の評価を行ったため、その結果を報告します。
 2.の方法です。<2>に分類された既存添加物109品目のうち、平成29年現在海外での評価結果が得られた38品目について、急性毒性試験、反復投与毒性試験、変異原性試験、その他の毒性試験について取りまとめられるとともに、海外評価書における扱いについて評価を行っております。
 3.の評価結果についてです。まず3.のaについてですが、38品目中29品目について、海外評価書において許容一日摂取量(ADI)を設定しない、一般に安全とみなされている(GRAS)もの、又は摂取量の制限がないものと評価されており、食品添加物としての使用に際しては安全性に懸念が無いと評価されております。
 続いてbについてですが、4品目についてはADIが設定されており、現状の使用においては安全性上の懸念は無いと評価されております。
 最後にcについてです。5品目については、急性毒性試験、反復投与毒性試験及び変異原性試験の成績及び使用実態から、食品添加物としての使用においては安全性に懸念は無いと評価されております。これらの結果を踏まえ、今回評価した38品目については、食品添加物としての使用に際しては、安全性に懸念は無いと評価されております。資料3-1の御説明は以上です。
 続きまして、資料3-3について御説明をいたします。資料3-3は、日本生活協同組合連合会の二村委員より、「報告事項『既存添加物の安全性の見直しについて』へのコメント」を頂いておりますので、こちらを御説明いたします。
 内容について読み上げます。「報告品目のうちステビア末についてコメントいたします。まず、国際機関や諸外国の安全性評価の情報を収集・整理していただくことは、既存添加物の安全性への信頼を高める意味で、重要な取組であると考えます。
 ただし、それらの安全性評価を参照する際には、評価対象物質と既存添加物との同一性に留意し、大きな差がありうると考えられる場合については、その評価をそのまま既存添加物に適用することには慎重であるべきです。
 今回の報告品目の一つであるステビア末は、「ステビアの葉を粉末にしたもの」とされています。一方、国際機関や諸外国での安全性評価においては、ステビアの特定成分であるステビオール配糖体が評価の対象となっています。この場合は評価対象物が同一であるとは考えにくく、ステビオール配糖体にADIが設定されていることをもって、ステビア末について安全性の懸念が無いと結論できるのか、疑問に思います。また、国内においては、ステビア甘味料について、毒性が疑われる情報が存在したことなどから、追加で試験を行うなど情報を整備してきたものと認識しています。この場合も、ステビア甘味料は高度に精製されたものを前提としており、ステビア末と同一のものとは言えないと思います。したがって、今回の評価情報のみで、ステビア末の評価が行われたとすることについては慎重に考えるべきではないでしょうか。」二村委員からのコメントは以上です。
 二村委員のコメントに関して、厚生労働省といたしましては、今回の既存添加物の安全性評価については、入手できる国際的な評価結果等のデータの範囲内で可能な評価を行ったものであり、その前提で言えば評価結果は間違いではないと考えています。しかしながら、二村委員のコメント内容も踏まえ、ステビア末について更に追加でデータを入手し、評価をするかどうか報告書の取りまとめを行っていただいた国立医薬品食品衛生研究所の平林先生や、その他の先生とも相談させていただきたいと思います。私からの御説明は以上です。
○佐藤部会長 ありがとうございます。ただいまの報告について御質問、御意見等ございますでしょうか。
○中島委員 評価結果で、29品目が海外評価書で一般に安全とみなされているとあって、おおむね安全そうなのですが、この中に銅というのがあって、金属の銅、これが本当にGenerally Recognized As Safeなのか、感覚的には幾分疑問にも思うのですが、その辺のデータはきちんと取られていて、安全性は本当に確認されているのでしょうか。そこの根拠のところがきちんと安全性と評価されているということであれば、私も特に異論を差し挟むつもりはないのですが。
○佐藤部会長 いかがでしょう。
○小川委員 資料3-2に報告書があるのですが、その中の68ページに銅について記載があります。銅そのもの評価はなかなか難しくて、塩化銅であったり硫酸銅、グルコン酸銅であったりとか、銅イオンを含めた評価になっています。急性毒性試験の結果とか、反復投与毒性、変異原性の試験の既存の情報を検討いたしまして、また、JECFAにおいてもADIは設定していないがPMTDI、暫定最大一日耐容量というものが設定されていることなどを考慮した上で、過剰に摂取を生じないように注意が必要であるけれども、現在の使用状況においては特段の問題は無いであろうという結論としております。
○中島委員 ありがとうございます。この表に載っているからにはそうだろうとは思ったのですが、念のため聞かせていただいただけです。ちなみに、このときにはADIなり何なり、一日あたり、体重あたりどのくらいの量まで試しているものなのでしょうか。たしか通常は1g/kgまでで、そこまで試して何もなければオーケーというルールはあったと思うのですが、銅もそんなに試したのかなと思っただけです。
○吉田食品基準審査課長 LD50の値を申し上げれば、例えば硫酸銅ですと、LD50として940mg/kg/体重となりますので、かなり大きい値ではあったと思いますが。
○中島委員 大きいのですよね。そんな値は、わざわざ硫酸銅をスプーンですくってお鍋で煮ない限り、とても作れるような量ではないので、通常購入するというか、通常少々使用する量であれば、その点は問題無いとは思いますが。ありがとうございました。御確認感謝いたします。
○吉田食品基準審査課長 そもそも銅は製造用剤という形で使われるものですので、その使われ方として、そもそも添加物的に食品に直接入ってくるということは基本的にはあまり想定されないというのは大前提としてあるかなと思います。
○中島委員 銅の鍋とか使いますよね。直ちに危険というものではないだろうと。ありがとうございました。
○佐藤部会長 石見委員どうぞ。
○石見委員 銅につきましては、恐らく栄養機能食品等で、栄養素の補給・補完という意味で、硫酸銅とか硝酸銅、そういうものが使われると思うのですけれども、その量というのは食品表示法、食品表示基準で定められていますので、健康には影響はないということで、一応規定があります。そういう意味では、亜鉛はどうなったのですか。
○事務局 今回の報告対象ではございません。亜鉛については、グルコン酸亜鉛や硫酸亜鉛等として、最近、食品安全委員会の評価を受けていると記憶しています。
○中島委員 この際教えていただけると有り難いのですが、許容一日摂取量の設定の仕方なのですが、GRASステイタスというのは、たしかアメリカのFDAで設定していると思うのですけれども、どういう基準で設定されているのか御存じでしょうか。というのは、昔と違って最近GRASステイタスのものが増えていて、しかも食経験のないものが平気でGRASステイタスに挙がっているので、どういう基準で認定しているのか、私も少々疑問に思っているのです。ADIが設定されていないというのは、安全とみて、これは問題無いと思うのですけれども、GRASステイタスになっているからといって、それで安全性に懸念が無いと考えるのは、最近ちょっと怪しいような気がして、ちょっと気になっているのですが、どなたか御存じだったら教えていただければ。
○石見委員 私の認識では、FDAが許可するとかそういうものではなくて、事業者の責任において、安全性を評価して登録するというようなものだと思うのですけれども、だから、GRAS指定が後から取り消されたというのは、ときどきあると思うのですが。
○中島委員 そうすると、どのぐらいの基準のものだったら。FDAだって書類が上がってくれば全部オーケーにしているわけではないと思うので、どのぐらいの根拠があれば認めているのかとか、その辺御存じだったら。最近ははその辺を弁護士を立てて、強力に押し付けて、それでGRASステイタスを強引にもぎ取っているような例も漏れ聞いておりますので、調べないと危ないような気がするのです。できれば事務局のほうで。今すぐでなくていいと思うのですが、情報収集を。
○吉田食品基準審査課長 御指摘のとおり、業者の方から申請したものに、異論を唱えなければGRASになるというのが制度、それが制度の立て付けなのですけれども、どういったときにという明確な基準につきましては、確かに御指摘のとおり、私自身もちょっとそこまでは確認したことはございませんので、何らかの形で調べさせていただきたいと思います。分かる範囲で調べさせていただければと思います。
○小川委員 GRASにつきましては、やはり気を付けなければいけないときがありまして、GRASでもいろいろなGRASがあって、FEMAのGRASというように香料として使う場合はGRASと言いますよというようなものがあります。GRASと書いてあるからどのような使用方法でも問題はないというのとイコールではないところは、気を付けないといけないと思っております。
○中島委員 ありがとうございました。
○佐藤部会長 他にどなたかございますか。
○石見委員 質問なのですが、cのタウリン(抽出物)というものについて、どういうものなのかということが知りたいのです。タウリン自体は、医薬品成分ということで、抽出物は薬品的効能を標榜しない限り食品という取扱いなのかなと思うのですが、抽出物というのはどうなるのでしょうか。結構抽出物というと、タウリン以外にもたくさんいろいろなものが入っていると思うのですが、何か規格というか、そのようなものがあるのかどうか教えてください。
○吉田食品基準審査課長 申し訳ありません。資料3-2の62ページをお開きいただければ、そちらのほうに。既存添加物ですので、指定添加物ほどきっちりとした規格基準が設定されているものではないかもしれませんが、今回確認した範囲内では、海外文献に基づいても特段問題は無いだろうというのが一応確認できたということですので、この範囲内の規格・製法で現時点で特段大きな問題は無いのではないかと私どもは考えているということです。
○杉本委員 これ、既存添加物の名称の問題で、平成7年当時に決まったときに、タウリン(抽出物)。ほかにも(抽出物)と付いているものがあります。例えば、ルチンもそうでしたっけ。ルチンも(抽出物)で、これ、そもそもルチンそのものはほぼ純度100、その当時からそういうことだったと思うのですけれども、抽出物として、ルチンを取ってきているせいで、恐らくこの後ろに(抽出物)という名前が付いてしまったのだと思います。このタウリンについても、想像ですけれども、これも抽出物で作っていて、タウリンそのものには近いのだろうけど、完全にタウリンそのものではないみたいなところで、ちょっと分からないので、後ろに(抽出物)と付いたのかなというようには想像しています。
○佐藤部会長 よろしいでしょうか。では、既存添加物の安全性の見直しについてはここまでとしまして、続いて報告の3、「消除予定添加物名簿について」、事務局より説明をお願いします。
○事務局 では、御説明させていただきます。資料4-1を御準備ください。消除予定添加物名簿について御説明いたします。まず1.概要についてです。既存添加物については、食品衛生法及び栄養改善法の一部を改正する法律、附則第2条3の規定、これを「消除規定」と呼んでおりますが、これにより厚生労働大臣は、その販売、製造、輸入、加工、使用、貯蔵及び陳列の状況からみて、現に販売の用に供されていないと認められる場合、消除予定添加物名簿を作成の上公示し、必要な手続を経て、既存添加物名簿からその名称を消除することができるとされており、本消除規定に基づき、これまでに124品目を消除しております。
 この消除規定に基づく消除予定添加物名簿の公示に先立ち、流通実態調査で添加物としての流通実態が確認できない又は食品添加物の規格基準で成分規格が設定されていない既存添加物196品目について、平成29年から平成30年までに販売等の実態調査を行った結果、日本国内において流通実態が確認できなかった品目を収載対象として消除予定添加物名簿(案)を作成し、平成30年10月に薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会において報告いたしました。今般、別添のとおり消除予定添加物名簿を平成31年2月28日に公示しておりますので、報告いたします。2.消除予定添加物名簿については、別添のとおりでして、10品目あります。
 続いて3.今後の作業についてです。平成31年2月28日から令和元年8月27日まで消除予定添加物名簿に対する意見募集を行っており、当該意見募集の結果を踏まえ、令和2年2月27日までに既存添加物名簿の改正を行います。意見募集は、資料4-2に基づいて行っております。また、販売等の流通実態が確認された既存添加物を販売等する営業者に対し、成分規格の設定等のため、成分分析等に必要となる検体(原体)の提供を依頼いたします。成分規格が設定されておらず、かつ検体の提供が得られない既存添加物については、流通実態を再度確認し、品目ごとに既存添加物名簿からの消除を改めて検討する予定です。私からの御説明は以上です。
○佐藤部会長 よろしいでしょうか。特に御質問とかございませんか。では、報告4に移ります。続いて報告事項「平成30年度マーケットバスケット方式による保存料等の摂取量調査の結果について」に関して、事務局より説明願います。
○事務局 それでは、御説明いたします。資料5-1、資料5-2を御準備ください。最初に資料5-1を用いて、「平成30年度マーケットバスケット方式による保存料等の摂取量調査の結果について」、御説明いたします。本マーケットバスケット調査は、毎年、佐藤部会長がいらっしゃる国立医薬品食品衛生研究所食品添加物部で御実施いただいているものです。まず、調査の目的から御説明いたします。これまで、マーケットバスケット方式により添加物の一日摂取量調査を実施し、指定添加物を中心に我が国における食品添加物の摂取実態を明らかにする取組を行ってきております。平成30年度は、小児における実態を明らかにするため、小児(1~6歳)の喫食量に基づき、表1にある保存料、着色料、甘味料、製造用剤及び結着剤の一日摂取量調査を行っております。
 方法について簡単に御説明いたします。調査に参加した国立医薬品食品衛生研究所や地方衛生研究所5機関、札幌、仙台、香川、長崎、沖縄において、それぞれ加工食品を1~7群に分けて購入し、混合試料を作成しております。その6機関に東京、千葉、広島を加えた9機関で、表1の添加物について含有量を測定し、小児の喫食量を乗じ、それぞれの添加物の一日摂取量を算出するというものです。
 2ページ目です。また、今御説明いたしました混合群の調査とは別に、購入した食品のうち調査対象添加物の表示がある食品については、別途調製して分析を行い、表示された食品に基づく一日摂取量を別途算出し、混合群との比較を行っています。
 続いて、結果を御説明いたします。具体的な数値等は、次ページ以降の表2、表3に示しております。まずは表の見方から御説明いたしますので、3ページの表2を御覧ください。表の一番左側の上から順番に、保存料等の物質名が並んでいます。それぞれの物質に対応した摂取量が1~7群まであり、合計した摂取量が一番右の列に記載があります。各項目につき2つの数字が並んでいます。例えば、安息香酸の1の調味嗜好飲料では、0.24/0.21とあります。この記載は表の右上の注釈のとおり、左の数字が混合群の推定一日摂取量、右の数字が表示群のものとなっています。つまり、安息香酸の1の調味嗜好飲料ですと、0.24が混合群、0.21が表示群の数値となります。表2の見方の説明は以上です。
 次ページの表3についてです。表3については、表2で物質ごとにそれぞれ算出した一日摂取量をADIと比較しています。表2と同様に、各添加物名が表の左側に並んで記載されており、左から順番に表2で得られた一日摂取量、物質ごとのそれぞれのADI、一人あたりの一日摂取許容量、一番右には対ADI比が並んでいます。
 これらの結果を御説明いたしますので、2ページにお戻りください。表2より、混合群推定一日摂取量については、保存料は、ソルビン酸が最も高く、3.24mg/人/日であり、着色料は、食用黄色4号が最も高く、0.025mg/人/日でした。甘味料は、スクラロースが最も高く、0.500mg/人/日でした。また、製造用剤のプロピレングリコールは、13.2mg/人/日であり、結着剤のリン酸塩類は、リンとして184.9mg/人/日でした。
 また、表示群推定一日摂取量と混合群推定一日摂取量の比較、検討を行った結果、安息香酸及びオルトリン酸は天然由来の食品成分として食品に内在しているため、表示群よりも混合群の方が高い値を示しました。縮合リン酸は、食品原料由来のキャリーオーバーにより、表示群よりも混合群が若干高くなりました。その他の添加物は、混合群と表示群の一日摂取量はおおむね一致しており、おおむね表示通りに食品添加物が使用されていると考えられました。
 続いて表3より、対ADI比については、保存料では安息香酸が1.06%、ソルビン酸が0.78%でした。着色料は食用赤色3号0.20%で最も高く、食用黄色4号0.01%、食用黄色5号0.01%でした。甘味料は、アセスルファムカリウムが0.11%、スクラロースが0.20%、ステビア抽出物が0.31%でした。プロピレングリコールは3.19%でした。また、総リン酸塩類の対MTDI比は16.0%であり、いずれもADI又はMTDIを大きく下回っておりました。
 最後になりますが、4ページの表4を御覧ください。平成26年度に実施した、小児におけるマーケットバスケット方式による推定一日摂取量の結果と今回のものとの比較を行った結果を表4に記載しております。その結果、食品添加物の摂取量に大きな変動はみられませんでした。資料5-1についての説明は以上です。
 続いて、資料5-2について御説明いたします。資料5-2を用いて、「平成30年度清涼飲料水中の安息香酸の摂取量調査の結果について」、御説明いたします。まず、調査の目的についてです。第49回コーデックス食品添加物部会において、GSFAの食品分類14.1.4「『スポーツ』、『エネルギー』、又は『電解質』飲料、及び粒子を含む飲料などの水を主原料とする香料入り飲料」の安息香酸類の最大使用濃度(安息香酸として)600mg/kgを暫定値250mg/kgまで引き下げています。
 そこで、我が国における安息香酸の摂取状況を明らかとするため、平成30年度に国立医薬品食品衛生研究所において、GSFAの食品分類14.1.4に該当する飲料中の安息香酸含量を調査するとともに、マーケットバスケット方式による食品添加物の一日摂取量調査において使用している食品喫食量データをもとに、安息香酸推定一日摂取量について高摂取群の影響を含めて調査研究を実施いたしました。
 方法についてです。スーパー、小売店及びインターネット通販を通じて、GSFAの食品分類14.1.4に準ずると考えられる清涼飲料水を計99製品を調査対象といたしました。調査した清涼飲料水の種類と品目数を表1に示しています。
 結果及び考察についてです。まず(1)清涼飲料水からの安息香酸摂取量の推定についてです。2ページの表2、表3を御覧ください。表2は、飲料種別の安息香酸含有量を示したものです。表3は全員(1歳以上)及び年齢層別の安息香酸の推定一日摂取量を示したものです。安息香酸の推定一日摂取量の平均値は、全員で1.4mg/人/日、小児(1~6歳)で1.5mg/人/日、学童(7~14歳)で2.8mg/人/日、青年(15~19歳)で3.3mg/人/日、成人(20歳以上)で1.0mg/人/日であり、学童、青年において安息香酸の推定摂取量が高い結果が得られました。
 また、高摂取群における摂取影響を調べたところ、99thパーセンタイル値は、全員で45.5mg/人/日、小児が53.1mg/人/日、学童が97.1mg/人/日、青年が157.1mg/人/日、成人で14.1mg/人/日でした。いずれも一日あたりの摂取許容量値の範囲内でした。
 続いて、表4です。一日摂取許容量(ADI)に各年齢層の平均体重を乗じて年齢層別の一人あたりの一日摂取許容量を求め、それに対する年齢層別一人あたりの推定一日摂取量の割合を対ADI比として求め、こちらに示しました。平均値で、全員で0.5%、小児で1.8%、学童で1.6%、青年で1.2%、成人で0.4%であり、小児において最も高くなりました。また、高摂取群について確認したところ、99thパーセンタイル値で、全員で16.5%、小児で64.4%、学童53.2%、青年で55.6%、成人で4.8%であり、こちらでもADIを超える摂取量は認められませんでした。御説明は以上です。
○佐藤部会長 ただいまの報告について、御意見、御質問等はございますでしょうか。
○瀧本委員 質問なのですが、年齢層別の一日摂取量は、平成22年度の調査から得られた各飲料の摂取量を掛け算して出したのですよね。その飲料の年齢別の摂取量のデータというのは、ここの表には入っていないので、あったほうが分かりいいかなと思ったのですが、小児だったらサイダーは何グラムとかというのがあるということですよね。これはどこかで参照できるようになっているのでしょうか。
○事務局 平成22年度の調査事業の結果は、厚生労働省のホームページに公開しておりますが、大量の品目ごとの摂取量データとなっています。そのデータと、今回、実際に平成30年度に流通していた飲料中の添加物を解析して今回の結果が出たということです。
○佐藤部会長 よろしいでしょうか。細かいデータについて、パーセンタイルに使った数字というのは、公開はされていない、個人の値なのでされていないのではないかと。
○事務局 平均値だけを公開しているところです。
○佐藤部会長 ほかによろしいでしょうか。
○三浦委員 ちょっと確認させていただきます。資料5-2の目的の所で、コーデックスの安息香酸類の最大使用濃度600mg/kg、それと暫定値が250mg/kgとか、食品中の濃度でよろしいのですか。
○佐藤部会長 これは、食品分類14.1.4の「『スポーツ』、『エネルギー』、又は『電解質』飲料、及び粒子を含む飲料などの水を主原料とする香料入り飲料」に限って、そのドリンク中の安息香酸の濃度の最大濃度を引き下げたということになります。
○三浦委員 今回の目的として、引下げがされるということになった場合に、我が国の一日摂取量が引下げられた基準値を上回らないかどうかということの確認が調査の目的と理解してよろしいでしょうか。
○事務局 現在、国内の使用濃度というのはコーデックスの250mg/kgではありません。そうではない中で、コーデックスにおいて基準値が引き下がったことを受けて、我が国においては実際の摂取量はどうなのか。我が国もコーデックスに倣って引き下げる必要があるのかというのを検討する材料を得るために、現在の摂取状況が果たしてADIを超えてしまうというようなことがあるのかを確かめるために調査したということです。
○三浦委員 結論としては、このように引き下げなくてもよろしいということなのですか。
○事務局 この報告いただいた内容の結論としては、99thパーセンタイルによってもADIを超えることはなさそうだというものです。この99thパーセンタイルは一日あたりの99thパーセンタイルなので、毎日99thパーセンタイルの量を一生涯飲み続けることは、なかなか想定されないことを考えると、かなりこれでも過剰に推定しているものですが、それでもADIを超えていないという、そういう事実関係が分かったということです。施策として基準をどうするかというのは、今後この情報も踏まえながら検討していくものとなります。
○佐藤部会長 よろしいでしょうか。本日の審議、報告は以上ですが、他に何か御発言等はございますでしょうか。無いようでしたら、次の予定について事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 次回の部会については、日程調整をさせていただきますので、改めて御案内させていただきます。
○佐藤部会長 それでは、本日の添加物部会はこれで終了させていただきます。ありがとうございました。