2019年9月6日 第46回レセプト情報等の提供に関する有識者会議 議事録

日時

令和元年9月6日(金)14:00~16:00

場所

中央合同庁舎5号館17階 専用第21会議室
(東京都千代田区霞ヶ関1-2-2)

議題

(1)健康保険法等の一部を改正する法律について(報告)
(2)第4回オープンデータの公表について(報告)

議事

 
○山本座長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第46回「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」を開催いたします。
構成員の皆様には、御多忙の折、また大変暑い中お集まりいただき、御礼を申し上げます。
開議に先立ちまして、本日の構成員の出欠状況について事務局から報告をお願いいたします。
○新畑室長 事務局でございます。それでは、本日の構成員の出欠状況について御報告させていただきたいと思います。
本日の欠席者は、大久保構成員、宮島構成員、松山構成員、齋藤構成員、根本構成員の5名です。
なお、本会議の運営規程に基づいた開催要件は満たしておりますことを、あわせて御報告させていただきます。
本日、藤井康弘構成員が欠席のため、新居秀夫参考人が代理出席となっております。
続きまして、事務局に人事異動がございましたので、この場を借りて御挨拶させていただきたいと思います。
私でございますけれども、7月3日に着任いたしました医療介護連携政策課医療費適正化対策室の新畑と申します。よろしくお願いします。
また、本会議には出席しておりませんが、7月9日付で医療介護連携政策課長に山下課長、医療介護連携政策課保険データ企画室に山田室長が着任しております。
○山本座長 ありがとうございました。
会議の要件を満たしているということですので、早速ですが、本日の議事に入りたいと思います。
本日の会議は、ペーパーレスにて開催をさせていただきます。まずは、事務局より説明をお願いいたします。
○新畑室長 事務局でございます。厚生労働省全体の取り組みといたしまして、審議会等のペーパーレス化を進めているところでございます。本日は、これに伴い、構成員の皆様にはお手元のタブレットを操作してごらんいただくこととしております。
タブレットの操作方法につきましては、お手元の資料「ペーパーレス審議会等タブレット操作説明書」のとおりでございます。タブレットの操作方法について御不明な点がございましたら、適宜、事務局がサポートさせていただきますので、お声がけいただければと思います。
次に、本日の会議資料について御確認をお願いいたします。
議事次第、構成員名簿、座席表につきましては、お手元に紙の資料を配付しております。そのほかの資料につきましてはペーパーレスとし、お手元のタブレットの中に資料番号順にPDF化して収録しております。
それでは、ここから議事に入りますので、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
傍聴の皆様におかれましては、よろしくお願い申し上げます。
事務局からは、以上です。
○山本座長 ありがとうございました。
それでは、早速議事次第に沿って進めていきたいと思います。ペーパーレスに関しましては、もう皆さんなれていらっしゃると思いますけれども、御協力をよろしくお願いいたします。
まず、本日の議事の「(1)健康保険法等の一部を改正する法律について」の御報告について、事務局からよろしくお願いいたします。
○新畑室長 事務局でございます。タブレットより、資料1「健康保険法等の一部を改正する法律について(報告)」をごらんいただきますようお願い申し上げます。
お開きいただきますと、1ページの部分に「医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律の概要」といったスライドが出てまいります。こちらは、先日5月15日に成立いたしました同法律の概要について御説明させていただいております。
NDBにつきましては赤枠で囲っております3番、「NDB、介護DB等の連携解析等」にかかわる部分でございます。こちらは、高確法、介護保険法、健康法の一部を改正したものとなっております。
内容といたしましては、医療保険レセプト情報等のデータベース(NDB)と、介護保険レセプト情報等のデータベース(介護DB)について、各DBの連結解析を可能とするとともに、公益目的での利用促進のため、研究機関等への提供に関する規定の整備(審議会による事前審査、情報管理義務、国による検査等)を行う。DPCデータベースについても、同様の規定を整備することとなっております。
こちらに関しましては、令和2年10月1日の施行を予定しております。また、DPCデータベースに関しまして、一部の規定については令和4年4月1日の施行を予定しているところでございます。
次のスライドに移らせていただきまして、今後どのようなことを整備していくかというところを御説明させていただいております。
まず1番、「NDBと介護DB」の部分の御説明でございますけれども、今後行っていくことでございまして、(1)番は「両データベースの情報の提供(第三者提供)、連結解析」といたしまして、相当の公益性を有する研究等を行う自治体・研究者・民間事業者等の幅広い主体に対して、両データベースの情報を提供することができることを法律上明確化するとされております。
また、2つ目のポツのところでございますが、NDBと介護DBの情報を連結して利用または提供することができることとする。
情報の提供に際しては、現行と同様に申請内容の適否を審議会で個別に審査するとなっております。
また、(2)の「情報の適切な利用の確保」というところでございますけれども、1番目のポツのところでございますが、情報の提供を受けた者に対し、安全管理等の義務を課すとともに、特定の個人を識別する目的で他の情報との照合を行うことを禁止する。
また、2番目でございますけれども、情報の提供を受けた者の義務違反等に対し厚生労働大臣は検査・是正命令等を行うこととする。また、義務違反に対しては罰則を科すこととするとしております。
次に(3)のところでございますけれども、「手数料、事務委託」の部分でございますが、情報の提供を受ける者から実費相当の手数料を徴収する。ただし、国民保健の向上のため、重要な研究等には手数料を減免できることとしております。
また、NDB関連事務の委託規定に、情報の提供と連結解析の事務も追加する。介護DB関連事務も同様とさせていただいております。
また、2番の「DPCデータベース」のところでございますけれども、NDBや介護DBと同様に、情報の収集、利用及び情報の提供の根拠規定等を創設するとともに、NDBや介護DBの情報と連結して利用または提供することができるとする規定を整備となっております。
次の3ページのところでございますけれども、こちらは参議院を通過したときの法律案に対する附帯決議を記載させていただいております。NDBに関連する部分だけ抜粋しておりますけれども、「政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。」ということで、「四、レセプト情報・特定健診等情報データベース、介護保険総合データベース等の情報を民間企業等の第三者に提供するに当たっては、医療情報等の機微性に鑑み、国民の不安を招くことのないよう、透明性の高いルールの下で提供の可否を判断すること。また、提供された情報が適切に管理されるよう、十分な監督指導体制を整備するとともに、その利活用によって得られるメリットが広く国民に還元・享受されるシステムを確保すること。」とされております。
以上、「健康保険法等の一部を改正する法律について」、御報告させていただきます。
○山本座長 ありがとうございました。この有識者会議の長年の課題である第三者提供の法制化がようやく実現したわけですけれども、今の御説明に関しまして何か御意見、御質問はございますでしょうか。
では、武藤先生どうぞ。
○武藤構成員 山本先生がおっしゃったように、誰に向かっておめでとうございますと言っていいのかわからないですけれども、よかったと思います。
それで、事務局によろしかったら教えていただきたいのですが、今御説明いただいた附帯決議の4番の解釈なのですけれども、これは今も一生懸命やっているのではないかと思うのですが、現状の体制に関するさらなる叱咤をいただいたということなのか、そのあたりはどう理解したらよろしいのでしょうか。
○新畑室長 ありがとうございます。こちらに関しましては、このたび提供の範囲を民間企業も含めてという形で、これまでとは範囲も広がっておりますので、そういった部分も含めてさらに透明性の高いルールを検討すべきだという御指摘をいただいているものというふうに解釈しております。
○山本座長 よろしいですか。やっていることは変わりはないと思いますけれども、十分注意してということだと思います。ほかはいかがでしょうか。
藤田先生、どうぞ。
○藤田構成員 私からも、よくデータベースの法律をつくるべきだという意見を申し上げておりましたので、おめでとうございますというのか、よかったですというコメントをしたいのと、もう一点は非常にこちらの有識者会議では匿名加工に関して厳しくしっかりチェックして、特定個人を識別できないような情報で提供するという運用を行ってきているわけですけれども、今回の法改正でも提供する情報に関して、特定個人を識別できないものであることを法律上明記と書いてある。
ただ、特定の個人を識別できないものというのが個人情報ではないという趣旨なのか、匿名加工情報あるいは次世代医療基盤法における匿名加工医療情報といったものなのかといったところが、多分我々の有識者会議は非常に先行して匿名加工の基準などをいろいろ議論してきているので、そこの関係性というものを今後具体的な提供手続の中でもしっかり議論できればと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
○山本座長 ありがとうございます。まさに我々のテーマでもありますので、今後ともしっかり議論していきたいと思います。
石川先生、どうぞ。
○石川構成員 武藤構成員がおっしゃったのは、要するに民間の企業がいろいろと活用を申し出てきたときに、断ってはいけないということの条文化だと私は解釈しております。
それで、もう少し言いたいことは、NDBと介護データベースで、これは2ページ目の話ですけれども、1つ目のポツの(1)の情報の提供のところで※印で書いてあるところをよく読むと、その上に「相当の公益性を有する研究等を行う自治体」と、これはまだただし書きが書いてあるわけです。それで、「民間事業者等」と書いてあります。ここは非常にいいと思うんです。
ところが、その下のところです。※印で書いてある「相当の公益性を有する研究等の例」というところに3行にわたって規定があって、特に一番下の「特定の商品又は役務の広告、宣伝のための利用等は対象外」というところがなかなか解釈が難しい文言なので、それは構成員は専門におやりになっていると思うので、ぜひ教えていただきたい内容だと思います。
それからもう一つ言わせていただければ、この同じページの(3)に手数料というものがあります。手数料は、国のデータベースでありますし、しかも公益的な役に使うということでありますので、あえてこの手数料についてはなぜ請求するのかがよくわかりません。
しかし、ここに書いてあって、いろんなところでも手数料ということをどうも言っているので、この国はこういうものに手数料を取るんだということだと思います。このところで、「国民保健の向上のために重要な研究等には手数料を減免できる」と、これは判断しなきゃいけないんです。誰が判断するか。これは、ここですよね。それで、きょうなどを見ても、この後の作業が非常に膨大な量になっているのに、これもまた検討しなければいけない。大変だと思います。この一文が書いてあるために、どれだけ皆さん方が苦労するかというのははかり知れないと思います。以上です。
○山本座長 まさにおっしゃるとおりだと思いますけれども、ちょっとだけ弁護をするわけではないのですが、データベースの運用自体は法律で決められたデータベースですので、これは国費で賄われる。あくまでもこういった第三者提供といいますか、特別抽出であるとか、あるいは集計表とか、サンプリングデータセットを提供するための手数料ですから、全体の額としてはかなりわずかな部分をそれぞれ利用者に一部を負担していただくというようなことですので、判断をしなくちゃならないということになると大変ではありますけれども、やらざるを得ないかなという気にはなっていますが、ほかにいかがでしょうか。御意見ございませんでしょうか。
PMDAのやっているMID-NETなどというのは、データベースを作成、維持するところから負担になっていますから物すごい高額になっていますけれども、こちらの場合はデータベース自体の運用に関しては国費で免れるということですので、あくまでも提供に関する手数料ということです。
よろしゅうございますか。ほかに何かございませんでしょうか。
ありがとうございました。それでは、次に議事の2つ目、「第4回オープンデータの公表について」、事務局から説明をお願いいたします。
○新畑室長 事務局でございます。タブレットより、資料2「第4回オープンデータの公表について(報告)」をごらんいただきますようお願い申し上げます。
資料をお開きいただきますと、1ページのところに「NDBオープンデータのこれまでの経緯」といった資料がございます。こちらは、これまでの経緯というものを簡単にまとめさせていただいておりまして、平成25年の日本再興戦略のところから平成27年の規制改革実施計画までの経緯、こういった民間企業等からの提案に基づき、厚生労働省においてNDBデータを集計表を中心としたオープンデータとして作成する枠組みを実施しているところでございます。
最後のところに、これまでの「『NDBオープンデータ』の公表」のスケジュール、平成28年からの第1回の公表の年月が記載されております。
2ページに移らせていただきますけれども、第4回のNDBオープンデータにつきましては、先月8月27日にホームページ上に公開をいたしたところでございます。
3ページでございますけれども、今回公開させていただいた内容、集計対象といたしまして、今回の新しい部分のところを赤字で記載しております。大部分の公表項目につきましては前年度までを踏襲させていただいたところでございますけれども、対象期間といたしまして①~⑤の部分でございますが、こちらは平成29年4月~平成30年3月の診療分、こちらのレセプトをもとにした集計情報になっております。
次に、特定健診の情報につきまして⑥~⑦でございますけれども、こちらは平成28年度の実施分を集計したものになっております。
次に、5ページに移らせていただきます。赤字の部分でございますけれども、今まで都道府県別、性・年齢別のクロス集計を行ってまいりましたが、今回新たに集計対象といたしました、一部の診療行為ではございますけれども、今回二次医療圏別の集計を行わせていただいております。具体的には、入院の初再診料等を対象とさせていただいております。失礼いたしました。入院のではなく、初再診料を対象とさせて頂いております。
最後のページの報告になるのですけれども、8月27日に第4回NDBデータを公表させていただいたところでございますが、一部の集計情報、具体的に申し上げますと処方薬、内服、外用、注射の部分と、特定保険医療材料につきまして、8月27日に集計値に誤りがあることが発覚いたしまして、現在、一時的にこれにつきまして公表を停止させていただいているところでございます。
これらの項目につきましては、今後再集計をさせていただきまして、正しい集計値が公表されるよう進めてまいりまして、集計され次第、公表する予定でございます。
以上、第4回のNDBオープンデータの公表につきまして報告とさせていただきます。
○山本座長 どうもありがとうございました。ただいまの事務局からの御報告に関しまして、御質問、御意見がありましたらよろしくお願いいたします。どうぞ。
○頭金構成員 毎回、オープンデータを作成するのに非常に多くの労力をかけているということは理解しておりまして、それには敬意を表したいと思うのですけれども、やはり間違いがあるということであれば今後も影響が多方面にわたるということが考えられますので、迅速かつ正確なデータの公表をお願いしたいと思います。以上です。
○山本座長 ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○高橋構成員 聞いていいのかわからないですけれども、どこからこの間違いというのを指摘されたのかをお伺いしたいのですが。
○梅澤専門官 事務局でございます。外部から第3回と第4回の集計値に、特定保健医療材料について数値に差があるが、その差の原因は何でしょうという問い合わせを受けまして、数値をこちらのほうで調べましたところ、集計プログラムが第3回と第4回でちょっと違っていて、第4回でもともと集計する必要がないレコードからも集計されてしまっていて、第4回の数値が第3回より少し多くなってしまっていたことが発覚いたしまして、一時、第4回を今とめているという状況です。
それで、薬のほうは特に御指摘を受けなかったのですけれども、特定保健医療材料と薬剤のデータが基本的に集計プログラムは同じような考え方でやっていますので、薬剤のほうもこちらで調べましたところ、やはり集計する必要のないレコードから集計していて、少し数値が違っていましたので、こちらについても集計をとめているという状況です。
○山本座長 ほかはいかがでしょうか。
やむを得ないとは言いながら、事業者が時々かわるので、なかなか経験が継続的に蓄積されないという問題も多少あるんでしょうね。CMSからレスダックを通してやるみたいな形で、途中に経験を蓄積するところがあるともう少しスムーズかもしれないと思いますけれども。
○松田構成員 今のことに関連して、恐らくそういう誤りを予防するために集計プログラムそれ自体を厚労省のほうで、その都度、業者がかわったとしても使えるように集計プログラムを厚労省のほうで保管する。
それで、事業者がかわった場合はそのプログラムを渡すという形で、業者にとってはいろいろとあると思うんですけれども、そういう形にしていったほうがいいんじゃないかと思いますので、プログラムを含めて厚労省が管理するという仕組みにすればいいのではないかと思います。
○山本座長 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。これは今回が初めての取り組みで、一部の診療行為に対して二次医療圏別に集計をした。ニーズとしては、二次医療圏別の集計が欲しいというのはいろいろな分野で出てくるわけですけれども、結果的にはすごく手間がふえて大変なのでということで、今回は一部施行してみたわけですが、これはどうだったんでしょうね。やはり、相当厳しい作業量の増加になったのでしょうか。それとも、次回はもう少しふやせそうだとか、そのあたりがもしわかれば教えていただければと思います。
○梅澤専門官 事務局でございます。一応、次回、二次医療圏の集計については少し拡充して公表しようと思っているところです。それで、その先についてはまだ検討中ではありますけれども、今のプログラムのままですと、全ての項目を二次医療圏で集計するというのは時間がかかり過ぎまして、プログラムから考え直さなければなりませんので、どんなに頑張って早くても来年の調達の仕様書の中にそういったことを反映して、再来年の第6回になりますでしょうか、そこで二次医療圏の集計が反映できるかどうかといったところになるかと思ってはいます。
これから検討段階ですので、まだ決まってはおりませんけれども、そういった状況です。
○山本座長 わかりました。ありがとうございました。ほかに御質問はいかがでしょうか。
結構いろいろな学会の発表でこのオープンデータを使った発表が出てきて、論文も出ているようですので、これは申請せずに使えるという意味では、あるいは外国からでも使えるという意味では非常に意義は大きいと思いまして、できるだけ将来にわたって充実させていきたいと思いますので、皆様方も御検討をどうぞよろしくお願いをいたします。
御意見ございませんでしょうか。これで本会議の議題は終わりですけれども、よろしゅうございますか。
それでは、この2つの議題以外でも、本会議としての御意見で特別御発言がございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
それでは、本日の議事はここまでとなります。事務局から、何かお知らせがございますでしょうか。
○新畑室長 御審議ありがとうございました。
本日、この後、休憩を20分ほど挟ませていただきまして、14時45分より審査分科会を開催させていただければと思います。お忙しい中、申しわけありませんが、よろしくお願い申し上げます。
本日はありがとうございました。
○山本座長 それでは、第46回「レセプト情報等の提供に関する有識者会議」をこれで終わらせていただきます。お忙しい中、どうも御参集いただきありがとうございました。
分科会の構成員の皆様は、この後、引き続きよろしくお願いをいたします。