令和元年度第4回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会 令和元年度化学物質審議会第1回安全対策部会 第196回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会
      【 第一部議事録】

【日時】

 令和元年7月24日(水) 13時00分~14時15分

【場所】

 中央合同庁舎5号館 18階 専用第22会議室
 

【出席者】(五十音順、敬称略)

【薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会委員】

  菅野純  鈴木勇司  高橋祐次  頭金正博  豊田武士  平林容子(座長)  
    広瀬明彦   北條仁     本間正充    増村健一

【化学物質審議会安全対策部会委員】

  浅野哲  大石美奈子  柏田祥策  金子秀雄  亀屋隆志  小林剛  坂田信以  恒見清孝  
  東海明宏(部会長)  吉田浩介

【中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会委員】

  青木康展  小山次郎  白石寛明(委員長)  鈴木規之  田辺信介  山本裕史  
    吉岡義正  和田勝 

【事務局】

  厚生労働省  渕岡化学物質安全対策室長
  経済産業省  飛騨化学物質安全室長
  環   境  省   柳田化学物質審査室長     他

【議題】

1. 開会
2. 議題
 1.優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価Ⅱにおける評価等について
 2.化審法におけるスクリーニング評価の基本的な考え方等の改訂について
 3.その他
3. 閉会

【議事】

 
○経産省  それでは、時間がまいりましたので、ただいまから令和元年度第4回薬事・食品衛生審議会薬事分科会化学物質安全対策部会化学物質調査会、令和元年度化学物質審議会第1回安全対策部会、第196回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会、合同審議会を開催いたします。
 本日は、いずれの審議会も開催に必要な定足数を満たしており、それぞれの審議会は成立していることをご報告いたします。
 審議に先立ちまして、夏季の軽装のお願いについて申し上げます。地球温暖化防止、省エネルギーに資するため、政府全体として夏季の軽装に取り組んでいるところでございます。これを踏まえ、事務局は軽装にて対応させていただいております。委員の方々におかれましても、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
○厚労省  本合同審議会を開始する前に、厚生労働省事務局より所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告させていただきます。
 薬事分科会規程第11条においては、委員、臨時委員または専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員または当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には辞任しなければならないと規定しております。今回、全ての委員の皆様より薬事分科会規程第11条に適合している旨ご申告いただいておりますので、ご報告させていただきます。
 委員の皆様には、会議開催の都度、書面をご提出いただいており、ご負担をおかけしておりますが、引き続きご理解、ご協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○経産省  続きまして、化学物質審議会安全対策部会に委員の改選がございましたので、新任の委員をご紹介させていただきます。
 原田委員がご退任され、新たに、日本石鹸洗剤工業会の吉田浩介様が就任されました。よろしくお願いいたします。一言お願いします。
○吉田委員  日本石鹸洗剤工業会の吉田です。どうぞよろしくお願いいたします。
○環境省  事務局に異動がございましたので報告いたします。
 環境省大臣官房環境保健部環境保健企画管理課化学物質審査室長に柳田貴広が着任してございます。ご挨拶申し上げます。
○環境省  環境省化学物質審査室長の柳田と申します。よろしくお願いいたします。
○経産省  本合同審議会は、第一部から第三部に分けて実施します。13時から14時15分までを第一部として、優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価Ⅱの審議等を公開で行います。終了後、休憩を挟みまして、14時半より第二部を行います。
 それでは、お手元にお配りした資料について確認をしたいと思います。
 まず、資料1シリーズは、優先評価化学物質N,N―ジメチルプロパン―1,3―ジイルジアミンの評価に係る資料となっております。資料1─2が、その生態影響に係る有害性情報の詳細資料(案)、資料1―2参考として、環境モニタリング結果の案、資料1―3についてはパソコンに保存しております。
 資料2シリーズは、NPEのリスク評価(一次)評価Ⅱに係る資料となっております。まず資料2として、化審法優先評価化学物質のリスク評価と環境基準の設定に用いる有害性情報の関係について、続きまして、資料2参考1といたしまして、生態影響に係る有害性情報の詳細資料(案)、これは表紙に大きく事務局調整中(未定稿)と書いてありますが、後ほど説明しますが、事務局間でまだ調整未了という箇所がありまして、本資料については本日の審議対象外ということに事務間でなっております。続きまして、資料2参考3、MEOGRTにおけるTG240からの逸脱とNOECへの影響について、これはこの前の3月22日の審議会の資料になります。続きまして、資料2参考9、経済省から環境省にお渡ししているMEOGRTに関する意見書になります。その他の資料2シリーズの資料は、電媒としてPCに保存してあります。
 続きまして、資料3シリーズが、資料3―1として、「化審法に基づくスクリーニング評価の基本的な考え方等の改定(案)について」。修正箇所の説明資料となっております。その修正資料自体の資料3―2、3―3、3―4については、電子データとしてパソコンに保存しております。
 最後に、資料4として、2018年度スクリーニング評価進捗状況及び一部訂正についてとなっております。
 なお、その他の委員名簿等の参考資料、あるいは各種ガイダンスにつきましては、お手元のパソコンに入っております。過不足などございましたら、お知らせください。よろしいでしょうか。
 それでは、これより議事に入ります。
 本日の全体の議事進行につきましては、化学物質審議会安全対策部会の東海部会長にお願いいたします。東海部会長、よろしくお願いいたします。
○東海部会長  それでは、これより議事に移らせていただきます。
 初めに、本日の会議の公開の是非についてお諮りいたします。
 各審議会の公開につきましては、それぞれ規定のあるところでございますが、公開することにより公正かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがある場合または特定な者に不当な益、もしくは不利益をもたらすおそれがある場合等、非公開とするべき場合には該当しないと考えますので、原則公開といたしたいと思います。ただし、営業秘密等に該当する場合は秘匿することを認めることといたしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
     (「異議なし」の声あり)
 それでは、本日の会議は公開といたします。
 議事録につきましては、後日ホームページ等で公開されますので、あらかじめご承知おきお願いいたします。
 本日は、N,N―ジメチルプロパン―1,3―ジイルジアミン及びポリ(オキシエチレン)=ノニルフェニルエーテルの評価並びにスクリーニング評価手法等に関する審議を行います。
 これ以降は優先評価化学物質のリスク評価(一次)評価Ⅱの審議に移ります。まずは、N,N―ジメチルプロパン―1,3―ジイルジアミンの人健康影響及び生態影響の観点からの評価に関して審議を行います。
 まず資料1―1、N,N―ジメチルプロパン―1,3―ジイルジアミンの評価について(案)について、事務局より説明をお願いいたします。
○経産省  それでは、資料1―1をごらんください。N,N―ジメチルプロパン―1,3―ジイルジアミンの評価についてという資料でございます。
 本件は、用途情報の確認を行って、暴露クラスに変更があったという事案でございまして、まずその背景について簡単にご説明させていただきます。
 平成21年の改正化審法に基づきまして、一般化学物質の届出に基づくスクリーニング評価が平成23年度から開始されてございまして、また、優先評価化学物質の届出に基づくリスク評価Ⅱの審議は、平成26年度から開始されているところでございます。
 その届出の制度運用を開始した当初は、届出用途に間違いがあるというようなことは想定をしておらなかったということで、スクリーニング評価段階で届出事業者への用途の確認は実施してございませんでした。他方で、平成26年度にリスク評価Ⅱの審議が開始された際に、詳細リスク評価における暴露情報の精査の重要性に鑑みまして、優先評価化学物質の届出事業者への用途確認を開始したところでございます。
 そして、間違った用途情報をもとに優先指定ですとか評価Ⅱの審議等を行うことを避けるということで、その翌年度の平成27年度からスクリーニング評価の段階で一般化学物質の届出の用途確認を開始しまして、その後、リスク評価の評価Ⅰから評価Ⅱに上げる際の用途確認等も始めたところでございます。
 評価Ⅱに来ている物質につきましては、別途定めております評価Ⅱスケジュールを踏まえて、用途確認の行う時期を決めていたところでございます。リスク評価を行うに当たり、用途確認のほか、化学物質の物理化学的性状ですとか有害性データの収集、モニタリング調査について、3省がそれぞれ分担して実施しているところですが、評価Ⅱが円滑に進められるように、審議会の前年度までにそれらの情報収集を完了するように、事務局間で運用を変えていきましょうという過程でございまして、評価Ⅱスケジュールを昨年度末に見直したところでございますが、この用途確認が行われていない物質が含まれているという点を十分に考慮し切れておらず、今回、用途確認が直前になってしまったという経緯がございます。
 資料1―1にお戻りいただきまして、中身についてご説明させていただきます。
 N,N―ジメチルプロパン―1,3―ジイルジアミンにつきましては、平成24年度に実施したスクリーニング評価において、人健康影響に係る暴露クラス2、有害性クラス3、生態影響に係る暴露クラス2、有害性クラス2を用いまして、人健康影響及び生態影響に関する優先度は「高」と判定されまして、平成24年12月に優先評価化学物質に指定されたところです。
 当該物質の優先評価化学物質の製造数量等の届出の際に用いられていた用途について、事業者に確認をしたところ、水系洗浄剤または殺生物剤として届け出られていた用途が、実際はそれらの中間物であったことなどが判明いたしました。
 その後、優先評価化学物質の指定の際に用いた用途についてもさかのぼり照会したところ、人健康影響及び生態影響に係る暴露クラスは5となりまして、DMAPAの優先評価化学物質の指定根拠が失われ、用途確認後の届出情報を用いて、改めてスクリーニング評価を行った結果、人健康影響及び生態影響に関する優先度はそれぞれ「低」及び「中」となりまして、優先評価化学物質相当ではないことが確認されました。
 また、優先評価化学物質の指定後から今年度までの評価対象となる届出情報について、上記と同様に用途の確認を行い、人健康影響及び生態影響に係る暴露クラスを算出したところ、いずれも暴露クラス5以下でございました。ということで、優先評価化学物質の指定後から今年度までにおいても、優先評価化学物質相当ではなかったことが確認されました。
 以上を踏まえまして、化審法第11条第2号二に基づきまして、優先評価化学物質の指定の取り消しを行い、一般化学物質として製造・輸入数量等を把握することとしたいと考えております。
 以上、ご審議のほど、よろしくお願いいたします。
○東海部会長  ありがとうございました。それでは、今の事務局の説明につきまして、ご質問、ご意見がございましたら、お手元のネームプレートを立ててください。順に指名させていただきます。菅野委員、どうぞ。
○菅野委員  ご確認させていただきたいのですが、これはスクリーニングはやったのでしたか。済んでいるのですか。
○経産省  実施してございます。
○菅野委員  ということは、推計データ以外に暴露に関する実データがあるのですね。スクリーニング、お金をかけて何地点か実際に測定されたのですよね。
○経産省  モニタリングデータにつきましては、後ろについている資料……
○菅野委員  されたか、されないかだけでいいのですが。
○経産省  されております。
○菅野委員  されていますね。用途の条件なしでも、実データがあれば評価できますよね。それでも大丈夫だったのかだけ確認したいのです。要するに、最初の前提が間違っているから、仕切り直すのは全然構わないのですが、ですから、推計データのみでやり直せばこうなるだろうというのはいいのですけれども、仮に測定してみたら出てきてしまった場合は、推定の根拠に使った用途がどうであれ出てきているので、そのデータをもとにした評価はできるはずですよね。それでも結果が変わらないのであれば、私は問題ないと思います。実データがあるのにそれを使わないというのは、ちょっとおかしいのではないかと思うのです。そこはどうなのですか。
○経産省  データにつきましては、この後、資料1―2参考ございますので、環境省さんからご説明いただければと思いますが、1点あるのは、スクリーニング評価の際にモニタリングデータを使うのですけれども、それはある場合に使うというものであるという点は、ご理解いただければと思います。
○菅野委員  ある場合にというのは、どういうことですか。ですから、国民の立場からしたら、推計でやるよりは、実際に出たデータがあれば、そちらのほうが信頼性が高いというのは当然の帰結ですよね。そこを手続論で何かおっしゃるのであれば、それはまた別問題だと思うのです。そこだけぜひはっきり。
○経産省  言葉が足りませんで、済みません。申し上げたのは、モニタリングデータがある場合は、エキスパートジャッジメントで使うのですけれども、モニタリングデータがないことをもって、推計排出量の評価をしないという運用ではないという点だけはご理解いただければと思います。説明のほうをお願いできれば。
○菅野委員  今の説明はよくわからないのですけれども。
○青木委員  申しわけない。正直、わからなかったのだけれども、使うのですか、使わないのですか。菅野先生の質問はそれだけだと思うのですけれども。
○菅野委員  私は使わなければいけないと思いますという意見です。
○東海部会長  済みません、今の点は、多分、資料1―2参考のところで、後ほど環境省からご説明があるのではないかと思います。
○環境省  そうですね。モニタリングデータの結果とPNECの値につきましては、おっしゃるとおり、資料1―2参考のところで後ほどご説明させていただきたいと思います。
○東海部会長  鈴木委員。
○鈴木(規)委員  今ので、ちょっとよくわからないけれども、資料1―2というのは説明しないのですかと聞こうと思ったのですが、説明するのですか。
○環境省  ええ。
○鈴木(規)委員  通常、過去、これは多分、リスク評価(一次)の評価Ⅱに進んでいたのだと私は思っているので、そうであれば、評価Ⅱをやってみた結果、実は似たことが起きて、暴露評価がまた変わってしまいましたというのは前にもあったと思うので、その評価書を書いたよう記憶はあるのですけれども、それと同じような議論が起こるのかなと思ったのですが、一度切られたので、では、この次の説明があるのですね。
○環境省  ございます。
○鈴木(規)委員  では、それを聞いてからまたやります。
○東海部会長  そのほかいかがでしょうか。よろしゅうございますか。白石委員。
○白石委員長  もしもここで議論がないのであれば、資料1―1の経緯について口頭で説明があったのですけれども、これをみた人ではわからないので、実際にどういった状況にあるのかというのをここの四角の中に記入したほうがいいと思います。しなければいけないのではないかと思うのですけれども、これはリスク評価Ⅱを実施していて、それぞれ分析なり毒性データの収集なりしていたわけで、優先評価化学物質に指定された、その次に、リスク評価Ⅱをいつからやっていたのかみたいなのが書いていいと思うのですけれども、その結果、用途の間違いがみつかった、あるいはモニタリングデータからも有害性リスクは確認されなかったみたいな書きぶりになるのではなかろうかと思います。ここについても少し修正が必要かなと、一応発言しておきます。
○東海部会長  ありがとうございました。ほかございませんようでしたら、環境省から資料1―2参考の説明を補足いただければと思います。
○環境省  いかがいたしましょうか。参考のモニタリングのほうからしたほうがよろしいですか。議事上ですと、資料1―2の有害性のほうもすることになっているかと思いますが、一連でよろしいですか。
○東海部会長  では、あわせてお願いいたします。
○環境省  それでは、資料1―2に基づいて、N,N―ジメチルプロパン―1,3―ジイルジアミン――以下、DMAPAと申し上げさせていただきます――の生態影響に係る有害性情報の詳細についてご説明いたします。
 1枚めくっていただきまして、3ページ目でございます。リスク評価の技術ガイダンスに従いまして、当該物質の生態影響に関する有害性データを収集いたしまして、それらのデータの信頼性を確認するとともに、既存の評価書における評価や国内外の規制値の根拠となった有害性評価値を参考としつつ、予測無影響濃度(PNEC値)に相当する値を導出いたしました。
 本物質に関しましては、logPowがマイナスの0.352となっておりまして、3未満であるため、水域では懸濁物質への吸着や底質などへの移行の可能性が低いため、水生生物のみのリスク評価(一次)評価Ⅱを実施してございます。
 続きまして、1―1、生態影響に関する毒性値の概要でございます。表1―1に、PNECwater導出に利用可能な毒性値をお示ししてございます。本物質に関しましては、一次消費者のみのデータが得られてございます。
 1枚めくっていただきまして、4ページ目、(1)水生生物の慢性毒性値のところですけれども、本試験ではOECDのTG211及びEUのMethod C.20に準拠し、Daphnia magna、オオミジンコの繁殖阻害試験が行われてございます。試験に用いられた被験物質は純度99.9%、半止水式で実施されてございまして、試験は対照区及び1.5ミリグラム/Lから10ミリグラム/Lまで、公比1.6で、5濃度区で実施されてございます。実測濃度は、時間加重平均の算出ですけれども、ほぼ設定どおりとなってございまして、総産仔数に対する無影響濃度は3.64ミリグラム/Lとなってございます。
 ページの中段、PNEC導出のところですが、1つの栄養段階に対する信頼できる慢性毒性値、ただいま紹介いたしました3.64ミリグラム/Lが得られておりますので、これらに種間外挿のためのUF「10」、それから室内から野外への外挿のUF「10」、あわせて「100」で除して、DMAPAのPNECwaterとして0.036ミリグラム/Lが得られてございます。
 DMAPAは、主要国で水生生物保全に係る基準値などは設定されてございません。
 また、国内外のリスク評価書などに関する情報につきましては、OECDの初期評価報告書で藻類の生長に対する72時間のEC50が算出されてございまして、それをもとにしたPNECが0.0562ミリグラム/Lとなってございます。
 5ページ目に移らせていただきます。1―3、有害性評価に関する不確実性解析でございます。
 本物質につきまして、PNECwater導出に用いることができる毒性値は、一次消費者の慢性毒性値のみであり、生産者と二次消費者について信頼できる毒性値が得られてございませんので、基本的な不確実性があるといえます。
 その下の1―4の結果では、今ほど紹介した結果をとりまとめてございます。
 有害性情報につきましては以上です。この後に、先ほど述べましたモニタリングについて触れさせていただければと思います。資料1―2参考をごらんください。
 当該物質に関しましては、今、経済産業省様のほうからご説明がありましたとおり、リスク評価書等の完成前に用途違いが発覚したわけですけれども、環境モニタリングにつきましては、分析方法の開発から行ってございまして、平成28年に全国20地点でモニタリングを行ってきてございます。その結果ですが、全ての地点で検出限界未満、検出限界はこの分析法によりますと3.0×10-5、これ未満ですので、先ほど申し上げたPNECよりも十分低いことから、DMAPAに関しましては広域な地域での生活環境動植物の生息もしくは生育に係る被害を生ずるおそれがあるとは認められないと考えられる。こういったことをあわせてご報告させていただきます。
 以上でございます。
○東海部会長  ありがとうございました。それでは、今の事務局の説明につきまして、ご質問、ご意見等がございましたら、お手元のネームプレートを立てていただければと思います。それでは、吉岡先生。
○吉岡委員  今、この物質の有害性情報の資料のご説明をいただきましたけれども、結局、こういう資料は最後、どうなるのですか。つまり、これは優先評価化学物質ではないので、評価Ⅱはしなかったということになるのですか。評価Ⅱはして、こうこうこういう理由で途中でやめたのだといって、資料は公表されるのですか。
○東海部会長  事務局、いかがでしょうか。
○経産省  そこら辺の、この資料をどういう位置づけにするかというのは、実は今、事務局で調整中でございますので、引き取らせていただきます。
○吉岡会員  調整中という話ですが、それは最終的にこの審議会で出してもいい悪いということを決めることなのですか。それとも、事務局がその決定をする権利があるのですか。
○経産省  少なくとも、本日の資料、有害性評価書(案)につきましては、本日ご了承された場合は、3省合同審議会で了承されたということで、そのまま公表いたします。
○吉岡委員  もし公表するとするならば、当然、最終的に、生態影響、人影響、それから物理化学的性状、わかっている範囲のこと、調べられた範囲のことは全て記入した上で、経緯の詳細、いつ誰がどうした、どこに問題があったのだというのを書かないと、次のときにどうすべきなのか。もちろん、先ほどのご説明で、もう改善は済ませていますというようなこともあったのですけれども、そういうことも含めて全部書いていただかないと価値がなくなってしまうと私は思っております。
○東海部会長  事務局、いかがでしょうか。何かつけ加えはございますでしょうか。
○経産省  その点につきましても、書ける範囲で調整いたしまして、そのようにいたしたいと思います。
○吉岡委員  その調整した結果は、この審議会に出るのですか、出ないのですか。
○経産省  もし報告するべきだということであれば、次回でも報告させていただきますが。
○吉岡委員  報告なのですね。
○経産省  審議する内容であれば、もちろんご審議いただきますが、事務局間でその調整が済み、それがご審議いただくべき内容でないということであれば、ご報告ということになるかと思います。内容次第だと思います。
○吉岡委員  長々とごめんなさい。これは途中でやめたとしても基本的にリスク評価書ですね。それは審議会の承認というのか、そういうものはなくていいのですか。
○経産省  今、ご承認をいただこうとしているのが、まさに先ほどの資料1―1の内容でございまして、それは今、ご承認をいただこうとしているところでございます。
○吉岡委員  1人で余りしゃべってしまうと時間をとってしまうので、たまには遠慮しようと思って。
○東海部会長  では、青木委員。
○青木委員  私の理解でいえば、これは審議をお願いします。 というのは、1―1の文章に反映するということになったら、今の議論ですと、評価Ⅱに入っているわけですね。資料1―2が出ているということは、既に評価Ⅱのプロセスに入っているということですから、それにあわせて資料1―1を書き直していただいて、それはもちろん事務局間の調整は当然あると思いますが、その結果をこの審議会に出してください。これは委員としての提案です。
○東海部会長  このようなご提案がありましたけれども、そのほかこの件でご意見等ございますでしょうか。鈴木委員。
○鈴木(規)委員  今いわれたのと大体同じですけれども、いただいた資料の1―2と1―2の参考、それから資料1―1の書くのは、私は少し無理があると思いますので、資料1―1に関して、届出情報の見直しの結果、引き下げられた結果に関しては変わらないかもしれませんが、最終的な資料1―1の報告案については、実際に評価Ⅱに入ったわけですから、評価Ⅱに入った結果、ある種の情報が途中まで出てきて、途中の段階で、もしそれを判断したというのであれば、その経緯を記述した上で、資料1―1に正確に記述すべきであると考えますので、そのようにしていただきたいと思います。
 したがって、この文章は大幅に修正する必要があるかと思います。
○東海部会長  ありがとうございました。そのほかご意見ございますか。どうぞ。
○小山委員  用途情報の見直しについてちょっとお伺いします。
 先ほど来、経産省のほうから、用途情報の見直しをしていたということを伺いましたけれども、今回は用途情報の見直しによって過大評価されていたのですかね。過小評価されたものについての見直しはどうやってやるのでしょうか。
○経産省  今回、中間物の用途に当たるかというところが暴露クラスに大きく影響したところでございますが、照会の内容としましては、例えば今回、水系洗浄剤であれば、水系洗浄剤であるのか、それともそれの中間物なのかという、想定し得る選択肢、用途情報を事業者の方に提示して、どれが正しいかをご判断いただいているわけでございますが、そもそも中間物として届出られた方々についても、それは本当に中間物なのか、それとも水系洗浄剤そのものでないのか、もう少し排出係数が大きな用途ではないのかという、両方を一応照会している。それで、その照会結果がこの資料1―1のとおりであるということでございます。
○小山委員  それはたまたま問題になったから、そうしたわけですよね。もしかしたら、逆に、過小評価していれば問題になっていないわけですよね。それをどうやって掘り起こすかということをお伺いしたいのです。
○経産省  そういった点もございますので、スクリーニング評価で行っているのは、PRTRデータがあれば、そちらもみるですとか、モニタリングデータがあれば、そちらもみるというような運用をしているのが現状でございます。
○小山委員  それは用途情報の話ではないですよね。
○経産省  用途照会につきましては、そもそも、まず届出者の方が用途については記載されるのですけれども、その際に、迷ったり、不安がある場合には、排出係数が大きいほうを記載するように、全くわからない場合は不明ということで、最大の排出係数になるものを選択いただくようにしていますので、明確にわかっている方はそのものを書くし、わからない方は大きい方のものを書いていただくという運用になっていますので、今まで出てきたものが、用途が小さくなったものばかりにみえるのは、そういうことがあるということです。
○東海部会長  ありがとうございました。それでは、広瀬委員。
○広瀬委員  たくさんコメントが出たので短くしたいと思いますけれども、基本的にスクリーニング試験でも実データがあったら、それで評価するというスキームになっているのですよね。そうだとすれば、評価Ⅱの少なくとも評価書はフィックスしていただいて、その評価書の結果に基づいてスクリーニング試験は行って、優先でなかったという判定、あるいは、その評価Ⅱをするかしないかということについては、手続論になるので私はそこまで踏み込みませんが、今後これが用途が変わってまた戻ってきたときに、この評価書が使えなくなるというのは、リソースの損失だと思いますので、そういう点も含めて、資料1にはこの評価書も使って評価したという文面は入れたほうがいいのではないかと思います。
 以上です。
○経産省  今あるデータについては全て入れたものにしておくべきということでよろしいですか。
○広瀬委員  そのほうが。後々また使わなければいけないことになると思います。
○経産省  承知しました。
○東海部会長  そのほかご意見ございますでしょうか。菅野委員。
○菅野委員  今ちょうど、全て今あるデータを入れ込んでこれを書き直していただけるということだと拝聴したので、それは結構で、そのようにしていただければと思います。
 過小評価のものは余りないということは、今後またこういうものが出てきたときに、こういう論議が起こると思うのですが、やはり国税、国費を使って出たデータは、必ず全てみえるところに、報告書に入れるというのが大前提ということで今後とも対応いただければよろしいのではないかと思うのです。もし審議が必要なネタなのであれば、今後こういう類似事例が起こったときに、どこまでちゃんとやるかというところを、1つの議題として整理しておかれたらいいのではないかと思います。
○東海部会長  ありがとうございました。そのほかお気づきの点、ご助言等ございますでしょうか。白石委員。
○白石委員長  質問です。事業者の届出誤りということで、事業者の責任が非常に大きいのではないかと思いますが、26年からこれまでずっと同じ過ちを繰り返していたということなのですけれども、この物質は、そもそもこれが界面活性剤の中間体であろうということは、普通、化学をやった者だとわかると思うのですが、実際扱っている企業の方々がなぜ間違えたのかというのは、企業の方々の委員がいらっしゃるので、ちょっと実態をお伺いしたいと思うのですが。
○経産省  まず、今回の届出用途の間違いをされたのは輸入者の方でして、商社の方とか化学物質のことを余り知らない方が結構います。ましてや化学物質の管理をやっている方、そういう部署の方というのは、我々が連絡をしていて感じるのですが、化学のことを、ましてや構造式のことなどは全く知らない場合が多いです。その輸入者の方は、届出書に用途、つまり出荷先の用途を書きなさいといわれても、商流上、客先に用途を教えてもらうというのはなかなかハードルが高く、出荷先の用途はちょっとわからないというところから始まります。今回時間がかかってしまったというのも実は、お聞きした相手が輸入者の方だったものですから、その届出用途が正しいかの確証を得るまでに時間がかかってしまいました。正直、有害性情報の収集をきちっとやっていただいていた方のはしごを外したみたいな形になっているのは、個人的には本当に申しわけないと思っておりますが、そういう事情もあります。
 そういうことがないように、今、3省で皆さんの作業が無駄にならないような理想的な審議スケジュールを昨年度ぐらいから検討していて、前年度までには少なくともいろいろな情報の収集を終わらせるようにしようと考えております。ただ、それだけでは足りないと思っていて、日ごろから3省でいつ何の物質について有害性情報を集めるのか、こういうモニタリングの開発をしていてこれぐらいにでき上がる、では経済省はこのぐらいの時期までに用途照会を終わらせておかないと迷惑がかかってしまうというようなことがわかるような整理をしなくてはいけないと考えていて、その過程にあるということです。今回のことを教訓に運用についての3省の連携もきちっとさせていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
○東海部会長  ありがとうございました。青木委員。
○青木委員  今伺って、むしろ意外だったのですけれども、そうすると、やはり制度的に、輸入業者の方も登録しているということ、それはそうなのでしょう。ただ、そこで今のようなお話を伺うとしたとすると、ほかの物質は本当に大丈夫かなと、またさらに思ってしまうのです。個人的に申しわけなかったというのは、それはそのとおり受けとめますが、問題はそこではなくて、再発防止策をどうするかということをきちんと出していただきたい。これは3省の間できちんと議論していただくことだと思うのだけれども、でも、基本的には、輸入のところは御省がみているわけですよね。だから、そこはやはりきちんとやっていきたいなと思います。ですから、そこはぜひよろしくお願いします。
 あともう1つ、ちょっとだけ前に戻りますが、今までこの評価をするために多くの公費をかけているのは事実です。でも、それ以上に重要だと私が思うのは、そのために多くの人的資源をつぎ込んでいるということです。日本はリスク評価がおくれているといわれています。その多くの理由が、そこの人的資源の正しい使い方がされていなかったからだと思います。それは例えばこのようなことです。リスク評価をしたのに、それが使われなかった。それでは、やはりそこには人材が集まらないですよね。よく考えていただきたい。
 以上でございます。
○東海部会長  多方面から貴重なご意見等いただきまして、ありがとうございました。かなり本質的な議論もありました。この議論の中で、最終のレポートとして足りない部分が今回委員の中で共有できたと思いますので、事務局におかれましては、ぜひ今回の意見を反映させた形で、最終の文書の作成をお願いしたいと思います。
○青木委員  確認です。私としては、リスク評価Ⅱに入ったということは、この資料1―1にある部分には入れていただきたいということです。
○東海部会長  わかりました。それも事務局のほうで調整の上、進めていただければと思います。
 それでは、次の議題にまいりたいと思います。
 続きまして、ポリ(オキシエチレン)=ノニルフェニルエーテルにつきまして、事務局より報告をお願いいたします。
○経産省  それでは、資料2に基づきまして、NPEの現在の事務局の調整状況についてご報告させていただきます。資料2ですが、化審法優先評価化学物質のリスク評価と環境基準の設定に用いる有害性情報の関係について、になっております。
 平成31年3月22日開催の3省合同審議会におけるNPEに係る審議において、事務局間で調整することとなった、化審法優先評価化学物質のリスク評価と環境基準の設定に用いる有害性情報の関係についての調整状況は以下のとおりになります。
 1.ですが、3月22日以降、これまでの事務局間のやりとりの経緯を簡単に書いております。
 まず、4月17日の3省での打ち合わせにおいて、今年度の化審法リスク評価及びスクリーニング評価に関する全体の作業方針等について検討、共有いたしました。
 次に、5月23日、これは経済省と環境省の打ち合わせになりますが、本件NPEについての環境省内関係部局で検討、整理した文書の作成を、経済産業省から環境省に依頼させていただき、その場で環境省に了承していただきました。
 その後、しばらくたって再度、6月19日に経済産業省と環境省が打ち合わせをもちました。その場で経済産業省から環境省に対し、改めて先ほどの文書の提出を依頼させていただきました。
 その後、7月3日及び7月11日に、これは内容の違う紙ですけれども、環境省から経済産業省に文書の提出がなされ、その後、7月11日から7月19日、20日、しばらくですけれども、審議会直前まで数次にわたって両省間で文書の取り交わしがなされております。
 そのやりとりの主な論点を次に書かせていただいております。事務局間の調整における主な論点は、環境基準が設定されている化学物質のリスク評価について、有害性情報の供試生物の範囲が環境基準で用いるデータの範囲と異なることなどについて、法条文及び条文の解釈に照らして妥当かどうかという点について、きょう現在も環境省及び経済省で調整が継続しているところでございます。
 次ページ以降に、その法条文と条文の解釈の関係箇所、どこの部分で議論しているかということだけご紹介いたします。
 まず2ページ目は、化審法条文そのままですが、最初の第2条第3項というのが、第二種特定化学物質の定義が書かれているところでございます。下線部分だけ読ませていただくと、「生活環境動植物の生息若しくは生育に係る被害を生ずるおそれがあると認められる化学物質」、それが第二種特定化学物質とうことです。
 優先評価化学物質については、第2条第5項ですが、下線部分、「生活環境動植物の生息若しくは生育に係る被害を生ずるおそれがないと認められないもの」、これが優先評価化学物質の定義です。そのポイントとなっている、「生活環境動植物」というのは、法第2条第2項に書かれているとおり、「その生息又は生育に支障を生ずる場合には、人の生活環境の保全上支障を生ずるおそれがある動植物をいう。」ということになっております。
 これが化審法の条文上の書きぶりでございます。
 続きまして、3ページです。その「生活環境動植物」というものを化審法の逐条解説、これは平成15年当時の法改正のときに、内閣法制局に説明した内容をもとに、3省がフィックスした解釈の文言になりますけれども、これも下線の部分だけ読ませていただきます。
 「「生活環境動植物」とは、平成十五年改正により導入された概念であり、第一種特定化学物質及び第二種特定化学物質が数量制限等を伴う直接規制の対象となりうるものであることを踏まえ、こうした直接規制を講ずる場合における評価の対象となる動植物の範囲
を環境基本法に規定する「生活環境」保全に必要な範囲に限定する趣旨を示している。具体的にいかなる動植物がこれに該当するかについては、環境基本法の解釈等に従いつつ社会通念で判断される」。
 次の下線ですが、「単に「動植物」と規定していないのは、➀化学物質が動植物(一般)あるいは生態系全体に及ぼす影響を定量的に評価する方法が確立されておらず、生態系への影響の観点から直ちにこれらの化学物質の製造・輸入を制限する等の数量規制を実施することは困難であること、➁他方、保護の対象を「動植物(一般)」や「生態系全般」ではなく、一定の範囲に限定することとすれば、定量的な評価が可能となること」となっております。
 これが3省で合意している化審法逐条解説の書きぶりでございます。ということで、現状、環境省と経済省の間でこの法律の解釈の部分について、環境省の法律の専門家も含めて議論をさせていただいているところでございます。
 以上、ご報告です。
○東海部会長  ありがとうございました。本件は、引き続き事務局間で調整をお願いいたします。どうぞ、ご意見等ございましたら、よろしくお願いします。
○小山委員  今の説明は、具体的に、前回、3月の審議会のときに、アミも含めたノニルフェノールのリスク評価を行うということで、アミのデータをここに提出していますけれども、そのアミがここの中では対象生物にならないというご指摘なのでしょうか。
○経産省  その対象生物になるかならないかという判断をするために、生活動植物というところの環境基本法と化審法の関連について、まずは事務局間で整理することをやらせていただいております。
○小山委員  そのときに、これはもし違っていたらご指摘ください。アミが日本の在来種ではない、アメリカの種類であるということで、生活環境動植物ではないという解釈だとすると、Daphnia magnaはどうなるのでしょうか。Daphnia magnaは日本の在来種ではないですよね。ですけれども、この化審法では新規の化学物質の評価に使っていますし、既存の化学物質の評価でも使っております。これをどのように整合性をとるのかということも含めた議論をぜひお願いいたします。
 以上です。
○東海部会長  ありがとうございました。そのほか、ご意見、ご質問等ございますでしょうか。菅野委員。
○菅野委員  この条文の解釈はいろいろあるのかもしれませんが、むやみに広げるなということをいっているだけであって、きちんとエキスパートが長年やってきた経緯がありますので、なぜここで突然という面があるわけです。それは信頼性レベル1、2の問題もあるのですが、要するに化審法の場合は2までは俎上にのせるということで、そこからはエキスパートが判断するということであって、今さら何でここで条文が出てきて、事務局で時間をとらなければいけないかというのが全く理解できない。これは国民に対しては、判断の引き延ばしをしているようにみられてもしようがないのではないかと私は最近危惧しております。
 ですから、メダカの件もそうですが、あれも結局、論文が出ていれば情報としてはレベル2なのです。それはレベル2でないという論議を経済産業省の委員の方はされていますが、そうであれば、その判定基準の条文を変えなければいけないはずなのです。ですから、レベル1、2の信頼性に関しても、これはもう決まっている基準にのっとって、審査のエキスパートジャッジにかけるか、かけないかのところは、もう動かす状況に今はないはずです。
 それで、ここの会議でメダカの件については根掘り葉掘りいろいろ情報が出るように、経済産業省の委員のご努力で詳細までわかったので、レベルに関しての基準で当てはめると、もうレベル1に近くなっています。ですから、そういうことを含めても、時間の引き延ばしにみえるようなことはちょっと差し控えていただいて、各3省のエキスパートでそろそろ審議を始める段階に来ていると私は思うのですが、いかがでしょうか。このまま行くと、また事務局調整といって半年や1年当然たちます。さらに、特に法律の条文などということで法律学者まで引っ張ってきたら、それはそれでやっていただいても結構ですけれども、この段階で急にというのが、フラットに第三者的にみても、ちょっとおかしい。
 繰り返しになりますが、この条文は、むやみやたらに対象を広げるなといっているふうに解釈すべきであって、言い換えると、3省の有識者が、これはいつも扱っている範囲ですね、というのでやりなさいと書いてあるはずなのです。先ほどのDaphnia Magnaは日本語でいうとミジンコですね。ミジンコだって、みんな使っているわけです。日本原産のものではない。だけども、メカニズム的に起こっていることが外挿できるだろうということで、学者がそれを理解して使っているわけですから、環境中にいるいないというのと、評価できるできないというのは、法律上の問題ではないと思うのです。そこら辺、ぜひ提案させていただきたいですね。エキスパートとしてはもう審議できる状況に来ていると。
 もちろん、経済産業省さんのエキスパートの方も参加して、このデータからこの数字は使えないとか、そういう論議はサイエンスレベルで当然できるわけですから。事務局レベルで、特に環境省はひどいと私は思うのだけれども、申しわけないですが、私は環境省の委員だから言ってしまいますけれども、もう1年以上とまっていますし、ここら辺でぜひ3省の、もしあれでしたら座長さん3者に一任でも構いませんから、とにかくエキスパートの俎上にぜひのせるべきだという提案をさせていただきます。
○東海部会長  ありがとうございました。そのほかご意見ございますか。鈴木委員。
○鈴木(規)委員  環境基準と化審法、それぞれ広くは目的を共有して、2つの法律はそれぞれ協力して環境の保全に向かうということは当然だと思いますが、それぞれの法律はある意味違う部分の面倒をみて、違う目的に対して運用して、それぞれ分担して、全体として環境の管理を行っていると私は思います。その2つが、データの供試生物とかいうそんな余り細々した範囲で同じかどうかという議論はほとんど不毛だと私は思いますので、やる必要はないかなというのが私の意見です。
○東海部会長  そのほか。青木委員。
○青木委員  私はまず、菅野委員の提案に賛成します。それで、私も先回欠席だったので議事録を全部隅から隅までよくみてみたのですが、明らかに今回の第一部の審議会では、アミのデータの議論をするプロセスに入っているはずです。それが今回議論されないというのは、私にとっては、この審議会は一体何だろうと思う次第です。何のために日本を代表する、これはもうお互いにわかっていると思うのですけれども、研究者に集まってもらって時間の無駄をさせているのか。私はそのように理解しています。ですから、もしそういう法律の議論が残っているなら、それはそれで1つの考え方として理解します。であるがゆえに、ここで専門家での議論をきちんと開始させていただきたいと思います。
 以上でございます。
○東海部会長  ありがとうございました。そのほかご意見等ございませんでしょうか。坂田委員。
○坂田委員  もちろんサイエンス、科学に基づく審議に入ったらいいと思うのですけれども、ただ、やはりこれは化審法に基づいて物質を評価する場だと思います。法律に基づいて審査をする場だと思います。それで、環境基本法において、環境基準を定めた際に、アミのデータが採用されなかったという理由をまず明確にしていただいて、それで化審法と環境基本法の関係を、審査を受ける側としては明確にしていただきたいと思います。
 私自身も早くサイエンスに基づく審議に入りたいと思うのですけれども、法律に基づいて物質を評価する場であるという点からして、明らかにするべきところはやはり明らかにしてから進むべきだと思います。
○東海部会長  ありがとうございました。それでは、予定している時間が大分来ておりますので、申しわけありませんけれども……
○青木委員  ちょっといいですか。今の坂田委員のいわれることは、制度論としては非常によくわかります。そのとおりかもしれません。しかし、もう一回繰り返しになりますが、少なくともここには日本を代表する各分野の専門家がそろっています。そこでの議論をとめるということは、私はあってはならないと思っています。ですから、専門家の菅野委員のご提案に従って先に進めさせていただきたいと思います。
 あともう1つ、環境基準と化審法の関係でいえば、有害性評価値のほうが環境基準より低い例というのはほかにございます。それを申し上げると議論を混乱させるのでいいませんが、それは前例としてございますので、そこはとりあえず理由にはならないと思います。
○東海部会長  ありがとうございました。それでは、申しわけございませんが、もう時間も大分来ておりますので……どうぞ、坂田委員。
○坂田委員  審議をとめるつもりは全くなく、ただ、単にサイエンスで、物質を学界で評価するというのではなくて、法律に基づいて評価する場ですから、クリアにしていくべきところはやはり法律上もクリアにしてから進めるべきと。これも審議の一環なのではないかというか、経過として必要なところだと考えています。
○東海部会長  ありがとうございました。それでは、ちょっと申しわけありませんが、本日は時間も限られておりますので、私の議事進行が手間どってご迷惑をおかけしたことをおわびいたしたいと思います。冒頭、事務局から説明もございましたように、資料2参考1はまだ事務局調整中の資料で、未定稿の状態でもあります。ですから、審議という場にはまだふさわしくない状況でもあるということをお含みおきの上、本日、専門の委員の方々から出していただきましたご意見を含めて、その後の決め方の部分も含めて、継続的にまずは事務局で調整をしていただくということで進めていただくのが適切ではないかと考える次第です。
○環境省  すみません、環境省でございます。一言お願いいたします。
○東海部会長  はい。
○環境省  確かに坂田委員がおっしゃるとおり、環境省が所管している環境基本法、環境基準と化審法の関係を整理していくということは当然、環境省のほうで中心に進めていきたいと考えておりますけれども、青木委員とか菅野委員がおっしゃるような、サイエンスな議論というところは、それとはかかわらず、議論はできるのではないかと考えているところではございますので、そこの進め方も含めて考えていきたいとは考えております。
○青木委員  いいですか。もう発言してはだめですか。
○東海部会長  大分時間が来てしまいましたので。
○青木委員  だから、一番最初の菅野委員の提案にあるのだけれども、やはり専門家の間できちんと議論する場をつくってほしいということです。
○菅野委員  ですから、サイエンスというレベルだけではなくて、ここの本来の活動に戻してほしいと。
○東海部会長  委員の方々の思っていることは、恐らく全員が共有している観点だと思いますので、そういうことも含めた上で、繰り返しになりますが、本日、事務局の出された資料はまだ未定稿の状態ですので、未定稿の状態からこれまでの議論でさまざま出されたクエスチョン等に対する、その調整をした上で、審議できる資料のもとで次のステップを迎えるというのが、会として健全な方法ではないかと感じる次第です。済みませんが、このようなまとめで今回はこの議題は終了とさせていただきたいと思います。時間が来てしまいまして、済みません。
 それでは、議題の2、スクリーニング評価の基本的な考え方等の改定についてということで、事務局から説明をお願いいたします。
○経産省  資料3シリーズについてご説明させていただきます。資料につきましては、資料3―1のみ紙でお手元にあるかと思いますので、そちらを使ってご説明させていただきます。
 化審法に基づくスクリーニング評価の基本的な考え方、評価手法、化審法における人健康影響に関する有害性データの信頼性評価等についての改定(案)になっております。
 資料、1.をごらんください。スクリーニング評価は、これらの資料に基づいて行っております。昨年11月に開催された3省合同審議会で、WSSD2020年目標の達成に係る進捗状況と今後の取り組みをご審議いただき、方策の達成状況や評価手法の点検を行い、そこから導き出された今後の具体的な対応策が了承されました。その内容を踏まえ、今般、スクリーニング評価の基本的な考え方等を改定していこうという部分について、修正を施しましたので、その点について審議をしていただければと思います。
 2.をごらんください。表が2つあるのですけれども、まず上のほうの表です。重点化すべき対応策として、11月に挙げたもののうち、今回の修正に関するものを2つ挙げております。
 1つ目、➀、スクリーニング評価において、エキスパートジャッジの際に排出量の変動について考慮するというものがありましたので、そちらについて資料に反映させていただいております。
 裏に行きまして、2つ目、➁、評価Ⅰから発がん性の定量評価を導入するというものにつきまして、人健康の信頼性評価の資料に追記をさせていただいております。
 また、これまで実施してきた運用を明記する等の改定もあわせて行っております。具体的には、2つ目の表にある➀から➇になっております。
 ➀につきましては、評価単位を、これまでCASベースと書かせていただいていたのですけれども、事実に基づき化学物質ごとに修正させていただいております。
 ➁、これまで実施してきた指定取り消し物質のスクリーニング評価、いわゆる元優先といっているものでございますが、そちらの方法について明記をしております。
 ➂、スクリーニング評価における情報の公開等のあり方についてということで、平成21年の法改正前に産構審においてその方針をとりまとめておりましたので、その点について明記させていただいております。
 ➃、QSARやカテゴリーアプローチの検討状況の反映ということで、最新の検討状況を反映しております。
 ➄と➇につきましては、人健康有害性評価値算出の際の不確実係数の設定ルールを反映、生殖発生毒性に関して収集試験法の追加ということで、最新の試験方法について反映しております。
 飛ばしまして、➆につきましては、排出係数についても更新しておりますので、そちらについて反映しております。
 最後、➅につきましては、汚水処理普及率というものがございまして、こちらも平成29年度の最新のものに更新しております。
 さらに、これ以外にも、内容の明確化や構成の整理、形式な修正等、軽微な改定も行っております。
 資料については、パソコンに入っている3―2から3―4になっておりますが、構成の整理等も行った結果、見え消しにしてしまうと全て見え消しみたいになってしまって、わかりにくくなるので、そういった内容に関係ないところは全て反映し、表で示させていただいた修正点についてのみ見え消しとしております。
 最後、3.をごらんください。今後の予定としては、今回修正を行った文書の下位文書についても所要の改定を行っていく所存です。
 なお、これらの文書については、軽微な改定も含め修正箇所が多くあることから、前回のリスク評価の基本的考え方等の改定の際と同様に、当該文書の反映版を委員の皆様に送付させていただき、1週間程度をめどに、修正等が必要と思われる箇所がありましたら、各省事務局にご連絡をいただければと思います。その後のとりまとめについても、前回と同様に、基本的には事務局で修正して、次回以降の審議会でご報告とさせていただければと思います。
 以上です。
○東海部会長  ありがとうございました。それでは、何かご質問等ございましたらよろしくお願いいたします。菅野委員。
○菅野委員  ありがとうございます。改定していただくのは非常にいいことで、ただ、1つ、排出量の変動のエキスパートジャッジは、理由を確認した上でと。先ほども、用途が構造式をみれば中間物だと大体わかるというのがエキスパートジャッジだと仮にしますと、これは排出量の変動をエキスパートジャッジというのは、そういう意味なのです。要するに、こういう係数が与えられているけれども、こういうものはこの排出量では済まないよねとか、そういうジャッジが入るというのが本来の目的なのです。お願いしているのは。要するに、動物のほうのエキスパートジャッジと同じで、あるいは化学物質のほうのエキスパートジャッジと同じで。変動の理由を確認した上でという、この確認する人がどなたなのかとか、その後、複数年度の届出数をもとに付与するというけれども、要するに、幾何平均にするのですか、算術平均にするのですかみたいにしか読めないわけです。経年変化をならしただけみたいにみえるわけですよね。そうではなくて、この物質のこの用途に関して、排出係数が今こう出ている、あるいはこうなっているけれども、その平均値よりも本来上のはずではないかとか、下のはずではないかというジャッジをしてもらえるといいのではないかというのが、最初の意見だったのです。それはここでいうと「変動理由を確認」と書いてある、この確認する人がエキスパートであって、我々に変動を確認した結果、この物質は平均値ではなくて上のほうがいいとか、そういうコメントをいただける、そういうシステムがどこかにあるといいなと思ったわけです。それはここには反映されていないですよね。
○経産省  そうですね。昨年11月にこの点について審議していただいていまして、その際に説明させていただいたのは、エキスパートジャッジといいますか、例えばある年度に自然災害とかそういった事例があって、特殊な状況で排出量が一時的に伸びたようなものについて、優先にするのはどうかということを念頭に置いています。
○菅野委員  それはそれで大事だと思うので、それはとても良いのですけれども、それ以外のほうももしお考えいただけると、ありがたいなというのが本来の要望だったのです。
○経産省  今後検討ということで。
○東海部会長  ありがとうございました。そのほかお気づきの点等ございますでしょうか。亀屋委員。
○亀屋委員  ありがとうございます。改定箇所の部分を今みたら、いろいろ検討すると書かれているところがたくさんあるのですけれども、具体的にこうすると今の段階では書かれていないわけですが、その部分に関して今後の進め方とか手続はどのようになるのか教えてください。
○東海部会長  どうぞ。
○経産省  具体的にスケジュールを組んでいるということはまだないのですけれども、今回反映させていただいたのは、あくまでも昨年度報告させていただいた内容で反映できるものは反映という形になっております。また2020年終わったころなどに、恐らく目標の達成状況の報告や、それを踏まえて今後どうしていくかということについてご相談させていただくことになると思っていますので、その際などに必要なものについてはまたご審議いただければと思っております。
○東海部会長  ありがとうございました。鈴木委員。
○鈴木(規)委員  たまたま、資料3―2を眺めていて、ふっと思っただけですが、4ページから5ページのところにQSARのことが書いてあるのですけれども、これは考え方を多分述べておられるのだと思うのですが、QSARに関して私が常に思うのは、適用範囲の検討が何といってもキーだと思いますので、当然それについて触れるべきではないかというのがまず第1点。
 それから、有害性を過度に過大評価しないというのはそうだと思いますけれども、どちらかといえば、過小に評価するほうが怖いので、その点も当然考え方には触れるべきではないかと思います。
 その2点、ご検討をお願いします。
○経産省  1点目につきましては、3省でご相談させていただきたいと思います。
 2点目につきましては、➀の中に確かに「過大評価しないこと」とあるのですけれども、その前段の部分に「安全側の仮定を置きつつ」ということも記載させていただいておりまして、そこでバランスをとっていると考えております。
○東海部会長  そのほかご意見等ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、ただ今のご議論を踏まえて、スクリーニング評価の基本的な考え方の改定等につきましては了承することとしたいと思います。さらなる具体化、あるいは文言等の細かい点に関しましては、後ほど確認をいただき、修正意見等ございましたら事務局に伝えて、基本的には次回以降の審議会で修正等の結果を報告いただくことでお願いいたします。
 それでは、議題の3、その他、スクリーニング評価の進捗状況等につきまして、事務局から説明をお願いします。
○経産省  資料4をごらんください。2018年度、昨年度のスクリーニング評価の進捗状況についてご報告いたします。
 資料4、1ページ中央の図表1をごらんください。これは、昨年度のスクリーニング評価時点の一般化学物質の数を示しております。約2万8,000の一般化学物質のうち、暴露クラスをつけた7,546物質、その中の暴露クラスが1~4の物質は、人健康で871、生態で588物質でございました。これらが有害性クラスを付与する対象となっておりました。
 続きまして、人健康に係るスクリーニング評価の進捗については、2ページ目の図表2をごらんください。こちらの図は、暴露クラス1~4の一般化学物質につきまして、平成29年度及び平成30年度の時点で、人健康に係る評価の状況を比較した図になります。主に右端2つの白くなっているところ、黒線で囲っているところがあるかと思うのですけれども、こちらが2020年目標の達成に向けた評価対象物質の部分になっております。こちらに2つ白が並んでいると思うのですけれども、その左側の部分につきましては、有害性評価未実施の物質を示しております。こちらについて着実に減少し、それに伴いまして、そのさらに左隣の薄いグレーのほうが増加しているということがみられると思います。
 また、白が2つ並んでいるうち一番右側のものに関しては、有害性情報がないことが判明した物質になっているのですけれども、こちらも評価を進めることでふえていることがわかるかと思います。
 以上により、人健康のスクリーニング評価については着実に進捗していると考えております。
 続きまして、生態影響に係るスクリーニング評価の進捗については、3ページ目の図表3をごらんください。こちらも同様の対比のグラフになっております。
 上のほうの、平成29年11月時点で評価可能となっていた68物質については、全ての評価を終えております。また、残りの98物質については、評価手法の検討が必要とされた物質であり、それらについては順次検討が進められていることから、こちらについても着実に進捗していると考えております。
 次に、昨年度のスクリーニング評価の一部修正について報告させていただきます。2.をごらんください。
 昨年度の審議会でスクリーニング評価の結果を示させていただいておりますが、審議会後に届出情報の修正があったり入力誤りが判明したりして、幾つかの軽微な修正が行われております。それらに関してはホームページで修正版を公開させていただいております。
 ただし、1物質のみ、製造輸入数量の変動があったことに伴い、暴露クラスが変更になったものがありまして、もともと11月の審議会の時点では製造輸入数量が10t以下でスクリーニング評価の対象外と思っていたのですけれども、こちらの届出が修正されたことにより暴露クラスが4以上になりまして、本来、昨年度の11月のスクリーニング評価結果の一覧表に提示する必要があったものでございました。そのため、今回提示させていただきたいと思います。そちらについては、パソコンの中に1物質入ってございます。
 資料4別添というものになってございます。こちらについては、未公示新規のため、名称などは発言されないように、よろしくお願いします。
 以上です。
○環境省  環境省からよろしくお願いします。
 昨年度のスクリーニング評価の結果の際に、優先度「高」とすることを保留させていただきました酢酸ヘキシルなのですが、これは直前に有害性情報が出された関係なのですけれども、その有害性情報を確認した結果、有害性クラス2となったことから、昨年度の暴露クラス4とあわせて判断いたしますと、優先度「中」となってございまして、優先評価化学物質に相当することはございませんでした。
 今年度のスクリーニング評価結果については、ほかの物質とあわせて改めてご報告させていただきます。
 以上です。
○東海部会長  ありがとうございました。それでは、何かご質問等ございますでしょうか。
 それでは、以上で本件についての審議を終わらせていただきます。
 それでは、その他に移ります。事務局から何かございますでしょうか。
○経産省  特段ございませんが、この後の合同審議会第二部につきましては予定どおり14時半から開始したいと思います。第二部につきましても公開とさせていただいていますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 第二部の委員及び傍聴者の皆様におかれましては、開始時間の14時半までにお戻りいただくようお願いいたします。
○東海部会長  以上をもちまして合同審議会第一部を終了いたします。
 
                                 ――了――