2019年8月5日 薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 議事録

日時

令和元年8月5日(月)15:00~

場所

AP虎ノ門 Aルーム(11階)

出席者

出席委員(17名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(7名)五十音順
行政機関出席者
 
 樽見英樹(医薬・生活衛生局長)
 森和彦(大臣官房審議官)
 関野秀人(医薬安全対策課長)
 田中大祐(安全使用推進室長)
 森口裕(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監) 他
 
 

議事

○医薬安全対策課長 定刻になりましたので、これより令和元年度第1回医薬品等安全対策部会を始めたいと思います。本日出席いただいております先生方におかれましてはお忙しい中、そして8月に入り、またお盆の直前でもありますが、そういった時期に出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日の部会は公開で行っております。カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、その旨関係の方、御理解と御協力のほどお願いしたいと思います。そして、あらかじめお伝えしています留意事項の遵守も、併せてお願いいたします。
まず、本日の出席状況ですが、多賀谷委員、戸部委員、中島委員、舟越委員、宮崎委員、矢野委員、脇田委員の7名の先生から、欠席の御連絡を頂いております。本部会の定員数は24名ですので、本日は17名の先生に出席いただいており、定足数に達していることを、報告申し上げます。
次に、7月に厚生労働省において人事異動がありましたので、樽見医薬・生活衛生局長を紹介いたします。
○医薬・生活衛生局長 7月9日付けで医薬・生活衛生局長になりました樽見でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○医薬安全対策課長 同じく、7月9日付けで医薬安全対策課でも人事異動がございました。本日はまだ到着しておりませんが、安全使用推進室長に田中が着任しております。また、課長補佐に花谷が着任しておりますので、紹介いたします。
それでは、これより議事に入りますので、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。以後の進行については、五十嵐部会長にお願いいたします。
○五十嵐部会長 それでは、議題に入ります。まず、事務局から審議参加に関する遵守事項などについて、御説明をお願いいたします。
○医薬・安全対策課長補佐 議事参加について御報告いたします。本日御出席の委員の方々の過去3年度における関係企業、対象品目、競合品目の製造販売業者からの寄付金、契約金などの受取状況を御報告いたします。
本日の議題に関しまして、対象品目・競合品目の製造販売業者については、事前にリストを各委員にお送りして確認を頂いておりますが、全ての委員から寄付金等の受取りの申告はございませんでした。全ての委員におかれましては、意見を述べ、議決にも加わることができます。これらの申告につきましては、ホームページで公開させていただきます。
続いて、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について報告いたします。薬事分科会規程第11条においては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合は辞任しなければならない」と規定しております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御報告いただいておりますので、報告いたします。
委員の皆様には、都度書面で御協力いただいており、御負担を掛けておりますが、引き続き御理解、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。議事に関する遵守事項についての説明並びに薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果の御報告は以上です。
○五十嵐部会長 ただいまの事務局からの説明に対しまして、御意見、御質問等はありますでしょうか。よろしいですか。では、続きまして、事務局から配布資料の御説明をお願いいたします。
○事務局 本日の資料について御説明いたします。厚生労働省では業務全体においてペーパーレス化の取組を推進しており、本部会も資料はタブレットで閲覧する方式で実施いたします。各委員におかれましては、お手元のタブレット端末で資料を御確認ください。
まず初めに、タブレット端末の操作方法について説明いたします。お手元にはタブレット操作説明書を配布しております。いずれも部会終了後は事務局にて回収いたしますので、机の上に置いたまま退室してください。また、タブレットにはカバーが付いております。このカバーを外さないようにお願いいたします。
それでは、タブレットの表面にある丸いホームボタンを押していただき、画面が表示されましたら再度ホームボタンを押してロックを解除してください。するとホーム画面が表示されますことを御確認ください。表示されない場合は事務局員にお声掛けください。
続いて、「ファイルブラウザ」と書かれた青いアイコンをタップし、資料一覧が表示されることを御確認ください。資料を閲覧する際は、各資料のアイコンをタップしてください。資料のページをめくる際は指を画面上でスライドさせてください。資料を切り換える際は画面左上の「マイプライベートファイル」の文字をタップすることで、資料一覧のページに戻ることができます。その他の操作方法については、操作説明書に記載しておりますので、各位御参照ください。御不明な点、不具合等がございましたら、事務局員までお申出ください。
続きまして、資料の御説明をいたします。議事次第資料一覧の2ページ、3ページを御覧ください。本日の資料は議題1について、資料1-1から資料1-6、議題2について資料2-1から資料2-10、議題3について資料3-1から資料3-6及び参考資料として薬効分類表、議題4について資料4-1から資料4-2、議題5について資料5-1から資料5-2となっております。
また、委員名簿、競合品目・競合企業リスト及び当日資料配布資料1にもございますので、適宜御参照ください。不足資料がございましたら、事務局員までお申出ください。以上です。
○五十嵐部会長 それでは、議題1、「一般用医薬品のリスク区分について」の審議に入りたいと思います。初めに、個別成分の審議をする前に、一般用医薬品のリスク区分の評価手順について確認したいと思いますので、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1「製造販売後調査又は適正使用調査の終了に伴うリスク区分の検討について」を御覧ください。表に記載されている品目は、現在第1類医薬品に指定されており、この度、製造販売後調査、又は適正使用調査の終了に伴い、一般用医薬品としてのリスク区分の検討をお願いするものです。
一般用医薬品のリスク区分の変更手順について御説明いたします。2ページを御覧ください。手順としましては、3.(1)として、安全対策調査会の調査審議に当たり、必要に応じ関係学会等の有識者等の出席を求め、意見を聴取し、事前整理を行い、その結果リスク区分等の変更を行う必要があるとされた場合、厚生労働省は変更案についてパブリックコメントを行う。(2)として、安全対策調査会における事前整理の結果、パブリックコメントの結果等について医薬品等安全対策部会で調査審議を行い、リスク区分の変更の要否について答申を得るといった手続をすることになっており、本日は(2)の位置付けです。なお、本日御審議いただく品目に関しては、令和元年5月31日に開催された安全対策調査会で事前整理を行い、パブリックコメントを実施しております。
続いて、一般用医薬品のリスク区分を御説明いたします。6ページを御覧ください。第1類医薬品はその副作用等により、日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの、又は新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないものとされており、薬剤師により販売され、患者に対する文書による情報提供の義務がございます。
第2類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品で、第1類医薬品を除くもので、厚生労働大臣が指定するものとされております。薬剤師又は登録販売者により販売され、情報提供については努力義務とされております。第2類医薬品のうち、特別な注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものについては、指定第2類医薬品とされており、販売は第2類医薬品と同様、薬剤師又は登録販売者により行われ、情報提供についても努力義務ですが、薬局開設者等は情報提供をするための設備から7m以内の範囲に陳列する、指定第2類医薬品を購入する場合は、禁忌を確認すること及び専門家に相談することを勧める旨を、購入者が確実に認識できるようにするなどの措置を取ることとされております。
第3類医薬品は、第1類医薬品、第2類医薬品に分類されないもので、薬剤師又は登録販売者により販売されます。説明は以上です。
○五十嵐部会長 それでは、まずフッ化ナトリウムについて審議したいと思います。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 フッ化ナトリウムについて御説明いたします。資料1-2を御覧ください。販売名は「エフコート」及び「クリニカ フッ素メディカルコート」です。効能・効果は、むし歯の予防です。用法・用量は、4歳以上で5mL、6歳以上で7~10mLの本剤を口に含み、歯面に十分に行き渡るようにブクブクうがいをし吐き出します。
製造販売後調査概要を御覧ください。特別調査とは個別に薬局と契約をして、モニター店舗でアンケート調査票を配って、アンケートによる調査を実施するものです。この特別調査では、エフコートは調査症例数1,207症例で副作用が0例でした。クリニカ フッ素メディカルコートは、調査症例数512例で副作用が4例4件でした。内訳としましては、適用部位刺激感2件、舌の感覚鈍麻1件、下痢1件でした。このうち、重篤と判断された症例はありませんでした。
使用者若しくは薬剤師からの自発報告という形での一般調査では、報告された副作用はエフコートで35例38件でした。内訳は、口内・舌・口唇のピリピリ感7件、口渇3件、歯の変色・着色2件、味覚異常2件などでした。このうち、重篤と判断された症例はありませんでした。
クリニカ フッ素メディカルコートでは9例9件でした。内訳は適用部位刺激感6件、適用部位疼痛1件、腹痛1件、適用部位乾燥1件でした。このうち重篤と判断された症例はありませんでした。
次に、安全対策調査会での審議の概要を御説明いたします。調査会においては、これらの製造販売後調査の結果を踏まえ、歯科の専門家の参加の下で審議を行いました。主な意見としては、第1類医薬品に変更になってからの間、日常生活に支障を来す健康被害の報告はないと考えられる。フッ素の濃度で見ると国内で市販されているものは、欧米を含む海外ではスーパー等どこでも手に入れられる製品であり、日本の医薬部外品のような扱いである。このようなこれまでの経緯から、第1類から第3類とすることが妥当と考える。副作用の中に、歯の変色・着色が2例あるが、ブラッシングなどで比較的簡単に除去できたという報告から、色素の沈着であり、フッ化物等で問題になるような歯のフッ素症ではない。このような意見を踏まえ、第3類医薬品とすることが適当とされました。
フッ化ナトリウムのリスク区分についてのパブリックコメントに寄せられた御意見は、資料1-6の7ページに掲載しております。説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○五十嵐部会長 ただいまの事務局の御説明内容、パブリックコメント等につきまして、何か御意見、御質問等はありますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、事務局が提案しているようにフッ化ナトリウムについては第3類の医薬品とすることでよろしいでしょうか。特に異議がないというように判断したいと思います。
このフッ化ナトリウムに関するパブリックコメントへの回答につきましては、事務局で、このままお返しするということですね。まだ返してはいないわけですか。
○事務局 はい。まだ回答は掲載してございません。
○五十嵐部会長 分かりました。では、今後の予定について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 御議論いただきありがとうございました。御審議いただいた結果に基づき、リスク区分の変更に係る手続を進めさせていただきます。ありがとうございました。
○五十嵐部会長 では、続いて、一般用黄体形成ホルモンキットについて審議をしたいと思います。御説明をお願いいたします。
○事務局 一般用黄体形成ホルモンキットについて御説明いたします。資料1-4を御覧ください。一般用黄体形成ホルモンキットとは、生体中の尿検体を用いて黄体形成ホルモンの検出をすることを目的としたキットで、使用者自ら検体を採取し、排卵日予測の補助として使用します。
まずは経緯について御説明いたします。資料の4ページを御覧ください。体外診断用医薬品の一般用検査薬への転用についての通知に基づき、黄体形成ホルモンキットに係る一般用検査薬ガイドラインが策定されたことを受け、平成27年度第8回安全対策調査会及び平成28年度第1回安全対策部会でリスク区分の検討が行われました。審議の結果、まずは第1類医薬品として販売し、適正使用調査の結果を踏まえて、再度リスク区分の検討を行うこととされました。適正使用調査の結果については、平成31年度第1回医療機器体外診断薬部会において報告されました。
今回行われた適正使用調査は、使用者に対する調査と販売店に対する調査がございます。資料の3ページの適正使用調査会議を御覧ください。購入者の理解度調査では、購入目的、購入時に受けた説明等、チェックシートや説明書に対する理解度、検査結果の理解度及び使用後のフォローアップについて調査を行いました。
購入目的について、2年間を通じて、2,069例中2,063例は適正な使用目的と考えられた一方で、6例は避妊目的で購入したとの結果でした。薬剤師による情報提供は83.9%で実施されていました。医師の診療を必要とする結果であったのは、全体の25.3%でした。そのうち、医師の診療を受けようと考えている方の割合は66.7%でした。販売店に対する調査では、使用目的、確認項目、陰性が続いた時の対処方法、検査のタイミング、使用方法、チェックシートの活用方法に関して、購入者に対する情報提供等が適正に行われたかについて確認を行いました。避妊目的に使用しない旨の説明について、初回購入者について80.7%、購入履歴がある方に対しては60.4%でした。最も説明割合が高い項目は、検査のタイミングで、初回購入者に対して96.1%、購入履歴がある方に対しては72.0%でした。情報提供を行わなかった理由としては、不妊治療や性交に関するデリケートな内容のため、購入者の心情に配慮して他人の前での説明を差し控えたケースや薬剤師の判断により、必要な項目に絞って説明されたケースなどが挙げられています。
資料の4ページを御覧ください。この結果を踏まえ、製造販売業者による対応として、製造販売業者のウェブサイト等を活用して、今後も購入者への情報提供を十分に行っていくことを、引き続き、避妊目的には使用できないことを、各製品のパッケージに記載するとともに、説明書等の同梱に取り込むこと。チェックシートについて、販埋店の薬剤師から渡される場合と製品に同梱している場合と、各社によって対応が分かれていたが、チェックシートは確実に購入者の手元に届き、使用前のセルフチェックを通じて適正使用を推進できるよう、製品パッケージへの同梱も検討を行うこと。問い合わせ窓口あるいはアンケート等により、引き続き不適正使用に関する情報収集を行い、問題のある情報が見られた場合には業界内で共有し対応を検討することが挙げられました。
行政による対応としては、医薬品等安全対策部会におけるリスク区分の検討結果も踏まえ、販売店における説明の徹底等、適正使用のための必要な対策を検討することが上げられました。
次に、適正使用調査の結果を踏まえ、令和元年度第3回安全対策調査会において、産婦人科領域の専門家の参加の下で、再度リスク区分の検討が行われました。主な意見を4ページから記載しております。この検査薬は不妊症患者の検査を行う時の補助診断的に使われてきたもの。本薬の使用者自らが排卵している正常な状態であるかを知りたい時に、月経周期のどこで使ったらいいのかを正確に知っているかどうかが重要になる。LHは繊毛性ゴナドトロピンと構造がよく似ているので、妊娠している時は陽性に出る。また、排卵機能が正常であっても、排卵前に起きるLHサージを同定することができない日に検査をすると陰性になるので、一般の人にとって使い方が非常に難しい。本薬は半定量的なため、LHサージが立ち上がってくる時と、頂点まで上がってから下がってくる時に、同じような弱い陽性反応が出る。初めて使う方にとっては使い方が分からないため、初めて使用する方がいることを想定すれば、第1類医薬品のままとするのが無難。検査薬はヒトへの直接的なリスクという面では、第2類医薬品又は第3類医薬品でもよいが、医療機関を受診した上で本薬を購入しているケースでは、ほぼ適正に使用されると考えられるが、受診していない人が資材による説明が十分に行われることなく購入し、使用することについては、一定の懸念が残る。今回の調査結果は良好であり、今後もこの状態を確保するためには、資材による説明を引き続き行うことが必要。いつ検査をするかがとても重要。検査日に関する薬剤師の説明がきちんと行き渡らない販売方法を行うのなら、現在の添付文書案を含めて検討が必要。インターネット上での販売に当たっても、セルフチェックシートをしっかり使うべきである。本薬は妊娠を希望する女性が用いるキットであり、プライバシーを十分に守るために購入時の障害を極力少なくすることが必要。といった意見を踏まえ、引き続き第1類医薬品とすることが適正とされました。
一般用黄体形成ホルモンキットのリスク区分についてのパブリックコメントに寄せられた御意見は、資料1-6の2ページから掲載しています。説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○五十嵐部会長 それでは、御意見、御質問等はいかがでしょうか。
○薄井委員 恐らく、皆さんインターネットなどで購入することが多いと思うのですが、先ほどこの取扱いやガイドラインはホームページでというように書いてあります。そのホームページがきちんと条件を満たしているかどうかというのは、どこでチェックが入るのでしょうか。
○五十嵐部会長 購入する際に、セルフチェックシートをしっかりとチェックしているかどうかの確認ということですか。
○薄井委員 そういうことです。
○五十嵐部会長 いかがでしょうか。
○医薬安全対策課長 セルフチェックシートについては、今も一般用医薬品にスイッチされた時点で作られているものがありますので、それらを使ったうえでの結果を踏まえて、今日、また改めて区分の変更についての御審議を頂いていると理解しています。したがって、これまで使ってきたものがありますので、それを引き続き使うということで、あらかじめスイッチされた際に、実際に使う前の段階で、行政の方で内容を確認したものをそのまま使うことを考えています。
○薄井委員 パブリックコメントを見ていると、様々な御意見があるようで、きちんと皆さんが把握しているかどうかを疑問に思ったものですからお聞きしました。
○乾委員 私も薄井先生がおっしゃっている、ネットによる購入というのがどうしても多くあるのではないか。その場合にもルールでは、しっかりと薬剤師が情報提供をするということになっておりますので、その辺を薬剤師としても、販売側としても、情報提供を正確に伝えるためにも、第1類で引き続き進めるべきであると考えます。引き続きしっかりと進めていければなと考えていますので、よろしくお願いします。
○五十嵐部会長 その他はいかがでしょうか。そういたしますと、この一般用黄体形成ホルモンキットにつきましては、引き続き第1類医薬品とするということでよろしいでしょうか。
では、特にパブリックコメントへの回答についての御意見がなかったので、御異議なしとさせていただきたいと思います。
○医薬安全対策課長 今、御審議いただいたところなのですが、やはりパブリックコメントは貴重な意見として頂いていますので、中身を少し紹介させていただきたいと思います。特に区分について反対の御意見が多いので、それについて紹介をして、回答案についても一旦説明を簡単にさせていただいた上で、御確認いただければと思います。
改めて資料1-6、通し番号で10番とファイルの冒頭に振ってある所の資料を御覧ください。1ページを見ていただきますと、今回、全体の2品目についてパブリックコメントを6月14日から行ったとなっています。こちらは先ほど説明しましたとおり、調査会で5月31日に審議を行い、それから約2週間ほど事務手続を経まして、1か月間のパブリックコメントを掛けたというものです。2つの品目を合わせますと、7件7つの意見を頂いているというものです。
2ページから個別の御意見になりますが、審議の順番とは逆になりまして申し訳ありませんが、最初に一般用黄体形成ホルモンキットに関する意見を示しています。2ページの冒頭に書いている中で、「意見の内容」という所で括ってあるものが1通1件の御意見になります。さらに3ページの途中に線が引いてありまして、意見の内容というものがもう一回出てきます。こちらについても、1通1件の意見ということで、両者の意見に共通の部分がありましたので、まとめてこの意見を並べた上で、その下に我々の回答案を付けているという構成にしております。
2つの意見に共通しますのは、2ページでも3ページでもどちらでも構わないのですが、結論から言うと、第1類として据置くのではなくて、2類若しくは3類が妥当であるという御意見です。その理由について2ページの御意見で言うと、1.2.といった所で書いていますが、使用方法に関してということも含めて、御覧のとおりのような意見を頂いておりまして、操作も簡単だとか、一般消費者にも分かりやすい内容、判定方法もそういった内容だというようなことも含めて、この製品に対する扱いとしては、1類相当ではないのではないかという意見が述べられています。
3ページの下に挙げている2つ目の意見になると、プライバシーのことについての配慮も含めて書いていて、4ページに意見の理由や根拠を含めて述べていただいています。御確認を頂ければと思います。
内容については少し省略しますが、それに対する回答としては、4ページの下に、この2通の意見に対しての回答ということで記させていただいておりまして、調査会での審議を経たということで、使い方に対する、使用時期や測定結果の解釈の難しさの辺りを1つの懸念材料として、説明のための資材の引き続きの使用を含めた必要性があるのではないかということも混じえて、調査会では第1類とすることが妥当とされたとしています。その後、続く部分としては、説明の部分は、第1類であってもプライバシーのことに配慮した場合の現場対応ということが制度上もあり得るといったことについて、2段落と3段落で触れています。こちらが黄体形成ホルモンに関する一括りの意見です。
さらに5ページの所に、こちらも似たような意見なのですが、結果としては第1類ではないという御意見だと思います。こちらも併せて、意見内容を2つに分けて書いていまして、お二方から意見を頂いています。
それに対する回答も6ページの所に書いていますが、最初の3段落に関しては先ほどと同じことを回答案にしています。その下にインターネットの部分、海外の医薬品等に関する部分についても、我々の回答案を示させていただいた上で、本日の部会で御確認の上、回答として正式に公表したいと考えているものです。
続いて、7ページですが、フッ化ナトリウムに関する意見も頂いています。ここも意見の内容を3つに分けて線を引いて書いていまして、3件3通の意見を頂いているということです。
この場合は、いずれもむしろ第3類ではなくて、区分は継続すべきとか、第1類指定を継続することを再検討していただきたいといったことで、フッ素に対するリスクといいますか、安全性に関しての懸念があるという中での御意見を頂いております。
それに対する回答案の所に関して、最初の1段落では調査会の審議結果に触れていまして、当然フッ素そのものに関するリスクということでの御指摘、脳に対する影響や、その他カルシウムとの関係も含めて頂いていますが、製品としての仕様も含めた中では、現状の取扱い上、製販後調査等では、特段の健康影響の報告はないといったことも含めて、今回のリスク区分が適当とされたということについて述べ、なお書きの所で、そうは言いながらも、これからもきちんとした健康影響、副作用報告等については収集していくので、その際にリスク区分の変更は当然制度上あり得ますので、その部分は必要な措置を取ることとしているということで、いただいたような懸念については、今後引き続きの情報収集の中で対応していく形で回答案を作成しております。
これらについて御確認の上、御了解いただければ、これをもって回答としまして、公表していきたいと思っておりますので、今一度御確認をお願いしたいと思います。
○五十嵐部会長 パブリックコメントへの対応についてはいかがでしょうか。特に御意見はありませんか。基本的にこちらでよろしいでしょうか。では、そのようにしていただきたいと思います。今後の予定について事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 御議論いただきありがとうございました。一般用黄体形成ホルモンキットにつきましては、御審議いただいた結果に基づき、引き続き第1類医薬品として販売されるよう進めさせていただきます。ありがとうございました。
○五十嵐部会長 続きまして、議題2、「医薬品等の市販後安全対策について」審議したいと思います。資料2-1から2-10までですので、それぞれ続けて事務局から説明をしていただきたいと思います。
○事務局 それでは、資料2-1、「平成30年度の安全対策」について御説明いたします。1ページの「1.過去5年間(平成26年度~平成30年度)の副作用等の報告数の推移」を御覧ください。副作用等については医薬品医療機器法第68条の10第1項の規定により、製造販売業者は、医薬品等の副作用による疾病の発生等を知った時には報告することが義務付けられております。また、医師、歯科医師、薬剤師等の医薬関係者についても、同条第2項の規定により、医薬関係者が保健衛生上の被害の発生・拡大を防止するために必要があると認める時は、副作用等を報告することが義務付けられております。この制度に基づき報告された過去5年間の副作用等の報告数をお示ししております。
(1)では、医療用医薬品、要指導医薬品、一般用医薬品を含む医薬品の国内副作用等報告についてお示ししております。平成30年度の製造販売業者からの副作用報告は62,037件、医薬関係者からの副作用報告は9,931件でした。また、(2)では、平成26年11月より報告の対象になった、コンビネーション医薬品の不具合報告、(3)では、平成26年4月より報告の対象となった、医薬部外品・化粧品の報告について件数をお示ししております。
2ページ、「2.安全対策上の措置数の推移」を御覧ください。過去5年間の厚生労働省が行った使用上の注意改訂指示等、安全対策上の措置数の推移を示しております。平成30年度は合計95件の「使用上の注意」の改訂指示を行いました。
3ページ、「3.平成30年度の安全対策について」を御覧ください。(1)には、平成30年度の当部会の開催結果概要を、(2)には、安全対策調査会の開催結果概要をお示ししております。6ページの(3)には、当課が刊行している医薬品・医療機器等安全性情報に掲載した記事をお示ししております。
続いて8ページを御覧ください。機構のホームページに記載している過去5年間の副作用報告の公表数をお示ししております。
9ページ、13ページには、機構のウェブサイトに公表した、副作用報告のうち、因果関係が否定できない死亡例のラインリストをお示ししております。また、14ページ以降に、因果関係不明なものを含め、公表した全ての死亡症例のラインリストをお示ししております。資料2-1については以上です。
続きまして資料2-2「医薬品等の使用上の注意の改訂」について御説明いたします。平成31年3月に開催された平成30年度第3回医薬品等安全対策部会終了後から本日までの間に、改訂通知を発出した品目の一覧をお示ししております。資料には、改訂内容、改訂理由、直近3年度の国内副作用症例の集積状況等をまとめております。これらの使用上の注意の改訂につきましては、本部会の先生方に事前に御確認を頂いたものであり、また、改訂時にPMDAメディナビで配信するとともに、機構のホームページと「医薬品・医療機器等安全性情報」にも掲載しております。資料2-2については以上です。
○事務局 資料2-3を御覧ください。「ワクチンの安全性に関する評価について」です。本年4月24日及び6月28日に開催された、安全対策調査会と厚生科学審議会予防接種・ワクチン部会副反応検討部会との合同会議において、ワクチンの安全性について評価を頂きました。1ページの1の麻しん等の各ワクチンの報告状況です。昨年9月から12月末までの報告状況について集計した結果を表1に示しております。これまでと比べて大きな変化はなく、新たな安全対策措置を取る必要はないとされています。
続きまして、2ページの(2)死亡症例についてです。死亡症例については、今回の評価対象期間中に5例報告されました。専門家による評価の結果、いずれの症例も、ワクチン接種との因果関係が「認められる」、または「否定できない」とされた症例はありませんでした。
続いて2のインフルエンザワクチンの報告状況です。2018/2019シーズンの報告状況について、2017/2018シーズンとの比較を表2に示しております。こちらもこれまでと比べて大きな変化はなく、新たな措置を取る必要はないとされています。(2)の死亡症例の評価については、評価対象期間中に3例報告されました。詳細調査中の1例を除き、専門家により評価された2例については、ワクチン接種との因果関係は不明、または評価できないとされています。
続いて3ページの3のHPVワクチンの報告状況です。本年9月から12月末までの報告状況について集計した結果を表3に示しています。こちらもこれまでと比べて大きな変化はなく、新たな措置を取る必要はないとされています。
4の副反応疑い報告等の取扱いについては、HPVワクチンの副反応疑いに係る報告等に関して、再確認を行った結果が審議され、これまでのHPVワクチンの安全性の議論に影響を与えるものではないとされています。
5の副反応報告基準の取扱いについては、水痘ワクチンの添付文書改訂を受けて、「無菌性髄膜炎」を追加することについて審議がなされました。
4ページからは6月28日に開催された合同会議の報告です。まず、6の百日せき等の各ワクチンの報告状況についてです。昨年11月から本年2月末までの報告状況について集計した結果を表4に示しています。こちらもこれまでと比べて大きな変化はなく、新たな安全対策措置を取る必要はないとされています。
続いて5ページの(2)死亡症例については、評価対象期間中に同時接種症例が2例報告されました。詳細調査中の1例を除き、専門家により評価された1例については、ワクチン接種の因果関係は「認められる」または「否定できない」とはされませんでした。また、13価肺炎球菌及びヒブワクチンの6か月間の10万接種当たりの死亡例の報告頻度は0.21~0.31及び0.21~0.32であり、対応を速やかに検討する目安とされている、10万接種当たり0.5を下回っていることを確認しております。
続いて7の副反応報告基準の取扱いについてでは、インフルエンザHAワクチンの添付文書改訂を受けて「急性汎発性発疹性膿疱症」を追加することについて審議がなされました。以上です。
○事務局 続きまして、資料4の抗悪性腫瘍薬、「ベージニオ錠」投与患者における間質性肺疾患に関する注意喚起について説明します。資料2-4の別添1を御覧ください。ベージニオ錠は、細胞周期のレギュレーターであるサイクリン依存性キナーゼ4/6に対する阻害作用を有するアベマシクリブを有効成分とする錠剤です。昨年9月に、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がんの効能・効果で承認がされています。製造販売業者の推計では、昨年11月の販売開始から、本年5月13日までの間に、約2,000人の患者に投与されています。
PDFの1ページを御覧ください。今般、本剤の投与により、間質性肺疾患が発現し、死亡に至った症例が報告されていること。具体的には注で書かれているところですが、市販直後調査、平成30年11月から令和元年5月において、重篤な間質性肺疾患を認めた、国内症例が14例、うち死亡に至った症例が3例報告され、このうち本剤との因果関係が否定できない症例がそれぞれ4例、1例でありました。このことを踏まえて、使用上の注意を改訂し、警告欄に、間質性肺疾患に対する注意喚起を追記するとともに、安全性速報を配付して、医療関係者等に対して、速やかに注意喚起を行うよう、製造販売業者に指示しました。
なお、ベージニオ錠は、承認申請時に提出された臨床試験成績を踏まえ、既に平成30年9月の承認当初から、添付文書に間質性肺疾患に関する注意喚起がなされております。また、本剤の医薬品リスク管理計画書において、間質性肺疾患は重要な潜在的リスクが設定されており、通常の医薬品安全性監視計画、監視活動及び、リスク再評価活動の他、追加のリスク対象活動として、市販直後調査及び本剤の投与と間質性肺疾患の関連を評価するため、製造販売後データベース調査が実施されております。
今回のブルーレターにおける注意喚起のポイントとしては、医療関係者に対して3点、患者に対して1点あります。まず、今回の医療関係者に対する注意喚起のポイントは、1つ目、本剤の投与に当たっては、間質性肺疾患の初期症状、呼吸困難、咳嗽、発熱等を確認し、胸部X線検査の実施等、患者の状態を十分観察すること、2つ目として、異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、必要に応じてCTA、胸部CT、血清マーカー等検査を実施するとともに、適切な処置を行うこと。3つ目として、患者又は家族に対して、間質性肺疾患の初期症状が発現した場合には、速やかに医師、薬剤師に連絡するよう指導することが挙げられています。
患者に対する注意喚起のポイントとしては、息切れ、息苦しい、空咳、発熱等の間質性肺疾患の初期症状が現われた場合には、すぐに医師、薬剤師に相談することとしています。
別紙2に安全性速報、ブルーレターが、別添3に使用上の注意の改訂指示通知を付けております。資料2-4の説明は以上です。
続きまして、資料2-5、メトホルミン含有製剤における禁忌「腎機能障害」等に係る使用上の注意の改訂について説明させていただきます。メトホルミン製剤、含有製剤は、禁忌最高用量、2,250mgとするメトグルコに代表される製剤と、1日最高用量が750mmgとするグリコランに代表される製剤、それとメトホルミンと他の成分との配合剤が製造販売されており、肝臓で糖新生を抑制する、ビグアナイド系の糖尿病治療薬になります。1ページの下の背景を御覧ください。海外において、ビグアナイド系薬剤であるメトホルミンによる重篤な乳酸アシドーシスの副作用が報告されていない国内及び海外において、同じくビグアナイド系薬剤である、メトホルミンの添付文書において、乳酸アシドーシスに関連する注意が喚起されており、腎機能障害患者については、腎機能の程度に応じて使用が制限されております。今般、腎機能障害患者におけるメトホルミンの安全衛生に関する最新の科学的治験に基づき、海外の添付文書が改訂されたことに鑑み、日本糖尿病学会の賛同を得て、メトホルミン含有製剤の添付文書における腎機能障害患者及び乳酸アシドーシスに関する注意喚起の見直しを検討しました。
調査会における検討結果です。メトホルミンに関する国内外の規制状況、腎機能障害患者に係る薬物動態試験、国内外の公表文献、学会のガイドライン、国内副作用報告等を踏まえ、以下の改訂を行うことで差し支えがないと判断しました。マル1腎機能障害患者に係る禁忌は、重度の腎機能障害患者のみとする。マル2経口摂取が困難な場合な場合などの脱水リスクや、過度のアルコール摂取には特に注意が必要である旨を追加するとともに、その他乳酸アシドーシスに関連する注意を整理する。マル3eGFRに基づき腎機能障害患者に係る1日最高用量の目安を記載する。マル4メトホルミン含有製剤間の注意喚起の差異を是正するとなっております。
調査会の結果を受けて実施した措置としては、別紙2のとおり、上記の結果を踏まえ、厚生労働省としては、メトホルミンについて、添付文書の改訂指示通知を、令和元年6月18日に発出しました。資料2-5の説明は以上です。
○事務局 続きまして、抗コリン作用を有する薬剤の使用上の注意の改訂について御説明いたします。資料2-6を御覧ください。まず背景について御説明します。本件は、現在多くの抗コリン薬の添付文書に記載されております、禁忌「緑内障」という記載につきまして、平成31年3月24日付けで、日本眼科学会より要望が提出されたことを受けまして、検討したものです。日本眼科学会からの要望書につきましては、こちらに記載した2点になります。
1点目は、禁忌「緑内障」という記載を、「閉塞隅角緑内障」に変更してほしいというものです。緑内障は、「開放隅角緑内障」と「閉塞隅角緑内障」の2種類に分けられ、抗コリン作用により、安全性の懸念が生じ得るのは、閉塞隅角緑内障のみと考えられること、開放隅角緑内障において、抗コリン作用により安全性の懸念が生じるとの記載は、我が国や欧米の成書等にも記載がないこと、開放隅角緑内障の患者に、本来安全であるはずの抗コリン薬が服用できなくなるという不利益が生じているということが、要望の理由です。
2点目は、現在、添付文書の使用上の注意に記載されております「狭隅角緑内障」という用語について、本邦のガイドラインに倣い「閉塞隅角緑内障」に変更してほしいというものです。本件の対象となる医薬品についてですが、2.に記載していますとおり、1つ目の要望につきましては、禁忌の項に緑内障に係る記載がされており、かつその設定理由が抗コリン作用によると考える薬剤が対象となると考えられております。ただし、学会からの要望書にも記載がありますとおり、眼局所製剤につきましては、薬物の眼内移行量がその他の投与法と比べて高くなり、瞳孔散大を起こす可能性が高いため、検討の対象外と考えております。
2つ目の要望については、使用上の注意に、狭隅角緑内障が記載されているものが対象の範囲となります。該当すると考えられる具体的な医薬品につきましては、4ページの別紙2に記載しておりますので、こちらを御覧ください。
2ページに移っていただき、調査会の検討結果です。本件につきましては、本年5月31日に開催されました安全対策調査会において、日本眼科学会の参考人の御出席の下、御審議いただきまして、抗コリン薬の緑内障に関する各種教科書やガイドライン等の記載状況、並びに日本眼科学会からの見解等を踏まえ、医療用医薬品につきましては、以下に記載する改訂を行うことで差し支えないと判断されました。
要望のマル1につきましては、抗コリン薬の添付文書において、禁忌とされている「緑内障」を「閉塞隅角緑内障」に改訂する。ただし、開放隅角緑内障の患者につきましては、抗コリン薬を投与した場合における急性緑内障発作のリスクを完全に否定できないということから、「慎重投与」の項に「開放隅角緑内障の患者」を追記する。
要望のマル2につきましては、「狭隅角緑内障」を「閉塞隅角緑内障」に改訂するというものです。
具体的な改訂内容につきましては、7ページの別紙3に記載しておりますので、こちらを御確認ください。
また、一般用医薬品につきましては、調査会の場において御意見いただき、抗コリン作用を有する成分がOTCにおいても配合されているため、緑内障患者から相談を受けた際には、適切な対応が取れるよう、必要な情報提供を行うこととされました。こちらの御指摘を受けまして、OTCに関しましては、厚生労働省が発出しております医薬品医療機器安全性情報No.364に、OTCに関する概要を記載するとともに、関連団体の皆様にも、必要な情報提供を行っていただくよう、協力をお願いしているところです。
以上の結果を踏まえ、厚生労働省におきましては、抗コリン作用を有する薬剤について、使用上の注意を改訂する指示通知を、令和元年6月18日に発出しております。資料2-6の説明は以上です。
○事務局 資料2-7、フェブキソスタットの安全対策について御説明いたします。品目の概要です。フェブキソスタットはフェブリクという販売名で、帝人ファーマ株式会社が製造販売しており、尿酸生成抑制薬になります。背景としましては、2009年2月、米国においてフェブキソスタットが承認されました。FDAは本薬の承認審査において、心血管疾患の発現割合が、対照群に比較して高い傾向が示唆されたことから、製造販売後臨床試験(CARES試験)の実施を指示しました。2011年の1月、本邦において、本薬が痛風・高尿酸血症の効能・効果で製造販売が承認されました。その際に、国内臨床試験では、対照群に比べて本薬群で、心血管疾患イベントの発現割合は特段高い傾向には認められなかったものの、欧米の指摘を踏まえ、特定使用成績調査にて、心血管リスクについて情報収集することが指示されました。
2011年11月、FDAはCARES試験の結果において、アロプリノールと比べ本薬において心血管疾患のリスクが高かったことから、本薬の安全性の評価を開始することを公表し、その後CARES試験の結果及び諮問委員会の議論を踏まえ、2019年2月心血管疾に係る注意喚起を記載する添付文書の改訂の指示をしました。
具体的にはBoxed Warningにて、心血管死について注意喚起するとともに、本薬の使用をアロプリノールの機能が効果不十分、又は忍容性がない患者に限定するという添付文書の改訂を指示しました。
上記の海外での動向及び2019年5月に、特定使用成績調査結果が提出されたことを踏まえ、本邦における安全対策について検討しました。
調査会における検討結果です。フェブキソスタットに関するCARES試験の概要、国内外試験の公表文献、特定使用成績調査、国内副作用報告等を踏まえ、以下の対応を行うことで差し支えないと判断されました。
マル1現時点で本薬の適用患者を限定する等本薬の位置付けを変更する措置は必要ないと判断する。マル2添付文書の「その他の注意」にて、当該試験結果について情報提供するとともに、「重要な基本的注意」において、予防的観点から心血管疾患の発現について、注意喚起する必要性があると判断する。マル3日本人における本薬の心血管イベントに関する情報収集及び評価を行うために、データベース調査等を検討する。マル4本薬と同様にキサンチンオキシダーゼ阻害作用を有するトピロキソスタットについては、添付文書の「その他の注意」にて、当該試験結果について情報提供をする必要性があると判断するとなっています。
4.調査会の結果を受けて実施した措置としましては、PDFの5ページ以降です。厚生労働省では、フェブキソスタットと、トピロキソスタットについて添付文書の改訂指示通知を、令和元年の7月9日に発出しております。資料2-7の説明は以上です。
○事務局 続きまして資料2-8について御説明いたします。資料2-8「添付文書記載要領の改正に伴う原則禁忌の取扱いについて」を御覧ください。まず背景から御説明いたします。医療用医薬品の添付文書等につきましては、「医療用医薬品の添付文書等の記載要領について」(平成29年6月8日付け厚生労働省医薬・生活衛生局長通知)により記載要領を改正しているところです。
新記載要領における主な改正点としましては、「原則禁忌」の項目の廃止、「特定の背景を有する患者に関する注意」の項目の新設などがあります。新記載要領は、平成31年4月より施行されまして、現在、各医薬品の添付文書等について、新記載要領に基づく改訂作業を順次実施しているところです。
続きまして、2番目の安全対策調査会における審議について御説明いたします。現在の添付文書中に記載されている「原則禁忌」の項目に記載されている事項は、基本的には「特定の背景を有する患者に関する注意」の項目に移行する予定です。しかし中には、「禁忌」の項目に移行することが適切と考えられる記載もあります。つきましては、6月26日に開催されました、安全対策調査会におきまして、このうち「フェニレフリン塩酸塩、エチレフリン塩酸塩」、「オザグレルナトリウム」、「スキサメトニウム塩化物水和物」、「精製ツベルクリン」につきまして御審議いただきました。これらの改訂案につきましては、事前に当該医薬品を主に使用する診療科に関連する学会から、医療現場における使用状況を踏まえた「禁忌」に移行することに対する御意見を聴取しております。
審議の結果につきましては、4ページにまとめています。4ページを御覧ください。4ページの表の左から3つ目及び4つ目の列に、今回の審議対象である原則禁忌の文言と、方針をお示ししております。これらの文言と方針につきまして、御審議いただきまして、了承されましたことを受けまして、令和元年7月17日付けで、添付文書の改訂通知を発出しております。
今後の予定についてですが、2、3ページにお示ししておりますとおり、審議対象品目は、残り1品目で、今後、安全対策調査会において、審議の予定です。資料2-8についての御説明は以上です。
○事務局 続きまして、資料2-9について説明します。資料2-9「要指導医薬品のリスク評価について」を御覧ください。要指導医薬品のリスク評価については、製造販売後調査及び副作用報告に基づいて、重篤な副作用の発生状況を評価し、製造販売承認の拒否事由に該当する状況にないことを確認するものですが、この手続の確認は安全対策調査会で行い、その結果を本部会に報告することとなっております。本日はこの手続に則り、イコサペント酸エチル及びロキソプロフェンナトリウム水和物(外用剤)について、確認結果を部会に報告するものです。
まず、イコサペント酸エチルについて説明します。資料の1ページを御覧ください。販売名はエパデールTです。効能・効果は健康診断等で指摘された、境界領域の中性脂肪値の改善で、以前に医療機関を受診された人に限ります。用法・用量は20歳以上で1日3回、食後すぐに1包を、水又はぬるま湯で服用します。
製造販売後調査概要を御覧ください。特別調査では調査症例数3,090例で、副作用が58例77件ありました。内訳は下痢11件、腹部不快感6件、そう痒感5件等でした。このうち重篤と判断された症例はありませんでした。一般調査では、報告された副作用は5例7件でした。内訳は熱感2件、筋肉痛、消化不良、そう痒感、発疹、末梢性浮腫が各1件でした。このうち重篤と判断された症例はありませんでした。
次のページに参りまして、医薬品医療機法第68条の10第1項に基づく報告ですが、報告書のデータロック後に、報告された重篤な副作用はありませんでした。また、使用上の注意の改定の指導はありませんでした。
以上の内容について、参考人として脂質代謝の専門家の参加の下、3月11日の調査会にて審議を行い、本部会の意見を伺うこととなりました。3月22日の本部会では、承認拒否事由など制度面及び適正販売に対する意見が出され、次回の安全対策調査会に報告することとなりました。4月2日の調査会では、製造販売後調査の結果及び調査会での議論を踏まえれば、承認拒否事由には該当しないため、要指導医薬品の定義から見て、調査期間の終了をもって一般用医薬品に移行するが、その後、販売時及び販売後の法令遵守と、その徹底、立入検査における重点確認、本事案をもって生活習慣病薬のスイッチ化に関する前例とはしないこととなりました。
この結果を踏まえて資料の11ページ、別紙4にあります「一般用医薬品のイコサペント酸エチル製剤の適正販売について」の通知を発出しました。また、その通知に基づくセルフチェックシートを15ページ以降に掲載しています。イコサペント酸エチルについては、4月15日付けで第1類医薬品に移行しております。
続きまして、3ページを御覧ください。ロキソプロフェンナトリウム水和物(外用剤)について説明します。販売名はロキソニンSテープ、ロキソニンSテープL、ロキソニンSパップ及びロキソニンSゲルです。効能・効果は腰痛、肩こりに伴う肩の痛み、関節痛、筋肉痛などです。用法・用量はロキソニンSテープ、ロキソニンSテープL、ロキソニンSパップについては1日1回、患部に貼りつけます。ロキソニンSゲルについては1日3~4回、適量を患部に塗擦します。
製造販売後調査概要を御覧ください。特別調査では、ロキソニンSテープとロキソニンSテープLでは調査症例数2,038例で、副作用が61例71件ありました。内訳は接触皮膚炎28件、そう痒症23件、皮膚刺激8件等でした。このうち重篤と判断された症例はありませんでした。一般調査では、報告された副作用は44例81件でした。内訳はそう痒症12件、紅斑8件、接触皮膚炎7件等でした。このうち重篤と判断された症例はありませんでした。
ロキソニンSパップの特別調査では、調査症例数1,205例で副作用が23例24件ありました。内訳はそう痒症10件、接触皮膚炎7件、紅斑3件等でした。このうち重篤と判断された症例はありませんでした。一般調査で報告された副作用は12例21件でした。内訳はそう痒症4例、紅斑3件、発疹3件等でした。このうち重篤と判断された症例はありませんでした。
ロキソニンSゲルの特別調査では、調査症例数1,223例で副作用が6例7件ありました。内訳は腹部不快感3件、上腹部痛1件、接触皮膚炎1件、皮膚刺激1件、疼痛1件でした。このうち重篤と判断された症例はありませんでした。一般調査で報告された副作用は18例26件でした。内訳は紅斑3件、感覚鈍麻2件、腹部不快感2件、そう痒症2件でした。このうち重篤と判断された症例はありませんでした。
医薬品医療機器法第68条の10第1項に基づく報告ですが、報告書のデータロック後に、報告された重篤な副作用は、いずれもありませんでした。また、使用上の注意の改定の指導により、「相談すること」の項にショック(アナフィラキシー)が希に起こることがある旨を、2017年7月4日に追記しました。
以上の内容について、参考人として整形外科領域の専門家の参加の下、5月31日の調査会において審議を行いました。主な意見としましては、製造販売後調査において重篤な副作用の報告はないが、NSAIDsは喘息発作を重篤化しやすいため、今後も十分な注意喚起が必要。長期使用を避けるために、薬剤師が適切に説明すること。チェックシートを工夫することが必要。長期間使われることにより、診断の遅れにつながる恐れがある。薬剤師を通さないと、痛みを初期症状とする病気を見逃すことになる。経口投与と経皮投与では、活性体の濃度推移が異なるため、気をつけた方が良い。という意見があり、要指導医薬品から一般用医薬品に移行することは問題ないと評価されました。資料2-9については以上です。
○事務局 引き続きまして、資料2-10を御覧ください。患者副作用報告の受付の開始について、説明をさせていただきます。資料の1ページです。これまでの経緯ですが、平成22年に薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政の在り方検討委員会最終提言において「患者からの副作用報告制度」を創設すべきである旨が提言されました。さらに平成24年には、こうした患者からの副作用報告について、得られた副作用情報を安全対策に活用すべき旨も、報告書の中で述べられています。
これらを踏まえまして、平成24年3月から医薬品医療機器総合機構において、ホームページ上に患者副作用報告システムを開設し、患者又はその家族からの、医薬品についての副作用報告の試行的受付を行っていました。前回、平成30年度第3回の医薬品等安全対策部会において、平成24年3月26日から平成29年度末までの報告状況としまして、717件の報告の概要等について説明をいたしました。さらに今後に向けまして、患者副作用報告の目的や報告対象医薬品、安全対策への活用等に関する事項等を記した実施要領に基づいて、患者副作用報告の受付を正式に開始するということについて、報告をさせていただいたところです。平成31年3月26日より、この正式な報告受付を開始していますので、本日、報告をさせていただきます。
なお、2.今後の対応予定ですが、次回、令和元年度第2回医薬品等安全対策部会よりこの本格運用に基づいた患者副作用報告の報告状況について、報告をさせていただく予定です。2ページ以降については、本格運用の開始に伴いまして、厚生労働省の方から発出しました通知、3ページ以降に、先ほど説明しました報告に関する実施要領、そして、5ページ以降に郵送の場合の実際の報告の様式についてを、御参考までに掲載しています。説明は以上です。
○五十嵐部会長 委員の先生方から御質問、御意見等はいかがでしょうか。
○城守委員 イコサペント酸エチルに関して、事務局へのお願いです。この4月から一般用医薬品に移行したということですが、前回の検討会で様々な議論があったという中において、販売時と販売後に法令遵守の徹底と、県による立入調査の重点確認という項目を、しっかりと作っていただいて、それは感謝したいと思いますが、実際問題、このセルフチェックシートの有効性、そして立入調査の実施状況等に関して、特に販売から最初の3か月、半年、1年という辺りをきちんと確認をしていただいて、その報告をお願いしたいと思います。要望です。
○医薬安全対策課長 御意見、ありがとうございます。行政的には本日説明した資料の中にも、少し通知の所で触れていますが、定期的な把握ということをこちらも考えています。併せまして、今、御意見がありましたとおり、次回の部会に向けてどこまで把握できるか、少し我々の方でまとめてみまして、状況報告をさせていただきたいと思います。
○五十嵐部会長 ありがとうございます。その他はいかがでしょうか。
○小宮根委員 大変細かいことで恐縮ですが、抗コリン剤の禁忌の所で、閉塞隅角緑内障と開放隅角緑内障を分けたということですが、添付文書の文言が閉塞隅角緑内障と、禁忌でない開放隅角緑内障で、全く説明の文書が同じになっているのが、私としては少し引っ掛かるのです。「抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある」ということですが、禁忌である閉塞隅角緑内障の方が、そのリスクが高いので禁忌になっていると思うので、その辺の表現を少し変えた方が分かりやすいのではないかと思ったのですが、こちらは一般的にこのような表現をなさっているのでしょうか。
○事務局 御質問ありがとうございます。こちらの添付文書の括弧書きの所を同じにした理由ですが、抗コリン作用によって瞳孔散大が起きた場合に、眼圧が上昇して緑内障発作を誘発する恐れがあるということは、共通の事項であるため、設定理由を共通としました。設定理由が同じであったとしても、記載する項目自体が禁忌と慎重投与で異なることから、医療現場の先生方には病態毎のリスクの違いが伝わると考えましたので、今回の改定案に至ったというものです。
○小宮根委員 分かりました。
○五十嵐部会長 その他はいかがでしょうか。
○乾委員 抗コリン薬の一般用医薬品については対応するということで、先ほど事務局から説明を頂きましたが、要するに添付文書は改定はしないけれども、製造販売業者に対して情報提供をし、また、それを薬局、店舗販売業に対して情報提供するということなのでしょうか。
○事務局 OTCの添付文書に関してですが、まずOTCの添付文書については、一般消費者の皆様に分かりやすい表現で記載するという、もともとのOTCの記載要領がある観点から、添付文書自体は緑内障のまま変更しないことにしております。
ただ、調査会の場でも御意見を頂きましたとおり、OTCに関して、抗コリン作用を有する薬剤は多数存在することから、必要な情報提供はしてほしいという御指摘があったことを踏まえまして、説明の中でも触れましたとおり、まずは厚生労働省が発刊しております「医薬品医療機器等安全性情報」において、本件に関するOTCの取扱いを記載させていただきました。加えて、当該情報を関連の業界団体の皆様にも周知し、協力をお願いしているところです。
○乾委員 薬剤師も登録販売者も、抗コリン作用を有する医薬品については、今までもきちんと注意して販売してきておりますし、より丁寧な注意喚起をしていただけるというのは、非常に良いのではないかと思いますので、我々日本薬剤師会としてもしっかり協力させていただいて進めたいと思います。
他にもう1点よろしいですか。先ほどのイコサペント酸エチルですが、エパデールを第1類医薬品にということで、セルフチェックシートがより使用者にとっても分かりやすい、丁寧な、厳格なものになったということで、販売する薬剤師、情報提供する薬剤師にとっても、今までもそうですが、引き続き安心して使用者が使えるのか、また、受診勧奨するのか、その辺についてしっかり地域の医療機関と連携できる、そういう機会がより増えるのではないかと前向きに考えておりますので、しっかり行いたいと思っています。よろしくお願いします。
○五十嵐部会長 ありがとうございます。何かありますか。
○医薬安全対策課長 1点目について少しコメントといいますか、意見を述べたいのですが、市販薬の抗コリン作用について、添付文書を実際に読まれた購入者の方が、閉塞隅角開放か見分けるのは難しいということで、現行のままという点に関しては先ほど説明させていただいたとおりです。
したがって当面は、実際に販売される現場対応ということで、きめ細かい対応をお願いしたいという趣旨なのですが、ただ、今後この問題について何かできるかどうかということは、互いにまた考えていければいいと思いますので、御提案を頂きたいと思っています。
今回の措置で全て完結ということではないのですが、できうることとして安全情報を通じた、医師、薬剤師の先生方への情報発信ということは今回いたしましたが、何か他に必要なことがあれば、また随時、妥当適切な方法をとっていきたいと考えております。
○薄井委員 緑内障に関して、私は内科なので専門ではないのですが、患者さんは緑内障ということが分かっていても、狭隅角、広隅角、名前が少し変わりましたけれど、開放型なのか、閉塞型なのか、それを本当に患者さんはお分かりになるのでしょうか。
眼科の先生にお願いしたいことなのですが、きちんとそれを患者さんに御説明いただかないと、今回、今まで禁忌だったのが禁忌ではないという話になるので、その辺のところは対応も必要ではないかなと思うのです。専門外として心配なものですから提案なのですが。
○事務局 今回の添付文書改訂を機に、各医療機関においても、患者さんがどの病態の緑内障であるかを、適切に情報提供を行っていただくように、要望のあった日本眼科学会にも通知を発出しまして、協力をお願いしているところです。
○薄井委員 よろしくお願いします。
○五十嵐部会長 他はいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、議題2は報告ですので、これで終了したいと思います。ありがとうございました。
続きまして、議題3に移りたいと思います。医薬品等の副作用等報告の状況です。事務局から、資料3-1から資料3-6まで続けて御報告をお願いします。
○事務局 医薬品医療機器法第68条の12の規定に基づく、薬事・食品衛生審議会への副作用等の報告について説明します。資料3-1を御覧ください。まず報告期間についてですが、前回の報告期間は平成30年8月1日から平成30年11月30日まででしたので、今回の報告期間は平成30年12月1日から平成31年3月31日までです。
1番の製造販売業者からの報告について、報告いたします。(1)には国内症例の副作用等報告について、医療用医薬品、医薬品たるコンビネーション製品、要指導医薬品、一般用医薬品、医薬部外品、化粧品における報告件数をお示ししており、その内訳は資料3-2にまとめてお示ししております。なお、医薬品たるコンビネーション製品とは、インスリンペン注等、機械器具等と一体的に販売するものとして、承認を受けた医薬品を言います。
(2)には外国からの副作用等報告について、医薬品、医薬品たるコンビネーション製品における報告件数をお示ししています。(3)には、外国での新たな措置の報告件数をお示しており、その内容は資料3-3にお示ししています。(4)には研究報告の報告件数をお示ししており、報告された文献等のリストは資料3-4にお示しております。
2番の医薬関係者からの報告について、報告いたします。ワクチン類を除く医薬品の副作用報告と、ワクチン類の副反応報告とに分けてお示ししており、これらのうち重篤症例については、企業若しくは独立行政法人医薬品医療機器総合機構が詳細調査を行うこととしておりますので、重篤なものの件数及び、そのうち機構が詳細調査を行った報告の件数についてもお示ししています。なお、機構が詳細調査を行った報告の内訳については、資料3-5にまとめてお示ししています。
最後に副作用救済給付又は感染症救済給付に係る疾病・障害及び死亡の報告について、報告いたします。報告期間内に、救済給付に関する決定がなされたものの件数を、副作用救済給付、感染症救済給付についてお示ししています。なお、その内訳は資料3-6にまとめてお示ししています。簡単ですが、以上で資料3シリーズの説明を終わります。
○五十嵐部会長 何か御質問等はいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、議題3の報告は終了したいと思います。
続きまして議題4、「医薬品の感染症定期報告の状況について」、資料4-1、資料4-2の御説明をお願いします。
○事務局 それでは議題4、感染症定期報告について報告いたします。資料はお手元のタブレットの資料4-1、資料4-2になります。まず、感染症定期報告の制度の概要について説明します。医薬品医療機器等法に基づく副作用等報告におきましては、製造販売業者から、その製造販売をする医薬品によるものと疑われる副作用・感染症を報告することが義務付けられております。他方で血液製剤やワクチン等の生物由来製品につきましては、その原料はヒトその他の生物に由来するため、細菌、ウイルス等が含まれている可能性が完全には否定できません。また、その感染症自体の性質として、時間の経過に伴い軽減することなく、一定期間後に症状が顕在化してくるという可能性もあります。
このような性質も踏まえまして、生物由来製品につきましては、製品への直接的な影響が不明であるものも含め、定期的に製品の原料、材料による感染症に関する報告を行うことを義務付けられており、これが感染症定期報告です。なお、感染症定期報告で寄せられたものにつきましては、本医薬品等安全対策部会の他、血液事業部会運営委員会において報告を行っています。以上が感染症定期報告の概要です。
それでは、資料4-1を御覧ください。今回の報告は、昨年12月1日から本年3月31日までに報告されたものをまとめております。資料4-1と資料4-2がありますが、資料4-2は重複を含む期間中の全ての報告で、重複や過去に報告されたものを整理し、今回の期間に新規に報告されたものを資料4-1にまとめております。詳細な説明は省略しますが、今回新たに報告された文献は54件ありました。全体の傾向としましては、今回は肝炎関係が11件、インフルエンザ関係が7件報告されています。
これらの報告について、国立感染症研究所の脇田委員と宮崎委員、国立医薬品食品衛生研究所の澤田委員に事前に御確認いただきましたが、特段の御意見は頂いておりません。議題4については以上です。
○五十嵐部会長 感染症関連の御報告ですが、何か御質問等はありますか。よろしいですか。それでは、議題4の報告はこれで終了したいと思います。
続きまして議題5、「医薬品等の回収報告の状況について」、資料5-1と資料5-2の御説明をお願いします。
○事務局 医薬品等の回収報告の状況について、資料5-1及び資料5-2に基づいて説明します。医薬品医療機器法第68条の11に基づき、医薬品等の製造販売業者等は、その製造販売をし、製造をし、又は承認を受けた医薬品等を回収する際には、回収に着手した旨及びその回収の状況を厚生労働大臣に報告しなければならないとされています。また、製造販売業者等から回収の着手の報告がなされた場合には、全ての事例をインターネット上で公表しています。本件は、医薬品医療機器法第68条の12の規定に基づき、薬事・食品衛生審議会に報告を行うものです。
資料5-1の1ページに回収件数の年次推移を示しています。平成30年度に関しては、医薬品が150件、医薬部外品が13件、化粧品が86件あり、医療機器及び再生医療等製品と合わせて、全体で660件となっています。平成29年度やそれ以前の件数と比較して、報告数に大きな変動はないと考えられます。
また、2ページに平成30年度の医薬品等の回収件数及びクラス分類を示しています。医薬品については、クラスIが27件、クラスIIが108件、クラスIIIが15件、計150件となっています。医薬部外品はクラスIが0件、クラスIIが12件、クラスIIIが1件の計13件。化粧品はクラスIが0件、クラスIIが62件、クラスIIIが24件の計86件となっています。
なお、医薬品のクラスI回収の内訳ですが、27件のうち25件はロットを構成しない医薬品であって、同種他製品に影響が及ばず、かつ、当該医薬品が他者に使用されないことが確実なものでした。具体的には血液製剤について、献血いただいた後に様々な情報に基づき、当該献血を原料にして作られた製剤について、患者さんに使用する前に事前に回収されたものです。
続きまして、資料5-2について説明します。資料5-2には、平成30年度に行いました自主回収について、それぞれの製品名及び回収理由を記載しています。クラスIについては1ページと2ページ、クラスIIについては3~40ページ、クラスIIIについては41ページ及び42ページに記載しております。報告は以上です。
○五十嵐部会長 何か御質問、御意見等はありますか。特によろしいですか。では、議題5の報告もこれで終了したいと思います。
それでは、最後の議題6、「その他」ですが、何か事務局からありますか。
○医薬安全対策課長補佐 特にございません。次回の部会の開催日程は、11月18日(月)、16~18時の予定です。場所については改めて連絡いたします。どうぞよろしくお願いします。
○五十嵐部会長 それでは、本日の部会はこれで閉会とさせていただきます。ありがとうございました。
( 了 )
 
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬安全対策課 課長補佐 花谷(内線2752)