令和元年度6月28日 第41回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和元年度第5回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和元年6月28日(金) 14:00~16:00

場所

中央合同庁舎5号館 講堂(低層棟2階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

議事

○事務局 定刻となりましたので、ただいまより第41回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和元年度第5回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきありがとうございます。
初めに本日の委員の出欠状況について、御報告いたします。現在、副反応検討部会委員8名のうち7名、安全対策調査会委員6名のうち5名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定によりまして本日の会議は成立していることを御報告いたします。なお、全ての委員におきまして、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。申し訳ありませんが、冒頭のカメラ撮りについては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いします。
それでは、本日の審議の前に傍聴に関しての留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ずお守りいただきますよう、お願いいたします。留意事項に反した場合は退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方につきましては、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意をお願いします。
本日の座長につきましては、五十嵐安全対策調査会長にお願いしたいと思います。それでは、この後の進行を、よろしくお願いします。
○五十嵐委員 ありがとうございます。では、審議参加に関する遵守事項につきまして、事務局から御報告をお願いします。
○事務局 審議参加について報告させていただきます。本日、御出席された委員の方々の、過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況につきまして、これまでと同様に申告を頂いております。本日の議題において、調査審議される品目は、DPT、DT、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、混合不活化ポリオ、13価肺炎球菌、Hib(ヒブ)、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルス、5価ロタウイルスの各ワクチンです。
その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、KMバイオロジクス株式会社、デンカ生研株式会社、サノフィ株式会社、ファイザー株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、MSD株式会社であり、事前に各委員に申告を頂いています。各委員からの申告内容については、机上に配布させていただいておりますので御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、柿崎委員がMSD株式会社から、50万円を超えて500万円以下の受取があるため、B型肝炎、5価ロタウイルスワクチンにつきまして、意見を述べることはできますが、議決に参加いただけないことを報告いたします。引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受取について、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますよう、お願いいたします。以上です。
○五十嵐委員 どうもありがとうございました。何かありますか。よろしいですか。では、本日の配布資料の確認をお願いします。
○事務局 事務局より、本日の資料について説明いたします。厚生労働省では、業務全体においてペーパーレス化の取組を推進しており、本合同会議の資料はタブレットで閲覧する方式で実施いたします。各委員におかれましては、お手元のタブレット端末で資料を御確認ください。
初めにタブレット端末の操作方法について説明いたします。お手元にはタブレットと操作説明書を配布しております。いずれも審議会終了後は事務局で回収いたしますので、机上に置いたまま退室してください。
タブレットの表面にある丸いホームボタンを押し、画面が表示されましたら再度ホームボタンを押してロックを解除してください。ロックを解除するとホーム画面が表示されることを御確認ください。表示されない場合には事務局員にお声掛けください。資料一覧が表示されることを御確認いただけない場合は、ファイルブラウザと書かれた青いアイコンをタップして、資料一覧を御確認ください。また、資料を閲覧する場合は、各資料のアイコンをタップしてください。資料をめくる場合には、指を画面上でスライドさせてください。資料を切り替える際は、画面左上のマイプライベートファイルをタップすることで資料一覧のページに戻ることができます。そのほかの操作方法については操作説明書に記載してありますので、適宜、御参照ください。なお、一定時間操作をしておりませんと画面がスリープになるように設定しております。スリープ状態になりましたら、再度、起動操作をしていただくようにお願いします。また、審議中に誤って別のアプリケーションを開いてしまった場合は、ホームボタンを押すことでホーム画面に戻ることができます。御不明な点、不具合等がありましたら、事務局員にお申し出ください。
続きまして、資料の説明をいたします。資料は委員名簿、資料一覧、議事次第、座席表、遵守事項等資料、資料1~17があり、委員限りの資料として、資料番号なしで各社のワクチン出荷量と副作用の発現頻度をまとめた資料があります。また、お手元には黄色の紙ファイルにて、各ワクチンの添付文書をお配りしております。資料を御確認いただき、不足の資料等がありましたら事務局にお申し出ください。
○五十嵐委員 どうもありがとうございました。では、議題1の各ワクチンの安全性について審議したいと思います。事務局から、資料1~6までの説明をお願いします。
○事務局 初めに、全体的な事項を説明いたします。合同会議での副反応が疑われる症例の報告については、平成25年9月の合同会議におきまして、定期的に検討を行うワクチンを選定し、比較的同時接種が行われるワクチンと、比較的単独接種が行われるワクチンとに、グループを分けて報告することとしております。本日は、比較的同時接種が行われるワクチンについて、その副反応が疑われる症例の報告の状況について説明いたします。比較的同時接種が行われるワクチンにつきましては、前回、1月16日の合同会議において、平成30年7月から10月末までの症例について報告しております。本日は平成30年11月1日から本年2月末までの4か月間に報告された症例について説明させていただきます。
それでは、資料1~6について説明します。こちらは、百日せき、ジフテリア、破傷風、ポリオ関連のワクチンとなります。資料1は、DPTワクチンです。具体的な製品名は1ページの上段の「商品名」に記載しています。中段の表には、医療機関への納入数量を基に推定した接種可能のべ人数と製造販売業者及び医療機関からの副反応が疑われる症例の報告件数を記載しております。DPTワクチンの接種可能のべ人数は7,626人、製造販売業者からの報告は0件、医療機関からの報告は非重篤の1件でした。医療機関からの報告頻度は0.013%となっております。下段には重篤症例の転帰等の情報をまとめておりますが、後遺症症例、死亡症例の報告はありませんでした。
2ページ目に移る前に、本資料を含め、各資料の1ページ目の見方について説明いたします。重篤症例の報告書について、製造販売業者と医療機関の双方から報告された場合は、重複を排除するために医療機関の報告として計上しております。また、中段の表の報告数の所は、集計対象期間内に報告された症例を集計しているため、この件数には接種日や発生日が対象期間以前の症例も含まれており、接種日が今回の対象期間内であったものについては括弧書きで件数を記載しております。また、企業ごとの出荷量や発現頻度については、別途、委員限りの資料をご覧ください。
2ページ目は、報告された症例を症状別に集計したものです。縦に見ていただき、表の左側が前回の合同会議までに報告された件数、右側が今回報告された件数となっています。3ページに、予防接種法の報告基準に定められた症状について集計した結果を記載しています。左側が前回までの報告、右側が今回の対象期間に報告されたものとなっています。
4ページは、報告された個別症例の一覧、5ページは、アナフィラキシーとして報告された16症例をまとめています。今回は、そのような症例はありませんでした。資料1については以上です。
続きまして、資料2はDTワクチンです。接種可能のべ人数は約40万人、製造販売業者からの報告は0件、医療機関からの報告は非重篤のものが2件でした。医療機関からの報告頻度は0.00050%となっています。下段の重篤症例の転帰について、後遺症症例、死亡症例の報告はありませんでした。2ページは症状別に集計した結果です。3ページは予防接種法の報告基準に定められた症状について集計した結果です。4ページは個別症例の一覧です。5ページはアナフィラキシーのまとめですが、今回はそのような症例はありませんでした。資料2については以上です。
資料3は、ジフテリアトキソイドです。こちらは対象期間内に、企業及び医療機関のいずれからも報告はありませんでしたので、説明は省略いたします。
資料4は、破傷風トキソイドです。接種可能のべ人数は約18万人、製造販売業者からの報告は0件、医療機関からの報告は非重篤のものが1件でした。医療機関からの報告頻度は0.00055%となっています。下段の重篤症例の転帰について、後遺症症例、死亡症例の報告はありませんでした。2ページは症状別に集計した結果、3ページは予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果です。4ページからは個別症例の一覧です。基礎疾患等にある「花粉症ありとのコメントはありました」との記載は医療機関からの報告に基づきそのまま記載しております。5ページはアナフィラキシーのまとめです。今回はそのような症例はありませんでした。6ページは死亡症例についてです。対象期間後に報告された84歳女性の症例であり、詳細な情報は現在調査中ですので、調査結果が得られ次第、改めて報告いたします。資料4は以上です。
資料5は、不活化ポリオワクチンです。こちらは対象期間内に、企業及び医療機関のいずれからも報告はありませんでしたので、説明は省略いたします。
資料6は、4種混合ワクチンです。接種可能のべ人数は約144万人、製造販売業者からの報告は5件、医療機関からの報告は25件、うち重篤なものが10件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.00035%、医療機関からの報告頻度は0.0017%となっています。下段の重篤症例の転帰について、今回の集計対象期間内で医療機関から死亡症例が2件報告されています。2~4ページは症状別に集計した結果、5ページは予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果です。6~8ページは個別症例の一覧です。7ページの医療機関重篤症例の3番目の症例の基礎疾患等に「タバコ使用者」とあります。これは受動喫煙を意図したものと思われますが、企業からの報告に基づいて記載しております。9ページはアナフィラキシーのまとめです。今回の対象期間内では、1件がアナフィラキシーと報告されましたが、専門家の評価により、ブライトン分類が3以上とされた症例はありませんでした。
続いて11ページからは、死亡症例についてです。No.1の症例は、前回1月の合同会議にて、詳細調査中として報告した症例ですが、調査の結果、死因は不明、ワクチン接種との因果関係も不明とされています。No.2の症例も1月の合同会議にて、詳細調査中として報告された症例ですが、調査の結果、死因は上気道炎とされたものの、直接の死因とは考えにくく、ワクチン接種との因果関係も不明とされています。No.3の症例は1月の合同会議にて、対象期間後の症例として報告されていたものですが、情報不足のため、ワクチン接種との因果関係は評価できないとされていました。その後の調査結果で、死因は育児用ミルクの誤嚥による窒息と考えられ、ワクチン接種との因果関係は否定的とされています。No.4の症例は、3か月女児が接種翌日に呼吸をしていないことに母親が気付き、搬送された後に死亡した症例です。詳細な情報は現在調査中ですので、調査結果が得られ次第、改めて報告いたします。
13ページ以降に、委員限りの資料として、経過や専門家の意見の詳細等を添付しております。委員限りの資料につきましては、その内容について御発言いただく際に、患者個人の特定につながらないよう御配慮いただくようお願いします。資料1~6の説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いします。
○五十嵐委員 どうもありがとうございました。それでは、資料1~6までのワクチンに関して、御意見、御質問はありますか。
○多屋委員 先ほど御説明いただいたのですが、資料6の3番、受動喫煙が基礎疾患に入っているデータですが、3か月の乳児で、基礎疾患の所に「タバコ使用」という表現は不適切かと思います。受動喫煙であれば「受動喫煙」という記載のほうが正しいのではないかと思いました。それが1つです。
もう1つは資料1、DPTのワクチンでお一人、非重篤ではありますが、報告がありました。現在の日本の乳児の予防接種の状況を考えますと、この月齢で3種混合ワクチンの接種は極めて珍しいのですが、4種混合ワクチンの間違いということはありませんか。
3点目、資料6の胆管炎の症例ですが、「基礎疾患等」に「先天性胆管拡張症、胆道手術」と記載されています。胆管炎が4種混合ワクチンによって起こるということを、報告医、企業が否定できないと判断され、報告されたのかと思いますが、基礎疾患との関連で胆管炎を副反応として報告するかどうかについて、主治医や企業と少し御相談いただくようなことができないかと思いました。
以上のことは数字としてずっと残っていきますし、頻度として分子に残っていくことから、1例1例の丁寧な対応も必要ではないかと思って意見させていただきました。以上です。
○五十嵐委員 3点の御指摘を頂いたのですが、事務局はいかがですか。1点目は今日の最後の御報告とも関係することなのですが。お答えいただけますか。
○事務局 事務局よりお答えします。1点目の「タバコ使用者」の記載につきましては、企業からの報告のままとさせていただいたところですが、報告の様式等にも伴う部分がありますので、可能な限り企業に働き掛けをしたいと思いますが、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。
また、2点目のDPTワクチンの件に関しては、こちらは医療機関から報告されている報告原票を確認しましたが、明らかにDPTと書かれております。それ以上の調査として、こちらには情報がありませんので、DPTとして報告させていただきました。
3点目の胆管炎の症例に関してですが、確かに、基礎疾患にある先天性の胆管炎に伴うような疾患の記載でもあります。しかし胆管手術自体が今回の症例よりも以前に行われているもので、今回のワクチンの接種に伴って、主治医が逆行性の胆管炎と川崎病を疑って治療を開始しており、医療機関報告として、報告医がワクチンと接種の因果関係を否定できないと報告されてきたものですので、それを尊重して記載させていただいております。
○五十嵐委員 よろしいですか、ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。
○濱田委員 また基本的なことを聞いて申し訳ないです。ジフテリアの記載があります。副反応が出ていないので省略させましたが、私ども大人に接種しているものとしては、ジフテリアのワクチンというのは日本で売られていないという考え方なのですが、これは販売されているということで報告されているわけなのですか。今は入手されようがないというようになっているのですが。
○事務局 事務局よりお答えします。資料3の1ページ目の中段の表で、平成30年11月1日から平成31年2月28日の部分に、接種可能のべ人数として、33という記載があります。こちらに関しては、今回、企業に出荷数を確認し、この期間にこの数量を出荷されたという報告を受けて、この数字を記載させていただいております。その辺りにつきましては、先生の御発言も含めまして確認をさせていただきたいと思います。
○五十嵐委員 そのほかはいかがでしょうか。よろしいですか。そうしますと、御説明された内容をまとめたいと思います。確認できた内容としては、まず副反応疑いの報告頻度は、これまでに検討したワクチンに比べて特に高いということはなかったということです。それから、死亡症例は、今回の集計対象期間内に沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオを含む同時接種の症例で2例、対象期間後に破傷風トキソイドの単独接種で1例が報告されました。うち1例はワクチン接種との因果関係は否定的であると評価されています。ほかの症例は現在、詳細な情報を調べているということですので、次回以降に改めて報告されるものと思われます。それから、対象期間前の沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオを含む同時接種の症例2例について追加情報が報告されましたが、ワクチン接種との因果関係は不明であるという結論になっています。ということで、よろしいでしょうか。
では、この内容を踏まえて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見を頂きたいと思います。いかがですか。
特に変更する必要があるという御意見はないようですので、安全性におきまして、資料1から資料6までのワクチンにつきましては、重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。ありがとうございます。
では続きまして、資料7~8までの説明をお願いします。
○事務局 資料7をご覧ください。沈降13価肺炎球菌ワクチンです。接種可能のべ人数は約126万人、製造販売業者からの報告は21件、医療機関からの報告は21件、うち重篤なものは16件でした。報告頻度は製造販売業者、医療機関ともに0.0017%となっております。また、肺炎球菌ワクチンに関して、薬効欠如等のワクチンの副反応ではないと考えられるような症状が報告されていることに関しては、これまでの合同会議で御指摘いただいており、うち数として、肺炎球菌感染及び肺炎等を除いた数をお示ししております。今回の対象期間では、製造販売業者から肺炎予防接種の効果不良等の症例が報告されており、これらを除くと製造販売業者からの報告数が15件となります。医療機関からの報告については、効能不良等の症例がありませんでした。
また、下段の重篤症例の転帰については、医療機関から後遺症症例が1件、死亡症例が1件報告されています。また、6か月間における死亡症例の報告頻度は0.21~0.31となり、この値は、急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っております。
2~5ページは症状別に集計した結果です。こちらの表で★を付けている症状が、1ページで、うち数として集計する際に除外したものになります。6ページは予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果です。7~11ページは個別症例の一覧です。
12ページは後遺症症例です。1歳女児、13価肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンを同時接種し、後遺症症状として精神運動発達の著明な退行を認めた症例です。表の一番右のカラムに専門家の意見を記載しておりますが、ワクチンとの関連は不明、ワクチンとの関連を評価するに十分な情報がないという御意見を頂いております。
13ページはアナフィラキシーのまとめになります。対象期間内にアナフィラキシーとして報告された件数が2件ありましたが、専門家の評価により、ブライトン分類が3以上とされた症例はありませんでした。
続いて16ページからは死亡症例についてです。No.1、No.2の症例は、先ほど説明した症例と同一ですので詳細は省略いたします。No.3の症例は、対象期間後に報告された1歳5か月女児の症例であり、詳細な情報は現在調査中ですので、調査結果が得られ次第、改めて御報告いたします。資料7は以上です。
資料8は、Hib(ヒブ)ワクチンです。接種可能のべ人数は約123万人、報告数は、製造販売業者からの報告が12件、医療機関からの報告が21件、うち重篤なものが15件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.00097%、医療機関からの報告頻度は0.0017%となっています。
下段の重篤症例の転帰については、今回の集計対象期間内で医療機関から後遺症症例が1件、死亡症例が1件報告されています。また、6か月間における死亡症例の報告頻度は0.21から0.32となり、急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っております。
2~5ページは症状別に集計した結果です。6ページは予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果です。7~10ページは個別症例の一覧です。11ページは後遺症症例です。こちらは先ほど説明した症例と同一ですので詳細は省略いたします。12ページはアナフィラキシーのまとめです。対象期間内にアナフィラキシーとして2件報告されましたが、専門家の評価により、ブライトン分類が3以上とされた症例はありませんでした。15ページは死亡症例になります。いずれも先ほど説明した症例と同一ですので、詳細は省略いたします。資料7~8の説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いします。
○五十嵐委員 ただいまの事務局からの説明について、御質問、御意見はいかがでしょうか。
○多屋委員 資料7のプレベナー13の副反応疑い報告に、恐らく水痘関連で御報告いただいた症例が含まれていると思うのですが、帯状疱疹という症例がございます。こういう症例が出てきたときは、できればワクチン株か全株かの鑑別ができるようになればということを前回の合同会議で議論していたと思いますので、今後そういう症例報告が届いたときは、お問合せなどをお願いできると有り難いなと思いました。
2点目は、資料8のアクトヒブの副反応として、突発性発疹が記載されていますが、突発性発疹はワクチンで起こることはありませんので、副反応名として残るということに違和感を感じました。突発性発疹の原因は明らかになっていますから、ここについてはどのようにするかをそろそろ検討する時期にきてもいいのではないかと思います。
○五十嵐委員 2番目の質問は、先ほどの御質問と似ているところがあるのですが、帯状疱疹と突発性発疹という病名そのものがおかしいという御指摘なのですが。
○事務局 事務局よりお答えいたします。1つ目の御質問の帯状疱疹に関してなのですが、医療機関から報告されている症例で、それ以外の報告がありませんので詳細については分かりません。ですので、ワクチン株なのかどうかという特定が必要という先生の御意見は、事務局で検討させていただきたいと思いますが、今回の報告書に関しましては以上の報告となります。
2つ目の病名につきましては、こちらも報告された報告医の評価として記載させていただいておりますので、先生のお考えもあるとは思いますけれども、報告医の意見として、このような記載をさせていただいているところです。
○多屋委員 恐らくこの年齢ですと、小児科医が記載していると思うのですが、突発性発疹がワクチンによって起こると思っている小児科医は恐らく日本にはいないと思います。報告医がそのように判断しているというのはちょっと考えにくいと思いますので、紛れ込みとして突発性発疹がたまたま接種の何日か後に起こったという意味で記載されたのではないかと思います。
○事務局 補足をさせていただきます。先ほど、資料7の帯状疱疹の件について、医療機関報告であるということが今回の詳細な情報が取れない1つの理由ではあるのですが、一方で企業報告、この場合は事務局の報告になりますが、そういった場合については先生が御指摘のとおり、ワクチン由来であるかどうかについては企業に確認していただくようにしたいと思います。
○五十嵐委員 そのほかはいかがでしょうか。特にないようですので、報告をされた内容をまとめたいと思います。これまで確認できた内容としては、まず副反応疑いの報告頻度は、これまでに検討したワクチンに比べて特に高いということはありませんでした。死亡症例は、今回の集計対象期間内にプレベナー13、アクトヒブを含む同時接種で1例、対象期間後に1例報告されまして、そのうちの1例はワクチン接種との因果関係は否定的であるという評価を受けています。それから、対象期間後に報告された症例は現在、詳細情報を調査中ですので、次回以降に改めて報告される予定になっています。また、対象期間前のプレベナー13、アクトヒブを含む同時接種1例については、追加情報が報告されましたけれども、ワクチン接種との因果関係は不明という結論になっています。なお、プレベナー13、アクトヒブの6か月間における死亡症例の報告頻度は、いずれのワクチンも急ぎ検討が必要とされる10万接種当たり0.5を下回っておりました。ということで、まとめとしてはよろしいでしょうか。
では、この内容を踏まえまして、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見を頂きたいと思います。特段ございませんでしょうか。
そういうことですと、御審議いただきましたワクチンについては、これまでの副反応疑い報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
ありがとうございます。では、そのような結論にしたいと思います。以上で、資料7、資料8は終了したいと思います。続きまして、資料9から資料14までの御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料9をご覧ください。BCGワクチンです。接種可能のべ人数は約40万人、製造販売業者からの報告は10件、医療機関からの報告は31件、うち重篤なものは4件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0025%、医療機関からの報告頻度は0.0077%となっています。1ページの下段の重篤症例の転帰について、後遺症症例、死亡症例の報告はありませんでした。2ページは症状別に集計した結果、3ページは予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果です。
4ページから7ページは個別症例の一覧です。4ページの製造販売業者からの報告の10例は、いずれも接種日不明となっておりますが、文献・学会報告に基づく企業からの報告です。8ページから9ページは後遺症症例です。一番右のカラムに専門家の意見を記載しております。No.1、No.2、No.4については、「薬剤との因果関係を否定できない」、No.3、No.5、No.6については、「本剤との因果関係は評価困難である」あるいは「断定できない」「情報不足」といった意見を頂いております。
9ページはアナフィラキシーのまとめです。対象期間内に該当する症例はありませんでした。11ページの死亡症例は、先ほど御説明した症例と同一ですので、詳細は省略いたします。資料9は以上です。
資料10は日本脳炎ワクチンです。接種可能のべ人数は約120万人、報告数は製造販売業者から4件、医療機関から18件、うち重篤なものが9件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.00033%、医療機関からの報告頻度は0.0015%となっています。下段の重篤症例の転帰について、後遺症症例と死亡症例の報告はありませんでした。2ページから3ページは症状別に集計した結果、4ページは予防接種法の報告基準に定められた症状について集計した結果です。5ページから7ページは個別症例の一覧です。8ページからはADEMについての評価です。今回、ADEMの可能性がある症例の報告はありませんでした。
9ページは症例一覧です。No.1の3歳男児の症例は前回の合同会議で報告している対象期間前の症例ですが、今回新たに下線部の情報が追加され、再評価を行っています。縦に見ていただいて、一番右側に事務局評価を記載しています。いずれの症例についても、ADEMの可能性は否定的であり、ワクチン接種との因果関係は不明であると評価されています。続いて、10ページはアナフィラキシーのまとめです。今回の対象期間内では2件がアナフィラキシーと報告され、専門家の評価により、うち1件がブライトン分類3以上と評価されています。該当する症例は11ページのNo.1の症例です。乳アレルギー等の基礎疾患を有する5歳女児で、エンセバックの単独接種後、帰宅途中に喘鳴が出現し、アドレナリン筋注にて回復したという症例です。専門家の評価によって、ブライトン分類3以上のアナフィラキシー症例、ワクチン接種との因果関係は否定できないと評価されています。
12ページは死亡症例についてです。3歳男児、接種の翌日に死亡した症例で、調査結果から死因は不明、ワクチン接種との因果関係は不明であるとされています。13ページ以降に委員限りの資料として、経過や専門家の意見の詳細を添付しています。資料10については以上です。
資料11は、B型肝炎ワクチンです。接種可能のべ人数は約169万人、製造販売業者からの報告は9件、医療機関からの報告は18件、うち重篤なものが12件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.00053%、医療機関からの報告頻度は0.0011%となっています。
1ページ下段の重篤症例の転帰について、今回の集計対象期間内で医療機関から死亡症例が2件報告されています。2ページから4ページは症状別に集計した結果、5ページは予防接種法の報告基準に定められた症状の集計結果です。6ページから8ページは個別症例の一覧です。6ページの製造販売業者からの報告の2番目の症例の症状名「有害事象」については、企業からの報告書のとおりの記載としております。
9ページはアナフィラキシーのまとめです。今回の対象期間内では、1件がアナフィラキシーとして報告されましたが、専門家の評価によりブライトン分類が3以上とされた症例はありませんでした。
11ページからは死亡症例についてです。対象期間内の2症例は先ほど御説明した症例と同一ですので、詳細は省略いたします。No.3の症例は対象期間後に報告された81歳女性の症例で、接種2日後に死亡したものですが、詳細な情報は現在調査中ですので、調査結果が得られ次第、改めて御報告いたします。資料11は以上です。
資料12は、ロタウイルスワクチンです。接種可能のべ人数は約32万人、製造販売業者からの報告は27件、医療機関からの報告は8件、うち重篤なものが8件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0085%、医療機関からの報告頻度は0.0025%となっております。1ページ下段の重篤症例の転帰について、製造販売業者からの死亡症例は1例、医療機関からの報告が1件となっています。2ページから4ページは症状別に集計した結果、5ページから7ページは個別症例の一覧です。5ページの製造販売業者からの報告の16番目から27番目までの12症例は、学会報告に基づく企業報告です。
8ページはアナフィラキシーのまとめです。今回の対象期間にアナフィラキシーの重篤症例として2件報告されましたが、専門家の評価によりブライトン分類が3以上と評価された症例はありませんでした。11ページは死亡症例です。こちらも先ほど御説明した症例と同一ですので、詳細は省略いたします。資料12は以上です。
資料13は、5価ロタウイルスワクチンです。接種可能のべ人数は約25万人、製造販売業者からの報告は10件、医療機関からの報告は3件、うち重篤なものが1件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0041%、医療機関からの報告頻度は0.0012%となっています。1ページ下段の重篤症例の転帰について、今回の集計対象期間内で後遺症症例、死亡症例の報告はありませんでした。2ページから3ページは症状別に集計した結果です。4ページから6ページは個別症例の一覧です。
7ページはアナフィラキシーのまとめです。対象期間内に該当する症例はありませんでした。資料13については以上です。
最後に資料14をご覧ください。ロタウイルスワクチンによる腸重積の発生状況について、これまでの会議と同様に製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン社、MSD社より資料の提供を受けています。
まず、スライドの2枚目ですが、こちらはグラクソ・スミスクライン社からロタウイルスについて、腸重積報告症例数、ブライトン分類評価がレベル1に該当する症例数などを、左側の列に米国、右側の列に日本のデータを記載しております。
スライドの3枚目では、ブライトン分類1相当の腸重積症例のうち、入院、外科手術、腸切除のように、実施された処置ごとに件数をまとめたものになります。スライドの4枚目のグラフは、接種から腸重積発現までの日数をまとめたもので、左側が米国、右側が日本、上の段が接種1回目、下の段が接種2回目としてまとめております。5枚目のスライドのグラフは、腸重積発現時の週齢をまとめたものです。6枚目のスライド以降はMSD社のロタテックについて、ロタリックスと同様にまとめた資料となっております。資料の構成は、ただいま御説明したロタリックスと同様ですので、詳細は省略いたします。資料10から資料14の説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○五十嵐委員 それでは、ただいまの御説明につきまして、何か御意見、御質問等はございますでしょうか。
○多屋委員 幾つかあります。まず1つ目が、今回、4か月児のBCGで9人の骨結核が報告されています。5年半で46人の報告しかありませんので、4か月で9人は明らかに多いのですが、これはこれまでに報告されたものとの重複があるのか、今後詳細に調査が行われて、取下げが行われていくのかについて、御検討をお願いしたいと思います。このまま残りますと、足し算されて、55人の骨炎というように残っていくことについては、検討が必要ではないかと思いました。
2番目は、資料1に、企業報告のNo.2が重篤とありますが、「有害事象」という副反応名になっています。もう少し症状が分からないと報告としての意義がないのではないかと思います。
3番目は、資料12で、麻疹が副反応疑い報告として記載されていることや、ウイルス感染という12例が残ってしまっていますので、何らかの調査や対応が必要かと思いました。
最後に、資料14のロタウイルスワクチン接種後のまとめです。これは大変貴重なまとめだと思います。このようにして集計してくださっていることで、米国との違いとか、日本の先生方が腸重積症を早く見付けてくださっているから、外科手術等の頻度がVAERSでは40%あるのに対して、日本は10%台ということも分かってくるようになりました。腸重積症が発症した週齢別のグラフを記載してくださっていますが、もし可能であれば、これが1回目の接種後の報告なのか、2回目、3回目の報告なのかを少し区別して記載していただくことで、1回目の接種の週齢を今後どのように推奨していったらいいかという貴重な情報になるのではないかと思いましたので、以上の5点について、コメントさせていただきました。
○五十嵐委員 4つ御質問がありましたけれども、いかがでしょうか。
○事務局 事務局よりお答えいたします。まず、1点目の資料9のBCGワクチンの9例の件です。企業側としては、企業として知り得た情報の中で報告義務がございます。その関係で、企業の報告件数としては挙げざるを得ない部分があるのですが、その後の企業の調査で、過去に報告された症例と同一症例であるということが明らかになりましたら取下げ等が行われ、より正しい方向に向かうと思いますので、そのように考えております。
2点目の資料11のB型肝炎ワクチンの有害事象の副反応名のことですが、こちらは元となる報告を確認しました。医療関係者からの情報で、入院したという事実は確認しているのですが、それ以上の詳細な情報がつかめていない関係で、有害事象としてしか報告することができないということで、このような情報になっております。
3番目の麻疹の副反応につきましても、やはり先ほど申し上げた症例と同様で、やはり情報がこれ以上得られないということで、企業の報告のままの記載とさせていただいております。
4点目の腸重積の資料に関してですが、こちらから企業に説明をお願いしている部分もありますので、そのような資料の作成対応ができるのかどうかの確認も必要です。それと併せまして、どのような資料の形にするのかという点に関して、先生方にも御議論いただく必要があると考えていますので御審議いただければと思います。
○五十嵐委員 4番目の御質問に関係して、腸重積発症の週齢を1回目のワクチンと2回目のワクチンで分けたらどうかという御指摘でしたが、それについてはいかがでしょうか。その方が、より理解が深まるという点では、多屋先生の御指摘のとおりだと思いますが、いかがですか。サブ資料として作っていただければ、我々にとっては、より理解しやすいと思いますが、皆さんは、それでよろしいですか。では、できたら企業のほうに、そのような資料を作っていただきたいとお願いできますでしょうか。
○事務局 企業に確認しまして、検討させていただきます。ありがとうございます。
○五十嵐委員 そのほかにいかがでしょうか。
○桃井委員 資料9の11ページです。先ほどの多屋委員の1番目の御質問に関係したところです。この表を見ますと、症例の1番から9番までは、情報として全く同じパターンの情報ですので、恐らくは何かの学会報告か論文かで、症例を集積してまとめたものを企業が報告しているのだろうと思います。余りにもデータのパターンが似ているものですから。そうしますと、今後これ以上の内容が明らかになる可能性は、まずほとんどないわけです。例えば10年間の症例をまとめて報告するとか、たくさんの症例をまとめるということは学会の報告でも論文でもよくあることで、さらに、今までに報告した症例に追加症例を入れた上でトータルの症例数を報告するということも、またよくあることです。
そういうものが、こういう所に件数として載るというのはどのようなものかと思います。論文で疫学的に長期にわたってまとめたようなものは重複の可能性が極めて高いわけですから、そういう数の差別化と言いますか、あるいは欄外に「これらの症例数はこういうものである。例えば、この10例のうち9例はこういうものである」というような記載があれば、後から見直したときに、その数が判断できます。是非そういう工夫をお願いしたいと思います。
○五十嵐委員 よろしいでしょうか。検討していただきたいと思います。そのほかはいかがでしょうか。特にありませんか。
それでは、これまで御報告された内容をまとめたいと思います。まず、副反応疑いの報告では、これまでに検討したワクチンに比べて特に高いということはありませんでした。後遺症の報告は、日本脳炎ワクチンの単独接種で1例ありました。日本脳炎ワクチンでADEMの可能性のある症例は対象期間前の2例で、いずれもADEMの可能性は否定的でした。それで、ワクチン接種との因果関係は不明であると判断されています。
死亡症例は今回の集計対象期間に、B型肝炎ワクチンの同時接種で2例、ロタウイルスワクチンの同時接種で1例報告され、うち1例はワクチン接種との因果関係は否定的であると評価されています。ほかの症例は現在、詳細情報を調査中ですので、次回以降に改めて報告される予定です。また、対象期間前のBCGワクチンの同時接種で1例、日本脳炎ワクチンの単独接種で1例、そしてロタウイルスワクチンの同時接種の1例について追加情報が報告されました。いずれも、ワクチン接種との因果関係は不明であるという結論を伝えています。また、対象期間後にB型肝炎ワクチンの単独接種で1例報告されましたが、これも詳細情報は調査中ですので、次回以降に改めて報告される予定です。このようなまとめでよろしいでしょうか。
では、この内容を踏まえまして、現状でのこれらのワクチンの取扱いについて変更する必要があるかどうかの御意見を頂きたいと思います。特にございませんでしょうか。では、御審議いただきましたワクチンについては、これまでの副反応疑い報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという結論でよろしいでしょうか。
ありがとうございます。では、そのようにしたいと思います。以上で資料9から資料14までの審議は終了したいと思います。続きまして、議題2「副反応疑い報告基準(インフルエンザ)について」の審議に入りたいと思います。資料16について御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料16について御説明申し上げます。インフルエンザに係る定期接種後の副反応疑い報告基準の、副反応疑い報告基準の設定の考え方について1番に記載しています。2013年1月23日の予防接種部会において、添付文書の重大な副反応として記載されている症状については、重篤であり、かつワクチンと一定程度の科学的関連性が疑われるものと考えられることから、副反応疑い報告基準に類型化して定める必要があるとされています。
したがいまして、添付文書の重大な副反応が追加された場合には、当該疾病の副反応疑い報告基準の変更の是非に関する検討を行う必要があると考えております。
次に、本年5月9日の通知に基づき、インフルエンザHAワクチンの添付文書の改訂が行われ、「重大な副反応」の「皮膚粘膜眼症候群」の項に、「急性汎発性発疹性膿疱症」が追加されています。これらを踏まえまして、インフルエンザに係る予防接種後の副反応疑い報告基準案について御審議いただければと考えています。
具体的には2点あります。1点目は、副反応疑い報告の症状の設定についてです。インフルエンザHAワクチン接種後の急性汎発性発疹性膿疱症は、重篤であり、かつワクチンと一定程度の科学的関連性が疑われるものと考えられることから、急性汎発性発疹性膿疱症をインフルエンザに係る定期接種後の副反応疑い報告の対象としてはどうかと考えております。
2点目は、報告期間の設定についてです。急性汎発性発疹性膿疱症を副反応疑い報告基準として定める場合には、接種後28日以内に確認されたものを報告対象としてはどうかというように考えております。その理由として4点あります。まず1点目は、急性汎発性発疹性膿疱症の多くは医薬品によるものと考えられており、好発時期から一定程度の余裕を持って報告した場合でも、そのほかの原因による紛れ込みは少ないものと考えられること。2点目は、その好発時期は、原因医薬品の服用後、数時間から数日以内に発症する場合と、服用後1~2週間後に発症する場合がある。3点目としては、希な疾病であり、副反応事例を幅広く収集する副反応疑い報告の趣旨を踏まえ、好発時期から一定程度の余裕を持って幅広く収集する必要がある。4点目は、急性汎発性発疹性膿疱症は、副反応疑い報告基準に定められている皮膚粘膜眼症候群などと同様に、医薬品などにより生じた免疫アレルギー反応によるものと考えておりますが、それらの報告期間は28日であるといったことを踏まえ、接種後28日以内に確認されたものを報告対象としてはどうかと考えています。以上2点につきまして御審議いただければと思います。事務局からは以上です。
○五十嵐委員 御説明ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明に関しまして、何か御意見、御質問等ございますか。正しく、急性汎発性発疹性膿疱症を重大な副反応ということで追加するということと、その報告基準案としては、接種後28日以内に確認されたものを報告の対象とする、その2点ですが、特に御異議はございませんか。よろしいですか。では、事務局の御説明、御提案されたとおりにしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、資料17の説明を頂きたいと思います。よろしくお願いします。
○事務局 資料17について説明させていただきます。本合同会議で報告する資料の作成に関するルールです。ワクチン接種後に生じた副反応疑い・副作用については、法令等に基づき、医療機関あるいは製造販売業者から、これらに係る報告を受けております。報告を受けた症例について、性別、年齢、副反応等を記載したリスト(症例一覧表)や、死亡症例、重症症例について詳細な情報を記載したリスト等を、本合同会議に提出させていただき、安全性の評価を行っていただいているところです。
平成31年4月24日の合同会議における議題2「副反応疑い報告等の取扱いについて」に係る審議を踏まえ、合同会議へ報告する範囲や資料を作成する際の標準的な取扱いを明確化するためのルールを定めることとしたいということで、説明させていただきたいと思います。
まず1点目です。報告範囲・報告手順についてです。医療機関又は製造販売業者から報告される副反応疑い報告及び服作用等報告につきましては、単独接種ワクチン、同時接種ワクチン別に、おおむね4か月ごとに本合同会議を開催させていただいています。したがいまして、それぞれ年間3回開催といった形になります。
各合同会議に報告をいたします、副反応疑い報告等の種類、その期間については、下の図にお示ししています。合同会議ごとに報告期間を設定し、当該報告期間内に報告された副反応疑い報告につきまして、合同会議で報告したいと考えております。
図の真ん中に、第○回合同会議とありますが、その約4か月間後に、第●回、次回の合同会議を設定するといったような形になります。報告期間としては、一番左の端にありますが、本会議が開催されるおおむね2か月前の期間までの報告期間(大凡4か月間)に報告されたものについて、第○回の合同会議に報告するという取扱いとなります。
2点目です。報告期間後に報告された追加報告の取扱いについてです。報告者から追加で報告があった場合等の取扱いを明確化する観点から、以下のようなルールとさせていただきます。
(1)報告対象期間の翌日以降に追加報告がされた場合、事務局は追加報告に係る報告原票の記載内容につきまして、合同会議資料の記載の更新は、原則として行わないということです。
(2)です。これまで過去の合同会議に報告された症例に関して、報告者より、新たに重症症例に相当する副反応が報告された場合、これは、非重篤のものが重症症例に相当するものと判断された場合等になるわけですが、このように個別の症例の安全性評価に影響を及ぼすおそれがある追加報告がされた場合につきましては、事務局は、追加された報告内容につきまして、合同会議で報告を行いたいと考えております。
(3)死亡症例につきましては、合同会議の開催日から1か月前までに報告された症例について、医療機関に対して調査を行った上で、合同会議で報告したいと考えております。報告を行う最初の合同会議の開催時点で調査が終了していない場合、調査中として簡易な報告をさせていただき、調査が終了して詳細な報告を取りまとめられる状態になり次第、直近の合同会議に報告させていただきたくものです。例えば、前のページの図では、第○回合同会議の1か月前までの死亡症例につきましては簡易な報告をさせていただき、詳細な調査結果がまとまり次第、それ以降の合同会議に報告させていただくという取扱いとなります。
3点目です。記載内容の転記等についてです。報告原票から合同会議に報告する資料への転記、あるいは記載内容の要約等に関する取扱いを明確化する観点から、以下の2点をルール化させていただきたいと思います。
(1)合同会議資料を作成する際には、報告原票の記載内容を修正せず記載内容をそのまま転記をさせていただきたいと考えています。なお、特定医療機関名、○○病院であるとか、特定医師、○○先生という個人情報が記載されている場合につきましては、個人情報保護等に係る必要最小限の範囲内のマスキングを行うことにさせていただきたいと思います。
(2)です。重症症例の場合については、詳細な情報を報告する症例について、報告原票の経過欄において接種後日数ではなく副反応の症状等を呈した年月日のみ、例えば平成何年何月何日と、日付けのみが記載がされている場合につきましては、合同会議での審議を円滑に推進する観点から、事務局としては、合同会議資料に別欄を設けまして、接種後日数(接種○日後)といった記載をさせていただきたいと考えています。例えば、今回の資料7の12ページをご覧ください。これは後遺症症例となりますが、「経過」欄の右側に、「接種後日数」欄を作成しています。実際の原票の記載は、01Mar2018となっていますが、これに併記するような形で、「接種当日」あるいは「接種1日後」といったように、右側に記載し、御審議をしていただくような形になります。
それでは、資料17にお戻りください。2ページ目の4番です。症例の一覧表の記載についてです。症例一覧表の記載に関する取扱いにつきまして明確化する観点から以下のようなルールとさせていただきます。2点あります。1点目は、特定のワクチンが複数回接種された場合、2回接種、3回接種といったようなケースですが、この場合の「ロット番号」と「接種日」の記載について、事務局としては、以下のとおり資料の作成をしたいと考えております。ロット番号は、全てのロット番号を、また、接種日に関しても、全ての接種日を記載することにしたいと考えています。
続いて(2)です。複数の副反応が報告された症例、例えば10種類であるとか、副反応が多数報告された症例に関しまして、「副反応発生日」、「転帰日」、「転帰内容」についての取扱いを以下のとおりとさせていただきたいと考えています。副反応発生日に関しては、報告原票に副反応発生日が複数記載されているものについて、そのうち最も早い日にちを記載したいということです。転帰日は、発生日とは違い、最も遅い日にちを記載させていただきたいと考えております。さらに転帰内容は、最も重い転帰の内容を記載させていただきたいということです。こちらに関しては、一覧表の記載ということで、非常にコンパクトに資料をまとめるという観点から、このような記載方法とさせていただきたいと考えています。事務局からの報告は以上です。御審議のほど、お願いします。
○五十嵐委員 どうもありがとうございました。では、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。
○桃井委員 最後の転帰ですけれども、複数の症状あるいは病態などがある場合に、それぞれにナンバリングして、どの問題の転帰日をそこに書いてあるのか、どの問題の症状の転帰内容を書いてあるのか、それは明記されるのでしょうか。それが明記されないと、一部が残っているのか、全部が残っているのかは、リストを見ただけでは全く分からないので、是非、その辺は工夫をしていただきたいと思います。
○事務局 御意見ありがとうございます。検討させていただきたいと思います。
○桃井委員 それから、やはり転帰についてですが、今までもあったように、その後に転帰についての情報が入った場合、事務局でデータを修正されたり、入ったものは修正されて、あるいは担当者によっては、修正された、修正しなかったとか、いろいろで、その辺が統一されなかったと思うのですが、それに関しては、どういう方針なのでしょうか。
○事務局 報告日数の最初のほうのルールになりますが、基本的には報告期間として、ある一定期間、おおむね2か月前ですが、この期間までに報告された最新の情報については合同会議に報告させていただきまして、仮にその後、合同会議までの間に追加報告をされた場合であっても、追加情報については、更新されないという取扱いとしたいと思います。
○桃井委員 分かりました。確認ですが、原票どおりで、その後、新たな転帰に関する情報が入っても、修正されないということですね。
○事務局 重症症例になるような安全性に影響を及ぼすようなものでない場合には、期限以降のものについては採用されないという取扱いとさせていただきます。
○五十嵐委員 そのほかいかがでしょうか。データクリアリングには難しいところがあって、あまりやり過ぎると改ざんと言われる可能性もあります。しかし、明らかに間違っているものを、そのまま何もチェックなしに放置するのも問題があると思います。1つの方針をこのように明記し、しばらくはこの方針のもとでやるという方向性を今回示していただいたと理解します。よろしいでしょうか。
○桃井委員 どの資料にもある「専門家の御意見」ですが、今までも何回か意見を申し上げましたが、例えば、「接種後に起きているので、関係は否定できない」というような文をしばしば見受けます。時間的に前後関係があるから副反応疑いとして、ここに挙がっているのであり、ワクチン接種の前の事象が挙がるわけでもなく、もう少し医学的に、適切なといいますか、正しい、厳密な御意見の書き方を是非、専門家の先生に求めていただきたいです。ワクチンの後に起きたから関連性が否定できないからここに挙がってきているわけですから、そういう意味のない文言を書き連ねるのではなく、容態に関する御意見、そして因果関係に関する御意見と、もう少し医学的な厳密さを持った、より良い情報が、我々に認識できるような対応にしていただければ大変有り難いと思います。
○五十嵐委員 実際に作業をされているのはPMDAのことが多いのですか。
○事務局 専門家の御意見につきましては、調査をPMDAにお願いしています。今の点につきましては、御意見を踏まえ、先生方に御評価をいただく際に、是非そのような視点で御評価をしっかりとお願いしたいと思います。
○長島委員 PMDAの専門家の意見を書く場合の、一定の指針とか、ガイドラインみたいなものはお作りになられているのでしょうか。
○事務局 事務局から回答させていただきます。PMDAから先生方に評価を御依頼させていただく際には、指針のようなものを作成して、それに基づいてやっていただいているということですので、頂いた御意見を踏まえて、そういったところも検討させていただきます。
○長島委員 その指針に従って出していただいたものが、ちょっと判断に困るという場合に、もしかすると指針そのものに問題があるかもしれないので、その点を含めて再検討をお願いできればと思います。
○事務局 指針の改訂も含め、検討させていただきます。
○五十嵐委員 ありがとうございました。ほかによろしいですか。では、この新しい方針、ルールをしばらくの間やってみたいと思います。また実際にやってみて何か問題があるようでしたら、また御指摘いただくことになると思いますが、どうぞよろしくお願いします。それでは、そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○永井委員 すみません。ここで議論するようなことではないのかどうか分からないのですが、ちょっと気になっていたので質問させていただきたいと思います。死亡症例の中の生後3か月、4か月の子たちに、5種、6種ワクチンを同時に打つというのは、子供たちのどの程度の年齢から許されるのかというデータはないと思うのです。だけど、明らかにストレスをかけるのは事実だと思うのです。実際に、アメリカでは、痛み止め等を使って痛くないようにして、ほとんど泣かずに接種できる方法でやられているわけです。向こうは混合ワクチンがありますから、もっと簡単にできると思うのですが、少なくとも日本は、まだそれがないわけなので、痛み止め、ただし、それはまた患者に負担をかける話なので、是非そういう痛み止めも使えるようなシステムを是非考えていただきたいなと思います。最近すごく気になっていましたので申し上げました。
○五十嵐委員 ありがとうございます。これは学会等にも提案する必要があるのかもしれません。重要な御指摘と思います。ありがとうございます。では、事務局、何かございますか。
○事務局 本日は長時間にわたり、活発な御議論を頂きまして大変ありがとうございました。机上に配布しております添付文書資料のファイルにつきましては、再利用させていただきたいと思いますので机上に置いておいていただければと思います。もし書き込み等をされておりましたら、お名前を書いていただければ次回以降も同じ資料をお配りさせていただきます。また次回の会議につきましては、日程調整の上、日時について改めて御連絡を差し上げたいと思います。また、傍聴者の皆様は、審議会委員の退室が終わるまで、そのままでお待ちいただければと思います。事務局からは以上です。
○五十嵐委員 ありがとうございました。では、これで今日の会議を終了したいと思います。御協力いただきましてありがとうございました。
(了)