令和元年8月28日 第2回障害児入所施設の在り方に関する検討会 福祉型ワーキンググループ(議事録)

日時

令和元年8月28日(水)
15:00~17:00

場所

中央労働委員会会館 6階 612会議室

出席者

構成員

議題

  1. (1)自立支援機能の課題について
  2. (2)その他

第2回 障害児入所施設の在り方に関する検討会 福祉型ワーキンググループ 議事録

 
○鈴木障害児支援専門官 皆様こんにちは、5分ほど早いのですけれども、皆様おそろいなので、始めさせていただきたいと思います。
 これより第2回「障害児入所施設の在り方に関する検討会 福祉型ワーキンググループ」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、大変お忙しいところ、お集まりいただきまして、ありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします。
 なお、青木構成員からは、御都合により欠席との御連絡をいただいております。
 本会議は、資料・議事ともに原則公開としており、議事録については、後日、厚生労働省のホームページに掲載予定となっております。
 また、ホームページでも御案内していますとおり、厚生労働省における審議会等のペーパーレス化の推進の一環として、本検討会の資料は、紙配付を行っておりません。御不便をおかけいたしますが、御協力をお願い申し上げます。
 構成員の皆様には、卓上にタブレットを設置しておりますので、使い方についてふぐあいがありましたら、事務局までお問い合わせください。
 カメラ等の撮影はここまでとさせていただきます。
 それでは、以後の司会は柏女主査、よろしくお願いいたします。

○柏女座長 皆さん、改めましてこんにちは。
 命の危険のある暑さを経験して、こんな言葉もできたのだなと思いました。また、その後も災害の危険が増しています。障害を持つ子供たちにとっては、とても生きづらい、あるいはそれだけに、支援をしていらっしゃる方々には、本当に綱渡りのような状況が続いていたのではないかと思います。そんな折にお集まりいただきましたことを、心より感謝を申し上げます。
 きょうは、自立支援機能の課題について、議論をしていきたいと思います。
 資料の説明を最初にしていただきまして、この自立支援機能の課題は大きく2つありますけれども、相互に関連しますので、一括して進めていきたいと思います。事務局のほうから、御説明をよろしくお願いいたします。

○鈴木障害児支援専門官 資料1と参考資料の1から4までを続けて御説明いたします。
 それでは、資料1について、御説明いたします。自立支援機能の課題なのですけれども、1,入所児童が円滑に地域生活に移行していくための支援の在り方について、どう考えるか。また、これを推進するための方策について、どう考えるか。
・都道府県・市町村や児童相談所、相談支援など障害福祉サービスとの連携強化・仕組みづくり
・対処に向けた支援の強化、地域生活への移行に対する促進策
・地域での受け皿の確保
となっております。
 続きまして、課題の2ですけれども、こちらは
2,18歳以上の入所者に対応するためのみなし規定(いわゆる過齢児問題)の在り方について、どう考えるか。
・児者一貫に関する考え方の整理
の以上になります。
 続きまして、参考資料1をごらんください。こちらは「障害児入所施設における移行支援の現状」ということで、事業所に対して移行に関する調査を行い、取りまとめさせていただきました。福祉型の箇所だけ説明させていただきます。
 まず、1ページ目になります。
 移行に関する具体的な取り組み内容を行っているかをこちらで聞いております。やはり会議等の取り組みが多くなっています。
 3ページ目をごらんください。
 移行に向けた会議に、どの関係機関が参加したかになります。複数回答なので、項目の複数の関係機関が会議に参加している事業所もあります。
 項目の中で、行政というのがあるのですけれども、こちらは県か、都道府県下の市町村か、ちょっと記載がはっきりしなかったものを行政とまとめてあります。
 5ページ目に移ります。
 こちらは、家庭復帰に向けて、どのような支援内容を行っているかを自由記述より、主なものを抜粋しております。面会と外出が、やはり多くなっております。
 7ページ目をごらんください。
 こちらは、保護者に対して行った取り組みになっております。懇談や情報提供が多くなっております。
 9ページ目をごらんください。
 こちらは、移行を進める上で課題と感じているものを自由記述より、主な項目を抜粋させていただきました。
 11ページ目になります。
 事業所における移行に関する職員の配置状況についてになります。こちらは、事業所に移行に関する職員を配置しているかどうかをまず聞いています。その上で、また、配置している場合は、専任なのか、兼任なのか、または両方配置のいずれかなのかをまとめてみました。福祉型の場合は兼任が多くというように、記述がたくさんありました。
 12ページ目をごらんください。
 施設で移行支援を担っている職員の配置人数になります。
 参考資料1は、以上になります。
 続きまして、参考資料2をごらんください。
 こちらは、自治体に対して、移行に向けた連絡調整の実施を行っているかを調査いたしました。一応、全都道府県に聞いたのですけれども、その中で、取り組み内容を少しこちらで、例として抜粋させていただきました。
 その中で、取り組み例として、神奈川県では「過齢児等移行支援連絡会の設置」などがありますし、三重県では「福祉型障害児入所施設に関する意見交換会」を行ったり、このような事例があります。議論の際の参考にしていただければと思います。
 続きまして、参考資料3の5ページ目をごらんください。
 こちらの資料は、皆様もう十分御承知のとおりと思われますけれども、18歳以上の入所者への対応は、平成24年に一定度、取りまとめました。
 その中で、一番上なのですけれども「障害児施設として維持」するのか。
 真ん中として「障害者施設への転換」をするのか。
 最後に「障害児施設と障害者施設の併設」の、この3つから6年間の特例措置、平成30年3月末までに選択していただくこととお示しいたしました。
 もう一つの参考資料3をごらんください。ワード版になっています。
 こちらは主管課長会議の資料になるのですけれども、当時の入所施設の地域移行の状況を鑑みて、みなし規定の期限を3年延長して、平成33年3月31日までとするとした整理となっています。今回は、この期限が令和3年度に迫っていますので、こちらのほうをまた議論していただければと思います。
 最後に参考資料4の12ページをごらんいただけますでしょうか。
 こちらは、18歳以上で入所している者の経年の人数の推移です。福祉協会様のデータを使わせていただきました。こちらを見ますと、少しずつではありますけれども、減少しているのがわかります。
 説明は以上になります。よろしくお願いします。

○柏女座長 大丈夫でしょうか。
 それでは、まだ始まったばかりで、報告を5分でいただいたので、4時45分ぐらいまで1時間40分ほど時間がとれるかと思います。ぜひたくさんの御意見を出していただければと思います。課題の特に2つ目のほうは、みなし規定をどう考えるかと、あるいは児者一貫に関する考え方の整理ということですけれども、これまで余り意見が出ていないようでもありますので、ぜひその部分にも御意見を頂戴できればと思います。
 それでは、どなたからでも結構ですので、お願いをいたします。いかがでしょうか。
 ちょっと私のほうで先に言っていますから、考えていてください。
 私の意見なのですけれども、これまでも述べてきましたし、課題の1のところにも入っておりますけれども、やはり実施主体を市町村にしていかないと、なかなかこの自立支援の問題も進んでいかないのではないかと考えております。つまり、こうした構造的な問題に手をつけなければならないと思っています。
 例えば今の制度ですと、市町村は、子供を保護するまでの対応を行います。その分については、市町村はお金を負担することになります。しかし、子供が一時保護された途端、あるいは施設に入所された途端、市町村の負担はゼロになります。全くお金がかからないということです。
 それから、相談員の方もおっしゃっていましたが、市町村で幾らネットワークをつくったとしても、それが施設へ入所した途端、ちゃらになってしまうことになります。
 そして、自立支援の段階になって、大人の制度に乗ろうとした途端、あるいは在宅サービスに戻ろうとした途端、市町村の負担が発生する。そして、県は3分の1に減るということになります。もちろんお金だけでサービスが動いているわけではないですけれども、しかし、このシステムは、市町村が在宅の部分を負担していて、大人の部分は、もちろん入所後にも負担するという形になっていて、そして、障害の子供の入所のときだけ、市町村は負担しないという仕組みになりますので、自立支援に対するインセンティブが働かない仕組みになっています。
 この制度を変えていかないと、自立支援も進んでいかないのではないかと思っています。都道府県もずっと抱えていれば、いろいろなネットワークをつくらなくてもいいわけですし、そのまま行けばいいという形になりますし、市町村のほうも、子供が来なければ、自分たちの負担も発生しない、サービスを拡充する必要もないということになってしまうので、この仕組みを変えていかないと、うまくいかないのではないかと思っています。
 これは社会的養護の分野でも同じですけれども、これの一番影響が大きいと言いましょうか、ドラスティックに表現しているのが、この障害の自立支援の問題と思われますので、あえてここで御意見を持ち上げさせていただきました。
 ほかはいかがでしょうか。
 今井構成員、お願いいたします。

○今井構成員 今井です。
 今、座長がおっしゃった件は、私も賛成です。その前に別の件で質問がありまして、参考資料1の9ページの福祉型における移行を進める上での壁といいますか、課題で、下のほうに大きく2つあって、成人施設が不足していると、これは確かに1つそれがあるかもしれません。ほぼ同数で、強度行動障害等、行動上の課題があると。そのことと別の分析で、家庭の養育力がないから入所しているのだというような分析がありました。それとどのように統一的に理解したらいいのですか。

○柏女座長 事務局のほうで、何かありますでしょうか。

○鈴木障害児支援専門官 こちらの強度行動障害の行動上の課題に関しましては、一応アンケートの自由記述で抜粋している状況でして、実際に入所する際の、どういう理由で入っているのかとかは、ローデータはあるのですけれども、まだ分析をしきれていないというか、まとめていないので、そちらがもし必要でしたら、どういう経緯で入ってきて、その方がどう出るのかというのは、次の検討会でまとめさせていただければと思います。

○柏女座長 それを受けてお願いします。

○今井構成員 これはデータの分析が必要なので、もしできたら、以前の1月17日調べとなっている調査の元データを見せていただいて、なぜ入所理由が主に家庭の理由だということが多いのか、また、それが本当に平均値としてそうなのか。施設によっては違うのかというあたりも、できましたらデータを見せていただきたいと思います。
 今言いました実際に地域移行を進めていく上での壁というと、まさに施設側としては、これは地域に出せるかな、出せないかなと判断を迫られるわけです。そのときに、いや、家庭に問題があるのだとなれば、データは一緒になると思うわけです。受け入れる家庭の能力が低いから出せないのだとならないで、本人自身の状態からそうだというのが99もあるのは、ここはよく分析する必要があるのではないかと僕は思います。
 先ほど言われた地域移行の協議会とか何かをつくるのだけれども、その前に、出せる状態になっているかどうか、それが達成されるかどうかというのは、非常に重要な問題ではないかと私は思います。

○柏女座長 ありがとうございます。
 ほかは何かございますでしょうか。
 では、遠藤さん、お願いします。

○遠藤構成員 遠藤です。
 私は、実際に福祉型の子供たちの入所の支援をしているのですが、多い年には、3月から4月にかけて、10人ぐらいの子供たちが入れかわっていきます。
 参考資料の9ページに6個あるのですけれども、実は全部これは日常的に、移行のときに出てくる課題なのです。職員がシステム的にもできていないし、人員の不足もある。
 例えば18歳で退所したときに、家庭の協力が得られないと生活ができない、大人の支援施設に行っても利用料がかかるという世界ですから、ときに単独の生活保護などを行政と確認をしながら、ここの部分はクリアをしていくことになるのですが、6つとも全部あるのです。
 特に下から2番目の強度行動障害、行動上の問題は、比較的家庭との関係というよりも、子供自体の状態像で、御承知のように、大人の入所型の支援施設は、相当地域に送り出して、グループホームでの支援をしています。
 入所本体に残っている人たちはどうかというと、今の支援程度区分でいくと5か6の人が圧倒的に多くて、皆さん多動という言葉は随分聞かれると思うのですけれども、実際に大人の入所型の支援施設にいる人たちは、年齢も40歳、50歳が相当多いのですけれども、寡動なのです。動かない、動きにくい人たちが、随分多いのです。
 18から20歳前後の、6番目の強度行動障害、行動上の課題のある人たちが、その中に入っていくと、自分を守るための動きも間に合わないようなことが、実際には生活の場で起きてくるのです。
 ですから、この6つとも実は全部大切なポイントで、この辺も含めて、後で多分お話しになるのだと思うのですけれども、移行のシステムをどう整理していくかというのは、とても大切なポイントになるのではないかなという気がします。

○柏女座長 ありがとうございます。
 ここに複数回答とも書いてありますけれども、きっと幾つかのところにまたがっているのだろうと思います。先ほど詳細な分析が必要ということでしたけれども、複数もどれとどれが選ばれやすいとかいう特徴的なことも、もしかしたらあるのかもしれません。
 ほかにはいかがでしょう。
 佐々木さん、お願いします。

○佐々木構成員 育成会の佐々木です。
 ここで行動上の課題があるからということと、成人施設のあき不足ということが一番多い課題になっているのですけれども、例えば行動上の問題が、児童の入所で改善されていれば、もしかしたら、家庭に帰れる人たちも多いのかなということを考えると、成人施設のあき不足がなくても、大丈夫ということになるのです。
 逆に児童入所での行動面に課題がある人たちの支援をできても、その行動面が改善するような人の配置とか、スーパーバイザーを入れるとか、私より専門家の先生たちのほうがよく御存じだと思うのですけれども、児童入所で行動面が改善するような何らかの仕組みをつくれたら、地域に戻れる子たちとか、家庭に戻れる人たちもふえるのではないかなと思うのです。そういったことを考えていくことはできないのでしょうかと思うのですが、いかがでしょうか。

○柏女座長 前回、この意見はたくさん出たところだと思います。
 遠藤さん、お願いします。

○遠藤構成員 今の佐々木さんのお話は、当然、そのために日常どんな支援をしているかということなのですけれども、実は家庭に帰れるぐらい安定した、理解できる支援者の人たちが周りにいると安定する人たちはいるのですが、ポイントになるのが、施設に来るまでの家庭で過ごしたときの親子の関係性なのです。お父さんでも、お母さんでも、兄弟でもそうなのですけれども、そこが戻ってしまうことが、実は圧倒的に多いです。
 小学校の高学年から中学生ぐらいまでにかけて、家庭で対応できなくなることで、我々のところに子供たちが来るのですけれども、力も含めて非常に強いときに、男の子とお母さんであれば、完全に物理的な力関係というのが、お母さんは普通、けがをさせないようにセーブしますから、そのくらいの時点で逆転してしまう。
 それを持って帰って、再燃現象が起きることがあるし、起きなくても、逆に家族のほうがフラッシュバックして、あの大変さに耐えられないとなると、次の行き場が非常に厳しくなる。その辺をどうするかというのは、実は我々もそういう人を抱えています。

○柏女座長 では、相澤さんと今井さん、どうぞ。

○相澤構成員 私もそういう意味では、行動上の問題がある子供たちと生活をするような施設にいましたけれども、やはり基本的には、最初の課題のところに私は「スモールステップで」と書きましたけれども、そういうシステムをどうつくっていくかということが、極めて重要だと私は思っています。
 社会的養育ビジョンの中に、社会的養護における在宅支援と代替養育の連続性を考慮した場合は、代替養育の場で生活しながらも、週末は実家庭で生活したり、普段は家庭で生活しながらも、定期的に代替養育の場で生活して、親子関係再構築の一助としたい。里親家庭で生活しながらも、必要に応じて宿泊を伴った施設の関知は行うなど、柔軟な制度的運用を含め、多様な子供の養育の支援モデルの構築が重要であると書かれているわけです。
 はっきり言って、在宅支援を淡水域、代替養育を海水域だとすると、私が最初の会議でも言いましたけれども、いかに汽水域を確保するかということがすごく重要で、やはり行ったり来たりしながら、汽水域の中で子供が社会適応できるように、そういうシステムをどうつくっていくかということが大事だと思うのです。
 その行ったり来たりする中で、家庭環境調整とか、ファミリーソーシャルワークをやっていく、そういう専門家を用意して対応していく。ましてや、障害がある脆弱な子供たちですので、そういう意味では、汽水域の中でゆっくりと、じっくりと社会適応できるようなプランニングを立てて支援をしていくことが、やはり重要ではないかなと思います。
 以上です。

○柏女座長 では、今井さん、お願いします。

○今井構成員 今井です。
 大筋では遠藤様がおっしゃったことに賛成なのですが、親子関係主因説には全く反対です。現在の行動障害等が強くなる方を見ていると、その原因が家庭にある場合もあるのですが、もう一つは、放課後等デイサービスや学校、そういう場で問題が生じているのです。ですから、それが全部家庭の責任だというのは、極めて短絡的な見方だと私は思います。
 そうしますと、きょうの議論は出口をどうするのかという議論だと思うのです。だから、あえて入り口の話はしないのですけれども、入所に至った理由そのものが、出にくくなってしまってから入所している可能性が高いと思っているので、入所する問題そのものをうまくやっていかないと、本当の解決になりにくいのではないかと私は思っています。
 そこで、この第1回のワーキンググループのときに申し上げたのですけれども、どうしても思春期に行動障害が重篤化してから入所してくるという問題で、リハビリ期間と申しますか、療養期間がとれないので、十分な療育効果を得にくいのです。第1回のときに、一貫性という点では、成人入所施設が受け入れるべきではないかと私は申し上げたのですが、その後、帰っていろいろな方にお聞きすると、「それは無理だろう。成人の入所施設は療育的機能を今期待するレベルにはないのではないか」という意見が大半でございました。
 であれば、限定的かもしれないけれども、何らかの形で、児者一貫でもう少し長く、特に行動障害の症状が重い方については、一定程度、状態が改善される期間を保証するような仕組みが必要ではないかと私は思います。ノウハウ的には、やはり児童入所施設のほうが、そのノウハウを持っていると聞いています。しかし、全体の中のどのぐらいの割合かというと、それが全部ではないと思います。

○柏女座長 佐々木構成員、どうぞ。

○佐々木構成員 先ほど申し上げた中には、やはり遠藤構成員がおっしゃったように、御家族が行動障害を増長してしまうような御家庭ももちろんあると思うのです。ただ、やはり私の地域でもあった話は、お母様とお父様が小さいときに、この子はこのまま放っておいたら、強度行動障害になるよと言われたのです。とても熱心にいろいろなところに通って療育されて、高等部卒業まで学校ともうまく連携を図ってきたのだけれども、卒後に行った通所施設が、全くそういうことの理解がなくて、今まで積み上げてきたものが、全て崩れてしまったという事例が実はあったのです。
 だから、逆の話なのですけれども、通所のほうにいろいろ働きかけて、あと、今までとってあった乳幼児期からの記録を全部見せて、施設のほうももちろん考えてくれて、改善していったというケースが、実は事例発表で聞いたことがありました。
 逆に、家庭復帰するには、非常に丁寧にスモールステップでの移行が必要という御意見もここに出ているように、もちろん絶対に難しい御家庭もあるかもしれないけれども、やはり家庭に戻ることも一つの選択肢としてあるように、家族への支援もないと、今まで施設でこれだけのことがやれてきて、この子はこれだけ改善して、そして、それに必要なのは、やはり御家族も変わらないとだめなのだということを支援していく仕組みをつくっていかないと、では、みんな成人施設に行くのかということになるか、ずっと一生施設の中で暮らすのかということになってしまうのではないかと思うのです。
 例えば移行先がグループホームであってもいいかなと思いますけれども、御家庭という選択肢もやはり考えて支援していかないと、一生ずっと施設の中という人がふえてきてしまうのではないかなという、施設が悪いと言っているわけではなくて、やはり成人の施設に入っても、なかなか外に出られないではないですか。そうしたときに、人として、やはりいろいろな人と接したり、社会と接したりする暮らしを、重い障害があってもしていってほしいなと、親としては願うところなので、今のままだったら無理かもしれないけれども、そういう何らかの仕組みをつくっていくことを、考えていかなければいけない時代に来ているのではないかと思います。

○柏女座長 北川さん、市川さん、どうぞ。

○北川構成員 今回は、自立のところをどうするかという議論ですが、今、佐々木構成員がおっしゃったように障害児入所施設の自立という意味は、18歳というところもあるかもしれないですけれども、小さいときに、一旦施設に入所したけれども、家庭でということも、1つ選択にはあると思って聞いておりました。
 私のところに通園していたお子さんですが、家族がすごく大変になったときに、入所施設にお願いしました。ちょっと抵抗などがあったのですけれども、そこはマネジメントで、山間留学と同じようなことですよ。とお母さんや子どもたちに納得してもらって、少し距離をとったことで、子供も安定して、家族も少し余裕を持って受け入れることができたということもあります。もちろん御家族に関しては、帰ってきたときの支援を、地域で私たちがしていくということが大事だと思って、入所施設に行った後も、ずっと家族の支援をしてまいりました。
 もう少し障害の重たい子どもですと、例としては、3歳ぐらいで自傷がすごく激しくて、これはもう大変で、お母さんも大変で、ショートでずっと見て、週に1回だけ家庭に帰るということをしたことがあります。
 家庭に帰るときは、お母さんの方は、子どもがまたパニックになったり、すごく自傷が激しくなったりという不安がなりますので、子供だけで帰さないで、職員も一緒に帰って、寝る間際までいて、寝ても何かあるかわからないので、今度はヘルパーさんに変わったりして、お母さんに、ここで泣いているけれども、大丈夫だよみたいな、コーチング的なことをして、不安にならないような対応をとりながら、家にに少しずつ帰っていったということがあります。
 もちろん障害は重たいし、お子さんはやはりときどきショートと家庭と行ったり来たりなのですけれども、かなりやはりそういう在宅で強度行動障害タイプの子を支えるのは、手厚い支援が、お母さん、お父さんがというよりは、やはり社会的な応援をしっかりしていく必要があると思いますし、また、必要であれば、治療的な意味で入所施設に入ることも、1つの選択肢と思います。家庭というところの自立では、そのような事例をこれまで行ってきました。
 引き続き、18歳のところをよろしいですか。
 ミクロ的に考えていくと、やはり16歳ぐらいから入所施設に入っている子供たちのニーズとか、どこがこの子に将来いいのかということを、しっかりアセスメントをしながら進めていく必要があるのかなという、個別支援計画の中にも、自立を見据えた計画を立てて生きながら、かつ、やはり本人の意思です。
 障害が重たい方もいるかと思うのですけれども、本人の意思を確かめながら、情報を提供しながら、意思決定支援をしながら、ソーシャルワーカーさんなどが入って、将来を本人とは決めていきつつ、次の段階では地域です。
 前々から言っている施設長さん任せにしないで、地域の仕組み、関係者、ソーシャルワーカー、地域の相談支援、児童相談所、教育関係者が、高校生ぐらいになったら、協議会がつくられて、そこでいつでも、18歳とか、20歳とかで自立する子供が出てきますので、そういう仕組みを医療的ケアの協議会のように、今後、必要になってくるのではないかなと、課題で言えば、1番目の課題になるかと思います。国のほうにもやってほしいことはありますが、まだ、もう少し後で発言します。

○柏女座長 では、市川さん、お願いします。

○市川構成員 市川です。
 この9ページの絵で、強度行動障害と行動上の課題が、99例あると書いてあるのですが、この方々の年齢構成はどうなっていますか。

○鈴木障害児支援専門官 これは自由記述だったので、構成がちょっとわからないのです。年齢構成は、また別にとっているので、ちょっとそことの接合が必要かなと思います。

○市川構成員 強度行動障害の人が生活している障害児施設にいたり、強度行動障害病棟を持っている児の病院に勤務していましたが、私が見た方々は、家に帰ることは考えられない方々で、職員がけがをする、欝病になってやめていく状況でした。
 力勝負すると虐待になってしまう方々が多かったし、成人施設にお願いしても、空き不足と断られました。これはあき不足ではなくて、断る理由があき不足だったと、思っています。
 強度行動障害は、随分おつき合いしたけれども、お薬が効かない方が多くて、落ち着いてくれる例はまれでした。
 最近の考え方だと、環境の問題とか、対応によって、強度行動障害になってしまうと言われており、福祉のほうでもいろいろな事業をやられているから、少しずつよくなってくると思いますが。
 年齢を聞いたのは、障害児施設であるにかかわらず、強度行動障害の人は大人ばかりいたのを覚えているので、受け取ってもらえないから、結局障害児施設でいつまでも抱えているしかなかった記憶があります。落ち着いてお家に帰れる方は、滅多にいませんでした。

○柏女座長 では、米山さん、それから、原口さん、お願いします。

○米山副座長 もう一度、お子さんたちがどこから入所されているかという、最初のほうの回にあったので、入所の在り方検討会の8の参考資料4の3ページを見ると、入所経路がどこかというところがあります。そこだと、御家庭からが58%と圧倒的に多くて、保護所から12、その次が養護施設と、福祉型はなっています。その下の入所理由が、措置も契約も、やはり親の養育力不足が一番多いことになっています。
 前回、28年、29年で私たちが調査したときも、前もちょっと言いましたけれども、養育者側の課題として何かという、これも自由なというか、判断になりますけれども、その中で多かったのは養育力の低さ、知的障害も含めて、養育力の低さが、御家庭の課題というのが、精神障害とか、親自身の被虐ももちろん多かったと思いますけれども、そういうデータだったわけです。
 そう考えると、今の自立ということで考えると、在宅に戻っていくのは、なかなか正直厳しいなというケースだろうと思いますし、きょうの参考資料4の17ページを見ると、12の「在籍年数」です。これも前、一緒に見たと思うのですけれども、そこで見たときに、年数1年というところが、16歳の子供、先ほど北川さんがおっしゃるように、16から自立と考えたときにといいますか、いわゆる思春期の反抗期といいますか、自己主張期が出てきた思春期からの子たちが1年以内で入ってきているわけです。きっと御家庭からが多いと思うのですが、そのあたりの子が圧倒的に多いのです。
 そういうことで、やはり思春期になって行動化がいろいろ起こってきて、在宅で体も親よりも大きくなってしまうし、やはり見ていけないからという理由の部分が、養育能力だけではなくて、やはり本人の行動化ということが強くなっているのだろうなと予想できる。
 もう一つは、前も言いましたけれども、これはオランダのほうの統計なのですけれども、強度行動障害的な重度の知的障害の方の行動化よりも、実はボーダーラインから軽度の知的障害の人たちのほうが、親から見たら行動障害で困っている率が高いのです。というのは、実際に出ていってしまうし、非行してしまうしとか、いろいろな暴力も含めて、強度行動障害側でないけれども、やはり素行障害的なことも含めて起こしてしまう。
 そうすると、やはり御家庭では難しいというようなことになるので、単純に区分の話をまたあれですけれども、やはり強度行動障害、もちろん自傷、他害も物すごい大変なのですけれども、一方で社会的な生活、御家庭の生活を見たときの困り感は、それだけではなくて、やはり幾つか社会的なトラブルもあって、そこで入られる方も多いのだなと思っているのです。先ほど、市川先生も年齢ということもございましたけれども、そのあたり、子供側のいろいろな特性といったことも考えながらでないと難しい。
 それと、私の経験する中で言うと、やはり御家庭です。1年ぐらいレスパイト的にショートで、有期限で入る方たちで戻ってくる力はあるのですけれども、そこでお母さんたちが、もう一度充電できて、帰っていくのはなかなか難しくて、年齢の高い方は、基本的にはもう成人だから自立していってねと、そこは個人的に考えていて、そこをどう社会が見られるかという仕組みづくりが、大事だと思います。
 グループホームなどになっていったところの、伸び伸びと生活して成人になっている人を見ていると、やはり家庭的な養育のできるといいますか、家庭的な環境で自立ができることを目指していけるといいなと思っています。

○柏女座長 では、原口さん、次は、小出さん、お願いします。

○原口構成員 話題が変わってしまうのですけれども、参考資料1で出ている3ページ目です。「事業所における移行に向けた会議への参加関係機関」のグラフがあります。こちらを見させていただいて感じたのですけれども、この棒グラフの中で、市町村の行政が96で、これはn=235になりますので、割合で言うと5割を切っているのです。
 なので、この移行に向けた会議そのものに、市町村の行政が半数かかわれていないと読んだとしたら、やはり最初に座長からお話があったように、市町村の行政がどの程度かかわる必要があるかというところでのデータになるのかなと非常に感じています。
 一方で、学校が158と6、7割ぐらいのデータで、やはり、かなり学校自体も実際に生徒を預かっているところで、御本人さんの情報をすごくお持ちというところが大きいので入っているかと思うのです。なので、すごく学校の役割も大きいけれども、市町村の行政の部分がいかに書かれているか、書かれていないかということが、この実態で少し感じたところであります。
 一方で、参考資料2の都道府県の会議の実施状況例を見ると、逆に市町村が、入っていない自治体もあるのですけれども、結構関係市町村とか、市町村障害福祉課と名前は入っていて、対象が違うので、この両方の調査をどう比べていいかわからないところなのですが、こちらの都道府県・指定都市・児童相談所設置市の調査では、一応規定としては、市町村の名前が幾つか入っているけれども、こちらの参考資料1のほうでの調査は、当然対象が違うにしても、余り書かれていない実情があるところから、やはり構造的な課題を感じたところであります。
 もう一点、同じ参考資料1で、1ページ目の移行支援の取り組みに関してなのですけれども、保護者に向けた取り組みや、家庭復帰を目指した再構築支援に向けた取り組みが108と70で、これも260を分母にしたときには、半数を切っていて少ない。
 この少ない理由が、なかなか家庭自体が難しくてという場合もあるかもしれないし、そういった取り組みをする専門性がなかなかないということかもしれないし、この理由に関してもう少し、何かデータがあれば、検討できるのではないかなと感じたところですが、この取り組み自体が、やはりふえてこないと、実際のところは難しいのかなと感じています。意見です。

○柏女座長 エビデンスに基づいた御発言、ありがとうございます。
 では、小出さん、お願いします。

○小出構成員 育成会の小出です。お願いします。
 先ほど、米山先生から、この児童入所施設に入ってくる経路について、私も第1回目か2回目に言わせていただきましたけれども、今の入所施設というものが、児童入所施設そのものが、時代の流れというか、ニーズによって、大分変遷してきているなと。
 20年前、まだ児童入所施設が多かったころは、経済的にということもありまして、結構児童入所施設が多かったのです。その後、児者転換したときに、がっと児童施設が減りまして、加齢児の問題も、そのまま児者転換して、者のほうで持っていったという流れはあったのですけれども、最近の入所者の状況といいますか、強度行動障害の方も措置でいらっしゃいますけれども、どちらかというと、虐待で措置で入っている子が多いです。ですから、ほとんど措置ということです。
 虐待を入れるところは、児相が多いものですから、その点、先ほど言いました市町村の福祉課とか、そういうところのかかわりは薄くなってしまうようなことがありまして、では、地域に戻ると、自立支援になると、やはりそこが、では、どこが責任を持ってやるのだということが、措置の時代のときは、役所が全て責任を持ってやっていたものですから、いろいろなケースワークは役所の責任でということがありました。
 今は全部相談支援事業所とか、そういう事業所がやっているものですから、そのところのつながりが、市町村と、入所になると県の所管になるものですから、その連携がうまくとれていないなと。今の入っている子供たちの実態と、行政、あるいは民間の支援機関がうまく回っていないのではないかと、そのようなことを思います。

○柏女座長 ありがとうございます。
 では、濱崎さん、お願いします。

○濱崎構成員 全国盲ろう難聴児施設協議会の濱崎と申します。
 今、自分の施設の状況から考えますと、やはり1つは子供の入ってくるときの年齢がすごくいろいろと言いますか、実は見る人がいなくなって、施設に預けなくてはいけないというお子さんは、いつもその必要に応じた年齢で入ってくるのです。
 それから、虐待等については、虐待と家庭内暴力という感じでは中学生に近いころになって、親御さんの力よりも子供が強くなって、小さいときは親の言うとおり聞いていたのが、意思を持ち、それを行動で表す。特に私のところは難聴が中心ですので、親御さんがほとんど聞こえる方ですから、うまく意思が通じないとなったときに、知的に高いお子さんは余りそういうことがないのですけれども、ボーダーのクラスのお子さんは、自分の意思表示というか、コミュニケーション手段を持たないということで、それがやはり体の暴力にいって、それで今度親御さんがもうたまらなくて入ってくる。
 そういうお子さんの場合は、やはり高校を終えて18歳ですぐ出なくてはいけないという形になるわけです。ろうの場合は幸い、かなり成績が優秀だと専攻科へ行く職業コースがあって、そこへ行くまでは、受給者証の発行は18歳を境にして市区町村になるのですけれども、施設に今のところいられて、そして、20歳になってからは、障害者年金がおりるということで、何とか生活はつないでいけるということがあります。
 けれども、そういう家庭内の暴力だったりで入ってきたお子さんについては、基本的には、家庭に戻すことはほとんど考えられなくて、グループホームとか、通勤寮から、そのうち就労移行支援を通して、次の手を考えていくことになるのです。
 そのときに私どもがどうするかというと、最初のお話にもありましたように、最初は市区町村でかんでいるかもしれないですけれども、入っている間は、児童相談所の管轄で子供たちがやってきますので、今度、18歳に近くなる前に、施設側から児童相談所の担当にしつこく声をかけて、そして、児童相談所の担当の方から、その子の出身地区につないでもらうことをしていきながら、その子の進路を考えていく。
 就労移行支援だったり、あるいは通勤寮だったり、グループホームだったりについても、行政の人と一緒になって、やっとそこからまたスタートしていくということがあるのです。だから、本当は入ってきてからずっとその子は、一時的に住民票は移動しますけれども、結局支援するのは、その地域でそのままいきますので、それが一本化されると、もっとスムーズにいくのではないかと思います。
 それから、入ってくるときの年齢ですけれども、やはり小さい間は親御さんでどうにかなる。本当は小さいときに親子の関係がうまくいかない場合は、早く入れていただけるといいのですけれども、なかなかそういかないで、手に負えなくなってからしか入ってこないという点では、さらに家庭復帰を考えられない状況が起こっていることも事実です。
 以上です。

○柏女座長 ほかはいかがでしょうか。
 今井さん、お願いします。

○今井構成員 先ほど、自立に向けた移行の会議の参加者関係という3ページの表で、原口さんがおっしゃったように、市区町村も含めた行政のかかわりが、相対的に少ないのだけれども、データをどう見たらいいか。相談支援事業所が主にやっている市区町村がちょっと引いているところもたくさんあるので。
 相談支援事業所は確かに民間なのだけれども、行政が入っていないと言えるかどうかというのは、厚労省的に見て、どのように読み取ったらいいですか。

○鈴木障害児支援専門官 この並びようの比率みたいなものは、現時点ではとれないです。相談支援事業所のタイプなのですけれども、そもそも事業所内にある相談支援事業所と、外部の相談支援事業所との違いは、記述から読み取れなかったのです。なので、多くかかわっているのですけれども、法人内の相談支援事業所の場合もあるところを念頭に置いていただきながら、見ていただくといいのかなと思います。

○今井構成員 地域によっては、その子のこと自身は、福祉の窓口はさほど知らなくて、ほとんど相談支援事業所のほうで、カバーしているようなところもありますので、一概に相談支援事業所がやっている、イコール行政はノータッチだとも、なかなか言えないのではないかなと思っています。

○鈴木障害児支援専門官 そうですね。自由記述から見ると、内部の法人で、恐らく記述からは、やはり相談支援を絡めたほうが、外のサービスとできるということで絡めて、そこに市区町村が入っているパターンもあると思うのです。
 全く外部として、相談支援事業所が入っているパターンもあるとは思うのですけれども、自由記述の中では、一応法人の中で、窓口で相談支援事業所を置いて、市区町村とやっているような記述は、ちょっと多かったかなと思います。

○柏女座長 北川さん、どうぞ。

○北川構成員 私の聞いているところによると、こういう関係機関が集まって、子供のことを将来どうしようと考えていること自体が少ないというか、ほとんど施設長さんたちの努力でやっていると聞いているのですけれども、これはどのぐらいの数というか割合で、こういう関係機関が集まった会議をしているのかというのは、これだとやっているみたいな感じに見えてしまうのです。

○鈴木障害児支援専門官 開催回数まではちょっと読み取れなかったのです。ただ、1年に1回でもやっているのならば、一応ここに記述させていただいた形になります。

○北川構成員 実態としては、本当にこの仕組みが、逆に今、必要というところで、この検討会としては考えるべきかなと思います。

○柏女座長 年1回の意見交換会というのは書いてあるけれども、現実に言えば、大事なのは、個々の子供についての話し合いの場が大事なのだろうと思います。社会的養護の虐待でも、要対協は個々のケースごとに介助するときにはやることになっているので、そういうことを評価していく仕組みをつくっていくことが大事なのかなと思いました。
 相澤さん、遠藤さん、どうぞ。

○相澤構成員 今、柏女先生がおっしゃった要対協の話を、私もしようと思っていたのですけれども、まさに要対協を使うべきだと思います。例えば私がいた国立武蔵野学院などでも、入所のときから出口を考えて受け入れる。そうしないと、なかなか出口が確保できないような状況になりますので、そういう意味では、入所のときに出口を考えたときに、要対協はぜひ使うべきだし、要保護児童対策地域協議会ですから、要保護指導で退所であることは間違いありません。
 そして、市町村は、退所した子供の見守り支援をするのが1つの役割になっておりますので、そういうことをやはりきちんと活用すべきだなと。
 もう一つは、皆さんの議論を私が聞いていて、やはり子供の程度があります。いろいろな障害の程度とか、いろいろな養育環境があります。家庭に問題がある場合もあれば、先ほど今井構成員が言ったように、学校とかです。
 個人的居場所である家庭と、社会的居場所である学校といういろいろな意味で、きちんとしたアセスメントをして、どういう支援をしたらいいのかというプランニングを立てる。そのプランニングに応じて、ちゃんと対応できるような、そういう事業だとか、機関とか、そういう連携システムとか、それをきちんと確保するのが、ここの役割だと思います。
 だから、退所の子がこういう点が多いとか、こういう点が少ないとかというよりも、障害の全ての子供たちが、その程度や環境に応じて、対応していただけるようなシステムを考えていくことが、重要なのだろうと思います。
 以上です。

○柏女座長 では、遠藤さん、お願いします。

○遠藤構成員 移行について考えていくときに、前回のワーキンググループでもお話をさせていただいたのですが、福祉型の障害児入所施設、私のところなどは、最初の退所のチャンスは就学時ですというお話をさせていただいたのです。
 2、3歳で、保護者も障害の受容・認知がなかなかうまくいかなくて、混乱して、私が元気な子を産んでやれなかったと自分を責めたり、いろいろなことをお母さんが、それは大体家庭に帰るときにお話をしてくれるのですが、そういう状況の中で受けてくると、いつでも退所のチャンスというのは、子供の変化と、親御さんたちの受けとめる態勢と、帰ったときにそれをフォローアップできる態勢ができていくと、私は、入所施設がそういう役割をきちんと果たしていくのは、とても大切なことだと思っています。
 もう一方の移行支援でいくと、やはり18歳、卒業した後どうするか。20歳までの間にどうするかということなのです。先ほどの参考資料1の3ページ目の行政のかかわり方、多分26という行政は、ほとんど都道府県が直接子供の移行について絡んでくることはありませんので、多分、どちらも書いていないけれども、市町村かなと私は思っていたのです。
 これは柏女先生が冒頭にした話と、直接絡んでくることなのです。人の責任にして、我々は知らないよというつもりは全然ないのですけれども、市町村が18歳を過ぎて、高等養護とか、養護学校を卒業するときに、今度は私たちの出番なのだよという自覚が本当にあるかどうかというのは、とても心細いなということを感じることがあるのです。
 相澤先生が、今おっしゃいましたけれども、要対協も含めて、入るときに出口をみんなで相談しようねということを、私も札幌市の隣の市の担当者に言ったら、児童相談所の仕事ですからと言われました。
 だから、その辺を柏女先生が、今の体制を変えるか、そのままにするかはともかくとして、法で流れて、年齢は毎年1つずつ年をとっていくわけですから、その中で制度的な連携をスムーズにするのか、新たな制度でこのようにするのかというのも、この数字を見ながらやらなければいけないのですが、実は移行支援について、誰と誰と誰が出なければいけないというようなマニュアルは、実はどこにもないのです。
 私のところも、23年間、何とかほぼ95~100%の高校生以下、いわゆる対象の子供たちでやってきたのは、高校の場合は1年生から始めます。年1、2回、保護者と学校の進路と我々とがどうすると、本人の希望も聞きながら、本人の発達の状態も確認しながら、2年生になったら実習に行こうかとか、実習の教科も受けてやります。3年生になったら、実際に移行するための対応をするのですが、うまくいかないこともあります。そこのシステムづくりというのも、移行支援ではとても大切なことだと思うのです。
 実は日本福祉協会の児童発達支援部会が、きのうあったのですけれども、その中では、それにしたって大人の入所のキャパが小さ過ぎるよねというような話が、とても強く出ていました。
 それから、2021年の3月31日以降、4月1日からどうする。実は我々にはトラウマがあって、旧児童福祉法の63条の2項の轍は踏んではいけないよねと、子供たちの支援をしている中で、同じようなことを繰り返してはまずいよねと。
 なぜかと言うと、20歳になった障害のある子供たちでも、大人として生活する権利はあるわけですから、そこをここの場でも、ぜひ、18歳になるまでに状態がよくなって、家庭に帰れる、地域に帰れる。それはもう全然ありだと思うのです。それをフォローしていくのも我々の仕事だと思うのですけれども、高校を卒業してから20歳までの間に、どうスムーズに移行していって、次にあるニーズに丁寧に応えられるかというシステムづくりをちゃんとしていかなければいけない。
 もう一つ実は問題があって、2021年までの移行の問題で、今、実際にいる1,300人の加年齢児の人たちをどうするかということも、喫緊の課題なのだと思うのです。それは、これから毎年出てくる18歳の人たちを継続的に、持続的に次の生活の場に送り出すシステムとは、またちょっと別な意味で整理をする必要があるのかなというのを感じています。
 以上です。

○柏女座長 幾つかとても大切なことをおっしゃっていただいたように思います。移行支援や自立支援のマニュアルがないということは、やはり前にも施設の運営指針そのものがないということもあったので、それらと連動させてつくっていくことは、いずれにしても大事かなと思いました。
 あと、18歳問題についてもお話がありましたけれども、やはり今のお話を伺うと、幾つかの類型に分けて、それぞれのあり方を変えていく。原則はやはり大人と子供を分けるということだけれども、幾つかの類型に分けながら、あり方を考えていくことが大事なのかなということは感じました。ありがとうございました。
 では、米山さん、今井さん、どうぞ。

○米山副座長 先ほど、最初に説明があった6の参考資料2の自治体移行会議例というところの、自治体で栃木県、埼玉県、千葉県、神奈川県と出ていたのですけれども、神奈川とか、すごくやっているところもあるように見えるのです。
 もう一方で、前の参考資料4の、措置か契約かというところの都道府県別のグラフが、参考資料4の入所施設の現状の19ページに載っているのですけれども、それで見ると、結構やっているなというところが、実は神奈川県なども措置率が高いのです。山梨も高いですし、大阪も高いので、やはりそこら辺は措置されているので、ある意味、行政主導でその先どうするかという会議が、結構開かれているのだと思うのです。
 低いところもあるので、何とも言えないのですが、そういう意味で措置か契約か、最初に座長がおっしゃったように、どちらにしても、そのあたりの課題は大きくあると思うのですが、それを超えても、やはり自立へ向けての移行をどうするかという仕組みは必要だと思います。
 入所型のほうは、前から要望しているように、やはりコーディネーターという、職としては兼任で、地方の先生方がみんな奔走されたりしているのは聞いているわけですけれども、やはりそこはきっちりマネジメントできる人をつけた上で、移行を考えていかないといけないかなと思います。
 ちょうど成育基本法で、医療だけではなくて、自立、移行ということが、この前の法律でなったわけですけれども、ちょうど今週、おととい実は、ある板橋地域で、精神科領域の移行はどうするかという勉強会をしたのですけれども、やはりなかなか子供から成人へというと、今の言われる発達障害というより、知的障害のない方々の場合などは、割合と行くかもしれないけれども、一番課題になるのは、やはり重度の知的障害、自閉だとか、重複したケースは、なかなか移行しにくいなということがあるのです。
 それはもう、福祉型でよく言われる医療との連携というか、それを常々、成人になったときは、生活習慣病もそうですけれども、そこの医療連携は、先ほどの運営指針の中には、ぜひきっちり盛り込んでおかないと、その地域で見ていけるというときには、とても大事な要素かなと思いました。

○柏女座長 では、今井さん、お願いします。

○今井構成員 座長がおっしゃったように、この議論は、類型に分けないと、ボリューム層だけ議論しても、難しいところがあるなと。特に行動障害に関しては、全体の中にそれがどのぐらいいるかというと、大半がそうではないと思うのです。ですから、そこは類型に分けて議論すべきだと思います。
 私自身、入所利用していた子供の結構長い期間の変化を見ましても、もう地域移行とか、家庭に戻れる人は、割りと早くどんどん行くのです。そうすると、結果として、濃度が高くなるのは、やはり行動障害等がある人だけが滞留していく。そこがなかなかさばけないということで、悩むということだと思います。ですから、全体が地域移行できていないとか、そういうことではきっとないのだろうと思っております。
 そこで、何割かということはわかりませんけれども、特に行動障害タイプの場合に、なかなか行き先が見つからない、あるいは家庭に戻すのも難しいといったときに、一番近いのは、実は精神病院への入院なのです。精神病院に戻すのかということを本当に考えないと、そことの接点なのです。
 だから、福祉型だけではなくて、行動障害の場合には、医療型だ、福祉型だと言っているけれども、どうも中間的な意味合いがどうしてもあるのではないかと、私は思います。そういう意味で、類型化した中での政策が大事ではないかと。

○柏女座長 ありがとうございます。
 では、北川さん、どうぞ。

○北川構成員 私も今井構成員と同じ考えで、先ほど、家庭復帰とか、家族再統合というお話が出ていたと思うのですけれども、入所施設の一つの役割として、18歳より小さい子供、もう少し小さい子かもしれませんけれども、家庭復帰ができるのであれば、やはり家族支援をしっかりやる仕組み、支える仕組みというのも、例えば虐待で来た子供たちが家庭に帰れるように、地域みんなでどう支えていくかということも役割として一つあるのかなと思います。
 また、18歳を過ぎた子供たちは、一般の子供でも親から離れて自立する時期なので、自立の先をどこにしていくかという、グループホームだったり、入所施設だったり、あると思います。
 それと、今井構成員のおっしゃるように、本当に時間をかけて治療的なかかわりをしていく必要のある子供もいるわけです。そういう子供に対しても、家庭復帰というよりは、それであっても、どうやって子供のいい環境だとか、最善の利益を守った暮らしができるのかと、いろいろなタイプの子供に合った、いい環境をどうつくっていくのかというところをしっかりと、施設だけではなくて、地域全体で話し合ったり、アセスメントをしたり、福祉型だけれども、ときには入院が本当に必要な子供もいる。
 そういう意味では、ネットワークの中に病院も含めて、最善の利益をどの子でも、どこが一番いいのかということをアセスメントできる力を、これからは入所施設と地域がつけていく必要があるのかなと思います。
 そういう意味で、新たな協議の機関とか、子供のことを相談できる場とか、そういうのが要対協なのかもしれないし、また、新たな障害児のことを考える協議会かもしれないですけれども、医療的ケアと同じように、そういう子供のことを、一人一人違うので、その違いにあった環境をしっかり用意できるようなことが、今後、必要になってくるかなと思います。

○柏女座長 ちょっと北川さんに伺いたいのですけれども、既存のシステムの中で使えるものはあるのでしょうか。新しく協議体をつくるというのは、もちろんそれはできればいいでしょうけれども、自立支援協議会というのは、割と保護者の方が入っていたりされて、公開されているものもあったりして、そこでケースカンファレンスを、具体的なことをやっていくのは、なかなか難しい。要対協であれば、全然問題ないのですけれども、そこはどのように考えたらいいのですかね。

○北川構成員 自立支援協議会は、地域の課題を抽出して、関係者が集まって、どのようにしたら解決できるか、教育と福祉はもっと連携が必要なのではないかとか、社会的養護の子供たちがいっぱいふえているから、どのように地域で考えていこうかとか、入所施設だけではなくて、児童発達や放課後デイも考えましょうよとか、そういう課題を抽出して、少しでもいい方向に行くための会議と捉えているのです。
 この自立支援協議会子ども部会の会議ですと、やはり守秘義務などがかってくるので、どうしても要対協に近いものになると思います。今の子供部会などで、関係者はみんな集まっていますから、できないことはないと思いますけれども、かなり守秘義務などは、ちゃんと条例とかで定めてやるようになるのかと思います。同じ子供なので、要対協で考えるというのも、1つの新鮮な考え方ではありましたが。

○柏女座長 ありがとうございました。
 では、あと30分ほどありますけれども、そのほかいかがでしょう。
 藤井構成員、どうぞ。

○藤井構成員 盲ろう難聴児施設協議会の藤井です。所属は、愛知県にあります米山寮盲児部です。
 愛知県は、今の自立支援協議会は、県内に福祉型の施設が9つあるのですけれども、どこもメンバーに入っていないというか、お誘いがない状況です。
 あと、過齢児の件なのですけれども、うちもいまだに児者併設なのですが、1人残っているだけです。その子は、途中から面会も、帰省も、外出もない状態で、全盲で知的障害ですので、県内の施設は、グループホームも含めて全部断られました。
 あと、高等部を卒業した全盲の子で入っているのが、滋賀県にある施設と、福井県にある施設に過去には入っています。
 もう一人の子は、全盲ですけれども、車いすの生活でミキサー食の子でしたので、この子は県内の肢体不自由の成人施設へ何とか入れてもらえました。
 残る1人の子については、来月初めに、京都にある視覚障害を受け入れてくれている施設に見学に行くことになっています。そこがだめだと、静岡にも1件あるみたいですので、そちらのほうも当たろうと思っていますけれども、令和3年までに何とかできるのかなというのは、ちょっと心配です。
 あと、今、盲学校に通っている子、15名のうち10名が通っていますけれども、ほとんどが重複です。岡崎盲学校自体が、幼、小、中、高と、重複の子のほうが、この10年ぐらいで逆転して、割合が多くなっています。だから、進路が難しいのです。
 点字を使って勉強できる子は、専攻科といいますか、あん摩・はり・きゅうの資格を取る課程に行けるのですけれども、そうではない子はよくて成人施設、弱視の子でもグループホームは難しいです。
 障害者雇用促進法が少し改善されて、枠がふえましたけれども、恩恵をこうむっているのは、聴覚障害の子ぐらいかな。視覚障害は、盲学校の卒業生でも十何年、一般企業なんてとても、就職した子はいません。
 そういう状況に加えて、福祉型になって、知的障害の子、発達障害の子がふえています。知的障害のほうは、学校の進路指導がかなりしっかりしているのか、学校と、児相と、相談支援所と、うちとのケース会議を早い子は中学部から始めていまして、もう今、高2ですけれども、来月体験入所を成人施設でやろうとなっています。
 知的障害は、特別支援学校のほうが中心になってやってくれていますけれども、聾学校にも通っている子が1人いて、この子については、なかなか、一般就労ができるだけの力がないものだから、学校のほうからは、施設のほうで進路先を考えてくれと言われているような状況です。
 長くなりましたけれども、以上です。

○柏女座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょう。
 今井さん、お願いします。

○今井構成員 何度も発言して済みません。今井です。
 地域に出ていくときの課題で、もう一つ考えなければいけないのは、児童から成人入所施設に移る点では、昼夜一体型ですから、合うか合わないかというのはあるのですけれども同じです。しかし、地域に戻すことを自立という言葉でおっしゃっているなら、日中と夜が分離型のサービスになるわけです。
 ここのところが実践してみるとなかなか難しくて、今までは児童入所施設で昼夜一体型でやっていた。全部が変われるほど適応のいい人だったら、さほど問題はないのですが、昼だけでも地域の支援が使えていて、あとは夜だけをどこか近くで見つけましょうというように、実践する側としては、段階的にやりたいのです。
 ところが、今の制度では、入所している限りは、地域の資源を使うことを、市区町村によってはオーケーしてくれるのですけれども、なかなかそこが難しい。だから、移行に当たって、地域移行の場合には、日中、夜が分離型になるので、その試し期間を弾力的に運用していただく。今でも少し制度はあるのですけれども、ここのところが非常に大事なポイントだと思います。主に大多数の方は、日中の安定的な場所がます必要です。

○柏女座長 大事な御指摘ですよね。地域移行をしている間の一定期間は、そうした成人サービスも弾力的に使えるようにしていく必要があるのではないかという、傾聴に値する御意見だと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 小出さん、どうぞ。

○小出構成員 参考2の自治体の移行会議例は、どういうあれでこういう都道府県が載っているかという、それがあるのですけれども、実は参考4の11のグラフは、18歳以上で引き続き入所している者の人数ということで、これは実数ですよね。

○鈴木障害児支援専門官 はい。実数です。

○小出構成員 そうすると、例えば岐阜県とかは、もう2人ぐらいしか残っていない。それから、盛んにやっている神奈川県とか大阪府は、まだ残っている人が非常に多いですね。この実数と各自治体の取り組みの関係は、何かあるのでしょうかというのを、今でなくても結構ですので、ちょっと後で報告いただきたいなと思います。
 以上です。

○柏女座長 わかりました。人口の影響もあるとは思いますので、そこはどういう関連があるのかというのは、後で調べて、わかる範囲でお伝えいただければと思います。
 では、米山さん、どうぞ。

○米山副座長 思いつきみたいですけれども、先ほど北川さんがおっしゃったように、実は医療的ケアについては、28年6月に公布で施行されて、それで今、障害児の1次計画の中にみんな組み込まれていて、30年、どこの自治体もすごく動いているのです。
 板橋区も、やっとではないですけれども、よりいいものをということで動き始めて、私たちのセンターを中心にということで、学齢期も保育所のほうもどんどん入っていてということで、やはりそこにきっちり盛り込まれたのです。そうしたら、約3年で動いたのです。
 そういう意味では先ほど言った成育基本法も、国ももちろんあるのですが、一応地方公共団体の責務は、第4条とかに載っているわけです。というのは、先ほどの要対協も年齢でいうと子供は18歳ですかね。もうちょっと上がるのでしたか。そこの移行期なので、そうすると、年齢のことがいろいろ問題もあるなと思うと、この成育基本法をうまく利用するような形で、障害児計画なり、子供のほうの、今度の第2次になるのですかね。あるいは成人も含めて、そこへ移行するところに、きっちり盛り込まれると、みんなやるようになるのではないかなというのは、ちょっと思いつきなのですけれども、思った次第です。
 いずれにしても、そういう課題は、座長が最初におっしゃったように、やはり措置、契約かという課題はすごく大きくて、そこがやはり県か、市区町村かというところが変わらないと難しいなと思っています。

○柏女座長 ありがとうございます。
 北川さん、お願いします。

○北川構成員 今、米山先生がおっしゃったことなのですけれども、やはり要対協もいいとは思うのですけれども、加齢児というか、年齢超過児の問題は、本当に障害児入所のすごく大きい課題であるので、やはりこの課題が解消されるまでは、柔軟な対応をしないといけないとは思うのですけれども、解消されるまでは、やはり障害施策のほうでやっていく必要があるのかなと思います。
 そのためには、私もかかわっておりますケア児の検討会も全国でやっており、やはり障害児の福祉計画の中にしっかり盛り込むぐらいに、この障害児入所の自立の検討会か何かそういうことを、もうちょっと内容は、どういう形にするかというのをもまないといけないと思うのですけれども、遠藤構成員がおっしゃったように、この1,300人の問題だけではなくて、ずっと自立の課題はあります。
 やはりハンデがある子供たちということで、この移行がなかなか難しいという、本人が全然悪いわけではないのに、社会的に難しい状況をつくっているのであれば、何らかの仕組みの中でしっかりと、子供たちは将来大丈夫だよと、支えてくれる人はいるよというような仕組みづくりのためには、本当に障害児福祉計画の中まで盛り込む必要があるのではないかなと思いました。
 あと、移行といっても、ヒアリングで移行先がないという問題もありますので、前にも言いましたけれども、グループホームなどの国庫補助を最優先するとか、障害児施設を受け入れる場合は、面積基準とかがきちんと整っていれば、定員増も許可していただくとか、何らかの大人のほうの施策も少し動かしていかないと、絵に描いた餅になってしまいますので、その辺も、これは大きいマクロ的な国の課題かもしれませんけれども、やっていただきたいなと思いました。
 以上です。

○柏女座長 ありがとうございました。
 あと、15分、20分あります。
 遠藤さん、お願いします。

○遠藤構成員 今、北川構成員もいろいろ御発言をされていたのですが、圧倒的に数で多い知的障害の福祉型の入所施設で、実は500を超える数があったのが、あっという間に200ちょっとしかなくなりましたよね。
 実は北海道では、障害を抱えたお子さんを24時間支える福祉メニューがなくなっている地域が出てきています。それを持っているところまで、もし、たとえあいていて利用できるとしても、片道車で4時間とか、5時間とかをかけないと、地域にない。中核都市でも24時間対応できるところがないというようなことが、実は起きているのです。
 私もずっと障害児の入所にかかわってきて、小学校入学のときにも「家庭に戻れるよ、よかったね」という、中学生になるときに「やっと家族と一緒に生活できるね、よかったね、何かあったらいつでも手伝うよ」と、ずっと送り出しながらも、困っていたのは18歳の4月、障害児入所の支援をその地域で継続・維持していくために一番の大きな難関が、実は子供の移動だったのです。
 ことし、高等養護を卒業した子は、いろいろな子供たちがいますから、1人はセブン-イレブン・ジャパンの正職員で、東京で入社式、住むところは宿泊型自立訓練です。将来地域に戻るという人もいれば、グループホームに行った人もいます。でも、最重度、支援区分6の人は、入所型の入所支援と、生活介護という人もいます。
 それは、あくまでそれぞれの子供たちの状況に合わせて、親御さんも本人も含めて、今考えられるベターな進路先を、みんなで頭をつき合わせながらいくのですけれども、来年もまた18歳で卒業する人がいるよなとなると、実は結構とほほという状態なのです。それを20年以上やっていると、もうそろそろいいかなと思ってしまったりするのです。
 やはりシステムづくりというのを、また冒頭の柏女先生のお話に戻りますが、市町村も含めて、やはりみんなの責任で協力して送り出すのが大前提だと思うのです。市町村に全部あなた方の責任だよ、法律で児相から移ったのだからあなた方だよ、だけではなくて、かかわる人たちみんなが、1人の子供の次の進路に向けて、そのシステムづくりはぜひやってほしい。
 それと、北川さんともかぶりますが、1,300人というのは、またちょっと違った角度からも、対応をする必要があるのかな。
 この人たちについては、先ほどの定員外で1人、2人までなら大丈夫だよと、1人、2人というのは変ですね。定員ですから、10%まではそういう1,300人に対して対応しますよとか、10%報酬を考えますよとか、お金の問題ではないですけれども、そこも含めて、その人たちが大人として生活できる権利を保障できるように、みんなで協力するのが1つと、緊急なニーズも含めて、地域に子供たちを24時間支える福祉メニューを、お父さん、お母さんが30分、1時間で会いに来たよと来られるような地域の中で継続していくためにも、ぜひそのシステムづくりも合わせて考えていただきたいなと思っています。
 以上です。

○柏女座長 ありがとうございます。
 これもとても大切な、前回あった社会的養護の地域化の話と深くかかわることになりますけれども、知的障害児の入所施設が500から200になったことは、それだけ地域の中から、そういう障害を持った子供たちの入所機能が消えてしまったということになるわけです。
 それをもっと地域の中に用意していくとなれば、例えば児童養護施設と地域小規模障害児入所施設の併設がもっと認められていったりとか、あるいは障害児のファミリーホームが地域の中にできていったりとか、そうしたことが政策と両方合わせて、自立支援の問題を考えるときには、進めていかなければいけないなというようなことですね。強く感じさせられたかなと思います。
 そういう意味では、4つの機能に分けて検討はしてきましたけれども、全部相互にかかわり合っているのだということを、ここで再確認させていただきたいと思います。
 たくさんの御意見が出てきました。将来の制度改革に結びつくようなものを少しピックアップしてみますと、1つは、今申し上げた地域の中に入所機能を残していくべきだと、広げていくべきだということ。
 2つ目には、それこそ市町村と都道府県、あるいは措置と契約といった分断のシステムが、この障害児の入所施設の分野には、特に大きな影響を与えているので、そこの一体性とか、一貫性の強化です。権限の委譲だけではなく、それも含めて、権限委譲がないからできないということではなく、一体性、一貫性を強化していくための仕組みづくりはとても大事だろうと思います。
 また、18歳以上児の児者一貫については、やはり幾つかの類型ごとに整理を考えていかないと、無理がきてしまうということは、意見があったかと思います。
 それから、移行のための協議体の設置についても、かなりの議論がありました。米山さんからは、コーディネーターの配置といったような御意見もありましたけれども、この協議体やコーディネーターをどうしていくのかといったようなことも、とても大切なテーマになるかなと思います。
 さらには、今井さんがおっしゃった地域移行の期間は、成人サービスを入所施設の子供たちであっても、弾力的に利用できるように、弾力運用を図っていくといったようなこともあったかと思います。
 こうした御意見が、制度改革の提言としてはとても大事かなと思いました。
 あと10分ほどございますけれども、その他何かあれば。
 佐々木さん、お願いします。

○佐々木構成員 仕組みづくりは必要だと思っていて、地元の自立支援協議会とかを聞いていましても、障害児施設からの移行という話題は、まず出ないのです。子供部会があっても、そういう地域の中での話は出てくるけれども、ちょっと入所施設に入っている子供たちのことが、地域で忘れられているのだなということを本当に感じているところです。
 ただ、仕組みづくりがまずなければ移行もできない。でも、先ほどからおっしゃられている、なかなか加齢児さんで出られない人は、みんな障害が重い人たちだという話を聞くと、私の子供が入っているグループホームも6人ですけれども、6人全部支援区分が4、5、6の子たちで、重度の人たちです。
 6のお一人は、児童入所の加齢児から、地域移行された方で、ここはできてちょうど11年になるのですけれども、やはり職員さんたちがすごく疲弊してきているな、今まであんなに一生懸命やったり、利用者たちにあんなに課題が出ても一緒に取り組む姿勢があったのが、ここのところ、やはり出てくる言葉がつらいというような感じのことが多くなってきた。
 そうしたときに、今、国のほうは重度の子たちを受け入れているグループホームに対して、お金が随分つくようになりましたし、東京都などは加算でかなりついているのです。私がいつも、随分お金がふえたではないですかみたいなことを言うと、いやいや、そういうことではないのだと、やはり専門性のある生活支援員を雇うには、なかなか小さな法人ではできないのだということです。
 自分も大きい法人の理事長でありながら、そういうことを言うのは申し訳ないのですけれども、なかなか重度の人たちを受け入れるグループホームは、実はそうたくさんはつくれていないのです。自分の子供が入っているときも、本当に小さなNPOがやっているところで、ましてや職員たちは、皆さん月金の日中活動がいいという方が圧倒的に多いわけですから、やはり何らかの、お金も大事だけれども、人を育成するという方向も本当にやっていかないと、なかなか厳しいのかなと思っています。
 ですので、受け皿がなければ、仕組みができても地域とかに帰ってこられないので、そこの部分も合わせて、ちょっと一緒に考えていただけないかなと思っています。

○柏女座長 ありがとうございます。
 これは人材確保とかを含めた供給体制の全体とかは、次回の「その他」のところで議論できますよね。

○鈴木障害児支援専門官 はい。そうです。

○柏女座長 ぜひそこで、また出していければと思います。ありがとうございました。
 では、今井さん、お願いします。

○今井構成員 先ほど参考資料4の11ページの18歳以上で引き続き入所している者の人数のグラフをどう理解するかなのですけれども、それが多いところは努力していないと読み取れるかどうかは微妙だなと思います。もともと平成24年の前に、たくさん加齢児がいらっしゃったところが、成人認証施設を宣言してしまえば、これから外れるわけです。
 たくさん抱えているにもかかわらず、今後児童だけにしていこうと宣言したら、当然加齢児の数が多くなるわけです。ですから、出発点の違いもあるので、一概にこれが努力の云々と見るのはかわいそうかなという意見です。

○柏女座長 当然事務局は考えていると思いますけれども、評価は慎重にしてください。
 では、米山さん、どうぞ。

○米山副座長 1つの視点で、移行のこともなのですが、小規模ケアが、子供のほうは進めなければというところで言うと、28、29年の報告書で出したのですが、スペースということです。建物の構造ということで、子供の落ち着きが出るとか、そういう子供の動線をきっちりフォローして評価して、行動障害とか、そういったことが減るとか、そういうことのエビデンスとして、きっちり報告をしています。
 そういう意味で、やはりスペースという1人持っている、当然大人数よりは個室化していたほうが、いろいろな行動が落ち着くことがあったりとか、そういうデータが出ていますので、やはりいろいろなスペースの基準もあると思うのですけれども、そういったことも1回見直せると、それは成人についてもです。
 私も成人のグループホームとかを見させていただくと、田舎のほうとか、北海道とか、北の大地とか、東北とかを見ると、お一人ずつが個室で広いと、とても落ち着いているのです。うらやましいな、東京では無理だなと思うので、そこは地域手当ではないですけれども、何か都のほうに考えてほしいなと思うのが1つです。
 それから、やはり成人のことを考えたときに、健康・安全ということで、障害の入っている方々の生活スポットの保険で見ると、やはり例えば生活の中で言うと、肺炎が多かったり、てんかんの課題が出たりとか、イレウスとか、自閉とか、嘔吐とか、いわゆる器物損壊とかという事故の補償というところだと、ガラスを割ってしまってとか、車を壊してとか、そういうことがいろいろ出ているのです。
 やはりその辺のところを考えると、先ほどの医療とのつながりもそうですけれども、きっちりそういう補償といいますか、そういうところも補償制度をつくった上で、グループホームを含めて生活保障するというか、そこの支えのバックアップ、そのシステムをちょっと考えておかれるといいなと思いました。

○柏女座長 ありがとうございます。
 よろしいですか。
 それでは、もう一回ワーキングがありますので、次回はその他ですけれども、全体を通じての御意見も恐らく出るかと思いますので、その中で出していただければと思います。
 それでは、たくさんの御意見をいただきましたことを、心より感謝を申し上げたいと思います。
 次のところが「その他」ですけれども、事務局のほうで何かございますでしょうか。

○鈴木障害児支援専門官 第1回の医療型ワーキンググループで、2つの団体の方にヒアリングを行いましたので、少しお時間も迫っているので、トピックだけ少し御報告をさせていただければと思います。
 参考資料5の日本肢体不自由児療護施設連絡協議会様のほうなのですけれども、こちらは福祉型の肢体不自由の施設の団体様なのですけれども、内容として、今、構成員の皆様にいろいろ御議論いただいたことと少し重なるところが、多かったなと思いますので、御紹介させていただきます。
 資料は後でごらんいただければと思うのですけれども、内容としておっしゃられたことは、入所している児童が、やはり虐待措置の子が多いということ。
 また、課題としては兄弟で措置された場合、やはり入所するに当たり、健常のお子さんは児童養護施設へ、障害のある子は障害児入所施設へと分離されてしまうと、本当だったら兄弟で一緒に育ててあげたいというところが、今の制度上では少し難しいということが課題にありますということ。
 また、肢体不自由の場合は、知的に健常の子供もいらっしゃるということで、中学から高校は一般受験し、さらには大学や専門学校を受験している方もいる。その学力の保証を施設のほうで自助努力的にやられている部分も見ていただければいいのかなということも言われていました。
 あと、乳児院から入所してくる子がふえてきているということで、幼児はやはり手がかかるところもありますので、配置の見直しが、今は全部一括、4.3対1とか、幼児と別に分かれていないので、幼児の部分の配置を見ていただければいいかなという声がありました。
 また、幼児の中では、早期支援を受けたほうがいいお子さんもやはりいらっしゃるので、基本的にはその施設の中で幼児の療育はしていますけれども、やはり外のもっと専門性の高い児童発達支援センターとかで療育が受けられれば、この子の育ちが、またちょっと変わってくるのではないかという、ただ、今、障害福祉サービスを二重に使うことができないので、先ほどの移行のところでもありましたけれども、そこら辺を柔軟にできたらいいのではないかという課題もありました。
 加齢児に関しましては、やはり都市部においては、成人施設のあきがない状態で、なかなか移行が難しいということと、特に重度、重複、重心系の方々に関しては、大変移行が難しいという御意見がありました。
 続きまして、参考資料6の全国重症心身障害児日中活動支援協議会様のほうは、本当に医療型になりますので、入所施設に関しましては、入所の人員配置基準が、やはり通所に比べて手薄なのではないかという御意見です。
 また、超重症児の濃厚な医療的ケアのニーズになかなかやはり、いろいろと、医療的ケアの取り組みは進んでいますけれども、受け入れが十分とは言いがたい。そういう課題もまだあるのではないかということ。
 あと、医療型入所施設の維持には、一定の病院規模が不可欠と考えていますということと、医療型短期入所が全国的に不足しているのではないかということが、コメントとしては挙げられました。
 以上になります。

○柏女座長 ありがとうございます。
 医療型のワーキングでも、ヒアリングも含め、真剣な議論が進められていると伺っております。
 事務局はそれでよろしいでしょうか。

○鈴木障害児支援専門官 はい。

○柏女座長 では、委員の方から、その他の関係で何かございますか。よろしいですか。
 それでは、事務局のほうから、次回の予定等について、お願いをしたいと思います。

○鈴木障害児支援専門官 次回の開催は、9月10日の9時半からを予定しております。場所のほうは、ここではなくて、厚生労働省のほうに移りまして、厚生労働省3階の共用第6会議室になりますので、場所のほうは、再度メールをさせていただきますけれども、御確認願えればと思います。
 あと、構成員資料なのですけれども、こちらの連絡が遅くなりまして、大変申しわけありませんが、9月5日の夜までで構いませんので、もし出される方は、済みませんけれども、よろしくお願いします。大変短い時間で恐縮でありますが、よろしくお願いします。
 以上になります。

○柏女座長 テーマは先ほど言ったその他と、全体。

○鈴木障害児支援専門官 地域支援機能です。

○柏女座長 地域支援機能と、その他という形になります。全体にわたることも、もしありましたら、ワーキングの最後になりますので、出していただいても構いませんので、よろしくお願いいたします。
 それでは、これできょうの会議を終わらせていただきたいと思います。
 本当にありがとうございました。



                                                                                  〈了〉