2019年6月21日 第1回国民生活基礎調査の改善に関するワーキンググループ 議事録

政策統括官付参事官付統計企画調整室

日時

令和元年6月21日(金)10:15~12:00

場所

厚生労働省仮設第2会議室
(中央合同庁舎第5号館C駐車場1階)

出席者

構成員(五十音順、敬称略、○:主査)

  臼井 恵美子
  大久保 一郎
  小塩 隆士
 ○加藤 久和
  小山 泰代
  津谷 典子
  樋田 勉

構成員以外の関係者

  家田 裕介(埼玉県保健医療部保健医療政策課
        保健所・衛生研究所・県立大学担当主査)
  大岩 洋  (千葉県健康福祉部健康福祉指導課企画情報班班長)


事務局

  中井参事官(企画調整担当)
  中村世帯統計室長
  細井統計企画調整室長
  飯島政策立案支援室長
  田中審査解析室長
  宮﨑審査解析室統計専門官
  川田世帯統計室国民生活基礎統計専門官

議題

1.国民生活基礎調査におけるオンライン調査の導入について
2.国民生活基礎調査の推計方法の見直しについて

議事

 


○細井統計企画調整室長
 それでは定刻より少し前ですが、構成員の皆様がおそろいのようですので、ただいまから第1回国民生活基礎調査の改善に関するワーキンググループを開会いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御出席をいただき、誠にありがとうございます。私は統計企画調整室長の細井です。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の審議は12時までと予定しておりますが、審議の状況によりましては予定の時間を若干過ぎる可能性があります。そのような場合、御予定のある方は御退席されても構いませんので、どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は初回となりますので、委員の方々の御紹介をさせていただきたいと存じます。資料1を御覧ください。当ワーキンググループの委員、主査は、「第19回厚生労働統計の整備に関する検討会」において座長の指名により構成されているところです。どうぞよろしくお願いいたします。各委員の皆様方の御紹介をさせていただきます。一橋大学経済研究所准教授の臼井委員、横浜市健康福祉局衛生研究所所長の大久保委員、一橋大学経済研究所教授の小塩委員、明治大学政治経済学部教授の加藤委員、加藤委員には主査をお引き受けいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。続いて、国立社会保障・人口問題研究所人口構造研究部第3室長の小山委員、慶應義塾大学経済学部教授の津谷委員、獨協大学経済学部国際環境経済学科教授の樋田委員です。また、本日は審議協力者として、埼玉県保健医療部保健医療政策課の家田主査、千葉県健康福祉部健康福祉指導課の大岩班長に御出席いただいております。
 続いて、事務局メンバーの紹介をさせていただきます。企画調整担当参事官の中井、世帯統計室長の中村、政策立案支援室長の飯島、審査解析室長の田中、世帯統計室国民生活基礎統計専門官の川田、審査解析室統計専門官の宮﨑です。それでは開催に当たり、中井参事官より御挨拶を申し上げます。

○中井参事官(企画調整担当)
 開催に当たり、一言御挨拶を申し上げます。皆様方におかれましては、御多忙の中、国民生活基礎調査の改善に関するワーキンググループに御参集いただき、誠にありがとうございます。また、日頃より厚生労働統計の実施に当たり、格別の御協力を賜っておりますこと、この場をお借りして改めて感謝申し上げたいと思います。
 さて、本ワーキンググループですが、本日は第1回目です。この国民生活基礎調査については、相対的貧困率や、がん検診受診率等、各種厚生労働省の施策の基礎資料として大変重要な役割を担っている基幹統計です。昨今の国民のプライバシー意識の高まりなどを反映して調査環境は非常に厳しくなっていますが、我々としては、より活用される統計調査とするために、回収率、調査精度の維持向上が非常に大きな重要な課題と考えているところです。
 この点については、統計委員会における2019年調査計画の答申の今後の課題の中で、「非標本誤差の縮小等に向けた更なる取組の推進」として、(1)非標本誤差の縮小に向けた調査方法の見直し、(2)結果精度向上に向けた推計手法の見直し、この2つを御指摘いただいているところです。本ワーキンググループでは、これら2つの取組について、専門的見知から御検討いただきたいと考えております。皆様方に御意見を頂き、それを受けて非標本誤差の縮小等に向けた更なる取組を推進することにより、国民生活基礎調査の改善を図っていきたいと考えておりますので、活発な御議論を頂ければ有難く思います。簡単ではございますが、私からの挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○細井統計企画調整室長
 ありがとうございました。それでは、これ以降の進行については、加藤主査にお願いしたいと存じます。カメラ撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○加藤主査
 皆様、本日はお忙しい中、お集まりいただき、ありがとうございます。本日開催いたしました厚生労働統計の整備に関する検討会において、津谷座長より本ワーキンググループの主査に御指名いただきました加藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、時間も限られておりますので、早速ですが、第1回ワーキンググループの議事を進めてまいりたいと思います。はじめに、1つ目の議事となります国民生活基礎調査におけるオンライン調査の導入について事務局より御説明をお願いいたします。

○中村世帯統計室長
 世帯統計室長の中村です。よろしくお願いいたします。それでは、まず私からは、資料2、3について御説明いたします。まず資料2の1ページは、この国民生活基礎調査の課題です。冒頭に中井参事官からもお話がありましたように、回収率の低下が大きな課題となっております。
 調査は昭和61年からスタートしているわけですが、当時の世帯票の回収率というのは95~96%ありました。それがどんどん低下して、今ではもう8割を切るぐらいとなっております。残りの2割ぐらいのうち「調査拒否」が6%ぐらいあり、調査員が再三訪問しても会うことができない「面接不能」が14~15%ぐらいとなっております。その傾向が、特に都市部の若年・単独世帯の捕捉率が低いというのが、これまでの私どもの分析結果でも明らかになっております。
 こうした回収できない部分の結果が、母集団である国勢調査結果の世帯数との乖離が大きくなっているということです。真ん中から下に表で数字を乗せておりますが、平成7年の国民生活基礎調査と国勢調査の結果を見ますと、総数では126万世帯ぐらい国民生活が少なくなっていて、単独では160万世帯ぐらい国民生活が少なくなっているわけです。下の平成22年の結果で見ますと、全体では320万少なく、特に単独世帯では約440万少なくなっているという結果になっております。以前から国勢調査との世帯数の乖離が課題とされてきたということです。
 こうした状況の中で、今年実施しております調査の計画について、昨年の暮れに統計委員会から答申を頂きました。そこで非標本誤差の縮小に向けた更なる取組の推進ということで、1つは調査方法の見直しです。具体的にはオンライン調査の導入を図っていくべきで、それに合わせて調査方法等の見直しをどうするかというところです。もう1点は、現行の推計方法に替えて別の推計方法がないのかということです。
 次の2ページがこの答申の本文です。(1)の下線の所ですが、オンライン調査の導入ということです。次の2022年調査を目標にした工程表を作って、この工程表に則り、併せて調査系統、調査時期との関係や、今の5種類の調査票の再編など、こういった全体も含めてどうするかを検討するということです。
 (2)は推計方法の見直しについて国勢調査結果との乖離是正を図るということで、世帯属性ごとのきめ細かな層別の拡大乗数の設定等について検討した上で、2020年末までに結論を得るということです。
 3ページです。今、申し上げましたように、このワーキンググループでは2つの点について御議論いただきたいと思います。今後のスケジュールとしては、おおむね、年に2、3回程度開催を考えており、2020年度末までに結論を得るという目標としております。調査結果については、適宜、親委員会であります整備検討会に御報告したいと思っております。下にスケジュールがありますが、6月の第1回が今回で、第2回がおおむね年内、第3回が年度内ということで、今年度3回程度を予定しております。来年度も同様に3回程度を予定しており、来年度末までに結論を得るということです。
 資料3は、オンライン調査の導入についてです。オンライン調査を導入するに当たり、整理するという点で、まず現行の国民生活基礎調査というのは、全国の世帯及び世帯員を対象に①にありますように、5種類の調査票を使って実施しております。②時期は6月に世帯票、健康票、介護票、7月に所得票関係を実施しております。③の6月の調査というのは、いわゆる「保健所ルート」、7月の調査はいわゆる「福祉事務所ルート」を活用して、2つのルートで実施しております。今回、オンライン調査を導入するに当たり、A、Bと2つありますが、今のやり方をそのままオンラインに乗せる方向でいくのか、調査票の再編、時期、ルートなども一元化した上でオンライン化を図っていくべきかについて、まず御議論をお願いしたいと思っております。
 2ページは、仮に、今の5種類の調査票を見直すとなった場合、どのようなイメージかということです。右側に見直し後とありますが、世帯部ということで、世帯の代表者に書いていただく項目と、個人単位で書いていただく部分のおおむね2つに分かれると思います。現状の調査項目は全部合わせますと大体130項目ぐらいあり、例えば、スマートフォン対応にしようとすると、スマートフォンの画面が小さいので、1問1画面ぐらいしかできないとすると、相当数の画面になってしまうだろうということで、今回のオンライン調査の導入を契機に、調査事項の削減を一定程度やるのかどうかといったところが、まず、ここでの論点になろうかと思っております。
 3ページが今年やっております大規模調査の調査項目、調査票ごとに項目を羅列しておりますが、このぐらいの項目があるということです。
 4ページは調査時期と系統の関係です。先ほど申し上げましたように、時期は2回で、2ルートでやっています。仮に、時期を見直すとすれば、7月に1回でやってしまう。ルートについては、今2つありますが、どちらにするのかは自治体の判断も考えられるのではと思っております。
 5ページは、平成26年度に調査票を再編した案や調査時期の統一やルートの統一の見直し案を自治体にお示しして、自治体からアンケートを取っております。このときは調査票を大体3割ぐらい削減した案をお示しし、そういった案について負担感はどうでしょうかというようなことをお聞きしたということです。アンケート結果については、左側に、1.新調査票案について、調査対象者の負担はどうなるのかを自治体に聞いたものです。「大きくなる」が37%、「変わらない」が25%、「軽くなる」が36.8%ということで、微妙に意見が分かれています。特に7月調査を担当する福祉事務所ルートからは、2回の調査が1回で済む点を評価するということで、「軽くなる」が49.4%になっております。
 一方で、「保健所ルート」から見れば、今まで2回に分けていたものが、所得も世帯票と付けてやるというイメージになるので、1回当たりの調査記入量が非常に多くなってしまう点があり、保健所で見ると「大きくなる」が5割程度あるという結果になっております。
 調査ルートの一元化について、保健所に一元化した場合ということでお聞きしたものが右側にあります。保健所の意見としては「対応可能」が2割程度、「不可能」が4割強、「分からない」が4割弱になっております。自治体側でも一元化について、統一の考え方があるということではないという状況です。
 6ページは調査方法を現状維持でいくのか見直すのかということです。幾つか左側に書いてありますような経費面や有用性、自治体や調査員の負担、対象者の負担感、導入するまでに要する期間など、こういった観点でメリット・デメリットといったようなことを取りまとめたものです。
 簡単に申し上げますと、予算については現状方式よりも見直すほうが一定程度の効率化が図られる部分があるので、その部分をシステム開発に回すことが可能だろうと、有用性の観点でいくと、現行は当然変わりませんが、仮に、調査事項を見直すことになった場合については、一部トレンドが見えなくなることになります。自治体の負担は、現行の紙媒体による調査でも7月調査の対象世帯は、6月調査で回答が得られた世帯としており、対象の選定管理がタイトかつ複雑ということです。
 さらに電子調査票が加わるので、自治体の負担や調査員の負担が若干、多くなってしまうのだろうと。見直した場合は、特定ルートにかかる負担は増加しますが、相対的に見ると業務量は減少することが見込まれるということです。対象者の負担はなかなか甲乙付けがたいと、システムの導入期間は、今のやり方をすれば、それまま踏襲したシステムを作るということであれば、厳しい状況ではありますが、次の大規模から導入可能かなと、仮に調査方法を見直す、調査事項を見直すことになった場合は、システム開発と統計委員会の審議との並行が許されるのかどうかという非常に難しい問題もあり、なかなか新しいシステムを2022年で見直した上でやるというのは厳しいスケジュールになるのかなというところです。以上が資料2、3について、特に調査の見直しについて専門的な意見、又は自治体の方からの御意見をお伺いしたいと思っております。説明は以上です。

○加藤主査
 オンライン調査については、時代の流れから不可避なのかということもあります。その上で、現行の調査方法を維持した形でオンライン化を図るべきなのか、それとも調査票の再編や調査時期、系統の一元化などを行った上でオンライン化を図るべきなのか。今の6ページの説明でも、これは非常に難しい問題ではあるかと思います。まず、この点について検討する必要があるかと思います。本日、結論を出すということではなくて、まずは委員の皆様からの御質問や御意見、あるいは様々なコメント等がありましたら、そこから始めたいと考えております。どなたからでも構いませんので、御質問や御意見等があればお願いいたします。

○大久保委員
 資料3の5ページに、アンケート結果の割合が出ていました。保健所、福祉事務所等、そもそも全体の回答率はどのぐらいなのですか。

○川田世帯統計室国民生活基礎統計専門官
 回答率は9割強となっています。限りなく100に近い回答率です。

○大久保委員
 分かりました。

○加藤主査
 他にはいかがでしょうか。

○津谷委員
 この問題は、内閣府の統計委員会で、統計法の大幅改正による新統計法施行以降、検討課題として繰り返し指摘されてきたことの最大のものではないかと思います。先ほど事務局からも説明がありましたように、国民生活基礎調査は厚生労働省が実施している最大の標本調査です。厚生労働行政、特に厚生行政の根幹に係わる施策の基礎資料を得るという意味でも、大変重要な調査です。この調査には所得票がありますので、労働行政にとっても当然重要な調査です。
 ただ、先ほど主査もおっしゃいましたが、統計委員会の方針として、また政府の方針として、できる限り政府統計調査のオンライン化を進めるということが方向性となっていますので、これに抗うことは大変難しくなってきていると思います。この問題の経緯を知っている者のひとりとして、最もオンライン調査に適していて、費用対効果を考えたときの効果が大きいものは国勢調査です。国調は悉皆調査であって、調査票の構造が比較的単純で、実施年はゼロか5で終わる年ですので、実施は5年に一度ということで、オンライン化に適しているものです。
 一方、国民生活基礎調査は、その対極にある複雑な調査で、もともと複数の調査として別箇に実施していたものを1つにまとめたもので、今現在5種類の調査票から構成されています。これをオンライン化していくときの最大の課題は、どれぐらい調査事項を削減して、どの調査事項を削減するのか。これを慎重にしないと、削減した後で他の調査から同じような統計情報が取れないとなると、厚生労働行政にとって非常に大きな支障が生ずる可能性があるのではないかと危惧します。
 実際に実査をしていくときの問題点はたくさんありますし、実査の後の調査結果の精度の推計という課題もあります。とにかく、私が申し上げたいのは、先ほど試しに調査項目を3割削減してみたというご説明がありましたが、この調査をオンライン化していくときに、この5つの調査票をそのままオンライン化するというのは大変難しいのではないかということです。技術的な進歩がありますので、不可能ではないかもしれませんが、予断は許されないと思うのです。
 先ほどご説明がありましたように、もし5つの調査票を2つにまとめてオンライン化するとなったら、どの調査項目を残して、何を削減するのか。削減したときにどこから代替する情報が取れるのか、ということについて相当慎重かつ詳細な検討が必要になるのではないかと思います。繰り返しになりますが、この問題は統計委員会から国民生活基礎調査の「今後の検討課題」として指摘され続けている問題だということを申しました。こんなことを申し上げてよいかどうか分かりませんが、比較的簡単にこの課題への解決策が見つかるものなのなら、ここまで長い間繰り返し課題として残ってきていない。とはいえ、もう退路は断たれていますので、主査のリーダーシップの下、なんとか皆様方のお知恵を拝釈して、何らかの解決策、回答を見いだしていきたいと願っております。すみません、長いコメントになってしまいました。

○加藤主査
 他にはいかがでしょうか。私がしゃべっていいのかどうかということはありますが、一言だけ申し上げさせていただきます。津谷座長からのお話にもありましたように、オンライン化は避けられない方向性なのだろうと思います。とは言え、国勢調査の場合には、今ある調査票をそのまま載せればいいという、単純な言い方をしてはいけないのですけれども、そういうことになります。こちらの国民生活基礎調査の場合には調査票が5つあって、更にそれを見直すのかどうかということの複雑な話があります。ですから、軽々に結論を出すことはなかなかできないのだろうと思います。
 本日は、まず先生方から御意見をできる限り頂いた上で、また事務局のほうで精査していただいて、議論を熟成させていたただく必要があるかと思います。是非、本日は忌憚のない御意見を頂ければ有り難いと思います。

○大岩千葉県健康福祉部班長
 千葉県の大岩です。調査をする側として私が心配しているのは、資料3の6ページです。この2つの調査方法の比較で、上から3番目に「地方公共団体及び調査員における業務量」とあります。この調査員における業務量ということですが、調査員は65歳以上の高齢者が多いです。そうした場合に、現行の調査方法を維持した場合の率ということで、これに電子調査票が加わると、更に業務負担は増加、ここが非常に気になっています。それで調査員が分からないと、分からないときの聞き先が保健所であったり、福祉事務所に行きます。それだけ問合せが多いとなってくると、保健所も福祉事務所の職員も通常のデスクワークに加わって問合せが来ると、ますますそれが大変になってくるというのが気になります。

○加藤主査
 室長、どうぞ。

○中村世帯統計室長
 通常、他の世帯調査でオンライン調査を導入する場合には、私どものほうでコールセンターを設置して、国民の皆様からのオンラインの操作上の問題ということも含めてやっていますので、それはそのように考えたいと思います。それで調査員なり、自治体の保健所、福祉事務所の方々の負担というのは幾分かでも下げたいと思っております。
 ただ、今まで2018年までは調査員回収でしかありませんでした。今年の2019年の調査から、再三訪問しても会えない世帯に対しては郵送回収を導入しています。これを2020年からは全国でやるという方向でおります。これに加えて、今回オンラインを導入して、要は回答する方の選択肢を、調査員回収だけではなくてオンラインでもできます。オンラインではできないのかという要望が調査員のほうに寄せられるということも聞いておりますので、そういう形で選択肢を増やすということで、オンラインなら回答するといったようなところを少しでも回収できれば、回収率のアップにつながります。基本的に回収率のアップを目指しています。
 今までの調査員回収を疎かにするというようなことは一切考えていません。どちらかと言うと、そのやり方もいろいろあるのですけれども、調査員や自治体から見れば、オンラインで回答を頂けたのかどうか、提出状況を確認できるようなシステムを作って、それを調査員にフィードバックして、回答のない所については調査員回収に行ってもらうというように、今までにないようなことを自治体のほうでやっていただくという面で業務量が増えるだろうと見ています。

○大久保委員
 オンライン化の定義なのですが、原則オンラインで行って、できない人は調査員が行くのか、それとも単純にオンラインか調査員かの選択肢を与えるのか、どちらなのですか。

○中村世帯統計室長
 そこも御議論いただきたいと思います。国勢調査の当初のやり方というのは、調査員が世帯を訪問して世帯の人と会えれば、紙の調査票にしますかオンラインにしますかと聞いて、オンラインにしますと言われたら紙は置かずに、オンラインのやり方を示したものと、ID、パスワードを渡してオンラインで回答していただくというやり方をしています。
 最近、別の調査ではオンライン回収率を上げるために、調査員が初めに「オンライン回収でお願いします」というように、会えたらそういうお願いをします。会えなければ郵便受けに入れておいて、いついつまでにオンライン回答をしてくださいと。締切日で、一度オンラインで回答のあった世帯をチェックして、来ていない所については改めて調査員が行くという、おおむね2つぐらいのパターンがあります。この調査にとってどちらがいいのか、負担も含めて考えたときにどちらがいいのかというのも考えないと駄目だろうと思っています。オンライン回収を上げるためには、当然オンライン優先みたいな方向でいるのですけれども、お年寄りとか、書けない人というのは、相当数いることが見えているので、やり方をどうするかというのも御議論いただいた上で、方向性を見いだせればと思っております。

○中井参事官
 いずれにしてもオンラインを普及させるということもやらなければいけないという中において、いかにユーザビリティを高めるかということで使っていただけるかどうかというところに尽きるような気がします。そこは、項目も含めて知恵をどうやって出していくのかということで、委員の先生方からいろいろな知見を頂ければと思っています。
 行動経済学的な話ではないですけれども、デフォルトをどちらにするかみたいな話で言ったら、これは個人の意見で恐縮ですけれども、いずれオンラインをデフォルトにしながら、でも、それを使えない方々がいるので、当然紙も用意しておきますみたいな形になっていくことを、将来的には目指すべきなのかと思います。いずれにしても、どれだけオンライン調査が使いやすくなるかということによるのかだと思います。

○津谷委員
 先ほど大久保委員から御質問があり、中村室長から説明がありましたオンライン化についてですが、2010年の国勢調査では、東京都だけを対象にオンライン調査の導入をいたしました。そのときには、回答方法をオンラインか紙媒体か「どちらにしますか」という形で選択肢を並べて示し、選んでいただきました。その結果、東京都居住者でオンライン回答された割合は約10%でした。ですから、オンライン回答を紙媒体と並べて選択させたら、オンライン回答率は恐らく1割ぐらいではないかと思います。次の2015年の国勢調査では、まずオンラインを推奨して、オンラインで回答していただけない方に、後で紙媒体を中心に回答をお願いするという方法をとりました。その結果、オンライン回答率は確か36~37%、約4割弱でした。
 オンライン回答率が上がったことは大変良かったのですが、そこで1つ大きな課題として浮上したのはオンラインで回答されたかどうかの確認作業の大変さです。特に実査を担当した市区町村と調査員から問題として出されたのは、誰がオンラインで回答したのかをまず潰して、その後オンライン回答しなかった所に行ってお願いしなければいけないということでした。この確認が大変だというのです。国勢調査は10月1日付けの情報を収集するので、そんなに長く時間がありません。時間が限られた中で、急いで確認をとることが大変だったと。国勢調査は潤沢に予算がありますので、市区町村担当者と調査員のためのポータルを作って、それを使ってチェックをするということをやったのですけれども、それでも大変だったということが、多くの実査担当者の意見として寄せられました。
 このような意見が寄せられた結果、2020年の国勢調査では、最初に訪問するときに回答方法のチェックを何もしないで、全回答者、つまり日本の人口である約1億2,700万人を対象に紙媒体の調査票も持っていって、オンラインで回答するか否かにかかわらず、最初の訪問時に全員に調査票を渡すことを考えていると聞いています。オンライン回答するので紙媒体の調査票を使わない割合を3~4割としても、使われない紙媒体の調査票は気の遠くなるような部数になります。それでもオンライン回答かどうかのチェックの方がもっと大変だということなようです。単にチェックが大変だというだけではなく、2回回答してしまった方とか、調査から漏れてしまった世帯が出てきたため、その対応もしなくてはならなかったということらしいです。国勢調査という、国民生活基礎調査と比べて調査票の構造が比較的簡易なものでも非常に大変だったということですので、国民生活基礎調査でも、ある程度試行錯誤が必要であろうかと思います。
 さらに一言付け加えますと、この調査項目リストを見ると、スマホも含めてオンラインで簡単に回答できるものと、そうでないものがあるように思います。ですので、この問題は、ただ単に調査項目数を3割減らすというだけではなく、1つの項目に回答するのにどれくらいの手間と時間がかかるのかを考える必要があります。特に正確な回答をするのに手間と時間がかかるだろうと思うものが、所得票、貯蓄票、そして一部の世帯票に含まれている金額を記入することが必要な項目です。
 以前この調査では、所得票や貯蓄票は他計ということで、調査員が回答者から聴き取って金額の計算をしてくれていました。ところがそれには限界があるということで自計、つまり回答者自身に答えていただくという方法に変わりました。ただ、その際に、いかに調査票を分かりやすくして回答者負担を少なくして回答していただくかについて慎重に検討しました。実際の金額を記入する項目では、その回答ページを開くとページの右側に、例えば源泉徴収票のこの金額をここに書き写してくださいというように具体的に説明して、さらにそのページを目に優しいきれいな色、たしかウグイス色が一番目に優しいということではなかったかと思いますが、回答者の回答意欲をそそるだろうということで、色の専門家まで呼んできて調査票に使う色まで決めたという覚えがあります。
 このような課題を、今度はオンライン調査として行う時にどのように載せていくのか。これは、ただ単に質問の項目数ではなくて、ひとつひとつの項目についての質問の仕方を考える必要があり、非常に難しい課題だと思います。とはいえ、国民生活基礎調査のデータは我が国の重要な政策立案、例えば貧困率その他の推計の基になる基礎データですので、オンライン化を考えないわけにはいかないだろうと思います。ここで話し合って済むことなのかどうか分かりませんけれども、ハードルは高い。でも、やるしかないのであればどのようにやっていくのか。例えば、世帯票の生年月日や配偶関係などは結構簡単にすぐに答えることができる項目だと思いますので、その部分だけでもオンライン化を図るのかどうかについても話し合う必要があります。もしオンライン化が図られれば、当然ですが途中でやめることはできません。オンライン化が進めば、国勢調査でも問題になっている「不詳」回答は大幅に減らすことができると思います。また、生年月日を入力していただければ、そこから年齢が計算できて、そういう意味での不一致というものも解消されます。このように、一部自動的にデータが取れれば、その後のデータ整理や集計は簡便化されるようになるのではないかと思います。ここでは、そういうことについても検討が必要かと思います。

○加藤主査
 調査方法をどうするかという話と、オンラインをデフォルトにするかどうするかという2段階の話もあるかと思います。その辺は考えなくても結構ですので、どうぞ御意見等がありましたらお願いいたします。

○中村世帯統計室長 
 津谷先生から所得票の関係でおっしゃっていただきました。調査票のコピーをお配りしています。その中に所得票というホッチキスで止めた資料があります。2ページと3ページは個人単位で書いていただきます。右側に説明書きがあって、左側に回答欄があります。今の調査票では、見開きで見られるようになっています。こういうものをスマホ対応にすると非常に画面も小さいので、この説明書きのほうがなければ、よく分らないというような技術的な問題もあるということだろうと思います。

○中井参事官
 国勢調査は5年ごとですけれども、国民に毎回必ず回答していただくという話だと、e-Taxみたいな機能があればいいなと思いました。前年のものをデフォルトで出して、その変わった所だけ修正すればいいというような機能があったと思います。国勢調査でマイナンバーは使えなかったでしょうか、何かで紐付けができれば、前回回答したものがそのまま画面に出てきて、それで変わった所だけ修正するみたいなことができれば、相当便利になるのではないか。それを国民生活基礎調査でどうするのかという話とか、技術的な話とか、多分いろいろ乗り越えなければいけないような課題がたくさんあるのだと思うのです。
 そういう意味で、オンライン化という全体の話をしているので、国民生活基礎調査は継続して答えなければいけないということではないので、本題から外れて申し訳ないのですけれども、毎回答えるようなものだったら、そういう機能があったら広がっていくのかなと。これとはちょっと外れてしまって申し訳ないです。

○津谷委員
 国勢調査は悉皆調査ですから、原則全員に聞くということです。マイナンバーか何かで個人に紐付けができれば、そしてそれを調査項目に入れれば以前の調査データが上がってくるということは可能かと思います。しかし、国民生活基礎調査は標本抽出、それもクラスター・サンプルで標本抽出しています。これは毎回標本抽出しているということですから、紐付けは大変難しいと思います。
 もう1つ例として労働力調査がありますが、この調査は確か2か月続けて、各月の2日間を選んで同じ世帯を調査しています。労働力調査の単位・対象は住戸(dwelling unit)なので、世帯(household)ではありませんが、とにかく2か月続けて調査をやって、また同じ住戸を翌年調査する。ただ、引っ越しすることもありますので、同じ世帯が翌年もフォローできるわけではなく、労働経済学者のどなたかが推計した結果、7割ぐらいが翌年も追跡できているということでした。費用対効果ですけれども、この調査はちょっと馴染まないと思います。

○中井参事官
 それは国勢調査のほうで話をしてしまいましたので、そういう意味では、ここでお話したのは不適当だったかもしれません。誤解を招いてしまって申し訳ありませんでした。

○津谷委員
 先ほども申しましたけれども、恐らく国勢調査はオンライン調査に最も適した調査で、費用対効果を考えると費用よりも効果が大きいものです。とはいえ、来年の国調の回答を紙媒体とオンラインを並べて選択させるのか、それともオンラインを先に勧めて残りを紙媒体でやるのかという問題は大変難しいものです。ただ、どちらにせよ、基本的にオンライン調査を中心に進めるということについて、ほとんど異議は出ないと思います。

○加藤主査
 他にいかがでしょうか。

○家田埼玉県保健医療部主査
 埼玉県の家田です。今回の会議への出席にあたり、より現場に近い保健所職員の何人かと電話でそれとなく状況を聞いたりしていました。その中で私自身一番感じたのは、答える側の意識として、自分の情報をなるべく目の前の人に見せたくない、密封回収のような形を望む方が非常に多いということでした。一方で国民生活基礎調査は、調査員が訪問して回収する、なおかつ、その調査員が内容を審査し、必要に応じて追加で聴き取りをして記載していく。こうした「人」による審査が前提になっていると思うのです。そういうやり方自体も、将来を見ると限界があるのかと思っています。
 埼玉県では、今年度から郵送回収を試行する県として選定していただいてやっています。調査員及び保健所の職員から正直ベースの話として聞こえるのは、郵送回収とするに当たってのハードルが非常に高いということでした。回答者のニーズとして、郵送だったら回答する、若しくは密封だったら回答するというようなニーズは多いのかと思っています。一方でいろいろ教えてもらうと、密封回収なり郵送回収することによって、調査の精度が落ちてしまう。そのため、なるべく対面調査が望ましいという審議の結果も出ていると聞いていますので、そことのバランスは取る必要があるのだろうと思いつつも、このままのやり方だとなかなか難しいのかなと思っています。人による審査を前提としていて、対面で目の前の人に情報を渡して見てもらう。それで回収していくというやり方には正直限界があるのかと感じています。

○加藤主査
 オンラインだと、基本的に未記入分野についてのチェックもできることになりますので、その意味ではオンラインのほうがいいのかと感じます。

○津谷委員
 先ほど御指摘のあった、回答した調査票を封入して密封して返す場合、これを調査員に返すのか、郵送で返すのかということについては考える必要があると思います。これについて国勢調査の経験をお話ししますと、1995年か2000年のどちらかの国調だったと思いますが、そういう問題は当時からありました。当時はオンラインはなく全て紙媒体でしたので、調査票をお渡しした際に、封筒と密封用シールも同時にお渡ししました。そこで何が起こったかと言うと、帰ってきた調査票の中は全部真っ白、もしくは回答されたのは最初のページだけであとは真っ白。もっと困ったのは、どう見てもちゃんと答えていない、とんでもない回答が予想しない数で出てきました。
 そのときの国勢調査の検討会に参加させていただいた感想として、国勢調査そして回答者の大部分である日本人もこんなになったのかという意見が出たぐらい問題が多かったです。当然、調査の方法を簡便にして、回答率を上げるというのは大事なのですが、最終的な「回答率」はusable response rateです。つまり、きちんと集計ができるような回答を得ることが重要です。国民生活基礎調査でも、最初から回答者に封筒とシールを渡したら、どういうことになるのだろうかと心配です。せっかくの地方自治体の担当者や調査員の方々の御苦労も無になってしまいます。回答した調査票を返してもらう割合を上げることが目的ではなく、精度の高い統計情報を取るということが最終的な命題であると思いますので、調査員の方々に本当に御苦労をかけているのはよく分かっていますけれども、以前にそういう経験があったということをお伝えしたいと思います。

○大岩千葉県健康福祉部班長
 確かに、埼玉県がおっしゃったように、記入者は見られたくないから、茶袋に入れて、しかも糊付けして調査員に返すという報告は聞いています。調査員から保健所に行く。保健所のほうではさすがに審査をしなければいけませんので、保健所のほうで茶袋を切ってチェックはします。分かる範囲内で行政がチェックするのですが、聞きたいことというのがあります。そもそも本人は糊付けしているわけですから、聞いて欲しくないわけですし、行政のほうから聞き取りはできない。調査員に言っても、そもそも糊付けされているから見てはいけないわけです。聞くことができないというのは、確かに千葉県でも起きています。

○中村世帯統計室長
 今の所得票は、基本的に調査員が、回収のときに「内容を確認させてください」というお断りをして、記入漏れがないかどうかを見ます。ここが入っていませんねとか、これは大丈夫ですかという確認をしています。特にお年寄りにはそういうことをやってくださいというお願いをしています。ただし、回答者が「私は見られたくないから、密封でしか回答しません」と言われた場合は、密封で回収するという運用をしています。ですから、原則は確認する、どうしても駄目な場合だけは密封という運用です。これしかないのかと思っています。一旦、福祉事務所まで回収してしまうと、もう世帯の方と会える機会はありません。回収時が世帯の方と接触できる最後のタイミングなので、そこが勝負だと思っています。
 健康票は、昔は密封回収でした。ただ、調査事項で、例えばK6の項目で、特にお年寄りを中心に、不詳の割合が3割とか出てきてしまう。分析するときに、これは非常にまずいということで、健康票については原則、開封で調査員が、記入漏れがないかを見てくださいという形に変えました。それにしたところ不詳が激減して、ほんの数パーセントになりました。これは、逆に開封にしてよかったと考えています。貯蓄票みたいなものは密封で仕方がないのかなという気もしますが、所得とか健康という項目については、今のやり方を取りあえず踏襲していくというのが私どもの考え方です。
 オンラインを導入したとしても、基本的には絶対に答えてほしい必須項目と、それに準ずる項目というぐらいのチェックというのはちょっと緩めにする。その辺りの項目によって切り分けするというのがあろうかと思います。今、成年者の縦断調査をオンラインでやっているのですが、それも必須項目と、そうではない項目というように調査事項で切り分けをしています。運用でもやっていますので、そういう経験を生かして、仮にやった場合にはシステムを組んでいくのかと思っています。

○加藤主査
 他にはいかがでしょうか。

○大岩千葉県健康福祉部班長
 国の方にお伺いします。この国民生活基礎調査というのは、私は千葉市に20年住んでいるのですが、一度も当たったことがないです。国勢調査は5年に一度、紙でちゃんとやっています。そうすると、これはずっと当たらない可能性もあるということですか。

○中村世帯統計室長
 そうです。全国に国勢調査区というのが100万地区ぐらいできます。大規模な調査というのは、国民生活基礎調査で5,530です。確率で言うと、170分の1とか190分の1とかそのぐらいです。要は170年に1回当たるかどうかぐらいです。ですから、大部分の方は当たらないということになります。

○大岩千葉県健康福祉部班長
 そうすると、オンライン調査のメリットとして、一度データを入力してしまえば、次のときに先ほど中井参事官が言われたように、やるやらないは別にして、データの更新で。

○中村世帯統計室長
 この調査に限っては、そのメリットはないです。

○大岩千葉県健康福祉部班長
 ないですよね。

○中井参事官
 すみません、私は国勢調査のことで、つい言ってしまったので、そこで混乱させてしまって本当に申し訳ありません。

○大岩千葉県健康福祉部班長
 データの更新がないとなると若い世代、今は若い世代の単身世帯が少ないというので。

○中村世帯統計室長
 特に都市部の若い世代の捕捉率が低いというのが分かっているので、オンラインを導入することによって、そういうところは見られたくないという意識も多分あるのでしょうから、そういうところを少しでも回収できないかというのが1つの狙いではあります。

○大岩千葉県健康福祉部班長
 記入者謝礼品というのを渡しています。調査員が、実際に調査票を配布して回収するときに「ありがとうございます、謝礼品です」と。これがオンラインになると、謝礼品はないのですか。

○中村世帯統計室長
 基本的に同じで、お願いのときに謝礼品を渡してもらいます。

○大岩千葉県健康福祉部班長
 でもオンラインだったら。

○中村世帯統計室長
 回答してくれなかったら。

○大岩千葉県健康福祉部班長
 しなかったら。

○中村世帯統計室長
 してくれないとか、してくれとかは関係なくて。

○大岩千葉県健康福祉部班長
 関係なくですか。

○中村世帯統計室長
 基本的にはお願いのときにお渡ししていると思っています。

○大岩千葉県健康福祉部班長
 なるほど。

○中村世帯統計室長
 だから、オンラインで回答しようが、調査員に回答しようが、そこは一緒だということです。

○津谷委員 
 この調査だけではなく、国勢調査を含む恐らく全ての調査で、大都市に居住する若年の単身世帯が一番捕捉が難しいサブポピュレーション、つまり人口の一部であろうと思います。若い方だと調査員と会いたくないという場合が多いという御説明が中村室長からありましたけれども、東京都では若い女性の単独世帯が主に社会増加により増えています。そして、単身で住んでいる若い女性のお住まいはオートロックの付いた集合住宅である場合が大部分です。この若い女性を調査員が尋ねて呼鈴を鳴らすと、まず部屋の呼鈴のスクリーンを見て、そこに知らない人が立っていると、とにかく答えないということが大変多くて、国勢調査でもそれが問題になりました。とにかく調査員に会ってもらえないということなので、調査の概要を説明するはがきのようなものを置いて、そこに調査のURLを明記して、そこでチェックをしてもらいます。昨今インターネットはいろいろなアンケートで悪用されたりしていますが、とにかくきちんとした調査であるということを確認していただいて、オンラインで回答していただくことができれば、最も調査が難しい大都市に居住する若年の単身世帯をもう少し拾い上げることができるのではないかと思います。特に若い単身世帯の女性には期待できるのではないかと思います。

○加藤主査
 他にはいかがでしょうか。

○大久保委員
 中身のチェックが、対面だとできるけれども、郵送などではできないというお話がありました。オンライン化された場合、これはシステムづくりか、そのルールづくりに関わると思うのですけれども、一度回答したら、その中身の確認、問合せというのはルール上できないということになりますか。

○中村世帯統計室長
 システム上は、例えば先ほど申し上げたように、必須項目のものに入力されないと、送信しようとしたときに、「この項目が回答されていません」というようなメッセージが出るとか、そういうシステム上のチェックを掛けて、最低欲しいキーになる項目や所得というものは、漏れがあったら送れないという仕組みになると思います。

○大久保委員
 例えば、「不詳」が非常に多いと。それが対面によってなくなったという話がありましたが、不詳が回答上で多かったときに、本当にそれでいいのですか的なやり取りというのをオンライン上では、システム上はできるのかもしれませんけれども、それはルール上はできるのですか。

○中村世帯統計室長
 難しいのは、どこまで厳しくするかということです。3回とか5回送れなかったらやめてしまう可能性もあります。入力チェックをどこまでやるかということだと思います。

○大久保委員
 出すときではなくて、受け取った側がそれを見て、相手に対しての確認のようなものはオンライン上は全くできないのですか。

○中村世帯統計室長
 普通の調査ではやっていないです。

○大久保委員
 やっていない。つまり、提出したら、それはいじれないということですか。

○中村世帯統計室長
 はい。

○大久保委員
 分かりました。

○小塩委員
 今の御質問なのですが、私も臼井さんと一緒にWeb調査をよくやっています。明らかにおかしな回答をクリックしたら、あるいはクリックしなかったら次のページに行かないとか、これでいいですかという問合せをするということは、システムに組み込んだらいいわけです。その度に、ある程度のチェックはできます。

○大久保委員
 提出のときですね。

○小塩委員
 はい。

○大久保委員
 前へ進まないように。

○小塩委員
 はい。もう1つは、最初の説明でもありましたように、単身の人たちの回収率が圧倒的に低いということでした。それが一番問題ですので、やはりその人たちをターゲットにした対応をまず考えてもいいと思います。2つのやり方があって、両方とも大変です。まず現行の制度を維持してやろうと思ったら、お金がたくさんかかるから、できない。しかし、調査方法を全部変えようと思うと、すぐにはできない。両方ともできないわけです。ですから、次善の策として、現行制度を取りあえず維持して、若い人をターゲットにした方法で、まず走らせてみることはできないのか。若い人に対しては、質問票を置いておいて、Webで回答してもいいですということにすればいいのではないかと思います。

○中村世帯統計室長
 そもそもアパートで表札も出ていなくて、名前すらも分からない。年齢が若いのかどうかも分からないという問題があります。結果として若い層が取れていないというのは分かっていますが、そもそも調査員が行ったときに、この家は何人世帯で、どういう年齢の人が住んでいるのかすらも分からないというのが現実なのです。分からないところがあるというのが現実です。ですから、そこにターゲットを絞って、そこだけに何かをやるということすら難しいということです。

○小塩委員
 分かりました。

○家田埼玉県保健医療部主査
 今の議論の流れとしては、オンライン化ということが契機になっていると思うのですが、なかなか会えない中でどうやって回答の精度を保つかということが大きく議論の中にあるのかと思いました。この会議に来る前に、内部でいろいろ話をした中で、そうは言っても対面調査をゼロにしてしまうと、完全にオンラインにしてしまうと答えられない人が多くなるだろうとの声がありました。また、近所のうるさいおじさんがいるから、おばさんが来るから答えてやると。目の前にいるから正しいことを答えてやるというような部分もあるのではないかという声もあります。今いろいろな先生方から出た御意見というのは、そういう部分が根底にあるのかと思いました。
 例えば、AIを活用して、20歳で年収何千万円ですという答えがあったときに、通常統計的に見るとそんなに高い年収をその年で受けている人は少ないですが本当ですかと、ディープラーニングでAIが言ったりすると、結構ドキッとすると思うのです。要は、人が会っているのと、会わなくても人が会っているのと同じような感覚に持っていけるようなことができたら少し変わるのかと思うのです。国のほうでは、そういうところまではなかなか行かないものでしょうか。議論を聞きながら思ったところなので、参考になればと思って申し上げました。

○加藤主査
 時間の都合もあって、実際には予定の時間を過ぎています。オンラインの話がずっと出ているのですけれども、もう1つ、ここで現行の調査方法を維持するのか、あるいは調査項目を見直してやっていくのかということについても少し御意見を頂ければと思っているのですが、いかがでしょうか。
 6ページの中でオンライン化での課題もありますが、実際にやっていくときに、このルートを1つにしていく、あるいは5つの調査票を2つにしていくという、この点の御提案について、御意見等がありましたらお願いいたします。

○家田埼玉県保健医療部主査
 これは問合せになってしまうのですが、資料の5ページの平成27年3月取りまとめのアンケート結果で、新調査票案について、福祉事務所ルートからは2回の調査が一度で済む点を評価する声があった一方で、保健所ルートからは1回当たりの調査記入量が増加した点を懸念される回答が多くなっているという結果が出ています。福祉事務所ルートと保健所ルートで見解が分かれているというのは、どういうことが背景にあるのでしょうか。もし御存知でしたら教えてください。

○中村世帯統計室長
 恐らく、今までは、6月に世帯票、健康票を保健所ルートでやります。仮にその調査票を再編して7月に新しい調査票でやった場合に、例えば保健所で7月に健康票も、世帯票も、所得票も全部一度にやることになるわけです。だから、保健所側から見れば、今まで所得票はやっていなかったのに、それも入ってきた重い調査になるという懸念だろうと思います。

○家田埼玉県保健医療部主査
 それは、保健所ルートに一本化されるであろうという前提の下で、こういうお話があったということですか。

○中村世帯統計室長
 そうです。

○家田埼玉県保健医療部主査
 先ほど、もし仮に見直しをした場合に、保健所ルート、福祉事務所ルートのどちらにするのかについては自治体の判断かと思うというお話が室長からありました。これは、何かしら保健所ルートを基本にするとか、そのようなことというのはお考えの中にあっての御発言ですか。

○中村世帯統計室長
 最終的にそこをどうするかというのは、また自治体のほうとも相談しながらになると思います。今の保健所、福祉事務所のキャパを考えたときに、現に保健所のほうでは5,530やれているわけです。福祉事務所のほうは、大規模の最大規模で、所得票の2,000単位区なので、今やっている規模から考えると、保健所のほうが現実的な話かと考えています。

○家田埼玉県保健医療部主査
 分かりました、ありがとうございます。

○加藤主査
 他にいかがでしょうか。

○臼井委員
 見直し後は世帯部と個人部ということで、調査としては、世帯の方に何人いるかを聞いて、その後、個人部のときに、それぞれ皆様に答えてもらうということになると思います。この調査票をざっと見た感じだと、健康とか、介護とか、所得に関しては、今までも全員の方に答えていただいていたと。

○中村世帯統計室長
 健康は全員です。所得は所得のある方だけです。

○臼井委員
 だから、ほとんど全員把握できると。それで貯蓄票に関しては。

○中村世帯統計室長
 世帯単位で記入してもらいます。

○臼井委員
 世帯だけだったけれども、もしそれを各個人全員に聞くということをしたら、貯蓄に関しても各人それぞれの人が一体どれだけの貯蓄を持っているかを把握できるということですか。

○中村世帯統計室長
 そこは現実問題として難しいので、今の貯蓄票というのは、世帯の代表者が、世帯としての貯蓄を書いていただいているということなので、そこは世帯部のほうにまとめてしまいます。その項目によって、世帯の代表者が書ける項目は世帯部に、個人単位で聞く項目、例えば所得とか、健康といったものは個人票のほうに持っていくというイメージかと思っています。

○臼井委員
 だから、今までとあまり大きな変化がないようにも。

○中村世帯統計室長
 今までは調査票ごとに健康票があって、所得票があるのだけれども、それが長い冊子のものができるというイメージです。

○臼井委員
 オンラインにしてしまうと、所得はありますか、ないですかという質問で、「ない」と答えたら次へ行けるわけですね。

○中村世帯統計室長
 そうです。そのようなシステム上で、できるだけ。生年月日を入れていたら年齢が計算できるので、何歳以上しか答えなくてもいいというような項目はポンと飛べるような仕組みというのは当然考えるのだろうと思います。そういう工夫はシステム上で今もやっている調査がありますので、そういうのはできるだけそれを取り入れるということです。

○加藤主査
 時間の関係もあるのですが、本日はキックオフということで、ここで結論を出すということではありません。最後に、この点についてこれだけは言っておきたいという委員の方はいますか。

○小塩委員
 臼井先生のお話に関連して申し上げます。オンライン化するときに、答える人にどれだけ負担がかかるかはやはりチェックしないといけないと思うのです。うちの大学でもWebサイトを持っていますが、アクセスはラップトップとかデスクトップのパソコンではなくて、圧倒的にスマートフォンからのほうが多くなっています。ですから、回答する人もスマートフォンでやると思うのです。あまりにページが多いと、途中でやる気をなくしてしまうということがあります。だから、現行のものをベースにするとしても、あるいは質問項目を圧縮するにしても、実際にどれぐらいの負担がかかるのか、チェックしたほうがいいと思います。

○加藤主査
 御意見等をどうもありがとうございました。キックオフということで、本日は以上のように、委員の皆様方の御意見を伺いましたので、事務局のほうで再び整理をしていただければと思っております。
 実は、重たい課題がもう1つありますので、2つ目の議事である「国民生活基礎調査の推計方法の見直しについて」ということで、事務局より説明をお願いいたします。

○中村世帯統計室長
 それでは資料4を御覧ください。まず現行の調査地区の抽出はどういうようになっているかというところです。最新の平成27年の国勢調査では、104万地区ぐらいが設定されております。この中から本調査で使う後置番号の1と8だけを抜くと、99万ぐらいになります。それを、左側の大規模調査年だと5,530地区抜いて、右側の簡易調査年だと1,106地区抜かれています。世帯票というものがまず基本にあって、そのうちの一部が所得票であったり介護票になっているということです。所得票というのは単位区ということで、1地区50世帯ぐらいで区分けされているのですけれども、それをおおむね半分ぐらいに割ったものというようにお考えいただければと思います。こういうように抜いた結果が2、3ページで、各都道府県ではこのぐらいの地区数が抜かれているということです。
 4ページを御覧ください。ここからが実際の推計方法の話です。大規模調査と簡易調査では拡大乗数が違ってきます。大規模調査の①の世帯票・健康票というのは、6月1日現在の推計人口と世帯票から得られた世帯人員数ということで、例えば世帯構造とか年齢構成のようなものは加味しておりません。あくまでも全体人口に合わせていくという考え方です。②が所得票・貯蓄票です。もともと大規模年というのは、都道府県別の世帯票の抽出率が違うので、まず国勢調査区に対する世帯票の当たった地区数と、実際の世帯票の中から設定された単位区数に対して実際に当たった所得票の単位区数というように、2つの比をもって拡大乗数を作ります。③の介護票については推計人口に対して世帯票から得られた総世帯人員と、世帯票の要介護認定者数という項目と、介護票の要認定者数という割合を用いて掛けております。
 簡易調査年の世帯票については、先ほどと同じです。こちらでは全国値しかないので、全国値一本の拡大乗数ができます。所得票については、もともと簡易調査年は国勢調査区比例で抜いています。したがって、集計する数値は平均値であったり分布しかないので、拡大乗数を掛けても掛けなくても同じ値になりますから、そういう乗数は使っていないということです。
 5ページ以降は、平成29年度に推計方法の見直しについて検討した結果です。(1)世帯票の推定です。①にありますように、世帯票の調査区別有効回答世帯数を用いる方法で、試算①というのがあります。試算②は、国勢調査区の分布を用いる方法で、世帯構造や世帯主年齢階級を用いて、絵にあるようなマトリックスを作って、ここの構成割合に合わせにいくような方法です。試算③が所得票の有効回答世帯数の割合を用いる方法です。このような3種類の試算を行っております。
 6ページ、(2)所得票・貯蓄票の推定についても、同じような考え方で試算①②③という3種類の試算を行っております。その結果が7、8ページに出ております。世帯構造別の世帯数です。オレンジ色の「22現行」というのが現在、この調査結果として公表している値です。この中で試算②の国勢調査の分布に合わせていく方法が、一番下の「22国調」に一番近い値になります。国調の分布に合わせにいくわけですから、当然の結果だろうと思います。ただ、試算②については、右側の世帯類型の中に母子世帯というのがありますが、試算②の値を見ますと102万8,000世帯ということで、国調よりも大分過大評価になっています。世帯構造に合わせにいった分布で調整するので、別の集計(世帯類型)の集計をしてみたら、若干ぶれる部分が出てくるという結果が出ております。
 8ページを御覧ください。こちらは推計人口との差を見たものです。各年齢階級別の世帯人員数と推計人口の関係です。ここでもやはり現行の推計値よりも試算②の推計値が、一番推計人口に近い値が出ているということで、昨年の人社部会では、世帯票に関して、世帯数は国調の分布を使う試算②が一番近いものになるのではないか、という評価を頂いたということです。
 9ページは、先ほどの3種類の方法で平均所得、中央値、所得五分位階級別分位値の数値を見たものです。現行方式というのが今の推計、この調査の結果です。国勢調査の分布に合わせにいく試算②で見ますと、現行に比べて、いずれの値も低くなっているという結果が出ております。世帯票の世帯数は国調に近くなるけれども、所得のほうの集計をしてみると、今より低くなっている。所得の分布というのは世の中に正しい分布というものがないので、低くなることが本当に正しい方向にいっているのかどうかという評価が難しいだろうというのが私どもの評価で、平成29年度当時の研究会の評価でもあります。
 10ページは1世帯当たりの平均所得を、高齢者世帯とか児童のいる世帯で見ました。ここでも試算②の国調に合わせにいく方法は、現行よりも低くなるという結果が出たということです。
 11ページは、国勢調査結果を用いる場合の問題点です。これも去年の人社部会に御提出したものです。国勢調査というのは5年に1回しか結果が出ないので、間の年の分布をどうしていくかという問題があります。仮に、5年間同じ構成割合になるものでしかできないとなると、右側にグラフを出していますが、5年ごとの階段状の分布になってしまいます。調査は毎年やっているにもかかわらず、経年変化が5年に1回しか動かないという結果になってしまいます。
 もう1つは下のほうにありますが、国勢調査結果と国民生活基礎調査結果を出すタイミングです。国民生活基礎調査というのは、調査の実施年の翌年1月から集計を開始します。要は、このタイミングで拡大乗数が必要になるわけです。一方で、国勢調査というのは、実施年の翌年10月ぐらいにならないと結果が出ないのです。仮に両者が同じ年に調査を実施したとしても、国民生活基礎調査の集計時には、最新の国勢調査結果の分布が反映できず、5年前の分布でしかなくなってしまうという問題があって、単純に国勢調査結果の分布を用いる方法では難しいという結論が、当時の平成29年度の研究会の結論ということで、その辺のことを書いているのが12ページです。真ん中のほうにありますけれども、①②のような理由があって、仮に国勢調査結果を用いる方法も、採用するのは難しいという結論に至ったということです。
 そこで今回、私どもからの御提案です。この国勢調査結果を用いる方法に替えて、社人研が公表している「日本の世帯数の将来推計」を利用することを検討してはどうか。これには全国推計と都道府県別推計があります。社人研のほうで5年に1回の国勢調査結果を基に、将来の世帯数を推計しており、全国推計は毎年推計されております。都道府県別推計は国調年に合わせて5年に1回の推計値が出されています。こういう2つの推計値を国勢調査結果に替えて用いてはどうかということです。
 13ページを御覧いただきたいと思います。上のほうの枠囲みにありますけれども、過去の研究会で行った試算②の国調の結果を使うのに替えて、簡易調査年は全国推計の値を用いる。大規模調査のほうは都道府県別の数字が必要なので、都道府県別推計の値を用いるという考え方でどうかというのが、私どもの御提案です。イメージとしては、先ほど計算式がありましたが、点線で囲っている層別の国勢調査世帯数というのが、社人研の推計世帯数に置き換わるというイメージです。
 この推計世帯数がどのぐらい国調と開きがあるかというのを見たのが、14ページです。平成27年の国勢調査と全国推計の差を見ますと、総数のところで、国勢調査のほうが42万8,000世帯多くなっておりますが、世帯構造で見ると、単独世帯では、78万1,000世帯多くなっております。それ以外の区分では、それほど大きな差は見られません。ただし、全国推計のほうで見ますと、「三世代世帯」と「その他の世帯」が1つのくくりになっています。基本的に国勢調査との若干の差はありますけれども、極端に「これは使えないよね」というぐらいの差ではないだろうと思っております。
 15ページは世帯主の年齢階級別に、平成27年の国勢調査と世帯数の推計を見たものです。どの年齢階級でも15万世帯ぐらいの差で収まっているので将来推計の値を使うことでも、それほど問題はないのかなと考えております。
 16、17、18ページは、仮に将来推計を使って試算②の考え方に基づいてやる場合、赤い点線で囲んでいる部分が推計値に置き換わるということで、このような計算式で拡大乗数を求めてはどうかと考えています。
 最後の19ページを御覧ください。実際に数値を作ってみないと、評価のしようもないと思いますので、まず次のワーキングに向けて、作業1は大規模調査結果の検証として、都道府県別推計の2009年のデータを用いて、平成22年の国民生活基礎調査のデータを先ほどの計算式で、もう一度回して結果を作って、国勢調査結果との比較をしてみます。
 もう1つは作業2として、簡易調査の結果も見ないと駄目だろうということで、2013年の全国推計を用いて、平成27年の簡易調査年である国民生活基礎調査のデータをもう一度作ってみて、国勢調査結果と比較してみようということです。これに当たっては、ただ単に世帯数だけではなく、例えば所得とか、3年に1回は貧困率とかを出しますので、主要な数字について、今の数字とどれぐらい変わるのかといったことも試算してみようと思っております。
 真ん中から下のほうですが、ただし問題点があります。今の新しい推計方法で、全国推計又は都道府県別推計を利用するに当たっては、まず都道府県別推計の問題点として、5年に1回の推計結果しかないので、間の年の大規模年をやるときに、どういうやり方をすればいいかというのが1点目です。2点目は、都道府県の数字はあるのですが、指定都市別の推計世帯数がないので、これをどうしたらいいかという問題です。両方の問題としては、三世代世帯がないとか、母子と父子の区分がないといった問題点を、何かよい工夫で、推計に取り入れることができないかということです。割と技術的な話になろうかと思いますけれども、こういった点について御意見を伺いながら試算をしてみようと考えております。
 最後に、世帯数の推計というのは、このやり方をすれば、それなりに国勢調査に近づくのではないかと思っているのですけれども、このやり方で結果を出した場合に、やはり所得票をどう評価するかというのが一番の問題だろうと思っております。これは実際に数値を作ってみて、次回以降に御議論いただければと思います。以上です。

○加藤主査
 最初に、今御提案のあった推計方法の見直しについては、国調とのタイミングが合わないということもありますので、まずは日本の世帯数の将来推計の全国推計と、都道府県別推計を利用した方法について、検証・検討してみてはどうかという御提案を頂きました。この点について委員の皆様方、何か御意見等はありますか。

○小山委員
 国立社会保障・人口問題研究所の小山です。今話題になっている日本の世帯数の将来推計というのは、私どもで推計・公表しているものです。私もその作業に関わっておりますので、今回、こちらのワーキンググループにお声掛けを頂いたところです。議題になっている、国調に代えて社人研の将来推計の値を用いて国民生活の結果を推計していくということに関しては、事前に少しお話させていただいて、最後にまとめていただいた資料の19ページにあるような問題点を、お互いに共通の認識として持っているところです。これに加えると言いますか、補足するようなことで言わせていただきます。
 社人研では、全国推計と都道府県別推計の2本を出しておりますけれども、都道府県別をして、それを積み上げて全国としているのではなく、先に全国の推計をして、それを振り分ける形で都道府県別の値を出しているという形になります。そういうわけでということでもないのですけれども、この資料の中でお示しいただいた推計値と国調との差というのは全国に関するものです。全国はまとまりも大きいので、その誤差はあまり大きくなりにくいのですが、都道府県になりますと、やはり全国一本で見たときよりも、もう少し誤差が大きいところが出てくるというのが、ひとつ気になるところかと思います。
 それから、将来推計の公表のタイミングというのもあります。国調が実施されて確定値が出て、研究の中で人口の将来推計もやっておりますので、その後で、まず人口の将来推計をやって、それが出たところで今度は世帯数の将来推計をするというサイクルになっているのです。ですから特に都道府県別の世帯数の推計というのは最後に出てきます。実際に最新の2015年国調をベースにした都道府県別の世帯数の将来推計の結果が公表されたのが、ついこの間の4月なので、やはり国調を使うときと同じように、1つ古い国調をベースにした推計値を使っていくということになると、やはりその実績と推計自体が乖離している部分があります。特に今、世帯のほうも減少期に入るとか、世帯の形成行動の変化などがいろいろあり、言ってみれば過渡期のような状況です。そうすると、その辺のタイムラグが結果に、どの程度影響してしまうのかというところを慎重に検討しないといけないことかなという第一印象と言いますか、今のところそのように考えております。

○加藤主査
 2015年に合わせにいくのではなく、2015年を使って世帯推計したものに合わせにいくから、結局は同じことになるという御趣旨でしょうか。つまり、タイミングがずれているので、本来であれば2015年の国勢調査に合わせにいったわけですけれども、それを使った世帯推計も結局は2015年の国勢調査を使っていたので、基本的にそこのタイミングのずれは解消できないという形ですか。

○小山委員
 そうでしょうけれども、世帯推計がもう1つ古くなるのです。2010年ベースの推計で、2015年にマイナス3.5を合わせにいくようなことになるので、少し差が大きくなってくるかなと。

○加藤主査
 とは言いながら、やはりやり方として、他には難しいかなという気もします。いかがでしょうか。当初の御意見のように、まずは世帯数の将来推計を利用した方法でいくということですけれども、今の小山委員からの御指摘も踏まえた上で、ほかに御意見はありませんか。

○樋田委員
 試算②は国勢調査を利用して推計精度を高めようという方法で、調査法では事後層化に当たると思います。②の方法の推定精度は、世帯数の推計の正確さに依存しますが、その推計のベースになるのは1つ前の国勢調査になります。全国と地域別の推計世帯数の精度が、調整係数の元になる数字として信頼できるか検証することが必要かと思います。
 また、①の方法も、候補となる方法だと思います。推計世帯数の精度が高ければ②のほうがいいわけですけれども、例えば、地域別ではあまり精度が高くないということであれば、その部分についてはより計算が容易な①の方法もあり得ると思います。最初の段階では、両方の方法を推計方法の候補として進めてはいかがかと思います。

○加藤主査
 いかがでしょうか。

○津谷委員
 もし誤解していたら、お許しいただきたいと思います。この②ですけれども、私はこの検討会にも参加させていただいています。国調の情報がどれぐらい信頼できるかという問題はあるかと思いますが、そこを言い出すと、「国調が駄目となったら、もうどうするのか」ということになってしまいます。これだけ大規模な世帯構造別の人口データのソースは他にはなく、どういう推計をやるにしても、国勢調査が基礎的なベースになるかと思います。
 とにかく、推計方法の②は直接合わせにいったものですよね。当然、国勢調査は5年に一度しか行われませんので、どうしてもデータが階段状になってしまいます。先ほど小山委員から御説明があったように、世帯推計もそうですが、将来人口推計でも全て国勢調査のデータをベースにして、そこから将来に投影していくという作業に変わりはありません。ですから、国勢調査の確定値、例えばここでは世帯主の性・年齢別の世帯構造別データの確定値が出てからの作業になります。
 調査実施から確定値が出るまで時間があるので、乖離が大きくなるのではないかという御心配がありましたが、世帯推計を含め将来推計では、各年次について推計データが出てきます。つまり、直接国調に合わせにいくわけではないので、将来推計のベースになっているデータは少し古くなるかもしれないけれども、推計には毎年の変化はそれなりに反映されているのです。ですから、前回の推計値とその後の実測値がありますので、将来人口推計でも、どういう乖離が生じたのかということについての検討をしています。できれば、ここでもそういう作業を遡ってやってみてもよいのではないかと思います。
 また、先ほど小山委員も指摘されましたが、全国推計については、恐らくそれほど大きな誤差はないのではないかと思います。しかし、これを都道府県に下ろしたときに、乖離が大きくなる可能性があります。人口推計もそうですが、全国推計の結果が先に決まっているので、地域推計はそれを都道府県、そして市区町村に割り振っていくという作業になってきます。そうすると、より小さな地理的地域に下ろしていくときに、それまでは深刻ではなかった問題が起こります。人口推計の場合は国内人口移動です。人口推計では地域間の人口移動についての不確定要素が非常に大きく、それが推計誤差の大きな要因になっています。恐らくこの問題は世帯推計にも影響していると思いますが、地理的地域が細かくなるほど、例えば、全国から都道府県、そしてさらに市町村と推計の単位が細かくなるほど、推計値とその後の実測値との乖離が大きくなっています。ここでは、全国単位の世帯推計を都道府県単位に下ろしたときの精度はどうなるのか。困難が予想されると思います。そして、その誤差・乖離をどうしたら効果的にチェックができるのか。難しい問題です。
 そしてもう1つ付け加えますと、人口や世帯については、まだそれなりに母集団になることができる基礎的な統計情報がありますが、所得などのお金に関してはその統計的情報のベースすらありません。ですから、これを検証するときに基準になるものがないので、どうすればいいのかということについても考える必要があります。試算していただいていますけれども、現時点でそれに対する答えを出すことは難しく、大変困難な課題だと思います。

○加藤主査
 都道府県別の誤差が出てくるかどうか、あるいは所得についても、いろいろ試算をしていかなければいけないということもあるのですが、まずは世帯数の将来推計を利用して検討してみるということについては、いかがでしょうか。もしなければ、それを前提として御意見を頂こうと思います。そうではなく、やはり将来推計を使うのは反対だという御意見があれば、いただければと思います。なければ、いろいろ課題があるということで、小山委員からも津谷委員からも樋田委員からも御指摘を頂いたのですけれども、これ以降、世帯数の将来推計を利用するに当たっての問題点について、更にお考えになるようなこと等がありましたら、それについて御意見等をお伺いできればと思います。いかがでしょうか。

○臼井委員
 非常に重要な問題を取り扱っていると思いました。どういう試算で計算したのか、どういう仮定を設けているかも説明した上で、結果を公表する方法もあるかと思いました。それぞれの方法のメリットやデメリットが分かった上で、皆さんが各自判断するということになるかと思います。

○加藤主査
 いろいろな課題もあるかと思うのですが、いかがでしょうか。

○小塩委員
 質問です。もし推計方法を修正するということになったら、過去の結果も全部遡及して修正するというところまでいくのですか。

○中村世帯統計室長
 まだそこまで、こうするというように結論を持っているわけではありません。

○加藤主査
 それは、ある程度やったほうがいいのではないかということですか。

○小塩委員
 連続性の問題です。

○加藤主査
 おっしゃるとおりで、あとはそれに掛かる労力や費用対効果みたいなところをどう考えるかという話がありますが、いかがでしょうか。

○津谷委員
 これもこれから考えるべきことの1つとしての指摘です。過去の結果を遡及して修正するとなったときに、世帯推計をいつからやっているかを含めて、どこまで遡るのかについても考える必要があります。人口推計でも、5年に一度実施される国調の確定値が間もなく出るという時点で部会を立ち上げて、社人研に実際の推計をお願いしながら将来推計作業をやるのですが、推計のためのモデル自体が複雑化し精緻化されています。パラメーターの数も変わっていきますし、人口行動自体が変化してきておりますので、いつ頃から世帯推計が行われているのかということと同時に、どれぐらいまで遡って修正するのかということを慎重に検討する必要があります。
 例えば、1回遡ってということなのか、それとも全部遡るのか。全て遡及する場合、そうするだけのメリットがあるのかどうか。さらに、世帯推計の方法や結果の検証にまで入らなければならないのか。こういった問への答えを出さねばなりません。世帯推計もそうだと思いますが、人口推計についても、各回の報告書をみると、その量や内容が大きく違います。昔は量もそれほどではなく内容も比較的単純だったのですが、近年急速に複雑化し精緻化しています。さらに、推計作業の本体が終わった後で、追加的にいろいろなケースやシナリオを想定して推計を行い、その結果についての特別報告書まで出していますので、ここでもどこまで範囲を広げて推計を行うのかということを考える必要があります。
 先ほど臼井委員から、公表についての御指摘があったのですが、もう少し具体的にどういうことなのかご説明いただけますか。

○臼井委員
 どのような試算を取るのかによって、多少結果が変わってきているので、それぞれの試算をどのように推計したのかというのを説明し、その試算だったらこういう値になりますという形で、幾つかの状況を。正確な値が分からないと、予想しなくてはいけないという問題があるのでしたら、そのような形で提示するのも1つの方法かと思いました。

○津谷委員
 誰を対象に提示するのですか。

○臼井委員
 こういう会です。

○津谷委員
 ここでですね。

○臼井委員
 はい。

○津谷委員
 一般にということではないのですね。

○臼井委員
 はい。

○津谷委員
 世帯推計や人口推計はかなりテクニカルなことですので、何をどのように公表するのかについても考える必要があります。このような会の参加者や関係者に向けて公表するのでしたら問題はなく、むしろそうするべきで、恐らくそうされると思いますが、不特定多数の一般の方を対象に公表すると、「これはどういうことですか。説明してください」ということが多くなる可能性も考えられます。
 以前、「道を歩いてる人にも分かるような政府統計を作れ」ということが言われたことがありましたが、それには賛成できません。道を歩いている人だれにでも分かる統計もあるかもしれませんが、専門的知識と経験を必要とするものも多くあります。私たちがこういう場所に集まって時間を使って検討しているということは、統計データの収集と分析にかかわる専門的な部分を私たちが担っていることだと思います。もちろん、その検討結果は、分かりやすくかみ砕いて、必要な所にはお伝えするべきですが、「これは一体どういうことなんですか」という質問に対して、いちいちそれら全てについて御説明するというのは本来の使命ではないのではないでしょうか。
 誰にでも分かるような政府統計というのは一見望ましいことのようですが、誰でも分かるのなら、わざわざここに集まって長い時間と多大な労力を使って頑張る必要はないわけです。このようなわけで、臼井委員のおっしゃった意味がよく分からなかったのでお尋ねししました。もちろん今、ここでいろいろな御意見が出ていますので、それに従って作業をやっていただいて、その後また、その結果をお示しいただいて、私たちが再び意見交換するということになっていくと思います。

○加藤主査
 ほとんど津谷委員にまとめていただいたのですけれども、ほかにありますか。

○大久保委員
 これから試算をしていただくわけですが、今お話にありましたように、全国より都道府県のほうが、だんだん誤差が大きくなっていくということで、この国民生活基礎調査では、各都道府県で独自に、これに合わせてプラスアルファしている所はないですか。

○中村世帯統計室長
 プラスアルファというのは。

○大久保委員
 以前に国の調査に都道府県が独自に上乗せをして、例えば栄養調査とかあったような気がしますが、もし上乗せ調査をしている所があれば、その値は、これを出す都道府県値よりも、より精度の高い値になると思うので、その値との比較もされるといいかと思ったのです。都道府県で上乗せしている所はないのですか。

○中村世帯統計室長
 最近はやっていません。

○大久保委員
 分かりました。

○中村世帯統計室長
 資料4の19ページに、仮に試算する場合の問題点として、5年に1回しか推計結果がないので、間の年の大規模を出すときに、例えば5年に1回の値が2つあって、直線で結んでやるやり方がいいかどうかという技術的なところの御意見を、まず伺えればと思うのです。間の年の推計をするときに、どうしたらいいのかということです。

○小山委員
 印象というか。人口はもう減少になっているのですけれども、世帯数は今はまだ増えていて、これから減少が始まるのです。都道府県なども同じように、世帯の総数もこれから少しずつ減り出していったり、家族類型別に見ると、単独世帯もいずれは減りますし、その他の世帯というか、三世代のような世帯もずっと低下している所が多いのです。そういうように、いろいろな面で世帯数のピークというのが、主にこの先出てくるのです。その辺で単に2点間を結んでしまうと、その間にピークがあるということは、世帯に限らず十分に考えられるのです。だからといって、そこにどう対応できるかといううまい方法がないので、まずはやってみるということになるだろうと思います。
 一番新しい推計では、日本全国の世帯数のピークは2023年というように出ています。その5年の間にピークがあって減ってくるというのなら、直線で結んで中を取ってというのでも、どの程度、大きな差があるのかないのかというのは、本当に後になってみないと分からないところでもあるのです。ただ、ほかに代わる数字がない以上は、ひとまずは、それでやってみるということになるのかなということです。

○加藤主査
 当面は何とかなるけれども、これがずっと使えるわけではないということですよね。

○小山委員
 いずれは低下の基調になってしまうので、そうなればあまり心配はなくなるのですけれども、時期によっては、ちょっとずれてくるところがあるかもしれない。私も検証していないのであれですけれども、特に10年ぐらいの間は、そういうことが起こりやすいかなと。

○津谷委員
 世帯の全国推計について、先ほど小山委員からご指摘がありましたが、今はちょうど世帯構造の分布が変わる局面で、世帯数は微増ですが増えています。しかし、これから世帯数は減少傾向に転ずるであろうといったときに推計をするのは、なかなか難しい問題があるだろうと思います。先ほど中村室長が言われた俗に言う線形内挿、つまり2点間の両方にデータがあり、それをまっすぐに直線で結んで行う推計、線形補間とも言うのでしょうか、その線形内挿を全国について行う場合は、もう少し以前の分布のデータもありますので、それを使って線形内挿をやってみてもよいと思います。
 しかし、世帯数の増加はスローダウンしてきており、そうしたときには、変化のトレンドを見て、それを基に何らかの曲線のフィッティングを行う必要もあると思いますが、そのために新しいモデルやパラメーターを作らなければならなくなることもあります。人口推計の場合には、コーホート要因法という確立されたモデルがあり、そのバリエーションは多くありますが、世界中の多くの人口推計は長年ずっとこの方法でやってきていますので、それなりのノウハウの蓄積もあります。しかし世帯推計の場合には、もしリニア推計をしないとなったら、どういうようにカーブを作って当てはめるのかということを考えなくてはなりません。もちろんまず線形モデルを使って推計をやってみるべきだと思いますが、その後加えてもう少し複雑な方法で推計をやってみることを考えてもよいかなと思います。
 ただそこで問題になるのは、全国推計の結果を47都道府県に下ろしたときです。都道府県の中には減少が始まっている県が相当数あるのではないかと思います。そうした場合に、県によって別の複数のモデルを作って推計をやらなければいけなくなります。小山委員もおっしゃったように、今後長期的に全国も都道府県も世帯数が減少傾向に入り、さらにその減少がほぼ線形であれば、ちょっとした修正で、全国推計の結果を都道府県まで下ろせると思うのですが、今はタイミング的にも非常に難しい時期ですので、まず全国推計から挑戦してみて、一番簡単な線形補間を行い、次にカーブのフィッティングという形でやってみてもよろしいかと思います。ただ、私たちは言うだけですから仕事は簡単ですけれども、実際にやるほうは本当に大変だということはよく分かっておりますので、マンパワーを考えると、できないものはできないということでご対応いただければと思います。

○宮﨑専門官
 過去を見るにしても、どういった過去のデータで、どこから見てトレンドを出すかというところもありますので、現時点でどういったデータがあってというのは。比較的簡単にモデルを作って、1回トレンドを入れたバージョンでというのが、パッとできるかできないかというのは、この場ではお答えできないのです。もちろんチャレンジと言いますか、元データを見てやってみようかとは思っておりますが、この場で「必ず出します」というお約束はできません。申し訳ございません。

○加藤主査
 ほかにいかがでしょうか。もしないようでしたら、今のお話を伺いながら、一応世帯数の将来推計を利用するということで、幾つかの試算にトライしていただきます。線形にするか、カーブにするかといったことも含めて、今後は少し事務局のほうにお任せして考えていただければと思っております。時間も過ぎておりますので、各委員からいただいた御意見を踏まえ、今後、事務局においては世帯数の将来推計の過去のデータを用いた試算の作業を、まずはお願いしたいと思っております。次回以降のワーキングで、その試算結果を御提示いただいて、また改めて議論をさせていただきたいと考えております。
 私が議事の進行に不慣れなもので、時間も超過して申し訳ございませんでした。本日予定しておりました議題は、全て終了いたしました。委員の皆様におかれましては、また何か御不明な点あるいは御意見等がありましたら、今月中に事務局宛てにメールで御連絡を頂ければと思います。それでは、事務局にお返ししたいと思います。

○細井統計企画調整室長
 長時間にわたり、闊達な御議論を頂きまして、ありがとうございました。次回のワーキングは、本年10月から12月の間で日程調整をさせていただければと存じます。改めて御連絡申し上げます。引き続き審議に御協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。それでは、これをもちまして第1回のワーキンググループを閉会させていただきます。本日はお忙しいところ、御出席いただきまして誠にありがとうございました。



                                                                                                                                                                                       (了)

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