第73回がん対策推進協議会(議事録)

健康局がん・疾病対策課

日時

令和元年6月28日(金)14:00~16:00

場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール14B(14階)
(東京都港区赤坂2丁目14-27 国際新赤坂ビル 東館 13F/14F)

議題

(1) がん診療連携拠点病院等の整備について
(2) がん研究10 カ年戦略報告書(中間評価)について
(3) 中間評価指標について
・④基盤整備
・中間評価指標のとりまとめ
(4) その他

議事

 
○健康局がん対策推進官 それでは、定刻前ではございますが、皆様おそろいでございますので、ただいまより第73回「がん対策推進協議会」を開催させていただきます。
委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりをいただきましてまことにありがとうございます。
初めに、委員の交代がございましたので御報告させていただきます。川本委員にかわりまして、日本看護協会常任理事の荒木暁子委員に御就任をいただいております。本日は、御欠席と伺っております。
それも含め、委員の出欠状況でございますが、本日は荒木委員、茂松委員、田中委員、松村委員から御欠席の御連絡をいただいている次第です。
また、本日は参考人として、国立がん研究センター中央病院のがん対策情報センターがん臨床情報部がん登録センターの東尚弘参考人にも御出席をいただいております。
事務局及び関係省庁からの出席者については、お手数ですが、座席表を御参照いただければ幸いです。
なお、佐原審議官でございますが、この後、途中、公務で退席をさせていただきますことを御承知おきいただければ幸いです。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。お手元には、座席表と議事次第、続きまして資料が1番~6番まで、最後の6番は開くとA3になる色刷りの資料となっております。
引き続きまして、参考資料が1~5までで、5については鈴木委員からの提出資料で、1枚、違う形で置かせていただいております。
また、机上資料としてファイルにとじた形で、委員の皆様におかれましては第3期がん対策基本計画、第1期、第2期の中間評価報告書及びクリップどめで第71回、第72回の中間指標の議論で使用させていただいた資料及び鈴木委員から御提供いただきました本がございますので、こちらを委員の皆様にはお手元に御用意をさせていただいております。
資料に不足、落丁等がございましたら、事務局までお申しつけください。
それでは、以上をもちましてカメラのほうを終了させていただきますので、お納めいただきますよう御協力をお願いいたします。
事務局からは、以上でございます。
○山口会長 それでは、皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、事務局からの報告事項がございますので、議題1、2でそちらを説明していただき、その後、議題3で中間評価指標の残りの部分の議論をさせていただき、取りまとめを進めていくという手順になっております。
なお、議論に当たって、中間評価について東先生から参考人として御意見を伺うことになっておりますので、よろしくお願いします。
議題に入る前に、前回の議論の取りまとめ、あるいはそのとき質問があったことに対する回答を資料5でまとめていただいております。1枚紙の資料5をごらんいただけますでしょうか。
おおむねよろしいかと思うんですけれども、2点ほど会長として気になる点がございますので、それを指摘し、その御意見をおっしゃった方にそれでよろしいかという点を伺おうと思います。
最初は、「「がん予防」について」の一番上のHPVワクチンに関する指標という御意見がございました。たしか1~2名の方がおっしゃって、私が検討してくださいというふうに申し上げたのではなかったかと思いますけれども、一応ここに回答文書を書いていただいております。
一言でいうと、今、他の分科会等で議論、評価が進んでいる段階なので、この中間評価指標にすることは適切ではないだろうという最終的な厚労省としての考えだと思うのですけれども、この御意見をいただいた方、これでよろしゅうございますでしょうか。
○羽鳥委員 多分、私だったと思うんですけれども、おっしゃることはよくわかりますが、少し後ろ向き過ぎるかなと思います。最低限、予防接種がんワクチン分科会で出た結論を中間報告でも何でもいいですけれども、ある程度の結論が出たらこちらに速やかに報告していただけたらと思います。
○山口会長 事務局、いかがですか。
○健康局がん対策推進官 事務局でございます。羽鳥委員、御指摘ありがとうございます。
まさに我々の問題意識といたしましては、今回、中間評価指標とさせていただくと、がん対策推進協議会においてこの値がどうであるといった評価をしていただくことになりますが、それは厚生労働行政の中で現在ここに書かせていただいた予防接種・ワクチン分科会のほうで議論させていただいておりますので、その結果については羽鳥委員が御指摘のとおり、結論が出次第とはなりますが、御報告をさせていただく形をとらせていただければ幸いでございます。
○山口会長 そのほか、この点に関してどうぞ。
○中釜委員 この点に関して私も発言させていただいたのですが、ここの回答にありますように、現状でその具体的な指標として、現在ほかの審議会等で科学的な遺伝子レベルを構築している。将来的にはそれを踏まえた評価表というのが作られるかと思うんですけれども、現状ではこの回答でよろしいかというふうに私は思います。
○山口会長 ありがとうございました。そのほか、よろしゅうございますか。
では、もう一点、これはまとめ方の問題かもしれないんですが、「「がん医療」について」の主な御意見の3番目で、がんゲノム中核拠点病院の薬物療法に専門的な知識及び技能を有する医師の数を追加するというお話で、回答をいただいているのですが、A3の資料6というものをごらんいただきますと、この「がんゲノム医療」というブルーの黄色のラインの1番のところに赤で「薬物療法に専門的な知識及び技能を有する医師の数」というのを入れるという新たな提案なんですけれども、もう少し下のほうを見ていただくと、下から10行目くらいにがんのさまざまな治療法の中の2041番に「1拠点病院あたりの、がん薬物療法専門医数」という同じような意味合いの項目が2つになってきています。
それで、南委員にちょっと伺いたいんですけれども、このがんゲノム医療に特化したような方の数と、それからその下のほうに書いてある拠点病院の薬物療法医とは現実問題として分けられるものですか。
○南委員 我々の感覚とすれば、ほぼ重なってくるものだと思いますが、ただ、ゲノム医療のゲノムパネル検査に関しましては、薬物療法の専門医でなくてもいいと思います。しかし、結果を患者さんに還元する際に、薬に結びつけるところはやはりがん薬物療法専門医であってほしいと思いますので、検査の部分と薬につなげる部分とで、若干その書きぶりが変わってもよろしいのかなとは思います。
○山口会長 そうすると、1つの中間評価の項目の中でこの2つの項目が分かれて、多分ほぼ同じような数字が出てくるのではないかと思うんですけれども、これでそう問題は起きないか。問題が起きることはないかもしれませんが、ダブっているような気がしないでもないのですが。
○南委員 気持ちとしましては、がん薬物療法専門医で統一していただけるとありがたいという気持ちはありますが、現実問題として、がん薬物療法専門医の数の問題もあります。実地診療に支障を来してはいけないと思います。将来の目指すべきところは、全ての拠点病院に配置をお願いしたいとは思いますが、当座はやはり数という点で、しかも若干書きぶりが違ってもゲノム医療はまだ導入されたばかりですし、それを推進する支障になってはいけないと考えていますので、今の段階ではこういう書きぶりでもいいのかなと思います。
○山口会長 ありがとうございました。
私がちょっと気になったのはその2点なんですが、ほかの委員の皆様でこの資料5における回答についてどうぞ。
○健康局がん対策推進官 失礼いたします。事務局でございます。今、南委員のおっしゃっていただいた点に1点だけ補足させていただきたいと思います。
事務局といたしましては、2016番と2041番を変えさせていただいた理由といたしましては、2016のほうはがんゲノム医療の枠の下ですので、我々のゲノムの拠点病院の整備指針においても、技能を有する医師という形で書かせていただいていたので、あえて専門医に限らない指標で整備指針と整合性を図ってはどうかという提案でございます。以上でございます。
○山口会長 ほかに、この資料5に関して御意見等はよろしゅうございますか。どうぞ。
○坂下委員 先ほどちょっと言いそびれたんですけれども、HPVワクチンに関する指標についてのところですが、実際に現状でどれくらいの人が受けているかというワクチンの接種率みたいなものはその分科会のほうで評価する予定はあるのでしょうか。
○山口会長 事務局、どうぞ。
○健康局がん対策推進官 それも含めて、HPVワクチンに関することはそちらで議論をされるというふうに伺っております。
○山口会長 では、前回、前々回の課題をここで終了させていただいて、議題1について事務局より御説明をお願いします。
○健康局がん対策推進官 それでは、失礼をいたします。お手元には、資料2を御用意いただければと思います。
前回の協議会以来、がん診療連携拠点病院に関して幾つか進展がございましたので、この場をかりて御報告させていただきたいと思います。
大きく分けて、3つでございます。1つは、成人の拠点病院の整備指針が平成30年7月に変わりましたことを受けまして、本年3月に成人の拠点病院を指定させていただきました。
もう一つは、同じく30年7月に変わりました小児がん拠点の整備指針、これを踏まえまして小児がん拠点を指定させていただいたということです。
さらにもう一つは、6月12日にがん診療連携体制のあり方検討会で承認をいただきましたが、がんゲノム医療の関係で中核拠点病院と連携病院の間に拠点病院という類型を新設させていただきたく、こちらの要件をお認めいただいたという3点でございます。
スライドに移らせていただきます。2枚目のスライドが、今般の成人の整備指針の見直しのポイントをまとめさせていただきました。
おめくりいただきまして3枚目に移っていただきますと、その中でも地域がん診療連携拠点病院については、その真ん中に「一般型」と書かせていただいておりますが、それ以外で望ましいとされている要件を複数満たしたり、その医療圏の中で最も診療機能の高いような病院については、都道府県からの推薦のもと、「高度型」という類型を今般設けさせていただきました。そういった形で、類型の見直しを行っております。
下にある「特例型」については、本年度適用はしておらず、現在拠点病院として指定された病院が次年度以降ですので、令和2年の4月1日以降、一部要件を満たしていない場合はこの類型という形で、この未充足の状況が継続した場合は指定の取り消しも検討していくという形で考えております。
4枚目のスライドが、成人のがん診療連携拠点病院の類型を一覧化させていただいたものです。
5枚目と6枚目が、整備指針に書いてある内容をベースに、今回審査をするに当たりましてわかりやすさ、透明性の観点から、アルゴリズムのような形で、このような方針で審査をしたというものを明示させていただいた内容になっております。
一部、5枚目のスライドの中に、経過措置項目というものが設定されておりますが、おめくりいただきまして7枚目のスライドでございます。これは、平成30年7月に一部、人的要件がかなり強化をされて、例えば常勤化されたりしております。そういった内容を1年、もしくは2年の間はこちらが充足していなくても認めるといった項目を設けているという内容であります。
その結果でございますが、ことしの4月1日時点では8枚目のスライドのとおりでございまして、具体的には参考資料1の形で、今般7月1日付で幾つか認めさせていただいている医療機関がございますので、合わせますとがん診療連携拠点病院393カ所と、地域がん診療病院43カ所を7月1日から指定をする体制に見込んでおります。
おめくりいただきまして、9枚目と10枚目は仮に移転、分離、統合があった場合、どういう取り扱いをするかというのが平成30年4月の診療提供体制のあり方検討会で合意されていますので、その内容を再掲させていただいております。現に、7月1日に兵庫県の病院さんで1つ統合される病院がありましたので、このルールを適用しております。
おめくりいただきまして、11枚目のスライドからが小児がん拠点病院に関する事項でございまして、11枚目のスライドが見直しの概要をまとめさせていただいた内容です。
それを踏まえまして、12枚目のスライドにある15カ所の病院を本年4月1日から4年という形で小児がん拠点病院として指定をさせていただきました。
これから、それぞれの拠点病院に行っていただくことが13枚目から14枚目のスライドでございまして、13枚目のスライドの下側にあるように、これから地域ごとに拠点病院が集まっていただきまして、地域ブロック協議会というものの開催をお願いしたいと思っております。その中で、我々の整備指針の中で3類型の小児がん連携病院を指定していただきたいと考えております。
具体的には14枚目のスライドに3つ書いてありますとおり、①地域の小児がん診療を行う病院、②特定のがん種、ここでは脳腫瘍などを念頭に置いておりますが、そういった診療を行う病院、最後に③は小児がん患者の長期の診療体制、長期フォローアップを行っていただける病院です。それで、こちらは目安を示しておりますが、地域特性によって若干要件を緩和したりする事情があろうかと思いますので、こちらは地域ブロック協議会で御審議をいだいた上で、それぞれ指定をしていただくことを考えております。
具体的な手順については、この後、近日中に課長通知でお示しさせていただく予定でございます。
おめくりいただきまして、15枚目からががんゲノムに関する事項でございまして、先ほど冒頭に御案内させていただいたとおり、15枚目の下のほうにあるがんゲノム医療中核拠点病院と、がんゲノム医療連携病院が現行ある病院でございます。
その一覧については、16枚目、17枚目に11の中核拠点病院と156カ所の連携病院をお示しさせていただいております。今般、その間に「がんゲノム医療拠点病院(新設)」と書いてあるとおり、間の類型を新設させていただいたわけですが、その心はことしの6月に遺伝子パネル検査が保険収載されましたが、この遺伝子パネル検査の結果を解釈する専門家委員会、エキスパートパネルを自施設で開催できる医療機関ということで、このがんゲノム医療拠点病院を指定させていただきたいと考えております。これは、現にこの検査を望む患者さんの需要も考えた上で、一定の数、必要だろうということであります。
18枚目に進んでいただきますと、その趣旨を酌みまして、6月12日の検討会におきましては左にありますとおり医療提供体制、がんゲノム医療の検査の結果、解釈などについては中核拠点病院と同様に専門家委員会を自施設で開催できるような病院であって、一方で人材育成、治験・先進医療などは今、既に指定されている11の中核拠点病院でリーダーシップをとっていただくという形で、拠点病院をダイヤモンドの形で示しておりますが、役割をお認めいただいた次第でございます。
19枚目が、その検査を実施してから治療に至るまで、または研究開発、人材育成のフローに沿ってそれを詳細に書き下した図となっております。
20枚目が、今後どのようなスケジュールで指定するかということでございますが、拠点病院については早ければ9月に指定しますが、中核拠点病院は2020年の4月に更新時期がまいりますので、その時点で見直しをし、連携体制が重要でございますので、2022年4月をもって両者合わせて更新の手はずを整えたいと考えております。
最後に21枚目のスライドですが、今回6月1日に収載された遺伝子パネル検査の位置づけを御説明させていただきたく存じます。100~300にわたる遺伝子を一気に調べる検査でございますが、これについては3学会のガイダンスに基づきまして標準治療があるような方、①の矢印でございますが、これはこれらが終わった固形がん患者について遺伝子パネル検査を行います。標準治療のない固形がん患者については②の矢印に沿っていただいて、その時点で遺伝子パネル検査を行っていただいて、がんゲノム医療に進んでいただく。こういう位置づけで、保険診療が認められている次第です。
事務局からは、以上でございます。
○山口会長 ありがとうございました。大きな動きとしては、まず一般の拠点病院に関して都道府県拠点がこれまで1つ、2つ指定されないという状況が起きていたのですが、7月1日に群馬大学が再指定を受けるということで、これで全都道府県に都道府県拠点が復活するという点が新たな点ではないかと思います。
それから、小児の連携病院というような新しい制度ができたことですね。
それから、がんゲノム医療の体制が徐々に整いつつある。そういうあたりがきょうの御説明のポイントじゃないかと思うんですけれども、委員の皆様から今の資料2について御質問、御意見を受けたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○轟委員 今回の小児、希少、難治に対しての対策の強化というのは、今回のがん対策基本法、それから推進計画の大きな柱の1つであると思いまして、今、説明いただいたことはまさに具体的にこれが連携できるかというところの大きなポイントであると思いますけれども、小児がん拠点病院を見ましても全くない地域があったりしますよね。四国に全くなかったり、地域によっては京都のように2つ重なっているとか、そういう地域差がありますけれども、その連携が本当にできるのかというのは、私は前回の協議会でもそのような意図で申し上げたんですけれども、患者体験調査だけではなくて、やはり病院側がこういうところにつなげようとしているかどうかというような働きを調査していただけないかと思っております。
もう一つ、難治、希少の立場といたしましては、このゲノムに関しても大きな取り組みだと思うんですけれども、標準治療がついえたではなくて、ついえた時点でここを探し始めても時間がないんですね。そして、この文言の中にも、標準治療の終了が見込まれるという文言が入っていると思いますけれども、例えば診断がついて、難治、希少がんである場合には、近い将来、終了が見込まれたり、標準治療がない場合があります。
そのような方たちがどのような形でここにつながっていくかということが大きな実践のポイントだと思うんですけれども、現在6月に保険収載が決まっても、準備ができた病院から実施されるということも伺っておりますし、私のもとに寄せられる相談としましても、明らかにもう標準治療の終了が見込まれる方が全くその情報、そしてどこに相談したらいいのかということの情報が届いていないんですね。
ですから、このことも合わせて、やはり連携する、そこにつなげていくために、病院側がどのような努力をしているのかということも、ひとつ指標の中に入れていただくと、意識につながるのではないかと思っておりますので、そのように意見を申し述べさせていただきました。
○山口会長 最初のパートは事務局から、後のパートはもしよければ間野委員から。
○健康局がん対策推進官 それでは、失礼します。事務局でございます。
小児がん拠点の件、御指摘ありがとうございます。先日、私も小児がん拠点の連絡会議のほうに参加をさせていただきまして、既に30年7月からこのような連携を今後していただきたいと申し上げていたことを踏まえ、地域ブロックごとにどういった施設が連携病院の候補になり得るかというのは、声かけが始まっているという御報告を各地域からいただいている次第です。
また、小児がん拠点が四国などにないという点は、現に申請がなかったとところもあるのでございますが、それは小児がん拠点病院の指定の検討会でもまさに御指摘をいただいたところで、その地域性に配慮しなくていいのかということもあった中での結論ということでございます。
ですので、そのときには四国だけではなくて、日本海側もやはりアクセスが乏しいのではないかという御指摘をいただいておりまして、それはこの連携病院の中でカバーをしていって、小児がんの方が適切に治療につながる体制を地域ごとに構築するようなことに努めていきたいと思っていますし、先ほど申し上げたとおり、この後、課長通知でどういった連携をされているのか、どこを連携病院にされたのか、そういうことを現況報告の形で求めていきたいと思いますので、そういった形でフォローをきちんとしていきたいと思っております。
○山口会長 よろしいですか。
○轟委員 はい。
○山口会長 では、間野委員お願いします。
○間野委員 どのような病院が実際にがん遺伝子パネル検査を保険収載でスタートしているかというご質問ですが、各病院はパネル検査をする会社と、検査に関する契約をして、病院で契約が成立してから実際には検査をすることになります。そのため、6月1日に保険収載されても、契約に2週間とか3週間とか病院ごとに違う時間で必要です。
恐らく、ゲノム医療中核拠点とか連携病院の中で、契約が済んで既にパネル検査がスタートしたというのは本当にごくわずかなのではないかと思います。実際にパネル検査がスタートしたら、それをちゃんと病院がアナウンスしていただくということが必要だと思います。
ですので、まだ多くの病院が実際にまだ検査ができる状態に契約が成立していないんじゃないかと思います。
○山口会長 どうぞ。
○轟委員 まさにそのようなことがきちんと国民に周知されることがとても大事だと思うんですけれども、新聞とか報道を読んで、このような検査が保険収載で行われるのだということを多くの方が多分、耳にしているんですね。
その後、私のところに寄せらせる相談みたいなものも、以前は免疫療法というような言葉で質問してくる方が多かったのですが、最近は遺伝子という言葉とか、ゲノムという言葉を巧みに利用して、自分たちの診療に誘導するようなことがふえているようで、聞いていてもとても怖くて、また、そのような遺伝子検査が治療に結びつくのだという過度な期待が起こってしまっていて、結びつくのは1割、2割だということもきちんと知らせておかないと、例えば何かのキットとか、それからうちは遺伝子検査ができますというようなちまたのクリニックがもうやっているから、ではここに行けば私の治療がわかるのかというような誤解を生んでいることを感じるんです。
ですから、これはすごく大きな治療の転換点だと思いますし、難治、希少にとってはとても大きなことなので、ぜひそのあたりの過度な期待とか誤解が生じないような周知をぜひよろしくお願いいたします。
○山口会長 あとは、対象は、今は保険診療になって、大分最初の文言は変わっていますので、もう一度ごらんいただくと御理解いただけると思います。
そのほか、どうぞ。
○羽鳥委員 先ほどの小児がん拠点の話ですけれども、私もこの委員会に出ていて、四国は確かに立候補がなかったこともありますが、北陸は立候補があったんだけれども、ほかの病院と比べると相対的な点数が低くて落選しました。確かに近畿で近接したところに4つ、東京もそうですが、地域的なバランスは次のときは考慮されたほうがいいんじゃないかと感じました。
○山口会長 事務局、それでよろしいですか。
では、どうぞ。
○槍山委員 ありがとうございます。小児がん拠点のお話ですが、我々の地域にある、ないという話ではなくて、マル1ですが、今回の連携病院というのは地域の小児がん診療を行う連携病院として、恐らく拠点病院とほぼ同じような要件を満たしてくださいという形でお願いしている状況なので、本当に難治の患者さんとか、非常に治りにくくてレアな患者さんはまさに拠点の先生方にかなり高度な治療を要求されるのですが、そうでなくてある程度標準治療で治ってしまうような患者さんをこのマル1の病院で何とか地域として、地域のいわゆる拠点というような位置づけで、連携の中でうまくやってくださいということだと思います。
それで、恐らく拠点病院の数をふやすということは余りいいと考えられていないのが我々医者側の考え方なので、むしろ患者さん側もいい治療を受けるためにはやはり集約してくださいということはあると思うんです。
ただ、全部の患者さんを集約するというのはナンセンスなので、ある程度治療が見えている患者さんとか、よくいえば白血病のような形で既に9割くらいの治療成績が出ているような患者さんは、地域のマル1の病院できちんと治療ができるでしょうという形で、今回は恐らくネットワークをつくっていただくのではないかと思っています。
この結果を見ていただいて、次のあり方を検討すべきだと私は思っているので、北陸にないから、四国にないからということも確かに大きな問題なんですが、我々も中国、四国を扱っていますけれども、四国の患者さんとどういうふうにやるかというのは既にネットワークがかなりできている状況だと思っています。
その中で、この1、2、3の病院をうまく指定して、振り分けてうまく機能させるというのが今回の目的かと思っているので、その辺は御理解いただいたほうがいいかというのが私の意見です。
それに引きかえて、今のあたりを見ていただいているのが恐らく成育医療センターと国立がんセンターの中央機関だと思うんです。中央機関の役割が、その辺をうまくコントロールしていただけるのではないかと思うので、先ほどお示しになりましたが、その下の連絡協議会がかなりよく働いているなと私は思っていて、この何年か拠点病院を見せていただいていますが、かなりよくファンクションしているのではないかと思っています。
それで、1つ懸念があるのは、AYAの患者さんがそういう意味では少しおくれているのかなという気がしています。
○山口会長 よろしいですか。
それでは、ほかに御意見がありましたらどうぞ。
○坂下委員 2点ほど御質問があります。
8枚目のスライドで、「がん診療連携拠点病院等」というところの左側の下のほうに「特定領域がん診療連携拠点病院1カ所」というのがあるんですけれども、恐らく地域には疾患特異的な、ただ非常に専門的にそれを扱っている病院というのが結構あるんじゃないかとは考えるのですが、全ての科がそろわないにしても、非常に特化しているところについても今後こういった形で連携拠点病院という形で広めていく、認定していくというようなお考えなのかどうかということをお聞きしたいと思います。
もう一点お聞きしたいのが、固形がんのゲノムについては非常に進んでいるんですけれども、21枚目のスライドで「遺伝子パネル検査を用いたがん医療の流れ」で、血液みたいながん種の場合にはここに入ってこないのか、また別な形でこういうものが用意されているのか。その辺も含めて教えていただけたらと思います。
○山口会長 最初の問題は私が委員長として決めてきたテーマなので、一言で答えると、申請が上がってこないんです。なかなか条件のこともあるのかもしれませんけれども、乳がんの専門病院が1箇所、数年前に決まっただけで、それ以降は申請がほとんど上がってこないという状況です。
それで、提供体制の議論の中でもそれをふやすという議論には余りなっていなかったように思いますが、事務局から何か補足していただくことはありますか。
○健康局がん対策推進官 御指摘のとおりでございます。おっしゃるとおりで、今回も申請が上がってこなかったので、参考資料1にありますが、鹿児島県の相良病院さんが当該区分で認められているというのが現況でございます。
○山口会長 ゲノムのほうに関しては、いかがですか。
○健康局がん対策推進官 失礼いたしました。事務局でございます。ゲノムのところは、おっしゃっていただいたように、今は固形がんしか保険収載されているものがなくて、小児であるとか、血液であるとか、今後どうしていくのかという御指摘はまさにあったところでありますが、それらの遺伝子パネル検査については研究開発段階をまだ出しておりませんので、現に上市が見込まれてきたら、そちらについては別途検討するということを6月中にまとめていただいております。
○山口会長 ほかに、御意見いかがでしょうか。どうぞ。
○坂下委員 ありがとうございます。先ほどの特定領域のがん診療連携拠点病院の件なんですけれども、例えば放射線に特化したようなもので、私たちは重粒子線という治療を受けているんですが、そういうふうにそこでしか受けられないような治療という、むしろこちらから国としてある程度、拠点病院のようにぜひなってほしいというような病院がもしあるのであれば、そういったところを進めていかれるといいのかなと思ったものですから、お伺いしました。
○山口会長 では、ほかの御意見を承ります。
それでは、なさそうですので、引き続き研究に関する御説明をお願いします。
○健康局がん対策推進官 それでは、お手元に資料3を御用意ください。こちらは、がん研究10か年戦略でございますが、スライドの2枚目でございます。これ自体は基本計画とは別に、研究戦略というものが平成26年、2014年に文部科学、厚生労働、経済産業の3大臣の合意をもって策定をされたものでございます。
基本計画と基本的には整合するように目標を2段目に書かせていただいておりますが、それを踏まえて「具体的研究事項」と、一番下のカラムでございますが、(1)~(8)まで8つの領域を立てて、これら研究を推進していくことというのが2014年に定められた10か年戦略の概要でございます。
それで、現在、2019年でございますので、ちょうど半分の5年が経過をしたというところで、もともと基本計画においてこの10か年戦略の中間評価をし、内容を必要に応じて見直すということが定められておりましたので、今回中間評価を行いました。
後ろのスライド3でございます。こちらにございますとおり、2つ目の「●」でありますが、現に「がん研究10か年戦略の進捗評価に関する研究」というものを中間評価していただく前に行っていただきまして、研究を実際やっていただいている研究者の方に精力的に100人前後ヒアリングをしていただき、この10か年戦略が順調に進捗しているのかということをつぶさに見ていただきました。それで、こちらの協議会の委員でもいらっしゃる中釜委員に座長をしていただきまして、今後のがん研究のあり方に関する有識者会議において中間評価及び今後、後半5か年どうしていったらいいかという御議論をいただきました。
評価としては、がん研究全体として目標におおむね順調に進捗しているのではないか。それで、こちらは先ほど申し上げた8つの柱は基本的に維持、推進していくべきものである。
一方で、この5か年の間にそこの右側の「横断的事項」とございますが、ゲノム医療であるとか免疫療法、リキッドバイオプシー、AIの活用といった新たなキーワードが出てきておりますので、これはどこか1つの領域に属するというよりは、複数の領域にまたがるような事項ですので、これを「横断的事項」と掲げ、これも含め、後半5年、推進をしていくべきという形で大枠を取りまとめていただいた次第です。
詳細な報告書については、本日参考資料2という形でおつけしておりますが、その内容は別途御確認をいただければと思います。
事務局からは、以上でございます。
○山口会長 中釜委員、何か補足はございますか。
○中釜委員 今、事務局から説明があったとおりなのですが、この8つの柱をさらに充実させていくと同時に、横断的な事項としてシーズ探索、ゲノム医療、免疫療法、こういう共通の視点で8つの事項が連携をとりながらさらに強化していく。そういうところが特徴としては求められたかなと理解します。横断的な連携を強く意識しながら、8つの従来の事業を進めていければと感じております。
○山口会長 こういう取りまとめがAMEDを初め、各省庁の研究費にいろいろな形で反映されるようにこれからなっていきますけれども、委員の皆様から御質問、御意見をいただきたいと思います。よろしゅうございますか。
それでは、なさそうですので、きょうの本題になるのかもしれませんが、議題3、「中間評価指標について」の議論をしていただこうと思います。これまで予防、医療の充実、がんとの共生、こういったあたりについて中間評価指標をずっと議論をして、徐々に取りまとめられつつあるのですが、本日は「基盤整備」というテーマで必要な指標を議論していただきたいと思います。
資料4の御説明は後ほどいただきますけれども、この下の全体像、第3期がん対策推進基本計画の概要という絵の中の第2の「分野別施策」の中の予防、医療、共生が終わって、それで4番目にこれらを支える基盤の整備、これがきょうのテーマです。それで、がん研究、人材育成、がん教育等、このように分かれておりますので、それぞれについて議論を進めていきたいと思います。
ともかくこの基本計画ができ上がり、実行されつつあるのですけれども、それを中間評価として評価をし、第4期の計画に生かしていくというのが重要なテーマですので、ぜひよろしくお願いいたします。
それでは、まず事務局より資料説明をお願いいたします。
○健康局がん対策推進官 失礼いたします。それでは、お手元に資料4を御用意ください。2枚目のスライドは、今しがた会長から御指摘のとおり、昨年の3月に閣議決定をされた3期の基本計画全体像でございまして、前回及び前々回で分野別施策のうち3つの柱、「がん予防」「がん医療の充実」「がんとの共生」の中間指標案について御議論いただいたところです。ですので、本日まず御提案をさせていただくのは4.の「これらを支える基盤の整備」の3領域となっております。
おめくりいただきまして、3枚目のスライドが「これらを支える基盤の整備」の3つの事項の概要版となっておりまして、4枚目のスライドがそれに伴うロードマップ、どのように3期計画中に進めていくかというのを書いている内容になっております。
5枚目のスライドからが、中間評価指標の具体的な御提案になります。
1つ目が「がん研究」となっておりますが、前回同様、四角囲いで当該部分の基本計画の記載を抜粋させていただきまして、下の表のような形でそれを踏まえると、この中間評価指標でどうかというスライド構成になっております。
それで、がん研究につきましては今しがた御報告をさせていただいたとおり、10か年戦略の中間評価をことしの3月にさせていただきまして、個々の研究及びその研究領域の妥当性については一定の御評価をいただいたと事務局では考えております。したがいまして、ここで御提案をさせていただいている趣旨としては、もっと全体像として捉えるべき指標であって、こちらの協議会では施策的な内容を見ていただいてはどうかと思っております。さきほどAMEDと会長はおっしゃいましたが、AMEDで臨床実用化を目指していくという視点で我々が把握するものという視点では、治療薬の創出に向けて治験を導出していくというのが1つの大きな目標でございますので、JCRPというのはAMEDでやっているがん研究の総称で、ジャパン・キャンサー・リサーチ・プロジェクトの頭文字をとっているもので、こちらの現況報告からどれだけ治験に導出されたかというのを指標としてとってはどうかというのが、がん研究分野の御提案でございます。
続きまして6枚目のスライドが人材育成の部分の御提案でございまして、3期の基本計画においてはそれぞれ「国は」というスタートで3つの文が書かれておりますとおり、国に一定の人材育成を基本計画上、位置づけられている次第でございます。したがいまして、まず事務局からの御提案としては、国が研修を行うこととされているものについて、指標としてはどうかという形で、以下3つ、緩和ケア研修の修了者、がんゲノム医療コーディネーターの研修会、小児・AYA世代のがん長期フォローアップに関する研修会、これの研修が着実に進んでいるかというのを指標としてはどうかと考えております。
その研修の具体的な内容については、7枚目~10枚目のスライドに参考としておつけしておりますので、必要に応じて議論の際、御参照いただければ幸いです。
最後に11枚目のスライドが、その3つ目の「がん教育・がんに関する知識の普及啓発」に係る中間指標の御提案でございます。
まず、がん教育に関しましては、今後進めていくこととなっている次第でございますが、1行目にありますとおり、「がんについての理解を促すため、外部講師には」という形で、外部講師の活用がうたわれているところでございます。したがいまして、外部講師を活用してがん教育を実施した学校の割合というものを1つの指標としてはどうかというのが1つの提案でございます。
もう一つ、がんに関する知識の普及啓発ということでございますが、基本計画抜粋の下から2行目にありますとおり、まずがんと診断されたときや、その御家族、もしくは親戚でも結構でございますが、困ったときはがん相談支援センター、小児がんであれば相談支援センターでございますが、こちらに行っていただいてはどうかというのが施策の1つの大きな目玉とさせていただいておりますので、これが知られているかということが1つのキーとなってくると考えております。したがいまして、これらを知っているがん患者、家族の割合を患者体験調査からとってきて、これを指標としてはどうか。第2期も中間評価で測定している内容でございますので、継続した指標としてはどうかというのが事務局からの提案でございます。
12枚目が、文部科学省からいただきました「がん教育総合支援事業」に関するスライド、13枚目~15枚目については「がん相談支援センター」の概要であったり、情報源がどのように認識されているかというのを平成28年の世論調査から抜粋してきております。議論の御参考に御使用いただければ幸いです。
事務局からは、以上でございます。
○山口会長 ありがとうございました。ここは、資料が送られてきたときに、この分野の中間評価をどういう項目でやればいいのだろうと思うと、なかなか難しい部分だと思います。それで、多くの場合、さらに新たな指標をここでつくらなければいけないということになっていますので、ぜひ皆様のお知恵を拝借しないと、なかなか難しいかなと。
例えば、がん研究の全般をこの1項目で評価できるのかとか、あるいは人材育成のところで研修を受けた数だけで本当にいいのかとか、教育も外部講師だけで評価していいのかとか、なかなか悩ましいところがあります。
ここは御議論をこれからしていただきますが、その前に鈴木委員から資料が出ていますので、教育に関して御説明いただきたいと思います。
○鈴木委員 鈴木中人です。参考資料5をごらんいただきたいと思います。
「がん・小児がんを学ぶ」教育の推進について、資料を説明させていただきます。
最初に、少し私の自己紹介をさせていただきます。私は、24年前に子供を小児がんで亡くしました。その後、小児がんの支援活動や命の授業という活動をしております。これは、学校や地域で私の体験を踏まえて命のこと、がんや小児がんのことを考える活動で、全国で約30万人の人がこの活動に参加していただきました。
直近の活動としては、資料5の1にございますように「いのちとがん・小児がんを学ぶ本を学校に届けよう!」というプロジェクトに取り組んでおります。これは、10歳向けの本、子どものための「いのちの授業」をことし3月に出版し、全国の教育委員会、学校等に現在2,700冊を献本いたしました。ちょうどお手元に本と、その呼びかけ文もございますので、御一読いただければありがたいと思います。
こんな体験を踏まえて、がん教育について1つの提案をさせていただきたいと思います。
「「がん教育」の歩み」をちょっと振り返りますと、2012年の第2期のがん対策推進基本計画の中でがん教育がうたわれました。その後、2014年に文科省でそのあり方の検討会があって、進め方について学校に通知が出ました。そして、今、全国でがん教育がスタートしております。その後、2018年に3期の基本計画が立案されております。
がん教育の現状と充実のポイントについて、私は2つポイントがあると思っています。
1つ目は、全国の学校でがん教育がされている。これは、とても画期的なことです。とはいえ、ゼロからスタートですので、いろんな人の知恵を集めて、現場の実情に応じて一歩一歩進めていくことです。
2つ目に、大変大切なことは、がん対策基本計画が時代のニーズでいろいろレベルアップしてまいりますので、がん教育の中身についてもそういうことにスライドしてステップアップしていくことが必要だと思っています。その観点で、少しがんの基本計画との比較でどんなことが課題かということを御報告させていただきます。
2期については、全体目標が定められて、個別分野施策の中で初めてがん教育が定められました。具体的には、健康と命の大切さについて学び、がんに対する正しい知識とがん患者に対する正しい認識、がん教育をどのようにすべきかを検討し、その結果に基づいて教育活動を推進するということが基本計画の中にうたわれました。
それに基づいて、文科省で通知が出ました。がん教育の目標としてはがんについて正しく理解する。健康と命の大切さについて主体的に考えることが定められました。
その中身について、具体的にはがんの予防、検診、治療など、一次予防と二次予防について理解できるようなことにしていく。
その留意点としては、発達課題を踏まえた指導、外部講師の活用、学校現場には小児がんの子供たちもたくさんいますので、そういう子供たちへの配慮などがうたわれています。
こういう状況の中で、私自身の現場体験から課題に思うことが3つあります。
1つ目は、発達段階に応じたということで、がん教育の体系を見える化していくことです。がん教育は、小学校、中学校、高校でやられています。例えば小学校1~2年生の子に検診といっても余りぴんとこないです。逆に、高校生の子にAYAという言葉は非常に心に届きます。そういったことを体系化する必要があると思っています。
2つ目は、小児がんについて、留意することではなくて、教えるべき具体的な内容にぜひしていただきたいと思っています。現在、がん教育は大人のがんを中心に教えられていますので、子供たちの反応がどちらかというと「大人の世界のこと=自分ごとになっていない」面もあるように感じています。
しかし、決して大人の世界のことではありません。現在、年間2,000~2,500名の子供たちが小児がんになっています。小学校1年生以上になれば、ほぼ病名は告知されています。治癒率も約70~80%以上になっておりまして、入院している子供たちはみんな学校に戻りたい、友達に会いたい、先生に会いたいと、学校が本当に生きる力になっています。子供たちの中には学校に戻るときに、僕は、私は白血病だということを公表して戻る子もたくさんいます。学校現場ではまさにがん当事者と、がんを支える人が共生する。大人の世界が、そのまま子供にもあるんです。したがって、がんを将来ごとではなくて、「小児がん」を通じて自分ごととして学び合う必要があります。
3つ目は、がん教育の目標の中に命の大切さということがありますので、命を学ぶ具体的なプログラムに織り込んでいくことが必要だと思います。
次に、3期の基本計画との比較状況です。3期の全体計画目標の中では、科学的根拠、患者本位のがん医療、尊厳をもって安心して暮らせることがうたわれて、中身がかなりレベルアップしております。分野別施策の中にも小児がん、AYA世代についての方針が定められています。がん教育については、外部講師の活用やがん教育の充実を求める形になっています。
現在、文科省ではがん教育のあり方を整理しながらその進め方を議論されているのかと思います。
3期の基本計画を踏まえた課題です。3期の全体目標を見据えたがん教育の具体的な中身を充実させていただきたいと思います。
具体的には、例えば科学的根拠ということであれば、先ほどいろいろ議論になっておりますゲノム医療とか遺伝子診断ということをどう教えていくか。
患者本位のがん医療ということでは、患者の権利や責任についてです。例えば知る権利、自己決定権、プライバシーが守られることは、今拠点病院では待ち合いのロビーなどに掲示されています。しかし、がん教育において、患者の権利などがコメントされているかというと、私自身の体験では今のところ一度もありません。
また、がんとの共生ということでは、小児がんやAYA世代をきちんと学んでいくことが重ねて必要になっております。
そして先ほども申したようにがん対策基本法の策定に応じてそのあり方を検討して、学習指導要領にもリンクさせながらぜひ進めていただきたいと思っております。
それを踏まえて、提案をいたします。いろんな課題がありますので、ぜひ新たな検討会をつくって、がん教育の中身をしっかり充実させるよう進めていただきたいと思います。
今回、中間評価指標が外部講師をどのくらい活用しているかということになっております。数値目標としてそういう押さえ方というのも大切だと思いますけれども、外部講師の活用というのはあくまでも1つの手段ですので、やはりその中身をしっかり議論するようなことをしていただきたい。特に小児がん、AYA世代については、先送りとか、何か配慮するということではなくて、喫緊の重要課題=教えるべき「具体的な内容」としてどのように教えていくかを議論して教育実践をしていただきたいとお願い申し上げます。
○山口会長 ありがとうございました。
事務局から、今のお話について補足するようなことはありますか。その手段ではなくて、中身という最後の提言なんですが、なかなか難しいかなと思う点は、ただ、指導要領がたしか今回改訂されて、それに沿って標準的な教育がなされるということは、大分そういう目標に近づいていると考えてよろしいんじゃないかと思うんですけれども、それだとちょっとまずいですか。
○鈴木委員 がん教育はスタートしたばかりですので、現状の中身はがん対策基本計画の2期に沿っており、3期の全体目標が十分織り込めていないようにも思います。がん対策基本計画が策定される都度、がん教育の中身を検討充実し、学習指導要領に反映していく。がん教育を継続的にステップアップしていく仕組みを見える化することが大切だと思います。
○山口会長 その指導要領のステップアップというのも、当然視野に入っていると思うんですが、何か情報はありますか。
○健康局がん対策推進官 失礼します。もし、事実誤認がありましたら文科省から補足いただきたいんですけれども、今回がん教育は平成28年の法改正で基本法に入り、3期の基本計画上の位置づけをようやく学習指導要領上、明確化され、中学は2021年、高校は2022年の入学生から保健体育といった科目で教えることとされた段階でございまして、まず第一歩が始まった段階と私は承知をしております。
ですので、学習指導要領の更新のスパンも比較的長いと伺っておりますので、その内容の充実というよりも、現段階はまずがんをどう小中高生に対して教えていくのか、この病気をしっかり認識をしていただくというのが大事なのかなと考えている次第です。
○山口会長 文科省の方、もしいらっしゃるのであれば補足をお願いします。
○文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課専門官 御回答申し上げます。がん教育の内容に関する御提案かと存じますが、学習指導要領等の教育の内容につきましては、文部科学大臣から諮問を受けました中央教育審議会において議論されるものとなっておりますので、この場での御回答は差し控えたいと考えております。
○山口会長 少なくとも、原則はそれに沿って全国的に標準的な教育がなされるはずだと理解してよろしいんですか。
○文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課専門官 はい。おっしゃるとおりでございます。
○山口会長 ということですが。
○鈴木委員 学習指導要領の仕組みや手順はよくわかりました。きょう私が御提案したように、がん教育には、現時点で重要な課題があります。その課題を検討しなければ、課題解決されないまま学習指導要領になってしまうこともあります。例えば小児がんやAYAのことです。それらの課題をどうしていくんだとか、そういうこともぜひ織り込む、具体的に行動していただきたいと思いますがどうなんでしょうか。
○文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課専門官 中央教育審議会で議論されるべき内容で、この場でお伺いすることはできませんので、御理解いただければと思います。
○山口会長 文科省は答えられないけれども、事務局は何か言えますか。
○健康局がん対策推進官 特になかったのですが、学習指導要領については文科省がおっしゃっていたとおり、中央教育審議会のほうで審議される事項であります。あと一点、別のがんに関する検討会、どちらだったか記憶は定かではないんですが、やはり何でもかんでも教育、教育ということに対して、いま一度、立ちどまって考えるべきではないかという批判的な意見もございましたので、申し添えたいと思います。
やはり教育現場もかなり多忙化している中で、その内容については限られた時間の中で精査吟味する必要があろうというメディアの方の御意見だったんですけれども、そこはよくよく吟味すべきであるという御意見があったので、それも踏まえて中教審で適切に検討される内容だと理解しています。
○山口会長 文科省の方もやらないと言っているわけではなくて、答えにくいと言っているわけですね。当然、これはどんどんステップアップしていく話ですから、必要に応じてこのがん対策推進協議会の意見として申し入れることはあってしかるべきだと思いますので、そういう理解とさせていただくことでよろしいでしょうか。どうぞ。
○轟委員 このがん教育に関しては私も思いがありまして、実は幾つかがん教育を見に行っているんですね。参加しています。
私自身、教員だったこともありまして、教育の中でどのように取り入れられているのかということを見に行きました。そして、その中で感じたことは、ほとんどがナラティブな自分の経験を発していることです。中には、私は驚愕したんですけれども、自分は難治がんだったが、自分の周りの人が、あなたがいてくれるだけでいいと言ったから僕は今、生きているという内容もありました。そして、夢を持って強い思いを持っていれば夢はかなうという内容だったんですね。そのようなものがまかり通っている。
そして、私も幾つか耳に入ったことによりますと、やはりそのようながん教育を受けて、身内にがんで亡くなった人がいるような子供たちの中には、不登校になってしまうような事例が起きているということも耳に入っています。
ですから、私はこれはとても大切に考えなければいけない問題だと思っておりまして、鈴木委員がおっしゃったように、やっている数だけで評価することではないと思います。
そしてまた、私が見た中では教員の理解が全くできていません。教員が泣き出してしまって、だから私はあなたたちが大好きですという、よくわからない結果に終わってしまうとか、子供たちは子供たちなりに何かを感じようとしていると思いますし、このがん教育の目的の中に命の大切さを伝えるということが1つの柱としてあるのはわかりますが、私が見た限りでは1時間だけですよね。そこで、例えば患者のサバイバーの人が科学的な話ができるのか。
そういうことを思ったときに、これからゲノムに向かうとき、どうしてがんになるのかとか、そういう遺伝子検査みたいなことから偏見を生じないようにするためには、年齢に応じたものかもしれませんけれども、科学的なことも伝えていかなければならないと私は思っていますし、もうちょっと大きいことを言ってしまいますと、私もさんざん走っちゃいましたけれども、日本人が民間療法とかいろいろなことに走りやすいのも、やはりそのような科学的なことの大まかな理解とか、そういうことを知らないからなっていってしまうと思うんです。
このがん教育というのは一体何のために行われているのかということを、私は質問したこともあります。そうしましたら、文科省から言われたからですという答えだったんです。それでは、中身は違いますよね。ですから、目指しているものと実態がどうなのか。そして、その中で多数ではないかもしれませんけれども、がん教育によって不登校になってしまう人がいるということの事実は重く受けとめていただきたいと思いますし、教員の経験からしますと、教員が全く理解していないということでは教育になりません。こなし仕事だったら教育になりません。
また、これはちょっと余談かもしれませんが、子供たちの感覚というのは父兄から得るものもすごく多いです。ですから、がん教育をやるのであれば、例えば父兄も一緒に話を聞くとか、いろいろな方法があると思いますし、鈴木委員がおっしゃっていた数だけではないということは私はすごく大事なことだと思いますので、挙げさせていただきました。
○山口会長 教育のほうの話が先に今、進んでいますので、教育の部分の取りまとめを今、進めていきたいと思うのですが、お二人のお話はよくわかるんですけれども、ただ、その内容の中間評価と指標というと、具体的に何か言っていただかないとなかなか動けないと思うのですが。
○鈴木委員 きょうはがん教育について提案させていただきましたけれども、これはエールのつもりです。決して、何かこれができていないとか、だめだということではなくて、冒頭申し上げたようにこれは画期的なことですから、これから5年、10年続けていく必要性があります。足りないことを言うよりも、必要なことをステップアップすることをぜひしていただきたいと思います。
先ほど山口先生がおっしゃられたように、数値管理できる中間評価という面でいうと、内容の充実というのはなかなか指標としてはマッチングできない部分はあると思います。指標を検討するに当たり、その背景や課題も念頭に、ぜひこれからのがん教育の方向づけをしていただきたいなというのが趣旨です。皆さんからこういう指標があるということであれば教えていただきたいと思っています。
○山口会長 学校教育に関して、ほかの委員の方々どうぞ。
○太田委員 私も、実践の中で教員の先生方、学校の教育現場におられる先生方が日々、多忙な中でいろいろなことをやっていかなければいけないというのは十分承知した上で、やはり先生方が小児がんの病気を治療した後に学校に帰っていく子供さんへの対応、そしてがんの親を持つ、もしくはおじいちゃん、おばあちゃんたちが、がんに罹患している親族を持つ子供たちへの支援、そして、一般の子供たちという3つの視点が、私は教員の先生には求められていると思っています。
そうすると、この第3期の計画の中で課題も含めて記載されているように、教員のがんについての理解を促す必要があるという点を考えると、文科省からの資料のがん教育総合支援事業の中のがん教育研修会を受講した人数であったり、何回それが開催されているとかを中間指標の中で持ってくれば見える化につながると思っています。
ですから、その計画に即した実際に教員への教育、先生方への教育というところを指標に加えてはどうかと考えます。
○山口会長 生徒ではなくて、教師のほうという意味ですか。
文科省の方、御意見はございますか。
○文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課専門官 御説明をさせていただきたいと思うんですが、平成30年度から文部科学省主催で教員向け研修会ですとか、外部講師向けの研修会をそれぞれ実施しておりまして、そちらは31年度も実施する予定となっております。このことだけ申し上げたいと思います。
○山口会長 それを、中間評価の指標とすることはできますか。
○文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課専門官 回数が限られておりますので、一律に増加させることができるかというと、ちょっとこの場でのお答えは難しいかと存じます。
○山口会長 それでは、厚労省の事務局と御相談をいただいて、指標とすることが可なのか不可なのか。例えば、今年と来年だけやりますよということでは指標にならないということはよくわかりますので、そういう形の整理でよろしいですか。
まとめて言えば、先生のほうがどうなっているか、ちゃんと見てくれという意味ですよね。どうぞ。
○秋山委員 秋山です。私は看護職という立場で、養護教諭を見ています。時によって保健師資格を持った人とか、教諭職と兼務という状態で学校に勤めている方が興味を持ちながらこのがん教育の準備を始めているという姿を見聞きしています。
それで、この方たちは実際に学校の中で、しなければならない課題として降ってきたとしても、ほかの教員を巻き込んでやらないととてもできないという課題なので、学校の中で関係者との会議を持ち、それぞれの学校がどう取り組めばいいのかという議論までいくのに結構難渋している姿も見ています。
ですから、外部講師云々よりも、先ほどの中間評価ですが、文科省の研修が何回開催されたかということよりも、該当する高校や、高校の数の中で何人の方が受講したのか。その背景というか、分布とか、そういうことがまずは問題であり、もし可能であればその方たちにアンケートなりをとって、学校内での準備がどのような形で進んでいるのかということを聞いていただくという非常に基本的な調査というんでしょうか。それが必要と考えます。
一気に、ただ中身が吟味されないままやられるよりも、準備が整ってやっていったほうが担当する教員もしかり、受け手の側の生徒さんたちの反応もしかりではないでしょうか。そういうことが可能かどうかということを、ちょっとお聞きしたいんですけれども。
○山口会長 確認ですが、秋山委員がおっしゃっているのは生徒の側の話ですか。
○秋山委員 教員です。今は、教員向けに研修を行っているということですよね。回数をふやすとかではなくて、そこに参加をした教員の数がどのぐらいなのか、その方たちが多分、全国から募集されて研修を受けにくる。その分布というか、研修を受ける率とか、そういうことも指標にはならないのかなと思ったんです。
○山口会長 今の点について、お答えいただきます。
○文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課専門官 研修会ですが、こちらは新学習指導要領に対応して開催しているものでございまして、いつまで開催するかということが現時点で未定でございます。
ですので、指標とすることが適当かどうかというところについては、今この場ではお答えは難しいかと思います。
○山口会長 その研修会は、どういう方が、どういう資格でもって、1回何百人、何千人出る。それだけ言っていただければ、イメージがつかめると思いますけれども。
○文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課専門官 お待ちください。
○檜山委員 その間に、よろしいですか。がん対策の2期のときにこのがん教育の話が出てきたとき、私はちょうど委員をやらせていただいていたのですが、先ほど秋山委員が言われたように、養護教員の人がどれぐらいがんの知識を持っているかということをちょっと調査してお話を聞いたことがあるんですが、全く知識がないということがわかって、そのときに文科省の人に、まず養護教員を初め学校の教員にきちんとがん教育をしてくださいというお願いをしているんですね。
その時にこの場で既にお願いをしているので、さっき太田委員とか秋山委員が言われるように、ぜひ教員の方がどれぐらいこの研修会を受けているかというのをまずベースの指標としてとにかく入れていただきたい。その理解度がはかれるんだったら、秋山委員が言われるようにありがたいので、そこの指標は座長が言われるように難しいのかもしれないですが、最低やはりどれぐらいの人たちがその研修を受けているのかという指標は、やはり今後のためにも入れていただいたほうがいいのかなと私は個人的には思います。
○山口会長 ありがとうございます。どうぞ。
○文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課専門官 失礼いたしました。研修会について、30年度の研修会の結果ですけれども、教員対象の研修会は223名出席で実施をしております。
それから、外部講師の方を主な対象とした研修会は450名の規模で実施をしております。
それから、がん教育総合支援事業等の委託事業の成果の普及を目的としたシンポジウムは484名の規模で実施をしております。
○山口会長 それは、多いんですか、少ないんですか。文科省の評価として。
○文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課専門官 今回が初めての開催でしたので、多い、少ないといった判断は現時点ではできないと考えております。
○山口会長 それは、1年間の全ての数ですよね。
○文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課専門官 計1回ずつ開催した参加人数でございます。
○山口会長 ですので、その教育を受けた方が全国的レベルで見ると物すごく少ないという理解でいいですか。全ての学校に行き渡っていないという意味ですけれども。
○文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課専門官 多い、少ないといった評価は、この場ではできないかと考えております。
○山口会長 ちょっと脱線しますけれども、文科省の方にお願いしますが、この協議会は政令で規定されている協議会なので、もう少し前向きに回答していただくことを会長としては望みます。
そのことも踏まえて、今のお答えについて秋山委員、太田委員、いかがですか。
○秋山委員 ちょっと難しいかもしれませんけれども、例えば受講された教員223名の方へ後追いではありますけれども、アンケートをとるなりしてどの程度理解をされたか、どういう経緯でそこを受講するに至ったかというようなことがわかれば、指導要綱で校長に言われたから来たという人がいるかもしれませんけれども、でもその結果の中身が少しわかるかなと、そういうふうには私としては解釈をしましたけれども、多分無理そうな感じの手ごたえでした。
○山口会長 太田委員、どうぞ。
○太田委員 やはり教員の理解をいかに促進していくかということが非常に課題だと思います。近日中にも、保健体育の授業を受けている小児がんを罹患した子供の前で、がんは治らないのよということを発言する教員がおられたとか、緩和ケア病棟で末期がんの親と一緒に過ごしたいと言っている子供たちに、期末テストに0点を与えるという教員の判断でありました。それは私たちが介入することによっていろいろな調整により総合的な判断ということに至りました。やはりまだまだ現場ではいろいろな心ないことも起こっているのではないかと懸念するので、お忙しいとは思うんですが、ぜひとも教員の方々の資質の向上、このがんに対する理解を深めていただきたいと思います。
○山口会長 その点については誰も反論はないと思うんですけれども、中間評価指標という形では、今のお話だとなかなか難しそうな気がします。文科省のあの規模の研修会の出席人数ということになるとちょっと難しいかなという感じがするんですが、その点についてはいかがですか。
○太田委員 教員にはがんに対する理解を促すということがあるので、研修参加であったり、そういうことで指標を持ってきていただきたいと思います。
○鈴木委員 いいですか。養護の先生の研修会は、学校保健会とか、養護研究会とか、県やブロック地域単位でたくさんあります。
昨年もことしも、私は学校の先生方のがん教育についての勉強会の講師として伺っています。養護の先生方は、がん教育をどうやって勉強しよう、こうしようということについてはすごく意識が高くて、それをテーマにした研究、勉強会は今たくさん開催されています。
したがって、県単位で、養護の先生が、形はいずれにせよ、がん教育の研修をこんなふうに受けましたとか、そういうデータ県や市の教育委会レベルなどでは結構あるんじゃないかと思います。
したがって、養護の先生の全体数、がん教育の研修を受けた人の数、また研修ゼロの人を減らしていくとか、そんなデータのとり方というのはできるんじゃないかなと実感しています。
○山口会長 そのほかに、いかがですか。
では、前向きな回答をお願いします。
○文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課専門官 補足をさせていただきます。がん教育総合支援事業等で都道府県教育委員会等を対象に委託事業を実施しておりますが、そういった中でも都道府県の指導主事や養護教諭等を対象に研修会を開催していますので、研修会は各地でも委員御指摘のとおり開催されておりますので、お伝えさせていただきます。
○山口会長 そうすると、仮にそれを全国から都道府県別に吸い上げて、1年間にそういう方々が何人ぐらい、ともかく何らかの研修会に出たという数値は把握できますでしょうか。
○文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課専門官 この場で、すぐには。
○山口会長 一応、厚労の事務局と御相談いただいて、最初の指導要領の説明会はその回数の問題とか継続性の問題でちょっと難しそうな気がするんですね。ただ、今のは可能性は少しありそうなので、それが指標になるか、ならないか、ちょっと事務局で見ていただきたいと思います。文科省と御相談ください。
では、どうぞ。
○轟委員 評価項目のことで具体的に言いますと、先ほども言いましたけれども、実施した学校の数だけではなくて、がん教育が目指す項目がありますよね。だから、例えばがんとは何かという科学的なことと、それから命の大切さというのもあったと思いますけれども、それが何かに偏っているというのも私はちょっと心配なので、その中のどれをやったかとか、両方やったとか、そういうことは評価できるんじゃないかと思っているんです。
だんだんそうやってブラッシュアップしていくものだと思いますが、そこで教育を受けている子供は一生に1度です。ですから、今は準備段階だからいいよねというような無責任なことではいけないと思うので、研修会ももちろん真剣に取り組むべきことだと思うけれども、がん教育というのは道徳教育なのか、それとも科学的なことを目指しているのかというような視点がクリアになるような評価項目をつけていただきたいと思います。
○山口会長 その御意見はわかるんですけれども、指導要領で規定している以上、内容はある程度決まりますよね。それで、外部講師が何をお話しされるかというのは把握は難しいかもしれませんが、今規定された学校での教育というのは一応、形はでき上がっているという理解を私はしていますが、違いますか。
○轟委員 目指している項目というのはありますけれども、私が幾つか見た中でそれに沿った内容をしているところは、残念ながら私は見たことがありません。サバイバーの人の気持ちとか、体験談を話しているというようなことを、私が見ているのが偏っていたら申しわけないんですけれども。
○山口会長 そうしましたら、これに時間を使うわけにもいかないので、まず教師のほうの教育について指標ができないか。これは、協議会の事務局と文科省の担当の方とで御相談いただく。これが1点です。
2番目に、内容について、私の理解ではその指導要領である程度標準化されているんじゃないかと思いますけれども、それが実はそうではないのか。これは、また御確認いただいて次回にでも御説明をいただく。
それから、もしそれ以外に学校教育で御意見がなければ、外部講師を活用してがん教育を実施している学校の割合、これは評価の数字としていろいろ考えていただいてこういう項目を出していただいていますので、これは受け入れていいかどうか。
そのような形の議論になるかとは思うんですけれども、そういう形でまずこの部分はおまとめさせていただいたよろしゅうございますでしょうか。
(委員 異議なし)
○山口会長 では、もう一点、同じようなところで、がん相談支援センターの問題があるんですけれども、太田委員、これについてはいかがでしょうか。
○太田委員 先ほど来申し上げているとおり、こういったことはやはりがん患者さん家族がどの程度御存じかということはとても大事な指標だと思うので、これで進めていただきたいと思います。
○山口会長 この点に関して、もし追加の指標等、御意見ある方がいらっしゃったら御意見をお願いします。
○西口委員 私も患者として相談支援センターを利用したことがありますが、満足できず1回のみでした。
それで、ここにあるんですけれども、利用したことがある、7.8%と、利用はないが知っている、48.2%、この差が私はすごく気になっていて、この項目は普及啓発なので知っているのは大事なんですけれども、利用は見なくていいのかとか、利用の満足度は見なくていいのかというところがすごく気になっているので、そこもできれば盛り込んで、中身の改善というか、そこも盛り込めるとすごくいいんじゃないかと考えています。
○山口会長 具体的には、このギャップを埋めるような方向にいきたいわけですよね。そうすると、知っているけれども、なぜ利用しなかったかという指標を設けたいという意味合いでよろしいでしょうか。
○西口委員 はい。
○山口会長 事務局、それは項目として成り立ちますでしょうか。
○健康局がん対策推進官 参考資料の3が、患者体験調査となっております。まさにそこの用いる調査として御提案しているところでありますが、参考資料3は成人版で、問31、14ページをごらんください。
今、がん相談支援センターについては、単に知っている、知っていないだけではなくて、例えばaであれば「知っている」について、知っているけれども利用したことのない理由、知っていて利用したことがある場合は、どうであったかといったことまで聞かせていただいておりますので、この細分類をもって評価ということであれば、事務局としては対応可能かと考えております。
○山口会長 ありがとうございました。西口委員、それでよろしいですか。
○西口委員 そこが普及啓発というところに合致するのであれば、私はすごくいいんじゃないかなと思います。
○山口会長 では、それで検討を進めていただきます。
それから、もうお一方どうぞ。
○村本委員 11ページの2つある指標以外の職域におけるがん教育について申し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。
私の問題意識として、昨今、有名な方ががんに罹患した際、治療に宣言すると表明する場合があります。御本人がそう言うならば、本人の気持ちを尊重し、静かに見守りながら応援しようということで、全く問題ないと思います。
しかしながら、治療に専念という言葉がマスコミ等で必要以上に取り上げられた場合、周りにがんを罹患した人が出たら、とりあえず治療に専念してと言っておこうというような、本人の意向を考えない誤った認識がふえかねないことを懸念しております。
実際、私の勤務先では、ことしに入ってがん経験者の社内コミュニティを立ち上げましたが、働き続けられるからこそ、つらい治療にも向き合うことができるというサバイバーもおりまして、がんに対する正しい理解は職域においても不可欠だと考えます。
この問題はがんとの共生の分野にも深く関係しますが、第3期基本計画のがん教育の個別目標の中でも、自分や身近な人ががんに罹患してもそのことを正しく理解し、向き合うことができるよう、国はがんに関する知識の普及啓発をさらに進めるとあります。
具体的な中間指標として、第3期基本計画の中にがん対策推進企業等連携事業が挙げられています。通称、がん対策推進企業アクションのことだと思いますが、この事業の参加企業数は今3,000社近くになっておりますが、その参加企業数ですとか、最近はその事業の中でがんサバイバーが実際に企業に赴いて研修を始めていると伺っておりますが、その実施数なども中間指標に入れてはどうかと思います。
あるいは、職域でのがん教育に関しまして、本日御出席の参考人の東先生のほうで、ほかに適切な事業所調査などがあれば、それでも構わないと思っております。よろしくお願いします。
○山口会長 御意見ありますでしょうか。
では、事務局、今の点についてお願いします。
○健康局がん対策推進官 事務局でございます。今、村本委員が御指摘のとおり、確かにがん対策企業アクションは間もなく10年を経過しており、パートナーとなっている企業数も大企業に限らず、確かに順調にふえているということは事実でございます。
ただ、我々はこの中間指標に挙げたときに、その企業数がふえていくことが、どの指標も完璧な指標はないという前提で考えれば、それも一考かと思いますが、これの企業の数をもって何をこの協議会として御評価いただくかという点も含めて御検討いただければと思っております。数としてとること自体は、可能でございます。
○山口会長 ほかの委員の方、御意見は何かありますか。
東先生、何かありますか。
○東参考人 参考人の東です。企業事業所調査に関しましては、今回はこの予定というのは特にないんですけれども、前回の第2期の中間評価のときに積み残しという形で少しおくれて調査をしたことがあります。
ちょうど2年半ぐらい前の調査になるんですけれども、そのときには中小企業に対して調査を行いました。研究班ベースで行うということだったので、ある調査企業で信用調査で登録されているパネルに対して、そういった事業者レベルで事業費に対する両立支援のような教育があるかといった調査をしました。
残念ながら、研究班ベースの調査ですので、回答率が3割弱という形でよくなかったので、何ともその指標としては言えないですけれども、実際にそういった教育を行っている回答者の中では、両立支援のための管理職教育を行っているのは事業所の中でも3%以下という非常に少ない回答にはなっています。今後、何か調査をするのであれば、もう少し公的な位置づけをして、その母集団もきちんととった上でやったほうがいいんじゃないかというふうには考えます。○山口会長 ほかによろしいですか。
村本委員、今の御意見を聞かれていかがでしょうか。
○村本委員 確かに学校教育というのは重要な一方で、やはり職域というものも非常に影響力のあるところですので、本当にこの中間指標のところが何もなくていいのか。がん対策推進企業アクションの参加者数といえども、あったほうがいいのではないかと私は考える次第です。
○山口会長 わかりました。それでは、事務局、今の点を指標に入れられるかどうかの前向きな検討をやってみてください。
それでは、教育あるいは知識の普及啓発の部分はここまでにさせていただきまして、ちょっと戻って研究に関する指標、5番目のスライドですね。治験の数という指標が今、提案されておりますけれども、これについて御意見をどうぞ。
○轟委員 がん研究のところで、日本発の治療薬の創出についての治験の数だけが指標になっておりますけれども、たしかこの間、ASCOの学会か何かで遺伝子変異による治験で有効性が示されていた国際共同治験の中に日本が入っていなかったというお話があったと思うんですけれども、例えばそういう国際共同治験みたいなものはこういう指標の中に含むことはできないんでしょうか。
○山口会長 南委員、御意見ありますか。
○南委員 国際共同治験であれ、国内の治験であれ、国内で行われている治験であれば当然データはとれると思います。
ただ、今回の指標として念頭に置かれているのは、国内発のシーズをいかに臨床に上げて治験に繋げるか、恐らくその数を求めているように私は感じるのですが、しかし実際にゲノム医療が実装されますと患者さんは薬がなくて困る、遺伝子は特定されても薬がなくて困るという事態が発生しますので、国内発のシーズを薬剤化するための治験だけではなくて、海外から導入した治験の数もぜひ調査していただきたいと思います。それから、できれば海外で治験が行われているのに日本で行われていない治験や薬剤の数の調査、これも恐らく班研究のような形で調査研究しないといけないのかもしれませんが、そういったデータも必要になってくると感じています。
○山口会長 関連してどうぞ。
○北川委員 今の研究に関連してのことなんですけれども、もちろん有効な治療薬の日本からの導出も非常に重要な指標だと思いますが、がん医療のトータルな質の向上への貢献という意味で考えると、診療ガイドラインの根拠となるようなヒト医学系研究ですとか、いわゆる観察研究も含めた広い意味での研究の数も指標となるのではないでしょうか。
○山口会長 言葉で言うと、どういうことになりますか。
○北川委員 がん関連の診療ガイドラインの策定に関して、その根拠となった研究、恐らく論文ということになると思いますけれども、その数ですね。
○山口会長 日本発でということですね。
○北川委員 そういうことです。
○山口会長 そのほか、どうぞ。
○間野委員 日本発の創薬研究だけではなくて、例えばここでもリキッドバイオプシーなど書いてありますけれども、診断法の開発というのもあると思いますので、そちらも加えたほうがいいんじゃないかと思います。
例えば、研究によって開発されたバイオマーカーの臨床性能試験が行われた数とかは指標として適切ではないかと思います。
それから、書いてある治験の数というと、日本は治験という言葉と臨床試験という言葉が区別して使われていますので、臨床試験を入れてもいいんじゃないかと思います。治験は新しいお薬を承認することを目的としてやるわけですけれども、例えばあるコンビネーションの化学療法のほうが治療効果が高いということを証明するのは臨床試験になって、それも重要な成果だと思いますので、導出された臨床試験、治験の数というふうな形のほうがいいんじゃないかと思いました。
まずはその2つを思いました。
○山口会長 ほかにいかがですか。
では、坂下委員どうぞ。
○坂下委員 追加なんですけれども、先生方がおっしゃるように、治療薬以外の、例えば治療法ですね。大きく検査もそうですし、治療も薬以外の放射線であるとか、手術であるとか、そういった広い意味での治療法の創出と、ちょっと広げてもらえるといいかと思いました。
○山口会長 具体的に、これこれの指標と言えますか。1つ言っていただければ、また広がっていくと思うのですが。
○坂下委員 私が先ほどから申し上げている、重粒子線みたいな治療によって改善されてくる治験も数多く行われていたりしますし、新しい手術で今ダ・ヴィンチとかもどんどん開発されています。先生方のほうがお詳しいと思うんですけれども、そういった治療の治験みたいなものも、もし集められるのであれば指標になるかと思いました。
○山口会長 中釜先生、取りまとめた立場で今の御意見を総括するといかがでしょうか。
○中釜委員 確かに、治療薬だけではなくて診断機器等々の開発、診断薬の開発、それも重要だと思うので、治療薬プラス新しい機器ですね。そういう診断薬等の数も含めたらどうかと思うんです。加えて治験から臨床試験までどこまで広げていくかというと、その試験のクオリティーが担保されたものに絞る必要があるかと思います。臨床試験となれば、ある程度質は担保されるとは思うんですけれども、そのあたりのところは定義をきちんとする必要があるかと思います。そのぐらいでしょうか。
ただ、確かに治療薬の創出だけが研究成果ではないので、そこは少し広げて検討してもいいのかなと思いました。
あと1点、細かいことなんですけれども、この表現なのですが「治療薬の創出に向けて導出された治験の数」というのは適切なんでしょうか。実施された治験の数なのか、そこだけ細かい点ですけれども気になりました。
○山口会長 ありがとうございました。どうぞ。
○村本委員 がん研究分野について、純粋な医療的な観点はもちろん重要であるものの、このがん研究分野においても社会的な観点、がんとの共生の観点からの中間指標もあるべきではないかと考えます。
私は、ことしに入ってから、今後のがん研究のあり方に関する有識者会議を2回傍聴させていただきました。2月の会議において、構成員の方から、就労支援の取り組みが病院の相談支援から始まった医療モデルから社会的モデルに広がってきた一方、就労支援の研究は社会モデルに対応できていないという指摘がありました。就労支援以外でも、第3期基本計画のがん研究に関する取り組み策の中にも、がん患者の社会生活に関する研究やサバイバーシップの研究の推進などが盛り込まれています。
具体的な指標ということで、例えばということで、厚労科研の研究課題を改めて拝見しても、がんとの共生関連の研究は幾つもありますが、単に研究の数を見ればよいというものでなく、中には実効性の上で統合していくべきものもあると思います。
具体的な指標がこれというところに行き着いていなくて申しわけないのですが、必ずしも厚労科研に関するものでなくてもいいので、何らかのがんとの共生関連の指標ががん研究分野でも必要と思っており、もし適切な指標があるようであれば、ぜひ御検討いただきたいと思います。
○山口会長 ありがとうございました。
そろそろ取りまとめなければいけないんですが、まずきょう提案された治療薬というのは狭過ぎると、これは皆さん共通していますので、日本発という言葉がついた中で機器による治療ですね。さっき重粒子という言葉がありましたけれども、そういう新しい機器に基づいて行う治療、それから薬剤、そういったものをまず広げた形で書く。
それから、治験プラス多分、間野先生がおっしゃる言葉をとれば、医師主導型の臨床試験、ちょっと狭くなってしまいますけれども、それの数の総和というのを指標の1つにしたらどうかと思います。
それから、その次に海外は先ほど南委員からあったような形の国際治験でいいんでしょうか。そういうものも、一応数としてはとっておいたほうがいいだろうと思います。
それから、北川委員からお話があったガイドライン作成のために役立った臨床研究、多分、論文ですが、それをどう数えていくか、ちょっと難しいとは思いますけれども。
○北川委員 先ほど、いろいろ皆さんに幅広く御提案いただいたんですけれども、それもある一定の基準で切らないとこれはカウントできないのですが、各種診療ガイドラインの策定に根拠となるというところで線を引くと、一定の線が引けるのかなというので御提案をいたしました。
○山口会長 そういう基準を設けながら、指標としてやっていく。それから、あとは診断も加える。そのあたりでちょっと項目がふえると思いますけれども、がん研究の評価が1項目というのは幾ら何でも少な過ぎると思いましたので、そういう形で事務局として整理をしていただけますか。どうぞ。
○健康局がん対策推進官 事務局でございます。ありがとうございます。
余り後ろ向きなことは言わないように致しますが、そもそも今回1項目にさせていただいた趣旨は、先般、5か年の中間評価をかなり細かく行っていただいたというのが背景事情としてあることは御理解をいただきたいと思います。
その上で、今回そこにJCRP現況報告と書かせていただいておりますが、これの2018の直近版を今お手元に持ってきておりまして、この2018年度の成果としてどういうふうに具体的に書いてあるかと申しますと、ここに今、相応する項目として臨床研究・治験に移行した研究開発、これが2018年度末で6件という形で例えば御報告をされております。そういった意味では、この内数は今、具体的な定義がないので調べさせていただきたいのですが、御指摘をいただいたような薬剤に限った現況報告にはなっておりませんので、例えばこの6件のうち何件が治療薬で、何件が医療機器だったかみたいなことをお調べするのが適切ではないか、御議論を伺っていて考えた次第です。
一方で、このがん対策推進基本計画において国はどういったことをするかというところでございますが、日本初の研究シーズを育てていき、実用化に結びつけていくために研究費を確保させていただき、AMEDで資源配分をさせていただいている次第ですので、その中で海外の治験という御指摘もございましたが、当然、可能性については検討させていただくのですが、なかなか難しかろうというのが現時点での事務局の見通しでございます。
事務局からは、以上でございます。
○山口会長 多分、御意見の多くは、がん研究は患者の視点に立つと日本発だけではうまくいきませんよという視点で皆さん御意見をおっしゃっているんですね。
それで、今おっしゃったのは、がん研究の予算という観点からいうと、こういう形じゃないと評価しにくいのだという御意見で、両方とも正しいと思うんですが、時間もあれなのですが、どなたかその若干のぶつかりですね。
整理は、多分がん研究予算絡みでそういう主張が欲しいということは、ここの項目はそういう形にしておいて、がんとの共生とか、そういうところにがん研究の成果を盛り込んだような指標がある程度入っているように思いましたので、そういう整理でいけるのかなと会長としては思いますが、どなたか、御意見をどうぞ。
では、南先生。
○南委員 繰り返しにはなるのですが、日本発の薬剤だけではなくて、ゲノム医療との両輪を考えますと、やはり薬剤がどれだけ患者さんの手元に届いているか。それは、有効性が証明される前の段階の治験でもいいと思いますので、海外発の薬であってもどれだけ日本で治験が実施されたかという指標も盛り込んでいただきたいと思います。この研究の項目に盛り込むことが難しければ、ゲノム医療とか、別の項目の指標としてでも御検討いただければと思います。
海外で実施されていて、日本で実施されていない薬を全部拾い上げるのは、確かに難しいとは理解しています。
○山口会長 ブレークスルーになるような御意見なので、ここのがん研究予算絡みのところはちょっと先ほど広げたような形で日本発を中心に書いていただいて、前段のゲノム医療ないしは3大治療法、4大治療法のところに患者さんにどれだけ届いたかという形の指標を入れていただく。そのあたりで、御検討いただこうかと思います。
それでは、人材育成のところですけれども、どうぞ。
○羽鳥委員 がん教育、がんに関する知識の普及啓発ということで、村本さんがおっしゃっていたことで産業医の活用ということが1つと、それからもう一つは経産省と厚労省でやっている健康スコアリングというものを企業評価に用いています。
それも1つの指標になるかなと思いますので追加してお願いしたいと思います。
健康スコアリングという項目で、ホワイト企業を目指すときの1つの指標としてキャンサーサバイバーの方をどう扱っていくかというのがあったと思いますので、それも検討していただきたいと思います。
○山口会長 どうぞ。
○中釜委員 先ほど来、この研究のことを考えていたんですけれども、本来このがん研究はやはり日本発の新しいイノベーティブな研究成果のところがイメージされていたと思うんです。ただ、それだけでは患者さんの視線が少し欠けているということを踏まえ、先ほど北川委員が御指摘された治療ガイドラインに採用されたような成果等というのはある程度、定義が明確なので、そこを加えることによって患者さんに届けるという視点での評価数としては妥当かなと思った次第です。
そうすると、2項目ぐらいでカバーできるのかなと考えたんですけれども、あわせてもし御検討いただけたらと思いました。
○山口会長 その場合、診断薬とか、治験のこの文言は先ほどの議論に基づいて少し変えた上でということですね。
事務局、そういう意見がございますが、そのあたりでしょうか。
○健康局がん対策推進官 済みません。1点、羽鳥委員に確認をさせていただきたいんですが、健康スコアリング自体はそれぞれの健保組合等に対して評価されるものだと考えているのですが、それをどのように活用すべきという御指摘でしょうか。
○羽鳥委員 健康スコアリングの中に、これは必須の項目ではないかもしれませんけれども、企業によっては六角形の指標の1つに加えているところもあるので、その企業の数がどのくらいあるかということも1つの目標になるんじゃないか、評価の指標になるのではないかなということで御提案申し上げました。
○山口会長 今の御意見で、よろしいですか。
それでは、最後に人材育成のところなんですが、先ほどこの研修でいいのかと私は疑問を申し上げたんですけれども、ただ、人材育成にかかわる項目はほかのところに結構入ってきているんですね。ですので、国が実施して人材育成をやっているという観点からいうと、この3つが厚労省の立場では大切だという御意見だったと思うんですけれども、ほかのところに分散されていることも踏まえると、この3項目でいかがかという御意見ですが、皆様の御意見を拝聴したいと思います。
どうぞ、太田委員。
○太田委員 ありがとうございます。小児・AYAの長期フォローアップに関する研修の参加人数示していただいているのですが、この中で今回の第3期では小児・AYAということがクローズアップされていることを鑑み、多様なニーズに対応できる人材育成ということであると、その研修会はチームで参加するということは存じているのですが、やはりどういった職種が参加をされたかという職種ごとの人数までは細分化し過ぎると思いながら、私としては全体のマスとしての参加人数よりも医師、看護師、ソーシャルワーカー、心理職等の職種を分けて人数提示してはどうかと思いました。
○檜山委員 実施している側の答えなんですが、指標としては見ることはできると思います。
ただ、実は今回この受講が小児がんの連携病院の指定要件に入ってしまった状況があって、どうしても医師を優先して今は実施しないといけない状況にかわりつつあるので、指標としていかがなものかというところはちょっと考えますが、御指摘の点の数を出すこと自体はそんなに難しい話ではないと思います。
○山口会長 では、事務局はそういう方向でお考えいただきたいと思います。
ほかの御意見をいただきたいと思います。どうぞ。
○木澤委員 木澤です。この人材育成のところの基本計画の抜粋を見ますと、緩和ケアのことが書かれていまして、その後段の「大学等の教育機関において」というところを見ますと、授業時間数であるとか、養成された専門医の医師の数であるとか、講座の設置数などが特に書かれていますので、この辺のところを中間指標として御検討いただければと考えて発言させていただきました。
○山口会長 研修を受けた人数プラス施設で、その教育機関側の整備状況を出したほうがいいということでしょうか。
○木澤委員 研修医というのは緩和ケア、いわゆるPEACEの基本的な研修者数だけですので、そうではなくてここを見ると大学等の卒前教育のプログラムの時間数であるとか、講座の設置であるとか、そういうものを見たほうがいいのではないかというふうに感じました。
○山口会長 講座の設置は、比較的容易に見えますよね。卒前教育という観点からいうと、八十幾つかの医大の時間数を調査するという観点ですね。
○木澤委員 別に調べているところがあるということは認識していますので、それをとるのはそれほど難しくないと思います。
○山口会長 ただ、その評価として実際のデータを見ると、例えば毎年、毎年それがふえていくという傾向にありますか。卒前教育で一回決めてしまったものが横並びでずっといくような気がしますけれども。
○木澤委員 医学部のカリキュラム改革が行われているところなので、増減があるというのは現実だと思うので、見ることに意味はあるかなと思います。
○山口会長 どうぞ。
○文部科学省高等教育局医学教育課課長補佐 文部科学省の医学教育課でございます。先ほどの緩和ケアの講座につきましては調べることは可能だと思います。
ただ、緩和ケアの授業時間数となりますと、定義にもよりますけれども、厳しいかなと思いますが、確認させてください。
○山口会長 この全体像を眺めたときに、時間数までいうとちょっと細かくなり過ぎると思うんですね。講座数を検討するということで、きょうのところは事務局同士で御相談いただくという形にさせていただこうと思います。そのほか、人材育成に関してよろしいでしょうか。
それでは、大体この3つについてはまとめてきたつもりですが、今度は全体像という観点で資料5は先ほど済ませましたので、資料6について事務局から御説明いただきたいと思います。
○健康局がん対策推進官 それでは、失礼いたします。資料6をお手元に御用意ください。
こちらが、前回、前々回の御議論及び本日の部分はA3で裏面になりますが、「4.これらを支える基盤の整備」は事務局提案の指標のみとなっております。こちらを一覧表にさせていただいた内容になっております。
委員におかれましては色刷りとなっておりますので、赤字で表示されているものが幾つかごらんいただけるかと思います。傍聴の方におかれましては、少し薄い字体になっているかと思います。例えば、番号を実際に振らせていただいておりまして、2006番であるとか2016番、赤字もしくは薄くなっているのがごらんいただけると思いますが、それらは先ほど会の冒頭でごらんいただきました資料の5において、前回、前々回いただいた御意見を踏まえた修正をした箇所となっております。それ以外の部分につきましては修正を加えておりませんので、このような一覧となっております。
きょうの修正項目を数えておりませんが、この資料6は現時点で126項目、一部、再掲が12項目ございまして、成人と小児に分けて実際10項目ふえるということですので、126引く12足す10で、現時点で124項目を予定しておりまして、本日会長より先ほど御指示いただきました追加、もしくは検討すべき事項というものが加わって参ります。これが、現時点での全体像でございます。
事務局からは、以上でございます。
○山口会長 項目、項目によって思いもありますので、非常に深くなっていく部分もあるかもしれませんが、やはりこの中間評価という観点からいうとできるだけ同じレベルに整えるのが原則じゃないかと思うんですけれども、この全体を見渡して皆様の御意見を賜れればと思います。
いかがでしょうか。ちょっと急で、なかなか大変かもしれませんが。
○村本委員 この対象領域以外のところで意見が1点あるんですけれども、資料4の2ページをごらんいただきますと、第3期基本計画の構成が載っておりまして、今、A3で拝見しているものは第2という分野別施策に対応しているものだと思います。
2ページの全体像を見ますと、第3という位置づけで「がん対策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項」というものがあります。この内容を見ますと、「1.関係者等の連携協力の更なる強化」の中に、国及び地方公共団体は関係者等の意見の把握に努め、がん対策に反映させていくことが重要であるとあり、「2.都道府県による計画の策定」の中には、都道府県計画の見直しの際には都道府県の協議会等にがん患者等が参画するなど、とあり、さらに「3.がん患者を含めた国民の努力」の中には、がん患者を含めた国民も国・地方公共団体関係者等と協力して、都道府県におけるがん対策の議論に参画するなど、とあります。
これらの内容から総合的に判断しますと、都道府県のがん対策推進協議会の中にも、一定規模のがん患者が参画することが必要ではないかと思っておりまして、その率が中間指標の中に盛り込まれてしかるべきではないかと思います。
この場の国の協議会は、今20名中5名が患者側になっておりますが、直感的には私は20%程度の患者の参画が必要ではないかと思っておりまして、幾つかホームページ等で拝見しますと、東京都は22名中4名、ほかの幾つかの県は十数名から20名ぐらいの中に2人ぐらいが入っているケースが多いのかなと認識しておりまして、中には15名のうち3名を公募で選んでいる県もありました。
この都道府県のがん対策推進協議会の中に、何%の患者委員が含まれているかということも、加えて中間指標で御検討いただけないかと思っております。以上です。
○山口会長 事務局の第3ですね。これについての中間指標というものを検討することはいかがかという御意見ですけれども、いかがでしょうか。
○健康局がん対策推進官 事務局でございます。当初、私どもとしてはその3期の計画自体、全体目標も含め、それぞれの中に現状と課題や、取り組むべき施策、個別目標というのが3期計画の中に第2節を中心に書かれていたものでございますから、こちらの取り組むべき施策が着実に推進されているかという視点で中間指標を設けさせていただいた次第であります。
したがいまして、村本委員の御指摘いただいたところの第3の部分については、こういった事項が必要であるという認識でございまして、当初、私どもが資料を用意させていただかなかったのは、それぞれ必要な事項として認識すべしという認識に立っていたからでございまして、ここで中間評価指標を設定すべきか否かという点は協議会で御意見をいただければと存じます。
○山口会長 ほかの方、今の点に関して御意見いかがでしょうか。
村本委員、具体的な指標としては、各都道府県の協議会の患者団体の参加程度を評価すべきであるという点が第1点。それから、もう少し具体的な点は今のことに加えて何かいかがですか。
○村本委員 私としましては、中間指標としては各都道府県合計でもいいので、患者が協議会の中に何%入っているか、これを指標にすべきかと思います。
○山口会長 今のことは順当なところだと思いますので、それは取り入れさせていただいて、そのほか、この第3の部分で村本委員が今おっしゃった3ないしは4以外のところで必要な項目等、お気づきになる方がいらっしゃったら御意見を賜りたいと思います。どうぞ。
○坂下委員 今、村本委員がおっしゃったように、地域でいろいろな活動をされているがん患者団体というのが、地域ごとにかなり把握されているというふうに私も認識をしています。ですから、各都道府県においてどれぐらいの患者団体であるとか、サロンの運営であるとか、そういったことも含めて、ある程度把握されているものがあれば、そういったものも集めていただけると指標になるかと思います。
また、もう一点、今後ピアサポーターであるとか、がんサロンみたいなものの養成を行っていくというような国の方針があるのであれば、そういった養成講座みたいなものを受けられた人数とか、そういったことが今後出てくるといいのかなとは思っています。以上です。
○山口会長 今おっしゃられたことは、日本対がん協会が整理をして今ホームページ上にアップしているはずです。
ただ、患者会の数というと増減が非常に激しいんですね。ですので、余りいい指標にはならないように思いますけれども、一応、日本対がん協会のリストをごらんいただいてと思います。
○坂下委員 対がん協会もそうなんですけれども、どちらかというと地方自治体のホームページ等にそういったものがよく出されていて、そういうところの質の担保というのは非常に重要かなというふうに逆に考えているところでして、そういったものの患者会であるとかサロンの質が安心して地域の人が頼れるようなものを今後地域に広げていくということが行われるために、何らかそういう養成講座みたいなものを国がきちんと定めたものがあれば、それに沿った形で受けた人の人数を拾うというのはいいことかとは思っています。
○山口会長 それは多分、中間指標ということではなくて今後の課題だと思いますし、協議会の中で昨年か一昨年の中で、患者会の方からその問題が逆に提起されて、どうしてもクオリティーの問題がある。それをどうやっていいかわからないという御発言だったと思うんですね。
結論は出なかったんですけれども、そういう御意見があったということを重要な課題として踏まえながら、指標には入れないという形にさせていただこうと思います。
ほかにいかがでしょうか。どうぞ。
○松田委員 今までのお話とちょっと違うことで、よろしいですか。
私はがん検診が専門なので、1の(2)のがんの早期発見とがん検診についてお伺いしたいと思います。きょう、学校におけるがん教育の話が出てきました。私はとても重要だと思います。加えて、健康経営という観点から職域でのがん教育も極めて重要だと思います。
就労、がんとの共生ができるかどうかは非常に重要だと思うのですが、がん検診に関して、これは前回もお話をしたのですが、やはり将来的には職域のがん検診を法制化する。近い将来には、それがどれだけ行われているかという把握ができないといけないかと思います。
それで、1つ事務局にお伺いします。今がん検診の受診率の把握は国民生活基礎調査でしか行えないと思います。それは、地域の検診と職域検診を合わせて把握するわけですけれども、例えば働いている人が職場でがん検診を受けられるかどうかという数字はなかなか把握ができないと思います。それで、国民生活基礎調査を詳しく分析すると、会社員や公務員が実際に職場でがん検診を受けられるのかどうか、そういう数字の把握は可能でしょうか。
○健康局がん対策推進官 事務局でございます。現に、国民生活基礎調査の中で、どこでがん検診を受けられましたかという因数分解自体はしていたと承知をしています。
○松田委員 職場で受けたかというのが、前回の調査から入っていますよね。以前は職場の紹介で受けたかどうかを聞いていたのですが、前回からは、職場のがん検診で受けたかどうかを聞いています。実際には、働いている方が職場がん検診を受けられないために地域で受けている人もいれば、実際に職場でがん検診を受けている人も数多くいます。
ですから、職業の違いによって、どれぐらいがん検診が受けられるのかという数字が出せるのかという質問です。
○健康局がん対策推進官 たびたび事務局から失礼します。そういった意味では、そういう再分類ができるか、確証が私は持てなくて、サンプル数を考えるとちょっと困難ではないかと思っております。
○山口会長 今の職域のところが右端のところで何も書いていないということは、今のところ考えていないということですよね。
○健康局がん対策推進官 再び事務局から失礼します。これは、まさに松田委員に御参加いただいているがん検診の検討会でも御紹介させていただいたんですが、現在、厚生労働科学研究班が2班走っておりまして、職場におけるがん検診というのは、事業者がやっていただいている場合と、保険者がやっていただいている場合、その中でまたさらにどういった形で結果のフィードバックを得るかというのが、かなりバラエティーに富んでいるということが実態としてわかってきたのが昨年度末までの結論でございまして、ここの実態をより詳細に今年度調べていくという形で研究班の研究を進めていただいています。
ですから、職場におけるがん検診について、現在これで全国津々浦々を評価するような指標というのが設定困難と、事務局としては認識をしております。
○山口会長 そういう御意見で、よろしいですか。
○松田委員 それはごもっともですが、そうすると今、何が行われているかよくわからないようなことが、実は職域でがん検診として行われているわけですよね。
そういうものも国民生活基礎調査で一緒に集めてしまうと、ただ受けたという数字だけが出てきてしまうので、その中身がよくわからない。ですから、いずれにしろ、どこで何が行われているのか、しっかり把握する仕組みがないと前に進まないのではないでしょうか。研究ベースだけではなくてということを申し上げたいと思います。
現状は十分理解をしているつもりですが。
○山口会長 現状はそうで、これはもうすぐに開始する中間評価ですので、取り入れることは多分不可能だと思うんですけれども、その研究班2つの成果を改めて次のときの基本計画等に入れ込んでいく。職域の検診は非常に重要課題になっていますので、そういう形で整理させていただこうと思いますが、よろしゅうございますか。
○松田委員 結構です。ありがとうございます。
○轟委員 これは見せ方の問題だと思うんですけれども、この表の裏側にいくと(6)の難治性がんについてとか、高齢者のがんについてというところが項目立てだけあって何もないですけれども、例えば希少がんとか、そういうものと違って、難治性がんというのはなかなかそれに特化したというのは難しいかもしれませんが、きちんとこの指標の中でがん研究とか、新薬の開発とか、いろいろなところで取り組んでいること自体が、私は難治性がんへの対策だと思って理解しているんですね。
この表だけがぽんと出ると、これに対して何もしていないのかというような誤解につながってしまうといけないので、見せ方ですけれども、何もないというような書き方ではなくてできないかなというのでちょっと御意見をさせていただきました。
○山口会長 事務局、どうぞ。
○健康局がん対策推進官 ありがとうございます。本日の資料の提示の仕方に至らない点があった点、御指摘ありがとうございます。そういう意味では、この中間評価指標測定の結果をいずれこちらの協議会に御報告及び御評価をいただきたいと思っていますので、その際は表現の仕方には十分留意をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○山口会長 それでは、このあたりで締めさせていただこうと思うんですけれども、まず今のこのA3の項目ですね。これの中で、これまでずっと3回か4回にわたって議論してきたところで、事務局提案から赤字のものが大分加わって、その一部については議論がなされております。
それで、きょうの最後の段階については大体取りまとめさせていただいたんですが、宿題が幾つか残っていますので、それは省庁間で少し検討していただくとか、そういうことはあった上で、一応会長あずかりにさせていただいて最終判断をさせていただこうと思います。
そういう形なんですが、東先生にせっかく出てきていただいたので、何か全体について御意見あれば。
○東参考人 特にございません。ありがとうございます。
○山口会長 よろしいですか。
そういう形で、きょうの議論、それから最終的な結論をもって中間評価を進めていくというステップに入ります。皆様の御協力を得て、やっと重要なものがまとまってきたんじゃないかと思います。
それでは、これできょうは全てが終わったのですが、どうぞ。
○村本委員 今後の進め方に関して、事務局から教えていただきたいことがあるのですが、よろしいでしょうか。
○山口会長 どうぞ。
○村本委員 前回、1月の協議会と本日の間に、がん医療分野に対応してはがん診療提供体制のあり方に関する検討会が再開され、また、がんとの共生分野に対応する形ではがんとの共生のあり方に関する検討会が新たにスタートしたと認識しています。
これら2つの検討会が、今後協議会といつごろ、どのような形でリンクしていくのか、共有させてください。
○山口会長 どうぞ。
○健康局がん対策推進官 御指摘ありがとうございます。今、村本委員御指摘の、例えば資料4の2枚目のスライドをごらんいただければと思うのですが、分野別施策に応じて実は御指摘の2つの検討会以外にも検討会は開催をさせていただいておりまして、まさに松田委員が御参画いただいているようながん検診の検討会はがん予防の柱の中で、がんゲノム医療は昨今、早く動きがございますので、がんゲノム医療推進コンソーシアム運営会議なども設置をさせていただいております。
こちらで個々のこういった個別の課題を深掘りさせていただく中で、やはりこのがんの基本計画を策定して御評価をいただく本協議会には、本日議題1、2という形で御報告をさせていただいたように、その都度、動きがあったり、その委員会として今後のがん対策についてこういう意見があったという取りまとめをした際には、その都度、協議会に御報告をさせていただき、先生方の御議論を仰ぎたいと思っている次第でございます。
○山口会長 この中間評価はこれで進みますけれども、そういう議論、例えばがん検診で年齢の問題とかいろいろ出ていますから、それで大きく変わる可能性は残されていますが、今回はあくまでも中間評価ということにさせていただいています。その他、どういうことでも結構です。
では、どうぞ事務局。
○健康局がん対策推進官 失礼いたします。会長あずかりにしていただきましたが、念のため、資料6について本日引き続き検討の事項を事務局より確認をさせていただきたく存じます。事務局に認識誤りがありましたら、どうぞ御指摘をいただければと存じます。
本日、御議論いただいた中で、教育の分野で地域で行われた教員への研修回数や人数といった指標ができないか、実行可能性も含めて検討させていただきますというのが1点目です。
2点目としては、がん対策企業アクションという形で企業への普及をさせていただいていますが、この参加企業数については実際、値がとれますので、こちらは追加をさせていただきたく存じます。
研究の分野におきまして、治療や薬剤に限らないような指標が必要ではないかという御指摘に対しまして、ジャパン・キャンサー・リサーチ・プロジェクトの現況報告でそれも含めた値となっておりますので、きちんとその件数の内訳を見させていただく形でこちらは対応させていただきたいと思っております。
もう一つ、研究についてはガイドラインに関連する御議論がございましたが、最後に中釜委員だったと思いますが、実際にこの研究を含め、ガイドラインがどうやって何件出てきたかといったことを、実行可能性を含め検討させていただきます。
○山口会長 最後は、北川委員です。
○健康局がん対策推進官 大変失礼いたしました。ガイドラインの数という形で調べさせていただきます。
人材育成についてでございますが、長期フォローアップについてはこの内訳を出せないかという御指摘がございましたので、研修会の数を檜山委員と御協力をさせていただきまして、こちらの数はお調べさせていただきたいと思います。
また、緩和ケアに関して、講座を設置している大学といった数については、文部科学省さんと御相談の上、追加の方向で検討させていただければと思っております。
また、その他、3.に関することで、今回事務局から御提案せず恐縮でございましたが、都道府県協議会において患者の参画がどの程度進んでいるかということは、こちらは都道府県に聞いていく方向で検討させていただきます。
もう一つ、羽鳥委員から健康スコアリングの話がございましたが、こちら側については実行可能性も含め、担当部署と相談をさせていただきたく存じます。
その結果を踏まえ、会長に御報告の上、中間評価指標について早速、測定を開始させていただきたく存じます。
○山口会長 どうぞ。
○南委員 1点、新規薬剤へ到達できるかどうかに関して、研究からゲノム医療のところへ場所は移したにしても、ぜひ指標としていただければと思います。
○山口会長 ほかは、よろしいですか。
では、その他で何かあえて申し上げておかなければいけないことがありましたらどうぞ。
○坂下委員 学校教育において、外部委員というくくりだったと思うんですけれども、その中に専門職と体験者といった内訳があったほうがいいのかなとちょっと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
○山口会長 それは、確かにあったほうがいいように思いますけれども、そういう形で取りまとめていただくということで、皆さんよろしゅうございますか。
○健康局がん対策推進官 追加の項目でということでございましょうか。
○坂下委員 先ほどの議論の中で教育の項目ですが、外部講師の中でも恐らく医療職の方と、本当に体験者であって思いがむしろ強い方と、その辺のバランスがすごく大事なのかなと感じますので、どちらもいらっしゃると本当はいいんだろうとは思うのですけれども、実際どういった方が御講義されたかというものの内訳がわかるといいかなと思います。
○健康局がん対策推進官 文科省と相談させていただきます。ありがとうございます。
○山口会長 それでは、最後に私から1点だけ、たばこの問題は本協議会の前会長お二人から重要事項として引き継がれています。
改正健康増進法が7月1日から一部始まって、来年には完全適用になるんですけれども、電子たばこないしは加熱式たばこの部分が現場では意外に混乱しているんですね。
省庁的にはほとんど問題なく、きれいに整理されているように見えるんですが、私どもも含めて医療機関、あるいは行政職、行政教育機関、そういったところでも加熱式たばこと電子たばこの区別が見た目はつかないし、かつ電子たばこと称するものは法の規制外とされています。
そこで、法的には、加熱式タバコは規制対象だが、電子たばこは規制外となってしまうんですが、そういうことを地域で市町村の保健師レベルではほとんど知らない。ましてや、一般の方はほとんどわからない。そうした状況が今、生まれているようなので、事務局にお願いして、次回この会議でそのあたりの説明を厚労省の担当の方からしていただくようにお願いをしてあります。
皆様も、地域の状況把握をしておいていただくと、そういうお話がすんなり頭に入ってくるんじゃないかと思いますので、お願いをしておきたいと思います。
どうぞ。
○坂下委員 今のお話を伺っていて感じたんですけれども、このがんの一次予防の生活習慣についての指標の中で、成人の喫煙率といった場合、その内訳というのが電子たばことか、そういったものが含まれる形なのか、その辺をどういうふうに見るのかを教えていただけたらと思います。
○山口会長 どうぞ。
○健康局がん対策推進官 事務局でございます。これは国民健康栄養調査をもって調べておりますので、たばこの種類まではたしか聞いていなかったと思います。事実関係は、お調べしたいと思います。
失礼いたしました。最新の情報では、紙巻きたばこと加熱式たばこは区別してとっているということでございます。
○山口会長 では、そういうデータが出てくるということですね。
その他、どうしても一言という方がいらっしゃったら、時間は大分過ぎていて大変恐縮なんですが。
それでは、これで終わりにさせていただいて事務局にお返しします。
○健康局がん対策推進官 本日は、長い間、御議論ありがとうございました。
本日をもちまして、追加指標については最後に会長と御相談いたしますが、資料6の中間評価指標の測定に移らせていただきたく存じます。まことにありがとうございました。
次回以降については、別途御相談をさせていただきたく存じます。
本日は、まことにありがとうございました。
○山口会長 司会の不手際で大分、長引いてしまいまして、申しわけありませんでした。
 

照会先

健康局がん・疾病対策課

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