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第281回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録
日時
2019年(平成31年)3月27日(水)10:00~
場所
労働委員会会館 第612会議室(6階)
出席者
(公益代表委員)
・鎌田 耕一(部会長)
・松浦 民恵
(労働者代表委員)
・永井 幸子
・奈良 統一
・村上 陽子
(使用者代表委員)
・佐久間 一浩
・正木 義久
・鎌田 耕一(部会長)
・松浦 民恵
(労働者代表委員)
・永井 幸子
・奈良 統一
・村上 陽子
(使用者代表委員)
・佐久間 一浩
・正木 義久
議題
(1)職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示、労働者の募集を行う者等の責務、労働者供給事業者の責務等に関して適切に対処するための指針の一部を改正する告示案要綱等について(諮問)(公開)
(2)職業安定法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)(公開)
(3)高度プロフェッショナル制度の適用に係る労働条件等明示について(報告)(公開)
(4)その他(公開)
(5)労働者派遣事業の許可等について(非公開)
(6)有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可について(非公開)
(2)職業安定法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)(公開)
(3)高度プロフェッショナル制度の適用に係る労働条件等明示について(報告)(公開)
(4)その他(公開)
(5)労働者派遣事業の許可等について(非公開)
(6)有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可について(非公開)
議事
- 議事内容
- ○鎌田部会長 定刻となりましたので、ただいまから、第281回労働力需給制度部会を開催いたします。議事に先立ちまして、本日は公益代表の藤本委員、使用者代表の高野委員が所用により御欠席されております。本日はお手元の次第にある議題1~4について公開で御審議いただきます。それでは、本日の議事に移りたいと思います。まずは、議題1「職業安定法に基づく指針の一部を改正する告示案要綱等について」です。それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
○古屋調査官 議題1の職業安定法の指針の改正案について御説明いたします。
昨年12月に入国管理法の改正法が成立いたしまして、特定技能という新しい在留資格が設けられ、本年4月1日に施行されます。今般の入管法の改正法も踏まえて、職業安定法による更なる対応が必要ではないかという問題意識の下、1月の部会において御議論を頂きました。御議論いただいた資料については、参考資料1で示させていただいています。その後、パブリックコメント等を経て、資料1-1のとおり今般諮問させていただく要綱案をまとめたところです。
内容につきまして資料1-2で御説明させていただきます。改正の概要といたしましては、職業紹介事業の許可基準のうち、国外にわたる職業紹介に関する要件について追加を行うというものです。
1つ目につきましては、国外にわたる職業紹介を行うに当たり、職業安定法の規定により取扱職種の範囲等として届け出た国以外を相手先国として職業紹介を行うものではないということ。国外にわたる職業紹介を行うに当たり、入管法その他の出入国関係法令と相手先国の法令を遵守して職業紹介を行うものであること。国外にわたる職業紹介を行うに当たっては、求職者に渡航費用その他の金銭を貸し付け、又は求人者がそれらの金銭を貸し付けた求職者に対して職業紹介を行うものではないこと。4つ目については、国外にわたる職業紹介を行うに当たり、取次機関を利用するときは、以下の2つについて該当する取次機関を利用するものではないことです。
該当する条件としては、1つは相手先国において活動を認められていないもの。
2つ目としては、職業紹介に関して保証金の徴収その他名目のいかんを問わず、求職者の金銭その他の財産を管理し、職業紹介に関する契約に係る違約金その他の不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約を締結し、又は求職者に対して渡航費用その他の金銭を貸し付けるもの。
3つ目としては、職業紹介に関し求職者が他者に保証金の徴収その他名目のいかんを問わず、金銭その他の財産を管理され、又は他者が求職者との間で職業紹介に関する契約に係る違約金その他不当に金銭その他の財産の移転を予定する契約を締結していることを認識して、当該求職者に対して職業紹介を行うものではないこと。
これらの要件につきましては、職業紹介事業の許可に当たり、許可の条件として付すという形で運用させていただければと考えております。
適用期日については、平成31年4月1日の予定です。説明については以上です。
○鎌田部会長 この件につきまして御質問がございましたら、御発言をお願いいたします。
○村上委員 本件については、1月の部会で議論した際、海外の取次機関が求職者に渡航費用の貸付けを直接的に行っていなくても、その取次機関が求職者に他の金融機関からの多額の金銭の借入れを行わせて、借り入れさせた金銭を渡航費用として没収管理しているようなケースも、職業紹介事業者の許可取消に該当させるべきということを申し上げたところです。
今回の改正案と、1月の部会で示された改正案を比較すると、「その他名目のいかんを問わず」という文言が追加されていますが、このことによって先ほど申し上げたケースもカバーできると考えてよいかということについて御質問したいと思います。
○鎌田部会長 事務局のほうで回答をお願いいたします。
○牛島課長 村上委員から1月の部会で御指摘を頂きました。そのときも十分説明ができていなかったところでありますが、この「その他名目のいかんを問わず」という言葉については、1月の部会のときから入れるような形では検討しておりましたが、今般、許可基準の内容、許可条件の内容等を明確化する中で「名目のいかんを問わず」という言葉を明確化したいと考えております。それによりまして、当然のことながら第三者から借り入れたお金は、これは、求職者の財産でありますので、その財産を取次機関が手元に置いて管理をするのは、この「名目のいかんを問わず求職者の金銭その他の財産を管理し」に該当すると整理がされると、私どもとしても位置付けています。
○鎌田部会長 追加でいいですか。
○村上委員 はい。
○鎌田部会長 それでは、ほかにございますか。
○佐久間委員 御説明ありがとうございます。今回のこの事案というのは、悪質な現地の送り出し機関を、なるべく排除するというか、適切に審査するという趣旨だと思います。非常に良いことだとは思うのですが、この案件、出入国在留管理庁の関係もあるかもしれませんが、是非二国間協定というのを、先日、3月15日に法務省のほうでも発表されました指針の中にも、二国間協定以外の国でもOKだというものが明記されております。ですが、安心して依頼できる送り出し機関、こちらのほうを慎重に審議していただくためにも、速やかに二国間協定というのを結んでいただきたい。そしてまた、この二国間協定以外の国も認められているのであれば、その国とも早く二国間協定を結ぶように御尽力をいただきたいと思います。それがお願いです。以上です。
○鎌田部会長 そのような意見ということでよろしいですか。何かコメントはありますか。
○田畑審議官 今、外国人の受入れ、特に新たな受入制度の施行に向けて外務省、法務省とも連携しながら、協力をして二国間協定の締結に向けた作業を進めております。今の佐久間委員の御指摘も踏まえて、できる限り多くの国と二国間協定が結べるように、引き続き法務省、外務省とも連携を取りながら努めてまいりたいと思います。
○鎌田部会長 佐久間委員、よろしいですか。ほかにございますか。
○奈良委員 4月1日から適用されるということだそうで、具体的にこの改正概要を担保するために、例えばこういうことはされていないといったような母国語での確認書を、入国する外国人の方本人から入管への提出書類に加えるという、そういう具体的措置というのを検討されているのであれば教えていただきたいのですが。
○牛島課長 こちらの、保証金、違約金の徴収をされていないことというところは、今般は私どもの所掌分野、職業紹介の部分ということで議論を頂いています。
法務省は在留資格の諸々の基準というものを作っておりまして、その中に保証金の徴収であるとか、違約金の予定をされていないことというのは、我が国で特定技能の資格を得るための在留資格の認定に当たっての要件の1つにされております。ですので、本人に対しましては、当然、そういったことをされていないですよねというのを確認した上で、入管は在留許可を出すというような枠組みになっておりますので、そういったところで法務省のほうとしても適切に対応すると。
問題は、法務省の対応と私ども労働局のほうとで連携体制をどう組んでいくかだと思っておりますので、そこについては本省レベルではいろいろとやり取りをしておりますが、情報の共有等も含めてスムーズに動くように急ピッチで検討はしてまいりたいと思っております。
○鎌田部会長 奈良委員、よろしいですか。ほかにございますか。特に御質問はないようですので、職業安定法に基づく指針の一部を改正する件案要綱について、当部会としては妥当と認めるということとして、その旨を職業安定分科会長宛てに報告したいと思いますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
○鎌田部会長 それでは、報告文案の配布をお願いします。
(報告文案の配布)
○鎌田部会長 お手元の案のとおり、職業安定分科会に報告することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○鎌田部会長 ありがとうございます。職業安定法に基づく指針の一部を改正する件案要綱について、本日開催される職業安定分科会に、このとおり報告させていただきたいと思います。ありがとうございました。
それでは、次に議題2「職業安定法施行規則の一部を改正する省令案要綱について」です。事務局から御説明をお願いいたします。
○古屋調査官 議題2の職業安定法施行規則の一部改正省令について御説明します。
まず、資料2-1を御覧ください。職業安定法第5条の3第4項において、求人者は求職者に対し、募集や求人の際に労働条件を明示することとされており、具体的な内容は省令で定めるとされています。今般、健康増進法の改正を踏まえ、明示する労働条件として、就業の場所における受動喫煙防止のための措置に関する事項を追加することとし、平成32年4月1日から施行するものです。具体的な内容については、資料2-2を御覧ください。
資料2-2の1ページ目ですが、昨年7月に公布された改正健康増進法では、多数の方々が利用する施設等では、施設等の類型、場所ごとに禁煙措置や禁煙場所の特定を行うこととするとともに「望まない受動喫煙」を防止するために、1つ目としては施設の管理権原者等は、従業員を含む20歳未満の方を喫煙可能な場所に立ち入らせないこと、2つ目としては、施設の管理権原者等、事業者その他の関係者に受動喫煙を防止するための措置を講ずるよう努めること等を新たに規定するとしています。
これに加え、改正法が実効性をもって施行できるよう、職業安定法施行規則の改正を行い、従業員の募集を行う方に対し、募集や求人申込みの際に明示する義務を課すものです。具体的な内容については、3ページ以降に示しています。また、省令の改正の契機となった国会の審議の際の附帯決議と質疑を2ページ目に示しているので、御参照ください。
続いて、具体的な明示の方法について、4ページ目以降に示しています。4ページを御覧ください。表の左側に、就業場所と健康増進法上の受動喫煙防止の義務と標識掲示の方法を示しています。これらの就業場所については、求人申込みの段階で、複数の場所が特定されているときにはそれぞれ明示を行うということを想定していますし、派遣の場合については、派遣先の状況を明示していただくことを予定しています。
まず、官庁、学校、病院については第一種施設とされており、敷地内禁煙で屋外に喫煙場所を設置した場合については標識を掲示することとされています。敷地内禁煙なので、原則はその旨を書いていただくということ、それに加え、屋外に喫煙場所があるような場合については、敷地内禁煙(喫煙場所あり)というような形で示すことが考えられます。
また、事業所、ホテル・旅館、飲食店などは、2020年4月までに設置された一定規模以下の施設を除いて、屋内禁煙で喫煙専用室を設置することも可能です。屋内禁煙なので、原則その旨を書いていただくことになりますが、喫煙室のみ喫煙可能という場合は、屋内原則禁煙(喫煙室あり)、ホテルの個室のような適用除外の場合については、屋内原則禁煙(喫煙可の宿泊室あり)といった表記が考えられます。
その次に、バー、スナック、たばこ販売店等の喫煙目的施設については、屋内喫煙可なので、原則その旨を書いていただく、喫煙目的室を設けているような場合については、屋内喫煙可(喫煙室内に限る)と示すことが考えられます。
5ページ目、バス、飛行機、電車、船舶などの乗り物については、それぞれの規制に従って表に示したような形で表示してはどうかと考えています。更に屋外の場合については義務がないので、屋外である旨を記載してはどうかと考えています。
こちらについては、事前にパブリックコメントを実施し、12件の御意見を頂いています。説明については以上です。よろしく御審議いただきますようお願いいたします。
○鎌田部会長 この件について御質問がございましたらお願いいたします。
○永井委員 御説明ありがとうございました。受動喫煙対策については、都道府県の条例で別途定めがある場合があると思います。条例のほうが健康増進法の規制を上回る形で受動喫煙対策について定めがあるような場合、この就業条件の明示は、各都道府県の条例のレベルに合わせて実施している措置を明示する必要があると思いますが、そのような理解でよいでしょうか。また、そうであれば、条例に基づき整備している就業条件を明示すべきことを要領などで周知すべきかと思います。
○鎌田部会長 では、回答をお願いいたします。
○古屋調査官 こちらの労働条件明示の表記については、今回、健康増進法での義務の対象となっている部分を想定しています。ただ、御指摘のように都道府県や市区町村によっては、目的は受動喫煙ではなかったり、それぞれの目的で禁煙の条例を定めているところもあります。これについては、義務というわけではありませんが、そのような条例に基づいて、ほかの情報を記載するということは可能と考えているので、今後、周知の際にはその点を留意したいと考えています。
○牛島課長 補足しますが、あくまでここで書いていただくのは、健康増進法をイメージして作っている例なので、当然のことながら条例で規制されている水準を満たしていただかないといけないというのは、これは条例との関係で当然あります。それを満たした上で、どのような状況になっているのかを安定法の労働条件明示では示していただくという形になるので、要領の中で、当然施設が満たしていただかなければいけないルールを満たしていただいた上で、その内容がどのようになっているのかを示していただく必要があることは、明示的に分かりやすく示していくべきかと思っています。そのような用途だと認識していただければと思います。
○鎌田部会長 永井委員、よろしいですか。
○永井委員 ありがとうございます。
○佐久間委員 今回、省令の施行規則の中に、第9号のところで入ってきているわけですが、この文言についてです。これは意見ではなくて質問ということでお願いします。「就業の場所における受動喫煙を防止するための措置に関する事項」となっていますが、この場合には、例えば就業の場所における喫煙・禁煙の可否及び受動喫煙を防止するための、受動喫煙防止措置ということで今回は図られているわけですが、喫煙の有無のようなものがどうして入らなかったのかをお伺いできればと思います。これは質問ということです。
○鎌田部会長 質問ですので、御回答をお願いします。
○牛島課長 後ろからお答えしますが、あくまで今般予定しているのは健康増進法の施行を踏まえて、どのような状況になるのかというところをお示しいただくところなので、今、佐久間委員がおっしゃったような実際働く場所が喫煙なのか禁煙なのかをお示しすると、途中でその状況が変わったときにどうなるか、それを網羅的にお示しするのがなかなか難しいというところもあり、まずは受動喫煙対策をどのような形で取ることが就業場所では予定されているのかというところを明確にしていくという問題意識です。
当然のことながら働く方にとっての関心は、自分が喫煙なのか禁煙なのか、どのような環境下で働くのかを知りたがっていると思いますので、それは任意付加的に事業主のほうで、例えば禁煙と書いたほうが人が確保しやすいということであれば、当然虚偽は駄目ですが、虚偽にならない範囲で付加的に追加していただく、そこは全く否定するものではありません。
いずれにしても、健康増進法の改正を契機として、今般、省令を改正しているので、このような表記になっていると御理解いただければと思っています。
○佐久間委員 分かりました。この省令の中に号で入ってきている並びが、賃金や終業、始業の時間など、今回9号で追加されるので、並び的に面白い所にあるなと感じたので質問させていただきました。ありがとうございます。
○正木委員 ただいまの佐久間委員の御指摘のところですが、やはり並びの話は気になります。項目としては労働の基本的な条件の様々なものが並んでいるところに、もちろん受動喫煙の環境について、私もたばこを吸わないので、どのような場所で働くか、煙モクモクの場所ではないのかそうなのかというのは重要なことではあります。しかし、例えば大きな会社に入った場合、たくさんの所が就業場所になる可能性があり得るわけで、複数の場所が就業場所として特定されることが怒り得ます。特定される場合には、それぞれ明示することになっているので、A事業所に行ったらこうだ、B事業所に行ったらこうだというものをずっと書いていくということになると、明示される就業条件に、喫煙・禁煙のことばかりが並んでいるような、少し異様な形になるなと思っております。
今後、様々な法令で、またこのようなものも労働条件だろうと言えば、いろいろな労働条件、就業環境は、これからもほかの法律でもたくさん可能性が出てくると思いますが、安易に簡単に追加するというのはどうなのかなと思っております。今回の件については、もちろんもう法律で決まっており、このような、簡素な形で載せるということに異議を申し上げるわけではございません。しかし、労働条件の明示というときに、かえって本当に重要な項目が分かりにくくなるというか、埋没するようなことになっては、労働行政上、いかがなものかと思いますので、その点を申し上げておきたいと思います。
○鎌田部会長 ということです。非常に貴重な御意見ですので、よく踏まえて今後とも対応をお願いしたいと思います。ほかにございますか。
○松浦委員 この受動喫煙対策ということで9号が追加されるということについて、私としては異論はありませんが、確認しておきたいのが健康を害するということについていうと、必ずしもたばこだけではなくて、例えば典型的な例だったらアスベストやあるいは被ばくなど、いろいろなパターンの健康を害する可能性のあるものが考えられるのではないかと思います。
今回、健康増進法との兼ね合いで9号が追加されたということはよくよく理解していますが、本日、この場でなくても結構ですが、そのようなそれ以外の健康を害する可能性があるものについて、この検討経緯の中で議論があったのかどうか、どのような取扱いになっているかなどについては、どこかの場で1度確認させていただければと思います。これは質問というか確認です。
○鎌田部会長 いかがでしょうか。今日分かるものであれば、今日お答えいただくということで。
○牛島課長 恐縮です。今、松浦委員から御指摘があったような健康面に関する諸々の労働条件に関しての条件明示、これをどうするかについて、まとまった場で御議論をいただいていることは、これまで最近ではありません。
今般は、健康増進法の流れの中で、このような形でいわばスポット的にポンと出てきている部分がありますが、どのような労働条件の明示をしていくのかについては、この部会での問題提起や、職業安定法の改正、去年の1月から大部分の施行がされていますが、そこまで待つかというのはあるのですが、5年後の見直しの規定があるので、それも見ながら現状の規定というのが適当なのかは検討課題になってくるかと思います。いずれにしても、今回は受動喫煙防止の関係での取組みということで出てきましたが、もし、この部会の中で労働条件明示の内容について議論をしていくべきだという方向性があるのであれば、そこは事務方としてきちんと受け止めて、どのように考えていくのか御議論いただくのが答えの1つではないかという認識です。
○松浦委員 ありがとうございます。
○鎌田部会長 よろしいですか。ほかにございますか。
それでは、御質問がなければ、職業安定法施行規則の一部を改正する省令案要綱について、当部会としてはいずれも妥当と認めることとして、その旨を職業安定分科会長宛てに報告したいと思いますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
○鎌田部会長 ありがとうございます。それでは、報告文案の配布をお願いいたします。
(報告文案の配布)
○鎌田部会長 それでは、お手元の案のとおり、職業安定分科会に報告することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○鎌田部会長 ありがとうございました。職業安定法施行規則の一部を改正する省令案要綱について、本日開催される職業安定分科会に、このとおり報告させていただきます。
次に、「高度プロフェッショナル制度の適用に係る労働条件等明示について」です。事務局から説明をお願いします。
○古屋調査官 高度プロフェッショナル制度の適用に係る労働条件等明示について御説明いたします。資料3です。働き方改革推進法による改正後の労働基準法では特定高度専門業務・成果型労働制が創設されまして、一定の条件の下で労働基準法に規定する時間外・休日労働協定の締結や時間外・休日・深夜の割増賃金の支払い義務等の規定について、適用除外とすることとされております。こちらについては今年の4月1日に施行とされております。
一方で、職業安定法に基づいて明示しなければならない労働条件等には、労働時間、休憩時間、休日等の規定が含まれておりますが、高度プロフェッショナル制度が適用される場合については、こうした規定が適用されないこととなりますので、この旨を明示する必要があるということです。このため職業安定法の指針の一部を改正しまして、求職者が労働基準法に基づきまして、高度プロフェッショナル制度の適用について同意した場合について、その旨を明示しなければならないこととするものです。告示については、本年3月末に行う予定で、適用については本年4月1日とする予定でございます。説明については以上でございます。
○鎌田部会長 それではこの件について御質問がございましたらお願いいたします。
○永井委員 高度プロフェッショナル制度の適用対象となる可能性がある業務に従事する労働者の募集を行うということですから、募集段階で明示をしておくことは求職者保護の観点から当然であり、必要であると考えております。
一方で、たとえ使用者が高度プロフェッショナル制度の適用対象となる可能性がある業務に就く労働者を募集し、その求人に対して求職者が応募したとしても、それは高度プロフェッショナル制度適用の同意ではないし、応募後に適用を拒否したり撤回することは可能ですので、これらの点について要領などで記載し、誤解が生じないようにするべきです。よろしくお願いします。
○鎌田部会長 この点について事務局としてはどうですか。
○牛島課長 御指摘のとおりでございまして、高プロの点線囲みに書いてあります指針の表記においても、基準法第41条の2第1項の同意をした場合には、その規定によって労働することになりますと、その旨を明記してくださいということを記載することとしておりますので、あくまで就職した後に同意した場合には、その適用がありますよという旨を明確化しているということは御理解をいただきたいと思います。その上で基準法の取扱いで高度プロフェッショナルの制度が適用されるためには、本人の同意があり、一方で同意を撤回することもできるというところもございますので、こういったところも入念的に要領等の中で記載していくことは検討してまいりたいと思っております。以上でございます。
○鎌田部会長 よろしいですか、永井委員。ほかにございますか。
○正木委員 高プロで入ると、一般の労働者の労使協定の下にないのですけれども、撤回した場合はどうなるのですか。
○牛島課長 撤回というのは、1回合意したけれども、そのまま働き続けることについては、やはり難しいのでその合意は取り下げますという、そういう意味で申し上げました。初っ端から撤回ということは生じ得ない。
○正木委員 分かりました。高プロですということで応募して入社した方が、入ってみて、やはりこの働き方はいやですとおっしゃることがある。そのときは、同じ職場にいろいろな労働条件で働いている人がいらっしゃると思うのですが、そのどの働き方と同じことにするのか、ということについてはそのときに話し合うということですね。
○牛島課長 高度プロフェッショナル制度は、この労働時間の規制、そういったところが外れてくるというような働き方になりますが、それが該当しないということであれば、通常の働き方というものがそれぞれの職場の中で、就業規則等で定まっていることになっておりますので、基本的にはそこに戻ってくると私どもは理解をしております。
○正木委員 分かりました。
○鎌田部会長 では村上委員、どうぞ。
○村上委員 資料を拝見すると、改正内容の四角囲みの中で、下線部が改正により追加する箇所になっているのですが、下線の引き忘れがあるのではないかと思います。1行目の「所定労働時間を超える労働の有無」の所も追加改正の部分ではないかと思います。2ページに現行指針がありますが、現行指針の明示事項は「所定労働時間を超える労働」ですので、「の有無」は追加改正ではないかということが1点です。
次に、先ほどあったように、高度プロフェッショナル制度の適用対象となる業務の求人に応募しても、求職者はその後に適用を拒否することもできますし、同意したとしても同意の撤回も可能であると思います。また、高度プロフェッショナル制度は、労使委員会での決議など、厳格な導入手続を経る必要がある制度ですので、例えば、労働者が高度プロフェッショナル制度の適用対象となる業務の求人に申し込んで採用されたとしても、労使委員会の手続がまだ整っていないところで、これから労使委員会の決議をやりますというときに、労使委員会で否決されて、決議が整わなくて、制度が導入されないことも大いに考えられるのではないかと思います。
危惧しているのは、募集時に明示することは必要ですが、明示された就業条件にもとづき、高プロ適用対象となる業務であることは分かって採用されたのだから、その前提が崩れた以上は解雇するというように、安易に考える事業主も出てくることもあるのではないかということです。
そのため、先ほどの永井委員から指摘があったような事項について要領に記載していただくとともに、高度プロフェッショナル制度の適用対象となる可能性があることを明示した求人に応募したとしても、そのこと自体で、合意していたでしょうということで解雇理由にはならないのだということについても、明記をしておく必要があるのではないかと思います。労働基準法にもとづく高度プロフェッショナル制度の指針などでは、不利益取扱いの禁止などもきちんと書いてありますので、そういった部分も踏まえていただいたほうが、トラブルの未然防止につながると思いますので、よろしくお願いします。
○鎌田部会長 質問、要するに指針の書きぶりの話も含んでいますね。
○牛島課長 1点目の所定外労働時間というところは、現行法では確かに「の有無」というのがございませんで、これはこういう場で申し上げるのも大変お恥ずかしいかぎりなのですが、一種の誤りでございます。ですので有無という所を今般、改めてここは措置をさせていただきたいと思います。資料に下線を引いておらなかったという部分については、大変申し訳ございませんでした。お詫びを申し上げたいと思います。
2点目の職業紹介事業の要領というところもございますので、基準関係のお話をどこまで書き込むのかというところは、ちょっと相場観的なところもございますので、こういったところで別途定めていますなど、そういった引用的な話になってくるかもしれませんけれども、ただ関連してそういった定めがあるところについては、職業紹介の事業者においても認識しておくべき話だと思いますので、何がしかの形で反映をできればと考えております。
○鎌田部会長 村上委員、よろしいですか。
○村上委員 はい。
○鎌田部会長 ほかにございますか。それでは高度プロフェッショナル制度の適用に係る労働条件等の明示については、以上の御意見を踏まえて対応をお願いしたいと思います。
それでは次に議題4、その他についてです。事務局から説明をお願いいたします。
○古屋調査官 その他について御説明いたします。その他のうち地域づくり人材についてということで、議員立法の提出についてです。資料4-1を御覧ください。こちらは現在議員提出立法として検討中の地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律案です。この法律案についてはこれまで自由民主党の人口急減対策議連で議論が進められてきましたが、必要な党内手続を進め、早ければ本国会に提出される可能性もあるため、このたび報告するものです。
この法律案におきましては、三の1の認定基準で示しています自然的、経済的、社会的条件から一体的であり、地域づくり人材の確保について、特に支援を行うことが必要な地区。2つ目として、特定地域づくり事業が適正に行われることを確保する見地から適当であり、かつ組合の職員の就業条件に十分配慮されている計画であるということ。それから、当該事業が地域社会の維持と地域経済の活性化に特に資するということ。3つ目として、当該事業を確実に遂行するに足りる経理的な技術的な基礎があるということ。4つ目として、事業組合、関係事業団体と市町村の間の十分な連携協力体制があること。こうした条件を満たしている中小企業組合法上の事業協同組合について、都道府県知事で認定をし、組合員の事業に就労その他の社会的な活動を通じて、地域社会に貢献する特定地域づくり人材と呼ばれる人材について従事する機会を確保するというものです。
具体的なイメージについては資料4-3を御覧ください。こちらは一定の地域で地域社会の維持が著しく困難となるおそれが生じる程度まで、人口が急激に減少している地域において、一定の仕事と待遇を確保して、地域社会の担い手の受皿を設けるということで今回検討している事業です。都道府県の認定を受けた協同組合の雇用している職員について、組合員の事業に従事する機会を提供する特定地域づくり事業を行うことで対応するというものです。この図の中の黄色い四角で示していますように、事業協同組合には地域内の様々な事業者の方が入っており、この事業の中のそれぞれに仕事はあっても1人分の雇用をなかなか生み出すことができないというところに、個別個別に人を派遣して雇用の機会を設けるというものです。こちらの図ですが、派遣法の関係もありまして、建設業については入っていないところです。
続きまして、法案の概要について御説明いたします。資料4-2、12ページを御覧ください。2で、労働者派遣法の特例を設けております。1つ目としては、先ほどの事業組合が組合の職員を組合員の企業の業務に従事させるということは、労働者派遣事業に該当する可能性があるということで、特定地域づくり事業については、財務状況を含む計画や就業条件などを含む計画を作成し、都道府県知事の認定を受けた組合が実施するということと、事業に従事する職員についても無期雇用の方に限定されていること、それから3の区域外の派遣も禁止されていることから、届出で可能とするものです。
また、組合員の企業への派遣を前提とする制度ですので、2の(二)、専ら派遣などの適用除外を設けるとしています。なお労働者派遣事業を開始してからの指導監督については、他の事業所と同様に厚生労働大臣が行うこととしております。
法律案が成立した場合、公布の日から起算して6月を経過した日から施行することとされております。主務大臣については総務大臣と厚労大臣の共管となるということが想定されているところです。説明は以上です。
○鎌田部会長 この件につきまして、何か御質問がありましたらお願いいたします。
○佐久間委員 この新しい法律ができて、そしてまた事業協同組合というのを活用する制度だということは理解させていただきました。そこの中で、こちらの部会の関係では、労働者の派遣に当たることになりますから、この認定を受けるための基準としては組合の定款の中に人材の派遣ということ、労働者派遣ということを謳っていかなければいけないのかどうか、それをきちんと入れなければいけないのかをお伺いしたいなと。もしそれが中小企業庁と関連があるようでしたら是非、私としてはちゃんと入れたほうがいいのかなと思うのですが、入れるようにということの省庁間の連絡を取っていただきたいというのが1点です。
それからこの地域づくり事業の、資料4-1の中段に、「届出のみで行うことができる」とあります。改正されてから今まで許可制できたのですが、届出というのは例外的というか、シルバー人材とかだけになるのが、今回ここでまた「届出」制が出てしまうということで、その1点について、届出を「許可制」にしなくてもいいのかということだけ質問させていただきたいと思います。
○鎌田部会長 どうでしょうか。
○牛島課長 1点目の件につきまして、これは大変恐縮ですが、いつもの私どもから提案する閣法ではなくて、議員立法というところがありますので、国会における審議を経た上で最終的に形が決まってくる、その上で今おっしゃったような論点があるということについては、仮に通った場合には必要な施行の準備を政府としてもやっていくという形になりますので、今の御指摘につきましては、そのタイミングが見えてきた段階で中企庁でいろいろと判断していくであろうことだと思われます。そこは中企庁にもきちんとそういった御指摘があったことは伝えていきたいと思っております。
2点目につきましては、これもまずは厚労省として責任もってお答えができるものではない部分もあります。議員立法ということもありますので、ただ、私どもが法立案の議員の方々から聞いている限りではという前提でお聞きいただきたいのですけれども、この地域づくり法案は、人口急減地域という非常に限られた地域において、担い手の受皿を設けると。いわば地域社会の維持とか地域経済の活性化を目指すというようなところですので、この目的を達成するための手段の1つとして、小規模事業者による事業協同組合であっても派遣事業を行うことが可能となるよう、届出による事業実施が可能となる仕組みを正に特例的に設けるものであるというように認識しております。
届出を行う派遣事業というのはこちらの臨時的、一時的な労働力、かつ的確な需給調整という、いわば一般的な労働者派遣制度とはちょっと別の違う切り口で、人口急減地域の定住を促進するということを目的として、都道府県知事が認定をする事業協同組合、その認定に当たっては諸々の要件が設定されますけれども、そうしたところを担保とし、あと無期雇用という形で、派遣労働者の雇用の安定というのが一定程度確保されているという形態で行われていると。
先ほど申し上げました都道府県知事による認定の仕組みがありますので、事業実施前に当然経理的、技術的な基礎を持っていることであるとか、派遣労働者である職員の就業条件に十分配慮されているといったようなこと、こうしたことを確認して都道府県知事が認可をする。当然事業実施後も都道府県知事は監督を行うということがありますし、あと仮に派遣を行っているということであれば、派遣法の規定は基本的には適用がされますので、労働局、厚生労働大臣も監督の対象とするというところです。
なお、この協同組合があくまで会員の企業を中心に派遣をするということですので、これも非常に閉じられた世界と言いますか、限定された範囲で行われるというところもありますので、こうしたいろいろな諸要素を勘案して許可制ではなくて、届出制でというところで法案の立案が進んでいると聞いておりまして、こうしたところを前提にこれから国会での審議、そもそもまだ提出がされていない状況ではありますけれども、提出されたときには、国会での審議等々を踏まえてきちんとした形で、仮に通った場合はきちんと施行されるように、私どもとしても必要な検討はしていきたいと思っております。議員立法ということでなかなか責任を持ったお答えができませんけれども、その点については御理解を賜ればと思っております。
○佐久間委員 ありがとうございました。
○鎌田部会長 よろしいですか。ほかにありますか。
○村上委員 議員立法なので、お答えいただくのは難しい部分はあるかもしれませんけれども、何点か質問をさせていただこうと思います。
まず、この法律案の目的については、日本全体を見渡せば人口が減少していて担い手不足の地域がある中、政治家の皆さん方が、法律を作って何かしていこうとお考えになること自体は大変結構なことというか、当然なことなのだろうとは思います。
ただ、結局この法律案の中を見ると、要は認定を受けた事業協同組合が労働者派遣事業を行うに当たっては、派遣法の特例を認める、設けるということであると思います。そうした内容であるとすれば、今回、報告は頂いておりますけれども、きちんと労働政策審議会の議論を経るべきであり、労働政策審議会の議論を経ていない中で議員立法として提出されていることについては、三者構成原則から考えるとどうなのかということは意見として申し上げておきたいと思います。
次に、内容の確認です。資料4-2の先ほど御説明いただいた12ページですが、(二)の所で、「労働者派遣事業に対する労働者派遣法の適用に関し、必要な適用除外規定及び読替規定を置く」とあります。この点について、全部とは言いませんのでどのような規定が適用除外になるのか教えていただければと思います。ほかにもありますけれども、まずお願いします。
○鎌田部会長 順にいきましょう。では、この点について。
○古屋調査官 適用除外の規定について、1つの例としましては、先ほど申し上げましたような、専ら派遣の禁止のところとか、あと届出制ですので、許可基準の部分については適用除外となっているところです。
○牛島課長 網羅的にいきますと、いろいろな所が形式的に読替え等々が行われて、その結果が適用除外というような形になっている部分もあるのですが、もう1つ、無期雇用を前提としているというところですので、本則より読み得る部分はあるのかもしれないのですが、期間制限の部分はもう実質空振りになってしまいますけれども、適用除外のような形で整理をしているところも大きな部分としてはあります。そういったところが中心的な内容になってきているということです。
○鎌田部会長 村上委員、引き続きどうぞ。
○村上委員 これはお答えいただくのは難しいかもしれないのですが、この立法措置がなぜ必要なのかというのはやはり疑問があります。目的は結構ですけれども、なぜ労働者派遣法の特例を認めるのかということです。財産要件に関しては、特区での農業外国人材の派遣を認めるというときに、2017年12月の需給部会で議論しまして、地方公共団体が債務保証契約や損失補填契約を行うことで資産要件の特例を設けたことがあります。なぜこの特例では駄目なのかということです。今回資産に関する縛りはないということであると、特定地域づくり事業協同組合の財政状況が厳しくなった時や、解散、破綻などを万一した場合に、地域づくり人材の賃金の支払いが担保されないおそれはないのかということです。地方公共団体の債務保証契約による特例というのは財産的基礎がなくても労働者に対する賃金の支払いを担保できるから認めたのであって、今回の法律案では労働者に対する賃金支払いが本当に保障されるのかどうかという懸念があります。イメージ図として資料4-3には「給与支給」「所得の安定」と記載いただいておりますが、この点は大丈夫と言っていただけるのでしょうか、というのが質問です。
○牛島課長 今、村上委員の御指摘、御質問の冒頭でも議員立法なのでということをお触れになったところもありまして、政府として今申し上げた点について、確たるお答えをできる立場ではないというところは御理解いただきたいと思います。
まず、損失補填、債務保証契約について、確かに一昨年の秋ですか、資産要件の特例という形でお認めをいただいている部分もありますが、その際も少し検討はあったのですが、この債務保証、損失補填の所については、法令上は可能であるのですが、議会の議決も必要ですし、あと相当限定的な取扱いで行われているというような、そうした運用で実施されているところがあるようです。プラスして今般の資産要件に関係する部分としては、都道府県知事がきちんと経理的、技術的、特に経理的な部分は確認を取った上で認可を行うということもありますし、加えまして資料4-3のイメージ図右下で国・地方公共団体が財政上の措置、必要な財政支援を行うというところが実質的にビルトインされています。地方自治体が財政支援を行うのであれば、そこは相当程度組合の健全性とか存続性というものを慎重に見極めていくような、そうした動きを取るはずであるというように理解をしております。
きちんと政府としての確たる答えができない部分について、立場上、御理解をいただければと思います。そうしたことを前提として諸々の要件を踏まえて、ここであれば大丈夫だというところを知事が適切に認定をしていただくことを前提に進めていくべきものであるということは、認識を共有しているところです。ちょっとそうしたお答えになるということで御理解を賜ればと思います。
○鎌田部会長 追加はないですか。
○村上委員 私はいいです。
○鎌田部会長 ほかに、永井委員どうぞ。
○永井委員 私からも議員立法であることを十分理解した上で発言させていただきたいと思います。まず、法律案要綱、資料4-2の1ページ定義の所ですが、「地域人口の急減」という所がありますが、ここに一定程度、人口急減地域の定義が書いてありますけれども、極めて定性的だと思います。例えば数値基準のようなものは設けないのかということが1点目の質問です。
2点目は、その隣に「地域づくり人材」の定義規定がありますが、どのような人材であるかという人材に関する要件などはこれ以上作らないのかをお伺いしたいと思います。
3点目は、「地域づくり人材」は無期雇用ですので、派遣の期間制限等はかからないという認識ですが、同一労働同一賃金の法規制は適用されますが、同一労働同一賃金の法規制も含めて、派遣法の基本的な枠組みは全てかかってくると考えてよいかということです。その上で、派遣労働者の賃金の決定方式として、派遣先均等・均衡方式を採用するとしたら、例えば派遣先で仕事がないような期間における「地域づくり人材」の賃金はどのようになるのか、お聞かせいただければと思います。
○牛島課長 まず、法律の急減の状況に関する数値基準、あと人材に関する部分ですが、こちらもあくまで提案者の考えをお伝えする形にはなってまいりますけれども、対象地域の要件を客観的な指標に基づいて、定量的に定めた場合、一律に対象外となってしまい、なかなか地域の実情を踏まえ、柔軟に支援を行うことができなくなってしまうということから、要件を定量的に定めることは予定をしていないと聞いております。
地域づくり人材についてもここに書いてある定義をベースに実際は運用がされていくということであろうかと理解しております。
あと3点目の派遣法の適用については、永井委員御指摘のとおりで、同一労働同一賃金の部分を含めて、先ほど申し上げました期間制限の空振りといったところはありますけれども、適用がなされていくというところです。
また、仕事がない間の給料の部分の扱いについて、これはあくまで無期雇用の形になってきますので、雇用主責任は事業協同組合が負うという形になってきます。その上で、休業になるのか、はたまたその間は事業協同組合として何か協同組合の中での仕事を確保して就労するのかというところはあろうかと思いますけれども、いずれにしても地域づくりの協同組合の要件として、資料4-1にあるとおり、認定の要件の中では組合の職員の就業条件に十分に配慮されている計画を策定するということが前提になっていますので、一定量の仕事が確保されないのであれば、やたらと無期雇用の方を雇うことにはならないということが前提になっていると理解しております。いずれにしても賃金を含む部分も含めての雇用主責任は担うということが前提になっていると御理解を賜ればと思います。
○鎌田部会長 よろしいですか。ほかにありますか。それでは、地域人口の急減に対処するための特定地域づくり事業の推進に関する法律案については以上としたいと思います。
このほか、何か発言はありますか。特にないですか。よろしいですか。
それでは公開部分は以上といたします。議事録の署名は奈良委員、正木委員にお願いいたします。
事務局から連絡事項はありますか。
○永島補佐 傍聴者の皆様に御連絡申し上げます。傍聴者の皆様は委員の随行の方が退席した後に、事務局の誘導に従って御退席をお願いします。
(傍聴者退席)