2019年6月20日 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 議事録

日時

令和元年6月20日(木)16:18~

場所

AP新橋 Aルーム(3階)
 

出席者

出席委員(12名)五十音順

 ◎分科会長 ○分科会長代理


欠席委員(10名)

行政機関出席者

 宮本真司(医薬・生活衛生局長)
 森和彦(大臣官房審議官)
 鳥井陽一(総務課長)
 山本史(医薬品審査管理課長)
 渕岡学(化学物質安全対策室長)
 中井清人(医療機器審査管理課長)
 関野秀人(医薬安全対策課長)
 磯部総一郎(監視指導・麻薬対策課長) 他
 

議事

○総務課長 ただいまから、薬事・食品衛生審議会薬事分科会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しいところを御出席いただきまして誠にありがとうございます。私は医薬・生活衛生局総務課長の鳥井でございます。

 本日の委員の出欠ですが、荒井委員、川上委員、真田委員、滝川委員、田島委員、戸部委員、半田委員、南委員、望月委員、脇田委員から御欠席との連絡を頂いています。委員数22名のうち12名の御出席を頂いていますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。

 委員の先生方の薬事分科会規程第11条、いわゆる利益相反の関係の規定の適合状況の確認結果ですが、今回の審議会、分科会におきましても、全ての委員の皆様より同規定第11条に適合している旨を申告いただいていますので、御報告させていただきます。何とぞよろしくお願い申し上げます。

○事務局 続いて本日の資料について御説明します。本日、席上に座席表とその裏面に委員名簿、議事次第を配布しています。その他の資料については、タブレットで御確認いただけます。タブレットの使用方法については、「ペーパーレス審議会タブレット操作説明書」を御参照いただければと思います。

 まず皆様の画面に表示されているマイプライベートファイルに0105まで、紙でお配りしているファイル、06の公開案件というフォルダが入っています。その公開案件のフォルダをタッチしていただきますと、資料1~3までが格納されています。こちらの資料を確認する際は、その資料をタップしていただければと思います。元の画面に戻るには、左上のマイプライベートファイルと書いてある青い字をタップしていただければ、元に戻ることができます。簡単ですが、操作の説明は以上です。操作方法等、分からない場合については、窓際に係員が2人おりますので、手を挙げる等でお知らせいただければすぐに対応させていただきます。以上です。

○総務課長 よろしいでしょうか。本日は、冒頭の報告事項3件については、会議を公開とさせていただき、公開案件終了後は非公開とさせていただきます。カメラ撮りはここまでとさせていただきます。それでは、橋田分科会会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。

○橋田分科会会長 それでは始めさせていただきます。最初に事務局から、配布資料の確認をお願いいたたします。

○事務局 公開案件の資料を確認させていただきます。タブレットを御覧ください。フォルダの中の公開案件のフォルダをタップしてください。資料1、資料2、資料3、こちらが公開案件の資料です。過不足等ありましたら、お申し付けいただきますようお願いいたします。

○橋田分科会会長 よろしいでしょうか。それでは議事に入らせていただきます。本日の公開案件は、報告事項3件が予定されています。

 報告事項の議題1、資料1ですが、平成31年度第1回毒物劇物部会についてです。事務局より、御説明をお願いいたします。

○事務局 資料1を御確認ください。毒物劇物部会で審議された、「毒物及び劇物取締法施行規則等の一部を改正する件()について」、御報告をさせていただきます。

 昨年、工業標準化法、いわゆるJIS法が改正されました。来月7月1日から施行されることとなっています。そのJIS法改正に伴いまして、毒物及び劇物取締法に関連する省令を改正をする必要があるということですので、当部会において審議を頂き、改正して差し支えない旨、御了解を頂いたという物になっています。

 資料1の1枚目の上を見ていただきますと、1~3まであります。関連省令として、毒物及び劇物取締法施行規則、毒物又は劇物を含有するものの定量方法を定める省令、家庭用品に含まれる劇物の定量方法及び容器又は被包の試験方法を定める省令の3つが対象となっています。

 具体的な改正内容は簡単に申し上げますと、工業標準化法に基づく日本工業規格の名称の変更、JISの番号の変更、項番号の変更と併せて時代の流れを踏まえて、試験法を最新にアップデートをするというようなもろもろの改正を御審議いただきまして、委員の皆様方に御了解を頂いているところです。報告内容は以上です。

○橋田分科会会長 ありがとうございました。毒物劇物部会長の奥田委員、何か追加はありますか。

○奥田委員 事務局のとおりです。最新の試験法に改めるということで、了解をしています。

○橋田分科会会長 ありがとうございました。委員の先生方、何か御質問等はありますか。よろしいですか。それでは本件については、御確認を頂けたものとさせていただきます。続きまして、報告事項の議題2、平成31年度第1回化学物質安全対策部会についてです。事務局より御説明をお願いいたします。

○事務局 資料2を御覧ください。化学物質安全対策部会において審議された、有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律施行規則の一部を改正する件()です。

 これも先ほどと同じように、工業標準化法の改正に伴いまして、JISの番号や試験方法のアップデート等々のため、当該法律の施行規則の省令を改正する必要があり、やはり中身について、委員の皆様に御審議いただきまして、改正して差し支えない旨、御了解を頂いているところです。以上です。

○橋田分科会会長 ありがとうございました。化学物質安全対策部会長の鈴木委員、何かありますか。

○鈴木委員 特に追加はありません。

○橋田分科会会長 ありがとうございました。委員の先生方、何か御意見、あるいは御質問等がありましたら、お願いいたします。よろしいですか。それでは本件についても御確認を頂けたものとさせていただきます。

 続きまして、報告事項の議題3です。先駆け審査指定制度の指定結果についてです。事務局より御説明をお願いいたします。

○事務局 事務局です。報告事項、議題3、「先駆け審査指定制度の指定結果について」を御説明させていただきます。資料3を御覧ください。先駆け審査指定制度については、平成27年4月より運用を開始しています。これまで3回、指定を行って本部会にも御報告をさせていただいているところです。今回、第4回目の指定を4月8日にさせていただきましたので、御紹介をさせていただきます。

 資料3の1ページは報道発表資料です。今回、医薬品5品目、医療機器・体外診断用医薬品4品目、再生医療等製品2品目を指定しています。

 具体的な指定品目については、簡単に御説明をさせていただければと思います。まず1ページ、医薬品5品目、2、3ページに表にさせていただいています。1品目が第一三共のValemetostatです。予定効能が、再発又は難治性の末梢性T細胞性リンパ腫になります。本剤は、ヒストンメチル化酵素であるEZH1とEZH2の両方を同時に阻害する薬剤になります。

 2品目が、イキサゾミブクエン酸エステル(武田薬品工業)です。予定効能は、ALアミロイドーシスになります。

 3品目ですが、TAK-925(武田薬品工業)です。予定効能は、ナルコレプシーとなっています。

 続いて3ページです。4品目がASP-1929(楽天メディカルジャパン)です。予定効能は頭頸部癌となっています。

 最後、医薬品の5品目ですが、E7090(エーザイ)です。FGFR2融合遺伝子を有する切除不能な胆道癌を予定効能とする薬剤です。医薬品については以上です。

○事務局 続いて4ページを御覧ください。医療機器1品目目の「マイクロ波マンモグラフィ」です。本品は、マイクロ波により乳がんと疑われる組織を同定し、医師にその情報を提供する医療機器です。

 医療機器の2品目目は、「下肢動脈バイパス用人工血管作製用鋳型」です。本品は、重症下肢虚血患者に対する、外科的な再建による膝下血行不全病態の改善及び自己血管再生による長期開存を目的とする医療機器です。

 医療機器の3品目目は、「リン酸化プルランバイオアドヒーシブ」です。本品は、自家骨、同種骨、異種骨、人工骨あるいはこれらの混合物と混和して賦形性と接着性を向上させることにより、唇顎口蓋裂の治療において手術時の操作性や患部への留置性を向上させることを目的とした医療機器です。

 続いて、体外診断用医薬品の「DNAチップによる膵臓・胆道癌検査キットMI-004」です。本品は、血清から抽出したマイクロRNAのパターン解析により、膵臓癌や胆道癌の診断の補助に利用することを目的とした体外診断用医薬品となっています。

 6ページです。再生医療等製品の1品目目は、「OBP-301、テロメライシン」です。本品は、腫瘍溶解性アデノウイルスであり、癌細胞中で特異的に増殖し、直接細胞を破壊することで切除不能、化学療法不耐容又は抵抗性の局所進行食道癌の治療を行う再生医療等製品です。

 再生医療等製品の2品目は、「SB623」です。本品は、ドナーの骨髄液から分離した間葉系幹細胞にヒトNotch-1遺伝子を導入し、中等度から重症の外傷性脳損傷患者に投与することで、神経前駆細胞の増殖・分化などを促し、運動障害の改善をもたらす再生医療等製品です。

 なお、医療機器、体外診断用医薬品、再生医療等製品における品目ごとの簡単な説明の図を、資料3の27ページから32ページまでに参考資料としてお付けしていますので、後ほど御覧いただければと思います。これらの品目は全て開発途中のものですが、今後の開発により万一指定要件を満たさなくなった場合は、指定を取り消すこともあります。また、この制度の趣旨は、早期の開発段階から対象品目に指定し、開発の進捗を管理し、審査期間を早めることを意図したもので、承認審査の評価基準や内容自体を変えるものではありません。したがって、これらの品目が承認申請された場合には、通常品目と同様に関連部会での有効性、安全性の評価を行っていただき、本薬事分科会にも御報告させていただくこととしています。説明は以上です。

○橋田分科会会長 ありがとうございました。今回は11品目が、先駆け審査指定制度で指定をされたということです。それでは先生方、何か御質問、あるいは御意見がありましたら、お願いいたします。話題性があると申しますか、社会の関心の高いものも含まれているかと思います。もちろん、そういう特徴のあるものが先駆け指定制度として指定されているということですけれども、よろしいですか。本件についても、御確認を頂けたものとさせていただきます。以上で公開案件は終了とさせていただきます。

 以後の議題は非公開とさせていただきますので、傍聴者の皆様は御退席をお願いいたします。

-傍聴者退席-

○橋田分科会長 それでは、再開させていただきます。最初に事務局から配布資料の確認をお願いします。

○事務局 事務局より資料の確認をさせていただきます。タブレット「07非公開案件」というフォルダをタップしてください。資料としては、資料4から資料20までを格納しております。また、マイプライベートファイルをタップして戻っていただきまして、「08文書報告」のフォルダのタップをお願いします。こちらには資料101から資料110まで文書報告のファイルを格納しております。それから、非公開案件と文書報告分の議事概要を紙で用意しておりますので、こちらも併せて御参照ください。また、タブレット等で不足等がありましたら、お申し付けください。

○橋田分科会長 よろしいでしょうか。それでは、議事に入りたいと思います。報告事項は17件ありますけれども、それぞれについて御議論を頂くということになっております。それでは、事務局より御担当の部会ごとに区切って説明を頂くことといたします。まず、資料4の副作用・感染等被害判定第一部会及び第二部会についてです。御説明をお願いします。

○事務局 タブレットのマイプライベートファイル07非公開案件の資料4を御覧ください。平成31年3、4月及び令和元年5月に開催されました判定第一部会及び判定第二部会の結果について、御報告いたします。資料については、1~3ページにかけて3回分の判定結果をまとめたものをお示ししております。4ページ以降に、各回の判定結果とその一覧表を添付しております。それでは、1ページから「判定結果(まとめ)」に沿って御報告いたします。

 「副作用被害判定」については、請求等の内訳のとおり新規307件、継続22件、現況51件の合計380件の請求があり、判定を行いました。判定結果は、「支給決定することが適当であると考えられるもの」が345件で、その内訳は()()に示すとおりでして、全体の91%程度が支給となっております。

 2ページの中ほどを御覧ください。「不支給決定をすることが適当であると考えられるもの」は35件、その内訳は、「疾病、障害又は死亡が医薬品の副作用により発現したと認められないため、不支給とすることが適当である」12件、「医薬品の使用が適正であったとは認められないため、不支給とすることが適当である」7件などです。

 3ページに移ります。「感染等被害判定」については、新規1件の請求がありました。判定結果は、「支給決定することが適当であると考えられるもの」1件です。なお、滝川部会長におかれましては、本日は御欠席ですが、事前に本分科会での報告内容について御確認いただきまして、御了承いただいております。副作用・感染等被害判定結果の報告は、以上でございます。

○橋田分科会長 それでは御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。副作用・感染等被害判定につきましては、傾向にそれほど大きな変化はないということかと思っております。よろしいでしょうか。それでは、本件について御確認いただいたものとさせていただきます。

 続いて、資料5から資料15です。医薬品第一部会及び第二部会について御説明をお願いします。

○事務局 それでは、医薬品第一部会及び第二部会関係の報告事項について、御説明させていただきます。タブレット内にある資料5から資料15が該当の資料になります。また、当日、紙で配布させていただいている薬事分科会議題概要、A4横の表も併せて御覧いただければと思います。それでは、お手元のA4横表、議題概要の記載の順序に沿って御説明いたします。

 資料5、「オンパットロ点滴静注2mg」については、パチシランナトリウムを有効成分とする「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー」に対する治療薬となっております。

 部会での主な御意見として、「症状が進行していくと本剤の効果が弱まることが考えられる。早期に使用した方が効果を期待できるのであれば添付文書上に記載すべきではないか」という御指摘を頂きました。臨床試験成績から、疾患が進行した患者でもプラセボ群と比較して本剤群で改善傾向が認められているため、有効性は期待できると考えておりますが、関連するデータを資材等に記載して、情報提供させていただく旨を御説明させていただきまして、御了承を頂いております。

 また、2つ目の○ですが、「通常、販売名が濃度ではなくて含量を記載すると思うが、なぜ今回は違うのか」という御質問がありました。本来であれば採取できる量を販売名に記載するところですが、本剤はフィルターろ過により液量が減少しまして、表示量を投与できないため、含量の記載が適切ではないとして、現場に誤解を与えないよう、添付文書及び資材等で情報提供することを検討する旨を御説明させていただきまして、御了承を頂いております。

 資料6、「ユルトミリス点滴静注300mg」です。ラブリズマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする、抗補体モノクローナル抗体製剤ですが、効能・効果は「発作性夜間ヘモグロビン尿症」となっています。

 1ページの一番下の資料7、「デファイテリオ静注200mg」です。デフィブロチドナトリウムを有効成分とする「肝類洞閉塞症候群(肝中心静脈閉塞症)」を対象とする医薬品です。

 以上、3品目については、本年5月28日に開催された医薬品第一部会において御審議いただきまして、承認して差し支えない旨の結論を頂いております。

 続いて、資料9、「ポートラーザ点滴静注液800mg」です。ネシツムマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする抗EGFRモノクローナル抗体として効能・効果は「切除不能な進行・再発の扁平上皮非小細胞肺癌」となっています。

 こちらは部会で御意見を頂いておりまして、「Hスコアが全例で測定可能であるのか。本剤の投与対象における抗EGFR抗体の効果因子は分かっているのか」という御質問を頂きました。これに対しては組織検体が得られない場合もありまして、Hスコアは全例で測定ができるものではないこと、現時点において、本剤の投与対象における抗EGFR抗体の効果について因子は明らかにされていない旨を御説明して、御了承を頂いております。

 また、「製造販売後の調査の実施が計画されているが、本剤の臨床的位置付けを考えると、使用される患者は少ないと考えられ、十分な製造販売後調査が実施できるのか」と御指摘を頂きました。本剤の使用が想定される患者数を申請者に確認した上で、実施可能と考えられる製造販売後調査を計画しており、調査開始後の患者の登録状況を踏まえて、適宜、見直しを行うという旨を御説明させていただき、御了承を頂いております。

 こちらの品目については、本年4月19日に開催された医薬品第二部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論を頂いております。

 資料10-1から資料10-3までが「ビレーズトリエアロスフィア56吸入」と、「ビレーズトリエアロスフィア120吸入」ですが、こちらは3剤配合している配合剤ですけれども、ステロイドのブデゾニドとグリコピロニウム臭化物、ホルモテロールフマル酸塩、抗コリン薬の作動薬の3剤を配合しているCOPD治療配合剤です。

 資料11-1と、資料11-2です。「ビベスピエアロスフィア28吸入」と、「ビベスピエアロスフィア120吸入」ですが、先ほど資料10で御説明させていただいた品目と同じ成分ですが、そこからステロイドのない2剤を配合したCOPDの治療薬となっています。

 表の一番下の資料12、「ヴァンフリタ錠17.7mg、同錠26.5mg」は、キザルチニブ塩酸塩を有効成分とするFLT3阻害剤でして、効能・効果は「再発又は難治性のFLT3-ITD変異陽性の急性骨髄性白血病」となっています。

 部会で頂いた御意見として、「投与2週間後に増量する用法・用量とした理由」を御質問いただきました。反復投与時に投与2週間までは、血中濃度の上昇が認められたことを考慮して、投与2週間後に増量する用法・用量となっている旨を御説明させていただきまして、御了承を頂いております。

 また、添付文書の警告欄に記載されている「十分対応できる医療施設、十分な知識・経験を持つ医師はどのような医療施設、医師であるのか分かるようにしてほしい」という御指摘を頂きました。こちらの御指摘を踏まえて、対応について検討させていただく旨を説明し、御了承を頂いております。

 資料13、「ロズリートレクカプセル100mg、同カプセル200mg」ですが、エヌトレクチニブを有効成分とするチロシンキナーゼ阻害剤ですが、効能・効果は「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固型癌」となっています。

 部会で頂いた御意見としては、先ほどと同様に「添付文書の警告欄の十分対応できる医療施設、知識・経験を持つ医師についてどのような医療施設、医師であるか分かるようにしてほしい」という御意見を頂いております。御指摘を踏まえて対応を検討する旨を御説明し、御了承を頂いております。

 資料14、「生物学的製剤基準の一部改正について」です。医薬品各条の部、「組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン」及び「乾燥濃縮人プロトロンビン複合体」の規定について改正をするものとなっております。

 部会で御意見を頂いておりまして、「含湿度試験について、従前から規定されている方法では、含湿度算出と記載をされているが、今回追加される近赤外吸収スペクトル測定法では、測定と記載されており、算出でなくてよいのか」という御指摘を頂いております。従前の方法では検体中の水分量を測定した後に、一般試験法に規定する式を用いて含湿度を算出しておりますが、今回追加をする近赤外吸収スペクトル測定については、検体を機器で測定すると、直接含湿度が出力されますので、算出よりも測定の方が適切と考える旨を説明し、御了承を頂いております。

 以上、4品目及び生物学的製剤基準を改正することについては、本年5月30日に開催された医薬品第二部会において御審議いただき、了承を頂いております。

 続いて、資料15、「希少疾病用医薬品の指定について」御説明いたします。資料15の2ページに指定の一覧表があります。横表にも5品目記載させていただいて、同じものになりますが、今回この5品目について指定の可否を審議にさせていただきまして、本年4月と5月の医薬品第一部会並びに4月の医薬品第二部会で御審議いただきまして、希少疾病用医薬品として指定して差し支えないとのことですので、こちらの「デフィブロチドナトリウム」については本年5月16日に、「larotrectinib」、「カプマチニブ」及び「アレクチニブ」については、本年5月30日に希少疾病用医薬品に指定しまして、「アフリベルセプト」については、現在、指定の手続をさせていただいております。

 部会の審議品目についての報告事項は以上になりますが、今回、部会に報告した品目に最適使用推進ガイドラインを作成する品目がありましたので、ガイドラインについて御説明させていただきます。

○事務局 資料8は、エボロクマブ(遺伝子組換え)製剤に関する最適使用推進ガイドラインについてです。エボロクマブ(遺伝子組換え)は、心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)で、効果不十分な場合の家族性高コレステロール血症及び高コレステロール血症を効能・効果として承認されていました。今般、エボロクマブ(遺伝子組換え)製剤について、スタチンによる治療が適さない患者を対象として、新たな臨床試験が実施されました。その臨床試験結果に基づき、スタチンによる治療が適さない場合の効能・効果を追加する承認事項一部変更が本年6月18日に承認され、同日付けで、当該内容を反映する最適使用推進ガイドラインの一部改正通知を発出しております。

○事務局 医薬品第一部会及び第二部会に関する報告事項は以上でございます。

○橋田分科会長 それでは、医薬品第一部会長の杉委員から、何か御追加はありますでしょうか。

○杉委員 特に追加はございません。

○橋田分科会長 よろしいでしょうか。第二部会長は清田委員ですけれども、いかがでしょうか。

○清田分科会長代理 特にございません。

○橋田分科会長 ありがとうございます。今、新有効成分医薬品、それから、生物学的製剤基準など色々な話題が出てきましたけれども、委員の先生方、御質問あるいは御意見がありましたらお願いいたします。順不同で結構ですので、お気付きのところから御質問を頂けたらと思います。

○佐藤委員 資料5のオンパットロについて伺います。余り本質的なことではないかもしれませんが、承認条件の所に「国内の治験症例が極めて限られている」と書かれていて、確かに国際共同治験の日本人患者を見るとプラセボ群が9名で、本剤群は7名になっています。これは希少疾病なので仕方がないと思いますが、国際共同治験、プラセボと本剤の割付けが1対2になっています。日本人患者は数が少ないので1対1になってしまったのかと思うのですが、全体を見ると、確かにプラセボが77名で、本剤が148名で1対2になっていますが、中身を詳しく見てみると、北米の所だけプラセボ群が10名で、本剤群が37名と、1対4に近くなっているのです。どのようなアルゴリズムで割り付けたのかよく分からないのですけれども、普通は地域も単位にして、大体1対2になるように割り付けているはずなのですが、まさか北米だけ希少疾患だからその患者に有利になるようにしたわけではないと思いますけれども、なぜこれほど違ってしまったのかということを企業に説明していただくことは可能でしょうか。

○橋田分科会長 いかがでしょうか。

○事務局 御指摘のとおり、こちらは希少疾病用医薬品になりますので、なかなか割付けがきれいにいかないというところはあると思いますけれども、こちらは今の時点で、なぜそうなったのかというところは持ち合わせていないので、確認させていただきまして、後ほど御報告させていただきます。

○佐藤委員 お願いします。

○橋田分科会長 では、本件については企業に確認していただくということでよろしいでしょうか。

○佐藤委員 はい。

○橋田分科会長 ほかにいかがでしょうか。抗体医薬品も出ておりますし、 siRNAのような核酸医薬品もあります。あるいは最適使用推進ガイドラインの話や希少疾病用医薬品の指定など、色々な話題が出ておりますが、よろしいでしょうか。それでは、ただいま説明していただいた件については、御確認いただいたものとさせていただきます。

 それでは続いて、資料16から資料19は、医療機器・体外診断薬部会についてです。御説明をお願いします。

○事務局 医療機器・体外診断薬部会について御報告させていただきます。資料16を御覧ください。本件は、「Paxman Scalp Coolingキャップ」及び医療機器「Paxman Scalp CoolingシステムOrbis」の製造販売承認の可否等についてです。資料3ページの写真を御覧ください。これらの機器は同時に組み合わせて使用する機器のため、部会において併せて御審議いただいております。本品は、患者の頭皮を冷却する装置であり、固型癌に対する薬物療法を受ける患者の、脱毛抑制を目的に使用されている品目です。

 部会での主な意見の1つとして、「本品を使用した後、脱毛抑制効果が薬物療法終了後3週後で認められているが、その評価以降の頭髪の効果についてはどうか」という質問がありました。ただ、本品使用12週後の毛量評価においても無処置群と比較し、有意な脱毛回復効果が認められていると回答させていただいております。

 資料17、資料4ページの図を御覧いただきながら確認いただきたいと思います。「VenaSeal クロージャー システム」の製造販売承認の可否等についてです。本品は、血液逆流を伴う伏在静脈本幹に注入し、血管を閉塞するために使用する品目です。

 部会での主な意見の1つとしては、「接着剤が長期間に埋植されることになるため、毒性についてはどのような評価を行っているのか」という質問がありました。本質問については、本品と同じnBCA (エヌ・ブチル・シアノアクリレート)を主成分とする、胃静脈瘤治療用の既承認品において、市販後5年以上が経過しているものの、毒性に起因したと考えられる慢性的な有害事象の報告は認めておらず、また、本品の生物学的安全性に関する評価及び臨床試験においても、毒性に起因したと考えられる有害事象は認められなかったと回答しております。

 本品は適正使用に関する承認条件を付し、使用成績評価の指定を行った上で承認することが適当との審議結果を頂いております。

 資料18を御覧ください。「AMPLATZER PFO オクルーダー」の製造販売承認の可否についてです。3ページの図を御覧ください。本品は、潜因性脳梗塞の既往があり、「卵円孔開存」の存在が脳梗塞の発症に関与していると判断された患者の、「卵円孔開存」の閉鎖を目的とする経皮的カテーテル「卵円孔開存」閉鎖機器であり、脳梗塞の再発リスクを低減する目的で使用される品目です。

 部会での主な意見の1つとしては、本品とともに利用される抗血栓薬の選択についての質問がありました。現在、新規の抗凝固薬が販売されている状況を踏まえ、使用成績評価ではこれらの抗凝固薬との効果も含めて、脳梗塞に対する有効性を確認する予定であると回答させていただきました。

 本品は、適正使用指針等に関する承認条件を付し、使用成績評価の指定を行った上で承認することが適当との審議結果を頂いております。

 最後に資料19を御覧ください。本案件、「アダカラム」の使用成績評価の指定について御説明いたします。3ページの模式図を御覧ください。本品は、酢酸セルロース製の吸着単体が充填された体外循環用カラムで、末梢血中の顆粒球・単球を選択的に吸着除去する、血球細胞除去用の浄化器であり、複数の生物学的製造等の既存の全身治療が無効、効果不十分又は適用できない、関節症性乾癬の臨床症状の改善に使用する品目です。

 本品の「関節症性乾癬」に対する臨床試験は、生物学的製剤等の既存療法が効果不十分の患者を対象に実施されておりましたが、臨床試験が行われた時期から現在では、適用される生物学的製剤が増加しているため、現状の適用患者に対する本品の有効性及び安全性についても確認する必要がある等の理由より、使用成績評価の指定を行うことが適当との審議結果を頂いております。

 なお、本日御欠席の荒井部会長からは、本日の報告内容について事前に御確認いただき、御了承を頂いております。以上でございます。

○橋田分科会長 それでは委員の先生方、御意見あるいは御質問がありましたら、お願いいたします。医療機器につきましても非常に新しい機器がまた出てきているということです。特によろしいでしょうか。それでは、ただいま報告いただいた件についても御確認を頂けたものとさせていただきます。

 続いて、資料20、指定薬物部会について御説明をお願いします。

○事務局 それでは、指定薬物部会について御説明いたします。お手元のタブレット、07非公開案件のフォルダにあります資料20のファイルを御覧ください。

 指定薬物は、危険ドラッグに含まれる成分について、中枢神経系に作用する蓋然性があるものについて、医薬品医療機器等法に基づき指定をし、製造、販売、使用などを禁止するというものです。

 令和元年度第1回指定薬物部会を令和元年6月12日に開催しました。この部会では、資料2ページにあるとおり、ケタミン系1物質とカンナビノイド系1物質、計2物質について指定薬物に指定するか否かを御審議いただき、いずれの物質も指定薬物とすることが適当であるとされました。

 これを受けまして、令和元年6月13日に、これら2物質を指定薬物に追加する省令を公布し、6月23日に施行する予定です。また、資料20の1ページには、「施行した」とありますが、今後施行予定ですので訂正させていただきます。報告は以上です。

○橋田分科会長 指定薬物部会長の鈴木委員、何か御追加はありますでしょうか。

○鈴木委員 追加はございません。

○橋田分科会長 それでは、ただいまの御報告に対して、御意見あるいは御質問等がありましたらお願いいたします。今回は2物質が指定されたということです。よろしいでしょうか。それでは、本件についても御確認いただけたものとさせていただきます。

 以上で、本日の議題は全て終了いたしました。全体を通して御意見あるいは御質問等がありましたら、少し時間がありますので、御議論いただけたらと思っております。いかがでしょうか。何度も申しましたけれども、本日も新しい医薬品や医療機器がそれぞれ報告に出てきました。現在、このような項目、問題は社会的にも非常に関心を集めているところですので、引き続き、それぞれの薬事に関する取扱いにつきましては、きちんとした対応が必要かと思っております。よろしいでしょうか。

 それでは最後になりますが、事務局から何か追加はありますか。

○事務局 次回の薬事分科会ですが、9月19()14時を予定しております。よろしくお願いいたします。

○橋田分科会長 それでは、以上をもちまして、薬事分科会を閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。

( 了 )

備考
この会議は、企業の知的財産保護の観点等から一部公開で開催された

照会先

医薬・生活衛生局総務課 

薬事審議会係(内線2785)