2019年7月8日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会器具・容器包装部会 議事録

日時

令和元年7月8日(月)
10時00分~12時00分

場所

AP虎ノ門 A会議室(11階)
(東京都港区西新橋1-6-15)

出席者

委員

有薗部会長、浦郷委員、大野委員、尾崎委員、魏委員、竹内委員、宮島委員、六鹿委員

事務局
吉田食品基準審査課長、井上室長、大田補佐、狩集補佐、磯専門官、丹羽専門官、木道主査

議題

(1)改正食品衛生法に基づき定める「人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が定める量」の設定について
(2)ポジティブリスト制度における規格基準の設定について
(3)その他

議事

 

○事務局 定刻となりますので、本日の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会器具・容器包装部会を開催させていただきます。委員の皆様におかれましては、御多忙のところ御参集いただき、ありがとうございます。
 まず初めに、本日の委員の皆様の出席状況を御報告いたします。本日は、広瀬委員より御欠席の御連絡を受けております。現時点で、9名中8名の御出席をいただいておりますので、本日の部会が成立しますことを御報告申し上げます。
 それでは、以降の進行につきましては、有薗部会長にお願いいたします。冒頭のカメラ撮影はここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○有薗部会長 それでは、本日の議事を進めさせていただきます。最初に、事務局より配布物の確認などをお願いいたします。
○事務局 配布物の確認をさせていただきます。本日の部会は、ペーパーレスでの開催としており、資料はタブレットでデータを閲覧する方式で実施いたします。タブレットには、本日の資料として議事次第、委員名簿、座席表、それから資料1として、「人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が定める量」の設定に関する諮問について、資料2として、「人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が定める量」の設定について、資料3-1として、乳及び乳製品に使用される器具・容器包装の規格基準について(ポジティブリストにおける食品区分)、資料3-2として、同じ題名の乳等の容器包装等に関する規格基準の統合について、参考資料1~3を保存しております。タブレットの操作の不明点、資料の保存の不備などありましたら、事務局までお知らせください。よろしくお願いいたします。
○有薗部会長 皆さん大丈夫ですか。よろしいでしょうか。議題に移る前に、事務局から本日の審議事項に関する利益相反の報告、確認をお願いいたします。
○事務局 本日の審議事項について、利益相反の対象はございません。
○有薗部会長 では議題に移りたいと思います。
 議題1です。本日の議題の、改正食品衛生法に基づき定める「人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が定める量」の設定について、事務局から説明いただき、審議を行いたいと思います。それでは、事務局からの説明をお願いいたします。
○事務局 それでは説明させていただきます。まず、1番の資料1、諮問書というファイルを御覧ください。こちらにあるように、7月1日付で厚生労働大臣より薬事・食品衛生審議会会長に意見を求めています。記載にあるように、食品衛生法等の一部を改正する法律による改正後の食品衛生法第18条第3項ただし書に規定する人の健康を損なうおそれのない量を定めること、とありまして、本日こちらについて審議を頂く予定にしています。
 続いて、資料2を御覧ください。まず経緯ですが、1番、経緯の上から5行目、2つ目のパラグラフですが、同法による改正後の食品衛生法第18条第3項において、政令で定める材質の原材料は、ポジティブリストに収載された物質でなければならないが、同項ただし書において、食品に接触する部分に使用されず、人の健康を損なうおそれのない量として定める量を超えて食品側に移行しない場合には、ポジティブリストに収載された物質以外のものも使用可能とされております。これを図で示したものが、参考資料3です。
 資料一番最後の参考資料3を御覧ください。こちらの資料の2ページ目になりますが、こちらはこれまでも本部会においてお示ししてきたスライドです。このスライドの下半分の図になりますが、向かって左側、法第18条第3項のただし書の適用について、一定量を超えて食品に移行しないような物質は、法第18条第3項のただし書にポジリスの適用外と規定されています。また向かって右側ですが、一定量を超えて食品に食品非接触層から移行する場合には、個別にポジティブリストの収載が必要になってきます。この一定量について、本日御審議いただくことにしています。
 それでは、資料2に戻ってください。資料2の1ページ目、2. 食品安全委員会における評価結果についてということで、まず厚生労働省では、平成31年3月27日に食品安全委員会に対して、人の健康を損なうおそれのない量を定めることについて意見を求めています。これに対して、食品安全委員会より6月25日に評価結果が通知されています。その評価結果を抜粋したものがその下の記載です。食品衛生法第18条第3項ただし書に規定する人の健康を損なうおそれのない量は、食事中濃度で0.5μg/kg以下となる範囲で設定できると考えられると評価を頂いています。
 3. の1つ目の○ですが、人の健康を損なうおそれのない量については、リスク管理等における実効性の観点を踏まえ、食事中濃度により規定するよりも、食品擬似溶媒中濃度により規定することが適切である旨、本部会で報告しています。本日は、食品安全委員会の評価結果を踏まえ、実際、その食事中濃度から食品擬似溶媒中濃度に換算した場合にどうなるのかというところを、以下の資料で説明しています。
 2ページです。上から4行目に、換算のための式を記載しています。この式の詳しい内容の説明については、参考資料1により説明します。参考資料1は、食品安全委員会の評価結果ですが、8ページを御覧ください。表題に「(参考)人の健康を損なうおそれのない量について」と記載されている資料です。この式については、先ほどの資料2でお示しした式と同じものが2の項に記載されています。この式に、食事中濃度DCに0.5μg/kg以下との評価結果を反映させ、一部パラメーターを左右に移動させると、ページの中ほど、3の項の式になります。食品区分件数は、各食品区分の食品に用いられる器具・容器包装の割合を材質の種類ごとに示した係数で、割合ですので最大1になります。全ての食品区分で1と保守的に考えると、5の項の式になります。
 さらに、次ページの6の項ですが、擬似溶媒の種類を問わずに設定する場合を想定すると、その移行量を積算したものはnXとなります。nは食品区分の区分数で、通常食品、酸性食品、油種類など、最大5区分となります。その説明が8の項に記載しています。
 7の項に戻ると、溶出試験時の擬似溶媒の量は、試験片の単位面積当たりになるので、面積当たりの食品の重量に変換する必要があります。そのパラメーターがα分のβです。擬似溶媒量αは、食品安全委員会による評価指針中の溶出試験方法において、1cm2当たり1.5~2.0mLとされています。ここの計算では1.7mLとしています。また、同評価指針において、平均的な食品1kg当たりの表面積は、600cm2としていて、単位面積当たりのグラム数を求めると、1000÷600でβは1.7となります。α分のβは1になり、食品への移行量は擬似溶媒中濃度と等しくなります。
 これまでの説明により、式に数値を挿入すると、擬似溶媒中濃度X、つまり食品への移行量は9の式となります。Xは消費係数CFの値により変動することが分かります。このCFを0.01としてXを0.01mg/L、又は0.01mg/kgとしたいと考えています。
 資料2に戻って説明します。資料2の2ページを御覧ください。上から5行目の○の部分です。食品非接触部分の材質に関して、直接的には食品、食事へのばく露がほぼないものとして整理することができると考えています。基ポリマーの7つのグループ分けの際に、食事へのばく露が相当少ない各材質に対して、消費係数を0.001未満として整理したことを踏まえると、食事へのばく露がほぼないものと整理できる非接触面に対して、最終的に消費係数0.01を適用したいと考えています。
 また、次の○の部分ですが、参考資料1で説明したとおり、5種類の食品区分全てに適用し、食品区分係数を最大の1として移行量を算出していることから、非常に安全側に立った保守的な前提になっています。また、EUにおいても同様に0.01mg/kgと設定されていて、分析の実行可能性の観点からも妥当ではないかと考えています。
 以上の検討を踏まえると、以下(下線部分)の記載のとおり設定することが妥当であると考えています。
 改正食品衛生法第18条第3項ただし書の規定により人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が定める量は、0.01mg/kg食品とする。
 また、擬似溶媒中の濃度については、先ほど溶媒量を1.7mLとして算出していましたが、試験法の溶媒量は1.5~2mLの範囲となります。α分のβはこの場合0.85~1.13となり、つまり擬似溶媒中濃度は0.0085~0.0113mg/Lとなるので、0.01mg/Lと考えて差し支えないと思っています。また、食品擬似溶媒を用いて確認する場合は、食品安全委員会による評価指針中の溶出試験法によることを基本としたいと考えています。これらについては、通知等によりお示しする予定にしています。
 参考資料1の1ページ目を御覧ください。こちらは、食品安全委員会からの結果の通知文ですが、その最初のページの下から5行目にある1の項を御覧ください。こちらにおいて、食品安全委員会による評価では、食事中濃度で0.5μg/kg以下となる水準では、遺伝毒性に対する配慮が必要とされています。利用可能な情報に基づく考察又は遺伝毒性試験等の結果を基に、遺伝毒性の懸念がないよう配慮することとされています。この点についても、通知等によりお示しする予定にしています。事務局の説明は以上です。
○有薗部会長 ありがとうございました。ただいま、本件について参考資料3にあるとおり、以前の会で「人の健康を損なうおそれのない量」を設定するということについて報告があったところです。今回、食品の健康影響評価の結果を踏まえて、量の設定について詳しく説明していただきました。各委員より、御質問や御意見等あればお願いいたします。かなり詳しい説明も頂きましたので、数字の換算方法は大丈夫と思いますが、それ以外いかがでしょうか。
○大野委員 それでは、少しボリュームがあったので確認させていただきたいのですが、資料2の2ページ目ですが、この結論から申しますと、まず、食品への移行量として0.01mg/kg以下というのが大前提。ただし、分析上、実行性の観点を加味すると、食品擬似溶媒での分析も可能で、その場合は0.01mg/L以下という考えでよろしいでしょうか。
○事務局 御質問ありがとうございます。そのような考えで結構と考えています。実際には、食品への移行量を測定すること自体が難しく、それぞれの器具・容器包装がいろいろな食品に使用されるので、擬似溶媒を用いて測定するというのが最も現実的と考えていますが、例えばペットボトルにある特定の清涼飲料水しか入れないということであれば、そのような場合には実際食品中の濃度を測ることも可能と考えています。
○有薗部会長 ありがとうございました。大野先生、大丈夫ですか。それでよろしいでしょうか。
○大野委員 そうですね。大前提として食品への移行量というのがあって、それが分析しにくいという場合も結構あると思うので、それについての代替策として、このような擬似溶媒を使うことができるというのはよく分かります。私も賛成です。
○有薗部会長 ほかにございませんか。
○尾崎委員 同資料の4つ目の○の所で、食品擬似溶媒中濃度にした場合という話が出てくるのですが、この部分と遺伝毒性についての配慮についてを通知に示すという理解でよろしいですか。
○事務局 はい、そうです。加えて、溶出試験法について、食品安全委員会の評価指針によることを基本とするといったことも追記したいと思っています。
○尾崎委員 あと、この4つ目の○の上から3行目で、食品擬似溶媒量1.5~2.0mLとした場合というのは、1cm当たりということでいいですか。
○事務局 そのとおりです。
○尾崎委員 あともう1点あります。資料2-1で、第18条第3項のただし書の適用のイラストがあり、この説明として、一定量を超えて移行しないことを担保する条件を今後検討と書かれています。これは、具体的には試験条件を検討されるのか、それか製品の移行をしないような状況を検討されるのか、どういった内容になるのか教えてください。
○事務局 試験方法について検討するということですが、今回お示ししたように、食品安全委員会の評価指針による試験法を基本とするということで、今回御説明させていただきました。
○尾崎委員 この指針の中には、具体的な、このようなイラストで示されたような多層製品についてはまだ示されていませんが、このようなものは今後検討されていくということですか。
○事務局 多層製品についても、こちらの評価指針の試験法を準用できるのではないかと考えています。ただ、もし問題が生じるようであれば、今後いろいろな御意見をお聞きして検討していきたいと考えています。
○尾崎委員 分かりました。ありがとうございます。
○有薗部会長 ほかにいかがでしょうか。
○竹内委員 これ、新しい0.5μg/kgという数字を作られたということなんですが、これは現在流通しているものについて、この範囲にほとんどがあるということでしょうか。
○事務局 その点については、現在使用している関係事業者の皆様、あるいは関係団体からいろいろ情報を御提出いただいているところです。一部、その量を超えるようなものもあるようですが、そのようなものについてはポジティブリストにその物質を収載する、あるいはファンクショナルバリアのようなもので、今後溶け出ないように少し工夫を頂く、そのような対応になってくるかと思います。
○有薗部会長 よろしいですか。ほかに。
○六鹿委員 数値として0.01mg/kg若しくは0.01mg/Lということですが、これは分析の技術的にほぼぎりぎりで、これよりも低いと分析が不可能となる数値ですので、この値が妥当な数値なのかなと感じています。
○有薗部会長 ありがとうございました。ほかにコメント等ございませんか。よろしいですか。
○浦郷委員 今回の議題、私にとっては大変難しくて、食品健康影響評価の食事中の濃度をリスク管理等の観点から食品疑似溶媒中濃度で規定すること、それを換算するときの考え方は理論的に理解しますが、食中濃度と擬似溶媒の換算の式が、見ても全然分からないというところです。食中濃度のところも、きちんと食品安全委員会でなされているということ、それから、この換算の仕方についても、今、いろいろな委員の方の御発言がありましたが、特に問題ないようなので、これで大丈夫かと思いますが、やはり一般の消費者にとっては大変分かりにくいところだと思います。例えば農薬のことに関しても添加物のことに関しても、きちんと安全といわれる量は決まってはいるんですが、それでもやはりこの量では多いのではないかという意見もいろいろ出てくるときもありますので、そのようなときに、やはりもう少し分かりやすく説明いただける、そのようなものも作っておいていただいたほうがいいのではないかなというのは感じました。
○有薗部会長 ありがとうございました。事務局、案か何か。
○吉田食品基準審査課長 御意見、どうもありがとうございます。これまでも、いわゆる器具・容器包装のポジティブリストに関係して、一般の方々に分かりやすく説明するような工夫をという御指摘を頂いて、今回もその一環だと思っています。今回のおそれのない量についての考え方は、いわゆる食品安全委員会におけるリスク評価とも密接に関連しているので、その辺りの考え方も含めてきちんと一般の方にも分かりやすいような、いわゆるリスクコミュニケーションができるような資材、あるいはホームページでの情報発信等々、今後引き続き検討させていただければと思っています。どうもありがとうございます。
○有薗部会長 よろしくお願いいたします。ほかに、委員の方々よろしいでしょうか。
 それでは、一通り御審議いただいたようです。「人の健康を損なうおそれのない量」ということの設定について、説明どおり認めるということでよろしいでしょうか、委員の先生方。ありがとうございました。それでは、部会報告書をとりまとめ、分科会へ報告する手続を取りたいと思います。事務局からその他、何かありますか。
○事務局 今回の審議事項について、細かい文言の修正などが必要となった場合には、修正内容を部会長に御確認いただき、特に問題なければ修正の手続を進めさせていただいてもよろしいでしょうか。
○有薗部会長 事務局からの今の提案ですが、そのように進めてもよろしいでしょうか、先生方。ありがとうございました。
 それでは、今後の進め方、手続あるいは書類等、どうか適切に進めていただければと思います。どうかよろしくお願いします。今後、このスケジュールはどのようになるでしょうか。
○事務局 今回の御審議いただいた事項について、パブリックコメント、それからWTO通報など所定の手続を進めたいと思います。また、先ほどお話いただいたように、分科会において審議いただくために、報告書をとりまとめていますので、審議事項に該当するこの件について、分科会でも御審議いただく予定としています。
○有薗部会長 それらについても適切に手続を進めていただければと思います。どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、続いての議題ですが、乳及び乳製品に使用される器具・容器包装の規格基準について、事務局から説明いただき、議論したいと思います。事務局からの説明をお願いいたします。
○事務局 それでは説明させていただきます。資料3-1を御覧ください。まず1つは、ポジティブリストにおける食品区分についてです。資料の2ページ目を御覧いただきたいのですが、ポジティブリストの形式というスライドがあります。こちらのスライドは、これまでも部会等で示してきたものなのですが、今回追記した部分が使用可能食品の乳・乳製品という部分です。これまで食品区分は、ここにあります4種類としてきたところですけれども、乳・乳製品を加えて、合計で5種類としたいと考えております。
 その説明が1ページ目のスライドになります。なぜ5つの区分にしたかということですが、EUにおいても、乳・乳製品については、溶出試験において異なる溶媒を規定いたしまして、管理しております。また、食品健康影響評価指針においても、同様に5つの区分が設定されまして、食品擬似溶媒が、その乳・乳製品についても個別に設定されております。乳・乳製品については、やはり高脂肪、高蛋白という、一種特殊なものですので、このように乳・乳製品の区分を含めて、5つの区分で管理していきたいと考えております。
 その区分の定義を下の表に示しております。乳・乳製品については、乳等省令第2条で規定される食品のうち、食品中又は食品表面の油脂含有量が20%未満の食品と規定したいと考えております。これは食品安全委員会の評価指針でも同様です。また、油脂及び脂肪性食品については、油脂含有量が20%以上で、乳・乳製品の区分に該当しているものも、油脂含有量が20%以上の場合は、油脂及び脂肪性食品として取り扱いたいと考えております。
 続きまして、もう1つの案件を、資料3-2により御説明させていただきます。こちらは、乳等省令の容器包装に関する規格基準を告示370号に移して管理するもので、これまでも本部会において報告させていただいております。まず、1ページ目のスライドですが、こちらは以前報告されていたものとほぼ同じ内容になっております。ただし、その後、若干の進捗がありまして、3.の項目になりますけれども、今年の6月3日に乳肉の水産食品部会を開催いたしまして、この中でも改めて告示への統合の方向性が了承されております。
 続きまして、2枚目のスライドですが、こちらも、これまで示しておりますように、乳等省令の別表四の各種規格基準の部分について告示370号に組み込むことの説明になります。
 次に、3ページ目のスライドが現在の検討状況を示したものになります。まず1は乳等省令の第1条、第3条の中にあります「器具若しくは容器包装又はこれらの原材料の規格及び製造方法の基準」に関する記載を削除するもので、これは形式的な修正です。2ですけれども、乳等省令で器具・容器包装等を規定しております別表四の内容を、この下のa、b、cの3点等を考慮しながら、器具・容器包装の用途別規格に移行したいと考えておりまして、現在検討を行っております。まず、1つ目のaですけれども、乳等省令における規制内容に整合性が取れていないのではないかと指摘されていることについて、リスクの観点から対応可能なものについては検討するということです。
 その実際の事例を次の4ページに参考資料として示しております。乳等省令の中では、牛乳あるいは乳飲料、それから調製粉乳、こういったいわゆるミルクについて、容器包装、あるいはそれに使用される添加剤について、非常に厳しく規制が設けられております。こちらの表の向かって右の欄を御覧いただきたいのですが、牛乳等では、合成樹脂製容器について添加剤が原則使用禁止とされており、ここに書いてある一部の添加剤のみが使用できる形になっております。また、調製粉乳についても、使用される合成樹脂に対して同じように、添加剤の使用が原則禁止とされております。その一方で、調製液状乳、発酵乳等については、合成樹脂製容器に添加剤の規定がなく、ほかの容器についても、添加剤の規制がないことになっております。
 こちらの添加剤の規制については、この規定を決めた当時に、実際に使用されている添加剤を勘案して、このことを決めたと聞いておりますので、安全性の確認ができるような情報収集ができれば、こちらの添加剤等について、ポジティブリストによって規制できないかを検討したいと考えております。
 続きまして、先ほどの3ページの資料のbですが、乳等省令上の規定においては、他項目に記載されている内容を準用するという記載ぶりとなっているものがありまして、その他項目の記載が非常にたくさんの内容であったり、あるいは元々の記載と非常に離れた所に記載が載っているなど、内容の把握が困難なものがありますので、こちらについては、実際の内容をその告示の中に記載する形で対応したいと考えております。その事例が資料の5ページ目になります。向かって右側の現行の所で、このように「次号cに規定する条件に適合するもの」とあるのですが、次号cというのが非常に分かりにくいということで、この左側の赤字の部分に記載しておりますように、実際に具体的な内容を記載するというように変更したいと考えております。
 続きまして、3ページに戻っていただいて、最後のcですが、これは試験法における規定の重複について、簡略な記載等とすることの対応とありますけれども、告示370号の器具・容器包装の中で、既に試験法が決められているものがあります。それと乳等省令の中の試験法は同じですので、その部分については、告示370号の試験法の記載を利用するということで、資料としては、8ページになります。現在、重金属については、乳等省令の中に試験法が実際細かく記載されていますが、それを向かって左側の案のとおり、告示中の重金属の試験を行うことで、記載を簡略化したいと考えております。以上が事務局からの説明になります。
○有薗部会長 ありがとうございました。ただいまの説明は2つあって、食品区分として乳・乳製品を追加する話と、乳等省令で規制している器具・容器包装の規定を告示第370号に統合することについてのいろいろな検討であれば具体的方向性という話でした。まず、資料3-1に関する乳・乳製品を追加する話です。この点について御質問、あるいはコメント等ございますか。資料3-1の所ですね。4区分の所に、真ん中に乳・乳製品を入れるということです。いかがですか。分類は、食品安全委員会、あるいはEUとやられているのとほとんど同じにするということのようですが、いかがでしょう、何か御質問等ありますか。
○大野委員 ポジティブリストの形式の所の表ですが、乳・乳製品については、追加したということで、大丈夫ではないかと思います。そのほかの所の質問で申し訳ないのですが、酸性食品の所では、現行の規格基準とは少し数字が違っておりますけれども、最終的にこの辺りの整合性というのは、どういう形になっていくのかということをちょっとお尋ねしたいです。
○事務局 その点については、研究班のほうでも告示の試験法については御検討いただいているところですので、今後、引き続きその辺についても御検討いただいて、盛り込んでいくという方向性になるかと思っております。
○大野委員 場合によっては、ポジリスのこの区分と、いわゆるネガティブリストの区分が違うことも可能性としてはあるということですか。
○事務局 時期が間に合えば、そうしたいと思いますが、今、検討状況もありますし、今回、乳・乳製品の区分が追加されたということですので、今後検討を新たにしていかなければならないことでもありますので、その辺の時期についてはもう少し掛かるのかもしれないという状況です。
○大野委員 それから、もう一点よろしいですか。先ほどの非接触面についてですが、例えばインクだとか、接着剤については、もしポジティブリストに加えることになると、(2)の添加剤・塗布剤等という、こちらの分類に入ってきますでしょうか。
○事務局 参考資料の3.で、多層品の図を示していますけれども、この三角形の添加剤などを意図している物質についての御質問かと思います。これがこの非接触層において添加剤などに当たるのであれば、御指摘の(2)の表に該当するものと考えております。一方、こちらの三角形のものが基ポリマー由来のものであれば、基ポリマーとしての規格を設定することになると考えております。
○大野委員 そうですか。分かりました。
○有薗部会長 ありがとうございました。ほかに何か質問はよろしいですか。そうしましたら、資料3-2に関する点で御質問や御意見等あれば、お願いいたします。これは、今検討中であったり、いろいろな具体的にこうなるという話もあったりしていましたけれども。何か御意見等ありますか。
○宮島委員 5ページ目、6ページ目の所で、具体的に数値を挙げてくださっており、大変分かりやすくなっていて良いと思うのですが、数値の記載の所で、ヒ素では、0.1μg/mLというような書き方になっているのに対して、先ほどの厚生労働大臣から規定するほうは、mg表記されていて、食品安全委員会のほうは0.5μとμを使われているのですが、単位の統一等をされる予定はありますでしょうか。
○事務局 御意見ありがとうございます。今、現行の案では、先ほど説明したように考えていたのですが、今の御指摘を踏まえまして、単位をそろえるかどうかについては、検討させていただきたいと思います。
○有薗部会長 ありがとうございました。ほかに質問、御意見等ありますか。先ほどの4ページにある容器に関するいろいろな添加剤の話もありましたけれども、よろしいでしょうか。調製液状乳等の真ん中の欄の規定なしのところとか過去この規定が作られた時には、それほど議論がなかったということで、規定なしになっているけれども、今後ここは少し展開があるかもしれないという感覚でよろしいのでしょうか。
○事務局 御質問ありがとうございます。この調製液状乳等の真ん中の欄の規定なしを検討するというよりは、それ以外の上の牛乳等の欄と、調製粉乳等の欄で、添加剤が使用を原則禁止となっておりますので、安全性について情報が十分得られれば、逆にこちらの使用禁止の部分をもう少し緩和して、ポジティブリストの対象にできないかを検討しているところです。
○有薗部会長 ありがとうございました。ほかにございませんか。よろしいですか。ここは今後また検討していって、逐次私たちのほうに報告、あるいは案内があるだろうと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございました。資料3-1のポジティブリストの告示に関する点は、事務局において必要な作業を進めていっていただければと思います。また、資料3-2の乳等省令の統合のところについては、具体的な内容について改めて議論いただくこともありますので、委員の皆様におかれましては、引き続きよろしくお願いいたします。ちょっと早く終わりましたけれども、以上で本日の議題は終了します。部会委員の皆様から、その他に何か御発言等ございませんか。よろしいですか。ありがとうございました。
 それでは、次回の予定等、事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 次回の器具・容器包装部会につきましては、事務局より改めて御案内させていただきます。また、本日配布しておりますタブレット、「必要事項連絡票」という書類につきましては、事務局が回収いたしますので、机の上に置いたまま御退室ください。よろしくお願いいたします。
○有薗部会長 それでは、本日の器具・容器包装部会はこれで終了いたします。お疲れさまでした。