第13回 医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会

日時

令和元年6月27日(木)16:00~18:00

場所

主婦会館プラザエフ7階 カトレア

議事

○上野総務課長補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第13回「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」を開催させていただきます。
私、厚生労働省医政局総務課課長補佐の上野と申します。よろしくお願いいたします。
本日は、大変お忙しい中、構成員の皆様方におかれましては、本検討会に御出席をいただきまして、ありがとうございます。
本日、桐野構成員からは欠席の御連絡をいただいております。
また、磯部構成員からは17時ごろ、平川構成員からも17時ごろに御到着予定との御連絡をいただいております。
当方の医政局長でございますけれども、所用により30分ほどおくれて参る予定でございます。
続きまして、構成員の人事異動に伴う交代がございましたので、御紹介をさせていただきます。
栃木県保健福祉部医療政策課長の小川俊彦構成員に、新たに構成員に御就任いただいておりますが、本日、小川構成員は御欠席との御連絡をいただいておりまして、代理といたしまして、医療政策課長補佐の谷田部貴様に御参加いただいております。
○谷田部参考人 栃木県の谷田部でございます。代理でございますが、よろしくお願いいたします。
○上野総務課長補佐 また、今回は、参考人として、日本医療機能評価機構理事の亀田俊忠様にお越しいただいております。
○亀田参考人 亀田です。よろしくお願いいたします。
○上野総務課長補佐 それでは、続きまして、資料の確認をさせていただきます。
ペーパーレスでの開催となりますので、お手元のタブレット端末での御確認をお願いいたしたく思っております。
議事次第、座席表ほか、各種資料をお入れしております。
今回の議題の1から3ということで、資料1「医療に関する広告規制について」。
資料2-1「医療の質向上のための体制整備事業について」。
資料2-2「医療の質向上のための体制整備事業~事業概要と今後の進め方~」。
資料3「医療機能情報提供制度について」。
そのほか、参考資料を御用意しております。
また、御参考といたしまして、前回の検討会の資料も掲載させていただいておりますので、必要に応じて御参照いただければと存じます。
資料の不足、タブレット端末の不調等がございましたら、事務局にお申しつけいただければと思っております。
冒頭のカメラ撮りは、ここまでとさせていただきたいと思っております。
(カメラ退室)
○上野総務課長補佐 それでは、以降の進行は、座長にお願いさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○尾形座長 こんにちは。
それでは、早速、議事に入りたいと思います。
議事次第の「1.医療に関する広告規制について」を検討いたします。
まず事務局から資料の説明をお願いいたします。
○鶴田保健医療技術調整官 事務局です。
お手元のタブレットの資料1を用いまして、御説明をさせていただきます。
開いていただきますと、1ページ目「医療に関する広告規制について」でございます。
2ページ目「医療広告の監視指導体制強化について」でございます。
3ページ目から御説明をさせていただきますが、前回の検討会でネットパトロール事業を含めて、事務局はいろいろと御指摘をいただいたところでありますので、いただいた指摘について、今後どのように対応していくのか整理をさせていただきましたので、その内容について御報告させていただきます。
1つ目の課題、違反した医療機関へのわかりやすい通知ですけれども、昨年度のネットパトロール事業の中では、医療機関へ通知する際に、ガイドラインに違反している疑いがありますという形で通知をしていたわけですけれども、ここに関して、検討会では、疑いありではなくて、明確にここが間違っていますといったことを伝えたほうがいいのではないかといった御意見をいただいたところです。
ここに関しましては、我々が通知する際の文書の内容を変更して、わかりやすい情報提供の仕方をしたいと思っております。
具体的な通知の仕方なのですけれども、参考資料4と参考資料5と2つつけさせていただいておりますが、まず参考資料5をお開きいただければと思います。これは昨年度までのネットパトロール事業の運用をどのようにやっていくのか、どのように通知していくかということを都道府県に事前に通知をしているわけですが、この通知の3ページ目の別添1を御確認いただければと思います。従来の通知の仕方ですと、これまではネットパトロール事業を受託していた日本消費者協会のクレジットで通知をさせていただいておりました。また、本文の3パラ目ぐらいのところになりますけれども、ガイドラインに抵触する疑いのある内容が発見されましたという通知の仕方をしていました。
これを今回改めることとしておりまして、参考資料4をお開きいただければと思いますが、これは6月19日に通知として出させていただいたものになりますけれども、この資料の3枚目の別添1を御確認いただければと思います。通知する際のクレジットを厚生労働省医政局総務課とし、厚労省からの通知であることがわかるような形で修正をしています。また、本文の3パラ目のところぐらいになりますけれども、ガイドラインに抵触する内容が発見されましたということを明確に言い切るような表現で通知をするという形で、ネットパトロール事業の通知の仕方、運用をこのように見直したいと考えております。
戻りまして、資料1の2つ目の課題、ウエブサイト監視結果の適切なデータ管理ですけれども、前回の検討会でも、事業でどういった事案に対して通知をしているのかということをざっくりと御提示してきたわけですけれども、具体的にどういう違反があるのかということを詳細に分析して、提示する必要があるのではないかといった御意見をいただいたところです。
ここに関しましては、我々として通知する案件については、しっかりとデータベース化をして、タグづけをして、集計できるような仕様に変更したいと思っていますので、今後は例えば誇大で違反でしたとか、虚偽の内容で違反でしたとか、そういったことをしっかり集計して、この検討会にも御提示できるような形で、データの保持の仕方を工夫したいと思っております。
続きまして、3つ目の課題ですけれども、都道府県等を横断した指導のあり方ということで、運用していくに当たって、都道府県、保健所設置市等、自治体によって規制の解釈の仕方にばらつきがあるのではないか、そこに関しては、全国統一に運用がなされるように、そういった工夫を講じるべきであるといった御意見をいただいていました。
ここに関しては、この検討会と新たに立ち上げる医療広告協議会、また、既存の都道府県の担当者向けのブロック会議、この3つの会議体を活用しながら、しっかりと全国で考え方を統一しながら、制度運用ができるような、そういったことをやっていきたいと思っております。
簡単に申し上げますと、検討会につきましては、規制のあり方を議論する場ですので、ガイドラインですとか、Q&Aですとか、そういったものの見直しが必要になった場合には、こちらの検討会でしっかりと御議論をし、合意形成を図っていきたいと思っております。
医療広告協議会は、新たに立ち上げるものでありますが、都道府県ですとか、広告する立場の方、それを見る方、そういった方々に御参画をいただき、今の制度の運用上の課題ですとか、制度の正しい理解とか、そういったことをする場として活用したいと思っております。
ブロック会議に関しては、各都道府県の担当者へ説明する場であるわけですけれども、こういったところで制度の趣旨、そういったものをしっかりと通知していきたいと思っております。
4つ目の課題ですが、都道府県等の指導体制の強化についてということで、前回の検討会では、都道府県が現状どういった体制で指導をしているのか、そういったことについて、いろいろと御意見をいただいたところです。
これに関しましては、今年度の事業の中で、都道府県の現状をしっかり把握する調査を盛り込んでおりますので、今年度しっかり対応させていただきたいと考えております。
最後、国民に対する違反例のわかりやすい紹介ということで、どういう広告が違反なのか、そういったことが国民にもわかるように通知していく必要があるのではないか、そういった御意見をいただいたところです。
我々としても、景表法ですとか、他制度を見ますと、制度、法令、ガイドラインだけではなくて、わかりやすい解説書みたいなものを提示しながら、その制度の正しい理解を周知していたりしますので、そういったものを見習いながら、我々も医療広告違反事例の解説書をつくり、それに基づきしっかりと周知を図っていきたいと思っております。
これらが前回の検討会で事務局が課題として認識したものでございまして、対応すべき必要があるものにつきましては、このような方向でやっていきたいと思っておりますので、これにつきまして、また御意見等をいただければと思っております。
続けていきますが、ウエブサイトの監視指導体制強化に関しては、今年度も予算を確保し、事業を運営していっているわけですが、今年度からはその事業の一環として、医療広告協議会も運営をしていきたいと思っております。
医療広告協議会につきましては、6ページ目の資料になりますけれども、基本的には関係者の方の現状の課題の共有の場として活用したいと思っております。また、先ほど提案させていただいた解説書に関しましても、この協議会を使ってしっかりと案をつくり上げていきたいと思っておりますし、つくり上げたものに関しては、最終的に検討会に御報告をさせていただき、そこで整理をさせていただきたいと考えております。
具体的な進め方、スケジュールですけれども、7ページ目になりますが、今年度に関しては、協議会を2回開催したいと思っています。2回の中で解説書も含めてしっかりと仕上げていきたいと思っております。協議会の後にこちらの検討会を開催させていただき、報告をしたいと考えているところです。
最後、参考資料として、9ページ目、10ページ目に、昨年度と一昨年度のネットパトロール事業の実績の報告をつけさせていただいております。
9ページをごらんいただきますと、平成29年度、平成30年度の通報件数を比べますと、かなり通報件数が多くなったといった実績があります。
10ページ目は、具体的に医療機関にどれぐらいの量、通知したかということを件数として整理しておりますので、こちらについても御確認いただければと思います。
事務局からの説明は、以上となります。
○尾形座長 ありがとうございました。
ただいま事務局から資料1等に基づきまして御説明がありました、医療に関する広告規制についてでございますけれども、皆様からの御意見、御質問等を承りたいと思います。いかがでしょうか。石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 おくれまして、済みません。大変失礼いたしました。
パトロールのことについてお聞きしたいのですけれども、ネットパトロールはふえているというお話なのですが、ふえて、いろいろと指導などをやって、実際に不適切な広告などは少なくなっているか、その辺はどうなのでしょうか。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○鶴田保健医療技術調整官 実績でいきますと、参考資料の9ページ目になりますけれども、通報件数はふえております。ふえている要因としては、この事業自体の認知度なり、周知の効果もあろうかと思っております。実際、通報件数がふえれば、それに対応しなければならないわけですので、通知する件数に関しましても、10ページ目にありますように、平成29年度は643通知しているわけですが、平成30年度は1,191通知している、そういった実績であります。我々としては、通報されてきたものに関しては、適切に対応していきたいと思っているところです。
あと、石川先生から御質問のあった趣旨は、世の中で違反の内容がどう変化しているかという御質問だと思いますけれども、実際、そこは定量的に評価するのが難しいところもあろうかと思いますが、今回、検討会の事前の説明を先生方にしていく中では、先生方からは、美容の広告とか、以前に比べると大分よくなっているのではないか、そういった御意見もいただいているところでございます。我々としては、ネットパトロール事業、しっかりと適切に運用していきたいと思っているところです。
○尾形座長 石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 問題はパトロールをやるスキルといいますか、パトロールの仕方がうまくなった、あるいは量的にもふえたということで、件数がこういうふうにふえてきたのだと思うのですけれども、問題はパトロールをやることによって、不適切な広告とか、そういったものが抑制できるかどうかということが一番問題だと思います。その辺のパトロールをやってどうだったかということについて、きちんとお聞きできればと思いました。そういう結果もちゃんと出していただきたいということです。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。福長構成員、どうぞ。
○福長構成員 2つ、お聞きしたいことがあります。
出されている内容については、指摘に対して、すごく実効性のあるものにするべく、そういう対応方針を決められていると思うのですが、まず1つは、1番の違反した医療機関へのわかりやすい通知なのですけれども、指摘する通知の内容そのものについては変わらないけれども、疑いがあるという言葉を明確に違反だという言葉にして、具体的にどこが問題になるのかという、そういう通知の方法だけの問題なのか。つまり内容自体のハードルが高くなるという、絶対に違反だと明確にならないものでないと、指摘しないということなのかということが1つです。
それから、4ページ目の5番目なのですが、国民に対する違反例のわかりやすい紹介というものが出ていて、解説書の作成と出ています。解説書というのは、読む主体は誰を想定しているのか。検討会での指摘の中では、しっかり国民にわかるように、国民も監視する一員になるという趣旨の指摘だったと思うのですが、6ページ目では、医療広告協議会で内容を詰めて、検討会に諮るということなのですけれども、ここだと、関係者の認識・理解・問題意識を共有、同じ6ページ目の右のほうに、解説書(案)の協議と協議事項に書いてあって、そこにも関係者にわかりやすい医療広告規制に係る解説書と書いてあるのです。そうすると、一般の消費者の方も口コミサイトに投稿したり、アフィリエイトになったりというところもありますし、監視するという言葉はちょっとどうかと思いますけれども、その一員になるのであれば、消費者も対象にすべき解説書ではないかと思うのですが、そこら辺を教えていただきたいと思います。
○尾形座長 2点、御質問がありました。事務局、お願いします。
○鶴田保健医療技術調整官 通知の内容につきましては、疑いという言葉を使わずに通知することになりますが、通知する対象、ガイドラインに抵触しているかどうかの判断基準自体は変えていませんので、そこ自体がすごく窮屈になったとか、そういう話ではなくて、ここが違反ですと言い切る、その部分を修正し、通知をするという、そういった運用の改善をさせていただきたいという話になります。
解説書のところですけれども、基本的には広告をする側の立場の方々が読んでわかるように書いていく、また、具体的にどういう広告が違反なのかということも、イラストとか、そういったものを使いながら、わかりやすく解説書にしていくことが重要だと思っていまして、そういったものをつくると、結果として、一般の国民の方にとっても、どういう広告内容が違反なのかということが、ビジュアルでわかるようなものが仕上がるのではないかと思っています。
○尾形座長 福長構成員、どうぞ。
○福長構成員 解説書は、関係者だとプラットフォーマーとか、医療機関の方とか、ある程度知識がある方が対象だと、一般の消費者の方と理解力が違うと思ったのですが、それは検討会でもむとか、そういうお話になっていくのでしょうか。
○鶴田保健医療技術調整官 協議会の中でできるだけわかりやすくする努力はしたいと思っていますので、協議会の中にも一般の国民、ユーザーの目線の方にも入っていただきますので、協議会に参加していただく関係者の方々がわかるようなものをつくりたいと思っております。
○福長構成員 わかりました。メンバーの中に必ず消費者側の方も入れていただければと思います。
○鶴田保健医療技術調整官 はい。
○福長構成員 ありがとうございました。
○尾形座長 よろしいですか。
○福長構成員 はい。
○尾形座長 小森構成員、どうぞ。
○小森構成員 ネットパトロールの報告の10ページなのですけれども、平成30年度が出てきて、データの著しい偏りがあるように思います。要するに歯科の部分が極端にふえて、全体的にふえているのだけれども、美容とか、そういうところは減っていますと見えるけれども、実際に数が減っているわけではありません。それはいいことなのだと思うのですけれども、やけに歯科が極端にふえた理由は何かあるのですか。なぜこんなことになったのかという報告は受けているのですか。
○鶴田保健医療技術調整官 通報されてきた件数をそのまま集計しているので、何が理由でその分野の通報がふえているのかは、なかなか評価がしづらいです。ここがどういう評価なのかということは、検討会の先生方にも御議論いただければと思いますけれども、事前に御説明する中で、いろいろいただいたのは、美容のほうは、比較的周知することによって、件数が減ってきているのではないかとおっしゃっていただいた方もいらっしゃいますし、ここは評価の話になりますので、いろんな物の見方があるとは思うのですが、ファクト、データとしては、このような状況になっていますといった内容になります。
○小森構成員 わかりました。
○尾形座長 三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 歯科からなのですけれども、平成30年度と平成29年度を比較して、歯科が非常に伸びている、美容が減っているという部分なのですが、例えば美容と歯科の峻別もかなり難しい点があると思うのですけれども、細目とか、そういうことも全くわからない。
もう一つは、ふえた要因として、一般通報が主を占めていますけれども、キーワード検索で歯科のほうがものすごくひっかかっているということがあれば、そういう部分の対応もまたとっていける。どのようなキーワードでひっかかっている部分が多いのか。限定解除であるとか、いろんな部分があって、我々医療側もどこまで解除というのは、非常に線引きが難しい部分があるので、そういう情報があればいただきたい。
○尾形座長 今の時点で何かわかりますか。
○鶴田保健医療技術調整官 前回の検討会でも同様の御指摘をいただいていまして、今回、データのとり方をしっかりとさせていただくことによって、もう少し詳しく分析ができるような形で検討会に御提示できればと思っていまして、昨年度までのものは、集計しようと思うと、データのとり方のところで全部見直さないといけない状況になってしまっていますので、今年度からは、今、言われた御指摘に対しても、ある程度整理をして、提示をし、皆様方に御評価いただけるような工夫をしたいと思っておりますので、今後、改善するということで、御理解を賜れればと思っております。
○尾形座長 よろしいでしょうか。
○小森構成員 もう一つ、10ページの後半、都道府県通知が少しあるのですけれども、この内容はどういう内容を意味しているのですか。都道府県から直接通知が出た場合の特殊例を言いたいのですか。
○鶴田保健医療技術調整官 ここに関しましては、国から違反です、疑いがありますということで、個別に通知をさせていただきました。そうしますと、1カ月ぐらいの間には、改善するものが多くあります。ただ、一定期間たっても改善しなかった事案に関しては、実際に医療機関が所在する都道府県に対して、こういう事案がありますということを、国から都道府県に通知をしております。ここで言う都道府県通知というのは、国が都道府県へ通知した件数になります。
○小森構成員 わかりました。ありがとうございます。
○尾形座長 よろしいですか。三浦構成員、どうぞ。
○三浦構成員 同じくパトロール報告について御質問です。平成29年度も平成30年度も改善確認と広告中止が大部分で、思ったより素直に従っているという印象なのですが、広告中止というのは、その後、例えば一旦やめたけれども、また再開みたいなケースがないのか、そこまでフォローされているのでしょうか。
○鶴田保健医療技術調整官 現状は、一定期間確認をして、中止し、改善していることが確認できれば、その後のフォローはしておりません。
○尾形座長 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。谷田部参考人、どうぞ。
○谷田部参考人 これまでの議論の中で、自治体間の格差があるような話がされていたと伺っていまして、その中で、私ども栃木県も違反事例が年間を通じて多いわけでもないので、なかなかノウハウが蓄積していかない。その様な中で、今回、情報共有を図れる体制をとっていただけるということで、これは本当にありがたいと思っています。これまで、指導フローという表現がされていますけれども、これを示していただきたいということを申し上げてきました。それに当たるものが今回作成する解説書という理解でよろしいのですか。
○鶴田保健医療技術調整官 段階的に取り組んでいかないといけないと思っています。解説書に関しては、どういうものが違反なのかということをわかりやすく示すということを、今年度の事業の目標として置いているわけですけれども、指導フローに関しても、その後、引き続きいろいろ検討して、整理していかないといけない事項だと思っております。本年度はそこまで着手するのはなかなか難しいと思っていますが、検討課題だと思っていますので、そこに対しても、今後、対応していけるように取り組んでいきたいと思っています。
○尾形座長 よろしいですか。ほかにいかがでしょうか。
ありがとうございました。きょうは、いろいろと御指摘をいただきましたので、今後、事務局もこれらを踏まえて、さらに適切に対応していただきたいと思います。
それでは、先に移りたいと思います。続きまして、議事「2.医療の質の評価・公表について」でございます。
事務局から資料の説明をお願いします。
○鶴田保健医療技術調整官 事務局です。
資料2-1を用いまして、御説明をさせていただきます。「医療の質の評価・公表について」です。
2枚目の資料ですけれども、これは、前回、12月20日の検討会で事務局より提示させていただいた内容になります。
簡単におさらいをしますと、医療の質の向上のために、平成22年度より医療の質の評価・公表等事業を開始し、これまでに9つの病院団体が参加し、約1,000カ所の医療機関において、医療の質の評価・公表の取り組みが実施されてきておりました。
各病院団体ごとに、質の評価・公表の取り組みノウハウというのは、蓄積されてきたわけですけれども、団体を超えて、そういったノウハウを共有する場が限られているといった実態があったわけですので、それを解決するために、新たに医療の質向上のための協議会を立ち上げ、ノウハウを共有し、標準化できるところは標準化をする、そういった取り組みを今後やっていきましょうということで、前回の検討会で提示をさせていただきました。
この目的を達成するために、今年度、予算事業として、医療の質向上のための体制整備事業というものを立ち上げ、これを公募したわけですけれども、結果として、日本医療機能評価機構がこの事業を今回受託しましたので、本日は、評価機構の先生から今年度の事業をどのように進めていくのかということを御発表していただき、それをまた皆様方と御議論していただければと思っております。
事務局からは以上です。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、引き続き、日本医療機能評価機構の亀田様から、資料2-2について、御説明をお願いいたします。
○亀田参考人 本事業を担当させていただいております、日本医療機能評価機構の理事、亀田俊忠と申します。よろしくお願いいたします。
お手元の資料2-2でございます。
本事業は、現在準備中であり、本格的な運用、検討開始は8月中旬以降を予定しております。
本日は、本事業の概要と今後の進め方について、10分程度で御報告をさせていただきます。
2ページ目をごらんください。事業の目的でございますが、臨床指標を通じて現場の自主的な質改善活動を充実させること、そして、医療の客観性を高め信頼性を向上させることの2点です。これは現時点での案であり今後の検討対象と考えております。本検討会においても、忌憚のない御意見をいただければ幸いでございます。
申すまでもなく、指標はあくまでも医療の質を継続的に向上させるためのツールです。本事業は、指標というツールを有効に活用させる環境の整備が、与えられた使命であると考えております。
3ページをごらんください。事業内容です。本事業では、先ほどありましたように、これまで臨床指標を活用し、医療の質向上に取り組んでこられた各団体、関係者の皆様から構成される協議会を設置することとなっております。現在、趣旨説明及び協力の依頼を進めているところでございます。協議会では、日本の医療の質の継続的な向上に向けたさまざまな施策について御議論いただくとともに、意欲ある医療者、関係者の集まりである仮称QIコンソーシアムと呼ばれる活動の場にフィードバックする予定でおります。活動の場の形態としては、フェース・トゥー・フェースもありますし、バーチャルなども考えております。
具体的な検討テーマは、臨床指標を活用した質改善活動の共有・普及のあり方、臨床指標を活用した質改善活動を中核的に実施できる人材養成のあり方、臨床指標の標準化及び公表のあり方、臨床指標の評価・分析支援のあり方、そして、今後、本事業が継続・発展していくための仕組みづくりといったものが挙げられております。
なお、この事業は、これまで取り組んでこられた団体を中心に実施いたしますが、全国の多くの医療団体、医療機関に御参加いただきます。そこで、さまざまな医療特性に応じた質の向上を視野に入れる必要があると考えております。また、臨床指標の活用をさらに進めるためには、例えば病院機能評価や診療ガイドライン、あるいはマネジメントシステムなどとの連携のあり方も検討のテーマになるかと考えております。
4ページをごらんください。先の事業内容でも少し触れましたが、本事業の主役はあくまでも各医療現場であります。そして、多くの意欲ある関係者が集える場として、QIコンソーシアムを開設いたします。
その下ですけれども、各医療現場の活動を支援するための施策の企画・検討事項及びコンソーシアムの運営などを行うために、各団体の代表者などから構成される、医療の質向上のための協議会を設置し、厚生労働省からの支援を受け、医療界に対して事業を進めてまいります。
5ページをごらんください。厚労省からの御指導もいただき、これまでの間、各団体のトップに対し、本事業の趣旨説明を丁寧に行ってまいりました。そのかいもあって、多くの関係者から御理解、御協力をいただいております。現在は、各団体の実務担当者からこれまでの取り組みについてヒアリングを行っております。今後は、個別の病院へも訪問して、現場レベルでの実態調査を行う予定です。
また、並行して、協議会設置に向けた体制整備を進めています。スケジュールなのですが、9月ごろまでに第1回の協議会を開催し、事業目的、目標の共有、進め方、方向性などを確認した後、各種施策に応じた部会を設置し、議論を深めていく予定です。
さらに1月から2月をめどに、第2回の協議会を予定しています。そこでは、各部会における検討状況を総括するとともに、将来ビジョンを共有した上で、次年度以降に向けた計画策定などを行う予定です。
また、これらに基づき、年度末の3月には、コンソーシアムにおいて、年度の活動実績を報告する計画です。
6ページをごらんください。これまでの間に実施してきましたヒアリング内容についてまとめてあります。細かな御説明は割愛いたしますが、多くの関係者から御理解、御協力をいただいた一方で、これまでの取り組みにおける課題、本事業への期待、要望など、多くの声を既にいただいております。
最後、7ページをごらんください。本事業を進めるに当たり、協議会の設置が最初の一歩となります。これまでのヒアリングから、各団体の取り組みは大変御熱心であり多種多様です。今後、オールジャパンとして取り組んでいくためには、丁寧な議論が必要であるということを実感しております。
日本医療機能評価機構は、中立的・科学的な立場から、さまざまな課題についての論点整理を行い、組織、団体の枠を超えた未来志向の建設的な協業の実現に努めてまいります。当検討会においても、引き続き御指導いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上で説明を終わります。ありがとうございました。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま御説明をいただきました、資料2-1及び資料2-2を一括して御議論いただきたいと思います。御意見、御質問のある方は、お願いします。三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 評価機構さんに確認をとりたいのですけれども、質の向上のための体制整備事業は、病院を対象とされているのですか。
○亀田参考人 厚生労働省からは、余り限定的に考えるな、多種多様なこれからの医療の質の向上を前提に、検討しなさいということが与えられています。ですので、これまで10年近く取り組んでこられた各医療団体が最初の基盤になりますけれども、今後は協議会の場で議論いただきながら、なるべく広く、将来に向けて役立つような社会、大きな意味での医療の質の向上に役立つような事業にしたいと思っております。よろしいでしょうか。
○尾形座長 三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 スケジュールの5ページ目を見せていただきますと、4月から6月の間に各病院団体の担当者への趣旨説明、ヒアリングは終わった。そこからいろんな実態調査を個別にされていく予定となっておりますが、ここに関しましては、医科だけでされているのですか。
○亀田参考人 これまでの厚労省の補助でQI事業に取り組んできた9団体のトップ、現場担当者のヒアリングを進めております。同時に、学識経験者、いろいろな視点の関係者からもお話を伺っており、協議会の構成、施策の検討に取り組む必要があると考えています。検討体制については、いままさに検討中です。オールジャパン、病院に限定せずに、もっと広い観点から検討を進めております。
○木川構成員 御質問は、医科だけではなくて、歯科もという御質問ですか。
○三井構成員 端的に言いますと、今のところ、歯科医師会には、評価機構さんから何のヒアリングもございません。今後、この協議会に関して、歯科は関与するのでしょうか、しないのでしょうかというところをお伺いしたいということです。
○尾形座長 どうぞ。
○亀田参考人 歯科については、これまで厚労省からもお話はありませんでした。QI事業における歯科については、見落としていたというよりも、気づきませんでした。今後、積極的な、前向きな、意欲のある御意見をいただきながら、オールジャパンということで協力をいただきたいと考えております。歯科以外にも、例えばプライマリー・ケアなど、いろいろな分野が関わると思います。今回初めての試みであるわけですから、議論を積み重ねながら、未来志向、建設的な形で進めていきたいと考えております。
○尾形座長 三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 厚労省からなかったということで、現在のところ、歯科はコンタクトがないということですけれども、厚労省は決してそういうふうには考えられていない。今後、歯科も一緒に入って、質の向上を図っていきたいと解釈していってよろしいでしょうか。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○鶴田保健医療技術調整官 そのような理解でよいかと思います。
○尾形座長 三井構成員、よろしいですか。
○三井構成員 ありがとうございます。
○尾形座長 ほかにいかがでしょうか。石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 評価をして、点数化するのかとか、いろいろあると思うのですけれども、私も病院をやっていまして、日本医療機能評価機構さんに来ていただいて、医療安全とか、医療整備の状況を見ていただいて、それを受けることにすごく意味があるわけです。点数化とか、そういうことではなくて、質の評価というのは、全体が医療の広告のお話をしているわけですから、国民にとって、この病院あるいはこの診療所は、質として、例えばグルメのように、何点幾つとか、そういう形で表現するのかどうか。最終的な評価の結果をどういうふうにイメージしておられるのか、教えていただきたいです。
○尾形座長 お願いします。
○亀田参考人 非常に重要な論点だと思います。今後、協議会あるいは専門的な部会等で議論を進め、共有していきます。今のところ、評価・公表という命題がありますが、議論は十分であるとは言えないと思っております。
○尾形座長 石川構成員、よろしいですか。
○石川構成員 はい。
○尾形座長 ほかにいかがでしょうか。本多構成員、どうぞ。
○本多構成員 こちらのスケジュールのところには、事前調査ということで、諸外国事例等と書かれているのですけれども、これは既に調査をされているということなのでしょうか。
○尾形座長 亀田参考人、お願いします。
○亀田参考人 既に厚労省の予算において、海外の調査研究事業が先行しています。それを参考にするような形で、現在、文献調査レベルで海外の情報は整理しております。今後さらに深く、海外事例を参考にしながら、日本の仕組みをつくっていく予定でございます。
○尾形座長 よろしいですか。
この検討会でも、かつてアメリカのホスピタルコンペア、ナーシングホームコンペア等について、福井先生から御紹介いただいたりしておりますが、ぜひ海外の状況も踏まえて考えていただきたいと思います。
ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。きょうのいろいろな御指摘も踏まえまして、日本医療機能評価機構におかれましては、医療の質向上のための体制整備状況につきまして、今後、適切に対応を進めていただければと思います。きょうは、どうもありがとうございました。
それでは、次の議題でございますが、議事「3.医療機能情報提供制度について」に移りたいと思います。
まず事務局から資料の説明をお願いいたします。
○鶴田保健医療技術調整官 事務局です。
資料3「医療機能情報提供制度について」を用いまして、御説明をさせていただきます。
1枚目のスライドですけれども、これは医療機能情報提供制度の概要をお示ししたものでありますが、この制度自体は、平成19年4月から運用がされ、10年以上が経過をしているものになります。現状は、各都道府県ごとに医療機関を検索できるシステムを構築し、47都道府県がそれぞれに運用している実態があります。
2枚目のスライドですけれども、今はばらばらに運用がされているわけですが、将来的にシステム自体は1つの基盤を国が提供し、それを各都道府県が利用できる、そういった仕組みを構築していくために、今年度、47都道府県がどのような運用をしているのか、その実態を調べるための調査研究事業を走らせております。今年度に関しては、調査をするとともに、全国的に一本化するシステムをどのように組み立てていくのか、そういった要件定義を今年度中に詰めるという目的で、事業を進めているところです。
3枚目は、先週、閣議決定されております、成長戦略フォローアップの中におきましても、全国統一のシステムをつくっていくというスケジュールが盛り込まれているところです。こういったスケジュールにも沿いながら、事業を進めていければと考えているところです。
4枚目以降ですけれども、これまで医療機能情報提供制度の全国統一システムの構築に関して、この検討会ですとか、医療部会ですとか、あとは、昨年、上手な医療のかかり方を広めるための懇談会というものを実施しておりましたが、その中でさまざまな御指摘をいただいているところです。
関連する部分を事務局で抜粋し、整理をさせていただいているわけですが、簡単に御紹介させていただきますと、4ページ目の1ポツ目のところですけれども、患者の適切な医療機関選択の目安となる項目を追加すると言っているけれども、こういう細かい報告を見て、患者さんが自分にはこの病院が適切だなんていう判断は到底できない。医療機関がこの患者さんはどこがいいかというふうに考える目安というのならわかるが、そもそも基本的なスタンスをしっかりしないといけないのではないかという御意見です。
2つ目のポツにありますように、現状の医療機能情報提供制度の報告事項は、わかりやすい解説がなく、必ずしも住民が医療機関を選択するための基準になっていないのではないかなど、できる限り、今あるシステムをよりわかりやすくする工夫が必要なのではないかという御意見をさまざまにいただいているところです。
5枚目のスライドですけれども、1ポツ目のところにありますように、データの管理方法が都道府県ごとに異なるのは問題である。データベースの標準化や全国的にデータを活用できる枠組みを検討するべきではないか。
医療情報としては、まずこれを見ればいいという、コンセンサスをみんなが持てるようなものを国としてやるべきではないか。
住民のわかりやすさ、使いやすさを高めることが重要である一方、医療情報は正確性が必要である。医療情報の表現は、より住民に身近な主体が担い、情報の正確性や更新は国や県が担保するのがいいのではないかということで、正確な情報の報告・管理をどういうふうにやっていくのかという御意見をいただいているところです。
また、下の枠のところですけれども、ここにありますように、報告する医療機関側にも大きな負担があるので、そういったところに配慮すべきではないかといった御意見をいただいているところです。
6ページですけれども、2ポツ目のところですと、各都道府県が地域の独自性を発揮して、患者さんの適切な医療機関の選択に資するようなものを工夫していかなければいけない。47都道府県それぞれ独自に発展してきているところもありますので、各地域の独自性を生かすような仕組みをつくっていく必要があるのではないかといった御意見をこれまでいただいていると、事務局としては、認識しているところです。
7枚目のスライドは、全国統一システムをつくっていくに当たっての基本的な考え方を整理させていただいておりますが、今、御紹介した4つの軸で検討していく必要があるのではないかと思っています。わかりやすい情報提供、正確な情報の報告・管理、報告する医療機関の負担軽減、各地域の独自性を生かす情報提供、こういった視点に立って整備をしていく必要があると思っております。
今年度の事業を進めていく上で、どのような形で進めていくかということを8枚目のスライドで整理しておりますが、今年度事業の中で検討委員会を立ち上げ、さらに業務フロー検討ワーキンググループ、公表項目検討ワーキンググループ、システム検討ワーキンググループを回しながら、実態調査に基づいて、あるべくシステムの仕様を整理していきたいと思っています。
検討するに当たって、都道府県調査、ベンダーの調査、最新技術の調査、NDBを用いた試行的集計、こういったものを組み合わせながら、対応していきたいと考えているところです。
最後、スケジュールを9ページ目にお示しさせていただいておりますが、7月から9月、10月から12月の間で検討委員会、都道府県担当者会議を1回ずつ開催させていただき、ワーキンググループについても必要に応じて開催し、全国統一システムの仕様を整理していきたいと考えているところです。
事務局からの説明は、以上となります。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま事務局から説明がありました、医療機能情報提供制度について、御意見、御質問等を承りたいと思います。木川構成員、どうぞ。
○木川構成員 活用できないデータは無意味だと思いますので、全国統一のデータベースをつくるということは非常に賛成で、ぜひ進めていただきたいと思います。
ただ、データを集めるからには、民間が活用できるようにする必要があると思いますので、データをデータそのものとして提供する仕組みをつくっていただきたいと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。本多構成員、どうぞ。
○本多構成員 8ページの提案ですが、全国統一システムの構築について、検討委員会等を設置して検討を行うことはいいと思いますが、下のグリーンのところで、都道府県調査、ベンダー調査、最新技術調査について記されておりますが、これを使うのはシステムを活用する利用者でありますので、利用者の調査が抜けているのではないかと思います。利用者のためのシステムですので、その点は、使う方の声を聞いていただければと思います。
また、4ページに出ておりますけれども、医療機能情報提供制度の認知度は11%ぐらいとなっているが、使われている方の9割は「よかった」と言っているので、その回答がどういう内容なのか、そういったところも掘り下げて見ていただければと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
小森構成員、どうぞ。
○小森構成員 このシステムとこの前の医療の資のシステム、この2つについて、将来的には整合性をとらせるわけですか。数字的なデータはここで出ます。片や質的なデータが出ます。全く別にやっていくわけですが、将来的には何か考えておられますか。2つを1つにまとめていくとか、全く別のものとしてどんどん進めていくとか、それはいかがでしょうか。
○尾形座長 事務局、お願いします。
○鶴田保健医療技術調整官 医療の質評価・公表の文脈につきましては、これまで各病院団体、関係者の方々がいろいろとノウハウを蓄積しているわけですけれども、医療界全体で合意形成がなされた評価指標は、まだできていません。これからつくっていくというのが現状だと思います。合意形成をし、標準的なものが将来的にできた場合、それをどう活用していくのかということは、再度、そこで議論が必要になろうかと思っております。例えば医療機能情報提供制度に取り組むという合意形成がなされるのであれば、そういうこともあり得るのかもしれませんけれども、そこは将来的な課題というか、検討事項だと思っております。
○尾形座長 どうぞ。
○小森構成員 先ほど医療の質も出ていましたけれども、かなり精鋭化された病院群なのです。それ以外をやっているわけではないので、もし医療全体に広げていくとしたら、今までの苦労を取り入れながら質を考えて、なおかつ、こちらはデータの数がすごい数で出てくるので、うまく間に入っていただいて、整合性をとっていただければ、すごくいいものになるし、二極化で分かれてしまうと、使う側、国民が使うのが難しくなるので、その辺はぜひうまくやってください。よろしくお願いします。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。平川構成員、どうぞ。
○平川構成員 質問がありますけれども、予算の関係です。単年度予算では7100万円という額になっていますが、システムの構築の段階では、結構お金がかかるような気がしますけれども、その規模感と、あと、これは都道府県が使うものでありますので、国、都道府県の負担の割合などを含めて、考え方がありましたら、教えていただきたいと思います。
それから、意見ですけれども、NDBを使うということでありますが、そのままNDBを使うと、膨大なデータになってしまって、かえってわかりづらいこともありますし、一方で、簡略化していると、それもまたわかりづらいということでありますので、これも含めて、今後の検討の課題だと思いますが、事務方として、NDBを用いたデータは、どのぐらいまでイメージとして持っているのかということを教えていただきたいと思います。
また、病院の公表もあるということで、例えば経営実態などを含めて、それをアプリオリにしていくかどうかということも、少し教えていただきたいと思います。
以上です。
○尾形座長 3点ほどの御質問だったと思いますが、事務局、お願いします。
○鶴田保健医療技術調整官 予算に関しては、今年度の予算はこうなっていますということを提示させていただいているわけですが、次年度以降に関しましては、こういったシステムをつくるに当たって必要な経費について、我々はしっかりと要求していきたいと思っております。まだ要求をしようとしている段階ですので、具体的にどのぐらいの金額になるかということに関しましては、今の時点では御提示することができませんが、システムをつくるに当たって必要な経費というものを、我々としては、しっかりと要求していきたいと思っているところです。
もう一つは、NDBの関係の御質問ですけれども、今、医療機能情報提供制度につきましては、省令、告示等で報告をする項目は、既に定められております。その中には、手術の件数ですとか、そういったものが報告項目になっているわけですが、現状は各医療機関が手術件数を集計し、それを都道府県に報告していただく、そういった運用がなされているわけですが、レセプトデータを使うことによって、集計を代替することができれば、医療機関の負担が軽減できると思っておりますので、NDBのデータを集計したものについて、医療機能情報提供制度で活用できないかということを検討していきたいと思っているところです。それでどのぐらいのデータ量になるかというのは、まさに今年度の検討事項だと思っております。
あと、どういった項目を載せるかというところに関しましては、繰り返しになってしまいますが、医療機能情報提供制度で既に規定されている報告項目があります。また、各都道府県が独自に報告事項を求めているものもありますので、まずはその実態がどうなっているかということを整理させていただき、項目によっては、オールジャパンの報告事項として整理したほうがいいのではないかというものも当然あり得ると思いますが、現状、運用されている実態をしっかりと整理していきたいと、事務局としては考えているところです。
以上です。
○尾形座長 平川構成員、どうぞ。
○平川構成員 予算の関係ですけれども、これは都道府県が運用するのですが、地方団体の負担はないということになるのですか。
○鶴田保健医療技術調整官 現状は各都道府県がシステムをつくって、運用していますので、システムの開発費用とか、運用費というのは、各県が支出しています。今回、新しいものに関しては、基盤は国で準備をし、それを各都道府県に利用していただくことになりますので、基盤に関するコストは、さらに検討しないといけないのですけれども、国負担部分がかなりあると認識をしています。
ただ、それを使うに当たって、細かい話ですけれども、例えば各県が人を充てたり、問い合わせ対応をしたり、報告するに当たって、医療機関に紙で送って、それをもらって、パンチングしたりとか、県は県で必要なコストが発生するかと思いますので、国が準備すべきものと、都道府県がやるべき事務に必要な経費をどういうふうに整理するのかということは、今後、引き続き、検討していかなければいけないと考えております。
○尾形座長 平川構成員、よろしいですか。
○平川構成員 はい。
○尾形座長 ほかにいかがでしょうか。大道構成員、どうぞ。
○大道構成員 国で統一のシステムということなのですけれども、今の各都道府県独自の項目は、今後どうされますか。
○鶴田保健医療技術調整官 各都道府県の独自項目は、バラエティーがあろうかと思っています。各都道府県が独自項目を設定できる、そういった枠組みのシステムを準備する必要があると思っていますので、そこはしっかりとシステムのつくり方で整理して、対応していきたいと思っております。端的に言えば、独自項目もできるようなシステムにすることを目指したいと思っております。
○尾形座長 大道構成員、どうぞ。
○大道構成員 3ページのところで、成長戦略フォローアップの下線部分で、医療機関を検索できる医療情報ネットの抜本的な見直しを行い、国民の医療のかかり方に関する行動変容を促すとあるのですけれども、行動変容を促すような情報提供のあり方に関しては、例えばここの検討会との整合性をどうとるのかということがあると思うのですが、11%しか知らないというところのベースとして、国民の方々が病院検索をすると、いわゆる既存のウエブがどんどん立ち上がってくるわけです。それを見て、何を選んでいるのかというと、クリニックを選ぶとなってくると、例えば口コミ情報であったり、その中でとても優しいお医者さんですみたいなものがあったら、そちらに行こうかとか、でも、統一フォーマットの中で、この医者が優しいとか、厳しいとか、そういう評価はありません。先ほどの医療機能評価機構のものでもないわけですから、そういうものと対抗していく、それで行動変容を起こすような、インパクトの強いものをつくることができるのかというのは、今は想像できないのですけれども、何か案がおありなのでしょうか。
○鶴田保健医療技術調整官 上手な医療のかかり方を普及するという文脈の中で、厚労省として取り組みを進めていこうとしているわけですけれども、もちろんそれを進めるに当たって、検索システムだけがツールというわけではなくて、例えば#8000であるとか、さまざまなツールがあるわけですし、例えばかかりつけ医を持ちましょうとか、そういった取り組みはあるわけですので、そういったものをパッケージとしてやっていく必要があると思います。いろいろある取り組みの中の1つとして、今回、全国統一の医療機関が検索できるシステムをつくって、よりよいものにしていこう、そういった御提案になります。
○尾形座長 大道構成員、よろしいですか。
○大道構成員 はい。
○尾形座長 石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 県独自の工夫をそれぞれ皆さんしています。私も14~15年前にやったのですけれども、県の予算というのは、2億とか、3億なのです。5年か、6年使うという感じでやるのですけれども、そのときに、1年に1回の入力システムの中で、医療機関がどういう項目を入力するのか、在宅でどういうことをやっているのか、表現をどういうふうに入力の中に入れるのかということも、相当工夫しながらやっています。各県が何億もかけてやっているのが実態ですので、国がクラウドか何かでやるのは、私は大賛成です。しかし、基本的には年に1回の提出ですので、すぐに陳腐化するのです。国民にとっての情報として、営業時間とか、開業時間とか、そういったものも全部載っていますので、変わることもいっぱいあって、なかなか大変なので、変更があったときには、自分でどんどん変更しなさいということをやらせないとあれですけれども、このことについて、細かいデータがあっても、どうしても国民には使いにくい成り立ちになってしまいます。
今はスマホで、まず熱が出たときにどうやって入っていくのか。こうやっている県もあるのです。症状から入って検索する県もあるのですけれども、スマホでどんどんやってしまっていて、県のほうにはほとんどいかないというのが現状だと思います。そこら辺の使い勝手を改善して、国が1つのスタンダードをつくるのだったら、それは大いに賛成で、かつ国民に見やすいものをつくるということは、やったほうがいいのではないかと思います。
○尾形座長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。磯部構成員、どうぞ。
○磯部構成員 磯部です。
講義の関係で、遅刻してごめんなさい。
わかりやすい情報を入手できるようにするとか、この際、正確さをアップするとか、病院の負担を減らすとか、医療のかかり方に関する行動変容を促すとか、いろいろな狙いがあるところで、どういう進め方になって、出口にたどり着くのかということが、いま一つよくわからないので、今後、いろいろ議論していただくのだろうと思いますが、どうせならということなのですけれども、地域ごとの独自性について、この際、活用できるものは活用する、いいものは残すという視点も重要だとは思います。
他方で、総務省等で地方の業務プロセス・システムの効率化とか標準化の話をしていますと、地方の事務負担は今でも大変なもので、リソースも限られさらに減っていく中、地域の独自性でシステムをカスタマイズしていく余地をどんどん残して、ベンダーもそれに全部対応していると、結局、全体の仕事量はそんなに減らないことになってしまう。そうであれば、ある程度国が全国一律にやることで、全体としての仕事量を上手に減らしていくという視点も必要だという気がしておりました。そこは、独自性を生かしながら、全国一律に強力にというさじかげんは難しいと思うのですが、どちらも大事なのではないかということをコメントしておきたかったというのが1つです。
もう一つは、6ページの独自性のところで出てくるのですが、国民目線では介護サービスも同時に調べたいというニーズもあるという話ですが、そういう工夫をしている地域は残しましょうという話ではなくて、およそ医療情報にあわせて、介護に関する情報も、関心がある国民がどのようにそれにアクセスできるかという意味では、全体にかかわる話なのだろうと思いますので、地域独自性の範疇にのみおさめないでいただきたい視点だと思いました。
以上、2点、コメントのみです。
○尾形座長 ありがとうございました。
三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 少し教えていただきたいのですけれども、気になるところは、NDBを用いてというところです。例えばNDBはかなり項目が細かく、きちっと出てくる確かな統計調査ですけれども、NDBは、実際に情報の活用として、そのデータを用いて、どのようなものが公表できるデータだと考えられているのか、お教え願いたいです。
○鶴田保健医療技術調整官 先ほど簡単に御紹介した手術件数みたいなものが集計できるのではないかと思っています。基本的には今の医療機能情報提供制度でとっている報告項目の中で、代替できるものがどの程度あるのかということは、今、まさに作業をしていただいている最中ですので、そういったものは整理をした上で、検討委員会等で議論をするときに、どんどん提示していければと思っております。手術件数とか、そういったものを想定しています。
○尾形座長 三井構成員、どうぞ。
○三井構成員 極端な言い方をしますと、手術件数だけならば、NDBのデータを活用しなくても、ある程度とれるのではないか。NDBのデータを簡単に取り上げて、出していって、それを表に公表すると、非常に大きな問題をはらむ危険性があると考えるわけです。患者さんが一番欲しい情報は、先ほど石川構成員も言われましたけれども、休診がいつであるとか、診療時間がいつであるとか、診療科目が何であるかということです。それと何科が専門であるかというところです。そういうものは、NDBをそろえなくても、標榜ですぐにわかる部分になるので、NDBに関して、物すごく嫌な感じがします。
○鶴田保健医療技術調整官 あくまでも、現在、医療機能情報提供制度で求めている報告項目を代替できるものがあるかどうかという検討の仕方ですので、また、報告項目を今後ふやすということであれば、省令、告示改正等が必要になるわけですけれども、項目をふやすということであれば、検討会で御議論していただかないといけないと思っております。むやみやたらにこれを機にふやしてしまおうという話では全くなくて、今ある報告項目の中で、医療機関の負担を軽減するという観点から、どれが置きかえられるのかというところで、NDBがどう使えるのかということをしっかりと整備していく、そういった御提案内容になります。
○尾形座長 よろしいですか。
○三井構成員 はい。
○尾形座長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
ありがとうございました。それでは、ただいまの医療機能情報提供制度でございますけれども、貴重な御意見、御指摘をいただきましたので、本日の議論を踏まえて、事務局においては、適切に対応を進めていただきたいと思います。
本日用意した議題は以上ですが、その他、事務局から何かございますか。
○上野総務課長補佐 次回の日程等につきましては、改めて御連絡をさせていただきます。
以上でございます。
○尾形座長 ありがとうございました。
それでは、少し早いですけれども、本日はこれで閉会といたしたいと思います。熱心な御議論、どうもありがとうございました。
 

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