2019年6月12日 膵臓・腎臓移植の基準等に関する作業班 議事録

健康局難病対策課移植医療対策推進室

日時

令和元年6月12日 (水) 11:00~13:00

場所

厚生労働省20階 共用第9会議室

出席者

委員(五十音順)

議題

(1) 膵臓移植希望者 (レシピエント) 選択基準について
(2) その他

配布資料

■ 資料1-1  膵臓移植希望者(レシピエント)選択基準について-今回の検討項目-
■ 資料1-2  膵臓移植希望者(レシピエント)選択基準について
■ 資料2   リンパ球クロスマッチの取扱いについて
■ 参考資料1 膵臓移植希望者(レシピエント)選択基準
■ 参考資料2 学会からの要望
  

議事

議事内容
○曽山補佐 それでは、定刻になりましたので、ただいまより「膵臓・腎臓移植の基準等に関する作業班」を開催したいと存じます。
班員の先生方におかれましては、お忙しいところ、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
前回の作業班の開催が平成30年4月24日ですので、約1年ぶりの作業班となります。
時間の制約もございますので、このまま会議を進めさせていただきたいと存じます。
本日は、稲垣委員、浦上委員、松久委員、服部委員、水口委員、湯澤由紀夫委員から御欠席との御連絡をいただいております。
それでは、以後の議事の進行は、膵臓移植に関する作業班、深尾班長にお願いしたいと存じます。深尾班長、お願いいたします。

○深尾班長 よろしくお願いいたします。
梅雨に入っていますけれども、きょうは幸い降っていないので、喜んでいますけれども、この日程調整に事務局は随分苦労したようですけれども、皆さん、お集まりいただきまして、ありがとうございます。
では、議事に入りたいと思います。
今回の会議は、タブレットを使ってやるそうですので、このタブレットの使い方とか資料の説明、その他を事務局から御説明いただきたいと思います。お願いします。

○曽山補佐 タブレットは、議事次第を画面に表示した状態で配付いたしております。画面左上に「マイプライベートファイル」という箇所がございますので、そちらをタップしていただきますと、フォルダーの中の資料一覧が表示されます。
資料の説明をいたします。
資料1-1が「膵臓移植希望者(レシピエント)選択基準について」ということで、今回の検討項目を記載してございます。
資料1-2が「膵臓移植希望者(レシピエント)選択基準について」ということで、各種データ、またシェーマ等が格納されております。
次に、資料2が「リンパ球クロスマッチの取扱いについて」。
参考資料1としまして「膵臓移植希望者(レシピエント)選択基準」と参考資料2としまして「学会からの要望」をつけさせていただいております。
もし、タブレットの操作などに不明な点がございましたら、手を挙げていただければ事務局の者が参ります。また、お手元にタブレット操作説明書もお配りしておりますので、適宜御参照ください。
なお、タブレット、タッチペン及び紙ファイルは、会議終了後持ち帰らず、机の上に置いたままとしていただきますよう、お願いいたします。
引き続きまして、本日の議事の進め方について御説明いたします。まず初めに、膵臓レシピエント選択基準における、小児からの臓器提供が行われた際の優先順位について御討議いただきたいと存じます。続きまして、待機inactive制度について御討議いただきます。こちらの議題に関しましては、膵臓作業班、また腎臓作業班の両班の先生に御討議いただきたいと存じます。
最後に、昨年の合同作業班でも議題になりました、リンパ球クロスマッチの取扱いについて報告をさせていただきたいと存じます。
事務局からは以上です。

○深尾班長 それでは、検討事項に入りたいと思いますけれども、まず膵臓移植希望者(レシピエント)選択基準について、説明を事務局からお願いします。

○曽山補佐 それでは、資料1-1、資料1-2に基づきまして説明させていただきたいと存じます。
まず、資料1-1をごらんください。今回、検討するに至った経緯について御説明いたします。
(1)をごらんください。心臓、肝臓、腎臓における現行のレシピエント選択基準では、小児のドナーから提供があった際は小児のレシピエントへ優先的にあっせんすることを基準に盛り込んでおります。それを踏まえまして、平成30年6月6日に開催されました第49回厚生科学審議会疾病対策部会臓器移植委員会におきまして、ほかの臓器に関しましても同様の選択基準を導入するかどうか検討すべきではないかという意見がございました。
これを受けまして、平成30年6月20日、厚生労働省移植医療対策推進室から日本膵・膵島移植研究会に対しまして、小児ドナーから臓器提供があった際のあっせんルールについて検討を行っていただくよう依頼したところでございます。これに対しまして、平成30年6月25日、日本膵・膵島移植研究会から、膵臓移植レシピエント選択基準における小児ドナーからの臓器提供時の小児レシピエントへの優先あっせんの導入に関する要望が提出されたところでございます。
こちらに関しましては、参考資料2のほうに記載してありますけれども、参考資料2をごらんいただきますと、希望としては、20歳未満のドナーからの膵臓は、20歳未満のレシピエントに優先的にあっせんするという要望をいただいているところでございます。これをもちまして、今回、レシピエント選択基準における優先順位の中での小児の取扱いということについて御検討いただければと存じます。
資料1-2をごらんください。
2ページ目をごらんいただきますと、現行の膵臓移植レシピエント選択基準における優先順位が書いてございます。優先順位としましては、まず親族優先がございまして、ABO式血液型、これは一致を適合より優先ということでございます。次に、HLAの適合度。続きまして、膵腎同時移植希望者、その次に腎移植を受けた後の膵臓移植希望、そして膵臓単独移植という項目について優先順位が決まっているところでございます。続きまして、待機期間、そして搬送時間ということで優先順位が決定しているところでございます。
次のページをごらんください。各臓器における優先順位ということで説明させていただきます。表に記載しておりますのは、親族優先がなく、ドナーが小児の場合の各臓器での優先順位でございます。
まず、心臓をごらんください。心臓では、小児のドナーの年齢区分としては、18歳未満ということで、登録時18歳未満のレシピエントを優先するということになっております。その後、治療等の状況による優先度、ABO式血液型ということでございまして、平成27年より運用されているところでございます。
続きまして、肝臓ですが、こちらは小児ドナーの年齢区分は18歳未満となっております。18歳未満のレシピエントを優先するというのが一番上に来まして、その後、医学的緊急性、ABO式血液型という順番で優先されることになっておりまして、これは昨年から運用されているところでございます。
次に、腎臓に関してですが、小児ドナーの年齢区分としましては20歳未満ということでございまして、20歳未満のレシピエントを優先することが最上位に来ておりまして、次にABO式血液型。また、その次に3の項目の合計点が高い順に優先されるということになっておりまして、この20歳未満のレシピエントを最上位で優先するということが平成30年10月1日から運用されているところでございます。
次のページをごらんください。膵臓移植にかかわる小児ドナーの取扱いということになりますと、小児ドナーからの臓器提供時の膵腎同時移植希望者の取扱いということに関しまして、昨年の第49回臓器移植委員会にて、下記の事項が承認されているところでございます。
内容としましては、ドナーが20歳未満の場合であって、選ばれた膵腎同時移植の待機者が20歳以上であり、腎臓移植待機リストで選択されたレシピエントが20歳未満の場合は、当該腎臓移植希望者が優先されるというルールでございまして、こちらに関しましては、運用に向けてシステム改修を進めているところでございます。
次のページをごらんください。こちらは膵臓移植の症例数でございまして、年代別に示してございます。2000年から2019年4月までということでございまして、日本臓器移植ネットワークからいただいたデータでありますけれども、年代別に示してあります。一番多い年代としましては、40歳代ということになっておりまして、その後30歳代、50歳代と続くわけでございますが、20歳未満で膵臓移植を受けた方はおられないということでございます。
次に、その下の表を見ていただきまして、膵臓移植の累積登録者ということでございまして、登録時の年齢区分による転帰も示してございます。
左の表を見ていただきますと、20歳未満で過去に登録された方が1名おられるということでございまして、209名の過去の希望者のうち、20歳以上が208名ということでございます。
右の表におきましては、登録された方がどのような転帰をとられたかということを示してございます。
次のページをごらんください。2019年4月30日時点での膵臓移植希望者数ということでございまして、先ほどお示ししたデータと重なる部分はございますけれども、年代としては、20歳未満で登録されている方、移植希望者は現時点ではおられないということでございます。
次のページをごらんください。諸外国において、小児ドナーから小児レシピエントの優先ルールがあるかどうかということについて調べておりますけれども、調べた限りでは、膵臓レシピエントに関しましては優先的にあっせんするルールはないということでございます。
次のページは、inactive制度の話になりますので、後ほど説明させていただきたいと思います。
最後のページをごらんください。今回の作業班にて検討する項目ですが、小児からの臓器提供時に、小児レシピエントに優先的にあっせんするかどうかということでございまして、先ほど各臓器の例も示しましたけれども、年齢区分、また優先順位の中のどこに位置づけるかということに関しましても御議論いただければと存じます。
事務局からの説明は以上です。

○深尾班長 ありがとうございます。
何か御質問ございますか。
では、よろしければ検討に入りたいと思いますけれども、小児優先基準は各臓器で微妙に違いますね。登録時に18歳未満、肝臓は18歳未満、腎臓の場合は20歳未満とありますけれども、膵臓に関してどうでしょうか。剣持先生、何か。

○剣持班員 現実的には20歳未満はほとんどいないですね。だから、基本的にはこのまま優先しなくても問題は全くないですけれども、その理由は、膵腎同時移植が多いので、腎臓が悪くなるのに、10代で悪くなる人はいませんので、そういった点もあるのですけれども、例えば膵臓単独移植というのがふえてきた場合、膵腎同時移植で20歳未満の人が登録された場合に、今のルールだと当たらなくて、腎ダブル移植でいきますから、膵腎の人は20歳未満の腎臓を受けられないことになってしまう。だから、現実的にはほとんどいませんけれども、そういうことが本当にいいのかと考えると、導入しておいていいのではないか。膵臓を20歳未満で優先しておけばいいのではないかなと個人的には思います。

○深尾班長 それは、登録時20歳未満、それとも現時点で20歳未満ですか。これを見ますと、ほかの臓器は多少違うのですね。

○剣持班員 心臓を見ますと登録時なので、登録時にしてもらうと、それはそれなりに膵臓に関してはいいかなと思いますが、腎臓の先生方の御意見も伺いたいと思います。

○深尾班長 腎臓のほうではいかがですか。腎臓は、現時点で20歳未満ということですか。

○湯沢(賢)班員 はい。

○深尾班長 ドナーが出た時点でね。膵臓のほうはどうでしょうか。

○剣持班員 では、腎臓に合わせて、実際に受けるときの年齢。

○深尾班長 ドナーが出たときの時点で20歳未満。

○剣持班員 医学的にはいいのかな。

○深尾班長 優先すると。

○剣持班員 ただ、現実的にはほとんどいないので、余り動かないかもしれません。

○深尾班長 ほかに何か、この点に関して問題はありますか。膵臓の先生方、何かございますか。

○丸橋班員 1点だけ質問ですけれども、これはABOとかより年齢を優先しますね。そうすると、数が少ない場合に、ABO不適合だけれども、その小児を優先させてしまうということになりますか。

○剣持班員 ABO不適合はやらないです。

○丸橋班員 これはABO血液型、どの臓器も3番目とか2番目に入っていますので、症例が少なくて小児になったときに、次はABO不適合でもそちらが優先になってしまうことになりますか。

○深尾班長 膵臓の場合ですか。

○丸橋班員 ええ。腎臓とかは数が多いので、適合する人も多分いると思いますけれども、肝臓はわからないですけれども、膵臓がぽっと入ったときに、血液型は違うけれども、小児だから優先されてしまうということになると、ABO不適合でもやらざるを得ない。断ればいいですけれども、そういうルールになると、そこも考えないといけないかな。

○剣持班員 これは優先順位で、1がありますね。だけれども、2で不適合だったら、それはそこであっせんはできないのではないですか。

○丸橋班員 そういうルールにすればいいと思いますけれども、そこだけ確認です。

○剣持班員 ABOの中で選ぶときに、適合より優先するというだけで、不適合はもともと入っていないので、不適合は絶対ないと思います。

○深尾班長 事務局から何か。

○曽山補佐 事務局から1点、情報提供させていただきたいと思います。参考資料1をごらんいただければと存じます。まず、適合条件というのがございます。適合条件の中で、(1)ABO式血液型というのがありまして、ABO式血液型の一致及び適合の待機者を候補者にするということですので、この時点で不適合の方は適合しないということで、候補者にならないと理解していただければと思います。

○丸橋班員 理解しました。

○深尾班長 よろしいですか。
ほかに何か御意見ございますか。腎臓班から何かありますか。

○湯沢(賢)班員 皆さん、何で腎臓だけが20歳なのかというのを疑問に思っていらっしゃると思いますが、腎臓の検討過程をお話しさせていただきますと、そもそも小児と言われる人で腎臓移植を希望している登録患者さんは、最近極めて少ないのです。それで、その枠を少しでも広げるために、18歳じゃなくて20歳にしたという経緯があるということを御了解いただければと思います。

○両角班長 昨年、そのディスカッションをしたときに先生方も参加していらっしゃったと思いますが。

○深尾班長 よろしいですか。では、膵臓の場合に20歳未満を優先するということでよろしいですか。では、そういうことで、小児の定義は20歳未満、それを優先するということにいたしたいと思いますので、作業班の結論としてはそうしますが、よろしくお願いいたします。

○曽山補佐 先ほど1点、コメントをいただきましたけれども、ABO式血液型との関係ということで、資料1の2枚目を見ていただければと思います。現行のレシピエント選択基準における優先順位の中でどこに入れるかということに関しましても、この場で決めていただければと思います。先ほど、ほかの臓器の話も少し出ましたけれども、膵臓の場合はどこに入れるというのを決定していただければ。

○深尾班長 表のところに膵臓をつくって、小児ドナーの年齢区分は20歳未満、それで、1が20歳未満のレシピエントを優先する。2 ABO式血液型優先。これは、膵臓の場合も一致を適合より優先でいいですか。それから、3以下は膵臓も同じですか。

○剣持班員 これは、膵腎同時移植も入るので、腎移植後膵臓移植は膵臓単独になる。

○深尾班長 腎臓に準ずるわけですね。

○剣持班員 搬送時間は関係ないので。あと、DRの1マッチというのが入るので、現行の膵臓移植のルールをそこに入れる。

○深尾班長 そこに当てはめる。それでよろしいですか。では、そういうふうにしたいと思います。よろしくお願いします。
次に移っていいですか。

○剣持班員 済みません、それは研究会で案をつくるということですか。それとも、今ので。

○曽山補佐 今ので、どこに入れるかということと、年齢区分で小児を優先するということは御意見として、この班のまとめとしていただきました。

○深尾班長 では、次に行きましょう。次は、待機inactive制度に関してですけれども、事務局、御説明をお願いします。

○曽山補佐 資料1-1、資料1-2に沿って説明いたします。
資料1-1をごらんください。これまでの経緯ということですが、(2)をごらんいただければと存じます。
平成30年4月24日、肝臓・膵臓・腎臓移植の基準等に関する作業班にて、肝腎同時移植におけるinactive制度の導入を決定する際に、膵臓移植における待機inactive制度についても議論されたところでございます。
平成30年6月25日には、日本膵・膵島移植研究会から、同研究会と日本糖尿病学会「膵・膵島移植に関する常置委員会」による合同会議の結果より、膵臓移植においても待機inactive制度を導入してもらえないかという要望と、膵腎同時移植における膵臓移植レシピエントの待機inactive時には、連動して腎臓も待機inactiveとする制度を導入してもらえないかという要望が提出されたところでございます。
今回、新設で、この待機inactive制度を導入するかどうか。また、膵腎同時移植の際の取扱いについても御検討いただければと思います。
資料1-2をごらんいただければと思います。最後から2枚目のページに関しましては、膵臓移植希望者における待機inactive制度案ということでございまして、日本膵・膵島移植研究会からの案としていただいているところでございます。
御説明しますと、まず、1.概要ですが、レシピエントが、感染症等の医学的理由により当面の間移植を受けられない場合又は容体が落ち着いており当面の間移植を受ける意思がない場合に、一時的に臓器あっせんの対象から除外する。
2.具体的な手順としては、(1)レシピエントが、感染症等の医学的理由により当面の間移植を受けられない状態であると確認された場合又は容体が落ち着いており当面の間移植を受ける意思がない場合は、患者と主治医が話し合いの上で、各移植施設の登録医師は登録患者を「待機inactive制度」の対象とする。
(2)また、レシピエントが医学的理由により移植を受けられない状態ではないと確認され、かつ、移植を希望した場合、各移植施設の登録医師は登録患者を「待機inactive制度」の対象から外す。
(3)なお、「待機inactive制度」を利用している期間も、レシピエントの待機期間の算定の対象となる。
(4)膵腎同時移植希望者については、膵臓主治医が腎臓主治医に了承を得た上で「待機inactive制度」の対象となる。この場合、腎臓も「待機inactive制度」の対象となる。という案をいただいております。
今回の作業班にて検討する項目としましては、膵臓移植レシピエント選択基準において、待機inactive制度を導入するかどうかということ。待機inactive制度を導入した場合、膵腎同時移植希望者の待機inactive制度をどのように取り扱うかということになります。
事務局からの説明は以上です。

○深尾班長 ありがとうございます。
この件に関しまして、前回、結構議論が出た問題ですけれども、膵・膵島移植研究会のほうからこういう案が出ていますけれども、剣持先生、何か補足ありますか。

○剣持班員 今、事務局から言われたとおりですけれども、最終的には8割が膵腎同時移植患者さんなので、そのときに膵臓だけinactiveにするというのは、医学的にも社会的にも納得が得られないのではないか。腎臓もinactive制度にしていただくということ、これは腎臓の作業班の先生方に了承していただかないとできない。ということで、研究会としては、inactive制度の導入はするという方向で、膵腎の場合は両方ともinactiveにするというのが意見です。

○深尾班長 腎移植グループは検討されていますか。

○両角班長 昨年の会議の折には、腎移植におけるinactiveもディスカッションに挙がっていたのですけれども、献腎移植を希望され待機中の患者さんが多過ぎます。inactiveにした理由が解消した際、リアルタイムにinactiveから復活させることが非現実的でできないという理由で見送ったという経緯がございます。
膵腎同時移植の場合に関しては、当然ながら膵移植が受けられない医学的理由があるとすれば、腎移植手術実施も当然不可能ですので、皆さんにこれから御意見をお伺いしますけれども、腎臓もinactiveになるということに関しては余り問題がない気がします。腎臓の先生方、いかがですか。

○湯沢(賢)班員 私自身、腎移植単独でもinactive制度が必要だと思っている1人なので、腎移植単独でそれがない状態で。当然趣旨はわかるのですけれども、それをお認めいただけるなら、腎単独でもinactive制度があってもしかるべきじゃないかと、私は個人的には思います。

○深尾班長 いかがですか。

○西班員 腎臓もinactiveにするのは私もいいと思います。ただ、inactiveになっても、待機期間は継続すると思います。そうであると、腎臓移植の場合、待機期間が選択基準としては一番重きを置きますので、膵腎同時移植で、膵臓も腎臓も同時にinactiveになっても、腎臓を希望されている方が継続すれば納得いただけるかなと思います。

○深尾班長 中川先生、いかがですか。

○中川班員 確かに腎臓移植だけでも、電話をかけて、今、受ける気がない。医学的理由があれば、これはやむなしという形だと思いますけれども、腎臓移植のほうもぜひ検討していく必要性があるのではないかと思います。連絡があったときに患者さんに連絡すると、今は意志がないという方もいらっしゃいますから。
ちょっと先まで言っていいですか。そこの医学的理由は問題ないとしても、患者さんの意思でといった部分に、質問事項にも入ってくると思うのですが。生体移植では膵臓移植は受けないけれども、腎臓移植は受けるという意思の人もなぜかいるのです。なので、その辺も含めて、腎臓もそことの整合性というか、そこの経緯も必要になってくるので、腎臓も積極的に考えないと、膵腎同時移植で医学的理由で膵臓をやらないときに、自動的に腎臓もinactiveになるということはやるべきだと思うので、そこまで腎臓に関してだけでも進めていかないとまずいかなという気はします。

○両角班長 昨年出ていた議論の中で、医学的理由に関しては、皆さん同意されていて、inactiveでいいという話になりました。しかし、登録待機者の中で連絡したにもかかわらず、何回も連続して、はっきりした理由もなくお断りになる方がいらっしゃる事実があります。その人たちをinactiveにすることができるのだろうかという議論の中で、それはなかなか難しいですとなったと記憶しております。
それで、今回の原案において、医学的理由に関しては、皆さん同意されると思います。中川先生からお話がありましたけれども、この「容体が落ち着いており当面の間移植を受ける意思がない」という状況は、膵移植を受けることについてであり、腎移植は受けるという可能性はあります。膵腎同時移植希望登録者の待機期間は長くないでしょうから、献腎移植単独の候補者に選定される可能性は低いと思いますけれども、可能性はありますからそうした事態があったときにどうするかということを決めておかないとまずいのかなという気がいたします。

○深尾班長 脇田先生、いかがですか。

○脇田班員 特にありません。

○深尾班長 そうすると、腎臓班としてもinactive制度は必要だと。しかし、いろいろな問題もあるということですけれども、この作業班としては、膵移植研究会としてのinactive制度をこのまま認めてもいいのか、あるいはさらに腎臓グループでもって考えなければ、今回は納得できないのか、その辺を聞かせていただきたい。

○湯沢(賢)班員 膵臓について膵・膵島移植研究会で議論されたように、この腎臓についてのinactive制度について、まだ臨床腎移植学会で検討されておりませんので。

○剣持班員 今回は理事会の承認は得ているのですけれども、時間がなかったので学会ではやっていないです。

○湯沢(賢)班員 inactive制度の具体的な要望というか、医学的理由だけではなくて、意思などについての扱いをどうするかということについても、臨床腎移植学会で検討するということは必要なのではないでしょうか。

○深尾班長 資料の一番最後の学会からの要望のところにありますね。

○剣持班員 学会の総意で出していますが。

○湯沢(賢)班員 それも含めているのですか。

○中川班員 今回、小児のことだけだったと思います。

○深尾班長 小児に関係なく、inactive制度に関しては全ての年齢。

○中川班員 だから、回答したときには小児だけという認識で回答した。

○深尾班長 そうすると、腎臓グループとしては、少なくとも臨床腎移植学会で正式に決めてもらわないとだめなのか、理事会で一応決めたのだからいいか。

○剣持班員 本来は全部の移植施設にやるべきでしょうけれども、なかなか時間的余裕がなかったので、そうなってしまった。それで不十分ということであれば、また臨床腎移植学会全施設に、あるいは学会のときに議論するという過程が必要かもしれないと思います。

○深尾班長 これは腎臓グループの話ですけれども、どうですか。

○中川班員 もう一ついいですか。膵臓inactiveにするときに、膵臓の受け持ち医が腎臓の担当医に確認してやるという記載になっているじゃないですか。そうすると、扱いとして、膵臓inactiveにして、腎臓の医者がinactiveにしないとしたら、どういうところで、どういう手続になっていくというのは想定されているのですか。

○剣持班員 1ついいですか。バックグラウンドとして、医学的理由ということがあれば、inactiveは皆さん納得すると思うのですけれども、当面の間移植を受ける意思がないというのは、膵腎同時移植の人にはほとんどいないのです。膵臓単独の人は、結構仕事もやっているということで、この1年間は海外に行くみたいなのもあって、そういうことだと、膵臓単独移植の人が恐らく多いのではないかと思うのです。もちろん、膵腎でもバックグラウンドとしてはそういうことがあるので、膵腎同時移植に関しては医学的理由がほとんどじゃないかなと思います。
今の先生の、腎移植の主治医がinactiveしないと言った場合にはどうするかということは検討していません。

○深尾班長 いかがですか。

○中川班員 先ほど申し上げたように、剣持先生もおっしゃるように、病的原因というのは誰も異存がない話で、意思の部分は、現状で膵腎同時移植はそういう人はいないだろうということだと思うのですが、生体移植をやっていれば、そういう意思の人たちはいるので、そこが膵腎同時で登録していても、意思が変わったときに、腎臓のほうの現場は混乱する可能性があるかなと思います。

○曽山補佐 1点だけ事務局から情報提供させていただいてよろしいでしょうか。最初の資料1-1でも簡単に御説明したのですけれども、昨年の決定事項として、肝腎同時移植のときの取扱いが、待機inactive制度に関してはされているということでございまして、それにおきましては、肝腎同時では、肝臓がinactiveのときには、腎臓の主治医の方とお話ししていただいた上で、肝臓をinactiveにしますよということに伴って、腎臓もinactiveにするということで、肝腎のほうは既に承認されておりまして、そちらのほうもシステムに今、組み込むように進めているところでございますが、他臓器の状況としてはそういうことがございます。
もう一点、整理させていただければと思うのは、腎単独における待機inactive制度の話は先ほどちょっと出ましたけれども、今回の膵・膵島移植研究会からの御要望、また臨床腎移植学会からの御連絡に関しましては、あくまでも膵腎同時移植希望者においての待機inactive制度ということでございますので、その腎単独をするかどうかということは、また別の話かと思います。先ほどの肝腎同時での運用の話と、あと膵腎の要望に関しましては、それを念頭に御議論いただければと思います。

○深尾班長 ということですが、中川さん、どうですか。

○中川班員 基本的には文句がない話ですけれども、肝腎同時移植と膵腎同時移植は微妙に意味が違うのが、肝腎同時移植のときに肝臓がだめになったら生命予後も危険状態という形のときに、肝臓を断って腎臓を移植することはあり得ないだろうという理解に至るのですが、膵腎の場合は肝腎とは状況が違ってくる部分があるので、意思表示というところは、現実問題としては混乱を来す。今はゼロですし、過去もゼロだと思うのですけれども、そこで混乱を来さないような対応なり、今後の検討は、肝腎と同じに考えるのは少し難しいかなと思います。

○深尾班長 先生としては、膵腎に関してinactiveを入れてもいいけれども、実際の形づくりをもうちょっと検討する必要がある。作業班としては、inactive制度を導入してもよろしい。実際運用するに当たってのルールをもうちょっと検討したいということでよろしいのでしょうか。

○中川班員 はい。

○深尾班長 皆さん、どうでしょうか。

○西班員 それで結構ですけれども、1つ、膵島移植研究会のものを拝見して、(4)ですけれども、主に膵臓の先生が腎臓の先生の承認を得るとなっていますけれども、まれなケースかもしれませんけれども、例えば腎臓に腫瘍が疑われるような所見があって、腎臓の先生から膵臓の先生にストップがかかることもあるので、文言としては、そういうケースも想定して(4)に付加していただければ。

○深尾班長 腎臓のほうからinactiveにすべき場合もある。そういうことも考慮に入れた上で、とにかく膵腎同時移植の場合にinactive制度を導入することを決定ということでよろしいですか。事務局、それでいいですか。

○井内室長 ちょっと運用上で質問させていただきたいのですが、例えば膵腎でinactiveになりましたという形であれば、両方inactiveでいいと思うのですが、今、先生方が御懸念を示されたように、腎臓の先生が納得されず、膵臓だけinactiveになったというケースがあったときに、その方のリストは腎臓単独というリストに書きかわる。つまり、膵腎であれば優先で上がってくるので、膵臓がinactiveになったままで腎臓だけactiveにして、それを膵腎と扱うと、腎臓の抜け道になる可能性があるので、そういったときは腎臓のリストにしてしまうと。
肝臓の場合は、基本的には両方inactiveになるという前提ですが、膵腎の場合はそうじゃないケースもあり得るということなので、そういった運用をさせていただくというイメージでよろしいでしょうか。

○深尾班長 難しいですな。はい。

○剣持班員 結構複雑になってしまって、ネットワークがinactiveのときに待機日数を普通の腎単独として扱うわけです。それをまたスイッチを戻すというのは、それこそあっせんのいろいろな順番がというところが私自身は非常に不安です。いろいろ御意見あるかと思いますけれども、inactiveというのは移植を受ける気がないということだと思うので、JOTの大変さということを除いても、そっちのほうがいいだろうなというのは、井内室長がおっしゃるように、抜け道にするようなことがあっては困るので、両者をinactiveにすべきじゃないかと個人的には思います。

○深尾班長 いかがですか。

○両角班長 待機日数が継続されるということが担保されているわけですから、膵腎同時移植で、膵臓の先生方から、inactiveという提案があった場合、腎臓の担当医に連絡をいただいて合意をする。膵腎同時にinactiveとしておかないとコンピュータセレクションが非常に煩雑になって、エラーが起きるリスクが上がると思います。できるだけエラーが起きないような、わかりやすいシステムをこういった場合には構築したほうがいいと思いますので、個人的には一緒にしたほうがいいかなという気がします。

○深尾班長 中川先生、いかがですか。

○中川班員 なので、実務上、非常に問題があると思うので、実際の運用に関する検討が必要じゃないですかという発言ですが、ネットワークの部分も僕が懸念するところでは、剣持先生のおっしゃること、両角先生がおっしゃること、ネットワークの委員でもあるのでもっともだと思っているのですが。
現場が混乱しないようにというのは、医療サイドも、病院側もそうですし、ネットワーク側もそうですし、そこが混乱しない形の結果をとらなければいけないのですけれども、今の回答は、ネットワークのシステム上、混乱しないようにという部分で、通常はないと思うのですけれども、腎臓移植側の医療現場がそれで混乱すると、同じことが起きるだろうなという、あくまでも懸念です。
このシステムを否定するものではないですけれども、運用上、井内室長がおっしゃるように、僕もそこが懸念のところでお話ししているのですが、非常に難しいのは、患者さんの意思でという部分をどう扱うかというのがはかり切れないところがあるので、そこで問題、混乱が起きない形の文言・内容というのはちょっと必要なのではないかと思います。

○深尾班長 そうすると、文言をここで細かく検討するには時間が足りないので、この問題に関しては、そういう文言まで入れた新たなinactive制度をつくっていくのか、あるいは現在の文言で、あと、運用の細則として決めればいいのか、どちらかにしたいと思いますけれども、どうでしょうか。はい。

○井内室長 今、言っていただきましたように、一番混乱しないのが、膵臓がinactiveになったときに、膵腎の人は自動的に腎臓もinactiveになる。例えば、今の先生方のお話では、これに関しては皆さん合意されているかなと思いますので、今回、作業班としてはそこだけ決定いただきまして、例えば、今後運用していく中で、膵臓がinactiveなのだけれども、腎臓の先生の了解がとれずに膵臓だけactiveにしたいというのは、当面の間は、それは膵臓のinactiveをさせないということで、両方activeという形で運用させていただく。
今後、そういう症例が出てきたときにまた先生方の中で御議論いただいて、そういう人をどういう形でリストに載せていくかということを別途お話しいただけたら、また運用ができる、できないということを検討するのは可能かなと。我々も肝臓と同じで、両方inactiveのイメージで運用されるという前提で考えておりましたので、そうであれば大丈夫かと思いますが、確かに今、言っていただいたように、腎臓だけ残るとリストがスムーズに移るのかどうかというのは、実際、運用上はわからないので、そういった形に作業班として御決定いただければ、運用も可能かなと思います。

○深尾班長 ともかく患者の同意を得た上でinactiveにすることになっていますから、患者の同意がどこかで少しルールと違うなら、その場合、考えればいいことで、今回はinactiveにするということで決めていいのではないかと思いますけれども、よろしいですか。
(「異議なし」と声あり)

○深尾班長 では、そういうふうに決めたいと思います。よろしくお願いします。
次は、リンパ球クロスマッチですね。事務局のほうから御説明願います。

○曽山補佐 こちらは、検討事項ということではございませんで、報告事項ということでございます。昨年も議題に上がりましたリンパ球クロスマッチの取扱いということに関しまして、日本膵・膵島移植研究会から現状というところで、御連絡をいただいておりますので、そちらを御報告いたしたいと思います。資料2をごらんください。
現在の取扱いに関しまして、四角の中に各臓器での取扱いが書いてございます。前感作抗体は、各臓器のレシピエント選択基準において、適合条件として以下のように定められているところでございまして、例えば心臓ですとパネルテストが入っておりますし、肺に関しましてもパネルテストが入っている。肝臓に関しましては、選択基準には含まないということでございます。膵臓・腎臓というところでは、リンパ球交差試験陰性と記載されているところでございます。
こちらのリンパ球クロスマッチの取扱いに関するこれまでの経緯としましては、2をごらんください。
平成30年6月6日に開催されました肝臓・膵臓・腎臓の選択基準等に関する作業班で、膵臓移植レシピエント選択基準における適合条件の前感作抗体の取扱いを、心臓、肺のレシピエント選択基準と同様に、「ダイレクト・クロスマッチを実施し、陰性であることを確認する。パネルテストが陰性の場合、ダイレクト・クロスマッチは省略することができる。」というように変更するかどうかというところについて議論されたところでございます。
同作業班におきましては、膵臓のレシピエントの約80%が、膵腎同時移植を希望しているということ。腎臓ではクロスマッチが必要という意見がまとまったところでございまして、膵臓の選択基準においても、腎臓と同様にクロスマッチが必要という意見が昨年の作業班でまとまっているところでございます。
平成30年6月3日に日本糖尿病学会(膵・膵島移植に関する常置委員会)と日本膵・膵島移植研究会の合同会議にて、リンパ球クロスマッチの取扱いに関して議論されたところでございまして、腎臓移植の基準等に関する作業班とも話し合いながら、基本的にはクロスマッチを継続するという意見がまとまったということで、移植医療対策推進室のほうに御連絡いただいたところでございます。
事務局からは以上です。

○深尾班長 ありがとうございます。この件に関しまして。はい。

○剣持班員 1つ確認です。肝臓はこれが要らなくて、腎臓は要るので、肝腎で当たったときに腎移植の先生方ができないということがあったと思いますけれども、その後、肝腎の場合の取扱いはどういうふうになったのですか。確認です。それは、肝臓でやらないですね。肝腎で優先で当たって、そのときに腎臓のクロスマッチが陽性に出た場合には、それはそれでやるということになったのですか。まだ決定していない。

○井内室長 仮にそうなった場合は、現行のルールでは腎の方はできなくなると思います。

○剣持班員 要するに、クロスマッチ陽性だから。

○井内室長 はい。ルール上はそうなると思います。

○剣持班員 例えば、施設でクロスマッチ陽性でも、受けると言った場合はいいのですか。

○井内室長 このあっせんルールのところで明記されていれば、施設の判断ではなくなります。

○剣持班員 わかりました。済みません、ちょっとずれた質問でした。

○深尾班長 ほかに御意見はいかがでしょうか。

○丸橋班員 済みません、ちょっと本題から外れますが、肝腎はそのルールを決めたほうがいいのではないですか。それで議論していたと思います。肝と腎と別々じゃなくて、肝腎はどうするというのを決めるべきだと思います。私もそれでアンケートを返して、たしか検討していただいたかと思います。その結論がそうであると、何だったのかと思いますが。

○深尾班長 はい。

○井内室長 済みません、検討は今のところやっていませんので、私が説明したのは、現行のルールではこうなりますということで。実際、そこをどうするかという検討が必要だという御判断は十分あり得ますし、本日のような検討は、毎年やっておりますので、例えば、またことしの12月までに各学会から意見をいただいて、肝腎のときはこうすべきだという御提案をいただければ、また来年4月から6月の間にこの作業班で先生方に御議論いただいて、新たな方法を確定するということはあり得ると思います。

○深尾班長 膵臓班の方、ほかにいかがですか。伊藤先生。

○伊藤班員 特にないです。

○深尾班長 腎臓のほうでいかがですか。はい。

○湯沢(賢)班員 肝腎のときに肝臓がクロスマッチ陽性でもやるとしたときに、腎臓がやるか、やらないかについて、幾つかの施設でたしか意見を聞いたと思うのです。やるというところとやらないというところがあって、結局結論が出なくてうやむやになっていたというのが我々のスタンスではなかったかと思っています。だから、ちゃんと学会とか何かでまとまった議論をしない限り、結論が出ないことなのではないでしょうか。

○深尾班長 そうすると、膵腎に関しては、パネルテストもやって、クロスマッチも両方陰性ということですか。

○湯沢(賢)班員 ただ、現実的にはパネルテストというのはもう今はなくて、そうすると、これに相当するのはバーチャル・クロスマッチということになると思うのですが。だから、この文言自体、死語のような言葉で、パネルテストではなくて、それにかわるバーチャルなクロスマッチということになりますと、組織適合性学会とか、そういう意見の取り入れというか、意見を聞くことも必要なのではないかと個人的には思います。

○深尾班長 膵移植研究会としては、クロスマッチマイナス。

○剣持班員 腎臓と全く同じ。

○深尾班長 腎臓と同じでよろしいということですね。では、そういう結論でよろしいでしょうか。腎臓に合わせる。はい。

○中川班員 余計な話、1つだけなのですけれども、肝腎に関して言えば、現状は回答が出ないかな。今、PMDAも含めて、移植対策室も協力していただいていますが、抗体陽性患者の移植に対する薬剤の未承認薬・適応外薬の対応をして、治験もやっているわけで、それで状況が一気に変わる可能性もあるので、そこが済まない限り、現状で回答は出てこないと思います。

○深尾班長 膵移植としては、クロスマッチを陰性の場合に必ずやるということでよろしいですか。事務局、それでいいですか。
これで全部終わったことになりますか。ほかに何か御意見ございますか。何でも結構ですので。いかがですか。石田先生、何かありますか。

○石田班員 特に。

○深尾班長 よろしいですか。両角先生、いいですか。

○両角班員 きょう、お話が出た中で、腎移植単独でのinactive制度導入を今後の課題とするかに関しては、臨床腎移植学会で一度要望を聞いていただく。対象者が1万3000名という膨大な数がいて、その方々のフォローアップを、移植施設によって評価の間隔とか内容が違っている実情で、公平に制度を導入できるかどうかということも含めて、現実的に可能かを考えていただく。取り組むべきだということであれば、この委員会の次回の課題にしてもらうことがいいと思います。それをぜひ学会のほうでお願いします。

○湯沢(賢)班員 現在、腎移植患者さん1万3000人を、移植医さんが年に1回は診なくてはいけないことになっていますので、その判断は間違いなくできるのではないかと思います。

○両角班長 五月雨式にinactive登録が入ってきますので、それをactiveに戻すことができるかといったことも含めて検討が必要です。一度inactiveにした場合は、最低1年間はinactiveを継続するとか、そういうルールを一緒に決めておかないと運営できなくなってしまいます。

○剣持班員 実際、ネットワークのほうで、スイッチをオンにしたり、オフにしたりするのが毎日あると、それは多分厳しくなってしまう。また、あっせんミスのもとに。その点を含めてということですね。

○丸橋班員 システムにそれは入っていないですか。勝手にやれば全部できる。

○曽山補佐 肝臓のほうはinactiveはできるようになっています。inactive制度が導入されているということで。

○丸橋班員 それを膵臓とか腎臓も応用すれば、そんなに。

○曽山補佐 それに関しては、システムの方とも話してみないと。

○剣持班員 ただ、入力はネットワークが入力する。

○丸橋班員 いえ、自分たちで入力する。解除も自分たち。ネットワークはデータだけ入る。

○深尾班長 何にしても、ネットワークは腎臓の場合にレシピエントを決めるのに大分苦労しているようですね。だから、余り苦労が多いとミスが出ますし、移植システムをできるだけ簡便にしないと、これ以上ドナーがふえたら全員が引っ繰り返ってしまうのではないかと心配しています。

○剣持班員 腎臓は数が違いますから、ちょっと。

○深尾班長 臨床腎移植学会でもぜひ検討してください。これでいいですか。
どうぞ、西先生。

○西班員 今の腎臓のinactiveを誰が決めるかということですけれども、数が多いという点が1つです。透析患者さんが今、移植に対してリスクがあるかどうかは、移植医の先生が年に1回診ただけではなかなか難しいですね。透析医の先生の協力がないといけないので、透析学会と臨床腎移植学会と合同で検討していただかないといけない。

○剣持班員 そういう合同会議をつくらなければいけない。

○西班員 お願いしたいと思います。剣持先生、大変でしょうけれどもね。

○深尾班長 剣持先生、宿題がいっぱいで大変ですね。どうぞよろしくお願いします。
では、この班会議は終わりにしてよろしいですか。事務局、よろしいですか。

○伊藤班員 最後に、この作業班と直接関係ないのですが、私は移植学会の膵臓症例登録委員会にかかわっておりまして、実はJOTに登録された待機患者さんに関する件です。これまで、待機患者さんの情報をJOTから入手可能でしたが、ここ数年、個人情報の問題で完全にシャットダウンされているという状況がございます。今、待機している患者さんがどんな状態かというのは、移植を受けた患者さんの評価もさることながら、非常に重要なことなので、何とかそのデータの内容を症例登録委員会としても把握し報告する必要があるかと思っています。これは膵臓に限らず、ほかの臓器も共通することですので。今月の30日、移植学会の理事会があります。江川理事長にその点を検討してくださいということでお願いしておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。以上、ご報告です。

○深尾班長 ほかによろしいですか。
それでは、終わりにしたいと思います。事務局のほう。

○曽山補佐 本日は御議論いただき、ありがとうございました。本日いただきました意見を踏まえまして、今後、臓器移植委員会に報告等の準備をさせていただきたいと思います。
事務局からは以上です。

○深尾班長 どうもありがとうございました。
 

照会先

健康局難病対策課移植医療対策推進室

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内線:2365