2019年度第2回化学物質のリスク評価検討会(有害性評価小検討会)議事録

厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

日時

令和元年7月8日(月)13:30~14:51

場所

TKP新橋カンファレンスセンター新館 カンファレンスルーム12D

議題

  1. リスク評価対象物質の有害性評価について
    • アセチルサリチル酸(別名アスピリン)
    • 塩化ホスホリル
    • 2-クロロフェノール
    • メタクリル酸メチル
    • 2-ブテナール
  2. その他
    • 「リスク評価の手法」の追加改定について

議事

 
○阿部中央労働衛生専門官 それでは、定刻になりましたので、2019年度第2回有害性評価小検討会を開催させていただきたいと思います。
 委員の方々におかれましては、本日、大変お忙しい中、御参集いただきましてありがとうございます。ちょっと傍聴者の方が二、三人いらっしゃっていないようなのですけれども、途中で入ってこられるかもしれませんが、定刻ですので始めさせていただければと思っております。
 委員の出席状況ですけれども、本日、平林委員から御欠席というふうに伺っております。
 そうしましたら、座長の大前先生に以下の議事進行をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○大前座長 それでは、第2回の有害性評価小検討会を開催します。
 まず始めに、事務局から資料の確認をお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 委員の方々にはお手元にタブフレットを配付させていただいておりますけれども、今回もペーパーレスという形でやらせていただければと思っております。
 構成としましては、議事次第と資料一覧、今ちょっとディスプレーの方にもお出ししておりますけれども、載せておりますのはこういった資料になります。資料1-1から1-5までということで、今回のメーンになりますリスク評価対象物質に対する有害性評価について、昨年度からリスク評価書(案)(有害性評価部分)についてご確認いただく形で進めさせていただいているところでございますけれども、アセチルサリチル酸、塩化ホスホリル、2-クロロフェノール、メタクリル酸メチル、2-ブテナール、この5物質について、現状、ばく露実態調査等が一通り完了しているというような状況だと伺っておりまして、有害性評価を進めさせていただければというふうに考えているところでございます。
 それから、議事としてはその他になりますけれども、第1回の際に御議論いただきました「リスク評価の手法」について、5月20日改訂版ということで資料2をおつけしておるところでございます。こちらにつきましては、ちょっと後ほど御説明をと思っておりますけれども、追加の御意見をいただいておりますので、こちらの議論をお願いしたいと考えているところでございます。
 参考資料につきましては、毎度の開催要綱、名簿、それから、リスク評価の実施状況というラインナップになってございます。
 これらの資料につきましては、Webの方にも載せておりますので、傍聴者の方々におかれては、こちらを御覧いただければと考えております。また、Webに載せたPDFファイルについては、「しおり」をつけて見られるようになっているはずなんですけれども、委員各位のお手元のタブレットですと、ちょっとしおりが見にくいかもしれないなと思いましたので、タブレット用には有害性評価書と有害性総合評価表、こちらを念のため、分割したものを格納させていただいているところでございます。
 以上になります。
○大前座長 ありがとうございました。
 それでは、本日の議題に入ります。
 今、お話がありましたように、前回の有害性評価小検討会で議論いたしました「リスク評価の手法」につきまして、追加の御意見があったということでございますので、まず、そちらの方から先に検討を行います。
 事務局から説明をお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、まず、資料2を御覧いただければと思います。「リスク評価の手法」です。こちらにつきましては、先ほど申し上げましたように前回、5月20日の第1回有害性評価小検討会で御議論いただきまして、その結果を反映したものを改訂版としてセットしてございます。厚生労働省のリスク評価関係のWeb上に載せているファイルにつきましても、5月20日改訂版で差しかえをさせていただいています。
 他方、後日、宮川委員の方から、GLP適合施設でのガイドライン準拠試験というようなところ以外についての研究やヒトの研究で重要な情報が得られる場合があるということで、従前から、評価書を作成する際に、そういった試験の情報についても考慮されてきているというような経緯がございますところ、現行の記述では、生殖毒性について、これが読めなくなっているというような観点から適切に反映すべき旨の御意見をいただいたところでございます。
 そこで今回、資料2でお配りしておりますものが、5月20日改訂への追加改定案となっております。3行目の修正は、ただの改定履歴ですのであまり意味がないんですけれども、具体的な追加改定の中身としては、5ページの137、138行目、それから144、145行目に宮川委員からの御意見を反映した追加改定案を御用意いたしました。
 その後、実は西川委員からも御意見をいただいておりますが、こちらは配付資料には反映ができておりませんので、後ほど、できれば西川委員からも御意見をいただければと思っております。ともあれ、配付資料に反映させていただいておりますのは、まずは宮川委員の御意見までということでご承知いただければと思います。
 以上です。よろしくお願いいたします。
○大前座長 それでは、まず、今、タブレットに反映されている部分、5ページの137行目と、それから144行目、赤字、赤線で引いてあるところですけれども、ここのところについて、まず、御意見、宮川先生、何か一言言っていただけますか。
○宮川委員 今、説明していただいたとおりなのですけれども、すぐ下の神経毒性と並べて見ていただくとわかるんですけれども、まず、ヒトでのデータがあった場合に、これはもとのだと使えないような形で書いてありましたし、それから、GLPの機関以外のものを一切、これまでも使ってこなかったかというとそうでもなくて、適切な論文であれば採用していましたので、それが反映をできるようにということで、今の修正、赤字のところを入れていただきますと、下のほうの神経毒性のほうと全くパラレルのものになるということで、このようにしていただければと。
○大前座長 ということでございます。
 ヒトの適切なデータ、もしくは、GLPでやっているデータだけがデータではないと。それなりに信頼できるデータがあればそれは使うべきだという意味で、神経毒性等とも横並びにして生殖毒性のところに赤字、赤線で加えるということですけれども、これはよろしいですか。
 はい、先生。
○西川委員 そうしますと、生殖発生毒性と神経毒性だけがGLP適合施設で実施して、ガイドラインにのっとってと読めます。発がん性とか反復投与毒性も当然、そうあるべきなので、これはまとめてもっと最初のほうに記載したほうがよいと思いました。
○大前座長 一番最初にまとめてGLP、それからGLP以外で信頼できるデータ、あるいはヒトのデータということを入れて、それは全部他のところにもかかるようにするというふうに。
○西川委員 そのほうが多分、いいと思います。
○大前座長 西川先生の御提案の中身に関してはよろしいですか。具体的にどういうふうに表現するかは、ちょっと事務局のほうで考えていただければいいと思うんですけれども。今ここでごちゃごちゃやっても、恐らくこんがらかるだけだと思うので。
○阿部中央労働衛生専門官 わかりました。
○大前座長 宮川先生の今の提案の関連で今、西川先生から全体にかかるようにしたらどうかという、そういうお話、それはよろしいですか。
(はい)
○大前座長 そうしましたら、西川先生、次に無毒性量のところ、御説明をお願いします。
○西川委員 非常に細かいところなんですけれども、例えば前半部分の2ページに幾つか「無毒性量」と書いてある所が数カ所あります。ところが、5ページ以降、それが「NOAEL」に、同じ意味ですけれども変わっていて、7ページに行きますと、「無毒性量(NOAEL)」なっています。一番最初に「無毒性量(NOAEL)」として、あとは全部「NOAEL」で統一できるかなと思いました。
○阿部中央労働衛生専門官 配付資料には反映できていませんが、事務局の手元で機械的に置きかえてみたものを用意しておりますので、ディスプレーのほうにお出ししております。最初に「無毒性量」の表現が出てくるのが26行目になります。ここの「無毒性量」を「無毒性量(NOAEL)」とした上で、あとは下の方まで全部「NOAEL」に統一するという御趣旨でよろしかったでしょうか。
○西川委員 はい。
○大前座長 これもよろしいですね。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたらこちらは、こちらで。
○大前座長 今の2点、事務局のほうで修正といいますか、お願いいたします。
 それでは、今日の本題で。
 はい、どうぞ、もう一つ。
○西川委員 生殖細胞変異原性という項目、これはGHSの重要な項目の一つですけれども、実は、生殖細胞を対象とした変異原性試験というのはあまり一般的ではないです。これをGHSの重要な項目であるからということで、これを残すのはいいと思うのですけれども、そうしますと、各物質の評価においては、生殖細胞変異原性に関する情報があるか、ないかぐらいは書いておかないと多分いけないのかなと思いました。
○大前座長 今の変異原性の表のところでざっと並んでいますけれども、あそこの中の一部に生殖細胞変異原性の情報があるか、ないかを加えたらどうかという、そういうような御趣旨ですね。
○西川委員 はい。そうしないと、このせっかくのガイドラインが生きないような気がしました。
○大前座長 そうしますと、これはリスク評価書の原案をつくっている段階のところである、なしを入れたほうがいいのか。あれば加えるということですかね。情報がなければなしということを。
○西川委員 情報がなければなしでいいですけれども、他の機関で生殖細胞変異原性ありというような評価も出されています。今回の五つの物質の中の一つもそうです。ですから、そういう意味では、生殖細胞変異原性のあり、なし、あるいは情報があるか、ないかぐらいは書いておいたほうがいいかなと。
○大前座長 それでは、変異原性のルールブックのところを少し書きかえて、生殖細胞変異原性があるか、ないかの行を1行つくって、そこである、なし、情報があればあり、なければないのか、不明なのかはちょっと書き方が難しいですけれども、もし、あるものはあり、情報がないものはなしではなくて、情報なしという書き方をするというような変更でよろしいですか。だから、この委員会もそうですか、この前の委員会のほうも結局、原案をつくる段階でそうなりますけど。
○阿部中央労働衛生専門官 リスク評価書の案として行政の方から化学物質のリスク評価検討会の場でお出ししている文書のフォーマットは、今、おっしゃっていただいたように、例えば反復投与毒性以降のところは生殖毒性、遺伝毒性、神経毒性までの3項目になってございます。こちらにもう一個項目を。
○大前座長 遺伝毒性の中に1行作っちゃうという。
○阿部中央労働衛生専門官 というような形で。
○大前座長 よろしいんじゃないかと思うんですが。独立させたほうがいいですか。
○西川委員 今のリスク評価の手法を見ますと、発がん性、遺伝毒性が一つの項目になっています。それとは別に生殖細胞変異原性があるので。
○大前座長 独立ということですね。
○西川委員 体裁上は独立しています。
○大前座長 そうしますと、今のだと、神経毒性が一番最後の項目になっているので、その後につけ加えるということですか。
○西川委員 いや、リスク評価の評価手法には既に項目としてあります。評価書のことですか。
○大前座長 評価書のほうです。
○西川委員 評価書のほうではもともとはあったんです。だけど、実際問題、遺伝毒性試験というのは体細胞を用いたものがほとんどなので、評価書をつくる過程で項目を書きかえたのだと思います。ところが、ガイドラインには消えているはずの生殖細胞変異原性が残っているので、もしこれが本当に重要で残す必要があるとしたら、評価書にもやっぱり何らかの情報を書かないといけないと思いました。
○大前座長 場所としては遺伝毒性のところでいいわけですね。あるいは独立ですか。生殖細胞変異原性試験というのは遺伝毒性試験の一種とみなすのか、あるいは、独立した1項を立てるのか。
○西川委員 その辺りが非常に難しいんです。
○宮川委員 試験方法としては遺伝毒性の試験が使われるわけですけれども、エンドポイントとして考えると、生殖発生毒性の一部と考えてもよろしいかなという気がしますので、最後の評価書をつくるときに、生殖発生毒性の中で生殖細胞変異原性があると考えられてというようなものについては、そのことをそこに記載するということで、1行でも設けていただければと思うのですけれど。
○西川委員 多分、それですっきりすると思うのです。
 ただ、ちょっと気になるのは、生殖細胞変異原性が陽性で生殖発生毒性陽性の場合、それは閾値なしと言っていいのでしょうか。非常に難しい問題だと思います。
○大前座長 今までの発がん性と、それから遺伝毒性に関しては、今の閾値なしという、そういうような考え方で整理してきていたのですけれども、生殖細胞変異原性の場合、もしあった場合ですけれども、でも、もちろん生殖毒性ありという、動物実験あるいはヒトの結果があった場合に、それは閾値なしと考えるかどうか。閾値なしとしても、数字を出すときはちょっと、恐らく、それをもとにした数字が出ているのはあまりないと思うので、実際上は現実的にはあまり問題にならないと思いますけれども、でも、考え方としてやっぱり整理しておく必要がありますよね。
○西川委員 実際問題、生殖細胞変異原性が陽性で、生殖発生毒性が陽性の物質を専門外で知らないんですが、もしあった場合に、どんな評価がなされているかちょっと参考のために知りたいんですけれども。
○宮川委員 例えば、よろしいですか。産業衛生学会の許容濃度委員会で生殖毒性物質のリストをつくるようなときに優性致死試験で明らかなポジティブの結果があるような場合には、それも生殖毒性と含めて考えましょうということでリストアップするときに使っているのですけれども、それは、許容濃度とは直接関係しないで定性的といいますか、そういう性質がありますよというリストなので、その安全域を評価するときに、そこをどう使うかということについては、まだコンセンサスはできていないという状況です。
○西川委員 発がん性とは違うという考え方ですね。ありがとうございました。
 それであれば、生殖発生毒性の中に組み込んでもおかしくはないかなと思います。
○大前座長 それでは、生殖毒性の項目の中に一番最後に1行入れるようなスタイルなんでしょうけれども、生殖細胞変異原性があるか、ないかという情報をつけ加えるようにリスク評価書をつくるということでよろしいですか。
(異議なし)
○大前座長 これは、この委員会のもう一つ前の委員会も同様にかかってきますので、そこら辺はよろしくお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 記述としましては、例えば今回ご呈示しているアセチルサリチル酸のリスク評価書の案でいきますと、生殖毒性というところの項目が、NOAEL・根拠、不確実係数UF・根拠、評価レベル、計算式と、もろもろ記載あるところの後ろに1行、生殖細胞変異原性の項をつけ加えさせていただくような。
○大前座長 はい。
○阿部中央労働衛生専門官 わかりました。次回以降のリスク評価書案では、その点を反映させられるようにいたします。
○大前座長 はい。
 それでは、今日の本題、5物質に入ってよろしいですか。その他何かございますか。
(なし)
○大前座長 それでは、まず、1物質目のアセチルサリチル酸、アスピリンですね。これにつきまして、事務局の方から御説明をお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 資料1-1のほうを開いていただければと思います。アセチルサリチル酸です。事務局案のほうでは、ページの5に記載しておりますけれども、ACGIHが勧告しているTLV-TWAがございますということで、5 mg/m3を二次評価値の案として記載させていているところでございます。
 一方、一次評価値につきましては、NOAELから不確実係数を考慮して算定した評価レベルが二次評価値の10分の1以上であると。ここの記載の理由により、なしという形でさせていただいているところでございます。
 採用の可否につきまして、御検討をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○大前座長 随分さらっとした御説明でしたけど。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません。
○大前座長 いや、いいですよ。
 一次評価値を決めるというのは、この委員会のミッションですので、案としてはACGIHの5を採用して、一次評価値は情報がないのでなしということでございますが、少し見ていただきまして、何かございましたらと思うんですけれども。
 二次評価値が5ということは、10 m3として一日50 mg。それで、いわゆる鎮痛剤で使っているのは1錠330で一日6錠までなので、そういう意味では十分低いレベルだとは思いますけれども。
○西川委員 神経毒性、135行目から簡単な記載があります。これはヒトの試験だと思うんですが、LOAELが15 ppmといいますと、これをもとにして不確実係数10で割ると1.5 ppmになって、ACGIHの5よりも小さくなりそうなんですが。
○大前座長 これは換算係数のところに書いてありましたか。換算係数1 ppmが7.36 mg/m3、ですから、今の1.25でしたか、それは。
○西川委員 この15 ppmの ppmは、mg/m3じゃないのですか。よくわからないです。
○大前座長 これ、ppmは合っていますよね、単位。
○阿部中央労働衛生専門官 はい、そうですね。なお、換算係数自体は1ページ目に記載してございます。
○大前座長 7 mg/m3、7ぐらいなので、5と比べると十分高いとは思うんですけど。換算係数が1 ppmが7.36 mg/m3ですので、今、10分の1で1.5 ppmですと、12 mg/m3ぐらいになるのかな、LOAELを10で割った後ですから、5よりも高い。
 ですから、そういう意味では矛盾はしていないと思うんですけれども、
○阿部中央労働衛生専門官 5 mg/m3で0.136 ppmを掛け算しますと、0.68ですので、0.68 ppmですね。
○大前座長 でも、これ、本当にppmかな。
○宮川委員 今の有害性評価書の下のほうにあるやつを見ているのですけど、行数で言うと446行目で、ここに数字が出てきていないようなのですけれども。
 そうすると、今のLOAELというのがどこから来たのかなというのがちょっと気になりましたので。
○大前座長 書いていないですね。
○宮川委員 有害性評価書のところも計算式は書いてなかったので。
○大前座長 もとの評価書のほうの先ほど、今言ったのは446行目の神経毒性のところには、これは、動物か、そんなことないか。
○宮川委員 人間のほうですね。
○大前座長 人間のほうですね。この15 ppmってどこから出てきたんですかね。本当だ。
○宮川委員 動物のほうでは報告なしとなっていますので、345行目ですけど。
○大前座長 評価表のほうでも神経毒性で数字が出てきていない。
 さて、この神経毒性の15 ppmはどこから出てきたんですかね。これは458行目のFDAの2013年の文書に書いてあるんですかね。少なくともこの中にはなさそうですね。
○阿部中央労働衛生専門官 ちょっと、すみません。探しておきますので、よろしければ次の物質に。
○大前座長 そうですね。ちょっと今のこの神経の15 ppm、ちょっとペンディングにしていただいて、次の物質、塩化ホスホリルのほうをよろしくお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 塩化ホスホリルにつきましても、同様の考え方でやらせていただいております。資料1-2を御覧いただければと思うんですけれども、4ページ目です。
 こちらにつきましては、0.02 ppm(0.13 mg/m3)、こちらを二次評価値の案とさせていただいているところでございます。143行目に書いてございますとおりドイツのDFGが勧告しているTLV-TWA、こちらを二次評価値の案としているというところになります。
 許容濃度等につきましては、上のほうにACGIH、日本産業衛生学会、それぞれ、産業衛生学会は設定なし、ACGIHが0.1 ppmというような書き方をされているところでございますけれども、ACGIHが1982年に対してDFGが2015年と、DFGの方が比較的新しいと評価になっておりますので、こちらを主として採用するご提案となっています。
 一次評価値につきましては、発がん性についての情報がなく、遺伝毒性も判断できないと。塩化ホスホリルにつきましては、速やかに加水分解し、反復投与毒性は加水分解によって生じた塩酸、リン酸によると考えられると。こういったところからLOAELは参考にしかならないため、一次評価値なしとしたと。こちらが事務局からの案になっているところでございます。
 よろしくお願いいたします。
○大前座長 これの用途は半導体のドーピングガスなんかでは使われている。
 あとは、原材料ですから、ほとんどヒトにばく露する可能性は小さいんですが。ACGIHが1982年に0.1を提案していると。これは主に刺激ですね。
 それから、それに対しまして、MAK、ドイツが2015年に0.02としていると。その根拠は、128行の赤字のところでしょうけれども、三塩化リンのMAKが、2015年に0.5から0.01になったので、三塩化リンとも似たような物である塩化ホスホリルを0.02にしたらどうかという、そういうような根拠のようですけれども。
 123行目には三塩化リンの半分、すなわち0.2に暫定的に決められたというのがあるので、これの考え方ですが、三塩化リンの半分ということでMAKが決めているんですけれども、どうしますか。大した根拠じゃないですよね。三塩化リンを変えたから、それの半分、前の考え方と同じにして半分にしたというだけの根拠なので、MAKの0.02というのがそんなにしっかりした値でもないとは思いますけれども。
 今までの一応ルール上は、ACGIH、もしくは産衛を採用すると。それで決定していない、あるいは、古い等々の何らかの理由があればMAK等々、他の公的な機関も採用するというのが今までのルールブックですけれども。
 このMAKの理由で、MAKを採用しますか。いかがでしょう。
 僕は、このMAKの理由だったら、採用することもないなと実は思っているんですが、もうちょっとしっかりした理由が、根拠があれば当然、新しいほうを使うべきだと思うんですけれども、単に三塩化リンの半分、前、そういうふうに決めたから、今回もそういうふうにしたというのはあまりにも根拠としては薄弱だと思うんですが。単純に数値を厳しくすればいいというものでも当然ないので、それなりの根拠がないとあれですから。僕の意見ばっかり言っちゃいけないんですが、いかがでしょうか。
 事務局、何か御意見ありますか。
○阿部中央労働衛生専門官 正直なところ、このレベルの話になりますと、もう根拠の妥当性の判断の相場観がどんなものなのか、如何とも。そういうものですかというぐらいのことしか。
○大前座長 基本はACGIHか産衛ということですよね。
○阿部中央労働衛生専門官 はい、別の機関のものでも、より新しい知見があれば採用しうることとなっていますが、基本的な流れとしてはACGIHや産衛のものを採用することになっています。
○大前座長 あるいは根拠がもっとしっかりしていれば、他の機関を採用するというのは、そういうルールになっているんですが、今回の場合は単純に三塩化リンの半分という、三塩化リンを変えたから、それに応じて変えたというだけの理由なので、それだけの理由で一番原則のACGIH、産衛産衛という、それをやめていいかというか、放棄していいかどうかという。
○阿部中央労働衛生専門官 逆にすみません。有識者の皆さまのご知見でこれは薄弱だということであれば、事務局としてはもちろん、本流に合わせてやらせていただくのかなとは思いますけれども。
○宮川委員 よろしいですか。もう一つ加えると、このMAKの論理が少しあれっ、と思ったのは、三塩化リンよりも塩化ホスホリルのほうが強い毒性を示すと言いつつ、それよりも低い濃度にしていないというのもおかしな話かなと。ACGIHのほうは、そこを考えて同じようなことを言っているわけですけれども、そうするとこのMAKのほうは、塩化ホスホリルが0.01なのに、だったらそれよりも低くしなきゃおかしいというところもあるので、ちょっと合理的な判断ができないということから、今回は採用しないというのも理由の一つになるような気がいたします。
○大前座長 いかがでしょうか。
 今回のこの塩化ホスホリルに関しましては、二次評価値をACGIHの値を使うということでよろしいですか。
(異議なし)
○大前座長 特に皆様、異論なければそういうことでよろしくお願いします。
 それでは、三つ目の物質。
 はい、どうぞ。
○吉成委員 内容というか、値ではないんですけれども、この文書の中に塩酸と塩化水素と書かれていて、塩酸は水溶液なので塩化水素に全てすべきかと。
○大前座長 先生、何行目ですか。
○吉成委員 いろんなところにあるんですけど。加水分解されてリン酸と塩酸になるという表記がたくさんあるんですけど、塩酸になるというのは塩化水素になるはずなので、ところどころには塩化水素になるとも書かれているので、最初がどこに出てくるか。何カ所も出てくるので、ちょっとページ数が。たくさんあるんですけど、塩酸というのを検索していただくと。
○大前座長 これは多分、生体につくと、水分があるので塩酸。
○吉成委員 塩酸にはなるんですけど。
○大前座長 空気中では塩化水素の分子として存在しますかね。どうだろう。
○吉成委員 それで、塩化水素という表現も。例えば102行目には、リン酸及び塩酸に分解すると書かれているんですが、例えば119行目にはリン酸と塩化水素に加水分解されると、表現が統一されていなくて、物質としては塩化水素が適切かなと、加水分解という反応でいうなら、ということですけど。それが水に溶ければ塩酸といえなくもないんですけれども、やっぱり塩化水素のみが溶けたものを塩酸というべきかなと思います。体液の中で塩化水素が体液に溶けていても塩酸とはあまり言わないかなと思うんですけど。
○大前座長 そうしましたら、塩酸と書いてあるのは、みんな塩化水素にオートマティックに。
○阿部中央労働衛生専門官 翻訳が多分、そういう形で処理されたかをちょっと確認させていただいて、御趣旨としましては、要は塩化水素の純水溶液を塩酸と表現するべきであって、リン酸がまじっていたら、中に塩化水素が入っていても塩酸ではなく塩化水素だろうと。
○吉成委員 加水分解して塩酸という物質の書き方はおかしいということですね。リン酸と塩化水素であるべき。
○阿部中央労働衛生専門官 わかりました。
 多分、翻訳の際の都合で、こう書いてあったものをそのまま反映しているのかどうなのか次第だと思いますので、ここはちょっと。
○大前座長 あるいは、あまり意識せずに書いたかもしれませんけど。
○清水委員 51行目。これは加水分解されてリン酸塩と塩化物イオンになるというような記載がありますよね。あまり有害性はないという。
○大前座長 そういうことですね。
○吉成委員 塩化水素ができますので。当然、水素イオンと塩化物イオンに強酸ですから加水分解されている。加水分解っていうか、遊離しますので。塩酸という表現が。
○大前座長 通常の低い濃度だとあまり有害じゃないけれども、体液のほうに緩衝を上回る高濃度だと酸の影響があると、そういうような感じですね。
○吉成委員 そうですね。中身に影響は、当然ないですので。
○大前座長 ありがとうございます。
○阿部中央労働衛生専門官 翻訳のところを確認させていただいて、事務的に修正をさせていただければと思います。こちらの今の2番目のものですけれども、一次評価値なしのところは、これはこれでよろしかったでしょうか。
○大前座長 はい。
○阿部中央労働衛生専門官 わかりました。
○大前座長 それでは、3番目の物質、2-クロロフェノール、よろしくお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官  そうしましたら、資料1-3、2-クロロフェノールを御覧いただければと思います。資料のページとしましては、5ページ目を御覧いただければと思います。
 162行目辺りから評価値というところで事務局の案を書かせていただいているところでございますけれども、二次評価値につきましては、0.5 mg/m3ということで、ACGIH、産衛学会、DFGもろもろ、いずれも許容濃度等の設定がないというようなお話でして、構造的に類似したものを選ぶと、苦肉の策ですね。ペンタクロロフェノールのACGIHのTWAを参考に二次評価値0.5 mg/m3というところを事務局の案という形で書かせていただいているところでございます。
 一次評価値につきましては、ちょっとここに記載してございますけれども、IARCが2,4,6-トリクロロフェノールの動物試験結果から、クロロフェノール類の発がん性を2Bとしている。ヒトの疫学調査で2-クロロフェノールによると特定できる報告はないというところがございます。発がんプロモーター作用を示唆する報告はあるが、国際評価機関では2-クロロフェノールの発がん性が評価されていない。発がん性以外の有害性については、動物試験から導き出されたNOAELから不確実係数を考慮して算定した評価レベルが二次評価値の10分1以上であると。これらを踏まえ、一次評価値なしというところを事務局案としてお示ししているところでございます。
 よろしくお願いいたします。
○大前座長 いかがでしょうか。IARCの2Bはクロロフェノール類としてということでペンタクロロフェノール、2,4,5-トリクロロフェノール、それから2,4,6-トリクロロフェノール、それからこの物質もモノクロロフェノールですけれども、こういう形で各機関では許容濃度がないということでございますが、いかがでしょうか。
 はい、どうぞ。
○西川委員 この二次評価値、ACGIHが構造的に類似したペンタクロロフェノールのTWAを二次評価値としたとあります。ところが、IARCのペンタクロロフェノールの評価は、今年の2月の正式な評価ではグループ1です。したがって、このACGIHがペンタクロロフェノールに基づいて二次評価値を設定したことについては、そのままの採用は恐らくできないのではないかと思います。
○大前座長 いかがでしょうか。モノクロロフェノールとペンタクロロフェノールでは全然、毒性が違う感じがするので、ペンタクロロフェノールがグループ1になったとしても、それをダイレクトにモノクロロフェノールに外挿することはなかなか困難だと思いますけれども。
 したがって、ACGIHがペンタですか、これを0.5としているかというのは、恐らくもっと下がるだろうと、グループ1ですから。
 そうすると、この論理だと、この2-クロロフェノールは難しいんじゃないかと、そういうような御指摘だと思いますけれども、まさにそのとおりだと思うんですが。そうすると、ちょっとつくりようがないという、二次評価値が難しいという、そういうようなことに現段階ではそんな感じなのですけれども。
 これは、そうしますと実験結果から持ってくるしかないということになりますよね。例えば、この評価表で見ると、どれが一番小さい値になりますかね。反復毒性だと5.6 ppmですか。それから生殖だと0.57、それから神経だと0.56というような評価レベルが計算されていますけれども、少なくともペンタクロロフェノールのやつを持ってくるというのは、やっぱりどうも、これはちょっとまずそうですよね。
 もし、神経毒性、あるいは生殖毒性で0.56、大体0.5ぐらいですけれども、これを持ってくるという、そういうような手はないことはない。要するに、いろんな機関で許容濃度がつくられていないので、したがって、今あるこのいろんな状況、いろんな証拠から、数字をつくったというような形にするかどうか。今まで、ルールブック上は、今回のこの物質でそういうことをやった記憶はあまりないんですけれども。
○川名化学物質評価室長 よろしいでしょうか。
○大前座長 はい、どうぞ。
○川名化学物質評価室長 この2-クロロフェノールにつきましては、23年の企画検討会のときに、どうも生殖毒とか神経毒、その観点で選んでいるような記録があります。
 ということであるならば、数値としては神経毒、あるいは生殖毒から持ってくるというようなことはあるんだろうと思います。
 ただ、今の西川先生から御指摘があったように、現在のこのリスク評価書案によれば、発がん性が判断できないと。
○西川委員 ええ。
○川名化学物質評価室長 ところが、1ということで、これは判断できるということなので、ここら辺の情報も書いた上で、IARCIARCでどういうふうに書いているかと。そこで根拠となる実験とか、そういうのがあるんであるならば、そっちの方からも数値が出てくるのかということを検討した上で、発がん性、生殖毒、神経毒、この三つを並べた上で、より低い値をとるというのがルールになるのかと思うところでありますが。
○大前座長 今発がん性グループ1になったのは、ペンタクロロフェノールなので、この物質ではないので。
○川名化学物質評価室長 そうですか。なるほど。
○大前座長 発がんに関しては、今室長のおっしゃったことは、あまり当てはまらないと思うんですけども。
○川名化学物質評価室長 はい、わかりました。すみません。
○大前座長 神経毒とそれから生殖毒に関しては、もうそういう理由でこの物質が選ばれていることなので、今ある情報で神経毒とそれから生殖毒で0.56と0.57という数字があるので、丸めて0.5ですか。それを基準評価値にするという考え方はあると思うんですけども。皆さん、そういう考え方で賛同なされますか。発がんに関しては、ちょっと今この物質は評価できない。よろしいですか。
 そうしましたら、ちょっとルールブックにはないかもしれませんけども、各機関の提案濃度等がない。したがって、生殖毒と遺伝毒からこの物質が選択されたことに鑑み、現在ある情報で一次評価値を0.5とするというような書き方でよろしいですか。
 ちょっと今までのルールと。
○阿部中央労働衛生専門官 今の0.5とおっしゃっていただいているのは。
○大前座長 評価表の7。
○阿部中央労働衛生専門官 の生殖毒性の0.57 ppmと。
○大前座長 それと神経毒性の0.56 ppm。
○阿部中央労働衛生専門官 のこれをベースに。
○大前座長 これの丸めで0.5という。
○阿部中央労働衛生専門官 ですので、単位は0.5 ppmですね。
○大前座長  ppmですね。はい。両方とも ppmですよね、そうですよね。
○阿部中央労働衛生専門官  mg承知しました。0.5 ppmということで整理させていただきたいと思います。
○大前座長 この物質は、そういうことでよろしいですか。
○阿部中央労働衛生専門官 こちらのほうの一次評価値なしも、もういたし方なしということでよろしいでしょうか。
○大前座長 なしで。
○阿部中央労働衛生専門官 ありがとうございます。
○大前座長 それでは、次の物質。メタクリル酸メチルですね。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料1-4を御覧いただければと思います。
 メタクリル酸メチルです。資料のページ数が、後ろのほうですが、ページ7、7ページ目の238行目以降に書いているところでございます。こちらにつきましては、かなりシンプルでして、5ページ目、174行目の記載のとおり産衛学会の方から勧告されている許容濃度がございますということで2 ppm、8.3 mg/m3を事務局のほうの案とさせていただいております。
 一次評価値につきましては今回、取り上げさせていただいている他の物質と同様なんですけれども、ちょっと数字がない状態です。御検討いただければと思います。
○大前座長 いかがでしょうか。
 これは産衛で決めるときも少し議論があったような気がするんですけども、刺激か何かの症状、肺機能もありますか。肺機能と呼吸器症状を影響指標として25か、25をこれはLOAELだから、2.5にしていることで2ということに丸めたんですが、ACGIHは50で、他の機関も大体一桁上なんですよね。ちょっとその間が特異的にいってることは少ないという状況ではあるんですが。
 MAKとACGIHが50で、NIOSHとOSHAが100で、UKが50で、産衛が2という、すごく他の機関と比べるともう一桁違う数字、あるいは二桁違う数字になっているというところで議論があったと思うんですけども。
 ルールブック上は産衛会がACGIHか、この場合産衛のほうが新しいのかな。産衛のほうが新しかったと思うんですが。
 今までのルールブックですと、産衛の値でやっておきましょうかということになるんですけども。
○阿部中央労働衛生専門官 ACGIHが2000年で、産衛側は2012年の提案となっておりますので、産衛の方が新しいです。
○大前座長 なかなかこの物質で一桁違うというのは、何でこんな違うんだという評価が必ずあると思うんですけど。
 特に御意見なければ、産衛の数字でよろしいですか。
 どうぞ。
○西川委員 評価はそれでいいと思いますが、ちょっと細かいことを申し上げていいですか。
○大前座長 はい、どうぞ。
○西川委員 まず一つ目が、この44行目から50行目にかけて、閾値の有無についてなんですが、これと同じ文章が136行目から142行目に重複していますので、ここは通常どおりの書き方で、重複は避けたほうがよろしいかと思います。
○大前座長 はい。
○西川委員 もう一つ、今の部分で50行目、当該物質に遺伝毒性はないと判断するということですが、実は染色体異常とか、姉妹染色分体交換試験が陽性という結果は出ています。これで遺伝毒性なしという記載でよろしいでしょうか。通常、こういう場合、生体において問題となる遺伝毒性はないというような書き方をしている他の評価委員会もあり、そうしないと、何か遺伝毒性が全くないように見えてしまうのですが。
○大前座長 実際のデータが評価書のほうの555行目、22ページですけども、ここに一覧表がありまして、ここにin vitroin vivoの結果が出ております。
○吉成委員 ここの44行目あたり、高濃度の細胞毒性が出るところのみに限られると、書かれているので、そこを陽性と判断してないという判断が入っているのかなと思ったんですけど、いかがでしょう。44行目のデータを見てないので何とも言えないんですけど。
○西川委員 多分、そうだと思いますが、それで。
○吉成委員 そういうときも問題となる毒性はないと、他の会でよく書きますけど。これは遺伝毒性ととっているか、とってないかというところかなと。陽性だけど偽陽性にとっているのかなと、ちょっと思ったのですけど。
○西川委員 別に。
○吉成委員 いや別にどちらでも私もいいんですけども。
○西川委員 どちらでも結構です。
○大前座長 そうしますと、これは遺伝子的な、高用量のときは染色体異常誘発があるけども、特殊な実験条件下ということなので、なしでもいいだろうと。
○西川委員 結構です。
○大前座長 その他、はい、どうぞ。
○江馬委員 126行目ですが、生殖毒性:判断できないとなっています。
 これはヒトのデータで生殖毒性のことを書いてあるので、生殖毒性ありではないんでしょうか。
○大前座長 これも詳細不明なデータ。
○江馬委員 詳細不明というのは、詳細不明が文章の全体にかかっているんですか。
○大前座長 全部かかっている文章だと思うんですよね。なかなかそうすると、これできついかなという感じなんですけど。
○江馬委員 詳細不明の前までの文章で、非常に生殖毒性があるような印象を受けてしまうんですが、詳細不明ならもっと詳細不明であるデータがよくないとか、そういう言葉を入れておいたほうがいいと思うんですけども。
○大前座長 いかがでしょうか。これは評価書の26ページの714行目からが生殖毒性なんですけども、これを見ますと10 mg/m3未満と比べて20 mg/m3を以上の労働環境にあった女性で、早期流産の発生率に有意な増加を認めたというようなことが書いてありますけども。
○宮川委員 ここの書き方だと、詳細不明は下のほうだけで、上のほうは結構ちゃんと書いてあるのかなと。
○江馬委員 奇形に関して詳細が不明なので、判断できないというふうに読んだんですよ。そうじゃなくて、上のほうはしっかりと種々のエンドポイントが記載されています。濃度も書いています。エンドポイントとか書いてあって、上のほうは、生殖毒性があるということを認めて書いてあるのかなと思ったんです。
○大前座長 これは論文の名前が載っかっているので多分、原文に戻っていると思うんですよね。
○江馬委員 723行目に、どちらも詳細なばく露状況は報告されていない。多分、ここなんでしょうね。判断できないならば、上の前段のほうをもうちょっと漠然というか、あまり詳しく書かないほうがいいと思うんですけど。
○大前座長 そうですね。これ、Fedetovaさんの論文というのは、どこの論文なのかな。
○吉成委員 ロシア語で書かれている。
○大前座長 ロシア語か。それで、ちょっとわからなかったんだ。そういうことですね。

○大前座長 そうか。多分、それで前の下の委員会のほうは、これちょっと判断できないねという結論になったんですよね。
 結論として判断できないでよろしいですか。その書き方は江馬先生がおっしゃったように、もう少し何といいますか、簡略に書けと、そういう御意見ですね。おっしゃるとおりですね。
 その他、メタクリル酸メチルに関しまして、何か御意見いかがですか。よろしいですか。
 これは許容濃度と産衛の濃度と諸外国の濃度と一桁あるいは二桁の差はあるんですけども、一応ルールブック上は産衛か、ACGIHかどっちか。
 はい、どうぞ。
○吉成委員 先ほどの2を求めた根拠のところですので、179から180行目のところの、この慢性の咳数の増加といった軽度な影響しか認められていないというのは、ここを毒性影響とはとってないという理解でよろしいんですよね。
○大前座長 これはとっているんですよね。
○吉成委員 とっているという。
○大前座長 多分、この文章、産業衛生学会の提案で持ってきたわけだと思うんで。
○吉成委員 これはLOAELにしているということで、よろしいんですか。
○大前座長 これをLOAELにているということですね。
○吉成委員 それで、10で割るということですか。よろしいんですか。
○大前座長 はい。
 それから、もう一個は動物実験の結果もNOAELが25で、10で2と。合うといえば合うんですよね。ヒトのデータと動物実験だったら、両方2前後に計算するとなるのでという、そういうようなことで産衛は2にしているというふうに思うんですけど。
○吉成委員 そんな影響しか認められてないというのは、否定的だけど、ここを毒性ととっているという。
○大前座長 ここはとっているという、そういうあれですよね。
○吉成委員 とっているということですか。その次の10は、ヒトのこういう場合は個体差の10ではなくて、LOAELを使っていることの10ですか。
○大前座長 ええ、NOAEL、LOAELの10ですね。10を使うのが妥当かどうかという問題はまた別にあるんですけど、もうちょっと小さくてもいいんじゃないかと。影響のレベルが小さいので、10はちょっととり過ぎじゃないかという、そういうような考え方は十分あり得ると思いますけど。
 動物実験に関しては、111行目にNOAELが25の根拠がありまして、ラットに0、25、100、400 ppmのばく露を24カ月、2年間やった実験で、最終的な病理組織化学検査で、100 ppm以上で鼻甲介の粘膜上皮に変性、炎症、再生変化という病理学的な組織学的な変化があったので、これを見るとNOAELは25だ。
 したがって、これの試算も不確実して10という、そういう形で2.5という、両方が合っているので、動物の場合はしかも、組織学的な変化ということですからということで産衛はちょっと厳しくなっているということだと思いますけど。
○吉成委員 文章の感じが認められていないという。
○大前座長 恐らく。
○吉成委員 否定的なんで、とってないという。
○大前座長 載った文章はまずい文書だなと思いました。
 でも、恐らくこの文章は産衛の提案でそのまま持ってきているので、ここで変えるわけにはいかないので。
○吉成委員 そうですよね。わかりました。
○大前座長 それでは、第5物質目、その他よろしいですか。よければ次の物質に行きますけども。
 2-ブテナール、お願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料1-5を御覧いただければと思います。2-ブテナールです。
 こちらにつきましては、ページがちょっとまたがりますけども、4ページと5ページの間のところです。146行目以降に記載しているところでございます。
 二次評価値につきましては、ACGIHの勧告をベースに0.3 ppm(0.86 mg/m3)で、一次評価値につきましては、発がん性が疑われ、遺伝毒性があり閾値がない場合に該当するが、生涯過剰発がん1×10-4レベルに相当するばく露濃度が設定できないというところをもちまして、一次評価値なしとさせていただいているところでございます。
 ACGIHの許容濃度等につきましては、126行目以降に記載しているところでございます。御検討のほどよろしくお願いいたします。
○大前座長 これは生殖毒性のところで、これは評価書の5ページの333行目のところで経口/経皮投与/その他の経路のところで腹腔内投与実験、ラット精子に何かあるというようなことが書いてあるんですけども、ここら辺で今一応、生殖毒性に関して通常は、ルール上は吸入もしくは経口で、腹腔内投与は使わないというようなルールでやっていますので、調査した範囲では情報は得られないというような、そういうような結論になっていますけども、腹腔内投与等々に関しては、若干情報があるということですが、ここら辺、江馬先生、どういうふうに考えたらいいですかね。あまり気になくていいですか。
○江馬委員 実際には大分違うと思います。経口とは。
○大前座長 なるほどね。
 しかも、この大きさは非常に反応性が高い物質なので、恐らく比較的早い時期に物が変わってしまうということで、生殖毒性についても判断できる、失礼。情報がないという、それでよろしいですか。ありがとうございます。
○江馬委員 ルールに沿った判断でよろしいと思います。
○大前座長 いかがでしょうか。ACGIHの0.3を二次評価値として採用するという案ですが、よろしいですか。
 それから、これACGIHは0.3というのは、Ceilingでしたか。これも今までCeilingの場合も一応そのままとっていましたけども、これは仕方ないですね。
 通常はTLVなり、許容濃度、8時間ばく露を考えるんですが、その数字がない。Ceilingにすると濃度が高くなるので若干、ある意味では数字としては甘くなるのかな。そういうような方向にいくことになりますけども、でも数字がないということで、0.3を使うと。
 ちなみに142行目を見ますと、NIOSHは2、それからOSHAも2、これは8時間荷重平均、ですから、随分CSと比べると一桁、8時間荷重平均では違った数字を出していますけど、これは恐らく見ている影響が違うからこんなに差が出ているんだと思いますが、よろしいですか。
 どうぞ。
○西川委員 評価はいいんですけども、ちょっと確認したいところが二つぐらいあります。
 一つは、315行目からの、後ろのほうの資料ですけども、ラットとマウスの試験が実施されたとあるんですが、この結果には、ラットの成績しか記載がありません。恐らく、間違いはないと思うんですけど、マウスでひょっとして、NOAELの小さい値が出ている可能性を一応確認の上、否定しておかないといけないかなと思います。
○大前座長 先生がおっしゃったのは、5ページの315行目のラットとマウス、両方10匹1群としてこの濃度でやった用量で、ラットでは、ラットの結果は出ているけども、ここにマウスの結果は出てないと、そういうことですね。
○西川委員 はい、そうです。
○大前座長 そういうことですね。ここはちょっと確認してくださいと。本当ですね。何で、これはマウスの結果は書いてないんですかね。これは環境省の評価書を持ってきたやつですね。
○阿部中央労働衛生専門官 ちょっと確認させていただきます。
○大前座長 お願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 御指摘の点につきましては、追って共有させていただきつつ、影響があるかないかを御判断いただいて、評価への影響は特段なしということであれば、先ほどご議論いただいた数値を採用させていただくようにしたいと思います。
○大前座長 はい。
○西川委員 それから、もう一つあるんですけども、この後ろのほうの525行目から、これはMAKの評価ですが、その根拠に、要するに生殖細胞の変異原性をカテゴリー3Bと分類していると記載があります。これは生殖細胞変異原性ありで、それほど危険度が高いわけではないのですが、少なくともありと判断していますので、こういうのを次回以降の評価書作成に情報として記入していただければと思います。
○大前座長 ありがとうございます。
 次回以降、新しい評価書に関しては、Germ cell mutagenの評価をちゃんと生殖毒性のところ入れていただくと。
○阿部中央労働衛生専門官 これは、あれですかね。一応、別途やらせていただいております委託事業のほうでも、有害性評価書を作成しておりますので、その中でも、なるべくちゃんと押さえておくようにというような形で対応させていただくようにしておけばよろしいでしょうか。
○大前座長 それでお願いします。
 それで、アスピリンですけども、先ほど15 ppmのあれがわからないというところで、ちょっと今止まっちゃっているんですが。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません。ちょっとすぐ出てきませんで。
○大前座長 後ろの評価書の方にも確かに15というのはないので、ちょっとこれ、出所不明です。
○阿部中央労働衛生専門官 次回改めて確認させていただいたものをお持ちするようにいたします。
○大前座長 もし、この15が正しくても、先ほど言いましたように、濃度で換算すると、先ほどACGIHでしたか、この濃度で問題はないということですので、これをチェックしていただいて、もともと数字がなければ、このLOAEL15自体がなくなるということになりますし、数字があって、このLOAEL15が正しいという数字であっても、評価値は変わらないということで、チェックしていただいて、もし数字が15で間違いなければ評価値はそのままということでよろしいですね。もし数字が大きく変わるようだったら、またこちらに相談していただくということでよろしいですか。
○阿部中央労働衛生専門官 承知しました。事実関係を確認の上で、書きぶりにつきましては、念のため、委員各位にも見ていただければと思いますけれども、評価値の案としましては、今いただいたところをベースに数字をセットさせていただければと思っております。
○大前座長 よろしくお願いします。何かどこかで来たんだろうか。
○阿部中央労働衛生専門官 申し訳ございません。
○大前座長 いえいえ、これは基本的にもともと、もとの評価書の中に報告されているという文献があるので、本当はこの文献にたどらなくちゃいけなかったんですよね。
 それに関しては、そういうような扱いでよろしくお願いいたします。
 そうすると、一応5物質全て終わりまして、今日の議題は終わり……。
○宮川委員 先生、1点追加でよろしいですか。
○大前座長 どうぞ。
○宮川委員 追加でよろしいですか。塩化ホスホリルのところで、評価値の決定で、一次評価値なしのところの記載がちょっと気になっておりまして。
 発がん性についての情報はなく、遺伝毒性も判断できないとすると、他の毒性、エンドポイントでもって判断することになるわけですけど、反復投与毒性ですか、それで非常に低い値が計算で出ているのだけれども、それを使わない理由として、加水分解して、塩酸とリン酸になるので、LOAELは参考にしかならないというのが、ちょっと何となく気になる書きぶりで、なのでちょっと御検討いただければと思うんですけれども、いかがでしょう。
 塩化ホスホリルの反復投与毒性のところには、非常に低い数値が計算をしてあったと思うのですよね。
○大前座長 反復投与毒性。
○宮川委員 0.0048 mg/m3
 評価表を見ていただけるとありますけども、これがなぜ使わないかというのが、ちょっと刺激性とか何かが問題になるものにおいて、気道のですよね。塩酸になるのか、もともと体にある物質だから毒ではないという理屈には、ちょっとならないような気がするので、一次評価値を設定しない理由の書きぶりを少し変えないといけないのかなと。
 あるいは、もしかすると一、二次評価値を設定してしまってもいいような気もしないでもないですけれども。
○大前座長 今までのルールだと発がんと生殖と神経毒性の場合はとありましたけど、反復投与の場合は、今までやってなかったんでしたか。
○宮川委員 前はやってなかった。
 そこの部分の書きぶりが、このリスク評価の方法でもし変わったのだとすると、そこをとるということなので。
○大前座長 そういうことですね。
 たしかこの委員会だったか、あるいは別のルールブックの中で、発がんと生殖と神経以外にも反復毒性で十分低ければ、一次評価を10分の1以下だったら、ACGIH等の書きましょうというようなことをたしか議論したような気がするので、たしかあんな感じでしたよね。
○宮川委員 ええ。今回からそうするとルールブックが直っているような気がしますので、そうすると採用していただくとすると、この計算式ですか、0.0048なので0.005ということで、10分の1よりも低いのが出てくると思いますので。
○大前座長 そういうことですね。
○宮川委員 スクリーニングですので、もし可能であれば。
○大前座長 そういうことでよろしいですね。
 一応、反復毒性でもその10分の1以下だったら一次評価値にしようというふうにたしか前回か前々回か、ちょっと今時期は記憶はありませんけども、そういう議論をしたと思うので。
 今までは生殖、発がんがメーンでしたから、あまりそういう議論はしなかったと思うんですけど。
○川名化学物質評価室長 一応ルールブックでも発がん性を考慮した評価を行うことが必要な物資の場合と、あと(イ)で発がん性外の有害性を中心として評価を行う物質の場合で、この中で一応(ア)で生殖発生毒性、(イ)で神経毒性、(ウ)でリスク評価の選定基準が、(ア)(イ)以外の毒性の場合というようなことであります。ただ、リスク評価の選定基準がというようなことで、ちょっとかかっているので微妙なところではありますが、注目すべき毒性として(ア)と(イ)毒性ということで挙げられるということであるならば、それの場合、一応読めるんではないかなというふうには思います。
○大前座長 ありがとうございます。
 という根拠もいただいたので、これは一次評価値を丸めて0.005という形で一次評価値を入れておくと。二次評価値が0.005ですから、ちょうど10分の1。10分の1以下、10分の1未満どっちだ。
○阿部中央労働衛生専門官 もし以下であれば、0.005で問題なしということですね。
○大前座長 そうですね。
○阿部中央労働衛生専門官 未満であれば、0.0048ということでよろしいですかね。
○大前座長 そうですね。わかりました。ありがとうございます。
○阿部中央労働衛生専門官 了解しました。
 塩化ホスホリルについての議論の確認です。資料1-2の塩化ホスホリルですけれども、こちらにつきましては、一次評価値なしといったことで事務局の案をお示ししていたところでございますけれども、反復投与毒性75行目のLOAELからもろもろの評価レベルのところまで、こちらのところを参考に、最終的にこの83行目の評価レベルを一次評価値に採用するというようなこと。
○大前座長 はい。
○阿部中央労働衛生専門官 把握しました。
○大前座長 二次評価値0.02なら要らないんですけどね。今0.05というふうにしたと思うので。
 その他、全般を通じまして何かありますでしょうか。
○阿部中央労働衛生専門官 大変恐縮ですが、事務局の方から1点。ちょっと私自身が議論に追いつけてなかったところがございまして、Webのほうに資料掲載はしておりませんので、傍聴者の方には申し訳ないんですけれども、メタクリル委員会というところから、メタクリル酸メチルにつきまして、許容濃度の国別の根拠整理案という資料を送付いただいています。ぜひ、委員の方々に見ていただきたいというお話でしたので、タブレットのほうにだけ、Excelのファイルですけれども、参考という形でメタクリル委員会提供の資料を入れさせていただきました。
 正直、すみません。資料セット後に送付いただいたこともあり、とりあえずタブレットに入れるだけは入れてきたんですけども、ちょっと中身は一つ一つ確認しきれていないのですけれども、先ほど御議論いただいた2 ppm、産衛学会がぴょんと飛び抜けて小さいというところをもろもろ整理した資料となっているようでございます。業界からは、こういったものが提供されているということで。
○大前座長 産衛が2で、ACGIHが2015年で、設定年が2015年ですね。50 ppm、その下がDFGが2006年で50 ppm、EUが2006年で50 ppm、UKが2002年で50、カリフォルニア州が2006年で50、フィンランドが2000年で10、ノルウェーが2011年で25というような形で、産衛の2というのが少し際立って一桁低いと。それぞれの根拠が、根拠の内容というのがその次に書いてありますので、これはまた、後ほど見ていただければといいと思うんですが。
○阿部中央労働衛生専門官 基本的に、この資料自体に記載されている点につきましては、先ほど御議論いただいた、産衛の数字を採用するのが妥当か否かの話の中でお話しいただいていた点かなというふうには思っています。他方、これを踏まえて、具体的な業界側からの要望としては、すみません、私も読み込み切れてないんですけれども、取り急ぎメタクリル委員会さんから送付いただいたメールの内容を、画面にだけ出させていただきます。
 これは、事前に御紹介いただけますと、という入り口ではあったんですが、ちょっと事前に御案内できず大変恐縮です。
 産衛学会で根拠としている論文について他国で云々、こういったことを言われておりますよと、業界はこういうことをポイントとして捉えていますよというような御意見だと理解しております。
○大前座長 今偶然一番上の画面のようになりましたけども、これは多分間違っていて、産衛学会はUF10を採用しなくなったのではなく、TKとTDで分けてやっているはずですね。鼻腔の影響に関しては、これは多分、ちょっと誤解があると思うんですけど。
○阿部中央労働衛生専門官 わかりました。
○大前座長 いいです。これは誤解というか。
○阿部中央労働衛生専門官 こういった話がございましたというところは、御参考にということでお示しさせていただきました。御議論自体は根拠のところも含めてしていただいていたと思いますので、あくまで御参考ということでお配りしておりますというところの御紹介です。
○大前座長 どの論文を採用するかとか、どういう不確実係数を使うかというのは、なかなか各機関で統一していると、統一されているわけではないので、統一されていれば世界中で一個だけつくればいいと、そういうふうになっちゃうんだけど。
 その他、今の点よろしいですか。参考として、協会の方からこういう根拠が出ているので、ぜひ一度、御覧になっていただきたいということですね。Marezさんの論文をどうみんなで扱っているかというようなこと。
 それから、ラットのNOAEL25 ppm、NOAELというのは、先ほど産衛でも採用していましたけど、あれの不確実係数をどう考えるかというようなところのことが、恐らく書いてあるんじゃないかと思います。
○阿部中央労働衛生専門官 この資料自体は、一応自分の方でもざっとは目を通させていただいていたんですけども、具体的にだからどうというふうな書きぶりではなく、ベースとしては単に事実をまとめましたという形にはなってございます。
○大前座長 この表自体は、非常にサイエンティフィックなことをまとめてある表なので、非常に有用な表だと思いますけど。
○阿部中央労働衛生専門官 御参考ということで、本当は先にお出しすればよかったんですが、ちょっと議論に追いつけず、事後にお出しする形になってしまい大変失礼しました。
 こちらで御参考ということで、以上です。
○大前座長 その他何かございますか。
  どうぞ。
○川名化学物質評価室長 先ほど2-ブテナールの5ページの315行目のところ、西川先生からのマウスの結果について御指摘があった部分ですが、環境省の評価書を見ますと、マウスについても言及がありあす。それによれば、「マウスの前胃でも40 mg/kg/day群 mgで上皮細胞の過形成を認め、雄ではさらに慢性化活動性炎症もあったが、死亡率や体重、鼻腔への影響は見られなかった。この結果から、NOAELはラットで2.5 mg/kg/day(ばく露状況で補正:1.8 mg/kg/day)、マウスで20 mg/kg/day(ばく露状況で補正:14 mg/kg/day)」と言うことです。数値としてはマウスの方がかなり大きいというようなことで、マウスの記載をしてなかったのではないかと考えられるところであります。
○大前座長 ありがとうございました。
 ということですので、修正する必要はないということでございます。ありがとうございます。
 その他、特になければ、事務局の方では何かございますでしょうか。
○阿部中央労働衛生専門官 思いの他スムーズに進んでしまって、5物質すべて終わるかなとちょっと心配していたんですが、ありがとうございます。
 次回以降の開催の目処ということで御案内だけさせていただきます。ちょっとまだ、内部手続が終わっておりませんので、あくまで御案内ということですけれども、今のところ、9月の頭に皆様の御予定を調整させていただいているというような状況です。ちょっとまだ日程確定しておりませんが、9月5日ですかね。テクノヒル社の方から御案内させていただいておるかと思いますけれども、次回、そのぐらいまでに、またちょっと次、6物質程度、今回のような形で御議論いただければと考えているところでございます。
 場合によっては、ちょっとまたリスク評価の手法のところを本当にこれでいいのかなというのが、だんだん心配になってきますので、また御意見をお願いするかもしれませんが、何かございましたらということで、御相談させていただければと思っているところでございます。
 以上です。
○大前座長 ありがとうございました。
 先生方の方から何かございますか。
 特にないようでしたら、本日の有害性評価書検討会を閉会いたします。
 どうもありがとうございました。