第4回救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会(議事録)

医政局地域医療計画課 救急・周産期医療等対策室

日時

平成30年6月21日(木)
15:00~16:30

場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール14A

議事

下記のとおり
○野口救急医療対策専門官 それでは、定刻でございますので始めさせていただきたいと思います。ただいまから、第4回「救急・災害医療提供体制等の在り方に関する検討会」を開催させていただきます。
構成員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席くださいまして、まことにありがとうございます。
本日、猪口構成員、大友構成員、岡留構成員、坂本構成員、嶋津構成員、中板構成員、森村構成員、横田構成員から御欠席の連絡をいただいております。開催要綱の3(4)に基づき、団体を代表して参加されている構成員であって、本日御欠席の猪口構成員、坂本構成員、中板構成員、横田構成員から、代理の御連絡を事前にいただき、座長の了解をいただいております。
猪口構成員の代理として全日本病院協会救急・防災委員会の大桃丈知参考人、坂本構成員の代理として日本臨床救急医学会理事松田潔参考人、中板構成員の代理として日本看護協会理事井本寛子参考人、横田構成員の代理として日本救急医学会理事黒田泰弘参考人の御出席に関して承諾いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○野口救急医療対策専門官 本日は参考人として、平成29年度厚生労働科学研究「災害派遣精神医療チーム(DPAT)の機能強化に関する研究」研究代表者の渡路子参考人、熊本大学医学部附属病院救急総合診療部の笠岡俊志参考人、北里大学医学部救命救急医学の浅利靖参考人にお越しいただいております。
また、オブザーバーとして、総務省消防庁救急企画室室長野本祐二様にお越しいただく予定でございます。
まず、お手元の資料の確認をさせていただきます。お手元に、議事次第、座席表、開催要綱、構成員名簿のほか、資料1から5まで、参考資料1及び2をお配りしております。乱丁・落丁等がございましたら、お知らせください。
報道の方で、冒頭カメラ撮り等をしておられる方がおられましたら、ここまででお願いいたします。
(カメラ撮り終了)
○野口救急医療対策専門官 それでは、遠藤座長に、以後の議事運営をお願いいたします。
○遠藤座長 それでは、早速、議事に移らせていただきたいと思います。
本日は、18時までに第4回と第5回の2回分の内容を検討していただくという予定でございます。円滑な議論に御協力いただければ幸いでございます。
まず、資料1の前回の議論のまとめについて事務局より説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○野口救急医療対策専門官 事務局でございます。
資料1を御覧ください。第3回におきましては、病院前医療の提供手段ということで、ドクターヘリ、ドクターカー、メディカルジェット等に関する検討をいただきました。会議の中で意見をいただいた内容に関しまして、こちらのほうに列記、まとめさせていただいております。御確認いただきまして御意見等ございましたら、賜りたいと考えております。
また、2ポツでございますが、ドクターヘリの安全管理に関しまして御意見をいただき、現在、事務局のほうで取りまとめを行っている状況でございます。
事務局では以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
これまでの議論のまとめということでございますけれども、きょうは御発言いただいた方がいらっしゃらないというケースもありますけれども、何かあれば、御意見、御質問いただければと思います。
もしあれば、会議終了まで御意見をいただければと思いますので、ひとまずよろしゅうございますか。ありがとうございます。
それでは、次の議題に移りたいと思います。議題2及び3でございますけれども、これは関連が強いということもありますので、一体として御議論いただきたいと考えております。議題2は「災害派遣精神医療チーム(DPAT)について」、議題3が「災害拠点精神科病院について」、この2つでございます。DPATについて議論いただきまして、続けて災害拠点精神科病院について御議論いただきたいと思いますので、資料2と3について渡参考人より、また資料4につきましては事務局より御説明いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、渡参考人よろしくお願いします。
○渡参考人 よろしくお願いいたします。
まず、資料2を御参照ください。「DPATの現状および課題について」でございます。
まず、課題について御説明する前に、そもそもDPATはどんな概要なのかということを御説明いたします。
まず、1.災害派遣精神医療精神チームDPATとは。自然災害や大規模災害のときに被災地域に入って、精神科医療及び精神保健活動の支援を行う専門的なチームということでございます。いろいろ図が描いてございますが、基本的にはDMATと同じ構造で、都道府県単位で設置するチームになってございます。
2番目、DPATの構造とございますが、まず、発災後48時間以内に活動できる頭の隊を先遣隊と呼んでおりまして、単一の医療機関で組織するということで整備しております。また、DMATと比べると活動の期間が少し長くなりますので、その後続隊、必要に応じて数週間から数カ月活動する隊を、班をつないでいく。ここに関しては、複数機関の合同組織で都道府県が整備しているということになります。ちなみに、1班ずつ精神科医が入って、看護師、業務調整員を含めた数名で構成しているという構造になっております。
その下、3番でございます。現在のDPATの整備状況でございますが、頭で入っていく先遣隊は53班、その後のDPATは374班、都道府県が整備しているという状況になってございます。
4番目、活動実績でございますが、平成25年に厚生労働省が活動要領を出されまして、その後、年に一、二回はどこかで稼働しているという状況でございます。活動として一番大規模になったのが5番目の熊本地震でございます。このときは41自治体から1,242隊が活動いたしました。もちろん、避難所巡回も行いましたし、この際は7つの精神科の病院が被災したということで、大規模な患者搬送、595名の入院患者の搬送を支援いたしました。
おめくりいただきまして、2枚目になります。フェーズごとの災害保健医療体制とございます。先ほど申しましたように、頭はDMATと同じフェーズで入ってまいりますけれども、精神科の場合はその後、割と長く活動してまいりますので、フェーズごとにいかに連携体制を組んでいくかということに非常に注目して重点を置いております。
例えば、1番上、いわゆる救急とか一般医療に関してはDMATが入っていき、その後、後続の医療救護班が引き継ぎ、最終的には地元の医療機関が立ち上がってくれば、そちらに引き継ぐという構造になっているかと思いますが、精神医療の場合は、頭をDPATの先遣隊が入り、その後、後続のDPATが引き継ぐ。頭の先遣隊はDMATとの連携がメーンになるでしょうし、その後のDPATに関しては、各種医療救護班との連携がメーンになってまいります。DPATも、基本的には地元の精神科の医療機関が立ち上がってくれば、そちらに活動を引き継いで徴収という形になっています。
一方、特に精神保健の分野に関しては保健公衆衛生との連携も非常に重要で、他県の保健所とか保健師チームであるとか、最終的には被災地域の市町村・保健所、精神保健福祉センターに保健対応が必要なケースについては、引き続いて徴収という形にしております。
四角で囲っておりますが、保健医療調整本部・保健所が指揮をとられますけれども、その中に基本的にはDPATも指揮下に入って動いていくという形になっております。
1枚おめくりください。DPATの活動は、フェーズによって非常にニーズが変わってまいります。フェーズごとにどんな活動をしているかという御説明をしたいと思います。まず、3枚目は最初の先遣隊、発災から1週間程度の先遣隊がどんな活動をして、どんな課題を持っているかというものをまとめたページでございます。
1番目、主な活動内容としては、当然、本部の立ち上げでありますとか精神科医療ニーズの把握、そして精神科医療機関への支援ということがメーンになってまいります。
2-1ですが、特に熊本地震では、先ほど申しましたように7つの精神科病院が被災しましたので、患者搬送ということの支援もいたしました。
具体的に患者搬送について、どんなことをやっていたか。特にDMATとの連携について2-2に記載してございます。このときは、DMATは自衛隊等と連携して、自衛隊車両とか救急車といった搬送手段の確保をしていただきました。一方、DPATは何をしたかと申しますと、精神科病院の中には、隔離・拘束などの行動制限とか、非自発的な入院をされている方がいらっしゃいますので、こういったものを踏まえた搬送の優先順位の決定、そして適切な精神病床の確保をしておりました。ということで、これを行うために、本部であるとか現場レベルでDMATとDPATはかなり密に連携をとって、一つの病院搬送ミッションを行ったということになります。
左下になります。では、このフェーズでどんな課題があるかということでございます。まず、自治体における主管課と先遣隊派遣時の課題ということであります。DPATの自治体の主管課というのは、心身障害者福祉、障害部局の中に7割入っております。あとは、保健、健康が3割ということで、DMATの主管課と自治体の担当課は全く別ということになります。
この担当課から見ると、先遣隊派遣時の課題として一番問題になるのが、関係機関との連携困難39%、この部分でございます。関係機関というのは具体的に何かと申しますと、DMATの主管課です。災害医療の担当部局と連携するところで、特に急性期のところで非常に課題があるとか、防災担当部局との連携体制が困難ということを自治体のほうから回答を得ております。
4番目に現状と課題をまとめております。被災病院の支援等の急性期活動には、迅速にDMAT・DPAT間の連携体制を構築する必要があります。一方で、行政の所管課が多岐にわたっており、行政担当の連携に課題がございます。現状では、例のところに書いてございますが、自治体のDPAT主管課には、DMATからの急性期の情報は基本的に障害部局に余り入らないということがあるので、DMAT事務局から我々のDPAT事務局を介して、国レベルから自治体に連絡を入れるという周りくどい情報のやりとりをしているのが現状ということでございます。
また1枚おめくりいただきまして、その次のフェーズの御説明をしたいと思います。1週間程度から1カ月程度。ここは主に避難所活動のフェーズになりますが、ここのDPAT活動と課題を御説明いたします。
このフェーズでは、特に初期は主な活動内容として、緊急対応事例への医療対応が毎回ございます。例としては、保健所・警察と連携し、例えば幻覚・妄想状態によって避難所で他害行為がある住民の診察とか入院の調整ですね。精神科の救急の要素が初期の避難所ではかなり起こってまいります。
あとは、マル2にございます医療救護班の依頼を受けて、自殺企図の恐れのある住民を診察、入院調整。ちなみに、※印にありますように、熊本地震のときには医療救護班が用いたシステムを通じ、計61件の緊急のメンタルヘルスニーズが覚知されています。うち4件が自殺企図で、即日DPATが介入という事例がございました。
2番目に移りまして、こういったDPATの活動が時系列にどのフェーズで数が一番ふえるかということを、御嶽山の噴火、広島の豪雨、常総市の豪雨、熊本地震でデータをとってみました。DPAT活動は、発災から1から2週目がピークになります。ですので、この時期にいかに隊を投入しつつ、救護班とか保健所との連携を構築するかということが課題になっております。
左下へ行きまして、3番目。一方、熊本地震のときは、組織が一般救護班とは少しずれました。先ほど言ったような行政の所管がちょっと違うということも多分関係していると思うのですが、一般の医療救護班に関しては、調整本部を県庁の8階に置いて、その下の活動拠点本部を保健所単位で設置していかれたと思います。このフェーズで、DPATは調整本部を県庁の10階に置いていて、その下の活動拠点本部も、精神保健福祉センターとか精神科の県立の病院であるとか、ちょっとずれてしまったのです。ここで救護班との連携が組織的にとりにくくなったという事例がございました。
ということで、4にまとめてございます現状と課題でございます。避難所での精神科ニーズは、発災後1から2週間がピークであり、この時期の医療救護班・保健所等との連携は必須でございます。ただし、熊本地震では、精神保健福祉センター等に活動拠点本部が設置されたことにより、医療救護班本体との連携が少し困難であったという事例がございました。
次に、中長期の話になります。1枚おめくりください。1カ月以降、DPATはどんなことをしているかということを1枚にまとめております。
1番、主な活動内容としては、この時期はまさに被災地域の精神保健医療機関へのつなぎということになります。
2番目に、熊本地震におけるDPAT1班当たりの相談対応延人数の推移を出しております。人数的に見ると、1班当たり、発災後1から2週目にピークが来て、徐々に数は落ちてきて、最終的に7月以降、これはローカルの熊本DPATが対応した時期ですが、1日1人診るか、2人診るかぐらいまでニーズが減ってまいります。この3カ月以降にDPATが対応した相談者の転機を見てみますと、引き続きDPAT対応が必要だったのは2割、地元の医療機関に紹介したのが2割。一番多かったのは4割が保健対応、そして見守りが3%、終了が17%ということで、6割ぐらいは地域で保健対応であるとか見守りで対応できるような、保健ニーズにシフトしていったということがおわかりになるかと思います。
このような急性期の精神科医療ニーズから地域保健にどのようにシフトさせていったかというのが、3番目に書いてございます。熊本地震における支援体制の流れでございますが、まず急性期は、DPATの先遣隊が本部を立ち上げて精神科病院の支援を行いました。その後、亜急性期は避難所の精神保健医療活動を全国のDPATが行いました。徐々に九州・沖縄のブロックのDPATに集約して、最終的には熊本のローカルのDPATの先生方が中長期の避難所の精神保健医療支援、主に保健の支援ということになりますが、そういうことをされて撤収ということになりました。
我々DPATの引き際は、地域の体制が整って引くというのは、評価が非常に難しいのですが、今回、熊本県は県の精神保健福祉センターが、個別の保健対応が必要な事例を市町村の保健師さんにつなぐとか、相談窓口の設置をするとか、市町村の保健師さんで精神保健になれていらっしゃらない保健師さんがいっぱいいらっしゃると思うのですが、そちらへのレクチャーといったことを丁寧にされて、市町村に最終的に引き継いだというやり方で撤収いたしました。
4番目、現状と課題ですが、この中長期の部分は精神科の医療から保健対応にニーズがシフトいたします。しかし、現状ではDPATから地域の保健体制につなぐ対応が明確には定まっておりません。この時期には、保健医療本部も撤収というか、クローズしている状況ですので。好事例としては、熊本地震においては、熊本県精神保健福祉センターがDPATから市町村等につなぐ役割を担ったというのが現状でございました。
それでは、1枚おめくりいただきまして、課題を整理したいと思います。フェーズごとのDPATの課題の整理でございます。
まず、発災から1カ月程度の時期の課題ですが、医療機関の支援等にはDMATと、また避難所における精神科医療ニーズへの対応には医療救護班や保健所との連携体制の構築が必須です。しかしながら、行政のDPAT所管課が多岐にわたっているために、特に自治体ですね。行政における連携・情報共有が非常に困難という状況になっております。ということで、研究班からの御提案でございますが、DPATの所管を災害医療担当部署、具体的に言うとDMATの所管部署と統一してはどうかということを提案させていただきます。
また、1カ月以降、中長期のフェーズに関しての課題ですが、DPATの撤収ですね。地域の保健体制につなぐための体制が明確には定まっておりません。研究班としては、DPATから地域の保健体制へつなぐ役割を、熊本地震の好事例を参考に、精神保健福祉センター等の精神保健担当部署が担うべきではないかということで御提案させていただきます。
DPATに関しては、以上でございます。
○遠藤座長 続きまして、「災害拠点精神科病院について」、お願いいたします。
○渡参考人 続きまして、資料3をごらんください。今度は病院の話になります。「災害拠点精神科病院の現状および課題について」ということで、1枚おめくりください。
まず、災害時における精神科病院の現状をお示しいたします。1.過去の災害で被災した精神科病院からの搬送患者数をお示ししております。
まず、平成23年東日本大震災のときには、宮城県で3病院300人、福島県で7病院918人、計1,218人の精神科病院の入院患者さんを県内外に搬送しております。当時は、EMISに精神科病院が登録されていないという状況もありましたし、精神科病院の支援が非常におくれました。病院内であるとか搬送中、搬送先で肺炎、低体温症等による十数例の死亡事例が報告されております。
5年後、平成28年、熊本地震では7つの精神科病院が被災いたしました。595人を県内外に搬送いたしました。熊本地震では、早期からDMAT、DPATが入りましたので、東日本のような事例はなかったわけですが、課題も幾つか出てまいりました。この下の表に書かれているのは、被災した精神科病院から支援の要請があってから、実際、患者さんが病院を出るまで、搬出完了するまでの時間をあらわしたものでございます。
希望が丘病院が5時間。益城病院が2つに分かれていますけれども、8時間半と32時間。あおば病院24時間、城南病院3時間、小柳病院が25時間半、菊池病院が17時間、阿蘇やまなみ病院が28時間ということで、非常に時間がかかっているところと、むしろ非常に早く搬送が済んだところと、ばらつきがあるかと思います。赤にしておりますものが比較的早く搬送が終了したところでございますが、希望が丘病院と益城病院の1群目は県立高校の体育館とか県立の精神科病院の体育館に患者さんを一旦集積させて、一旦そこに出して、そこから後方の精神科病院に転送させたところが比較的早かった病院です。
また、城南病院の3時間というのは、4名で、ALSの呼吸器をつけていらっしゃる患者さんだったので、これはDMAT側が災害拠点病院のほうに早期に運んだということでございました。
1枚おめくりください。では、患者を集積させた精神科病院では、どんな形で患者さんを集積させたかという現状をお示しいたします。これは、県立の精神科病院の体育館を急遽開放して、そこに患者さんを集約させたときの実際の写真でございます。
右上の吹き出しにございますけれども、まず、ブルーシートやパーテーションで病棟ごとにエリアを分ける。精神科の入院患者さんですので、個別のこだわりがあったり、精神症状が個別にあったりする患者さんなので、このときは被災した病院の病棟スタッフが張りついたのです。患者さんのことをよくわかっているスタッフが病棟ごとに張りつくというやり方をされました。
右側の吹き出しにございますが、とはいっても、中には措置入院とか行動制限をしている患者さんもいらっしゃったので、体育館を施錠したり、入り口にスタッフを張りつけるという空間の管理もされていたようです。DPAT隊は、ここに24時間張りついて患者さんのアセスメントをして後方転送の調整をするということをやられました。
また、右下に写真がありますが、このときは急遽、この体育館を使ったので、薬の提供とか食事の提供は一切できなかったわけなので、被災した病院から薬と食料を持参して、ミキサーがありますけれども、病棟スタッフが患者さんが食べられるような形状にして工夫して提供していたということだったそうです。
3番目に、この一時的な避難場所の課題をまとめております。
まず、行動制限等の精神症状に応じて個別に対応する人員が必要だったということ。
2ポツ目、個別の薬剤管理、適切な食事提供をする必要があったということ。
そして、3番目、一時的避難場所の安全確保と環境整備。特に、今回、体育館を使いましたけれども、体育館が本当に安全だったのかどうかとか、出入り口の施錠といったことが必要だったということです。今回は、被災された病院の病棟スタッフがつきっきりで、きめ細やかな情報であるとか個別の対応をされたということがございました。
1枚おめくりください。こういった熊本地震での患者さんの搬送を踏まえて、私どもDPAT事務局では、精神科病院における大量患者の受入訓練というものを昨年度2回、大規模にいたしました。
まず、和歌山県立こころの医療センター、これは政府の防災訓練の一部としてやらせていただきましたが、DPATの搬送による精神科病院入院患者75名の受け入れを想定した実働訓練でございます。その後に、北里大学東病院、これは災害拠点病院の中の精神科の病棟。こちらで30名の受け入れを想定して、2回実働訓練をしていました。
これをやってみると、課題が大体抽出されました。それが2番目、一時的避難場所運用における課題でございます。3つございます。
1点目、先ほどと同じですが、非自発入院、行動制限中など、特別な対応が必要な患者さんの選別と対応が必要であるということ。
2ポツ目、緑タグ患者の集積にも、安全が確保された一定程度のスペースと人員配置が必要ということです。これは、既存の災害拠点病院とは最大に違う部分かと思います。
右側は北里大学でやられたときのイメージ図ですけれども、緑の患者さんのエリアに、例えば措置入院とか医療保護入院の方とか拘束している患者さんがいらっしゃいます。ここにどれだけの看護配置をするかということが重点を置かれるところです。ちなみに、措置入院とか行動制限を要する患者さんにはどのぐらいの看護配置が必要かというと、患者対看護師が1対2程度、複数名対応しろと言っていますので、かなりの人員が必要だったということです。
ということで、これは一つの病院だけで対応できるわけではないので、それが3ポツ目に入るのですが、外部支援をとにかく受け入れる体制が必要ということでございました。
1枚おめくりください。それでは、現状の精神科病院では、どのぐらいこういった受け入れ、災害拠点精神科病院の機能があるかというものを全国規模で調査いたしました。
調査の概要でございますが、精神科病院における災害拠点精神科病院機能について評価するということでございます。
方法でございますが、全67都道府県・政令指定都市担当課を通じて、3点調査いたしました。既存の災害拠点病院の中に精神科医療機能がどの程度あるかということ。2番目、裏返しですが、精神科病院において災害拠点病院機能がどのぐらいあるかということ。そして、3番目、自治体において災害拠点精神科病院整備の課題を調査いたしました。
2番目、調査結果の概要でございますが、1番目の災害拠点病院における精神科医療機能。これは回収率99%ございますが、災害拠点病院の中の精神病床は1万873床しかございませんでした。全精神病床の3%でございます。ちなみに、例えば南海トラフで甚大な被害を受けるだろうと言われている市町村の中には、精神病床、約15万床ございますので、既存の災害拠点病院の精神病床を使うというのは、キャパシティとしてはなかなか難しいだろうということでございます。
次に、2番目、精神科病院においては、逆に災害拠点病院機能がどのぐらいあるかという調査でございます。調査対象病院が1,626、今回の回収率は71%でございます。
下に施設の概要をお示ししましたが、マル1、耐震構造があるのは71%でございました。自家発電の確保があるのは34%、ライフラインの維持が可能なのは37%というのが概要でございました。
おめくりいただきまして、次にもう少し詳しく精神科病院の中の災害拠点機能をお示しいたします。
3)災害拠点精神科病院に求められる17項目のうち、満たした項目数ごとの病院数。度数分布が示してあると思います。この17項目は、2ページ後ろをおめくりいただきますとお示ししてございます。簡単に言いますと、この17項目は、今の医療計画に書かれている災害拠点精神科病院の目標と求められる事項と、既存の災害拠点病院で、同じく精神科病院でも必要と思われるような指定要件をマージした17項目ということになります。この中で、17項目のうちどのぐらい満たしたかというものが、おめくりいただいた度数分布になります。
また、5ページ目、4)をごらんください。17項目を完全に満たしているところはかなり少ないのですけれども、17項目のうち、どんな項目が満たせていなかったのかというのを示したものです。災害拠点精神科病院に求められる17項目のうち、特に整備が不十分であった項目。
1番目が、DPATの保有と派遣体制の整備。満たせていない割合が82%。DPAT自体を病院でまだ持っていないところです。マル2が人材育成、研修の実施。満たせていないところが91%。3番目、他組織との連携体制、これはJMATとか日赤とか、ほかの災害をやっていらっしゃる医療機関と連携がありますかという質問ですが、満たせていない割合が94%ということで、既存の精神科病院では、こういったソフト面がまだまだ不十分ということがわかりました。
最後に、5)自治体における災害拠点精神科病院の整備の課題を伺いました。平成30年医療計画に載ったばかりですので、今、自治体が指定をしていこうとしているところですが、自治体で整備に課題がありますかという質問では、「ある」が89%。
その課題の内容が右でございます。一番多いのが予算・診療報酬上の対応がないということで、病院に頼みにくいというのが54%でございました。次に多いのが指定要件の基準がない、23%でございました。
ということで、また1枚おめくりいただきまして、災害拠点精神科病院の課題の整理をしたいと思います。
まず、課題の1番目でございます。既存の災害拠点病院の機能では、精神科病院の被災等による大量の患者の受け入れ、これは一時避難も含めてですが、困難である。これは、熊本のときもそうでございました。
2番目、緑タグ患者の集積にも、安全が確保された一定程度のスペースと個別の精神症状に対応できる人員配置が必要であるということでございます。熊本地震のときには、病棟単位、50名程度で一気に集積した。ちなみに、精神科病院の1病棟当たりの病床数は53ぐらいでございます。
3番目、この人員を配置するには外部支援を受け入れる、コントロールする機能が病院にとっても必要であるということです。
4番目、しかしながら、現状の精神科病院には、DPATの整備、人材育成の体制、他機関連携の体制が不足しております。
最後、5番目、自治体における整備を促進するための具体的な指定要件の提示が不十分。
ということで、研究班から、自治体において整備を促進するために、現状を踏まえた上で具体的な指定要件の提示が必要ではないかということを提案させていただきます。
おめくりいただきまして、今、具体的な災害拠点精神科病院の指定要件がない状況でございますが、研究班から案を提示させていただいております。ちょっと見にくいので、2枚おめくりいただきまして、11ページから既存の災害拠点病院の指定要件と、研究班で御提示いたします指定要件の体制案を並べたものをお示ししております。
災害拠点精神科病院のほうをざっと説明いたします。
まず、運営の部分でございますが、(1)のマル1、24時間緊急対応し、災害発生時に被災地内の精神疾患を有する患者の受入れ、搬出ができる。
マル2、災害発生時に、被災地からの精神疾患を有する患者の受入れ拠点になる。そして、EMISが機能していない場合には、被災地からとりあえず重症の精神疾患を有する患者の搬送先として受け入れる。
マル3、DPATを保有又は、災害時には都道府県内の他のDPATとの協力体制が取られていること。また、DPATの派遣体制があるということ。
そして、マル4、これは災害拠点病院とかなり違うところですが、精神保健福祉士を複数名配置し、退院支援等の相談に対応できる体制を整えていること。精神科病院の場合は、措置入院とか医療保護入院等、法律上、かなり複雑なところがございますので、こういった人員があるということ。
マル5、マル6、マル7は、既存の災害拠点病院と同様でございます。
1枚おめくりください。今度は、施設及び設備の関連でございます。
マル1の医療関係のアの(ア)でございます。病棟に緊急診療に必要な部門を設けるとともに、災害時における患者の一時避難所として50名程度に対応可能なスペース及び簡易ベッド等の備蓄スペースを有することが望ましい。なお、スペースの確保が十分に出来ない場合は、同様のスペースを確保している地域の医療機関との連携が十分に図れていることを御提案させていただきます。
(イ)、(ウ)、(エ)は、既存の災害拠点病院と同等でございます。
また1枚、おめくりください。今度は、設備の部分でございます。
(ウ)重症な精神疾患を有する患者に対応可能な保護室を有していること。
そして、(エ)、(オ)、(カ)は同じでございますが、(キ)災害精神医療の研修に必要な研修室があること。
最後のページでございます。ウ.その他に関しては、災害拠点病院と同じでございます。
そして、最後は、DPATや医療チームの派遣に必要な車両を持っているということを明記させていただきました。
以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、引き続きまして、事務局から資料4について説明をお願いします。
○松岡精神科医療等対策室長 それでは、医政局精神科医療等対策室長の松岡と申します。
資料4に基づきまして、少しお話しをさせていただきます。「DPAT、災害拠点精神科病院について」ということでございます。
現在、DPATなどにつきましては、県とかでも精神部局が見ていることが多くて、国においても精神の部局が現在、面倒を見ているような状況でございます。私ども精神科医療等対策室といたしましては、DPATのDMATとの連携をより密にするという観点などから、できればこのDPATに関する業務を医政局のほうで見ることができないかということを考えているところでございます。
それは、1つは、ページをめくっていただきまして1ページですけれども、大規模災害時の保健医療活動に係る体制の整備についてという、保健医療活動チームの中に、DMAT、DPATと並び、調整本部の中で一体として活動していく。そういったときに、DMATとDPATをいかに初期の段階からうまく運用していくかということは非常に大きな課題であると考えておりまして、今後、DPATのあり方について、どうあるべきかを少し皆様で御議論いただければ非常にありがたいということで、今回、まず1つ目のDPATの話題を持ってこさせていただいたところでございます。
もう一つの災害拠点精神科病院につきましては、次の2ページでございます。平成29年に出させていただきました指針というもの。これは、医療計画におきまして、災害拠点精神科病院をつくることに関する指針でございますが、災害拠点病院にありますように、つくるときの整備の基準がまだ全くつくられていないということがあり、整備基準をきちんとつくって、各県にきちんと整備させることが喫緊の課題であると私ども、考えておりますので、先ほどの渡研究代表者の研究なども活用しながら検討していきたいと考えているところでございます。その中で先生方の御意見をいただきながら、整備基準をきちんとつくれればということで、今回、出させていただいております。
ということで、3ページ目の議論いただきたい内容というところでございますが、端的に申し上げますと、DPATがDMATとより緊密な連携をとるために、DPATの位置づけをどのように整理すればよいかということ。
もう一つは、災害拠点精神科病院について求められる機能を実現するための指定要件はどのようなものであるかということを皆様に御議論いただければ幸いでございます。
私のほうからは以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまのお二人からの御報告につきまして御意見、御質問があれば承りたいと思います。いかがでございましょう。
阿真構成員、どうぞ。
○阿真構成員 渡先生、ありがとうございました。
質問の前に、資料3の、現状を踏まえた上で具体的な指定要件の提示が必要ではないかというのは、本当にそのとおりだと思います。
質問は、資料2の、DMATの所管を災害医療担当部署に統一してはどうかというところですけれども、これは厚労省のということでしょうか。というのは、厚労省の所管の部署のことについておっしゃっているのか。災害医療担当部局になることで、心身障害者とか福祉のほうの自治体の所管課との連携が逆にうまくとれなくなるとか、情報がおりてこなくなるということが発生しないのかどうかということが気になって聞きました。
○遠藤座長 では、渡参考人、お願いいたします。
○渡参考人 御質問ありがとうございました。
今回は、国も自治体も、まずは自治体の前に国がということですけれども、統一をお願いしたいと御提案しております。障害部局との連携に関して、まさにそのとおりで。ただ、初期に関して、かなりスピードを要するので、まずはDMATと同じ所管を国でも移していただきたいという御提案でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょう。
では、山本構成員、お願いいたします。
○山本構成員 私は、20年ほど前に、災害拠点病院の関係で一般医療のほうの制度設計をしたときに、ハード面の整備とソフト面の整備というのはそれぞれあると思っておりました。そのときにソフト面で非常に大きかったのは、指摘されたように、研修とか人材育成とか、ふだんからのネットワークづくりというときに、当時の災害拠点病院をつくるときの制度設計をどうしたかというと、都道府県ごとに基幹となる病院を1カ所、そして当時、2次医療圏に1カ所、何でも整備していくという時代でしたので、2次医療圏ごとに地域レベルの拠点病院という形で、そして、その基幹病院と地域との違いは何かというと、基幹施設には研修機能ということを最大の機能として置きました。
一方、ハード面は1カ所で全部を請け負うのは不可能だという判断でしたので、地域ごとにもハード面、特に、当時は何でも搬送するのにヘリが一番ということで、例えば、ヘリポートをつくって病院間転送を容易にするといったハード面でも着目した制度をつくったのです。
何を申し上げたいかというと、今回の精神科の拠点病院は、例えば都道府県に1カ所、基幹というものを設定して、2次医療圏か圏域ごと、精神保健医療圏域をつくっているところもあるでしょうから、そういったところに地域レベルのものをつくっていくとか、やったほうがいいのではないかという気がして、いずれ、いろいろな機能がだんだんついてくれば、一般のほうは基幹だ、何だと余り言わずに、全体のインフラが相当上がってきたからこういう状態なのですが、立ち上げるときには、まずは基幹というもの、そして地域という形でやっていくのがどうかと思っているのですけれども、もし何か感想があればお聞き出来ればと思います。
○遠藤座長 渡参考人、もし感想があればお願いいたします。
○渡参考人 御指摘ありがとうございます。そのとおりだと思います。
ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、加納構成員、お願いします。
○加納構成員 まず、資料2の5ページの確認ですが、これは熊本地震のDPAT1班当たりの相談対応延べ人数の推移という形で、ピーク時が8名ですか、こういうピークを迎えて、ずっと経過が書いてあるわけですけれども、これは延べ人数ということなので、同じ方がずっと診察を受けている場合も入っていると考えていいわけですか。
もしかしたら8人がピークで、だんだん漸減していったとか、再診の方がどれぐらいの割合かというのはわかるのでしょうか。8人の方がマキシマムであって、その後ずっと、その方がおさまってきて下がってきているのかとか、そういうふうにとられると、たった8人のためにという話になってしまうかもしれませんので、そこをちょっと教えていただきたいというのが1点で、それを先にお願いできたらと思います。
○遠藤座長 渡参考人、お願いいたします。
○渡参考人 DPATが再診しなくてはいけなかった割合は、済みません、今、ちょっと手持ちでないのですけれども、基本的に継続医療が必要な方に関しては、地元の医療機関が幾つか精神科病院が残っていましたので、そちらにつないだということになります。DPATが直接ずっと医療行為を続けていかなければいけない方は地元に返したということなので、基本的には新規のケースがかなりのパーセンテージを占めると思います。
○加納構成員 続きです。済みません。災害拠点病院の考え方ですが、資料3の1ページで熊本の避難のときの状況がわかるのですが、今回の災害拠点病院というのは、例えば益城病院とか希望が丘病院の体育館のかわりに使う、一旦集積するためのスペースという考えなのでしょうか。というのは、例えば投石患者さんであれば、実際に被災された都道府県にいつまでも置いておかれない被災状況もあるかと思います。そういうときは、例えば城南病院でしょうか、4名ですけれども、他の都道府県の災害拠点病院に回していくとか。どういう考え方で、そもそも50人単位も含めて考えられているのか、教えていただけたらと思います。
○遠藤座長 渡参考人。
○渡参考人 一時避難場所、一時的な集約をして、その後、後方転送する場所と考えております。というのは、精神科の場合、かなり多いので、数十の単位になりますので、それをずっとそちらで治療するというよりは、一旦集積して安定化を図って後方転送するという機能を検討しております。
○遠藤座長 加納構成員。
○加納構成員 もう一点。今回、一旦集積した希望が丘とか益城の後ろに書いている32時間というのが後方へ支援をやったところですか。例えば希望が丘の場合、一旦集積後5時間。どういう単位で各精神科病院へ搬送されたかというのは、もう一度教えていただけたらと思います。
○渡参考人 ありがとうございます。
後方転送は、個別の一個一個の民間の精神科病院に当たっていったという形になりますので、その後、かなり時間がかかっています。1日2日の単位で患者さんを出したという形になります。
○遠藤座長 よろしいですか。ほかに。
山崎構成員、お願いします。
○山崎構成員 この災害拠点精神科病院のほかに、精神科病院協会で精神科災害協力病院というものを各都道府県に整備を進めております。各都道府県に最低2カ所、それらの病院の指定は、災害拠点精神科病院よりも少しハードルが低いような形で考えています。
実際に熊本で地震災害が起きたときは、私もすぐに協会に入って、DPAT事務局と調整しながら搬送をやりました。搬送といっても、熊本の大部分がだめになっているので、鹿児島の支部にお願いしたり、宮崎にお願いしたり。それでもベッドが足りないので、福岡にお願いして、大分にお願いして、佐賀にお願いしてということで、かなりの都道府県に搬送しています。しかし搬送先が決まっても、搬送手段がなかなかないことがありました。自衛隊にお願いして搬送したり、あるいは受け入れ先の病院から直接、一時収容した体育館に来てもらって患者さんを搬送するというやり方で対応しました。
しかし、やれやれ、終わったなと思ったら、次の日に本震が来て、やまなみ病院の患者さんをまた搬送しなければならないというので、もう一回、またあいているベッドを探して搬送するということをしています。
今回、感じたのは、精神科DPATをするについて、患者の情報録を共有するような形で、現場の医療スタッフとか介護スタッフという人が一つの情報に全部アクセスして入れるような共通カルテかけ案です。例えば外傷があって、精神科の患者さんが外科的な処置が必要だったり、あるいは骨折して整形外科的な処置が必要な場合に、整形外科の先生が当然その患者さんを診ますし、皮膚科の先生が診たり、精神科が診るわけですが、別々の情報源になっています。
1人の患者さんについて複数の関係者がアクセスできるようなシステムをつくっておかないと、現場はかなり混乱してしまうと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょう。
山本構成員、どうぞ。
○山本構成員 県としては、今回、こちらの検討会の議論もあって、施設要件が決まって、さらにそれにふさわしい、来年度予算とかにも、例えばハード整備に対する施設整備費とか、機関に対して研修するときの運営費的なものが出れば、ありがたいと思っています。今どき運営費は難しいかなという気もしつつ、そういうものができれば、県は着実に整備していくと思うのです。
また、一般医療の場合だと、当時、国立の災害医療センターを初めから国全体の一番のメッカみたいにして、そこにいろいろな全国の人材育成も兼ね、やっていくという構造をつくり上げたのですが、今回の場合にそういう国レベルの何らかの災害精神科拠点、いわゆる拠点の拠点みたいなものも整備するほうが良いような気もするのですが、それがどうかというのが1点。
あと、ちょっと悩ましいのは、県の基幹の病院と精神保健センターという行政組織と、さらにうちは阪神淡路大震災のことがあったので、心のケアのための別組織もあるときに、その3者とか2者をどう組み合わせていけばいいのかというのは、拠点病院の要件を議論するときとかにある程度方向性を見せていただかないと、各都道府県は精神保健福祉センターとの関係をどうするかというあたり、少し悩みがあるので、それはまたこれから皆でいろいろ議論して考えていくべきかなという気もしていますが、以上2点、現時点で何かお考えのことをお聞き出来ればと思います。
○遠藤座長 地域医療計画会長、お願いします。
○佐々木地域医療計画課長 計画課長でございます。
大変重要な御指摘をいただいたと思っております。先ほど担当室長のほうからも御説明いたしましたが、国レベルでも精神・障害保健課と地域医療計画課、今、御議論いただいているような内容を踏まえて、どういう形で対応していくかということをまさに検討している段階でございます。
ですので、来年度予算に間に合うかどうかということもあるわけでございますが、我々としても、できるところから進めていくということで、この検討会でいただいた御議論を踏まえて、特に実際に動かしていただくのは現場の都道府県、地域の精神科や精神科病床を持つ総合病院との連携というものが重要だと思っておりますので、国のほうで一律に型にはめて、現場で全く動かないということは本末転倒と思っております。今、いただいた御指摘は大変重要なところだと思っておりますので、現場で実際に稼働していけるような形で議論の取りまとめ、もしくは予算要求等もしていきたいと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでございましょう。
大桃参考人。
○大桃参考人 全日本病院協会の大桃です。
資料3ですけれども、不勉強で申しわけないのですけれども、北里の東病院でやったり、和歌山の県立こころの医療センターでやった訓練というのは、あくまでも転院ということなのでしょうか。精神科病院から精神科病院への転院を一時的に集積させてという訓練なのでしょうか。
災害医療の根幹というのは、例えば災害拠点病院一般のものは、どれぐらい新規に精神科の傷病者が発生して、どうやって溢れたニーズを受け入れていくのかというのが、もともとの災害拠点の考え方のような気がするのですけれども、この資料を拝見させていただくと、機能が維持できなくなった精神科からの入院傷病者をどうやって効率よく残ったところに受け入れていくのかというニュアンスに感じるのですが、そこをちょっと御説明いただければと思います。
○遠藤座長 それでは、渡参考人、お願いいたします。
○渡参考人 ありがとうございます。
今回は、あくまでも病院からの病棟ごとの受け入れということで想定いたしました。御指摘いただいた部分を今後少し検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○遠藤座長 よろしいですか。
ほかにございますか。
石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 日本医師会の石川でございます。
きょうはどうもありがとうございました。ちょっとおくれて来たのですけれども、大変よくわかりました。
言いたいことは、私、ちょうどそのときいなかったのですが、資料2のフェーズごとの災害保健医療体制というものがございまして、ここでDMATとDPATの図があります。御報告を聞きますと、DPATは本当に最初のときに、発災間際から急性期の機能を発揮しなければいけないということはよくわかるのですね。何はともあれ、みんなでDPATを援助するとか、総動員しないと、相当パニックになる方も多いでしょうし、それで亡くなる方もいるというお話も聞きましたので、ここはDMAT、DPAT、ほとんど同じぐらいの急性期対応が必要だと改めてわかりました。どうもありがとうございます。
それで、言いたいことは、発災後の一番大変な時期、誰がDPATに対して、状況とかをきちんと伝えて指示してくれるかどうか。途中でもお話ありましたけれども、これを早急に打ち立てる必要があると思うのです。そうしますと、先ほど松岡室長のほうから見せていただいた資料4の1ページ目、DHEATの関係でよく出てくる図だと思うのですけれども、そうですね。この新しい保健医療調整本部の図がよく出てくるのですけれども、右側に赤枠でDMAT、DPATと書いてありますけれども、これは僕、ちょっと違うと思います。
これは、保健医療活動チームの下に書いてありますけれども、保健医療活動チームができてから指示をもらうというよりも、もっと早くどこかの指示をもらわなければいけないので、僕は保健医療調整本部の中で急性期の命令指揮系統をきちんとつくっていく必要があるのではないかと思っております。これは、私、3.11のときも、熊本のときもJMATをずっと指示していましたけれども、この保健医療調整本部というところが発災後、すぐできるのであれば、そのときにDPATを意識して、すぐ対応するというのが一番だろうと思っております。ぜひ、事務局のほうでそういう体制をつくっていただければと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
今、せっかくこういう議論になりましたので、事務局が報告された資料4の最終ページに2つの検討していただきたい項目というものがあります。この中にDPATの位置づけをどうするかという話と、災害拠点精神科病院について求められる指定要件をどうするか。これについて既にお話が始まっておりますけれども、何か御意見があれば承りたいと思います。
山崎構成員、どうぞ。
○山崎構成員 大規模災害が発生したときに各都道府県に保健医療の調整本部みたいなものをつくって、災害コーディネーターが中心になってコントロールしていくということになるわけですが、各都道府県の災害コーディネーターというのは大体充て職です。だから、災害の何たるかも、どういうふうにコーディネートしていいかも知らない人が災害コーディネーターになっている事も見受けられます。
したがって、災害コーディネーターを各都道府県でつくるならば、一定の災害コーディネーター向けの講習をきちんとして、その講習が済んだ人でなければ災害コーディネーターになれないような仕組みにしたほうがいいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
計画課長、どうぞ。
○佐々木地域医療計画課長 計画課長でございます。
大変重要な視点だと思います。
本日、事務局で用意した参考資料1の中に、まさに今の御指摘との関係で、9ページになりますけれども、都道府県災害医療コーディネーター研修というものを、これはあくまでも今回のDPATの議論をする前の段階で、いわゆる一般ということになるかもしれませんが、こういうものが要るだろうということで養成していくということをやっております。全国的に十分浸透しているかどうか、地域によって差はあると思いますが、こういったものを今回の検討会での御指摘なども踏まえて、よりよいものに見直していきながら、さらに機能するような人材の養成というものもしていきたいと思っております。大変重要な御指摘をいただいたと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
山崎構成員。
○山崎構成員 平成26年から実施したということになっていますけれども、具体的には何回やって、何名ぐらいの修了証を発行していますか。
○遠藤座長 事務局、御対応可能ですか。
○伊藤災害時医師等派遣調整専門官 事務局です。
平成26年から各都道府県、1回につき4名の受講生としております。内訳としましては、医師3名と、都道府県で災害医療コーディネーターと一緒に仕事をする職員1名ということで、4名、研修の受講生を決めさせていただいております。総数に関しましては、今、具体的に数字をすぐには出せないのですが、そのような方針でやっております。
○遠藤座長 山崎構成員、よろしいですか。
○山崎構成員 はい。
○遠藤座長 石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 そのことについてですけれども、熊本ではコーディネーターの訓練をきちんと受けたといいますか、持った方がおられまして、かなり早期からその役割を担ったと認識しております。ですから、これは3.11以降、新しい枠組みでこういうものをつくって、どんどん進めていますけれども、コーディネーターの訓練をされた人が県の中枢にいて、これからはやってくれるのではないかと思っておりますので、そこと先ほどのDPATがつながってくるのではないかと思っております。
それから、もう一つ言い忘れたのですけれども、私たち、今、地域包括ケアシステムの中で、その地域の要配慮者をちゃんとピックアップしておけということを言っているのですけれども、これは精神科病院に入院されている人そのものが要配慮者になると思いますし、そういう点で、ほかの周りの地域の人たちもそういうことをきちんと意識して、例えば災害になったら対応するとしないといけないのではないかなということを思いました。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
ほかに何かございますか。
それでは、笠岡参考人、お願いします。
○笠岡参考人 熊本大学から参りました笠岡と申しますけれども、2年前の熊本地震では、本当に全国から御支援いただきまして、感謝いたしたいと思います。
その経験を今後の災害医療にいろいろな形で生かしていただければと思うのですけれども、今、ちょうど話が出ました県のコーディネーターの件です。私も県の災害医療コーディネーターの指名を受けておりまして、熊本では、前提条件として、DMAT隊員の中でも、特に統括DMATという資格を持った者をコーディネーターに任命しておりまして、熊本地震の対応に当たったということがあります。県によって災害医療コーディネーターをどのように任命するかというのは差があると思いますけれども、熊本はそのような形で準備をしまして、コーディネーターの研修自体を私も受講しておりますし、その中で地震が起きたということです。
県庁の災害対策本部の中に医療救護の調整本部が立ち上がりまして、私自身も本部長として何度かその対応に当たりましたけれども、特に本震が起きたときに本部長として県庁にいたのですけれども、既にそのときにDMATの調整本部とともにDPATの調整本部も立ち上がっておりまして、同じ県庁の10階の災害対策本部の中の比較的近いところに2つの調整本部が立ち上がっていまして、お互いに連携しながら。
特に、今も話が出ておりましたけれども、急性期に精神的な問題というよりも、精神科の病院が被災して患者を避難させないといけないという事態に対して、もしDMATだけであれば、かなりそれはそれで苦労したのではないかと振り返って思いますので、その段階でDPATが既に活動されていたというのは、DMATの私たちにとってもとても有意義な活動ができたと、今、振り返って認識はしております。
そんな中で、医療救護に関するいろいろな部門というか、機関がそれぞれ活動しているのですけれども、そういった活動をお互いに意見交換とか情報を共有するということで、コーディネーターを中心とした会議を毎日やっておりまして、そこにDMATだけではなくて、DPATや日赤、その他いろいろな医療にかかわる機関が集まって、毎日、調整会議も行っていましたので、そんな形でできるだけ協力体制を組むということも、熊本地震のときには行っていました。
また、病院の問題ですけれども、精神科の災害拠点病院ということで計画がおありだと思います。熊本でも、残念ながら10以上の病院で病院避難ということが起こりまして、そのうち半数を超える病院が精神科の病院だったということで大変苦労したわけですけれども、その病院避難という形になった原因の多くは、ライフラインの問題と病院の建物の問題です。特に、2回目の震度7の本震の後、建物被害が広がったということで病院の避難を行わざるを得なくなったということです。今後、病院避難はぜひ避けていただきたいというか、いかに事前に病院避難を行わないように準備するかというところが、熊本地震の経験から言っても重要かなと思います。
皆さんも耳にされていると思いますけれども、熊本市内の300床を超える基幹病院で全入院患者を避難させる。超重症患者さんもいらっしゃるような病院で病院避難ということが起きてしまいましたので、二度とそんなことが起こらないように事前の準備をしていただきたい。その一番は建物です。建物も普通の耐震化ではなくて、病院はぜひ免震化にすべきだと思います。
熊本地震のときも、熊本県内で特に震源から近かった病院で本当に免震化だったのは、私がいます熊本大学病院と阿蘇の医療センターのみで、それ以外はそれなりの耐震化で、それなりの被害を受けながらいろいろな医療対応を行ったということだと思います。耐震化の中でも、より被害を軽減するためには免震化ということをぜひ御考慮いただければと思いますし、あと、ライフラインの問題はもちろんありますので、ライフラインも決して一つの方法ではなくて、水にしろ、電気にしろ、ガスにしろ、二重三重の手だてが必要だと思います。
例えば私がいます大学病院では、熊本は水が豊富ということで地下水とかを使っているのですけれども、上水が地震の後、当然とまりましたけれども、地下水を使うということで何とか急場しのぎができました。その地下水も地震が起こると濁ってしまって、普通には使えなくなるということが起こりましたので、現在は地下水をふだんから浄水して使う装置を入れまして、市からの市水はふだん使わずに、井戸水を浄水して使うという手だてを行ったりしております。
いずれにしても、ライフラインが途絶えると病院機能には障害が起こりますので、そのライフラインをできるだけいろいろな形で維持するという二重三重の手だても、病院避難を避ける上では必要かなと感じているところです。DMATとDPATの連携はとても重要ですし、さらに計画されていらっしゃる精神科の災害拠点病院についても、病院避難ということが起こらないような対策・対応をぜひ考えていただければと思います。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
事務局から少し検討してほしいというもう一つのほう、災害拠点精神科病院の指定要件については、研究班のほうからも案が出されているわけですけれども、何かこれについてコメントございますでしょうか。
山崎構成員、どうぞ。
○山崎構成員 きょう、ここでこういうことが決まったとしますね。そうすると、具体的に災害拠点精神科病院については、法律事項をどこかに書いて、それを整備するための財政的な措置みたいなものを財務省のほうに求めていくのでしょうか。今後のスケジュールです。
○遠藤座長 計画課長、どうぞ。
○佐々木地域医療計画課長 計画課長でございます。
きょうの御議論を聞いておりましても、この要件で完全によろしいということではないのかなと思っております。いただいた御意見、さまざま加味したもので、これはあくまでも研究班の御提案でございますので、事務局のほうで検討会の御議論を踏まえて整理した上で、改めて御議論を賜りたいと。その結果として、時期もあるのですけれども、どういうスケジュール感で整備を進めていくかということにつきましても、あわせて少し御提示させていただくということになると理解しております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
山崎構成員。
○山崎構成員 災害拠点病院に手を挙げるということは、ハード面の投資を相当しなければいけないわけであって、手を挙げた病院がそれを全部かぶって投資するということじゃなくて、公共的な資源なので、それについては財政的な支援の裏づけがなければ、法律で幾らつくってもなかなか普及が進まないと思います。
○遠藤座長 計画課長、どうぞ。
○佐々木地域医療計画課長 今の点も大変重要だと思っております。一番大事なのは、どのぐらいのハードルを求めるのかも含めて、要件をどう設定するかによって、実際の病院の負担というのも相当変わってまいると思いますし、先ほど都道府県の立場の御意見もありましたが、何カ所ぐらいとか、どういう分担でということを決めることによって、各病院の負担というのも変わってくると思いますので、その辺をきょうの御議論を踏まえて事務局で吟味した上で御提案し、その上でどのような措置が必要かというのもあわせて検討したいと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、そういうことで、この問題につきましては、また今後議論するということでありますので、本日はこのぐらいにさせていただいて、次の議題に進みたいと思います。
それでは、次の議題、「災害時を想定した平時における燃料等の供給手段の確保について」、資料5がこれについて書かれておりますので、事務局から説明をお願いします。
○伊藤災害時医師等派遣調整専門官 資料5につきまして事務局より説明させていただきます。
1ページ目ですが、平成30年2月に福井県を中心とした豪雪がありました。そのときに福井市内の1病院、勝山市内の2病院で重油または灯油の調達において支障が発生しております。このときは福井県災害対策本部で対応し、重油等の供給が行われました。
続きまして、2ページ目ですが、こちらは福井県石油商業組合、全国石油商業組合連合会様よりいただいた資料になります。このような豪雪による状況の中、福井県災害対策本部経由で、石油組合に対して、日ごろから納入実績がない基幹病院から燃料供給の緊急要請がありましたが、納入する燃料の油種、搬送するタンクローリーの燃料パイプの口径等の情報収集に時間を要したという事実がありました。
続きまして、3ページ目について説明いたします。こちらは災害拠点病院の指定要件になりますが、医療関係の設備に関しましては、3日分程度の燃料を確保しておくことと記載があります。また、その他。食料、飲料水、医薬品等について、地域の関係団体・業者との協定の締結により、災害時に優先的に供給される体制を整えておくことと記載がされております。
続きまして、4ページですが、これらの点を踏まえまして、今回は、災害拠点病院については、食料、飲料水、医薬品だけでなく、燃料についても、地域の関係団体・業者との協定の締結により、災害時に優先的に供給される体制を整えておくことをその指定要件に加え、特定の業者が、被災等で燃料を配送できなくなる事態に備え、平時から協定を締結した相手と、燃料の供給を受けるために必要な情報の共有等の関係構築を図るよう求めてはどうかということについて御議論いただきたいと思います。
もう一点ですが、災害拠点病院以外の医療機関も、食料、飲料水、医薬品、燃料について、特定の業者が被災等で配送できなくなる事態に備え、平時から、複数の業者等と、燃料の供給を受けるために必要な情報の共有等の関係構築を図るよう努めることが重要である旨を周知してはどうか。
以上の2点につきまして御議論いただきたいと考えております。
5ページ目ですが、こちらには参考程度といたしまして、平成29年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針を示させていただきました。これを踏まえまして御議論をよろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
いかがでございましょうか。
山崎構成員、どうぞ。
○山崎構成員 燃料の話もそうですが、ここにあります指定要件のところ、「通常時の6割程度の発電容量のある自家発電機等を保有し」とあります。普通の病院が保有している自家発電というのは、通常の電気の6割も発電できるような施設になっているのですか。緊急時の自家発電装置というのはついていますが、普通の病院にある緊急時の自家発電装置は、通常時の6割発電できるような容量になっているのですか。これを決めた根拠を教えてほしいのですが。通常時の6割もどうして必要なのか。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○徳本救急・周産期医療等対策室長 御質問ありがとうございます。
まず、そもそも普通の病院に6割の給電能力のある自家発装置があるのかどうかということですけれども、大前提として、この6割ということに関しては、災害拠点病院の指定要件でございますので、すべての病院に求めている要件ではございません。
○山崎構成員 だから、僕が言いたいのは、災害拠点病院になるためには、自家発電の装置をもっと大きくしなければいけないという話になるわけですね。そうすると、スペースがないところは災害拠点病院にはなれないということになってしまいますね。そういう理解でいいのでしょうか。
○徳本救急・周産期医療等対策室長 そういった意味では、6割程度の給電能力のある自家発装置、そして3日分程度の燃料を確保しておくスペースがないと要件を満たさないということになります。
○山崎構成員 だから、法律に基づいている根拠というのはわかるのですが、通常時の6割程度の発電容量と決めた根拠は何なのですか。
○徳本救急・周産期医療等対策室長 まず、通常時の6割程度の発電容量及び3日分程度の燃料というのは、法律事項というよりは、参考資料2にございます災害拠点病院の指定要件という局長通知に書いてある内容でございます。この根拠は、今、すぐに手持ちがございませんので、基本的には災害拠点病院に関する研究などを通じて決めた内容だと思いますけれども、次回以降、報告させていただきたいと思います。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
山崎構成員、よろしいですか。はい。
ほかにいかがでしょう。
加納構成員。
○加納構成員 4ページですが、災害拠点病院の条件には、前の3ページに優先的にということが書いてあるので、優先的にという形が出ているのですけれども、災害拠点病院以外の医療機関においても、災害時には食料、飲料水、弱者の患者様を預かっている立場からしますと、下にも優先的にという言葉があってもいいのではないかと思いますが、どうでしょうか。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○徳本救急・周産期医療等対策室長 まず、1つ目の丸のところに「優先的に」という言葉があるということを御指摘いただいたところでございます。それに関しては、先ほども御紹介申し上げました参考資料2、もしくは3ページを見ていただければと思います。まず、この資料の3ページで申し上げますと、(2)施設及び設備のマル1のウ.その他の下の「また」以降の2行目になります。また、資料、飲料水等々で優先的に供給される体制ということで、優先的にというのは、先ほど御紹介しました災害拠点病院の指定要件に既に入っている文言でございますので、その並びで燃料も入れてはどうかということをまず御提案させていただいている次第でございます。
災害拠点病院以外の医療機関に関しては、あくまで「周知」としているところですけれども、1つ目は要件として求めてはどうかということと、2つ目は周知してはどうかということをなぜ書き分けているかということでございます。1つ目、災害拠点病院の要件とするということは、先ほどの発電の話と同じように、いわゆるハードルが高くなるということでございますので、そういった意味で、災害拠点病院については、新たなハードルといいますか、要件を加えることについて皆様方に御議論いただきたいということでございます。
2つ目に関して、周知というのは、あくまで努力義務として、皆様方にこのような視点も必要だということをあわせて周知するということでございまして、優先を入れる、入れないということについては、我々は特段こだわって御議論いただきたい内容に記載したものではございません。
○遠藤座長 加納構成員、よろしいでしょうか。
○加納構成員 おっしゃることはよくわかるのですけれども、災害拠点だけ「優先」という言葉がありますと、えてして何かそちらに持っていくのかなと誤解されるので、そこだけ確認したかったのです。
○徳本救急・周産期医療等対策室長 その点に関しては、国として災害拠点病院には優先、そのほかの医療機関にはそうでないという整理で、この文章を書いているわけではございませんので、今回、皆様方に御了解いただいて、通知等、何らかの対応をする際には、そのような誤解をされないように配慮したいと思います。
ありがとうございました。
○遠藤座長 山本構成員、どうぞ。
○山本構成員 あと、医療機関に対してだけじゃなくて、私ども都道府県の部局に対して、関係の団体とともに、そういったことを県としてもしっかりやりなさいというのを通知に入れていただいたほうが、各医療機関だけに責任を押しつけるよりは、行政も一緒になってやってくれとしていただいたほうがいいかなと思います。
○遠藤座長 事務局、よろしいでしょうか。
○徳本救急・周産期医療等対策室長 ありがとうございます。
○遠藤座長 浅利参考人、お願いいたします。
○浅利参考人 北里大学の浅利です。
私ども、去年、半年ばかりBCPをつくるのを一生懸命やっておりました。そのときにこの点が非常に大きい課題になりまして、今、山本構成員のお話にあったように、行政が絡まないと無理なのですね。我々のところで病院が手を挙げて、災害拠点病院だから優先してお願いしますと言っても、地域に災害拠点病院が3つあって、そこの間でどうやったらいいのですかと業者に言われますし、それ以外の医療機関も、患者さんが入院しているのだからうちも欲しいというのがどうしてもある。
では、どこの病院に優先して出すかわりに、患者もそこでたくさん受けますよというルールを、地域のプラットフォームみたいなものをつくって、県だけじゃ地域が大き過ぎてできないので、市町村みたいなところも加わってやるようなことをぜひ国のほうから入れていただけるとありがたいなと思いました。
以上です。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○徳本救急・周産期医療等対策室長 そういった意味では、先ほど山本構成員からもありましたように、都道府県の関与というのは非常に重要だと思っています。
また、優先順位づけという言葉がいいのかわかりませんけれども、真に燃料の枯渇が迫っているところに対して、優先的にやるという司令塔的な役割が必要だと思っています。そういった意味では、先ほどの資料4とかにもありますように、保健医療調整本部というところで、都道府県ごと、そして保健所単位ごとにそのような調整機能があるところですので、こういった場を使いながら行政にもしっかりと絡んでいただくような形で今後の対応については周知していきたいと思います。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
ほかにございますか。よろしゅうございますか。
全体を通じて何か一言あれば。
山崎構成員、どうぞ。
○山崎構成員 東日本大震災のときの反省が、私は、地震後10日ぐらいたって会員病院のお見舞いに入りました。入ったら、そこの院長に言われたのは、隣の公立病院には被災直後から救援も避難物資も入ってきたのに、1週間経ってもうちには全く入らない。精神科病院は隅に追いやられているのではないかという被害妄想を持つぐらい、対応が違っていました。したがって、被災したときにこういった対応、差別はなくしてほしいと思います。
○遠藤座長 御意見として承りました。ありがとうございます。
では、黒田参考人、お願いします。
○黒田参考人 南海トラフの四国の香川から参りました黒田でございます。
救急学会の横田代表理事の代理で来ていますけれども、先ほどの御議論を聞いていまして、災害拠点病院と、きょうの御議論の災害拠点精神科病院ということで、拠点病院を整備するということに関しましては、災害に関しては大分充実してきているのですけれども、拠点病院と拠点病院の差が問題になってきて、拠点病院は自分のところで受け入れる。もう一つは、派遣して地域をカバーするという役割が非常に求められています。逆に言いますと、地域で何個、拠点病院をつくったらいいのかということと同時に、先ほど議論になりましたが、精神科病院で何個、拠点病院になったらいいのか。それは、笠岡先生が言われたように、病院避難というのは嫌ですから。
ただ、ベッド数のことだけ考えて何個つくるべきかは要ると思うのですけれども、全体の底上げと同時に、その中で拠点病院はこうしなければいけないということで条件が整っていると思うので、拠点病院になるからにはそれだけやってくださいということをもう一遍言っていただくのと。
逆に、拠点病院じゃない病院は、拠点病院とこういうことで連携し合えているということを地域全体でつくっていくというところが、精神科にしても、普通の病院にしても、同時に必要だし、両方そろえてまとまっていくということが必要じゃないかと感じました。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。本日は、大変貴重な御意見ありがとうございました。
それでは、事務局におかれましては、本日ありましたさまざまな御意見を整理いたしまして、次回以降の議論に資するようなものをつくっていただきたいと思います。
それでは、これをもちまして第4回の議論は終了させていただきたいと思います。
事務局からコメントがあればお願いします。
○野口救急医療対策専門官 御議論ありがとうございました。
続きます第5回につきましては、この後、休憩を挟みまして、午後4時40分から開始とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 それでは、第4回はこれで終了させていただきたいと思います。
最後に、渡参考人におかれましては、貴重な御報告どうもありがとうございました。

照会先

【照会先】

医政局地域医療計画課
救急・周産期医療等対策室
救急医療対策専門官 野口(2556)
災害医療対策専門官 北久保(2558)