【照会先】

(代表電話) 03 (5253) 1111
健康局 結核感染症課
国際感染症研究推進専門官 
嶋田 聡 (内線 2926)
医薬・生活衛生局 検疫所業務管理室
室長補佐  石田 恵一 (内線 2463)

黄熱ワクチン供給に関する検疫所等の対応について

 黄熱は、主に熱帯アフリカと中南米の地域で流行している蚊媒介の感染症です。黄熱の流行地域に入国する場合などには、世界保健機関(WHO)の国際保健規則(IHR)に則り、黄熱の予防接種証明書(イエローカード)の提示を求められることがあり、国内においては、検疫所や厚生労働省の指定する医療機関で接種することができます。
今般サノフィ社が新たに製造販売する「黄熱ワクチン1人用(1バイアル1人接種用)」が、我が国において薬事承認されたことから、8月19日より「黄熱ワクチン1人用」による予防接種が開始されます。
なお、これに伴い、臨床研究法(平成29年法律第16号)に基づく臨床研究として実施されている黄熱のワクチンStamaril®の予防接種は終了することになります(※)。
(※)我が国においては、サノフィ株式会社(以下「サノフィ社」という。)が輸入販売する「黄熱ワクチン(1バイアル5人接種用)」が、薬事承認されている唯一のワクチンでしたが、米国のサノフィパスツール社の方針により、「黄熱ワクチン(1バイアル5人接種用)」の製造を中止し新たな製品へ切り替える準備が進められてきました。
新製品への切替えが完了するまでの間に、「黄熱ワクチン(1バイアル5人接種用)」の供給が滞った場合の対応として、サノフィ社の協力を得て、国立国際医療研究センターが中心となり、検疫所等も参加して、臨床研究法(平成29年法律第16号)に基づく臨床研究として、フランスのサノフィパスツール社が欧州等70を超える国と地域で供給している黄熱のワクチンStamaril®の予防接種が実施されてきました。
予防接種証明書(イエローカード)については、「黄熱ワクチン1人用」の予防接種を受けた場合についても、これまでと同様に発行されます。
「黄熱ワクチン1人用」は、厚生労働省検疫所FORTH(https://www.forth.go.jp/useful/yellowfever.html)掲載の機関で接種することが可能です。接種予約方法等については各施設のWebサイトで御確認ください。
 
(参考)
○黄熱とは?
黄熱ウイルスを持った蚊に刺されることで感染する疾患で、主に熱帯アフリカと中南米の地域で流行しています。黄熱の症状は発熱、頭痛、黄疸、出血傾向等です。感染しても大半は症状が出ないか、軽い症状のみで軽快しますが、まれに入院治療が必要になる場合や命に関わることがあります。予防策としては、蚊にさされないことが重要ですが、黄熱ワクチンを予防接種することで感染を防ぐことができます。
 
○黄熱のワクチンとは?
黄熱のワクチンとは、病原性を弱めた黄熱ウイルスを用いた弱毒化生ワクチンです。国内では黄熱のワクチンは検疫所をはじめとした厚生労働省指定医療機関で接種することができます。黄熱のワクチンの効果は接種後10日目以降から生涯有効とされており、国内では生後9か月から接種できます。
 
〇新たに発売する黄熱ワクチン(1人用)と黄熱ワクチン(5人用)の違いは?
黄熱ワクチンの分量が1ビン5人分から1ビン1人分になったことが大きな違いになります。黄熱ワクチンを製造するためのウイルス株や製造方法は同じであり、予防接種の効果も変わりありません。
 
○黄熱の予防接種証明書(イエローカード)とは?
黄熱の予防接種証明書を携帯していないと入国できない国や、複数の国を渡航する場合に予防接種証明書の提示を求められる国などがあります(詳しくはhttps://www.forth.go.jp/useful/yellowfever.html#world_list)。黄熱のワクチンを接種すると、予防接種証明書の交付を受けることができます
 
〇研究に関してのお知らせ(国立国際医療研究センター)
http://www.ncgm.go.jp/news/2019/20190719.html 
 
〇サノフィ社の問い合わせ先
  サノフィ株式会社 サノフィパスツールコールセンター
フリーダイヤル:0120-870-891
受付時間:平日9:00-17:00