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2019年6月19日 第1回社会保障審議会統計分科会 生活機能分類専門委員会生活機能分類普及推進検討ワーキンググループ 議事録
日時
令和元年6月19日(水)15:00~17:00
場所
厚生労働省 専用第21会議室
出席者
<委員(五十音順)>
- 浅川育世委員
- 出江紳一委員
- 大夛賀政昭委員
- 小松雅代委員
- 近藤和泉委員
- 向野雅彦委員(座長)
- 村井千賀委員
- 森田秋子委員
- 山田深委員
議題
(1)座長の選出
(2)生活機能分類専門委員会ワーキンググループの検討事項について
(3)ICD-11第V章の仮訳について
(4)国際生活機能分類(ICF)の一部改正(2019)の投票について
(5)その他
(2)生活機能分類専門委員会ワーキンググループの検討事項について
(3)ICD-11第V章の仮訳について
(4)国際生活機能分類(ICF)の一部改正(2019)の投票について
(5)その他
議事
〇事務局
それでは、予定の時刻になりましたので第1回社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会生活機能分類普及推進検討ワーキンググループを開催させていただきます。各委員におかれましてはお忙しいところをご出席いただきまして誠にありがとうございます。事務局の政策統括官付国際分類情報管理室補佐 柳川でございます。本日はよろしくお願いいたします。
それでは、初めにお手元のタブレット端末にて会議資料の確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
〇事務局
資料の確認をさせていただきます。
議事次第、資料1、資料の2、資料の3、参考資料の1-1、参考資料の1-2、参考資料1-3、参考資料2、参考資料3参考資料4、参考資料5、参考資料6-1、参考資料6-2、参考資料6-3、参考資料6-4、次に委員のみの資料になりますが、机上配付資料1、机上配付資料2、机上配付資料3、資料の確認は以上です。
〇事務局
それでは、次に事務局を紹介させていただきます。
まずは企画調整担当参事官の中井でございます。
〇事務局
中井でございます。本日は本当にご多忙の中、お集まりいただきましてどうもありがとうございます。最初でございますので、冒頭少しお時間をいただいてご挨拶をさせていただければと思います。
この度、社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会生活機能分類普及推進検討ワーキンググループということで、今日、第1回目を開催させていただくことになったわけでございます。このワーキンググループにつきましては、今年の3月に開催されました社会保障審議会の統計分科会の生活機能分類専門委員会、ICF専門委員会と申しておりますけれども、そこで設置が提案されて了承いただいたということになっております。このICF専門委員会については、もともと平成18年に国内におけるICFの効果的な普及啓発を図ることを目的に設置された委員会でございまして、設置されてから10年あまり経っているということであります。この間、ここにいらっしゃる委員の先生方を始め、色々な先生方、有識者の方々のご尽力、研究も含めて、この間取り組んでまいりまして、一定程度、普及啓発というのは進んできたというふうに考えているわけでありますけれども、まだ現状を見ると十分な状況ではないというふうに考えているわけであります。
これも一方でご承知の通り、最近のWHOの動きでございますけれども、先日、ICD-11がWHO総会で承認されて、最新の医学的知見が盛り込まれたと共に、ICFの一部の生活機能分類が新たに章立てされることになったわけでございます。そういう意味で疾病と生活機能との関連性など、分析の幅が飛躍的にこれから広がるのではないかと期待されていると考えております。
こうした経緯もありまして、本ワーキンググループでは今後現場レベルでのICFの一層の普及促進を図っていくということを目的と考えておりまして、専門的知見をお持ちの実務者レベルの先生方にご参集いただきまして、現状のICF、これは色々課題もあるわけでございますけれども、そういったことを踏まえて、1つ1つ課題解決も含めて取り組んでいきたいというふうに考えております。
最後になりますが、この度委員に就任された先生方につきましてはお引き受けいただいたことについて感謝申し上げるとともに、これからこの普及啓発の取組について活発なご意見、ご知見をいただければということで建設的に進めていきたいと思っているところでございますので、それをお願い申し上げて冒頭のご挨拶といたします。
これからどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
〇事務局
国際分類情報管理室の森、国際統計調整官の高橋、国際生活機能分類分析官の及川でございます。
〇事務局
また関係部局から本日は障害保健福祉部よりオブザーバーとして出席をいただいております。事務局の紹介は以上になります。
本日は第1回の委員会となりますので、委員のご紹介をさせていただきたいと思います。事務局の方からお名前を申し上げましたら自己紹介と、一言コメントをいただけますでしょうか。
名簿順にお名前を申し上げたいと思います。
〇浅川委員
日本理学療法士協会の方から派遣されてきました。職場は茨城県立医療大学で理学療法学科の教員をしております。どうぞよろしくお願いいたします。
〇事務局
ありがとうございます。続きまして出江紳一委員ですが、少し遅れてご出席されるということでご連絡をいただいております。
〇大夛賀委員
国立保健医療科学院の大夛賀と申します。どうぞよろしくお願いいたします。当院がWHO-FIC協力センターということと、最近その関係でICFに関する研究を実施したり、ICFシンポジウムでプレゼンをさせていただいているので、その関係で参加させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
〇小松委員
奈良県立医科大学の小松と申します。この度はどうぞよろしくお願いいたします。私は主にICFのリコードのあたりを中心として研究を進めさせていただいておりますので、このような場に参加させていただきましたこと光栄に存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
〇近藤委員
国立長寿医療研究センターの近藤でございます。リハビリテーション医学会に所属しておりますが、当医学会からは4名が参加しております。リハビリテーション医学会の中にもICFに対して色々な意見がございまして、一応学会の理事でございますので、何かあったときの責任を取るというか、調整役といいますか、多分そういう役割だろうと私は感じておりますが、何卒よろしくお願いいたします。
〇向野委員
藤田医科大学の向野と申します。ICFに関しては厚労科研で研究として携わらせていただいていますのと、日本リハビリテーション医学会のICF・データのマネジメント委員会、それから国際リハビリテーション委員会のICF普及副委員会というところでICF普及に携わらせていただいております。どうかよろしくお願いいたします。
〇村井委員
日本作業療法士協会の方の推薦ということで参加させていただいております。仕事の方は石川県立高松病院といいまして、精神科単科の病院になっております。私は2年間だけ老健局の方に出向させていただきましてビジットの開発のときにICFのコード化を少し入れさせていただきました。その他では今日本作業療法士協会の方では生活行為向上マネージメントという1つの手法を開発いたしておりまして、その手法の中にICFを用いたアセスメントということについて協会を上げて全作業士が使えるようにということで普及させていただいているというところです。今年度は精神科領域も新しい形でつくり出そうという話が出ておりますので、また皆様のお手伝いが少しできればいいかと思っております。よろしくお願いいたします。
〇森田委員
日本言語聴覚士協会から推薦をいただきまして来させていただきました。名古屋にあります鵜飼リハビリテーション病院で全くの現場にどっぷり24時間いる立場ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
〇山田委員
杏林大学から参りました山田深と申します。バックグラウンドはリハビリの専門医で学会に所属しております。ここ4年間、FDRGの方で実務的なことをやらせていただいておりました。あとICFのコアセットの翻訳なんかもどんどんさせていただいております。よろしくお願いいたします。
〇事務局
ありがとうございました。円滑な議事進行のため、前取りはここまでとさせていただきたいと思います。ご協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、議事に先立ちまして、事務局より本ワーキンググループの運営について説明いたします。本ワーキンググループの運営については社会保障審議会統計分科会生活機能分類専門委員会生活機能分類普及推進検討ワーキンググループ第5条より、会議は原則公開であること。議事録も原則公開であること。以上の取扱いとさせていただきます。なお、本日、出席委員が3分の1を超えておりますので、会議は成立しておりますことをご報告申し上げます。
それでは、議事に移らせていただきまして、議事1、座長の選任についてということに移らせていただきます。まず本委員会の座長の選任を行いたいと思いますけれども、中村委員長から向野委員を座長として指名をいただいております。
それでは、向野委員、よろしくお願いいたします。
〇向野座長
それでは、たくさんの委員の先生方の前で私が話させていただくのは大変恐縮ではございますけれども、ご指名ですので座長を務めさせていただきたいと思います。
中村委員長からは任期の2年間の中でできるだけ早期にICFを普及させるという使命をいただいておりますので、それに向けて進めていきたいと思います。ご協力のほど、どうかよろしくお願いいたします。
ではこれから議事の方を進めさせていただきたいと思います。それでは、議事2、本ワーキンググループにおける検討事項について事務局より資料の説明をお願いいたします。
〇事務局
それでは、資料について説明したいと思います。お手元のタブレットになりますけれども、まずICF、ご承知とは思いますけれども、これまでの経緯の方からご説明したいと思います。参考資料の2をご覧いただけますでしょうか。12番、参考資料2になります。ICFに関するこれまでの取組というものを簡単に1枚にまとめております。
ご承知の方はいらっしゃるかと思いますけれども、まずは1980年までさかのぼります。国際障害分類としてWHOが発表したものがスタートになり、ICDの補助分類として作成されました。その後、障害だけではなく、もっと広く、人の全体をとらえていこうというような検討が重ねられまして、2001年に生まれ変わりまして、国際生活機能分類としてWHOが採択いたしました。このときに環境因子が新たに追加されております。
その後、日本としてどのように取り扱っていくかということで、まず2002年にICFの日本語版が発行されました。お手許にお配りした赤い冊子が発行したものになります。その後、国内の普及推進を具体的に議論していく場としまして、2006年にICF専門委員会が社会保障審議会統計分科会のもとに設置されました。以後、2019年3月が直近になりますけれども、計19回の開催をしております。その中で具体的にICFをどう使っていくかというときに活用と参加の基準、暫定案といったものを公表しております。ICFで議論したものを取りまとめて、お手元にないかもしれませんけれども、活動や参加の分野に関して評価点といったものを案として手引きを作成して公表した経緯があります。また一般の方、も含めて普及を推進していくという観点から2010年からICFシンポジウムというものをほぼ1年に1回開催をしてきております。
そうした中で、昨年2018年にICD-11が、疾病の分類になりますけれども、新しい改訂版が公表され、その中にICFの項目の一部が追加されました。そのことを契機としまして昨年のシンポジウムではWHOとの合同のフォーラムを開催し、WHOの方もいらっしゃいましてICDとICFの一体的な活用といったような観点からの講座を専門家から行っていただいたり、ディスカッションしたという経緯があります。そうしたことを受けまして、2019年、この3月にICF専門委員会でICD-11のチャプターに入ったということもきっかけに一層の普及を目的としたワーキンググループを設置したというような経緯があります。ICD-11に関しましては昨年公表だったのですけれども、正式にWHO 総会でこの5月に採択されております。
もう1つ、経緯の中でご説明差し上げたいと思いますのが、参考資料5をご覧いただけますでしょうか。15番、参考資料5になります。こちらはICF専門委員会の中で議論して作成しました普及活用に向けたイメージ図になります。ICFの対象と言いますか、フィールドというのは広いものになるのですけれども、まず評価尺度がわかりづらかったり、簡便ではなかったり、既に医療現場でICF以外の評価指標が利用されていたりというような現状を踏まえまして、日本版のICFの評価セットを作成していく必要性であったり、もう少し評価を検証するためには、医療現場が比較的入院患者がまとまり、専門職の多い職場、環境ということもありまして、そのような医療現場から検証をまず進めてはどうかというような議論がこれまでにありました。そのような評価を踏まえて、日本で使うセットを確立し、医療だけでなく、介護や福祉分野、最近では地域包括ケアといったような取組みが進んでおりますけれども、そのようなところで使用できるものにしていくといった流れをICF専門委員会の方では議論を進めており、このワーキンググループでも共有したいと思います。
続きまして、ICD-11に関してご案内をしたいと思います。参考資料6-1をご覧いただけますでしょうか。既にご存じのところも多いかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、ICD-11、これは新しい版になりまして国際疾病分類の第11版が昨年公表になり、この5月にWHO総会で採択されております。現行では、ICD-10を使っているのですけれども、こちらは1990年に採択されたものになりますので、およそ約30年ぶりの大きな改訂といったものになります。この中で新しいチャプターが幾つか入りまして、その中に生活機能としての分類も一部入ってきており、スライドの4ページをご覧いただけますでしょうか。4ページは章の構成を表しておりますけれども、左がICD-10、右がICD-11といった中で、スライドの4ページから始まりまして下線部に新しい章を示しておりますが、スライドの5ページの第V章になります。生活機能評価に関する補助セクションといったものが新しく設けられました。これまでICDというのは疾病の分類や障害、または保健サービスといったものが分類として構成されておりましたけれども、その中に新しく生活機能評価というような視点が入ってきたというものになります。
スライドを飛んでいただきまして、スライドの12になりますけれども、こちらに生活機能評価に関する補助セクションの概要を載せております。大きく3つのカテゴリーがありまして、WHO-DAS2.0の36項目版や、簡易版モデル障害調査の項目、基本的機能の領域といったような項目になっております。詳細についてはこのワーキンググループの中でもご説明ができればと思います。
では、資料を戻っていただきまして、それを踏まえまして資料1の本ワーキンググループの検討事項について(案)をご覧いただけますでしょうか。こちらは事務局のたたき台として今回提出をいたしておりまして、ご説明した後に先生方からもご意見をいただくなど、適宜修正をしていければと思っております。このワーキンググループでこれから何をしていくかといったことを挙げておりまして、これまでの経緯と、ICF専門委員会からのご要望を踏まえまして、大きく4つに分けて挙げております。
まず1つ目はICD-11、第V章の国内適用にかかる検討ということで、この第V章をどのように使っていくのか。ICDは既にもう使われているところが大きいですけれども、そこに照らし合わせながら第V章というものをどうやって国内で使っていくのか、そこの指針案や考え方、ガイドラインといったものをつくることができないかというふうに考えております。またそれをつくるにあたって、国内で実践的にフィールドテストというような検証過程も必要かと思いまして、そのフィールドテストの実施に向けた資料の作成であったり、また、生活機能に関しましてはさまざまな研究であったり、さまざまな既存の指標といったものがあるかと思います。そういったところと連携したリコードをやっていくことで何かしらの検証ができないかといったようなこと、またリコードの考え方といったところの検討ができればと考えております。
2つ目にWHOが公表する関係資料の翻訳案の作成ということで、ここに2つ挙げておりますけれども、第V章の和訳作成といったものが今進んでおりまして、それについてワーキンググループからもご意見がいただければと思っております。また1と関連はしますけれども、WHOが作成するインストラクションマニュアルやV章関連の資料がWHOからも出てくるかと思いますので、そういった仮訳や日本で使うにあたっての参考資料の案をつくっていければと考えております。
3つ目にそれを受けまして、普及教育のための参考資料の作成といったものを挙げさせていただいております。
4つ目はその他で挙げておりますけれども、例えばICFはICDと同様に毎年毎年小さな改正、大きな改正といったものを続けておりますので、それに対する日本からの意見提出案についてご検討、ご意見をいただくことを考えております。また現場における課題の検討といったものもここで議論ができればと考えております。また毎年、開催しております普及のためのシンポジウムについても今年、来年度に向けての企画やポスターを一般の方から募集して掲載させていただいておりますので、そのポスターの選定もこちらでご相談ができればと思っております。
4つ目にありますICFに関して、これまでの研究や資料を集約して見られるようなサイトというのがこれまでなかったというところがあり、ICF専門委員会の方でもそのような集約サイトを作ってはどうかとのご意見がありました。どのような事例をどのように集めるか、どのような研究論文を載せるかといったところでもワーキンググループからのご意見をいただければと考えております。
まず案として事務局としてはこういったものを挙げさせていただいておりますが、2年間という長いようで短い期間でもありますので、先生方のお力を借りながら、どのようなことができるか、どのようなことをしていくとよいかといったものをご意見いただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
〇事務局
出江委員がご到着されましたので、自己紹介と一言をお願いいたします。
〇出江委員
皆さんこんにちは。遅くなりまして申し訳ありません。東北大学のリハビリテーション科の出江紳一でございます。ICFに関しては本委員会で委員をしておりまして、リハビリテーション医学会の方のICFの担当の理事をしておりました関係でこちらに参加しております。どうぞよろしくお願いいたします。
〇向野座長
よろしくお願いします。只今の事務局からの説明に関して何か委員の方からご質問等はございますか。よろしいでしょうか。
ちょっと私の方からも補足させていただきますと、このワーキンググループに関しては、今事務局の方から幾つか重要な課題の提示がありましたけれども、特に今回ICD-11のVチャプターを突破口にしてICFの普及を進めていきたいというところが非常に重要な課題となっております。こちらに関しては国内のさまざまな普及活動との連携もありますし、国際的な動きですね、特にWHOがリハビリテーション2030の2回目の会合を7月に開く予定ですけれども、そこである程度、患者さんの生活機能の情報を集めるのにこういうものを使っていこうという指針というか、リコメンデーションが出される予定となっておりますので、そういった動きもにらみながら、整合性を取りながら進めていく必要があるかと考えております。ですので、その点も含めまして、情報の共有をしながら進めていきたいと思います。
他にご質問等はよろしいでしょうか。
〇事務局
資料の補足になります。机上配付資料の21番、机上配付資料1に検討事項の工程表の案というものを付けさせていただいております。本日は何をするかというところの議論からということもありましたので、机上配付にしておりますけれども、大体のスケジュール感としましては、2年を節目にこのワーキンググループを考えておりまして、その合間、合間に親の専門委員会の方にご報告をしていきたいと考えております。今年度の最後あたりぐらいに本委員会に一度ご報告して、令和2年度の最後あたりにもまた本委員会に報告をしたいと考えております。
それと並行してですが、ICD-11に関しましては、別途同じ統計分科会の下のICD部会、専門委員会も動いておりまして、そちらでICD-11を統計のための告示にするための審議というものが動いております。そちらが今年度内にどこまで進むかもしかするとこのワーキンググループとずれる可能性もありますが、ICF専門委員会、ICD専門委員会、ICD部会と連携してつないでいければと考えております。ICDの部会、専門委員会の方には、このVチャプターに関しましてはICF専門委員会というような議論する場があるので、こちらにもご意見をいただきたいと言っておりますので、是非こちらからも忌憚のないご意見をいただければと思っております。ただ告示のスケジュールに引っ張られる部分もありますので、そこは皆様方とは情報を共有しながら進めていければと考えております。
〇向野座長
事務局からスケジュールについて、工程表についてのご説明がありました。こう見ますと、かなりやることはたくさんありますので、ある程度責任者も分担して今後進めていくことも検討したいと思います。その点はまたご相談をこれから差し上げていきたいと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
〇大夛賀委員
この資料1についてご質問よろしいでしょうか。この資料1の1-1でICD-11のVチャプターを進めていくと書かれています。
それはICD-11にICFが入ったということを契機としてICFを普及推進していこうということ理解はできるのですけれども、(1)3のところでこれをV章に限ってこれをやるのか、そもそもICF全体でやるのかというところはいかがでしょうか。(1)と(2)まではデータの話なのですけれども、(3)はリコードした結果がデータに向かっていくのか、それともただリコードをしてICFを表現していくのかというところも違うと思いますので、確認させてください。
あとは、3のところで普及教育と書いてあるのですけれども、(1)3のところと同様にV章のことだけなのか、ICF全体のことなのか、についても確認させていただいてもよろしいでしょうか。今の2019年時点でのアップデートされたICFのコード集を和訳するとか、そこからさらにそれをどのように今使っていくのかを議論するのかというところも本ワーキンググループで議論できればいいと思いました。
以上、2点よろしくお願いいたします。
〇向野座長
事務局からいかがでしょうか。
〇事務局
重要なご指摘ありがとうございます。確かにこの紙面上は1、2がICDのVチャプターとなっていますが、ICF専門委員会やワーキンググループとしてはICF全体の普及なり活用といったものを目指しております。一方で、それで10年やってきて、課題はずっとあったということで、今回ICD-11のVチャプターというのも出てきたので、そこに焦点を絞った検証なり検討といったのが取りかかりとしてあるといいのかと思っております。お答えの難しいところがあるのですけれども、実際にリコードについても中身は先生方と相談かと思っておりまして、Vチャプターを中心にやった方がいいのか、周りや全体をにらみながらやっていくのがいいのかというのはこれからご相談ができればと思っておりますし、普及教育というのも、これらの成果や中身の結果によって、Vチャプターを全面に出すような普及がいいということになるのか、全体での普及というのが効果的だよとなるのかはこれからの議論次第になるのかと思っております。先生方の方でこうした方がいいとか、こっちもやっぱりにらみながらやった方がいいとか、Vチャプターってこういうところがあるからこうした方がいいというのがもしあれば、今日はそのようなご意見も是非いただきたいと思っております。
〇向野座長
今回はICD-11のVチャプターを中心にということではあると思うのですけれども、最優先の到達目標としてはそれが一番という認識なのかと私の方では理解しております。リコードについては既存のスケールをリコードしていくと、実際にリコードしていくと分かるのですけれども、かなりICD-11のVチャプターとは重なる部分もあれば、重ならない部分もあるということで、こちらはもうちょっと広く情報を集めるにはどうしたらいいかという視点で、ICD-11 Vチャプターに加えて追加の情報を集めるという形を仕組みの一環として用意するということがいいのではないかというのが私の個人的な意見です。
〇大夛賀委員
ありがとうございました。
〇向野座長
ありがとうございます。山田委員。
〇山田委員
すみません。今の議論に関してなんですけれども、資料1に関しましてはワーキンググループにおける検討事項について“(案)”となっていて、今日のディスカッションのアウトプットとして、この“(案)”が外れるような検討事項をつくっていくという理解でよろしいのでしょうか。
〇向野座長
そういうことになります。
〇山田委員
であれば、具体的にこの文言を直していくという作業を今日やる方向ですか。ちょっと出口が見えてないのですけれども。
〇向野座長
ここの議論で、文言というよりも内容的に変更すべきというご意見があったら、そこで修正していくということかというふうに理解しておりますが、いかがですか。
〇事務局
おっしゃる通りで、一言一句という話ではなくて、先ほどもちょっとご説明の中でさせていただいたと思いますけれども、こういう視点があるとか、こういうことができるのではないか、みたいな建設的なご意見も含めて色々いただいて、それをまたこちらの方で文言も含めて整理した上でまたご相談ということになろうかと思いますが、いずれにしてもこれから取り組む内容について、これをたたいてくださいと、そういう趣旨でございます。
〇山田委員
わかりました。ありがとうございます。
〇大夛賀委員
今の議論を伺いますと、リコードの範囲は、V章に限らないICF全体を扱うことが想定されているようなので、活動の一つの柱として位置づけてはどうかと思いました。
あと(3)については、主語がないので、「ICF」の普及推進ということを明記していただければと思っています。
あとは最新のICF2017を2年の中で日本語にできるのであれば、それは普及のためには必要と思いますので、タイムスケジュールを睨みながらなのですけれども、作業リストには入れておいていただければと思いました。ご検討よろしくお願いいたします。
〇事務局
ありがとうございます。ご指摘いただきましたように、この検討事項は、概要として記載しております。ご意見をいただきながら、詳細にしていこうと思います。さきほどのICFの最新版のご質問につきましては、情報提供ですが、WHOが一部改正を毎年行い、それが蓄積されています。それに対して親委員会の方で、例えば2016年版、2017年版というふうに毎年改正されるものの和訳を検討していただいています。WHOからの情報によると、今度セカンドエディションを出そうという動きがあります。WHOから出版されるセカンドエディションに対して下案を事務局でつくり、内容についての整合性を先生方に見ていただく予定です。
日本語訳について考える時にICFは、利用者の幅が広い。そうすると共通言語となるためのICFなので、なるべく易しい言葉、誤解を招かない言葉にしようというのがICFの赤いこの本をつくる最初の意向にあったのです。その易しい言葉にしたのが逆にわかりづらいという難点があって、むしろ英語の方がわかりやすいのだというような意見をいただいたりしています。既存の和訳ありきでは無く少し見直しが必要かもしれないと感じております。向野座長の御研究で、分類項目のタイトルをそのまま使うには分かりづらい項目があるので、直感的にわかりやすい言葉をしてみようという研究をされていますが、色々な職種の方が使うときに誤解を招かないように、更に普及のための付加的な資料の検討も課題の中に盛り込めたらと思います。
〇向野座長
ちなみに、今回新しく本が出るとして、その既存の部分には変更はないのでしょうか。そこもやっぱり構造的には大分変わってくるものなのでしょうか。
〇事務局
一部改正を見ていると、変わっているところはあります。
〇向野座長
では、その範囲だということですね。全体の構造をちょっと変えてみたとか、記憶が定かではないのですけど、例えば例示をなくすとか入れるとか、そういうような全体にまたがるような変更など、そういうことというのは?
〇事務局
タイトルも、例示も変更になっているようです。
〇向野座長
わかりました。実際にどのぐらいのワークロードが発生するのかというところもちょっと心配ではあるのですけれども、その時点でまたその点はご相談ということですね。
〇事務局
基本的には、既存データと、専門委員会で出されたアップデートの内容を共有させていただいて、それに今年決定されるものが追加になるというイメージです。追って情報提供させていただきます。
〇向野座長
わかりました。どうもありがとうございます。
〇山田委員
ちょっと追加の情報ですけど、全般にわたる変更としてあり得るのが、今のICFに書かれている説明の文言の中に具体的な病名とかが入っているのですね、例示として。それは障害の分類、生活機能の分類なので、疾患の名前を入れるべきではないという議論があって、そういう意味では全般的にそこの部分が変わる可能性があるのと、タイトルとかに動詞が入って動名詞が入ったりしているのを統一しようという話があるので、中身が大きく変わるわけではないのですけど、タイトル自体が全面的に変わることはあり得るような議論にいまなっています。
〇向野座長
なるほど。では、全体的に言い回しが変わるなど、そういう可能性があるということですね。わかりました。ありがとうございます。
他に、この検討事項についてご質問、ご意見等ございますか。
〇大夛賀委員
多分今日の議論を踏まえて、今後具体的になっていくということなのですけれども、是非工程表というか、いつまでにこういうことをやる、案みたいなものが次までにあると、行うべきことが見える化できると思いますので、ご検討いただければと思います。
〇向野座長
ありがとうございます。2年という短い期間ですので、その中でどういうふうにしていくか、ご相談が必要かと思います。またご検討よろしくお願いします。
では、この点についてはまた今後の検討によって少しずつ変わっていく可能性もあるという理解でもよろしいのでしょうか。
〇事務局
今の資料1の“(案)”を取る話なのですけれども、 “(案)”のままで行ってもいいのではないかと思います。ワーキンググループとして成果を出す、目標はもちろんあるのですけれども、これが決定で、これについて成果というよりは、むしろ案のままでいって、例えば次の会のときにやはり少し変更しようかというような、ワーキンググループの中では少し柔軟な対応でいいのかという気はしますが、いかがでしょうか。
〇向野座長
中心的な目標の設定はある中で、詳細についてはやっていく中で少し修正もしながら進めていくということでしょうか。そういう意見ですが、それについて何かございますか。
〇出江委員
結構だと思います。多分これも同じ太さではなくて、やっていくうちに太い文字、大きい文字、小さい文字と濃淡も出てくると思いますので、いいと思います。
〇向野座長
ありがとうございます。実際にどこが大事になってくるかというのもその状況、状況で変わってくる可能性もありますので、私もそれでよろしいのではないかと思いますが、反対意見はございませんでしょうか。よろしいですか。それでは、本ワーキンググループにおける検討事項については以上とさせていただきます。よろしいでしょうか。
では、議事3について、ICD-11 Vチャプターの仮訳案について事務局より資料のご説明をお願いいたします。
〇事務局
資料2をご覧ください。こちらは既にICF専門委員会に事務局案として出させていただいたものです。さきほども申し上げたように、今後実際日本で使うことを考えたいと思いますので、単純に英語を日本語にするだけではなく、本当にこの言葉だけでいいのか、あるいはこれを使うにあたっての説明資料のようなものも必要ではないかということも含めて、詳細なことも考えながらのタイトル和訳という視点でもう一度見直していただいたらと考えております。ICF 専門委員会のときにも説明したのですけれども、既存の訳があります。例えばWHO-DASは、日本語訳されているものが既にあります。もう日本語訳されているから改めて訳さなくていいと考えるのか、あるいは、もう1回見直して、実際に使うためにはこの訳はもう少し修正が必要ではないかということがあったら、それは検討できるよう事務局からの提案として、もう一度このワーキンググループの検討資料にさせていただきました。
〇向野座長
ありがとうございます。こちらはかなりICFとも重なる項目があると思うのですけれども、そちらについての考え方はどうなのでしょうか。
〇事務局
今のところ、いきなり変えるのは非常に混乱を招くので、赤本に載っている、英語が全くイコールであれば、その同じ日本語訳を使いたいとは思っています。
〇向野座長
事務局の意向として、国際生活機能分類、この本に載っている日本語に関してはそのまま使うということですね。この点についてご質問等ございますか。
〇大夛賀委員
個人的には、その考え方でいいと思います。ただし、使えるコードであることが重要と思いますので、本ワーキンググループで再検証できればと思っております。
〇向野座長
大夛賀委員、ありがとうございます。
〇事務局
訳についての補足になりますが、ICD-11全体の作業を各学会とも相談をしているところですが、章、ブロック、分類項目名がありまして、参考資料6の方に付けておりますが、和訳のつくり方としましては、代表語をまず1つ決めていただくことと、それだけでは用語として足りず、他に日本ではよく使われる表現や専門家に馴染みがある表現、分野によって異なる表現があれば、同義語として追加をして表示ができるようにしていきたいと考えております。VチャプターにつきましてもICD-11全体とともに、今後ウェブサイトで日本語でも表示をしていきたいと考えておりますので、代表語だけで納まらない場合は同義語として追加をしていきたいと思っております。資料に載せている案に限っているわけではありませんので、追加的にご意見をいただければと思っております。ただ、同義語に関しても、何でもかんでも載せていくかというと、そうではなくて、ある程度皆さんが共通でコンセンサスが得られる同義語に、ふるい分けはしていきたいと思います。そこの基準がなかなか難しいのですけれども、学会や専門委員会、ワーキンググループという場で、皆さんがある程度ご理解いただける用語に絞っていければと考えております。以上になります。
〇向野座長
どうもありがとうございます。そうしますと、今後のある程度のスケジュール感がもしわかっていたら、その点お聞きしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
〇事務局
こちらの和訳に関しましてはICD-11全体で動いておりまして、V章については専門委員会、ワーキンググループ、そして日本リハビリテーション医学会にもご意見を聞いて、回答を待っている状況です。ICD-11全体については、できましたら今年度内に1次案といったものをまとめ、更に専門委員会や日本医学会全体と協議をしていきたいと考えております。そういった流れからすると、このICFの仮訳というのは既にあると認識してもいいのかもしれないのですけれども、年度内にこれがICD-11全体と一緒に動いていければと考えております。ただ細かい用語の修正であったり、同義語の追加とかといったものは来年度にかけて、ICD-11全体の和訳はもう少し練る時間もあるでしょうし、ICD-11は用語の和訳だけではなくて、統計のルールの整理など他の課題はまだあるため、今年度で全部終わりかというと、そうではなくて、来年度に続くような審議でありますので、そのような時間的な感覚でとらえていただければと考えております。
〇向野座長
わかりました。ありがとうございます。ではそのようなスケジュールの中でこちらからも意見出しをしていくということですね。山田委員、お願いします。
〇山田委員
すみません、またこれも作業イメージになるのですけれども、ここのワーキンググループの作業としては、案の1つをつくるのか、それとも色々な団体なりグループなりから出てきた案を突き合わせて最終的な姿に近づけていくのか、どちらの作業になりますでしょうか。
〇事務局
意見が出てくるタイミングにもよると思うのですけれども、最終的にはICD専門委員会でICD-11全体の案を取りまとめております。このワーキンググループでVチャプターが固まれば我々もやりやすいのですけれども、すべてここで吸収できるかというと、タイミングやどこが意見内容によって様々かと思いますので、集約する場としてはもうちょっと上のICD部会やICD専門委員会というところでと考えております。
〇向野座長
では、ここは中間の取りまとめみたいな感じになりますかね。一旦学会からの意見が出て、こちらで少し検討して。
〇事務局
並行して日本リハビリテーション医学会にお聞きしておりまして、こちらのワーキンググループに日本リハビリテーション医学会の先生方はたくさんいらして、ICF専門委員会の流れもあるので、少なくとも日本リハビリテーション医学会とのワーキンググループのご意見は集約いただけるとすごくありがたいと思っています。それ以外の意見が同時期に来れば、是非我々もこちらに相談したいと思っており、時期や中身次第でご相談ができればと思っております。
〇向野座長
よろしいでしょうか。他にはよろしいでしょうか。この点について、Vチャプターの和訳に関してですが、よろしいでしょうか。はい、ありがとうございました。
それでは、議事4に移りたいと思います。国際生活機能分類の一部改正の仮訳案についてですね。事務局よりご説明お願いいたします。
〇事務局
議事の4について私、高橋からご説明させていただきます。資料は3、それから参考資料4をご覧ください。まず資料の3の方をご覧ください。本件は資料1にあります検討事項4のその他の1にございます、WHOから出されるICF改正案に対する日本からの意見提出案の作成、それから2、ICFを使用する現場における課題の検討にあたる事項になります。まず資料3をご覧いただきたいのですけれども、これは本年、WHOからのICF改正提案を一覧にしてまとめました2019年版の改正提案リストです。初めてご覧になる方もいらっしゃるかと思いますので、先に参考資料の4をご覧ください。ICF改正の流れとあります。これはICFの分類の改正提案で、1年を通して受け付けられているのですけれども、この流れについて最初にご説明いたします。
まず受け付けられた提案は毎年1月から2月にかけまして改正委員会事務局によりまして提案の妥当性などがチェックされまして、さらに3月以降、改正委員会のもとにある生活機能グループによるレビューが行われました後、今回の公開討論層において提示された改正案リストが今お手元にある資料3でございます。この生活機能分類グループでございますが、こちらは私どもWHO国際統計分類の日本協力センターも一員として参画しております。公開討論層によるコメント提出期間は6月15日と、これは目安ですけれども、もう既に期間は終了しているのですが、最終的に7月1日から9月15日とありますけれども、7月以降に実施されます非公開討論層によるメンバー国からの投票によりまして、分類の修正、それから新規の追加とか、それから項目の削除といった年次改正が決定されます。ここの最終投票で決まらなかった事項については毎年10月頃開催されますWHO国際統計分類の年次会議で直接議論されることになっておりまして、その議論の結果も含めて、最終的には翌年に正式に分類がアップデートされることになるということになります。この次のページにいまご説明した内容が文書でも記載されております。
再度、資料3の一覧の方に戻っていただきまして、この委員案賛否のところとコメント欄、これはブランクにしておりますが、机上配付資料の2をご覧いただけますでしょうか。これは一応事務局提案としてコメントを掲載しております。この提案リストのもとになっておりますICF改正プラットフォームの一式が、この机上配付資料の3になります。今回のICF改正プラットフォームですが、これは2019年の新規分と昨年からの継続審議項目が計71項目、ページ数だけで150ページ以上もございまして、内容も非常に細かいものではあるのですけれども、今回のこの公開討論層では、まだ各国からのコメントが出揃ってないことと、最終投票期間の段階ではないので、まだICF公開プラットフォームの方にはコメントは提出しておりません。今回、事務局提案としてご提示させていただきました先ほどの机上配付資料2なのですけども、こちらのコメントにつきましては後ほどご覧いただきまして、各委員において追加のコメントなどがございましたら9月中旬の最終投票前に改めて意見照会させていただきたいと思います。また本来であればICF改正プラットフォームのポータルサイトとか、あとは利用上の手引きについても議題上でご提示しておくべきところではあったのですが、それについては今後、意見照会の際に合わせてご案内させていただきたいと思います。以上でございます。
〇向野座長
ありがとうございました。確認ですけれども、今の段階としては公開討論層というところにあるということの理解でよろしいでしょうか。
〇事務局
今の段階では公開討論層が先週終了しまして、公開討論層と非公開討論層の間の期間にございます。まだ非公開討論層の段階には入っていないところでございます。山田委員、そのご理解でよろしいですか。
〇山田委員
はい、それで大丈夫だと思います。
〇向野座長
ということは、段階としてはこれからも意見は受け付けるという話。
〇事務局
もちろんでございます。
〇向野座長
ということで、用語の確認ですけれども、FDRGとURCとちょっとご説明をいただいた方がいいのではないかと思いましたが、事務局、お願いできますか。
〇事務局
略語が多くて申し訳ございません。WHO-FICという私たちが所属しているWHOの協力センターによって組織された国際統計分類のグループがあるのですけれども、その中に色々な委員会があり、その委員会の1つにFDRGという生活機能を検討する委員会が組織されています。各国から提出されたICFの項目に対する修正提案が議論されるのですけれども、投票をもって最終決定する機関というのがURC(分類改正改訂委員会)というところになります。URCの中には2種類あって、ICD(国際疾病分類)に関する投票を持ったところ、それからICF(国際生活機能分類)に関する投票を持ったところと2つになっています。日本はそれぞれに投票権を持っています。今回はICFの投票についてご意見をお伺いしています。内容は新しく出てきたものもあるし、毎年継続してなかなか決定されないものもあります。FDRGに参加されている山田委員はよくご存じなのですが、議論が大好きな人たちが集まっていて、FDRGで議論して、漸くこれなら投票に持って行ってもいいと整理されたものがURCに上がってきて投票になります。最終投票の場でも、延々と保留にされているものもある、というのが現状です。
最近の流れとしては、ICF本体とICF-CYとの統合が進んでいること、WHO-FICの組織改編によりデータの保有、発信方法、投票等は整理される方向です。投票については、現在移行期のようで、事務局からは先ほど申し上げたようにクローズドになったという連絡も、セカンドが始まったという連絡もないので、はっきり期限を区切って行っていない感じがします。ただ少なくとも投票行為は残っていると思われますので、年に3回投票があります。1回目が6月15日で終わりました。2回目というのが9月にあって、3回目というのが対面会議です。今年はカナダのバンフで年次会議が行われます。そこで対面でディスカッションするのですが、1回目、2回目で投票したものを事務局が集約して、投票権を持った人全員が賛成となったら自動的に可決。そして全員が反対と言ったら否決。混在したものがリストに整理されて10月の対面会議でディスカッションする。会議中に決定されたものがWHO-FICの決定となって、次の年のウェブ上に、例えば来年だと2020年の1月以降、1週間ぐらいで2019年のWHO-FICで決定された項目のリストとして掲載されるという流れになっています。先ほど事務局から説明があった一部改正案のリストというのは2018年の年次会議以降2019年の3月までにWHOに提出された意見が整理されて、2019年の年次会議において最終決定が判断される予定のリストです。資料として提示したリストについて日本から賛成、反対の意思表示をするための検討をお願いするものです。
〇向野座長
ありがとうございました。山田委員から補足ありますか。
〇山田委員
ちょっと何点か補足させていただきますけれども、今URCの話が出ましたけど、2018年からURCはCSACに変わっていると思います。クラシフィケーション・アンド・スタティスティック・アドバイザリー・コミッティという分類統計諮問委員会という名前に変わっています。議論の流れは基本的に同じなのですけれども、FDRGで話した内容がCSACに上がって、議論が不十分だとまた差し戻しになるので、必ずしもこの資料にあるような一方向の矢印じゃなくて、戻ってくるということがあり得ます、というところですね。
あとプラットフォームというのが今お話に出ていましたけども、ウェブ上にあるウェブのページに基本的に登録すると誰でも意見を書き込めてしまうような感じになっているのですね。それでオープンになっているのですけれども、クローズのところでは限られたメンバーだけでやるという仕組みになっています。以上です。
〇向野座長
厚生労働省から出していく提案であって、それについて意見があれば出してくださいということですかね。実際に議論をされるのは、厚生労働省からどなたが出られるのでしょうか。
〇事務局
最終メンバーはまだ決めていません。来週、運営会議がありまして議論していきますが、最終メンバー確定はもう少し後になります。
〇向野座長
わかりました。こちらからもし意見が何かしら出たら、それも考慮して議論の立場を決めると、そういうことでしょうか。何かご質問等ございますか。
〇事務局
10月会議の最終のディスカッションでは、議論する項目毎に、賛成、反対、保留にするという意思表示をする準備をすることになりますが、今はまず、現段階での賛成、反対の意思を示す期間なので、リストの項目に対してご意見を伺っているということです。
〇向野座長
なるほど、わかりました。それでは、それについて意見をまた送っていただけるのでしょうか。じゃあそれについて意見を出すということですね。
〇村井委員
今日、初めてワーキンググループに参加させていただいておりますので、ちょっと色々場違いな発言になるかもしれませんが、ご容赦ください。教えていただきたいのですが、今の議論の話になってきますと、このICFは2003年のものですよね、発刊は。その後、多分議論がずっとされてきて、多分色々な追加項目の採択とか削除とか変更とかがあるのかなと。そこら辺がまずわからないというのが1点。もう1つ、私どもは今これを使って、全部これを信じて使っているわけなのですが、追加があるとするならば、何が追加されて、何が削除されているのか最新版を手にしないと「意見がありますか」と聞かれてもちょっとわからないかもしれないというのが2点目。3点目ですが、この投票の区分のところでABCということで意見として採択するのはAと出ていく。それから意見が上がって、どこが、今言われたところが決定されるのか、決定されたらどう周知されるのか、そこら辺をちょっと教えていただければ幸いです。
〇事務局
まず最終版を見たいというお話ですが、2001年に採択されて、それが和訳されたものがこの赤本です。それ以降、WHOにおいて一部改正が採択されて、それをICF専門委員会で毎年和訳をしてきました。2011年から2015年までまとめて1回和訳をして、それ以降は毎年追加だけを和訳するということをしてきましたので、その和訳の内容は専門委員会の下に掲載してあります。会議後にお送りします。さきほどお話した、2017年まで和訳ができていますというのはそのことです。WHOがセカンドエディションを刊行すると聞いているので、それが今後ベースになります。そういう意味でのまとまった最終版は現在ございません。URL等追ってご説明をさせていただきます。
〇向野座長
よろしいでしょうか。
〇山田委員
また補足させていただきますけれども、今日本語版の話をしていただきましたけど、元々の英語の版に関してはWHOのWHO-FICのホームページにアップデートされた、採択されたものを含めて2017年版という形で掲載されているので、多分それよりは日本語の訳が間に合ってないと思うのですね。なので、アップデートに関してはホームページのICFブラウザというのが用意されているのですけれども、そこを見ていただくと新しいものがわかると思います。修正の履歴に関しては、先ほどから出ているアップデートプラットフォームにディスカッションも含めて何が変わったというのがわかるように提案ごとにまとまっているので、それをご覧いただければと思います。
〇向野座長
補足いただきありがとうございました。他には何かこの件についてございますか。よろしいですか。
では、よろしければ次にいきたいと思いますけれども、その他について事務局の方からまたご説明をお願いします。
〇事務局
その他として、まずICFのシンポジウムについてです。概ね毎年1回、継続的に行っていますという報告をさせていただいておりますが、来年1月18日の土曜日にシンポジウムを開催します。場所はイイノホールです。場所は押さえましたが、内容はまだ決まっていませんので、このワーキンググループの委員とご相談しながらテーマ、演者を決めたいと思います。毎年少しずつテーマを変えていますが、このワーキンググループは2年間の任期がございますので、このワーキンググループとしてシンポジウムを企画する形にしたいと思っています。今年度と来年度2回分のシンポジウムの企画をご相談させていただきたいのが1点。
2点目は、そのシンポジウムで募集するポスターの発表者の選定です。過去に募集を2回ほどやってみましたが、一般の方でICFに取り組んでいる方が多くいらっしゃいます。私どもも非常に参考になりましたので、今年も募集したいと思いますが、優秀なポスターは、オーラルで発表していただきたいと思いますのでその選定をお願いしたいと思います。
それからさき程もご質問があったように、やはりICFの情報は入手しづらいので、ウェブ上にICFの案内URLをつくり、そこに行くとICFとは何かとか、ICFに関する論文はどこにあるかとか、ICFの研究はどんなことをやっているのかなどが見られるように整理していきたいと思っております。情報を先生方からいただいて、例えばこの先生はこんな研究をやっているから是非公表したいとか、うちの学会はこんないいICFに関する論文があるので是非提供したい、というようなところを集めていきたいとい思っています。
まずは、厚生労働科学研究、保健医療科学院でデータベースを持っていただいているのですけれども、ICFに関する研究については、平成26年まで調べたものがあり、過去にICF専門委員会にもご報告しているのですけれども、それ以降のデータの追加をしてブラッシュアップしたいと思っています。資料1のその他として「ICF情報集約サイト構築に向けた事例収集、掲載論文等の選定」と書いてありますけれども、ワーキンググループの検討事項としてご協力いただきたいと思っています。
〇向野座長
ありがとうございます。この点に関しましてご質問、ご意見等ございますか。
〇向野座長
そういうことですと、WHO協力センターのサイトにそのICFの情報提供のためのページをつくって、それに関してはもう既に計画があるという理解でよろしいんでしょうか。そこに入れるものを決めていくということですね。ではその点も今後の議論になっていくということですね。それからシンポジウムに関しては、ここである程度どういうものにするかを議論していくということですけれども、イメージされているのは、ワークショップというのは実際にそういうのを使ってみるような、使って何かやってみるような意味合いでしょうか。
〇事務局
今までシンポジウムで行ったアンケートの中で、いろいろな要望がありました。概論ばかりでなく具体的な話をしてほしいという内容のご意見が多くあったのですが、なかなかそれを実行に踏み出せないでおりました。今回ワーキンググループの委員はそれぞれご専門の分野の第一人者でいらっしゃるので、この任期2年間において、検討していただければと思います。
〇向野座長
ありがとうございます。このワーキンググループの目標としても具体的にそれを臨床に落とし込むための検討をしていくということですから、それを実際に使っていただくためのワークショップを開くということを目標にするということですね。この点に関して。
〇山田委員
これも確認なのですが、今のお話のパートに関しては親委員会から我々が任されているという理解で大丈夫でしょうか。
〇事務局
はい、中村委員長からはそのように承っております。
〇山田委員
ありがとうございます。
〇向野座長
実行するにあたっては、親委員会での承認を経て進める必要があるが、実行期日までに開催の機会が無いので、専門委員である出江委員に御確認をいただいて進めるということなのですか。
〇事務局
〇向野座長はい。
〇向野座長
出江委員のご裁断をいただいて、それで良ければということですね。ありがとうございます。よろしいでしょうか。
〇大夛賀委員
内容についてはこれから考えるとして、イイノホールにワークショップとか発表できるような物理的な環境はあるのでしょうか。
〇事務局
説明不足で申し訳ございません。イイノホールは、階段式の劇場型の座席ですので、来年1月の会ではワークショップは無理だと思います。1年後の次の会に向けて、ワークショップのできるような会場を探すということです。
〇大夛賀委員
イイノホール開催分については物理的環境の範囲内でどういうことをやるのかと考えつつ、次年度は会場も含めて色々な制約がないということですね。
〇事務局
はい。
〇向野座長
ありがとうございます。他は、この件について、シンポジウムについて、それからウェブ上のプラットフォームについて何かご意見ありませんでしょうか。よろしいですか。
その他、全体を通しましてご発言しておきたいことなどございますか。これから実際に具体的なプランを立てていくことになりますので、その点で参考になるような情報でも結構ですし、何かございましたら。小松委員、お願いします。
〇小松委員
小松です。1つ確認というか、教えていただきたいのですが、議事の中でも(1)と(2)あたりまでが比較的ICDの基本のV章の話になっているのですが、V章の基本的なツールはもう5月のWHOで採択されたということで変更はないと考えていいでしょうか。今までにツール自体、WHO-DASが入ったりとかコアセットが入ったりとかで何度も何度も変わっているという経緯があって、もう変わらないというふうに考えていいのでしょうか。
〇事務局
基本的には勧告されていますから。
〇小松委員
もう変わらないと考えていいのでしょうか。いままでにWHO-DASありきの考えなのか、色々な右往左往があったと思うのですが、これで決まりと考えていいですか。
〇事務局
WHO総会は5月に採択されたものとしては、今青色で見えている固定版と言っているのですが、それが採択されたものと認識しています。おっしゃる通り、それと並行してメンテナンスプラットフォームという別のオレンジ色の版が運用されていて、そこは常に意見が提出でき、細かいところの修正や追加がされております。その中で、ICFのVチャプターも修正がかかってくるのかどうかは見えないところでして、CSACが過渡期であり運用はこれから検討されると思うのですが、ICDとしての議論の中でVチャプターもオレンジ版として更新されていくことになります。ただ5月に採択されたものとしては今見ていらっしゃる青い版で固定されているというような状況です。
〇小松委員
わかりました。ありがとうございます。今まで項目自体が何度も変わってたりとかしていたので、ある日突然、ホームページをいつも確認しておかないとこちらも気が置けないという状態だったので、またいつ変わるかというのが1つ不安だったというのが1つです。もう1点ですが、これは採択されて、まだこの後変更とか色々な意見を出されたりとかすると思うのですが、今の状態のICDとしてVのコードが付いているかと思うのですが、資料4、参考資料2ですかね。資料2、グリーンの分ですけども、これで既にVチャプターとしてのICDコードがすべて並んでついていると。ただこれはもともと一番上にWHO-DASがスタートであって、WHO-DASが終わってからMDS、その後にアネックスの分で続いてくるかと思うのですが、この並びのVコードについてもこれである程度決まりなのかなと。なぜそういうことを質問させていただいたかというと、例えばモビリティやセルフケアという項目はもともとWHO-DASが先に来て、そこでモビリティとかいうことが出るのですが、最後でまたセルフケアとかモビリティが出ます。だからもともとのツールを基準としてコードが付けられているので、実際にこれを本当にICFのVチャプターとしてICDを付けていくときに、付ける側としてはまたモビディティが出てくるということで何度も上と下を見ていかないといけないという整合性がずれてくる可能性があります。ただ項目自体は互いに独立しているので、モビリティに関してもセルフケアに関しても独立しているので、違う項目ではあるのですが、セルフケアを上も見て、下も見てというようなことになるので、それは多分もともとWHO-DASありきなのか、そこはわからないですけども、セルフケアからスタートしていくのかというような、Vのコードは変わらないのかなというような、質問というか、何かご存じのことがあれば教えていただきたいという感じです。
〇向野座長
Vチャプターの並びそのものとか内容が変わっていくのかどうかですね。でもそれが根本的に変わることは恐らくないのでは。分からないですけど。
〇山田委員
変わるかどうかという可能性に関しては変わる可能性があるのですが、それは先ほどお話ししたような流れ、フローが決まっていて、色々なディスカッションを経て年次で変わっていくので、ある日突然ポンと変わることはないと理解しています。それで大丈夫ですよね。あとWHO-DASとかMDSの続きですけど、もともとのオリジナルのVチャプターのホームページを見ると、WHO-DASというところをクリックするとWHO-DASの項目が並ぶようになっていて、という構造をしているので、恐らくは何かWHO-DASなりMDSなりを基軸に取りなさい、全部一覧にして取るのではないというふうに理解しておりますけども。色々やってみて意見を出してね、というステイタスだと思います。
〇向野座長
その点は結構色々なものが重なっているのでどういうふうに取っていくか。多分WHO-DASは使わないといけないだろうと思いますけれども、それ以外をどういうふうに取っていくのか。例えばICFのリハビリテーションセットというコアセットの1つなんかは全部入っていたりとか、それは項目として重なっていたりとか、多分色々なふうにできるように混ざった形でつくっていると思いますので、そこをどういうふうに整理して、ここで情報の集め方を進めていくかというのはこれからここで議論していくことなのかと思います。
〇山田委員
そういう意味では我々の方から意見を出すこともできるので、ここはこう変えた方がいいということまでやれると本当はいいと思います。
〇向野座長
ありがとうございます。大夛賀委員。
〇大夛賀委員
今のはかなり専門的な話で、多分このフィールドテストをどうやって行っていくのかとか、項目としては項目で和訳をしていくのですが、使い方となると論点が多くあると認識しております。スコアをどうつけるかや、混在する複数の評価セットをどう定量的なデータに置き換えるのかというところから、そのデザインを考えていかなければいけないと思います。
〇向野座長
ありがとうございます。他はよろしいでしょうか。
〇村井委員
教えていただきたいのですが、ここのグループのミッションはやっぱり対象としては医療現場という考え方でよろしいのかなと。どうなのかなと、これは1つ確認したいと思っています。もう1つですが、医療現場と言いましても広くございまして、どこまでの範囲、地域包括ケアという話も先ほどは出ていたのですが、どこら辺ぐらいまでの範囲を考えているのか。ICD-11というのは多分ドクターの診断のものすごく大事なものだと思っているのですが、ICFになってきますと、コメディカルも色々使えるという話になってくるのですけれども、そこら辺ドクターと一緒に考えながら進めていくというスタイルになると思うのですが、医療現場でお医者さんがいらっしゃる範囲、介護保険だと通所リハとか老健とかも入ってくる感じになるのでしょうか。
〇向野座長
それに関しては色々な考え方があるとは思いますけど、親委員会の方での議論ではまずリハビリテーションの現場からという話で、委員の構成、ワーキンググループの構成もそういうことが中心になっていると思います。でも大夛賀委員のように介護の方で研究を進めていらっしゃる先生もいらっしゃいますし、そこはおそらく多分リハビリテーションの現場からというのが一番スムーズな入りになるとは思いますけど、その先の介護までの展開を踏まえた上で、この構成になっているのではないかと私としては理解しておりますが、いかがでしょうか。
〇事務局
基本的に普及していくという中において色々と範囲はありますが、まずどこに突破口ではないですが、力点を置いて考えるかという観点というのは、やはり進めていく上で重要ではないかと考えております。今、向野座長がおっしゃったような観点というのは今回、委員になっていただくという観点でも重視しているということで、ある程度向かっていく方向は、まずここに力点を置いてということかと考えております。
〇大夛賀委員
私の理解ではそもそもの会のミッションとして、ICDの延長上にICFが来たから、そこを中心にまずは具体的なものをつくり出していきましょうというのが前提にあるのかと思っています。
ただ3のところからICF全体の普及というのも一方であるので、本ワーキンググループとしてのICFの普及も考えていかなければいけないということがわかりました。
ICFの使い方としては、概念として分類するツールとして、定量的なアセスメントの1つとして、大きく3つぐらいあると私は考えているのですが、その柱に沿って本ワーキンググループにおけるICFの普及戦略が必要になると思います。
一つ追加の質問ですが、今後検討していくICFにおいては、ICF-CYが含まれていると考えてもよいでしょうか。
〇事務局
ICFとICF-CYを分けるかどうかという意味ですか。
〇大夛賀委員
そうです。
〇事務局
WHOが統合するという方針を決めているので、それに従います。WHO-DASの方はWHO-DAS-CYというのをつくろうという動きがあります。やはり大人と子どもと何でも一緒というのは少し無理があると思います。WHOがICFにICF-CYを取り込んだからもうICFは1本で行くと言われている以上は、私たちは「ICF」としたときにCYの中身も取り込んだものがICFだという理解で進めることになります。
〇大夛賀委員
わかりました。ICFって果てしなく普遍的な概念なので、優先順位を考える上で、ワーキンググループで扱うICFに対するコンセンサスがあったほうがいいと思って質問しました。ありがとうございます。
〇向野座長
ありがとうございます。
〇村井委員
リハビリテーションの現場となってきますと、これも含まれるのかどうか分からないですが、私は精神医療の方に入っておりまして、精神科でいきますと、ICD-10よりDSM-5の方がとても親和性がICFとございまして、DSM-5を読むとICFのコードがかなり入っているということで、とても精神科の先生とコメディカルの議論がDSM-5ですごくしやすくなってきたというのが現実あるということです。精神科の先生はICDとDSM-5どっちも使っていらっしゃるということなのですが、多分ICFもそこら辺はICDとは多分親和性が高いところが、これから皆様が研究されるところなのだろうというふうに思っているところなのですが、精神科は入るのでしょうか。
〇事務局
委員の皆様の方が詳しいかもしれないですけれど、ICFの対象として、精神の患者さん、精神療法、精神の治療を受ける方ももちろん対象になっております。ただ、ICFの項目は精神の機能を見るにはもう少し充実が必要ではないかといったご意見も聞いたことがあります。対象としてはもちろん入ってはおりますが、中身に関してもし必要であれば、先生方からもご意見をいただければと思っております。
〇向野座長
もし村井委員の方で、それが、非常に親和性が高いということであれば今後の展開を考える上で非常に重要になると思いますけれども、最初に第一の命題として言われていることは、一般的なリハビリテーションの医療の現場にまずICFを地面に下ろすというような表現がありましたけれども、一旦やっぱり現場に下ろして、そこで使えるようなことをやるというのが第一の目標ということですので、特に村井委員の方でそういうお考えがあるようでしたら、是非それをそちらに広げていくような形で取り組むということがよろしいのではないかと思います。
〇村井委員
特にリハビリのところで困ってらっしゃるのが認知症のテーマではないかなという気がしながら。これが両方にまたがってくるテーマでございますので、これの共通言語としてもやっぱりICFという考え方はとても親和性が高いのかなと。そういう意味では認知症はどこに行くのですか、とさまよえる部分があるのですが、いまリハは認知症がかなり集中していて、考えていらっしゃるところもございますので、ちょっとそういうこともあって少し質問させていただいたというところでございます。
〇向野座長
どうもありがとうございます。もう少し議論を進めていく中て具体的なところもお伺いして、さらに実際の戦略におとしこんでいけたらと思います。
他はよろしいでしょうか。
〇山田委員
今の議論に戻ってしまうのですが、ここで話すことか分からないのですが、精神科領域に関わる問題って、結局ICFもどこにかかってくるかというと、個人因子にかかってきてしまって、どうそれを受け止めているかとか、どういう嗜好を持っているかというのは全くコードに実は反映されていなくて、そこが大前提の大きな問題にあるということを認識しています。だからどうというのではないのですが、そういう問題があるということをちょっと共有させていただければ。
〇向野座長
ありがとうございます。ではその辺はちょっと今後、実際に現実的な議論をしていくと。具体的な議論をしていくことになろうかと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
〇浅川委員
勉強不足で申し訳ないのですが、そもそもの命題がICFを普及させるということでシンポジウムとかを開催しているかと思うのですけれども、ICFの概念的な使い方というのは大分普及しているかと思うのですが、そのコーディングという部分の普及ということでよろしいですよね。
〇事務局
もちろんそれも入ります。そこは特にもっと整理しないと使い方がバラバラになっているので、方針を決めていきたいと思います。
〇浅川委員
ただシンポジウムに参加している方々をアンケート調査しているかと思うのですけれども、やっぱりそこまでを望んでワークショップとかというのを開催するという形になるのでしょうか。
〇事務局
もう二極化していますね。毎回毎回来てくださっている方は「もういいよ、そろそろ」という意見を書いてくださる。初めて参加された方は「すごくよくわかった」というご意見もくださる。そうすると、じゃあどっちに立ち位置を置くの?というところですごく悩んできました。去年のシンポジウムはICDと合体させた11にターゲットを絞ったフォーラムにしたのですが、やっぱりICFはICFとして普及しなければいけないという意見もある。やはり総論として概念は普及しているけれども、でも何となく知っている感じのところがあります。だからICFってこういうものだという、コンセンサスを得たいと思っています。今回参画いただいている委員の御専門分野では教科書に取り入れてくださっているのは存じておりますが、コアの部分は同様の表現にできたらよいのではないか。ICFとはと質問されたときに、当方からきちっとした資料が十分提供できていないように思います。ある程度解釈を追加して作ってくださっているようにも思いますので、基本と各分野でのモディファイの整理ができればと思っています。横道にそれましたが、シンポジウムはそういう意味では2つのターゲットがあるというふうに思います。
〇出江委員
PT、OTの国家試験にもうコーディングが出ていますよね。最初は概念的なことを問うていて、その後、コーディングの問題ももう既に出ていますので、もう現場はそれに対応すると思います。
〇向野座長
ありがとうございます。それでは、他にご意見、ご質問等よろしいでしょうか。それでは、会は以上になります。
〇事務局
ありがとうございます。本当に本日は活発な議論をいただきまして誠にありがとうございました。次回のワーキンググループは大体秋頃の開催を予定しておりまして、1月のシンポジウムのテーマですとか、演者等の決定、あとは今年度のICF一部改正の投票案の決定等をご相談させていただければと考えております。委員会終了後に事務局より日程調整表を送らせていただきますので、ご多忙の中と存じますけれども、ご都合を教えていただければと思います。
それでは、以上で第1回社会保障審議会統計分科会、生活機能分類専門委員会、生活機能分類普及推進検討ワーキンググループを閉会いたします。本日はお忙しい中、誠にありがとうございました。
(了)
照会先
政策統括官付参事官付国際分類情報管理室 三橋、高橋
代表03-5253-1111 内線7493