第5回妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会 議事録

日時

令和元年6月6日(木)13:00~14:24

 

場所

全国都市会館 第2会議室

議題

  1. これまでの議論の取りまとめについて

議事

 

○五十嵐座長 定刻より少し早いのですが、遅れて御出席予定の委員を除いて委員、関係者の方がお集まりです。これから検討会第5回を始めてよろしいでしょうか。それでは、第5回「妊産婦に対する保健・医療体制の在り方に関する検討会」をこれから始めたいと思います。
お忙しいところ、お集りいただきまして、ありがとうございます。
構成員の出欠状況と資料について、まず、事務局から御説明をお願いします。
○森光課長 構成員の方の出欠状況でございますけれども、青木構成員、井本構成員、九十九構成員から御欠席との御連絡をいただいております。また、石井構成員から、先ほど御紹介がありましたとおり、おくれて出席されるとの御連絡をいただいておるところでございます。
資料ですが、前回までの検討会で御指示いただきましたとおり、取りまとめのたたき台を御用意しております。内容は、現状と課題や、今後の取組について事務局でまとめておるところでございます。
事務局からの御案内は以上でございます。よろしくお願いします。
○五十嵐座長 ありがとうございました。
では、これから議事に入りたいと思います。カメラは、ここで退室をお願いいたします。
(カメラ退室)
○五十嵐座長 前回の検討会では、第3回までの議論を整理していただきました。前回までの議論を取りまとめた資料が、事務局から本日提出されております。今回の検討会では、この資料について、さらに御意見をいただきたいと考えております。本日の議論の行方にもよるのですけれども、できれば、きょう、おおむねの取りまとめをしたいと考えておりますので、御協力をお願いしたいと思います。
では、まず事務局から、全体について、まとめて御説明をいただきます。事務局からの説明の後、4つのパートから成り立っておりますので、パートごとに議論を進めたいと思います。
では、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○木下課長補佐 事務局でございます。
資料をお開きください。今回、「これまでの議論の取りまとめ(案)」という形で、事務局のほうで座長と御相談させていただきながら整理させていただいております。前回の第4回までの議論及び4回以降、各構成員からいただいた御意見、また今回の第5回の開催に向けまして、各構成員に御意見を伺いながら反映させた部分等々ございまして、それを集めた形で今回の議論の取りまとめというものを事務局において用意させていただいております。
お手元の資料の構成でございますが、まず1ページ目の「はじめに」から始めておりまして、次の2から5まで、それぞれのテーマごとに分けております。最後のページを見ていただきますと、「おわりに」という構成になっております。
また、2ページをお開きいただきますと、「妊産婦に対する相談・支援の在り方」というテーマにつきまして、(1)のマル1の現状と課題、マル2の主な意見につきましては、第4回の検討会におきまして、各構成員に見ていただいた内容をベースとして意見を整理させていただいております。それに加える形で、マル3、今後の取組を追加させていただいております。これが全体の構成になっております。
それでは、1ページにお戻りください。「はじめに」から御説明してまいります。全文を読み上げさせていただきます。
これまで、妊産婦が安心して子どもを産み育てられる社会となるよう、妊婦健診に対する交付税措置や産婦健診の費用の助成など、様々な支援策が講じられてきた。また、妊産婦に対する医療の提供についても、周産期医療体制の整備やハイリスク妊産婦に対する診療の充実などが図られてきた。
近年の母と子の健康をめぐる様々な環境が、少子化、核家族化、女性の社会進出の増加等大きく変化している。こうした変化を踏まえ、妊産婦の保健・医療に関する分野においても健康寿命の延伸等に向けて、地域の特性に応じた対策を進めつつ、地域間における健康格差を解消していくことが必要である。
また、出産年齢は上昇傾向にあり、一般に、高齢出産の場合には、特に健康管理に留意が必要とされるなど、妊産婦のニーズに応じた細やかな支援が、より重要となっている。妊産婦自身の負担にも配慮しつつ、妊産婦が安心できる医療提供体制をさらに充実していくことが求められている。
そのような中、平成30年度診療報酬改定において、妊産婦の診療については、通常よりも慎重な対応や胎児や乳児への配慮が必要であり、妊婦に対する通常よりも丁寧な診療を評価する観点から、「妊婦加算」を新設した。しかしながら、加算の趣旨に反するような事例や妊婦の自己負担の増加に対する指摘があり、平成30年秋以降、SNSや新聞、ニュース等で頻繁に取り上げられるようになり、同年12月、妊婦加算については、当面算定を見合わせることとなった。
こうしたことから、妊産婦に対する健康管理の推進や、妊産婦が安心できる医療体制の充実などの課題について検討を行うため、本検討会が設置された。
このような経過及び最近の妊産婦を取り巻く状況を踏まえ、また、今後の更なる少子化社会の進展を見据え、我が国における今後の妊産婦に対する保健・医療体制の在り方について、取りまとめることとした。
2ページ目にお進みください。まず、1つ目のパートになります。「妊産婦に対する相談・支援の在り方」でございます。
マル1の現状と課題は、前回と大きく変更しておりません。
マル2の主な意見をごらんください。3つ目と4つ目につきましては、第4回の各構成員の御意見を踏まえて追記しております。
まず、○の3つ目でございますが、妊娠・出産・子育ては、男性の参画が重要である。
また、○の4つ目でございますが、中小企業の中には妊婦を十分にケアしていないところもある。事業者として労働者を守る、特に妊婦に対しては配慮することが重要で、その支援を社会全体で取り組むべきではないか。というものを追加させていただいております。
マル3の今後の取組につきましては、まず1つ目でございますが、平成27年度から10か年計画で開始された国民運動である「健やか親子21(第2次)」においては、「妊娠届出時にアンケートを実施する等して、妊婦の身体的・精神的・社会的状況について把握している市区町村の割合」についての指標等を設けており、引き続き、各自治体においても、専門職による面接の実施を更に進めるなど、保健対策の支援に向けた取組を進めていく必要がある。
次でございますが、自治体において、妊娠中から出産後や子育てのイメージを持つことができるようなパンフレットの作成や一元的な連絡先(例えば、子育て世代包括支援センター)の記載など、妊娠中の支援の充実を図っていく必要がある。
3つ目でございますが、妊娠前を含めた妊婦への適切な栄養指導に資するよう最新の知見も取り入れた食生活指針の改定を行う必要がある。
4つ目としまして、妊娠前からの女性の健康管理に資する取組の充実を図っていく必要がある。というのを今後の取組として挙げさせていただいております。
続きまして、(2)に移りまして、産後の相談・支援についてでございます。
マル1の現状と課題につきましては、前回とほぼ同じ内容になっております。
4ページにお進みください。マル2の主な意見につきましても、前回とほぼ同じ内容になっております。
マル3、今後の取組を御紹介させていただきます。
まず、1つ目でございますが、自治体における相談・支援の充実に向けて、本年3月に改定した「授乳・離乳支援ガイド」について、研修会の開催等による普及・啓発を通じて保健・医療者への更なる周知を図っていく必要がある。
2つ目としまして、母親と子どもを同時にサポートしていく観点からの産後ケア事業の周知及び全国的に展開するための方策を検討する必要がある。
3つ目としまして、妊産婦のメンタルヘルスケアについては、日本産婦人科医会が平成28年度子ども・子育て支援推進調査研究事業で作成した「妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル」を用いた研修会等の場を活用し、研修の在り方を研究しつつ、医師や助産師等の支援者の育成に更に努めていく必要がある。とさせていただいております。
続きまして、(3)支援を必要とする女性の相談・支援についてでございます。
マル1とマル2につきましては、前回の内容をほぼ踏襲させていただいております。
マル3、今後の取組、5ページにお進みください。
1つ目でございますが、若年の妊婦や特定妊婦と疑われる者については、それらの妊産婦をどのように把握し、支援の輪を形成していくのかが重要であり、その契機となる予期せぬ妊娠等の相談対応の充実等の取組が必要である。
2つ目としまして、それらの取組を進めるにあたっては、予期せぬ妊娠等の相談対応を行う女性健康支援センターと、NPOなどの関係機関との連携が重要であり、連携について検討を行う必要がある。とさせていただいております。
次、中段からでございますが、「3 妊産婦に対する医療提供の在り方について」という次のパートになります。
まず、(1)としまして、妊産婦の診療・治療等についてでございます。現状と課題、及び主な意見につきましては、前回の御意見を踏まえた形で記載させていただいております。
7ページまでお進みください。7ページから今後の取組というものをまとめさせていただいております。
まず、妊産婦の特性と診療における配慮についてでございますが、妊産婦の診療においては特別な配慮が必要なことから、妊産婦自身の健康管理のため常に母子健康手帳を携帯し、薬局や歯科医院も含めた医療機関等で母子健康手帳の提示を行う等、妊産婦自身が医療機関等において、妊娠中や授乳中であることを示すように求める必要がある。
次の産婦人科医・産婦人科医療機関の現状についてでございます。
分娩取扱施設の配置状況や産婦人科医の偏在の状況が地域によって異なるため、地域の実情に応じた産婦人科以外の診療科との連携体制の在り方については、各都道府県の周産期医療協議会等において検討を行う必要がある。
3つ目でございますが、産婦人科以外の診療科への受診の状況についてでございます。
1つ目としまして、産婦人科以外の診療科と産婦人科との連携を進める取組として、妊産婦が産婦人科以外の診療科を受診した際、産婦人科の主治医と連携をとる仕組みについて、より簡便でかつ妊産婦自身の納得が得られるようなものを、関係学会・団体の協力を得ながら検討する。
2つ目でございますが、妊産婦の診療に積極的な産婦人科以外の医療機関を妊産婦に情報提供し、あらかじめ周知する等の方策についても検討する必要がある。
3つ目としまして、全ての医療機関で妊産婦の診療を行えていない現状を踏まえ、妊娠中のコモンプロブレムに対応可能なかかりつけ医を持つことを妊産婦に勧める必要がある。その際、例えば、妊娠に配慮した診察・薬の内容について文書を用いて説明している。妊婦の診察に関する研修等を受けている。母子健康手帳を確認している。産婦人科の主治医と連携しているといった医療機関を、妊産婦の診療に積極的な医療機関として、子育て世代包括支援センター等の自治体や分娩取扱い施設を通じて、妊産婦に周知する。
次の○でございますが、妊産婦に対し診療内容をわかりやすく伝えるため、妊娠中の診察・薬の留意点等に関し説明する際の文書の例示等を、関係学会・団体の協力を得ながら作成する必要がある。とさせていただいております。
続きまして、(2)妊産婦への診療の質の向上についてでございます。
マル1の現状と課題、マル2の主な意見は、大きく変更しておりません。
9ページのマル3までお進みください。
今後の取組でございますが、まず1つ目、関係学会・団体等は、妊産婦が安心して医療機関を受診できるように、産婦人科以外の医師も妊産婦の診療が積極的にできるよう医師会や関係団体が行う研修等の既存の取組を有効に使いながら、研修する体制を構築する必要がある。
2つ目、これらの研修において、妊産婦の花粉症等のコモンディジーズの診療を行う際の妊産婦への配慮や、薬の処方内容に関する薬剤師等との連携等についても学べる機会が持てるよう検討を行う必要がある。
3つ目、産婦人科以外の診療科においても、積極的に妊産婦の診療ができるよう、例えば、産婦人科医による相談体制を構築する等、妊産婦の診療を地域で支える体制の構築を行う必要がある。とさせていただいております。
続きまして、(3)妊産婦の口腔健康管理についてでございます。
マル1の現状と課題は、特に変更してございません。
マル2の主な意見のところでございますが、前回の意見を踏まえて少し修正を行っているところがございます。
それらを受けまして、マル3、今後の取組でございますが、まず1つ目、両親学級等を通じて、口腔の健康の推進を図ることの重要性やむし歯・歯周病の治療に関する歯科医師への早めの相談について、妊婦に向けて啓発することが必要である。
2つ目としまして、安心・安全な歯科医療が提供できるよう、歯科と産婦人科の情報共有を推進する必要がある。とまとめさせていただいております。
(4)といたしまして、妊産婦と薬剤についてでございます。
現状と課題、主な意見は、前回のものをそのまま反映させていただいております。
マル3の今後の取組、11ページにお進みください。
まず、1つ目といたしまして、妊産婦が安心して薬を使用できるように、例えば、妊産婦が母子健康手帳を提示する等して、医療者が妊娠中や産後であることを確認することを推進する必要がある。
2つ目といたしまして、医療者から妊産婦に対し、医薬品に関する適切な情報提供、例えば、分かりやすく記載された文書を用いて説明する等を推進する必要がある。また、その取組を推進できるよう、かかりつけの薬局・薬剤師を活用することも重要である。
3つ目としまして、「妊娠と薬情報センター」について妊産婦及び医師が使いやすいように周知を行う必要がある。
次ですが、「妊娠と薬情報センター」では、これまでに集積した科学的検証に基づく情報等を添付文書に反映する取組を行っているが、より多くの医薬品の添付文書改訂につなげるため、医薬品を使用した妊産婦のレジストリ構築等、医薬品の使用実態や予後等のエビデンスの蓄積を加速する取組が必要である。
5つ目としまして、オンラインによる相談の受付、薬剤の安全性情報を拠点病院と共有する等、「妊娠と薬情報センター」について、妊産婦及び医師がアクセスしやすく、かつ迅速に相談結果を受け取れるようにするための体制整備を推進する必要がある。とまとめさせていただいております。
次のパートに進みます。「4 妊産婦に対する連携体制の構築について」というパートになります。
まず、(1)妊産婦に関する行政機関と関係機関の連携についてでございます。
マル1、現状と課題、マル2の主な意見の12ページは、大きく変更してございません。
13ページの上から2つ目でございますが、前回の検討会におきまして、妊産婦の精神疾患を診療できる医療機関の一覧を作成し、分娩取扱施設や妊産婦に周知してはどうかと、御意見をいただいたところを反映してございます。
これらの御意見等を踏まえまして、13ページのマル3、今後の取組になりますが、1つ目、子育て世代包括支援センターにおける取組事例の蓄積がなされているところであり、課題等を把握しながら必要な情報提供や関係機関との調整、支援プランの策定等を充実させる方向性で子育て世代包括支援センターの業務ガイドラインを見直し、更なる質の向上及び設置の推進を図る必要がある。
2つ目でございますが、健康上のリスクを抱えている妊産婦や、不安を抱えている妊産婦が里帰り出産や転居などで移動をする場合に、顔の見える関係を作った切れ目のない支援につながるよう妊産婦の許可が得られた場合には、自治体間での情報共有の仕組みを充実させる必要がある。
3つ目としまして、平成30年度に精神疾患を合併した妊産婦(ハイリスク妊産婦)に対して、産婦人科、精神科及び自治体の多職種が連携して患者の外来診療を行う場合の評価が新設されており、自治体の更なる積極的な参画を促す必要がある。
4つ目といたしまして、先ほどの御意見を受ける形で、各都道府県において、妊産婦の対応が可能な精神科医療機関を把握する必要がある。
5つ目といたしまして、医学的にリスクの高い妊娠であって、かつ社会的に支援が必要な妊産婦について、包括的な産前・産後も含めた継続的なサポートのために、産婦人科、産婦人科以外の診療科等の医療機関と、子育て世代包括支援センターを含む自治体等との連携を推進する必要がある。とさせていただいております。
続きまして、(2)母子健康手帳の活用についてになります。
14ページのマル3の今後の取組までお進みください。
まず、1つ目でございますが、母子健康手帳を多言語化し、それを活用した効果的な支援方法等について調査研究を行うことで、日本において母子保健情報を活用し、安心して出産・子育てが出来るよう推進する必要がある。
2つ目としまして、母子健康手帳に、かかりつけ医療機関を記載する、医療機関の受診状況を本人同意の上で任意で医療機関が記載することについて問題ないことを周知するなど、妊産婦に対する利便性を向上させる必要がある。
3つ目でございます。妊産婦の診療においては特別な配慮が必要なことから、妊産婦自身の健康管理のため常に母子健康手帳を携帯し、薬局や歯科医院も含めた医療機関等で母子健康手帳の提示を行う等、妊産婦自身が医療機関等において、妊娠中や授乳中であることを示すように促す必要がある。また、そのことについて、母子健康手帳交付時に関わる保健師、助産師、産婦人科医等から妊婦に対し、妊婦本人の健康のために有用であることから声かけを行う必要がある。とさせていただいております。
15ページにお進みください。「妊産婦の健診や診療の評価等の在り方について」でございます。
マル1の現状と課題は、ほぼ前回と同じ内容になっております。
マル2の主な意見の中段下になりますが、診療に係る費用についてということで、前回の松本構成員、野口構成員の御意見を踏まえたものがマルの1つ目でございまして、医療費は、公費、保険料、自己負担から構成されており、医療保険の自己負担の在り方については、妊産婦という状態に注目した基準が可能か、他の状態の方との公平性をどう考えるかなどを含め慎重な検討が必要ではないか。
○の2つ目でございますが、青木構成員からいただいた御意見を反映させていただいているところでございまして、各自治体においては、妊娠から出産、その後の子育て支援という一連の中で、総合的に判断して現在の制度を組み立てているので、妊産婦の診療に係る自己負担への支援制度も含め、自治体がそれぞれ地域の実情を踏まえた上で支援ができるようにすべきではないか。というものを追記させていただいております。
16ページにお進みください。マル3、今後の取組でございます。
妊婦健診、産婦健康診査についてでございます。妊婦健診における公費補助額を超える自己負担が発生しないような工夫又は妊婦に説明した上で、同意に基づく選択による自己負担が可能となる取組の検討や、産婦健康診査の拡充については、引き続き検討する必要がある。
2つ目でございます。妊産婦に対する診療の評価等の在り方について。
まず、1つ目、妊産婦の診療には、通常より慎重な対応や、胎児や乳児への配慮が必要である。そのような妊産婦への診療に際しては、診療・薬の内容について、文書を用いて説明を行ったり、産婦人科の主治医への情報提供を適切に行ったりすることが重要である。
○の2つ目、単に妊婦を診療したのみで加算されるといった、前回と同様の妊婦加算がそのままの形で再開することは適当でないと考えられる。一方、上記のような点を踏まえれば、妊産婦の診療において、質の高い診療やこれまで十分に行われてこなかった取組を評価・推進することは必要である。今後、妊産婦への診療に対する評価に当たり必要と考えられる具体的な要件や名称等については、中央社会保険医療協議会で議論されるよう期待する。
また、妊産婦が健診以外で医療機関を受診した際の負担については、これから子どもをほしいと思う人にとって、ディスインセンティブとならないようにすることが必要であり、他の受診者との均衡や政策効果といった点を勘案し、引き続き検討すべきである。
次、負担の軽減につながる制度の周知についてでございます。
妊産婦の経済的な負担の軽減につながるような各種制度について、妊産婦に対して更なる情報提供を行う必要がある。とさせていただいております。
最後、17ページをお開きください。
「おわりに」というところで、平成31年2月からこれまで●回にわたって妊産婦に対する保健・医療体制について検討を行ってきた。本検討会では妊産婦に対する相談・支援の在り方や医療体制の在り方について多岐にわたる議論を行い、意見を取りまとめた。
少子化社会が進展する昨今においては、個々の妊産婦に対し、より地域に密着した妊産婦への保健・医療体制の構築に向けた取組が求められている。
地域における妊産婦に対する優しい社会を成熟させるためには、行政機関だけでなく地域住民、医師会等の関係団体、医療機関、介護福祉機関などが連携して実情に合った、きめ細やかな取組が必要となっている。地域全体で妊産婦への理解を深め妊産婦が安心できる社会づくりを目指し、行政機関や関係機関はその支援をしていかなければならない。
本検討会で課題等の整理を行った、妊産婦に対する相談・支援や、妊産婦に対する医療体制については、引き続き取組を進めるとともに、中央社会保険医療協議会においては、本検討会での取りまとめも踏まえ、妊産婦に対する診療の評価の在り方について、更なる検討を進めることを期待する。
国においては、今後とも、妊産婦に対する保健・医療体制を構築するため、関係機関と協力・連携の上、引き続き取り組んでもらいたい。とさせていただいております。
以上でございます。
○五十嵐座長 御説明ありがとうございました。
それでは、先ほど申し上げましたように、4つのパートごとに議論していきたいと思います。
初めに、最初のパートの「はじめに」「妊産婦に対する相談・支援の在り方」について御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。どうぞ。
○戸矢崎構成員 全国保健師長会の戸矢崎です。
相談・支援の部分と医療提供の次のパートにもかかわる内容かもしれないですが、3ページ目の産後の相談・支援、現状と課題に書かれておりますが、産後2週から8週の間、当たり前ですが、産婦さんの体調不良、トラブルというものがつきものです。さらに、授乳に関することの不安は、現状として触れられていたかと思います。
さまざまな相談に対応していますが、一番困るのは夜間・休日であるとよく話題に出てきます。実際、出産間もない産婦さんがそういったときに頼りにされるのは、出産された医療機関だと伺っております。そのため、夜間帯、休日に実際は、電話相談の対応を医療機関が対応されていると思います。ただ、病院のスタッフの方々のお話を聞きますと、専門スタッフの体制が非常に厳しいというお話もよく耳にします。そこで、相談と医療提供の部分にかかわりますが、医療機関の夜間帯・休日帯の相談体制の充実というところも、一つの視点として必要ではと思っています。
診療報酬改定の中でも、そのような視点で議論していただくことを期待したいと思います。年間の出生数がある程度ある、分娩を取り扱っている医療機関に対して、相談体制、特に夜間・休日のスタッフの体制ができているところについては加算するなど、専門スタッフの配置というところも配慮できるようなシステムなども考えていただく必要性があるのではないかと思っています。
以上です。
○五十嵐座長 ありがとうございます。もう少し具体的に書いていただきたいということですね。
ほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○中井座長代理 どうもありがとうございます。
妊娠前・中の相談支援というところと、産後の相談支援と、これは妊娠中・産後と分けてまとめられているのですけれども、課題のところでは、1つは社会的な不安や問題のある特定妊婦さんなどの案件、それから授乳のこと、メンタルのことと3つ課題が挙がっています。
その取組のほうで、特に4ページ目の産後の相談・支援のほうを拝見していますと、これは現状、行われている授乳のさまざまな支援のことであるとか、産婦人科医会が行っているメンタルヘルスのことをさらにプッシュするというのと、真ん中の2つ目のポツのところでは全般的な書きぶりがあるのですけれども、課題で挙げてある社会的な問題を抱えた方であるとか若年といった方も、1つにはちゃんと対象になっているというのを取組にぜひ入れていただいたほうがいいのではないかと思いました。
それから、特に、これは産後のほうでは、母と子ども。これは主な意見のところにも、同時にサポートしていくという観点が出ておりますので、そういったことも加えていただければいいのではないかと思いました。
○五十嵐座長 今後の取組のところに追記していただきたいということですね。
事務局、いかがでしょうか。
○木下課長補佐 4ページのマル3の今後の取組の○の2つ目で、今、中井構成員の御指摘ございました「母と子どもを同時サポートしていく観点からの」というものは記載させていただいているところでございまして、これをどう今後、具体的にやっていくのかというところは課題としてあろうかと思っております。
また、若年の妊婦や特定妊婦のお話につきましては、5ページ目のマル3の今後の取組というところで、妊娠中・前とか産後ではなくて、(3)の支援を必要とする女性の相談・支援についてというパートの中でまとめさせていただいているところでございますので、ここでもう少し何か書いたほうがいいという御指摘であれば、ちょっと御意見いただければと思います。
○中井座長代理 そうですけれども、(3)の支援を必要とする女性の相談・支援ということになれば、これは妊娠中と産後の前段を受けて、そこで挙がってきた人へのシステムという形じゃないかと思ったものですから、産後のほうでも、社会的なハイリスクというのは、そこから生じることもあるので、そこにも何らかのものを入れていただきたいなと思ったことが1点。
それから、今のお話が出たので、そのまま続けますが、(3)の支援を必要とする女性への、5ページ目のマル3の取組では、予期せぬ妊娠に集約してしまっていて、必ずしも予期せぬ妊娠じゃなくても、確信犯的社会的ハイリスクということもありますので、ぜひここでも社会的ハイリスク、それからメンタルケアの問題、そういうことも触れた上で書くのが筋。これだと、望まない妊娠だけで終わっているなという印象があったものですから。
○五十嵐座長 どうぞ。
○小林課長 母子保健課長でございます。
先生の御指摘を踏まえまして、修文を検討させていただきます。
○五十嵐座長 5ページのマル3の今後の取組の1つ目の○の最後の行に少し追記することになると思います。ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。
では、次のパートの議論に移ります。2つ目のパートの「妊産婦に対する医療提供の在り方について」、御意見をいただきたいと思います。
どうぞ。
○鈴木構成員 7ページ目の今後の取組の一番最初のところですけれども、妊産婦様に対しまして母子健康手帳を携帯することの啓発の部分ですけれども、もちろん、これは最終的な目標としまして、妊産婦様に常に携帯してもらって提示することを示しているのですけれども、なぜそれが重要になってくるかということで、母子手帳が他科の連携のために使えるように中身を少し改訂していただいて、それを持つことによっていろいろなメリットがあるようなことを前提としているといいと思いますので、まず最初に母子手帳につきまして、連携に使用できるように改訂を考慮するということを書いていただければと思っております。それが1つ目です。
もう一つは、産婦人科以外につきましての一番最初のところですけれども、これは連携をとる仕組みについてという形を前提として文章がありますけれども、連携体制をとる、構築するということを、まず最初に書いていただいて、そしてこの文章に続けていただければと思っております。
以上です。
○五十嵐座長 7ページの今後の取組の最初の○のところに、産婦人科だけじゃなくて、その他の各診療科との共有を目指した、共有ができるような形での母子健康手帳の改訂。
○鈴木構成員 改訂を考慮することをお願いしたいと思っています。
○五十嵐座長 改訂も考慮するというか、必要であるという文章を入れてほしいということですが、これはどうでしょうか。小林課長、どうですか。
○小林課長 前回も申し上げたのですけれども、母子健康手帳は、母子保健法上の位置づけとして、妊婦さん本人の自己健康管理に資するということから制度化された経緯があります。本人が自己管理し分娩を安心して行うことが出発点でございまして、中には機微情報もありますが、本人の同意がある場合に他科との連携に使うことはもちろん差し支えないのですけれども、本人の同意なく強制的に母子健康手帳を利用することは不適切であり、そういった配慮は必要かなと考えているところでございます。
○鈴木構成員 ありがとうございます。
その点は十分に理解しております。ただ、少し考慮していただくということと。
これだけですと、結局、提示だけになってしまいますので、持っていなくても妊娠していますよと伝えれば済むことかなという印象をちょっと受けたものですから、母子健康手帳につきまして少し考えていただくようなことを項目として入れていただければと思いまして、発言させていただきました。
ありがとうございます。
○小林課長 母子健康手帳については、報告書の後半部分でも取り上げているので、7ページでは簡略的に書いてございます。
○鈴木構成員 ありがとうございます。
○五十嵐座長 どうぞ。
○牧野構成員 ありがとうございます。歯科医師会の牧野でございます。
10ページですけれども、主な意見のところで○の4つ目、日本歯科医師会では、つわりが落ち着く妊娠4カ月頃を目途に歯科健診を受けることや、必要な歯科治療を受けることを勧めているということは、第2回のときに申しました。第4回の発言が今回のレクのときに入っていなかったので、入れてくれとお願いして、入ったのがこの文章です。第4回のときには、私は告示で14回ということが出ているけれども、歯科も1回は義務づけるべきではないかということを申しました。ですから、妊婦健診14回のうちの1回は歯科健診も行うのがよいのではないかというマイルドな言い方ではなく、義務づけていくべきではないかと申し上げたつもりでございます。事務局のお考えをお伺いしたいと思います。
○五十嵐座長 どうぞ。
○小林課長 母子保健課長でございます。
義務づけるという修正意見をいただきましたが、母子保健法上の整理といたしまして、妊婦健診については、市町村に対して実施を義務づけているものでございますが、妊婦本人に対しては受診に努めるよう推奨しているものでございます。国民一人一人に対して健診を義務づけるという制度ではございませんが、御指摘を踏まえて表現を、1回は歯科健診を推奨するといった趣旨で、この文章は記載させていただいております。
○五十嵐座長 どうぞ。
○牧野構成員 その辺もわかった上で申し上げたつもりでございます。ただ、14回のうちの1回を歯科でということを申したわけではございませんので、14回必要だということは私も思っておりますが、それにプラス、歯科というものを行うとよいというよりは、もう少し義務というか、制度というか、そういう表現をしていただけたほうがありがたいなと思っております。
○小林課長 ただ、義務という言葉はちょっと支障があると考えますけれども、御指摘を踏まえて、また表現は工夫させていただければと思っております。
○五十嵐座長 どうぞ。
○平川構成員 今の点を確認させていただきたいのですが、妊婦健診14回のうち1回は歯科健診を行うということは、妊婦健診を13回にして、歯科健診を1回にするという意味ではなくて、あくまでも妊婦健診14回は既存のままある上で、妊娠中、少なくとも1回は歯科健診を行うべきであるという御主張と理解してよろしいですか。
○五十嵐座長 どうぞ。
○牧野構成員 おっしゃるとおりであります。ただ、妊娠中1回はというよりは、つわりが落ち着くころという文言も入れていただいたほうがよいかと思います。妊娠中というのは、出産前ですと、健診を受けてももう手遅れということもございますので、ちょうど安定期に入る前に健診を受けるというニュアンスがあってほしいと思っております。
○中井座長代理 済みません。つわりは必ずしも全部の妊婦に起きませんので、別につわりでなくても、今のような妊娠の初期とか、妊娠は僕たちの言い方ですと、第1三半期という言い方がありますので、第1三半期に受けると。逆に、疾患名は除いていただいたほうがいいような気がいたしました。
○五十嵐座長 妊娠した初期のころ、3カ月ぐらいの間ということでしょうね。
では、「つわりが落ち着く妊娠4カ月頃」という文言を、少し表現を変えることをお願いしたいと思います。
それから、本当はもうちょっと義務という言葉を付け加える事は難しいでしょうが、強く勧めるなどのもう少し強い表現にできるか検討していただきたいと思います。
ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょう。どうぞ。
○井上構成員 井上です。
7ページに戻りますが、産婦人科以外の診療科への受診の状況についての3番目のところに「妊娠中のコモンプロブレムに対応可能なかかりつけ医を持つこと」を勧めると入れていただきまして、非常に明確でよろしいかと思いますが、先ほどもありましたように、妊娠中から産後にかけてもコモンプロブレム、多くございますし、妊娠高血圧症候群や糖尿病等のフォロー等も必要になることがございますので、細かいことでございますが、「妊娠中から産後の」と入れていただけるとよろしいかと思います。
また、その上の行で「全ての医療機関で妊産婦の診療を行えていない現状を踏まえ」とございますけれども、実際に全ての医療機関で妊産婦の診療を行わなければいけないというものではないと思います。医療機関や診療科によって役割が異なりますので、どのような診療科、どのような医師がその役割を持っているのか、これを明確に書いていただくとよいのではないかと思います。
その上のところで地域の実情が異なるということがございますので、地域の実情によって、どの診療科、どのような医療機関がその役割を担うのかが異なる。これは、今回の検討会で余り議論にならなかった点かもしれませんけれども、そこが明確でないと、産婦人科以外の診療科の先生方も全員、妊産婦を診なければいけないという趣旨になってしまいますので、そこの修正を少し検討いただければと思います。
○五十嵐座長 先生、最初におっしゃったコモンディジーズというのは、どこに入れたらいということですか。7ページの産婦人科以外の診療科への受診の状況についての何番目の○に。
○井上構成員 失礼しました。3番目の○の2行目に「妊娠中の」とありますが、妊娠中から産後、また生涯にわたる健康という形で入れていただいてもと思いますが、いかがでしょうか。
○五十嵐座長 ここですね。ありがとうございます。
この点はいかがですか。
○木下課長補佐 事務局でございます。
今、井上構成員の御指摘でありました1点目、コモンプロブレムに関しましては、妊娠中のみならず産後もという御趣旨ですので、追記させていただければと思います。
また、その前の段階の「全ての医療機関で妊産婦の診療を行えていない現状を踏まえ」というところは、御指摘ありましたように、地域における医療提供体制が異なることを踏まえといった趣旨に変更させていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○井上構成員 ありがとうございます。結構です。
○五十嵐座長 そのほかはいかがですか。どうぞ。
○髙松構成員 日本薬剤師会の髙松です。
11ページのマル3の今後の取組、薬剤の部分になりますが、2つ目の○のところで、かかりつけ薬剤師・薬局の活用について文言を追加していただきまして、ありがとうございます。ただ、ここの書きぶりを見てみますと、医薬品に関する適切な情報提供に関してのみ、かかりつけ薬剤師・薬局を活用するともとれてしまうようにも捉えられますので、その言い回しを途中のところから、より適正な薬物療法のためには、妊産婦が使用する薬の一元的・継続的な把握が必要であるため、かかりつけの薬剤師・薬局を持つことを妊産婦に勧める必要があると修正していただいたほうが、よりかかりつけとしての役割がわかると思います。
○五十嵐座長 11ページですか。
○髙松構成員 11ページのマル3の今後の取組の上から2つ目の○です。「医療者から妊産婦に対し、医薬品に対する適切な情報提供」というところです。そこの後半部分のかかりつけ薬剤師・薬局に係るところが、情報提供のみに対してという意味合いにとれてしまうので、薬剤師は情報提供だけでなく、いろいろな相談・対応をします。より適切な薬物療法のためには、妊産婦が使用する薬の一元的・継続的な把握が必要であるため、かかりつけの薬剤師・薬局を持つことを妊産婦に勧める必要があるという文章にしていただけるとよろしいかと思います。
○五十嵐座長 趣旨はわかりましたけれども、事務局、いかがでしょうか。
○木下課長補佐 今すぐに書き取れなかったのですけれども、趣旨を踏まえた修正を検討させていただきたいと思います。
○五十嵐座長 後で正確な文章を提示していただきたいと思います。
○髙松構成員 もう一点、追加でいいですか。
○五十嵐座長 どうぞ。
○髙松構成員 ここの同じパートのマル3の今後の取組の3つ目の○と5つ目の○のところに、妊娠と薬情報センターの利用について、「妊産婦及び医師が使いやすいように周知を行う必要がある」と、妊産婦及び医師と限定されているのは何か理由があるのでしょうか。薬剤師もいろいろかかわっているので、できれば医療者としていただけると、ほかの職種の方々も相談しやすくなるかなと思うのですが。
○五十嵐座長 医師を医療者に変えるというのはどうですか。
○木下課長補佐 現状として、医師しかアクセスできないという状況がございまして、今後は見直しも含めて検討していきたいと関係部局から伺っているところではございます。御指摘いただいたように、ほかの職種にも広げていくべきという問題意識は持っているところでございますので、今後の課題として受けとめさせていただければと思っています。また、医療者という表現に変えられるかどうか、関係部局と調整させていただければと思います。
○五十嵐座長 ぼやかして「医師等」としてもいいのかもしれないですね。ありがとうございます。
ほかはいかがですか。どうぞ。
○中島構成員 読売新聞の中島です。
細かいところですが、8ページ目の今後の取組の最初の○の、妊産婦に対し診療内容をわかりやすく伝えるための文書の例示ということで、これは受ける側としては、より丁寧なプロセスということで評価すべき点だと思います。
お願いですけれども、何のためにわかりやすく伝えるのかというところを入れていただきたい。それは、例えば10ページの妊娠と薬のところにあるように、たとえ説明しても自己判断でお薬をやめてしまうという方が例として挙げられていますけれども、その背景にあるのは漠然とした不安だと思うのです。なので、例えば妊産婦に対し診療内容をわかりやすく伝え、不安の解消に役立てるためとか、そういう何のためかというのを入れていただくと、読んだ方にとてもわかりやすく伝わると思いました。
以上です。
○五十嵐座長 不安の解消を図る。
○中島構成員 図るでもいいと思います。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。
では、次のパートの議論に移りたいと思います。3つ目のパートです。「妊産婦に対する連携体制の構築について」、御意見をいただきたいと思います。11ページ以降ですね。いかがでしょうか。
これについて、きょう御欠席の井本構成員からの御意見が事務局に来ておりますので、御披露いただけますでしょうか。
○木下課長補佐 事務局でございます。
本日御欠席の井本構成員から御意見いただいておりますので、読み上げさせていただきます。
取りまとめ(案)に関する意見。今回、提示された取りまとめ(案)の「4 妊産婦に対する連携体制の構築について」、以下2点を述べます。
1つ目、自治体と医療機関の連携を具体的に推進するため、医療機関側の窓口として、院内助産師外来を活用いただきたい。
2つ目としまして、連携をより密にするために、自治体側の体制整備として保健師の確保が必要である。
以上でございます。
○五十嵐座長 具体的にはどこに、例えば院内助産師外来とかを入れたほうがいいということなのでしょう。今後の取組ですか。
○木下課長補佐 事務局でございます。
いただいたところとちょっと違うのですけれども、6ページで御意見として入れさせていただいたところが1カ所ございます。下から5行目でございますが、産婦人科医の負担軽減を図りつつ、ハイリスク妊産婦への対応を充実させるためには、助産師と役割を分担していくとともに、院内助産・助産師外来の活用を推進していくべきではないかというところで、産婦人科医の中で産婦人科医療機関との連携というところで、院内助産の活用ということは意見として入れさせていただいているところでございます。
○五十嵐座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
それでは、11ページ以降、いかがでしょうか。パート3について。どうぞ。
○鈴木構成員 医会の鈴木と申します。
13ページの今後の取組の2つ目のところですけれども、不安を抱えている妊産婦が里帰り出産などで移動する場合の、自治体間での連携をより密にすることを促す必要があるという文章で、特定妊婦に関しましては、すでに自治体間の連携が密になっていることができ上がっていることを前提とした文章だと思うのですけれども、実際の印象としましては、特定妊婦においても、自治体間の連携が密になっているとはとても思えないような状況もございます。
なので、前のほうに「特定妊婦はもちろんのこと」とか「移動する場合においても」という形で、ここのところで特定妊婦について書くことはちょっと違和感があると思いますので、そういったことに関しましては、もう当たり前のことだという表現だけつけ加えていただいて書いていただいたほうがいいのではないかと、まず1つ思っております。
もう一つは、4番目ですけれども、各都道府県におきまして精神科医療機関を把握するリストをつくるということだと思うのですけれども、これにつきましては、そのものに関してどうかという意見もあると思いますけれども、都道府県単位ですと、市区町村によってかなり温度差がございまして、結局、東京都で遠くのほうを把握していても、妊産婦様はできるだけ近くの医療機関を受診することを考えますと、各市区町村でという形で、もっと細かく書いていただいたほうが、いいのではないかと思っております。
以上です。
○五十嵐座長 これはどうですか。都道府県ということは、市町村も場所が出てくるわけですね。あえて都道府県ではなくて、市区町村レベルとしたほうがよろしいでしょうか。
○鈴木構成員 市区町村ではもちろん施設がないところもあるわけですけれども、できるだけ近隣にという意味で思ったものですから、そういったことを含んだという言葉でございましたら、特にそのままで結構でございます。
○五十嵐座長 要するに、お住まいになっているところに近い医療機関が提示されればいいわけですね。ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○中井座長代理 14ページの母子手帳の、先ほど小林課長が言われた補足の部分というのは、多分この辺になるのではないかと思うのですが、マル3、今後の取組のところです。例えば、2つ目の○の、これは書きぶりなのかもしれないですが、「かかりつけ医療機関を記載する、医療機関の受診状況を本人の同意の上で任意で記載することについて問題ないことを周知する」。たしか、課長が先ほど御懸念されたのは、御本人の同意であるとか、その辺だと思うので、そういった同意があればというのも前出ししていただいて、しっかりとそれを利用することができるぐらいの書きぶりはどうでしょうか。
○小林課長 例えば検査の記載欄におきまして、HIVとか肝炎など感染症に関する記載欄がございます。このような個人情報については、非常に慎重な取り扱いが必要であると、行政として認識してございます。その上で、今、先生の御指摘を踏まえて、どういった書き方ができるか、検討させていただきます。
○五十嵐座長 同意があればいいだけではなくて、そこには慎重な姿勢が基本的に必要なことが示せるような文章に変えていただきたいということでよろしいでしょうか。
○中井座長代理 それで、かつ、もう少し前向きなといいますか、活用できる方向でお願いします。
○五十嵐座長 基本的には大いに活用していただきたい。しかし、それには同意あるいは慎重な姿勢が必要であるという意味でしょうか。ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○戸矢崎構成員 13ページの今後の取組の2つ目になります。先ほど井本構成員からの御意見もいただきましたが、子育て世代包括支援センターや妊娠期からのかかわりをしていくと、継続的にかかわらなければいけない妊婦さんの把握数が増加していると感じています。また、里帰りの出産も含めて、医療機関につなぐなどの対応が非常に増加しており、正直言いますと、現行の体制での負担感を感じているというのは、どこの市町村もあるのではないかと思っています。
そのため、自治体間の連携だけではなく、自治体の支援体制の充実を図り、その上で連携という形で表現を加筆していただけると、非常にありがたいと思います。
以上です。
○五十嵐座長 自治体間での連携の前に「支援体制を今まで以上に充実させ」という文章を入れてほしいと言う御意見です。ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○石井構成員 おくれて参りまして、済みませんでした。
今の今後の取組の1つ目のところですけれども、「子育て世代包括支援センターにおける」というところで、ガイドラインを見直し、質の向上、設置の推進ということにあわせて、ぜひ入れていただきたいのは、このセンター自体を周知させるというか、妊産婦さんがアンテナを張っていなくても耳に入るようなレベルでの、広報に近いのかもしれないですけれども、そういったことにもうちょっと力を入れていただかないと、せっかくいいセンターができたとしても、活用が不十分ではないかなと思いますので、そういう周知・広報についてもぜひ盛り込んでいただきたいなと思いました。
以上です。
○五十嵐座長 これはどうなのでしょう。まだ余り知られていないのでしょうか。一般の方にも知っていただくような活動が必要だということですね。
どうぞ。
○木下課長補佐 事務局でございます。
3ページにお戻りいただきますと、上から五、六行目あたりになります。支援センターの認知度を上げる取組をもっとやるべきだという御趣旨かと思っておりまして、こういったイメージを持つパンフレット作成や一元的な連絡先の例示として、支援センターの記載ということを挙げさせていただいておりますので、こういった取組をしっかりやっていくべきかなと思っておりますが、こういった記載でもよろしかったでしょうか。それとも、同じ場所にもう一度書いたほうがいいという御趣旨ですか。
○石井構成員 それでしたら、3ページのほうにボリュームを厚くしていただいても全然問題ないのですけれども、パンフレットをつくった、連絡先を一元化した、というだけでは必要としている人に届かないなというのが実感としてあるので、受け身と言うとちょっと語弊があるかもしれないですけれども、そこにアンテナを張っていない妊産婦さんにも、行政なり、医療機関なり、国なりが積極的にこういうものがあるのですということが伝わる周知・広報みたいな部分に力を入れていただきたいなという希望です。たしかに先ほどの場所より3ページのほうが適切かもしれませんが、そういった部分を含めていただけたらうれしいなと思いました。
○五十嵐座長 それでは、この3ページの一番上の○に周知・広報の文言を少し考えて入れていただきたいと思います。
そのほか、いかがでしょうか。どうぞ。
○平川構成員 今のところは、妊産婦さんに対する行政のさまざまなサービス、例えば、地域での集まりであるとか、妊産婦さんと触れるあらゆる機会を捉えて情報を発信する、提供するという自治体の方々の御努力を期待したいと私は思います。ネット上の発信等も大変重要なツールではありますけれども、それ以外にも地域でさまざまな試みが行われております。
以上です。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○小林課長 子育て世代包括支援センターについて、若干補足させていただきますと、マル3の今後の取組のところを中心に先生方、ごらんいただいてございますけれども、11ページの下の段から12ページにかけまして、子育て世代包括支援センターの現状と課題を記載させていただいてございます。令和2年度末までに全国展開を目指しているところでございますけれども、11ページの一番下の注釈にございますように、現時点で761市区町村の設置にとどまっているというところ、我々も非常に問題認識を持ってございます。
12ページのほうでも、子育て世代包括支援センターのより一層の機能の拡充ですとか運用の強化なり周知を図っていく必要があると認識してございますので、今の御指摘も踏まえて取り組みたいと考えております。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
ほかはよろしいですか。
それでは、最後のパートの議論に移りたいと思います。「妊産婦の健診や診療の評価等の在り方について」と、一番最後の「おわりに」の言葉ですね。この点について御意見をいただきたいと思います。どうぞ。
○中西構成員 たまごクラブの中西です。
16ページの負担の軽減につながる制度の周知についてという、一番下のところですけれども、「妊産婦の経済的な負担の軽減につながるような各種制度について、妊産婦に対して更なる情報提供を行う必要がある」とあるのですが、この情報というのが、妊産婦さんに対してだけ発信していても、結局広まらないというか、プラスして社会全般に対して、もっと広く情報提供するという姿勢を示したほうが、だんなさんとか周りの人から、これ、知っているという形でどんどん広まっていくと思いますので、いいかと思いました。
以上です。
○木下課長補佐 事務局でございます。
御指摘を踏まえて修正したいと思います。
○五十嵐座長 16ページの一番下の部分の「妊産婦に対して」というのを、もう少し広くということですね。広く一般にということでしょうかね。ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○平川構成員 医師会の平川です。
16ページの中ほど、妊産婦に対する診療の評価等の在り方についての2つ目の○の最初の行ですけれども、「単に妊婦を診療したのみで加算されるといった、前回と同様の妊婦加算がそのままの形で再開することは適当でないと考えられる」という表現がございます。事務局に御確認させていただきたいのですけれども、前回の改定で創設されたわけですけれども、妊婦加算の趣旨について御説明いただきたいと思います。
○五十嵐座長 どうぞ。
○森光課長 妊婦加算の趣旨ということで、改めて御説明させていただきたいと思います。1ページ目の「はじめに」の4つ目の○をごらんいただければと思います。読み上げさせていただきますと、平成30年度診療報酬改定において、妊産婦の診療については、通常よりも慎重な対応や胎児や乳児への配慮が必要であり、妊婦に対する通常よりも丁寧な診療を評価する観点から創設されたというものでございまして、そういう趣旨での加算であったと考えております。
○平川構成員 ありがとうございます。
妊産婦さんに対する診察というのは、非妊婦に比べて配慮が必要であるという趣旨の加算と思うのですが、「単に妊婦を診療したのみで加算されるといった、前回と同様の妊婦加算」という記載がありますけれども、趣旨と照らして、この表現が正しくないのではないかと感じるのですけれども、いかがでしょうか。
○五十嵐座長 どうぞ。
○森光課長 御指摘の箇所でございますけれども、今回の検討会に至った、まず妊婦加算の凍結というところに至った背景として、昨年秋以降に加算の趣旨に反するような事例の報道というか、そういう情報があったということと。
それから、加算の趣旨としては、まさに先ほど御説明したとおりではございますけれども、いわゆる診療報酬のルールという点では、妊婦加算の算定に当たっては、いわゆる乳幼児加算とかほかの加算と同じように、特段要件がなくて、ルール上、そういうものがなくて、全ての妊婦さんに診療を行った場合には、ある意味自動的にというか、そういう形で加算になっていたといったルール上の問題があったということを踏まえて、このような記載にさせていただいているということでございます。
○平川構成員 妊産婦に対する診療というのは、特段の配慮が必要であって、産婦人科医師、産婦人科以外の医師、その配慮をしながら診療しているわけですが、その配慮がなかなか妊産婦さんに伝わらなかったというところが今回の議論の発端のように思いますので、その点、御確認させていただきたかったところでございます。
以上です。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
ここのところは、文章として、16ページの妊産婦に対する診療の評価等の在り方についての2つ目の○、今、御指摘いただいたところですけれども、「再開する」ではなくて、「再開されることは適当ではない」のほうがいいのではないかと何人かの先生がおっしゃっていますので、よろしくお願いします。これも「される」に変えていただきたいと思います。
そのほか。どうぞ。
○中島構成員 読売新聞の中島です。
15ページの下のほう、診療に係る費用についての最初の○で、まず、確認ですけれども、この文章の中の医療保険の自己負担の在り方というのが、あくまで公的医療保険の患者の自己負担割合2割とか3割ということですとか、高額療養費制度限度額、このことを指しているのでしょうか。
○木下課長補佐 事務局でございます。
今、構成員の御指摘のあったところを想定しております。
○中島構成員 それでしたら、これは一般の方も読むということを想定して意見を申し上げたいのですが、先ほどの妊婦加算をめぐる問題の中でももちろん感じているのですけれども、一般の方たちは、そもそもの診療報酬のたてつけというものを十分理解していらっしゃらない方が多いと思うのですね。乳幼児加算はあるけれども、実質的に加算を含めて、乳幼児の医療費助成制度というものがありますので、中には子どもの医療費はただ、自己負担はゼロと思っている方も結構いらっしゃいます。
なので、この書き方は「最初に医療費は、公費、保険料、自己負担から構成」されているという、この基本から書いていただいたのはとてもいいことだと思うのですけれども、例えばその後「医療保険の自己負担の在り方については」というところで、現状は、私の理解ですと、年齢と所得というのが基準だと思います。年齢と所得の基準がある。妊産婦という状態に注目した基準というものはこれまでないと思いますので、今後、状態に注目した新たな基準が可能かというような表記にしていただくと、一般の方が読まれても、診療報酬の制度というものの基本も含めて理解していただけるのではないかと思いました。
○五十嵐座長 これは、もう少し詳しく、具体的にわかりやすくということですね。ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○井上構成員 16ページ目の真ん中あたり、妊産婦に対する診療の評価等の在り方についての1つ目の点についてです。最後の部分で「産婦人科の主治医への情報提供を適切に行ったりすることが重要である」とありますが、これまでの議論にもございましたように、連携体制をとっているということが評価されるべきではないかと思います。
これですと、一方的に情報提供を行っているような、情報が一方向のような印象を若干受けますので、表現上のことではございますが、例えば産婦人科の主治医との間での情報共有や連携体制を適切にとっているといったような表現にしていただきますと、産婦人科からかかりつけ医への情報提供も含まれてくるかと思います。その双方向のやりとりや、連携そのものの強化という意味合いを含めていただくといかがかと思いました。
○五十嵐座長 いかがですか。
○木下課長補佐 事務局でございます。
ここは、取組の説明というか、情報提供は例示ではありますけれども、構成員の御指摘を踏まえまして、例えば産婦人科の主治医との情報共有や連携体制等を適切に行っているといった趣旨の修正を行いたいと思います。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○平川構成員 日本医師会の平川です。
16ページの今のところの3つ目の○です。「また、妊産婦が健診以外で医療機関を受診した際の負担については、これから子どもをほしいと思う人にとって、ディスインセンティブとならないようにすることが必要」であるという、ここの意味がちょっとわかりにくいかなと思いましたので、事務局のほうから意味を説明していただけませんか。
○五十嵐座長 どうぞ。
○森光課長 この文章については、もともとの検討会の趣旨でありました、例えば妊婦加算みたいな話の中で、医療機関を受診した際に、さらに妊婦さんであるということで負担になる。サービスを受けることによって費用がふえるということが、子どもを欲しいと思う際に、これは納得感ともかかわる部分ではございますけれども、最初に妊婦加算の凍結の原因になったような、サービスをきちんと受けているのだけれども、実感がないまま負担がふえるといったことが、子どもを産もうとするときに、精神的にもいろいろな面でディスインセンティブになる。そういうことにならないようにすることが必要だろうという考えから、ここに記載させていただいているということでございます。
○五十嵐座長 妊婦加算があると健診以外で医療機関を受診した際の負担増となるので、これから子どもを欲しいと思う人にとって受診の障害になるということですね。文章をもう少しわかりやすく変えることが必要になるかもしれませんので。平川先生、それでよろしいですか。
○平川構成員 はい。
○五十嵐座長 わかりやすくなるように変更することを考えていただきたいと思います。
そのほかはいかがでしょうか。どうぞ。
○中井座長代理 わかりづらい表現といいますか、16ページの妊婦健診、産婦健康診査についての2行目の、又は妊婦の選択による自己負担が可能となる取組というのがとても難しくて、何かうまい言葉はないでしょうか。妊婦の自己負担が発生しないような工夫というのはわかりやすいですね。又は妊婦の選択による自己負担が可能となる取組、いかがでしょうか。
○小林課長 妊婦健診の公費負担が各市町村で行われてございますけれども、公費負担の内容が自治体によって若干ばらつきがございます。それは、自治体ごとにどういうメニューを公費負担の対象にするかをそれぞれ検討していますが、例えば超音波エコーの検査を多くの医療機関では毎回実施しているケースが多いと思いますけれども、医学的に必要な部分と、妊婦さんからの希望があってやる場合とか、いろいろなケースがございます。
そういうところを、医学的に必要な部分はここまでですと、付加的なサービスはここまでですよというところを、もう少しわかりやすく掲示いただくなり、見える化をしていく必要があるという認識で書いているところでございます。表現がわかりにくいという点については、もうちょっと考えたいと思います。
○五十嵐座長 御指摘のとおり、確かにわかりにくいですね。修正をお願いしたいと思います。
ほかはいかがでしょうか。
では、パート4だけでなくて、全体を通じて何か御意見がありますでしょうか。どうぞ。
○松本構成員 ありがとうございます。健保連の松本です。
事務局の方については、短期間の間に調査もされ、検討会ではそれに基づいた非常に建設的な意見交換ができてよかったと思いますし、また、構成員から出された意見についても、それぞれの主張を実に簡潔によくまとめられた、よくできた報告書(案)だと思います。今日も構成員の方から微修正の意見がございましたが、健保連、保険者としては事務局の案でよろしいではないかと思っております。今日の議論を聞いていて一番感じたのは、既にある制度をもっときちんとわかりやすく広報していくことが重要だということです。
ただ、これは今後も取り組んでいかなければならないと思いますし、今日の御意見の中で考えますのは、いろいろな意見を早くまとめて施策につなげることが一番大事だということではないかと思います。今日の構成員の方の意見もそれほど本質に関わる話ではなく、微調整ということかと思いますので、非常に僣越ですけれども、五十嵐座長に一任する形で、最後にまとめていただければよろしいのではないかと思います。
それと、意見でございますが、特に今回感じたことは、妊婦さんにとってお薬に対する不安感というのが非常に大きいということです。妊娠と薬情報センターも大変御苦労なさっていることかと思いますが、本来、こういったことは薬会社がやるべきではないでしょうか。妊産婦のことを考えて薬を出していると思いますが、実績がないといった記載がされていることがございますので、各社が取り組むのが無理であれば、妊娠と薬情報センターの活動をこれから先もきちんと継続して支援するよう、業界として取り組んでいただきたい。これは業界に対するお願いであります。
もう一つは、平川構成員から御紹介されませんでしたけれども、日本医師会雑誌の5月号、最新号の特集が「妊娠と薬の使い方」という極めて時宜を得たものを取り組んでおられまして、非常に感謝しております。これをもとに、実際の診療の現場の先生方がより質の高い妊産婦に対する診療をやっていただければと期待しているところであります。
ありがとうございます。
○五十嵐座長 成育医療研究センターが妊娠と薬情報センターを運営しています。これまでに、そのような動きも検討されておりました。一つのナショナルセンターがやるべき仕事ではなくて、オールジャパンでNPOの様な形態でやったほうがいいのではないかという御指摘もあったのですが、実現しておりません。重要な御指摘をいただきまして、ありがとうございました。
そのほか、いかがでしょうか。どうぞ。
○石井構成員 今回の趣旨といいますか、取りまとめの中のどこにというのはちょっと難しいのですけれども、今後行政や医療機関がいろいろ体制を整えてという中で、妊産婦さんたち本人に対しての呼びかけも必要なのではないかと感じたので発言させていただきます。これまでの検討会で、私の印象に残っているのが、出産前に育児や家事のサポートについての準備をしていない方が意外と多いということです。自分の体のことや家庭のこと、これからの生活のことを、もしかしたら具体的にイメージしたり、主体的に捉え切れていない人もいるのかもしれないということを感じました。
ここにそぐうかどうかわからないのですけれども、そういう自分の体やこれからの生活に対して、妊産婦さん御自身が、言い方は難しいのですが、意識を高めるというか、気づきを得られるような働きかけもあってもいいのではないかと思いました。まとまっていないので恐縮ですけれども、こういうことも感じました。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
どうぞ。
○髙松構成員 日本薬剤師会の髙松です。
全体を通して、今回は保健・医療体制の在り方に関する検討会ではあるのですが、さまざまな御意見を聞いてみると、社会構造も昔と変わってきて、実際に女性の社会進出がこれからも進んでくると思います。そんな中で、いろいろなところで地域全体でという形でまとめられている文言が多いのですが、雇用している企業などに対してもそういった理解を深めていくことも必要ではないかと思います。そういう意味では、地域全体というのもありますし、社会全体でということを企業側にも少し意識してもらうような書きぶりがまとめられると、良いのかなと思いましたので、これは意見です。
○五十嵐座長 ありがとうございます。それがどこか加えられるかどうか、検討していただきたいと思います。
そのほか、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、きょうの取りまとめ(案)に対して、特に大きな反対はなかったと思います。基本的には、皆さん、賛同いただけているのではないかと思います。
ただ、幾つか修正が必要なところがございますので、これにつきましては、事務局と相談いたしまして修正を加えて、私も見させていただいて一緒に直して、必要に応じて構成員の先生方にも御確認をしていただきたいと思いますが、そのような方向性をとらせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○五十嵐座長 ありがとうございます。
では、そのような方向で座長に一任していただくことにいたします。どうもありがとうございます。
では、そのほか何か御意見、特にございますか。よろしいですか。
それでは、きょうの検討会はこれで終了したいと思います。2月から5回にわたりまして、構成員の先生方には大変活発で有意義な御意見を戴きました。妊娠・出産は昔から行われてきたことですが、社会が変わることによってさまざまな問題が出てきており、妊産婦に対する保健・医療体制の在り方をもう一度見直すことを目的にこの会議で検討戴きました。いろいろな面から御意見いただけたのではないかと思います。そして、本日、取りまとめの方向に行きましたので、座長として大変感謝したいと思います。本当にありがとうございました。
それでは、事務局から何か御発言ございますでしょうか。
○森光課長 構成員の皆様におかれましては、全5回の検討会に御出席並びに御議論いただきまして、ありがとうございました。取りまとめにつきましては、座長の御指示どおりに進めたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、保険局長より御挨拶を申し上げたいと思います。
○樽見局長 構成員の皆様方におかれましては、ことしの2月15日の第1回検討会以来、きょうまで全5回にわたりまして活発な御意見を賜り、本日、一応取りまとめというところまでたどり着いたところでございます。本当にありがとうございます。一言、お礼の御挨拶を申し上げたいと思います。
この検討会におきましては、妊産婦に対する保健・医療体制の在り方につきまして、関係者の方々からのヒアリング、また妊産婦の方々に対する調査をもとに、非常に多岐にわたる議論をいただきました。この検討会、妊産婦に対する保健・医療体制ということで、ここに局長3人、並んでおりますけれども、部局横断して総合的に議論を行うという、ある意味画期的な検討会であったのではないかと思っています。
妊婦加算の凍結ということに端を発した形で始めることにしました検討会でございますけれども、現段階での妊産婦に関する保健・医療の全体を整理していただく中で、どういう点を改善すべきかということが広く浮き彫りになったと感じています。私自身、毎回、目からウロコという感じの思いをすることも、恥ずかしながらございました。この3局長、便宜、私が代表させていただきまして申し上げますが、これらにつきまして、引き続いてしっかりと取組を進めてまいりたいと考えております。
それから、妊産婦に対する診療の評価の在り方ということについては、まさに単純に加算という形でなくて、こうしたあるべき診療の在り方、医療の在り方ということにつながるようにするにはどうしたらよいかという観点から、改めて中央社会保険医療協議会において、さらなる検討を進めるということにしてまいりたいと思います。これは、妊産婦の方を支援する仕組みだということでございますので、それを実感していただけるようにすることが大事だと思いますので、負担の在り方という点につきましても、そうしたことを念頭に置きながら検討してまいりたいと思います。
最後になりますけれども、五十嵐先生を初め、構成員の皆様方に改めましてお礼、感謝を申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。
それでは、これをもちまして第5回の検討会を閉会といたします。