第5回 社会福祉住居施設及び生活保護受給者の日常生活支援の在り方に関する検討会 議事録


 
○日時 平成31年3月26日(火)13:00~15:10

○場所 フクラシア丸の内オアゾ15階 会議室J

○出席者(敬称略)
岡部 卓 (座長) 大西 豊美 (構成員) 奥田 知志 (構成員)
難波 勉 (構成員) 滝脇 憲 (構成員) 立岡 学 (構成員)
辻井 正次 (構成員) 野村 泰洋 (構成員) 菱田 貴大 (構成員)
平野 方紹 (構成員) 水内 俊雄 (構成員) 宮澤 進 (構成員)
山田 壮志郎 (構成員)
 
 
  
○議題

 (1)無料低額宿泊事業の最低基準の考え方
 (2)第4回検討会を踏まえてさらに議論が必要な論点
 
○議事

○岡部座長 定刻となりましたので、ただいまから「第5回社会福祉住居施設及び生活保護受給者の日常生活支援の在り方に関する検討会」を開催します。
 皆様方におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただき、まことにありがとうございます。
 本日の出席者につきましては、お手元の座席表のとおりになっておりますので、これをもって紹介にかえさせていただきます。
 なお、水内構成員は御都合により遅れて出席の予定です。辻井構成員もまだお見えになっておりませんが、来られるかと思います。また、谷口社会・援護局長は公務により14時ころ御退席の予定です。
 それでは、早速、本日の議事に入ります。冒頭のカメラ撮影はここまでとなりますので、カメラの方は御退室をお願いいたします。
 
(カメラ退室)
 
○岡部座長 それでは、議題1「無料低額宿泊事業の最低基準の考え方」について、まずは事務局より資料の説明をお願いいたします。
○清水室長補佐 それでは、資料説明に入らせていただきますけれども、説明に先立ちまして、資料の確認をさせていただきたいと思います。タブレットもしくは配布させていただいた資料を御確認いただければと思います。
 本日の資料でございますけれども、上から、議事次第、資料1、資料2となってございまして、あと、提出資料といたしまして、山田構成員からの資料ということで、全体、4つの資料が配布されているかと思います。
 それでは、資料1の説明に入りたいと思いますので、お開きいただければと思います。
 資料1につきましては、前回、最低基準の全体像ということでお示しした資料、第4回の検討会での意見を踏まえて修正を加えたものとなってございます。説明については、特に修正をした点を中心にかいつまんで説明をさせていただきます。また、この資料については、一部※印のところは、運用上の取扱いとか解釈通知等で示す予定の部分も含まれておりますけれども、基本的には、これらの項目、内容をもとに、省令、最低基準の策定作業を今後してまいりたいと考えているものでございます。
 それでは開いていただきまして、資料の2ページの「無料低額宿泊所の範囲」で、特に修正した点について、緑字で修正をさせていただいております。無料低額宿泊所の事業の範囲、一番下の他法令のところですけれども、こちらについて、前回、予算事業とか、他施策も含めてはどうかという意見もございましたけれども、省令上で、通知上の規制をもとに除外をするという点がどうかといった懸念もありまして、現時点では、法令ということにさせていただいております。
 ただ、基本的に、その他の予算事業等で、他施策、ほかの目的でやられている事業については、また、運用、通知の中で除外をすることも考えてまいりたいと思ってございます。
 2ページ目、「基本方針」は、前回、関係機関も入れてはということで、入れてございます。
 続いて、3ページ、「居室の要件」の一番下の○のところですけれども、扉のところで、「硬質なものとし」というところと、あと、それぞれの「居室ごとに独立したもの」ということで、上の行に書いてあります、屋外、廊下、広間いずれかに面している居室ごとに独立したものがあることということで載せてございます。
 また、3ページ一番下、浴室については、「浴槽を設けること」が必要ではないかということで、入れてございます。
 続いて、4ページでございます。経過措置の関係でございますけれども、1点目、「居室面積に係る経過措置」で、前回、ガイドラインから後退しているのではないかという御意見もございました。ガイドラインでは、居室の面積が満たないところについては、段階的、計画的に基準を満たすようにということで、記載をされていたところでございます。今回、その規定を引っ張りまして、「段階的、計画的に基準を満たすよう整備すること」として、それに向かっての具体的な計画を作成、提出するということにさせていただければということで、今回、提示をさせていただいております。なので、ガイドラインからすれば、より具体的な計画を提出してもらうという要件を定めたいということでございます。
 それから、多人数居室、簡易個室に係る経過措置でございますけれども、前回、経過措置期間を5年ということで提示をさせていただいておりましたけれども、5年は長いのではないかという御意見と、また、一方で、ホームレスの方の主な入居先として活用されていることへの対応が大丈夫かというような御意見もあったかと存じてございます。そのため、5年から3年ということに短縮をしてはどうかということで、今回、提示をさせていただいております。
 また、※印、運用上の取扱いについても、前回の多人数と簡易個室の記載が若干異なっていた部分がありますけれども、一緒にしてはどうかというような御意見がございましたので、記載ぶりは統一をいたしてございます。ただ、特に新規の紹介、生活保護受給者を紹介しないことというところで、現実的には、ほかに利用可能な施設等がない場合などは、やむを得ない場合はあるというところかと思いますので、緑字の文言を追加させていただいてございます。
 続いて、5ページにつきましては、職員配置に関するところでございますけれども、こちらについては、資料2のサテライト型住居に関するところでも若干議題になるかと思いますけれども、これは、前回の資料からは特に修正等はございませんので、説明は省略をさせていただきたいと思います。
 続いて、6ページでございます。一番上、「入居申込者等に対する説明等」のところでございますけれども、主に契約期間のところ。これは、緑字のところは、前回、個別の資料として提出させていただいたものの文言を、この全体の資料の中に落とし込んだという部分でございます。
 また、※印の赤字でございますけれども、前回、御意見として、利用者から申し出た場合の契約解除の規定、具体的には1カ月以内の期間で解除することが可能というような規定を設けるべきではないかというような御意見がございました。こちらについては、具体的な規定ぶりにつきましては、他の法令等との規定も含めて何か支障等がないか、今、検討をしているところでございますけれども、御意見の趣旨を踏まえて、必要な何らかの規定を設けたいということで思ってございます。
 それから、利用料の関係につきましては、こちらの修正点については、「文書で」というところで文言を追加したというところでございます。
 続いて、7ページの「日常生活金銭管理」のところでありますけれども、こちらの具体的な修正点については、9番で、これはそれぞれの管理方法とか記録の方法等の管理規程を設けるというところが、ガイドラインに規定をされていた部分を設けるべきではないかという御意見がございましたので、御意見を踏まえて追記をした部分でございます。
 続いて、8ページになりますけれども、こちらも御意見を踏まえまして、食事に関する、「量」のところ。また、入浴に関しても、前回はガイドラインを踏まえて1週間に3回以上ということにしておりましたけれども、1日1回の頻度で機会を提供することというところを原則として記載をしてございます。状況把握のところは、前回は個別で議論をした内容を全体資料に入れ込んでいるところでございます。その他、非常対策等のところで、消火訓練の記載の追加、また、提示のところで、場所というところで、それぞれの無料低額宿泊所の見やすい場所にということで、文言を追加してございます。
 説明については、以上でございます。
○岡部座長 ありがとうございます。
 事務局から説明がありましたように、無料低額宿泊事業の最低基準としては、今回の資料の内容をもとに策定作業が行われていくことになりますので、御意見がある場合は、今回の検討会で御発言いただくようにお願いいたします。
 それでは、山田構成員から資料が提出されておりますので、山田構成員から御発言をお願いいたします。
○山田構成員 よろしくお願いします。私のほうでは、「無料低額宿泊所の最低基準の考え方」についてという資料を提出させていただきました。全て読み上げていますと、時間がかかってしまいますので、ポイントだけかいつまんで御説明をさせていただければと思っております。特に、1番、2番、3番あたりは前回も申し上げたところと重なるので、簡単に説明をさせてもらいます。
 まず1番の「居室面積に係る経過措置について」ですけれども、今、御説明があったとおり、居室面積基準を満たさない施設に改善計画の提出を求める。それ自体は必要なことだと思いますが、年限を区切るというところが明記されておりません。貧困ビジネス対策は、今、新しく始まるものというよりは、2015年のガイドライン改定で既に7.43㎡なども求められていて、そこから考えると既に4年の経過措置期間を過ぎているという見方もできるわけでございますので、一定の年限を区切ることが必要かなと思っております。
 また、1番の4つ目、5つ目あたりの箇条書きのところに書きましたけれども、多人数居室とか簡易個室の経過措置に関しては、新たな紹介を行わないとか、1年以内の転居を推薦するとか、あるいは、住宅扶助の面積減額措置を適用するというのがありますので、これは狭小居室に関しても定めるべきではないかと、改めて、申し上げたいと思います。
 2番目の多人数居室・簡易個室の経過措置ですけれども、3年に短縮されたということですが、前回の検討会で、そもそも経過措置期間自体が必要ないのではないかという意見もありましたので、改めて、1年程度が妥当ではないかと申し上げておきたいと思います。
 3つ目の入居申込者に対する説明については、利用者からの契約解除規定を検討中ということですので、ここはしっかりと検討をしていただきたいということを書かせていただきました。
 2ページ目の4番、今回特に申し上げたかったのは、この利用料の受領についてです。資料で言いますと、事務局資料1の6ページにありますけれども、前回と同様に、「入居者が選定するサービスの提供に要する費用」ということで、「日常生活支援住居施設として、生活扶助の委託を受ける場合は、委託費として支払われる金額を除いて受領する」となっているわけですが、これは逆に言いますと、日常生活支援住居施設として委託を受けない場合には、サービス提供費用の規制を設けない。言いかえれば、どういう費用でも徴収して構わないとも言えるわけです。
 私の資料の下のほうに図をつけておきましたけれども、第1回の検討会のときの、今後の検討スケジュールの御説明によると、「日常生活支援住居施設」に関しては、後半の議論の中で、提供する支援の内容とか、支援の実施に必要な要件、費用の支給方法を定めていく。恐らくサービス費用を幾らにするのか、委託費を幾らにするのかということも定めるだろうと。
 それに対して「社会福祉住居施設」はそういった定めが全然ないことになりますと、日常生活支援住居施設としての委託を受ける経営上のメリットはほとんどなくて、相当に高額な委託費が設定されるのであれば別ですけれども、そうでなければ、日常生活支援住居施設が広がらなくて、逆に、社会福祉住居施設のほうは自由にサービス費用を徴収することができることになる。今回の法改正の目的は、貧困ビジネス対策と日常生活支援ということになっているわけですが、どんな名目でいくらお金をとっても構わないということになりますと、貧困ビジネス対策にはならないばかりか、日常生活支援住居施設も広がっていかないということで、4番の3つ目の箇条書きに書きましたように、サービス費用の受領を禁止する、あるいは、内容を限定する、日常生活支援住居施設に委託されるサービスに要する費用は受領しないこととする、そういった規定を設ける必要があるのではないかと思っております。
 続けて、私の資料の3ページ目の5番「日常生活金銭管理」ですけれども、現行のガイドラインの中では、「利用者からの依頼の事実を書面で確認する」ことが規定されているのですが、これが今回の基準案では設けられていなくて、前回、事務局から、今のガイドラインのより詳細な上乗せとか、あるいは、具体的な規定をするという趣旨だという御説明がありましたけれども、そういう意味では、「利用者からの依頼の事実を書面で確認する」ことについても、最低基準で規定すべきではないかということです。
 今回の資料と少し離れるのですが、6番では、「住宅扶助基準の面積減額について」ということで、当初、今回、第5回の検討会で減額措置のことを議論する予定となっていたのですけれども、今回は議題には含まれておりません。今後の検討会の中できちんと議論をすべきだと思いますし、最後のところに書きましたが、これは第1回のときから申し上げていることではあるのですけれども、現状を把握するために、2015年に減額措置を導入され、実際、どの程度適用されているのかということがわかる資料を添付していただきたいなと思います。
 最後、7番、無届施設。ここもすごく大事なところだと思っているのですが、第2回の検討会だったと思いますが、無届施設に対する実効性ある届出勧奨が必要だという議論があったかと思います。この点、十分議論されていなくて、きちんと届出勧奨が進んでいくのかというところが気になっているところです。一番最後のポツに書きましたが、無届施設への対応が実効性を持たないまま改正法が施行されて、結果的に届出が全然進まないとか、あるいは、もっとひどい場合には、これまで届け出ていた施設が規制を逃れるために届出を取り下げるみたいな、そういう事態になってしまっては全く意味がないので、そうならないように、ぜひ、今後、検討をしていただきたいと思っております。
 以上です。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
 事務局、何かございますでしょうか。
○清水室長補佐 それでは、今、山田構成員からいただいた御指摘について、一旦、事務局として、今回、資料の提示をさせていただいた考え方等について、改めて御説明をさせていただいた上で、また御意見をいただければということでお願いします。
 1点目の居室面積に関する経過措置につきましても、これも前回検討会での説明の繰り返しにはなりますけれども、他の社会福祉事業の例でも、面積基準を引き上げた場合については、一般的な例として、既存の施設で事業を実施している場合については、むしろ、条件なく、従前の基準を適用させることが一般的であるというところではございますし、また、居室面積については、物理的な対応の困難性も伴うことから、それぞれの施設に応じた、改善に向けた計画を策定していただくということで、規定を設けてはどうかとしているところでございます。
 また、多人数とか簡易個室と同様にすべきではないかというところもございますけれども、こちらもいろいろ考え方はあろうかとは思いますけれども、部屋の面積、多少どこかで線引きをする必要がございますので、その面積に応じた基準、一定の線を引いてございますけれども、そこと多人数の居室または簡易個室ということで言うと、どうしてもプライバシーの観点から課題があるということで考えてございまして、居室面積と多人数、簡易個室との規定についても、考え方を分けているというところでございます。
 また、資料の構成上、今回の最低基準に省令上盛り込むところを中心に記載をしてございまして。一部※印で書いてあるところの整合性がとれてない部分があったかと思いますけれども、山田構成員から提出いただいた資料の「住宅扶助の面積減額を適用する」というのが明記されていないのではないかというところがございますけれども、これは、特に適用しないということではございません。今回、省令上の規定ということで入れる文言を考えていたものですから、そこの記載が漏れていたというところで御理解いただければと思ってございます。
 多人数、簡易個室の経過措置の関係ですけれども、これも少し繰り返しになりますけれども、現に入居されている方もいらっしゃいますし、全体の新規の申請の方についても、やむを得ず、そこを利用せざるを得ない場合もあることを踏まえて、3年は長いといった御意見もありましたけれども、3年程度が妥当ではないかということで、3年と提示をさせていただいたところでございます。
 4番の利用料の受領につきましても、これも前回の説明の繰り返しになってしまうかと思いますけれども、一般の報酬で行われているような社会福祉事業につきましても、それぞれ利用者との希望・選定に応じたサービス料、また、それに対する利用料の受領は一般的に認められているというところもございます。今回、日常生活支援住居施設の関係で言えば、当然、委託費で出る部分との重複をして同じ費用を受領することはできない、ということは規定させていただいているところでございます。
 また、基本的には、貧困ビジネス対策で言えば、今回のサービスの内容と利用料をきちんと提示をして、利用者の選択性を確保するというところがまず一番大事なところではないかと思ってございまして、そういった規定も盛り込みつつ、選択性、選べるというところをどう確保していくのかというところで進めていきたいと思っております。
 また、当然ながら、細かい具体的な内容について、こういう費用は、例えばここと重複するので、こういう費用については受領できないとか、それぞれ細かい運用上の規程等については、日常生活支援住居施設としての委託費とか、その他の費用の範囲を決める中で、具体的に、他の社会福祉事業でも通知等で運用等を盛り込んでいる部分がございますので、そういった形で検討をさせていただければということで思ってございます。
 続きまして、金銭管理のところで、「利用者からの依頼の事実を書面で確認する」というところでございますけれども、今回、いろいろ書いてあります要件のうち、本体資料の7ページの5番で、基本的に金銭管理を行う場合は、「入居に係る契約とは別に、金銭管理に係る契約を行うこと」という要件を盛り込んでございます。基本的には相互の契約でございますので、書面で本人とその事業者の間で契約をすることは盛り込んでいるというところでございます。
 また、面積減額については、今回、議題を最低基準の関係の議論がまだ残ってございますので、また次回以降、いつかのタイミングで議題に載せたいと思ってございます。
 無届施設への対応についても、不当な行為等の判断基準につきましては、これは我々としても判断基準を明確にすべきという点は認識をしてございます。また、行政処分の判断基準になるので、どういう場で検討をするのが適当なのかというところも踏まえて、検討をさせていただきたいと思いますけれども、いずれにせよ、不当な行為の判断基準を示し、無届施設が規制逃れのようなことにならないように、また、無届施設が悪質な行為に対して規制ができるような形での運用は、検討をさせていただければということで思ってございます。
 以上でございます。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
 山田構成員。
○山田構成員 私ばかりしゃべってもいけないので、ちょっとだけ。
 特に利用料の受領のところがすごく心配をしているところで、今、説明の中でも、選択性を確保する。そのために、こういう費目をとるのだということを説明するというお話があったわけですけれども、これは今のガイドラインの中でも、どういうお金をとるのかをきちんと入居者に明示しなければならないことは定められているにもかかわらず、実際には、不透明な名目でお金が徴収されている例があることが指摘されていたわけです。
 ですから、今回の最低基準案は、空間的な話、簡易個室であったり、多人数居室、その辺りは少し規制が強まっているのだけれども、どれだけのお金をとるのかということに関しては、私が見る範囲では、今と全然変わらないように見えるのですよね。選択性を確保することはすごく大事なことだとは思うのですけれども、野宿をしていて、とにかく住居を構えたいというときに行う契約の中で、いくら説明が十分されたとしても、本当に対等な関係で契約ができているのかどうか。前回、民民の契約にはなかなか介入しにくいというお話もありましたけれども、ただの住居貸しの市場サービスとは異なりますので、徴収するサービスとか費用に関しては限定を設けておかないと。特に、日常生活支援住居施設との区別という観点からすると、本当に、日常生活支援住居施設も全然広がらず、社会福祉住居施設は現状のままということになりかねないと思っているので、ここはぜひ検討してほしいなとは思っています。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
 ほかの構成員の方は、御意見がありますでしょうか。
 よろしいですか。
 では、野村構成員お願いします。
○野村構成員 私は面積のことで、4.95㎡未満の居室の取扱いについては、山田構成員と同じ意見でございまして、問題である東京都においても、既に、4.95未満の個室は10室しかないので、これから、円滑な居宅移行とか、他の施設への移行を進めていけるかなと思っているのと、あと、実態面に着目しますと、宿泊所とされている物件が自社所有ではなくて賃貸なのですね。これは改修とかそういうところは問題にならない。逆に、そういう権利がないことになります。賃貸であれば、その物件を借りかえることにおいて対策できるので、他法の規制の段階的な進め方との整合性ということがありましたが、4.95未満の個室については解消できると思うので、そこはもう一回御検討をお願いしたいなと。
 それから、救護施設の3.3㎡との比較がよく言われますけれども、実態として、救護施設の場合、食堂の確保とか共有スペースとか、それから、洗濯、入浴場とか、そういったところとの救護施設の場合、他の居住環境と宿泊所の物件は違うので、単純に比較はならないかなという気がしています。
 それから、先ほどの利用料の選択性というところに関係して言いますと、この議論の過程で、十分議論されずに、基準の記載から漏れてしまっているのが宿泊所の利用契約とその他の生活サービスの契約のセット販売の禁止という規程。現行ガイドラインにありますね。宿泊所の利用契約と食事の提供、日用品の提供、その他、生活サービスと別契約であること。現行ガイドラインも、国の指針の運用基準2の(4)というところにありますので、それと同じ規程が、また、必要なのではないかと思っています。食事の提供その他の生活サービス契約を締結しないことを、宿泊所の利用契約の解除の条件としないことというのが大事だと思っています。現行の指針であるので、そこは今回漏れてしまっているので、確認されて、載せたほうがいいかなと思います。
 済みません、細かいですけれども、8ページの衛生管理では、実態に着目すると、中にはトコジラミが発生するようなケースがありますので、衛生管理の中には、病害虫の駆除というところも規定する必要があるのかなと思っております。
 あとは、利用者の健康管理に関して、今の指針には「健康管理に留意する」とあるのですが、できれば、その観点も必要なのかなと思っています。
 あと、受動喫煙防止法の遵守とか、今日的なものは御検討されて入れていただいたらどうかなと思います。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
 今、山田構成員、野村構成員から、事務局から提案された件について、別途、こういう点についてつけ加えたらどうかというような御意見も出ましたけれども、そのほかにいかがでしょうか。
 では、立岡構成員お願いします。
○立岡構成員 確認という感じですけれども、6ページの「入居申込者等に対する説明等」で、「入居者の希望及び関係機関の意見を十分に勘案し、必要と認められた場合は、1年を超えない範囲で契約の更新または新たに契約を行うことを妨げないこと。」は、1年を超えない範囲で契約の更新は、これは、次の資料のサテライト住居をあらわしていて、「新たに契約を行うことを妨げない」は無料低額宿泊所のことを言っているのか。それとも、「新たな」は別の居宅をのことを言っているのか。その辺がよくわからなかったので教えていただきたいなというのが1点目です。
 それと、次のページの7で、「日常生活金銭管理」で、本来であれば、前回の検討会で僕が質問をできればよかったのですけれども、ちょっと質問をできないままになってしまった部分があると思うものですから、ちょっとお聞きしたいのは、「退去する場合には、速やかに、金銭を返還すること。」当然だと思うのですけれども、いなくなってしまったときのお金の管理があるのですね。結局、いなくなった場合に関してのお金をどうするのかという。10年間ずっと保存しておくということなのか。一定、その辺どうしたらいいのかなというのと、当然ながら、残置物を残したままいなくなってしまうという部分に関して、いろいろ取扱いをどうするのかなというのもあったり、それと、当然ながら、うちだと、宮澤さんのところもそうだと思うのですけれども、サテライト的な、アパート的な感じなので、この位置づけで言うと、サテライト住居みたいな感じになると思うのですけれども、そうすると、普通に自分たちで水道・ガスとか契約してという状況になると、いきなりいなくなってしまうと、そういったところの部分が、こちら側が全部負担をしなくてはいけなくなるという、かなり損をかぶるというか、そういった部分もあったりすると、敷金・権利金・謝金等の入居に当たって一時金を求めないというのですけれども、実際にいなくなられてしまうと、次のガスの開栓とかするときは、明らかにこちら側で負担をした上でガス開栓しなければいけないとかというと、サテライト住居的な、まさに居宅に近いような形の部分に関しては一定程度、当然ながら、出ていったときにはそのお金を返す。だけれども、いきなりいなくなってしまったといった場合に関しては、そこを充当するとかというふうにしないとなかなかしんどいなというのは、正直ちょっと思っていたところです。
 あとは、8ページの「状況把握」で、「入居者に対し、訪問等の方法による状況把握を原則として1日1回以上行うこと。」ということで、施設型的な感じであれば、そんなに問題ないような気がするのですけれども、サテライト住居型だと、これはかなり負担になるなというふうなところです。これは、宮澤さんも前の回でもお話ししていただいたと思うのですけれども、明らかにそのことをしなくてはいけないという形が、もし、最低基準になってしまうと、それを実施するための費用負担が新たに発生するなというのは当然ながら出てくるのかなというのと。訪問等の「等」は、あと、何を意味しているのかなというのを教えていただければありがたいなと思っております。よろしくお願いします。
○岡部座長 それでは、事務局お願いします。
○清水室長補佐 まず、御質問をいただいた契約のところですけれども、こちらについては、基本的には共通のルールで、契約期間は1年を超えない範囲で、契約期間としては1年ですよというところと。あと、下は、必要と認められた場合については、更新はできますということ。新たに契約を行うことは、例えば契約形態の違いで、更新契約という形で結ぶか、一旦切って、新規の契約を結ぶ場合ということで、書き分けているということでございますので、基本的には1年単位での契約を結んでくださいということ、必要な場合については更新ができます、という規定を設けているというところでございます。
 また、金銭管理のところでは、特に、失踪の場合等の取扱い等については、これは恐らく最低基準というよりも、具体的な事務の取扱い等というところで少し検討をする必要があるかと思ってお聞きしてございますので、また何かほかの例も踏まえて、検討をさせていただければということで思ってございます。
 また、訪問のところでございますけれども、これも、前回の資料で、サービス付高齢者住宅の例と障害者のサテライト型住居の例ということで、例として提示をさせていただきまして、その部分の留意事項というか、こういう場合はこういうことで差し支えないというような規定もございましたので、そこについては、その中の解釈とか、運用の中で障害のサテライト型住居の解釈通知等も参考にしつつ、具体的な運用というところは、また、定めていきたいなと思うところでございます。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
 では、難波構成員お願いします。
○難波構成員 山田先生とちょっと重複するところはありまして、そこについては意見ということで、述べさせていただきたいと思います。
 まず、居室面積の経過措置ですけれども、一番最初に、「当分の間は」と書かれていまして、規制強化という考え方から言いますと、「当分の間」は、それを見直すことがほぼない、これが続くと行政的には思ってしまいますので、一定の年限を切ることが必要なのではないかなというところがまず思うところです。
 次に、住宅扶助の減額については、先ほど抜けているという話でしたので、そういうことで理解しました。
 4ページ目の多人数居室及び簡易個室に係る経過措置の3年は、前回も申し上げましたように、3年となっておりますが、大阪市としては1年がいいのではないかなというのは意見表明させていただきます。
 5ページ目の職員配置ですけれども、前回も申し上げたように、1日1回以上の状況把握をするということであれば、施設長もしくは職員の専従が適切ではないのかなという思いがあります。
 福祉事務所、生活保護の担当から言いますと、最低基準で定めている事業内容に応じて、その活用の要否を判断しなければいけないので、最低基準を明確に示していただくことが現場の混乱が少なくなることにつながるのではないかと考えております。
 あと、懸念しているところは利用料の受領について検討をするということで、金額設定等についての積算の根拠については十分検討をお願いしたいというところでございます。
 7ページ目の居宅移行のための援助ですけれども、生活保護法で言いますと、他法活用優先ですので、ここに書いていますように、7ページの下の移行の援助等の一つ目の○の2の2行目に、「環境等を勘案し、その者の円滑な」とあるのですが、例えば、「環境等を勘案し、他法令による在宅サービスを活用するなど」ということにしていただきたい。福祉事務所としましては、他法事業が活用できる場合に、他法活用をしていただくというということになりますのでね。施策の重複についてはチェックしますけれども、基準と決めていただけるのであれば、その考え方を明記していただいたらありがたいと思っているところでございます。
 以上です。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 滝脇構成員、お願いします。
○滝脇構成員 第1回から私が主張してきたことと関係がある御意見がありましたので、改めて、幾つか申し上げておこうと思います。
 ふるさとの会としては、これまでの繰り返しになりますが、「一人当たり最低3.3㎡」というガイドラインのときから、率先して個室化を進めてしてきました。その時代時代のガイドラインを上回る条件で居室を提供し、そのうえで、地域での暮らしを支えていく取り組みを続けてきました。しかし、第1回に申し上げたように、あとからできた基準にわずかに満たない居室も部分的に存在します。そこにはアパートでの一人暮らしも他施設への移行も難しいという理由で、利用者の方々が現に暮らしておられます。それを基準に満たないと否定されてしまいますと、生活支援が継続できなくなりますし、いま安定して暮らしている利用者の方々の暮らしが損なわれてしまいます。そうならないよう、利用者保護の観点からも考慮していただきたいということを申し上げてきました。
 山田構成員が心配されるように、これが、もし、3.3㎡に近いのでであれば、私もこのような主張をするつもりはありません。程度の問題も大きいのではないでしょうか。それから、先ほど野村構成員が指摘された通り、賃貸ですのでオーナーの了解がないと改修ができませんし、原状回復の義務も発生します。では、賃貸だったら借り換えができるかというと、東京23区の私たちが活動をしている地域の住宅事情では、移転できるような建物はなかなか出てきません。東京全域で言うと、おっしゃったような見方も可能かもしれませんけれども、東京の中にもさまざまな地域事情があると思いますので、そこは地元の福祉事務所の意見なども聞きながら、より丁寧に地域事情を見ていただきたいと思います。
 また、救護施設には共有スペースや作業室があるというお話がありましたけれども、宿泊所等を運営する目的によって構造上の工夫もいろいろあるはずです。ふるさとの会の宿泊所等にも、当然、共有スペースはございますし、その広さが、救護施設とどれぐらい違うのかわかりませんが、小規模な中でも共有スペースを確保して、在宅医療・訪問介護などのサービスが入り、理学療法士が館内でリハビリを行ったりというようなこともあります。そういうさまざまな機能を総合的に評価する視点をもって、検討をしていただきたいと思っております。
 先ほど野村構成員の御発言の中で、東京では4.95未満の個室は10室しかないという説明がありましたけれども、私も第2回検討会に提出した資料に書きましたが、今回改めて宿泊所の範囲が規定されることになり、ふるさとの会には、自立の助長ということを目的に、東京都や福祉事務所と合意しながらあえて届出を出さずに行ってきた自立援助ホーム等の事業もあります。勝手にやったものではなく、こういうものが欲しいということを言われてつくってきたものですので、その辺りの経緯も考慮していただきたい。これは必ずしもふるさとの会だけの問題とは限らず、全国にもいろいろな実践があると思いますので、どのような経緯で、御本人や福祉事務所が利用されているのかという事情も丁寧に考慮しながらの検討をお願いしたいと思います。
 以上です。
○岡部座長 どうもありがとうございました。
 奥田構成員、どうぞ。
○奥田構成員 それぞれ御意見は私よくわかるのですけれども、山田構成員の意見で、利用料のところですけれども、社会福祉住居施設のほうですね。ベースのほうですけれども、これは3つの提案がなされているので、マル1で言うと、サービス料、費用を受領すること自体を禁止することになれば、社会福祉住居施設においてはサービスというか支援は要らないという議論になると思うのですけれども、そういうことなのかということが1つ。
 私は、前回、矢田貝課長がおっしゃったみたいに、サービスの必要な人からだんだんとふえていくような構図に多分なるだろうと。だから、もともとサービスが要らない人は、アパートに入って、地域居住をすればいいと思うのですね。さっき野村構成員もおっしゃった、支援の契約と入居の契約を分けるということですけれども、例えば、支援の契約を結ばなくていいのだったら、地域の居住でいいのではないかと、そもそも論でね。ここの枠で議論していること自体が成立しないのではないかということですね。
 ただ、2のほうで言うと、費用を受領できるサービスの内容を限定する。この辺からだんだん近づいてきていると思うのですけれども、私は、何らかひとり暮らしが難しい。それは身体的な問題だけでなくて、さまざま社会的な問題も含めて、やはり見守りとか、ある程度の費用が必要だということ。ただ、単に屋根があるという話は、原則的にはここではない話なのだろうと思うのです。だから、いくらサテライト型でも、そのためのスタッフがいて、定期的な訪問なりをしていくのだという、そこには住居の確保だけでなくて、生活の支援があるから議論になっていくと思うのですね。単なるサテライトというか、単なるアパートだったら、それはそれでいいのではないか。なぜかというと、生活保護にはケースワーカーさんもいるわけだから、ケースワーカーさんがそういうところにやればいいのではないかという話です。そこではカバーできなかったから、何らかの生活支援が必要だということになって、それが多分マル2なのだろうということですね。
 マル3は確かにそうだと思うのですね。ただ、これは今後の議論なので、日常生活支援、住居施設のほうのサービス内容で言うと、項目は一致していても中身が違うことをどう評価するのかということが次に出てくると思うのですね。正直、例えばスタッフの力量によっても全然サービスの内容は変わってくるでしょうし、例えば見守りと言っても、「見守っていますよ」と言ったら見守りなのか。実際に、それがどれぐらいの頻度になるのかというその中身の話が次に出てくる。マル3はちょっと置いておいて。
 私がまさに聞きたいのですけれども、1と2どっちなのですかという。私は、提供できるサービスの内容を限定するというのも、これはちょっと個別の御意見を申し上げますけれども、民民の契約で言うと、1本1,000円のバナナを買いたいという人も1,000円のバナナを買ってしまうし。でも、同じバナナが100円でちゃんと提供できていますよという情報があれば、基本的には、その人は選択していくと思うのですよね。
 一番の問題は、その選択肢がないところで、生活保護課なりから「ここへ入りなさい」という形で行ってしまっている現状が、僕は問題だと思っているわけで。そこにAの施設があります、ここはこんなサービス内容です。Bの施設があります、こんな内容です、料金設定はこうです、自由に選んでいいのですよ、あなたが行きたいところへ行ったらいいのだ、居住は自由なのだからということが確保できれば、私は、逆に、単価が多少違ってもきちんとした選択肢の確保の仕組みが果たしてできるのだろうかと。それを、今までどおりに「あなたはここ」というやり方でやると、全部に網をかけるしかないと思うのですね。全てを規制するしかない。だから、そこのところは本来の運用の問題が相当あったと私は思うので、北九州は、生活保護からのリファーはほとんどないのです。本人から入りたいという入居の契約で入っていくので、生活保護課から「この人を入れてください」という話はほぼないので、東京事情とかほかのところを聞いていると、少し違うのでね。この辺りは私ちょっと物が言いにくいところですけれども、そもそも選択肢の問題は、施設の中のサービスの選択肢という意味で言っているのではなくて、施設そのものの選択肢をどう社会的に確保するのかというのがきちんと担保される。その上で、社会福祉住居施設においても、一定の生活支援が、もし、それがないのだったら、費用徴収が一切禁止となったら、アパートでいいのではないですかというところが私の原則的な意見ですけれども、どうでしょうか。
○岡部座長 山田構成員、お願いします。
○山田構成員 ありがとうございます。
 根本的なことを言うと、私はアパートでの生活が可能な人が多いと思っているし、控えめに言っても、15,000人の全員が一般アパートでの生活が無理な人だとは思っていないというところはあります。ですから、全員がとか、ゼロか100かという極端な議論はしにくいですけれども、この150カ所、15,000人の人たちが全員無低でないと生活できない、一般のアパートでの生活が難しいとは思っていないのです。ただ、おっしゃるように、何らかの支援が必要な人もいるだろうということはわかります。ですから、全くサービス費用を受領することを禁止するというところまでは申し上げません。ただ、これも本来的に言うと、第二種社会福祉事業としての無料低額宿泊所は、屋根だけ提供すればいいのかとおっしゃいましたけれども、そういうものとして法律的には規定されていると解釈しています。それ以上のサービスが提供されるような施設は、第一種の無料低額宿泊所として運用されるべきだと思っているのですけれども、なかなかそういう実態は広がっていないので、本来は、第一種社会福祉事業としてやるべきところかなというのが根本にはある。
 ただ、この検討会の中でもいろいろな御意見を聞く中で、そうは言ってもサービスが必要な人もいるだろうということで、せめて、日常生活支援住居施設との区別をつけていかないと、今回の法改正の趣旨が全く生かされないことになってしまうのではないか。今、奥田さんが選択肢の問題をおっしゃって、それは本当にそのとおりだと思っています。ですから、きちんと選択肢が十分に保証されているのであれば、劣悪なサービスで高いお金をとるところは淘汰されていくのはそのとおりだと思うのですけれども、100円のバナナを北九州まで行かないと買えないということでは困ってしまうわけですよね。
 ですから、今の現状を考えると一定の規制を設けないと。それから、運用の話もそうだと思っています。これも、ここの検討会の議論と少し離れるので余り議論はしていないですけれども、本来はケースワーカーがいるのだから、そこで支援をすればいい。それはそのとおりだと思っているのですけれども、現実には、ケースワーカーも足りていないので、十分なサービスができなくて、それで、こういう無低とかが広がっているというところもあると思うのですよね。
 ですから、公営住宅とか、ケースワーカーの増員とか、無料低額宿泊所を選択せざるを得なかったいろいろな状況をどう解消していくかというのが本当は必要な議論だと思っているのですけれども、ここの検討会からはちょっと離れてしまうので、ですから、せめて、ここの最低基準の中で選択肢を広げられるというか、悪い選択はさせないようにしていかないといけないなと思っているところです。ですから、この資料の中でも申し上げたように、この最低基準案のままだと、日常生活支援住居施設も広がらなくて、奥田さんが言われているような実践をするような、ケアをするようなところが、本当に北九州とか、一部のところにしかないような事態になってしまっては、今回の法改正の意味がちょっとなくなってしまうのではないかということをすごく心配しているところです。
○岡部座長 奥田構成員、どうぞ。
○奥田構成員 多分一緒ですね。こっち側から見ているのとこっち側から見ているかで。北九州をそうやって評価してくださってありがとうございます。どうぞ、北九州へ来てください。それでいいのですけれども、ただ、私の発想としては、規制は大事だけれども、本来、こうあるべきだをちゃんとつくっていかなと。まさに先生おっしゃるとおりですよ。それは事実ではないかもしれないけれども、もし、北九州に行かないとないということだと困る。それはそうですよ。だからこそ、都内であろうが、大阪であろうが、どこであろうが、これはつくる議論をね。私は、社会福祉住居施設であろうが、いいサービスを提供できるという議論をきちんとしないと、このまま行くと、社会福祉住居施設という正確な名前が決まったのに、これは、そもそもなくす方向で行きましょうという議論なのか。そうではなくて、日常生活支援住居施設だけが残るという形に持っていこうとするのか。いや、そうではなくて、サービスの量からすると、そういう軽い部分もあっていいのではないか。しかし、そこにはちゃんとした基準とサービスの中身が明確になっていなければいけないのはそのとおりです。私は、つくった上で、引っ張り上げをみんな一緒にやろうではないかという議論がやりたいという話です。
○山田構成員 平行線になってしまうかもしれませんけれども、今のこの最低基準だと、いい施設を伸ばすことさえもできなくなってしまうことを懸念しているのです。だって、日常になる意味はないと思うのですね。
○岡部座長 課長、どうぞ。
○矢田貝保護課長 今の御意見も踏まえまして、次回までに、もう一度事務局で考え方を整理いたしまして、お示ししたいと思います。また本日、野村さんとかほかの方から出た意見につきましても、こちらで整理をいたしまして、次回までに御用意をさせていただければと思います。
 そこで、2点お願いを申し上げますと、1点目は、実は自治体のほうで条例をつくるという作業が必要になってきますので、次回までには何とか、ある程度の御議論は終えて、あとは、厚労省のほうでさせていただくということで、本日、意見を言い尽くされていればいいのですけれども、まだちょっと言い残したということがあるようであれば、できましたら、事務局に今週中ぐらいをめどに、実はあの場では言えなかったけれども、このところも検討してくれないかという意見をいただきましたら、私どもで、それも含めて整理をいたしまして、次回、お示しするようにいたしたいと思います。
 また、ちょっと中身に入ってしまうのですけれども、今の利用料につきましては、正直申し上げますと、中には非常に高額の料金をとっておる悪質な業者がいるのも事実でございますので、そこはなくしていかなければいけないという気持ちはもちろんあるのですが、ただ、だからといって、全ての事業者が利用料をとってはいけないというところまですると、ちょっと現実的ではないのかなと。
 資料の8ページなどで、ちょっとわかりにくいのですけれども、例えば、上から5番目の運営規程で、サービスの料金について盛り込んだ運営規程を整備して、また、その下から3つ目の「収支等の公表」に、この運営規程、料金を含んだものについて公表するとか、一番下に「掲示」であったりとか、きちんとどういう理由でどういう料金を設定して、それが公になってというようなところで、先ほど選択という話もありましたけれども、逆に言うと、法外な料金をとっているところは選択されないようにしていくということ。もしくは、運営規程については当然公表するものでございますので、自治体からの指導もしやすくしていくということで、ゼロか100ではなくて、きちんとこういうルールをつくって、必要な選択なり、もしくは、改善を促していくというコンセプトで一応つくっているということでございますが、本日の議論も踏まえまして、ほかのところも含めまして、また、きちんと整理いたしまして、次回お示しできればと思っております。
○辻井構成員 今、この議論のところはわかるとして、無届が、社会福祉住居施設にちゃんと届けていただけるのかどうかという道筋がよくわからなかったのですが、もし、そうだとすれば、このようになっていくというような形のところが、次回で結構ですが、少しわかりやすくしていただけると、何かいろいろ回していただいて、それなりに本当に各事業所がやっていただいていて、そもそも入れないようなところがたくさんあってというところがあるので、できればなっていただくような形には、こうだからということの道筋を示していただけるとありがたいかなと思っています。
○岡部座長 水内構成員、どうぞ。
○水内構成員 ちょっとおくれまして、申し訳ないのですが、経過措置についてですけれども、全国の調査をしている中で、宿泊所あるいは届出なしの施設を使う自治体はたくさんございます。使い方として、積極的に使われる福祉事務所と消極的に使われる福祉事務所と全く使わないという、すごく分かれています。その中で、しかしながら、積極的に使われる、消極的に使うところのかなりの部分の政令指定都市やら中核市の事例を見てみますと、最低基準は4畳半というか、広さの部分とかその辺は非常にクリアしているところが多いと思います。
 言いたいことは何かというと、地域事情を考えることは大変重要かなと。首都圏あるいは23区の問題とその他の問題は丁寧に調べていただいたほうが、全国の問題と一緒くたにしてしまうと問題があろうかと思います。難波さんが言われた政令都市では、確かにそういう意味では基準に達しているところが多いですけれども、先ほど辻井構成員からも申されましたが、岡山とか広島とか、積極的にやられているところはほとんど届出なしで使っておられます。しかし、実質的には宿泊所とほとんど同じものになっております。そういうところにインセンティブが当たるような仕組みづくりをもうちょっと書き込むべきかなと思います。
 以上です。
○菱田構成員 先ほど野村構成員からも、4.95㎡未満の個室が東京都には10室しかないという話がありましたけれども、東京都に関しては、約6割強が、現在、相部屋の施設になっているのですね。こういった施設が多分個室化の工事を図るとか、そういった流れも今後出てくると思います。
 その中で、地域の実情に応じて4.95㎡が、地域の実情というのが具体的にどのようなものを指すのかというところの解釈通知みたいなものを厚労省から出す予定があるかどうか。これがすごく曖昧なルールになってしまって、自治体側でそれに適用するのが、判断がわからなくなってきそうな気がするので、それについて、次回までというか、お話をしていただければと思います。
 以上です。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
 まだまだ御意見があるかとは思いますが、今、課長からお話がありましたように、今週中に意見を上げていただいて、それで、皆さんのきょうの御意見をいただいたものを次回整理させていただいたものを、また、お示しできればと考えております。
 それでは、議題の2「第4回検討会を踏まえてさらに議論が必要な論点」について、事務局から資料2の説明をお願いいたします。
○清水室長補佐 それでは、資料2について御説明をさせていただきたいと思います。資料2は、特に、前々回、前回からも議論になってございます、サテライト型住居の設置というところに限定をして、少し資料を用意させていただきました。
 2ページをお開きいただきますと、「第4回検討会における発言」について、主なものということで、事務局で要約等をさせていただいたところでございます。主に、事業のそもそもの位置づけに関する意見と、事業の具体的な要件に関する意見ということで、それぞれ御発言がございました。特に、位置づけ、常駐職員がいるべきではないかというところと、そもそも無料低額宿泊所の分野で議論する範疇なのかどうかというところと、いろいろな規制を行うべきではないか等々の意見をいただいたかと思います。
 また、いただいた御意見の不足とか追加する要素があれば、また、御説明の後に、御発言等をいただければということで思ってございます。
 資料といたしましては、この発言いただいた要素に分けて、そもそもの位置づけに関する資料と、その後で、具体的な要件に関するところというところで分けて資料をつくってございます。
 まず3ページ目でございますけれども、そもそも位置づけの整理ということで、厚生労働省案ということで、改めて、考え方ということで資料を作成いたしました。これも、前回、御意見の中で、さまざまな事業形態がある中で、それぞれ支援の必要性等に応じて考えるべきではないかというような御意見もあったかと思ってございます。
 なので、実態としても、一番目の○のところでございますけれども、事業者によってさまざまでありまして、主に対象としている方についても、その状態像もさまざまであるというところがあるかと思います。比較的施設に近い形態から居宅に近い形態での支援を行っている事業者があると。
 両者ともということで、2番目の○に書いてございますけれども、法律上、生計困難者のために無料または低額な料金で住宅を提供し、また、今回、無料低額宿泊所の範囲の1つ要件として盛り込もうとしています利用料を受領してサービスを提供する事業という形態については、両者とも共通する部分ではないかなと思ってございます。
 そういった意味で、利用者保護の観点からすれば、今回含めるかどうかという御意見もございます、職員が巡回して支援する事業形態についても、1つの類型として位置づけた上で、一定の規制のもとで事業を実施してもらう必要があるのではないかということで、先ほどの、無届けのところの捕捉という御意見もあったかと思いますけれども、そもそも社会福祉事業の対象外ということにした場合に、法的位置づけのない事業として運営されることになってしまいますので、何ら法律上の改善命令、事業の制限停止命令を行えないということになってしまうかと思ってございます。
 なので、一定含める必要があるのではないかということと、あと、一つ下の○でございますけれども、それぞれの事業形態における利用対象者像とか支援内容に応じた形態があるのではないかということで、規制を行う必要があるという一方で、そのニーズとしては居宅に近い形態で、居宅移行に向けた訓練、準備を行う場としての機能が期待されるのではないかということで、その必要性もあるのではないかということで、前回、御懸念もおありのとおり、居宅生活が可能な方を囲い込んでというか、長期間入居させるといった運営がなされるようなリスクも確かに懸念をされるところではないかなというところでありまして、巡回形式で支援に当たる事業形態については、前回も、御提示をさせていただいたところではありますけれども、障害者グループホームの、特にサテライト型住居との規制も参考にしつつ、先ほど申しました居宅移行に向けた訓練、準備を行う場としての役割を明確化して、それぞれの要件を定めてはどうかということにしてございまして。今回、新たに御提示をさせていただいた事項といたしましては、利用期間を原則として1年間に限定することとしてはどうかということで、まさに、居宅移行に向けた訓練、準備の場というところで、生活保護受給者の場合は福祉事務所においても、その居宅移行に向けた支援を実施するものということで、居宅への流れをつくる一つのカテゴリーと位置づけてはどうかということで上げてございます。
 下の概念図でございますけれども、それぞれの支援の必要性、いわゆる中間的な、居宅と社会福祉施設の間ということで、社会福祉住居施設、無料低額宿泊所事業が位置づけられるかと思いますけれども、その中でも支援の必要性はバリエーションがあるのではないかということでつくった図でございます。
 続いて、4ページでございますけれども、それらの考え方、居宅から5人未満の通常の住居として取り扱うものというところと、サテライト型住居または一般の無料低額宿泊所、日常生活支援住居施設、救護施設ということで、概念的には、それぞれ支援の程度ということで言えば、先ほどの図のとおり、右側に行くほど支援の必要性が高くなっていくということで想定をしておるところでございます。今回の規制につきましても、サテライト型住居も含めて規制の対象にする必要があるのではないかというところと、それぞれ要件を設けるということで、整理をしてみた表でございます。
 下のところで、先ほど、障害福祉サービスの体系の例ということで申し上げましたけれども、障害者にしても、施設があって、グループホームなり、福祉ホームがあって、共同グループホームのサテライト型住居があって、在宅サービスがあるというような体系になっていますので、こちらについてもそういった役割分担、事業や位置づけの整理が必要なのではないかということで、整理をした表でございます。
 続いて、5ページが無料低額宿泊所、サテライト型住居の設置要件ということで示させていただいたものでございます。こちらについては、前回、幾つか御意見が出たところではございますけれども、十分な検討、御議論までは至っていないかと思っていまして、真ん中で、無料低額宿泊所・サテライト型の要件として書かせていただいたのは、前回、事務局で提示をさせていただいた内容をそのまま載せてございます。また具体的な提案等がございましたら、御意見の中でお伺いできればと思ってございます。また、それに対応する障害者のグループホームの例も記載をさせていただいてございます。
 議題としては、その位置づけの議論と要件に関する議論ということで分かれるかと思いますけれども、資料を用意してございますので、また、御意見をいただければと思ってございます。
 説明は以上でございます。
○岡部座長 ただいまの御説明について、御質問・御意見をお願いしたいと思います。
 最初に、今、事務局からもお話がありましたが、サテライト型住居の位置づけに関する内容と要件に関する論点と2つ分かれておりまして、まず、前半の事業の位置づけに関して御意見をいただきたいと思います。
 野村構成員、よろしくお願いいたします。
○野村構成員 前回に引き続いてのお話になるのですが、特に要件について、今回、いろいろ前回の各構成員の意見を踏まえて、原則1年間利用とか、居宅移行に向けた準備、ほかの施設へという位置づけが、事務局から提案があったのですが、その御苦労はわかるのですけれども、いろいろお考えられての工夫はわかるのですけれども、また、それに関してはいろいろ意見がございまして、結論的には、きょうもこれから意見が出るのだと思うので、結論が出るのはちょっと難しいかなと思っています。
 繰り返しになるのですが、サテライト型とされている事業の実施形態そのものについては、特に反対というか批判的なものは持っておりませんで、職員の巡回、見守り支援とか、あるいは入居者同士の共同とか、そういう居住の仕組みはとても重要なことで、今後ますます重要性は高まると思っています。ただし、それは無料低額宿泊所としては超えているのではないか。これは生活保護とか生活困窮者の話ではなくて、これからの超高齢化社会における国民全体の課題として、地域福祉とか高齢者福祉、住宅セーフティネット施策などを含む議論が必要になるのではないかということで、今回、そういうような議論はまだできていませんよね。あと、先ほど来話に出ていたケースワーク業務との兼ね合いですね。居宅移行支援とかケースワーク業務、福祉事務所がやることになっているので、それとの関連がどうなのかというところもあって、ケースワーク業務の委託も実は生活保護の業務範囲の見直しの課題になっているのですが、そういうのもあわせてこれから考えていくことを考えて、今回、社会福祉法と生活保護法の改正の具体の内容として議論するのはちょっと拙速なのではないか。いろいろ意見があるのではないか。地域共生社会の実現という観点でのいろいろな対話をもっとして、検討課題として先送りしたらどうかというのが意見です。
 要件に入ってしまいますが、地域居住の新しい在り方を積極的に評価する立場に立つと、原則1年間はちょっと違うと思っていまして。もっと長期化してもいいと思っています。なぜかというと、これは居宅のケースなのだろうと思っていまして。居宅として自立した生活ができるのですけれども、身寄りがないとか何か相談する機会が欲しいとか、体制が欲しいということに対して、時々の巡回等で助言するというケースは、必ずしもそれは居宅生活の支援つきの姿であると思っていまして、ここから、さらに居宅に移行するという形ではなくて、これからさらに超高齢化するに当たって、入所期間が長期化しても、居宅生活で地域に住み続けられるための形として意味があるのではないかと思います。そういう形態として、今後、育てていくといいますか、盛り立てていく意味があるのかなと思っていまして。1年間という整理は、むしろ、この事業の可能性を止めてしまうという気がしています。
 それと、もう一つ、居宅移行はケースワーカーの仕事ですけれども、通常の施設型の無料低額宿泊所でやることになっていますので、サテライト型住居の位置づけとして性格づけに特化したものとしては当たらないかなと思います。位置づけとしてはそうではないかと思います。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。
 どうぞ。
○立岡構成員 仙台で言うと、無料低額宿泊所はサテライト型住居しかほぼないという状況なのですね。なので、それが無低じゃないよというふうになるのかというと、それはそれで、また、新たな議論なのかなと思ったりするのです。先ほど、水内先生がお話ししたとおり、地域性を考えていただくのがすごくあるのかなと思いました。
 あと、別に否定するつもりはないですけれども、前回、例えば、東京都さんとか大阪市さんとか、自治体の中においていろいろと政令市間において調整してといったときに、正直、仙台市に聞いたのですね。「問い合わせはあったのですか」と。そうしたら、「意見求めます」みたいなのが来て、一応出した。それで、こういうような形で出しますみたいなような形だったけれども、多分、東京都さんが描いているイメージ図と大阪市さんが描いているイメージ図と私たち仙台市が描いているイメージ図は全く違うと思うのだけれども、ただ、私たちだけの意見というわけにもいかないしね。実際、文書を見せてもらってないのですけれども、ここの部分が仙台市の意見の部分なのかな、反映されているところなのかなみたいな感じのことはおっしゃっておられて。
 ただ、これは規制の議論なので、ある意味仙台においては、特に私たちは、こんなことを言うとまた語弊があるかわからないですけれども、実際、仙台市はいい無低しか見てないと言っているのですよ。だから、悪い無低というところのイメージがつかないのでと、実際には何とも言えないのだけれどもと。実際には、今やられているような状況の中において、当然ながら必要な人には、今のサテライト型住居的無低を活用していきたいと思っているしというようなことは実際におっしゃられているので、非常に地域性を考えていただいた中において御検討をいただきたいなというのはすごく感じています。
 正直、今回、先ほど野村構成員から話があった、ある意味、僕も将来的には、サテライト型住居みたいなのは絶対的に必要なのだろうなと思っていて、そういう意味で原則1年というのではなくて、もうちょっと可能性をというところに関しては、僕自身もそう思っていますし、高齢の人にこちら側から「あなたはもう居宅に行けるから、居宅しなよ」と言っても、「嫌、怖い」と言うわけですよ。やはり「何かあったときに」と。最終的にみとりの部分みたいなところを何らかの形でサポートいただいたりするというような安心感がやはりあるのだというようなことを言っていただいたり。それが生活保護の部分でいいのかどうかという議論はいろいろあろうかとは思うのですけれども、一応そういった意味での地域性はやはり考えていただきたいなというのが正直なところです。
○岡部座長 ありがとうございます。
 難波構成員、何かありますか。
○難波構成員 いろいろと意見は述べさせてもらっていますけれども、大阪と東京は全然実態も違いますし、東京の考え方、大阪の考え方、今、仙台のお話もございましたけれども、1回目の議論から皆さん同じようなご意見であって、それを一つの器の中に何でも取り込んで一つの制度をつくろうということに無理があるのではないかなと思います。しかし、自治体は、今議論している最低基準で条例をつくらなければいけません。条例をつくるときに、最低基準への考え方が、恐らく自治体ごとに違ってくるのではないでしょうか。そうしたら、今、私は参加していますけれども、大阪市で条例を提案したときに、その最低基準に基づく大阪の考え方は何かというのを説明する義務が出てくるのですね。そのときに、「地域性です」ということだけで済むのかどうかというところは、市民に対するサービスを提供する行政の役割からすると、正直、非常に大変なことであるとの思いがあります。
 そこで、行政として、福祉事務所のケースワーカーが担う仕事としては、こういう問題点がありますよということを意見としては表明させていただいていますし、そこのところについては、国として、厚生労働省としても考えていただきたいなと思って、この間意見を申し上げています。また、大阪としては、今後、12月ぐらいには条例をつくってあげなければいけませんので、そのときのことも含めて、意見を申し上げているということでございます。
○岡部座長 どうぞ。平野構成員お願いします。
○平野構成員 今、地域性の話もあったのですけれども、この検討会に入って、あちこちいろいろ聞いてみたのですけれども、首都圏ではない、東海のある県ですけれども、そこで、ずっと無低をやっている方がいらっしゃって、本当にいい意味で良心的にやっていて、それで、精神障害の方もたくさんいらっしゃって、それを地域に移行するというときに、先ほど立岡さんが言われたように、本人が不安がっている。これでいきなりアパート生活をするのはしんどい、怖いと言う。それから、失礼な言い方ですが、これは田舎かもしれないけれども、大家さんが二の足を踏むと言うのですね。本人の名前で借りられると心配だし、誰かが見てくれないと心配だということで、たまたま無低の経営者の方が、では、うちの名前で借ります、うちがちゃんと見守りしますからということで、初めてアパートを使ったということがあったのですね。
 確かに偏見だと言えばそれまでなのですけれども、結局、やっていることはサテライトなのですね。これによってアパートを貸すほうも安心できたし、地域もできたと。こういうことを考えると、こういう形態も1つはあっていいと思います。
 それから、さっきの野村構成員の御指摘はそのとおりだと思います。ここはグレーの部分ですね。全く単独での暮らしは難しい。かと言って、そういう施設よりはもっと違うところ、在宅のほうから歩み寄るのか、今みたいに施設のほうから範囲を広げてやるのかという、多分2つのアプローチの方法があると思うのですね。そこをどっちかにすると、ちょっとしんどいのかなという感じになると思うのですね。障害などは、確かに、生活の支援が必要な人はグループホーム、これに関しては報酬という形で人件費をつける。一方在宅の場合には、日常生活支援という形で通所型サービスで支援をつける。これも報酬をつけるけれども、これは通所事業所がやるという、こういう形で色分けしているわけですけれども、残念ながら、生活困窮の場合は、その部分の色分けがはっきりしてないので、そういう意味では暫定的かもしれませんけれども、可能性は残しておいたほうがいいと思うのですね。どっちか1つの方向しかないというわけではないので。その辺は、行く行くは検討が必要だと思いますけれども、施設の側から広げていく、地域の側から広げていくという、2つの可能性を考える必要があるかと思います。
 以上です。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
 どうぞ、奥田構成員。
○奥田構成員 厚労省に質問ですけれども、4ページの表で言うと、サテライト型はここの範疇に残すかどうかという野村さんの意見があるとして、サテライト型は日住のほうには前提にならないという理解でいいのですね。そこがよくわからなくて、居住形態の問題なのか、入っている人なり、サービスの。例えば、サテライト型でも、3食提供しようと思ったらできるわけだから、別に居住形態の問題なのか、サービスの中身の話なのか。そうなると、この表でいくと、日常生活支援住居施設のところしか委託要件がないので、そうなると、サテライト型は日住の前提になってないという表なのですかね。そこだけ、ちょっと聞きたかったのです。
 無低と日住を分けるのはわかるのです。ここは今までの議論だから。けれども、サテライト型は形式の問題だから、この表は、そこがよくわからなかったのです。
○矢田貝保護課長 正直に申し上げますと、そこは来年度の議論にもよるかなと思っているのですけれども、現時点で、概念的に整理して考えてみたときに、このサテライト型をどういうふうに実現するのかということとも関係してくるとは思うのですけれども、5ページにもあるとおり、利用期間は、障害のグループホームは上限があるということで、そういう意味では地域移行のための中間的な位置づけと、仮に位置づけてみた場合には、3ページの斜めの台形の図で見ていただきますと、どちらかというと、そういう意味では必要となる支援が、当然、日常生活支援という広い意味で言えばあるのかもしれないですけれども、どちらかというと、そういう日常生活上の支援の中でも、地域移行に向けた訓練とか、アパートを探すとか、いわゆる居宅移行に向けた支援のほうが多くなるような、逆に言うと、日常的な介護とかお世話的なところは薄くなっている方々なのかなというのが、まず、何となくの概念としてございまして。
 そう考えたときに、日常生活支援住居施設でイメージしている、支援の必要が高い方に対するところとは、また、違った形での位置づけなり、支援の在り方と考えたほうが整理できるのかなということで、この3ページ、4ページの図は、そうした考え方でつくっているところです。
 ただし、そこは、日常生活支援そもそも何ぞやとか、どうしていくのかというところは来年度の議論でございますので、この形で確定させるというものでもないという考え方でございます。
○岡部座長 よろしいですか。
 ほかはいかがでしょうか。
 では、続いて、サテライト型住居を位置づけるとした場合の要件について、資料が提示されておりますので、前回、時間的にも十分な意見聴取ができなかった点もあるかと思いますので、前回御発言いただいた内容も含めて御発言いただければと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。
○大西構成員 サテライト型は、バックアップというか、本体施設はあるのですか。障害者施設などは、本体があってサテライトがある。救護施設などであれば、居宅生活訓練をやっているのですけれども、本体施設から最寄りのアパートで生活してもらって生活できるようにする。そういうパターンのイメージを私はずっと持っているのですが、今言われた場合は、本体はないわけですね。サテライトというか、個々のアパートがあるという。そうなってくると、夜間の問題とか、いろいろな意味で、利用者の安心・安全というようなことをどういう形で終日担保するのかというようなことが出てくると思うのですけれどもね。その辺をどのように考えているか教えていただきたいと思います。
○立岡構成員 そもそも最初に、仙台で言うと、ホームレスの支援をやっている団体が、まさに施設みたいなところを借り上げてというより、基本的に空いているアパートに、転貸的な形で、結局は、その人に対して、居室がないので入ってくださいというような形で進めていった段階で、最終的に、そういった届出をしてくださいというようなことを仙台市から言われたので、無料低額宿泊所に1部屋ずつ、結局は届出をしていったというような形ですね。
 本体的な施設というか、量的なものがあってというよりも、地域的には、小さい仙台の団体がそういうような形で借りていった上で一人一人。そこに巡回していく中において、この人は知的な障害があるなとなれば、当然ながら、そこを住所に設定した形の中において、福祉的なサービスにつなげていくというような形で、徐々にそういうような形が広がっていったというのが一般的というか、仙台的というのは、そういうような感じなのですね。最初から大量にどーんと人がいてというよりも、一人一人自立したいというふうな人が出てきたたびに、空いているアパートに一人ずつ入れていったというのが実態なのですね。そういう形で進んでいった、いわゆる路上生活者への支援という形態と、多分、地域の差があったのかなという気はするのです。
○岡部座長 事務局のほうでちょっとお願いします。
○矢田貝保護課長 私どもの御提案を申し上げますと、5ページを見ていただきますと、基本的には、本体施設があってのサテライト型の住居という形での御提案をさせていただいていると。これは、障害のグループホームの例もそうですけれども、本体のほうでグループホームなりがあってサテライト型があるという形で、今回の御提案は、本体があって、サテライト型の住居があって、全体では20名以下という形でのもので、距離的には20分程度という形で御提案をさせていただいていると。
 1つ前のページの4ページを見ていただきますと、そもそもサテライト型住居というところなしで考えますと2つに分かれまして、5人未満の住居については社会福祉法の対象外になる。もし、仮に、5人以上のところで無料低額宿泊所事業を行っているのであれば、これは、無料低額宿泊所の規制がかかるということですので、まず大きく分けまして、5人未満の住居か、5人以上の無料低額宿泊所事業かということで、無低なのか、それとも、そうではない規制の対象外なのかというのがまずある中で、このサテライト型住居は、5人未満、1~4名という住居ではあるのですけれども、本体施設があって、そこと一体的に運営をして設置されている、まさに障害のグループホームのサテライト型のようなものについては、このサテライト型として規制をしてはどうかという御提案ですので、仙台型が、例えば人数が何名かにもよるのだと思うのですけれども、恐らく5名以上で一つの施設でやられているということであれば、それは無料低額宿泊所としての規制にかかりますので、それの要件をどうするのかということを多分仙台の中で話し合っていただくということでございますし、仮に、そこが1~4名みたいな位置づけであるとすると、それは規制の対象外のものなのか、それとも、本体施設があるサテライト型として位置づけるのかということで御議論をいただくという形に、厚労省側をベースにするとなるかなという、そういう関係かなと理解しています。
○岡部座長 どうぞ、平野構成員。
○平野構成員 障害関係が長いものですから、5ページの資料ですけれども、今、大西構成員が言われたように、かつては、障害者のグループホームにも、バックアップ施設ということで、入所施設とか通所の対応できる施設が要件になったのですけれども、今はなくなっているのですね。つまり、グループホームをつくるときに、バックアップ施設は要らないと。それ自身が独立してやっていけるというふうに制度上変わっています。逆に言えば、そういうことができる体制やそういうことができる利用者だという形なのですね。
 その上で、このサテライト型施設はどうかというと、障害に関して言えば、その利用者が仮に10人いたとすれば、10人の中で全部が均等ではないだろうと。サービスの必要がなくて、より地域の生活が必要な人もいれば、ちゃんとホームの中でケアの必要な人もいる。これを全部均等にして、画一的な処遇をすること自体がよくないのではないか。それぞれ合った障害と、そう考えれば、より適した環境でやったほうがいい。ですから、あえて言えば、部屋を分けたと考えればいいと思うのですね。
 ですから、今回の無料サテライトも、そう考えていけば、それぞれのニーズに合わせて部屋を分けていったという考え方のほうがわかりやすいのかなという感じがします。
 以上です。
○岡部座長 水内構成員、お願いします。
○水内構成員 今、サテライト型住居につきましては、多分、地方の政令指定都市とかは、その辺は物すごく関心を持って、どういう形で出るのかなと待っておられる。というのは、例えば、生活支援で、実はランキングをとって見たのですけれども、2位が那覇市で、5位が岡山市で、7位が広島市で。16位に札幌市とあるのですけれども、ここはほとんど無低がないところで、届出なしで支援つき住宅をやるところもいっぱいございます。その実態は、ほとんどサテライト型住居に近いことが多いのですね。バックアップオフィスみたいなところで、多分、ここの規程にあるような5人ぐらいのところを構えながら、点々とやっているというケースは多いと思いますし、そのバックアップオフィスを中心に、1部屋か2部屋ほど事務所があるというような形が、今、かなり平均的かなと思います。
 なので、これを見たときに、サテライト型住居だなとは思うのですけれども、先ほど奥田さんが心配したように、4ページを見ていると、日常生活は無料、サテライトも空けられてしまうので、これは別物という形になってしまうので、4ページの表については、日常生活支援の機能として何か上に天井をかぶせつつ、機能と物をここでちょっと分けてしまっているので、地方の方々で、無低でない、これは届出からしなければいかんなと考えられているときに、よりイメージをするためにはちょっと工夫が要るのではないかなと思います。
 以上です。
○岡部座長 どうもありがとうございます。
 宮澤構成員、いかがでしょうか。
○宮澤構成員 私は、前回随分話しましたのでね。特段、大きくあるわけではないのですが、これは厚生労働省に聞きます。
 1日1回の巡回訪問は、土曜日・日曜日・祝日・年末年始は、当事者の立場に立ったときに、家庭訪問などをされるという行為が一体どういった意味合いを持つのかということを考えてくださいというお話をしましたよね。我々事業者側の理屈ではないのですよ。支援者側の理屈ではないのです。福祉事務所側の理屈ではないのです。福祉事務所側の理屈で通すなら、ケースワーカーは毎日家庭訪問を単身居宅の人にやってください。そうではないのですよね。だったらば、土曜日・日曜日・祝日・年末年始は、検討して、本当に1日1回訪問をしなければいけないということが何なのか、何のエビデンスに基づいたケースワークなのかということを、専門職なのですから、考えてください。これで意味はわかりますよね。
 次、これは、私たちの場合は、埼玉なので、二階建ての戸建て住宅という形をベッドタウンという形でやっていますから、大規模な、大きな鉄骨建ての5階建て、6階建てという形で形態的に、地域の実情を鑑みれば、そういった形態で無料低額宿泊所を運営できないという、なかなか難しいというふうな実情もないわけではない。やっている事業者も多いけれども、ないわけではないので、屋外については、先ほど触れられていませんでしたけれども、2階の戸建て住宅を活用していて、廊下や広間には直接出ることは当然できますけれども、窓がない施設などというのはあり得ませんが、屋外に直接2階の方が出るということは、ベランダがない居室の場合は不可能なので、その点については、「または、」と入れていただくようにお願いします。言っているところはどこかわかると思います。
 続いて、これは、逆に、立岡さんとか奥田さんとかと意見があるところではあるとは思うのですけれども、近隣住民の同意を得たことがわからないと、文書でとりなさいとか、自治体側は所管課のほうが、申し訳ないのですけれども、びっくりするのですけれどもね。届出自体を忌避するような、届出をしたいとほっとポット側が申し上げているのに、それを、届出を忌避したり、立入検査を2日前になってやめたりという実態があるのですよ。届出をさせてください。規制の網をかけてください。小規模巡回型が無届けで監視の目が行き届いてないという批判が第1回目にありましたよね。そのとおりですよ。だから、小規模巡回にも規制の網をかけましょう。無料低額宿泊所も含めて、しっかりと取り締まりましょう。なので、届出を受けてください。よろしくお願いしますね。
 さて、私が聞くのは、まず1点だけです。5ページ目の宿泊所全体の利用者数20人以下、これについてちょっと伺います。端的に聞きます、前回、散々私から説明はさせていただきましたので、シンプルです。厚生労働省に伺います。
 20人以下に対して専任の職員と。どうやらある自治体さんたちの話し合いによると、専従の規定がいいのではないかとおっしゃると。私たちほっとポットは、少なくとも社会福祉士4~5名体制で、これまで13年間小規模巡回型の施設を運営してきたわけですけれども、この「20人以下」というのは、20人を職員1人充てるとこうなりますよという図式として表記をされている。それに当たって、障害者グループホームの例を参考として右側にくっつけているというふうな理解の図でよろしいのですか。
○清水室長補佐 全体の20人については、障害者グループホームの例、右側に書いてございますとおり、20人というところを御参考にさせていただいたというところと。
 あとは、前回の資料で触れていたかと思うのですけれども、基本的に、今の実態調査を見ますと、1人の職員、頭割りにしますと、利用者20数名ということになってございましたので、1人当たり見れる担当ということで言えば、20人は妥当な範囲ではないかということで、20人以下ということで提示をさせていただいたところでございます。
○宮澤構成員 1人頭職員の方が見れる人数は20人以下と考えていらっしゃるのですね。私は行政マンではありませんので、ケースワーカーさんは標準世帯数を何人を持っていらっしゃるのでしょうかね、東京都さん。さて、そう考えてくると、今の厚生労働省さんの説明によれば、であるならば、私たちほっとポットは、一番最初第1回の検討会の資料をもう一回読み直してください。何でシンプルにA41枚を私が出したのですか。社会福祉士が4~5名体制で16カ所の施設を回っているのですね。もちろん当たり前ですけれども、契約書を交わしていて、居室利用料の住居サービスという契約書とは別に、生活支援のサービスという契約書を結んでいます。金銭管理をしていません。さて、そう考えてくると、ほっとポットの場合、職員1名に対して20人以下と、頭で考えていると、今、厚生労働省さんはおっしゃいましたけれども、私たちほっとポットは独立型の社会福祉士事務所なので、社会福祉士が2名体制で巡回型でやっているのですね。その意図を言わないと伝わらないなと思ったので、前回の反省点として端的に述べます。
 我々社会福祉士は、基本的に、自分たちのふだんのケースワークがある場面場面に応じてはとてもリスキーな側面を出してしまうことを自覚している専門職です。表現はもう少しかみ砕きますけれども、例えば、金銭搾取や虐待、暴言、場合によっては今回貧困ビジネスの先ほどの排除の話もありましたね、契約の解除。要は追い出しですよね。そういった一つ一つの当事者の権利侵害に直結するような。1日1回の訪問もそうですよ。権利侵害に直結するような行為、長期入所もそうですよ。長期間そこの施設にいるということだって、権利侵害に直結するかもしれませんよね。簡易個室もそうでした。なので、そういった側面を社会福祉士みずからがやってしまう可能性があることを強く自覚しなければならないということを倫理綱領や行動規範にしっかりと明示してふだんの職務をしているのです。
 となってくると、ほっとポットの場合は、4~5人で社会福祉士が当たっていると何度も申し上げましたが、しっかりと階層化し、ヒエラルキー構造にしているのですね。つまり、スーパーバイズ機能を持っている。指導的機能を持っている社会福祉士と現場の支援に当たるケースワーカーのような存在ですよね。しっかりとピラミッド構造にするのはすごく重要なのです。特に、小規模巡回型で悪質な事業者や低劣なサービスを提供して高額な利用料金をもらうという経営体は、私は一切容認しません。ですので、20人に対して頭数1人と考えるのであれば、例えば、小規模巡回型と言わないですね。これで言うと、無料低額宿泊所・サテライト型住居については、例えば、施設長を社会福祉士にしたらいいのではないですか。
 あとは、そのことによって質の担保ですよね。社会福祉士主事ではだめですよ。社会福祉士でしっかりと質の担保をとる。だからといって、それでもリスキーがあるので、ダブルチェックの体制をとって2人体制にする。そのことによって結果的には、お互いの業務を点検し合うという日々のケースワークの業務の流れがあって、結果的に20人に1人という考え方に強く固執されるのであれば、40人に対して社会福祉士が2人のほうが当然人は担保できますよ。だからといって、当事者に何か権利侵害が及ばないというわけではないという可能性が少なくとも私は否定はできない。それは苦しいところです。恥ずかしいところ。がゆえに、であるならばこそ、提案できます。この無料低額宿泊所・サテライト型住居がしっかりと規制の網にかかり、無料低額宿泊所の届出をさせていただきたいので、私たちが事業の健全性をしっかり担保できる形態にする以上、1人で本体施設1カ所、サテライトを4カ所、つまり5カ所ということですよね、それよりは専門職がしっかりと一時滞在の形をとりながら、40人に対して社会福祉士は2人以上というふうな形態のほうが、より好ましいのではないかと考えます。
 私は前回相当話しましたので、ここまでにとどめますけれども、少なくとも最後に念押しはします。13年間その場で事業や支援活動を営んできた我々の試みを、別の事業体だから、また、先送りにしましょうなどというのは、13年やってきて先送りにされているのですよ。あと10年先送りなんていうのはもう容認できない。今回で、厚生労働省にはしっかりと考えていただきたい。よろしくお願いいたします。
 以上です。
○岡部座長 ほかに御意見はございますか。
 滝脇構成員、どうぞ。
○滝脇構成員 資料1にも少し関わる話で、先ほどは時間がなかったので控えましたけれども、今、宮澤さんが発言されたことに関連することを申し上げます。前回、サテライト型についても、職員、施設長の資質という資格要件が書かれていて、今回の資料においては、前回のものと基本的には変わっておりません。ここは最低基準を決める話だと承知をしておりますけれども、しかし、省令を決めるという点では重要な規定をしようとしているわけです。
 前回、私が申し上げたのは、今回の資料2で言えば、5ページの資格要件に、施設長、その他職員について書かれている。それから、資料1のほうで言いますと、ほぼ同じような書き方でありますけれども、5ページに「職員の資格要件」で、「施設長の資格要件」として、1、2、3という3つが書かれており、3につきましては、施設長資格認定講習会に限定をされています。
 第4回検討会で私が申し上げたのは、個別団体の研修でよしとしましょうということではありません。そうではなくて、実際に、ふるさとの会の職員も、NPO法人すまい・まちづくり支援機構が行う寄りそい支援検定というもので、地域や団体を超えて一緒に研修をしたりとか、ホームレス支援全国ネットワークでも、伴走型支援ということでたくさん実績を積み重ねてきたりとか、さまざまな実績のある研修があって、それは実際に日常生活支援を実践してきた、その実践から生まれ、地域や団体を超えてスキルアップをしてきたのです。社会福祉士としての実績というお話ももっともだと思っていますが、でも、そうではない実践からも施設長の資質を担保する取り組みがあるはずです。事実、それが1、2と同等の能力があるということを、説明を尽くして、現に認められてきたという経緯もありますので、ここで一気に限定してしまうのは早すぎるのではないでしょうか。前回の繰り返しになりますけれども、次回から日常生活支援とは何かという議論が始まるわけですから、まずは日常生活支援とは何かという議論をして、それを担保する資格要件とは何で、そのためにどういう研修や質の担保が可能でということを議論してから、もう一回立ち戻れる余地をつくっていただけませんかということを申し上げました。
 しかし、今回の資料では完全に無視をされていると思われますので、その理由を厚労省にお尋ねしたいと思います。
○岡部座長 では、事務局からの御説明をお願いします。
○矢田貝保護課長 ここのところも含めて、前半の御意見もいろいろいただいていますので、厚労省の考え方はちょっと整理をして、次回まとめて出せればと思います。
○清水室長補佐 考え方ということで、今、施設長資格認定講習会の課程ということで挙げさせていただいている考え方だけ説明をさせていただきますと、これは、ほかの社会福祉施設共通ということで、それぞれ各施設とも「同等以上の」というところで規定がされてきたものの、やはりその施設ごとによって、その考え方とか取扱いがばらばらなのがよろしくなかろうというところで、一定の統一の施設長資格認定講習会ということで位置づけられたという経緯があると思ってございますので、同一でいいかどうかというところは御意見としてはあろうかと思いますけれども、これは施設長ということで並びで見た場合ということで言いますと、それぞれの施設でも同じような独自の研修とかというのはあろうかと思いますけれども、基本的には、施設長の資格認定要件、この「同等以上の能力を有している者」ということで、今時点で、共通の要件としてはこの施設長資格認定講習会というもので認定をしていることがございまして、今回、そういった記載にさせていただいているというところでございます。
○滝脇構成員 施設長資格認定講習会では不十分だとか、そういう趣旨の話をしているわけではないのです。繰り返しになりますけれども、個別団体で研修するのは、それぞれの努力として当然のことだと思っています。その上で、地域や団体を超えて、日常生活支援のあり方を議論したりとか、共同で研修をしてきたりした取り組みを尊重してもいいのではないでしょうか。宮澤さんが言われる社会福祉士としての実績も大事だと思いますが、この検討会のキーワードの1つに多様性ということがあると思いますし、一昨年の意見交換会の時から先行的な取り組みについて随分議論してきたと思います。なぜ多様かといったら、日常生活支援ということを取り組んできた、その方法にも多様性があったということですから、それと切り離して、この要件が先に限定されてしまうの時期尚早ではないでしょうかということを申し上げたかったわけです。
 以上です。
○岡部座長 奥田構成員、どうぞ。
○奥田構成員 社会福祉事業に2年以上従事した者ということですけれども、これは社会福祉事業ですから、一種事業、二種事業、両方とも含まれるのですよね。だから、そもそも無料低額宿泊所で2年以上勤務した者は施設長になれるということになりますよね、二種事業ですから。それはそれで整理されてきていると思うのですけれども、もう一つ、例えば、これは範疇から言うと、生活困窮者自立支援制度に基づくさまざまな従事者がいるわけですよね。これは国の研修なども受けていたり、今後、地方自治体の研修に移っていくでしょうけれども、ああいうような生活困窮にさらに特化したようなところで経験を積んだ人たち、あるいは、ホームレス自立支援センターの従事者というところはカウントしなくていいのかという。そもそも社会福祉事業に限定している意味はどこにあるのか。ただ、誰でもいいよにはならないでしょうから。その辺りは、同じ範疇にいる人たちで、実践の経験だと国が認められるというような範疇は、私は加味したほうがいいのではないかと思いました。
○岡部座長 ちょっと一般的な話をしますと、社会福祉で法で定められた事業、施設とかというのは、社会福祉事業の任用資格がなければいけないということでの規定をされていまして。それ以外に、資格要件としてそれが定められていると同時に、今おっしゃられた実務経験とか、あるいは、どの施設においても、施設を運営するに当たっては、この施設長の研修を受けるのが一番の要するに基本としてあると。それを法で定めているということで。
 今おっしゃっていたように、無低あるいは生活困窮者の自立支援法でも結構ですけれども、その事業をやるに当たっても、それを前提として考えられていることなので、そこでそれぞれの研修をやられていることは承知しておりますけれども、今おっしゃっていることは、それを代替するという意味ではないわけですよね。前提として考えた上でそれをやるということは、それは非常に大事なことだと思うのですけれども、それにかわって行うということは、基本的には、今回の件についてだけではなくて、全ての社会福祉の事業に従事する人にはそれを求めているわけですので、そうではないということで理解してよろしいですよね。前提条件として考えている。前提条件の上で、それをやることについては、どなたも否定はしないと思います。
○滝脇構成員 施設長資格認定講習会は第一種社会福祉事業の施設長の研修として確立されているものだと思います。しかし、宿泊所においては、実際に行っている研修の資料を添付して説明を尽くし、施設長として認めていただいているという運用があるのも事実です。それを、もし変えるということであれば、もう少し議論が必要ではないかということです。
○岡部座長 ここは、基本的に、全ての法で定められた事業を行う者についての資格要件を述べているだけであって、それ以上の議論がというならば、また、さらに今後検討をしていく必要があるかなと思います。ですから、特段、ここでハードルを上げたというわけではなくて、そういうふうに定められているということで、ここで書いてあるということですね。
 ですから、先ほど、それをセパレートで考えるかどうかということの御議論が必要ということならば、これで、省令と条例を含めて考えると、ここで押さえていただかないと、話が先に進まないことにもなるのかなと思います。
○大西構成員 この検討会は、いい無低はしっかり伸ばしましょう、なおかつ、劣悪な無低については規制しましょうと、その二本立てで進めています。ここはどうでしょう。最低基準ですから、どこかで落としどころを見つけて、しっかりと最低基準を設けていかないと話が前に進まないような気がしています。
 私ども保護施設は、最低基準にがんじがらめで、なかなか生活困窮者の自立支援の事業をやろうと思っても、その場所を使ったらだめだよというような、そんな縛りの中で事業をしているわけです。それらもちょっと鑑みて、最低基準はあくまで最低基準としてどこかで落としどころをつけておいて、あとは、自治体と国と協議というような場を、すき間を残すようなところで話をしていかないと、多岐にわたって集約できないのではないかという思いを今持っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
○岡部座長 ありがとうございます。
 今、事務局からお話ししていただきますけれども、これらの意見について、これを踏まえて次回整理をさせていただくことになろうかと思いますが、事務局のほうはいかがでしょうか。
○矢田貝保護課長 第1部のほうも、今回のサテライトのほうも、きょうの御意見を踏まえまして、事務局で整理させていただきまして、また、次回御議論いただければと思いますが、一言だけ申し上げれば、我々、どちらかというと、個々の事業者の事情もあると思いますけれども、やはり第一義は利用者の保護をどうしていくのかというところで最低基準の議論でございますので、どうしても我々厚労省としては、利用者の保護という観点でどうすべきかというところで整理させていただきたいというのと、また、もう一つ、本日話がございましたけれども、実際には規制自体は、それぞれの地方自治体で条例という形で定めていただき、その地域ごとの差もございますが、一応全国共通の標準としての基準という観点で、我々はどういうものを提示していくべきかという観点で整理させていただければと思っていますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○岡部座長 皆さんいろいろと御意見あろうかと思いますが、先ほども課長からおっしゃられましたように、今週中に御意見を事務局に上げていただいて、そのことも含めて、きょうの御意見もいただいたものも含めて整理をさせていただいて、次回に御提案をさせていただければと考えております。
 それでは、本日の検討会はこの辺りまでにさせていただきます。
 事務局から、次回の予定についての連絡をお願いいたします。
○清水室長補佐 次回の検討会の開催日時につきましては、現在、調整を行ってございますので、また、なるべく早目に確定をさせていただきたいと思いますけれども、確定次第、御案内をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○岡部座長 それでは、本日の議論は、本日も若干時間を超過させていただいて、皆さんの御意見をいただきました。本日の議論は以上とさせていただきます。
 御多忙の中、ありがとうございました。これで終了いたします。