2019年4月22日 第8回毎月勤労統計の「共通事業所」の賃金の実質化をめぐる論点に係る検討会 議事録

政策統括官付参事官付雇用・賃金福祉統計室 政策統括官付参事官付統計企画調整室

日時

平成31年4月22日(月)13:30~15:30

場所

厚生労働省専用第21会議室
(中央合同庁舎第5号館17階9号室)

出席者

構成員(五十音順、敬称略、○:座長)

 ○今野 浩一郎
  神林 龍
  樋田 勉
  山田 久

事務局

  藤澤政策統括官
  吉永審議官
  中井参事官(企画調整担当)
  瀧原統計管理官
  細井統計企画調整官
  田中審査解析官
  村木雇用・賃金福祉統計室長補佐

議題

(1)「共通事業所」及びその集計値に係る分析について
(2)その他
 

議事

 

○細井統計企画調整官 
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第8回毎月勤労統計の「共通事業所」の賃金の実質化をめぐる論点に係る検討会を開催させていただきます。
 構成員の皆様方には、お忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。
 本日の出席状況でございますが、石原構成員、稲葉構成員、野口構成員から御欠席の御連絡をいただいております。
 それでは、これ以降の進行につきましては座長にお願いいたします。
 カメラ撮りはここまでとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○今野座長 
 それでは、お手元の議事次第にありますように、今日は「『共通事業所』及びその集計値に関する分析について」ということで、議論をしたいと思います。
 既にごらんになっているかもしれませんが、神林さんから資料を提出していただいていますので、神林さんから説明をいただいて、それで議論をしたいと思います。
 では、神林さん、よろしくお願いいたします。

○神林構成員 
 それでは、私のほうで、毎月勤労統計調査のマイクロデータを提供していただきまして、前回、議論になりましたローテーション・サンプルに関するバイアス、あるいは生き残りバイアスについて、簡単に推計した数字を報告したいと思います。
 お手元の資料1というのがありまして、それにざっくりと書いてありますので、自分としてはできるだけわかりやすく書いたつもりではございますけれども、全体を説明していきたいと思います。
 まずは推計モデルということですけれども、1ページ目の2.のところを見ていただきますとおわかりになりますように、これは前回の検討会の中で合意した推計モデルになります。
 この推計モデルの中でポイントになる説明変数は、3.に書きましたように、共通事業所を識別する変数とローテーションを識別する変数、この2つを鍵になる変数として抽出しております。
 これがどう定義されたかについては、そこに説明があるのですが、次の2ページと3ページにある概念図を見ていただくとわかりやすいかと思います。例えば2ページを見ていただきますと、2015年7月のところに「t」というのが振ってあります。ですので、この概念図は2015年7月に関して推計をするときに、何と何を比較しているのかということを簡単に示したものです。
 この点につきましては、まず第二種事業所に限って説明いたします。といいますのは、第一種事業所というのは、この間、ローテーション・サンプルをしておりません。ですので、ローテーション・サンプルと生き残りサンプル、2つの効果が発生するのは第二種の事業所だけです。ですので、とりあえず第二種の事業所だけを参考にいたしまして、このローテーションと生き残りというのがどういう関係にあるのかというのを確定していこうと考えております。
 2015年7月時点で、縦に見ていただきますと、X、Y、Zという集団があるのがわかると思います。これがローテーション・サンプルを分ける概念図です。
 まず、一番上にあるサンプルアウト事業所というのは、2015年7月以前にサンプリングが開始されているもので、1年後、つまり2016年7月までの間にはそのサンプルから出ていってしまう、指定解除されるサンプルです。
 ちなみに、ここにはウエーブが1個しか書いてありませんけれども、第二種事業所は3分の1ずつ6カ月サンプルですので、2015年7月時点では前と、前の前にサンプルされた3つの集団に分かれていると考えてください。最初の集団は省略してあります。
 まず第1の集団というのは、2015年7月以前にサンプリングされている、このサンプルアウトされるという集団です。もう一つの集団というのが、2015年7月からサンプリングが開始されるという集団で、これがXとYということで、緑色であらわされている集団になります。
 ただ、この緑色であらわされている集団の中で、2016年7月時点で生き残っている事業所と、何らかの理由で2016年7月に答えをいただけていないという事業所に分かれます。これをそれぞれ共通事業所と脱落事業所という形で概念化しております。
 ここでは、簡単化のために2016年7月までにずっと単調に減少していくかのように書かれているのですけれども、ここは2016年7月にたまたま回答しなかったという事業所も含まれますので、実際のところはがちゃがちゃしていると考えてください。
 先ほどのローテーション・バイアスというのは何を検証したいのかというと、2015年7月の時点でこの緑色のサンプルが新しく入ってくるわけですけれども、これがそもそもそれまで生き残っていた事業所と比べて何らかの特徴的な性質を持っているのかというのをまずは検証するというのがローテーション・バイアスと呼ばれるものの考え方です。
 次に、XとYとZという3つの集団があるわけですけれども、共通事業所として現在厚生労働省が認識している事業所というのは、この中でXと呼ばれる集団だけになります。この共通事業所というのがそのほかの集団に比べて、2015年7月の時点で何か特徴を持っているのかというのを検証するというのが生き残りバイアスと呼ばれるものの一つの分析例ということになります。
 もう一つ、実は追加的に後で出てきますが、このZというのを考えずに、緑色の集団の中だけで生き残った事業所とそうではない事業所、共通事業所の間でどれだけ差があるのかというのも検証しております。
 この3種類の検証があるということを念頭に置いて、その数式を眺めますと、実際、どれぐらい差があるのかというのを見ることができるかと思います。
 その結果を記したのが5ページ目になります。Fig.1というのは、このうち最初の2つ、XとYという緑色の集団がそのとき生き残っていた集団と比べてどれぐらい差があるのかというローテーション・バイアスを示した赤い数字と、共通事業所、生き残った事業所がそのほかの集団と比較してどれぐらい差があるのかというのを見た青色の数字というふうに分かれているかと思います。
 このとき、細かい話をいたしますと、被説明変数にはhourly wage、時間賃金をとっております。これは毎勤の中では公表されている数字ではありませんが、研究者サイドから見ると、時間賃金が平均生産性をあらわすと考えられますので、この時間賃金がどれぐらいぶれるのかというのが一つボトムラインといいますか、議論の出発点を形成すると考えております。
 説明変数のほうには、2-digit industry、2桁分類。これは第二種事業所なので全国に散らばっているのですけれども、2桁分類の産業分類と、立地をあらわすための都道府県を入れております。この2つの情報でサンプリング構造が決まっているとお考えください。
 それにつけ加えて、female hour ratioというのは、総投入時間における男女比です。時間で計測をした男女比を入れて、もう一つ、時間で計測したパートタイマー比も入れております。これでコントロールをした後、ローテーション・サンプルが持っている、ほかとの集団の平均的な差がどれぐらいあるのかというのが、最初の2015年7月のところで示した赤い線をバンドとしている推定値ということになります。
 このバンドは、プラスマイナス1の標準誤差を使っております。大抵の場合は、例えばプラスマイナス1.5の標準誤差で見ると95%ぐらいになりますので、このバンドを2倍にしていただいてゼロをまたいでいると、星が1個つく、そういう感じで考えていただければと思います。そういうことなので、このプラスマイナス1の標準誤差というのはかなりリスクを多目に見積もっている、かなり信頼区間は小さい推定値ということになります。
 それであったとしても、2015年7月の赤い線はゼロをまたいでおりますので、やはり2015年7月に新しくサンプルされた事業所は、そのとき生き残っていた事業所と比較して、実は時間賃金というのは平均的には差がないと解釈するのが本当かと思いますが、青色の線の下限はゼロをちょっと超えていますので、その中で2015年7月時点で見て1年後に生き残っている事業所とそうではない事業所を比べたときに、2015年7月時点で既に平均的な時間給というのが生き残っている事業所は高いかもしれないということが示唆されるということになろうかと思います。
 ただ、これはバンドがかなり小さいので、そこのリスクを少な目に見積もって、もう少し広いバンドでもよいと考えるのであれば、余り大きな違いはないと理解することができるかと思います。これが計測の仕方ということになろうかと思います。
 ここで2点、追加的に申し上げるとすると、緑色の集団の中だけで生き残った事業所とそうではない事業所を比較するとどうなるかというのが次の6ページの(2)の図の中に入っている二重線で書かれた推定値である。これは、2015年7月に初めてサンプリングされた集団の中だけで見たときに、1年後に生き残っている事業所と生き残っていない、何らかの理由で1年後は提出していただけなかったという事業所を比較したときの差です。青色の実線に比べると、かなり上に出ているということがわかります。
 結局、2015年7月時点でサンプリングされた事業所だけに限ってみると、やはり1年後に生き残っている事業所は既にサンプリングされた当初、2015年7月時点でかなり時間賃金が高い事業所に限られる、そういう傾向が見てとれるかと思います。これが最初の1点目です。
 もう1点目は、これは時系列でずっと動かしているのですけれども、後で時系列が動いたときに一体何と何を比較しているのかというのを説明いたしますが、基本的にローテーティング・バイアスとコンティニュエーション・バイアス、生き残りバイアスというのは、全体的に見ると、それほど大きく変化しているわけではないというのが見てとれます。
 確かに、12月時点、あるいは6月時点、6カ月ごとにちょっと裾がぽんとはね上がるというような傾向がなきにしもあらずですけれども、全体を通して見ると、青い実線と赤い実線はゼロの周りをうろちょろしていて、はっきりと上に出るというような傾向はそれほど見てとれません。これが2つの発見としてまとめておこうかと思います。
 後者のこれを時系列に眺めたときに何が起こっているかを、自分ももうちょっと素直に書けばよかったのですけれども、実はこれが動いていくに従って比較対象がどんどんずれているということを認識していただきたいと思います。
 最初に、2ページの図を見ていただくとおわかりになると思いますが、この比較のベースになっているレンジ、2015年7月の時点であるわけですが、これを右のほうに動かしていくと、何と何を比較しているのかというのがわかりやすくなると思います。2015年7月の時点ではこういう比較になっています。1カ月動かすと8月になるわけですけれども、本質的には比較の対象は変わりません。8月、9月、10月、11月、12月まで行っても、本質的には比較の対象は変わりません。
 ところが、2016年1月に入るとどうなるかというと、緑の事業所の上に書いてあるサンプルアウトの事業所というのは完全に消えます。それにかわるように、その下にちょっと薄い黄色の新しいサンプルが入ってきます。緑色を比較の基準として、比較の対象をどこにとっているかというと、2015年7月から12月までは上のサンプルアウトしてしまう事業所も比較の対象に含まれていたのですが、2016年1月からはそれが全部抜けてしまって、今度は新しい事業所が入ってくるということになります。
 ですので、ローテーティング・バイアスを先ほど5ページ、6ページの赤い線で推定をしておりますけれども、これは2015年7月にサンプルされた事業所が、その時点でほかの事業所と比較してどれぐらい離れているかを推定しているのですけれども、比較の基準になっている2015年7月にサンプルされた集団を固定しているのですが、比較の対象にとっているのは最初の6カ月はその前の前にサンプルされたものと、前にサンプルされたもの、次の6カ月は前にサンプルされたものと次にサンプルされたもの、最後の6カ月は次にサンプルされたものと次の次にサンプルされたものという格好で、比較の対象が6カ月ごとにずれていくということは意識なさっていただきたいと思います。
 もう一つ、生き残りバイアスのほうはもっとこの図というのが深刻といいますか、2015年7月時点での共通事業所の定義は、先ほど2ページで見たとおり、2016年7月時点で生き残っているこの緑色の集団の中のX、ここで定義をされます。
 これが右に動いていきますと、6カ月後に、次の3ページの図になるのですが、このふたつの図を対照していただくとわかると思うのですけれども、共通事業所の定義がずれます。つまり、2015年7月から12月までの共通事業所というのは、第4回のローテーションに入っているXの部分の事業所ですけれども、2016年1月から共通事業所の定義は第4回のローテーションではなくて、第5回のローテーションに含まれる共通事業所、その1年後まで生き残っている事業所に、今度は比較する基準になっている事業所はずれます。これが6カ月ごとにどんどんずれていくということになるというのを理解していただきたいと思います。
 ですので、ここで一番注意しないといけないことは、2015年7月に共通事業所として認識をした事業所と、その1年後、2016年7月に共通事業所として認識される事業所というのは、ローテーションで言うところの2回分差がある。全く違う事業所を共通事業所という名前で実は比較をしているということになるということを理解していただきたいと思います。ということは、その共通事業所の数字を計算して前年同月比をとるということの意味というのを実はきちんと考えないといけないということになるのがわかるかと思います。
 以上がこのローテーティング・サンプルと、生き残りバイアスに関する議論の枢要ということになろうかと思います。
 あとは、つけ足しという形になるわけですが、まず7ページに動いていただきたいのですけれども、第一種事業所に関しては何ができるかというと、第一種事業所に関しましてはこの期間ローテーションがありません。ですので、完全にある時点で回答している事業所と、その1年後、12カ月後に回答している事業所、12カ月後に回答していない事業所、この2種類に分けて、その差がどれぐらいあるかというのを見るというのができることの最低限というか、最大限ということになります。それを推定したのが7ページの(3)で、これは平均値しか出しておりません。
 これは、推定式自体は第二種事業所と変わらないのですけれども、規模別にそれぞれβを推計しております。
 これを動かしていくと、おわかりになると思いますが、おおむねゼロより上に出ているというのがわかるかと思います。これが1点目です。

○今野座長 
 s1、s3というのは何ですか。

○神林構成員 
 s1のほうが規模は大きいです。

○瀧原統計管理官 
 1,000人以上がs1で、s3が500~999、s5が100~499、s7が30~99です。

○神林構成員 
 ですので、まずはゼロよりおおむね上のほうに出ているというのを確認してください。
 もう一つは縦軸の大きさなのですが、先ほど5ページ、6ページの縦軸のスケールというのは、マイナス0.03からプラス0.05までですので、Fig.3、7ページの縦軸に比べるとかなり小さいというのがわかると思います。
 これはhourly wageと書いてありますが、間違いで、hourly wageのlog、対数値をとっておりますので、例えばs1で12月にぽんと出ているのが0.15から0.20の間に入っていますけれども、これはラフに言うと15%から20%違うということを意味しています。
 ここでわかることは、生き残りバイアスというのは大分大きく、計測する時期によってがちゃがちゃになるということが一つ。あと、規模と生き残りバイアスとの関係はそんなに単純ではない、上がったり下がったりするというニュアンスがここから見てとれるかと思います。
 あと、次のページに行っていただきますと、今度は何をしたのかというと、今までの説明は、例えば2015年7月時点での平均的な時間賃金に差があるかを示したわけですが、今度は2015年7月から翌月、2015年8月までの間に、同じ事業所で平均的な時給が何%変化したのかログの階差をとった対数を左側に持ってきた推定結果を示したものがこれです。
 ですので、赤いバンドは、先ほどの緑色の集団がそのほかの集団に比べて1カ月間の賃金変化率がずれているかどうかを示しています。青いバンドは、共通事業所と呼ばれる事業所が、ほかの集団と比べて1カ月間の賃金変化率が違うのかというのを示しているわけです。
 これを見る限り、バンドがかなりずれるといいますか、ばたつくという印象はあるわけですけれども、基本的に先ほどと似たような傾向があるのかなとは思います。先ほどの時間賃金のレベルに比べると、推定値がかなり不安定になっているというのがおわかりかと思います。これが一つの発見ということになります。
 これについてもう一つ、生き残りバイアスに関して先ほどの賃金変化率をとったのが次の9ページの図5になるわけです。図の5ではある程度はっきりわかると思いますが、二重線というのが、1年後まで生き残った事業所と、同じ時期にサンプリングが開始されたのだけれども、1年後には生き残っていなかったという事業所の賃金変化率の差を見たものです。
 これを見ると、上のほうに出ているということと、上のほうにどんどん単純に増加していく傾向があるのがわかると思います。なので、サンプリングされた当初は、1年後に生き残る事業所とそうではない事業所はそれほど大きな差はないのですけれども、サンプリングから時間がたつにつれて、生き残る事業所とそうではない事業所の差がはっきり見えてくるということがおわかりになるかと思います。
 Fig.6というのは、同じ計算を規模別にしたものです。やはり規模別に見ても、先ほどと同じような傾向は出てくるかもしれません。ただ、規模別に見ると、ゼロの周りに多く推定値が集まるとも読めますので、この辺は余り大きな差がないのかもしれないという結論が導かれるかもしれません。
 次に、今の説明は1カ月の賃金率のずれを左側に持ってきているわけですけれども、この階差をもう少し離してみるとどういうことがわかるのかを図7で推定しています。ローテーションの関係で、第二種事業所は6カ月分しか時間がとれませんので、それは除いておいて、第一種事業所に限定しています。one monthというのは翌月と今月の間の時給の変化率をとったもの、two monthというのは翌々月と今月、どんどん行って、最後のeleven monthというのは11カ月後の時間賃金の変化率をとったものです。
 eleven monthというのは、今月時点では報告をしています、11カ月後も両方報告をしています、しかし、12カ月後にはなぜか報告を続けた事業所と続けなかった事業所が出てきて、その2つを11か月後との変化率で比較しているものです。
 これを見ると、結構大きく出るときもあれば、小さく出るときもあるし、時系列的にどういう性格を持っているのかというのもはっきりよくわかりません。この辺がもうちょっとはっきり出るかなと思っていたのですけれども、余りよくできなかったところでもあります。
 もう一つは、先ほどまでの数字は各規模別でこんな感じになりますというのを計算していたのですが、時間賃金の変化率につきまして、規模で集計をしてしまって、規模というのはコントロール変数としてだけ入れるという形で、第一種事業所の全体的な平均的な動向という推計値を示したのがFig.8でございます。
 これを見ると、上下、縦軸のバンドがかなり小さくなっているのがわかると思います。ですので、規模別には結構ばらけた数字が出てくるのですけれども、全体規模をまとめると、さすがに観測数が大きくなるので、推定バンドが非常に小さくなるということがわかるかと思います。
 これで見ると、6カ月ごとの比較をとると、このバイアスがある程度出てくるということがわかるかと思います。ただ、この場合、ネガティブになっていて、何が起こっているかというのはよくわかりません。
 基本的に、第一種事業所は1回サンプリングを開始すると、この期間、ずっと回答をお願いしているという状況であるはずです。6カ月ごとにバイアスが上がったり下がったりするというのは、第二種事業所では新しいサンプルが入ってきたりしますので、ある程度数字が6カ月後、12カ月後、18カ月後に暴れるというのはわからないではないのですけれども、第一種事業所で何かサイクルみたいなものが発生するというのは、ちょっと理解しがたいところがありまして、それも検討するといいましても、どうやって検討していいかわからないのですけれども、考慮するべき一課題かなと考えております。
 あとは、説明のためにつけ加えたAppendixということになります。
 以上、ちょっと時間をとりましたけれども、説明を終わります。

○今野座長 
 ありがとうございました。
 それでは、御自由にどうぞ。

○山田構成員 
 前提の話になるのですけれども、ダミーを幾つか入れられて推計していますが、これは大体予想どおりの符合で出てきているということなのか。予想というのがあるケースとないケースがあるかもしれませんが、そこの情報というのは今回捨象されているのですけれども。

○神林構成員 
 ダミーで使っているのは基本的には産業中分類と都道府県なので、予想といっても東京とか大阪はぽっと出ます。でも、そのぐらいです。

○山田構成員 
 特にそこで拾っているという。

○神林構成員 
 そういうことで考えてはいます。あとは、ウェイトは使っていません。それがもう一つです。
 女性比率とかパートタイマー比率はきちんとネガティブに出ています。

○山田構成員 
 推計法は。

○神林構成員 
 OLSです。ただの平均値をぐるぐる回しているだけです。

○樋田構成員 
 決定係数はどのくらいですか。

○神林構成員 
 決定係数はばらつきます。大きいところでは60%ぐらい行きますけれども、小さいところだと40%ぐらいになります。

○今野座長 
 図1の一番左の7月は、比較的狭い範囲でおさまっています。図2の左側の二重線はすごく差が大きいではないですか。ということは、2ページの図でいくと、XとYを比較すると図2みたいな感じになるということですね。

○神林構成員 
 そうです。

○今野座長 
 それで、今度Zを加えると図1になるということですね。

○神林構成員 
 ちょっと小さいですね。
 この3つを比べてみるとおわかりになると思います。2015年7月時点でこの赤いところというのが推定されているのですけれども、この推定値はXとYという集団とZという集団を比べたときの差です。X+YとZです。青い線はXとY+Zを比べたとき、青い二重線というのはXとYを比べたときの差になります。
 ですので、ここで明らかだと思うのですけれども、同じ集団だけで見たとき、この緑色の集団だけで見たときに、生き残る事業所と生き残らない事業所の差というのは明らかにあります。
 これが厚生労働省の共通事業所という定義に当てはめたときに、実はこのサンプルアウトする事業所も脱落事業所として認識をしますので、この部分が効果を薄めてくれて、Xだけを取り出したときに、YとZを比較対象にまとめてしまうと、その差というのは大幅に縮まる。こういうことになっています。
 ですので、生き残りバイアスはやはりあるけれども、その生き残りバイアスはシビアにかかる集団が相対的に小さくなると、この生き残りバイアスを消してくれる、そういう状況が生まれていると自分は解釈しています。ローテーティング・サンプルでこれがどんどんずれていくと、1月から6月まではしようがないのですけれども、7月になると新しいサンプルがぽんと入ってきてくれますので、どどんと薄まるということになります。なので、ローテーティング・サンプルを使うことによるバイアスの除去というのが、こういう格好でうまく動いてきてくれるというのがおわかりになるかと思います。

○山田構成員 
 そうすると、ローテーションのサンプルを入れ替える直前というのは、バイアスが逆に大きくなるということですね。入れ替えた段階で薄まってそこのバイアスはなくなるのだけれども、またふえていく、それを繰り返していくという形になっているということですね。

○神林構成員 
 そういうことです。
 第一種事業所についてはローテーションがないので、この生き残りバイアスだけがずっと残ってしまうということになります。恐らく今まで厚生労働省は、いわゆる三角補正としてやっていたというのは、このローテーションによるバイアスの修正ができないので、最終的に3年後とか2年後に出てきた、この積もり積もった生き残りバイアスを一気に補正するということをやるための一つの知恵だったのだろうと思います。
 近い将来、第一種事業所についてもローテーションが入ってくることになって、それが完成されるとすれば、これがうまくいくとすれば、三角補正なしでもきちんとバイアスを補正するということができているはずですが、現在のところ、ローテーションというのは1年単位でやる計画になっていますので、これは第二種事業所ですけれども、6カ月で出てきて1年後にもうちょっと大きくなると考えると、もうちょっと頻度を早めたほうがいいのかなという気はしないでもありません。ただ、これは今回の話題とは別の話になると思います。

○今野座長 
 これは図1も図2もそうなのですけれども、縦軸はlogですね。

○神林構成員 
 logです。

○今野座長 
 どうぞ。

○山田構成員 
 感想というか、どう解釈するか。ここの問題設定は、共通事業所というのをもともとの本系列の代替系列としてどこまで使えるかということのための検証をやっているということですけれども、これだと結構バイアスがあって、むしろFig.2の二重線のようなものが出てくるのではないかと思っていたら、意外にそうではなくて、実はそういうものもあるのだけれども、ローテーションすることによって消えている。ただ、問題はローテーションをやったときは小さくなるのだけれども、時間がたつにつれてバイアスが出てくるので、それはそれで完全に代替物として使えるのかというところは疑問が残るなという印象です。

○神林構成員 
 理想的には、例えば1月ごとにローテーションしてくれたら、これがどんどん1月ごとに調整されるので、そこまで大きな問題にはならないのだろうと思います。このローテーションの期間が長くなるほどこの問題がシャープに出てきてしまって、現時点でローテーションされてこなかった第一種事業所については、共通事業所を使うことは、こういう意味では結構修正が必要だろうと思います。
 完全にローテーションされるようになったときには、かなりバイアスは軽減されるだろうけれども、それが1年であるというスパンがどれだけ影響するかというのが次に課題になるのかなと思います。

○山田構成員 
 逆に、第一種事業所は今回いろいろ不備があって、事実上はサンプルでやっていたみたいな話がありましたけれども、本来は全数ですよね。全数の場合というのは、ある意味、一回漏れた事業所はローテーションということが起こらないので、全数調査をやったときにこれはどういうふうに考えていいのか。というのも、ローテーションをするときはまさに既に分析された話だと思うのですけれども、全数調査の場合だと入替がないですからね。

○神林構成員 
 母集団全部を全数でとっているということになりますので、全数調査がきちんと行われている限りにおいては、バイアスは定義しないほうがいいのではないかと思います。それが真実ですので。

○山田構成員 
 でも、脱落、いわゆるサバイバル・バイアスが発生するわけですね。それはそれで別途恐らく分析をして、サバイバル・バイアスはこういうものなのでというふうな。

○神林構成員 
 全数調査に関しては、サバイバル・バイアスというのは統計上起こっていることではなくて、実態上起こっていることですので、それは統計的に真の数字をきちんと出しているのかなと思います。
 ここで言うサバイバル・バイアスというのは、実態は動いていないのだけれども、統計上、上の方向に出てきてしまうというのがサバイバル・バイアスです。

○今野座長 
 でも、第一種事業所について全数調査はしていますか。

○神林構成員 
 全数をしているのは1と3です。

○今野座長 
 そうなのですけれども、例えば7ページの図3でs1、こんな大きな誤差がぽっと出てくるようなことが発生するわけですね。これは未記入とか、回答しないものの影響ですか。

○神林構成員 
 それと、あとは自分でもちょっと考えたのは、ボーナスの影響かもしれない。今、この推定はずっと各月とっていきますので、ボーナスの情報は一切使っていません。ただ、s1、大規模事業所でボーナスを使いがちな事業所と回答を継続する事業所が相関していたら、ボーナスで補償しない事業所が脱落していくということになりますので、こうなってしまうかなと思います。
 ただ、こうやって1月ごとに分析を展開する上でボーナスをどう扱うかというのは、自分としては結構微妙かなと思います。本来であれば12カ月に等分してならしていくというのがその姿だと思うのですけれども、そういうわけにもいかないので、今のところは考えていません。

○今野座長 
 黒い実線のほうのs1でぴょんと飛び出ている12月を除いても、0.05ぐらいには行っているのでしょう。

○神林構成員 
 5%です。

○今野座長 
 5%は大きいよね。

○神林構成員 
 時間賃金で5%なので、相当だと考えていただければと思います。

○今野座長 
 賃金がちょっと上がるという議論をしているのに。

○神林構成員 
 1%、2%上がるか上がらないかと言っている状況では、ちょっとこれはバンドが大き過ぎるかもしれないです。

○今野座長 
 逆に言うと、第二種事業所のようにローテーション・サンプリングしているほうが誤差は小さくなっている可能性はあるね。

○神林構成員 
 それは非常にあります。

○今野座長 
 逆にね。それはやってみなければわからないですね。
 これで、例えば1ページ目のどれでもいいですけれども、推計式の上でβのCのほうが推計できたとしました、推計もまあまあいい線だろうとしますと、ここからどうしますか。

○神林構成員 
 理想的なのは、これでバイアスが修正できますので、各セルの係数をこのβ分だけ積みまして各セルの数字をつくって、その後、各セルを足し上げて全国の系列に直すということができるはずです。
 ただ、足し上げるときのウェイトをどう使うかというのが、この検討会で言っている第2の関門です。共通事業所のウェイトと本系列のウェイトというのは違うと考えるほうが妥当かなと思います。

○今野座長 
 でも、各セルの値をこのβを使って修正するということは、非共通事業所も配慮してのセルの値を決めるということだから、素直にそう考えると、オールジャパンのもので戻すことになるのではないのか。

○神林構成員 
 あたかも全てのセルが共通事業所であるかのように、あるいはその逆で、全てのセルが非共通事業所であるかのように考えて復元をするわけです。

○今野座長 
 復元したときに、1%とか0.何%と問題にしているときに、このβの値でそんなふうに修正していいかどうかでしょう。

○神林構成員 
 そうですね。できるとすれば、最後にお見せしたように、全部のサンプルをプールして、サイズをなるべく大きくして、バンドを小さくするということは考えられますけれども、自分としては規模別で推計するとここまで暴れてしまうので、規模を全部プールして推計をするというのが、インターセプト、切片だけをコントロールするという考え方というのはちょっと乱暴かなと思います。自分だったらやらないやり方です。

○今野座長 
 今、サンプリングの方法の転換期なので、今日の話は第二種のもので。

○神林構成員 
 それが中心になります。

○今野座長 
 そのうち、第一種の中の30~499人が今度サンプリングに入りますよね。それは3分の1ずつになっていく。もちろん将来的にですよ。

○神林構成員 
 今までは、30~499人がサンプリングなのですけれども、全取っかえ方式だったので、ローテーションと生き残りを区別することができなかったのです。
 ところが、厚生労働省は実はバックグラウンドで、サンプルアウトする事業所について1カ月だけ延ばしてデータをとっていて、サンプル替えが行われる月の1月に関しては、実はサンプルアウトする事業所の、もう2月から答えなくていいですという事業所と、これから答えてくださいという事業所の2通りのサンプルがあります。
 ですので、そのときの1月に関しては、サンプルアウトする事業所とサンプルインした事業所と、その中で1年後に生き残っている事業所とそうでない事業所という3つの集団を定義することができて、これと同じ推計をすることができます。
 それをやって、第二種事業所の推計値と比べて、いわゆる共通事業所と呼ばれるものの全体としてのサンプリング・バイアスがどれぐらいあるかというのは算出することができると思います。

○今野座長 
 でも、それを計算してもしようがないのです。将来的にもうそんなことはしないのだから。

○神林構成員 
 それはどう共通事業所の系列を過去にさかのぼってというか、計算するときにはそれを使う。

○今野座長 
 もちろんそうなのですけれども、私が言いたかったのは、第二種のような計算結果と、今度、将来的にサンプリングが定常的に始まる30~499人に同じことをやったらどんな結果になるのだろうか、そういうことだけなのです。

○神林構成員 
 同じ結果になってほしいですけどね。

○今野座長 
 やってみなければわからないね。

○神林構成員 
 はい。一旦は2回か3回分の推計ですかね。2点か3点の推計値は計算することができるはずです。それを見て、第二種と比べて大きく差があるか、大体似たような、ローテーティングアウトのサンプルを入れると生き残りバイアスが薄まって、いわゆる共通事業所の平均値というのはその時点でほかの事業所の平均値と余り変わらないという結果が出てくるかどうかというところです。

○今野座長 
 少なくとも第二種に比べるとサンプル数は減るよね。全体のサンプル数からすると、第二種はすごく大きくて。大分違っていましたよね。

○神林構成員 
 1万5,000と、2種が1万8,000。

○瀧原統計管理官 
 2種が5分の3ですね。

○神林構成員 
 1種は全体で40%、2種が全体の60%なので、オブザベーションとしては1.5倍になります。

○今野座長 
 どうぞ。

○樋田構成員 
 興味深い分析だと思います。作業をしていただきありがとうございます。最後のβを使って補正値をつくるとすると、βをどう使いますか。

○神林構成員 
 セルの中にオブザベーションがありますね。共通事業所を取り出して平均賃金をつくります。それは現在やっていることですけれども、その平均賃金に対してβ分を掛けて、全体の標本に対して共通事業所と呼ばれる標本が持っている偏りを修正する。

○樋田構成員 
 βで割るということですか。

○神林構成員 
 この場合だと割る。logをとっているので、引くわけです。

○樋田構成員 
 わかりました。ありがとうございます。

○今野座長 
 その推定結果というのは、セルの本当は全事業所の真の値のはずという推定値ということですね。

○樋田構成員 
 かなり加工度が高い統計になりますね。

○神林構成員 
 それは推計をかませますからね。自分の考えは、政府統計はなるべく加工というか補正をしてはいけないと思っていますので、ちょっとその領域に入ってきてしまうのかなという気はしないではありません。

○山田構成員 
 しかも、まさにこのβ自体が、特にサンプル替えした後はバイアスが大きくなってしまうわけですね。誤差が結構大きくなってしまうので、それで出したものがどの程度のものか。

○神林構成員 
 なので、推計誤差が乗っかってきてしまいます。各セルで今、サンプリングの誤差を考えて標準誤差を計算していただいているのですけれども、そこに推定誤差を上乗せして標準誤差を計算しないといけないということになります。
 ちょっと違和感があるのは、共通事業所という性質を使って、例えば2015年7月時点での平均賃金を求めるということが自分としては違和感があって、共通事業所を使うのであれば、マイクロレベルで、各事業所レベルで階差をとった数字があって、それの集計値を計算するというのであれば理解できるのですけれども、先ほど注意事項として申し上げましたように、今のやり方でやると、2015年7月で算出される共通事業所と、それの後年同月比、1年後に共通事業所として定義される事業所は全く別の事業所なので、共通事業所という名前が多分ミスリードしてしまう事態になっていると思います。
 第一種事業所のローテーティング・サンプルは何カ月でしたか。

○瀧原統計管理官 
 3年です。

○神林構成員 
 3年ですよね。3年になってくると、もう少し真の共通事業所というのが入ってくると思うのですけれども、第二種事業所の場合にはそれが全くないということになってしまいますので、それは統計委員会が考えていることと別な集計になってしまうのかなと今のところは思っています。

○樋田構成員 
 階差あるいは比の平均をとるのか、平均の比をとるのかという問題ですが、今回は平均の比をとるということで、このような分析をしていただきました。これらの結果を見ると、平均の比をとるよりは、比の平均や階差の平均をターゲットにしたほうが、統計委員会でイメージしている統計に近いのかもしれませんね。

○神林構成員 
 もしかすると、今までの毎勤とは全く別な統計であるというふうに定義をして、階差に関しての統計というのを出すという手段はあるかもしれないですね。

○樋田構成員 
 統計の性質が変わるので、全く別の統計として作るということですか。

○神林構成員 
 はい。全く別の統計として。今までの毎勤はレベルをどうターゲットにするかということに集中して、それに関して正しい統計をつくるというロジックでつくって、毎勤2ではないですけれども、別な統計として階差をとったものに関する統計というのを別につくるということになると別なロジックを使えるので、いいのかなと今思いついたのです。

○樋田構成員 
 今回は右辺に脱落したかしないかを表すダミーを使って、回帰モデルを推定していただきました。どのような事業所が脱落するのかを見るためには、左辺をダミーにしてロジットモデルやプロビットモデルで分析することも可能だと思うのですけれども、そういったことは試算されたのでしょうか。

○神林構成員 
 やろうとしたのですけれども、毎勤で右側に入ってくる変数がほとんどないのですね。今のように、産業と都道府県というダミー変数だけに回帰すると、単純に各セルの平均脱落率が出てくるだけですので、例えば比較的大きいところと比較的小さいところというのは各セルの中で比べるみたいなことが必要になってくるのですが、雇用者数を連続変数で入れるとよくわからないことになってしまいます。なので、もうちょっと各個別の事業所の持っている特性を出せるようなデータをつくることができればいいのですが、自分が思いついたのはfemale ratioとpart-timer ratioぐらいで、これはそういう意味ではきかなかったですね。

○樋田構成員 
 ありがとうございます。

○神林構成員 
 計量経済学的には、それが推定できればもっときちんと一致推定量が出るのですけどね。平均賃金には関係ないのだけれども、脱落には関係するという変数があるのが一番いいのですけれども。

○今野座長 
 先ほど出た階差を左側に持ってきたもののトライはどこかにありましたよね。

○神林構成員 
 7と8です。やはり微妙な感じというか、これは第一種ですけれども、サイクルにこうなっているのかなと。

○今野座長 
 何だろう。ちゃんとサイクルになっているので。

○神林構成員 
 やはりサイズでプールしているということが出るのかもしれないです。

○樋田構成員 
 季節性を考慮した分析は可能ですか。今回はデータの数が少ないので無理だと思うのですけれども、データ系列が数年間あれば、季節性を考慮したモデリングとか、季節性を取り除いた賃金について今回と同じような分析をすることができるのかなと思うのですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
 過去に私が毎勤の第二種事業所のデータを使ったときには、季節性が強い傾向が見られましたがいかがでしょうか。

○神林構成員 
 かなり強いです。

○樋田構成員 
 季節性がこのサイクルの原因になっている可能性があると思うので、可能であればこの点も分析できると良いのかなと思います。

○神林構成員 
 自分もそう思います。このプールした推定に関しては、マンス・ダミーとイヤー・ダミーだけで、季節調整というのもちょっとおこがましいですけれども、一応は考慮しているという格好にはなっています。ただ、季節調整までして推計して、その推定係数でまた戻して持ってきて加工するというのは、やはり本筋で言えば、マイクロデータを開放して、個人個人というか、各研究機関、あるいはマスコミでもいいですが、自分のところの系列と言ってつくってもらう筋のものかなと思います。

○樋田構成員 
 私が申し上げた季節調整をしてから分析するというのは、賃金等の変動パターンとかメカニズムを見るために季節調整を行ってはどうかということです。季節調整したデータからつくったβを使って補正するということではありません。

○神林構成員 
 ただ単純にシーズナリティーを検証するということですね。第二種だと18カ月なので、同じ月に乗るのが6カ月だけ。

○樋田構成員 
 そうですね。

○神林構成員 
 第一種のデータが入ってくれば、36カ月なので2回階差がとれますから、何とかできないわけではないのかもしれないです。
 自分の知っている時系列分析というのは、少なくとも50とか60あるようなものなので、そういう意味ではちょっとショート過ぎるのかなという感じがします。もしかしたら、パネルの横方向の性質を使って、もっとサンプルサイズを水増しするような手法があるかもしれないです。
 御存じですか。

○樋田構成員 
 そのような方法は思いつかないですね。

○神林構成員 
 自分に与えられた宿題は、大体こんなところだと考えています。

○今野座長 
 図7ですけれども、これは階差をとっているのですよね。推定式の左側に入るのは、1カ月後というのはone monthですね、7月と8月を比較してということね。

○神林構成員 
 そうです。あくまでも7月時点での事業所だけを抜き取って。

○今野座長 
 その11カ月後というのは。

○神林構成員 
 2016年6月。

○今野座長 
 そことの階差をとっている。

○神林構成員 
 はい。当初、one monthからtwo month、three monthにかけてどんどん上にきれいに上がっていくのを予想していたのですけれども、こんなになってしまった。

○今野座長 
 そうすると、2ページの絵にあるグリーンの共通事業所というのは、ずっと共通しているのですね。

○神林構成員 
 そうです。

○今野座長 
 実際上は、たまに抜けて入ったりとかはあるでしょう。

○神林構成員 
 あります。

○今野座長 
 でも、これはずっと共通しているという。

○神林構成員 
 いえ、共通事業所の定義自体は2点でしか。

○今野座長 
 2点というのは、今の時点と1年後と。

○神林構成員 
 はい。その間に出たり入ったりするということは全部。

○今野座長 
  ということは、今の図7は、例えば7月と8月で共通しているもので比較しているわけですね。

○神林構成員 
 いえ、この場合は12カ月後です。共通事業所であるということは、そこで定義をします。

○今野座長 
 だけど、8月に答えていないかもしれない。

○神林構成員 
 そうです。それは落ちます。

○今野座長 
 落ちるわけね。そういうことね。
 今の厚生労働省が出しているのは、今時点と1年後を比較してというもので出しているわけですね。

○神林構成員 
 はい。1年後と比較をして、両方に観察される事業所について、今の時点の係数を出す。あるいは、こっちの時点の係数、どっちかです。

○今野座長 
 そういうことですね。
 そうすると、先ほど階差にもう少し集中をして考えたらどうだろうという話が出ましたけれども、そのときに実務的に考えると1年間の比較だというときに、共通事業所のデータはあります、共通事業所で見たときに何%上がりました、下がりましたというデータはあります。でも、非共通事業所のデータがありませんと。したがって、補正しましょうという話になるね。

○神林構成員 
 それと同時に、その階差をとってしまった場合には母集団をどう設定するかが問題になって、母集団自体を生き残った母集団を設定しますという状況であれば、バイアスの修正というのは余り考えなくていいと思います。ただ、今の毎勤のサンプリングというのは生き残った事業所に対して母集団を復元するのではなくて、ある時点での母集団復帰をしますので、ある一時点での母集団復帰をさせる復元倍率と、生き残った事業所を母集団として復元させるという倍率というのは変わってきます。生き残りバイアスがありますから。むしろ、そっちが主の話題になるかなと思います。

○瀧原統計管理官 
 まさに今のお話ですけれども、先ほどβをどう使うかというときに、セルごとにβ調整をしてという話があって、もしセルごとにβ調整をすると、そのセルで見た場合の共通事業所から得られるデータから、そのセルの中の全ての事業所の修正をかけるので、かけた後の値に対しては通常使っている母集団の比率で戻すので、問題はないと思うのです。ただ、今おっしゃったように、共通事業所と本系列とは母集団が違うので、β自身をつくるときにそこは考えないのですかね。

○神林構成員 
 それを考えるとすれば、例えばウェイトをかけてβを推計するという話になるのですけれども、自分自身は余りやりたくないですね。

○瀧原統計管理官 
 今のβというのは、復元は単純なセルの中での。

○神林構成員 
 考えています。各セルでの差の平均です。あるセルでの平均的な差と、ほかのセルでの平均的な差は1対1です。

○瀧原統計管理官 
 そこの時点ではβは確定するけれどもという話ですね。

○今野座長 
 さっきから言っている、サンプリングの誤差が最初からあって、それに今回の推定誤差があって、もう一回やったらここに推定誤差があったとしたとき、トータルの誤差はどのぐらいというのはちゃんと計算できるのですか。

○神林構成員 
 それは稲葉さんに聞いたほうがいいのではないですか。

○今野座長 
 それは問題ですよね。

○樋田構成員 
 稲葉先生に確認していただくと良いと思いますが、そのような式をつくるのはかなり難しいと思います。おそらく、リサンプリング法によって誤差を推計するという話になると思います。

○神林構成員 
 解析的に出すのではなくて、もう実験的に信頼区間を出してしまう。

○樋田構成員 
 厚生労働省には解析的に誤差を計算していない統計もありますよね。6群ぐらいでグループ間のばらつきを使う方法です。何でしたか。

○田中審査解析官 
 厚生の関係の統計は多いかと思います。国民生活基礎調査なんかは、おっしゃるとおり、ブートストラップみたいな形でやっている。

○樋田構成員 
 そういった方法が利用できる可能性はあると思いますけれども、これだけ複雑な統計になると、リサンプリングの方法を考えること自体が難しくなると思います。

○田中審査解析官 
 今回の分析をされたという時間当たりの賃金ですけれども、これは現金給与総額ということでよろしいのでしょうか。

○神林構成員 
 はい。特別給与を含む。

○瀧原統計管理官 
 特別給与を含むのでしたか。

○神林構成員 
 特別給与を含みます。

○田中審査解析官 
 きま給ではなくて、現金給与総額ということですね。

○神林構成員 
 賞与だけを考えていません。

○田中審査解析官 
 賞与を考えていないということは、きま給と現金給与を2つやられたということですか。

○瀧原統計管理官 
 賞与を抜いておられますよね。だから、定期給与というか、現金給与総額から特別給与を。

○田中審査解析官 
 現金給与から特別給与を除いた、きまって支給する給与。

○瀧原統計管理官 
 なので、特別給与を除いているのに6月とか12月にすごく動くので、それはボーナス調整せずに定期給与で調整している企業があるのではないかという話。

○今野座長 
 私の知っている企業ではないな。そういう企業はあるのですかね。うちはボーナスがないから今月はちょっと基本給を多く払おうかという話でしょう。あるいは、手当を払おうかとか。

○神林構成員 
 残業が入っていますので、残業代でということもあるかもしれないです。

○今野座長 
 残業代を多目に払ったり、少な目に払ったりするわけですか。

○山田構成員 
 回答が面倒くさいので、一緒に回答するとか。

○神林構成員 
 そういうのもあるかもしれないです。

○今野座長 
 ここまでやってもらったので、そうすると、残ったのは階差でやったときにちゃんとどこまで行けるかというのをやるという作業か。さっきいろいろ難しいという話があったけれども。これはよくわかりましたので。これでもしβの推定値が非常に安定していて、誤差なしというのだったら、セルの値を変えてオールジャパンに戻せばいいわけですね。階差にしたときに。

○神林構成員 
 階差に関しては、例えば12カ月ごとの前年同月比をターゲットにすると、生き残っている事業所でしか観察ができなくなります。この推計の利点、一時点のスタート時点での平均賃金は両方の集団で観察できるので、その差を推定することができるところにありますが、12カ月後までになるとそれはできないのです。ぎりぎり11カ月後までです。

○今野座長 
 でも、やるとしたら何かやらなきゃ。

○神林構成員 
 11カ月後までの賃金変化率に関して、生き残った事業所とそうでない事業所の差を計算することはできます。それをあと一月延ばして、12カ月後に関してもそんな感じでバイアスがあるのではないかというふうに予想をして、前年同月比に関してのバイアスを補正するというのもありなのかもしれないのですけれども、どうなのですかね。
 自分は、この推計をやっている限りでは、ちょっとそれも危険かなと。さっきおっしゃっていた季節性の問題も絡んできますので、12カ月後のちょうど6月というときには、11カ月後までの賃金変化率と12カ月後の賃金変化率は似たようなものとは限らないと思いますので。

○瀧原統計管理官 
 でも、もしそういうのが、安定しているようには見えないのであれなのですけれども、ある程度季節性を含めて安定しているのであれば、反対から今度は引いた11カ月分やって、11カ月同士を重ねるというのはあるのですかね。

○神林構成員 
 いや、それは考えたことはないですね。むしろ、今の推計のやり方を単純に拡張するのであれば、2年間の生き残りというのを考えて、1年目までの賃金変化率を見るということは、第一種事業所だったらできるわけです。第二種事業所でも18カ月の生き残りというのを条件設定して、12カ月後までの賃金変化率を見ることはできるとは思います。

○今野座長 
 ざくっと考えて、これよりは面倒くさいですか。

○神林構成員 
 いえ、もうプログラムはできているので、すぐできます。さっきの18カ月後というものはですね。2年間もできますね。

○瀧原統計管理官 
 もともと統計委員会の西村委員長がおっしゃっていた本系列と共通事業所系列の話というのは、正しく皆さんに伝わっているかどうかはともかくとして、本系列のほうは水準でという話で、共通事業所のほうは実感としてということで、前年同月比でという形にしていますけれども、今まで御議論いただいたように、ここは水準の変化ではなくて、比の変化を見ようというところがあるので、そういう意味では今のような話が必要なのかなというところはありますね。

○今野座長 
 今日の話は、先ほどから出ていますけれども、セルを修正してオールジャパンにと戻すという話なのだけれども、その数字と本系列の数字は物すごく違った場合はどうやって解釈するのですか。これで水準を出すわけでしょう。

○神林構成員 
 違うでしょうね。ウェイトが同じであれば、バイアスの分だけ違ってくるでしょう。

○今野座長 
 それで、こっちは本系列のデータがあります、幾らです、こちらで出したデータが幾らです、これだけ違います、こっちはバイアスがありますというふうに出すわけですか。両方ともオールジャパンですと。

○神林構成員 
 本系列の中には共通事業所も非共通事業所も全部入っているわけですよね。ただ、共通事業所ですという数字を出すためには、どっちかに合わせないといけないわけですね。全体の入っている標本の中で、共通事業所と呼ばれるものを出すのであれば、共通事業所のものを出して、共通事業所の数字を出すのであれば、非共通事業所の数字を共通事業所の数字に嵩上げして、そこから全体を復元するわけですね。なので、あたかも日本全国の事業所が共通事業所であったとしたら、これぐらいになりますという数字が出てくるはずです。

○山田構成員 
 私の理解は、本系列は、特にベンチマークが変わったときに断層が生じるので、そこの部分のベンチマーク改定前後で伸び率の連続性がなくなる。そこを補正するために共通事業所というのが出てきているので、そこの部分では意味があるのですけれども。しかし、ほかのところは戻して本系列とずれているとすると、余りずれると…。そもそもそうなのですね。共通事業所と仮定して全部戻しているということではないのではないかと思うのですね。

○神林構成員 
 もしかすると、今おっしゃっていることは、いわゆる三角補正みたいな、そういう考え方と合うのかもしれません。サンプル替えをぼんとするときだけ、非共通事業所にするのか、共通事業所にするのか、どっちかわからないですけれども、どっちかに合わせて全体を補正する。βというのは、現在は各月でデータを補正しているわけですけれども。
 βを各月で推定できれば、各月で補正していけばいいわけですよね。

○山田構成員 
 本来は、それは本系列と変わらないとおかしいわけですね。そもそも本系列との差でβを推計しているということではないのですか。そうではないのですか。

○神林構成員 
 そうではないです。本系列の中のサンプルでβを推計しているので。
 別な言い方をすれば、共通事業所にバイアスがありますというふうに考えるのであれば、本系列の中には共通事業所が入っていて、しかもそれは修正されていませんので、そういう意味では本系列そのものにバイアスがかかっているというふうにも解釈ができます。なので、共通事業所だけを取り除くと、本系列にかかっていたバイアスがそのままあらわれてくるわけですけれども、それを本系列はほかの非共通事業所をまぜることによってバイアスを修正しているわけです。それが共通事業所を取り出すとできなくなります。

○瀧原統計管理官 
 今のお話ですけれども、多分、山田先生のおっしゃっているイメージの中で、共通事業所を何でやっているかというのは2つあって、1つがサンプル入替による誤差を取り除くというのと、ベンチマーク、労働者ウェイトが、センサスが変わったときに取り除く話で、前者の部分についてはこのβというのは意味があるのかなと思っているのです。新旧いろいろ変わっていく中で共通事業所で捉えて、それが全体の中でどれぐらい差を生んでいるかというのは多分βなのかな。
 ただ、それで、今野先生がおっしゃったように、そもそも本系列がもう統計としてあって、共通事業所のものをβで戻して一体何を求めるのか、いまいちよくわからないのです。戻したものが集計されている本系列とずれていた場合に、そのずれは何から生まれるのかというのと、どっちが正しいのかというところは、若干よくわからないところがあるのですが、後者のウェイトの話は、そこは私はまだこの分析では触れていないように思うのです。

○神林構成員 
 触れていません。

○瀧原統計管理官 
 ですので、そこは今の共通系列の中でウェイトを除去するためにやっているということに関しての意味合いの補正なりというのは、それは別問題になって、それは置いた話かなと思っているのです。
 前者については、これで入れ替わりがない、過去の議論ですと、継続していく事業所について、新規と廃業事業所をどういうふうに捉えるかというところの中の継続事業所についての一定の系列、それからオールジャパンに戻すのか戻さないのかという話だとは思うのです。

○山田構成員 
 そうすると、ローテーション・サンプルによってずれというのが,実は今回の神林先生の分析だと、入替に近くなればなるほど少しバイアスはあるのですけれども、そうは言うものの、結構ないと。修正されている。それはある意味、今回、ローテーション・サンプリングしたときに、ここの分は一々昔やっていたような三角修正法はやらないと決めてやられているということだと思うのですけれども、そこはある意味、確認する内容になっているのではないかなと思うのですね。私のイメージだと、そこで意味合いがあるのであって、βで修正してやるということの意味合いが、いろいろなバイアスを考えていくと、余りないような気が。

○神林構成員 
 この図を見ればわかると思うのですけれども、本系列はX、Y、Zの平均をとっているわけですよね。これが本系列で、共通事業所というのはXの平均しかとっていないわけです。ただ、ウェイトはXとYとZ全体で構成されているので、そのX、Y、Zのウェイトに対してXだけを当てはめてしまうと、このXが過大に推計されてしまうことになります。
 なので、一つの方法は、Xというのをこうやってβで推定しておいて、ウェイトを工夫する。これをここまでの人口に延ばしたときにどういうふうに延ばすのか。つまり、これはサンプリングになっていますので、この集団Rotation4をサンプリングするウェイトではなくて、Rotation4のうち共通事業所をサンプリングするというサンプリングのウェイトを事後的に構成するという方法が一つ考えられるだろう。これはウェイト調整でやる方法です。
 多分、それがβを使わずにできるようになる。つまり、Xだけを平均値をとって、ウェイトを工夫することによって全体を復元する。逆に、βを使って今の全体のX、Y、Zを使った平均値をβの分だけ調整をして、もともとのウェイトを使うというふうにすると、あたかも全体が共通事業所であったときに平均賃金がどうなるか、そういう数値を出すことができるのではないかという2通りの議論があるだろうということに整理ができるのかなと思います。

○山田構成員 
 後者の場合は、本系列とのずれが結構生じてしまうと、まさにどっちを使っていいのかという話が。βで修正すると、本系列は違うものということですか。

○神林構成員 
 そうですね。

○瀧原統計管理官 
 そうなのですか。私は逆に、前者でおっしゃっていた、共通事業所系列だけを使ってウェイトを調整して戻すというのは、全体には戻らない気はするのです。薄いグリーンとかオレンジのところのデータが全くないわけですよね。

○神林構成員 
 もちろん薄いグリーンのところとオレンジのところは、このt時点に関してはデータがありますよね。ウェイトというのは、XとY合計でウェイトが今計算されているわけですけれども。

○瀧原統計管理官 
 ウェイトって量ですよね。水準のデータはないですよね。薄いグリーンのところの水準のデータはないと全体には戻らないような気がする。

○神林構成員 
 ターゲットにしているのは、t時点の賃金水準なので、薄いグリーンのところのデータはあります。そうでないと、差が計算できない。なので、t時点での全体の賃金分布のうち、これがX、Y、Zですけれども、このうち共通事業所というのはどういうところにあるか、これはマップが描けるということになる。
 なので、一つの方法は、今の厚生労働省がやっているように、単に共通事業所の平均値を持ってきて、これをここまで引き延ばすというふうになると、あたかも日本全国が共通事業所であるときに賃金水準がどうなるかというのを計算することができる。

○今野座長 
 それが今ですね。今の方式ですね。

○神林構成員 
 ここのウェイトがXとYで定義されるウェイトなので。今使っているのはXとYで定義されるウェイトなので、このYの部分だけ全体を復元できなくなってしまう。そうすると、日本全国の現時点でのというか、本系列の平均と、あたかも日本全国が共通事業所であるかのようになったときの平均値というのを出すことができるということです。それは平均値なので、その平均値というのを出すことができるというのが第一の方法でしたか。

○今野座長 
 今、厚生労働省が使っているウェイトは、X、Y、Zではないの。

○瀧原統計管理官 
 そうです。

○今野座長 
 これは一つのセルの中にX、Y、Zが存在するわけですね。

○神林構成員 
 そうですね。

○今野座長 
 それでデータはXしかないという状況ですよね。

○神林構成員 
 そうですね。すみません。間違えていました。

○瀧原統計管理官 
 XをX、Y、Zのウェイトで戻しているということですね。

○神林構成員 
 そういうのが考え方で、あともう一つは、X、Y、Zで平均値を求めたものに関して、βで修正することで。図が書けない。すみません。

○瀧原統計管理官 
 今、書かれているXをβで修正した上で、X、Y、Zで戻すということですよね。

○今野座長 
 そういう話ですね。

○神林構成員 
 そのどっちかというのがあるだろうということですね。そうすると、平均値を比べることができるようになるというのが自分の理解です。これはミッションなのかなと思いますね。

○今野座長 
 ちょっとすっきりいかない点が、先ほどの2ページ目のX、Y、Zなのだけれども、βを推定しているということは、XのデータだけでX、Y、Zの合計を推定したい、そういう話ですよね。

○神林構成員 
 そうです。

○今野座長 
 ということは、やはり先ほど出ていますけれども、今、データは例えば共通事業所のデータしかないけれども、βを使ってそのセルの本当の値を推計しようというのでβを使っているわけですね。

○神林構成員 
 データ自体は全部の集団においてあるわけですね。データ自体は、WXというのとWYとWZとあるわけですね。

○今野座長 
 いや、データはあるのだけれども、データを使ってβを推定したわけですよね。

○神林構成員 
 そうです。

○今野座長 
 βが決まりましたと。そうすると、βが決まれば、共通事業所のXのデータさえあれば、そのセル全体の状況がわかるように推定できるということですね。

○神林構成員 
 はい。それは前提です。

○今野座長 
 ということは、特定のセルのX、Y、Zを合わせた状況を推定しているということですね。

○神林構成員 
 その合わせた状況をXとそれ以外に分解して、その差をとっている。

○今野座長 
 差をとっているのだけれども、最終的にβを使ってセルの全体の状況、つまり、ここで言うと、X、Y、Zの全体の状況が推定できると。

○神林構成員 
 はい。XとY+Zの段差を推定することができる。

○今野座長 
 段差が推定できれば、合わせたもの、全体のはできるよね。

○神林構成員 
 共通事業所のデータを出せと言われているわけですので、合計するときにはこのデータを無視するわけですね。これとこれ。これだけを使って、日本全国の平均的な共通事業所の数字を出さないといけないというのが与えられたことです。

○今野座長 
 そこがよくわからないのです。全国全体に推定してβを使って戻したときに、全国の共通事業所の推定値になるのですか。私はオールジャパンかと思っていた。

○神林構成員 
 それは、βをどっちに合わせるかによる。

○今野座長 
 使い方の問題なのだけれども、この推定式だと。

○神林構成員 
 共通事業所が今、情報にバイアスがあるとして、それがβで推計されている。もし、全国の数字をつくるとすると、共通事業所にある上にかかったバイアスというのをβで引いてあげる、割ってあげることによって、共通事業所になかった場合の水準を出して、そこにウェイトを掛けることによって全国の数字をつくるということです。

○今野座長 
 そういうことですよね。

○樋田構成員 
 共通事業所をβで割り引くことによって、非共通事業所と同じ水準に落として、それにウェイトを掛けて復元推計するということだから、共通事業所があたかも非共通事業所でなかった場合に、それを全国の数字に復元したらこんな数字というのが出るということですよね。

○神林構成員 
 そうです。

○樋田構成員 
 わかりました。

○神林構成員 
 そのウェイトを使って平均値を出すことができるという前提だったら、非共通事業所の平均値というのも出てくるはずです。逆に、β分だけこっちを嵩上げして膨らませば、共通事業所の平均値が出てくるはずです。

○樋田構成員 
 そうすると、ターゲットを何にするかによって、さっきおっしゃっていたように、どちらかの方向へ補正するということですよね。

○神林構成員 
 上に行くか、下に行くかです。
 もう一つは、これをそのままローデータとして使って、こっちのウェイトを調整して、日本全国の中で生き残った事業所に関するウェイトを計算してあげることによって、平均的な共通事業所の賃金水準というのを出してあげるということができます。それが第二の道です。

○樋田構成員 
 その場合βは使わないのですね。

○神林構成員 
 使わない。

○今野座長 
 ありがとうございました。
 ほかに何かありますか。今日、厚生労働省のほうで前回の宿題に関連したデータも用意していただいているので、その話を聞いてから。

○瀧原統計管理官 
 資料2「本系列と比較した『共通事業所の集計値』の特性」のところで、従来のものをつけつつも、今回修正いたしましたのは7ページからでございます。7ページから「共通事業所と本系列とのサンプル特性の比較」ということで、きまって支給する給与の平均値及び標準偏差につきまして、共通事業所と本系列での値の差というところを見た散布図でつくったものを前回お示ししました。
 そのときにお示ししたのがまず一番上の図で、これは前回と同じでございますけれども、横軸に本系列、縦軸に共通事業所をとって、1つのドットが単位集計区分と言われている産業になっております。表自身が規模別につくっておりますので、1つの点は産業ごとだと見ていただければ結構です。
 その1つの産業区分で見たときに、本系列の平均値と共通事業所の平均値がどういうふうな散布図になるかというところでございまして、基本的にはそれほど差がなければ45度線の上に乗っかるという形になりますので、そこで見ていただきますとおり、ある程度45度線に近い形。傾き自身は、その上で原点を通るような形の線で近似しておりますので、例えば7ページの一番左上のところでいきますと、y=0.9826xという形で傾きは0.9826、ほぼ1の形で幾つか外れているところがあるというところを規模別に出したものでございます。
 それについての標準偏差をサンプルサイズNで割った形で標準偏差の数字を計算したのが一番下の図でございまして、これは前回お示ししたものです。前回、これを御説明したときに、ルートNで割らない、ルート・サンプルサイズで割らない単純な標準偏差だけで散布図がどうなるかという御指摘がありましたので、それを計算したのが真ん中の行でございまして、これが今回お示ししているものです。
 見ていただきますと、例えば7ページでいきますと、本系列と共通事業所でサンプル数に差があることもあって、傾きがかなり急に1を超える形で出ていたものが、今回お示しする真ん中の標準偏差、サンプルサイズで割らないという形をとった結果でいきますと、1前後になった形での散布図になったのかなということであります。
 当てはまりのRは若干落ちる。全部が全部ではなくて、上がったところもあるのですけれども、少し落ちる感じはあるのかなという気はしますけれども、数字で見る限りは、かなり45度線に近い形になりますので、共通事業所はサンプル数が少ないということで標準偏差が大きくなるとまでは言っていないのではないかというのが、今回の2行目の散布図を見た全体的な感じでございます。
 7ページが1月で、以降は同じような形で、月による変動があるかどうかというのを見る点も含めて、8ページは2月分、9ページは3月分という形で出していますけれども、傾向的には今お話ししたようなことで、真ん中の2行目の標準偏差で見ると、比較的1に近い傾きで分布しているのではないかということがまず言えたかなという感じでありますけれども、これをどう評価するのかというところについては、ぜひ先生方の御意見をいただければと思っております。
 説明は以上でございます。

○今野座長 
 ありがとうございました。
 何かございますか。
 7ページの一番下の標準偏差をサンプルサイズで割ったものですけれども、例えば一番下の右2つは係数が1.5とか、何か大きいですよね。縦軸は共通系列ですよね。

○瀧原統計管理官 
 はい。

○今野座長 
 横軸が本系列ですよね。そうすると、かなり信頼度が違うということですかね。やはり共通系列のほうが落ちるということですね。

○神林構成員 
 サイズの割にばらつきが大きくなるということですね。

○今野座長 
 でも、一個一個の点だとすごく小さいサイズのものがあるからかな。産業によって。

○瀧原統計管理官 
 そんなに差が出ていない部分もあるかもしれませんけれども、平均すると、以前にお示しいたしましたけれども、規模別で見た場合に平均で4割ぐらいのサンプルサイズになるのですけれども、500人以上だと8割、一方で5~29、散布図で言うと一番右側になると3割ぐらいのサンプルサイズになるところの影響が出ていると思われます。

○今野座長 
 考え方としては、Xの係数は1で決定係数が1.0と、こうなると、本系列に比べて共通系列はサンプル数が少ないけれども、大丈夫だということですよね。そういうふうに評価していいのかな。サンプルサイズが小さくなったことによる信頼度がすごく落ちたということは、余り考えなくていいと。

○樋田構成員 
 先生がおっしゃったような係数であればそうだと思いますね。

○今野座長 
 そうであればね。

○山田構成員 
 サンプルサイズで修正しないときに、真ん中のあれですけれども、見ていると、決定係数がちょっと落ちてきていて、特に小さいところですね。中には決定係数が0.27とか、かなり落ちるのがありますね。これはどう考えたらいいのでしょうか。

○樋田構成員 
 産業によりますが、サンプルサイズが減ってはいるのですけれども、45度線にかなり近く分布しているということは、サンプルサイズが減るときに、その産業の中で中心的傾向から外れたサンプルが落ちているのでしょうか。

○山田構成員 
 ばらつきが共通系列と本系列で相関がないというのは、どういうことを意味するのか。

○神林構成員 
 大きいところもあれば、小さいところもある。

○山田構成員 
 相関がないということですね。

○神林構成員 
 たまたまというか、全体を見ると、1.0ぐらいになる。

○山田構成員 
 でも、結構セルというか、業種によってはかなりそこはいろいろな。

○神林構成員 
 こう分布があるときに、真ん中だけぼんととってくるようなところもあって、標準偏差がぽっと小さくなってしまうところもあれば、両端だけとってきて標準偏差がぼんとふえてしまうところもあるのだけれども、全体として見るととんとんになっているということですね。

○山田構成員 
 そうすると、たまたまデータのとり方によってかなりずれが生じ得るということなのでしょうね。平均的に言うと問題はないのだけれども、スポットで見ると大きくばらつくということですね。

○神林構成員 
 セルの状況が大分違うということだと思うのです。

○樋田構成員 
 ページをめくりながら、同じ場所にあるグラフを見ていくといいと思います。そうすると、例えば2行目の一番右側の5~29人の標準偏差では、回帰直線からのばらつきが大きい状態が1月から12月まで続いているという状況ですから、共通事業所のサンプルと本系列のサンプルがばらつきについて異なる傾向をもっているかもしれない。それをNで割ることによって回帰直線の周りに近づいているのが一番下の行ということでしょうね。

○今野座長 
 そうすると、これは前から出ていますけれども、本系列から共通系列がサンプリングされたというか、選ばれたわけだけれども、それのサンプル誤差というのはやはりちゃんと考えなければだめということですね。

○樋田構成員 
 そうですね。タイプが違う事業所が含まれている可能性はあると思います。

○今野座長 
 ということは、本系列だったらサンプル誤差はこのぐらい、共通系列だったらこのぐらいということを計量的にある程度評価をしてあげなければいけないということですか。単に共通系列のほうが標準誤差は大きいだろうというのはみんなわかっていると思うので、でもこのぐらい大きいとか、多分示してあげなければいけないのだよ。

○神林構成員 
 リサンプリングになっていれば、ルートNで割ってあげれば大体似たような感じになる。有限なのでそうとも言えないのかもしれませんが、ルートNで割った系列とルートNで割っていない系列というのはかなり差が出てきてしまっているので、セルによってはリサンプリング以上の偏りが発生している可能性が示唆されますので、単に共通系列の確率だけウェイトを調整してあげればよいという話ではないかもしれないということを示しています。

○瀧原統計管理官 
 今みたいに、共通事業所を全体で戻すというのはかなり無理がかかっているのではないかということですかね。

○神林構成員 
 ウェイトに関してはですね。そもそもバイアスがかかっているので、こうなることは見えていましたけれども、バイアスを修正しても、分布がそのままばらつきが同じように小さくなっているのであれば、バイアスの分だけ修正してあげれば、ウェイトはそのまま使えるはずなのですけれども、それも多分できていないということなので、頑張らないといけないかなと。でも、リサンプリングは全然専門ではないので、そこは稲葉さんにお願いしたほうがいいと思います。

○今野座長 
 先ほどちょっと話したことですけれども、もう一度確認ですが、今回は第二種事業所でやったから、まあまあいい線かなという話もあったけれども、今度将来的には30~499人も3分の1ずつサンプリングしていきますよね。そのときにも多分同じような状況だろうと予想できると。ただ、やってみなければわからない。

○神林構成員 
 自分が危惧するのは、サンプリングのタイミングが6カ月から12カ月に延びるということですね。

○山田構成員 
 この分析から見ると、やはりだんだんバイアスが大きくなっていくだろうということですね。

○神林構成員 
 そうですね。今は6カ月でもとに戻っていますけれども、倍まで行ってしまうので、そこがどこまで偏差が出てくるか。

○今野座長 
 そうすると、もし将来的にそういうことをやったとして、こちらは1年ごとのサンプリング、こちらは半年ごとですよね、3分の1ずつ。そうすると、それぞれについて誤差が違うから、それぞれについてβを考えなければいけないということですね。

○神林構成員 
 はい。今は1種と2種に分けていますけれども、基本的にこれはセルごとにできる話なので、セルごとにβを求めてあげて、セルごとにβで戻して、ウェイトは今のウェイトを使うというのが一つの考え方ですね。

○今野座長 
 わかりました。
 これは、一つの考え方なのですけれども、戻すとかそんなことをしないで、例えばこういうのはありますか。厚生労働省が現在やっているような対前年比の統計は、それはそれで発表して、これについてはこういうバイアスがかかっている可能性がありますからといってβの値を情報提供して、使用するときに注意してくださいというぐらいに使うというのはありますか。

○神林構成員 
 3本系列を出してしまうというのは手かもしれませんね。βで上方修正して現在のウェイトを使った系列と、下方修正して、それはほとんど同じですけれども。

○今野座長 
 それもしないで。そういうのはないか。

○山田構成員 
 ある時点のβだけ情報として出す。

○今野座長 
 βは大体こんな感じですよと、そういうのはないですか。そういう情報提供をして。

○神林構成員 
 それはちょっと不親切過ぎませんか。

○瀧原統計管理官 
 あと、βというのは、前年同月比がどう影響するのかというのはわからないのですよね。

○神林構成員 
 それは、βは月で違っていて、12カ月後、例えば2015年7月のβと2016年7月のβというのは基本独立になっているので、この2つの相対的な関係で前年同月比が決まってきますから。

○瀧原統計管理官 
 ですから、共通事業所の単体の数字自身はこのβが言っている意味があるかもしれないですけれども、今、共通事業所で求められているのが前年同月比だとすると、βが何らか出ていても、ではどうしたらというのはまだないという感じですよね。

○神林構成員 
 でも、それは2015年7月の係数をその月のβで修正をして、2016年7月の係数をその月のβで修正をすれば、その月で定義される共通事業所の全国平均値は復元できますので、その前年同月比をとることは可能です。ただ、それは西村さんがおっしゃっていた、同じ企業に勤め上げたときの係数というのとは話が違います。それは、今の毎勤の集計の仕方をできる限り保存した上で再集計をする近道なのかなと思います。

○山田構成員 
 何回も申しわけないですけれども、βで戻したとき、2通りおっしゃいましたよね。要は、最初のほうでβを使って修正したことの全体の数字の意味合いというのをもう一回教えてください。

○神林構成員 
 共通事業所の平均値を求めるわけですよね。今、平均値を求めるときに、サンプリングがかかっているので、X、Y、Zの集団があってそれぞれのウェイトがかかっているわけですよね。そのweighted averageを使わないと、全国の平均値は出てこないわけです。それを、このウェイトX、Y、Zというので今は考えているわけです。
 それで、Xの集団とYZの集団の比較をして、Xの集団が平均的にどれだけずれているかというのはわかります。これがβです。それで、どちらかを直すのはどっちかにして、ただ、どっちかの集団をそのβを使って直したとすると、この集団自体が全国の中で持っているウェイトは、ウェイトX、Y、Zで復元することができるはずだというのが最初の考え方です。そうすれば、日本全国の平均的な共通事業所の平均値を出してあげることができます。

○山田構成員 
 それが意味するところは、本系列とは違う系列ということなのですね。

○神林構成員 
 はい。本系列は、単にXのWと、YのWと、ZのWを何の補正もせずに平均値を出しているだけです。

○山田構成員 
 要は、共通している事業所があたかも全事業所のようにしたときにどうなるかという数字を出すということですね。

○神林構成員 
 そういうことです。

○山田構成員 
 それは、西村先生がおっしゃっているのとちょっと違うか。近いような。

○神林構成員 
 全体を復元するということは、やはり日本語として、あたかも全国の事業所が共通事業所であるかのようにという表現は自分もよく使うのですけれども、あくまでも求めたいと思っているのは平均値ですので、全国の平均値がそういう形になりますと。共通事業所の平均値を求めたいけれども、この共通事業所のWXはわかっている。でも、このウェイトがわからないわけです。なので、あたかもウェイトがわかっているX、Y、Zの集団にこのWXを合わせて、それでこのウェイトで平均値をとろうと考えるか、わざわざこっちのXの集団に合わせるようなウェイトを再計算してそれで平均値をとるか、どっちかしかないだろうというのが今日話してきたことです。
 別々のやり方になって、自分ができるのは前者の方法で、後者の方法は稲葉さんが御専門なのかなと思います。

○山田構成員 
 後者だとウェイトがわからないわけですね。ウェイトをどういうふうにしていくのかというのは難しい話になってくるということですね。

○神林構成員 
 ただ、あとはバンドの問題ですけれども、今まではXとYとZの平均値が出てきますけれども、この誤差は、このセルをサンプリングすることによって生じていた誤差ですので、サンプリングの誤差をそのまま計算するということができたのですけれども、今度はここのβに関して推定誤差が入ってきますので、推定誤差にサンプリング誤差を上乗せして計算しないといけないという話が出てきます。

○山田構成員 
 今、単純に厚労省が出しているのは、そのときそのときでサンプルがものすごくぶれるので、それがもうちょっと安定した共通事業所みたいなところからは、水準自体が結構ぶれている可能性がある。それを今回、神林先生が考えられているのだと、それをやると少なくとも平均的な数字にはなるのではないかと。ただ、今度はばらつきが結構出てくると。

○神林構成員 
 自分の今回の推定結果ですと、ローテーティング・サンプルがきちんと行われているところに関しては、今の厚生労働省の定義の共通事業所を使って、このWX、WY、WZというのは差が余りありませんので、恐らくこのWXYZでそのまま復元してしまっても、そこまで大きな差は出てこないだろうと考えることができますが、このZがない第一種に関しては、ここがかなり大きな差になってしまっているので、これを修正なしにWXYだけで復元してしまうと過大評価というのが生まれてしまうと考えられるということです。
 なので、このローテーティング・サンプル、ローテートインあるいはローテートアウトするようなサンプルをうまく使って、このサバイバル・バイアスを集計するときに実質的に消してあげるというようなことができていれば大丈夫だったのですけれども、現時点ではちょっとだめなのかなというのが自分の現時点での意見です。

○今野座長 
 そうすると、大企業もサンプリングしたほうがいいと。全数調査をしても、実質上全数調査になっていなくて、無回答や廃止の事業所はどうしても発生したりして、それも含めてバイアスが大きくなるから、もうサンプリングしたほうがいいのではないかという話になるのか。

○神林構成員 
 この議論をそのまま当てはめると、そうなります。つまり、リサンプリングすることによってサンプルサイズをランダムに回復させることができますので、もちろん大企業に関してはまた別の論点があります。ちょっと裾が大きいという分布の話はありますけれども。

○今野座長 
 ありがとうございました。大変勉強になって、参考になりました。
 ここから先、どうするか。また、事務局と今後の進め方を考えさせていただくことにします。
 あと、今日休まれた人からはコメントをもらっていただいて、それを受けてまた考えてみます。
 では、今日は時間ですのでこのぐらいで終わりにさせていただいて、最後に事務局から何かありますか。

○瀧原統計管理官 
 ございません。先ほどおっしゃっていただいたように、今日御欠席の委員には資料はお渡ししておりますけれども、まだ意見はいただいておりませんので、それも含めた上で、今後の進め方等も整理した上で御相談させていただければと思います。

○細井統計企画調整官 
 本日は、長時間にわたりまして御審議いただきましてありがとうございました。
 次回の開催ですが、調整の上、改めて御案内させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、これをもちまして、第8回の検討会を終了させていただきます。本日は、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございました。



                                                                                                                                                                                       (了)

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