第29回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会・第30回厚生科学審議会感染症部会(合同開催) 議事録

健康局 健康課予防接種室

日時

平成31年1月28日(月)14:00~16:00

場所

厚生労働省講堂(2階)

議題

(1)風しんの追加的対策に係るガイドラインについて
(2)その他

議事

 

○井口結核感染症課長補佐 定刻となりましたので、ただいまより第29回厚生科学審議会予防接種基本方針部会及び第30回厚生科学審議会感染症部会を開催いたします。まず、委員の出席状況を御報告いたします。本日は、予防接種基本方針部会に関しては磯部委員、中野委員、宮﨑委員が、感染症部会に関しては荒川委員、岡部委員、賀来委員、南委員より御欠席の連絡を頂いております。現時点で定足数以上の委員に御出席いただいておりますので、会議が成立しますことを御報告申し上げます。

 次に、資料等の確認をさせていただきます。議事次第、配布資料一覧、委員名簿、座席図のほか、資料1、それから参考資料13を御用意しております。不足の資料がございましたら事務局にお申し付けください。冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。御協力をお願いいたします。以降の議事運営については、部会長にお願いいたします。

○倉根部会長 こんにちは。それでは今日の議題を確認したいと思います。議題(1)報告事項、それから議題(2)その他となっております。委員の皆様には忌憚のない御意見を頂くとともに、議事の進行にも御協力をお願いいたします。早速ですが、議事に入ります。まず、議題1の報告事項です。事務局から資料1の説明をお願いいたします。

○井口結核感染症課長補佐 再び事務局でございます。資料1を御覧ください。「風しんの追加的対策に係るガイドラインについて」という資料です。こちらは、昨年の1213日に風しんに関する追加的対策の骨子を厚生労働省から発表させていただきました。具体的な内容は参考資料4にありますが、その中で市町村の定期接種や抗体検査の実施に当たり、国は事務手続等に関する手引き(ガイドライン)を作成し、地方自治体、医療機関等に対して丁寧に説明するということでした。その追加的対策に係るガイドラインについて、今、どのように進捗しているのかという御報告です。ガイドラインの目的として、全国の地方自治体において風しんの抗体検査及び定期接種が円滑に実施されるよう、国において必要となる事業の実施方法や事務手続についてのガイドラインを示すとしております。このガイドラインの全体像ですけれども、ガイドライン、1つの文書になるというよりも、今まである要領又は要綱の一部改正、それから手引きの新規作成という3つの文書の改正若しくは文書の作成で対処するということになっております。具体的には定期接種の実施要領を一部改正いたしまして、定期接種の実施要領は定期接種の実施における具体的な手順等を定めたものですけれども、今後、それに追記するものとして、追加的対策における風しんの定期接種が既に定められている要領の対象になるということを明記するという、一部改正を行うものです。

 それから、地方自治体による風しんを含む特定感染症の検査事業等に関する対象者等を定めた要綱として、右上にございます特定感染症検査等事業実施要綱というものがありますけれども、これを一部改正して、追加的対策における風しんの抗体検査が本事業の対象となり、原則無料となることを明記するというものです。これら2つの要領、要綱の一部改正に加え、実施に向けた具体的な手引きを新規に作成いたします。新規に作成したものを地方自治体に通知するというものです。記載内容の例としては、例えば対象者への案内の方法とか、事業所健診等を活用した抗体検査の実施方法とか、抗体検査及び定期接種の結果のデータ管理の方法とか、そういった内容を記載することにしております。

 具体的な内容につきましては、参考資料2に、現時点での目次案を示しております。部会との関連性で申し上げますと、風しんの予防指針というものがあり、風しんの予防について記載をしており、5年おきに見直しを行うこととされております。見直しに向けて、既に感染症部会及び予防接種基本方針部会において御議論、御了解を頂いていたところですけれども、その後、風しんについて状況が少し動いております。事務局といたしましては、風しんの予防指針には平時の風しん対策の方向性を記載するという観点から、風しんの予防指針については一度、改正を据え置かせていただき、今般の追加的対策については、このガイドラインで進めさせていただき、これが終了した後、状況を踏まえて改めて議論を頂きたいと考えております。説明は以上です。

○倉根部会長 ありがとうございました。ただいま事務局から御説明ありましたけれども、このことにつきまして質問、あるいは御意見ございますか。

○多屋委員 御説明、ありがとうございます。今回の風しんの流行が始まる前に、麻しん・風しんの小委員会で特定感染症予防指針の改正が議論されてきましたけれども、その中の柱の1つとして、医療関係者やあるいは保育機関等に勤務される人の予防接種は特に強く推奨するというような文言を取り入れようという議論があったかと思います。実際に昨年の1年間で医療機関にお勤めの方や保育士さんなどの発症もありますことから、これについても据え置くということではなく、そちらは進めていただきたいと思いますけれども、難しいでしょうか。

○倉根部会長 事務局、いかがでしょうか。今の多屋委員の御意見、質問です。

○井口結核感染症課長補佐 多屋委員、すみません。確認ですけれども、風しんの予防接種についてというお話でよろしゅうございますか。ではなくて、麻しんの部分ですか。

○多屋委員 当時は麻しんと風しんと同時にディスカッションしていたかと思います。風しんについても昨年1年間で医療関係者や保育関係者の発症が報告されていますことから、そちらのほうが据え置かれるというようにならないようにお願いできればと思いますが、可能でしょうか。

○倉根部会長 課長、どうぞ。

○結核感染症課長 どうなんですかね。はしかについては正にそういうことをしたいと思っているのですけれども、風しんについて今、優先接種対象がこうだというのを、同時に自治体に、この定期接種の話と、39歳から56歳の方と別に分けて、それを1遍に通知して、同時にやれというのは、なかなか現場では混乱するのではないかということで、もう少し緊急的対策の様子を見ながらうまくやったほうがいいのではないかというのが、我々が少し、幾つかの自治体と話した感触です。ただ、はしかについては待つ必要もないだろうということで、強く推奨するとか、そういうのは実際にやりたいと。そして、はしかについては現在少し流行っている所もありますので、そのためにも少し分けたほうがいいのではないか。全部止めるかという話もあったので、そういう意味では、風しんを今の時点でやるのは、自治体の方々もいらっしゃいますのでお話を聞きたいのですけれども、ちょっと今は止めたほうがいいというのが、今の我々の事務局案でございます。

○倉根部会長 いかがでしょうか。自治体からの方がおられますが、いかがでしょうか。

○多屋委員 今回の定期接種をうまく進めていくということについて私も大賛成ですので、論点がぶれないようにということでそちらに集中していくことについては了解いたしました。ただ、今、三宅課長さんがおっしゃられましたように、麻しんについても非常に心配な状況ではありますので、そちらの対策としての医療関係者や保育関係者の予防接種ということは据え置かずに、別でもいいですので進めていただきたいなと思います。

○大石委員 ちょっと確認ですけれども、三宅課長がおっしゃっているのは、医療関係者に向けた接種をより強く推奨するということで麻しん・風しんの指針に書き込まれたところですけれども、対象者は同じなので、MRワクチン接種を推奨するという方針は余り変わらないのかなと思うのですけれども、ワクチンの数とかを心配されているということなのでしょうか。

○結核感染症課長 予防指針が麻しんの予防指針と風しんの予防指針をまず2つに分けていますので、使うワクチンは同じですし、実際に推奨する対象者も同じなわけですけれども、麻しんについて御議論いただいたものは、そのまま出すと。ただ、風しんについては今、この状況で、その予防指針を出すのと同時に今回の追加的対策を出してしまうと現場が少し混乱してしまったり、我々のほうも混乱してしまうということがあるのではないかということで、ワクチンの不足とかというよりも、優先順序を付けながら順番にやったほうがいいのではないかという趣旨です。

○大石委員 了解しました。ありがとうございました。

○倉根部会長 ほかにいかがでしょうか。

○矢内委員 今後、このガイドラインの中に実施に向けた具体的な手引きが示されるということですが、できる限り早く、この手引きを示していただきたい。もう1点、区市町村が今後、実施する事務手続についてですが、平成31年度からの実施ということになると、かなりタイトなスケジュールになってまいります。市町村にお示ししていただいたQAにも償還払いですとか、集合契約など、今後示される課題が多々あると聞いております。実際の現場で滞りなく円滑に、しかも簡潔に事務が進められるように是非、御検討いただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

○倉根部会長 ただいまの矢内委員からの御意見、よろしいでしょうか。

○結核感染症課長 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。QAはなるべく、取りあえず今、正式な100点のものをしっかり吟味してから出すというよりも、この頃のWebの世界ではないですけれども、なるべくベータ版でも、少しでも早めに出して、何日かおきにでも反応を見ながら質問を増やしていくという方式で、QAを、もう今、第3版、第4版というふうに重ねているのですけれども、なるべく早く、なるべく皆さんからの質問に答えられるように今後ともしたいと思っています。とにかく4月から本格実施ということを考えますと、時間がないのは本当に分かりますので、我々のほうも今後とも努力をしますので円滑な実施について御支援いただければと思っております。

○倉根部会長 ほかはいかがでしょうか。

○山中委員 特定感染症検査等事業で今現在、妊娠を希望される女性とその御家族というので市町村あるいは都道府県に助成しておりますけれども、それについても先ほど御説明がありましたように、39歳から56歳の男性についてはこの枠組みの中で定期接種として実施されるということで理解してよろしいのですよね。そうなると例えば、先ほど御質問がありましたように、保育所に勤務されている方とか、医療機関に勤務されている方も同じ対象者になる。こちらの今の追加的接種のほうは、対象とすると、そういう勤務の職業にあっても対象になると考えてよろしいのでしょうか。2点、確認なのですけれども。

○倉根部会長 事務局、いかがでしょうか。

○結核感染症課長 何個か整理をしながらお話を議論したほうがいいと思っているのですが、まず、前回の2013年の流行以降、我々が行っている抗体検査の補助事業については今後とも継続をしたいと思っております。それについて保健所設置をしている自治体ですので、政令指定都市や都道府県等が入っている、どちらかというと都道府県型でやっていただいている任意の補助事業は今後とも続けたいと考えております。その中には、妊娠を希望する女性や妊娠した女性のパートナーなどが入っておりますので、そういう中で必要であれば風しんや、はしか、風しんの感染する恐れがあるような方は抗体検査の検討をしていただければと思っております。そこは今後ともしっかりやっていくのは大前提ですけれども、今回の風しんの予防支援とか、はしかの予防指針の接種対象者と必ずしもそこが一致しているわけではないということがありますが、そういう中で危険性がある方はそういう補助事業もあるわけです。

 もう1つは、今回の追加的接種については、市町村が主体となって定期接種のシステムの一貫として抗体検査を受けていただくわけですが、それについては先ほど言ったように、政令指定都市の保健所を持っている市町村と、普通の市町村がやるところで、そこが重なってしまうのでちょっと分かりにくいのですけれども。そこについては、両方とも自治体の川崎市とか、そういうところはやっていただけますし、もし、対象者が定期接種の対象でもあり、任意接種の対象としても考えられる場合は、どちらかというとシステムの趣旨から考えると定期接種としてやっていただくことを優先していただきたいとは考えておりますが、現場で混乱しないようにするのが一番ですので、そこは絶対そうでないといけないと決めるつもりはないということです。

○倉根部会長 坂元委員、どうぞ。

○坂元委員 確認ですが、この政省令はいつごろ自治体のほうに発出されるのでしょうか。自治体によっては多分、予算的には、政省令が出てからというところがほとんどかと思いますが、時間的には厳しいところもいろいろあるかと思うのですけれども、具体的にはいつごろになりますでしょうか。

○井口結核感染症課長補佐 21日に政省令を交付、施行予定でございます。

○倉根部会長 越田委員、どうぞ。

○越田委員 もう一度、同様なことを確認させていただきたいのですが、保健所設置市(保健所政令市)は保健所で抗体検査も行っています。39歳から56歳までの方が保健所で検査を受けて、抗体が低かった場合はこの新たな枠組みの中で無料で予防接種を受けることができると考えてよろしいでしょうか。今後市町村単位で行う無料の抗体検査を利用して抗体価が低いことが確認されなければ、ワクチン接種を受けられないのか、そこを確認させていただきたいと思います。

○倉根部会長 いかがでしょうか。

○結核感染症課長 QAにはまだ載せてないのかな。今後、その辺を載せるつもりか、載せてたつもりなのですけれども、大丈夫だとする予定でございます。具体的には、何十年も前の抗体検査で抗体がなかったから予防接種を受けさせてくれと、抗体検査をスキップしてというのがいいのかという議論もありまして、何らかの、その何年前までの抗体検査の結果であれば、それを活用して抗体検査をスキップして予防接種のほうにいくということは可能にしようと考えております。

○越田委員 ありがとうございます。

○倉根部会長 御質問等ございますでしょうか。こうして見ますと、先ほど事務局から御説明いただいた件に関しては、種々の現場での具体的な質問もございましたけれども、これは報告事項ですので、こういうことで説明を伺ったということになります。それでは以上で、本日の用意された議題は終わりましたけれども、その他、どなたかございますでしょうか。よろしゅうございますか。

○多屋委員 すみません。1つ質問なのですけれども、参考資料2で出されているこの手引きは、自治体の方向けの手引きというふうに理解してよろしいのでしょうか。例えば職場の方が、見て使えるものになると考えてよろしいのでしょうか。

○井口結核感染症課長補佐 参考資料2の手引きは、自治体を読者として考えております。ほかに医療機関であるとか、検査機関であるとか、そういった関係者は他にもいらっしゃいますので、そういった関係機関については別途、必要な情報を提供させていただこうと思っております。

○多屋委員 ありがとうございます。是非、職場関係にもお願いできると有り難いです。

○倉根部会長 それでは、ありがとうございました。先ほど申しましたけれども、今日準備した議題についてはこれで終了といたします。事務局から何かございますでしょうか。

○井口結核感染症課長補佐 ありがとうございます。本部会の終了後に引き続き感染症部会を開催予定でございます。感染症部会委員の皆様方におかれましては、どうぞよろしくお願いいたします。

○倉根部会長 それでは、本部会はこれで終了いたします。ありがとうございました。10分ぐらい休憩を入れまして、2時半から第31回感染症部会を引き続き、当会場で開催いたします。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。