2019年度第1回化学物質のリスク評価検討会(発がん性評価ワーキンググループ)議事録

厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

日時

令和元年5月27日(月)13:25~15:52

場所

中央合同庁舎第5号館 仮設第1会議室

議題

  1. 中期発がん性試験対象物質の決定について
  2. その他
    1. 塩化ベンゾイルの発がん性試験の具体的な方法について
    2. ラット肝中期発がん性試験における陽性対照物質の投与方法について
    3. 遺伝子改変動物を用いたがん原性試験による調査の基準について

議事

 
○阿部中央労働衛生専門官 本日は大変お忙しい中、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻よりもちょっと早いですが、委員の方々もおそろいということですので、2019年度第1回発がん性評価ワーキングを開催させていただきたいと思います。
委員の方々、ご欠席の方はいらっしゃいません。なお、日本バイオアッセイ研究センターから御説明いただくものがあるため、バイオアッセイ/菅野所長他2名の方にテーブルにおつきいただいているところでございます。
それでは、座長の平林先生に以下の議事進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○平林座長 まず、事務局から資料確認をお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 資料につきましては、タブレットを委員の方々にはお配りさせていただいております。お手元のタブレットの資料を順次、御確認いただければと思います。傍聴者の方々におかれては、前のディスプレイにも映しましたけれども、各資料を厚生労働省のホームページに載せておりますので、こちらを御参照いただければと思います。
資料の御説明です。まず、資料1につきましては、中期発がん性試験等の候補物質ということで、遺伝子改変の試験に関する候補物質も含めたという形でリストアップさせていただいているものでございます。
資料2として、長期試験の候補物質を、5月20日開催のされました有害性評価小検討会で御議論いただきました、でございます塩化ベンゾイルについて着手するという結論になっておりますので、こちらの試験の具体的な方法について御議論いただきたい資料をおつけしております。
資料3-1、3-2、また、4-1、4-2、こちらにつきましては、前回の平成30年度の発がん性ワーキンググループの中で、2件ほど御検討いただいたもので、事務局で案を検討した対案をまとめさせていただいたものです。資料3-1、3-2が中期肝発がんの試験における陽性対照物質の投与方法について。資料4-1、4-2が遺伝子改変動物を用いたがん原性試験による調査の基準および、日本バイオアッセイ研究センターのほうからお話のありました試験期間の可変化のテーマに関するものでございます。
さらに、Web上の資料掲載も明確に切り分けさせていただき、日本バイオアッセイ研究センターから、特に期間の可変化について、御説明いただく日本バイオアッセイ研究センターの説明資料を別途資料5としておつけしております。
参考として、今、申し上げた諸事項につきまして、開催要綱、名簿、リスク評価の進捗状況一覧、中期発がんの実施状況等々の資料をおつけしているところでございます、一部参考文献としてバイオアッセイからいただいた論文、これにつきましては著作権等の観点から、机上配付のみとさせていただいています。タブレットの中には机上配付のみというファイル名を冒頭につけておりますので、こちらを御覧ください。
資料につきましては以上になります。
○平林座長 ありがとうございました。
それでは、本日の議題に入りたいと思います。まず、初めに、中期発がん性試験対象物質について検討を行うこととしております。
事務局から説明願います。
○阿部中央労働衛生専門官 それでは、資料1を御覧ください。
中期発がん性試験の対象物質についてです。先週20日、有害性評価小検討会がありましたがとは別に、本年度第1回の企画検討会を開催しました。そちらで候補物質について御議論いただいているところでございまして、資料1は、その企画検討会で検討し了解いただいている候補物質リストになります。この中から試験の実施可能性や意義、そういったものを踏まえまして、本年度事業で試験を行う6物質の決定をお願いしたいと考えています。
ここで、資料にもおつけしています、遺伝子改変による試験の対象物質につきましても、参考4で、試験対象物質の選定の条件をおつけしております。候補物質はおおよそ資料1と重なるというところがございますので、本WGで御検討いただきたいと考えているところでございます。
具体的には日本バイオアッセイ研究センターからあらかじめ遺伝子改変の試験ができる可能性がある物質、絶対ではありませんが御検討いただいておりまして、資料1のリストでは、吸入曝露が可能なものを緑、経口投与が可能なあるものを桃色で識別させていただきました。中期試験の対象物質を決定後、残った中から次期実施予定として遺伝子改変の試験の対象物質3物質程度を検討いただきたいと考えているところでございます。
ただ、先ほど申しましたように、バイオからは確実に実施できるとは限らないと伺って、実際には分からない物質もございます。選定された3物質g試験の実施ができなかったものがあった場合に備え、念のため追加で3物質、補欠の候補をあわせて御検討いただきたいと考えているところでございます。
以上になります。
○平林座長 ありがとうございました。
それでは、中期発がん性試験対象物質について御意見をいただきたいと思いますが、どのように聞いていったらよろしいでしょうか。
もう一度確認ですけれど、選ぶのはピンクと緑から選べばいいということですか。
○阿部中央労働衛生専門官 中期発がん性試験のほうにつきましては、ピンクで緑はとりあえず現時点では関係ありません。
○平林座長 関係ないということは。
○阿部中央労働衛生専門官 グレーアウトだけさせていただいているのは別です。
一応御参考に、一番最後のページに製造量が1,000トン以上のものをフィルタリング、かつ製造量をベースにソートしたものをおつけしてございます。例年、事務局からおおよその目安として御説明するケースとして、製造等の量が使われているのだろうから意義があるのではないかということで何個かを候補としてお示ししています。
○平林座長 これは、輸入・製造量の多い順に並んでいるということですよね。
○阿部中央労働衛生専門官 そうなります。他には手元資料もありますわかりません事務局からの御説明で、分かりにくかったと思われるところにつきまして。は日本バイオアッセイ研究センターのほうからの情報で吸入と経口でそれぞれ試験ができそうな物質を幾つかリストアップいただいたき遺伝子改変の話になります。中期発がんにつきましても、別途検討いただいていますが、今回、事務局の方で資料としてご用意した候補物質リストにつきましては、企画検討会のほうで機械的にリストアップしたリストを基本的にそのまま、こちらにお持ちしているものになりますので、この中で中期発がんの試験が実施できない物質等ございましたら、バイオの方から補足、御説明いただけると事務局としてはありがたいです。
○平林座長 そうしますと、輸入・製造量の多い順に検討してきたということもありますので、この参考の中期発がん性試験等候補物質の輸入・製造量1,000トン以上という表の中で、できないものがはっきりしていれば、それを御指摘いただくということでいかがでしょうか。
○バイオアッセイ/加納氏 よろしいでしょうか。日本バイオアッセイ研究センターの加納です。
今、スライドに映っています資料を、事前に厚労省さんのほうからいただきまして、それに我々から、ここに資料はありませんが、物性情報や試薬が入手できるかとか、そういう基本情報を可能な限り集めまして、試験ができるかどうか調べております。
まず一番上です。
○阿部中央労働衛生専門官 最後のページですね。
○平林座長 最後のページの参考の。101から始まる。
○バイオアッセイ/加納氏 tert-ブチル=アクリラート。
○平林座長 101ですね。
○バイオアッセイ/加納氏 101ですね。
○平林座長 これはだめと。
○バイオアッセイ/加納氏 101、これは一応オーケーです。「○」となっています。ただし、この中に不純物が、既にメーカーのほうから、メトヒドロキシキノン、あるいはp-メトキシフェノールというものが安定剤として含まれているという情報が入っていまして、それを含めた試験になります。なおかつ安定剤として入っているものですから、これは例えば水に溶かすなり何かまぜたときに、重合するとか反応がある可能性も否定はできません。
○若林委員 よろしいでしょうか。
○平林座長 はい。
○若林委員 今、何もカラーのしていないものを説明されていますけども、カラーにしていないものに関しては、投与方法ですとか何かを説明していただかないと、ピンクのものは確か経口投与が可能だという話なんですね。グリーンのものは吸入が可能だというふうに。白色の色抜きのものに関しては何が可能なのかということを追加説明していただけないと……。
○バイオアッセイ/加納氏 ここに出ている全部が経口投与になります。
○若林委員 でも、ピンクのものは経口投与が可能だという説明だったんですよ、事務局からは。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません。遺伝子改変での試験可能と思われる候補物質のリストを先にバイオからいただきました。そのリストとこの中期発がん性試験等の候補物質のリストと突き合わせたときに合致するものをピンクにしているだけですので、中期発がんの試験の対象物質としての経口・吸入の可否を桃色・緑でつけているものではございません。
○バイオアッセイ/菅野所長 中期伊東法での試験伊東法は全部経口です。p53やrasH2は経口と吸入両方ありますので、色をつけたのは後者のほうで、そのリストが実は同じ化合物がオーバーラップしていたものですから、経口の部分の可能なリストがここに出ているものです。ですので、このピンク色のものは、p53とかrasH2で行う経口の赤印がこのまま来ただけの話で、このページは、すみません、全部色なしでも構わないんです。あるいは全部、要するに伊東法に関しては全部経口投与です、それが正しいですね。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません。中期発がんの検討の段階では、この桃色・緑は気にしないでいただいて結構ですちょっとわかりにくくて申し訳ないんですが、後ほどの遺伝子改変のほうで御検討いただく際の参考としておつけしているものになります。
○平林座長 なので、101は物性としてできないことはないが、ちょっと難があるということだったというふうに理解しました。それ以外にだめなものがあれば先に外して、それから検討したいと思っています。
○バイオアッセイ/加納氏 では、だめなもの。絶対だめと判断したもの。
○バイオアッセイ/菅野所長 じゃあ、98番はいいのですね。
○バイオアッセイ/加納氏 じゃあだめなものを。2番。ピンクの2番。
○平林座長 トランスジェニックの試験ではあるけれども、2番はだめなんですね。
○バイオアッセイ/加納氏 まずこれが、我々が調べた範囲では、物質が入手できません。
○平林座長 わかりました。物が入手できないのであればしようがないですね。
○バイオアッセイ/加納氏 はい。次にだめなのが42番、3-メチルベンゼン-1,2-ジアミン。
○平林座長 これは。
○バイオアッセイ/加納氏 これですね、実は分析が非常に難しいということと、試薬としては販売しているんですが、今現在、調べた範囲では、非常に少容量のものが少ししか売ってないということで、大量に購入することができません。
○平林座長 はい。あとは。
○バイオアッセイ/加納氏 あと、85番、2-クロロ-4-ニトロアニリン。これが分析は可能なんですが、これもやっぱり取り扱いメーカーが限られておりまして、25グラムとかそういう容量のものが少ししか売っていないということで。物が手に入ればできるんですけど、今現在、ちょっと難しいのではないかと考えております。
あともう一個、93番、テトラメチルアンモニウム=ヒドロキシド。これはちょっと分析が非常に難しい。今現在難しいということで。物質は入手が可能です。
もう一個、すみません、最後に、96番、アジピン酸ジヒドラジド。これも非常に分析が難しい物質と聞いておりますので、これも今現在、ちょっと「×」とさせていただきたいと思います。
そうすると、すみません、結構数が減ってしまいまして。
○平林座長 そうすると、確認ですけれど、このリストの順番で行きます。101はだめだから99。
○バイオアッセイ/加納氏 すみません。99番で上から2番目、2-プロパン-1-イソペンタン酸。これは可能で、生産量もすごい多いんですが、医薬原料となっておりまして、調べたら、これはバルプロ酸ナトリウムで抗てんかん薬の原料なんですが、この試験はやることがどうなのかと。
○バイオアッセイ/菅野所長 バルプロ酸そのものじゃないの。
○バイオアッセイ/加納氏 バルプロ酸ナトリウム。
○バイオアッセイ/菅野所長 そのものです。
○バイオアッセイ/加納氏 医薬品原料。
○バイオアッセイ/菅野所長 原料ね。全く問題ないんじゃないでしょうか。
○バイオアッセイ/加納氏 それがちょっと私は調べていて気になったところです。
以上です。
○平林座長 はい、ありがとうございました。
99は特に問題はないかもしれない(候補に)入れておくとして、
確認ですけれど、そうすると、このリストの中から残っているのが、99、100、105、106、104、103、94、それから47、86、それから98ですかね。何か飛ばしましたか。大丈夫ですか。大丈夫のようですね。
それでは、ここから候補三つを選択すると。
○阿部中央労働衛生専門官 6つ。6物質です。
○平林座長 色をつけずに6個。3個と予備軍3個じゃなくて。
○阿部中央労働衛生専門官 それは後ほどの遺伝子改変のときで。
○平林座長 ここは6個で。
○阿部中央労働衛生専門官 中期については6個。はい。
○平林座長 色をつけずに6個。頭から順に、上から6個というふうに考えるかどうかということですか。
○阿部中央労働衛生専門官 そうですね。はい。
○平林座長 だそうですが。
○若林委員 99番は、もう一度何か説明していただけませんか。ですので
○平林座長 それは医薬原料だから試験するのがどうかというような御意見だったかと。
○バイオアッセイ/加納氏 ちょっと私が調べている過程で疑問に思ったんですが、バルプロ酸ナトリウムが抗てんかん薬として使用されているということで。物質の入手は可能で、分析も一応確立しています。
○小川委員 それは、既に原料としてどこかでデータがあるかもしれないという意味ですか。
○バイオアッセイ/加納氏 いや、私が単純に医薬品の、原料で使われているので。
○平林座長 データがあるかどうかというのはお調べになって、それはないということでしょうか。
○津田委員 医薬品の場合はやらないことになったのはどうしてですか?
○バイオアッセイ/菅野所長 理由がわからないのでちゃんと説明してください。
○バイオアッセイ/加納氏 すみません。明確な理由はないですが、医薬品もここで含まれるという判断でよろしいですか。
○津田委員 この委員会でどうなんですか。医薬品もここで評価に含まれるんですか。
○平林座長 医薬品そのものではなくて原料なので、それは対象になっているというふうに認識しておりますが。
○津田委員 バルプロ酸そのものはどうするのでしょうか?
○バイオアッセイ/菅野所長 バルプロ酸そのもののデータはたくさんあるでしょうけどね。
○平林座長 医薬品は医薬品のほうでやっているはずなので。
○津田委員 だから、ここでその原料を入れても問題ないんでしょう。
○平林座長 そのこと自体は、問題はないと思いますけれども、原料ですので。(問題となるのは)データが本当にないのかというところだけですね。
○平林座長 ちょっとソートができないのですかね。自分の手元で何とかしたい。何かマーカーぐらいつけられるのではないですか。この資料にマーカーをつけられましたか。
○阿部中央労働衛生専門官 今、抜粋したしたものをこちらで作業していますので、ちょっとお待ちくださいいただければ、今、ディスプレイに出します。すみません。
○平林座長 何かここにチェックができると便利です。
○阿部中央労働衛生専門官 誠に申し訳ございません。
○平林座長 もうちょっと使い勝手が良いと、せっかくペンがあるのに。
○阿部中央労働衛生専門官 ちょっと今、「○」をつけかけていたんですけど。ディスプレイにが……こんな感じになるはずです。完全に作業中のもので大変恐縮ですが。
○バイオアッセイ/菅野所長 101番も大丈夫なんでしょう。
○阿部中央労働衛生専門官 リストの上から順に。
○平林座長 101が不純物、安定剤として加わっているのが懸念されるということだったと思いますので。
○阿部中央労働衛生専門官 今、実施できないものと整理いただいたものにつきまして、「×」を反映しています。「○」も今、つけかけていたんですけど、まだ全て終わっておりませんで。とりあえず「×」を抜くとこうなりますという。上から。
○平林座長 99、100、105、106、104、103、94、47、86、98。
○阿部中央労働衛生専門官 ここまでですね。一応これ上から6つだとここまでですね。103ですか。
○平林座長 103ですね。
○阿部中央労働衛生専門官 ここまで。
○平林座長 なんですが。
○阿部中央労働衛生専門官 もし、99についてデータの有無を確認する必要というお話でしたら、ちょっと後ろの94を補欠にさせていただいて、99にもしデータがあったらちょっと後回しにするということもなくはないかと。
○平林座長 ということで、まず、これが候補ということになるわけですが、用途ですとか、この辺りに出ているデータを御覧いただいて、まあよろしかろうということになるのかと。これ以上データはなくて審査し、候補を決めるということですか。
○阿部中央労働衛生専門官 とりあえず我々が持っているデータとしては、ここにお示し、御用意している範囲ですね。
○若林委員 105は食品添加物として認められているのですか、これは。
○平林座長 エチルヘキサナール。食品添加物って書いてありますね。
○若林委員 そうすると、これはかなりデータがあるはずだと思うんですけどね。
○小川委員 その2-エチルヘキサナールなんですけども、食品添加物で多分香料と思うのですが。
○若林委員 新規のものだったらですけど。
○小川委員 そうですね。多分ないか――もしかすると、衛研が13週試験をやっているかもしれないですけど、それ以上はないというものかもしれないです。食品香料と思われますので、フルの発がん性のデータまではないと考えられます。
○平林座長 指定添加物の可能性があるなら、13週までのデータはあるかもしれませんね。
○小川委員 ちょっとそれは確認してみないと。
○平林座長 でも少なくともフルのデータはないだろうと。
○若林委員 加えて、104番も同じようですね。食品添加物、医薬でしょうか。
○平林座長 硫酸銅はどうかな、と思うんですけどね。(データは)ないですかね。
○バイオアッセイ/菅野所長 99番はバルプロ酸そのものでした。
○平林座長 そのものですか。
○バイオアッセイ/菅野所長 そのものです。CAS番号からすると同じです。
○平林座長 そうですか。それなら外さざるを得ないですね。
○バイオアッセイ/菅野所長 99のCAS99-66-1だよね。
○平林座長 はい。じゃあそのものということなので、99は「×」。何に使われているかデータがないけど、製造・輸入量があるというのもあるんですね。まあ候補にはなっていないからいいんですけど。
そうしますと、99が「×」になったから100で、105の香料は少なくともフルのデータはないであろうということを確認していただくことにして、100、106。104の硫酸銅はどうしましょう。
○若林委員 これもチェックが必要かもしれないですね。医薬、食品添加物ですとか、気になるところが書かれていますね。
○平林座長 そうすると、103は残って大丈夫。それから94、酢酸亜鉛ですけど、これも要検討ですか。47のアミノフェノール、アゾ系染色料。
86はでも、動物医薬・駆虫剤になっていますけど。86も要検討。
○小野寺委員 基本的にこれはして例えば分析が難しいで理由で除外して整理してもらった中から、何がプライオリティーとして考えるのか。は生産量、遺伝毒性の強さ、それともデータが足りないとかなものでしょうか。
○阿部中央労働衛生専門官 基本的に、事務局から例年お示ししているのは生産量ということになります。用途につきましては、もちろん、いかにも産業現場で使っているものというのももちろんあると思うんですけれども、例えば明らかに医薬品ですと、そういうことでなければ、あまり気にせず選ばれているように認識しています。
すみません、事務局の方から今後の流れ的なところを補足させていただきますと、中期発がん性試験につきましては2物質、2物質、2物質の三つに分けまして、三つの事業といいますか、2物質の委託事業、2物質の委託事業、もう一個バイオで2物質みたいな形で、委託事業で今年度4物質実施します。プラスバイオで2物質という予定でやっておりまして、委託事業の調達の準備を我々のほうで今、進めているところですので、ちょっとバイオとの調整は必要になりますけれども、差し当たり、とりあえず4物質が決まっておれば、委託のほうの調達は進められるというのが率直なところでございます。
○小野寺委員 結局この場で選ぶにしても、例えばの話で入手の可能性とか物質の分析、いわゆる分析法が確立しているかとか、あと、例えば安定性も含めてだけど、動物試験の実施可能性ですよね。なんかすごく分解が早くて調整がその都度じゃなきゃだめだなんていうものはちょっと外していかなきゃならないので、そういうところからいくと、ちょっとこのデータだけで今、この場で我々はどれを選べと言われても何が、上から順々に行ってもいいのかなという気もしないんですけど、何か基準になるものってないものなんですか。
○阿部中央労働衛生専門官 参考資料3-5で選定方法というのをまとめておるんですけど、その中では、今ご指摘いただいた点につきましてはほぼ何も書いていないような。製造・輸入量、性状、社会的な必要性、予算等を考慮して絞り込みを行うということを書いてございますが、第一に来ているのはやっぱり製造・輸入量。また、実際に試験ができるかどうかにつきましては、先ほどバイオから情報をいただきました試薬が購入可能かどうかですとか、一部その試験ができなそうな、明らかにできないことが確認できているものについては、このワーキンググループの場で除いていく流れになっているというふうに認識しております。
今回、バイオのほうからの情報で一旦試験の実施可能性の観点から除けるところは除いていただいていた上で、リストでは製造・輸入量の上から順に並べてございますので、あとは、ちょっと実施する必要性等について微妙な情報があるものをどこまで詰めてからやるのかというお話、残るところはそこなのかなと思います。
○小野寺委員 最後の予算等をところは考慮しなくていいんですか。
○阿部中央労働衛生専門官 先ほど申し上げた4物質分はとりあえず委託事業でやれるように予算を確保しておりますので。
○小野寺委員 それは物質の値段というのは、あんまり関係ない。
○阿部中央労働衛生専門官 委託事業の調達の上では考慮しなきゃいけないところもあります。あまり高い物質だとちょっと調達が成立しないおそれが確かにございますので。ただ、それをここでどこまで考慮する必要があるかというと、そこはちょっと御相談なのかなとは思います。
○津田委員 そうすると、実際にこの中期発がんでやったのは混餌ですね、餌にまぜるか飲料水にかどちらかですね。
○川名化学物質評価室長 実際にやられている試験の結果、フェノバルビタールと違って、この物質そのものの投与については、どこの機関も強制経口投与でやっております。
○津田委員 強制経口投与ですね。そうすると、経口投与というほうで考えていいわけですね。
○阿部中央労働衛生専門官 それは、はい。資料3-2にまとめているとおりですね。
○津田委員 そうすると、いずれにしても、一つは毒性がきちっとデータがないと、投与量を決めるのに。
○バイオアッセイ/菅野所長 予備試験で。
○津田委員 予備試験。そういうことをわかっている可能性のある物質を選んでおかないと、毒性が予測外に強くて、6週間の投与にで多数が死亡する場合耐えられないものもあり得ますね。
○バイオアッセイ/菅野所長 仕事のパッケージの中に、用量設定試験がありまして、そこでやります。
○津田委員 そこできちんとやるということが必要ですね。
○バイオアッセイ/菅野所長 常にやっています。
○津田委員 そういうことをクリアできているものがここにあると考えていいですね。
○平林座長 候補物質を決めたら、それの毒性試験をまずして、それからということです。
○川名化学物質評価室長 一応、このリストに挙がっているものについては、少なくとも遺伝毒性の観点から遺伝毒性はあるであろうということでリストアップはされております。
○平林座長 一般毒性についてのデータは十分にはないということですね。
○川名化学物質評価室長 というか、ちゃんとやる前に予備試験をやっていただくということを試験の内容にも含めております。
○津田委員 いや、経験から言いますと、毒性が強過ぎてそういう8週間、投与に動物が耐えられないということもあって諦めたのもあります。だから、大丈夫でしょうかという質問です。エコトラップで受けて、ある物質を選定したけれども、毒性が強くて発がん性のプロモーションまでは見ることができなかったという物質もあった場合、どうしますか。
○小野寺委員 そういう場合は用量を下げるんじゃないですか。
○津田委員 用量を下げた場合に今度は、それのプロモーションも有意差が出ないほどに低レベルになってしまったということもあり得ますね。
○バイオアッセイ/菅野所長 そこが試験法の持っている限界なので、ですから普通の試験と同じように用量設定試験をまずやって、試験期間中、維持できるであろうというのをMTDに設定して、そこから公比で落とさざるを得ないということをやっています。ですから、in vitroのデータではばっちり出そうだといっても、仰せのとおり毒性が強くてそういう効果が出そうもない用量でしかできない場合もあります。
○津田委員 強制経口投与ですね。ということは、全部溶液でやるということですね。
○小川委員 水溶液か油かどちらか。
○津田委員 要するに、液状で投与するということですね。
○若林委員 今、リストに挙がっているのが九つありまして、そして、三つが医薬という言葉が入っているものですから、もしこの三つが抜けると六つになるんですね。
○平林座長 そうです。
○若林委員 もし、なかったならば、上から六つというような二つの条件になるような気がしますけれども。これは私の意見です。
○平林座長 いや、私もちょうどそう考えて、ああ、ちょうど抜けるのは三つだなという。ということでございますので、そうするとそういう考え方で行きますと、100は確定で、105もほぼ確定と考えていいんですかね。106はよくて、104が硫酸銅なので、これは本当にデータがないのかということで、ちょっとペンディングかと。103は確定。94酢酸亜鉛、これも何かあるかどうかというのを確認いただく必要があるかも。それから47は、これは大丈夫ですよね、確定で。86の用途に動物医薬との記載が入っているので、これはまたお調べいただくと。あと98ということで、お調べいただいたものが大丈夫であれば上から順番ですし、そうでなければ、順番に下まで98まで行くかも、行かないかもということでは……。
○バイオアッセイ/加納氏 すみません。先ほど言い忘れましたが、103番。
○平林座長 103、はい。
○バイオアッセイ/加納氏 実はこれ「△」不確定でして、今現在、分析が要検討ということで、すみません、分析のほうから話が来ておりまして、物は入手可能です。
○平林座長 それは外注に回す4物質ということも考慮すると、候補に入れておいて御検討いただくということで、阿部さん、事務局ではどうですか。
○阿部中央労働衛生専門官 そうですね、「△」不確定、分析に回しているというのはどういう状況なんですか。
○バイオアッセイ/加納氏 分析の検討が必要ということで、今すぐできますよという回答はできないということです。
○阿部中央労働衛生専門官 ということであれば、恐らく事務局的には、今、ここが「△」不確定になりましたので、ちょっとすみません、手元で恐縮ですが、ここの上から「◎」をつけました四つをとりあえず委託の事業のほうに回させていただいて、バイオにお願いする2物質については、確実になった「?」以降で御相談しながらやらせていただくのかなと。
○バイオアッセイ/加納氏 すみません、しゃべっている最中に。94番、酢酸亜鉛ですが、平成29年度の候補物質に挙がっておりまして、このときにバイオアッセイでやっぱり分析が困難ではないかという回答をしましたところ、昨年度、この物質の検討をうちの事業としてやってくれということを言われまして、厚労省のほうから。検討した結果、分析ができるという回答を昨年度、報告書を出しております。
○阿部中央労働衛生専門官 「○」でいいわけですね。
○バイオアッセイ/加納氏 はい。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、ちょっと別のデータがあるのではないかという御指摘がございましたので、酢酸亜鉛につきましては一旦、「?」の状態にさせていただきつつ、直近、大変恐縮ですが、委託事業につきましては、この上から「◎」をつけました四つをベースにさせていただきつつ、バイオアッセイにお願いするかどうかにつきましては、「△」、「?」、この辺りからできそうなところ、もしくはほかにデータがなさそうなところを優先順位としてつけさせていただくという形で選定をさせていただければと思います。
結果につきましては、いずれかの形で御報告、委託事業のほうは調達調書が出ますので、それでオープンになるんですけれども、バイオアッセイのほうにお願いする分につきましては、ちょっと別途どこかの形で御説明や御報告なりさせていただくのかなというふうに思います。
○若林委員 確認ですけども、105番は、医薬と農薬と食品添加物の三つが重なっていて、これは毒性データが何もなさそうだということはないような気がするんです。
○平林座長 それは、御確認いただくことになっていましたよね。
○若林委員 いや、「◎」ですからもう。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません、間違いました。105が、そうですね、わかりました。先ほどの話ですと。
○平林座長 いや、100と106と。105は、ごめんなさい。私が勘違いしましたね。すみません。105は香料で、13週のデータはあるかもしれないけど、フルのデータはないという病理部の検討、衛研のほうのデータとしてそういう状態になっているので、フルのデータはないということをとって「○」というふうに申し上げましたが、それを含めて検討していただいたほうがいいということですか。
○小川委員 そうですね。この中間体がどこに関わるものかにもよるかもしれないですけど、医薬・農薬・染料等の中間体ということですと、それについてのデータがあるかないかは、ちょっとフルではないかもしれないので、一応確認した上で必要に応じて。量的には多いのでということですね。
○平林座長 そうすると、105も一応要件等ということにしていただくので、100、106、47、98の4物質。
○阿部中央労働衛生専門官 はい。
○平林座長 この4物質それを外注ということで、残りの2物質がどこになるかは検討次第ということで上から順にというのが基本的な考え方で、そうはいっても、分析ができないとかいろいろなことがありましょうから、実現可能なもので選んでいただくということ。
○阿部中央労働衛生専門官 そのような形でバイオアッセイと調整しながら進めさせていただきたいと思います。
○平林座長 はい。
じゃあ、中期発がん性試験対象物質についてはそれでよろしゅうございますでしょうか。
そうすると、あと遺伝子改変試験の対象物質についても選ぶ必要がある。
○阿部中央労働衛生専門官 はい。例年といいますか、選ぶタイミングとしてはおおよそ3物質いかがでしょうかということで、御検討をお願いしていたところでございます。まずは選定基準といいますか、どういう物質から選ぶかというところなんですけれども、参考資料4に遺伝子改変動物を用いた発がん性試験についてというのがございます。こちらを見ていただきますと、遺伝子改変動物を用いた発がん性試験導入の経緯ですとか対象物質の選定についてのこれまでの議論の経過をまとめてございますが、この中で対象物質の選定というところで挙げさせていただいておるものを元に、どんな物質があるかなというふうに見ていきますと、結論としては、おおよそ今回の資料1の中期発がんの候補物質にほぼほぼかぶってくるのではないかということで、便宜上、この資料1のリストをそのまま流用させていただいておったものでございます。
先ほど、中期発がんの物質選定に当たっては一旦忘れていただければと申し上げたピンクと緑は、遺伝子改変の、ここからの話でございまして。ただ、今回ご提示した資料自体は、事前に、二、三週間前ぐらいになりますか、調整をさせていただいていた段階で、遺伝子改変の試験ができそうな物質というのをバイオのほうから提示いただいておりまして、中期発がんのこのリストと突き合わせた結果、経口と吸入ができる可能性があるものについてピンクと緑をつけさせていただいたところでございます。ただ、その後もバイオのほうではいろいろ調べていただいていますので、追加の情報等というのはもちろんあるかと思います。
この遺伝子改変の対象物質については、資料1で参考としてお付けした製造等量1,000トン以上という条件でフィルタリングしたものはピンクもそもそも残っていないので、遺伝子改変の検討ではあんまり参考になりませんので、フィルタリング前のリストのほうからいかがでしょうかというところを見ていただければと思っております。
ただ、ちょっとすみません、バイオのほうで追加で調べられている範囲があるかもしれませんので、その点もし何かあれば、バイオから補足をお願いできればと思っていますが。
○バイオアッセイ/加納氏 それでは、緑のついている20番、ブロムブタン、(2-ブロモブタン)となっていますが、これについては分析はできるでしょうと。試薬も、各メーカーから売っております。ただし、吸入でバイオアッセイでやる場合に、普通に試薬は売っていても大量に使うものですから、特注で大量に発注することになります。その際に、それがメーカーとして用意できるかどうかというのは、ちょっと回答が得られていません。物は売っているということです。
次が53番、ジブロモメタン。これも、試薬は各メーカーから売っておりまして、分析も可能になっております。
○若林委員 大変失礼ですけれども、「未満」というのは、990でも「未満」ですし9でも「未満」なので、全くほとんど使われていないものなのか、まあまあ使われているものなのかという情報はないんですか。
○阿部中央労働衛生専門官 化審法の情報で使われている枠が、たしか1,000t未満の表現しかなかったんですよね。
○若林委員 せっかく試験をやるのにほとんど使われていないものを選ぶというのもあれなので、その辺の情報が少しあれば、非常に判断するのに役立つかなと思うんですけども。
○川名化学物質評価室長 ちょっと化審法なりそういったところから持っていっているデータなので、ちょっとこれ以上詳しいものは残念ながら我々、現時点で入手はできていない状況ではあります。
○平林座長 1,000t未満と「-」の違いは、「-」はデータが本当にないということですか。
○川名化学物質評価室長 データがないというよりは、届け出があったところが2t以下という場合は「-」になっちゃうんですね。
○平林座長 届け出業者が。
○川名化学物質評価室長 ただ、それは、あくまでも製造・輸入の届け出というようなことでございますので、どれだけの広がりがあるのかというのはまた別の問題になろうかとは思うんです。
○平林座長 ありがとうございます。そうすると。
○川名化学物質評価室長 だから、そういう意味では、用途情報というようなことからどれだけ広がりがあるのかというようなことをちょっと考慮していただいて、広がりがありそうなものについて優先していただくというようなことで、これまでもやっていただいてきたかというふうに記憶しております。
○若林委員 それは、いざ試験をするということになりましたならば、その情報を入手することは可能か全く不可なんですか。
○川名化学物質評価室長 ちょっと難しいですね。
○平林座長 もともと書いてないんですよね。あるのを隠しているわけではないと思いますよ吸入の対象になっているのは三つ……。
○バイオアッセイ/加納氏 よろしいですか。続きがまだ。
もうちょっと下に行きまして、66番、フルオロベンゼン。これも若林先生が言われたところで、量が「-」になっておりますが、一応分析は可能でしょうと。試薬も各メーカーから販売はしております。
それと、大分後ろのほうに行きまして、3-メチルブタノ(?)ールというのがあります。これは通し番号がついておりません。
○バイオアッセイ/菅野所長 93番の一つ上です。
○バイオアッセイ/加納氏 これについては、試薬がちょっと入手できるかどうか。売っているんですが、量が少なかったり在庫が少ないということで、これはちょっと微妙になります。
○平林座長 何でグレーなのですか、事務局。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません。グレーの理由につきましては、一番右の欄に、発がん性試験の実施状況と法規制というところにございますけれども。
○平林座長 わかりました。中期発がん試験が実施済み。
○阿部中央労働衛生専門官 はい。実施済みのものについては、こういうふうにグレーアウトしております。
○西川委員 肝臓以外に標的性がありそうな感じなんですか。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません、ちょっとそこまでは。
○西川委員 いや、だから、このリストに載っているんですよね。
○阿部中央労働衛生専門官 リストに載っている理由は、選定理由等というところ、その一つ隣の欄なんですけれども。
○平林座長 でも、中期発がん試験を実施して陰性なんですよね。
○阿部中央労働衛生専門官 だったものですね。
○平林座長 西川先生がおっしゃるとおり、標的が肝臓ではなかったかどうかを。
○西川委員 腎臓か何かに腫瘍があったんじゃないですかね。そういうのが少しはありましたよね、今まで。
○平林座長 ただ、入手は難しいということ。でも、これは量が多いですね。
○バイオアッセイ/菅野所長 ここにあるサマリーを読みますと、1,000mg/kgまで投与可能だったと。その用量だけ体重増加抑制になったと、そういう情報ですね。臓器標的性云々はちょっと書いていないですね。
○小川委員 ちょっと確認なのですけれども、先ほどお示しいただいた参考4の遺伝子改変動物を用いた発がん性試験を選定するための、対象物質の選定のところでは、やはり肝臓への標的性が弱いということが言われているものであったり、他臓器への標的性が疑われるもので、経口ばく露が非常にしにくいとかというような場合には、遺伝子改変動物を用いるという整理なのかなというふうに思っているのですけれども、今回、このお示しいただいたのは、それ以外の理由で選考されているということになるのですか。
○阿部中央労働衛生専門官 そちらの基準といいますか、資料1のつくりとしては、中期発がんの候補物質のリストのほうを、すみません、形式として優先してございます。その上で、中期のリストの中で、バイオのほうで遺伝子改変の試験ができそうなリストを突き合わせた、突き合わせたというか溶け込ませたというか、という形になっているだけですので、その基準で選んだのかと言われますと、ちょっとすみません、このリスト自体はそういったつくりにはなっていません。
○若林委員 3-メチルブタナールは、特に遺伝子改変動物でさらに試験をするという意義づけは、かなり弱いような感じがするんですけども。
○平林座長 グレーになっちゃったやつは、緑色が表示されていないということですね。
○阿部中央労働衛生専門官 緑を外してしまっています。
○平林座長 それで、だからちょっと妙な感じがしたんです。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません。元の緑のやつを今ディスプレイにお出しします。大変恐縮です。ちょっと加工中の整っていないもので大変恐縮ですが、これが、全部つきのものになります。
○平林座長 なるほどね。
○阿部中央労働衛生専門官 もともとバイオからいただいた遺伝子改変の試験ができそうな物質のリストを、中期発がんの候補物質のリストと突き合わせたらこうなったというのが一応この資料を作成した際の作業の過程でして、中期発がん実施済みでグレーとしているもののうちピンクないし緑とかぶっているのは、こちらですね。
○平林座長 吸入の可能性があるのはこの4物質。
○阿部中央労働衛生専門官 はい。バイオからいただいた、突き合わせた結果はこうなっています。
○平林座長 4物質で、その番号のついていない3-メチルブタナールは入手にクエスチョンがついているけど、そもそも中期発がん試験でやっている結果が陰性だし、それをわざわざまたやる必要性にはどうもなさそうというようなことであれば、3物質ですよね。
○阿部中央労働衛生専門官 はい。
○平林座長 吸入で3物質、経口で3物質ですか。
○阿部中央労働衛生専門官 いえ、そういう決めはしておりません。
○平林座長 じゃあ、緑とピンクと合わせて3物質になればいいということですか。
○阿部中央労働衛生専門官 基本的には、労働行政の事業としてはなるべくバイオでしかできない吸入を優先して3物質を……。
○平林座長 そうすると、じゃあ、まず20番については、これはやっても構わないということでよろしゅうございますか。ブロムブタンですが、御意見は。量への対応には少し疑問が残るというお話ではございましたのですが、そこに問題がなければ、まずこれが第一候補。
それから、ないようであれば次、53番のジブロモメタン。2社以内というようなことで、量がどれだけ使われているかというところに多少の疑問があるとはいうものの、変異原性があるということでもありますし、これを差し置いてほかに候補があるかどうかというところは、ちょっとピンクをもう一度確認するかどうかというところに関わってくるかなとは思うんですけれど。
○阿部中央労働衛生専門官 いずれにせよ、優先順位としてつけていただいて、実施可能なところから順次という形になるかと思いますので。
○平林座長 わかりました。そうすると、53番は候補に入れておいても差し支えはないというところでよろしゅうございますか。
そうすると、その次が、吸入から先にということでありますので、66のフルオロベンゼン。本当にデータないのかな。何かちょっと本当にデータがないのかが疑問ではあるんですが。ただ、吸入のデータがないからやる意味があるかという問題もある。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、データを精査した上で……。
○平林座長 ということで、そうですね、意味があればということで、これは候補にということ。
そうすると、これがこけたときのための予備軍を選ばなくちゃいけないということでございますよね。
○阿部中央労働衛生専門官 もう大分選択肢も限られますので、ピンクも含めて上から優先順位をつけていただければ。
○平林座長 ということだそうなので、そうすると、2番はだめだったよね。さっき2番は物が入手不可と言っていた。
○バイオアッセイ/菅野所長 そうです。
○平林座長 そうすると、上から順に行くと3番、5番、9番とかになるんですけど、若林先生の御意見も踏まえると、3番よりは5番、9番のほうがまだ量が多いかなとかいうところでしょうか。
○バイオアッセイ/加納氏 5番、9番は、まず分析と試薬の入手が困難。
○平林座長 色がついているのは大丈夫と言わなかったですか。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません。事前にいただいていた情報の後に、バイオでまた追加で調べていただいているので、ちょっとすみません、前後関係の問題で事実関係に不足があるところがあるかもしれません。
○平林座長 わかりました。じゃあ、22番、25番はいかがですか。
○バイオアッセイ/加納氏 これもだめです。
○平林座長 だめですか。はい。
○バイオアッセイ/加納氏 このページでオーケーになりそうなのは。
○平林座長 29、30。
○バイオアッセイ/加納氏 30番。
○平林座長 30番はいいんですね。データなし。
32、33、34、35はどうですか。
○バイオアッセイ/加納氏 すみません、ちょっといいですか、途中なんですけど。実は昨年度、肝中期発がん性を6物質、このバイオで2物質、委託で4物質やりまして、そのときに肝中期のプロモーション作用は全て陰性という結果でありましたが、その中で1個だけ、4-アミノフェノールという物質を、これはバイオアッセイでやったんですが、これもプロモーション作用は陰性でした。それで、結果としては陰性ですが、腎臓の重量とか、あと腎臓の尿細管の単純過形成と尿細管壊死が認められたということで、この報告は昨年度末の発がんワーキンググループで私のほうから報告しましたところ、若林先生から、その結果を見て、腎臓への影響あるいは膀胱への影響が懸念されるというコメントをいただきまして、一応肝中期では陰性になっていたんですが、そこから遺伝子改変に持っていくという今の物質選定のスキームでは、ルートは残ってはいるんですが。
○阿部中央労働衛生専門官 要は、それをやるべしという。
○バイオアッセイ/加納氏 いえ。
○バイオアッセイ/菅野所長 それは何番。
○バイオアッセイ/加納氏 すみません、4-アミノフェノールが。
○阿部中央労働衛生専門官 今、画面上には出しました。84と85の間にあるやつです。
○バイオアッセイ/菅野所長 灰色になっているやつですね。
○阿部中央労働衛生専門官 はい。
○バイオアッセイ/菅野所長 そこまで行ったらでいいんじゃないですか、話は。
1ページ目は30番がオーケー。2ページ目は。
○平林座長 1ページ目は、この30番以外はないということですよね。48とか。
○バイオアッセイ/菅野所長 29番もだめですね。
○バイオアッセイ/加納氏 29はそうですね、要検討。分析がない。
○バイオアッセイ/菅野所長 分析がない。
2ページ目の。
○平林座長 54から始まるところ。
○バイオアッセイ/菅野所長 32番から始まるところ。
○平林座長 32番から始まるところ。ページが違う。
○阿部中央労働衛生専門官 2ページ目。
○バイオアッセイ/加納氏 すみません、私たちの手持ちの資料には、配布資料にちょっと情報をつけ加えているのでページ数がずれています。物質ごとの番号では。
○バイオアッセイ/菅野所長 すみません。今、30まで行った。
○平林座長 30まで行って、30はいいというふうに伺っています。
○バイオアッセイ/菅野所長 じゃあ32、3、4、5がどうか。
○バイオアッセイ/加納氏 32は分析が難しいと。
○バイオアッセイ/菅野所長 33。
○バイオアッセイ/加納氏 33は分析オーケーですが、被験物質の入手が「△」。全部、メーカーから問い合わせ。
○バイオアッセイ/菅野所長 34。
○バイオアッセイ/加納氏 34は、分析が要検討。
○バイオアッセイ/菅野所長 「△」ですね。35。
○バイオアッセイ/加納氏 35は「×」です。物が手に入りません。
○バイオアッセイ/菅野所長 次は39。オーケーのだけ行く。じゃあ、オーケーなのは、次は。
○バイオアッセイ/加納氏 オーケーになるとずっとなくなっちゃうんですけど。
○バイオアッセイ/菅野所長 いいよ。オーケーなのは次、何番ですか。
○バイオアッセイ/加納氏 61番。
○バイオアッセイ/菅野所長 ニトロベンゾイルクロリド
○阿部中央労働衛生専門官 p-ニトロベンゾイルクロリド。
○バイオアッセイ/菅野所長 次が。
○バイオアッセイ/加納氏 75番。
○平林座長 75番。
○阿部中央労働衛生専門官 モノ(又はジ,トリ)ブロモ(又はクロロ)アルカノール(C2~5)。
○バイオアッセイ/菅野所長 次。
○バイオアッセイ/加納氏 79番はオーケーです。
○阿部中央労働衛生専門官 モノ(~テトラ)ブロモ(又はクロロ)ベンゼンモノ(又はジ)カルボン酸(又はクロライド,無水物)。
○バイオアッセイ/加納氏 次が79番。
○阿部中央労働衛生専門官 今のが79です。
○バイオアッセイ/加納氏 79番ですか、今の。すみません。じゃあ、76、オーケーは言いましたっけ。
○平林座長 76。
○阿部中央労働衛生専門官 一つ戻って75、76、79に今「○」をつけました。
○バイオアッセイ/加納氏 その下のほうに行きまして83の下に番号がついていないのがあるんですが。
○阿部中央労働衛生専門官 4,α-ジクロロトルエン(4-クロロベンジルクロリド)。
○バイオアッセイ/加納氏 それと、もう一個その下の3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸。
もうちょっと下に行きまして、86番、5-クロロ-2-ニトロアニリン。
○若林委員 あれ、4-アミノフェノールは。
○平林座長 4-アミノフェノールが飛んじゃったね、どこか。
○バイオアッセイ/加納氏 すみません。4-アミノフェノールは、あっちのほうで先ほど私は言ったものです。
それから、90番はすみません、ごめんなさい、分析が要検討になっておりますので。
88は今……。その上。88番。
○平林座長 88もいいんですか。
○バイオアッセイ/加納氏 はい。
○阿部中央労働衛生専門官 1,5-ジニトロナフタレン。
○バイオアッセイ/加納氏 それからo-ニトロアニリンはさっきの候補物質に入っていましたっけ。
○阿部中央労働衛生専門官 今、上からなめています。o-ニトロアニリン、92の「○」のやつ。
○バイオアッセイ/加納氏 91と92の間に。「○」です。
その下の92番、2-メチル-4-ニトロアニリン。
○バイオアッセイ/菅野所長 「○」。
○バイオアッセイ/加納氏 はい、「○」です。
次が、94番、酢酸亜鉛。これは先ほどのものですね。
97のちょっと下の3-メチルブタン酸。番号がないです。それと、その下の2-エチルブタン酸。これも番号がないです。色のないのも含めてですか。
○阿部中央労働衛生専門官 そもそも実施可能とされるものを挙げていただければ。
○バイオアッセイ/加納氏 一応調べたのはそこまでですね。ピンクがついているのは。
○バイオアッセイ/菅野所長 ついていなくてもいいんですか。
○バイオアッセイ/加納氏 ついていないのは、ちゃんと詳細に調べておりません。
○阿部中央労働衛生専門官 もともとバイオ側から情報提供いただいていたものの中に入っておりませんので、一旦除外していただいてよいかと思います。
○バイオアッセイ/菅野所長 除外。
じゃあ、以上です。
○平林座長 グレーになっているところのほうが、当然のことながらというか、製造・輸入量が多いわけですけれど、ただ中期発がん性試験で陰性という結果が出ていて、それを積極的に選ぶ理由が先ほどの4-アミノフェノールのようにあればいいですけれど。
○バイオアッセイ/加納氏 私が認識している中では、グレーで肝臓以外の影響があったのは先ほど言った……。
○平林座長 4-アミノフェノール。
○バイオアッセイ/加納氏 だけです。
○平林座長 わかりました。
じゃあ、番号のついていないやつで考慮するべきものは4-アミノフェノールだというようなことのようですが、そうすると、それを吸入の三つの候補に加えて御検討いただくことで――あともう二つぐらい候補を選ばなきゃいけないんでしたっけ。
○阿部中央労働衛生専門官 吸入三つの候補のほかに、もう三つぐらいいただければ。
○平林座長 もう三つぐらい。
○阿部中央労働衛生専門官 それぞれ融通をきかせながら、実施可能性を踏まえてやりますので。
○平林座長 そうすると、4-アミノフェノールは入れてもよろしゅうございますか。それ以外に、あと二つということかと思いますが、そうしますと今、挙げてもらった中で輸入量が比較的多かったのは61とか75ぐらいですね。30はデータがない。1,000t未満ではありますけれど。何もないよりは。
○若林委員 75は何に使われているか、データはないですね。
○平林座長 データがないのが嫌だわ。でも、それを外すと、なかなか選ぶ基準がなくなりますよね。そこを外してしまうと、でも、94もよかったんでしたっけ。酢酸亜鉛なのか。何で94、あれ、93の間違いですか。94。
○阿部中央労働衛生専門官 酢酸亜鉛。2価の酢酸亜鉛で94番。
○平林座長 っておっしゃいましたっけ。何か私が聞き間違いました。93です。
○バイオアッセイ/加納氏 94です。
○平林座長 94で間違いない。
○バイオアッセイ/加納氏 93は「×」です。
○バイオアッセイ/菅野所長 93はだめ。
○平林座長 93はだめですね。
そうすると、79。79も1,000t未満なのか。79が有機合成中間体と一応用途も書いてあって、一応1,000t未満ということなので、じゃあ、61と79と4-アミノフェノール。一応1,000t未満とはいえ、数字がついていて、用途が一応書いてあるというところで、実施可能というふうに伺った中と合わせると、この二つが残るということのようでございますが、それでよろしゅうございますでしょうか。
○阿部中央労働衛生専門官 一応、今、整理をしたものをディスプレイにお出しします。……画面のほうに出させていただきました。上から20、53、66、これらが緑で「○」、と「?」をつけたものもありますけれども、順次やりますと。61、79、あと無印でございますけれども、4-アミノフェノール、これらをピンクというか経口の候補として挙げさせていただいているということになります。
こちらにつきまして、優先順位といいますか、吸入をやりつつ経口もできる範囲で順次やりつつという形で進めさせていただければと思っております。実施可能性のところとか、あと、試薬の云々ですとか、あと、予算の制約の範囲もございますので、そういったところを踏まえながら、具体的にどの順番でどういう形でやっていくかにつきましては、バイオのほうと御相談させていただきながら順次手をつけさせていただきたいと考えております。
○平林座長 とりあえず、この議題はここまでということに。
○阿部中央労働衛生専門官 はい。すみません。予定よりも長くなってしまって大変恐縮です。行ったり来たりで非常に申し訳ございませんでした。
○津田委員 ちょっともう一度整理のためにお聞きしますが、この代替法を使うのは、マウスとラットとある場合に、本来はマウスで2年の発ガン性試験があるが、ラットではないという場合には、ラットのほうを代替法で行うと。それで、逆の場合、ラットである場合は遺伝子改変マウスでやるということで理解していますが、今度のこれは、どっちもないけれども、この代替法でやってしまおうと、そういうことですか。
○川名化学物質評価室長 どっちもないけども、遺伝子改変のマウスの実験をやらせていただいて。
○津田委員 マウスの試験。ラットのほうは。
○川名化学物質評価室長 ラットのほうは、やるかどうかはまたその結果を見てからということです。こちらのほうの物質は、あくまでも文献調査とかでやって、発がん性の試験をやってみたほうがいいというふうに挙がったものということでございますので、そういうふうなやり方をするものです。
○津田委員 ひとまずは、ラットの中期、または遺伝子改変のどちらかでやってみると。そういうことですね。そう理解すればいいんですね。わかりました。
○川名化学物質評価室長 そうです。スクリーニングとしてやらせていただいております。
○平林座長 じゃあ、そこまでよろしゅうございますか。じゃあ、ここで1回休憩を入れようと思います。何分休みますか。
○阿部中央労働衛生専門官 10分程度とさせていただいて、ちょっと10分ぴったりではないですけれども、14時50分を目処でお願いできれば。
○平林座長 ということです。
午後2時40分 休憩
午後2時50分 再開
○平林座長 では、次の議題を続けたいと思います。
議事次第では「その他」になっておりまして、まず長期吸入試験の試験方法について、事務局から確認が求められておりますので、意見をいただけたらというふうに思います。まず事務局から説明をお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 資料2についての御説明になります。資料2を御覧いただければと思うんですけれども、具体的には今、画面のほうにもお出ししました。塩化ベンゾイルの発がん性試験の具体的な方法についてというタイトルでございます。こちらにつきまして、冒頭、ちょっと申し上げましたけれども、先週20日に、化学物質のリスク評価に係る企画検討会の後に、有害性評価小検討会を開催させていただいておりまして、長期吸入試験の対象物質について御議論いただいたところでございます。
その結果、塩化ベンゾイルにつきまして、フィジビリティー試験が終わっているというところ、長期試験の準備を進めるという方針で御了解いただきました。その具体的な方法についてお諮りするものになります。
資料2-1に、長期試験をやりますよという段階で毎回、御検討いただきたい事項としてお諮りしているものをまとめてございますので、こちらをベースに御議論いただければと考えているところでございます。よろしくお願いいたします。
○平林座長 2の別紙ということ。
○阿部中央労働衛生専門官 いえ、資料2-1に具体的な方法についてという、今ディスプレイにお出しした、ああいう感じの紙をつけてございます。別紙としては、塩化ベンゾイルの概要紙をおつけしております。
○平林座長 資料2はあるんですが。資料2-1は。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません。資料2です。「-1」ではなく「資料2」大変失礼しました。
○平林座長 では、塩化ベンゾイルの発がん性試験の具体的な方法についてということで。何がこれは論点なんでしたっけ。
○阿部中央労働衛生専門官 資料2に記載しております点のうち、下線を引いているようなところです。
○平林座長 わかりました。この検討すべき事項1のところの塩化ベンゾイルが選定されたわけですが、まず長期発がん性試験に仕様する動物種、それから(2)はいいのですか。
○阿部中央労働衛生専門官 (2)もそうです。
○平林座長 短期・中期in vivoげっ歯類試験系による試験の要否。それから(3)で、これが要であるということになれば、採用する試験法及び使用する動物種ということを御検討いただきたいということでございます。
まず、そうしますと、長期発がん性試験に使用する動物種について。げっ歯類のマウスからとかという、そういうことでよろしいんですか。それとももっと広くということ。普通はマウス・ラットですよね。
○阿部中央労働衛生専門官 そこはそのような理解です。
バイオのほうでもし補足があれば。
○バイオアッセイ/加納氏 例年はラット2年間と遺伝子改変が行います。
○川名化学物質評価室長 この議題につきましては今、バイオのほうからもちょっとコメントがございましたように、長期をやる場合は、2年間の長期の試験と、あと短い期間の試験を組み合わせてやるというようなことが決まってございます。通常の場合ですと、長期のほうはラットでやって、短・中期のげっ歯類を使う場合はマウスを使わせていただくと、そういう方法で通常の物質については、この試験をセットしてやっているところでございますので。
○平林座長 わかりました。そうしますと、長期発がん性試験に使用する動物種は、ラットでよろしゅうございますでしょうかという確認だそうですが、よろしゅうございますか。
○小野寺委員 これ、今の資料の一番最後の「ただし」のところで、フィジビリティー試験のときには小型チャンバーを使用したんだけど、今度ラットでやるのも小型チャンバーでいいんですか。大型チャンバーになると、何かばく露濃度が7分の1程度以下になるということになってくると、必要な濃度を得られるんですか。
○平林座長 その話は、先に説明したほうがいいかしら。
○川名化学物質評価室長 そうですね。この物質を一応予備試験の対象として指定するというふうに有害性小検討会で決定されたんですけど、ただし条件として、この参考のところに書いてあることがございますので、ちゃんとうまくできるのかというふうなことを結果として有害性小検討会のほうにも報告した上で、最終的に決めるというようなことにしております。
○平林座長 このときに、その120 ppmの7分の1程度で長期試験をするので、妥当ではないかというところを検討していただくということになろうかと思います。それで結果が出せそうであれば、ラットで実験ができるということです。
○阿部中央労働衛生専門官 なので、最後までやりますという御議論ではなく、できるところから準備をしようというものだと。できるかどうかの確認も含めてですね。
○平林座長 実際に120 ppmで長期をできるほど、120 ppmだと濃度が高過ぎて長期にはできないんですよね、たしか。長期をするには、濃度が高過ぎて不適当だという結果だったですか。
○阿部中央労働衛生専門官 フィジビリティー試験のまとめにつきましては、資料2の参考と記載させていただいているところに記述がございます。
○平林座長 そうだ、これを読めばいいのか。失礼しました。
○阿部中央労働衛生専門官 ちょっと字体と文字の大きさを変えております「塩化ベンゾイルのフィジビリティーテストは」というふうに始まっているところが、フィジビリティー試験の報告書の中身のうち「まとめ」として記載している内容でございます。
これに関しまして、バイオアッセイのほうから注意書きと、注意のコメントをいただいているのが、そのただし書きのところの記述になります。
もし、そのただし書きの部分も含めてバイオのほうで補足がありましたら、触れていただければと思うんですが。
○バイオアッセイ/菅野所長 じゃあ、簡単に申し上げると、検体の蒸気圧が低いので、なかなか最高濃度を上げるのにてこずる検体であると。それで、バブリングの装置のバブリングできる単位当たりに蒸発させられる能力が、小型のチャンバーについているものと大型のチャンバーについているもので希釈率が同じじゃないんですね、限界がありまして、もし、小さなチャンバーと同じ濃度にしようとすると、ほぼ不可能だとは思われるんですが、バブリングの装置を一つのチャンバーについてさらに三つ、四つ足すような形で大量にぼこぼこやると、でかいものも恐らく120 ppmまで上がるだろうけども、それはちょっと現状、物理的に不可能なので、大きなチャンバーでラットを400匹やる施設では、7分の1程度がマキシマムになるだろう。それは単純に物理的な話です。
まだネズミを飼ってばく露したことがないので、200を7で割ると20 ppm以下ですけども、20 ppmでMTDに達するかどうかはわからないんです。なので、それはやってみないとわからない。もし、120 ppmを本気で吸わせなきゃいけないとすると、小さなチャンバーでしかできないので。小さなチャンバーで2年間できるの、あの部屋。
○バイオアッセイ/加納氏 ラットはできないです。
○バイオアッセイ/菅野所長 もちろん。だけどマウスはできる。
○バイオアッセイ/加納氏 マウスは2年間。2年間はマウスではやらないです。
○バイオアッセイ/菅野所長 いや、できるの。
○バイオアッセイ/加納氏 やったことないです。
○バイオアッセイ/菅野所長 という、そういう施設の制約があるものですから、実のところを見ると、MTD、maximum tolerated doseが何ppmになるかをやってみないとわからない。とにかくガスを発生させられることはわかったんだけど、施設の制約として、この200と7分の200、ですから17.幾つかもしれないんですけど、が今のところの上限の濃度だろうということです。
ですから、ひょっとすると全然MTDに足りない濃度かもしれないです。ただし、物によっては毒性が強いので、これでもばたばた死ぬかもしれない。それはちょっとわからないですね、情報がないので。
○小野寺委員 結局、その最高濃度がフィジビリティーテストでも120と1.2 ppmってものすごく差がものすごく開いたところであって、結局、吸入試験の条件というのはばく露の条件がつくれるかどうかだと思うんですよ。だから、本当にそこで最高のところでやって容量が足りないとかという議論というのは、物理的にもうできないのであって、ですから、もしも、いわゆる高濃度のばく露を求めるのだったならば、小型ばく露チャンバーで高い濃度をやるし、ラットを優先するんだったならば、ラットでいわゆる濃度が7分の1になっても可とすると。どっちをとるかだと思うんですよ。
○バイオアッセイ/菅野所長 要するに、今、無理やり小さなチャンバーでネズミを2年間閉じ込められるかという話をしたら、多分無理ですね。ケージが小さいので。だんだんネズミは大きくなりますから。
○西川委員 今までのフィジビリティーテストも同じようにやられたんじゃないでしょうか
○バイオアッセイ/菅野所長 そのとおりです。やっています。
○西川委員 だったら、同じようにやるしかないですよ。
○バイオアッセイ/菅野所長 ですから、やってみたらうんと低い濃度でしかできませんという御返事が出るかもしれませんという。そういうことです。
○平林座長 この段階ではそこまで担保をしないで、これでやってみましょうというところでよろしゅうございますか。
そうしましたら……。
○小川委員 確認なのですが、をこの資料の別紙のところで、遺伝毒性のところに加水分解の可能性があるという言葉があるのですが、今回実施する吸入試験では、その辺はあまり考慮しなくても大丈夫という認識でよろしいですか、ガスが――被験物質の発生するところでは、加水分解によって壊れることはないということでよろしいでしょうか。
○阿部中央労働衛生専門官 今、御指摘の点は、多分、別紙の塩化ベンゾイルの概要ということで、20日の有害性評価小検討会のところでお示ししていたものから、当該物質の部分のみ抜粋してきた資料のことでしょうか。1頁目の一番右の列に留意事項という欄がございまして、「代謝活性化非存在下でサルモネラTA98に対して」云々というところの流れに、真ん中よりちょっと下ぐらいですかね、「水溶液中で塩化ベンゾイルは加水分解されると考えられることから、塩化ベンゾイルの変異原性試験から陰性が示されても、それだけで結論に至るとは考えられない」との記述が。こちらは、「平成19年度化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会報告書」からの抜粋として記載させていただいております。
また、「遺伝毒性試験の概要」の欄のとおり、もともと変異原性試験のデータ集にもデータがないと。「加水分解の可能性が指摘され、結論づけられない」と、こういったところの記述がございますというところのお話かと思いますが、こうした点はフィジビリティー試験のプロセスで問題なかったかということでしょうか。
○バイオアッセイ/菅野所長 バブリングはコンプレッサーを一度通したエアなので、湿度はほぼゼロです。ですから、発生器から出るところではお水のことはあまり心配しなくても。
○小川委員 そこの気中濃度が120 ppmということですね。
○バイオアッセイ/菅野所長 あとはチャンバーに大量に流す空気は、一応空調を通っていますから、湿度は普通のGLPの施設と同じで、湿度50数%の空気が来ているところにまぜるので、そこから先は、確かにある程度の湿度の水分を含んだ空気と一緒に流れますが、そこから先はもうあっというまに動物のところを通っちゃうので、その間に分解することは一応想定していないです。
○小川委員 わかりました。ありがとうございます。
○若林委員 これフィジビリティスタディーをラットでやって、期間はどのぐらいを考えていますか。
○バイオアッセイ/菅野所長 ここでゴーサインをいただくと、普通はもう用量設定試験にはいりますので、2週間とか短いのから、なるべく高濃度でたくさんの用量を振った短いのをやって、へばった動物を抜いて、次にもうちょっと長いのでといって、最後、2年間これなら大丈夫という最高用量を決めてスタートになりますので、前に2週と13週の予備試験が入りますので、そこで調整します。
○若林委員 一番心配しているのは、用量が非常に不足をするということと、あとは、何かこの塩化ベンゾイルで、典型的な毒性のMTDじゃなくてマーカーみたいなもの、例えば非常に気道のところに炎症が激しく起こっている濃度になるとか……。
○バイオアッセイ/菅野所長 あり得ます。
○若林委員 、がやられるそういう何かいいマーカーみたいなものはないんですか。
○バイオアッセイ/菅野所長 むしろ用量設定試験のときに、初日にすごい炎症と鼻水が出て、窒息して死ぬ場合があるんですね。その場合は、徐々に上げていくと平気になっちゃう場合があるんですね。なので、そういう小細工はしょっちゅうやります。
ただ、マーカーか。マーカーは今まで見たことないですね。サンプリングして分析しなきゃいけないので、そういうことは今までの準備試験では残念ながら手をつけていないですね。もし何かいいのがあれば、サテライトで組んでという可能性はあると思うんですけど。最初から視聴覚試験を見る。そこはわからないです、すみません。
○小野寺委員 むしろこれ、あれじゃないですか。濃度によって先ほど言った気道の炎症が起きて、本当に炎症性の変化で、多分長生きというか生存が難しくなる可能性があって、長期に耐えられなくなると、発がん性の評価もできなくなる可能性のほうがちょっと強いような気がするので。
○バイオアッセイ/菅野所長 実際にそれでてこずって、最高用量、濃度を上げるのに何週間か使ったっけ。3週ぐらいかけて徐々に徐々に上げていくと、鼻がつまらなくて、何十 ppmまで耐えるけど、初日にその4分の1をやっても全部死んでしまうという、そんな経験を既にしています。そこら辺はもうなれているので。
○小野寺委員 最初に、普通の場合は、初期のときに低濃度からやっていると、生体の寛容性というか耐性をつくりながら徐々に徐々に上げていくというやり方はあるんですけど、この場合は結局気道のところの粘膜のところを化生か何かでちょっと覆ってしまうような急激な刺激が起きないようにして、生体が死なないようになっていくんだと思うので、本当にそういうのがいいのかどうかというのもわからないので。
○バイオアッセイ/菅野所長 だけど、急性毒性だって言われちゃうので、そうすると2年間もたないので、仕方なく徐々にやっています。
○平林座長 津田先生、まだ御意見があったように。
○津田委員 いや、もとへ戻るようで申し訳ないんですけども、これを選んだ理由は、有害性評価小委員会のほうでやるということが決まってきたわけですね。見ると、変異原性はないんですね、そのままでは。
○川名化学物質評価室長 いや、変異原性があるかどうかの結論に至るとは考えられないというような結論ですよね。
○津田委員 確かにこれは2Aになっているけど、混合物で2Aですね。これが犯人である理由もまだわからないわけですね。それで、これが選ばれた理由というのは何なんですか。
○川名化学物質評価室長 そこら辺を確認するということだとは思うんですけど。
○阿部中央労働衛生専門官 別紙の2ページ目におつけしている資料がございまして、「つづき」と右上に書いてございますページの、「備考」の欄に書いておるのが経緯でございます。
○小野寺委員 どこですか、別紙の。
○阿部中央労働衛生専門官 資料2の別紙というのがございまして、「塩化ベンゾイルの概要」というふうに書いてございます。先週の有害性評価小検討会でお示しした候補物質に関する情報をまとめた資料のうち、塩化ベンゾイル部分を抜いてきたものがこちらになるんですけれども、その「つづき」として2ページ目に記載がございます、今、一応画面にもお示ししましたが、こちらに書いてあるこの「備考」の欄、一番右の列ですね、その「備考」の欄に書いてございます、平成23年1月の企画検討会で、専門家からの「エキスパートジャッジメント」について記載しているところが経緯になります。現在も、広く一般に、任意のパブコメでリスク評価の対象物質の御意見をいただくような形をとらせていただいておりますけれども、当時、恐らく同様の考え方で、「エキスパートジャッジメント」として他の専門家の方々からの御意見を伺い、フィジビリティーテストの候補の選定をされていたものがございました。この平成23年当時の選定の理由については、構造相関等の結果を考慮したものとされています。先ほど御指摘のIARCの2Aの評価は混合物としてのものだよね、塩化ベンゾイル単独のものはないよねとか、変異原性のデータもないよねとか、要は既存の範囲では評価に足るデータがないんですけれども、構造相関の結果を見るとどうも怪しいんじゃないかということで、エキスパートジャッジメントで御意見が出たということが経緯としてあったようです。
その後、ちょっと5年ほど間があくんですけれども、やっぱりもろもろデータがあるほうが優先されるのか長らく未着手のまま残っていたんですが、平成28年3月の企画検討会でいよいよフィジビリティーテストをやりましょうということで対象物質に挙げていただいたという状況です。その平成28年3月の企画検討会での選定理由は、同欄に書いてございますように、塩化ベンゾイルはIARCで2Aとされていますが、混合混合ばく露の評価しか行われていないこと、それから当時も生産量はそれなりにあったということで挙げられたという状況です。逆に言いますと、構造相関からするとあやしいものの、実際のデータはあまりないから、そこを確かめるために選ばれたというものなのかなというふうに理解しております。
○津田委員 要するに、順番が来たと。
○阿部中央労働衛生専門官 そういうことになるんでしょうかね。やっぱりどうしても、優先順位としては他のものが先に挙がっていったようではあります。
○津田委員 それは、そっちは理解できます。今のところ、これがそうである可能性というのは全くわからないわけですから。
○阿部中央労働衛生専門官 平成23年、それから平成28年当時の資料でも、構造相関の結果とかが並べられていまして、その結果をみると怪しそうだと。構造式はおつけしていたかと思うんですが、どうも怪しい、何かあるんじゃなかろうかという構造だと。
○津田委員 いや、その変異原性はわかりませんが、発がん性がないとはわからないのです。これで怪しいかなんかは全くわかりません。
○平林座長 よろしゅうございますでしょうか。
○若林委員 そうすると、菅野先生が言うように、このばく露すること自体が先生のところでしかできないから、そうした状況下で、もう少しin vivoのラットで何かチェック腫瘍をするとか、あとは、gpt deltaのラットを使うとか、本当に遺伝毒性があるかないかということも調べておいたほうが、その次のステップに進む上においては、かなり有益な。
○津田委員 小核、もうやっていないですか。
○バイオアッセイ/菅野所長 小核、どこの臓器をやります? 意外とね、肺のⅡ型細胞なんて大変なんですよ。やっていますけど、ネズミで。鼻で上気道の小核は。
○若林委員 いや、やっていないですよ。大腸ですとか肝臓ですとか、あと、骨髄ぐらいしかないです。
○バイオアッセイ/菅野所長 幸いに、うちも少し手が動くようになってきたので、ベーシックなほうもやろうと思えばできる方向にはあります。ですから、もし少しガイダンスみたいなこのワーキンググループなり何なりで決めていただければ、あとはちょっと予算が余計にかかるかもしれませんけど、その手当でできなくはないかもしれません。ただ、今すぐにはどうしようかなというところで、ビジョンが私の頭の中に構築できなかったので、ちょっと先生と御相談とか変異原の先生と御相談で、プロジェクト的に少し組めたらそれはそれでおもしろいと思いますけど。だから、vivoの変異原性ですね……。
○平林座長 そうしますと、中期あるいは短期のin vivoげっ歯類試験系による試験の要否というところで、これはあったほうがいいんだということで、それをやっていただく場合の採用する試験法及び使用する動物種というところで、今のお話が行くのかなというふうに思いますけれども。
そうしますと、採用する試験法と使用する動物というのは、先ほどの話からしてもマウス系であって、トランスジェニックマウスを使うなりということになりますか。
○バイオアッセイ/菅野所長 それで、ここからはちょっと私の希望なんですけども、今まではラットの、これはFischerだっけ。大体うちはFischer344でやらせていただいています。それとあと、rasH2なんですね、ペアが。本当はrasH2とp53と両方やらせていただけるとありがたいんですけど、ただ予算的にどうだかわからない。
というのは、このメカニズムが、若林先生がおっしゃるようなメカニズムを追求するときに、恐らくp53のほうがわかりやすいんですよね、できた資料を見るときは。それで、そういうあれがあるので、実を言うと、別途いただいている交付金のほうはそれがあって、西川座長の時代にお許しいただいてrasとp53を並行でやらせていただいているんですが、こちらのほうは今までrasだけなんですね。それも本当はp53とパラレルでやらせていただけると、全てデータがそろうのでありがたいなという希望は持っています。
○西川委員 今の点ですけども、遺伝毒性発がん物質を検出するのには、p53KOが結構いいんですけども、非遺伝毒性発がん物質、これちょっと明らかな遺伝毒性がまだ検出されていませんよね。そうした場合に、そういうものを検出する感受性というのは、rasのほうが高いと思うんですよね。だから、ちょっとその辺りもテストはしていただいたほうがいいと思うんですよね。
○バイオアッセイ/菅野所長 そこは先生といつも論議になるんですが、今の段階ではまだやっぱりp53で、非変異原性も引っかかるんじゃないかと思っていますけどね。
○西川委員 要するに、検出する率は低いという報告が多いですもんね。
○バイオアッセイ/菅野所長 それは次の議題とも絡むんですが、期間の問題があって。
○西川委員 それはそうですね。
○若林委員 構造活性相関を指摘されている先生方は、あの構造から遺伝毒性があるはずだと、それとも何か毒性があるはずだと、その構造活性相関の結果、何が予想されたのですか。
○阿部中央労働衛生専門官 少々お待ちいただいてもよろしいですか。平成23年当時の資料をちょっと引っ張り出しますので。
今、御指摘を幾つかいただいた点につきましてなんですけれども、まず今、バイオ内で予算の制約でどこまでできるかというのももちろんあるんだと思います。そこにつきましては、差し当たりで極めて役人的なお話で恐縮なんですけれども、基本的に今の事業の中で読める範囲であれば、あとはお金の範囲内でやる範囲です。調査の基準とか評価の基準、これらについては後ほどご議論いただく部分がありますけれども、その中で読めるものであれば、もうあとはバイオの側でちょっとやりくりしていただくしかない。一方、調査の基準なり評価の基準なりにはねる話だとすると、やはり改めて枠組みについて御議論いただいた上で、どこまでやるのという話をさせていただかざるを得ないのかなというふうには思います。
すみません、今お話を伺っていると、極めて高度なお話で、どこまで既存の調査の基準で読めるのかというのが私、ちょっとよくわからなかった部分がございますので、ぜひ後ほど御教授いただければと思っていたんですけれども、よろしければ、差し当たりは既存のトラックの中でできる範囲のことをやらせていただきつつ、例えば、もうちょっとベーシックな試験ということでいきますと、例えば変異原性試験と形質転換の試験につきましては委託事業もやってございますし、ほかのスキームもひょっとしたらあるかもしれません。今の枠組では、十分にやれていないことがこれこれこういう点で残っていて、それはこういうスキームで実現できるのではないかというところを議論させていただいた上で、最終的にバイオにどこまでやっていただくのかという話を別途させていただくほうが、よろしいのかなという気はいたします。
ちなみに、これはすみません、大変恐縮なんですけど、今のバイオの事業の中でできる範囲のお話なんですか。今、先ほどおっしゃられていたものは。お金とはちょっとまた別の話として、調査の基準とか評価の基準の枠組みの中で。
○バイオアッセイ/菅野所長 ですからdelta gptを飼うとか、そういうのはサテライトでちょろちょろっとやるのは、もしばく露装置の余裕があればですけれども、吸入の場合でしたら、それでやれる。あるいはマウス用のチャンバーで、ラットじゃなくてマウスを使うとか、delta gpt、それでちょろっとやって。その場合2年間じゃ無理で、当然短くていいわけですよね。そうすると、そういうことでしたら、確かにお金が足りるかなというのもあるけど、1群5匹とかで定性的に有意差がつけばいいやというのでやるのであれば、6匹、N=6とか8で最低とコントロールだけでやるというのであれば、研究的にスタートすることは可能だとは思いますが、ただ、ファシリティーを動かすとなるとそれなりにお金もかかるので、そこのところは。活性炭が高いんだよなとかいろいろあるんですが。
○平林座長 ただ、いきなりp53をやるよりは、多分そのデータがあったほうが説得されやすいかなという気はいたしますけどね。
○バイオアッセイ/菅野所長 そこはちょっとまた別のあれなんですけど。
○平林座長 だから、少なくとも、これまでの枠組みのとおり、長期発がん性試験はラットを使い、中期・短期のin vivoげっ歯類試験系もこれはしたほうがよい。そして、その場合に、これまでの組み合わせであれば、c-Ha-rasを使うというようなことで、という枠組みまではよかろうということで御検討をお進めいただくのではいかがでしょうか。
実際に動かしてみて、フィジビリティーテストの結果、もうちょっと大きなチェンバーでやったらどうなるかとか、そういった予備試験の結果が出てきた段階で、また御相談ということなんでしょうか。
○阿部中央労働衛生専門官 先生方の議論についていけていなくて大変恐縮なんですけど、一応、今、取り急ぎ塩化ベンゾイルの構造活性相関の資料をお出ししました。後ほどお手元のタブレットでも御覧いただけるようにもしようとは思うんですけれども、当時、平成23年1月の企画検討会での議論の際に使われていました「資料1 がん原性試験に係るフィジビリティーテスト対象物質の選定における専門家からの意見聴取(エキスパートジャッジメント)の結果等2」です。エームス、染色体、がん原性云々というところ、これそれぞれについて構造活性相関の評価をしましたというところで。すみません、PDFなのでちょっと見づらいんですけど。塩化ベンゾイルについては、「試験結果」の欄で実際のデータとしては変異原性が「陰性?」ということになっていまして、これは例の加水分解があるかもしれない云々の、よくわからないんだけれども、ということを指していると思われますが、それが構造活性でいくと、3種のシステムでそれぞれ「+」「+」「-」となっており、全体としては陽性っぽいなと。また染色体異常試験についてどうかというふうに見ますと、試験の結果は当時ないんだけれども、同じく構造活性相関をみると陽性の結果が出ると。ちょっとこの資料、だいぶ右に長くて全体が見通しづらいんですけど、当時も結局こういうような、実データはあまりないんだけど、構造活性の計算の結果だと陽性が疑わしいというものが出るねというものを評価されているようです。
ですので、平成23年当時の構造活性相関の評価項目としましては、これらですね。
○平林座長 がん原性の皮膚塗布と書いてあったけど、あれは何かしてあったということですか。
○阿部中央労働衛生専門官 ちょっと資料の中のどの部分についてのご指摘かがわからなくなってくるので。この「がん原性情報(2年間試験)」の欄ですよね。これは先ほど津田先生からご指摘いただいたIARCの2Aに直接関係するものではなく、IARCの2Aの話は、「がん原性試験(参考)」の列で、「陽性?」というふうにふわっと「?」がついている、この試験結果のところですね。これが当時、混合物ですけれども、混合ばく露で2Aがついている、ということは発がん性がある可能性があり、実際に試験をやってみる意義があるのかなという評価を当時していたきっかになっていたものと思われます。
ちょっとすみません、後ほどこの平成23年8月当時の参考資料のデータをタブレットで見られるようにさせていただきます。一応、こちらは傍聴者の方にも見ていただけるようなオープンな資料でございまして、平成22年度第2回の化学物質のリスク評価に係る企画検討会の資料としてWebサイトに掲載しているものになります。こちらの資料で、当時、フィジビリティー試験の候補物質について、構造活性相関の結果を踏まえたエキスパートジャッジメントによるものとしてリスト化をしていたというところの経緯を見ていただけますので、発端はここだということで見ていただければと思います。
○平林座長 大分時間が押してしまったのですが、そうすると、今、御議論の出たc-Ha-ras以外の系の実験とか、そういったことについてはどういうふうに進めたらよいかというところは、事務局としては何かありますか。
○阿部中央労働衛生専門官 先ほども申し上げましたように、お金を気にするかどうかはちょっとまず入り口としては別の話になりますが、まずは既存の調査の基準で読める範囲であれば、検討の余地ありだと思います。
既存の調査の基準では、読めるという理解でいいんでしょうか。さっきの話なんですけど、すみません、ちょっと結論として読めるものだというお話なのか、よくわからなかったんですが。
○小野寺委員 今、問題になっているのはそこで、今までの基準でやってみて、本当にまずは実験ができるかどうかというのと、出てきた結果をきちんと評価できるかどうかがポイントだと思うんですが、やったけどもよくわからなかったというんでは。
○阿部中央労働衛生専門官 なるほど。
○小野寺委員 だからそのためにどういう方法がいいのかというのが、動物の種類とかいろんなp53を使ったほうがよりクリアな評価ができるんじゃないかなというところだと思うんですよ。
○阿部中央労働衛生専門官 例えばこの塩化ベンゾイルの、先ほど座長もおっしゃっていただいたところなのかもしれませんが、この検討すべき事項ということで、資料2にお示ししております点、1の(1)(2)(3)とございますけれども、この(2)で、すみません、(2)が「要」の場合、(3)採用する試験法及び使用する動物種、ここのところで、もうあとは読めてしまうということであれば、バイオの予算と御相談なのかなと思います。枠組みから外れないのであれば、ちょっとすみません、お金が足りる、足りないはバイオによく勘定していただいて、どのぐらいかかりそうなのかで御相談にしかならないと思いますので、今の時点でちょっと可否は。
○若林委員 構造相関に関しては、本間先生ですとかが指摘をされていたんだと思うんです。片方では津田先生が言われるように、グループ2Aにされているということは、人での何か発がんの可能性があるんじゃないかということです。この塩化ベンゾイルをピュアなものを使ってin vivoでやった場合に、怖いのは濃度の問題があるので、中期的・短期的に遺伝毒性ですとか何かを押さえておいて、最終的には発がん性があるかどうかを見れば一番安全ではある。一番悪いストーリーとして、先生が言われるように、やったんだけど、ネガティブなんだけど、本当にネガティブなのかという再議論になることが一番怖いですよね。
○小野寺委員 ほかの二つも押さえなくちゃいけないですね。
○バイオアッセイ/菅野所長 だんだんシステマティックにやるかどうかを決めておいていただかないと、もちろん今のところシステマティックにやりません、ちょっとお試しでやってください、もちろんちゃんと報告は出るようにしますけどもというところで、お試しでやっていいですよと言われればちょっと考えますが、ただ、もちろんかなり高くつく可能性があるので、そこはお金が足りないときはまた御相談に戻っちゃいますけれども。ですけど、これがまたルーチンになるようであると、ちょっともう一回仕切り直して、ここに書いてあるようなのを枝葉のガイダンスを書いていただくことになるんじゃないかと思いますけどね。そっちの方向に走っていくかどうかを今、決めていただくのか。
○小野寺委員 ここで我々が決めることの内容なのかなと思うんですけど。我々はどちらかといったら、そういう試験すべきものというのを選定するなり優先順位をつけるなりするんですけど、例えばどういう動物とそこでどういう試験法がいいのかという一つ一つを検討していき始めますと、非常にもうそれなりのデータもそろえなきゃなんないし、物によってはrasだけじゃだめでp53とを組み合わせてやれとか、ラットのどうのこうのってすごくバリエーションが広がってくると思うんですよ。そうなってくると、取りとめがなくなる気がするので、やっぱりある程度の枠の中でやってみて、そこでの結果がネガティブならネガティブ、ポジティブならポジティブと評価をすべきだと。そうしないと横の比較ができなくなるというのと、先ほど若林先生がおっしゃりましたように、この物質が何で選ばれたかというのは、やっぱりIARCで2Aという発がん性が懸念されるという、いわゆる評価がされていた中で、それであと変異原性、今までやっていた遺伝毒性が結構ネガティブというか、いろんな条件ではかれなかったかもしれないけど、ネガティブだったと。構造相関性からいけば、発がん性の懸念が全く否定できないと。もしかしたらあるかもしれないというところでやっているんですけど、これ結構刺激性があって、先ほどの試験のところでも最初の投与で急性毒性で刺激で死んでしまって、最初の投与、初期のときには弱いのというか薄い濃度でやって順化させて、1週間か2週間、その期間はいろいろあるんですけど、なれさせておいて、それを過ぎてから強い濃度をやると結構死なない。そういういわゆる動物に耐性ができるというか、刺激に対してなれができるんですよ。そういうところ。
○バイオアッセイ/菅野所長 鼻ね。
○小野寺委員 鼻の。それでこれ自体がいろんなデータを見ますと、刺激性が、目とか咽頭、肺ですね、のところの注意事項というのが出されていて、ほかの臓器のところと今までデータがないんですよね。だからそういうところからいくと、今の実験系を吸入でやったときに、できる濃度で、できる動物でやってないとするのか、それとも、とことんこれがあるかどうかを突き詰めてやるのかの違いだと思うんですけど、その辺のところは、やっぱり評価の出てきた結果の質の考え方とお金の問題だと思うので、それは依頼されるほうでどこまで求めるかだと思うんですよ。
○川名化学物質評価室長 そしたら、これにつきましては、もうちょっとバイオのほうとで設定について検討しましょうか。今、我々のほうの中でも、調査基準の中におさまるのかおさまらないのか、そこら辺もまだ十分よくわからない状況もございますし、ちょっとバイオのほうと相談させていただきながら、どういう設計で何やるのかというようなことをもう一度お諮りさせていただくというようなことでよろしいですか。阿部さん。
○阿部中央労働衛生専門官 そうせざるを得ないかなというのが正直なところです。
○川名化学物質評価室長 座長、そういうことで、ちょっとこの件は、いただいた御意見も踏まえて、ちょっとバイオのほうと相談させていただき、次、あまり遅くならない時期にもう一回開かせていただきましてお諮りすると。そのときにもし、調査基準のほうの検討が必要だということであるならば、基準についてもあわせて御検討いただくと。そういうようなセットをさせていただくことにさせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。
○平林座長 ありがとうございます。よろしくお願いします。
そうすると、もう既に時間も過ぎてしまいましたので、今、事務局のほうからおっしゃったことで、用意していた資料3と資料4のことも次回ということでよろしいですか。それは終わらせる。
○川名化学物質評価室長 できれば、フェノバルについてはちょっと一定の御意見をいただければなというふうには思っていたんですが。もしも時間が、……もう時間も定時が来てしまっておりますのであれですが、もしよろしければこれだけ。この件については、前回のWGで一応統一する方向でというような方向のお話もあったのかなと思ったんですけども、事前に委員の皆様からコメントをいただきました結果、委員の皆様からいろんな御意見をいただいていまして、現時点ですぐ統一できるような状況ではないのかなというふうに思っております。ちょっと議論を深めていただく必要があるのかなというふうに思っているところでございますので、またこれも、次回時間をかけてということにさせていただかざるを得ないのかなと思うんですが、一方で、前半の議題にもございましたように、物質の選定をして、委託事業の手続を進めなくてはいけないというような事情も我々ちょっと抱えているところでございます。
ここでちょっとお諮りしたいのは、今年の委託事業につきましては従来どおりのやり方ということで、とりあえずやらせていただくということでよしとしていただけるんでありましたら、そういうふうにさせていただければなというふうに思っているところでございます。具体的に言えば、今年は、当方から示す仕様上は、フェノバルビタールの投与の方法は特に規制しない。今年得られた結果も、混餌で与える場合もあるし強制経口投与で与える場合もあると。そういうようなことで、進めさせていただく方向でお認めいただければというふうに思うんですが。
○平林座長 いかがですか。もとよりこれは陽性対照ということではありますけれども、ここで出てきたデータをもとに結果を解釈するというほど厳密にやられてきたわけではないというふうにも認識しております。系が動いているかどうかということを見ているだけで、実際に本当に要るのか要らないのかというところまで話はあるかと思います。
あるいは逆に、本当にぎりぎりとこれをちゃんとコントロールとして、これに対して何倍というふうに評価をしなきゃいけないというふうに持っていくのか、その必要はないかというようなことを含めて、詰めるとすればその辺りをきちんと詰めた上で、今までどおりのふわっとした陽性コントロールとして、大体陰性の物質が多いので、全部ネガティブだと本当に系が動いていたかどうかが心配だから、入れておいたほうがいいかなというような程度で動いているんだとすると、これまで見れていた実験がうまくいっているということを確認できればそれでよしということで、投与の方法は特に統一しなくてもよろしいのではないかというようなことかなというふうに考えております。
具体的にはもう少し討論の時間をつくっていただくということにはなりますが、少なくとも今年度の委託事業につきましては、従来どおりということでお認めいただければと思いますが、いかがでしょうか。
(異議なし)
○平林座長 すみません。不手際で少し延長して、しかも積み残しまでできてしまいましたが……。
○川名化学物質評価室長 それで、バイオのほうも期間の議論は次回に持ち越しということでよろしいですね。ちょっと時間がかかるとは思いますので、これも。
○バイオアッセイ/菅野所長 そうですか。
○阿部中央労働衛生専門官 一旦、その方向でお願いできれば……。
○バイオアッセイ/菅野所長 実は、もう動かざるを得ないんですけど。
○阿部中央労働衛生専門官 動かざるを得ない部分につきましては、一旦、原則の26週のままでお願いする形なのかなと。
○バイオアッセイ/菅野所長 いや、それは違うんじゃないですか。延ばすことはいいと言われたので。
○小野寺委員 いや、まだ延ばすことはいいとしても、延ばすのにそこでとめる判断基準とか何かというのは全然聞いていないので、議論していないので。
○バイオアッセイ/菅野所長 だから、もうスタートして、それで、その後で調整すればいいですよね。
○阿部中央労働衛生専門官 いや、役所的にはちょっとそれでは厳しい。
○バイオアッセイ/菅野所長 それは、もう逆戻りできない状況にあります。
それでしたら、ちょっとすみませんけど、1分ください。参考の5-1を画面に出してもらえませんか。これrasH2の野村先生のグループのデータです。仮に39週まで置いておいても、小川先生とかが懸念されている背景はそんなに上がりません。というデータがあります。これは論文が5-2についております。
○平林座長 ちょっと待って。これ生存率ですよね。発がん率は。
○バイオアッセイ/菅野所長 5-2のほうを見ていただくと、表がついていて。
○バイオアッセイ/菅野所長 そうすると、バリデーションということで、林裕造先生とか三森先生の名前が入っている論文で、この今のカプラン・マイヤーのグラフのすぐ下に、テーブル1。このときに、これ82週まで放っておいた場合の発がん率が出ています。上段二つがトランスジェニック、下が同時にやったノントランスジェニックで、肺腫瘍Lungが最初に出ていきまして、Lung Adenocarcinoma肺線維腫や肺がんは、実を言うと、TgもNon-Tgも有意差がつかないというデータです。これ82週目です。そのときのパーセンテージが括弧内です。ですから、これ病理診断した後なので、二、三割出ていますけど、これ82週です。ですから、そのうんと手前の三十云週は、これよりも絶対に少ないという話になります。Forestomach前胃とSkin皮膚がちょっと出ていますが、Liver肝臓のHepatoma, etc.肝腺腫が、これはNon-Tgでは出ない腫瘍ですが、これが雄で余計に出るというデータですが、これも82週まで飼ってこの程度です。その後ろにいくと、ハーダー氏腺Harderianがちょっと出ていて、Hemangiosarcoma血管肉腫系が一番ノントランスジェニックで出なくてトランスジェニックで出るんですが、これもこのパーセンテージです、82週で。
ですので、26週では全く出ないところに引っかかっているのですが、39週まで持っていっても、皆様が危惧されるように背景データがわあっと出てしまうから有意差がつかないということはないというデータがこの。
○平林座長 いや、正確にはそれはわからないですよね、まず。それから……。
○バイオアッセイ/菅野所長 正確にわからないという理由は何ですか。
○平林座長 つまり、82週でこのデータは出ているけれど、39週だっけ、何だっけ。
○バイオアッセイ/菅野所長 ですが、それよりも少ないです。
○平林座長 それより少ないとはいっても、それが背景が少なくても、それがそれだけ少ないかはわからないんじゃないですか。
○バイオアッセイ/菅野所長 でも、十分に少ないはずです。それは一つ前のグラフの、これは生存率致死性腫瘍で死んだものも含まれているわけですよね。
○平林座長 小川先生の御懸念には、死ななくても発がんがあるだろうということが含まれていたかと思いますが、それはいかがですか。
○バイオアッセイ/菅野所長 ですから、それは82週目の病理解剖で出たこの腫瘍のリストの中でこれだけですから。
○平林座長 でも、26週。これよりもどれだけ少ないかはわからないんですよね。
○バイオアッセイ/菅野所長 ですけども、最大ここまで行ったとしても――いや、82週ですからね、これ。四十何週で終わるものですから。この死ぬカーブから見て。
○小野寺委員 わかります。言っていることは理解できるんだけど、多分、当時26週と決めたのは、ゼロだということを目的にして、絶対出ないというところ、トランスジェニックマウスで絶対腫瘍が出ないというところの時期で、期間を26週と決めたと思うので、36週でも、別にあの当時というか決めるときの皆さんの委員の論文もそう――論文はただ、そういう現象があったって、長期に飼ってみてこういうカーブが描いてこれだけの腫瘍がこれだけの頻度で出てくるというのだったと思うんですけど、試験として使うときには、結局ネガティブということかポジティブかどっちかの判定でやるときに、ポジティブだとするならば、絶対に腫瘍が出てこない時期、いわゆるトランスジェニックで絶対腫瘍なり死亡率がないところで上がってくるんじゃないかというところだったと思うんですよ。だから、もの自体に発ガン性があるならば。
○バイオアッセイ/菅野所長 そこはこの前、議論したとおり、一番感度がいいのは生涯観察なんですよ。それを短くしているという概念に戻れば、ゼロのところでやっちゃうのは陰性の判定に関するのに疑義が出るんですよ。そこを私は突いているんです。
○平林座長 それはわかるんですけれど、ただ、この系は最低26週ということでずっと試験がされていて、実際には世界的にも26週で試験が蓄積されているという認識でいます。なので、26週のデータがない状態で判断されたときに、それがどれだけ正しいかということを。
○バイオアッセイ/菅野所長 正しいってどういうことですか。
○平林座長 差が明瞭に出ればいいんですけれど、出なかったときに。
○バイオアッセイ/菅野所長 明瞭に出るというのは。
○平林座長 明瞭に発がん率が高くなっていれば、それは投与した検体のほうで発がんが高いということで陽性だと出ればいいんですけれど、陰性というところを言うのが難しくなりませんか。
○バイオアッセイ/菅野所長 それはならないと思います。だって、どっちにしろ統計処理しますから。優位に増えたか……。
○平林座長 それを26週から延ばす理由が、じゃあどこにありますかということです。
○バイオアッセイ/菅野所長 ですから、それは、その26週のところでは……。
○平林座長 いや、先生は、陽性に出したいのではなくて陰性を言うのに延ばしたいんですか。
○バイオアッセイ/菅野所長 そのとおりですよ。そのとおりです。
○小野寺委員 いや、その必要性が本当にあるのかな。
○バイオアッセイ/菅野所長 あると思う。それはもうスキームを見ていただくと、厚生労働省のスキームを見ていただくと、陽性に出たものだけ先に進むようになっているんですけど、それって陰性をちゃんと陰性と言わないと本当はだめなはずなんですよ。そこは、フローチャートの中に表向きは出ていないんですが、26週でやめて出なかったというのと、39週までやってもちゃんと出なかったというのとはバイオロジカルに違うというのが立場です。例えばですね……。
○平林座長 ここでやっているのは先生、試験です、まず。
○バイオアッセイ/菅野所長 いや、でも。
○平林座長 だから、あと1分だっておっしゃっていてもう大分時間がたっています。ここで結論は出せないと思っているんですけれども。
○バイオアッセイ/菅野所長 じゃあ、結構です。
ただ、どうしましょうか。ただし、例えばね、将来的にIARCがこういうデータを使い始めたときにどうなるかという問題も背後にはあるわけですよ。
○小野寺委員 それは、ここで議論する問題じゃないような気がするんですけども。
○バイオアッセイ/菅野所長 でも、とにかく私が言いたいのは、陰性データが本当に陰性かというのは、あのデータからは私は言えないと思うんです。
○平林座長 これはスクリーニング試験ですよね。
○バイオアッセイ/菅野所長 スクリーニングといえども。じゃあ陽性が出なければ、もうそれで終わりということでよろしいんであれば、それはどんどん短くしちゃえばいいわけで。
○西川委員 26週というのは、すごい数をバリデートした結果、それでいいという結論が出たんですよね。問題はそれをフレキシブルに延長する。それいつそれをやめるかというのが非常に問題なわけなんですよ。だから、そのリスクを冒してまでやる意味は、僕はあまりないと思う。
○バイオアッセイ/菅野所長 いや、私はリスクはないと思っているんですけど。ちょっと5-5を見ていただいていいですか。
○阿部中央労働衛生専門官 今、画面にはお出ししました。お手元のタブレットでも、一応同じように参考5-5として追加の資料をご覧いただけるようにいたしました。こちらも雑誌の論文ですので、机上配布のみの扱いとさせていただかざるを得ませんが。
○バイオアッセイ/菅野所長 これTohru Inoue井上達先生も書いておられるんですが、Study Durationというところに行っていただくと、ちょっと下のほうですね。
○阿部中央労働衛生専門官 ファイル名に【机上配付のみ】と書かせていただいているものです。
○平林座長 机上配付のみ、参考5の幾つ。
○バイオアッセイ/菅野所長 5-5。
○平林座長 5-2と5-3しかないですよ。
○阿部中央労働衛生専門官 タブレットの画面の下のほうにファイルのリストの更新をするところがございまして。
○平林座長 更新。
○バイオアッセイ/菅野所長 そのStudy Durationというところに。
○阿部中央労働衛生専門官 画面出力が消えてしまいました。すみません、ひょっとしてバッテリーが、私のPCのバッテリーが切れたのかもしれません。大変申し訳ございません。
○バイオアッセイ/菅野所長 Study Durationというところが下のほうにありまして、そこを読んでいただくと、やっぱり6カ月では短くて9カ月も考慮する。特にp53ヘテロですけどもね。
○西川委員 だから、rasついては26週で固定しなきゃいけないと思います。ただ、p53KOについては、もう既にあるというのもいいかもしれないけど……。
○阿部中央労働衛生専門官 非常に恐縮ですが、どうやら画面出力に使っていたPCのバッテリーが切れてしまいまして、ディスプレイ上での確認もできなくなってしまった中でちょっと大変申し訳ないんですが、事務局的には、委員の方々からの御意見といいますか、先に御相談させていただいたラインも含めてなんですけれども、26週を可変とすることについては了解が得られているとは正直言えない状況なのかなと思っています。ですので、先ほど川名室長のほうからもお話がありましたとおり、継続的な御議論としてはもちろんあると思うんですけれども、今この場で26週以上にお墨つきが出ているという前提で事業を進めていただくというのは、ちょっと厳しいのかなという理解です。
○バイオアッセイ/菅野所長 延ばせるように組んだだけで、やめればいいので、それは大丈夫です。
○川名化学物質評価室長 じゃあ、先ほどのフェノバル……。
○阿部中央労働衛生専門官 陽性対照物質のほうについてもそうなんですけれども、ちょっとすみません、論点としては幾つかいただいていて、基本的な方向性としましては一旦、今年度……いや、今年度といいますか、この結論が出るまでは既存の基準のままでやらせていただかざるを得ないものと。
一旦そういった形で事業としては進めさせていただきつつ、なるべく早い段階でもう一度、このワーキンググループについて日程を確保させていただくという形で、事務局としては調整させていただかざるを得ないのかなというように思います。
○平林座長 なので、事業としては26週ということで、生物学的にはもちろんそのデータはあったほうがいいかもしれないので、そこは改めてまた御検討いただいたらいいかなとは思います。
26週のデータと39週なり9カ月なりのデータでどちらがいいかということを、将来的にIARCが採用するというところまでおっしゃるのであれば、そういったことで、別事業で御検討いただいてもいいのかなというふうに思いますので、ぜひ事務局のほうでお考えいただけたらと思います。
○阿部中央労働衛生専門官 途中でほかの事業の話にもございましたけれども、いろんなスキームがあるとは思います。我々としましては、一旦既存で御用意している委託事業もそうですしバイオの交付金もそうですし、場合によっては研究開発、いわゆる科研費とかのスキームもあるかとは思います。今、この場で確保できているお金は限られておりますので、今すぐに着手できるところはなかなか限られるかとは思うんですけれども、もし、今の施策の、既存の事業の中で不足の点があるということであれば、当然、今後予算要求等を検討していくという話だと思いますので、そういった点につきましては、既存の事業の整理を含めて先生方と御相談させていただきながら、率直に言うと今、お話しいただいた点、我々の方で予算の必要性の説明ができるほど内容を理解できているかどうかというのが自信がない、かなり高度なお話ですので、そこはちょっと御相談させていただきながらになるかと思いますが、できるスキームの確保というところも含めて、中長期的に検討させていただく課題なのかなと理解しました。
すみません、以上です。
○平林座長 ということで、かなり延長してしまいましたが、差し当たりここで終わりたいと思います。ありがとうございました。
○津田委員 ちょっと少し。今回みたいに多数の候補物質から選定する場合。モニタ画面では難しいですよ。わかりにくい。行ったり来たり、メモを入れることもできない。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません。
○津田委員 最小限ね、見れるようにしてください。そうするとここでやりながら、これはだめとか書きながら時間が節約になる。こんなに延びなかったと思うんです。
○川名化学物質評価室長 申し訳ございませんでした。その点は、資料のつくり方、工夫させていただきます。申し訳ございません。
○若林委員 それから、フェノバルビタールと今の問題については大切なことですので、日程調整をして議論されればいいと思います。
○川名化学物質評価室長 早速日程調整させていただきたいと思いますので、あまり時間を置かずに開きますように努めたいと思います。よろしくお願いいたします。