第2回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ(議事録)

健康局がん・疾病対策課

日時

令和元年5月27日(月)11:00~13 :00

場所

厚生労働省 共用第6会議室(3階)

議題

(1)がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件について
(2)その他

議事

 

○事務局 それでは、先に資料の確認だけさせていただきます。
資料は、まず、座席表と議事次第。
それから、資料1から資料3。
資料1が「がんゲノム医療の提供体制について(案)」。
資料2が「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件の見直しについての考え方(案)」。
資料3が「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件について(案)」。
そして、参考資料を2つつけさせていただいております。
参考資料1が開催要綱。
参考資料2が「がんゲノム医療中核拠点病院等の整備について」です。
資料に不足、落丁等がございましたら、事務局までお申し出ください。
それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第2回「がんゲノム医療中核拠点病院等の指定要件に関するワーキンググループ」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
それでは、以後の進行は西田座長にお願いいたします。
○西田座長 ありがとうございます。
これで2回目になりますワーキンググループを始めたいと思います。
大変、先週末から暑くなりましたので、体調を崩されないように、無理されないように、暑い方はネクタイを外していただいてもいいのかなと思います。
先ほど資料の確認が既に行われましたので、早速、議事に入りたいと思います。
資料1に、既に事務局のほうで今回の会議の論点を少し整理していただいております。それを見ながら資料3、具体的には資料3のエクセルを打ち出したような表があって、それを見ながら議論していきたいと思います。それをまとめたものが、文書に落としたものが多分、資料2になるかなと思いますので、まず資料1で論点整理ということで、議論することに関して、事務局のほうから整理しながら御説明をよろしくお願いいたします。
○がん対策推進官 事務局でございます。
まず、以上をもちましてカメラの撮影を終了していただきますよう御協力をお願いいたします。
(カメラ撮影終了)
○がん対策推進官 それでは、座長御指示のとおり、資料の説明をさせていただきたく存じますが、資料の構成として資料1が、御指示いただいたように、論点の整理をさせていただきまして、資料2が今回の指定要件の見直しの考え方です。これを最終的に診療提供体制のあり方検討会への報告書という形でかえさせていただきたいと思っております。具体的な整備指針の変更内容を資料3という形でまとめさせていただいておりますので、まず資料1と資料3を対比しながら順次、論点について御議論いただければ幸いでございます。
まず資料1で、2枚目のスライドに「がんゲノム医療の提供体制に係る論点(案)」ということで、前回から継続事項となっている論点1と、その他、御意見をまとめていかせていただく中で論点2から論点6という5つ、追加での御議論いただきたい論点を提示させていただいております。
スライド3をごらんください。論点1についてでございますが、拠点病院の治験・先進医療等の登録件数について、どのような実績を考慮すべきかというものを前回御議論いただきまして、中核拠点病院と同等の、3年間で100件程度とすべきか、もしくはその半数かという御議論があったと理解しておりますが、その中で今、とれる実績値はまとめていただきたいという御指示をいただきましたので、3枚目のスライドの下の形でまとめさせていただいております。全国156施設、それぞれ申請をされたときの値でございますが、まとめさせていただいたのが度数分布表のような形で示させていただいております。
1点だけ補足しますと、小児を専門とするがんゲノム医療連携病院がうち3施設含まれておりますが、こちらの3病院を再掲という形で一番右の欄に表示させていただいております。156施設の内数でございます。ここの値の解釈について1点注意が必要で、この3施設については小児がんに限った実績件数を報告していただいているという状況でございます。
事務局からは以上です。
○西田座長 ありがとうございます。
前回の議論の中で少し座長預かりにさせていただいた実績報告の件です。この表を見ていただきながら先生方にまず御意見をいただきたいと思いますけれども、土原構成員、御意見をいただけますでしょうか。
○土原構成員 前回も申し上げましたけれども、いわゆる安全に未承認薬の治療を行える能力のある施設ということで100というところを基準に挙げておりました。今回、私も初めて全国の実計を見たのですが、正直言って、思いのほか、きちんとクリアしている施設が多いと思いましたので、100という数字はあながち困難なものではないと考えられます。
○西田座長 ありがとうございます。
資料3の7ページの赤線になるのですけれども、中島構成員、実際に現場で臨床される先生の立場から、この要件はいかが思われますでしょうか。
○中島構成員 ありがとうございます。
土原先生がコメントなさった、新薬を使ったときの安全性のハンドリングという面と、あとはやはりエキスパートパネルで提示された治療の選択肢になるべく多くの患者さんがたどり着けることを考えると、地域性というものはとても大事かなと思っておりますが、どの地域にも100件以上の施設が最低1施設はあるということなので、割と平均して治療の機会を提供できるのかなという印象を受けています。
ただ、やはり各施設、治験にもかなり特徴があると思われます。例えばがん種の偏りですとか、本当にこのエキスパートパネルの結果によって患者さんが入れる治験というものは恐らくアーリーフェーズの治験が多いと思いますが、そういうアーリーフェーズの経験があるのかですとか、あとはやはり安全性のハンドリングという意味では医師主導治験の経験があるかないかで大分違ってくると思いますが、そのような内容を細かく定量化して評価するのは結構難しいのかなと思いますので、そう考えると、100件前後の経験があれば、恐らくそのようなアーリーフェーズであるとか、複数のがん種にまたがった経験があるだろうということが推測されますので、妥当な要件なのではないかという印象を受けます。
○西田座長 ありがとうございます。
これを受ける患者の立場から、三好構成員、いかがでしょうか。
○三好構成員 ありがとうございます。数を出していただいて、大変よくわかりました。
これを見たときに、例えば100件以上というふうにくくったときに、北海道が1、東北が1、九州も4しかないのですけれども、このうちに中核拠点が含まれ、新しい拠点を判断していくということだと思うのですが、今、先生がおっしゃったみたいに、100件前後というのが一体、例えば50件以上なのか。連携はたしか2件以上でしたね。なので、そこの幅がかなり大きいような気がします。
患者の立場からしますと、地域性はやはり考慮していただきたいのがありますので、ある程度、見ていただけるという数の件数は100以上ではなく、もう少し緩やかに考えていただけるとありがたいかなとは思っております。
○西田座長 ありがとうございます。
確かに、東北、北海道は中核を除いてしまうと、本当を言うと厳しいかもしれない。ですから、望ましいという表現は非常にいいのではないかと思います。
あと、小児の立場から、中澤構成員、何か追加でコメントはございますでしょうか。
○中澤構成員 小児の場合は集中するところがあると思いますので、今、論じていらっしゃる100件程度ということに関しては小児も妥当と思います。
ただ、ちょっと気になりますのは、地域性というときに患者の数を少し考えてもよろしいのではないかと思いました。そのあたりも考慮していただけるとありがたいと思います。
 
○西田座長 患者の数というのは具体的にどういう意味ですか。
○中澤構成員 例えば関東信越ですと150件以上の施設がかなりの数があるというのは、人口によっても件数がふえるということで、地域で1つという形ではなくて、患者さんの数とのバランスを少し見ていただけたらということであります。
○西田座長 地域性も大事ですけれども、患者さんがある特定の場所に集中しないようにという理解かなと思いました。
ほか、構成員の先生方から御意見ございますでしょうか。特にございませんか。
「望ましい」という表現があるので、100を超えないとだめという意味ではないのですけれども、ある程度、患者数も反映しながら、しかし地域性も決して無視はしないというところで、多分、中核と拠点と合わせると100を切るところが少しは出てくると思うのですが、それはバランスとして選んでいただくという形でいきたいと思います。
御了解いただいたということで、議事を進めたいと思います。
引き続き、論点2及び3。主に小児がんへの対応についてですけれども、これはまた事務局のほうからお願いできますでしょうか。
○がん対策推進官 念のため、失礼いたします。資料3の7ページ、座長に御示唆いただきましたが、このような形で拠点病院の要件を現時点では皆様に御承認いただいたという理解でよろしかったでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○がん対策推進官 ありがとうございます。
それでは、引き続き論点2及び3について御説明させていただきます。こちらについては、前回のワーキンググループで御議論のあった小児がんの症例について、どのように対応すべきかということで、2つに分けさせていただきました。
1つは、小児がんの症例に対してエキスパートパネルを実施する際に、やはりそういった専門家がいるべきではないかというのが論点2の御提案でございます。具体的には「小児がん症例を検討する場合には、小児がんに専門的な知識を有し、かつエキスパートパネルに参加したことがある者が1名以上含まれていること」。これを具体的に要件化してはどうかというのが論点2でございます。
もう一つは、そういった拠点病院の指定を今後させていただくに当たりまして、今は地域性の考慮ということを掲げさせていただいておりますが、小児がんをどの病院に相談すべきかという御示唆をいただいておりますので、こういった小児がん症例への対応能力というものも拠点病院の選定の際に考慮すべき事項として加えてはどうかというのが論点3でございます。
事務局からは以上でございます。
○西田座長 ありがとうございます。
資料3でいくと、最初のところが主には2ページのところですね。
あとは、もう一カ所が地域性とプラスアルファ小児がんも考えるということですけれども、早速、中澤構成員、いかがでしょうか。
○中澤構成員 ありがとうございます。小児がんへの対応も十分考慮していただいた要件を考えてくださって、感謝申し上げたいと思います。
ここの論点2のところに書いてありますエキスパートパネルの構成員に関して、小児がんだけに限ったことではないですが、分子病理学的な分野にも経験がある(病理医)というところを盛り込んでいただけたのは妥当だといいますか、ありがたいことだと思っております。
 
○西田座長 ありがとうございます。
そこで、ちょっと病理という言葉が出たので、佐々木構成員、何かコメントございますでしょうか。
○佐々木構成員 病理の分野でも、やはり小児がんはかなり特殊な分野になります。希少がんを扱っている、いわゆる人口10万人当たり6人未満のがんを扱っている病理医はそこそこ全国に散らばっているのですが、小児がんの場合には地域性でかなりエキスパートが少ないような地域もございますので、ぜひ、その辺も考慮していただいて要件に加えていただければと思います。
○西田座長 ありがとうございます。
石川構成員、どうでしょうか。どちらかというと遺伝子解析というレベルから、先生、何か御意見はございますでしょうか。
○石川構成員 確かにこの遺伝子のプロファイルという意味からも、普通の成人のがんとはやはり違いますので、薬剤云々以前に、そもそものプライマリーの診断が遺伝子と絡んで問題になる場合もありますので、それに適したエキスパートの方がいるというのは妥当な考えだと思います。
○西田座長 ありがとうございます。
もう一つは、やはり家族性ということも一部あるかと思うのですけれども、小杉構成員、何か御意見ございますか。特段なければいいのですが。
○小杉構成員 これは二次的に出てくるということなので、全般的に、やはり家族性腫瘍に対応できる体制が必要だと思います。
○西田座長 そういうことで、この辺に関しては小杉構成員も基本的には賛成という理解でよろしいでしょうか。
○小杉構成員 はい。
○西田座長 三好構成員、どうぞ。
○三好構成員 ありがとうございます。
小児がんに関しても、やはり数が少ないですけれども、地方にもいるというところもあります。
それで、このエキスパートパネルについてなのですが、その所属でなくてもエキスパートパネルに入っていればいいという見解で合っていますか。拠点病院であったり、中核拠点病院でエキスパートパネルを開催するときに、小児の専門家がいなければいけないというのは、ほかの所属の方でも参加をしていればオーケーという意味合いで合っていますか。それとも、その所属先にいなければいけないのでしょうか。
○西田座長 エキスパートパネルの場合、基本的にはそこの施設の所属と考えたほうが理解しやすいのではないかと。
事務局のほうから何か意見はございますでしょうか。
○がん対策推進官 御指摘ありがとうございます。
事務局としても、特段、どこの施設でなければいけないというのは想定していなかったのですが、実務的なやりやすさを考えれば、エキスパートパネルを開催する施設から先生がご出席になるほうが現実的かと思っております。
○三好構成員 ありがとうございます。
やはり両者がいろいろなところで連携を図ってしていただくのが私たちの安心にもつながりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○西田座長 あと、非常にまれという意味では、血液もまれなのですけれども、小児血液は結構多いですね。そういう意味で、前田構成員、何か追加でコメントはございますでしょうか。
○前田構成員 どうもありがとうございます。
小児がんの約5割弱ぐらいが血液がんであると思いますけれども、今回のこの論点に関しましては薬事承認されたパネルに関してのみということで理解しておりまして、ただ、血液の分野では国産のものも海外のものも含めて、非常に近い将来、こういったことの可能性がなってきますので、その際に改めて、またこのような機会を持っていただければと思います。
もう一点、追加でつけ加えさせていただきますと、固形がんの中にも約1割の確率で、血液の細胞に老化に伴って出てくるような遺伝子異常が見つかることがよくわかっておりまして、実際、九州大学のエキスパートパネルでも血液由来の遺伝子異常が見つかりますから、そういう意味では、将来的にですけれども、エキスパートパネルにも血液がんの専門家がいることが望ましいかなと思います。
以上です。
○西田座長 ありがとうございます。
おおむね皆さん方、資料3の2ページの文章「小児がん症例を検討する場合には、小児がんに専門的な知識を有し、かつエキスパートパネルに参加したことがある者が1名以上含まれていること」ということに賛同。この場合に、このエキスパートパネルに参加したことがあるというのは、あるいは拠点、中核の人で必ずしもなければいけないことはないのでしょうけれども、現実的にはそうならざるを得ないのかなと思います。
そういう形で、皆さん方、御了解という理解でよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○西田座長 地域性に加えて、小児がんにも配慮した対応をするということになります。
では、論点2と論点3に関しては、構成員の皆さん方、御了解いただいたという形で、次に進めたいと思います。
次々と進んでしまいますけれども、論点4、中核拠点病院等の連携体制。これは多分、これまでは中核と連携病院という単純な形であったのですが、間に拠点が入ることによって、ある程度、拠点は独立性を持つのですけれども、これからの世界、多分、治験・先進医療あるいは人材育成に関しては中核を中心に行われるので、この間のコミュニケーションがうまくいかなければいけないというところでこういう論点が出てきているかなと思います。
では、事務局のほうから簡単に説明をお願いします。
○がん対策推進官 失礼します。資料1の5枚目のスライドをごらんください。論点4については、前回のワーキンググループでいただいた意見をもとに、この3類型の病院の関係性について明確化をさせていただきたいという趣旨で御用意しております。
一番左の医療提供体制については、前回御議論いただいたとおり、エキスパートパネルを自施設で開催できるのが拠点及び中核拠点で、がんゲノム医療連携病院が基本的にエキスパートパネルを開催する原則1カ所の中核拠点ないし拠点と連携する。これは責任の所在を明確化するために原則1カ所と連携していただくものの、実際、小児がん、先ほど三好構成員からも御指摘あったと思いますが、こういった特定の領域については違う中核拠点もしくは拠点病院にエキスパートパネルを御相談しなければならない場合も想定しておりますので、現場の柔軟な運用という視点から原則1カ所という形で記載させていただいております。
そして、今、座長御指摘いただいた人材育成と治験・先進医療、右側に、前回はまとめて絵を描かせていただいておりましたが、今回、明確化の意味も込めて、人材育成と治験・先進医療の2つに分けさせていただいております。
いずれも中核拠点病院で中心的な役割を担っていただくという観点では同じなのですけれども、人材育成については、殊、特定の中核拠点病院とグループ化して、どこどこから人を派遣するであるとか、そういった緊密な連携体制が必要であろうという趣旨を込めて線を引かせていただいた図を用意しております。
一方で治験・先進医療は、先ほど中澤構成員だったと思いますが、病院によってはやっている治験であるとか、先進医療の偏りであるとか、得意分野が違うということもございますので、ここは日本全体を挙げて、どこと個別に連携するというよりは、中核が主導となって先進医療・治験を進めていくものの、いずれにせよ、全体的な連携をとるということで、特段、線を引かない図を用意させていただきました。
このような連携体制という形で明確化してはどうかというのが事務局からの整理した提案でございます。
事務局からは以上でございます。
○西田座長 ありがとうございます。
治験・先進医療は、確かに全国で別々にネットワークを組みますので、特定の中核と結びついてやることは、現実は不可能だろうと思います。
人材育成に関しては中核を中心にして考えるということで、この辺に関して御意見はございますか。
中島構成員、何かございますでしょうか。
○中島構成員 人材育成と治験・先進医療を分けたということは非常にリーズナブルだと思います。
一方で人材育成のほうは、今、中核拠点と連携病院なので、体系が大分整ってきておりますが、その既存の中核拠点と連携の形を残しながらやっていくという形ですか。
○がん対策推進官 事務局でございます。
今、中島構成員がおっしゃったとおり、今の連携体制でそのまま人材育成に引き継げるものは引き継いでいただきたいという趣旨でございます。
○西田座長 あと、もう少し、人材育成に関しては、中核だけではなくて、学会も一緒にやっていますね。
この辺に関して、土原構成員、何か御意見ございますでしょうか。
○土原構成員 今、特にコーディネーターに関しては日本臨床腫瘍学会への委託事業ということで、既に学会がかなり主導的な立場をとっていらっしゃるかと思います。
もう一つは、やはりこの人材育成のところが中核から連携拠点へのかなり固まったといいますか、実践とつながった関係になっているときに、もう一つはやはり中核病院間での、例えば教育資材の統一であるとか課題の共有ということが必要になっていきますので、そうしたところはどこで担うのか。学会も一つの考え方でしょうし、中核拠点病院等連絡会議の実務者WGというところも考えられるところかと思います。
○西田座長 ありがとうございます。
三好構成員、どうぞ。
○三好構成員 済みません。1点質問なのですけれども、人材育成の矢印のほうが拠点病院から連携病院には向いていないのですが、地域性とかを考慮したときに、例えば講習会などの実施とか、そういったことも指定要件に入ってくると思うのですが、これが拠点と連携病院が連携するというのもあり得る話なのでしょうか。
○がん対策推進官 事務局でございます。
人材育成と治験・先進医療については、基本的に中核拠点病院が担うべき機能ですので、拠点病院についてはそこまで負うものではなくて、中核が開催するものに拠点と連携病院の先生方ないしほかの医療従事者の方が参加することを考えております。
○西田座長 私自身としては、別にやってはいけないことはないのですけれども、義務として負わせないという理解でいいのかなと思います。
佐々木構成員、どうぞ。
○佐々木構成員 ありがとうございます。
西田先生がおっしゃったように、学会の関与はやはり非常に大きくなってくるのかなと思いますので、どこか報告書でもいいですが、何か学会の関与というものを書いてくださるとありがたいかなと思います。病理学会でも分子病理専門医制度を来年立ち上げて、既に分子病理専門医講習会も開催して、エキスパートパネルでしっかりとした意見を述べられるような医師を育成したいということを始めておりますので、ぜひ学会の関与というものをどこかにちらっと書いていただけると助かると思います。
よろしくお願いいたします。
○西田座長 少し考えます。
小杉構成員も多分同じような意見ではないかと思いながら聞いていましたが、いかがでしょうか。
○小杉構成員 人材育成に関しては、まさにより専門的なところから幅広く対応できるところまでさまざまな人材養成が行われておりますので、そういうものが重要だと思います。
左のほうの医療提供体制のことなのですけれども、先ほども事務局から御説明がありましたように、原則1カ所というのは小児がんとか希少がんとか、そういう特殊なケースを除けば、やはり責任所在を明確にするという点とか、それから、具体的にはC-CATのデータをとってくるのが中核拠点ないし拠点ということになっていて、連携病院が複数以上に所属していると、どういうふうに対応していいのかわからないという声も上がっておりますので、そこはやはり明確にしておいたほうがいいかなと思います。
○西田座長 その点に関して、石川構成員、ゲノムの解析のほうから何か特に、特段問題はないでしょうか。主に1カ所で、小児とか例外的なものは除かないといけないと思うのですけれども。
○石川構成員 もちろん、エキスパートパネルによって違う結果が返ってきたときに混乱は生じると思うのですが、先ほど小杉構成員がおっしゃったような、制度的な問題がやはり大きいのかなと思います。どこに所属するかというのをきちんと定義しておいたほうが、恐らく情報のやりとりとしては責任の所在を含めてはっきりするだろうというコンセプトだと思います。
○西田座長 ありがとうございます。
前回の議論をもう一回、中島構成員に聞いて申しわけないのですけれども、臨床的にもやはりどこかメジャーなところを決めておいたほうがいいというのは臨床家としても。
○中島構成員 そうです。現場の負担という意味で、あと、実現可能性という意味で、例えば2カ所の中核拠点に所属していた場合、両方のエキスパートパネルに参加しなければいけなくて、1つの中核拠点で大体、週に1~2回やっていますので、そこにいろいろな職種のメンバーが集まらなければいけないということを考えると、やはり1カ所に集中して議論したほうが現実的かなと思います。
○西田座長 ありがとうございます。
先ほど御指摘があったように、小児あるいは希少がんのような例外的なものを除けば、基本的には特定の中核と一緒に、あるいは拠点と一緒にやっていくという方向で考えたい。
もう一つは、資料3の8ページをごらんください。ゲノム医療というものは、私自身の理解としては、これからどんどん変わっていくだろう。解釈もどんどん変わっていくだろう。体制も少しずつ変わるだろうと思っています。
そうしますと、中核拠点病院を中心にエキスパートパネルの運用とか、いろいろな運用が変わっていったときに、それを拠点病院と情報共有することは非常に重要ではないかと思います。
したがいまして、ここに書いてある「人材育成・情報共有などについて」の、特に上のほうの○です。これは重要なコメントではないかと私自身は思っているのですけれども、土原構成員、その辺に関していかがでしょうか。
○土原構成員 私も同じ考えであります。今、こうした絵が描いてありますと、どうしても何となく上から下に物事が伝わるようなイメージを持ってしまうのですけれども、昨年来、例えば先進医療等を経験しまして、やはり現場でいろいろな疑問とか課題は日々出てきます。そうしたものがいわゆる一病院あるいは一中核の中で解決するものではなくて、中核の間での調整であるとか、あるいは恐らく行政との調整ということが今後もたくさん出てくるかと思いますので、とはいっても、今、なかなか中核病院の11拠点だけでも意見集約をするのは結構、物理的に、技術的にはかなり難しいところもあります。今、連絡会議のほうはかなり精力的に活動しています。
ただ、これがやはり30病院がさらに加わるということを考えると、意見調整が長引けば長引くほど、現場がトラブルといいますか、とまってしまうという心配がありますので、そういう意味でもこうした中核と拠点。ここが恐らく当然、中心的な働きを今後も担いますので、その中で情報共有のネットワークがしっかりできている。それから、現場の課題がいち早く行政等に伝わる。この仕組みは今後も必要になると思います。
○西田座長 そういうことで、そういう文言を入れていただいたのは非常に重要かなと私自身は思っています。
そのほか、御意見ございませんか。
三好構成員、追加で何かありますか。特にないですか。
○三好構成員 はい。
○西田座長 よろしいですか。
そういうことで、論点4に関しても皆さん方、御了解いただいたということになります。
議論が余りにもスムーズに進み過ぎていますけれども、次のスライド番号6で、論点5及び6。これは手続上の問題です。現況報告書をどのように求めるか、あるいは推薦の仕方をどう考えるかということで、事務局のほうからかいつまんで御説明をお願いできますでしょうか。
○がん対策推進官 失礼いたします。資料1の6枚目のスライドでございます。論点5及び6で、今、座長御指摘のとおり、手続の関係で、現行、中核拠点と拠点は現況報告書というものが定められておりますが、連携については現時点で定めているものがございませんので、こちらについて定めさせていただくとともに、これを中核拠点ないし拠点の現況報告書と抱き合わせで厚生労働省に御提出をいただきたいというのが当方からの御提案、論点5でございます。
論点6のほうは、中核拠点病院と拠点病院は指定の取り消し規定はございますが、連携については選定をしている中核ないし拠点がございますが、取りやめ規定がございませんので、こちらは整備指針で明確化してはどうかという御提案です。
事務局からは以上です。
○西田座長 ありがとうございます。
資料3の9ページと10ページにその記載があります。主に赤印がついていますけれども、その辺を見ていただきながら、まず現況報告書に関して御意見いただけますでしょうか。
これは中島構成員あるいは前田構成員、結構、拠点病院の現況報告書をやっている立場からちょっと御意見をいただければ幸いです。
○中島構成員 この文言で私は問題ないのではないかと思います。やはり現況報告、例えば実際にこなしているパネルの数ですとか、その結果に基づいて患者さんに提供できている新薬のチャンスの数ですとかというものは、ある程度チェックしていかないといけないのかなと思いますので、このぐらいはやはりやったほうがいいのかなと思います。
○西田座長 ありがとうございます。
前田構成員、何かございますでしょうか。
○前田構成員 私も同じように、これは非常にいいアイデアだなと思います。実際、大学病院でも、この現況報告で大体、大学全体でどのようなゲノム医療が行われているかを把握するよい機会だと思いますし、そういったものが運営委員会とか病院の機会でも発表されますので、非常にいいと思います。
○西田座長 ほかに現況報告書に関して、土原構成員、何かございますか。
○土原構成員 私もおおむねよろしいかと思います。
もう一つは、これはC-CATに同意がとられた患者さんの情報が集まるということで、そちらでも恐らく統計が出てくると思いますので、恐らくそうしたところをあわせ見ながら、日本全体のゲノム医療の進行のバランスといいますか、進捗ぐあいといったものを見ていく意味でもかなり意味のある報告書になるのではないかと思います。
○西田座長 ほか、現況報告書に関して何かございますか。よろしいですか。
(首肯する構成員あり)
○西田座長 座長としては、これは必要であると思うのですけれども、余り量をふやさないように、それでなくてもがん拠点病院で報告書の報告項目が多いという苦情がございましたので、適切な数にしていただくということでよろしくお願いします。
もう一つは選定の取りやめ規定でございますが、確かに採用はしたけれども、やめる基準がないとまずいと思うので、この辺に関してはいかがでしょうか。
佐々木構成員あるいは小杉構成員、御意見がございましたら、どうぞ、遠慮なく。
では、佐々木構成員からいきましょうか。
○佐々木構成員 ありがとうございます。
こちらのほうは、最初見せていただいたときに、要件に満たないところをどういうふうにするかということが、明記がありませんでしたので、このように意見をさせていただいて、まとめていただいたこの状態で非常にわかりやすくなったのかなと思います。ありがとうございます。
○西田座長 小杉構成員も基本的に賛成で。
○小杉構成員 はい。それで結構です。
○西田座長 臨床的にはいかがでしょうか。
前田構成員、いかがですか。
○前田構成員 特に異論ございません。
○西田座長 小児の立場で、中澤構成員、いかがでしょうか。小児が多分、一番、例えば症例数とか、その辺はリミットがかかりやすいところではないかと思うのです。
○中澤構成員 現状と理想というところが、考え方が難しいと思うのですが、小児がんもほかのがんと同じように、専門性の高い病院に本来ならば集約できるほうが精度を上げられるという基本原則はあると思いますので、先ほど小児がんの患者さんも安心してゲノム医療を受けられるようにという配慮は要件の中に入ってまいりましたので、特に小児がんに関してという、要件として、ここに改めて書くことはないような気がいたします。
○西田座長 では、皆様方同意で、選定を取り消すという手続を定めることになると思います。よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○西田座長 それで、主な論点はおおむね終わってしまったのですけれども、この中でこの後、多分、一番大事になってくるのは、あとは指定の期間になるかなと思います。この辺に関して少し、もう一度、前回おおむねコンセンサスは得られたと思うのですが、事務局のほうから御確認いただいて少し議論を深めたいと思います。
では、よろしくお願いします。
○がん対策推進官 それでは、資料1のスライド9をごらんください。前回御提示させていただいたスライドを一部改変しておりますが、改変した部分は下の【報告】と書かせていただいている部分でございまして、前回、こういったことを中核拠点病院に説明を事前にすべきであるという御意見をいただきましたので、既にメールではございますが、11中核拠点病院の担当にこの内容を送付させていただいております。
現時点で特段御意見をいただいているのは把握しておりませんが、このような形で中核拠点と拠点が連携体制の観点から同時に見直すべきで、近年のゲノム医療の進歩が目覚ましいということで、次回の2020年4月以降の指定については、中核拠点病院は2年、拠点病院はこの秋にも指定した場合は2022年4月までのおおむね2年半ということで検討している旨、提示をさせていただいている次第です。
事務局からは以上でございます。
○西田座長 これに関して御意見ございますでしょうか。拠点と中核がばらばらに指定されると、中途半端になったときに非常に困るだろうということもございます。
土原構成員、何か追加でコメントはありますでしょうか。
○土原構成員 我々の施設にもメールでの御案内をいただきました。もちろん、院内でも検討しているところです。
ここの下のところ、理由として挙げられていたものがそのまま各施設にも説明があったかと思いますので、もう少し時間を置いてかとは思いますが、特段の意見といいますか、異議がなければ、これでよろしいのではないかと思います。
○西田座長 同じ中核になっている佐々木構成員、いかがでしょうか。
○佐々木構成員 私も、この期間に関しましては、やはり病院内で検討ということになるかと思いますが、おおむね妥当かなと考えております。
○西田座長 小杉構成員、どうぞ。
○小杉構成員 私もそう思います。
期間ということとも関連するかと思うのですけれども、連携病院がどの拠点及び中核拠点にひもづくかというのを、原則1つに変えるのはどのタイミングなのか。また、連携側が決めるのか、中核拠点・拠点側が決めるのかというのがよくわからない感じがします。
○西田座長 御指摘、正しいと思います。確かに、これは中核拠点病院が決めるのか、連携病院が決めるのかというのもあると思いますけれども、多分、協議して決めざるを得ないのかなと。距離感とか、そういうところでやっていただくのが一番現実的かなと思うのですが、事務局のほうから意見がございましたら、どうぞ。
○がん対策推進官 ありがとうございます。事務局です。
おっしゃっていただいたとおり、実態としては連携病院、中核拠点間で御協議をいただく形だと思います。手続上は、この連携病院はこちらの拠点病院と、この連携病院はこちらの中核拠点病院と連携をということが決まりましたら、中核拠点病院もしくは拠点病院から選定をしていただき、取り消し規定の観点からもそういった形で手続を進めることを考えております。
再編成のことでございますが、これは資料2に追って書かせていただいておりますが、経過措置を設けさせていただいて、一定の再編成期間を設けさせていただきたいと思っております。
事務局からは以上です。
○西田座長 ありがとうございます。
指定期間について、さらにもう一つ残っている九大で、前田先生、何かございますか。特にこれで問題ないと。
○前田構成員 特に問題ないと思います。
1点、よろしゅうございますか。例えば取り消しの件が先ほどあったのですけれども、将来、血液のがんなどがもし近い将来、承認されたときに、一応、中核拠点、拠点のレベルでは血液がんを専門としている医師が、ほとんどの科があるとは思うのですけれども、もし、それが要件になったときに、どういった扱いになるかというのも、一部の拠点病院が場合によっては血液がんの専門家がいなくてという可能性もちょっとあるのかなと思いましたので、1点だけ済みません。
○西田座長 また血液のパネルができたときに考えましょうか。
おおむね、これで御了解いただいたということで、資料1と資料3に関しては議論を終わりたいと思います。
どうぞ。
○三好構成員 済みません。1点確認なのですけれども、資料3の8ページの患者さんに対する相談支援の部分なのですが、例えばこれからパネルが保険適用になると、受けたいと思われる患者さんがふえたりとか、受けられる方はどんどんふえていく一方だと思うのですが、その際に、ここでも何度かお話が出ているように、実際、パネル検査を受けても治療が見つからない患者さんがたくさん出てきます。
そういった方々が、治療が見つかると思って、本当にこのパネルに期待して、そのギャップがとても激しいのです。実際、私たちの仲間でも本当にがっくりして、治療がもうないと思って帰ってこられる方が本当に多いので、例えばそういった方々のフォローといいますか、そういったところもここの部分で賄われるという意味合いで書かれているのでしょうか。
○西田座長 私自身は、実務的にはそうだと考えています。
それだけではなくて、多分、現実は医療者がフォローしなければいけない。相談支援のところへ行っただけでは物は解決しないので、実際にその患者さんを担当している先生あるいは看護師さんがフォローしていくのが現実ではないかと思います。
○三好構成員 ぜひ受ける前のきちんとした説明とその後のフォローを、本当に治療がもうないのかというところまで一緒に見ていただくということまでお願いします。
○西田座長 ありがとうございます。
中島構成員、何か追加でありますでしょうか。
○中島構成員 非常に重要な御指摘だと思います。昨年から先進医療のパネルも含めまして、連携病院、中核拠点病院ともに、大分、実臨床での経験も蓄積されてきまして、説明同意文書に必ずしも新たな治療の提供に至らないかもしれないということはしっかり書いてあるのと、あとは現場の説明する段階でかなりそこは重点を置いてお話しするようにしています。
もちろん、治験に参加できるような状態のよい患者さんの場合は、ゲノムパネルの結果に基づいた治験の御紹介はもちろんのこと、もし、その結果に特殊な遺伝子異常が見つからなかったとしても、遺伝子異常にかかわらずに参加できる治験のチャンスも十分に考えて御提供するようにしますという説明は、恐らくどの御施設も熱心にしてきているのではないかと思うので、そこは現場、エキスパートパネルでそういう教育や協議もしていくことは必要であると思いますし、まさに現場が解決していかなければいけないところで、患者さんの御期待に応えるように進んできていると思います。
○西田座長 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
事務局からどうぞ。
○がん対策推進官 1点だけ失礼します。
資料3について、前回誤植がございましたので、この場をかりて御報告させていただきます。
6ページ目でございます。手術検体等生体試料に関する部分で、もともと、がんゲノム医療連携病院には臓器横断的に検体を保存するというところで、「臓器横断的に」という文言がありませんでした。こちらは誤記でしたので、訂正させていただきたく存じます。
それを踏まえて、拠点病院の要件として、ここの部分は連携病院並みということでございましたので、右に倣えで、「臓器横断的に」はがんゲノム医療拠点についてはつけなくてよいかという点をいま一度御確認賜れれば幸いでございます。
○西田座長 ここは前回も出ていたと思いますので、おおむね皆さん、異論はなかったと思います。よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○西田座長 ありがとうございます。
石川構成員、どうぞ。
○石川構成員 済みません。先ほどの小児がんのエキスパートパネルの専門的な知識を持った者というところで、その施設の所属である必要があるかどうかという話だったと思いますが、特にこの小児がんの専門家がどれぐらいいるかわからないのですが、もしその施設にいないときに他の施設から、そこで本務で持たれていても例えば嘱託などをして、責任を持って御発言できる立場であれば、別にそこの所属でなくてもいいのかなとは思っているのですが、いかがでしょうか。特にストロングな意見を持っているわけではないのですが、どなたか御意見をいただければと思います。
○西田座長 先ほどの事務局の意見もそのとおりで、実務的には、現実では多分、ほとんどがその病院に先生がおられたら、その人にお願いするでしょうけれども、いない場合には専門家によその病院からでも参加してもらってもいいという理解でいいのではないか。
中澤構成員、何かございますか。
○中澤構成員 そのような御配慮をいただければ、責任を持って参加できるところが重要だと思いますので、嘱託でないにしても、何か施設長からきちんと招聘をするという形であれば問題ないと思います。
○西田座長 事務局のほうもそれでよろしいですか。
○がん対策推進官 ありがとうございます。
そういう意味で1点御紹介させていただきたいのが資料3の2ページ目で、実際、エキスパートパネルの構成員について書かせていただいておりますが、上から1つ目の○、がん薬物療法に関する専門的な知識及び技能を有する診療領域の異なる常勤の医師という者と、4つ目の○で、病理学に関する専門的な知識及び技能を有する常勤の医師ということで、この2つについては明確に常勤という形で書かせていただいておりますが、それ以外については常勤という形では明記をしておりませんので、おっしゃっていただいたとおり、責任を持つという意味で、非常勤ないし嘱託のような形で、責任のある方をこのエキスパートパネルの構成員として選定をいただければと思います。
○西田座長 よろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○西田座長 皆さん方、資料1、資料3に関してはよろしいですね。
それでは、実際に報告書といいますか、文書として出す資料2について、少し議論をしたいと思います。
資料2、4ページほどの資料なのですけれども、現実には大きく3つに分けて、指定要件に関するところ、指定期間及び指定の手続に関するところ、それから、その他と分かれてあります。
少し、3回ぐらいに分けて簡単に事務局のほうから御説明いただいて、議論したいと思います。では、お願いします。
○がん対策推進官 それでは、失礼いたします。お手元に資料2を御用意ください。こちらが今回の見直しの考え方ということで、診療提供体制のあり方検討会に報告をさせていただく文書としたいと考えております。先ほど御確認いただいた資料3は、その添付資料という形で想定させていただいております。
具体的には、内容をかいつまんで御紹介いたしますと、1ページ目の中段「I 指定要件について」というところで、アラビア数字で3つほど分けております。
「1 がんゲノム医療中核拠点病院及びがんゲノム医療連携病院の要件の明確化」で、2段落目の3行目にありますが、登録すべき「臨床情報やゲノム情報等」の内容。これはきちんと明確化すべきということで、2行下に塩基配列のもとデータと遺伝子変異リストといった形で明確化を図っているという内容です。
続きまして、下の「2 がんゲノム医療拠点病院の要件の考え方」で、大きく骨子は①、②ということで、その4行下にありますとおり、医療提供体制については、中核拠点病院と同等の要件を、人材育成、治験・先進医療等については、連携病院と同等の要件というコンセプトを書かせていただいた後、この節が終わるまで、具体的にはどういったことか記載しています。
御議論のあった中で御紹介いたしますと、2ページ目の中で数えて2つ目のポツの最後に、臨床検査室と病理検査の第三者認定については、次回更新時まで、2年半程度の経過措置期間を設けるといったことや、最後のポツで、こういった拠点病院の指定に関して、地域性や小児がん症例への対応も考慮するといった内容を記載させていただいております。
続きまして「3 がんゲノム医療中核拠点病院等の適切な連携体制について」。本日も御議論いただきましたが、基本的なコンセプトとして①、②を下のほうに書かせていただいております。医療提供体制については、原則1カ所の中核拠点病院または拠点病院と連携するということであるとか、②で人材育成、治験・先進医療等について、中核拠点が基本的に中心的な役割を担うこと。
具体的には、下にポツが幾つかございますが、3つ目のポツで、先ほど御紹介がありました連携体制の再編成については、一定の経過措置期間を設けて整理をするということ。4つ目のポツでありますとおり、前回、エキスパートパネルへの参加方法について議論がありましたが、オンラインでの会議参加や必要な部分のみの参加を可能とするなど、運用上の配慮が必要といったことをコンセプトの中では明確化させていただいております。
引き続き3ページ目で、IIまで失礼いたしますが「II 指定期間及び指定の手続きについて」で、1と2でまとめさせていただいております。
「1 指定期間について」でございますが、先ほど資料1で御報告させていただいたとおり、中核拠点病院に連絡をさせていただいた内容を文として書き下しております。
その続きで「2 指定の手続きについて」というところでございますが、中核拠点病院が、拠点病院と連携病院との関係性を取りまとめていただいて、拠点病院の指定を受ける際には、中核拠点病院と人材育成の関係で連携をする必要がございますので、こういった協議をした上で申請をしていただきたいというコンセプトをまとめさせていただいている次第です。
事務局からは以上でございます。
○西田座長 もう既に資料1と資料3で議論はしているのですけれども、まず「I 指定要件について」で、追加でコメント等はございますでしょうか。今、御説明あったとおりで皆さん方、これは特に異論はないのではないか。
エキスパートパネルで、前回でもそうですが、オンラインでのオーケーであるという話をしていましたけれども、特に問題ございませんか。
中島構成員、何かございますでしょうか。
○中島構成員 特にありません。
○西田座長 土原構成員、実際にやってみて、何かございますか。
○土原構成員 やはりエキスパートパネルをどれだけ迅速に、かつ正確に運用するかというところが今後も大きなポイントだと思います。それを考えますと、現時点ではこの要件で全く問題ないと思いますが、例えば今後は、この領域もAIの活用であるとか、遠隔医療であるとか、かなり新しいテクノロジーが入ってくるチャンスが多いところだと思います。
そこを考えまして、先ほど次の指定期間が2年と、短縮ということもありましたけれども、やはり要件のほうもこの後も継続的に検討は必要になりますし、時代の流れに応じて追随していくべきだと思います。その意味でも、先ほども学会の関与ということがありましたが、学会側のほうのガイダンスという形で、そうしたところの方向性を学会等と協力してつくっていくことは今後も非常に必要だと思います。
○西田座長 ほかはいかがでしょうか。
石川構成員、よろしいですか。
○石川構成員 はい。
○西田座長 佐々木構成員、どうぞ。
○佐々木構成員 2ページの一番下の、ウエブでエキスパートパネルに参加する場合なのですが、やはり一言、例えば3省4ガイドラインを遵守したようなネットワークインフラを使うとか、その辺を一言。実際に、今回、病理学会で調べたときに、ウエブで参加している連携病院が非常にたくさん多いのです。スカイプだったりテレビ会議システムだったり、さまざまなのです。
ですので、特にNCCなどが入ってくると、ジャームラインなども入ってきますので、その辺のところの扱いをちょっとだけ触れていただくと連携病院のほうではわかりやすいのかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
○西田座長 御指摘ありがとうございます。
確かに個人情報のまさしく機微な部分をさわりますので、もし入れられるようであれば御配慮いただければありがたいと思います。何でもオーケーというわけにはいかないと思いますので。
ほかはございませんでしょうか。
では、1番目のところはセキュリティーですね。情報セキュリティーをちゃんと担保するという言葉を入れる形にします。
IIの指定要件に関しては、これも先ほど議論をしましたが、中核に関しては今、ちょうど厚労省のほうから各中核に意見、打診が行っているところとお聞きしましたが、ここに書いてある体制でよろしいでしょうか。
よろしいですね。ここに関しても特に異論はございませんね。先ほども議論しましたので。
中核からの一応、意見が返ってからという形になると思いますけれども、基本的にはシンクロナイズし、確かにここに書いてあるとおりに、ゲノム医療の進歩は非常に目覚ましく、先ほど土原構成員がおっしゃったように、AIがすぐに入ってくるかもわかりませんし、ほかのことが入ってくるかもわかりません。適時見直していく必要があるかなと考えます。
では、御了解いただいたということで「III その他」に関して、結構、この「III その他」が非常に重要なのですけれども、御説明をよろしくお願い申し上げます。
○がん対策推進官 事務局でございます。
「III その他」と記載されておりますが、今回の整備指針の見直しには直接関係ないかもしれませんが、今後のがんゲノム医療提供体制についての課題をまとめさせていただければと思って御用意しております。
まさに先ほど議論の中で、学会との連携の御指摘をいただいたり、今し方、土原構成員からAIや遠隔医療の関係で不断の見直しが必要であるといったことも御指摘いただきました。ここには前回御議論いただいた内容から4つのポツを記載させていただいておりますが、本日のご指摘も含め、修文であるとか追記の御意見をいただきたいと思います。
具体的に御紹介いたしますと、1点目で、現在は、固形がんを対象とした遺伝子パネル検査が薬事承認されていますが、将来的には、血液腫瘍を対象とした遺伝子パネル検査についても、医療提供体制の整備を進めるべきである。その際には、固形がんの場合と同様の体制でよいかどうかなどについても検討すべきである。
2点目は、ゲノム医療に関する相談支援体制。これも本日御指摘いただきましたが、これについて充実を図るべきである。患者にとってアクセスしやすい窓口をさらに充実させる必要があるというものでございます。
3点目は、がんゲノム医療が実装化されるに当たり、患者・国民に対し、ゲノム医療に関するより正確な情報提供を行うことが重要である。
4点目は、ゲノム情報は究極の個人情報であるとも言われるため、国、がんゲノム情報管理センターや医療機関を中心として、適切に管理する必要がある。
今のところ、この4点を挙げさせていただいておりますが、ほかにも御指摘があればいただきたいということでございます。
事務局からは以上でございます。
○西田座長 ありがとうございます。
いずれも重要なことです。血液がんは一番最初に入ってくるでしょうし、患者さんの相談支援、フォローアップも含めて、そこは重要なところだと思います。
それから、情報提供もそうですし、情報セキュリティーは一番センシティブな部分ではないかと。
ここに書いてあること以外で、土原構成員、何かありますでしょうか。
○土原構成員 主に前回の議論がここでよくまとまっていると思います。あえて足すとすれば、先ほど言いましたように、むしろ、この要件そのものが不断の改定が必要であるということかと思います。
それから、セキュリティーに関してはC-CATと中核連携病院の連絡会議の中で、今、作業チームが要件等の整理をしているかと思いますので、そうしたところも参考になるかと思います。
○西田座長 三好構成員、どうぞ。
○三好構成員 ありがとうございます。
この「III その他」の下の3つは患者の立場で発言させていただいた部分だと思うのですけれども、今回、指定要件という形では入らなかったのですが、報告に上げていただくということで、ありがとうございます。
このことに関しての今後の議論はどの場でされていくのかをお聞きしたいのですが、診療提供体制の検討会でされるのでしょうか。
○西田座長 事務局からどうぞ。
○がん対策推進官 事務局から失礼いたします。
そういう意味では、このがんゲノムの拠点病院制度といった、どのような病院を指定するかといったものは、おっしゃっていただいたとおり、診療提供体制のあり方検討会でございますが、それ以外にも相談支援体制とかは現在、がんとの共生に関する検討会というものをつくらせていただいておりますので、そちらのほうで御議論いただきたいと考えております。
○三好構成員 ありがとうございます。
○西田座長 小杉構成員、どうぞ。
○小杉構成員 前回も少し発言させていただいたのですけれども、国民皆保険の制度の中でがんゲノム医療を始めるという方針の中で、その条件として、専門的な遺伝カウンセリングできる体制ということが明記されております。
しかしながら、現在のところ、遺伝カウンセリングという行為自体は保険診療でできる状態にほとんどなっておりませんし、遺伝学的検査についても大半がそうであるということで、確かに医療費等の問題もあるとは思うのですが、がんゲノム医療全体としてはそれほど大きなものではないという点と、むしろ遺伝カウンセリングや遺伝学的検査が保険診療、通常診療としてできるようになることによって、患者さんだけではなく、御家族等にとっても、がんの早期発見・治療という観点からも、むしろそういうことを進めていくのが医療費の抑制にもつながるということを考えていただいて、遺伝カウンセリング、遺伝学的検査が通常診療として行えるような体制は整備される必要があるのではないかと考えております。
○西田座長 御意見ありがとうございます。
前田構成員、どうぞ。
○前田構成員 何度も血液、血液と言って申しわけないのですけれども、最後にしますので。
このたびはこのような文言を「III その他」のところに含めていただいて、どうもありがとうございました。また、実際にそのパネルが具体的に動き始めそうになった暁には、また改めて御相談させていただけたらと思います。
せっかくの機会ですので、血液のがんは移植治療というものがありますので、その点でがんの遺伝子異常を知ることが、実際にどの人が移植すべきかとか、そういった適用になってくる点で非常にユニークであります。ですから、今の固形がんが直接、治療の標的を見つけるという意味合いとは異なってくる可能性もありますので、その辺でまた御理解をいただけたらと思います。
最後に、血液特有のジャームラインのミューテーションが特にAYA世代の方に私どもの経験でありますので、その辺に関しても、医療体制の整備というところですけれども、血液特有、特にAYAの方に多いということで御理解いただけたらと思います。
以上です。ありがとうございます。
○西田座長 御意見ありがとうございます。
ほかはございませんか。
中島構成員、どうぞ。
○中島構成員 ありがとうございます。
土原構成員の御発言とかぶるのですけれども、1つ目のポツが血液腫瘍に対して固形がんと同様の体制でよいのか、整備を進めて検討すべきであるということが書いてありますが、固形がん自体もやはり医療提供体制もしくはエキスパートパネルの体制というものは多分変わっていくべきだと思っているので、やはりそこに対するコメントも少し入れていただいたほうがいいのかなという印象を受けます。
○西田座長 ありがとうございます。
多分、その上の指定期間のところにちょっとコメントがあるのですけれども「近年のゲノム医療の進歩はめざましく」と書いてありますので、この辺を反映しながら、やはり2年あるいは4年ごとに少し条件を考えていかなければいけない領域なのではないかと私自身は思っております。
よろしいでしょうか。
おおむね、皆さん方、この趣旨で御理解いただいたかなというふうに、あと少し事務局のほうで文章を練っていただくという形にしようかなと思います。
では、これで資料2の議論は終わらせていただいて、全体を通して、皆さん方から御意見ございますでしょうか。
2回ですけれども、非常にスムーズに、しかし重要な点は御指摘をいただいたかなと思いますので、最後、仕上げるときは事務局と御相談させていただきたいと思います。よろしいですか。
土原構成員、よろしいですか。
○土原構成員 はい。
○西田座長 では、事務局のほうからひとつ、何か全体を通してございますでしょうか。
○がん対策推進官 ありがとうございました。
事務局としては、本日の御議論、特に資料2で御指摘いただいた部分も含め、資料2を取りまとめさせていただいて、最終的に、がん診療連携体制のあり方に関する検討会へ報告をさせていただきたいと思っております。
事務局からは以上でございます。
○西田座長 ありがとうございました。
思わず暑さで電気が切れたのかなと思いましたけれども、宇都宮局長も来られていますので、一言、全体を通して宇都宮局長からお言葉をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○健康局長 厚生労働省で、節電という意味から、12時に自動的に電気が切れるようになってございまして、済みません、そんな時間まで本当に御議論いただいてありがとうございます。
本当に先生方、お忙しいところ、また、きょうのように大変暑い日にお集まりいただきまして、活発な御議論をいただきましたこと、まことにありがとうございます。
このワーキンググループでは、新設しますがんゲノム医療拠点病院についてを中心に御議論いただきましたが、おかげさまで指定要件あるいはゲノム中核拠点病院や連携病院との連携体制のあり方などにつきまして議論が整理されたものと考えてございます。改めて心より御礼申し上げます。
さて、関連する話題といたしまして、遺伝子パネル検査について中医協で議論いただいているところでございます。我々としても、もうすぐその議論がまとまるのではないかと期待しているところでございますが、中医協のほうでは御議論がまとまり次第、速やかに保険適用になると伺っているところで、こういったことが進みますと、さらにがんゲノム医療が進んでくる、いよいよ実装されてくるということでございます。
我々としても、必要な方々に安全で安心なゲノム医療を提供できるように進めてまいりたいと考えてございますので、引き続き皆様方には御指導いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
本当にありがとうございました。
○西田座長 宇都宮局長、ありがとうございました。
短い時間でしたけれども、しかしコンパクトで、非常に適正な要件が決めていただけたかなと思います。事務局の皆さん方、構成員の皆さん方に心より御礼申し上げます。
大体、以上をもって本日の会を終わりたいと思いますけれども、最後に事務局のほうからどうぞ。
○がん対策推進官 本日はお暑い中、御議論ありがとうございました。
最後、暑いですので、お水はお持ち帰りいただきまして、本日の会を終了させていただければと思います。
本日は誠にありがとうございました。

照会先

健康局がん・疾病対策課

代表 03-5253-1111(内線3826)