2019年度第1回化学物質のリスク評価検討会(有害性評価小検討会)議事録

厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

日時

令和元年5月20日(月)14:30~15:28

場所

中央合同庁舎第5号館11階 共用第8会議室

議題

  1. 長期発がん性試験対象物質の選定について
  2. その他
    1. 「リスク評価の手法」の改定について

議事

 
○阿部中央労働衛生専門官 本日は、大変お忙しい中、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、2019年度第1回有害性評価小検討会を開催させていただきたいと思います。
まず、委員の出席状況につきましてですが、本日、特別参集員として西川先生にお声がけしましたけれども、御欠席との御連絡をいただいているところでございます。
それから、本日、ペーパーレス開催ということでタブレットを各委員の方々にお配りしてございます。不備等ございましたら、適宜、御連絡いただければと思います。
そうしましたら、座長の大前先生に、以下、議事進行をお願いいたします。
○大前座長 それでは、2019年度第1回有害性評価小検討会を開催いたします。
まず最初に、資料の確認を事務局からよろしくお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料、お手元のタブレット、傍聴者の方々におかれてはWebのほうに掲載してございますので、こちらを御覧いただければと思います。
資料1としまして、長期発がん性試験の候補物質というのをおつけしております。それから、資料2-1、リスク評価の手法の改訂について、それから、同じく資料の2-2としてリスク評価の手法(2019改訂事務局案)というものをおつけしてございます。
参考としましては、開催要項、名簿ですとかリスク評価の方針、案件制定の考え方、リスク評価の進捗状況ということで、参考1から3までおつけしているところでございます。
以上になります。
○大前座長 ありがとうございました。
それでは、本日の議題に入ります。本日は、長期発がん性試験対象物質についての検討を行いますので、よろしくお願いいたします。
事務局から、説明をお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料1を御覧いただければと思います。
長期発がん性試験の対象物質についてお諮りするものでございます。これまで、直近でいきますと、直近といっても大分前なんですけれども、平成27年度の第4回有害性評価小検討会で御議論いただいているのが直近のものになるんですけれども、長期発がん性試験の候補物質について御検討いただきたいというふうに思っているものでございます。
資料として、おつけしている資料1のナンバーを左のほうに振ってございます。ナンバーの1から3につきましては、実は、平成27年度以前、前回検討時にもリストアップされていた物質なんですけれども、選定されなかったと。選定されなかった理由は、右のほうに書いてあるところでございます。
それから、ナンバー4、こちらは前回検討を行った際にはリストアップされていませんでしたが、その後にフィジビリティ試験を対象ということで御議論いただきまして、吸入試験は可能という結論が得られているものになります。ただし、フィジビリティ試験を実施しました日本バイオアッセイ研究センターからは、ちょっとテクニカルなところで幾つかコメントをいただいているところでございます。後ほど、細かいところにつきましては御案内させていただきますが、以上のほか、前回検討時に実施可能になれば順次対象とするという方針とされていまして、現時点で未着手の1物質を念のため欄外に記載させていただきました。
このほかにつきまして、フィジビリティ試験の実施状況ということなんですけれども、ナンバー4の物質のほかにm-トルイジンについて結果が出ております。こちらにつきましては、吸入試験が困難というようなところのコメントを同じくバイオアッセイ研究センターからいただいているところでございます。
具体的に、m-トルイジンと先ほどのナンバー4、塩化ベンゾイル、フィジビリティ試験の報告書の記載を、大変恐縮です、こちらの手元の資料なんですけれども、口頭で恐縮です。読み上げます。
「塩化ベンゾイルのフィジビリティテストは、ばく露設定濃度を120 ppm及び1.2 ppmの2濃度に設定し、6時間のばく露時間で実施しました。被験物質濃度の測定結果は、設定濃度120 ppmのときに平均値117.3、検知標準偏差が12.7 ppm、設定濃度1.2 ppmでの平均値及び標準偏差が1.15±0.18 ppmであった。どちらも平均値が設定濃度より低く、標準偏差は大きい。これはばく露開始から設定濃度に達するまで時間がかかったためで、低い蒸気圧の物質のばく露にはよく見られる傾向であり、低濃度になるほど、その現象は顕著になる。以上のことから、塩化ベンゾイルの吸入ばく露試験の実施に関しては可能であると考えられる。経験上、カラムの材質をシリコスチール等に変えれば、より精度の高い分析ができると思われる。」
だいぶんテクニカルなコメントということもあり、当方で読み上げだけさせていただきましたけれども、ここのベースとして、吸入は、できるはできるのであるが、若干、注意としてコメントいただいているところがございまして、こちらも、すみません、読み上げをさせていただこうと思うのですが、物質の蒸気圧が低いため、高濃度のばく露はできないというようなコメントをいただいているところでございます。
「フィジビリティ試験は、検討専用に用意した小型吸入チャンバーを使用した検討結果であり、120 ppmでのばく露は可能であったが、長期試験の場合は大型の吸入チャンバーを使用するため、長期試験でのばく露濃度は計算上、この7分の1程度以下になる見込みです。これは技術的に可能な発生濃度であり、試験に必要と考えられる濃度を発生することができるかは未確定になります」とのことです。結論は未確定というようなコメントだと理解しております。
以上がナンバー4の塩化ベンゾイルに関するものになります。
もう一つ、m-トルイジンに関しましては、これは比較的シンプルなんですが、設備に茶色い物質が、茶色いというか褐色の物質がついてしまうということで、こちらも一応読み上げますけれども、平成29年度に実施したm-トルイジンのフィジビリティ試験の結果、「被験物質発生装置、冷却管及び再加熱管内に褐色の個体生成物が付着した」と。この組成等を明らかにするために平成30年度に追加の検討を行っておりまして、構造解析、生成過程の推定等を行っておるんですけれども、付着物の成分は不明、ただしm-トルイジンではなく、他の化合物との反応生成物であるということが推察されている。もろもろの、すみません、長いので省略させていただきますが、結論としましては、褐色の物質が設備についてしまって、どうにも試験ができませんというような結論だと理解しております。
以上、フィジビリティ試験で他に実施しているものがあるかというと、今のところ特にないんですけれども、以上、ナンバー1から3、ナンバー4と、それから以前の検討の際に御検討いただいて待ちの状態になっている1物質というものをリストアップさせていただいているところでございます。
以上、すみません、大変長くなってしまいましたが、今後の長期発がん性試験対象物質について、事務局のほうからリストアップさせていただいたものをベースに御検討いただければと考えているところでございます。
以上になります。
○大前座長 ありがとうございました。
事務局のほうから合計5物質のリストアップがございまして、平成27年にピックアップしたものの中で残っているものプラス塩化ベンゾイル、それからm-トルイジン、これを加えてみたら、m-トルイジンは残念ながら実質的にはばく露できないということで、ばく露実験は不可能というお話でした。
それから、今の塩化ベンゾイルに関しましては、120 ppmあるいは1.2 ppmで、小さなチャンバーだとできるけれども、それを本格的なチャンバーにすると、恐らく濃度が7分の1くらいになるだろうと。7分の1くらいでしかならないだろうということですかね。したがって、20 ppmに至らないくらいが最大濃度になりそうだということなので、それで意味ある試験ができるかどうかということに関してはわからないということなんですが、これ、塩化ベンゾイルは、LC50はどれくらいでしたっけ。50%致死濃度というのは。
○阿部中央労働衛生専門官 資料の……。
○大前座長 どこかにありましたっけ。
○阿部中央労働衛生専門官 記載がないですね。すみません。
○大前座長 この資料の中には、ないですね。
○川名化学物質評価室長 じゃあ、ちょっと、バイオのほうから情報提供いただけますか。
○大前座長 LC濃度はわかりますか。じゃあ、バイオの加納さん、お願いします。
○バイオアッセイ/加納氏 日本バイオアッセイ研究センターの加納です。
ラットのLC50値が、4時間の吸入ばく露で247 ppmから377 ppmで、二つ情報があります。
○大前座長 ありがとうございました。LC50が250から370くらいで、それで、先ほどの現実的にできる濃度が20 ppm弱くらい、最大の、高濃度のほうで、というような状況だそうです。塩化ベンゾイルに関して、そういう情報があると。
それから、残りの3物質、酢酸エチル、エチレングリコール、セロソルブですね、それから酢酸ノルマルブチルに関しては、これはフィジビリティ試験も終わっていて、恐らくこれは、ばく露はそんなに難しくないですということですが。
それから、もう一つ、オレンジ色になっているやつですね。1,3,5-トリスグリシジル-イソシアヌル酸、これは、もう何年か前からずっと候補に挙がっているんですけれども、これは固体でして、バイオのほうで固体のばく露チャンバー、マルチプロウォールのナノファイバーですか、あるいは酸化チタンをやっているので、埋まっていてはできないということで、延び延びになっているといいますか、候補に挙がっているんだけれども実際にはできていないという物質になります。
今回、この5物質が上げられておりますが、この中で、どの物質を選択しようかということなんですが、先生方の御意見は、まず、いかがでしょうか。
それから、もう一つ、バイオのほうの耐震工事の話があるので、これ、もし実際に長期ばく露をやるとしたら、いつごろから実際にばく露可能になるかという、そこら辺の情報はいかがですか。要するに、例えば、今日決めて来年できるのかというような、そういう意味で、いつごろから実際はできるのかということなんですけれども。
○川名化学物質評価室長 もうちょっと先になります。今回は、物質で決めていただくものにつきましても、とりあえず耐震工事が入る前の予備試験的なものを実施すると。で、工事が終わって実施可能になってから、すぐ着手できるような準備を整えておくというような意味合いで選定いただきたいというふうに考えております。なので、実際の本試験となりますと、もうちょっと先になろうかと思います。
○大前座長 予備試験というのは、90日ばく露までということになりますか。そこまでは、いかない。
○川名化学物質評価室長 それで、いいんですよね。
○バイオアッセイ/加納氏 2週間から90日。
○大前座長 2週間から90日くらい。そこまでの実験はできるということだそうです。実際の本実験は、耐震が終わった後ということですけれども。
いかがいたしましょうか。どうでしょう。酢酸エチルとかセロソルブ、今さらやりますかという感じが僕はするんですけれども。これは結構、当然ですけれども、お金がかかって大変な実験なので、しかも、その間チャンバーを占有しちゃうことになるので、そんなに軽々に、残っているからやろうというようなものでもないとは思うんですよね。いかがでしょう。何か御意見は。
それから、あとは当然、使っている物質で比較的、量的に多い物質、作業者がばく露される可能性がある物質は、もう当然、選択するときの情報の一つだと思うんですけれども、この粉体ですね、1,3,5-トリスグリシジル-イソシアヌル酸、これは生産量、使用量という情報はありますか。これは、構造式でいうとエポキシドが三つくっついている構造式なので、見た目上は結構大丈夫かなという物質なんですけれども、ただ実際に使われているかどうかという情報があればと思うんですが。
○阿部中央労働衛生専門官 一応、資料の3ページのところですね、当該物質についての欄を設けているところになります。平成27年度4回、議論済みの色つきのところです。こちらなんですが、5として製造・輸入数量を※ということで書いてございます。Xにしてあるんですが、こちらは経産省の一般化学物質の製造・輸入数量ですね、2017年度実績の表というか、何といいますか、データを取りにいきましたらXと書いてございまして、これはどういうことかといいますと、届け出事業者数が少ないと、2社以下とかだと。
○大前座長 ああ、わかっちゃうからということですね。
○阿部中央労働衛生専門官 数字は出さないみたいな記述がございまして。すみません、公表されているベースの情報としましては、製造・輸入数量は明らかでないという形になってございます。
○大前座長 2013年度ですと4,000から5,000というふうにありますから、このときは2社以上つくっていたところがあって、出ているということですね。
○阿部中央労働衛生専門官 あったんだろうと思います。
○大前座長 17年度に関しては2社以下、2社か1社かわかりませんけれども、そういうことなので、生産量・使用量は情報がないということになりますけれども。
○阿部中央労働衛生専門官 製造・輸入ですので、現場でどのぐらい流通しているかというのは、ひょっとしたら別なのかもしれませんが。
○清水委員 物質として入手できるんですかね、試験をするとしたら。
○大前座長 試験物質として入手は可能ですか。結構、大量に要ると思うんですが。そこら辺の情報は何かありますか。物質が入手できるかどうか。
○バイオアッセイ/加納氏 吸入の場合は、かなり量を使いますので。何十 kgとか100 kg以上の量を、まず入手できるかどうかという情報は、ちょっと現時点では未定です。
それと、これは現在、遺伝子改変マウスを用いた短中期発がん性試験を昨年度選定されまして、現在やっている最中です。経口投与試験で。
○大前座長 経口試験で短中期は陰性で、遺伝子改変を今やっているという、そういう状況だということですね。まだ、その結果は出ていない。
○バイオアッセイ/加納氏 はい。
○大前座長 いつごろ出るというのは、大体、見当はつくんですか。
○バイオアッセイ/加納氏 rasH2マウスとp53のマウス、両系統を使いまして、rasH2のほうは今年度。
○大前座長 今年度。でも、いずれにしても、大分先ですね。
○バイオアッセイ/加納氏 もう一個(p53)のほうは今、実施中です。
○大前座長 ああ、これから。早くても、来年度にならないと結果は出てこないということですね。
どうぞ。
○津田委員 今のは、どういう投与方法ですか。
○バイオアッセイ/加納氏 強制経口投与です。
○津田委員 経口投与で。そうすると、また違うわけですね。
○大前座長 さあ、いかがいたしましょうか。なかなか難しい。この5物質から選ぶというのは、なかなか難しい判断の状態ではあると思うんですが。
これは、あれですか、ちょっと極端な提案かもしれませんけど、バイオの耐震の工事があるので、例えばもう少し物質を、例えば今年度もしくは来年度にもう少し集めてみて、それから決めるという、そういうことも可能ですか、事務局の方針としては。だから、今日決めるんじゃなくて、もう少し物質を探そうという、そういうような意味ですけれども。
○川名化学物質評価室長 うーんと、まあ、何と言いましょう。
○大前座長 なかなか、そうはいかないですか。「うーん」とおっしゃっているんで、だめだという。
○川名化学物質評価室長 まあ、あまり想定していなかった御質問だったものですから。
○大前座長 いや、というのが、バイオが、耐震工事が終わるのが来年か再来年。要するに、実質的に年間ばく露できるのは何年後くらいになりそうですか、予想としては。
○バイオアッセイ/加納氏 再来年の4月から工事開始を予定しておりまして。
○大前座長 再来年の4月から工事開始。
○バイオアッセイ/加納氏 それから、工事予定が約2年間です。
○大前座長 ということは、4年後ぐらいにならないとできないということ。
○バイオアッセイ/加納氏 本試験は。
○大前座長 本試験は。
○津田委員 結果が出るまで、さらに2年か3年かかりますよね。
○大前座長 もっと後ですね。実際に年間ばく露が、だから4年後くらい。その前の事前の評価は別にして、吸引時ばく露はまた別にして、年間試験は、だから4年後くらいからしかできないという、そういう状況だと、急がなくていい。
○宮川委員 逆に言うと、本試験は大分先かもしれませんけれども、その前に試験を始めるものを選んで、スタートしておいていただいたほうがよろしいような気がします。
それから、もう一つは、類縁物質でネガティブな結果が出ているようなものよりは、それがないものを優先したほうがいいのかなという気がいたします。そうすると、塩化ベンゾイルが残ると思うのですけれども。
先ほどの話だと、LC50が4時間ばく露で250とか300だとすると、1日6時間ばく露を長期でやろうとすると、その一桁下の濃度が出るのですよね。20ぐらいが出るということであれば、高いほうが出なくて困るということはないような気がするのですけれども。刺激性があって、STELが0.5  ppmと低いので、逆に、そちらのほうでうまくいくかどうかちょっと心配ですけれども。そうするとこの辺りが残るかなという気がします。
○大前座長 いかがでしょうか。少なくとも、上の3物質はそんなに急ぐことがないということは皆さん合意といいますか、大多数のお考えですかね。そうすると、塩化ベンゾイルか、あるいは先ほどのお答えかですけれども、今、宮川先生は塩化ベンゾイル、とりあえず90日までやったらどうかと。そこで、もし何も出てこなかったら、また考えるという。90日試験ですから、恐らく20 ppmくらい、20 ppmまでいかないかもしれませんが、それぐらいで最大濃度で、見当をつけるといいますか、そういう形で何も起きなかったら、また考えるということでいいんじゃないかという、そういう発想じゃないかと思うんですが。
○川名化学物質評価室長 じゃあ、とりあえず予備試験的なものをやってもらって、その結果、またお諮りして、改めて本試験をやるかどうかというようなことは御議論いただくと。その際には、事務局、どこまでできるかわかりませんけれども、その他の物質というような観点でリストできるものがあれば、あわせてリストを提示すると。そういうふうなことで持っていくということで、よろしいですかね。
○大前座長 先生方、いかがでしょうか。今のようなことでよろしゅうございますか。じゃあ、とりあえず塩化ベンゾイルを選んでおいて、それで予備試験まではやっていただくと。そこで、もちろん意味ある結果が出れば、当然、4年後から本試験を始める。もし、そこで何らかの考える必要があれば、あるいは、ほかにいい物質が出てくれば、ほかにもっと優先順位が高い物質が出てくれば、またそのときは考えるというような方針でよろしいですか。
はい、どうぞ。
○平林委員 確認ですが、塩化ベンゾイルも遺伝毒性試験結果がマイナスというか、書いてございませんが、これは。
○大前座長 遺伝毒性試験結果のところにマイナスが書いてあって、陰性か陽性かが書いていないという、そういう御質問ですけれども。
○阿部中央労働衛生専門官 資料の2ページのところでございましょうか。違いますか。2ページで塩化ベンゾイル、遺伝毒性試験の概要というところと発がん性試験の実施状況または実施予定という欄に、ほとんど情報がないよねというところでございますでしょうか。
遺伝毒性試験の概要につきましては、データが見つけられませんで。その他の情報も、率直に申し上げると、いろいろ一応、見てはいるんですが、ほぼほぼあまり情報がございませんでしたというのが。
一番最後のページのところも、そうなります。一番最後のページ、「つづき」という形にしておりますけれども、塩化ベンゾイルにつきましては、管理濃度のところ以降、バーをつけているところが多々ございますけれども。遺伝毒性試験結果もそうですし、がん原性試験の状況等、類縁物質ですね、その他につきましてもバーを書かせていただいております。
こちらにつきましては、率直に申し上げて、材料が特にないと。その状態で、平成27年度の企画検討会になるんですけれども、資料1の続きの備考のところにちょっと記載してございます企画検討会で、フィジビリティテスト対象物質に選ばれているところの根拠が、混合ばく露の評価しか行われていないこと、生産量等を考慮というものでして、もともと遺伝毒性試験の結果等につきましてはデータがない状態で始めていたものになります。
そういう意味で、塩化ベンゾイルが、なぜ今ここにリストアップされてフィジビリティ試験まで行ったのかというところに関しましては、最後のページの備考欄に記載しているとおりでございまして、平成22年度、23年1月の企画検討会で専門家からの意見聴取、エキスパートジャッジメント、この当時に実施していたものの中でフィジビリティテスト候補に挙がっていたと。構造相関等の結果を考慮したものだというふうに伺っております。
○大前座長 遺伝毒性試験の結果は、ないということだそうです。
○平林委員 わかりました。
○大前座長 見つからないと。要するに、ないじゃまずいですので、見つからないという、そういう。
○平林委員 やってはいるけれども、結局、その物で検査ができたというふうには判断できないという結論ということ。
○大前座長 かもしれませんね。これは水。
○平林委員 留意事項に何かそのようなことが、書かれているようです。
○大前座長 留意事項に書いてありますか。失礼しました。
○平林委員 いえいえ、私も今、見つけたところなんですけれども。
○阿部中央労働衛生専門官 2ページの留意事項のほうに記載した点でございますね。
○平林委員 これは、だから、わからないということで、仕方がないということですね。
○阿部中央労働衛生専門官 はい。
○平林委員 承知しました。
○阿部中央労働衛生専門官 わからないというのが、すみません、データとして見つからなかった状況でございます。
○平林委員 そうしますと、宮川先生のおっしゃるとおり、予備試験を進めるというのでよろしいかと思います。
○大前座長 そのほか、塩化ベンゾイルに関しまして、何か御意見はいかがでしょうか。
(なし)
○大前座長 そうしましたら、今の議論で、塩化ベンゾイルに関しましては予備試験はやっていただくと。それで、バイオの耐震工事が終わった4年後くらいから本試験に移ると。もし、その間、吸入試験、予備試験までで、特に発がんを予測するような結果が出なければ、そのときは、また新しい物質を考えるというようなことでよろしいですか。
 じゃあ、今日に関しましては、そういうふうにさせていただきます。どうもありがとうございました。
それでは、次でございますけれども、リスク評価の手法につきまして、事務局から説明をお願いします。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら、資料の2-1と2-2になります。
まず、2-1のほうから御説明させていただきたいと思います。
平成30年度有害性評価小検討会における指摘事項への対応についてということで、リスク評価の手法の改定に関する御相談をばさせていただきたいというものになります。こちらにつきましては、一度、各委員の方々にも事前に見ていただいておるところでございますけれども、経緯としましては、昨年度、有害性評価小検討会、第6回の検討会の中で、ガイドラインの改定も含めて検討すべきというふうに御指摘いただいていた点がございました。その結果を踏まえまして、当時の議論の経過といいますか、経緯といいますか、それを拝見しまして、事務局のほうで「こういう改定案になりますでしょうか」というところをたたき台としてお示ししているものになります。
一つ目が検討事項1ということで、動物試験の結果云々というところからのお話でございまして、詳細は割愛させていただきますけれども、検討結果を踏まえた見直し事務局案ということで、資料の枠、囲っております「主要文献から得られた無毒性量等のうち」のところになりますけれども、下線部の追加ですね、「最小毒性量から換算して得られた無毒性量も考慮することとするが、この場合、重篤度や用量設定等試験の精度などを総合的に勘案して判断する」という記述を追加してはいかがかというような記載をしているものでございます。
具体的に、どういった御議論があったかにつきましては、後ろのほうに抜粋したもの、議事録の抜粋をしたものを記載してございます。
あわせて、検討事項の2として「一次評価値について、現行の「リスク評価の手法」では」というところでございます。こちらも詳細は割愛させていただきますが、見直しの事務局案としましては、同じく枠で囲っておりますところ、(4)リスクの判定方法等というところに一次評価の項目がございますけれども、「一次評価値は、当該対象物質をリスク評価の対象として選定した際に着目した有害性の種類に応じて、以下のア又はイで述べる方法により設定するが、上記「(1)有害性の種類及びその度の把握」等の結果、発がん性に着目してリスク評価の対象として選定した物質であっても、発がん性以外の有害性に関し、評価レベルの情報が得られる場合は、その情報も考慮することとする」と、こちらの文面を追加してはいかがかというものになってございます。
前回のご議論の内容については、検討事項の1と同じく、議事録の抜粋をおつけしているとおりです。
こちらにつきましては、先ほども申し上げましたように、先生方に先に展開させていただきまして、幾つか御意見をいただきました。ちょっと反映し切れていない部分もございますけれども、まず、江馬先生のほうから御指摘いただいた点につきまして反映しているところがございまして、具体的には資料2-2のほうに事務局案として、今、資料2-1で申し上げました改定も含めて、溶け込みではないんですけれども、一応、見え消しっぽくおつけしてるものがございます。具体的に御指摘いただいた点につきましては、資料をカラーで見ていただくと、赤いのが事務局案でして、青になっておりますのが江馬先生からの御指摘でございました。間違いが、もしありましたら、すみません、江馬先生、御指摘いただければと思いますが、一応、溶け込ませた形で反映してございます。
ちょっとわかりにくい点だけ、1点。資料の8分の5ページに、133行目、134行目、この辺りに生殖・発生毒性となっていたところのポツを消しております、何か、バーになっているのかポツなのか、よくわからないんですけれども、ワードの見え消しでこうなっていますけれども、ここを消すという形の御意見をいただいているところでございます。
そのほか、これも申し訳ございません、資料のセットの都合上、反映し切れておらんのですが、西川先生から御意見をいただいているところがございまして、こちらを大変恐縮ですが読み上げさせていただきます。
具体的には、資料の溶け込み版のほう、すみません、資料2-2のほうを御覧いただければと思うんですけれども、30から33行目、「有害性の種類及びその程度の把握」というふうに書いているところがございます。こちらにつきまして、生殖細胞変異原性、33行目ですね、こちらにつきまして、実際には体細胞変異原性であるので、単に遺伝毒性としたほうが誤解が少ないというコメント。それから、生殖毒性及び臓器毒性・全身毒性というところなんですけれども、実際のデータに即して反復投与毒性及び生殖・発生毒性としたほうがわかりやすいというところの御意見をいただいております。
それから、54行目になりますけれども、実験期間・観察期間が不十分な情報から得られた場合又は無毒性量若しくは無影響量を得ることができず適当な最小毒性量若しくは最小影響量が得られた場合の云々というところなんですけれども、こちらにつきまして、無影響量を用いることはないので、削除したほうがすっきりするのではないかという御意見をいただいております。
それから、71行目、5生殖細胞変異原性というところにつきましては、上のほうと同様、遺伝毒性としてはいかがかというところをいただいています。
さらに、その他は括弧をつけて何々というような形で書いてある位置関係の、平仄のお話ですね。こちらにつきましては、後ほど、形式的に御指摘を反映させていただければと思っておりますが、内容の面としましては、今いただいたようなコメントをいただいているところでございます。
私のほうからの御説明は以上になります。改定内容につきまして、御検討いただければ幸いです。
○大前座長 ありがとうございました。
まず、資料の2-1のほうから順番にやりたいと思います。2-1、検討事項が二つありまして、検討事項の1は、NOAELとLOAELの相対的な関係で数字が低くなった場合どうするのかという、そういう議論ですが、皆さんのほうに御意見を伺って、それで事務局の見直し案が下のほうの四角にありまして、括弧の中でアンダーラインが引いてあるところ、これを加えたらどうかというのが事務局案でございますが、まず、この検討事項1につきまして、いかがでしょうか。これは、よろしゅうございますか。
 じゃあ、これはオーケーということで。
じゃあ、検討事項の2ですね。一次評価値に関することで、発がん性から求められた評価レベルまたは過剰発生率の10-4に対応する濃度より低くなる場合はどうするのかという、そのような検討事項でございまして、事務局の案としては、下のほうの四角のところでアンダーラインで引いてあるところ、このような形で追記をしたらどうかというのが事務局の案でございますが、これについて御意見、いかがでしょうか。これも、よろしゅうございますか。事前に御意見を伺っていますので、その後、何か追加するなり、あるいは意見が変わったとかだと思うんですが。
(なし)
○大前座長 じゃあ、特に御意見がなければ、2-1に関しては以上、事務局案をオーケーとするということで、2-2のほうですね。2-2のほうで江馬先生の御意見と、それから西川先生の御意見のお話がございました。何カ所かあるので、まず、江馬先生のほうのブルーの直しのところですね。ブルーの直しのところで、生殖・発生毒性というのを、ポツと取るというのが江馬先生の修正の一つと、それから子どもの動物というのを児動物というふうに直すというところが江馬先生の御指摘ですが、これに関してはいかがでしょうか。よろしいですか。
○宮川委員 1点だけ、よろしいですか。
○大前座長 はい、どうぞ。
○宮川委員 ポツがついていたのを取るというのは、そういう言葉にするということだと思うのですけれども、今まで生殖毒性だけだったところに発生毒性を入れるというのは、これ、決め事の世界の話ですが、例えば、食品安全委員会の用語集を見てみると、生殖毒性と発生毒性を分けた説明がしてあるのですけれども、国連のGHS勧告では生殖毒性という言葉で、いわゆる繁殖能に対する影響と発生影響両方を含めて生殖毒性と言っているということがあって、どちらを使うのかなと。多分、食安委では、生殖・発生毒性という言い方で。
○江馬委員 宮川先生のおっしゃるとおりで、生殖毒性という場合は、生殖毒性だけを示す場合と、発生毒性を含めて生殖毒性と表現する場合があるのですけれども、ここでは、はっきりと生殖発生と書いておいたほうが誤解がないのかなと思って修正をしたわけです。
○宮川委員 そういう前提として、こう書くということで、厚労省は、いつも生殖発生毒性という使い方をするのではないですよということで。
○江馬委員 そうですね。GHSでは生殖発生を生殖毒性という言葉で表現しています。なれている人は生殖発生毒性と読むんですが、最初にこれを読む人は、生殖と書いてあると、多分、生殖毒性だけのことを頭に浮かべると思いますので、書いておいたほうがいいのかなということです。
○宮川委員 ちなみに、食安委に問い合わせをしたら、食安委の用語集は、うちの文章はこういうことでつくっているということを説明するものであって、と事務局から連絡を受けたことがあります。
○大前座長 今、実際につくっているリスク評価書は生殖毒性と書いてありましたっけ。発生はなかったですよね。そうすると、そっちも直したほうがいい。
○宮川委員 いや、そこまで行ってしまうと。つまり、あの毒性のチェックはGHSの各項目に従って端から調べていきましょうということで書いているので。この文章自体はいいんですけれども、そちらまでやるとすると、もう一つ、先ほどの西川先生の指摘の点でも、ちょっと、それは関わってくることになります。
○大前座長 じゃあ、今の件は、ここまでに止めておくということで。
西川先生の御意見は。
どうぞ。
○宮川委員 すみません。もう一点、よろしいですか。
江馬先生の修正ですけど、144行の発生毒性については、母毒性がなくて児動物、の「子ども」というのを「児動物」に変えるという御指摘だと思います。用語はよいのですけれども、実は前からちょっと気にはなっているところで、母体毒性が同時に生じている場合にどう扱うかということで、明らかに相当程度の母体毒性があって、その間接的な二次的な影響だと思われる場合には、生殖発生毒性としなくてもよろしいかとは思うんですけれども、軽微な母体毒性があって、それで児動物に対する影響が見られているときに、一律に、これは生殖毒性はなかった、発生毒性はなかったんだという判断も非常にまずいのかなと思います。
特に、国連のGHSの発生毒性のところで相当長い注意書きが書いてあるのですけれども、母体毒性があったからといって発生毒性を無視しないようにしてくださいという趣旨のことがさんざん書いてありまして、母体が瀕死の状態で育児ができないとか、そういうことの場合には仕方がないけれども、特に子どもの側に重篤な奇形等が見られたときには発生毒性ありというようなことを考慮するようにということで、定義のところも、原則、母体毒性があった場合でも子どものほうに対する影響を重視してくださいという文章になっています。
その辺が、発生毒性試験をされている方とちょっとずれているところがありますので、議論があるところですけれども、これはこう書いてあるけれども、意味としては柔軟に解釈するというようにしておいてもらいたい。あるいは「母体毒性の二次的な影響ではない場合である」というような書き方を考慮したほうがいいかもしれない。
○大前座長 江馬先生、ここら辺、いかがでしょう。
○江馬委員 どういう文章にするかということなんだと思うんですけど。
○宮川委員 「母体毒性による二次的・間接的な影響であるかどうかを適切に判断する」とかですね、そういう文言とかはいかがでしょうか。
○大前座長 いかがでしょうか。今、二次的な毒性ではないという意味の文章に変えると。そうしますと、発生毒性については、母体毒性による二次的な影響ではない。
○宮川委員 ないか、あるか、、「母体毒性による間接的な影響かどうかを適切に判断する」とかですね。ちょっと、その辺はやわらかく。現場では、専門家に判断していただければいいということ。
○江馬委員 「母体毒性による二次的な影響かどうかを考慮すること」ぐらいの文章でしょうか。
○大前座長 なるほど、なるほど。母体毒性による二次的な影響ではないことを考慮する。
○宮川委員 であるかどうかを考慮する。
○大前座長 であるかどうかを考慮するというふうな文書に、ここの144行目は変えると。そうすると、その時々のケースによって、それぞれ判断をしながら進めていく。ありがとうございました。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません。今のbの「発生毒性については、母体毒性がなくて」のところの文を、今、御指摘いただいた形に書きかえるということですね。わかりました。この(a)(b)の以降のところは、そのままで差し支えないということでよろしかったですね。
○大前座長 これは、関係ないですね。
○阿部中央労働衛生専門官 a、b、括弧、わかりました。そうしましたら、bの柱書きのところのみ書きかえるような形で対応させていただきます。
○大前座長 それから、西川先生の、まず前のほうから、33行目のところ。33行目のところで西川先生の御意見は、まず一つは生殖細胞変異原性、これは単なる変異原性にすればいいんじゃないかというお話と、それから、臓器毒性・全身毒性という言葉じゃなくて、反復投与毒性でいいんじゃないかというような御意見だったとさっき聞きましたけれども、これはいかがでしょうか。
○阿部中央労働衛生専門官 もう一度、読み上げます。大変恐縮です。
生殖細胞変異原性の箇所につきまして、実際には体細胞変異原性であるので、単に遺伝毒性としたほうが誤解が少ない。これが一つ目です。
二つ目が、生殖毒性及び臓器毒性・全身毒性の箇所につきまして、実際のデータに即して反復投与毒性及び生殖発生毒性としたほうがわかりやすいという御指摘です。
○大前座長 後半は、まあいいですよね。反復投与毒性にするというのは。
どうぞ。
○宮川委員 じゃあ、後半のほうから言いますと、反復投与毒性のほうを先に持ってきて生殖発生毒性をあとというのが西川先生の御意見ですよね。用語としては、臓器毒性・全身毒性をやめると。
○阿部中央労働衛生専門官 はい。今、申し上げた生殖毒性及び臓器毒性・全身毒性の箇所についてコメントが付されておりまして、ここに関して、先ほど申し上げた反復投与毒性及び生殖発生毒性としたほうがわかりやすいと。本当は、ディスプレイの方に表示できればよかったんですけれども、すみません、ちょっと巧く行かず。
○宮川委員 すみません。全体を含めて私の意見を申し上げますと、まず、基本的には、SDSが今、GHSの有害性のクラスに従ってつくられていて、それを使って現場で実際にリスクアセスメントをするというようなことが事業者に求められているわけです。なるべくモデルになるやり方でもってリスク評価をこちらでして、リスク評価書を公表するということに、一つ意義のあることかなと思います。そうすると、ここの文言もGHSの準拠のものにあわせるのがよろしいかなという気がします。
そうすると、臓器毒性・全身毒性のところですけれども、Target Organ Systemic Toxicityというのが英語の原文でTOSTと言っていたのがGHSだったんですけれどもけれど、今、ちょっとそれが変わっているのですが、でも、趣旨としては標的臓器毒性でシステミックなものという意味で使われているので、臓器毒性・全身毒性のほうが近いのかなという気がします。ただ、大きな問題ではないと思いますが、一応、意見です。
もう一つ、生殖細胞変異原性のほうですけれども、これは、やっぱり本質的な違いがありまして、実際は体細胞に対する影響しか見られていないデータがない場合が多いのですけれども、もともとの趣旨としては、生殖細胞に変異を及ぼして次世代の先天的な異常につながるようなものをチェックしましょうということで、これは世界的に生殖細胞変異原性に注目したSDSの記述が行われています。でも、実際としてはデータがなかなかないのが現状だというところがあるんですけれども。でも、次世代影響を重視するということで、生殖細胞変異原性という概念はやっぱり残していただくのがよろしいのかなと。もし、いろんなことがわかってくると、ああ、結構、こういうのが実際に人間でも起きていたんだということがわかってくる可能性もありますので、概念としては、ぜひ残してもらいたいので、この言葉は残していただきたい。
ただ、発がん性の評価に関連して、実際に体細胞での変異原性などをチェックされているわけで、そういうことを考えると、そちらを重視してもらいたいというのが、あるいは、そういう表現をすべきだというのが西川先生の御意見かもしれません。発がん性の評価の中で、実際はこのデータも使われていますし、生殖細胞変異原性のチェックをするのも、生殖細胞に対する影響だけではなく、体細胞でも相当程度やっています。文言の並びとしては、この書きぶりで生殖細胞変異原性という言葉を残していただいたほうがいいような気がいたします。
○大前座長 いかがでしょうか。遺伝毒性という言葉を入れなくていい。例えば、生殖細胞変異原性・遺伝毒性とか、あるいは発がん性・遺伝毒性とか。
○宮川委員 入れるのであれば、発がん性のところに、遺伝毒性のレベルでチェックするという意味で、発がん性・遺伝毒性を入れていただく。生殖細胞変異原性というのは、別なものなのものとして。
○大前座長 そういうことで、よろしいですか。発がん性・遺伝毒性ということで、遺伝毒性という言葉も残して、西川先生がおっしゃっていますけれども、これは残すと。主として体細胞がメーンだと思いますけれども。はい、ありがとうございます。
その次の53行目のところで、我々がやっているリスク評価は無影響量は使わないから、無影響量という言葉は要らないんじゃないかと、要するに、無毒性量だけでいいんじゃないかという御意見ですが、いかがでしょうか。そう言われてみれば、そうかなという気がしますよね、確かに。リスク評価は、あくまでも影響があるところの評価で、無影響のところは評価していないわけですから、確かに、そのほうがクリアかもしれませんね。論文によってはNOAELとLOAELとごちゃごちゃに書いているのがあることはあるんですけれども、それは、その時々に判断していけばいいということですので。
じゃあ、無影響量というのは、あるいは最小影響量も同じですけれども、これは消しちゃってよろしいですか。
 ありがとうございます。
それから、もう一個が71行目、これは同じですね。71行目のところは先ほどの議論と同じなので、73行目のところに発がん性・遺伝毒性というふうに「・遺伝毒性」を加えると。
○高田委員 そうしますと、下のほうの説明の73行目の発がん性のところも表現を直す必要性があるんでしょうか。
○大前座長 73行目ですね。これは、先ほどの「・遺伝毒性」を入れるとしたら、発がん性・遺伝毒性というふうにするということになろうかと思いますが。
○高田委員 説明も変える必要が。
○大前座長 説明もか。説明は、これはどういうふうに変えますか。
○宮川委員 よろしいですか。先ほどから生殖細胞変異原性にこだわっていますけれども、実際のリスク評価書の部分は、発がん性に関連して調べられた体細胞中心の遺伝毒性のデータが表で並ぶわけですね。それを何に使うかというと、一番大きな使い方は当該発がん性に閾値があるかどうかを考える場合なので、この発がん性の有無の後に遺伝毒性を考慮して当該発がん性の閾値なしを考えるというような、そういうところで、ちょっとそこに遺伝毒性という言葉を入れていただければ、現実に近い形に。
○大前座長 そうしますと、73行目は発がん性・遺伝毒性、74行目も発がん性・遺伝毒性の有無と当該発がん性に閾値がない場合という。ありがとうございました。
事務局のほうからいただいたのは以上でございますが、そのほか評価の手法につきまして、何か先生方のほうでお気づきのことがありますでしょうか。江馬先生の御意見、それから西川先生の御意見、それから先ほどの検討事項の1、2で、今、議論してきたわけですけれども、そのほか何かありますでしょうか。今、この場で見て言うというのは、ちょっとつらい話なので、また、もし何かあれば、事務局のほうに御連絡いただいて、必要に応じて改定していくということでよろしゅうございますか。
 それでは、今ありました議論に基づいて修正をよろしくお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 大変恐縮です。念のため確認をさせていただければ。ついていけていない部分が。
まず、33行目の生殖細胞変異原性は、元の形を残しておきますよと。そして発がん性の後ろに「・遺伝毒性」を加えます。生殖毒性及び臓器毒性・全身毒性の箇所は、維持でよろしかった。
○大前座長 ここのところ、そうだ、維持するかどうかとやっていませんでしたね。維持でよろしいですか。
○阿部中央労働衛生専門官 反復投与毒性及び云々というところにつきましては。
○大前座長 臓器毒性・全身毒性、リスク評価書では具体的には投与のところで書いてはいるんですが、このままでよろしいですか。現実的には、発がん投与毒性という形でリスク評価書はつくっておりますけれども、あまり大きな問題ではないのでという、そういうことですが。
○阿部中央労働衛生専門官 そうしましたら。
○大前座長 そこは、このままでということで。
○阿部中央労働衛生専門官 もともとの、生殖毒性及び臓器毒性・全身毒性のままとさせていただきます。
○大前座長 生殖発生毒性ね。青が生きですよ。
○阿部中央労働衛生専門官 はい、江馬先生のご意見は反映を。次の生殖細胞変異原性は。
○大前座長 元の形で。
○阿部中央労働衛生専門官 もとのままにいたします。
○大前座長 で、発がん性・遺伝毒性。生殖発生毒性及び臓器毒性・全身毒性。
○阿部中央労働衛生専門官 はい。すみません、発生毒性。失礼しました。生殖発生毒性及び臓器毒性・全身毒性とさせていただきます。
その後、無影響量の箇所につきましては、54、55ですね、「若しくは無影響量」の後、「若しくは最小影響量」のところを消すという形で対応させていただきます。
その後、71、72は影響なしで、73に「・遺伝毒性」を加えた後、74、75の説明部分につきましては、発がん性及び遺伝毒性の有無。どこか違いますか。
○大前座長 75のところに、発がん性・遺伝毒性の有無。
○阿部中央労働衛生専門官 発がん性・遺伝毒性の有無。はい。及び、当該発がん性に閾値がないと考えられている場合にはという形で、発がん性の後ろに、73行目、74行目、それぞれに「・遺伝毒性」を加えるという形で了解しました。できました。そのような形で修正した形でセットさせていただくようにいたします。ありがとうございます。
○吉成委員 36行目も。
○大前座長 36行目。
○吉成委員 生殖発生毒性にするということで、よろしいんですよね。
○大前座長 ああ、そうですね。36行目も、そうですよね。そのとおりです。
○阿部中央労働衛生専門官 すみません。はい。
 江馬先生の御意見のところは、反映させた形で入れさせていただくようにいたします。ありがとうございました。
○大前座長 それでは、一応、これで議事のほうは終わったということになると思いますので、そのほか事務局のほうから何かありましたらお願いいたします。
○阿部中央労働衛生専門官 次回以降の開催の目処について御案内をさせていただきたいと思います。といっても、具体的にはまだ決まっておらんのですけれども、次回、有害性評価小検討会につきましては、個々の物質につきまして有害性評価に順次着手できればと考えているところでございます。
時期の目処としては、今ちょうどテクノヒル、事務局の支援に入っていただいているテクノヒルのほうから日程調整等、各委員の方々に着手させていただいているところではないかと思うんですけれども、できれば7月の上旬あたり目処で、できるとよいなと思いつつ、各先生方の御予定にあわせて調整をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。その後、第3回、第4回と各物質についての検討を、8月はちょっと飛ばしまして9月、10月と、それぞれで調整をさせていただければと考えているところでございます。
また、詳細につきましては、日程調整の上で御案内等させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
○大前座長 テクノヒルのほうから多分、日程調整表が来ると思いますので、よろしくお願いいたします。
そのほか何かありますか、事務局のほうから。あるいは、先生方から何かございますか。よろしいですか。
それでは、本日の有害性評価小委員会を終了いたします。どうもありがとうございました。