第1回 生活保護基準の新たな検証手法の開発等に関する検討会 議事録

日時

平成31年3月18日(月) 10:00~11:30

場所

航空会館B1階 B101会議室
    (東京都港区新橋1-18-1)

出席者(五十音順)

議題

・新たな検証手法の開発に向けた検討課題の整理
・その他

議事

(議事録)

○矢田貝社会・援護局保護課長 定刻になりましたので、第1回「生活保護基準の新たな検証手法の開発等に関する検討会」を開催させていただきます。
座長の選任まで、私の方で進行をさせていただきます。
皆様方におかれましては、大変お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
お集まりいただいている委員の方々の御紹介を最初にさせていただきます。五十音順に御紹介させていただきます。
首都大学東京人文社会学部教授、阿部彩委員。
日本女子大学人間社会学部准教授、岩永理恵委員。
慶應義塾大学経済学部教授、駒村康平委員。
慶應義塾大学経済学部教授、山田篤裕委員。
オブザーバーといたしまして、国立社会保障・人口問題研究所の渡辺久里子委員。
続きまして、事務局でございます。
谷内社会・援護局長。
朝川総務課長。
申しおくれましたが、私、保護課長の矢田貝でございます。
あと、保護課の担当補佐が前の方に座ってございます。
それでは、最初でございますので、谷内社会・援護局長から一言、御挨拶を申し上げます。
○谷内社会・援護局長 社会・援護局長でございます。
本日の生活保護基準に関する検討会の開催に当たりまして、一言、御挨拶申し上げます。
委員の皆様には、本検討会の委員就任をお引き受けいただきまして、誠にありがとうございます。
皆様御存じのとおり、生活保護制度は国民の健康で文化的な最低限度の生活を保障する最後のセーフティーネットでございまして、これからも生活保護制度が有効に機能し、国民の信頼、納得の得られる制度であり続ける必要があります。とりわけ生活保護基準につきましては、社会保障審議会生活保護基準部会におきまして、専門的かつ科学的見地から定期的に検証をいただいているところでございますが、平成29年の検証におかれまして、様々な課題が指摘されたところでございます。このため、次回の基準検証に向けまして、様々な課題への対応を検討する場としまして、本検討会を開催することといたしました。
委員の皆様におかれましては、忌憚のない御意見を賜りまして、よりよい制度を一緒になって作り上げていただきたいと考えておりますので、それぞれの御専門の知見を存分に発揮していただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
○矢田貝社会・援護局保護課長 続きまして、議事に入ります前にお手元の資料について御確認させていただきます。
議事次第に続きまして、資料1で検討会の開催要綱。
資料2として、生活扶助基準における新たな検証手法の開発に向けた年次計画。
資料3として、新たな検証手法の開発に向けた検討課題の整理(案)。
参考資料1といたしまして、関係審議会等におけるこれまでの主な指摘。
参考資料2といたしまして、生活保護制度の概要等についてでございます。
机上配付資料で、3月27日に慶應義塾大学と社人研で共催いただくセミナーのチラシも入っているところでございます。
資料の不足等ございましたら。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、議事に入らせていただきます。
お手元の開催要綱、資料1をごらんいただければと思いますが、構成員のところにございますけれども、社会・援護局長は構成員の中から1名、座長に指名するということとさせていただいております。座長につきまして駒村委員にお願いしたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○矢田貝社会・援護局保護課長 それでは、駒村座長、よろしくお願いします。一言まず御挨拶いただければと思います。
○駒村委員 座長を承りました駒村でございます。よろしくお願いいたします。
座って簡単に御挨拶させていただきたいと思います。
今、事務局からもお話がありましたように、また、開催要綱にも書いてありましたように、5年に一度の生活保護の基準の検証を行っているわけです。今日、基準部会委員の山田委員も阿部委員もいらっしゃるわけですが、基準部会でありますけれども、やはり現行の基準の改定について色々悩むところがある。ここにも書いてありますとおり、例えば一般低所得者世帯との均衡のみで生活保護の水準を捉えていると、比較する消費水準が低下すると絶対的な水準を割ってしまう懸念があるのではないかとか、こういった不安、人生100年と寿命が延びていく中で老後期間が長くなれば、当然、消費水準を抑えていくこともあると思いますし、これから、あるいは現在進んでいる社会保障改革様々あるわけですけれども、そういったものも消費水準に影響を与えてくる可能性もある。
そういったものに連動して水準を捉えていくというのは、高度経済成長のときには非常に平均消費水準と扶助水準が上昇傾向でよかったわけですが、現在のような社会の中ではどうも下がり続けてしまうのではないかという心配がある。先ほど局長からもお話があったセーフティーネットとしての役割と、国民からの信頼と納得といった水準はどういう水準なのかということを改めて整理して、データも含めて議論していきたいと思っておりますので、委員の皆様よろしく御協力をお願いいたします。
ありがとうございます。
○矢田貝社会・援護局保護課長 では、以後の進行は座長の方から。
○駒村委員 では、今日の会議を進めていきたいと思います。
事務局から資料説明をお願いできますでしょうか。
○矢田貝社会・援護局保護課長 資料の方は初回でございますので、参考資料2でこれまでの経緯等もまとめてございますので、そちらも含めまして参考資料2、資料2、資料3の順番で御説明をさせていただければと思います。
最初でございますので、若干丁寧めに御説明させていただきますが、よろしくお願いいたします。担当の猪狩から説明させていただきます。
○猪狩社会・援護局保護課長補佐 それでは、資料を順に御説明させていただきます。タブレットの方でいきますと06参考資料2「生活保護制度の概要等について」というところから御説明させていただきます。
既に皆様御承知の内容もかなり多くございますので、必要に応じて御説明させていただきます。
まず、表紙の次のスライド1枚目、生活保護制度の概要というところです。御案内のとおり、生活保護制度の目的でございますが、最低生活の保障、自立の助長といったところを目的としているところでございます。このうち最低生活の保障というところにつきましては、資産、能力等あらゆるものを活用することが保護の前提でございます。また、扶養義務者による扶養などは、保護に優先されるといった制度になっているところでございます。
支給される保護費の額でございますが、こちらにつきましては厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給されます。この図で言います最低生活費、ここのところを定めるのが生活保護基準となっております。
続きまして、スライド2枚目ですけれども、生活保護基準の内容というところでございます。ここに書いておりますとおり、生活保護基準につきましては要保護者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別、その他保護の種類に応じて必要な事情を考慮した最低限度の生活の需要を満たすに十分なものであって、かつ、これを超えないものでなければならないということで、生活保護法第8条第2項に規定されているところでございます。
具体的には、このスライドの真ん中ですが、対応する扶助の種類ということで生活扶助から始まります8つの扶助、こちらから生活保護基準が成り立っているところでございます。
スライド3枚目は具体的な額でございます。それから、生活保護の手続、保護の実施機関、費用負担といったところが資料に書いてございます。
スライド4枚目です。直近の保護動向について簡単に御説明いたします。現在、生活保護受給者は約210万人、これは30年12月の速報値でございます。保護人員の動向としましては、平成27年3月をピークに減少に転じておりまして、現在も引き続き減少傾向にあるといった状況にございます。
それから、スライド5枚目が受給者の推移をグラフにしたものでございます。
スライド6枚目、年齢階層別の被保護人員の年次推移ということでございますが、このグラフのとおり年齢別の被保護人員としましては、65歳以上の高齢者の伸びが大きいということでございます。この構成割合につきましては右上でございます。65歳以上の割合が47.4%ということで、5割弱を65歳以上の方が占めているというのが現行の保護の動向でございます。
7枚目、こちらにつきましては、いわゆる世帯類型別に見た保護の動向ということでございまして、このリード文でございますが、世界金融危機以降、その他の世帯の割合が上昇したということでございます。近年は景気回復の影響により高齢者世帯以外の世帯は減少傾向となっておりますが、高齢者世帯については増加傾向にございまして、左のブルーのところが高齢者世帯となっておりますが、こちらが世帯数でございます。ブルーのところが増えているといったような状況にございます。
右が構成割合でございまして、先ほど人員で5割弱と申し上げましたが、世帯類型別に見ましても、直近の30年12月で54%ということで、5割以上を高齢者世帯が占めているといった状況にございます。
続きましてスライド8ページ目でございます。これは世帯類型別の対前年同月比の推移ということでございまして、高齢者世帯の伸びは鈍化しているものの、依然として1.9%ということで増加傾向にはあるといった状況です。その他の世帯類型につきましては、いずれもマイナスというところでございます。直近12月の動向で言いますと、総数ベースではマイナス0.2%ということで、やや微減傾向に転じている状況が見てとれる状況になってございます。
スライド9枚目は都道府県、指定都市、中核市別の保護率といった状況でございまして、左が都道府県別の保護率、これは指定都市、中核市も含んだ数字でございます。真ん中が指定都市、右が中核市でございます。御案内のとおり、生活保護につきましては都市部に被保護者が多いといったような状況でございますので、指定都市、中核市といったところの数字の方が若干大きいといった傾向がございます。
スライド10枚目は生活保護費負担金、実績額の推移ということでございまして、いわゆる事業費ベースでどれぐらい今、所要額がかかっているのかといった状況でございます。31年度当初予算ベースでございますが、事業費ベース、これは国、地方両方を含んだ額でございますが、3.8兆円ということで計上させていただいてございます。そこの縦のグラフは扶助ごとの割合でございますが、平成29年の実績額をみると、右から3つ目のグラフの色がオレンジのところが医療扶助でございます。48.6%ということで医療扶助が5割弱を占めているといったところです。それから、下のブルーのところ、生活扶助が31.6%でこれが3割強。住宅扶助が16.3%で1割強といったところで、そういった構成割合になってございます。
11ページ目以降がこの検討会の主眼であります生活保護基準についてということでございます。タイトルは最低生活費についてということでございますが、こちらは先ほど2ページ目のところで御紹介しました基準の体系を詳細にお示ししたものでございます。左のところ、生活扶助から始まっております住宅扶助、教育扶助とありますが、ここが8つの扶助でございます。
生活扶助につきましては、個人的経費の第1類費、世帯共通経費の第2類費が居宅に相当する基準生活費であり、それから、入院患者日用品費、こちらは入院されている方の基準生活費であり、また、介護施設入所者基本生活費、これは介護施設に入居されている方の基準生活費となっております。そのほか各種の需要に応じた各種加算というものが、これに上乗せされるといった構成でございます。
住宅扶助につきましては、家賃・地代ということで、こちらは実際に家賃がかかるということであれば、上限額の範囲内で実費をお支払いするといった形になってございます。
12ページから14ページは詳細でございますが、各扶助、加算の概要ということで、直近30年10月現在の概要と、一番右に30年10月の基準額をそれぞれ1級地-1の場合ということでお示ししているものでございますので、御参照いただければと思います。
15ページにつきましては最低生活保障水準の具体的事例ということで、世帯類型ごとの額を、それぞれ級地ごとに事例としてお示ししているところでございます。
16ページ目は生活扶助基準の改定方式の変遷ということでございます。先生方御承知のとおり、現行につきましてはマル5の水準均衡方式ということで続いてきているところでございます。基本的には一般国民の消費実態との調整を図るという方式でございます。この59年からの水準均衡方式に係る各審議会等の指摘につきましては、参考1、2、3でそれぞれ記載してございます。
17ページ目、ちょっと横になっておりますが、こちらが生活扶助基準の年次推移でございまして、いわゆる毎年度改定の部分、それから、5年に一度の定期的検証を1枚にまとめたものでございます。真ん中ほどの生活扶助基準の考え方、こちらの中の真ん中、改定方式が先ほど御説明した毎年度改定の方式でございます。そして、一番右の近年の定期的検証ということで、平成16年以降、おおむね5年に一度行っているわけですが、その定期的検証の年度、それから、左に矢印を引っ張りまして、それぞれの見直しの概要を書かせていただいているところでございます。
18ページ目につきましては、今、御紹介しました定期的検証におけるいわゆるモデル世帯、標準世帯における水準の検証の結果を1枚にまとめたものでございます。平成16年、19年、24年、29年と検証してきているわけでございますが、ここにおけるそれぞれの標準世帯、それから、一般低所得世帯として、どこを対象として検証したのか、それから、給付水準の検証の結果について、それぞれお示ししているところでございます。
なお、16年、19年、29年につきましては、それぞれ夫婦子1人世帯について検証を行っております。24年につきましてはいわゆる水準の検証は行っておりませんので、図として入っていないところでございます。
19ページ以降が、平成29年の検証の結果をダイジェストでまとめたものでございます。29年の検証におきましては生活扶助基準の検証ということで、まず夫婦子1人世帯をモデル世帯、標準世帯として、年収階級第1・十分位と一般世帯の平均の生活扶助相当支出と基準額を比較したということで、こちらについてはおおむね均衡していたという結果が得られたところでございます。
1の(2)の年齢、世帯人員、居住地域別に見た消費実態の検証につきましては、世帯類型によって高いもの、低いものなどのばらつきがあるといったところです。これは年齢、世帯人員、居住地域別にそれぞれ指数化して検証したというところでございまして、この指数につきましては次の20ページにそれぞれの指数、生活扶助基準がブルー、消費の実態が赤ということで書かせていただいてございます。29年度検証につきましては、この本体基準のほかに有子世帯の扶助・加算の検証ということで、ここに書いております児童養育加算、母子加算、教育扶助・高等学校等就学費等の検証を行ったところでございます。
21ページは重なりますけれども、見直しの概要でございます。21ページの下側、検証結果の反映というところでございますが、こちらにつきまして一番下のマル、政府予算においては減額する場合の幅は5%以内にとどめ、平成30年度10月から3回に分けた段階実施とするなど、激変緩和措置を講ずるということで、政府としてこのような反映をさせていただいてございます。
22ページ、23ページは、世帯類型ごとの見直しの影響をまとめたものでございます。
23ページの下、見直し影響世帯割合でございますが、今回の見直しにおける生活扶助が上がる世帯、変わらない世帯、下がる世帯、それぞれ推計値をお示ししてございます。全世帯でいきますと上がる世帯は26%、下がる世帯は67%、母子世帯でいきますと上がる世帯が61%、下がる世帯が38%といったような影響が推計として見込まれてございます。
最後に、24ページでございます。生活扶助基準以外に平成27年7月、それから、10月と11月に住宅扶助と冬季加算の見直しを行っておりますので、それぞれ概要について記載させていただいてございます。
参考資料2については以上でございます。
続きまして、本体資料2、タブレットでいきますと03資料2「生活扶助基準における新たな検証手法の開発に向けた年次計画」について御説明させていただきたいと思います。
表紙に続きまして次のスライドでございます。生活扶助基準の新たな検証手法の開発に向けた年次計画でございます。先ほど座長からも御案内がありましたが、部会における主な指摘というところで、まず最低限度の生活を送るために必要な水準とは何か、本質的な議論を行った上で、単に消費の実態に合わせるとの考え方によらず、理論的根拠に基づいた検証方法を開発することが求められるといったこと。それから、単一のデータの分析結果のみで判断するのではなく、最低生活費とはどのように考えるべきか、理論上の考え方を整理した上で、その理論を他のデータも補完しながら検証していくことが重要であるといったこと。それから、この新たな検証手法の開発に年次計画を立てて計画的に検討を進めていくといったこと。そういったことが求められたと認識しております。
そこで次期検証に向けての対応としまして、当面の検討の場として本検討会を設置した上で、以下の年次計画によって取り組んでいくことを考えているところでございます。
本局長検討会における主な検討事項ということで、グリーンのところですが、まず大きく3つ柱を立てております。
1つは、まさに本質的議論というところの最低限度の生活に関する考え方の整理。これがまず1つあると思っております。この最低限度の生活に関する考え方の整理とともに、この基準の検証に資する統計データの収集・分析方法の検討といったことが対になっての課題と考えております。
3つ目のマルでございますが、こちらにつきましては24年、29年と検証を続けてきておりますが、その現行の検証手法の課題、それから、その改善に向けた論点整理といったものもあわせて行っていくことを念頭に置いているといったものでございます。
こちらの課題につきまして、2020年度を目途に本検討会におきまして課題の整理、それから、論点の整理を行うといったことを考えております。この局長検討会における論点整理ができ次第、基準部会における議論につなげていくということで、このポンチ絵ですと2020年度の途中ぐらいから基準部会につなげていくこと、そして、その後、まず検証手法について部会の方で御議論いただきまして、それを取りまとめた上で2021年途中からデータを使った分析、具体的な検証作業に入っていくといったことを想定しているところでございます。
上の※でございますが、検証の過程で基準見直しの影響についても把握するということで、これは30年度から行っております基準見直しの影響、そういったものについてもあわせて把握していくといったことを示しているものでございます。
局長検討会におきましては、調査研究を同時並行で行っていくことを考えておりまして、ポンチ絵の下、オレンジのところですが、以下の調査研究を実施というところでございます。具体的な内容は次のページで御説明いたしますが、主には先行研究を参考としました最低生活費の試算、それから、生活保護受給世帯の消費支出の分析等を今年、来年とまず行っていく。その上で本検討会での議論も踏まえた上で、さらに調査研究を2020年度以降も引き続き行っていくといったことを想定してございます。
その下に※が2つありますが、2つ目の※、このほか級地制度のあり方についても必要に応じて検討を行うとありますが、これにつきましては基準部会報告書で指摘されておりますその他の課題につきましても、必要に応じて本検討会においても検討を行っていくといったことを示してございます。
続きまして、資料の2枚目でございますが、2019年の当面1年間のスケジュールということでお示ししているものでございます。上の半分、スケジュール案と書かせていただいておりますが、先ほど申し上げましたとおり、最低限度の生活に関する考え方の整理ということで、どのような視点、指標を踏まえるのかといったことについて整理を行った上で検証に資する統計データの収集・分析方法の検討といったものにつなげていく。この2つが大きな1つの固まりといったところでございます。
こちらにつきましては、まず今回は1回目ということで年次計画、それから、後ほど御説明します資料3の検討課題の整理を御議論いただきまして、具体的には2回目、3回目当たりで、まず最低限度の生活に関する検討ということで、概念的なところについて資料を別途お示しした上で御議論いただくことを考えております。
それから、諸外国研究マル1、マル2とありますが、こちらにつきましては現在行っております調査研究、公的扶助制度の現状というものを行っているわけですが、そちらにおける内容を御報告いたしまして、御議論いただくことを念頭に置いているところでございます。そういった内容を踏まえつつ、10月の第4回ですが、検証方法の検討といったところにつなげることを考えております。
その下の現行の検証手法の課題につきましては、3回目と4回目です。こちらは若干テクニカルな話も入りますけれども、現行の検証手法の課題の整理マル1、マル2というところで、別途資料をお示しした上で御議論いただくことを考えております。そして2019年度における最終的なところとして、議論の中間のまとめ、それから、2020年度に向けた議論として、どういった議論を行っていくのかという整理、そういったものを行っていくことを当面の1年間のスケジュールということで考えてございます。
下の箱でございますが、2019年度の調査研究の案でございます。2019年度、まさに4月以降ということになりますが、まず2019年度におきましてはこの3つを考えております。
まず主観的最低生活費の試算、それから、MIS手法による最低生活費の試算、こういったものを調査研究事業として行うことを念頭に置いてございます。3つ目のマルにつきましては、国内外におけるマーケットバスケット方式による最低生活費の算出事例の収集、それから、それらの算定方式がどういう考え方になっているのかといったものの分析、そういったものを別途、国の調査研究事業ということで行っていくことを考えてございます。
こういったことを通じて、最低限度の生活に関する検討の議論の材料に資することを考えてございます。
※でございますが、このほか2018年度の調査研究事業として行っております事業について書いておりますが、1つ目のポツ、2つ目のポツにつきましては、生活保護受給世帯の消費支出の分析、それから、社会的必需項目の不足に関する指標における生活保護受給世帯と一般世帯との比較分析、こういったものを現在行っておりまして、こういったものも本質的議論の検討材料の一つとできればと考えているところでございます。
3つ目のポツにつきましては、公的扶助の諸外国研究ということで、先ほど御説明した内容となっております。
一番下の※でございますが、2019年7月に家庭の生活実態及び生活意識に関する調査を実施する予定と書いております。こちらにつきましては前回、2016年に行いました家庭の生活実態及び生活意識に関する調査につきまして、本年7月に同様の調査を行うことを考えておりまして、こちらの調査の結果につきましても集計、分析等を行いながら、この検討会もしくは基準部会等の議論に材料にできればと考えているところでございます。
資料2につきましては以上でございます。
最後ですが、資料3、タブレットでいきますと04資料3「新たな検証手法の開発に向けた検討課題の整理(案)」ということでございます。
まず表紙の次の1枚目でございます。検討課題は事務局において議論の材料として整理させていただいたものでございます。主に4つに整理したところでございます。
まず検討課題1の「最低限度の生活を送るために必要な水準について」でございます。先ほど御紹介しました部会報告書の指摘でございますが、一般世帯との均衡のみで基準を捉えていると、比較する消費水準が低下すると絶対的な水準を割ってしまう懸念があるということからも、これ以上下回ってはならない水準の設定について考える必要があるといったこと。それから、最低限度の生活を送るために必要な水準とは何か。本質的な議論を行った上で単に消費の実態に合わせるとの考え方によらない検証手法を開発することが求められるといった指摘があります。
そういったことを踏まえまして、大きな検討課題としましては、まずこれは根本的なお話になりますが、貧困等の概念(絶対的貧困・相対的貧困等)のこれまでの概念、それから、関係審議会におけるこれまで行ってきました検証・検討の過程、その結果等を踏まえまして今日における最低限度の生活を送るための水準、これをどのように考えるかといったことが大きな一つの検討課題になろうかと思います。
括弧の下、参考として、貧困等の概念ということで、ここでは言葉だけ書いておりますが、これにつきましては次回の資料でそれぞれ整理したものをお示しすることとしておりますが、絶対的貧困に関する概念ということでラウントリーの一次貧困・二次貧困でありますとか、相対的貧困ということであればタウンゼントの相対的剥奪といったもの。それから、昨今のものとしましては社会的排除や、センのアプローチ(潜在能力アプローチ)、MIS等々が概念としてございます。
それから、関係審議会におきましても、これは昭和の時代から検討がなされてございまして、関係審議会の報告書につきましては、参考資料1で細かく関係部分の抜粋をお示ししておりますので、必要に応じてごらんいただければと思っているところでございます。
2つ目のマル、これ以上下回ってはならない水準について、価値観が多様化した今日の状況を踏まえつつ、どのように考えるかといったこと。これらが論点かと思います。
次のスライドです。検討課題2ということでございますが、検討課題1と連動する話ですが、そういった概念的なものを整理した上で、具体的な検証・検討を行うに当たり、これまでの検証手法との継続性等を踏まえた上で、どのような手法が考えられるかといったところでございます。
参考として、これまでの検証手法の例ということで掲げさせていただいております。こちらにつきましては、次回の資料の中で整理したものをお示しすることを考えておりますが、大きくは、必需品等の積み上げによる検討、これはマ・バ方式、エンゲル方式、MIS等があるといったところです。それから、いわゆる消費支出・消費構造からの検討ということで、これは現行の全国消費実態調査等を用いた検証、それから、家計実態消費アプローチといったものが提唱されているところです。
ちょっと系統は異なりますけれども、OECDの相対的貧困率につきましては、所得水準からの検討でございます。
これとは違うアプローチとしまして、生活の質(生活実態・生活意識)からの検討ということで相対的剥奪指標といったものがございます。それから、生活の質と収入の分析による検討としまして、これは平成13年の調査でありましたが、社会生活に関する調査による分析等々がこれまでにございます。
このようなことを踏まえまして、検証・検討の手法についてどのような手法、それから、データが必要となるのかといったところが検討課題2でございます。
参考としまして、これまでの使用データは御案内のとおりですが、家計調査、全消調査、そして社会保障生計調査は被保護世帯の家計簿調査でございます。それから、生活実態に関するものとしましては、今回も行いますが、家庭の生活実態及び生活意識に関する調査などを行ってきたところでございます。
以上が検討課題2ということでございます。
続きまして、検討課題3でございます。3と4につきましては、現行の基本的な枠組みを前提とした課題ということで考えております。
まず検討課題3でございますが、現行の生活扶助基準の基本的な枠組みと展開後の基準額の評価ということです。部会報告書の指摘でございますが、1つ目のマル、モデル世帯から展開することにより、様々な世帯類型における消費実態に生活扶助基準を合わせるというこれまでの検証についても検討が必要であるといったこと。それから、29年度の検証におきましては、夫婦子1人世帯、いわゆる標準世帯につきまして基準と年収階級第1・十分位の消費支出との均衡を確認したということがございましたが、そこから展開した各世帯類型における水準の検証については、検証を行うに至らなかったといったことを書いてございます。
こうしたことを踏まえまして1つ目のマルでございますが、あらゆる世帯に適用できる基準体系とするために、モデル世帯、これは標準世帯でございますが、その消費実態を基にした展開によって基準額を設定するという現行の基準の基本的な枠組み、これを改めてどのように考えるかといったところでございます。その際、展開後の基準額と一般国民の消費水準との格差の検証においては、検討課題1とも絡みますが、これについてどう考えるのかといったところでございます。
参考でございますが、29年度の部会報告書におきましては、いわゆる標準世帯であります夫婦子1人世帯では、年収階級第3・五分位、ちょうど真ん中の生活扶助相当支出額の約6割を超える見込みである一方、高齢者世帯ではこの割合が5割となるといったようなことが指摘されてございます。そのようなことを踏まえまして、この展開後の基準額をどう評価すべきなのかというのが最後のマルでございます。
最後に、検討課題4でございます。4ページ目でございますが、現行の検証手法の課題、これも様々指摘されているところでございます。この資料では主に事項だけを掲げさせていただいております。詳細につきましては3回目以降の資料でお示しすることを予定しております。
課題としては大きく4つあります。1つ目はまず水準の検証における比較対象の設定ということで、1のマル1が比較対象とする所得階層ということで、今回の第1・十分位の世帯を比較対象としまして基準との水準検証を行ったわけですが、ここについて改めてどう考えるかということです。それから、マル2が比較対象とするモデル世帯、標準世帯と一般世帯の消費との格差をどうするか。現行の標準世帯は夫婦子1人世帯ということで高さ比べ、水準検証を行っておりますが、先ほどの指摘を踏まえると高齢世帯についての水準の検証をどう考えるかといったことが論点としてあると思っております。
2番目は、年齢・世帯人員・級地別の体系ということでございまして、先ほどの指数のお話でございますが、こちらについてはそもそもの第1類費と第2類費の区分のあり方、それから、指数展開による検証手法のあり方、検証に使用する統計データのあり方、そういったものがこれまで指摘があった論点と認識しております。
3番目は、基準見直しの影響把握です。先ほどの年次計画にもありましたが、それぞれの基準見直しの影響を把握するための方法について、改めてどう考えるのかといったところがあるかと思います。
最後でございますが、その他の課題ということで生活扶助基準の定期的検証の年以外における社会経済情勢の生活扶助基準への反映方法、いわゆる毎年度の改定方法などが論点になると考えております。
駆け足でございましたが、資料の説明は以上でございます。
○駒村委員 どうもありがとうございました。
では委員とともに今回の検討会、今日は1回目ということでありますので、今の資料について皆さんと議論していきたいと思います。
ちょっと喉を痛めておりますのでお聞き苦しいところがあるかもしれませんが、お許しください。
資料1が開催要綱ということで、全体の趣旨というところでありますが、こういう問題意識でいきながら、ちょっと飛びますが資料3、これは今、資料1の趣旨をブレークダウンした具体的に何を議論していくのかということ。そして、資料2に戻りますけれども、この検討会でのスケジュールです。この後、部会とのリレーということになりますけれども、基準部会の議論に生かしていくという位置づけになっていると思います。
今日は最初ですので自由に御議論いただきたいと思っておりますけれども、まず趣旨あるいは資料3に関する問題意識を整理したものについて、委員の皆様から御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。山田委員、どうぞ。
○山田委員 生活保護基準部会にこれまで参加してきて、毎回かなり時間的な余裕はとったつもりでいるのでしょうけれども、かなりぎりぎりのスケジュールの中でやってきたという経験がありますので、それ以前にこういう検討会の形を設けていただいて、事前にデータの収集とか分析といった体制を組んでいただくというのは、ある意味では今まで非常にきつい時間制約の中で基準部会で検討したものを改善するという意味では意義があると思います。
そういった意味ではこの検討会に期待したいと思うのですけれども、もう一つ、実は基準部会で参加していてずっと感じてきたのは、生活保護基準というものが今回の資料でもありましたが、前回、基準が上がった世帯と下がった世帯というのがあるわけですが、例えば高齢単身世帯だとかなり下がった部分もあります。ですから、それ以前の生活保護基準の改定によって下がった世帯も少なからずありますので、今後の手法の検証というのも非常に重要だと思うのですが、事務局からも口頭では御説明いただいたと思うのですが、これまでの生活保護基準の変更が一体どのような影響を生活保護受給者に対して与えたのかということについて、これは基準部会でも再三色々と議論が出ていますので、そちらについても一つの大きな柱として取り組んでいただきたいと思います。影響が出ているかどうかわかりませんが、それによって悪影響が出ているということが確認できれば、それ自体が新たな検証手法の開発に結びついていくと思いますので、ぜひ生活保護基準の変更によって一体どういうような影響があったのかということは、一つの大きな柱だと思いますので、ぜひ今後の検討会の中で見ていきたいということになります。
私からのコメントは以上ですけれども、マイナーなコメントとしては資料3について、貧困等の概念を整理していくというのは非常にそもそも論から始めるということでぜひやっていただきたいことの一つだと思いますけれども、その中にMISというものが3つ目のマルの参考のところに入っていますが、MISというのは貧困概念というよりは、どちらかというと手法なので、ここに入れておくのは違和感を覚えましたので、マイナーなコメントですけれども、付言させていただきます。
私からは以上です。
○駒村委員 ありがとうございました。山田先生が整理していただいたように、資料3の幾つかのテーマは大きく2段階になっているのですけれども、前の方から並べられていて、一つの大きなこの検討会の目的である資料3の1ページのこれ以上、下回ってはいけない水準について、価値観が多様化した今日の状況を踏まえてどのように考えるか。新しい考え方を求めなければいけない一方で、特に3、4ですね。現行の決定方式についてはどうなのか。山田先生は、この現行の決定方式の評価をまずしなければいけない。改定のインパクトを見なければいけないというお話だったと思います。特に前回も我々基準部会でも悩んだように、3ページにあります展開した様々な世帯類型におけるという、この部分です。特に高齢世帯についてはかなり厳しい水準になっているのではないかという危惧があった。
ちょっと話題提供までに、最近気になるレポートが内閣府から紹介されているわけですけれども、内閣府の日本経済の現況、去年の夏ぐらいに発表されたものですが、高齢者世帯の消費構造を分析して、どういうふうに資産を取り崩して消費をしているのかという研究だったわけですけれども、前提としては自分の寿命から逆算してある程度のペースで取り崩そうとしているのですが、実際にはかなり寿命を長く読んで取り崩しのスピードを抑えている、消費を抑えているというレポートを出しています。しかもその前提は、今後入ってくる年金等の社会保障給付費は固定しているという想定を置いてですら、そういうふうに抑えているという結果が出ているわけですので、寿命が長くなったり今後の社会保障の見通しの不確実性が上がってくれば、消費を抑えてくれる。その抑えた消費と、また、それがこの水準等に影響を与えてくる、評価水準に与えてくるということを考えると、今の我々も毎回毎回悩みながら、しかも時間がない中で山田先生おっしゃったように決めてきた作業を改めて向き合って、そして、そこでどこを今の考え方から変えていかなければいけないのかということを考えていかなければいけないというお話だったと思いますので、この作業をするにおいても大事な切り口かと思います。
ほかの委員、いかがでしょうか。阿部委員、お願いします。
○阿部委員 ありがとうございます。
本当にこのような機会を設けていただいて、少し私たちも基準部会の委員としても余裕を持ってこの問題を考えることができるので、大変ありがたく思っております。
先ほどの山田委員の御発言と重なるところなのですけれども、この検討課題の中にこれまでの影響というのをきちんと抑える。そういったところで基準部会でもその都度、都度の毎回のちょっと変えていく、住宅扶助をちょっと変えていく、冬季加算をちょっと変える、生活扶助をちょっと変えるというのは見ているのですが、やはり平成24年以降の検証の間で少しずつ色々な部分が変わってきているのです。そのトータルなところの影響というのはやはり見る必要があるのではないかと思います。
そういった意味で山田委員が駒村委員と一緒に出された本の中で、生活保護世帯の消費のどこの部分が減っているかという分析をなさっていますよね。そのような分析でもう少し長いスパンのものが、次の生活保護基準部会の前までに出されるといいのではないかと思います。山田先生の本で例えば高齢者の交際費が大幅に減っているですとか、そういったところでどこの費目が影響を最も受けているのか。食費もたしか減っている項目の一つだったかなと思います。ですので、それを知る必要があるのかなと思いました。
それを生活扶助の本体の部分だけではなくて、恐らく住宅扶助ですとか冬季加算ですとか、そのほかのもの全部ひっくるめて、子供のある世帯では教育費のところもこのところ相当色々なところで手を加えていますので、そこら辺も踏まえて例えばこの1年の改革の中で教育費はふえたのかとか、子供にかける費用はふえてきたのかですとか、そのかわりどこかほかのところが減っていないかとか、そういったところはきちんと、これは恐らくデータを出さなければいけないかなと思いますけれども、ぜひ押さえていただきたいなと思いました。
あと、資料3についてですが、包括的な貧困の定義から言っていて非常にいいと思うのですが、貧困基準といったときに種類があると思うのです。一つは例えば相対的貧困率の算出に用いる貧困線のように、国民全体の貧困の動向を測定するためのものであって、それは測定のための数値というものと、必ずしもそこまで保障されるべきという数値は同じであるべきではない。同じでなければいけないという理由はないかなと思いますので、そういった測定のものと、あと、どのような人が貧困かというアイデンティファイ、特定するためのもの、例えばリプリベーションですとか社会的排除というのはそういったものかなと思います。
ですけれども、そういった方々が貧困の色々な影響、貧困というのは金銭的なものだけではないので色々な影響を受けているということで、こういう人がよりディスアドバンテージな状況にあるねということを、こういう人がいるねとはかるためのものではあるのですけれども、それと生活保護基準の最低生活費とはまたこれは別のものだと思うのです。というのは、最低生活費がより上回る所得を持っている方であっても社会的排除の方はもちろんあるわけですから、ですのでそういった色々な貧困の議論が一緒くたに議論されると、非常に混乱してしまうかなと思います。
私たちが検証しようとしているのは、保障されるべき金額ということでの最低生活費ですね。生活保護ですので。ですのでそこから論点をぶれずに話していく必要があるのかなと思います。
検証の方法にしても、例えば相対的剥奪指標ですとか、生活の質ですとか、そういったものではかることによって、今の基準の人と一般市民との生活がどれくらい違うのかということを出すことはできるかと思うのです。私、剥奪論者としてこういうことを言っていいのかわからないのですけれども、ですけれども、だからといって適切な支援なしに生活保護の被保護者の人たちの基準も上げたら、その人たちの生活の質が上がるのかという、そこはまだはっきりわからないわけなのです。
なので、最低限、生活に必要なお金、最低限という言い方なのですが、人間らしい生活をするために必要なものは何なのかという、そこからぶれずに話をすることが非常に重要で、それは例えばMIS手法なんかはそういう形をしているわけです。貧困をはかるわけでもないし、誰がないかということではなくて、人々が最低限の一般市民がこれは必要だねと思うものに一体幾らかかるのという観点でやっているという一つの手法であって、ですのでMISだけではないと思います。ですが、余り色々な貧困の議論をぶっ込んでしまうと、私たちは何をしようとしているのかがぶれてしまうと思いますので、私たちは最低生活費を算出しようとしているんだという、そこのところをぶれずにやっていただきたいなと思います。
○駒村委員 ありがとうございます。後半の部分の議論は非常に興味深い議論で、統計的に貧困を把握する考え方、OECDの基準なんかもありますね。それから、政策的に保障するべき貧困水準がありますね。それから、いわゆる困窮を把握するデータもありますね。ただ、困窮イコール経済的貧困や現金給付が必要だという話ともまた違うのではないか。そのところはちゃんと分けて意識しておかなければいけない。恐らく3月27日の慶應のシンポジウムでもそういう議論をしていただけると思うのですが、最後の部分については生活困窮者自立支援制度みたいな形で孤立しているとか、何を失っているということを少しフォーカスした政策も出てきているわけですけれども、我々の議論は、まずは政策的な意味での保障すべき生活保護の水準の話をまずはっきりフォーカスしましょうということだということで、どうしても発散しがちだし、もしかしたら傍聴されている方も非常に発散して見られるかもしれないけれども、まずはここでは生活保護水準ということにはフォーカスされていることは確認したいということだと思いますので、大変大事なことを御指摘いただいたのではないかと思います。
ほかの委員から御発言いかがでしょうか。岩永委員、お願いします。
○岩永委員 私は3人の先生方と違って、これまで基準部会に携わってきたわけではないことと、歴史研究をベースに研究活動をしてきたので、今回ここに参加するに当たってそもそも論というか、今、阿部委員が御指摘になった検討課題1とかかわる話なのですけれども、それに関連して3点申し上げたいと思います。
まず一つは、今の阿部委員のお話で最低生活水準を考えるということにフォーカスしようということはもちろんそうだと思うのですが、それを考えるに当たっても、その算定方法はこれまでも様々な方法がとられてきて、歴史的に見て、そして諸外国を見ても唯一正しいこの方式でばっちり、何でも説明できますというものは残念ながらないというのは共通の理解ではないかと思います。このように新しい検討の部会が開かれて、そういうものがあるのではないかと期待される方がいるとすると、そういうものは残念ながらない。しかし、幾つかのものを組み合わせながら、今日も御紹介くださった資料の中にもあるように、これまで使われてきた方法とか今まだ使っていない方法も考慮に入れて、幾つかの方法で検討して基準を算出していくという、それしかないのだろうなと思います。
ただ、その際に現行使っている水準均衡方式というのは、検証がセットになっているので、その検証をするということと、算出の算定方式というのは別のレベルの議論なんだということは、私の頭の中でもぐちゃぐちゃしてしまうことがあるので、確認しておきたいなというところです。
2点目は、山田委員がおっしゃられたことと同じで、検証という場合に前回の基準部会の報告書でも強調されて、今日も説明してくださったように、現在、生活保護を利用している世帯の生活実態を見ることは不可欠だと思います。ここで一生懸命、最低生活について議論をしても、生活保護を利用している世帯において、最低生活が保障されていないのであれば、本質的に意味がない議論になってしまうので、これが実現できていることを確かめた上で、次の議論に進んでいくことは必要ではないかと思います。
その際に、3点目として、これまで部会で何人かの委員が指摘されたりしていたこともあったと思うのですけれども、私も重要だと思うのが、実際の世帯の生活を考える上では、生活保護の法の運用が大きくかかわると思います。つまり収入認定とか資産認定、資産保有の限度というのは生活水準を大きく左右するということです。
運用上の実際は、最低生活費は一定の幅があると捉えて運用していると思うのです。一方で歴史的に見ると、生活保護基準というのは1円でも下回ると最低生活を下回ってしまうというふうに考えてきていて、今ちょっと考え方が変わったのかなと思っているのですが、少し幅があると捉えていると思います。でないと説明がつかない。例えば不正受給とか過払いとかした場合、それを徴収するということをしていたり、住宅扶助基準が住宅費に足りない場合は生活扶助基準からの持ち出し、生活扶助費からの持ち出しで支払いさせて居住可能としている。そういう運用をしているというのは、最低生活費に幅があるという考え方をしないとできないことかなと思います。
実際にそう認識が変わっているのだとすると、ここで議論する最低生活費というのも、ある程度幅があると考えるべきだし、その幅を見込むことも必要ではないかと思います。その幅のある基準を実際にどのように運用するのかと考える部分もあるのですが、そこを考えることも重要ではないかと今回、改めて検討課題を整理していただいている資料を見て考えました。
以上です。
○駒村委員 ありがとうございます。
前半部分というのはまさにここにいるメンバー、基準部会にいるメンバーが悩んできた話でありまして、唯一絶対の方式がないということで、悩みながら議論していかなければいけない。探索的な方向で進めざるを得ないだろうということだと思います。
2つ目の実態をよく評価しなければいけない。これは従来から水準均衡方式でやっている際に、本当に最低限の生活を保障できる、実態的に大丈夫なのだろうかという議論は常に悩んできたわけですけれども、今、岩永委員の御指摘のところのもう一つの部分、幅の部分、運用と幅の部分とあらゆる制度は運用があり、幅があるということは起き得るテーマだと思いますが、これについてどう考えていくか、この話について今までなかった切り口なので、また引き続き議論をしていこうとは思います。どういうやり方があるか、またお知恵をいただければと思いますけれども、オブザーバーの渡辺さんから何かありますか。
○渡辺委員 今までの先生方からコメントいただいたことの補足というか、追加のような形になるのですけれども、1点目は最初、山田委員からも御指摘のあった、それから阿部先生からも御指摘がありましたが、これまでの改定の影響を見るに当たって、これから向こうまた3カ年で改定が進むところではあるかと思いますので、その影響がちゃんとキャプチャーできるように今からちゃんと調査項目を入れておいて、後から検証可能なようにしていくということはあるのではないかと思いました。
それから、阿部先生からのコメントで、OECDの相対的貧困というところと最低限生活しなければならない水準というのは異なる場合もあるという御指摘がありましたが、そういった意味では資料3の2ページ目のところに、検証手法の例というところで所得水準からの検討、OECDの相対的貧困率というところで挙げられていますけれども、OECDの貧困率というのは指標としては、国際比較としてはかなり簡便ですし、今、日本が諸外国と見てどういう位置づけにあるのか検証するというところでは有用ではあると思いますが、これは完全に所得分布に依存して統計的に貧困線が出てくる。なので所得分布が左にシフトすると、その分、貧困線も下がっていってという完全に機械的に貧困線を導き出しているだけであって、そこに最低限度の概念は含まれていないというところからすると、今回、最低限度の生活を検証するというところにおいては、少し離れたところにあるのかなと思いました。
以上です。
○駒村委員 ありがとうございます。
今のお話は、まさに先ほどの議論を少し丁寧に解説していただいた部分かなと思います。まさにOECDの相対的貧困の話で議論されることもあれば、色々な使われ方があるので、この使い方は気をつけなければいけない。それに比べて現行の生活保護の水準はどうなのか。ある標準世帯と比較してバランスがとれています。そこから世帯の消費パターンを展開したパラメーターを割り当てていく。その割り当てた結果、給付水準が変化をしてくる。それを統合してもう一回評価すると世帯類型ごとによって水準がまた変わってきている。それを2回ほどこのパラメーターの変更、もう一つはCPIへの調整の部分があったわけですけれども、基準部会としては主にパラメーター、展開の指数の展開についての評価を行ってきて、この方法でよかったのかどうなのか。この方法によってどういう影響が出ているのかというのをまず検証しなければいけないだろう。
もう一つは、先ほど岩永先生がおっしゃったように、唯一無二の正しいものがあるわけではない。ここで様々な扶助制度があり、そして、そこで使われているデータや検証方法も様々であろうと思います。その中でヒントになるものがあるのだろうかということをこれから探索していかなければいけないということになるのですけれども、スケジュールの方で資料2、次回のスケジュール案の4月から6月の間の第2回で行われる諸外国研究ということで、ここである程度今、情報が集まったものが出てくるのだろうと思いますが、これはあれですか。事務局から第2回の何か展望というか、用意され得るもの。検証レベルまでの情報を我々は集めなければいけないということになっていますけれども、いかがでしょうか。
○猪狩社会・援護局保護課長補佐 これにつきましては現在取りまとめ中という段階なのですけれども、どこまでの粒度で調査すればいいのか我々も思案しているところでございますので、まず今の段階で諸外国における最低生活費の決め方、そういったものを収集しておりますので、これを御報告した上で、もしもう少し深掘りをした方がいいというお話があれば、さらにそういったことを研究していくことも考えてまいりたいと思っているところです。
○駒村委員 外国研究が2回ほど続いていくことになるわけですけれども、扶助の仕組みは国によって様々、守備範囲や制度が異なったりしている。調査に行くと制度の概要はすぐわかる話で、時々改正があるわけですが、ただ、その設定されている水準がどういうふうに計算されているのか、どういうデータで計算されているのか、国によっては参照している水準がもう少し高いのではないか。ただ、日本と比較するべきデータが違うので、単に下から何%という議論をしたところでデータが違えばそれは当然ながら意味が変わってきてしまう。そういう使っているデータの部分までよくよく見て議論をしていかなければいけない。ほかの国が80%水準だとかもし仮に出たとしても、それは使っているデータの質によっても違ってくることもあると思いますので、この辺は紹介する際もよくよく思索していかなければいけないと思いますけれども、委員の皆様から何か外国研究において注意しておくべき視点とか、着目していくべき視点とか、何かありますでしょうか。この辺は事務局に、事前にこういう点は留意しておいた方がいいよとかいうものはありますか。
○山田委員 今、委員長の話ともかぶりますけれども、公的扶助制度といっても対象とする人口集団が違うというのは非常に大きいと思うのです。例えば日本の場合には生活保護という1本の制度で全ての世帯類型をカバーするという形をとっていますが、国によっては特定のカテゴリーの人たちが対象になっているという場合と、もう一つは、一般扶助のような形で全ての世帯類型を対象とするような方式はとっているのですけれども、実態上は高齢者しか利用していないとか、ですから一体どのような人口集団を対象としているかというのがもう一つ、それは注意して見ないと制度の実態と成果を国際比較するのは難しいということが1点。
もう一点は、何を参照しているのかというのが私は非常に重要だと思って、日本の場合には生活保護制度というものを、色々なほかの制度が参照する制度になっているわけです。生活保護基準が変われば就学援助とか諸々ほかの制度が変わっていくわけですけれども、必ずしも何を参照しているのかということに関しては、諸外国ではそうなっていない可能性がある。最低賃金を参照している場合もありますし、年金を参照している場合もあるということで、もう一点、注意していただきたいのは給付水準が何をベースに設定されているのかというのを見ていただきたい。
さらにもっと突き詰めて言えば、例えば最低賃金を参照している、もしくは年金を参照しているとすれば、最低賃金とか年金というのが具体的に人々のどういう生活水準を想定して設定されているのかという、そこまでわかって初めて色々な前提というか、色々な留保を置いて日本の生活保護制度との比較が可能になると思いますので、もし諸外国研究を御紹介いただくのであれば、そういったところまで踏み込んで御報告いただくと大変参考になるのではないかと思います。
私からは以上です。
○駒村委員 ありがとうございました。
阿部委員、お願いします。
○阿部委員 それと同時に、これも恐らくどの国を選んでいるかによってすごくあると思いますけれども、ほとんどの国はパッケージでやっているわけです。その対象者も同じ対象者でないので、これはとれるけれども、こっちはもらえないというような人によって違ったりするわけなのですが、ですので例えばアメリカなんかを選んでしまうと、すごくそれは比べるのが大変になってくるなと思います。
1つヨーロッパ諸国では違うのが住居のところかなと思っていて、公営住宅ですとか住宅の補助、家賃補助とかが入ってくるので、そういったものに対してどれくらいの補助があるのか。それから、子供のある世帯に関して言えば教育費がどれくらいかかるかというのも、全然日本とヨーロッパ諸国では違うので、教育費が大学まで無償の国であったらば、そんなことを生活保護の中で考えなくていいわけですから、そこはカットしてしまっているわけなのです。なのでたくさんの国を並べなくていいと思うのです。少ない国でもいいので、トータルパッケージとして何が国から保障されているのかという、それを見ていただければなと思います。
あと、光熱費補助をやっているところもありますし、アメリカのようにフードスタンプのようなものをやっているところもあるので、本当に大変かと思いますが、この作業は重要なので、ぜひそこをお願いしたいと思います。
○駒村委員 ありがとうございます。広い意味で社会保障制度、税制も、それから、もっと広い意味で社会経済全体の様々な費用負担の問題も考慮して評価していかなければいけない。時々ある研究というか、いいのかどうかあれですが、生活扶助、公的扶助だけ取り出して、その扶助水準の国際比較をやりますとか、扶助額の国際水準をやりますとか言っても、それは非常にバランスを逸しているというか、部分だけ切り出した議論になりがちだという点については、気をつけなければいけないというお話だったと思います。
岩永委員、お願いします。
○岩永委員 先ほど自分の発言との関係で申し上げると、資産運用をどのように認めているのかというのをぜひ調べていただけると、参考になるのではないかと思います。最近、ユニバーサルクレジットについて調べていたのですけれども、ユニバーサルクレジットの場合は資産保有1万6000ポンドまでを上限として認める。ただし、それは条件つきで、そこから幾らか使うことを念頭に置いて資産保有を認めている。所得があるものとみなして給付額は減額される。減額されない上限が6000ポンドと決めている。資産保有は認めるのだけれども、上限以上は自分の生活に使っていくことを念頭に置いているということが書いてあって、おもしろいなと思ったのですけれども、資産保有を認めると言っても色々な形があるのかなと思うので、諸外国でどのようになっているかというのを知りたいと思いました。
○駒村委員 扶助の水準だけではなくて、資産保有の状況も影響を与えてくるだろうという御趣旨だと思います。
渡辺委員から何か、海外についてはありますか。もしあれでしたら。
○渡辺委員 特段ありません。
○駒村委員 あと時間が10分ぐらいしか残っておりません。今後の進め方について委員のほうからほかに指摘しておきたい点とかありましたら、ぜひこの際ですから御発言いただいて、先ほど山田先生がおっしゃった、また、阿部さんもおっしゃった早目に準備をしなければいけないよということなのですが、山田委員、どうぞ。
○山田委員 実は同じことをリフレーズしようと思っていたのですけれども、渡辺委員からも生活保護基準の影響が改定で把握できるようにということとなると、基準部会より先行してこの検討会が始まっているので結構時間的に余裕がありそうに見えて、実は色々な調査の中に調査項目を入れ込んで、その影響を見なければいけないとなると、かなり早目早目にやっていただかないと、検討会が先行しているからと言っても、実は時間的な制約は厳しいのではないかということです。
あと、特に生活保護を受給している人に対する影響というのも重要なのですけれども、もう一つお願いしたいのは、生活保護基準を変えるとそこの制度を受給したりとか、受給しなくなって生活保護制度から出ていったりというところも当然変わってくると思うのです。例えば勤労控除なんかもそうですが、そこを変えると資料によって生活保護制度から出ていってしまう人とか、逆に中に入ってくる人とか。そういう意味で制度をどういうふうに出入りしているかというところまで、ひょっとしたら生活保護基準の影響によって変わってきている可能性もあるので、色々と制約も多いと思うのですが、そこまで見ていくことは重要かなと思いました。単に生活保護基準の変動というのももちろん重要なことでありますけれども、生活保護制度を出入りする、特に出ていった人がまたすぐに戻ってくるというのであれば、またこれは制度の趣旨としていかがなものか。自立の助長という面ではいかがなものかということもありますので、そこについても目配りしていただきたいという、これはお願いです。
私からは以上です。
○駒村委員 ありがとうございました。
ほかはいかがでしょうか。この際ですから、こういう視点も大事なのではないかという意見はありますか。
前回の検討のときでも世帯類型別に見た検証まではできなかったと。事務局から配付いただいた参考資料2を見ると明瞭になってきているわけですけれども、我々は標準世帯、現役勤労世帯を1つの従来からこれがベンチマークになってきて、これを基準に物事を考えてきたわけですが、実際には圧倒的に高齢世帯が受給者になってくるので、この辺は山田先生としては何かあのときの議論も振り返ってみて、あのときは5割でしたかね。これについては何か御意見はありますか。
○山田委員 モデル世帯を新たに高齢者世帯に設けるというのは、概念的には可能だと思うのですけれども、技術的に一般世帯と接合させるという面では技術的な難しさはあると思います。ただ、展開の結果、こういうふうにかなり5割台という数値が機械的な展開によって出てきてしまうとなると、将来そこにひきずられることがないように、高齢者世帯についてもあるべき最低生活費というのは、きっちり把握しておいた方がいいと思います。
実際に阿部委員からも言及がありましたように、かつての老齢加算の廃止によって被保護の高齢者の生活費のパターンというのは大きな影響を受けましたし、もう一つ、実はOECDの相対貧困線で見た貧困率と、生活保護基準で見た貧困率は、これまで大体似たような動きをしていたのですけれども、老齢加算を廃止したおかげで実は物すごくOECDの相対的貧困線と高齢者の最低生活費で見た貧困率は、乖離が大きく出てきてしまったというのがありますので、技術的に1類、2類の表でうまく接合させるのは難しいかもしれませんけれども、別途、高齢者の最低生活費を見ていくことは駒村委員、御指摘のように重要なことだと思います。
○阿部委員 高齢者世帯ももちろんおっしゃるとおりだと思うのですが、子供のある世帯についてもたしかモデル世帯は子供の年齢がすごく小さいのです。親の年齢もすごく若くて、今はもうそんな人ほとんどいないだろうという年齢層なのですが、この一連の改定の中で小さな子供のところは相対的に引き上げられていると思うのです。ですが、よりこれから充実をしなければいけない中高年齢層の子供のある世帯に影響が出ていたというふうに思います。ですのでいわゆる勤労世帯、夫婦子1人も一様ではないのです。そういったところで違う、特に生活保護からの子供世帯の自立ということを考えたときには、もう少し年齢の高い層、16、17歳ぐらいの子供がある世帯というのを見ていく必要があるのではないかと思っています。
○駒村委員 心配な部分は、相対で見て基軸を決めてしまって、それを展開するとかなりきついことが起きている。例えば先ほどの高齢の話もそうですが、高齢自体がかなり厳しい、一般世帯も厳しく抑えているにもかかわらず、さらにそれよりも厳しく設定されてしまっているということで、かなり深刻な問題が起きているのではないか。それも一般世帯においても同じようなことが起きている。そこのところをもしかしたら我々前回も悩んだわけですけれども、現在の資料3の1ページ、これ以上、下回ってはいけないという水準を下回りかねないのではないかという心配が常に出てきているわけでありまして、そこを常に見ていかなければいけないと思うのですが、この点、何かほかにもありますか。歴史的な観点から見て、標準にする世帯というのは時々変わってきたということなのですが。
○岩永委員 先生方がおっしゃるとおりで、下回ってはいけない水準を下回っていそうだという50%というのが出てくると、おっしゃるような議論だと思います。一方、モデル世帯とか標準世帯というのは一般の国民の標準世帯、3人世帯が標準なのかと言われるとそれもちょっと困ってしまうのですが、生活保護というのは一般の市民にとっての最低生活という意味を持たせるために、この標準世帯を置いてきたと思うので、そのことの意味はすごく大きいと思います。理念としての意味は。ただ、おっしゃるような問題があって、今の方式でやっている限り、そこを軸にして展開していくことをやめるのか、続けるのかという大きな悩ましい問題があるのだろうなと思います。
そのときに、3回目以降で現行の検証手法の課題の整理というものをしてくださると思いますし、今日の参考資料2の17ページ、18ページとかでも、検証結果はこうだよということは示されているのですけれども、その時々で微妙に、検証方法が違っていると思うのです。この3回目以降などの資料で、その時々にどういう観点からどうしてこういう方法で検証してきたのかというのと、この部分は検証してきたというようなことがわかるような資料をいただけると、私としては、検討会の議論を一度追っていったつもりではあるのですが、頭の整理ができるなと思います。
○駒村委員 我々ここの3人はこれまでかかわってきたわけで、報告書には主に全国消費実態調査を使った分析ですので、あのとおりにやっていただくと分析が検証、復元可能になるように、分析のプロセスはなるべく基本的には全部載せているつもりではありますけれども、御指摘のように多少変えてきた部分があるのは事実でありますので、これは事務局に整理していただくことになるかと思います。
そろそろ時間もなくなってきました。委員から追加で御発言ありますか。よろしいですか。
そうしましたら、事務局にマイクを戻したいと思います。
○矢田貝社会・援護局保護課長 ありがとうございました。
次回以降、本日いただきました御意見を踏まえまして、また事務局の方で資料を準備させていただいて、御議論を続けていただければと思っております。
次回の日程につきましては調整中でございますので、追って御連絡させていただきたいと思います。
それでは、本日の検討会は以上とさせていただきます。ありがとうございました。