技能実習評価試験の整備に関する専門家会議(第33回)議事要旨

                                人材開発統括官海外人材育成担当参事官室

○日時 平成31年4月8日(月) 15:00~16:05

○場所 厚生労働省 共用第8会議室(11階)

○出席者
  岡本委員、岡野委員、椎根委員、冨高委員、羽柴委員
  厚生労働省人材開発統括官海外人材育成担当参事官室、出入国在留管理庁在留管理支援部在留管理課
  外務省領事局外国人課、外国人技能実習機構、公益財団法人国際研修協力機構
  (建築板金職種関係)全日本板金工業組合連合会、一般社団法人日本金属屋根協会、経済産業省
 
○議題
 (1) 建築板金職種(内外装板金作業)の3号整備について

○議事
 1 建築板金職種(内外装板金作業)の3号整備について
 ○ 全日本板金工業組合連合会及び一般社団法人日本金属屋根協会より概ね以下のとおり説明があった。
 ・ 建築板金職種(内外装板金作業)の技能検定は、昭和34年に板金工(建築板金作業)として新設されて、
  昭和57年から内外装板金作業とダクト板金作業に分かれて現在に至る。平成29年に2号移行対象職種に追加
  された。
 ・ 建築板金施工は、材料加工、取付・組立、最後に完了検査という流れになる。大きな物件の場合、元請と
  言われるゼネコン、ハウスメーカー、工務店等が受注して、多くの板金業者は下請として、1次、2次、3次以下
  という形で仕事を請け負う。一般住宅のリフォームや雨漏りの修理は、板金業者が直接お客様から受注する
  こともある。受注に当たっては、元請から施工図面が示されることもあるが、板金業者はそのような事前の施工
  の準備を行うこともある。
 ・ 建築板金職種の作業の定義は、建築物の内装(内壁、天井等)、外装(外壁、屋根、雨どい等)に係る金属製
  内外装材を加工し取り付ける現場施工作業をいう。
 ・ 必須業務について、技能実習1号は初心者が行うような作業で、平板を切断したり曲げたりする単純な板金
  製作作業、これに伴う加工用の機械の操作作業や器工具の取扱い作業を実習する。技能実習2号では、
  屋根・雨どい、壁・天井、飾り金物に関する外装作業、内外装作業、製作・取付作業、接合作業、内外装板金
  製品の組立、これらに伴う機械の操作・調整作業及び工具の取扱い作業が必須業務となる。
 ・ 3号に関しては、2号の作業に加えて、屋根・雨どい等の外装作業、壁・天井等の内外装作業、飾り金物の
  製作・取付作業について、複雑な作業が加わる。
 ・ 安全衛生作業については、作業に当たっての労働安全衛生、特に建築板金職種において必要なものを確認
  及び教育していく。
 ・ 関連業務については、ダクト板金作業、厨房の諸々の道具の施工作業、特別教育が必要な若干高度な溶接
  作業等をする。
 ・ 使用する素材(材料)について、金属材料として、鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板(亜鉛鋼板)、塗装溶融亜鉛
  めっき鋼板(着色亜鉛鉄板)、銅板も含まれる。最近注目されている硬度のあるチタンなども使用する素材と
  して挙げられる。その他、材料として、屋根・外壁材、断熱材、防音材、シーリング材、接着剤が挙げられる。
 ・ 保護具について、安全帽(ヘルメット)、安全靴、墜落防止装置(安全帯)、防じんマスクを記載している。
 ・ 必須業務の2号と3号の違いについて、段取り作業では、2号では道具の準備等が主な仕事だが、3号に
  なるとはしごを使用する、敷板を敷くといったことが含まれてくる。曲面のある切断・曲げ等による板金製作
  作業では、2号は材料をパイプに押し当てて板を丸く仕上げるが、3号では建物の角の部分のような、外観を
  つかさどるものを作ることが必要になる。屋根・雨どい等の外装作業では、2号は屋根を並べる作業で、3号に
  なると、折板屋根と言われる板と板の間にグラスウール等を挟んで断熱効果を上げた複雑な形状の屋根の施工
  となる、壁では、2号はビス留めの立張り、3号になると、開口部と言われる窓廻りやドア廻りの雨漏りが
  しやすい所の施工が含まれる。壁・天井等の内外装作業では、2号はボードと言われるものを天井に貼り付け
  る作業だが、3号になると、人が直接触れる地下道壁の施工となる。飾り金物の製作・取付作業では、2号は
  銅板の屋根の飾り金物の桟鼻の取付作業だが、3号になると、複雑な形状の鬼板を加工して取り付けるところ
  までの作業となる。内外装板金の接合作業では、2号でははんだによる接合やはぜ組みによる接合だが、
  3号では、はさみなどを使用しないで屋根板の棟に当たる角の部分を加工する八千代折りや、雨漏りするので
  失敗の許されないリベット打ちとなる。内外装板金製品の組立て作業では、2号は手工具で仮締めを行い、
  3号では、2号で仮締めしたものを機械を調整しながら、しっかり留め付けて、雨漏りがないような仕上げを
  する。内外装板金用機械の操作及び調整作業では、2号では比較的短い尺の屋根材などの加工作業で、
  3号で、長尺の屋根材などについて、20段近くあるロール成形機で成形加工を行う。内外装板金用器工具の
  取扱い作業では、2号は手動式の加工用器具で、3号は菊絞りなど素材との相性を見極めつつ微妙かつ繊細な
  取扱いを求められる器工具の取扱いとなる。
 ・ 実技試験について、随時3級と随時2級では製作するものの形状に違いがある。
 
 ○ 同団体からの説明に対し、概ね以下のような質疑があった。
  委員)技能実習2号と3号の違いで、3号になると括弧書きで「複雑なもの」という記載があるが、「複雑な
   もの」の意味するレベル・内容について、時代とともに変化して、業界の中での理解にばらつきが出てくる
   ので、統一化が図れるような工夫が必要である。全部を書き出すのは難しいと思うが、関係機関でコンセン
   サスが取れる程度に、客観的な基準を示し、業界の中だけではなく、関わる会社など関係ある人たちにそれが
   伝わるよう、周知すること。
  説明者)御指摘の対応について検討したい。
 
 ○ 検討の結果、建築板金職種(内外装板金作業)の3号整備について、了承された。
 
(以上)