平成30年度第1回化学物質のリスク評価に係る企画検討会 議事録

厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課化学物質評価室

日時

平成30年9月3日(月)10:00~11:02

場所

労働委員会会館 講堂

議題

  1. 平成32年有害物ばく露作業報告対象物質の選定について
  2. その他

議事

 
○増岡化学物質評価室長補佐 定刻となりましたので、ただ今より第1回「化学物質のリスク評価に係る企画検討会」を開催いたします。本日は、委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 まず、委員の異動と出席状況について報告いたします。
 これまで、座長を務めてこられました櫻井委員に代わりまして、慶應義塾大学名誉教授の大前先生が委員として就任されましたので、御報告いたします。
 委員の出席状況につきましては、堀内委員から所用により欠席との御連絡をいただいております。
 また、事務局にも異動がありましたところ、紹介をさせていただきます。
 化学物質対策課長の塚本でございます。
〇塚本化学物質対策課長 塚本です。よろしくお願いいたします。
〇増岡化学物質評価室長補佐 化学物質評価室長の川名でございます。
〇川名化学物質評価室長 川名でございます。よろしくお願いいたします。
〇増岡化学物質評価室長補佐 評価係長の大内でございます。
〇大内評価係長 大内と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
〇増岡化学物質評価室長補佐 そして、私は化学物質評価室長補佐をしております増岡と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入る前に、まず、座長についてお願いをしたいと思います。
 櫻井座長が退任されましたので、新たに座長を選任する必要がございます。事務局といたしましては、大前先生にお願いしたいと考えておりますがいかがでしょうか。
(異議なし)
 それでは、大前先生に座長をお願いすることといたします。
 早速ではございますが、以下の議事進行につきましては座長よりお願い申し上げます。
〇大前座長 大前でございます。今回のメンバーで、新しく入ったのは私だけでございまして、皆さん、もうずっと続けていらっしゃるので、新規参入者が座長になってよいのかという疑問は若干ございますが、選任されましたので努力したいと思います。よろしくお願いいたします
 それでは、早速議事に入ります。
 最初に本日の資料の確認をよろしくお願いします。
〇増岡化学物質評価室長補佐 本日資料として3つ、参考資料として6つの資料を用意してございます。まず、資料でございますが、資料1「今後のリスク評価対象物質・案件の選定について(案)」、資料2「パブリックコメントによる候補物質又は案件の意見提出状況」、資料3「平成32年有害物ばく露作業報告検討物質の情報」です。参考資料といたしまして、参考資料1「化学物質のリスク評価に係る企画検討会開催要綱・参集者名簿」、参考資料2「労働者の健康障害防止にかかる化学物質のリスク評価方針(平成30年度)」、参考資料3「職場で使用する化学物質の発がん性評価基準骨子」、参考資料4「これまでのリスク評価の進捗状況一覧」、参考資料5「表示・通知義務対象物質で、IARCグループ1~2Bであるが、特化則で規制されておらず、有害物ばく露作業報告が未実施のもの」、参考資料6「平成30年度のリスクコミュニケーションの進め方について」、資料としては以上でございます。不足等ございましたら、事務局までお申し付けください。
 よろしいでしょうか。資料確認は以上でございます。
〇大前座長 ありがとうございました。それでは、本日の議事に入ります。
 本日は、今後のリスク評価対象物質の選定方針案について検討し、その方針のもと、平成32年有害物ばく露作業報告の対象物質を検討するというのが主な議題でございます。
 まず最初に、基本的な考え方につきましては、平成29年度第3回の企画検討会で議論をいたしました。まずこの考え方を踏まえて、今後の物質の選定方針案を事務局にまとめていただきましたので、事務局から説明をお願いします。
〇増岡化学物質評価室長補佐 それでは資料1を御覧ください。
 1枚めくっていただきますと、資料1別添として「リスク評価対象物質・案件の選定の考え方」が付いております。こちらが座長より御紹介いただきました、昨年度の第3回の企画検討会において決定したものになります。こちらに基づいて本年度の物質の選定を行っております。
 それでは、資料1を見ていただきまして、「今後のリスク評価対象物質・案件の選定について(案)」ということで、有害物ばく露作業報告対象物質・案件の選定についても含めまとめております。
 先ほど見ていただきました別添は、以下「考え方」ということで省略して呼ばせていただきます。まず資料1の1でございます。その「考え方」の2(1)というところで、どういった有害性に着目して選ぶのかということを決めております。これに基づきまして、IARCの発がん性分類においてグループ1、2A及び2Bと分類された物質・案件をまず対象として優先的に選ぶこととしております。
 また、カッコ書きに書いておりますが、IARCのグループでは1、2A及び2Bと分類されてはいませんが、発がん性評価WGにおいて2B相当以上と判断した物質・案件、あるいは本WGの中で化学物質審査規制法(以下、「化審法」という)のスクリーニング評価における、発がん性クラスが1または2の物質・案件であってリスク評価の対象とすべきとしたものがございますので、こういった物質・案件についても含めております。
 また、その発がん性の次の優先度ということで、生殖毒性その他の毒性の高い物質について挙げるということになっております。
 なお、ただし書きのところですが、「既に措置が講じられているもの、他の法令により製造等が禁止されているもの、職業ばく露対策では対応できないもの等は除外している」とございますが、こちらにつきましては、先ほど見ていただきました資料1別添の後にリストを付けております。これは、IARCでそれぞれグループ1、2A、2Bになっているもののリストですが、見ていただきますと、ハッチングされている部分とされていない部分がございます。例えばグループ1のところを見ていきますと、「すでに措置が講じられているもの(50因子)」とあってハッチングがされております。3ページ目にいきますと、「2現在、リスク評価の対象とされているもの(3因子)」とあってハッチングされております。その次の「3 今後評価・再評価の候補として想定しているもの(10因子)」、「4 通達によりばく露防止を指導している発がん性のある医薬品等(19因子)」では、ハッチングしていないもののリストが続きます。そして5ページは、またハッチングがされておりまして、「5他の法令等による製造等が禁止されているもの(5因子)」、「6国内の製造実態がないもの、リスクが小さいと評価されたもの(2因子)」、「7嗜好品、食品等直接消費者のばく露の要素が大きいと考えられるもの(嗜好品など31因子)」という形でハッチングされております。
 こちらのハッチングされているものは、既に何らかの措置がされている、リスク評価の対象になっている、また、本リスク評価の対象としては適当ではないと考えられるものについてハッチングをしているということになりますので、逆に申しますと、ハッチングをしていないものが今後のリスク評価の対象となり得るものと、このようにご理解いただければと思います。
 それでは、資料1に戻らせていただきます。
 1の(2)、「考え方」の(2)(3)及び(4)というところでございます。こちらでは測定方法や製造量や用途、あるいはモデルSDSがあるものと、こういったものを優先するという考え方が示されておりますが、今回はその考え方に従い、先ほどIARCの表で見ていただきましたハッチングされていない部分の中から、測定方法及び製造量などが現在確認できた物質・案件であって、また、労働安全衛生法施行令別表第9に挙げたもの、SDS等の対象になっているものですが、こういったものを優先して選定しております。
 こちらにつきましては、後ほど資料3の方に一覧としてまとめておりますので、個々の物質につきましては、そちらで説明いたします。
 次に1の(3)ですが、木材粉じん、溶接ヒューム及びナノマテリアルにつきましては、リスク評価の対象とし、今後有害性情報等に関する文献調査等を行ったうえで、有害性評価小検討会、ばく露評価小検討会において検討するなど、リスク評価を進めていこうと考えております。なお、こちらの物質につきましては、昨年度の企画検討会において有害物ばく露作業報告を省略できるとされた物質ですが、今回、改めてリスク評価の対象としていくということを明記させていただきました。
 次に2になります。今申し上げた木材粉じん等を除きまして、原則として選定した物質・案件につきましては、平成32年(平成31年1月~12月集計分)有害物ばく露作業報告の対象とすることにしております。
 以上でございます。
〇大前座長 どうもありがとうございました。
 ただ今の説明内容につきまして御質問、御意見がありましたらよろしくお願いいたします。
 昨年度の3月に検討されました「考え方」につきましても、思い出して何かあればと思いますが、いかがでしょうか。
〇名古屋委員 1点よろしいでしょうか。
 昨年度の企画検討会の際、木材粉じん、溶接ヒューム、ナノマテリアルにつきましては、リスク評価検討会のところで扱うのですが、いつもですと有害物ばく露作業報告書に従って、ばく露調査を行い事業所を選定して進めるのですが、今回のように、有害物ばく露作業報告が省略できるとされた物質については、そうすると、従来のように作業報告が出てきて、その中から中央労働災害防止協会がコントロールバンディングを行い、測定対象候補の作業場を選定した後、ばく露測定を行うという流れですが、有害物ばく露報告がないときは、ここに書いてありますように、例えば木材粉じんだとどのような作業でどのような材質かという形のものを検討しなければならないと思うのですが、これはばく露評価小検討会でやるのでしょうか。作業所の選定だとか、測定対象の作業だとか、それはどこで選定するのか教えてほしいのです。
〇川名化学物質評価室長 正直申し上げまして、木材粉じんや溶接ヒューム、ナノマテリアル、この辺りの物質につきましては、今、名古屋先生に御指摘いただいたようなことを、実際どうやって進めていったらよいのか、事務局の方でも技術的にきちんと詰めた上でリスク評価を進めていく必要があるのではないかと考えております。
 関連するいろいろな有害情報、海外の文献といったものも並行して収集しながら、これらの物質について今後どうやって取り組んでいったらよいのかというようなことをよく検討した上で、有害性小検討会、あるいはばく露小検討会の方の委員の皆様の御意見も伺いながら、進め方を検討していきたいと考えておるところでございます。
〇大前座長 よろしいでしょうか。
 では、その他にいかがでしょうか。
 その他特にないようでしたら、資料1の方針を踏まえまして、平成32年有害物ばく露作業報告対象物質及び案件の選定の方に入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
 それでは、検討に先立ちまして、募集しておりましたパブリックコメントによる候補物質の意見提出につきまして、事務局の方から説明をよろしくお願いいたします。
〇増岡化学物質評価室長補佐 それでは資料2を御覧ください。今年7月24日から8月22日にかけましてパブリックコメントによって意見募集を行ったわけですが、こちらにその結果を取りまとめてございます。
 提出件数は合わせて5件ほどございました。それでは御紹介させていただきます。
 最初の候補物質「シンナーに含有されている化学物質」につきましては、「塗料をはじめとした化学製品の中間製品には石油を原料とした有機溶剤の混合物がシンナーとして多用されている。シンナーは被膜としてなる成分を溶解させる目的であり、その後は乾燥とともに大気中に放散され、なかなか自然分解されないことから、間接的に我々が吸引していることが現状と考えられる。シンナーに含有されている化学物質すべてを対象とする必要があると考えられる。石油系溶剤には芳香族や脂肪族の様々な化学物質が含まれていることから、ミネラルスピリッツ、ミネラルターペン、ケロシンやその中に含まれているエチルベンゼンなどを把握する必要があると考える」という意見がありました。
 また、同様に、シンナーの関係でミネラルスピリット等につきましては、石油由来の工業用有機溶剤ということで、「燃料としてではなく溶剤として環境に発散させているものの調査が必要と考える」と、こういった意見がありました。
 まず、これら提案のあった物質につきまして、規制等の現状も含めて御紹介させていただきますと、提案の物質、ミネラルスピリット、ミネラルターペン、ミネラルシンナーについては、有機溶剤中毒予防規則(以下、「有機則」という)の規制対象となっておりますが、現状、発がん性は確認されていないと認識しております。当該物質を含め、有機則等の規制対象物質に係る発がん性等につきましても、今後、情報収集に努めていった上で、情報があればまた対応を検討していくということで考えております。
 また、提案のありました中でエチルベンゼンがありましたが、こちらにつきましては、既にリスク評価を経て特定化学物質障害予防規則(以下、「特化則」という)で規制を行っております。
 また、ケロシンにつきましては、発がん性についてIARCでグループ3に分類されております。一方、ACGIHにおいてA3(動物発がん性が確認され、ヒトとの関連は不明な物質)に分類されておりますところ、今後発がん性評価WGにおいて発がん性の評価を行った上で、対応について検討してまいりたいと考えております。
 次に1,4ジクロロ-2-ブテン、1-ブロモプロパン、クロロピクリン、五塩化リンといった物質に関しても提案がございました。提案の理由としましては、「日本及び米国では、専門家により検討された許容濃度がそれぞれ公開されている。これらの職業ばく露における許容濃度が小さいにもかかわらず、労働安全衛生法の制限が定められていない物質を優先すべきと考える。例えば、日本産業衛生学会(以下、「産衛学会」という)で勧告している許容濃度が1ppm未満であって、安衛法による制限が定められていない物質は、例えば次の物質である」ということで、これらの4物質を挙げておられるわけです。その上で「産衛学会またはACGIHでの専門家のばく露評価で既に許容濃度が低い、すなわち有害性が高い、と評価されたこれらの物質については、公開されている評価書を引用するなどして、評価の短縮を図ってはいかがか」と、こういった提案をいただいております。
 これらの物質についての規制の状況でございますが、1,4ジクロロ-2-ブテンにつきましては、リスク評価を行い、既に特化則で規制を行っております。また、1-ブロモプロパン、クロロピクリンの2物質につきましては、現在リスク評価中でございます。五塩化リンにつきましては、特定標的臓器毒性(単回ばく露)(呼吸器系)についてGHS区分1ということで、高い毒性を有しているといえます。許容濃度等につきましては、産衛学会の許容濃度、ACGIHのばく露限界で0.1ppmということで勧告がされております。発がん性につきましては、GHS分類では分類できないとされておりまして、測定方法については事務局では確認できませんでした。製造量につきましては年間2,000トンとなっており、また、SDSの対象物質で、モデルSDSもございます。
 物質については以上です。御提案のあった中で、「公開されている評価書を引用するなどして評価の短縮を図ってはいかがか」という御提案もいただいておりますが、こういったものは既に活用しながらリスク評価を行っております。また、提案いただいた物質につきましても、
発がん性以外の評価ですので、今回の選定の考え方からすれば、後ほど説明するリストの次に準じた優先度ということになると思いますが、こちらにつきまして御意見等あれば、本日御審議いただければありがたいと考えております。
 以上でございます。
〇大前座長 ありがとうございました。
 ただ今のパブリックコメントの提案についての御説明について御意見いかがでしょうか。
 ケロシンについては発がん性WGで検討した後、採用するか否かを検討するということと、そして4物質ございましたが、この中で五塩化リンにつきましては発がん性、生殖毒性に関しての情報はないようですが、相当強い急性毒性がありそうだということでございます。
 物質の選定の条件としては、発がん性、生殖毒性、その他毒性の高い物質を優先するということですが、「その他毒性の高い物質」というのは少し言い方が曖昧ですが、急性毒性も入るのではないかという気はいたします。一応、これはSDSがあるということですから、SDSが作成されているという条件には合っているということにはなります。
 この五塩化リンをどうするかについては後で検討するということにいたしまして、今の説明自体について何か御意見、御質問はいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 では、平成32年有害物ばく露作業報告対象物質の候補物質として事務局の方から説明をお願いいたします。五塩化リンは、後でまた追加するということでお願いいたします。
〇増岡化学物質評価室長補佐 それでは資料3と参考資料5を併せて御覧いただければと思います。
 まず、参考資料5を御覧いただけますでしょうか。この参考資料5というのは、先ほどのIARCのリストの中でリスク評価の対象となり得るものの中から、SDSの対象物質を挙げたものとなっております。一覧の右の方に「製造量等」、それから「測定方法」という欄がございます。この「製造量等」及び「測定方法」に関し、ともに確認ができたものについては、いちばん左端の欄「候補」とありますが、そこに〇を付けております。この〇を付けたものが8つあり、これを資料3として取りまとめております。
 また、参考資料5ですが、その4ページ以降に別に資料を付けております。これは「文献情報による発がん性評価物質」であり、9月12日に開催を予定している発がん性評価WGの中で、文献情報に基づき、このリストは25物質ございますが、こちらについての発がん性の評価を行って、IARCの1から2B相当になるか否かの御審議いただく予定にしております。今回、その資料3のリストの中には含めてはございませんが、このWGの中でも1から2B相当と判断され、かつ測定方法、製造量等が把握されるものがあれば、同様に対象になるのではないかと考えており、こちらの参考資料5のところにリストとして追加して記載しています。また、そのような考え方でよろしいかどうかにつきましても、併せて御検討いただければと思います。
 それでは資料3を御覧ください。今申し上げたように、参考資料5の中で、製造量、測定方法が確認された8物質を、今回優先すべき物質としてリストを作成したものがこの資料3になります。順番に8物質を御紹介させていただきます。
 まず1つ目は、アスファルトでございます。こちらはIARCでグループ2Bとなったもので、SDSの対象物質としては本年の7月から追加された物質となります。用途、製造量等につきましては、道路舗装材等に使われており、石油ストレートアスファルトとして2,000トンとなっております。発がん性は、今申し上げたとおりIARCのグループ2Bで、ヒトに対して発がんの可能性があると分類されております。また、発がん性以外の有害性につきましては、特定標的臓器毒性の反復ばく露、呼吸器系についてGHS分類で区分1が付いております。また、ACGIHのばく露限界が0.5mg/m3ということで勧告されております。また、NIOSH、OSHAにおいて測定方法が示されております。
 次に2の1,1-ジクロロエチレンでございます。こちらの用途は、主に家庭用ラップ等の合成原料などに使われており、製造量等につきましては、製造輸入は、ジクロロエチレンで年間2,000トンとなっております。発がん性につきましては、IARCでグループ2Bに分類されている他、EPAのC(ヒト発がん性がある可能性のある物質)、またEUでも分類が2ということで、ヒトに対する発がん性が疑われる物質という分類がされております。その他の有害性ということで、GHS分類が区分1のものとしましては、特定標的臓器毒性の単回ばく露で神経系、呼吸器、肝臓、腎臓、また、反復ばく露では血液、呼吸器、肝臓、腎臓、生殖器などとなっております。また、ACGIHのばく露限界が5ppmと示されております。測定方法については、ASTM、NIOSH、OSHAにおいてそれぞれ示されております。
 3番から7番までの5物質につきましては、平成26年度の発がん性評価WGにおいて化審法のスクリーニング評価における発がん性クラスが1または2であって、リスク評価の対象とするものと判断されたものでございます。
 まず3のtert-ブチル=メチル=エーテルでございます。用途、製造量につきましては、ガソリンのオクタン価向上剤などに使われておりまして、製造・輸入量は8,000トンです。IARCはグループ3(ヒトに対する発がん性については分類できない)とされておりますが、WGにおいて、今申し上げたように、化審法のスクリーニング評価で発がん性がクラス1または2になっているということです。また、ACGIHにおきましてはばく露限界が50ppm、測定方法につきましてはNIOSHに示されております。
 次に4のフルフラールです。こちらの溶剤、フラン樹脂原料などに使われておりまして、製造・輸入量は1,000トン、IARCはグループ3、また、EUでは2(ヒトに対する発がん性が疑われる物質)と分類されております。発がん性以外の有害性につきましては、特定標的臓器毒性、単回ばく露で呼吸器、肝臓、反復ばく露で呼吸器、肝臓とそれぞれございます。また、産衛学会で2.5ppmの許容濃度、ACGIHで0.2ppmのばく露限界が示されている他、皮膚吸収に関して勧告がなされています。また、測定方法はNIOSH、OSHAに示されております。
 2面にいきまして、5のo-クレゾールです。エポキシ樹脂等に使われており、製造・輸入量は27,095トンとなっています。発がん性につきましてはEPAでC(ヒト発がん性がある可能性がある物質)と分類されております。発がん性以外の有害性につきましては、皮膚腐食性・刺激性、眼に対する重篤な損傷性・眼刺激性、特定標的臓器毒性、単回ばく露で中枢神経系、呼吸器、心血管系、血液系、肝臓、腎臓、膵臓、脾臓、また、反復ばく露で中枢神経系、心血管系、血液系、呼吸器、肝臓、腎臓がGHS分類区分1となっております。また、こちらは有機則の対象で、第二種有機溶剤ということで規制されています。管理濃度は5ppm、産衛学会の許容濃度は5ppm、ACGIHのばく露限界が20mg/m3となっており、皮膚に対する勧告もなされております。また、第二種有機溶剤ということになりますので、産業環境測定基準が定められております。
 続きまして6のシクロヘキサノンです。こちらの用途は溶剤、合成樹脂等の原料として主に用いられており、製造・輸入量は88,783トンとなります。発がん性につきましては、IARCはグループ3、発がん性以外の有害性につきましては皮膚感作性、特定標的臓器毒性、単回ばく露で呼吸器系、反復ばく露で中枢神経系、骨となっております。また、管理濃度は20ppm、産衛学会の許容濃度は25ppm、ACGIHのばく露限界20ppmなどとなっており、ACGIHは皮膚の勧告を出しています。測定方法につきましては、こちらも第二種有機溶剤ということで作業環境測定基準に定められています。
 次に7の2-ブトキシエタノールです。こちらは塗料、印刷インキ等の材料であり、製造・輸入量は33,999トン、IARCはグループ3、発がん以外の有害性につきましては特定標的臓器毒性、単回ばく露で血液系、呼吸器、肝臓、腎臓、それから反復ばく露で血液系となっています。管理濃度は25ppm、産衛学会の許容濃度は暫定で20ppm、ACGIHのばく露限界が20ppmです。こちらも第二種有機溶剤であり、作業環境測定基準が定められています。
 最後に8のN,N-ジメチル-パラ-トルイジンです。こちらは樹脂の重合触媒などに使われており、製造・輸入量は推定10トンとなっています。IARCはグループ2Bで、発がん性以外の有害性では特定標的臓器毒性、単回ばく露が血液系、反復ばく露が呼吸器、肝臓、腎臓となっています。また、ACGIH、産衛学会ともに許容濃度等につきましては未設定であり、測定方法につきましてはNIOSHに示されています。
 以上でございます。
〇大前座長 ありがとうございました。
 この物質の選定につきましては1物質ごとにやりたいと思いますが、その前に、先ほどパブリックコメントでケロシンのことがございまして、これが発がんWGで評価するというお話でしたので、参考資料5の4ページ目の9月12日に予定されております発がんWGの次の回辺りにはケロシンが入るということでよろしいでしょうか。
〇増岡化学物質評価室長補佐 次回になるかどうかはWGの判断ということになりますので、時期的なものは未定ですが、追って発がん性評価WGの方にかけるということで考えております。
〇大前座長 ありがとうございます。
 それでは、物質No.1のアスファルトから順次検討していきたいと思います。このアスファルトについてはいかがでしょうか。平成32年度の作業報告の対象物質にするかどうかということです。
 ちなみにアスファルトの製造・輸入量が2,000トンとありますが、こんなに少ないのでしょうか。もっとたくさん使っているような気がしますが。
〇増岡化学物質評価室長補佐 こちらは、石油ストレートアスファルトとしての量ということで、化審法などにおいて製造・輸入量等の情報がございますので、そちらから取っております。部分的な情報になっている可能性がございますので、実態はもっと多いのかもしれません。
〇大前座長 以前、クレオソート油か何かをやったときの記憶があり、「アスファルト」の定義を正確にして報告をいただかないと不明確になってしまうという可能性があります。おそらく1つの定義では間に合わない可能性があり、いくつかの条件を付けて使っているというスタイルになるかと思います。成分が何かによって、あるいは作る原料がどこからの石油かによっておそらく全部成分が違うので、この物質の評価は大変だと思いますが、一応、IARCではグループ2Bということもあり、今回入れたらどうかということですが、いかがでしょうか。
〇名古屋委員 入れるのはよいのですが、先ほど先生が言われたように、例えば報告書を出してもらうところが、何を出してよいのか。溶接などもそうですが、扱っている量から考えると、対象になっているか否かということも含め、結局漏れる可能性もありますので、やはりその辺はきちんと決めた方がよいのではないかと思います。要するに報告書を出すところです。出す基準をもう少し具体的に書いてあげた方が、報告する人たちに分かりやすいのではないかという気はします。
〇大前座長 以前、「ウレタン」というふうに出して、ウレタンというのはウレタンフォームであると間違えてたくさん出てきたということもありますから、そこのところの条件付けといいますか、報告の定義付けといいますか、それは是非よろしくお願いいたします。
 その他、アスファルトについて何か御意見はありますでしょうか。
 そういう混合物であり難しいものでありますが、とりあえずは作業報告の物質としてよろしいでしょうか。
(異議なし)
〇大前座長 ありがとうございました。
 それでは2番目、1,1-ジクロロエチレンです。
 これはいわゆる食品包装用のラップをつくる塩化ビニルデンの単体になりますが、いかがでしょうか。IARCではグループ2Bということでございます。塩素が1個付いているか4個付いているかで随分違いますが、いずれにしても、これを入れるとほとんど全部入るということになりますね。塩素1個、2個、3個、4個で……。2個でも異性体があるので全部網羅していることにはなりませんが、今回は1,1ということです。
〇漆原委員 前のところも同じかもしれませんが、ここの1,1-ジクロロエチレンの製造・輸入量は自家生産・消費量は多分入っていないので、これは経産省の統計上の問題なのかもしれませんが、上のアスファルトはどうかというとそこはわかりませんが、使っている量からすると、この10倍以上のオーダーになるのではないかと思うので、一定の報告が必要なのではないかと思っています。
〇大前座長 そうですね。ここには自家生産の分は入っていないということですね。当然、報告を求めるときには自家生産の分も求めるわけですね。
〇増岡化学物質評価室長補佐 そのようになります。
〇大前座長 この物質について、その他御意見いかがでしょうか。
 では、これは採用ということでよろしいでしょうか。
(異議なし)
〇大前座長 はい、それでは次に3番、tert-ブチル=メチル=エーテルです。
 これはいわゆるバイオガソリンで、一時期大変有名になったものです。これについてはいかがでしょうか。
 これはまだガソリンに入れているのでしょうか。今、どうしているのでしょうか。一時期、トライアルということで何カ所かのガソリンスタンドで入れたと聞いております。
〇漆原委員 以前、環境対策の部局におりまして、その際に、アメリカにおいては、これが地下水汚染の要因になると言われていました。ガソリンタンクが腐食し、中から漏れて地下水を汚染するということで、地下タンクの二重殻化が進められ、州によって添加を規制しておりました。日本でも一時あったと思いますが、生産が自主的に中止され、ガソリンへの添加も中止しています。
〇大前座長 この物質は、毒性実験は全部終わっているはずで、それで導入されたはずなので、資料は十分にあると思います。ですからリスク評価はそれほど難しくないかもしれません。
 この物質、候補としてよろしいでしょうか。
〇石井委員 質問させていただきたいのですが、この3番以降というのは、化審法スクリーニング評価における発がん性クラスが1又は2の物資ということですので、これは化審法のスクリーニング評価でもこういったクラスになっていて、それをWGの中で確認をしたという位置付けということでよろしいでしょうか。
〇増岡化学物質評価室長補佐 御指摘のように、化審法のスクリーニングで1または2ということで判断いただいたものにつきまして、この発がん性評価WGにおいてリスク評価の対象にすべきものであるというふうに検討したものになります。
〇石井委員 もう少し確認させていただきたいのですが、これはGHSの分類はなく、通知物質でもないということでしょうか。
〇増岡化学物質評価室長補佐 SDSの対象であるかということでしょうか。
〇石井委員 そうです。
〇増岡化学物質評価室長補佐 この資料3に掲げておりますリストは、いずれもSDSの対象物質になっております。
〇石井委員 そうすると、まだここはGHSの分類がされていない物質ということですね。
〇増岡化学物質評価室長補佐 こちらの物質についてはGHSの分類は基本的にされております。
〇石井委員 ではここが「‐」になっているということは、その中では区分1のものがなかったということですね。
〇増岡化学物質評価室長補佐 はい、そのように整理をさせていただいております。
〇石井委員 そうすると、さらに情報が集まればさらに変わる可能性があり、さらに発がん性クラスも付いているのでという考えでよろしいでしょうか。
〇増岡化学物質評価室長補佐 どこのデータを採用するかにもよって若干違いはあったかと思いますが、基本的にこれは平成26年の時点で化審法のスクリーニングの状況を見たところ、1または2が付いていたものということになりますので、モデルGHSを作成した時期にもよるのかもしれませんが、現在のものについては付いていなかったということになります。
〇石井委員 さらにコメントをさせていただきますが、今回出てきた参考資料5の方を見せていただきますと、製造量、測定方法が不明で今回の候補にならなかった物質がたくさんあります。一方で、化審法のスクリーニング評価の発がん性クラスではこういうように挙がってきているということですので、何かそこの決め方、候補の挙げ方というのはもう少し整理が必要なのではないかと思ったところです。
〇増岡化学物質評価室長補佐 今回、製造量、測定方法がある程度公開の情報の中でこちらで把握できるところで調べたものでございます。もちろん、網羅的に把握できるのかといわれるとなかなか難しいところがございまして、今回、把握できたものが限定的になっているという状況ではございますが、今後、今回選定しなかったものにつきましても、発がん性などの状況から見ればまた候補になり得るものではありますので、測定方法や製造量等の把握についてはまた努めていきたいと考えております。
〇名古屋委員 ガソリンは多くの人が使うので、リスク評価はしておいた方がよいのではないかと思います。選定物質にすべきだと思います。
〇大前座長 ありがとうございます。
 この場合は、ガソリンスタンドは除くでよいですね。やはり製造メーカーとそれとガソリンをブレンドしているメーカーが対象になるのではないかと思います。
 その他、よろしいでしょうか。
 では、この3番の物質を候補物質としてよろしいですか。
(異議なし)
〇大前座長 では、4番のフルフラールはいかがでしょうか。
 産衛学会の数字が随分古くて、ACGIHとは大きな誤差がありますので、この間に情報の更新があったのではないかと思います。
 特に御意見がなければよろしいですか。
(異議なし)
〇大前座長 次は5番目のo-クレゾールです。
 EPAでヒトに対する発がん性がある可能性のある物質ということで、発がんがメインでピックアップされております。ACGIHではまだ分類されていないということでございます。
 これも製造・輸入量は20,000トンを超えるようですから、結構たくさん使われていることになります。
〇清水委員 今までの中ではこれは最初に出てきていると思いますが、皮膚ばく露というマークが付いているので、これはばく露調査の場合は両方調べることになるのでしょうか。
〇大前座長 これは、皮膚マークが付いている物質は、原則的に測定可能であれば代謝物質及び原体の両方測るということになりますでしょうか。
〇増岡化学物質評価室長補佐 もともと皮膚ばく露の調査につきましても、既存のリスク評価が終わっているものであっても、皮膚の勧告があるものについては皮膚のばく露調査を行うということで整理しております。新たに対象にするものについては、またそういった皮膚についても代謝物質及び原体を併せて行うのがよいのではないかと考えておりますが、その辺の詳細はそれぞれ小検討会の方にお諮りしながら、どういった対象でやっていくのかを検討させていただければと思います。
〇宮川委員 この物質以降の3物質は作業環境測定基準があるものになっており、管理濃度が記載されていますが、5番の物質は管理濃度と産衛学会の許容濃度が一致していますが、それ以降、6番と7番の物質の管理濃度と許容濃度については違うものが出てきます。その場合、この国のリスク評価事業では、初期評価は一次評価値と二次評価値両方でスクリーニングし、詳細評価にいったときには許容濃度あるいはTLVを使って評価をするということになっていました。しかし、この作業環境測定基準があって管理濃度がある場合については、最終的にどちらで判断をするかという問題がございますし、作業環境測定で判断する場合の上側5%点を求める計算式と、このリスク評価事業の詳細評価でやっていた計算式が若干違います。リスク評価事業でやっている場合には平均値の変動も考慮し、少し厳しい値を取っていたと思いますが、その辺りは、作業環境報告を求めてリスク評価をするにあたっては、実際に管理濃度と許容濃度のどちらを取るのか、上側5%点を決定するときにどうするかということ、あるいは基本的にリスク評価事業では、ばく露量という言い方で、どちらかというと個人ばく露を中心に考えていたと思いますが、その辺りの考え方も作業環境測定での場の測定というのとは考え方が違いますから、基本的な考え方を整理して、最終的にはリスク評価をする必要があると思いますので、御検討いただければと思います。
〇増岡化学物質評価室長補佐 現在、管理濃度につきましては、こちらは有機溶剤ですので、基本的に有機溶剤中毒ということを念頭に置いての管理のための値ということで定めさせていただいております。一方、今回は発がん性に着目してということですので、そういった観点の違いも含めて、どういった値で評価するのが適切なのかということにつきましては、それぞれの小検討会の中でお諮りさせていただければと思っております。
〇石井委員 この物質はこの異性体だけでよろしいでしょうか。混合物として考えるとか、他の異性体について考慮する必要があるとか、どうでしょうか。
〇大前座長 この物質は混合物で使う場合もあるかもしれないということ、オルト、メタ、パラ、その場合はどうするかという御質問だと思います。これはけっこう難しい問題だと思います。実際に混合物として使う場合もあるわけですね。酸化防止剤、可塑剤では混合物の可能性もあるのではないでしょうか。
 報告を求める場合、年間500キロの中に単体だけなのか、あるいは混合物の場合も換算し求めるのかということです。混合物といっても必ずしも同じ割合で入っているとは限らないということなので、なかなか難しいと思います。
 その辺りに関して、今まで、このような、オルト、メタ、パラという形の異性体についての議論がされた例はありましたでしょうか。
〇増岡化学物質評価室長補佐 今、そこまで把握はしておりません。令別表での指定の仕方との関係もあるかもしれませんので、そこは確認をさせていただければと思います。
〇名古屋委員 エチルベンゼンがそうではなかったでしょうか。キシレンや他はかなり多くの量が入っていたのですが、エチルベンゼンだけが入っていなくて、混合物で入ったときに5%を切っていたように思います。たぶんその例で大丈夫じゃないかと思います。
〇大前座長 エチルベンゼンの例では、エチルベンゼンも一応単体ではなく溶剤の一部として入っているということで報告を受けたので、今回もo-クレゾールが混合物の一部として入っている場合でもよいのではないかということだと思います。
〇増岡化学物質評価室長補佐 わかりました。それでは混合物も含めて考えるという、そこを基本にして検討させていただきます。
〇大前座長 その他御意見はよろしいでしょうか。
 では、この5番、o-クレゾールを候補物質としてよろしいですか。
(異議なし)
〇大前座長 ありがとうございます。
 では、6番、シクロヘキサノンです。
 これはカプロラクタム、ナイロンの原料で、ほとんどがナイロンに使われているのではないかと思います。いかがでしょうか。
 一応IARCはグループ3の状態ですが、WGでこれは候補物質になり得るということで挙がってきております。
〇名古屋委員 今まで作業環境はやっていますが、新しく経皮吸収が入ってきており、やはりそこも見ておかなければなりませんから選定物質にして、新たにやるということはよいことではないかと思います。
〇大前座長 では、6番、よろしいですか。
(異議なし)
〇大前座長 それでは7番、2-ブトキシエタノールです。
 これも製造・輸入量が34,000トンと随分たくさん使われている物質で、IARCは3で、EPAは発がんの可能性が低い物質となっておりますが、WGの方では1、2相当ということで挙がってきている物質です。いかがでしょうか。
 メトキシ、エトキシあたりは血液毒性や生殖毒性などで非常に有名ですが、ブトキシもこれを見ますと血液系の毒性はありそうです。IARC評価は3、EPAはNILと書いてありますから、発がん性に関してはあまり強くないのかもしれませんが、少なくとも化審法のスクリーニングでは候補物質になっているのでやってはどうかということですが、よろしいですか。
(異議なし)
〇大前座長 ありがとうございます。
 それでは8番、N,N-ジメチル-パラ-トルイジンです。これについて御意見をお願いします。
 IARCが2B、製造・輸入量が10トンなので、使われている量は非常に少ない物質になります。
 特に御意見がないようでしたら、この物質も候補物質ということでよろしいですか。量が少ないので、あまりたくさん事業場は挙がってこないかもしれません。
(異議なし)
〇大前座長 ありがとうございました。
 あと残っているのが五塩化リンです。これにつきましては、今回は出ておりません。先ほどの選定の方針の中で、「その他毒性の高い物質」という中に入っているのではないかということで、単回ばく露ですから急性毒性のことだと思いますが、これを今回、もしくは将来的に候補物質と入れるかどうかについて議論をしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。パブリックコメントから上がってきた物質ということでありがたい物質だと思います。
 たぶん、これは異性体に付くと分解して塩酸が出て、塩酸による毒性のような気がします。
 この物質は、今回はともかくとして、次回以降の候補物質ということで挙げておいてよろしいですか。
(異議なし)
〇大前座長 それでは、これで物質の検討が終わりました。
 一応確認をしておきたいと思いますので、事務局から対象物質の読み上げをよろしくお願いいたします。
〇増岡化学物質評価室長補佐 ありがとうございます。
 それでは、32年の有害物ばく露作業報告の対象物質につきましては、資料3に掲げたアスファルト、1,1-ジクロロエチレン、tert-ブチル=メチル=エーテル、フルフラール、o-クレゾール、シクロヘキサノン、2-ブトキシエタノール、N,N-ジメチル-パラ-トルイジンの8物質ということで決定をいただいたところでございます。また、五塩化リンにつきましては、今回の対象とはしませんが、次回以降の候補とするということでよろしいでしょうか。
〇大前座長 よろしいですか。
(異議なし)
〇大前座長 はい、どうもありがとうございました。
 では、今の整理のように、告示改正に向けて進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 「その他」に移る前に先生方から何か御意見はございますか。
〇吉田委員 今回、アスファルトという非常に複雑な混合物といいましょうか、そういったものが候補になってきたわけですが、それを対象物質にすることには私も同意するわけですが、それで興味があって、そういったアスファルトをどういったキャラクタリゼーションをして、分析しているのかと思い、見させていただいたときに、このNIOSHの5042というのを見ますと、総粒子とベンゼンに可溶な分画の分析をするということでした。
 そこで思ったのですが、他で言う機会がないのでここで言わせていただきますが、ヒトのリスク評価をやっているのに、ヒトに発がん性が既知のベンゼンを使うとか、よくあるのが二硫化炭素を使っている分析方法があるとか、そういうことがありますので、そういった分析をされる方も労働者ですから、有害性が少ないような分析用の溶媒に切り替えていくということも、どこかで検討をしていただければと思いました。
〇大前座長 ありがとうございます。
 測定方法の検討は必ずやらなければならない問題です。ベンゼン以外を用いた抽出でしょうか、もし、その辺りの測定が可能であれば、測定を検討する機関でお願いをするということがあればよいと思います。
 何かコメントはございますか。
〇増岡化学物質評価室長補佐 リスク評価の対象物質につきましては、ばく露小検討会において測定・分析方法についても御検討いただいております。これまでも分析方法をいろいろと調べていただく中で、取り扱っている物質については適切ではないのではないかというような御検討をいただいたこともございますので、先ほど御指摘いただきました視点も含めて、適切な測定・分析方法の開発、調査をしていきたいと思います。
〇大前座長 そうですね、二硫化炭素やベンゼン、クロロホルムなどいろいろ使いますから。
 その他何かございますでしょうか。
 特にないようでしたら、議事「その他」になります。事務局の方から説明をお願いいたします。
〇増岡化学物質評価室長補佐 御報告になりますが、参考資料6を御覧ください。
 こちらは「リスクコミュニケーションの進め方」で、既に昨年度の第3回の企画検討会において案としてお諮りをし、そのまま御了承いただいたものということになります。今後、こちらの進め方に従いまして、リスクコミュニケーションを3回ほど予定しておりますが、こちらを進めていきたいと考えておりますので御報告申し上げます。
 また、第2回の企画検討会の開催日時につきましては、現在まだ決まっておりませんが、追って日程調整をさせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
〇大前座長 ありがとうございました。年3回でしたでしょうか。
〇増岡化学物質評価室長補佐 昨年度は年3回行っており、第1回で年度の方針を決めまして、第2回目で本日のような対象物質を決め、そして第3回で年度末の取りまとめといった形になっておりました。今年度につきましては、昨年度末の検討会で今年度の方針も定めておりますので、少なくともあと1回、年度末を目途に開催するということになろうかと思っております。
〇大前座長 ありがとうございました。
 そのような予定でございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日予定されておりました議事は以上で終了となりましたので、閉会といたします。
 どうもありがとうございました。