第14回がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会(議事録)

健康局がん・疾病対策課

日時

平成31年3月7日(木)13:00~15:00

場所

厚生労働省 省議室(9階)

議題

(1)新規指定・指定更新推薦の医療機関について
(2)その他

議事

 

○事務局(丸野) それでは、定刻となりましたので、ただいまより第14回「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
事務局の健康局がん・疾病対策課の丸野でございます。本日はよろしくお願いいたします。
それでは、開会に当たり、健康局長の宇都宮より御挨拶申し上げます。
○健康局長 皆さん、こんにちは。健康局長の宇都宮でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、年度末の大変お忙しいところ、また、天気も余りよろしくない足元の悪い中御参集いただきまして、まことにありがとうございます。
また、日ごろより、先生方におかれましては、がん対策の推進に御尽力、御協力いただいておりますことを、この場をおかりしまして、厚く御礼申し上げます。
さて、御存じのように、昨年3月にがん対策推進基本計画が閣議決定されまして、それに基づきまして、各都道府県でがん対策推進計画、医療計画などが策定され、本年度スタートということでございます。そういう中で、がん診療提供体制のあり方に関する検討会でおまとめいただいた内容を踏まえまして、昨年7月に厚生労働省として新たながん診療連携拠点病院等の要件を策定したところでございます。この中では、それまでの要件の厳格化、それから、医療安全の要素を加えるなどの見直しを行ったところでございます。
本日は、こういった新要件に基づきまして、各都道府県から推薦されてきた病院につきまして、そういった要件にふさわしいものかどうか、それから、適切な運営に当たっての御助言などもいただければと思ってございます。
ぜひ忌憚のない御意見を出していただいて、よいがん拠点病院の選定に当たっていただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
○事務局(丸野) 本日、健康局長の宇都宮につきましては、公務のため、ここで退室とさせていただきます。
(健康局長退室)
○事務局(丸野) それでは、初めに、今回構成員の改選がございましたので、皆様を御紹介いたしたいと思います。
一般社団法人日本病院会副会長、足利赤十字病院院長、小松本悟構成員です。
独立行政法人国立病院機構九州がんセンター院長、藤也寸志構成員です。
公益社団法人全日本病院協会副会長、上尾中央総合病院理事長、中村康彦構成員です。
公益社団法人日本医師会常任理事、羽鳥裕構成員です。
サッポロビール株式会社人事部プランニング・ディレクター、村本高史構成員です。
地方行政独立法人長野市民病院がん相談支援センター看護主任、横川史穂子構成員です。
なお、東京女子医科大学医学部長、唐澤久美子構成員は現在おくれております。
また、茨城県保健福祉部長、木庭愛構成員については、本日御欠席と伺っております。
また、本日は前回までの本検討会の座長をお務めいただいておりました、がん対策推進協議会、山口建会長に参考人として御参加いただいております。
事務局の紹介につきましては、手元の座席表にてかえさせていただきます。
それでは、続いて資料の確認をさせていただきたいと思います。
まず、座席表、議事次第、資料1「がん診療連携拠点病院等の指定に関する検討会 開催要綱」。
資料2「がん診療連携拠点病院等の指定に関する考え方」。
資料3「新規指定・指定更新推薦の医療機関について」。
資料4「都道府県の推薦について」、都道府県提出資料、群馬県、青森県、富山県、鳥取県分。
参考資料としまして、参考資料1「がん診療連携拠点病院等の整備について」、整備指針でございます。
また、参考資料2につきましては、構成員の机上のみに配付しておりますが、「都道府県の推薦について」、資料4の都道府県全体版の資料を御準備しております。
傍聴の皆様におきましては、本日の検討会後に厚生労働省のホームページにアップロード予定ですので、そちらで御確認ください。
以上、資料の過不足等がございましたら、事務局へお申し出ください。
また、報道の皆様におかれましては、ここでカメラ撮りは終了とさせていただきますので、御協力のほど、よろしくお願いいたします。
では、まず議論に先立ちまして、開催要綱の3にございます、座長の選任をしたいと思います。どなたか座長について御意見はありますでしょうか。
小松本構成員、お願いします。
○小松本構成員 小松本です。
藤也寸志構成員を推薦したいと思います。いかがでしょうか。
(異議なし)
○事務局(丸野) それでは、藤構成員に座長をお願いしたいと思います。これからの進行につきましては、藤座長にお願いします。藤構成員は座長席へお移りください。
(藤構成員、座長席へ移動)
○藤座長 今、座長に御指名いただきました、九州がんセンターの藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
今回は、指定要件が新しくなりまして初回の検討会でございます。これまで指定されていた病院も含めまして、全ての病院が検討の対象となっております。本日は、まず選定の方針について確認をしてそれに基づいた医療機関の指定について議論、その後に必要な都道府県についてはヒアリングを行いたいと思います。
まず、今回の指定の方針について、事務局より御説明をいただきたいと思います。
それでは、事務局より、資料2について御説明をお願いします。
○事務局(丸野) よろしくお願いいたします。事務局でございます。
それでは、資料2「がん診療連携拠点病院等の指定に関する考え方」についてご覧ください。
右下にページ番号を振ってございますので、ページ番号に従いまして、説明させていただきます。
ページ番号2、今回の指定要件の見直しのポイントでございます。今回の見直しのポイントとしましては、こちらにございますように、4本の柱に基づきまして、例えば人的要件の厳格化でございますとか、チーム医療のさらなる推進というところでキャンサーボードに関する項目等の追加がございました。また、新しい要件としましては、医療安全のさらなる推進というところで、これまでにはありませんでした医療安全に関する項目、こういったものを追加しております。
また、指定に関する課題の整理としましては、次のページにございますように、これまでがん拠点病院に関しましては、地域がん診療連携拠点病院という類型がございましたが、今回の整備指針の見直しの中で地域がん診療連携拠点病院に関しましては、診療機能による分類というところで新たに3類型に分けてございます。
この真ん中のオレンジ色の部分に関しましては地域がん診療連携拠点病院、これまでと同等のものでございますけれども、今回新しく地域がん診療連携拠点病院の高度型というところで、これまでの拠点病院の要件に加えまして望ましいとされている要件、こちらを複数満たしていること。また、IMRTや重粒子線、核医学治療などの集約化すべき高度な放射線治療の実施が可能であるところ。また、同一医療圏のうち、診療実績が最もすぐれているところ。また、相談支援センターに医療従事者を配置し、相談支援の強化を行っているところや緩和ケアセンターの整備を行っているところ。そして、医療安全に関する取り組みとしましては、もともと今回拠点病院に加えられた要件にプラスして、第三者評価などを行っているというところで、医療安全に関する取り組みがすぐれていること。こういったものの条件を満たしており、診療機能が高いと判断された場合に、同一医療圏に1カ所のみ指定をするものでございます。
また、本年度に関しましては適用はございませんけれども、地域がん診療連携拠点表院(特例型)という類型もできております。こちらに関しましては、今回指定をされた拠点病院のうち、今後の指定期間のうちに充足状況が不十分であると判断された場合に経過措置的に指定類型を見直すものでございます。
それでは、指定の方針につきまして、4ページ、5ページを見ながら説明させていただきたいと思っております。
まず、4ページの全ての類型で共通の方針としましては、必須項目を全て満たしているかどうかを確認し、必須項目を全て満たしているものに関しましては4年間の指定。必須項目を満たしていないものであって、新規推薦である場合に関しましては、必須項目を満たしていない段階で指定不可ということで判断したいと考えております。
また、これまで指定されてきた病院のうち、今回経過措置項目を、整備指針を新しくした段階で設けております。経過措置項目に関しましては、6ページにまとめてございますけれども、今回の整備指針の中で1年ないしは2年間の経過措置項目を設けておりますので、未充足項目がこちらのみの場合に関しましては、1年ないしは2年の指定とさせていただきたいと考えております。
また、未充足内容がこの経過措置項目以外のものである場合に、例えば施設の開所によるものですとか、機器の入れかえ等による一過性のもの、あるいは現況報告におきまして、本年度中の充足が確認できるもの、こちらに関しましては経過措置に準じて検討してはどうかというところ。それ以外の必須項目は満たしていないことが確認できたものに関しましては、今回、指定を不可としてはどうかと考えております。
ここで※印がございますけれども、※印に関しまして下に記載をしております。同一医療圏に複数指定推薦がなされている場合というところでございます。こちらに関しましては、資料の7ページをごらんいただきたいと思っております。今回、診療実績に関する要件が新しくなっております。一つは、緩和ケアチームに関する項目がふえたところと、同一医療圏に複数の医療機関を満たす場合というところで注釈がついております。これまでは診療実績要件としましては、マル1にございますような診療実績の数字であらわされるもの、がん登録ですとか手術の件数、薬物療法の件数など、またはマル2を満たすこと。こちらは、当該医療圏に居住するがん患者のうち、2割程度について診療実績があること。
これら、マル1またはマル2をおおむね満たすことが求められています。おおむねに関しましては、9割というところで検討会では運用してまいりました。この運用に関しましては、今後も継続したいと思っております。
ただし、今回、同一医療圏に複数の医療機関を推薦する場合に、その指定の方針について、この診療実績マル1、こちらを全て満たすことということが新しく加わりました。この全てに関しましては、おおむねではなく診療実績マル1について、それぞれ水準となっている実績を満たすことが求められます。今回、推薦いただいた医療機関のうちに、同一医療圏で複数推薦がなされている場合に、この診療実績マル1を両方とも満たしていない医療機関がございましたが、こちらにつきまして、診療実績を1つに絞り込むことで、診療実績マル2の要件で議論ができるのではないかということに関しましては、検討会の場での審議対象とさせていただいております。
5ページをごらんいただきたいと思います。今回より制定されましたがん診療連携拠点病院(高度型)に関する付加的方針についてまとめてございます。まず、高度型に関しましては、先ほど申し上げましたように、地域がん診療連携拠点病院の要件に加えまして、付加的な要件が加えられております。なので、まず、一般型の地域がん診療拠点病院の必須項目、こちらを全て満たしていることを前提としたいと考えております。こちらを満たしていない場合に関しましては、まず、一般型の先ほどの方針に従って検討してはどうかと考えております。また、それが確認できた場合、高度型の要件を満たしているかどうかを確認し、確認できた場合は高度型として指定してはどうかと考えております。
また、今回、高度型として指定されなくて一般型として指定された場合に関しましても、本検討会におきましては、例年1年に1回実施しているものでございますので、次年度以降に高度型の要件を満たした際には、高度型への類型見直しを申請することは可能ということで考えております。
また、同一医療圏に複数の医療機関を高度型として申請された場合、先ほど申し上げましたように、高度型に関しましては同じ医療圏に1カ所というのが整備指針に明記されてございますので、審議対象病院が不明確であることから、いずれの医療機関に関しましても一般型としての指定の可否を検討したいと考えております。
これらの方針に関しましては、事前に構成員の皆様方に確認をいただいているところではございますけれども、本日、再度この場で御議論いただければと考えております。
そのほか、7ページ、8ページ以降に関しましては、参考としてつけております。今回、新しくなった指定要件の部分に関しましては、7ページ、8ページにつきましては赤字の下線、傍聴の皆様に関しましては下線部で太字の部分が今回新しくなった部分でございます。1つ訂正させていただきます。8ページの薬物療法に関しましては、外来化学療法の看護師さんに関しましては、「専任」から「専従」に変わっておりますので、その点修正させていただければと思っております。
また、9ページに関しましては、医療安全に関する項目でございます。医療管理部門の人的配置でございますとか研修の受講、こういったものを新しく要件として設けております。
また、10ページ、11ページの、移転・分離・統合の方針に関しましては、以前、あり方検討会で議論されたものでございまして、今回、対象となる病院はございませんので、割愛させていただきます。
事務局からは以上でございます。
○藤座長 ありがとうございました。
今の資料2は事前に構成員には配られておりましたので、御検討いただいているかと思います。この選定の方針について、何か構成員から御質問等はございますでしょうか。
村本構成員。
○村本構成員 指定の方針についてお伺いします。今回の整備の指針見直しの中で、医療安全体制の確保に関する項目が新設されました。しかしながら、今回新たに地域がん診療連携拠点病院として推薦されている病院の中に、がん関連の医療事故、患者さんが亡くなられたケースを含めて、ことしに入って報道されている病院が含まれています。医療安全体制の確保は極めて重要な項目だと思いますが、この項目を選定方針との関係でどう考えるのか、ほかの構成員の皆様、あるいは事務局の御意見をいただきたいと思います。
○藤座長 医療安全についてどう考えるかということでございますけれども、まず、それについての要件を事務局で説明いただけますか。
○事務局(丸野) ありがとうございます。事務局でございます。
医療安全に関する項目としましては、先ほどの資料2の9ページ及び参考資料に関しましては参考資料1、今回の整備指針の中で申し上げますと16ページにございます。これまで指定要件の中では医療安全に関する項目に関しまして、規定がございませんでした。今回、平成30年の7月31日に出ました新しい整備指針におきましては、この「医療安全に係る安全管理」というところでございまして、医療安全管理部門を設置し、医師、薬剤師、看護師、それぞれ研修を受講した者を配置いただくというところで、がん診療連携拠点病院として病院一体となった医療安全に取り組んでいただくというところがございます。
また、そのほかの要件に関しましては、例えば新しい治療を行うとき、未承認薬を使うとき、こういったものに関しましては、きちんと院内で審議を行いまして、その医療の妥当性ですとか安全性、適用性、倫理性につきまして、きちんと確認をした上で患者さんに説明をし、実施をすること。そして、実施したものに関しましては、事後評価を行うこと。また、医療安全に関する患者さんへの窓口を設置しまして、患者からの苦情や相談に応じられる体制を整備すること。こういったものが新たな指針の中では設けられているところでございます。
○藤座長 がん診療提供体制のあり方に関する検討会の中でもこの議論がございまして、もっと医療安全について、しっかり体制をまず整えるべきであろうということで、これが設定されたということですね。実際、大部分を占める地域拠点病院でも、専従かつ常勤の看護師は普通リスクマネジャーとしておりますけれども、それプラス薬剤師、さらに医師の常勤も求めているということでございます。それをクリアしているかどうかはちゃんとチェックした上で、最終的な指定を認めるかどうかを決めるということでございます。
構成員から何か御意見はございますか。
どうぞ。
○小松本構成員 今回、医療安全につきましては、新規のところで6項目が入っておりまして、その中で病院の中で医療安全管理部門を通すということと、この中ではがんの患者さんだけではなくて病院全体として患者さんの安全、ペーシェントセーフティーを中心に病院の中で組織化して、常勤の医師がいて、きちんと委員会をやって、どのようにやっているのかということがこの6項目の中では網羅されているので、これを今回の項目の基準の中に挙げたことは妥当だと私は考えます。
○藤座長 ありがとうございます。
ほかにございますか。
村本構成員、それでよろしゅうございますか。
○村本構成員 見解は承りました。ただ、やはり医療事故が起きるということに対しては、今後きちんと振り返りを行っていただいて、再発が起きないように徹底していただきたいと思います。
○藤座長 ありがとうございます。
ほか、御意見はございませんでしょうか。
横川構成員。
○横川構成員 きょうの審議とは直接関係はないかもしれないのですけれども、事前の事務局の方と共有したことを皆さんとも共有して考え方を聞きたいと思っているのです。今後の指定に関することにはなるのですけれども、この高度型の考え方なのですが、例えば2次医療圏に2つの拠点病院があって、その2つがここの全てを満たしていた場合、そういう場合はどちらも高度型に手挙げをしたときに、高度型として認めていくのかどうするのかというのが、今後我々の県でもすごく整備のときに困る点というか、わからない点なので、教えていただきたいです。
○藤座長 高度型は医療圏に1個ということでございますね。
○事務局(丸野) 事務局でございます。
高度型に関しましては、整備指針にございますように、同一医療圏に1カ所のみとなっております。また、高度型の推薦に関しましては、全ての医療圏に高度型を配置するわけではございませんということは一つ申し上げておきたいと思います。
また、先ほど申し上げましたように、高度型の要件としましては、例えば集約化すべき高度な放射線治療の実施が可能であること、あるいは現在拠点病院に関しましては緩和ケアチームの整備は求めてございますけれども、緩和ケアセンターの整備までは求めてございません。こういった整備ができるところで、どういったところに患者さんを集約化すべか医療圏の中で議論をしていただきまして、その医療圏におきまして、集約すべき医療ができるところを見える化する意味でも、同一医療圏に1カ所のみという形で今回は整備指針に記載させていただいているところでございます。
○横川構成員 ありがとうございます。
例えば本当に緩和ケアセンターも整備して同等な形を整えるという状況も生まれてくると思うのですけれども、そうなったときに指定していくときにどう考えるのかというのは、どうでしょうか。
○事務局(丸野) 基本的には、同一医療圏のうち診療実績が最もすぐれているという要件もございまして、この最もというところをどう判断するかが一つかと思っています。そちらに関しましては、都道府県で、例えば何をもって最もすぐれているということを判断していただくかということで、都道府県の裁量にお任せしているところでございますけれども、都道府県のほうで御判断いただいて、高度型としましては1つということで今回の指定要件には記載させていただいているところでございます。
○藤座長 非常に似たレベルであっても原則は1つでいくということでございますね。
ほか、ございませんか。
1つ質問がございます。先ほどの資料の4ページですけれども、一番左の赤線のところですが、これは新規推薦のところでも全部満たしていれば、4年の新規認定ということですね。青の下に新規だけ書いてございますけれども、一番左は新規も含めるという認識でよろしゅうございますか。
○事務局(丸野) こちらの一番左の必須項目を全て満たしているものに関しましては、新規病院も含めて必須項目を満たしている場合には4年の指定という形で考えております。
○藤座長 ありがとうございます。
ほか、ございますか。
どうぞ。
○中村構成員 ということは、新規も含めて必須項目をまず満たしていなければ論外という形で全て新規も更新も考えていいということでよろしいでしょうか。
○事務局(丸野) そのとおりでございます。新規推薦である場合に関しましては、まず必須項目を全て満たしていないものに関しましては、今回指定不可という形で考えております。
○藤座長 ありがとうございます
では、まずこの基本的な選定の方針について、この検討会として承認ということでよろしゅうございますでしょうか。
(「はい」と声あり)
○藤座長 では、この方針に従ってチェックしていく形になると思います。
それでは、その選定方針に従ってチェックをした結果が資料3にございますので、この説明を、事務局、お願いいたします。
○事務局(丸野) 事務局の丸野でございます。
それでは、資料3「新規指定・指定更新推薦の医療機関について」という資料をごらんください。
こちらの資料3に関しましては、先ほどの資料2のスライドの4番及び5番に基づきまして、事務局で書面で推薦様式につきまして確認をさせていただき、1年、2年ないしは4年というところで分類し、整理した表でございます。こちらに関しましては、都道府県がん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院(高度型)、地域がん診療連携拠点病院、特定領域がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院といった形で、分類ごとに都道府県と病院につきまして記載させていただきまして、この「指定年限(案)」というところで事務局のほうで書面確認したものを分類しております。今回、検討会の皆様にこの内容につきまして審議をお願いできればと考えております。
○藤座長 ありがとうございました。
資料3には、実際に検討した結果がずらっと書いております。4年更新のもの、1年のもの等々がございますが、これは事前に構成員には配られておりますけれども、構成員の方々、これについて内容をごらんいただいて審議するべき点等はございますでしょうか。ちなみに、これは本日ヒアリング対象、後で出ますけれども、その対象の医療機関は除かれているということでございますね。
先ほどの資料2の方針に従って事務局側でしっかりチェックをした結果をここに書いているということでございますけれども、これでよろしゅうございますでしょうか。
では、これを検討会としての合意ということで、御承認いただけたということにしたいと思います。
今回、選定方針に基づきまして、指定の更新が認められなかった機関、ここに載っていない、何が載っていないかというのはその県の人しかなかなかわからないと思いますけれども、実際にこれで指定が認められなかった医療機関が出てきていることもあるかと思います。そのときに、今まで拠点病院があったのに今度は空白になってしまったという医療圏があったのでございましょうか。
○がん対策推進官 事務局でございます。
事実関係といたしまして、6県10の医療圏で、今、藤座長が御指摘のような医療圏が発生する見通しでございます。
○藤座長 第3期の基本計画に基づいて、診療提供体制の整備は行われていくものであると承知していますけれども、今回、それで空白の医療圏が生じるということ、今まであったのになくなったということ、均てん化を求めていくというようなことが過去からあったと思いますが、それについての整合性をどのように考えられるか、事務局から御説明をいただけますでしょうか。
○がん対策推進官 御指摘ありがとうございます。事務局でございます。
第3期のがん対策推進基本計画、こちらでは国はがん医療提供体制について、これまで拠点病院等を中心とした体制を整備してきた現状を踏まえ、引き続き標準的な手術療法、放射線療法、薬物療法、緩和ケア等の提供、がん相談支援センターの整備、院内がん登録及びキャンサーボード実施等の均てん化が必要な取り組みに関して、拠点病院等を中心とした取り組みを進めるといった記載がございます。この観点からは、今回、空白の医療圏が生じることについては若干整合しない可能性が出てまいりますし、一方で空白の医療圏の解消を目的として、今までの整備指針の中には地域がん診療病院という病院を指定する制度もございます。ですので、資料3の結果、指定不可となった医療機関の中には、全てではございませんが、この地域がん診療病院の要件を満たす可能性があるものを事務局で幾つか認めている次第でございます。
○藤座長 ありがとうございます。
地域がん診療連携拠点病院の要件は満たしていなくて、その医療圏に拠点病院がなくなる医療圏があるけれども、場合によっては地域がん診療病院として再申請というか、それをすれば医療圏の中に拠点病院などがない医療圏ではなくなる可能性があるということですね。
これについて、何か御意見はございますでしょうか。拠点病院がなくなる医療圏が、6県10医療圏に出てきたということでございます。構成員から何か意見はございますでしょうか。
どうぞ。
○中村構成員 これはやむないことだとは思うのですけれども、一つは人員的な問題、ドクターも含めて、地方部によってはその辺が集まらない。それから、今後人口減少に伴って、患者様自体の数も地域によって減ってくることがあるので、今までは各診療圏ということで考えていたけれども、今後地域特性を考えて議論しなくてはいけないのではないかと思います。
○藤座長 今からも人口の移動であったり、診療内容の変化であったり、いろいろ考えないといけないことは出てくるかと思いますが、現時点でこの6県10医療圏で発生している状況について、何か御意見はございますでしょうか。
○村本構成員 患者の立場から見た場合、住んでいる医療圏にがん診療連携拠点病院がないというのは確かにいかがなものかというところはあると思います。ただ、国として、地域がん診療連携拠点病院を認めることは、いわばお墨つきを与えるということですから、患者から見てその基準に達していないところに無理にお墨つきを与えた場合に、果たして本当に患者の期待と信頼に応えられる体制になっているのかとなると、非常に疑問が残ると思います。ですから、結論としては、患者から見ると空白は大変残念なことではあるのですが、やむを得ないことなのかなと思います。
○藤座長 そうですね。第1期からがん診療の均てん化がなされていて、2次医療圏に1つということで指定がなされてきた事実がございますが、第2期、それから、第3期から、今度は施設間格差という問題も大きく取り上げられてきているということで、拠点病院であっても要件を満たさないものが地域がんの拠点であるというようなことをすると、患者さん側にも誤解を与えるような可能性があるということでございますね。それを考えると、指定要件に基づいてきっちり判断をしていくことは、空白の医療圏が出てくることがあってもやむを得ない場合があるだろうということです。
ただ、そのときでも、地域がん診療病院に再申請をしていただくと、地域がん診療連携拠点病院はないけれども、地域がん診療病院は認められる場合があるかもしれないということでございますね。
どうぞ。
○小松本構成員 ですので、6県10医療圏でお墨つきがもらえない拠点病院が出てくる実態がありますけれども、このデータを見ると、やはり必須項目の中でどれか一つがなくて満たさないとか、そういうものがあるのですが、地域の中では、患者さんとしては、その中で緩和はこちらの病院とか、このがんの患者さんは別の病院で、地域の中でうまく動いているような数字も見られますので、その医療圏では完結はしているので、あえて基準を満たさないからといってがん診療拠点を与える必要はないと考えます。実際の患者さんはその医療圏の中でがんの治療は受けられているので、私はいいのではないかと。現時点の基準で、緩和すべきではないと思います。
○藤座長 今の御意見は、拠点病院という名目はない医療圏ができても、実質は分配とか集約化というか、機能分化ができているところがあるのであれば、そのままでいいということでございますね。ありがとうございます。
どうぞ。
○がん対策推進官 事務局でございます。
お手数ですが、資料3の15枚目をごらんください。先ほどお認めいただいた地域がん診療病院の一覧でございます。私の言葉足らずで恐縮ですが、先ほど地域がん診療の要件を満たす可能性があるという言い方をさせていただいたのは、拠点病院と異なりまして、地域がん診療病院には、この欄の一番右側にありますとおり「グループ指定先医療機関名」とございます。要は、単一では全ての治療が完結しませんので、こういった拠点病院と連携をしていただくことで、その地域の患者さんに対して適切な医療を提供していくというコンセプトでつくられた制度であります。ですので、書面上どこの病院と連携するのかということを現時点で確認がとれません。それ以外の要件については、地域がん診療病院の基準を満たせる医療機関が幾つかあるということで、そういう承認の仕方があり得るのか。今回は拠点病院としての申請であって、それを満たしていないので、本検討会としては違うという結論を出されるのか。その点、御議論いただきたく存じます。
○藤座長 いかがでしょうか。
まず、地域がん診療病院にすぐここで認めることは、実際、リンクする拠点が決まっていませんので、それはできないことなのですけれども、まず、地域がん診療連携拠点病院の要件を満たさなければ、今回は認定を見送る、方針を見送る。医療圏にその拠点病院がなくなることがあっても、それを認めるという方針についてはいかがでしょうか。それでよろしゅうございますか。
どうぞ。
○唐澤構成員 よろしいと思います。そこで基準を変えることの整合性がとれませんので、患者さんから見てもこの病院はきちんと何でもできるというところが診療拠点病院と指定されている必要があると思います。ただし、なくなった場合は、どこにどんなふうに行けばいいのか、例えばこの部門はこの地域にはないが、これはここの病院に行けばできますよという情報がきちんと患者さんに届くような形で広報していただきたいと思います。
○藤座長 ありがとうございます。
それは各県での働きにもよると。
山口先生、どうぞ。
○山口参考人 もう一度念のための確認なのですが、幾つかの都道府県、10医療圏ですか。それが連携拠点病院はなくなるけれども、複数指定ではないという理解でいいのですか。
○がん対策推進官 複数指定ではございません。
○山口参考人 ということは、そこは都道府県側が、あるいは病院側がその気になれば、必ず診療病院はおけるということですね。
○がん対策推進官 6県10ではないのですが、その中の幾つかは、書面上、地域がん診療という形で申請を出し直していただく。連携する拠点病院を指定していただければ、お認めすることが可能なのではないかという形で、検討会にお諮りできる状況にできるということです。
○山口参考人 規定上は、2次医療圏1カ所のみの拠点病院がなくなれば、そこは診療病院を必ず指定できるはずですが、そういう理解ですね。
○事務局(丸野) 空白の医療圏となるところに関しましては、現在、地域がん診療病院としてなっているところで今回要件を満たしていないところも6県10医療機関には入っておりますので、そういった意味では空白とならざるを得ない部分も多少出てくるかなと思います。
なので、先ほどから申し上げてございますが、全てではないのですけれども、グループ先の病院を決めないといけないということはありますが、そういった状況が確認できれば、地域がん診療病院として申請することは可能ではないかと考えている医療圏があるというところでございます。
○山口参考人 そうすると、先ほどの内容をもう一度正確に言っておいたほうがいいと思うのは、10医療圏、全て診療連携拠点病院ではなくて、一部診療病院が含まれていて、それがなくなる可能性があるという理解でいいのですね。
○事務局(丸野) そのとおりでございます。
○山口参考人 もう一点、複数指定されている医療圏で、先ほど数字は出てきていないのですけれども、満たさないものは幾つぐらいあるのでしょうか。診療圏には1個以上は残るから余り大きな問題にならないという判断で数字が出てきていないのですけれども、地域性によって、今まで決めてきたものの中に、同じ医療圏であるけれども、山を越えて非常に患者さんが行きにくいというところで複数指定をやってきた経緯がありますので、その数字を聞かせていただければと思います。
○事務局(丸野) 今回、複数指定の推薦があるもので、先ほど少し御紹介したとおり、今回ヒアリング対象となっているものに関しましては3県6医療機関ございますので、それはこの後にヒアリングをしていただく形でございます。
現在複数認められていて、例えば一つの医療機関は問題なく要件を満たしているけれども、もう片方の病院が要件を満たしていないと判断しているものにつきましては、1県です。
○山口参考人 わかりました。
協議会の会長としての発言なのですが、一番困るのは相談支援センターだと思います。医療のほうは何とか進むにしても、なくなった医療圏で患者さんがさまざまな機能を付加されている相談支援センターにアプローチできないというのは負担が非常に大きい。ただ、制度的にはこれでしようがないと思いますから、その地域でどういうやり方をするかは都道府県にお願いするしかないですね。
以上です。
○藤座長 貴重な御意見、ありがとうございました。
どうぞ。
○羽鳥構成員 小児がん拠点病院も見直しを行って、15選ばれましたけれども、四国と北陸3県が選ばれなかった、1つもなかったということで、地域医療の観点からは問題とされました。できるものならば、そういうところは空白を残さないほうが患者さんにとってはいいのだろうと思います。
あるいは、今回はだめだけれども、こことここを努力すれば満たせますということをしっかり明示してあげるとか、患者数、絶対数が少なければ難しいですけれども、それも一つ提案してみてはいかがでしょうか。
○藤座長 よろしいですか。
空白の医療圏がないにこしたことはないのだけれども、先ほど村本構成員もおっしゃったように、要件を満たしていないレベルのところを拠点病院として名乗るほうの弊害もあるということを考えて、どこかで線を引きながら全部を埋めていく努力をしていくことしかないのだと思いますが、それでよろしゅうございますか。
この空白の医療圏ができるということを認めた上で、次に要件として、地域がん診療病院の要件を満たしているところは再度県から申請をしていただく。そのときには当然連携先となる拠点病院を明示していただいた上で、それをもう一回審査し直すということで、この検討会の方針としてはよろしゅうございますでしょうか。
ただ、そのときにどのくらいの時間、スパンでいけばいいのかという発想はございますでしょうか。
○がん対策推進官 都道府県と調整をさせていただきたいと思いますが、一旦、この病院とどの病院がきちんと連携体制をとるか、少し病院同士でお話し合いをしていただく必要もあろうかと思いますので、現時点では月単位の事務処理期間が必要だと認識をしております。そこは都道府県にとって合理的な範囲内で可及的速やかにさせていただきたいと思います。
○藤座長 都道府県のほうから空白で更新できなかったところは地域がん診療病院ではどうかというアプローチを、厚労省にまずしていただくことが先になりますね。だから、その検討をしていただくことなるのかと思います。よろしゅうございますか。
では、ちょっと時間が過ぎておりますので、次に県のヒアリングに移りたいと思います。
今回、ヒアリングの対象とした医療機関について、その理由、それをどうして選んだのかを事務局から御説明いただいた上で、各県の担当者からヒアリングと質疑応答を行いたいと思います。
まず、事務局からその説明をお願いいたします。
○事務局(丸野) 事務局でございます。
本日、ヒアリングの対象とさせていただきましたのは、群馬県、青森県、富山県、鳥取県、この4県にございます。群馬県に関しましては、群馬大学病院、こちらをヒアリング対象としております。群馬大学病院に関しましては、現在、群馬県は唯一都道府県拠点がない空白の都道府県となっておりまして、今回、新規推薦として唯一群馬大学病院の推薦がございましたので、こちらにつきましては、都道府県を取りまとめるという意味でも慎重な議論が必要というところで、今回ヒアリングの対象とさせていただきます。
また、青森県、富山県、鳥取県に関しましては、先ほどから少し御紹介させていただいておりますけれども、現在、複数の医療機関を同一医療圏に推薦していただいているところでございますが、例えば青森県でございますと上十三医療圏の三沢市立三沢病院及び十和田市立中央病院、また、富山県の黒部市民病院、富山労災病院、鳥取県の鳥取県立中央病院、鳥取市立病院、こちらに関しましては先ほどの資料2の7ページにございましたように、同一の医療圏に複数の医療機関を推薦する場合は、診療実績マル1を全て満たすこと。こちらに関しまして、今、申し上げた医療機関に関しましてはどちらも満たしていない状況を現況報告で確認しております。ただし、こちらにつきましては、例えばどちらか1つになった場合に関しましては診療実績マル2、相対的な評価としまして、当該医療圏に居住する患者さんの診療割合、こちらで認めることができるというところで、現在2つ推薦されている医療機関を1つに絞るのかというところで御議論いただきたく、ヒアリングの対象としております。
○藤座長 ありがとうございます。
では、ヒアリングの進行に当たって、事務局からその方法について説明をしていただけますか。
○事務局(丸野) 事務局でございます。
まず、県からのプレゼンテーションについて御説明させていただきたいと思います。
県からは、地域の実情と拠点病院等の推薦に関する考え方について御説明いただき、審議を進めてまいりたいと思います。事前に各県宛てには御案内しておりましたが、各県からの説明時間は4分以内とさせていただきます。3分経過時に1回、4分経過時にベルを2回鳴らします。説明の途中でも4分を過ぎた場合に関しましては質疑に入りますので、御了承ください。
また、質疑応答に関しましては、各県当たりおおむね6分間を目安とさせていただきたいと思っています。こちらに関しましても、5分経過時に1回、6分経過時に2回ベルを鳴らせていただきます。限られた時間内に全ての審議が滞りなく進むよう、皆様、御協力をお願いいたしたいと思います。
また、審議の進行につきましては、今回県ごとにプレゼンテーションしていただきまして、そのプレゼンテーションの後に質疑に入ります。資料4として今回御準備させていただいております県のプレゼンテーション資料、こちらを配付しておりますので、適宜御参照いただきながら、御審議のほどよろしくお願いいたします。
また、審議の公平性について御説明させていただきます。公平性の担保という観点から、構成員が関係ある県の審議中に関しましては、一旦御退室をいただいているところです。本日に関しましては、その審議対象となる県につきましては、構成員の皆様には該当はないということを御報告いたします。
○藤座長 ありがとうございます。
では、実際の審議に入りたいと思います。まず、都道府県の拠点病院の新規推薦ということで、群馬県について議論をしたいと思います。その後に、青森、富山、鳥取の順番で議論いたします。
では、まず群馬県より、プレゼンをよろしくお願いします。
○群馬県 私、群馬県健康福祉部副部長の根岸でございます。本日は御説明の時間をいただきまして、ありがとうございます。
先ほど御指摘がありましたけれども、本県におきましては平成27年4月から現在まで、都道府県がん診療連携拠点病院が指定されていない状態が続いております。今回、群馬大学医学部附属病院が新しい指定要件を満たすこと、そして、指定不更新時に指摘を受けましたガバナンスの確立につきましても改革を進め、改善しているものと判断し、都道府県拠点病院に推薦させていただきました。群馬県におけるがん診療連携体制の整備のため、ぜひ御指定いただくようにお願いを申し上げます。
具体的な内容につきましては、担当室から説明させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○藤座長 では、どうぞ。
○群馬県 よろしくお願いいたします。がん対策推進室長の柿沼と申します。私から説明をさせていただきます。
まず群馬県の医療圏や拠点病院の状況からでございますが、簡単に申し上げますと、本県には医療圏が10ございまして、現在県北西部の1つの医療圏を除く9の医療圏で地域の拠点病院が指定されております。しかしながら、先ほど申し上げたとおり、都道府県の拠点病院が不在でございますので、今回、群馬大学医学部附属病院を都道府県拠点病院として新たに推薦させていただきました。
都道府県拠点病院につきまして、推薦に対する考え方でございますが、今回につきましては、都道府県がん診療連携拠点病院が県内不在であるという点を強く意識いたしました。
国の計画にもございますけれども、全国で拠点病院の整備体制は整っておりますが、本県では27年4月に群大病院の指定が取り消されて以来、現在では47県で唯一都道府県拠点病院が指定されていない状況になっております。実際には拠点病院でない群大病院に頼らざるを得ない面も正直ございますが、都道府県拠点病院が不在であることから、例えば都道府県がん診療連携拠点病院の連絡協議会などでは、本県からの正式メンバーは派遣をされておりません。オブザーバーとして一応名前を出させていただいておりますけれども、地域の拠点病院等に周知すべき情報を確実に集めるという点が担保されていない状況であります。
また、国立がん研究センターの研修会では、拠点病院でないと出られないものもございまして、こういったこともあわせまして、本県内の地域の拠点病院への人材育成や情報提供、診療支援など、多くの面で本県がん医療に影響を及ぼすことになっています。また、ゲノム医療の体制整備につきましても支障を来しているのが現状でございます。
このような状況を鑑みまして、都道府県拠点病院の再指定は、本県のがん医療体制の整備における最重要の課題ではございます。都道府県拠点病院の役割を担うことができるのは県内で唯一群大病院だけだと考えておりますので、今回、推薦させていただいたところでございます。
指定に必要な要件につきましては、少なくとも3月1日までに全て満たしていることを確認してまいりました。また、群大病院では、医療事故の判明後に職員の意識改革や協力体制を構築するために、医療安全管理体制の整備のほか、ガバナンス体制の強化など、特定機能病院に求められる水準に達するまで取り組みを進めてまいりました。また、インフォームド・コンセントの録音や患者参加型の医療推進など、全国に先駆けた医療にも取り組んでおります。
ぜひ本県のがん診療体制の維持強化のために、中核となります群馬大学医学部附属病院を再び都道府県拠点病院に指定いただきますよう御検討をお願いいたしまして、簡単ではございますが、私からの御説明とさせていただきます。どうもありがとうございました。
○藤座長 ありがとうございました。
今の御発言に対しまして、構成員のほうから何か御意見、御質問はございますでしょうか。
これは資料4の29ページに書いてありますけれども、県として医療安全管理体制やガバナンスの強化というのは群馬大学はいろいろなさっていると思いますけれども、このがん診療連携拠点病院を指定するに当たって、県として例えば実地調査とか内部に入ってガバナンスがどうなっているのかという調査はなさっておられますか。
○群馬県 当室として直接やってはおりませんけれども、別に大きな問題として特定機能病院の再指定というのがございます。同時に指定が取り消されておりますので、そちらも含めまして、例えば県で群大再生に向けた協議会、これは県も群大も参加したもの、協議会を立ち上げまして、そういったところで状況の確認、また、方向性についての検討をさせていただいておりますので、県全体としては既に把握をして、また、望む方向を示しながらともにやってきたつもりでございます。
○藤座長 御意見はございますか。
どうぞ。
○中村構成員 今、特定機能病院の話が出たのですけれども、特定機能病院のほうの再指定の状況はどうなっているのでしょうか。
○群馬県 詳細については、手続上、県は関与しておりませんので、確定的なことは申し上げられませんけれども、2月25日に委員の方に来ていただいた現地調査が行われたと聞いております。まだ、その後の手続はわからないのですが、分科会の開催を今後予定して、そこで審議されるとは聞いております。
○群馬県 補足させていただきますと、2回の審査会を受けまして、その後、2月25日に現地調査という状況になってございます。
○藤座長 特定機能病院というのはもちろん高いハードルはあるのですけれども、ここはここで独立というか、がん診療連携拠点病院として都道府県の拠点病院の医療安全を満たしているかどうかという議論が本当は必要になってまいります。
ほか、何かございませんでしょうか。
どうぞ。
○村本構成員 質問が1点と、この検討会内部での意見が1つございます。
質問なのですが、患者参加型医療推進委員会、これは群馬大学病院のホームページで、亡くなられた患者さんの御遺族も何人か入られて進められていると受けとめております。亡くなられた患者さんについては、全員の遺族の納得等が得られて進められているのか、そのあたりをお聞かせください。
○藤座長 どうぞ。
○群馬県 今、御指摘いただきましたとおり、いろいろな交渉の中で一番腑に落ちないというか、御同意を得られない患者さん9名の方が患者家族会ということで結成をした中から、2名の代表の方にこの患者参加型推進委員会に入っていただきました。その中でいろいろな御意見をいただき、改善方法として、全部公開するだとか記録も出しましょうということで、それは当然群馬大学でも検討いたしまして、その方向でやりましょうということで御参加をいただき、患者の御家族の方からの講演も職員に直接お話をいただきまして、本当の気持ちを伝えたところでございます。
そして、現在のところ、患者会の家族9名の方につきましては、お話し合いが成立しているところでございまして、全体の中でもほとんどの方につきましてはお話し合いは進んでいるところで、まだ一部、最終的な合意に至らない方はいらっしゃいますけれども、ほとんど進んでいる状況でございます。
○村本構成員 もう一つは、県への質問というよりは、この検討会で指定をするかどうかのステップに関する意見なのですが、それも申し上げてよろしいですか。それとも後のほうがよろしいでしょうか。
○藤座長 今、よろしくお願いします。
○村本構成員 同様の医療事故があった千葉県がんセンターの場合ですと、一昨年、それから、昨年の議事録を拝見しますと、一昨年は都道府県がん診療連携拠点病院としての要件は満たすけれども指定するかどうかは保留になって、それから、実際に現地に行かれて、山口先生や厚生労働省の御担当の方がヒアリングや実地調査を踏まえて、昨年指定になったと拝見しております。
群馬大学病院のホームページや今の御意見などを踏まえると、本当に真摯に取り組まれていることが認識はできるのですけれども、事の重大さを考えた場合に、群馬大学病院からの直接のヒアリングなどを得なくて決めてしまっていいのか。その辺が気になっております。
○藤座長 ありがとうございます。
この検討会としてのヒアリングですね。実地調査等々に入るべきではないかという御意見かと思います。実際、千葉県がんセンターはそのような形になったということなのですね。その翌年にもう一回申請をしてもらってオーケーが出たという経緯でございますね。
○事務局(丸野) そのとおりでございます。
○藤座長 羽鳥先生から、どうぞ。
○羽鳥構成員 群大の場合は、一つは手術の大きな事故が続いたということだと思いますけれども、ナンバー外科であって全く同じことを2つの科でやっていてお互いに情報を共有していなかったという大きな欠点がありますが、これは改善しようとしているとしか文章では読めないのですけれども、改善したと考えていいのかが一つ。
もう一つは、今回このがん拠点の見直しで医療安全という項目が新しく加わってわけですけれども、それに対してのコメントがちょっと少ないのではないかと。まさにこれは新しく見直すのに群大のことが一番ポイントで置かれたと思うのですけれども、それに対するヒアリングの回答がおざなりな気がするのですが、いかがでしょうか。
○群馬県 まず1点目のナンバー制につきましては、内科、外科でそれぞれセンター化をいたしまして、臓器別の診療科ということで、先生に御指摘いただきましたように1外、2外という形で分かれたものを完全に統一いたしまして、最初は手技などが違っておりましたけれども、現在の段階ではスムーズに手術の割り振りだとかカンファレンスも一緒にやるという形で改善ができていると我々は認めているところでございます。
医療安全につきましても、その後、本当に医療安全管理体制も強化いたしまして、今回、指定されております条件、あるいは先ほどちょっとございましたけれども、特定機能病院の条件につきましてもクリアをして改善を進めておりまして、死亡につきましても、死亡症例を全例把握しながら、必要なものについてはカンファレンスを行うといった取り組みを進めておりまして、改善が進んでいると考えております。
○藤座長 2点目の県の回答、お粗末ではないかということに関して、何かコメントはございますか。
○群馬県 それは大変申しわけございません。恐らくお配りした資料かと思いますけれども、限られたスペースの中で流れに沿った回答をするということで、こちらのほうは随分省略をさせていただいたかもしれません。別途、厚生労働省さんには推薦の意見書というものを出させていただいて、そちらにはかなりのページを割いて御説明させていただいたところで、御理解はいただけているのかなと考えております。
○藤座長 事務局、ございますか。
○がん対策推進官 恐れ入ります。構成員のみでございますが、机上にがん診療連携拠点病院の指定更新に関する意見書で、各県のものが配付されております。今、羽鳥構成員から指摘の件は3ページの下のほうに記載がございますとともに、その他のこと、群馬県さんからここに記載があるということがあれば、御指摘をいただければ幸いでございます。
○藤座長 あと2人。
○小松本構成員 時間も超過しているのでコメントだけなのですけれども、大学病院の規模からして、このインシデント報告のトータルが5,000というのは、まだ少ないのではないかと考えます。実際的に医師からの報告が確実にふえていることは了解しますけれども、医師の報告は30%を超えてほしいなというのがインターナショナル的な基準でございます。
30%になったとしても、その中でインシデントを出しているのが若い先生なのか、実際に上の先生が出しているのか、ふえているのはわかりますけれども、そこのところをきちんとしてほしいと。
それから、前回のヒアリングのときでも言いましたとおり、手術される先生とか、そういう先生方の指導医、認定医というものがあり、それをきちんとレビューして、どこまで手術ができるのかという職務権限を全ドクターについてつくるというお話をいただいたかと思うのですけれども、それをやっておられるのかということのコメントがほしいです。
医療安全研修会を当然やっておると思うのですけれども、そこに前回は医師の出席率が明確になっていなかったということなので、医師が全体のインシデントレポートもそうですし、職務権限もそうですし、参加がないと医療安全が徹底しないと思います。
○藤座長 どうぞ。
○群馬県 医師の報告につきましては先生御指摘のとおりで、群大のほうでも、現在のところ正確なデータはこちらに持っていませんけれども、若い先生方にはなかなか多くなっている状況があるのだと思いますので、そこは改善を図っていると聞いております。
職務権限につきましては、基本的には診療科長が最終的な権限を持つという形でカンファレンスの中でやっていく体制ができておりますので、そのカンファレンスの中でもそういった形できちんと決めていく体制がとれていると考えております。
○藤座長 もう一人。
○横川構成員 時間がない中、申しわけないのですが、さまざま拠点病院でないというところで支障があることはわかったのですけれども、インシデントの体制を、しっかり枠組みがどうできたか示していただくときっと改善がなされたなというところなのですが、カンファレンスをされているだけではなかなか難しい。カンファレンスの中身が医師だけでなく、違うメディカルスタッフたちがどういう意見を含めてということを総合的にこのように評価したものを、枠組みをつくったものを示していただくと改善がなされたことがすごくわかると思うのですが、そこら辺が伝わりにくかったので、どうでしょうか。
○群馬県 先ほど追加資料ということで御紹介をいただきました資料の5ページのところの中段ぐらい、マル3にインシデント報告と分析の強化ということで、報告対象の具体化、定量化を図るとともに医療事故防止専門委員会で分析・検討しまして、それをリスクマネジャーで各会議へフィードバックしております。そういった中でインシデントの結果を返している取り組みをしているところでございしまして、具体的な様式などは手元にございませんので説明できないのですけれども、そういった形で対応していると考えております。
○横川構成員 初めに手術自体がどうなのかというキャンサーボードをちゃんと含めて、どういうシステムをつくって、事故が起きたときにはどういう評価をするという一連の流れだと思うのですけれども、そういう枠組みを見せていただけるといいのかなと。
○群馬県 わかりました。
○藤座長 議論は進んでおりますけれども、すぐは結論が出しにくい状況だと思います。要件は十分満たしているのはわかりますし、群馬県で中心となる病院であろうということは十分認識できますけれども、我々検討会の構成員の中で結論を少しもまないといけない状況のような気もいたしますが、ここは一旦保留として、座長預かりみたいにしてもよろしいのでしょうか。
○がん対策推進官 検討会の先生方に合意いただけるのであれば。
○藤座長 どうでしょうか。今の段階でこれをずっと結論を出すまで議論すると相当時間がかかってしまって、予定時間を過ぎておりますので、一旦ここで預からせていただいて、もう一回我々で議論をし直すということでよろしゅうございますか。
では、そうさせていただきます。どうもありがとうございました。
引き続きまして、青森県、富山県、鳥取県の順番でヒアリングをしたいと思います。
では、まず最初に青森県、よろしくお願いいたします。
○青森県 青森県の櫻庭と申します。私から資料に基づき説明させていただきます。
まず最初に青森県のがん医療圏の概要がございます。青森県は6県域の2次医療圏がありまして、それぞれに津軽圏域、八戸圏域、青森圏域と、この3地域が人口規模も大きい状況になっております。
今回、各圏域の中で2拠点病院がある上十三圏域、この状況について説明させていただきますと、面積的には一番大きい状況になっておりまして、人口的には17万1000と、青森、弘前、八戸の約半分という状況になってございます。
次のページ、指定の状況となっております。各圏域、西北五圏域は拠点病院がございません。ここは青森、津軽地域とそんなに移動的にも離れてございませんので、ここが連携してやっている状況です。該当の上十三地域につきましては、面積が一番大きいということと、指定病院の規模がそれほど大きくない状況、似たり寄ったりの状況だというところで、2病院が圏域全体をカバーするというところで、隣接する医療圏の負担軽減、また、2病院の特色を生かした医療が提供できるということで、地域におけるがん医療の均てん化を推進していくということで指定をいただいたところでございます。
今回、次のページにございまして、各病院の実績ということで一覧表がございます。上十三地域の十和田市立、三沢市立の病院、十和田のほうががん登録等の数字が基準を満たしているのですけれども、それ以外の数字は満たしていない状況です。三沢もそれぞれ満たしていない状況がございますけれども、「当該2次医療圏に居住するがん患者の診療の割合」が、十和田が33%、三沢が25%と、おおむねこれぐらいの割合以上の推移でやってきてございまして、合わせて6割弱ということで、各圏域ごとの、この圏域の患者さんが2病院にほぼ来ているというところがございます。
その下の下北のむつ総合病院は隣の圏域までは車で2時間ぐらいの距離というところがございまして、ここは80%、ほぼここの圏域の中でおさまっていますけれども、上十三地域につきましては広い地域を有する中で6割弱が来ている状況にございます。
そういった状況も含めまして、次のページになりますけれども、現状においては、生活圏レベルでの医療の提供ということで、また2病院の特色を生かした医療の提供を両病院の院長先生ともお話ししております。十和田のほうでは緩和ケアやトモセラピーといった療養、また、三沢病院では薬剤療法、PET-CTやda Vinciといった機材を有しておりますので、できれば連携して対応していくということのお話をいただいております。
こういった状況を踏まえまして、次のページでありますけれども、本県平均寿命、がんの年齢調整死亡率ともに全国最下位という状況でございまして、今までの県における拠点病院、がん連携拠点病院、または地域がん診療連携拠点病院等の連携を進めながら、がん医療の均てん化を進めていきたいと考えております。
最後のページになりますけれども、補足事項、他圏域と異なって2病院が規模的に大きくなる、単独では圏域全体をカバーし切れない状況だということもございますので、何とぞ御了解いただければと思っております。
○藤座長 ありがとうございました。
今の発表に対して、御質問、御意見はございませんでしょうか。
どうぞ。
○村本構成員 三沢病院に関して、2つ教えてください。上十三の2つの病院は、診療実績の面では、ともに基準に満たないと思いますが、2つを比べた場合、三沢病院は緩和ケアや相談支援で十和田中央に比べて大きな差があるように思います。この点を教えていただきたいのが一つ。
もう一つ、御説明では、三沢病院の特色は薬物療法とお伺いしましたが、資料3の一覧表を見ますと、三沢病院の薬物療法の実績は、前年の1,300件から300件台に減っているようにお見受けしますが、これについて御説明をお願いします。
○青森県 先生からの2つの質問についてお答えいたします。
まず三沢病院がなくなった場合の緩和ケア、相談センターの部分についてですが、実際、三沢病院が当該圏域からなくなると、上十三地域というのは東京都と同じぐらいの面積がある広い地域でして、そこで機能分化を図った形で両病院でがん医療を提供していたということもありまして、ここの病院がなくなることによって、先生御指摘のとおり、緩和ケア、相談支援センターの業務には少なからず支障が出てくると思われます。
薬物療法、前年は1,300幾らあったのが、今300幾らになっているというのがありますが、病院に確認したところ、前年までは内分泌単独療法を含めた形で1,300幾らと計上していたのですけれども、今回の現況報告では内分泌単独、その部分は除くというようなただし書きが付されていたことから、実際に計算したところ、300幾らが本当の数字だということになります。
○藤座長 よろしゅうございますか。
○村本構成員 確かに三沢病院に関しては、エリアに住む患者さんの利便性ということは理解できます。一方で、私は以前の議事録を拝見したときに、2015年、4年前のこの検討会の際に三沢病院は緩和ケア紹介チームへつなぐのが1年間のうち4カ月間ゼロだったという御意見もありました。その点からしますと、今回緩和ケア47件ということで、基準には満たない状況になっていますが、全体的にこのあたりの取り組みがおくれているのではないかとも危惧します。そのあたりをちょっと教えてください。
○青森県 先生の御質問についてお答えいたします。
緩和ケア、先生のおっしゃるような2015年は緩和ケアの紹介件数がゼロという形のあれがありまして、県としましてもその件数をふやすがため、三沢病院のほうにもがん診療連携拠点病院としての機能強化を図るという指導・助言等をいたしてきましたが、ここの地域において、緩和ケアの診療につきましては十和田市立中央病院が大きな役割を担っていまして、その部分で今回の50件の新規のあれを満たさなかった形になります。
○藤座長 ほかにございますか。
どうぞ。
○横川構成員 今の御質問と関連して、がん診療連携拠点病院としては、そこの50件という数字は満たさないとは思うのですけれども、例えばがん診療病院であったりなどすると、緩和ケア等、相談支援の体制は同じように整備しましょうということになるので、それだったら満たされることなのかなと見えているのですが、県のお考えはどんな感じでしょうか。
○青森県 先生の御質問にお答えいたします。
先生御指摘のような形で、地域がん診療病院だったらオーケーではないのかというお話ですが、現在、本県でもこの話をきょう聞いたばかりなので、この話を一旦病院にも説明した形で今後検討していければと考えています。
○藤座長 どうぞ。
○がん対策推進官 事務局から補足させていただきます。
地域がん診療病院、今、御指摘の件ですが、こちらは基本的には空白の医療圏にのみ適用する制度でございますので、今回は対象とはならないと理解しております。
○藤座長 今、ここで議論したいのは、十和田市立と三沢が両方とも拠点病院の指定の要件を満たしていない。ただし、要件の中の相対的な評価ということで、地域の中のがんの患者さんをどのくらい見ているかということになると、十和田が33%、三沢が25%ということでございます。
ですから、先ほど言いました要件を満たしていないところを地域拠点病院に指定するということの問題点と、一方で、マル2のほうで1つの医療圏に1つの拠点病院をするということを考えますと、ここでは十和田市立中央病院を要件の相対的な評価に33%を診ているというようなことで、そちらだけを認めて三沢のほうは更新をしないという方向になると思うのですが、構成員の方々から御意見はどうでしょうか。
では、そのようにここの検討会ではしたいと思います。この図を見てみますと、県指定の診療連携推進病院というのもございますね。これは私の個人的な感想なのですけれども、その点でカバーができないのかなと思っておりますので、それを含めての検討もしていただければと思います。よろしゅうございますか。
では、青森県はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。
続きまして、富山県、お願いいたします。
○富山県 富山県厚生部次長の大橋でございます。着座にて説明させていただきます。
それでは、お手元の資料の10ページからでございます。10ページは富山県のがん医療圏の概要です。4つの医療圏がございまして、今回プレゼンの対象となっておりますのは新川医療圏で、複数の指定更新をお願いしているということでございます。
次のページ、県内の病院の場所をポイントしております。新川医療圏は右上のほう、新潟県沿いのほうで黒部市と、富山労災病院は魚津市にございます。
次のページ、この2病院についての診療実績でございます。黒部市民病院につきましてはおおむね満たしておりますが、放射線治療だけが満たしていない。ただ、これについては個別の事情がございますので、この後に御説明いたします。富山労災病院については、まだ満たしていない項目が多いと。ただし、診療の割合については黒部が5割強、富山労災が3割強ということになっております。
次のページをごらんいただきまして、その辺を文字で起こしておりますけれども、黄色の部分です。黒部市民病院は新川医療圏内の5割強のがん患者を診察しておりまして、この医療圏における中核病院になっております。一方、富山労災病院については、同じく医療圏内の3割強のがん患者を診療しております。また、この病院については、北陸唯一のアスベスト疾患センターということで位置づけがされておりまして、悪性中皮腫の診断、治療を行っております。
この両病院で合わせて新川医療圏の9割近くのがん患者を診ておるということで、県といたしましては、この2つを合わせて新川医療圏のがん診療をこれまでも進めてきたということで、今回も合わせた更新をお願いしたいと考えております。
最後、14ページをお願いいたします。特殊事情について御説明をいたします。黒部市民病院につきましては、放射線治療に関する実績が若干足りないということになっておりますが、事情といたしましては、29年3月末に従来からおりましたがん治療認定医が退職したと。後任はもちろん着任して引き続きがん診療を続けておるわけですが、そういうことで、30年の1月から12月までの実績については181人でした。29年は161という数字があります。
実はこの181人も後半のほうはふえてきておりまして、その下のほうに書いておりますけれども、直近3カ月、これは30年11月から31年1月までであれば月平均19人、ちなみに2月も19人でございまして、このペースでいくと年間200件以上にはなるはずだと思っております。
その下のほうに30年7月から休止していました呼吸器外科入院業務も再開しておりますので、範囲外に関しての放射線治療もふえていくということで、今後安定して放射線治療も進んでいくだろうと考えております。
また、黒部市民病院は、新川医療圏では唯一常勤の血液専門医を持っておりまして、血液がんへの治療、これに強みを持っているということで、圏域内で他の病院では対応困難な血液がん患者への対応ができるということでございます。
一方、富山労災病院でございますが、これは国の施策で石綿による健康被害の迅速な救済を図るということで、アスベスト関連疾患の中核となる医療機関に指定されております。当病院は北陸地域では唯一のアスベスト疾患センターということで、一般住民からのアスベスト医療相談への対応、他の医療機関に対するアスベスト医療相談に関する指導・助言を行うことができる唯一のがん診療拠点病院ということになっております。アスベスト疾患としての実績は、その下の囲みで書いてあるとおりでございます。
県といたしましては、この2病院について、特に富山労災は若干診療実績は劣るところはありますけれども、これについてはアスベスト疾患センターということで従来どおり2つ合わせて新川医療圏の9割の患者を診ているということもありますので、指定更新をお願いしたいと考えております。
以上でございます。
○藤座長 ありがとうございました。
御質問、御意見はございませんでしょうか。
富山のほうをどうするのかという問題になるのかと思います。黒部市民病院のほうは放射線が満たしていないものの、かなり満たしている。それがもしなくても新川医療圏の中の52%を満たしているということで、こちらの要件は満たしているのかと思います。
先ほどと同じように、富山労災病院が満たしているかということが議論になるかと思います。数が実際に全然足りていないという要件があるのだけれども、アピールポイントとしてはアスベストということがございます。実際、アスベストの相談にもしっかり乗るようにというのが第1期の基本計画にもずっと載っておりましたし、そこをどう考えるかということでございますけれども、構成員から御意見はございませんでしょうか。
○中村構成員 がん拠点病院とアスベストの疾患センターということで、がん拠点病院の看板をおろしてしまうとアスベストの疾患が見えなくなるわけでは決してないわけですね。そこの整合性は、別にがん拠点病院はとっていなければいけないというわけではないのですか。そこを確認したいのですが。
○富山県 こちらではそのようには理解しておりますが、事務局のほうで。
○事務局(丸野) 事務局でございます。
アスベストに関しましては、もちろんがん拠点病院であることとアスベスト疾患センターであることに関しましては制度が別でございます。アスベスト疾患センターに関しましては、第2回の本検討会におきまして、労働者健康安全機構が開設している労災病院の中に設置されているアスベスト疾患センターに関しまして、がん拠点病院の要件充足を満たしているもの関しましては、先ほど藤座長からもありましたけれども、第1期の計画の中でアスベストというのも重要視されておりましたので、積極的にがん拠点病院の要件を満たしているものであれば認めていこうという経緯が資料としてございます。
ですので、もちろん先ほど中村構成員から御指摘がありましたように、基本的には別のものでございますので、これらの病院ががん拠点病院として指定されなかったとしてアスベスト疾患センターが取り消されるわけではないということでございます。
○藤座長 県もその認識はよろしゅうございますか。
○富山県 はい。
○藤座長 御意見はございますか。
これも先ほどと似たような議論にはなるのですけれども、均てん化を目指して、最初に2つ要件を満たしていなくても、恐らく当初も満たしていなかったということですね。だけれども、指定をしていた。しかし、一方では施設間格差も問題になって集約化も言われるようになってきた。そして、原則は1医療圏に1つということを考えますと、ここでは黒部市民病院は52%ということで更新の許可は出る。161という放射線は足りなくても、そちらのほうでクリアできますので、こちらは更新はオーケーということになると思いますが、富山労災病院の更新は今回はなしということになるかと思います。御意見はいかがでしょうか。検討会としてその方針でよろしゅうございますか。
では、そういうことにさせていただきます。黒部市民病院のみを更新とするということにしたいと思います。ありがとうございました。
○富山県 ありがとうございました。
○藤座長 続きまして、鳥取県、お願いいたします。
○鳥取県 鳥取県でございます。鳥取県健康政策課の山本と申します。座って説明をさせていただきます。
まず、鳥取県の概要でございますが、鳥取県は日本一都道府県の中で人口の少ない県でございまして、今、3つの医療圏がございます。そのうち面積、人口の多い東部医療圏、西部医療圏については複数の拠点病院を整備して、県全体としては5つの拠点病院が整備されるところでございます。
18ページでございますが、拠点病院の実績、今回ヒアリング対象となっております東部医療圏の県立中央病院、鳥取市立病院でございますが、薬物療法とか放射線治療の患者数が満たせていない状況にございます。
今回、ヒアリング対象ではございませんが、東部医療圏では新たに鳥取県赤十字病院もあわせて県のほうでは推薦させていただいたところでございます。
資料5になっておりますが、現在、鳥取県のがんの現状というものがございまして、鳥取県におきましては、75歳未満年齢調整死亡率が非常に高く、直近の平成29年では全国でワースト2位という形になっております。ここ5年間を見ましても、ずっと下位のほうから抜け出せていない状況にございます。
このような中で、鳥取県といたしましては、がん診療連携拠点病院の整備方針といたしまして、地域がん診療連携拠点病院を2次医療圏におおむね1つ、必要に応じて複数整備していくという考えを持っているところでございます。
今回、ヒアリングの対象となっておりますのは、東部医療圏につきましてでございますが、県立中央病院、ヒアリング対象ではない鳥取赤十字病院もあわせまして、隣接医療圏、主に兵庫県の但馬地域等も含めまして、一部も含めた幅広い高度の急性期がん医療を提供しておるところでございます。
この両病院につきましては、平成30年に新しい病院がオープンしておりまして、設備等の機能強化も図っておるところでございますし、この病院間におきまして「がん診療の共同拠点化に関する覚書」というものを締結し、病病連携を進めているところでございます。また、鳥取市立病院に関しましては、より地域に密着した病院ということで、検診からみとりまでの切れ目のない医療の提供を行っているところでございます。
鳥取県といたしましても、先ほど申しましたとおり、人口的に極端にというか、全国最小の県でございまして、なかなか診療の患者数の要件を満たすのは地域特性から見ても大変厳しいという認識をしておりますが、今回推薦させてもらっている病院に関しましては、医療圏におきまして患者の診療実績は全て2割を超えているところでございますし、現在、東部圏域におきましては複数の医療機関を拠点病院として指定いただいているところもありますが、県の大変厳しいがんの状況を考えますと、県民の方が身近な地域で安心して、質の高いがん医療が受けられる診療体制を提供していくのが必要であると考えているところでございます。
これらは今回推薦しております拠点病院のそれぞれの特色を生かした機能分担であったり、連携強化といったことを図りながら、医療の均てん化が図られ、がん診療の質的向上が期待されると考えておりますので、県としましてもぜひとも複数の医療機関を指定していただきたいと考えているところでございます。
以上です。
○藤座長 ありがとうございました。
確認ですが、6番は新規で鳥取赤十字病院を推薦されたということですね。
○鳥取県 はい。
○藤座長 ただ、これに関しましては、一番最初に事務局から説明がありましたように、新規の場合は全てを満たしていないと可とならないということですので、まず鳥取赤十字病院の拠点病院化はないという形になるのかと思います。
そうした上で、今度は県立中央病院と鳥取市立病院の2つあるところで、2つとも要件を満たしていないことをどう考えるかということかと思いますが、構成員の方々から、御意見、質問はございませんでしょうか。
村本構成員。
○村本構成員 県立中央病院と市立病院を比較した場合、全体的には県立中央のほうが数字は上かなと思っております。そんな中で市立病院のほうは緩和ケアの充実を図る地域密着型とうたわれておりますが、緩和ケアの件数自体は県立中央よりも低くて、53件という基準ぎりぎりにとどまっています。このあたりと相談支援に関しても、県立中央と比べるとかなりの差がありますが、役割分担をどうされているのかといったことも含めて教えていただければと思います。
○鳥取県 ありがとうございます。
まず、中央病院ですけれども、30年の12月に新病院として新たにスタートいたしまして、この緩和ケアの部分につきましても新たに緩和ケア病棟を新設するということで、現在、職員研修中で、新病院の発足には間に合わなかったのですけれども、10月には病床を新たにオープンするということで、この緩和ケアの体制もより充実に向かっていくと考えております。
市立病院に関しましては、先ほどのプレゼンでも申し上げましたように、少し県立中央病院とは機能が異なっておりまして、通常ですとこの地域のがん診療連携拠点病院は、もちろん病病連携、病診連携をして地域の中でしっかりネットワークを組んでいくというのが責務でございますけれども、主には超急性期や急性期を担う病院が多いかと思いますが、この市立病院に関しましては、近年、この医療機能を本当に柔軟に変化させてきております。
といいますのは、高齢化率が30%、そして、地域の状況としましては公共交通機関が非常に発達していない、中山間の多い鳥取県でございます。人口も57万人ということで、年々減少してきている県でございます。そういった中で地域包括ケアをどうして進めていくのか。その中で医療の果たす役割をということで、地域医療構想の中で、医療圏の中で、それぞれがその病院が果たす機能を認識しながら、機能を進化させてきていると考えております。
この市立病院に関しましては、特に専門分化されているがんの医療の専門医のはざまを埋めるといった役割をしっかりとっていくということで総合診療といったところに力が置かれておりまして、特に自治医科大学卒の医師が鳥取県の義務年限を終えた医師が市立病院のほうに集約されてきておりまして、そういった地域包括ケアをしっかりと進めていく体制、とにかく急性期から在宅医療、また、みとりまでしっかりと地域の病院と連携をとってやっていく。県立中央病院から退院された方も含めてそういった機能を果たしています。
ですので、「きずなノート」といって、急性期の市立病院と診療所の先生と患者家族の方とのノートを使いながら、多職種連携でしっかりとチーム医療を提供している病院でございますので、そういったカラーといったところ。先ほど言いましたように、がんの死亡率、罹患率が高い鳥取県としましては、診療連携拠点病院の数が減るということは、対外的に見たときに、本当に厳格化されるという国の背景はよくわかりますけれども、県民に対してあるいは医療従事者の士気といいますか、そういったところが落ちてしまうのではないかということを危惧しております。
ですので、現在、赤十字病院に関しましては、先ほどの指定の考え方からいきますと、諦めざるを得ないと思うのですけれども、市立病院に関しては引き続きの指定をお願いできたらと考えているところでございます。
○藤座長 ありがとうございました。
今の御意見も含めて、どうぞ。
○中村構成員 2つ教えていただきたいのですけれども、県立中央病院と鳥取市立病院の距離的な関係。もう一つは、これはがん拠点の審査ですので、例えばこの2つの病院が一緒になって相乗効果的なものをあらわしているのか。一個一個個々でやっているわけですけれども、何か補えるのか。そのようながんに関しての部分の御説明をいただけますでしょうか。
○鳥取県 地理的な関係からまず御説明を申し上げます。
県立中央病院というのは、資料4をお開きいただきますと、マル2のところが鳥取県立中央病院なのですけれども、鳥取県東部の海側にございます。但馬医療圏、兵庫県との県境に近いところにございます。一方、鳥取市立病院というのは、マル3ということで、鳥取市の南部のほう、やや山側のほうということでございます。
役割分担というところで御説明をさせていただきますと、前回も御説明をさせていただいておるのでございますけれども、この鳥取県の東部の医療圏で但馬医療圏からの流入がかなり多いのが県立中央病院のほうでございます。鳥取市の海側のほう、県庁ですとか市役所というのが割と町なかにありますので、鳥取東部の北部のほうにある都市部の住民をエリアとしてカバーしておるということでございます。
一方、市立病院は、先ほども説明を申し上げましたけれども、地域密着型ということもございまして、東部圏域の中の南側、山側の八頭郡という郡があるのですけれども、そういったところの鳥取東部の南部側のがん患者の方を地理的には分担しておると。一部、岡山の県北のほうの方も入ってこられる場合もあります。
以上です。
○藤座長 がんに関する相乗効果という点ではどうでしょうか。
○鳥取県 がんに関しましては、市立病院の一番の強みといたしましては、肝・胆・膵の外科の部分で高度な手術が担えるところでございます。10年間で345例の手術をしておりますけれども、この高難度の手術ができるのは鳥取大学とこの市立病院ということで、県内で2カ所ということになってございます。そういった面での強みはあるかと思います。
○藤座長 よろしゅうございますか。
地域包括ケア等々が大切というのはすごくよくわかりますし、鳥取市立病院がいろいろ機能を変えながら柔軟に対応していっていることもよくわかるのですが、実際にそういうことをしていったときに、現状、延べ患者数が1,000人以上のところが453、放射線が延べ患者数200人以上のところが125ということですけれども、これは今後伸びていく可能性はあるのでしょうか。
○鳥取県 鳥取県の場合は放射線治療の専門医、また、薬物療法の専門医が全県的にも不足している状況の中で、人口も少ないですし、この診療実績がどんどんと伸びていくのかといったことについては少し見えないところではありますけれども、市立病院に関しましては岡山大学病院とのパイプが非常に強うございまして、そのゲノム医療の関係でしっかりと連携をとっていくと。そういった中では適用をこれからしっかり上げていくということを病院は表明しておりますので、診療実績も伸びていく可能性があると考えております。
○藤座長 ほかにございますか。
そのように伸びていくことがある程度は想定できるのでしょうけれども、それが拠点病院に足るかという問題ですね。恐らく今のような状況は日本全国いろいろなところでやっていて、原則として1医療圏に1つということを言っている限りにおいては、鳥取県の事情もよくわかりますし、今後いろいろな難しい問題があったり、肝・胆・膵がそこに行っているという問題もございますけれども、その辺は県で県民に対する周知を図っていくとか、あるかどうかわかりませんが、県指定の病院にするとかということで、ある程度解決できるところではないかと思います。
したがいまして、私の意見としましては、鳥取県も県立中央病院を1つ、ここはマル2の要件で38%の患者さんを見ているということでクリアできますので、県立中央病院だけを更新して、鳥取市立病院はもし指定要件をクリアできればまた新規としてトライしていただくことが適当ではないかと私自身は思いますが、先生方、どうでしょうか。よろしゅうございますか。
では、事情はよくわかりますけれども、そういうことにさせていただきたいと思います。ぜひ頑張っていただければと思います。ありがとうございました。
長い間ありがとうございました。以上で議題1の新規の指定、それから、指定更新推薦の医療機関にかかわる検討は終了したいと思います。
では、ここで結果をまとめるということで、事務局、よろしゅうございますか。
○事務局(丸野) それでは、本日の検討結果も含めて御説明させていただきたいと思います。
まず、お手元に資料2と資料3を御準備ください。まず、資料2の4ページ、5ページ、この方針につきまして検討会で御同意いただけたというところで、先ほどの資料3について御承認いただいたものと御承知しております。
資料3にございますように、都道府県がん診療連携拠点病院に関しましては、50病院というところで承認いただいております。
本日、御議論いただきました群馬大病院に関しましては、本日の段階では保留という形で結論をいただいたと思っております。
また、地域がん診療連携拠点病院の高度型に関しましては、資料3の3ページにございますように、今回14病院を指定するということをお認めいただいたものと考えております。
そして、地域がん診療連携拠点病院、いわゆる一般型の拠点病院に関しましては、資料3の4ページから12ページにございますように、322病院に関しましては、この資料2の4ページの方針に従ってお認めいただいたものと承知しています。
さらに今回のヒアリングの結果をまとめさせていただきますと、青森県の上十三医療圏に関しましては、十和田市立中央病院、こちらを拠点病院として検討会としては指定したいと考えております。この指定年限に関しましては、確認させていただきましたところ、医療安全の研修等の経過措置項目が未充足と言うことで、1年間という形で今回は指定をさせていただきたいと思っております。
富山県に関しましては、黒部市民と富山労災に関してヒアリングをさせていただきまして、黒部市民病院を拠点病院として指定することがふさわしいと検討会で結論をいただいたかと思っております。黒部市民病院に関しましては、がん登録中級認定者が不在というところで現況報告を伺っておりますので、こちらに関しましても経過措置で1年間の指定というところにさせていただきたいと思います。
鳥取県に関しましては、東部医療圏に関しまして、鳥取県立中央病院、鳥取市立病院、鳥取赤十字病院を推薦いただいていましたけれども、鳥取赤十字病院に関しましては、新規推薦でアルゴリズムに基づきまして新規指定の要件を未充足ということが確認されておりますので、不可。ヒアリング対象としましては、鳥取県立中央病院及び鳥取市立病院に関しましては、検討会の結論としましては鳥取県立中央病院を指定と。こちらに関しましては、一つの指定となった場合に、診療実績はマル1またはマル2のいずれかでよいことになりますので未充足条件はほかにございませんので、4年間の指定というところで検討会としては結論させていただきたいと思っております。
○がん対策推進官 事務局です。失礼いたします。
今の3医療圏、ヒアリングいただいた県については、事務局のほうでこの指定年限に該当するのではないかという確認をさせていただきましたが、これについて御意見等をいただけませんでしょうか。御承認いただけるのであれば大変ありがたいと思います。
○藤座長 いかがでしょうか。施設要件を満たしていないものがあるということで、経過措置として十和田市立中央病院が1年間、黒部市民病院も1年間、鳥取県立中央病院は4年間オーケーということになるということで承認ということでよろしゅうございますか。
では、承認ということでお願いいたします。
○事務局(丸野) 続けて、説明させていただきます。
それでは、資料3に戻りまして、資料3の13ページ、国立がん研究センターに関しましては、国立がん研究センター中央病院及び東病院の2病院が拠点病院として指定されております。
14ページ、特定領域がん診療連携拠点病院に関しましては、鹿児島県の相良病院の1病院の指定とさせていただきます。
15ページ、地域がん診療病院に関しましては、現在、記載させていただいています36病院に関して承認をいただいたと思っております。また、本日御議論いただきましたけれども、今回空白となり得る医療圏に関しまして、再度地域がん診療病院の要件を満たすかどうかというところ。また、県の意向も確認した上で月単位の作業日程が必要になるかもしれませんけれども、その場合はまたこちらにお諮りをして、36にプラス幾つかの病院がなる可能性があることを付言させていただきたいと思います。
資料2、資料3に関しては、以上となります。
今後のスケジュールに関しましても御説明させていただきたいと思います。本日御検討いただきました医療機関につきましては、本検討会での結果に基づきまして、所要の手続を経た上で、厚生労働大臣が最終的に拠点病院等につきまして指定をさせていただきます。この指定の決裁が終わった後に、各都道府県に対しまして指定の通知を行う予定としております。
また、先ほどの議論で指定が認められなかったもので地域がん診療病院としてなら認められる可能性がある医療機関に関しましては、所定の手続の後に再度お諮りをするというところで検討させていただきたいと思っております。
以上でございます。
○藤座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○山口参考人 過去の経緯も含めて、きょうの検討会のロジックが少しわかりにくく、今後、悪影響を及ぼす可能性があるので発言します。今回の検討会において、先ほど説明があった厚労省の方針で臨むとすれば、過去、私が検討会をさせていただいた経験を踏まえると、検討会としては、きょうの後の3県の病院は全て1度、更新不可となるはずです。その理由は、資料2の7番目のスライドで、同一医療圏において複数指定されている場合にはマル1の診療数値基準を全て満たすという条件が明確に書かれています。したがって、3県ともに、1回全部、更新不可となるのが正確に新たに提示された要件に基づくやり方だと思うのです。
本来であれば、このような場合、都道府県側が推薦を1カ所に絞って、複数指定ではなくてここ1カ所を推薦するという経緯を経た上で、マル2の相対的な評価がクリアされているという理由で、今回、整理した各医療圏の病院を拠点病院として認めるというロジックが正しいと思います。
前年度までは、複数指定のところから2つの医療機関が推薦され、数値基準が満たされていないものは、一切配慮することなく更新不可としてきています。
今回は、新たな要件が加わっているので少し条件が変わっており、今回の条件では先ほどの結論でいいのだということであれば、そこを明確にしておく必要があります。今後、ほかの複数指定の医療圏から、都道府県が数値基準を満たしていない複数の医療機関を推薦するにあたって、検討会に任せておけば、いずれかを落として、残りの数値基準を満たしていない医療機関を指定してくれる。だから、都道府県側は、基準を満たしていなくても、とにかく複数を推薦して検討会で決めてもらうというような誤った考えをしてしまう恐れがあります。
拠点病院制度においては、都道府県の姿勢が大事なのです。今回の場合は、複数指定の医療機関がともに要件を満たしていない場合、都道府県として1カ所に絞ったうえで、マル2のカバー率、相対的な評価で指定して欲しいと推薦することが正しいロジックだと思います。きょうは参考人として一応コメントだけさせていただきます。
○藤座長 ありがとうございます。貴重なコメントだと思います。
事務局、今のことに対して何かございますか。
○がん対策推進官 事務局でございます。
貴重な御意見、まことにありがとうございます。資料2の7ページにありますとおり、わかりにくかった部分は事務局も反省すべきところでございますが、今、山口先生に御指摘いただいたのは、赤字の部分が今回加わって、「ただし、同一医療圏に複数医療機関を推薦する場合はマル1を満たすこと」ということが今回きちんと明示をされました。
事務局も今般4枚目、5枚目で、こういった判断基準でまず書面の確認をさせていただきたいとお諮りをしたところでございますが、その判断基準をもってしても、今回3県6医療機関については、事務局で機械的な判断が難しかったところで、先生方に御審議をいただきました。
おっしゃっていただいたとおり、実際、どちらかに県の側で絞っていただけるのであれば、そのただし書きの部分は適用されず、マル2の相対的な評価で機械的に判断ができたものでございますので、それについては今後とも県にお願いしていきたいと思うところでございますが、今回については、事務方でどちらという判断ができなかったものですので、御審議をいただいたものでございます。
今後の来年以降の運用について御意見がありましたら、今でも結構ですし、この後、事務局にお寄せいただいても結構ですので、御意見をいただけると大変幸いでございます。ありがとうございました。
○藤座長 今の点について、何か御意見はございますか。
なかなか判断が難しいところがあって、今回ヒアリングをさせていただいたということですけれども、一つ一つのことを考えながら整合性をきっちりとっていく姿勢は当然必要になってまいりますので、我々もしっかり勉強しながら検討していかないといけないかと思っております。ございませんか。
では、これで終わりたいと思います。
事務局、そのほか連絡事項等々はございませんか。
○事務局(丸野) 事務局からは特にございません。
○藤座長 構成員の方々から、何か御発言はございませんでしょうか。
では、これで本日の検討会は終了したいと思います。御協力ありがとうございました。

照会先

健康局がん・疾病対策課

代表 03-5253-1111(内線3826)