(議事録)平成29年度第5回化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会及び第2回管理濃度等検討会

厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課

日時

平成30年3月12日(月)15:00~17:00

場所

厚生労働省専用第20会議室

議題

(1)個別物質の管理濃度等の検討について
  ・マンガンに関する管理濃度等について
(2)平成29年度第4回化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会を受けた検討結果について
(3)酸化チタン(Ⅳ)に係る健康障害防止措置の検討について<非公開>
  ・日本酸化チタン工業会
(4)その他
  ・化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会及び管理濃度等検討会の今後のあり方について

 

議事

議事内容
○磯崎化学物質審査専門官 定刻になりましたので、ただいまより、平成29年度第5回「化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会」及び第2回「管理濃度等検討会」を合同で開催させていただきます。
 本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日の委員の出席状況ですけれども、大前委員、小西委員から欠席との連絡をいただいております。また、特別参集者として遠藤委員、清水委員に御参画いただいておりますが、清水委員から欠席との連絡をいただいております。
 本日の議事の1つであるヒアリングは非公開で行う予定ですので、その際には関係者以外の退席をよろしくお願いいたします。
 それでは、議事進行につきましては小野座長にお願いいたします。
○小野座長 安衛研の小野でございます。
 今まで健康障害防止措置に係る検討会の座長を務めさせていただいておりましたが、本日は管理濃度等検討会との合同の会議につきましても座長を仰せつかっております。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事に入る前に、まず事務局から資料の確認をお願いいたします。
○磯崎化学物質審査専門官 資料の確認をさせていただきます。
 議事次第の裏面に資料一覧をつけております。
 本日の資料は資料1~5、参考資料1~4となっております。このうち資料4及び参考資料4につきましては机上(委員)のみの配付としております。
 委員の方には、そのほかの資料も含めてクリップどめで配付しております。
 傍聴者の方につきましては資料4、参考資料4の2つを除いたものを、一式で用意させていただいております。
 まず、資料1として「『マンガン及びその化合物』の管理濃度について」をA4判1枚で配付しております。
 続いて資料2として「マンガン及びその化合物に関する調査票(案)」をA4左上ホチキスどめで用意しております。
 資料3が「石綿分析作業における発散抑制措置について」。委員の方にはA3用紙を挟んだ資料として用意しております。
 資料4については机上配付のみとなっておりまして、別冊で用意しております。
 資料5として「化学物質対策に係る行政検討会の見直しついて」。
 参考資料1として「化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会開催要綱」。
 参考資料2として「管理濃度等検討会開催要綱」。
 参考資料3として「排気口からの石綿粉じんの排出防止措置に対する御意見」。
 参考資料4として、委員の皆様には机上配付資料を別冊で用意しております。
 資料の説明については以上です。不足がありましたら事務局までお申しつけください。
○唐沢委員 資料4が見当たらないのですが。
○磯崎化学物質審査専門官 失礼いたしました。資料4は「資料4」として記載されておりませんが、別冊の酸化チタン工業会からの発表資料でございます。
○小野座長 いかがでしょうか。皆様、おそろいでしょうか。
 よろしければ、早速本日の議題に移らせていただきます。
 本日の議題は議事次第にありますように、マンガンに関する管理濃度等についてと石綿分析作業における発散抑制装置について、それから酸化チタン工業会のヒアリング等となっております。
 まず、マンガンに関する管理濃度等について、事務局から説明をお願いいたします。
○寺島環境改善室室長補佐 お手元の資料1をごらんください。マンガンとその化合物の管理濃度について御議論をいただきたいと思います。
 今回は管理濃度等検討会と健康障害防止措置検討会の合同ということで、初めてお聞きいただく先生もいらっしゃいますので、恐縮ですが基本的なところを含め説明させていただきます。
 「1 現状」のところをごらんください。「マンガン及びその化合物」は御存じのように特定化学物質に指定されております。これに伴いまして、作業主任者や健診のほか、作業環境測定が義務づけとなっておりますが、下のほうにありますように、管理濃度は現在のところ0.2mg/m3として規定されているところです。この部分ですが、粒径について指定はございませんで、総粉じんとなっております。
 次に、「2 見直しの背景」のところをごらんください。平成28年8月から管理濃度等検討会において都合3回、昨年5月まで検討をいただいてきております。その背景といたしまして、ACGIH、米国産業衛生専門家会議とEC科学委員会のほうで、粒径別、すなわちレスピラブルとインハラブルのばく露限界値が別々に2つ勧告されたことを踏まえまして、見直しに向けた検討を行っているところです。
 参考として示しておりますように、ACGIHとEC科学委員会の値、勧告値は以下のとおりとなっておりまして、現在の管理濃度の0.2に対して吸入性で0.02mg/m3、ECのほうですと0.05mg/m3といった低い値が勧告されているところです。
 裏面をごらんください。「3 検討状況」について簡単に御紹介いたします。現在の管理濃度が総粉じんということで規定されておりますが、今回の勧告を踏まえまして、吸入性粒子とインハラブル粒子の両方の管理濃度を定めるべきか、このことについて検討をいただいてきております。肺まで吸入される場合の影響と、鼻腔までの影響ということで、例えば消化管で吸収された場合の影響の比較も御議論をいただいておりまして、提案理由書を踏まえ、当面の間、吸入性(レスピラブル)の粒子を測定評価の対象として管理濃度を定めることが適当といった方針が昨年5月に示されているところです。
 その際、マル1~マル3として論点が挙がっておりますが、両方を測定すべきかどうかという議論をいただいており、マル1として、分けてサンプリングを行うことがまずもって技術的に可能か。マル2として、両方測定するとしたら負担も大きくなりますので、効率的・合理的な測定とするため、いずれか一方の省略が可能であるかどうか。あるいは、作業条件によってその比率が一定の場合もあるのではないかというようなことも含めて御議論をいただいてきております。そしてマル3のところにありますように、仮に吸入性粉じん粒子を測定評価の対象とするとした場合、そちらのほうが高い現場がどの程度あるのか、また、逆の場合として、粒子の大きいインハラブル粒子が多い現場もあろうかと思いますが、そういったところがどのような状況にあるのかということについて情報収集が必要という御指摘を受けております。
 管理濃度を引き下げるとした場合に、その影響ということもございますので、業界への聞き取りなども踏まえまして、「4 今後の進め方」として本日お諮りをするものです。上記論点マル3について以下の手順により現状把握を行い、その結果を踏まえて処置内容の検討を行いたいと考えておりますが、この部分について御意見をいただければと思います。
 マル1として、関係業界団体の協力を得てアンケート調査を行うというものです。ここで資料2「マンガン及びその化合物に関する調査票(案)」をごらんください。健康障害防止措置検討会のほうでは、各物質・各業界に対して規制をかけるとした場合に、どのような技術的困難さや御要望があるかということで、通例として調査をしていますけれども、それと同様にマンガンについても調査を行いたいというものです。
 ごらんいただきますと、質問1のところではマンガンを扱う業務として関連があるかどうかということで聞いております。ここでちょっと脱線といいますか、少し管理濃度から外れる部分ではあるのですが、小さい字で書いてあるところ、*1の2行下のところにマンガン及びその化合物については、塩基性酸化マンガンが現在対象外となっていると書いてございます。このことは労働安全衛生法施行令で決まっておりますが、その部分についても製造・取り扱いについて情報収集したいということで質問8を立てております。後ほどごらんいただきます。
 質問1のところで関連あり/なしについて御記入をいただいた後に、その下のほうの質問2として団体の概要、質問3のところで業界団体としての取り組みについて、通例的に書いていただきます。
 2ページに移りまして質問4、現在の事業者の取り組み状況ということで、現在、特定化学物質としてのマンガンに対していろいろ措置を講じていただいていると思いますけれども、その作業と措置の状況について概括的に情報を得たいということでございます。下のほうに保護具の使用状況などについて、あるいは測定の状況などについて聞く欄を設けております。
 3ページの質問5、作業環境管理に当たって考慮が必要な事項としております。ここのところが今回の調査に当たって最も把握したいと考えている部分です。作業環境測定の管理濃度を引き下げるということになりますと、例えば局所排気装置の増強であるとか、あるいは増強してどこまで達成できるのかといった点が出てまいりますし、それから非常に低濃度で管理する必要がある場合などには保護具の着用というようなことも視野に入ってまいります。そういったことから、今回、管理濃度の検討に当たって健康障害防止措置の検討も行わせていただきたいということで、このような形でお願いしているところですが、業界団体から聴取したい内容としては、具体的に、例えば管理濃度が引き下がった場合にどのような考慮を要する事項があるのか。例えば鉄鋼業などで炉の周りで作業をされているような場合に、一般的な作業環境測定でいきますと、かなり濃度が高い場合もあると聞いておりまして、そういった場合に通常の局所排気装置の設置ということや、マスクの着用といったところについて御要望があれば把握したいということでございます。
 それから、仮に管理濃度を引き下げるとした場合に、その管理濃度の引き下げに伴って何らかの措置を特例的に設けるような場合には、何らかの根拠となるような現状のデータが必要になろうかと思いますので、その部分について書いております。具体的には上の2行のところに書いてありますが、業界団体の立場から考慮の必要がある事項とその概要について御提案くださいということ。それから、その次に、考慮の必要がある作業の内容と、その作業に係る現在の作業環境測定結果、第一評価値と第二評価値の情報を御提供くださいとしております。
 見直しの予定幅としては、その下にございますように、吸入性粉じんで0.02mg/m3または総粉じんで0.1mg/m3に引き下げるというような場合にどうか。それを検討する場合に考慮を要する事項として情報を収集したいということです。できる限り事業所の皆様に具体的な作業内容を提示いただきたいと思っておりまして、下のところにちょっと細かいですが測定結果の情報を提供いただくようにお願いしています。
 次に、4ページをごらんください。質問6として、技術的課題及び措置導入の可能性。こちらは通常、措置検討会で調査するときに掲げているような事項ですけれども、局排が置けないといった技術的な課題があれば出していただくようにというものです。
 それから、質問7はその他の意見として、そのほかに御要望があれば出してくださいということで書いてございます。
 次に5ページ、質問8です。こちらは管理濃度等の検討と直接かかわりがあるわけではなくて、その先ということになりますが、現在、適用除外となっている塩基性酸化マンガンの製造・取り扱い状況について関係業界のほうで情報を持っていれば、どんな物質をどのような用途で使っていて、その作業量、1回の作業時間など、有害物ばく露作業報告の際にとれるような情報ということで少し情報を集めたいと考えております。
 ここで資料1の裏面に戻りまして、4番のマル1のアンケート調査です。こちらについてマル2の現状把握の部分で情報をいただいて、その情報をもとに評価対象を吸入性粒子とするかインハラブル粒子とするかの確認をしたいと思っております。マル3として管理濃度引き下げに伴って第三管理区分がふえてくるかもしれませんので、そういった場合の特化則上の措置の内容について御検討いただきたいと思っております。
 以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等があればお願いいたします。
○松村委員 産業安全技術協会の松村でございます。前回まで管理濃度委員会の委員としてこの問題に関与してまいりました。
 ここではマンガン及びその化合物ということですけれども、実際にそれにどのような種類があるかということについて、今まで余りケミカルな議論がなかったように思うのです。マンガンについて化学便覧で何種類ぐらい化合物があるか見てみたところ、60種類ぐらいありました。その中には水溶性のもの、不溶性のものがまざっておりました。ACGIHや欧州委員会が2つの基準を出しているということの理由が余りはっきり書かれていないので、こういう混乱になると思うのですが、例えばACGIHの中でもクロムの場合には、Water solubleのものは上部気道に影響があるので、その影響を考慮してインハラブルで評価し、不溶性のものについてはレスピラブルで基準値を考えると書いてあります。
 マンガンについても恐らく水溶性のものはそんなに細かい粒子になって舞うということが考えにくいかもしれない。それで、水溶性のものはとにかく粘膜に接触したところですぐに溶解して反応するということがあり得るだろうと考えますと、ここでは説明がなく、また確証はないのですけれども、恐らくマンガンの中でも水溶性のものはUpper respiratory tractの反応を考えてインハラブルで制御する。それから不溶性のもの、または金属など、そういうものは微粒子になって空気に浮遊するということもあり得るでしょうということ、また、肺胞の中で奥まで到達してそこで滞留するということがあるということを考えるとレスピラブルでとらなければいけない。そういうことが理由ならば考えられると私は理解しました。
 結局、水溶性のものを考えるときには、これはちょっと飛躍があるかもしれませんが、インハラブルで。それから、不溶性のものの場合にはレスピラブルで管理をするということはあり得るのではないかと思っております。
 そう考える理由が、インハラブルのものがそれほど毒性が出ないだろうという前回までの理解があったようですけれども、クロムの場合には鼻腔に接触したところでもう、クロムというのは革なめし剤に使うぐらいたんぱく質を変性させるので、鼻中隔穿孔というものが職業病で知られています。そういう反応があり得る。マンガンも非常に強い酸化剤ですし、そういう症例はないかもしれませんが、鼻腔に接触してそこで反応するということは、決してないがしろにはできないのではないかと思っております。
 最終的にどうしたらいいかということについては、現場でそれが水溶性か不溶性かということの判断が、60種類もあるとなかなかできないのかもしれないということで、このように対象物を特定しないで2段階の規制になっているのかなというのが私の理解です。
○小野座長 ありがとうございます。
 その点について、お願いいたします。
○寺島環境改善室室長補佐 水溶性、不溶性ということについて、なかなか直接的に書くのは難しいのですが、今、調査票を見ますと、水溶性か不溶性かの前に物質名自体を書いてもらう欄がちょっと足りないかなと思いますので、少し書いてもらうようにしたいと思います。
 マンガンについて、鉱物資源のマテリアルフロー等を見ますと、多くは金属の原料として使われており、また一部は顔料といったものにもあるようで、多くは不溶性ではないかとは思いますが、その部分も含めて業界の皆様のほうで主に使っているものがどういうものなのかということがわかるような調査票にしたいと思います。
○松村委員 よろしくお願いします。
○小野座長 ほかに、いかがでしょうか。マル1のアンケート調査だけではありませんけれども、今のように調査票にこういうところをつけ加えてほしいなど、御意見がありましたらお願いいたします。
○圓藤委員 資料2の3ページ、*2の後半に「吸入性粉じんで0.02mg/m3及び/又は総粉じんで0.1mg/m3」と書いてあるのですが、その前のところではACGIHに従うとするならば吸入性が0.02でインハラブルが0.1という言い方です。こちらはインハラブルになっていて、後ろのほうは総粉じんとなっているのは何か意味があるのでしょうか。
○寺島環境改善室室長補佐 特段、書き分けたわけではないので、一緒にしたほうがいいと思います。失礼いたしました。
○圓藤委員 それから、資料1ではACGIH、EC、吸入性、インハラブルという言い方がしてあって、下に用語の解説がありますので、使い分けはわかるのかもしれませんが、後ろの資料2だけが来ると、吸入性とは何かということが伝わるのだろうかと。ですから、定義を明確にしたほうがいいのではないかという気がします。
 それから、ここで議論していくのは、やはり吸入性かインハラブルか、どちらが適当なのか、あるいは両方なのかという議論ですので、その議論がわかるような質問にしないと、答えるほうはわからずに答えてしまうのではないかと思います。
 それから、変に日本語に訳してしまうと、吸入性もインハラブルも同じものと理解されてしまいますので、例えば粒径でもって定義を明確にしておくとか、何かしておいていただくほうが、答えるほうはわかるのではないかと思います。
○寺島環境改善室室長補佐 わかりました。
○小野座長 ありがとうございます。
○櫻井委員 今、インハラブルをACGIHがなぜ別立てで数値を勧告しているかということで、その勧告のサマリーを見てみますと、インハラブルの粒子は上気道、鼻や咽頭等に沈着したものが飲み込まれて消化管から吸収される部分が無視できないということと、もう一つは水溶性の大きなマンガン化合物については上気道から直接吸収されることもあるという、両方を考慮していると読めると思うのです。
 要するに、大きい粒子をたくさん飲み込むということは、腸管からの吸収を無視できないということを指摘されると、それは確かにあり得ることなのですが、ダイレクトにどの程度吸収されていて、それが実際にマンガンによる中枢神経障害を起こしたというような直接の根拠はACGIHは示していない。そこまでのデータはないということで、1対5という総合判断で、5倍まではほぼ等価とみなせるのではないかということで0.02と0.1と言っているという状況は一応は念頭に置いたほうがいいと思います。
○小野座長 ありがとうございます。
 そのあたり、リスク評価までまた戻るのかというような話にまで至る可能性をはらんではいるのですけれども、現状ではレスピラブルを中心として考えるのだけれども、その手前で一度アンケートをしてということについては皆様の御同意が得られれば、リスクについてはまだ検討の余地がもしかするとあるのかもしれませんが、今のところは今いただいたような御意見を含めてアンケート用紙を調整していただいて、それで進めていただくことになるかと思うのですけれども。
○中明委員 まず、これはどれくらいの期間でやるつもりですか。
○寺島環境改善室室長補佐 御了解がいただけましたら、所要の手続の中でやりまして、その上で業界にお願いをして1カ月程で。
○中明委員 そんなに短い時間でやるつもりですか。
○寺島環境改善室室長補佐 はい。手元にある情報を出していただくことを考えておりますので。
○中明委員 わかりました。
 今、圓藤委員と櫻井先生からもありましたが、3ページの現行の管理濃度云々というところ、これは必要ですか。まだ管理濃度は少なくとも0.2でいっているわけですよね。
○寺島環境改善室室長補佐 はい。
○中明委員 だから、それはそれで多分、扱っている方は企業としても知っていると思うのです。そこに新たにこういう0.02とかを出す必要があるのだろうかと。アンケートでとる分については、そこまではまだ必要はないのではないか。少なくともこの合同委員会では決めていないわけですからね。だから、そこまで出すのはどうかというのが、資料を見せていただいての私の感想です。そこの部分は、まだなくてもいいような気がするのです。
○小野座長 申しわけございません。
 私もその辺の経緯については、恐らくいろいろな有害性を考えると下げざるを得ないという前提はあるのだろうと思いますけれども、ただ、書かないと、なぜアンケートをするのかということになるだろうとお考えになって、事務局はそれを追加しているのではないかと思うのですが。
○名古屋委員 要するに、こういうふうに濃度が下がったときに現場がどのような対応をしなければいけないかということのためのアンケートなので、これがなかったらアンケートは書けないから、これはやはり必要だと私は思います。現状は何をやっていますかということですが、本来的に何が知りたいかといったら、現場でインハラブルを扱っているのが多いのか、それとも吸入性粉じんを扱っているのが多いのかを知りたい。また、濃度を下げたときに現状で現場ではどれだけの対策ができるのか、あるいはできない現場もあるのかということも入ってきて、措置検討委員会としては、濃度を下げることで現場にどのぐらいの負担がかかるかということがアンケートに全部入ってくるわけだから、アンケートはやはりやらないといけないのではないか。濃度を下げることを前提にした場合に現場でどういう対策をしてどういう措置をしたらいいのかという情報が欲しいのではないかと思うのです。
○寺島環境改善室室長補佐 3ページの*2のところには数字を一部しか書いておりませんけれども、この部分についてはこちらの客観的な資料に合わせる形で、今、こういう検討をしているということで少し書き直させていただくということでよろしいでしょうか。
○小野座長 先ほど圓藤委員からもありましたが、やはり必要な情報をきちんとつけた形でアンケートをするということで、もちろん下げたいという意向はあるけれども、下げるのですよということではなくて、こうこうこういう事情があって、調査をしてからでなければ対応がとれないと。サイエンティフィックなエビデンスが欲しいということを明確にした形でアンケートをしていただくということになるかと思います。
 大変申しわけないのですが、時間的に押していることもありまして、一旦ここで、この議論はおさめさせていただきまして、どうしてもやはりここが不足ではないかということがありましたら、事務局のほうに御連絡いただいて、事務局だけで決定できないという場合にはまた次の手段を考えていただく。そういうことで、一旦このマンガンについてはおさめさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○圓藤委員 総粉じんとして0.2であって、その0.2のところがインハラブルで0.1を超えているのかどうかはわからないわけです。だから、必ずしも下げるということにはならないのです。評価基準が変わるのであって、下がるところもあれば上がるところもあるだろうと思います。
○小野座長 そうですね。レスピラブルを導入したいのだけれども、今のこのストーリーですと、レスピラブルに完全に置きかえるというように変わってしまうので、それを始めるとまた今まで管理濃度委員会で御議論なさっていたところに戻ってしまうのだろうと思いますけれども、その辺についてもう一度、事務局のほうで御検討いただいて、場合によってはもう一度流していただくということもお考えいただかざるを得ないかなと思いますが、それでよろしくお願いいたします。
○名古屋委員 もう一点だけ。特化則のときの大きな粒径の定義がいつも総粉じんになっているのですが、総粉じんには総粉じんとしての定義があるので、総粉じんは使ってはいけないと思うのです。特化則では特化則としての吸入性粒子だとか、粉じんは粉じんで定義が全然違いますので、そこが混在する形ではなく、きちんと使い方を分けたほうがいいのではないかと思います。ここに粉じんが出てきたらおかしな話になってくるので、特化則の場合はやはりインハラブル粒子とかそういう形にしないとまずいのではないかと思います。総粉じんは総粉じんで定義があるから、特化則の定義に当てはまらないのはちょっと違うかなと思います。その辺もきちんと、特化は特化の定義をされてはどうでしょうか。
○小野座長 では、その辺の定義もどこかに書いていただいて。アンケートの説明部分がどんどん大きくなりそうな気はするのですが、そこは御検討いただくようお願いいたします。
○寺島環境改善室室長補佐 はい。
○小野座長 では、次に移らせていただきます。
 続きまして、29年度第4回検討会を受けた検討結果についてということで、事務局から説明をお願いいたします。
○小林中央労働衛生専門官 資料3と参考資料3でお配りしています石綿分析作業における発散抑制措置について御説明いたします。
 前回、健康障害防止措置検討会で検討した内容になっております。今回、管理濃度等検討会と合同開催ということですので、経緯から御説明させていただきます。
 まず、資料3をごらんください。「1 経緯」ですが、前回、第4回の健康障害防止措置検討会において事務局から石綿分析作業の関係の案をお示しし、意見をお伺いしたところです。ここには書いてありませんが、案としましては、石綿分析作業において局排やプッシュプルの排気口を屋内に設けてもよいのではないかという案をお示ししました。資料に戻りまして、その結果、石綿分析作業の発散源に設置する局排、プッシュプルについて、排気口からの石綿粉じんの排出防止措置を講じる場合は排気口を屋内に設けてもよいという事務局案について御了承いただきました。
 ただ、その際、その排出防止措置の内容について、さまざまな御意見をいただいたところです。
この検討結果を踏まえて先週金曜日に労働政策審議会に対し、改正案要綱を諮問したところ、妥当であるという答申を得ております。具体的に諮問した範囲としては、排出防止措置を講じた場合は屋内に排気口を設けられるという枠組みについて諮問して答申を得ております。
 こうした経緯を踏まえまして、今回、改正案における排出防止措置の具体的な内容に関し、前回の御意見を踏まえて修正を加えておりますので、御意見をいただきたいというのが今回の検討内容になります。
 「2 対応案」のところですが、石綿分析作業の局排、プッシュプルの排気口を屋内に設ける場合において講じるべき排気口からの石綿粉じんの排出防止措置の内容については、下記の(1)及び(2)のとおりとしてはどうかと考えております。
 (1)のところについては、まず、除じん装置をろ過方式とし、HEPAフィルターなど捕集効率が99.97%以上のろ過材とする。
 それから(2)が、その点検などの内容になっております。正常に除じんできていることを確認するため次の措置を講じるということで、1点目が局排などの設置時・移転時、それからフィルターの交換時に適切に捕集できているか確認すること。2点目は、1カ月に1回点検をすること。3点目は、総繊維数濃度を半年に1回計測し、管理濃度の10分の1を上回らないことを確認するということ。4点目として、これらで問題が認められた場合は直ちに補修をするという内容となっております。
 ここの点、特に(2)について多くの御意見をいただきまして、改めて整理をしたのが資料3の一連のつづりで最後につけております別紙2になります。委員の皆様にはA3に拡大してお配りしております。こちらの別紙2について少し御説明をさせていただきます。
 まず、上に表をつけておりますが、こちらは石綿則第22条に基づく定期自主検査の項目を上から並べておりまして、まず、上が除じん装置の関係を、イ~ホということで書いております。イが構造部分の点検。ロが装置内のじんあいの堆積状態。ハがろ材の関係。ニが処理能力。ホがその他となっております。局排やプッシュプルについても法定の項目をこちらに並べております。現行の屋外に排気する際の規定がどうなっているかというのが表の右側に行きまして、「現行(屋外排気)」と書いてあるところです。現状は年次の定期自主検査と隣にあります月次の点検を義務づけております。定期自主検査の項目は左側に書いてあるもので、全て義務づけております。
 月次の点検については、具体的な項目の定めまではありませんが、※7ということで、表の下の備考の1つ目の最後に※7がございます。除じん装置の月次点検での「点検する」というのは、関係装置について、石綿則の各条文、健康障害の予防措置に係る事項を中心に点検することを言いまして、その主な内容としては装置の主要部分の損傷、脱落、異常音等の異常の有無と、局所排気装置その他の排出処理のための装置等の効果の確認。これらが月次の点検内容になっております。
 表に戻りまして、一番右側が本件改正、今回の改正で考えております屋内排気のときの条件です。年に1回の定期自主検査と月に1回の点検については基本的に現行と同じ内容とするということで考えております。屋内に排気口を設ける場合は現行の屋外排気に加えて除じん装置の処理能力のところ、排気口から出ないための措置ということで、そこの点検を強化してはどうかと考えております。
 まず、半年に1回のとき、それから月に1回のとき、それから設置移転時、フィルター交換時について措置を追加する。半年に1回のところは※8ということで、このページの一番下のほうの備考3のところに参りますが、※8のところ、半年に1回については、石綿分析作業中に除じん装置の排気口において、総繊維数濃度の測定を行い、管理濃度の10分の1を上回らないことを確認するという内容にしております。それから※9ですが、局排などの設置・移転時、フィルターの交換時、月に1回の点検については、例えばマル1としてパーティクルカウンターによって排気口のところの粒子濃度を室内のバックグラウンドと比較する。またはマル2として、スモークテスターを逆側で焚いて排気口側に出てくる粉じんが検出されないことをデジタル粉じん計またはパーティクルカウンターで確認するなど除じん装置が適切に粉じんを捕集するかの点検を行うということを定めてはどうかと考えております。
 参考資料3に前回の御意見等と、前回の資料を参考につけさせていただいております。
 一点、補足があります。資料3に戻りまして、前回から主に変えたところです。今、別紙2で御説明しましたが、資料3の2の(2)の3点目、半年に1回の測定のところに※印を2つつけております。測定について具体的にするようにという御意見をいただきましたので、測定はろ過捕集方式及び計数方法によるということをお示ししたいと思っております。また、測定について技能を持った方にすべきということで、※印の2点目として、特に計数に当たっては技術を要するため、十分な経験及び必要な能力を有する者が望ましいということをお示ししたいと考えております。
 資料の御説明は以上です。
○小野座長 ありがとうございました。
 この件について御意見、御質問はございますか。
 一点だけ確認させてください。この横長のA3の紙の一番下に、確認の方法としてパーティクルカウンターを使う場合とスモークテスターを使う場合と2つありますが、これはそれぞれ、パーティクルカウンターのときには室内粒子で粉じん計のときにはスモークテスターでないと検知できないからということで、この2つの方法を採用しているという理解でよろしいでしょうか。
○小林中央労働衛生専門官 スモークテスターを焚くときはパーティクルカウンターでも可能ではありますが、あとはおっしゃるとおりです。
○小野座長 スモークテスターについてもいろいろ御意見があったようですが、それについてこの書きぶりで十分対応可能と考えてよろしいでしょうか。狭い室内でわざわざ焚いて、ろ過装置の精度を確認するというのが。粉じん計しかないという状況では、やはりこの方法をとらざるを得ないという理解でよろしいですか。
○小林中央労働衛生専門官 前回、御指摘が2つございまして、まず、スモークテスターは塩化水素を含むものしかないから危ないのではないかという御指摘と、それから研究室というか実験室のような狭いところになるので、なかなか焚くのが難しいのではないかという御指摘がありました。
 塩化水素の件は、今、塩化水素が含まれないものがありますので、その辺を明示しておりませんでしたが、塩化水素などを含まないものを用いるようにということで追記をしたいと思います。
 狭いところでという件については、マル1とマル2で両方列挙しているので、それは現場の実態に応じて適切なほうを選択いただくということで考えております。
○小野座長 わかりました。
 いかがでしょうか。
○唐沢委員 参考資料3の1枚目の下から2行目、「※作業環境測定士など一定の知見等を有する者が望ましい」ということで、第1種測定士資格があったほうがいいのではないかとか、次のページの1~2行目で石綿のクロスチェックのカテゴリー2でAかBと、そこまでいろいろ意見が出されたように承知しているのですが、結局は本日御説明があった資料3の1ページ目の「測定は、ろ過捕集方式及び計数方法による」ということと、それから2つ目の※印、「特に繊維数の計数は技術等を要するため、十分な経験及び必要な能力を有する者」という表現になるということですね。つまり、第1種測定士その他については明示しないということでしょうか。
○小林中央労働衛生専門官 本日の案では測定士の種別などまでは明示せず、特に計数について経験・能力が必要であるというところまで示そうかと考えております。クロスチェックなどの固有名詞までは現時点では示すことは考えていません。想定としてはクロスチェックのAランク、Bランクなどがあるとは理解しております。
○名古屋委員 多分、これを設置しているところは、ほとんど測定者がいないところなのです。1割もいないので、それを義務づけてしまうと動かなくなってしまう。資格がなくても計数も分析もできますので、これでいいのではないかと私は思います。
○唐沢委員 確認したかっただけですので。
○小野座長 よろしいでしょうか。
 そうしましたら、石綿に関しては、今、新たな意見はほとんどないように思ったのですけれども、皆さんの意見を改正内容に反映して最終としていただきたいと思います。
 次は酸化チタンに係る健康障害防止措置についてですが、こちらの検討に当たっては第3回検討会に引き続きまして関係団体からのヒアリングを行うこととなっております。本日の検討会では、日本酸化チタン工業会から非公開でのヒアリングを実施することにしておりますので、説明者の入室のため、ここで一旦休憩とさせていただきます。
 また、今、傍聴の皆様がお座りになっているところについて、椅子等の配置を変えませんと、後ろ側にあるスクリーンが見えません。会場の設営等もありますので、申しわけございませんが、一般傍聴の方には一旦退室をお願いいたします。
 次に再開しますのは、予定では4時からとなっております。今、3時50分ですので、10分ほど休憩をいただきまして、4時から次の議事に入れるようにしたいと思います。
 では、ここで一旦休憩とさせていただきます。
 
(休  憩)
※議題(3)非公開
 
○小野座長 それでは、次の議題に移ります。化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会及び管理濃度等検討会の今後のあり方について、事務局から御説明をお願いいたします。
○平川化学物質評価室長補佐 事務局より、資料5に沿って説明をさせていただきます。「化学物質に係る行政検討会の見直しについて」でございます。
 本日は化学物質の健康障害防止措置に係る検討会と管理濃度等検討会の合同開催という形をとらせていただいております。三酸化二アンチモンの特化則の追加においても作業環境測定について除外するかどうかといった議論などもありましたように、管理濃度等検討会の内容と化学物質の健康障害防止措置に係る検討会で議論すべき内容は密接にかかわっているところでございます。
 趣旨・目的のところでも書いておりますけれども、管理濃度の見直しの検討の際、発散抑制措置や保護具等も含めた検討の必要性が指摘される、検討内容に一部重複する部分が認められるということでございます。そういったことで一定の整理が必要となっていると考えております。
 このような状況を踏まえ、化学物質に係る議論をより効率的に進める観点から、今般、行政検討会の見直しを行うこととしたところでございます。
 現在の化学物質対策に係る行政検討会とその役割でございますけれども、主に5つの検討会がございます。
 (1)として、化学物質のリスク評価に係る企画検討会。こちらは化学物質のリスク評価の基本方針の検討、リスク評価対象物質の選定等を行うものでございます。
 (2)として、化学物質のリスク評価検討会。こちらは化学物質の有害性、労働者のばく露実態から、化学物質による労働者の健康障害リスクを評価し、健康障害防止措置の必要性を検討するということで、このリスク評価検討会の議論の結果、リスクが高いとされたものについては次の(3)の化学物質の健康障害防止措置に係る検討会で健康障害防止措置の検討を行うという一つのリスク評価の流れで今までは行っております。その、化学物質の健康障害防止措置に係る検討会と(4)の管理濃度等検討会の議論が密接にかかわり合い、さらに一部重複する部分もあるということでございます。
 最後に(5)で労働衛生課が所管する検討会として、特殊健康診断等に関する検討会もございます。このような体系の中で、化学物質による健康障害防止措置を議論しているところでございますが、(3)(4)の検討会については非常に密接に関わり合っており、さらに重複した議論等もなされるということもありますので、管理濃度等検討会については今後、化学物質の健康障害防止措置に係る検討会に統合してやっていきたいということを、現在考えているところでございます。
 事務局からは以上でございます。
○小野座長 ありがとうございました。
 本件について、委員の皆様から御意見はございますか。
○圓藤委員 両検討会が合体するほうが、作業が効率的になると思いますので、ぜひともその方向でお願いしたいと思います。
○小野座長 ほかには、いかがでしょうか。
○唐沢委員 開催回数はふえるのでしょうか。そこはどうですか。
○小野座長 今までリスク評価の側と措置とは結構離れた位置関係にいたように思うのです。要するに、上流で終わったものが措置に流れていっているというイメージです。今までは管理濃度等検討会がその途中にというか、流れとしては措置よりは上流側に管理濃度のほうがあって、措置に来ているというイメージだったのです。そういう意味で、リスク評価の側との関係性をどう持っていくのかというところで今後のあり方を考えるのですけれども、両方に入っていらっしゃる委員の先生もいらっしゃいますので、措置のほうでその辺をお聞きしたら、リスクのほうの考え方を教えていただける。きょうのマンガンでも、行ったり来たりというところがあったのですが、そういうところの整理の仕方を事務局のほうでもお考えいただけると議論が進みやすいかと思います。
○奥村化学物質対策課長 初年度はどうかわかりませんけれども、やがて合理的に、委員の皆さんに負担がないようなイメージでやってきたいと思っております。
○小野座長 ほかには、よろしいでしょうか。
 特に意見はないようですので、事務局で今後、所要の手続をよろしくお願いいたします。
 では、最後の議題になります。今後の予定について、事務局から説明をお願いいたします。
○磯崎化学物質審査専門官 これまで4回ほど酸化チタンに関するヒアリングを行ってまいりました。また、関係団体を対象にしたアンケートも実施しております。これらを踏まえて今後どのように進めるかについて、また御検討いただきたいと考えております。日程についてはまた別途、調整させていただきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
○小野座長 では、以上で第5回「化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会」及び第2回「管理濃度等検討会」を閉会いたします。
 どうもありがとうございました。